JP6981908B2 - 全輪駆動車のトランスファ - Google Patents

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Description

本発明は、全輪駆動車のトランスファに関し、特に、多板クラッチを有する全輪駆動車のトランスファに関する。
従来から、急坂路や、凸凹の多い悪路、滑りやすい路面(例えば雪道や泥路)などでの走破性が優れている全輪駆動(AWD:All Wheel Drive)車(又は4輪駆動(4WD)車)が広く実用化されている。全輪駆動車には、例えば、エンジンに直結された主駆動輪と、エンジンにトランスファクラッチを介して接続された副駆動輪とを有し、トランスファクラッチの締結力を路面状況や走行状態等に応じて制御することにより、副駆動輪側への駆動力配分を調節して、二輪駆動と全輪駆動とを切り換える構成としたものがある。
ここで、特許文献1には、走行モードが燃費訴求モードでない場合、トランスファクラッチ(湿式多板クラッチ)の締結力を制御して前後輪の駆動力配分を車両の運動状態に応じて最適に制御する通常のAWD制御を行う一方、燃費訴求モードである場合、スリップが検知されているか否かを調べ、スリップが検出されていない場合には、トランスファクラッチを開放状態として前輪への駆動力を100%とする前輪駆動の制御を行い、スリップが検出されている場合には、トランスファクラッチを締結状態に制御してスタンバイAWD制御を実行し、スリップを早期に解消させる全輪駆動車の駆動力配分制御装置が開示されている。
特開2012−116433号公報
上述した特許文献1に開示されている全輪駆動車の駆動力配分制御装置によれば、燃費訴求モードの効果をより向上させることができる。しかしながら、上述した構成では、トランスファクラッチ(湿式多板クラッチ)を解放しているときに、トランスファクラッチの連れ回りによる摩擦トルク、すなわちドラッグトルク(引きずりトルク)が発生する。そのため、燃料消費率(以下「燃費」という)の向上が妨げられるおそれがある。一方、このような問題を解決するために、例えば、トランスファクラッチ(湿式多板クラッチ)に代えて/又は加えて、電動アクチュエータや電子制御カップリング等を用いるとするとコストが増大してしまう。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、多板クラッチを有する全輪駆動(AWD)車のトランスファにおいて、コストの上昇を抑えつつ、クラッチ解放時の引きずりトルクを解消して燃費を向上することが可能な全輪駆動車のトランスファを提供することを目的とする。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファは、多板クラッチを有し、変速機から入力されるトルクを、供給される油圧に応じて調節して、副駆動輪側に出力するトランスファクラッチと、一方の端部がトランスファクラッチの出力側に接続された第1シャフトと、第1シャフトと同軸上に設けられ、一方の端部にスプラインが形成された第2シャフトと、第1シャフトと第2シャフトとの間に介装され、供給される油圧に応じて、第1シャフトと第2シャフトとの接続を断続する断接機構と、トランスファクラッチ、及び、断接機構それぞれに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを備え、断接機構が、第2シャフトに形成されたスプラインと嵌合可能なスプラインが形成され、第1シャフトと一体的に回転可能、かつ、供給される油圧に応じて、第1シャフト及び第2シャフトの軸方向に摺動自在に設けられたスリーブを有し、油圧制御手段が、トランスファクラッチを解放しているときに、断接機構を解放するように油圧を制御することを特徴とする。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファによれば、トランスファクラッチが解放されているときに、スリーブが軸方向に摺動されて断接機構が解放されるように油圧が制御される。そのため、トランスファクラッチ(多板クラッチ)が解放されているときに、断接機構が解放されて、第1シャフトと第2シャフト(すなわち、トランスファクラッチと副駆動輪側の駆動系)が切り離されることにより、トランスファクラッチのドラッグトルクが解消される。よって、燃費を改善することができる。一方、比較的シンプルな構成、すなわち、比較的低コストで上記断接機構を実現することができる。その結果、コストの上昇を抑えつつ、クラッチ解放時の引きずりトルクを解消して燃費を向上することが可能となる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、第1シャフトの他方の端部にスプラインが形成されており、断接機構が、第1シャフトに形成されたスプラインと常時スプライン嵌合されるスプラインを有することが好ましい。
このようにすれば、断接機構(スリーブ)を、第1シャフトと一体的に回転可能、かつ、第1シャフト及び第2シャフトの軸方向に摺動可能とすることができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、油圧制御手段が、トランスファクラッチに油圧を作用させる油室、及び、断接機構に油圧を作用させる油室それぞれと連通する共通の油圧回路を通して、油圧を供給することにより、トランスファクラッチを締結するとともに断接機構を締結する一方、油圧を排出することにより、トランスファクラッチを解放するとともに断接機構を解放することが好ましい。
このようにすれば、共通の油圧回路、共通の油圧を用いてトランスファクラッチ及び断接機構の締結・解放を制御することができる。すなわち、専用の油圧回路(油圧配管)や油圧制御用のソレノイドバルブ等を新たに追加する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、スリーブと第2シャフトに形成されたスプラインとの間に、係合時に双方の回転を同期させるシンクロ機構が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、スリーブと第2シャフトに形成されたスプラインとの係合時にスリーブ(断接機構)とスプライン(第2シャフト)の回転速度が異なっている場合であっても、よりスムーズに、スリーブとスプラインとを係合すること、すなわち、断接機構を締結することができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、油圧が供給され、トランスファクラッチ、及び、断接機構が締結される際に、シンクロ機構が係合された後に、トランスファクラッチが締結されることが好ましい。
このようにすれば、シンクロ機構が係合(断接機構が締結)されるときには、まだトランスファクラッチが締結されていないため(すなわち、変速機等がつながれていないため)イナーシャが小さい。そのため、該イナーシャを容易に吸収すること(すなわち、シンクロ機構のトルク容量不足を回避すること)ができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、油圧が排出され、トランスファクラッチ、及び、断接機構が解放される際に、トランスファクラッチが解放された後に、断接機構が解放されることが好ましい。
このようにすれば、断接機構が解放されるときには、既にトランスファクラッチが解放されて、変速機側からの入力トルクが無くなっているため、スリーブを容易に抜くこと(すなわち、断接機構を解放すること)ができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファは、トランスファクラッチを解放する方向にトランスファクラッチに付勢力を付与する第1リターンスプリングと、断接機構を解放する方向に断接機構に付勢力を付与する第2リターンスプリングとを有し、第1リターンスプリングの付勢力が、第2リターンスプリングの付勢力よりも大きく設定されていることが好ましい。
このようにすれば、トランスファクラッチ、及び、断接機構が締結される際に、シンクロ機構が係合(断接機構が締結)された後に、トランスファクラッチを締結することができる。また、トランスファクラッチ及び断接機構が解放される際に、トランスファクラッチが解放された後に、断接機構を解放することができる。
本発明に係る全輪駆動車のトランスファでは、トランスファクラッチに油圧を作用させる油室の受圧面積が、断接機構に油圧を作用させる油室の受圧面積よりも小さく設定されていることが好ましい。
このようにしても、トランスファクラッチ、及び、断接機構が締結される際に、シンクロ機構が係合(断接機構が締結)された後に、トランスファクラッチを締結することができる。また、トランスファクラッチ及び断接機構が解放される際に、トランスファクラッチが解放された後に、断接機構を解放することができる。
本発明によれば、多板クラッチを有する全輪駆動(AWD)車のトランスファにおいて、コストの上昇を抑えつつ、クラッチ解放時の引きずりトルクを解消して燃費を向上することが可能となる。
実施形態に係るトランスファの構成を示す断面図である。 トランスファクラッチ及び断接機構を締結する際の流れを示すフローチャートである。 トランスファクラッチ及び断接機構を解放する際の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る全輪駆動車のトランスファ1の構成について説明する。図1は、トランスファ1の構成を示す断面図である。
トランスファ1は、主として、トランスファシャフト10、該トランスファシャフト10と同軸上に配置されたリヤドライブシャフト30、トランスファシャフト10とリヤドライブシャフト30との間に介装されたトランスファクラッチ20、及び、リヤドライブシャフト30を構成する第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30bとの間に設けられた断接機構40を備えて構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
トランスファシャフト10には、外周にカウンタドリブンギヤ11が一体形成されている。該カウンタドリブンギヤ11を介して、例えば無段変速機(CVT)やステップAT(有段自動変速機)等の変速機からトランスファシャフト10にトルク(すなわち、変速機によって変換された駆動力)が入力される。
トランスファシャフト10の後方には、第1リヤドライブシャフト30a(特許請求の範囲に記載の第1シャフトに相当)と第2リヤドライブシャフト30b(特許請求の範囲に記載の第2シャフトに相当)とからなるリヤドライブシャフト30が同軸上に配置されている。トランスファシャフト10とリヤドライブシャフト30とは、ニードルベアリングを介して相互に回転自在に構成されている。なお、リヤドライブシャフト30は、プロペラシャフト(図示省略)等を介してリヤデファレンシャル(図示省略)に接続されており、変速機から入力され、トランスファクラッチ20によって調節されたトルクを後輪(副駆動輪)側に伝達する。
トルクの伝達経路上においてトランスファシャフト10とリヤドライブシャフト30(第1リヤドライブシャフト30a)との間には、トランスファクラッチ20が設けられている。トランスファクラッチ20は、トランスファシャフト10側に設けられたドライブプレート20aと、リヤドライブシャフト30側に設けられたドリブンプレート20bとが交互に重ねられて構成された湿式多板クラッチを有している。
第1リヤドライブシャフト30aの一方の端部には、内周面にドリブンプレート20bが取付けられたドラム21が設けられている(例えば溶接などで接合されている)。また、ドラム21の内部には、端部がドリブンプレート20bに当接されたトランスファピストン22が配置されている。そして、ドラム21とトランスファピストン22とによって油室23が画成されている。
トランスファピストン22は、リヤドライブシャフト30の軸線方向に摺動可能に設けられており、油室23に供給される油圧に応じた押圧力(すなわち、油圧と受圧面積(軸線に対して垂直な面の面積)との乗算値により定まる押圧力)をトランスファクラッチ20(ドリブンプレート20b)に付与する。また、トランスファピストン22には、トランスファピストン22(トランスファクラッチ20)に対して、トランスファクラッチ20を解放する方向(図面右方向)に付勢力を付与する第1リターンスプリング24が配設されている。
トランスファクラッチ20は、油室23に供給される油圧に応じて、リヤドライブシャフト30(すなわち後輪側)に出力するトルクを調節する。より詳細には、油室23に供給する油圧、すなわち、トランスファピストン22による押圧力が制御されることで、トランスファクラッチ20の締結力が調節され、前輪(主駆動輪)と後輪(副駆動輪)とのトルク配分比が、例えば、100:0から50:50の間で可変される。なお、トランスファクラッチ20(油室23)に供給される油圧は、後述する電子制御装置(以下「TCU」という)70及びコントロールバルブ71によって調節される。
リヤドライブシャフト30を構成する第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30bとの間には、第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30bとの接続を断続する断接機構40が設けられている。第1リヤドライブシャフト30aの他方の端部には、外スプライン31が軸方向に延びるように形成されている。また、第2リヤドライブシャフト30bの一方の端部には、外スプライン32が軸方向に延びるように形成されている。
断接機構40は、主として、スリーブピストン42、スリーブ43、及び、油室44を備えて構成されている。スリーブピストン42は、第1リヤドライブシャフト30aが貫通する貫通孔が底部に形成された略有底円筒状に形成されている。スリーブピストン42は、その中心を第1リヤドライブシャフト30aが貫通するように、すなわち、第1リヤドライブシャフト30aと同軸上に、第1リヤドライブシャフト30aの他端部に配設されている。スリーブピストン42の内周面には、内スプライン46が軸方向に延びるように形成されている。この内スプライン46は、第1リヤドライブシャフト30aの外スプライン31と常時噛み合うように配置されている。そのため、スリーブピストン42は、第1リヤドライブシャフト30aと一体的に回転しつつ、第1リヤドライブシャフト30aの軸線方向に摺動自在とされる。
また、スリーブピストン42の端部には、円筒状のスリーブ43が接続されている。なお、スリーブピストン42とスリーブ43とは、例えば、溶接などで接合されていてもよく、また一体形成されていてもよい。スリーブ43の端部には、第2リヤドライブシャフト30bの一方の端部に形成された外スプライン32と嵌合可能なスプライン47が軸方向に延びるように形成されている。また、スプライン47の先端部にはエッジが面取りされたチャンファが形成されている。
スリーブピストン42は、第1リヤドライブシャフト30aの他方の端部に設けられた(例えば溶接などで接合された)シリンダ41の内側に配設されている。そして、シリンダ41とスリーブピストン42の底面とによって油室44が画成されている。スリーブピストン42及びスリーブ43は、第1リヤドライブシャフト30aの軸線方向に摺動自在に設けられており、油室44に供給される油圧に応じた押圧力(すなわち、油圧と受圧面積(軸線に対して垂直な面の面積)との乗算値により定まる押圧力)を受けて軸方向に摺動する。これにより、スリーブ43に形成されたスプライン47が、第2リヤドライブシャフト30bに形成された外スプライン32と噛み合う位置と噛み合いを外す位置とに移動自在とされる。また、スリーブピストン42には、スリーブピストン42に対して、断接機構40を解放する方向(図面左方向)に付勢力を付与する第2リターンスプリング45が配設されている。
また、スリーブ43と第2リヤドライブシャフト30bに形成された外スプライン32との間には、係合時(接続動作時)に双方の回転を同期させるシンクロ機構51(シンクロナイザリング)が設けられている。シンクロ機構51の外周にはスリーブ43と噛み合うスプラインが設けられている。当該スプラインの先端部にもエッジが面取りされたチャンファが形成されている。
断接機構40は、油室44に供給される油圧に応じて、締結・解放が制御され、第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30bとの接続を断続する。そのため、油室44に供給する油圧、すなわち、スリーブピストン42による押圧力を制御することで、断接機構40の締結・解放を行うことができる。より具体的には、油圧が供給されることにより、スリーブピストン42、スリーブ43が軸方向(図面右方向)に摺動して、断接機構40が締結される。一方、油圧が排出されることにより、第2リターンスプリング45の付勢力によって断接機構40が解放される。なお、断接機構40(油室44)に供給される油圧も、後述するTCU70及びコントロールバルブ71によって調節される。
ここで、上述した第1リターンスプリング24の付勢力は、第2リターンスプリング45の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、油圧が供給され、トランスファクラッチ20及び断接機構40が締結される際に、シンクロ機構51が係合(断接機構40が締結)された後に、トランスファクラッチ20が締結される。一方、油圧が排出され、トランスファクラッチ20及び断接機構40が解放される際に、トランスファクラッチ20が解放された後に、断接機構40が解放される。
なお、リターンスプリングの付勢力の設定に代えて、又は加えて、トランスファクラッチ20に油圧を作用させる油室23(トランスファピストン22)の受圧面積を、スリーブピストン42(スリーブ43)に油圧を作用させる油室44(スリーブピストン42)の受圧面積よりも小さく設定してもよい。
上述したように、トランスファクラッチ20の油室23、及び断接機構40の油室44それぞれに供給される油圧は、TCU70及びコントロールバルブ71によって制御される。TCU70及びコントロールバルブ71は、特許請求の範囲に記載の油圧制御手段として機能する。TCU70は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するEEPROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、その記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。
TCU70は、各種センサ等から取得した車両の運転状態を示す各種情報(例えば、4輪の駆動状態やエンジントルク等)に基づいて、トランスファクラッチ20の締結力(すなわち後輪への駆動力分配率)をリアルタイムに制御する。その際に、TCU70は、コントロールバルブ71を構成するソレノイドバルブの駆動を制御することにより、トランスファクラッチ20に供給する油圧を調節して、後輪へ伝達される駆動力の分配比率を調節する。コントロールバルブ71は、スプールバルブと該スプールバルブを動かすソレノイドバルブを用いてコントロールバルブ71内に形成された油路を開閉することで、オイルポンプから吐出された油圧を調整して、トランスファクラッチ20にクラッチを締結/解放するための油圧を供給する。
また、TCU70及びコントロールバルブ71は、トランスファクラッチ20を解放しているときに、断接機構40を解放するように油圧を制御する。TCU70及びコントロールバルブ71は、トランスファクラッチ20に油圧を作用させる油室23、及び、断接機構40に油圧を作用させる油室44それぞれと連通する共通の油圧回路72を通して、油圧を供給することにより、トランスファクラッチ20を締結するとともに断接機構40を締結する一方、油圧を排出することにより、トランスファクラッチ20を解放するとともに断接機構40を解放する。
次に、図2及び図3を併せて参照しつつ、トランスファ1の動作について説明する。図2は、トランスファクラッチ20及び断接機構40を締結する際の流れを示すフローチャートである。図3は、トランスファクラッチ20及び断接機構40を解放する際の流れを示すフローチャートである。
まず、図2を参照してトランスファクラッチ20及び断接機構40を締結する際のシーケンスに付いて説明する。ステップS100では、トランスファクラッチ20及び断接機構40に供給される油圧が上昇される。そして、ステップS102では、油圧の上昇により、まず、シンクロ機構51が係合され、断接機構40が締結される。より具体的には、スリーブピストン42と一緒にスリーブ43が軸線方向に摺動し、図面右側に押し出される。そして、シンクロ機構51によって回転の同期がとられた後、スリーブ43(スプライン47)が、第2リヤドライブシャフト30bに形成された外スプライン32に嵌合される。
続いて、ステップS104では、トランスファクラッチ20及び断接機構40に供給される油圧がさらに上昇される。そして、ステップS106において、トランスファクラッチ20が締結される。このようにして、トランスファクラッチ20及び断接機構40が締結される際には、シンクロ機構51が係合(断接機構40が締結)された後に、トランスファクラッチ20が締結される
次に、図3を参照してトランスファクラッチ20及び断接機構40を解放する際のシーケンスに付いて説明する。まず、ステップS200では、トランスファクラッチ20及び断接機構40に供給される油圧が低減される。そのため、ステップS202では、第1リターンスプリング24の付勢力によって、トランスファクラッチ20が解放される。続いて、ステップS204では、トランスファクラッチ20及び断接機構40に供給される油圧がさらに低減される。そのため、ステップS206において、第2リターンスプリング45の付勢力により、断接機構40が解放される。このようにして、トランスファクラッチ20及び断接機構40が解放される際には、トランスファクラッチ20が解放された後に、断接機構40が解放される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、トランスファクラッチ20が解放されているときに、スリーブ43が軸方向に摺動されて断接機構40が解放されるように油圧が制御される。そのため、トランスファクラッチ20が解放されているときに、断接機構40が解放されて、第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30b(すなわち、トランスファクラッチ20と副駆動輪側の駆動系)が切り離されることにより、トランスファクラッチ20のドラッグトルクが解消される。よって、燃費を改善することができる。一方、比較的シンプルな構成、すなわち、比較的低コストで上記断接機構40(ドグクラッチ)を実現することができる。その結果、コストの上昇を抑えつつ、トランスファクラッチ20解放時の引きずりトルクを解消して燃費を向上することが可能となる。
本実施形態によれば、共通の油圧回路72、共通の油圧を用いてトランスファクラッチ20及び断接機構40の締結・解放を制御することができる。すなわち、専用の油圧回路(油圧配管)や油圧制御用のソレノイドバルブ等を新たに追加する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
本実施形態によれば、スリーブ43と第2リヤドライブシャフト30bに形成された外スプライン32との間に、係合時に双方の回転を同期させるシンクロ機構51が設けられているため、スリーブ43と外スプライン32との係合時にスリーブ43(断接機構40)と外スプライン32(第2リヤドライブシャフト30b)の回転速度が異なっている場合であっても、よりスムーズに、スリーブ43と外スプライン32とを係合すること、すなわち、断接機構40を締結することができる。
本実施形態によれば、油圧が供給され、トランスファクラッチ20及び断接機構40が締結される際に、シンクロ機構51が係合(断接機構40が締結)された後に、トランスファクラッチ20が締結される。よって、シンクロ機構51が係合されるときには、まだトランスファクラッチ20が締結されていないため(すなわち、変速機等がつながれていないため)イナーシャが小さい。そのため、該イナーシャを容易に吸収すること(すなわち、シンクロ機構51のトルク容量不足を回避すること)ができる。
本実施形態によれば、油圧が排出され、トランスファクラッチ20及び断接機構40が解放される際に、トランスファクラッチ20が解放された後に、断接機構40が解放される。よって、断接機構40が解放されるときには、既にトランスファクラッチ20が解放されて、変速機側からの入力トルクが無くなっているため、スリーブ43を容易に抜くこと(すなわち、断接機構40を解放すること)ができる。
本実施形態によれば、トランスファクラッチ20を解放する方向に付勢力を付与する第1リターンスプリング24の付勢力が、断接機構40を解放する方向に付勢力を付与する第2リターンスプリング45の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、トランスファクラッチ20及び断接機構40が締結される際に、シンクロ機構51が係合(断接機構40が締結)された後に、トランスファクラッチ20を締結することができる。また、トランスファクラッチ20及び断接機構40が解放される際に、トランスファクラッチ20が解放された後に、断接機構40を解放することができる。
なお、本実施形態によれば、トランスファクラッチ20に油圧を作用させる油室23の受圧面積を、断接機構40に油圧を作用させる油室44の受圧面積よりも小さく設定することによっても、シンクロ機構51が係合(断接機構40が締結)された後に、トランスファクラッチ20を締結することができる。また、トランスファクラッチ20が解放された後に、断接機構40を解放することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1リヤドライブシャフト30aと第2リヤドライブシャフト30bとを断続可能な構成としたが、上記構成に加えて、例えば、プロペラシャフトと後輪(副駆動輪)との間に断接機構を設けて双方を切り離し可能な構成としてもよい。
また、全輪駆動車(AWD)の形式は上記実施形態に限られることなく、本発明は、他の形式の全輪駆動車にも適用することができる。
さらに、断接機構40の構成は上記実施形態に限られることなく、スリーブピストン42の内スプライン46が無い構成とすることもできる。すなわち、スリーブ43に形成されたスプライン47が、第1リヤドライブシャフト30aの外スプライン31と常時噛み合いつつ、軸方向に摺動して(すなわち、第2リヤドライブシャフト30bに形成された外スプライン32と噛み合う位置と噛み合いを外す位置とに移動して)、第2リヤドライブシャフト30b(外スプライン32)と断接可能とされた構成とすることもできる。
1 トランスファ
10 トランスファシャフト
20 トランスファクラッチ
20a ドライブプレート
20b ドリブンプレート
21 ドラム
22 トランスファピストン
23 油室
24 第1リターンスプリング
30 リヤドライブシャフト
30a 第1リヤドライブシャフト
30b 第2リヤドライブシャフト
31 外スプライン
32 外スプライン
40 断接機構
41 シリンダ
42 スリーブピストン
43 スリーブ
44 油室
45 第2リターンスプリング
46 内スプライン
47 スプライン
51 シンクロ機構
70 TCU
71 コントロールバルブ
72 油圧回路

Claims (8)

  1. 多板クラッチを有し、変速機から入力されるトルクを、供給される油圧に応じて調節して、副駆動輪側に出力するトランスファクラッチと、
    一方の端部が前記トランスファクラッチの出力側に接続された第1シャフトと、
    前記第1シャフトと同軸上に設けられ、一方の端部にスプラインが形成された第2シャフトと、
    前記第1シャフトと前記第2シャフトとの間に介装され、供給される油圧に応じて、前記第1シャフトと前記第2シャフトとの接続を断続する断接機構と、
    前記トランスファクラッチ、及び、前記断接機構それぞれに供給する油圧を制御する油圧制御手段と、を備え、
    前記断接機構は、前記第2シャフトに形成されたスプラインと嵌合可能なスプラインが形成され、前記第1シャフトと一体的に回転可能、かつ、供給される油圧に応じて、前記第1シャフト及び前記第2シャフトの軸方向に摺動自在に設けられたスリーブを有し、
    前記油圧制御手段は、前記トランスファクラッチを解放しているときに、前記断接機構を解放するように油圧を制御することを特徴とする全輪駆動車のトランスファ。
  2. 前記第1シャフトは、他方の端部にスプラインが形成されており、
    前記断接機構は、前記第1シャフトに形成されたスプラインと常時スプライン嵌合されるスプラインを有することを特徴とする請求項1に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  3. 前記油圧制御手段は、前記トランスファクラッチに油圧を作用させる油室、及び、前記断接機構に油圧を作用させる油室それぞれと連通する共通の油圧回路を通して、
    油圧を供給することにより、前記トランスファクラッチを締結するとともに、前記断接機構を締結し、
    油圧を排出することにより、前記トランスファクラッチを解放するとともに、前記断接機構を解放する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  4. 前記スリーブと前記第2シャフトに形成されたスプラインとの間には、係合時に双方の回転を同期させるシンクロ機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  5. 油圧が供給され、前記トランスファクラッチ、及び、前記断接機構が締結される際に、前記シンクロ機構が係合された後に、前記トランスファクラッチが締結されることを特徴とする請求項4に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  6. 油圧が排出され、前記トランスファクラッチ、及び、前記断接機構が解放される際に、前記トランスファクラッチが解放された後に、前記断接機構が解放されることを特徴とする請求項4又は5に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  7. 前記トランスファクラッチを解放する方向に前記トランスファクラッチに付勢力を付与する第1リターンスプリングと、
    前記断接機構を解放する方向に前記断接機構に付勢力を付与する第2リターンスプリングと、を有し、
    前記第1リターンスプリングの付勢力は、前記第2リターンスプリングの付勢力よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の全輪駆動車のトランスファ。
  8. 前記トランスファクラッチに油圧を作用させる油室の受圧面積は、前記断接機構に油圧を作用させる油室の受圧面積よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の全輪駆動車のトランスファ。
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