JP6981435B2 - 熱延鋼板の製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、延鋼板の製造設備に関する。
一般に、熱延鋼板を製造する場合、スケールによる圧延疵防止のため、粗圧延、仕上圧延に先立って鋼板表面のデスケーリングを実施する。このように鋼板表面のスケールを除去した後に、鋼板の圧延を実施する。
しかし、仕上圧延完了後から巻き取られるまでの間に、鋼板表層にスケールが生成される。このスケールを一般的に二次スケールと呼ぶ。圧延後の鋼板を、二次スケールが付着したまま最終製品へと加工する場合もあるが、多くの場合、圧延後の鋼板に対し酸洗工程を経て二次スケールを除去し最終製品へと加工する。
酸洗処理を行わない前者の場合には、鋼板を加工する際にスケール剥離が発生し、製品の見栄えが悪くなるばかりかスケール疵が発生してしまうことがある。このため、加工前までに二次スケールの厚みを薄くすることが重要となる。一方、酸洗処理を行う後者の場合には、酸洗工程でスケール厚を薄くすることが可能である。
この二次スケールの厚みが薄い薄スケール鋼板を製造する技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載された方法がある。特許文献1には、仕上圧延機からホットランスプレーに至るまでの空冷ゾーンの間で熱延鋼板の表層全体に対し酸化防止剤を塗布する方法が提案されている。また、特許文献2には、巻取り温度550℃を基準に、仕上圧延機と冷却装置との間にある前方デスケーリング装置と巻取り機直前にある後方デスケーリング装置とを使い分け、巻取り温度が550℃以上の場合に後方デスケーリング装置を選択することが提案されている。
特開昭59−42114号公報 特許第3607792号公報
しかし、特許文献1の方法では、コイル全長に酸化防止剤の塗布が必要となる。更に、圧延工程で酸化防止剤を塗布することによる環境対策も必要となる。このため、特許文献1の方法では、莫大なコストが掛かることが見込まれる。また、特許文献1の方法では、圧延工程よりも下流の工程にて、従来の酸洗工程へ入る前に酸化防止剤を処理する必要がある。すなわち、従来の工程に対し余計な工程を追加する必要があるため、この点からもコストの増加に繋がる。
特許文献2の方法は、巻取り温度が550℃以上の材料については後方デスケーリング装置を使用し、巻取り温度が550℃未満の材料については前方デスケーリング装置を使用することを特徴としている。この方法では、二つのデスケーリング装置を設置することになり、ランナウトテーブルの長大化および設置コスト増加へとつながる。また、前方デスケーリング装置で二次スケールを除去した場合には、対象材の仕上圧延温度が高く、仕上圧延後の板厚が厚い材料の場合にはデスケーリングによる冷却能力が足りず、ランナウトテーブル上で表層が復熱して、巻取りまでの間に二次スケールの再生成が始まってしまう。このため、薄スケール鋼板の製造を行うことは困難である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、より効果的に熱延鋼板表面の二次スケールを低減可能とすることを目的としている。
ここで、発明者は、仕上げ圧延後の熱延鋼板に高圧水を衝突させてデスケーリングすることについて鋭意検討したところ、単純に高圧水の衝突圧を高くしても必ずしもデスケーリングがうまく行われないことを突き止めた。更に検討を行い、高圧水の噴射条件を、衝突圧から衝突エネルギーで最適化することで、より確実にデスケーリング可能であることを突き止めた。
そして、課題を解決するために、本発明の一態様によれば、熱間仕上圧延機で仕上げ圧延後の熱延鋼板を、冷却ゾーンで冷却させた後に巻取機用ピンチロールを介して巻取機に巻き取る熱延鋼板の製造設備に設けられて、鋼板表面のデスケーリングを行うデスケーリング装置であって、上記デスケーリング装置は、上記冷却ゾーンよりも下流位置であって上記巻取機までの間において上記熱延鋼板に向けて高圧水を噴射する噴射ノズルを備え、上記噴射ノズルから噴射される高圧水は、噴射圧力が250kg/cm以上600kg/cm未満で、噴射方向の迎え角が10°以上35°以下の範囲に設定され、更に、下記(1)式を満足する条件で噴射するように設定される。
Figure 0006981435
Vは、噴射位置の近接化効果を考慮した下記(2)式で表される。
Figure 0006981435
ここで、Pe:衝突エネルギー(J/mm)、V:衝突速度(m/s)、Q:流量(m/s)、W:スプレー衝突幅(m)、U:鋼板通過速度(m/s)、Po:噴射圧力(Pa)、ρ:流体密度(kg/m)、λ:圧力損失係数、K:液滴減速定数、H:ノズル高さ(m)である。
本発明の態様によれば、より効果的に熱延鋼板表面の二次スケールを低減することができる。
本発明に基づく実施形態に係る熱延鋼板の製造設備の例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る冷却装置の構成例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
本実施形態の熱延鋼板の製造設備は、例えば、図1に示すような設備を備える。加熱装置(不図示)から出た材料は、粗圧延機(不図示)で粗圧延された後に、熱間仕上圧延機1に搬送されて熱間仕上げ圧延が行われる。図1中、符号1aは仕上圧延機1の最終スタンドを表す。仕上げ圧延機を出た熱延鋼板30は、ランナウトテーブル2に沿って搬送され、巻取機用ピンチロール3を介して巻取機4に巻き取られる。
仕上圧延機1の出側には冷却ゾーンZが設定されている。冷却ゾーンZと巻取機用ピンチロール3との間には、冷却ゾーンZ側(上流側)から第2のピンチロール7及びデスケーリング装置の噴射ノズル5が配置されている。符号9は仕上圧延機出側温度計を、符号10は巻取機前温度計を示す。
第2のピンチロール7は、第2のピンチロール7で熱延鋼板30を挟持する挟持位置から、巻取機用ピンチロール3で熱延鋼板30を挟持する挟持位置までの距離Lが20m以内となるように配置されている。上記距離Lは、好ましくは10m以内である。この第2のピンチロール7を設けることで、第2のピンチロール7と巻取機用ピンチロール3との間を走行する熱延鋼板30部分の走行方向両側が挟持されて、ランナウトテーブル2上を走行する熱延鋼板30のばたつきが抑制される。
巻取機用ピンチロール3から第2のピンチロール7で熱延鋼板30を挟持する挟持位置までの距離Lの下限値は、第2のピンチロール7と巻取機用ピンチロール3との間にデスケーリング装置の噴射ノズル5が配置でき、且つ噴射ノズル5からの高圧水が、第2のピンチロール7と巻取機用ピンチロール3との間に位置する熱延鋼板30に向けて噴射可能であれば特に限定はない。
デスケーリング装置の噴射ノズル5は、冷却ゾーンZよりも下流位置から巻取機4までの間において、走行する熱延鋼板30に向けて高圧水を噴射する装置である。噴射ノズル5は、熱延鋼板30の上側及び下側に配置されている。本実施形態の噴射ノズル5は、第2のピンチロール7から巻取機用ピンチロール3の間を走行する熱延鋼板30部分の表面に向けて高圧水を噴射可能に配置される。
ここで、本実施形態では、巻取機4前にデスケーリング装置を設定して、熱延鋼板30の薄スケール化を図ることを基本的な考え方とする。これに基づき、噴射ノズル5から噴射される高圧水は、噴射圧力が250kg/cm以上600kg/cm未満に設定されている。また、高圧水の噴射方向、すなわち熱延鋼板30の走行方向に対する噴射ノズル5の迎え角θが、10°以上35°以下の範囲に設定されている。
更に、本実施形態では、噴射ノズル5から噴射される高圧水が、下記(1)式を満足する条件で噴射されるように設定されている。
Figure 0006981435
なお、熱延鋼板30が薄い場合には、通板性や巻取温度への影響が大きくなる。この観点から、衝突エネルギーPeの上限は、例えば3.0未満である。
Vは、噴射位置の近接化効果を考慮した、下記(2)式で表される。
Figure 0006981435
ここで、Pe:衝突エネルギー(J/mm)、V:衝突速度(m/s)、Q:流量(m/s)、W:スプレー衝突幅(m)、U:熱延鋼板通過速度(m/s)、Po:噴射圧力(Pa)、ρ:流体密度(kg/m)、λ:圧力損失係数、K:液滴減速定数、H:ノズル高さ(m)である。なお、ノズルから噴射された高圧水が熱延鋼板表面に衝突する部分の面積の外周輪郭は楕円状になっている。上記のスプレー衝突幅Wは、その楕円状の輪郭の長軸で表す。
また上記パラメータ一例は次のような値である。
Q=200m/s、W=0.07m、U=13m/s、Po=3×10Pa、ρ=995kg/m、λ=0.75、K=0.44、H=0.15m
ここで、噴射圧力を250kg/cm以上600kg/cm未満としたのは、噴射圧力が250kg/cm未満では、巻取機4前の熱延鋼板30の速度が速く、(1)式の条件を満たすことができずデスケーリング能力がほとんどなくなるからである。また、噴射圧力が600kg/cm以上だと、その噴射圧力で熱延鋼板30がばたつき、鋼板の走行が不安定になるおそれがあるからである。
冷却ゾーンZには、仕上圧延機1で圧延された熱延鋼板30を冷却する冷却装置の冷却用ラミナー8が配置されている。冷却装置は、冷却用ラミナー8と冷却用制御部20とを備える。
冷却用ラミナー8は、ランナウトテーブル2における冷却ゾーンZを走行する熱延鋼板30部分に対し冷却水を噴射する装置である。
冷却用制御部20は、上記の冷却用ラミナー8からの冷却水量を制御する。冷却用制御部20は、冷却用ラミナー8からの冷却水量を制御することで、仕上圧延機1で熱間圧延された熱延鋼板30を、目標とする巻取温度まで冷却する冷却制御を行う装置である。
冷却制御は、例えば、仕上圧延機出側温度計9で温度測定したサンプリング点のランナウトテーブル2上での温度推移を計算すると共に、上記のサンプリング点の位置をトラッキングし、この位置と温度の状態量に基づいて、サンプリング周期毎にサンプリング点の巻取温度を予測し、この予測値と巻取機前温度計10による測定値(巻取機前温度実績)に基づいて、冷却用ラミナー8の各ノズルのバルブの開閉(冷却水量)を制御する。
ただし、本実施形態では、冷却装置による冷却制御の後に、デスケーリング装置の噴射ノズル5から高圧水を熱延鋼板30に噴射するため、熱延鋼板30が過冷却するおそれがある。このため、本実施形態では、デスケーリング装置の噴射ノズル5から高圧水の噴射による熱延鋼板30からの抜熱量(温度降下分)を予測演算し、その予測演算した温度降下分だけ、冷却装置の目標とする巻取温度を高めに補正する。これによって、デスケーリング装置通過後の熱延鋼板30の巻取温度を目標とする巻取温度に近づける。
例えば、冷却用制御部20は、図2に示すように、デスケーリング温度降下分計算部20Aと、温度降下計算部20Bと、温度降下再計算部20Cと、冷却水量制御部20Dとを備える。
デスケーリング温度降下分計算部20Aは、噴射ノズル5から噴射する高圧水の水量や水温などに基づき、デスケーリングによる鋼板の温度降下分を予測演算する。冷却ゾーンZと第2のピンチロール7との間に第3の温度計を設置して、第3の温度計による測定値と巻取機前温度計10による測定値との温度差に基づき、デスケーリングによる温度降下分を予測演算しても良い。
温度降下計算部20Bは、上位の計算機21から目標巻取温度を取得し、仕上圧延機出側温度計9が測定した冷却前温度を取得し、デスケーリング温度降下分計算部20Aから温度降下分を取得する。温度降下計算部20Bは、目標巻取温度と冷却前温度とデスケーリング温度降下分計算部20Aからのデスケ−リング温度降下分から、ラミナー冷却での必要温度降下量を計算する。例えば、目標巻取温度と冷却前温度から必要温度降下量を求めると共に、その求めた必要温度降下量を、デスケ−リング温度降下分に応じた量だけ小さく補正する。
温度降下再計算部20Cでは、巻取機出側温度計の測定値による巻取機前温度実績に基づき、温度降下計算部20Bが求めた必要温度降下量を、フィードバック制御で補正する。
冷却水量演算部では、温度降下再計算部20Cで補正後の必要温度降下量に基づき、冷却用ラミナー8の各ノズルのバルブの開閉(冷却水量)をフィードフォワード制御する。
ここで、上記実施形態では、第2のピンチロール7を設けた例を説明しているが、この第2のピンチロール7を有していなくても良い。この場合、デスケーリング装置の噴射ノズル5を、冷却ゾーンZが終わった直後の位置など、冷却ゾーンZよりも下流位置であって巻取機4までの間の任意の位置に配置すれば良い。
また、本実施形態では、巻取機用ピンチロール3の直前にデスケーリング装置の噴射ノズル5を配置した例であるが、巻取機用ピンチロール3の直後にデスケーリング装置の噴射ノズル5を配置してもよい。
(動作その他)
本実施形態では、不図示の加熱装置で加熱されたスラブが不図示の粗圧延機で粗圧延された後に仕上圧延機1で熱間仕上圧延される。熱間仕上圧延された熱延鋼板30は、ランナウトテーブル2上の冷却ゾーンZを走行中に、冷却用ラミナー8からの冷却水によって温度降下した後、デスケーリング装置で熱延鋼板30表面のデスケーリングが行われて、熱延鋼板30表面のスケールが低減する。その後、熱延鋼板30は巻取機4に巻き取られてコイルとなる。
このとき、本実施形態では、次のような構成を採用する。
(1)デスケーリング装置は、冷却ゾーンZよりも下流位置から巻取機4までの間において熱延鋼板30に向けて高圧水を噴射する噴射ノズル5を備える。噴射ノズル5から噴射される高圧水は、噴射圧力が250kg/cm以上600kg/cm未満で、噴射方向の迎え角θが10°以上35°以下の範囲に設定され、更に、上記(1)式のエネルギー式を満足する条件で噴射する構成を採用する。
この構成によれば、巻取機4に近い位置でデスケーリングすることで、確実にデスケーリングを行うことが可能となる。更に、噴射ノズル5から噴射する高圧水の条件を上記のように設定することで、より確実に安定してデスケーリングを行うことができて、例えば厚み2μm以下の薄スケールの熱延鋼板30を製造可能となる(後述の実施例を参照)。
ここで、スケールの成長は、鉄鋼の場合、一般的に、放物線則に従うことが知られており、スケール厚をδ、時間をtとすると、下記(3)式のようになる。
δ =K×t ・・・(3)
Kは反応速度常数であり、下記(4)式で表される。
K =A・exp(−Q/(R×T)) ・・・(4)
ここで、
A:定数、Q:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度
である。
すなわち、仕上圧延機1後から巻取機4までの間でスケールは成長を続けるが、本実施形態では、巻取機4直前でデスケーリングを行うことにより、2μm以下の薄スケールの熱延鋼板30の製造がより確実に可能となる。
(2)本実施形態では、冷却ゾーンZよりも下流であって巻取機用ピンチロール3よりも上流側に、走行される熱延鋼板30を板厚方向から挟み込む第2のピンチロール7を有し、噴射ノズル5は、第2のピンチロール7から巻取機用ピンチロール3の間に位置する熱延鋼板30に向けて高圧水を噴射可能に配置される。
この構成によれば、熱延鋼板30のばたつきを抑えた状態で、熱延鋼板30表面に高圧水を衝突させることが可能となり、より安定して且つより確実にデスケーリングを行うことが出来る。
また、巻取機4の直近でデスケーリングを行っても、高圧水の衝突による熱延鋼板30のばたつきが抑えられて、巻取機4の直近でのデスケーリングによるコイル不良を防止することが可能となる。
(3)本実施形態では、第2のピンチロール7で熱延鋼板30を挟持する挟持位置から、巻取機用ピンチロール3で熱延鋼板30を挟持する挟持位置までの距離が20m以内である。
この構成によれば、確実に熱延鋼板30のばたつきを抑えることができる。
(4)本実施形態では、熱延鋼板30の製造設備は、熱間圧延された熱延鋼板30を、冷却ゾーンZを走行中に目的温度まで冷却する冷却装置を備え、デスケーリング装置のデスケーリングによる温度降下分を推定し、冷却装置での温度降下分を、推定した温度降下分だけ高くする。
この構成によれば、冷却装置に下流側でデスケーリングを行っても、熱延鋼板30の巻取温度を目標とする巻取温度に近づけることができる。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
上述した本発明の実施形態である図1の構成の設備を用いて、薄スケールの熱延鋼板30を製造した。
本実施例における、熱延鋼板30の巻取温度、デスケーリング条件、デスケーリング効果の結果を表1に示す。なお、表1では、噴射圧力の単位を[MPa]で記載している。
デスケーリング効果は、スケール厚が2μm以下を「○」とし、9μm以上を「×」と、2μmより厚く9μm未満を「△」とした。
Figure 0006981435
表1中、No.1〜3は巻取機4前のデスケーリングを実施しなかった場合の従来例を表している。No.4〜10は本発明に基づく実施例である。また、No.11〜15は、巻取機4直前でデスケーリングを行うが、デスケーリング条件が本発明外の場合の比較例である。
表1から分かるように、従来例であるNo.1〜3では、15〜21μmのスケール厚であったのに対し、本発明の実施例No.4〜10では、スケール厚が全長に亘って2μm以下の均一な薄スケールの熱延鋼板30が得られた。
比較例No.11では、噴射圧力を15MPaまで下げたことによる衝突エネルギーの不足によりデスケーリング能力が不足となりスケール厚が10μmとなり、薄スケールの熱延鋼板30を得られることはできなかった。
また、比較例No.12、13は、迎え角θを0°とした場合であるが、衝突エネルギーを十分に満たしているにもかかわらず、スケール厚を2μm以下とすることができなかった。この理由としては、迎え角θを本発明の範囲に設定しなかったため、噴射後の滞留水が液滴の衝突を阻害し、十分な衝突エネルギーをスケールに与えることができなかったためと考えられる。その上、比較例No.12、13は、板全長のスケール厚が均一ではなく、スケール剥離の斑模様となっており好ましくない外観であった。
比較例No.14、15では、迎え角θを40°、45°と大きくとった場合を示している。薄スケール化に一定の効果が認められたものの、スケール厚を2μm以下に出来ていなかった。その上、迎え角θを大きくすることで、θ=0°と同等の衝突エネルギーを得るためには噴射口をより鋼板に近接化する必要もある。
以上から、(1)式を簡易に満足するためには、迎え角θは10°以上35°以下とすることが望ましいことが分かる。
以上のように、本発明によれば、巻取り温度によらずデスケーリングの効果を十分に発揮できるようになり、最も薄スケールの熱延鋼板30の製造に適した巻取り機直前でデスケーリングをするようにしたため、仕上出側温度、板厚によらず二次スケールが2μm以下の薄スケールの熱延鋼板30の製造が出来るようになった。
1 仕上圧延機
2 ランナウトテーブル
3 巻取機用ピンチロール
4 巻取機
5 噴射ノズル
7 第2のピンチロール
8 冷却用ラミナー
9 仕上圧延機出側温度計
10 巻取機前温度計
20 冷却用制御部
20A デスケーリング温度降下分計算部
20B 温度降下計算部
20C 温度降下再計算部
20D 冷却水量制御部
30 熱延鋼板

Claims (3)

  1. 熱間仕上圧延機で仕上げ圧延後の熱延鋼板を、冷却ゾーンで冷却させた後に巻取機用ピンチロールを介して巻取機に巻き取る熱延鋼板の製造設備であって、
    鋼板表面のデスケーリングを行うデスケーリング装置と、熱間圧延された熱延鋼板を、上記冷却ゾーンを走行中に目標とする温度まで温度降下させる冷却装置と、を備え、
    上記デスケーリング装置は、上記冷却ゾーンよりも下流位置であって上記巻取機までの間において上記熱延鋼板に向けて高圧水を噴射する噴射ノズルを備え、
    上記冷却ゾーンと上記デスケーリング装置との間に第3の温度計を設置し、
    上記噴射ノズルから噴射される高圧水は、噴射圧力が250kg/cm以上600kg/cm未満で、噴射方向の迎え角が15°以上35°以下の範囲に設定され、更に、下記(1)式を満足する条件で噴射するように設定され、
    上記冷却装置は、上記冷却ゾーンを走行する熱延鋼板部分に対し冷却水を噴射する冷却用ラミナーと、上記冷却用ラミナーからの冷却水量を制御する冷却用制御部と、を備え、
    上記冷却用制御部は、
    上記デスケーリング装置のデスケーリングによる温度降下分を、上記第3の温度計による測定値と上記巻取機用ピンチロールと上記巻取機との間に設けた温度計での測定値との温度差に基づき、予測演算するデスケーリング温度降下分計算部と、
    予め設定された目標巻取温度から、上記冷却用ラミナーでの冷却による必要温度降下量を求めると共に、その求めた必要温度降下量を、上記デスケーリング温度降下分計算部が予測演算する温度降下分に応じた量だけ小さく補正する温度降下計算部と、
    上記温度降下計算部が求めた必要温度降下量を、上記巻取機用ピンチロールと上記巻取機との間に設けた温度計での測定値に基づき、フィードバック制御で補正する温度降下再計算部と、
    補正後の上記必要温度降下量に基づき、上記冷却用ラミナーの冷却水量をフィードフォワード制御する冷却水量演算部と、を備える、
    ことを特徴とする熱延鋼板の製造設備。
    Figure 0006981435
    ただし、
    Vは、噴射位置の近接化効果を考慮した下記(2)式で表される。
    Figure 0006981435
    また、Pe:衝突エネルギー(J/mm)、V:衝突速度(m/s)、Q:流量(m/s)、W:スプレー衝突幅(m)、U:鋼板通過速度(m/s)、Po:噴射圧力(Pa)、ρ:流体密度(kg/m)、λ:圧力損失係数、K:液滴減速定数、H:ノズル高さ(m)である。
  2. 上記冷却ゾーンよりも下流であって上記巻取機用ピンチロールよりも上流側に、走行する熱延鋼板を板厚方向から挟み込む第2のピンチロールを有し、
    上記噴射ノズルは、上記第2のピンチロールから上記巻取機用ピンチロールの間に位置する熱延鋼板に向けて高圧水を噴射可能に配置されることを特徴とする請求項1に記載した熱延鋼板の製造設備。
  3. 上記第2のピンチロールで熱延鋼板を挟持する挟持位置から、上記巻取機用ピンチロールで熱延鋼板を挟持する挟持位置までの距離が20m以内であることを特徴とする請求項2に記載した熱延鋼板の製造設備。
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