JP6985591B2 - 樹脂製パネル及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂製パネル及び製造方法に関する。
特許文献1には、2枚の樹脂製表皮材シートの周縁部同士を接合させることにより、樹脂製表皮材シートに挟み込まれる発泡体のまわりに外周空間部を形成し、かかる発泡体の表面に格子状の溝部を設け、溝部と外周空間部を連通させた樹脂製サンドイッチパネルが開示されている。これにより、発泡体と樹脂製表皮材シートが面接着される際に、予期せず空気溜まりが形成されるとしても、かかる空気を外周空間部に分散させることができる。
特開2015−104887号公報
特許文献1に開示される技術を樹脂シートに適用する場合、樹脂シートの厚みが厚い(例:1.3mm以上)の場合、溶着時において樹脂シートの熱量が十分に大きく、発泡体との面接着により、発泡体の溝周辺が溶けることにより、発泡体の溝がほとんど消滅する。これにより、樹脂シートと発泡体の溶着面は互いに略平坦になり、十分に溶着するとともに、美観が向上する。
しかし、樹脂シートの厚みが薄い場合には、溶着時における樹脂シートの熱量が十分でなく、且つ剛性も低いので、溶着時に樹脂シートが溝の形状に沿ってしまい、十分な溶着を担保できないとともに、美観が損なわれる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、厚みの薄い樹脂シートを用いた場合でも、樹脂シートと発泡体の溶着時に両者の間に空気溜まりが形成されることを低減しつつ、樹脂シートの変形を低減することが可能な樹脂製パネル及び製造方法を提供するものである。
本発明によれば、垂下工程と、インサート工程と、型締工程を備え、前記垂下工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを垂下させ、前記インサート工程では、発泡体を第1及び第2樹脂シートに溶着させ、前記型締工程では、第1及び第2金型を型締めし、前記発泡体は、第1及び第2樹脂シート間に配置され、前記発泡体は、第2樹脂シートと対向する側の第2対向面に凸部又は凹部を備え、第2対向面の2cm×2cmの基準領域中に、前記凸部又は前記凹部が独立した状態で2個以上設けられる。
本発明に係る樹脂製パネルの製造方法は、発泡体は、第2樹脂シートと対向する側の第2対向面に凸部又は凹部を備え、第2対向面の2cm×2cmの基準領域中に、凸部又は凹部が独立した状態で2個以上設けられる。これにより、第2樹脂シートと発泡体が凸部又は凹部の周辺と部分的に接触し、空気溜まりを外縁に分散することができる。さらに、第2樹脂シートの厚みが薄い場合であっても、溝部と比べて凸部又は凹部の周辺の体積の方が小さいので、十分に溶かすことができ、美観が向上する。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記基準領域は、3cm×3cmであり、前記基準領域中に、前記凸部又は前記凹部が独立した状態で5個以上設けられる。
好ましくは、隣接した前記基準領域中に、前記凸部又は前記凹部が独立した状態でそれぞれ3個以上設けられる。
好ましくは、前記基準領域中における前記凸部又は前記凹部の総面積/前記基準領域の面積の値が、0.05〜1である。
好ましくは、前記凸部の高さ又は前記凹部の深さが、前記発泡体の厚みの1/3以下である。
好ましくは、前記凸部又は前記凹部の間隔は、3mm以下である。
好ましくは、前記凸部は、前記凸部の先端に向けて先細り形状に形成される。
好ましくは、前記凸部は、それぞれが山形状である。
好ましくは、前記凹部は、それぞれが非連続に設けられる。
好ましくは、前記発泡体は、第1対向面及び第2対向面を連結する連結面を備え、前記連結面に、切欠状の空気溜まり空間が形成される。
他の観点によれば、中空の樹脂成形体と、発泡体を備え、前記発泡体は、前記樹脂成形体内に配置され、前記発泡体は、前記樹脂成形体の一面と対向する対向面を備え、前記対向面は、凸部又は凹部を備え、前記対向面の2cm×2cmの基準領域中に、前記凸部又は前記凹部が独立した状態で2個以上設けられ、前記凸部又は前記凹部の一部が、前記樹脂成形体を形成した樹脂シートにより融解されている、樹脂製パネルが提供される。
本発明の一実施形態に係る樹脂製パネル30の一部切り欠き斜視図である。 樹脂製パネル30の製造方法で利用可能な成形機1の一例を示す図である。 第1及び第2金型21,22及び第1樹脂シート23aの近傍の拡大図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂製パネル30の製造に用いる発泡体31の上面斜視図である。 図4の領域X周辺の部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る発泡体31の下面斜視図である。 図4の矢印Y方向から見た発泡体31の側面図である。 図7の領域Zの部分拡大図である。 図3の状態から第1樹脂シート23aを減圧吸引した様子を表す図である。 発泡体31を第1樹脂シート23aに固着した状態を表す図である。 第2樹脂シート23bを垂下した状態を表す図である。 図11の状態から第2樹脂シート23bを減圧吸引した様子を表す図である。 第1及び第2金型21,22を型締めした状態を表す断面図である。 発泡体31の変形例1を表す平面図である。 発泡体31の変形例2を表す平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.樹脂製パネル30
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る樹脂製パネル30は、中空の樹脂成形体36と、発泡体31を備える。樹脂成形体36には、パーティングラインPLが形成される。また、発泡体31は、樹脂成形体36内に配置される。
2.成形機1の構成
次に、図2及び図3を用いて、本発明の一実施形態の樹脂製パネル30の製造方法の実施に利用可能な成形機1について説明する。
成形機1は、樹脂供給装置2と、Tダイ18と、第1及び第2金型21,22を備える。樹脂供給装置2は、ホッパー12と、押出機13と、アキュームレータ17を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。以下、各構成について詳細に説明する。
<ホッパー12,押出機13>
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。また、これらにガラス繊維、タルク、顔料などの添加剤を配合しても良い。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
<アキュームレータ17、Tダイ18>
溶融樹脂11aは、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂11aが貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に発泡樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて発泡樹脂をTダイ18内に設けられたスリットから押し出して垂下させて第1及び第2樹脂シート23a,23bを形成する。
<第1及び第2金型21,22>
第1及び第2樹脂シート23a,23bは、第1及び第2金型21,22間に導かれる。図3に示すように、第1金型21には、多数の減圧吸引孔(不図示)が設けられており、第1樹脂シート23aを減圧吸引して第1金型21のキャビティ21bに沿った形状に賦形することが可能になっている。キャビティ21bは、凹部21cを有する形状になっており、凹部21cを取り囲むようにピンチオフ部21dが設けられている。第2金型22には、多数の減圧吸引孔(不図示)が設けられており、第2樹脂シート23bを減圧吸引して第2金型22のキャビティ22bに沿った形状に賦形することが可能になっている。キャビティ22bは、凹部22cを有する形状になっており、凹部22cを取り囲むようにピンチオフ部22dが設けられている。ここで、減圧吸引孔は、極小の孔であり、一端が第1及び第2金型21,22内部を通ってキャビティ21b,22bの内面にまで連通されてり、他端が減圧装置に接続されている。
3.樹脂製パネル30の製造方法
次に、図3〜図13を用いて、本発明の一実施形態の樹脂製パネル30の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、垂下工程と、賦形工程と、インサート工程と、型締工程を備える。以下、詳細に説明する。本実施形態では、第1樹脂シート23aと第2樹脂シート23bを処理するタイミングをずらしている。
3.1 発泡体31
まず、樹脂製パネル30の製造に用いる発泡体31について説明する。図1〜図8に示すように、発泡体31は、樹脂成形体36内に配置され、例えば発泡倍率25〜60倍のビーズ発泡体であり、成形後の厚さが15〜25mmとなるものを用いることができる。発泡倍率は、好ましくは、30〜55倍、さらに好ましくは、40〜50倍である。また、発泡体31は、第1樹脂シート23a及び第2樹脂シート23bと溶着可能な樹脂から選定される。発泡体31は、樹脂成形体36の一面と対向する対向面を備える。本実施形態では、発泡体31は、図4〜図8に示すように、第1樹脂シート23a(図3を用いて後述)と対向する側の第1対向面31fと、第2樹脂シート23b(図3を用いて後述)と対向する第2対向面31sと、第1対向面31f及び第2対向面31sを連結する連結面32を備える。また、対向面は、凸部34を備える。ここで、図4、図5及び図8に示すように、本実施形態では、発泡体31は、第2対向面31sに凸部34を備える。ここで、図8に示すように、本実施形態では、凸部34は、凸部34の先端に向けて先細り形状に形成される。換言すると、凸部34は、それぞれが山形状である。
なお、発泡体31の表面に凸部34を設ける方法としては、平坦な発泡体に対して、後加工によって表面に凸部34を形成する方法がある。また、他の方法として、発泡体成形時に、金型に凸部34に対応する形状を設けておき、金型形状を転写させることにより、凸部34を形成する方法がある。ここで、前者の場合、作業工数が増えてしまい、また、後者の場合、転写形状が制限される。したがって、後者の方法を採用する場合には、先細り形状の中でも、山形状、特に円弧状の凸部や、錐台形状の凸部等の単純な形状が好ましい。なお、凸部34の形状はこれらに限定されず、金型に設けた網目形状を転写することにより発泡体31の表面に形成される凸部や、複数形状の凸部が混在する態様でもよい。
図5に示すように、第2対向面31sの破線で囲まれた基準領域S中に、凸部34が独立した状態で2個以上設けられる。ここで、基準領域Sは、発泡体31の平面視における部分的な領域である。また、基準領域S中に、凸部34が独立した状態とは、少なくとも基準領域S中において、複数の凸部34が非連続であることである。さらに、図8に示すように、本実施形態では、凸部34とは、第2対向面31sから突出している部分である。ここで、凸部34の定義はこれに限定されず、例えば、図8に示すように、第2対向面31sからの高さdとした場合、1/2d以上突出している部分を凸部34としてもよい。
図5に示すように、本実施形態では、基準領域S中に凸部34が100個設けられる。基準領域Sにおける凸部34の個数は、例えば1〜500個である。好ましくは、基準領域Sにおける凸部34の個数は、2〜400個、さらに好ましくは、5〜300個、さらに好ましくは、9〜200個である。具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500個であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、本実施形態では、基準領域Sの大きさは2cm×2cmの正方形であり、凸部34が100個設けられる。また、凸部34の間隔は、3mm以下である。基準領域Sの大きさは、例えば4〜2,500cmである。具体的には、2cm×2cm、3cm×3cm、5cm×5cm、10cm×10cm、20cm×20cm、25cm×25cm、50cm×50cmである。なお、基準領域Sは、正方形以外でもよく、例えば、長方形、円形、楕円形、三角形、多角形、星型等とすることができる。
ここで、基準領域Sを3cm×3cmとした場合、凸部34は、基準領域S中に独立した状態で5個以上(本実施形態では225個)設けられることが好ましい。また、隣接した基準領域Sを観察した場合、隣接した基準領域S中に、凸部34が独立した状態でそれぞれ3個以上設けられることが好ましい。
図5及び図8に示すように、基準領域S中における凸部34の総面積/基準領域Sの面積の値は、例えば、0.05〜1である。好ましくは、かかる値は、好ましくは、0.1〜0.8、さらに好ましくは、0.2〜0.7、さらに好ましくは、0.3〜0,6である。具体的には例えば、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、基準領域S中における凸部34の総面積/基準領域Sの面積の値が1になる場合とは、例えば四角錐形状の凸部34を隙間なく敷き詰めた態様が挙げられる。
ここで、凸部34の面積とは、凸部34を第2対向面31sに垂直投影した場合の面積である。なお、上記のごとく、第2対向面31sから1/2d以上突出している部分を凸部34とした場合には、第2対向面31sから1/2d以上突出している部分を第2対向面31sに垂直投影した場合の面積である。
図8に示すように、本実施形態では、凸部34の高さdが、発泡体31の厚みの1/3以下である。好ましくは、かかる値は、1/10以下、さらに好ましくは、1/20以下である。具体的には例えば、1/50、1/40、1/30、1/20、1/10、1/5、1/3以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
凸部34の高さdは、0.05〜10mmが好ましい。0.05mm以下だと、凸部34間の隙間から空気が抜けきる前に溶着する可能性が高くなり、10mm以上だと基準領域内Sに凸部34を設定された個数分設けることが難しいためである。
基準領域Sにおける凸部34を含む表面積/基準領域Sの面積の値は、例えば、1.01〜2.0である。好ましくは、かかる値は、1.03〜1.5、さらに好ましくは、1.05〜1.3である。具体的には例えば、1.01、1.03、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、図6に示すように、発泡体31の第1対向面31fに溝35が設けられる。さらに、連結面32に、切欠状の空気溜まり空間が形成される。具体的には、連結面32のうち、第1対向面31fの側に第1空気溜まり空間33fが、第2対向面31sの側に第2空気溜まり空間33sが設けられる。そして、溝35はそれぞれ、第1空気溜まり空間33fに連通する。なお、第1空気溜まり空間33f及び第2空気溜まり空間33sの意義については、図10及び図13を用いて後述する。
以上説明したように、本実施形態に係る樹脂製パネル30は、発泡体31が樹脂成形体36内に配置された構造である。ここで、図1に示すように、樹脂製パネル30の製造前においては発泡体31に微細な凸部34が形成されているが、樹脂製パネル30の完成時には、第2樹脂シート23bにより凸部34が溶けて、第2対向面31sは平坦な形状となっている(図13を用いて後述)。換言すると、凸部34の一部が、樹脂成形体36を形成した第2樹脂シート23bにより融解されている。
次に、各工程について説明する。なお、以下では、第1及び第2樹脂シート23a,23bとして、ポリプロピレンにタルクを混ぜたものを、発泡体31として、発泡倍率45倍のポリプロピレンを用いるものとする。
3.2 第1樹脂シート23a
3.2.1 垂下工程
垂下工程では、図3に示すように、不図示の治具を用いて、発泡体31を第1及び第2金型21,22間に配置する。このとき、第1対向面31fが第1金型21と対向し、第2対向面31sが第2金型22と対向するように配置する。
そして、第1及び第2金型21,22間に、溶融状態の発泡樹脂をTダイ18のスリットから押し出して垂下させて形成した第1樹脂シート23aを垂下する。本実施形態では、このときの第1樹脂シート23aの温度は約200℃である。また、第1樹脂シート23aの厚みは、0.5〜1mmが好ましいが、1〜1.5mmであってもよい。本実施形態では、Tダイ18から押し出された第1及び第2樹脂シート23a,23bをそのまま使用するダイレクト真空成形が行われるので、第1及び第2樹脂シート23a,23bは、成形前に室温にまで冷却されて固化されることがなく、固化された第1及び第2樹脂シート23a,23bが成形前に加熱されることもない。ここで、図3では、垂下工程中において、第1及び第2樹脂シート23a,23bの間に発泡体31を図示しているが、垂下工程では、発泡体31を他の場所に待機させておいてもよい。
3.2.2 賦形工程
次に、図9に示すように、第1金型21によって第1樹脂シート23aを減圧吸引して第1金型21のキャビティ21bに沿った形状に賦形する。また、この時点までに、不図示の治具を発泡体31にセットする。治具は、治具に設けられた吸盤等により、発泡体31の第2対向面31s側を吸引することで、発泡体31を支持する。そして、賦形工程にて第1樹脂シート23aが賦形された後、第1樹脂シート23aが70〜90℃まで冷めてから、後述のインサート工程を開始する。換言すると、後述のインサート工程の前に、樹脂の冷却工程を備える。ここで、本実施形態では、約200℃の第1樹脂シート23aの温度が70〜90℃まで冷めるのを待つ。かかる温度は、好ましくは、72〜88℃、さらに好ましくは、74〜86℃、さらに好ましくは、76〜84℃である。具体的には例えば、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。かかる温度は、平均値の値を採用することが好ましい。例えば、第1樹脂シート23aの9点の温度の平均値を採用することができる。ここで、第1樹脂シート23aの温度は、非接触の温度センサー等で計測することができる。
ここで、樹脂の種類、添加剤の有無(ガラス繊維やタルク、顔料など)によって、第1樹脂シート23aの温度はそれぞれ異なる。したがって、用いる樹脂に応じて、上記冷却温度はそれぞれ異なる。
3.2.3 インサート工程
次に、垂下工程の後、第1樹脂シートが70〜90℃まで冷めてから、インサート工程を開始する。換言すると、賦形工程にて第1樹脂シートが賦形された後、第1樹脂シートが70〜90℃まで冷めてから、インサート工程を開始する。インサート工程では、図10に示すように、不図示の治具により、発泡体31を移動させ、第1樹脂シート23aに固着させる。ここで、本実施形態では、発泡体31は発泡体であるので、第1樹脂シート23aの熱によって発泡体が溶融されることによって発泡体31が第1樹脂シート23aに固着される。本実施形態では、第1樹脂シート23aの温度が70〜90℃まで冷めるのを待つことにより、第1樹脂シート23aの剛性が向上するので、発泡体31の溝35に第1樹脂シート23aが沿うことを低減することができる。
さらに、発泡体31の第1対向面31fに設けられた溝35が第1空気溜まり空間33fと連通しているので、第1樹脂シート23aと第1対向面31fの間に意図せず形成される空気溜まりを、溝35を通して第1空気溜まり空間33fに分散させることができる。これにより、温度が冷めた第1樹脂シート23aであっても、第1対向面31fと十分に溶着させることができる。
3.3 第2樹脂シート23b
3.3.1 垂下工程
垂下工程では、図11に示すように、第1及び第2金型21,22間に、溶融状態の発泡樹脂をTダイ18のスリットから押し出して垂下させて形成した第2樹脂シート23bを垂下する。本実施形態では、このときの第2樹脂シート23bの温度は約200℃である。また、第2樹脂シート23bの厚みは、0.5〜1mmが好ましい。
3.3.2 賦形工程
次に、図12に示すように、第2金型22によって第2樹脂シート23bを減圧吸引して第2金型22のキャビティ22bに沿った形状に賦形する。
3.4 型締工程
型締工程では、図13に示すように、第1及び第2金型21,22を型締めする。第2樹脂シート23bについては、第1樹脂シート23aと異なり、70〜90℃まで冷めるのを待たず、第2樹脂シート23bと第2対向面31sが凸部34において部分的に接触しているので、発泡体31の第2対向面31sに設けられた凸部34は、第2樹脂シート23bの厚みが比較的薄い場合であっても、第2樹脂シート23bの温度により溶ける。これにより、第2対向面31sが略平坦な形状になる。
ここで、型締め時には、第1樹脂シート23aの温度の方が第2樹脂シート23bの温度より低くなっている。
本実施形態では、第2樹脂シート23bと第2対向面31sが面接触せずに、第2樹脂シート23bと凸部34が部分的に接触しているので、従来のように発泡体に溝部を設けた場合と比べ、第2樹脂シート23bと第2対向面31sの間に空気溜まりが形成されにくい。さらに、それでも空気溜まりが形成された場合には、第1対向面31fのうち凸部34以外の部分を通って、空気溜まりを第2空気溜まり空間33sに分散させることができる。さらに、第1樹脂シート23aの温度が70〜90℃まで冷めているが、第2樹脂シート23bの温度は冷める前であるので、ピンチオフ部21d,22dにより第1樹脂シート23a及び第2樹脂シート23bが十分に溶着され、パーティングラインPLが形成される。
これにより、第1及び第2金型21,22のキャビティ21b,22bに沿った形状の成形体が得られる。
そして、第1及び第2金型21,22から成形体を取り出し、ピンチオフ部21d,22dの外側のバリ26を除去することによって、図1に示される樹脂製パネル30が得られる。
<変形例1>
次に、図14を用いて、本実施形態に係る発泡体31の変形例1について説明する。図14に示すように、発泡体31の第2対向面31sに間隔の狭い溝35を格子状に設けてもよい。変形例1では、第2対向面31sの溝35以外の部分が、上述の凸部34と同様の機能を奏する。
<変形例2>
次に、図15を用いて、本実施形態に係る発泡体31の変形例2について説明する。図15に示すように、変形例2では、第2樹脂シート23bと対向する側の第2対向面31sに凹部37を備え、第2対向面31sの基準領域S(図5参照)中に、凹部37が独立した状態で2個以上設けられる。本変形例では、凹部37は、それぞれが非連続に設けられる。ここで、かかる凹部37は、第2対向面31sに連続的に設けられた凸部34により形成される。また、凹部37の深さは、発泡体31の厚みの1/3以下であることが好ましい。
<その他>
・第1対向面31f及び第2対向面31sに、溝35を設けてもよい。
・第1対向面31f及び第2対向面31sに、凸部34を設けてもよい。
・凸部は間引かれていてもよい。
1 :成形機
2 :樹脂供給装置
11 :原料樹脂
11a :溶融樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
21 :第1金型
21b :キャビティ
21c :凹部
21d :ピンチオフ部
22 :第2金型
22b :キャビティ
22c :凸部
22d :ピンチオフ部
23a :第1樹脂シート
23b :第2樹脂シート
25 :連結管
26 :バリ
27 :連結管
30:樹脂製パネル
31:発泡体
31f:第1対向面
31s:第2対向面
32:連結面
33f:第1空気溜まり空間
33s:第2空気溜まり空間
34:凸部
35:溝
36:樹脂成形体
37:凹部
PL:パーティングライン

Claims (9)

  1. 垂下工程と、インサート工程と、型締工程を備え、
    前記垂下工程では、第1及び第2金型の間に第1及び第2樹脂シートを垂下させ、
    前記インサート工程では、発泡体を第1及び第2樹脂シートに溶着させ、
    前記型締工程では、第1及び第2金型を型締めし、
    前記発泡体は、第1及び第2樹脂シート間に配置され、
    前記発泡体は、第2樹脂シートと対向する側の第2対向面に凸部を備え、第2対向面の2cm×2cmの基準領域中に、前記凸部が独立した状態で10個以上設けられ、
    前記凸部は、前記凸部の先端に向けて先細り形状に形成され、
    前記型締工程において、前記凸部が前記第2樹脂シートにより融解され、前記第2対向面が略平坦な形状になる、樹脂製パネルの製造方法。
  2. 前記基準領域は、3cm×3cmであり、
    前記基準領域中に、前記凸部が独立した状態で5個以上設けられる、請求項1に記載の方法。
  3. 隣接した前記基準領域中に、前記凸部が独立した状態でそれぞれ3個以上設けられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記基準領域中における前記凸部の総面積/前記基準領域の面積の値が、0.05〜1である、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の方法。
  5. 前記凸部の高さが、前記発泡体の厚みの1/3以下である、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の方法。
  6. 前記凸部の間隔は、3mm以下である、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
  7. 前記凸部は、それぞれが山形状である、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の方法。
  8. 前記発泡体は、第1対向面及び第2対向面を連結する連結面を備え、
    前記連結面に、切欠状の空気溜まり空間が形成される、請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法。
  9. 中空の樹脂成形体と、発泡体を備え、
    前記発泡体は、前記樹脂成形体内に配置され、
    前記発泡体は、前記樹脂成形体の一面と対向する対向面を備え、
    前記対向面は、凸部を備え、
    前記対向面の2cm×2cmの基準領域中に、前記凸部が独立した状態で2個以上設けられ、
    前記凸部の一部が、前記樹脂成形体を形成した樹脂シートにより融解されている、
    樹脂製パネル。
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