JP6986010B2 - タルボ型スペクトロメータに関する装置、システム及び方法 - Google Patents

タルボ型スペクトロメータに関する装置、システム及び方法 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、「MINIATURE SPECTROMETER BASED ON MID−FIELD DIFFRACTION IMAGING」と題する、2015年9月1日に出願された米国仮出願シリアル番号62/212,636号の下に優先権を主張しており、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、「MINIATURE SPECTROMETER BASED ON MID−FIELD DIFFRACTION IMAGING」と題する、2015年9月2日に出願された米国仮出願シリアル番号62/213,158号の下に優先権を主張しており、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、「MINIATURE,SUB−NANOMETER RESOLUTION TALBOT SPECTROMETER」と題する、2016年2月2日に出願された米国仮出願シリアル番号62/290,120号の下に優先権を主張しており、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
従来の自由空間光学スペクトロメータは通常、光周波数をファーフィールドにおいて分離するのに、例えば格子などの回折素子の分散特性に依拠している。しかしながら高いスペクトル分解能を達成するために、スペクトロメータは典型的には、極めて大きなサイズを有する、または入力光を空間的に絞る小さな入力開口を有する。したがって分解能と、サイズと、「集光能力」(これはエテンデュとも呼ばれ、開口の有効面積と開口数の2乗に比例する)の間に兼ね合いが生じる場合がある。
上記の制約を克服するための1つの方法は、オンチップスペクトロメータを利用することであり、これは数百ミクロンほどの横方向の寸法を有することがあり、かつ極めて高分解能である。但しこのようなオンチップスペクトロメータは、その小さな入力開口のために、低エテンデュを欠点として持つことがある。
別の方法は、多くのフィルタを使用して入力信号をスペクトル的に分解する。例えば狭帯域の共振フィルタを利用することで高い分解能を達成することができる、または広帯域のフィルタを利用し、かつスペクトル再構成技術を採用してフィルタの帯域幅より小さいフィーチャーを分解することができる。
従来式の回折スペクトロメータに関するスループットと分解能の兼ね合いに対処することができる3番目の手法は、小さい入力開口を、いわゆる「コード化された開口」によって置き換えることであり、これによりスループットを増加させることが可能になる。但しこの手法も通常、スペクトラムを構築するために逆計算の問題を解決することを含んでおり、これは複雑であり得る。
本明細書に記載される装置、システム及び方法は一般に非近軸領域におけるタルボ効果を利用するスペクトロメータに関する。一例において、スペクトロメータは、格子に直交する方向に沿って間隔を置いて複数のタルボ画像を形成するために入射放射を回折させるための格子を含む。格子は、入射放射の波長λよりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期dを有する。スペクトロメータはまた、複数のタルボ画像のうちの少なくとも一部を検出するために、格子に対して特定の角度で配設された検出器アレイを含む。
別の例では、スペクトル分析の方法は、複数のタルボ画像を生成するために入射放射を格子に透過させることを含む。格子は、入射放射の波長よりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期を有する。方法はまた、格子に対して傾斜させた検出器アレイによってタルボ画像を検出し、複数のタルボ画像に少なくとも幾分基づいて波長を推定することを含む。
さらに別の例では、スペクトロメータは、格子に直交する方向に沿って間隔を置いて複数のタルボ画像を形成するように入射放射を回折させるための格子を含む。格子は、入射放射の波長λよりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期dを有する。スペクトロメータはまた、複数のタルボ画像のうちの少なくとも一部を検出するために、格子に対して特定の角度で配設された検出器アレイを含む。検出器アレイは近位端と、遠位端とを有する。近位端は、格子から1mm以上離れておらず、遠位端は、格子から10mm以上離れていない。検出器アレイはまた、(2m+1)d/2にほぼ等しいピクセルピッチを有し、この場合mは、正の整数である。
上述の概念と、以下でより詳細に考察される追加の概念の全ての組み合わせは(そのような概念が互いに矛盾しないという条件で)、本明細書に開示される進歩的な主題の一部であるように意図されていることを理解すべきである。詳細には、本開示の終わりに見られるクレーム主張される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される進歩的な主題の一部であるように意図されている。参照により組み込まれる任意の開示の中に現れる場合もある、本明細書において明確に採用される専門用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味が与えるべきであることも理解すべきである。
当業者は、図面が主に例示の目的であり、本明細書に記載される進歩的な主題の範囲を限定することは意図されていないことを理解するであろう。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、一部の例では、本明細書に開示される進歩的な主題の種々の態様は、様々な特徴の理解を促進するために、図面に誇張されてまたは拡大されて示される場合もある。図面において、同様の参照符号は概ね、同様の特徴(例えば機能的に同様の及び/または構造的に同様の要素)を指している。
近軸限界外でタルボ効果を利用するスペクトロメータの上面図を示す。 近軸限界外でタルボ効果を利用するスペクトロメータの側面図を示す。 図1A及び図1Bに示されるスペクトロメータの写真である。 非近軸領域においてタルボ効果を利用するスペクトル分析の方法を示す。 一方向のバイナリ透過型格子及び検出器アレイを利用するスペクトロメータの斜視図を示す。 一方向のバイナリ透過型格子及び検出器アレイを利用するスペクトロメータの側面図を示す。 検出器の角度を関数とした、所与のピクセル長及び格子周期に関するタルボ型スペクトロメータの計算された分解能を示す。 検出器の角度を関数とした、所与のピクセル長及び格子周期に関するタルボ型スペクトロメータの計算された帯域幅を示す。 図3A及び図3Bに示されるタルボ型スペクトロメータにおける種々の分解能を達成するのに使用することができる、ピクセル長、検出器の角度及び帯域幅を含めたパラメータ設定を示す。 図3A及び図3Bに示されるタルボ型スペクトロメータにおける種々の分解能を達成するのに使用することができる、ピクセル長、検出器の角度及び帯域幅を含めたパラメータ設定を示す。 平行化された入射光に関して様々な受容角を有するタルボ型スペクトロメータの計算された性能を示す。 平行化された入射光に関して様々な受容角を有するタルボ型スペクトロメータの計算された性能を示す。 平行化された入射光に関して様々な受容角を有するタルボ型スペクトロメータの計算された性能を示す。 平行化された入射光に関して様々な受容角を有するタルボ型スペクトロメータの計算された性能を示す。 一定の範囲の分散角にわたる入射ビームの場合のタルボ型スペクトロメータに関して計算された分解能の限界を示す。 一定の範囲の分散角にわたる入射ビームの場合のタルボ型スペクトロメータに関して計算された分解能の限界を示す。 一定の範囲の分散角にわたる入射ビームの場合のタルボ型スペクトロメータに関して計算された分解能の限界を示す。 一定の範囲の分散角にわたる入射ビームの場合のタルボ型スペクトロメータに関して計算された分解能の限界を示す。 タルボ型スペクトロメータによって取得された実験結果のデータ処理を示す。 タルボ型スペクトロメータによって取得された実験結果のデータ処理を示す。 タルボ型スペクトロメータによって取得された実験結果のデータ処理を示す。 タルボ型スペクトロメータによって取得された実験結果のデータ処理を示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の種々の傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器アレイと格子の間の様々な傾斜角度においてタルボ型スペクトロメータによって取得される生画像、バンドパスフィルタを適用した画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトラを示す。 検出器と格子の間の傾斜角を関数としたタルボ型スペクトロメータの計算された実験による分解能を示す。 タルボ型スペクトロメータによって測定された10nmのステップサイズにおける780から950nm掃引されたチューナブルレーザ源のスペクトルを示す。 図11Aに示される測定された波長と、レーザ動作波長との比例関係を示すグラフを示す。 タルボ型スペクトロメータの分解能に対する入射光ビームにおける非干渉性の影響を調査するためのシミュレーションモデルを示す。 タルボ型スペクトロメータの分解能に対する入射光ビームにおける非干渉性の影響を調査するためのシミュレーションモデルを示す。 タルボ型スペクトロメータの分解能に対する入射光ビームにおける非干渉性の影響を調査するためのシミュレーションモデルを示す。 30°のカメラ傾斜角度を有するタルボ型スペクトロメータにおけるθ拡散と、φ拡散を関数として計算された有効分解能を示す。
非近軸領域におけるタルボ型スペクトロメータの作動
従来式のスペクトロメータにおける問題に対処するために、本明細書に記載される装置、システム及び方法は、透過型格子によって生成されるタルボ効果を利用して、透過型格子に入射光のスペクトル情報を再構成する。一例のタルボ型スペクトロメータは、入射光を受光するために透過型格子を含む。タルボ型スペクトロメータが近軸限界の外で作動することを可能にするために、透過型格子の格子周期は、対象の波長に匹敵する。透過型格子を通って透過された光は、周期的な回折パターン(この出願ではタルボ画像または自己像とも呼ばれる)を含む光照射野を形成する。タルボ型スペクトロメータはまた、様々な距離において光照射野を同時に測定することができる傾斜した検出器を含む。入射光のスペクトル情報は、測定した光照射野のフーリエ変換を利用することによって、または測定した回折パターンを、既知の波長を有する光源によって取得された強度パターンのライブラリと比較することによって計算することができる。
タルボ型スペクトロメータにおける検出器は、ミッドフィールドの回折パターンを測定するために透過型格子に極めて近づけて(例えば格子から10mm以上離れないで)配置されるため、全体のシステムを有意に小型化することができる。透過型格子と、検出器の間の距離が短いことによって、タルボ型スペクトロメータが、低い時間的干渉性でスペクトルを測定することを可能にすることもできる。換言すると、本明細書に記載されるスペクトロメータは、入射光の時間的干渉性の要件を緩和する。これに加えて、検出器のピクセルピッチは、タルボ画像を測定する効率を高めるために、格子周期の1/2の奇数倍数であるようにさらに構成することができる。
図1A及び図1Bは、非近軸領域で作動するタルボ型スペクトロメータ100のそれぞれ上面図と、側面図を示す。スペクトロメータ100は、入力ビーム101を受光するために格子110(例えば1Dバイナリ透過型格子)を含む。入力ビーム101は、例えば標的(光源とも呼ばれる)から放射される、散乱される、または拡散される場合がある。格子110による回折の際、入射光101は、複数のタルボ画像105(自己像105とも呼ばれる)を含む光照射野を形成する。格子110は、格子周期dを有し、その溝がy軸と整列され、入射光101がz軸に沿って伝播するように位置決めされる。タルボ画像105は、ミッドフィールド回折パターンで配置される。これに加えてタルボ画像105は、周期d(格子周期dと同じ)を有してx方向において周期的であり、y方向では一定であり、z方向では周期ZSIを有して周期的である。ピクセルピッチpを有する検出器アレイ120(例えば2D撮像装置)は、図1Bに示されるように、y軸に対して角度θdetでz軸に沿って傾斜される。検出器アレイ120は、タルボ画像105をz方向における種々の位置において標本化するために使用される。作業中、検出器120は、測定のためにピクセルの一部125のみを使用することができる。プロセッサ130が、検出器アレイ120に作動可能に結合されて、検出器120によって標本化されたタルボ画像105に基づいて入射光101のスペクトルを計算する。
図1Cは、図1A〜図1Bに示されるスペクトロメータ100の写真である。この装置が小型であることを示すために、比較のために25セント硬貨がスペクトロメータの脇に置かれている。スペクトロメータは、10mmx10mmx6mmの寸法を有し、サブナノメータ分解能を達成することができる。これとは対照的に既存のタルボ型スペクトロメータは通常、およそ20nmからおよそ50nmの分解能を有し、そのサイズは、ホログラフィックシステムにおける多くの光学素子に起因して、数10センチメートルもの大きさであり得る。自己像を検出器上で拡大するのにレンズが使用される場合、より小さいサイズ(例えばおよそ40mm)も可能である。
特定の理論に拘泥することなく、スペクトロメータ100の作動は、フレネルの回折原理を用いて理解することができる。当分野で理解されるように、格子120からのフレネル回折は、タルボ画像105の周期的パターンを生成することができ、これは観察可能であり、格子120のすぐ裏側から始まっている。自己撮像面の間の中間は、位相が反転した撮像面であり、ここで光と影の領域が交換される(例えば図1Aに示される点線を参照されたい)。したがって所定の位置の特定の地点(x、y)に関する強度は、格子120からz方向に離れるように移動するにつれて、明から暗に交互に並ぶことができる。特定の理論または作動の態様に拘泥することなく、このような繰り返しのパターンは、回折ビームからの干渉から生じる。近軸近似、d≫λを満たす脆弱な分散の格子の場合、自己像は、タルボ距離ZTだけ離れたタルボ画像面に現れる。
Figure 0006986010
(1)
この場合mは、干渉する回折次数に相当する整数であり、λは動作波長であり、dは回折格子の周期である。タルボ効果が観察され得る範囲の距離はW/tanφであり、この場合Wは格子120の幅であり、φは回折ビームの角度である。格子の後のこの距離を超える領域は通常、ファーフィールド領域と呼ばれ、ここでは回折ビームはもはや重ならない。
タルボ画像105の繰り返しのパターンは波長に反比例するため、タルボ画像105を使用してスペクトルの再構成を行うことができる。タルボ型スペクトロメータ100は、複数のタルボ画像面において同時に、格子110からの距離を関数として照射野の強度を測定することによってタルボ効果を利用することができる。入射光101のスペクトルはその後、周期的パターンのフーリエ変換を利用することによって再構成することができる。あるいは格子110からの距離を使用して波長を導き出すこともできる。
照射野を測定するために可動部品を利用することを避けるために、タルボパターンを構成するのに、デジタルホログラフィーが利用される場合がある、または傾斜した検出器(スペクトロメータ100において使用される際)を使用することで、様々な距離のところで照射野を同時に測定することができる。
図1A〜図1Bに示されるスペクトロメータ100は、可動部品なしで、z方向に沿った複数のタルボ画像面における回折パターン105の標本化を可能にする傾斜した検出器アレイ120を使用する。検出されたタルボパターン105の高速フーリエ変換(FFT)を行うことによってスペクトラムを得ることができる。z方向における各々のピクセルの長さは、zpix=psinθdetであり、撮像装置が及ぶzにおける全体の距離は、z_spec=Npixであり、この場合、Nは、撮像装置の一方向におけるピクセルの数である。zpix≪zである場合、ピクセルは、タルボ画像105を標本化するデルタ関数としてモデル化することができ、スペクトロメータの分解能及び波長スパンはそれぞれΔk=2π/zspecと、kT,max=π/zpixであり、この場合k=2π/zである。
所与の検出器アレイ120に関して、スペクトロメータ100の波長スパンと分解能の間には兼ね合いが存在する場合がある。一方で検出器アレイ120の傾斜角を拡大させることで、スペクトロメータの分解能を高めることができ、これは標本化される自己像の数が増加するためである。一方で傾斜角を拡大させることは、エイリアシングが生じる前に検出され得る最大波長を低下させる場合もあり、これは標本化の時間が増加するためである。
従来のタルボ型スペクトロメータは、近軸限界の下でのタルボ効果のみを利用しており、この場合格子周期dは、動作波長λよりかなり大きい(すなわちd≫λ)。これにより、格子の自己像の厳密な複製の取得を可能にすることができる。しかしながら近軸限界における作動は、結果として生じるスペクトロメータの最小サイズを制限する場合がある。近軸限界において、タルボ距離は通常、波長より少なくとも百倍大きい。FFTを利用するスペクトル再構成は通常、高いスペクトル分解能のために撮像装置によって標本化されるタルボ自己像の多くの周期を利用する。波長δλを別々に分解するために、撮像装置が標本化する最小距離は、フーリエ理論に従っておよそ2d/δλである。例えば格子周期d=10λであり、λ=500nmで動作するスペクトロメータは、1nmのスペクトル分解能を有するのに、少なくとも5cmの長さであり得る。
これとは対照的に、格子110は、動作波長λに匹敵する周期dを有し、すなわちd〜λであり、このケースでは、+1、0及び1回折次数のみにおいて有意に回折されるパワーが存在する。このようなケースは、本出願を通して非近軸領域と呼ばれる。タルボ画像105は、格子110のパターンの厳密な複製ではない場合がある。代わりにタルボ画像は、滑らかな正弦曲線を含んでおり(例えば図1Aを参照)、周期
Figure 0006986010
(2)
を有してzにおいて周期的に現れる。
非近軸領域におけるタルボ画像105は、−1及び/または+1回折ビームと0次回折ビームとの干渉から生じることができる。近軸限界において、式(2)は、式(1)におけるタルボ距離に簡約される。
波長は、
Figure 0006986010
(3)
より、自己像(zSI)の周期性から計算することができる。非近軸領域において作動する際、自己像の間の距離は、ほぼ波長の大きさであり、そのため匹敵する分解能のスペクトロメータは、百倍薄くなり得る。
非近軸のミッドフィールドタルボ型スペクトロメータの性能をさらに改善するために、検出器アレイ120を、例えばレンズなどの自由空間光学機器なしでタルボ画像105を分解するように構成することができる。一例において、検出器アレイ120のピクセルピッチpは、格子周期dの整数の倍数と異なる場合があり、すなわちp≠ndであり、この場合nは正の整数である。そうでなければ、検出器アレイ120が、自己撮像面と、位相が反転した自己撮像面における強度の差を検出することができない可能性があり、記録されるパターンは、zにおいて一定であり得る。別の例では、格子周期dの1/2の奇数倍数であるピクセルピッチpを利用することによってタルボ信号を増大させる、または最大にすることができ、すなわちp=(2m+1)d/2であり、この場合mは正の整数である。
上記の記載に基づいて、スペクトロメータ100における構成要素をこれに従って構成することができる。格子110周期dと、入射ビーム101の波長λの比が、スペクトロメータ100の領域を決定する(例えば近軸領域または非近軸領域)。一例において、比d/λは、およそ1からおよそ3であってよい(例えばおよそ1、およそ1.5、およそ2およそ2.5またはおよそ3、その間の任意の値及びサブレンジを含める)。別の例では、格子周期dは、回折作用をさらに高めるために波長λより小さい場合がある(例えばd/λは1未満、0.9未満、0.8未満、0.7未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満または0.3未満であってよく、その間の任意の値、及びサブレンジを含める)。
一例において、格子110は、格子110全体にわたって一定の周期dを有する。別の例では、格子110は、格子110にわたって変動する周期を有する場合もある。例えば格子110の周期は、格子の一端におけるdから格子の他端におけるdまで段階的に変化する場合がある。このような変動周期の格子(変動ピッチの格子とも呼ばれる)は、タルボ画像105を生成することに加えて、分散補償器としても機能し得る。
格子周期dの絶対値は、用途に固有であってよい。例えば医療用途の場合、スペクトロメータ100は、電磁スペクトルの可視及び近赤外波長(IR)領域内で機能することができ、そのため格子周期dは、およそ0.8μmからおよそ2μmまでであってよい。別の例では、スペクトロメータ100は、機械視覚に関する電磁スペクトルの短波長赤外(SWIR)領域において使用される際、格子周期dは、およそ1.2μmからおよそ4μmまでであってよい。実際には、格子周期dは、およそ0.5μmからおよそ5μmまでであってよい(例えばおよそ0.5μm、およそ0.8μm、およそ1.0μm、およそ1.2μm、およそ1.4μm、およそ1.6μm、およそ1.8μm、およそ2μm、およそ3μm、およそ4μmまたはおよそ5μmであり、その間の任意の値及びサブレンジを含む)。
格子110に対する検出器120の傾斜角θdetは、スペクトロメータ100の分解能に影響を与える可能性がある。一般に、より大きな傾斜角θdetは、スペクトロメータ100のより高い分解能につながる可能性がある(以下のより詳細な記載を参照されたい)。実際には、傾斜角θdetは、およそ10度からおよそ40度であってよい(例えばおよそ10度、およそ15度、およそ20度、およそ25度、およそ30度、およそ35度またはおよそ40度であり、その間の任意の値及びサブレンジを含む)。例えばピクセルピッチp(またはそれに応じたピクセルサイズ)が小さい場合(例えば1μm未満)、40度を超える傾斜角θdetを使用することもできる。
傾斜角θdetは、検出器アレイ120の全長Lを考慮して構成することができる。例えば傾斜角θdet及び検出器アレイ120の全長は、少なくとも1つのタルボ画像を標本化するために、検出器アレイ120がタルボ長zSI(式(2)を参照されたい)を超える、z方向に沿った(すなわちLsin(θdet))投影長さを有するように設置することができる。実際には、検出器アレイ120の投影長さは、タルボ長より少なくとも3倍大きくてよい(例えば3倍より大きい、4倍より大きい、5倍より大きい、8倍より大きい、10倍より大きい、12倍より大きい、20倍より大きい、50倍より大きい、100倍より大きい、または150倍より大きく、その間の任意の値及びサブレンジを含む)。換言すると、検出器アレイ120によって数百のタルボ画像を標本化することができる。
図1Bに示されるように、検出器アレイ120は、近位端122と、遠位端124とを有する。タルボ画像105は、格子110のすぐ後ろに現れる場合があるため、検出器アレイ120の近位端122は、格子110に極めて近接してよい(例えば2mm未満、1mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満または0.6mm未満であり、その間の任意の値及びサブレンジを含む)。検出器アレイ120の遠位端124は、格子110からおよそ15mm以上離れることはない(例えば15mm未満、12mm未満、10mm未満、9mm未満、8mm未満、7mm未満、6mm未満、5mm未満または4mm未満であり、その間の任意の値及びサブレンジを含む)。
図1Aに示されるタルボ画像105は、例示の目的で格子110に直交する方向(すなわちz方向)に沿って周期的である。実際には、タルボ画像105は、格子110に対する法線に沿って成分を有する任意の方向に沿って周期的であってよい。
スペクトロメータ100におけるプロセッサ130は、入射光101の波長(複数可)を推定するのに利用される。一例において、プロセッサ130は、測定したタルボ画像105のフーリエ変換を行うことで、入射光ビーム105のスペクトル情報を導き出すことができる。フーリエ変換は、1つの列に沿って測定された強度に対して行われる一次元高速フーリエ変換(1D−FFT)であってよい。2D撮像装置はまた、この撮像装置の複数の列からのスペクトルを平均化することによってノイズを削減する手段を提供する。
別の例では、プロセッサ130は、検出されたタルボ画像を、既知の範囲の波長に関して予測される強度パターンのライブラリと比較することによるトレーニングモデルを利用して入射光ビーム101のスペクトル情報を計算することができる。予測される強度パターンのライブラリは、較正プロセスを通して作成することができる。この較正プロセスにおいて、特定の範囲の既知の波長(例えばλ、λ、・・・λまで)の光ビームが格子110を照らし、対応する強度パターン(例えばI、I、・・・Iまで)を検出器120によって記録することができる。スペクトロメータ100の作動中、既知の波長における光ビーム101が格子110を照らす際、記録されるパターンIukがパターンのシーケンス(I、I、・・・Iまで)と比較されて、どの波長(λ、λ、・・・λまで)が同様のパターンを生成するかを判定することができる。あるいはこのようなライブラリと、未知の光源からのスペクトロメータ100の反応を仮定すると、逆行列問題を解くことによって光源の分光組成を判定することができる。ライブラリの成分は、確実に分解されるために互いに対して少なくとも幾分直交してよい。
タルボ画像を用いるスペクトル分析の方法
図2は、タルボ画像を用いるスペクトル分析のための方法200を示している。方法200におけるステップ210において、入射放射が、入射放射のスペクトル成分の少なくとも1つの波長λに匹敵する格子周期dを有する非近軸格子を照らす。例えば格子周期dと波長λの比(すなわちd/λ)は、およそ1からおよそ3である、または上に記載した任意の他の範囲であってよい。格子の回折は、z方向に沿って格子の後に周期的に配置される複数のタルボ画像を生成する。
方法200のステップ220において、検出器は、z方向に沿った様々な位置でタルボ画像を標本化する。一例では、検出器は、格子に対してほぼ平行であってよく、格子の後ろの一カ所で1つのタルボ画像を測定することができる。タルボ画像を標本化するために、可動ステージを利用して検出器をz方向に沿って移動させることができる(例えば図3Bを参照されたい)。別の例では、検出器を格子に対して傾斜させることによって(例えば図1Bを参照されたい)、検出器がz方向に沿った様々な位置でタルボ画像を標本化する場合もある。このような構成は、可動ステージなしで機能することができ、これによりシステムの複雑さをさらに低下させることができる。
方法200のステップ230において、プロセッサは、ステップ220において取得したタルボ画像に基づいて入射放射のスペクトル情報(ピーク波長またはスペクトル密度など)を推定する。一例において、プロセッサは、1D−FFTを行うことでスペクトル情報を導き出すことができる。別の例では、プロセッサは、タルボ画像を予測される強度パターンのライブラリと比較することで、入射放射におけるスペクトル成分の波長(複数可)を判定することができる。
非近軸領域におけるタルボ型スペクトロメータの性能の分析
図3A及び図3Bはそれぞれ、ミッドフィールド回折パターンでタルボ画像305を生成するためにバイナリ1D透過型格子310を含む分光システム300の斜視図と、側面図を示す。格子310の溝は、y方向に沿っており、タルボ画像304は、z方向に沿って周期的である。検出器320は、z方向に沿った様々な位置でタルボ画像305を標本化するために格子310に対して特定の角度で配置される。検出器320は、作動装置325によってx方向を中心として回転させることができ、これにより、傾斜角を関数としたスペクトロメータの性能の分析が可能になる。別の例では、作動装置325はまた、可動ステージ(平行移動ステージとも呼ばれる)を含むことで、検出器320をz方向に移動させる場合もある。システム300を使用して、非近軸領域において作動するタルボ型スペクトロメータの性能に対する他のパラメータ、例えば格子の周期性、傾斜角及び光ビームの入射角などの影響を調査することもできる。
格子の周期性
1D透過型格子310の裏側にタルボ画像305を含むミッドフィールドパターンが図3Bに示されている。タルボ距離毎に生じる自己像305は、高い強度ラインと、低い強度ラインが交互になる縞として現れ、これは格子310の歯に相当する。自己像の各々の間には、位相が反転した自己像があり、これは反転した高い強度ラインと低い強度ラインとを有する。したがってタルボの周期性を測定する場合、xに沿った1つの地点のみを見るだけで、伝播距離zに伴って強度がどのように変化するかを観察することができる。
特定の理論に拘泥することなく、格子の周期性dの格子の裏側の照射野は、タルボ効果のレーリー卿の近似法を利用して、
Figure 0006986010
(4)
のように表すことができ、この場合Aは、m=0回折次数の回折効率であり、Aは、1、−1回折次数の回折効率である。
ピクセル長pを有する正方ピクセルによって検出されるパワーは、
Figure 0006986010
(5)
によって与えられると仮定することができる。タルボ距離に関する情報を提供するこの式の項は、cos(2πz/z)項である。
z=zにおいて、検出されるタルボ効果のパワーとピクセル長pの関係は、
Figure 0006986010
(6)
である。この式は、検出器がx及びy方向において有することができるz依存を無視していることに留意されたい。このz依存は、z=z+xtan(θdet)またはz=z+ytan(θdet)を利用して考慮することができ、この場合、θdetは、検出器320がx及び/またはy軸に対して傾斜される角度である。
一例において、x方向において検出器に沿ってコントラストを分析する場合、検出器は、透過型格子に対して平行であってよく(θdet=0)、式(5)は、この目的に関して十分であり得る。
まず、自己像がx=p/2+mpであり、この場合mは任意の整数であるようにピクセル上の中心に置かれると仮定する。次にピクセル幅pが格子の周期性dの1/2の奇数倍数である場合、このとき、タルボ自己像を測定するピクセルは、n個のピークと、n−1個のゼロを見ることができ、反転した自己像を測定するピクセルは、n−1個のピークとn個のゼロを見ることができる。これは、自己像からのピークがピクセルの中心に置かれると仮定することに留意されたい。対照的にピクセル幅が格子の周期性の倍数である場合、各々のピクセルはn個のピークと、n個のゼロを見ることができる。結果として、各々のピクセルによって検出される強度は同一であるように見えてよく、タルボ距離は全く測定されない場合がある。
一例において、n=1に設定することで、ピクセル幅は格子の周期性の1/2であり、各々のピクセルが1つのピークまたはゼロを測定することが有利であり得る。しかしながら格子310が、800nmより長い波長に関して伝播するゼロ及び第1回折次数のみを有する場合、格子の周期性は最大で1600nmであり得る。各々のピークまたはゼロの幅は、およそ800nmであってよく、対応する検出器320のピクセルピッチはおよそちょうど800nmであり、これは作製するのが難題である可能性がある。
別の例では、n=2を設定し、1つのピクセルに対して自己像の1.5周期を適合させることができる。これは、最大でも2400nmのピクセル幅に相当してよく、これは現行のCMOS検出器における妥当なサイズである。
例えばタルボ効果の振幅を拡大するために、画像センサをx方向に移動させるなどによって、xにわたって(すなわちタルボパターンからの撮像装置ピクセルの偏位)優れた制御を有することも有利であり得る。一方で、xに関わらず、pがdの整数の倍数である場合、タルボ効果を観察することは難しい問題であり得る。p≠m(d/2)であり、この場合mが任意の整数であるケースでは、タルボ効果の測定される振幅は、検出器にわたって変動する場合がある。これは検出器に対する格子の位置の正確な制御が面倒である、または得られない場合に有利であってよく、その理由は、それが、一部の信号を検出することができることを保証することができるためである。
格子310とピクセルの周期性の間に所望される関係が得られない場合、格子310を入射ビームに対して回転させることで、有効な格子の周期性をdcosθまで低下させることができるが、これは格子の回折効率を変える場合がある。
検出器の傾斜方向
一例において、検出器320は、格子310の歯に対して平行に傾斜させることができる。別の例では、検出器320は、格子310の歯に直交するように傾斜させることができる。システム300の性能をさらに改善させるために、これら2つの構成の違いを研究することは有益であり得る。
図3Aにおいて、格子310の歯は、y軸にそって垂直方向に配向されており、検出器320は、x軸を中心として回転されて、各々の列に沿ったタルボ距離と、各々の行に沿った格子の周期性とを標本化する。検出器320が代わりにy軸の周りで傾斜された場合、この場合検出器は、各々の行に沿ってタルボ距離と、格子の周期性を同時に標本化するが、情報は各々の列に沿って全く収集されない。したがって、タルボ距離における強度が独立して標本化され、そのようなケースでは、計算を簡素化することができるため、最初の選択肢がより魅力的であり得る。
一例において、検出器320はx軸を中心として回転され、その後検出器320のy軸は、z=ytanθdetにおいてミッドフィールド回折パターンを標本化することができる。psinθdet<<zの場合、測定されたタルボ信号のコントラストは、先のセクションにおいて導き出されたコントラストに匹敵し得る。検出器の傾斜が大きくなるにつれて、コントラストは小さくなる。psinθdet=zの場合、コントラストはゼロであり得る。
別の例において、検出器320はy軸を中心として回転され、その後検出器320は、ラインsに沿ってミッドフィールド回折パターンを標本化することができ、この場合s=xcosθdet=zsinθdetである。したがってθdet=0の場合、検出器はx軸のみに沿って標本化することができ、θdet=90°の場合、検出器はz軸のみに沿って標本化することができる。xにおける有効なピクセル長はこの場合、peff=pcosθdetである。
このような傾斜によって、光照射野のピークとゼロが、ピクセルの特定の行に沿って1つのピクセルに相当することを可能にし、これにより検出されたタルボ信号を増大させることができる。例えば各々のピクセルに関して検出器320のところで光照射野にわたって統合することによって(この場合z=xtanθdetである)、検出器320の傾斜に応じて、信号のコントラストが相対的に大きな傾斜において増大し得ることを見ることができる。しかしながらθdetが0度または90度に近くない限り、検出器において測定される信号は、タルボ距離を関数として明らかに周期的にならない場合がある(この分析はまた、拡大された傾斜角において、場合によって低下する検出器の効率を考慮に入れていない)。
タルボ型スペクトロメータの分解能
上に記載したように、フーリエ変換を利用して、スペクトル情報を判定することができ、このようなケースでは、スペクトロメータ300の分解能は、検出器320が標本化する周期の数に左右される場合がある。スペクトロメータ300の帯域幅は、標本化の周波数に左右される場合があり、これは検出器320のピクセルピッチによって近似値を求めることができる。
検出器320は、デルタ関数の有限級数としてモデル化することができる。デルタ関数の間隔は、有効ピクセルピッチaに相当し、級数の長さは、ピクセルの数Nまたは検出器の長さによって決められる。このモデルは、大きな矩形関数が掛けられた一連のデルタ関数として表すことができる。フーリエ空間において、システムは、狭いsinc関数によって畳み込まれる間隔2π/aを有する一連のデルタ関数である(各々のピクセルの有限範囲は、ピクセルの有効面積がそのピッチに対して十分に小さければ無視され得る、フーリエドメイン内にsincに似たアポダイゼーションを生成する)。標本化窓は、検出器320の全体の長さであってよい。スペクトル分解能を判定することができるパラメータは、標本化窓の全体の長さ(または格子に対して垂直の方向に沿った撮像装置の長さ)と、フーリエドメイン内での標本化窓に対応付けられたsinc関数である。この標本化窓は、タルボ距離と比較して、極めて大きくてよい。
作動中、検出器320上の信号は、タルボ距離ZTを有する。この信号は、リアルな空間において検出器320に対して増倍され、そのためそれは、フーリエ空間内の検出器320と共に畳み込まれる。フーリエ空間内のπ/aからπ/aまでの1つの周期を考えると、搬送周波数k=±2π/ZTにおいて2つのsinc関数が見られることが予測される。システムの帯域幅は、エイリアシングを回避するためにkT=π/aとして定義することができ、この作用の分解能は、sinc関数の幅によって判定することができる。
レーリー基準によると、次の分解可能なピークはsinc関数のゼロのところにある。N個の離散要素を有する中心にあるボックスの離散時間フーリエ変換(DTFT)は、sin(Ω(N/2+1/2))/sin(Ω/2)であり、この場合Ω=ωaである。したがってsincは、ω(N/2+1/2)=π/aにおいてゼロを有し、検出器320の各々の列におけるピクセルの数の関数である。
有効ピクセル長は、z方向におけるピクセルの長さとして定義することができ、psin(θ)と等しく、この場合pは実際のピクセル長であり、θは、検出器320が垂直軸から傾斜される角度である。したがって分解能は、
Figure 0006986010
(7)
である。
また帯域幅は、
Figure 0006986010
(8)
である。
d≫λであり、dが格子310の周期であることを思い起こすと、近似z=2d/λを行うことができる。このようなケースでは、波長分解能は、
Figure 0006986010
(9)
である。
最小の分解可能なフィーチャーは、pの増加に伴って低下するように思われるため、大きなピクセルサイズが望ましい場合がある。より長いピクセルサイズは、システム300がタルボ効果のより多くの周期を標本化することを可能にし得るため、これは道理にかなっている。しかしながらピクセルピッチpは、格子周期dによって制限される場合があり、格子周期dは、今度は動作波長λに左右される。非近軸領域において、格子周期dは、動作波長λに匹敵し、分解能は、数値的に解明することができる。
図4A〜図4Bは、検出器の角度を関数とした、所与のピクセル長pと、格子周期dに関するタルボ型スペクトロメータの計算された分解能と帯域幅とを示す。これに加えて、帯域幅を近似なしで分析により解明することができる。
Figure 0006986010
(10)
サブナノメータ分解能をシステム300において容易に達成することができることを見ることができる。2μmを超える帯域幅もまた実用的であり、これによりシステム300の電磁スペクトルの可視赤外放射域におけるスペクトル分析を含む種々の用途での利用を可能にする。
幾何学的議論を利用して、長さL及び幅Wの検出器に適合する格子サイズを決定することもできる。+1、0及び−1回折次数が重なる際、タルボ自己像305が生じる。但し、+1及び0回折次数が存在する、または−1及び0回折次数が存在するいずれかの場合、タルボ距離の測定はより確実なものになり得るが、信号の強度は、より脆弱になる可能性がある。
最小格子サイズは、タルボ効果が検出器320の最も遠い地点においてちょうど終わるようなサイズとして規定することができる。このようなケースでは、格子サイズは、G=2Lsin(θ)tan(θdiff)であり、この場合θdiffは、ファーフィールド回折角である。理想的な格子サイズは、検出器320全体が、+1、0及び−1回折次数が全て存在する領域内にあるようなサイズとして規定することができる。このようなケースでは、格子サイズは、G=2(Lsinθ+W/(2tanθdiff))tanθdiffである。格子の最小の高さは、Lcosθであるが、実際には、エッジ効果を避けるためにこれより大きい場合がある。
このような種々の制約式を用いて、特定の分解能を得るためのパラメータを判定することができる。ピクセル長及び格子周期は、最適な性能のために緊密に関連しているため、全ての制約は、ピクセル長の観点で表すことができる。
図5Aは、異なる分解能を達成するためにピクセルピッチを検出器の傾斜に関連付ける曲線を示す。格子の周期性は、d=2/3pであると推定される。図5Bは、このような分解能を達成するためのパラメータを有するシステムの対応する帯域幅を示す。dとGの所与の関係に関して、より小さなピクセルサイズを有する検出器を使用してより高い分解能を達成することができることを見ることができる。
タルボ効果の一般化
上記の分析は、その理想の形態(例えば平面波入射、対称のバイナリ格子)においてタルボ効果を利用する。非対称格子及び角感度などの実際の考慮すべき事柄を含め、タルボ効果の強靭さを調査することは有益であり得る。
非対称格子
各々の回折次数の回折効率mは、Aによって提供することができる。非対称格子の場合、A≠A-1である。3つの回折次数が干渉する格子の背後の照射野は、
Figure 0006986010
(11)
である。
照射野の振幅Amが実際であると仮定すると、照射野の強度は、
Figure 0006986010
(12)
である。
照射野の強度は、zにおいてなおも周期的であり、zの周期を伴う。上記で考察した対称的な格子の場合(この場合A=A-1である)、自己像は、一定の横方向の位置に留まる。一方で完全に非対称の格子の場合、この場合A(またはA-1)は、ゼロであり、他方の項はゼロ以外であり、自己像は、それらがz方向に伝播するにつれてx方向にシフトする。
1=A +A +A-1 という制約を伴って、コサイン項を最大化するためには、A=A-1=1/2である限り、Aは1/√2であってよい。コサインの振幅はこのとき√2であり、サイン項は0になる。DC項は1に等しく、そのためDCバックグラウンドに対するタルボ効果の比は√2である。これを達成するには、完全なコサイン格子が望ましい場合がある。
サイン項を最大化するために、A=1/√2、及びA=1/√2、及びA-1=0を有する完全に非対称の格子が有益であり得る(AとA-1は相互に入れ替え可能である)。これは、コサイン項が、1の振幅を有し、サイン項が1の振幅を有することを意味している。DC項もまた1に等しい。したがってタルボ効果から測定された信号は、最適な対称的な格子を伴う場合により大きくなり得る。しかしながら最適化されない回折格子を仮定すると、回折効果は、入射の角度に応じて変化し得る。タルボ信号は、ビームに対する角度の向きを調節することによって改善することができる。
角感度
タルボ効果に関する上記の分析は、入射光が完璧な平面波であると仮定している。実際には、光源は完全に平行化されない場合もあり、そのためビームの角度付きの拡散に対するタルボ効果の感度を調査することが有益であり得る。特定の理論に拘泥することなく、タルボ効果のレーリー卿の定理の展開からの洞察は、自己像が0番目の回折次数ビームの方向に向いていることを示唆している。これは、格子において位相exp(-jφ)を適用することによってシミュレートすることができ、この場合φは入射の角度である。このシミュレーションは、自己像を特定の角度で傾斜させることができることを示している。より高い回折次数を有する領域では、自己像の内のテクスチャ組織を観察することができる。
k−空間(すなわち波数ベクトル空間)において、回折媒質において伝播するビームに関するkの成分の有効な組み合わせは、球体の表面によって表すことができ、その原点は伝播するkベクトルの値に位置決めされる。例えばビームが
Figure 0006986010
で伝播する場合、このときその原点は、x=0、y=0及びz=-kである。簡素化するために、2Dシステムを考慮することができる。近軸近似において、kの有効な解は、放物線によって表される。
格子は、伝播するビームが有することができるk値に対して制約を与える。結果として、ビームは特定のkを有することができ、これは実際にタルボ距離に相当する。しかしながら格子に対して角度を成す入射のビームの場合、円の原点は、別の場所であってよく、同一のk制約は、回折ビームがkに関して2つの異なる値を有するようにすることができる。入射ビームが特定の範囲の角度を有する場合、回折ビームは、特定の範囲のkを有することができ、そのためタルボ画像は一緒になってぼやけ始める場合があり、これによりミッドフィールド回折パターンから何らかの情報を引き出すことを難しくする。
平行化されない光源を有するシステムの挙動をよりよく理解するために、格子が特定の受容角を有するように任意の距離だけ離れた点光源によって格子を照らすことができる(例えばシミュレーションにおいて)。受容角は、格子の縁部に対して点光源が形成する通常の入射からの角度として規定することができる。光源が小さく、そのため反応が1つの点光源によって表される場合があることをさらに想定することができる。小さな受容角の場合、複数の点光源を有することは、検出されるパターンに大きく影響を与えることはないことがわかるが、これは、格子の位相面が、各々の点光源に関してほとんど同一であるように見えるためである。
図6A〜図6Dは、およそ2〜5度の異なる受容角を有するタルボ型スペクトロメータの計算された性能を示している。図6Aは、10度の受容角を有する格子の場合のタルボ自己像の拡大撮影した画像を示す。このレベルでは、目によってすぐに明らかになる違いはない。図6Bから図6Dは、0度、4度及び10度の受容角を想定するシミュレートされた回折パターンのFFTを示している。
図7A〜図7Dは、タルボ型スペクトロメータにおいておよそ2〜5度の分散角を有する平行化されない入射光ビームに関する計算された分解能の限界を示す。図7Aは、10度の受容角を有する格子の場合のタルボ自己像の拡大撮影した画像を示す。自己像のはっきりとしたゆがみの形成が目に見える。図7Bは、様々な受容角を有するN=500(すなわち周期の数)の格子に関する分解能を示す。このデータは、格子の中心付近の1つの列のピクセルのフーリエ変換から取得される。図7Cは、格子及び検出器のサイズを関数とした分解能の限界を示す。図7Dは、格子サイズを関数とした分解能の限界を示す。同一地点では、分解能は、格子のサイズによってもはや決められるのではなく、代わりに受容角によって決められることを示している。
図6A〜図6D及び図7A〜図7Dから、受容角が増大すると、波長ピークの幅が増大し得ることを見ることができる。詳細には、ピークは、より短い波長に向かって広くなる傾向がある。検出器の面全体のFFT画像は、球面波からの反応が明確に規定されることを示している。したがって、画像を修正することで、球面の位相面を取り除き、これによりFFT信号のピーク幅を縮小することが可能であり得る。
非近軸領域におけるタルボ型スペクトロメータの実験に基づく調査
非近軸領域におけるタルボ型スペクトロメータの実験に基づく調査は、2つのタルボ型スペクトロメータを利用する。第1のスペクトロメータは、格子周期d=1.6077ミクロンを有する透過型位相格子(例えばIbsen Photonicsによって製造される)を含む。検出器は、ピクセルピッチp=2.2ミクロンを有するモノクロームCMOS撮像センサ(例えばAptina MT9P031)を含む。検出器は、2592×1944ピクセルと、5.70mm(H)×4.28mm(V)の有効撮像装置サイズを有する。検出器の頂部は、マイクロレンズアレイであり、ガラス窓によって保護されている。検出器はまた、撮像ソースからの読み取りボードを含む。
第2のスペクトロメータは、格子周期d=1.035ミクロンを有する透過型格子(例えばこれもまたIbsen Photonicsからの)を利用する。検出器は、ピクセルピッチp=1.67ミクロンを有するモノクロームCMOS撮像センサ(例えばAptina MT9J003)を含む。検出器は、3872×2764ピクセルと、6.440mm(H)×4.616mm(V)の有効撮像装置サイズを有する。上に記載したように、タルボ信号は、1.11ミクロンの周期を有する格子の場合に最大であってよく、0.835または1.67ミクロンの周期を有する格子の場合、タルボ信号は全く検出されない場合がある。この第2のスペクトロメータは、以下に記載するようにサブナノメータの分解能を達成する。
2つのケースにおいて、チューナブルTi:サファイアレーザまたは固定波長レーザが、単一モードファイバに結合され、平行化された出力が、10×ビームエクスパンダ(例えばThorlabs GBE10−B)に通される。最終的な平行化されたビームは、直径が3cmを上回り、格子に対して垂直に入射する。撮像される領域がタルボ区域内であることを保証するために、撮像装置の一方の縁部は、格子にかろうじて触れるように位置決めされる。イメージセンサの最も遠い地点は、格子表面の頂部から6mm未満であってよい。
図8A〜図8Dは、第1のスペクトロメータを利用して取得した実験結果のデータ処理を例示している。図8Aは、818.20nmの波長で検出器から取得した画像を示している。検出器は、格子に対して45度の傾斜で配置される。上部左手の角にある三角形は、全ての3つの回折次数が存在する領域である。それはまたタルボ効果が存在する領域でもある。図8Bは、検出器の各々の列(または図8Aに示される画像の行)に沿って取得した1D−FFTの結果を示している。およそ1300nmの波長に相当するラインが、画像の上部半分に現れており、ここにタルボ自己像が存在する。図8Cは、検出器の全ての列にわたる1D−FFTデータの平均値を示している。図8Dは、この周波数ドメインにおいて非対称性を見せる画像の2D−FFTを示す。2D−FFT画像におけるピーク特徴は、1D−FFT画像上にマップする。
図8A〜図8Dに示されるように、取得したタルボ画像の分析は、各々の検出器の列の1DFFTを含むことができ、その後全ての列の平均値を採ることで、1DFFT信号におけるノイズを削減することができる。FFTデータのx軸をkからλに変換するために、式(13)を使用することができる。
Figure 0006986010
(13)
高速フーリエ変換を画像の各々の列に沿って採用する際、ピークを入射光の波長に対応するように特定することができる。測定される波長の分解能は、検出器の角度と共に増大するが、これは検出器がタルボ効果のより多くの周期を標本化することが可能になるためである。
図9A〜図9Lは、異なる角度で傾斜した検出器を有する第2のスペクトロメータ(d=1.035ミクロン、p=1.67ミクロン)を利用した、生画像、バンドパスフィルタ後のフィルタ画像、シミュレートされた画像及び対応するスペクトルを示す。図9A〜図9Dは、6度傾斜された検出器による、生画像(図9A)、バンドパスフィルタ後の画像(図9B)、シミュレートされた画像(図9C)、及び対応するスペクトル(図9D;100列のサブセクションについて取得された)を示す。図9E〜図9Hは、12度傾斜された検出器による、生画像(図9E)、バンドパスフィルタ後の画像(図9F)、シミュレートされた画像(図9G)及び対応するスペクトル(図9H)を示す。図9I〜図9Lは、21度傾斜された検出器による、生画像(図9I)、バンドパスフィルタ後の画像(図9J)、シミュレートされた画像(図9K)及び対応するスペクトル(図9L)を示す。動作波長は、830.15nmである。矢印はメインピークを指している。画像中で、x及びz軸は、行及び列にそれぞれ沿っている。
図9A、図9E及び図9Iは、生画像における自画像の周期的パターンを示す。簡素なバンドパスフィルタを適用して、画像の2Dフーリエ変換における主要な周波数成分を隔離した後、図9B、図9F及び図9Jにおいて自己像をはっきりと見ることができる。バンドパスフィルタは、DCバックグラウンド成分、及び撮像装置自体における望ましくない人工物から生じる場合のある偽ピークを除去することができる。示される全ての画像は、画像全体の50ピクセルx50ピクセルのサブセクションである。
図9D、図9H及び図9Lに示されるスペクトルを得るために、フルレングスの画像の100列のサブセクションを使用して、フーリエ変換を実行する。撮像装置の異なる列に関してピークの中心周波数にはわずかなずれが存在しており、これは入力の波面収差によって、または撮像用途に関する主光線角度補正のために撮像装置にわたる不均一なマイクロレンズアレイによって生じる可能性がある。信号の1D FFTが、このサブセクションにおける各々の検出器の列に沿って取得され、その後FFTのマグニチュードの平均値が取得されてノイズを削減する。
図9A〜図9Lにおける実験結果は、理論上のモデルと概ね一致する。図9D、図9H及び図9Lに示されるスペクトルは各々2つのメインピークを含んでおり、これらは、この実験において撮像されたパターンの回転によって説明されてよい。回折パターンは、cos(ax)cos(bz)の形態である。撮像装置が小さな角度φだけ回転される状況下では、照射野の画像はこのとき、z方向に2つの空間周波数を呈する、すなわちb(1-φ)±aφ。したがって撮像装置の列に沿った信号の測定は、予測される波長に近い2つのピークを有するスペクトルを生成することができる。いかなる特定の理論によっても、またはいかなる特定の作動の態様によっても束縛されずに、回転した回折パターンは、格子と撮像装置がx−y面内で互いからわずかに回転され、そのため撮像装置の列が格子の溝と完璧に平行にならない場合があるという可能性によって生じる可能性がある。
図9D、図9H及び図9Lに示されるスペクトルにおいて測定される波長もまた、830.15nmにおける動作波長からわずかに外れる。これは1つには上記で考察したように観察される回折パターンの回転が原因であるが、ビームの入射の角度に対するピーク位置の高い感度のためでもあり得る。予想される波長における偏差は、一セットの測定値に関して一定であるため(例えば図11を参照されたい)、波長の正確な検出は、スペクトロメータを較正することによって達成することができる。
図9D、図9H及び図9Lにおけるピーク自体はまた、低カメラ傾斜角に関して小さい***を有する。これはたいがい、入射ビームが格子に対して完璧に直角ではないことがその理由である。x方向における直角以外の入射は、+1及び−1ビームに関してわずかに異なる回折角となる可能性があり、これにより、それらが0番目の回折ビームと干渉する際、2つのわずかな差zSI が生じることになるであろう。+1及び−1ビームも互いに干渉する場合があるが、zにおける周期性は、zSIよりずっと大きくなるため、それは無視される場合もある。小さいな角度の入射に関するピーク***の範囲と、波数ベクトルのx成分、kxとの関係は、およそ、
Figure 0006986010
(14)
であり、この場合、k=2π/dは、格子ベクトルであり、λは中心波長であり、λ±は2つの分割したピークの波長である。幾何学的理由のために、θdetは、このピーク***が観察されるかどうかに影響を及ぼす。
小さいθdetの場合、撮像装置は、3つの回折次数(−1、0、1)の全てが存在する領域をおおかた標本化することができ、そのため2つのzSIを測定することができ、式(14)に従ってピーク***を観察することができる。大きなθdetの場合、撮像装置は、3つの回折次数(±1、0)のうちの2つが存在する領域をおおかた標本化することができる。画像のサブセクションを利用する場合、1つのZSIが測定され、ピーク***は全く観察されない。ピークの小さい***は、獲得され得る分解能を制限する場合がある。図9Dにおいて、ピークはおよそ3nmだけ分割され、これは0.03度の入射角に相当する。しかしながら修正された格子を利用することによって、または0と1(または−1)の回折次数のみが存在するより高い入射角で作動することによってこの問題に対処する場合もある。一例では、格子は、+1次と比べて−1次に関して極めて小さい回折を有するように(または−1次に比べて+1次に関して極めて小さい回折を有するように)修正することができる。別の例では、十分に大きな回折を利用して、回折次数の全てが同時に重なる問題を緩和することができる。
図10は、検出器の角度を関数としたタルボ型スペクトロメータの計算された実験による分解能を示している。動作波長は830.15nmである。図10における差し込み図は、θdet=20度における第2のスペクトロメータシステムを用いて実現された2つの組み合わされたレーザ源のスペクトルを示している。固定波長レーザは、829.95nmで作動し、チューナブルレーザは829.05nmである。スペクトロメータは、0.9nm離れた波長をはっきりと分解することができる。
分解能は、ピークの半値全幅(FWHM)を見つけることによって判定することができる。図10に示されるように、より大きな格子周期を有するスペクトロメータは、理論上の分解能に近い実験による分解能を示す。より小さい格子周期を有するスペクトロメータは、正確な傾向を示すが、ピーク分割が理由で低いθdetにおいては予測されるものより低い分解能を有する。
図10はまた、2つの(互いに非干渉性の)レーザからの光を同時に分解することができることも示している(図10における挿入図を参照されたい)。50/50の光ファイバ結合器が使用されて、829.95nmで作動する固定波長ダイオードレーザからの光を、チューナブルレーザから光と交わらせる。組み合わされた光は平行化され、ビームエクスパンダに通される。
図11Aは、1.035ミクロンの格子周期dと、1.67ミクロンのピクセルピッチと、20度の格子とセンサの角度(θdet)とを有するスペクトロメータを利用して得られた、レーザが10nmのステップサイズにおいて780から950nmまで掃引される際に測定されるスペクトルを示している。スペクトルが2つのピークを示す際、データは、青い方のピークに正規化される。図11Bは、測定された波長と、実際のレーザ波長との比例関係を示すグラフを示している。
理論では、第2のスペクトロメータ(d=1.035ミクロン、p=1.67ミクロン、θdet=20度)は、およそ520nmから1.03ミクロンまでの波長を測定することができる。より低い範囲は、第2の回折次数が存在し始める波長であってよく、より高い範囲は、エイリアシングが生じるまでの波長であってよい。実験データは、第2のスペクトロメータが、少なくとも170nmの動作スパン(より短い波長におけるTi:サファイアレーザの範囲、及びより長い波長における撮像装置の感度によって制限される)と、1nm未満の分解能を達成することができることを示している。
図11Bは、測定された波長(λ)とレーザ波長(λ)の関係が、およそλ[nm]=0.96λ[nm]+34[nm]であることを示している。950nmラインに関するバックグラウンドのノイズが顕著に高いのは、より長い波長において撮像装置の感度が低下するためである。820nmラインに関するバックグラウンドノイズが高いのは、偽ピークにおけるより大きな信号出力のためである。
上に記載した実験データは、高い分解能を有するコンパクトなスペクトロメータを構築するために、非近軸タルボ効果を分散機構として使用することができることを示している。また、そのようなスペクトロメータの分解能に対する空間的非干渉性の影響を調査することも有利であり得る。理論上の特徴は、タルボ型スペクトロメータに関する格子上の極線及び方位角方向にわたる入射角の広がりを有する光ビームを利用して遂行することができる。
図12A〜図12Cは、シミュレーションモデルを示している。図12Aは、垂直入射の下での格子による波数ベクトルの散乱を示しており、図12Bは、斜め入射の下での格子による波数ベクトルの散乱を示している。図12Cは、格子表面上での入射角の広がりを示している。
図12A〜図12Cに見られるように、0番目の次数の回折ビームを有する+1次回折ビームと、−1次回折ビームの干渉によりタルボ波ベクトルkが生じる。斜め入射ビームは、垂直入射の場合と比べて、タルボ波ベクトルkにずれが生じる場合があり、このずれは、θ(x−z面内)と、φ(y−z面内)の両方に依存する。入射ビームが角度広がりを有する場合、このずれの事実上の集合は、kをぼやけさせ、スペクトロメータの分解能を低下させる場合がある。格子によって取り込まれる波ベクトルの偏向の非対称性により、スペクトロメータの有効な分解能は、θ広がりと、φ広がりに関して別々に影響を被る。
図12Dは、30°のカメラ傾斜角に関するθ広がり及びφ広がりを関数として計算された有効分解能を示している。垂直入射の下での分解能は、λ=830nmにおいて0.5nmを下回る。このグラフは、この理想モデルにおいて分解能を1ナノメータ前後に維持するために、角度広がりθは1度前後の範囲内になるように、φは1度の百分の1前後の範囲内になるように制限され得ることを示唆している。タルボットスペクトロメータに関するθ広がり及びφ広がりに対する有効分解能の依存性のこのような非対称性は、従来のスペクトロメータのものと同様であり、この場合スペクトロメータの分解能は、1D格子からの非対称性の分散に起因してスリットの長さ方向より、スリットの幅方向にわたってより感度が高くなる。
高い分解能に加えて、本明細書に記載されるタルボ型スペクトロメータはまた、大抵のスペクトル信号を測定するために大きなエテンデュ(etendue)を有することもできる。従来のスペクトロメータは、10-4から10-3mmほどのエテンデュを有することができる。上に記載した2つのタルボットスペクトロメータは、およそ1.3×10-4mmのエテンデュを有することでき、これは1nmの分解能に関して、21度の傾斜角と、x方向に0.007度及びy軸方向に0.5度の受容角許容値を有する第2のスペクトロメータを利用して推定されている。これはzSIにおける非垂直入射の作用を計算することによって行うことができる。したがって、信号が最初に平行化されるならば、ほとんどの近赤外線(NIR)感知用途に関して本明細書に記載されるタルボットスペクトロメータを使用することができることが予測される。
結論
種々の進歩的実施形態が本明細書に記載され例示されてきたが、当業者は、機能を果たす、及び/または結果を得るための多様な種類の他の手段及び/または構造及び/または本明細書に記載される1つまたは複数の利点、ならびに本明細書に記載される進歩的実施形態の範囲内にあると思われるそのような変形形態及び/または修正形態の各々を容易に想像するであろう。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が例示であることを意味すること、ならびに実際のパラメータ、寸法、材料及び/または構成は、本発明の教示が利用される特有の1つまたは複数の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、慣例に過ぎない実験を利用して本明細書に記載される特有の進歩的実施形態に対する多くの等価物に気づく、またはそれを確認することができるであろう。したがって上述の実施形態は、単なる一例として提示されており、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、進歩的実施形態が、具体的に説明され特許請求されるのとは別のやり方で実施される場合もあることを理解されたい。本開示の進歩的な実施形態は、本明細書に記載される各々の個々の特徴、システム、製品、材料、キット及び/または方法を対象としている。これに加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、製品、材料、キット及び/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、製品、材料、キット及び/または方法が互いに矛盾しなければ、本開示の進歩的範囲の中に含まれる。
また、その一例が提供されている種々の進歩的概念が1つまたは複数の方法として具現化されてよい。方法の一部として行われる行為は、任意の好適な方法において順序付けられてよい。したがって、行為が例示されるものとは異なる順番で行われる実施形態が構成される場合もあり、これはたとえ例示の実施形態において連続して起こる行為として示されていても、一部の行為を同時に行うことを含む場合もある。
本明細書で定義され使用される際の全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文献における定義及び/または定義される用語の通常の意味を規制するものと理解すべきである。
明細書及びクレーム中において本明細書で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、反対のことが明確に指摘されない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解すべきである。
明細書及びクレーム中において本明細書で使用されるフレーズ「及び/または」は、そのように結合された要素、すなわち、あるケースでは接続するように提示され、別のケースでは選言的に提示される要素の「いずれかまたは両方」を意味するものと理解すべきである。「及び/または」によって列挙される複数の要素は、同じようにして解釈すべきであり、すなわちそのように連結された要素の「1つまたは複数」と解釈されるべきである。具体的に特定されるそのような要素に関連しても、関連しなくとも、「及び/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素が任意選択で存在し得る。よって非制限的な例として、例えば「comprising(備える)」などのオープンエンドな言い回しと組み合わせて使用される際、「A及び/またはB」に対する言及は、一実施形態ではAのみを指す(任意選択でB以外の要素を含む)、他の一実施形態ではBのみを指す(任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態ではAとBの両方を指す(任意選択で他の要素を含む)などを指すことができる。
明細書及びクレーム中において本明細書で使用される際、「または」は、上記で定義したように「及び/または」と同じ意味を有するものと理解すべきである。例えばリスト中の項目を区別するために、「または」もしくは「及び/または」は、包括的であるように解釈されることになり、すなわち要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含む、及び任意選択で追加のリストにない項目も含んでいる。もっぱら「〜のうちのただ1つ」もしくは「〜のうちの正に1つ」など反対のことを明確に指摘する用語、またはクレーム中で使用される場合の「〜から成る」に限っては、要素の数またはリストのうちの正に1つの要素を含むことを指すことになる。一般に、本明細書で使用される際の用語「または」は、「いずれか」、「〜のうちの1つ」「〜のうちの1つのみ」もしくは「〜のうちの正に1つ」などの排他的な用語が先行する場合、排他的な代替形態(すなわち「一方または他方、但し両方ではない」)を指示するものと解釈されるべきである。「基本的に〜から成る」は、クレーム中で使用される際、特許法の分野において使用されるその通常の意味を有することになる。
明細書及びクレーム中において本明細書で使用される際フレーズ「少なくとも1つの」は、1つまたは複数の要素のリストに関連して、要素のリスト内の任意の1つ、または複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するものと理解すべきであるが、要素のリスト内に具体的に列記された各々の、及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の何らかの組み合わせを排除するものでもない。この定義はまた、具体的に特定されるそのような要素に関連しても、関連しなくても、フレーズ「少なくとも1つの」が指す要素のリスト内で具体的に特定される要素以外に要素が任意選択で存在し得ることを可能にする。よって非制限的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ(または同様な意味合いで「AまたはBの少なくとも一方」または同様な意味合いで「A及び/またはBのうちの少なくとも一方」)は、一実施形態において、Bが存在しない状態で少なくとも1つ、任意選択で2つ以上を含めたA(及び任意選択でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Aが存在しない状態で、少なくとも1つ、任意選択で2つ以上を含めたB(及び任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意選択で2つ以上を含めたAと、少なくとも1つ、任意選択で2つ以上を含めたB(及び任意選択で他の要素を含む)などを指すことができる。
クレーム中ならびに上記の明細書において、「comprising(有する)」、「including(含む)」、「carrying(担持する)」、「having(有する)」、「containing(包含する)」、「involving(伴う)」、「holding(保持する)」、「composed of(から成る)」などの全ての移行句は、オープンエンドであるように理解すべきであり、すなわち包含することを意味しており、限定するものではない。移行句「consisting of(〜から成る)」及び「consisting essentially of(基本的に〜から成る)」のみがそれぞれ、米国特許審査手続便覧、セクション2111.03に記載されるように、クローズドまたはセミクローズドな移行句となる。

Claims (34)

  1. 格子に直交する方向に沿った間隔で非近軸タルボ効果を介して複数のタルボ画像を形成するように入射放射を回折させる格子であって、前記入射放射の波長λよりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期dを有する格子と、
    前記複数のタルボ画像のうちの少なくとも一部を検出するために、前記格子に対して特定の角度で配設された検出器アレイとを備えるスペクトロメータ。
  2. 前記格子周期dがおよそ0.8μmからおよそ4μmである、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  3. 前記検出器アレイが、近位端と、遠位端とを有し、前記近位端は、前記格子から1mm以上離れておらず、前記遠位端は、前記格子から10mm以上離れていない、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  4. 前記検出器アレイが、前記格子に直交する方向に沿って前記複数のタルボ画像によって規定されるタルボ長より少なくとも3倍大きな投影長さを有する、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  5. 前記検出器アレイが、前記格子周期dの整数の倍数と異なるピクセルピッチpを有する、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  6. 前記ピクセルピッチpが、(2m+1)d/2にほぼ等しく、この場合mは正の整数である、請求項5に記載のスペクトロメータ。
  7. 前記角度がおよそ10度からおよそ40度である、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  8. 前記検出器に作動可能に結合され、前記複数のタルボ画像の前記少なくとも一部に少なくとも幾分基づいて波長を推定するプロセッサをさらに備える、請求項1に記載のスペクトロメータ。
  9. 前記プロセッサが、前記複数のタルボ画像の前記少なくとも一部のフーリエ変換を行うことによって、前記波長を推定するように構成される、請求項8に記載のスペクトロメータ。
  10. 前記プロセッサが、前記複数のタルボ画像を、特定の範囲の波長に対して予測される強度パターンのライブラリと比較することによって、前記波長を推定するように構成される、請求項8に記載のスペクトロメータ。
  11. 非近軸タルボ効果を介して複数のタルボ画像を生成するために入射放射を、前記入射放射の波長よりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期を有する格子に透過させることと、
    前記格子に対して傾斜させた検出器アレイによって前記タルボ画像を検出することと、
    前記複数のタルボ画像に少なくとも幾分基づいて前記波長を推定することとを含む、スペクトル分析の方法。
  12. 前記格子周期がおよそ0.8μmからおよそ2μmである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記複数のタルボ画像を検出することが、
    前記検出器アレイの近位端によって、前記格子から1mm未満の第1の距離のところで前記複数のタルボ画像の中の第1のタルボ画像の一部を検出することと、
    前記検出器アレイの遠位端によって、前記格子から10mm未満の第2の距離のところで前記複数のタルボ画像の中の第2のタルボ画像の一部を検出することとを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記複数のタルボ画像を検出することが、前記格子に対して直交する方向に沿って前記複数のタルボ画像によって規定されるタルボ長より少なくとも3倍大きな投影長さを有する前記検出器アレイを利用して、前記タルボ画像を検出することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記複数のタルボ画像を検出することが、前記格子周期の整数の倍数と異なるピクセルピッチを有する前記検出器アレイを利用して、前記タルボ画像を検出することを含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記ピクセルピッチが、(2m+1)d/2にほぼ等しく、この場合mは整数であり、dは前記格子周期である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記複数のタルボ画像を検出することが、前記格子に対しておよそ10度からおよそ40度の角度で傾斜された前記検出器アレイを利用して前記タルボ画像を検出することを含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記波長を推定することが、前記複数のタルボ画像のフーリエ変換を行うことを含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記波長を推定することが、前記複数のタルボ画像を、特定の範囲の波長に対して予測される強度パターンのライブラリと比較することを含む、請求項11に記載の方法。
  20. 格子に直交する方向に沿った間隔で非近軸タルボ効果を介して複数のタルボ画像を形成するように入射放射を回折させるための格子であって、前記入射放射の波長λよりおよそ1からおよそ3倍大きな格子周期dを有する格子と、
    前記複数のタルボ画像のうちの少なくとも一部を検出するために、前記格子に対して特定の角度で配設された検出器アレイとを備えるスペクトロメータであって、
    前記検出器アレイが、近位端と、遠位端とを有し、前記近位端は、前記格子から1mm以上離れておらず、前記遠位端は、前記格子から10mm以上離れておらず、
    前記検出器アレイが、(2m+1)d/2にほぼ等しいピクセルピッチを有し、この場合mは正の整数である、前記スペクトロメータ。
  21. 非近軸タルボ効果を用いてチューナブル光源を特徴づける方法であって、
    第1の波長と第2の波長との間の一連の動作波長を用いて前記チューナブル光源を段階的にすることにより光ビームを生成すること、
    前記第2の波長のおよそ1倍〜およそ2倍の格子周期を有する格子を通して前記光ビームを透過させて、前記非近軸タルボ効果を介して複数のタルボ画像を生成すること、
    前記格子に対して傾斜した検出器アレイで複数のタルボ画像を検出すること、及び
    各々の動作波長について、前記複数のタルボ画像に少なくとも幾分基づいて前記光ビームの対応する測定される波長を推定すること
    を含む、前記方法。
  22. 格子が、第2の波長のおよそ1倍〜およそ1.2倍の格子周期を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 各々の測定される波長を推定することが、対応する動作波長で得られた複数のタルボ画像における各々のタルボ画像のフーリエ変換を計算することを含む、請求項21に記載の方法。
  24. 複数のタルボ画像の検出が、
    検出器アレイの近位端で、格子から1mm未満の第1の距離で前記複数のタルボ画像において第1のタルボ画像の一部を検出すること、及び
    前記検出器アレイの遠位端で、前記格子から10mm未満の第2の距離で前記複数のタルボ画像において第2のタルボ画像の一部を検出すること
    を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 検出器アレイが、複数のタルボ画像のタルボ長よりも少なくとも3倍大きい投影長さを有する、請求項21に記載の方法。
  26. 複数のタルボ画像を検出することが、格子に対しておよそ10度〜およそ40度の角度で傾斜した検出器アレイで前記複数のタルボ画像を検出すること
    を含む、請求項21に記載の方法。
  27. 複数のタルボ画像における各々のタルボ画像が、パターンを正弦曲線で表したものである、請求項21に記載の方法。
  28. 第1の波長と第2の波長との間の一連の動作波長を用いて段階的にされた、光ビームを生成するためのチューナブル光源と、
    非近軸タルボ効果を介して前記光ビームから複数のタルボ画像を生成するための、前記チューナブル光源によって生成された光ビームを受信する格子であって、前記第2の波長のおよそ1倍〜およそ2倍の格子周期を有する前記格子と、
    前記複数のタルボ画像を検出するための、前記格子に対して傾斜した検出器アレイと、
    各々の動作波長について、前記複数のタルボ画像に少なくとも幾分基づいて前記光ビームの対応する測定される波長を推定するための、前記検出器アレイに作動可能に結合されたプロセッサと
    を備えるシステム。
  29. 格子が、第2の波長のおよそ1倍〜およそ1.2倍の格子周期を有する、請求項28に記載のシステム。
  30. プロセッサが、対応する動作波長で得られた複数のタルボ画像における各々のタルボ画像のフーリエ変換を計算することにより、各々の測定される波長を推定するように構成されている、請求項28に記載のシステム。
  31. 検出器アレイが、
    前記検出器アレイの近位端で、格子から1mm未満の第1の距離で複数のタルボ画像において第1のタルボ画像の一部を検出し、かつ、
    前記検出器アレイの遠位端で、前記格子から10mm未満の第2の距離で前記複数のタルボ画像において第2のタルボ画像の一部を検出するように構成されている、請求項28に記載のシステム。
  32. 検出器アレイが、複数のタルボ画像のタルボ長よりも少なくとも3倍大きい投影長さを有する、請求項28に記載のシステム。
  33. 検出器アレイが、格子に対しておよそ10度〜およそ40度の角度で傾斜している、請求項28に記載のシステム。
  34. 複数のタルボ画像における各々のタルボ画像が、格子のパターンを正弦曲線で表したもの
    を含む、請求項28に記載のシステム。
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