JP6980402B2 - コアシェル粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、コア部と、その表面に設けられたシェル部で構成されるコアシェル粒子に関する。
近年、プラスチック製品、塗料、インキ、接着剤等の機械的特性や光学特性などの高機能化を狙って、サイズが数μm以上の樹脂製微粒子が改質剤として用いられている。
前記改質剤として用いられ得る樹脂製微粒子として、例えば特許文献1にはガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造のアクリル樹脂粒子が開示されている。また特許文献2には、3次元架橋構造を有するガラス転移温度が0℃以下のポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなるゴム質核、およびガラス転移温度が60℃以上の硬質樹脂を含む粘着性のない殻からなるコアシェル構造のビーズ状熱可塑性重合体粒子が開示されている。
特開2003−128736号公報 特開2007−070624号公報
軟質な樹脂組成物の特性改質を狙う場合、軟質な樹脂製微粒子が好適に用いられる。しかし、軟質な樹脂製微粒子は、ゴム状となって粉体として取り扱うのが難しいといった欠点がある。このような軟質の樹脂製微粒子を粉体化するために、シリカ粒子を添加するなどの方法が採用されているが、シリカ粒子等の無機粒子は樹脂製微粒子に固着されていないため、樹脂組成物中でシリカ粒子が脱落するなどの問題がある。
よって軟質な樹脂組成物に添加されるサイズが数μm以上の軟質な樹脂製微粒子には、上記問題を生じさせることなく、前記樹脂組成物の混合等の変形に追随できる高い軟質性を発揮することが求められる。好ましくは更に、粉体としての取扱性および樹脂組成物と混合する際などに要求される耐溶剤性も備えていることが求められる。上記した特許文献1、2に開示される粒子は、内層と外層の多層構造を有するポリマー粒子であって、内層が軟質である粒子が開示されているが、外層が硬質であり上記軟質性において未だ不十分であった。
本発明は、上記の様な事情に着目してなされたものであって、サイズが数μm以上であって、優れた軟質性を示し、好ましくは更に粉体の取扱性と耐溶剤性にも優れるコアシェル粒子を提供することを目的とする。以下、本発明のコアシェル粒子を「樹脂粒子」ということがある。
本発明のコアシェル粒子は、コア部とその表面に設けられたシェル部で構成されるものであって、体積平均粒子径が3μm以上、150μm以下であり、粒子径の変動係数が20%以上であり、かつ前記体積平均粒子径に最も近い、粒子径10±2μm、30±2μmまたは50±2μmのいずれかの粒子の10%K値が、下記範囲を満たすことを特徴とする。
粒子径10±2μmの粒子の10%K値は830N/mm2以下
粒子径30±2μmの粒子の10%K値は680N/mm2以下
粒子径50±2μmの粒子の10%K値は320N/mm2以下
前記コア部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の少なくとも1種と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃未満であり、前記シェル部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位の少なくとも1種と、架橋性モノマー(S2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃以上50℃未満であることが好ましい。
また本発明のコアシェル粒子は、コア部とその表面に設けられたシェル部で構成されるものであって、前記コア部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の少なくとも1種と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃未満であり、前記シェル部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位の少なくとも1種と、架橋性モノマー(S2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃以上50℃未満であることを特徴とするものでもある。
前記シェル部の単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)は、炭素数が3以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであることが好ましい。
前記シェル部の架橋性モノマー(S2)単位として架橋性(メタ)アクリル系モノマー単位が含まれることが好ましい。
前記シェル部の架橋性(メタ)アクリル系モノマーは、エチレングリコール単位の繰り返し数が2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記シェル部の架橋性モノマー(S2)単位が、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位及び架橋性モノマー(S2)単位の合計100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のコアシェル粒子は、目開き1.18mmのふるいを通過する粒子の割合が80質量%以上であることが好ましい。
本発明のコアシェル粒子は、下記耐溶剤性試験により算出される、MEK膨潤率が3.0未満であることが好ましい。
[耐溶剤性試験]
内径15mmの試験管A、Bを用意し、試験管Aにはコアシェル粒子2.5gと、1質量%の乳化剤水溶液20mlを入れ、試験管Bにはコアシェル粒子2.5gと、メチルエチルケトン20mlを入れ、試験管A及びBをそれぞれ5分間超音波で分散し、12時間放置した後、沈降したコアシェル粒子の高さを測定し、下記式(1)に従いMEK膨潤率を算出する。
MEK膨潤率=(メチルエチルケトン中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))/(乳化剤水溶液中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))・・・(1)
本発明のコアシェル粒子は、前記体積平均粒子径に対するシェル部の厚みの比が0.03以上、0.12以下であることが好ましい。
また本発明の製造方法は、前記コアシェル粒子の製造方法であって、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)、重合開始剤、水溶性高分子系分散安定剤、及び水系溶媒を含む混合物の懸濁液を反応させてコア重合部を形成する工程1、及び単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位、架橋性モノマー(S2)単位、乳化剤、及び水系溶媒を含む乳化液と、前記工程1で得られたコア重合部を含む反応液とを接触させて、コア重合部表面にシェル重合部を形成する工程2とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、優れた軟質性を示し、好ましくは更に粉体の取扱性と耐溶剤性にも優れる樹脂粒子を実現できる。
本発明のコアシェル粒子は、コア部とその表面に設けられたシェル部で構成されるコアシェル粒子であって、体積平均粒子径が3μm以上、150μm以下であり、粒子径の変動係数が20%以上であり、前記体積平均粒子径に最も近い、粒子径10±2μm、30±2μmまたは50±2μmのいずれかの粒子の10%K値が、下記範囲を満たす点に特徴を有している。以下、本発明のコアシェル粒子について詳述する。
粒子径10±2μmの粒子の10%K値は830N/mm2以下
粒子径30±2μmの粒子の10%K値は680N/mm2以下
粒子径50±2μmの粒子の10%K値は320N/mm2以下
本発明は、体積平均粒子径が3μm以上、150μm以下の範囲のコアシェル粒子を対象とするものである。体積平均粒子径の下限は、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは8μm以上である。体積平均粒子径の上限は、好ましくは120μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは80μm以下である。
また、本発明のコアシェル粒子の粒子径の変動係数(CV値)は20%以上である。コアシェル粒子の粒子径のCV値が20%以上であると、コアシェル粒子を樹脂組成物と混合した際、微小粒子が粒子の隙間に入ることにより、コアシェル粒子の充填密度を向上できる。
粒子径の変動係数(CV値)は、コールカウンター法を用いた粒度分布測定装置により粒子を測定して求めた体積基準の粒子径の標準偏差と体積平均粒子径から、下記式により求められる値である。
粒子径の変動係数(%)=(体積基準の粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)×100
粒子径のCV値の下限は好ましくは23%以上であり、より好ましくは25%以上である。粒子径のCV値の上限は、例えば60%以下であり、好ましくは55%以下であり、より好ましくは53%以下である。
シェル部の厚みは、0.8μm以上、3.5μm以下であることが好ましい。シェル部の厚みを0.8μm以上とすることによって、シェル部による効果(特には、粉体の取扱性と耐溶剤性の向上、更には優れた軟質性と粉体の取扱性との両立)をより有効に発揮できる。シェル部の厚みは、1.0μm以上がより好ましく、更に好ましくは1.3μm以上である。また、シェル部の厚みを3.5μm以下とすることによって、コア部の軟質性を十分に発揮しやすいため好ましい。シェル部の厚みは、より好ましくは3.0μm以下であり、更に好ましくは2.5μm以下、より更に好ましくは2.0μm以下である。
シェル部の厚みとコアシェル粒子の体積平均粒子径との比(シェル厚/体積平均粒子径)の下限は、例えば0.02以上であり、好ましくは0.03以上であり、上限は例えば0.12以下であり、好ましくは0.10以下である。
また、本発明のコアシェル粒子は、軟質性の指標とできる変形初期の圧縮弾性率、特に下記方法で求められる10%K値が一定以下の小さい値を示すものである。その結果、軟質な樹脂組成物の変形に十分追随できる優れた軟質性を達成できる。
具体的には、体積平均粒子径に最も近い粒子径10±2μm、30±2μmまたは50±2μmのいずれかの粒子の10%K値が、下記範囲を満たすものである。
粒子径10±2μmの粒子の10%K値は830N/mm2以下
粒子径30±2μmの粒子の10%K値は680N/mm2以下
粒子径50±2μmの粒子の10%K値は320N/mm2以下
上記10%K値は、試験粒子の中心方向へ荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値を測定、より具体的には後記する実施例に示す方法で測定し、下記式により求められる圧縮弾性率である。
Figure 0006980402
上記式中、Eは圧縮弾性率(N/mm2)、Fは圧縮荷重(N)、Sは圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。
尚、体積平均粒子径が20μm、即ち、上記粒子径10±2μmと粒子径30±2μmの中間値である場合、粒子径10±2μmの粒子の10%K値と、粒子径30±2μmの粒子の10%K値のいずれか一方が上記範囲を満たしていればよい。また、体積平均粒子径が40μm、即ち、上記粒子径30±2μmと粒子径50±2μmの中間値である場合、粒子径30±2μmの粒子の10%K値と、粒子径50±2μmの粒子の10%K値のいずれか一方が上記範囲を満たしていればよい。
粒子径10±2μmの粒子の10%K値は、上記の通り830N/mm2以下であり、好ましくは825N/mm2以下、より好ましくは820N/mm2以下である。上記10%K値の下限は特に限定されないが、例えば15N/mm2以上であり、好ましくは50N/mm2以上であり、より好ましくは100N/mm2以上である。
粒子径30±2μmの粒子の10%K値は、上記の通り680N/mm2以下であり、好ましくは675N/mm2以下、より好ましくは670N/mm2以下である。上記10%K値の下限は特に限定されないが、例えば10N/mm2以上であり、好ましくは50N/mm2以上であり、より好ましくは100N/mm2以上である。
粒子径50±2μmの粒子の10%K値は、上記の通り320N/mm2以下であり、好ましくは315N/mm2以下、より好ましくは310N/mm2以下である。上記10%K値の下限は特に限定されないが、例えば5N/mm2以上であり、好ましくは50N/mm2以上であり、より好ましくは100N/mm2以上である。
本発明は、体積平均粒子径に最も近い粒子径の10%K値が上記範囲を満たすものであるが、更に、粒子径10±2μm、30±2μm、50±2μmのうち、体積平均粒子径に最も近い粒子径以外の粒子径の10%K値も、上記範囲を満たしていることが好ましい。例えば、体積平均粒子径が35μmであり、かつ粒子径10±2μmの粒子を有するが粒子径50±2μmの粒子を有しない場合、粒子径30±2μmの粒子の10%K値だけでなく、粒子径10±2μmの粒子の10%K値も上記範囲を満たしていることが好ましい。また、体積平均粒子径が35μmであり、粒子径10±2μmの粒子および粒子径50±2μmの粒子も有する場合、粒子径30±2μmの粒子の10%K値だけでなく、粒子径10±2μmの粒子および/または粒子径50±2μmの粒子の10%K値も上記範囲を満たしていることが好ましい。
本発明のコアシェル粒子は、上述の通り軟質性が高いにもかかわらず、粉体の取扱性に優れている。粉体の取扱性は、具体的には、ふるいを通過するコアシェル粒子の割合で評価できる。本発明のコアシェル粒子は、凝集が抑制され、流動性が良好であるため、目開き1.18mmのふるいを通過するコアシェル粒子の割合を80質量%以上とできる。目開き1.18mmのふるいを通過するコアシェル粒子の割合は、100質量%であることがより好ましい。
また本発明のコアシェル粒子は、上述の通り軟質性が高いにもかかわらず、軟質材料単独の粒子よりも耐溶剤性に優れる。すなわち本発明のコアシェル粒子を溶剤に添加した際、コアシェル粒子が溶剤を含んで膨潤することを抑制できる。耐溶剤性の具体的な指標としては、下記手順に従った耐溶剤性試験によって求められるMEK(メチルエチルケトン)膨潤率を用いることができる。
耐溶剤性試験では、内径15mmの試験管A、Bを用意し、試験管Aにはコアシェル粒子2.5gと、1質量%の乳化剤水溶液20mlを入れ、試験管Bにはコアシェル粒子2.5gと、メチルエチルケトン20mlを入れ、試験管A及びBをそれぞれ5分間超音波で分散し、12時間放置した後、沈降したコアシェル粒子の高さを測定し、下記式(1)に従いMEK膨潤率を算出する。
MEK膨潤率=(メチルエチルケトン中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))/(乳化剤水溶液中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))・・・(1)
本発明のコアシェル粒子は、上記したMEK膨潤率を3.0未満とでき、好ましくは2.8以下であり、より好ましくは2.5以下である。上記MEK膨潤率の下限は特に限定されず1.0であることが好ましいが、通常1.1程度である。
上記耐溶剤性試験において用いられる乳化剤は、粒子が良好に分散できるものであれば特に制限はなく、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)を用いることができ、その他の好ましく使用できる乳化剤として、後述するコアシェル粒子の製造方法で例示したシェル用プレエマルションに含まれる乳化剤のうち、ポリオキシエチレン鎖を有する乳化剤が挙げられる。
次に、本発明のコアシェル粒子を構成するコア部及びシェル部の成分について、それぞれ説明する。なお、本明細書においてモノマー単位とは、重合体中におけるそのモノマーに由来する構造単位を意味するものとする。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル」はそれぞれ、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
本発明のコア部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の少なくとも1種と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含むことが好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)としては、(メタ)アクリル酸のC1-12アルキルエステルが好ましい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種又は2種以上を使用でき、2種以上併用することが好ましい。単官能(メタ)アクリル系モノマー単位(C1)としては、上記アルキル基が直鎖かつ長鎖であることが好ましく、前記アルキルの炭素数が3以上であることがより好ましく、前記アルキルの炭素数が例えば10以下、更には8以下とすることができる。特に好ましくはn−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレートを併用することである。
架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)は、一分子中に、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を意味する。前記2個以上の(メタ)アクリロイル基は、アルキレングリコールやポリアルキレングリコール等のジオール化合物;トリオール化合物;テトラオール化合物;ヘキサオール化合物等のポリオール化合物を介して結合していることが好ましい。特に、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)は、2〜6官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルケングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位の繰り返し数は、例えば2〜150);等が挙げられる。3官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられ、4官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。6官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)は1種で用いても良いし、2種以上で用いてもよい。
架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)は、2〜4官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーがより好ましく、さらに好ましくは2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。特に好ましくはエチレングリコール単位の繰り返し数が2〜10、好ましくは2〜8であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。
本発明では、上記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度Tgを0℃未満とすることによってコア部が軟質となる。上記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体は、コア部を構成するモノマーから、単官能(メタ)アクリル系モノマーのみを抽出し、各単官能(メタ)アクリル系モノマー間の割合は維持したままでこれ(ら)のみを(共)重合することで得られる概念上の重合体のことを言う。この概念上の重合体は、C1として1種のみ用いる場合には、1種のみからなる単独重合体を意味し、C1として2種以上用いる場合には2種以上のC1からなる共重合体を意味する。
本発明において、上記ガラス転移温度Tgは、下記式(a)により求められる絶対温度でのガラス転移温度Tgaを摂氏温度に換算して求められる値を意味する。
1/Tga=Σ(Wi/Tgi)・・・(a)
上記式(a)中、Tgaは前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度(単位は絶対温度)である。Wiは各単官能(メタ)アクリル系モノマーiの、前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体中の質量割合である。Tgiは各単官能(メタ)アクリル系モノマーiのみから形成される単独重合体のガラス転移温度(単位は絶対温度)である。
上記式(a)はFOX式と呼ばれる式であり、重合体を構成する個々の単量体について、その単量体の単独重合体のガラス移転温度Tgiに基づいて、重合体のガラス転移温度Tgaを算出するための式であり、その詳細は、ブレティン・オブ・ジ・アメリカン・フィジカル・ソサエティ・シリーズ2(Bulletin of the American Physical Society, Series 2)、第1巻、第3号、第123頁(1956年)に記載されている。また、FOX式で計算するための様々な単量体の単独重合体のガラス転移温度(Tgi)は、例えば、塗装と塗料(塗料出版社、10(No.358)、1982)に記載されている数値等を採用することができる。
上記FOX式で求められるガラス転移温度から摂氏温度に換算して求められる、上記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgは、−5℃以下がより好ましく、−10℃以下が更に好ましく、−15℃以下がより更に好ましい。Tgの下限は、例えば−50℃以上であり、−45℃以上としても良いし、−40℃以上としても良い。
前記コア部の共重合体中の単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の割合は、例えば90質量%以上であり、このようにすることで、コア部をより軟質にできる。単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の割合は、好ましくは92質量%以上であり、より好ましくは93質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
また、前記コア部の共重合体に占める架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の割合は、例えば10質量%以下が好ましい。このようにすることで、コア部をより軟質にできる。架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の割合は、8質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下であり、下限は特に限定されないが、例えば2質量%以上である。
次に本発明のシェル部の成分について説明する。本発明のシェル部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位の少なくとも1種と、架橋性モノマー(S2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含むことが好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)としては、(メタ)アクリル酸のC1-12アルキルエステルが好ましい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種又は2種以上を使用できる。単官能(メタ)アクリル系モノマー単位(S1)としては、上記アルキル基が直鎖かつ長鎖であることが好ましい。前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)は、炭素数が3以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであることが好ましく、更に、炭素数が例えば10以下、更には8以下のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとすることができる。より好ましくはn−ブチルメタクリレートである。
架橋性モノマー(S2)としては、架橋可能なものであればよく、具体的には、ビニル基を少なくとも含むビニル系架橋性単量体が挙げられ、例えば架橋性(メタ)アクリル系モノマーや、架橋性スチレン系モノマーが挙げられる。好ましくは架橋性(メタ)アクリル系モノマーである。
前記架橋性(メタ)アクリル系モノマーは、一分子中に、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を意味する。前記2個以上の(メタ)アクリロイル基は、アルキレングリコールやポリアルキレングリコール等のジオール化合物;トリオール化合物;テトラオール化合物;ヘキサオール化合物等のポリオール化合物を介して結合していることが好ましい。特に、架橋性(メタ)アクリル系モノマーは、2〜6官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、2つの水酸基間の炭素数が2つ以上である脂肪族ジオールと(メタ)アクリル酸とのエステルが挙げられる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルケングリコールジ(メタ)アクリレート;例えば2〜150のエチレングリコール単位を含むポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
3官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられ、4官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。6官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。架橋性(メタ)アクリル系モノマーは1種で用いても良いし、2種以上で用いてもよい。
架橋性(メタ)アクリル系モノマーは、2〜4官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーがより好ましく、さらに好ましくは2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
前記2官能架橋性(メタ)アクリル系モノマーは、2つの(メタ)アクリロイル基の間のアルキル基が直鎖かつ長鎖であることが好ましく、2つの水酸基間の炭素数が3つ以上である脂肪族ジオールと(メタ)アクリル酸とのエステルであることがより好ましい。更に、2つの水酸基間の炭素数が例えば10以下、更には8以下、更には6以下の脂肪族ジオールと(メタ)アクリル酸とのエステルとすることが挙げられる。または、エチレングリコール単位の繰り返し数が2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのエチレングリコール単位の繰り返し数は、より好ましくは3以上である。前記エチレングリコール単位の繰り返し数の上限は、例えば10以下とすることができ、更には8以下、更には6以下とすることができる。
また前記架橋性スチレン系モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
前記架橋性モノマー(S2)として、架橋性(メタ)アクリル系モノマー単位が含まれることによって、粉体の取扱性を十分に高めることができるため好ましい。架橋性モノマー(S2)に占める架橋性(メタ)アクリル系モノマーの割合は、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
前記シェル部の架橋性モノマー(S2)単位は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位及び架橋性モノマー(S2)単位の合計100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。架橋性モノマー(S2)単位を1質量部以上とすることによって、粉体の取扱性や耐溶剤性を高めることができる。架橋性モノマー(S2)単位は、好ましくは2質量部以上である。また架橋性モノマー(S2)単位を50質量部以下とすることによって、樹脂粒子の軟質性を高めることができる。架橋性モノマー(S2)単位は、好ましくは45質量部以下である。
また本発明のシェル部は、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃以上50℃未満であることが好ましい。すなわち、前述のコア部におけるガラス転移温度Tgの算出で用いた式(a)において、前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)を前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)に置き換えて算出される、前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃以上50℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度Tgを0℃以上とすることによって、良好な粉体の取扱性を確保することができる。またガラス転移温度Tgを50℃未満とすることによって、コア部の軟質性を十分に発揮させ、結果として樹脂粒子の軟質性を十分に高めることができる。上記ガラス転移温度Tgは、5℃以上がより好ましく、更に好ましくは10℃以上であり、より更に好ましくは15℃以上である。上記ガラス転移温度Tgの上限は、45℃以下であることがより好ましく、更に好ましくは40℃以下、より更に好ましくは35℃以下である。
上記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体は、シェル部を構成するモノマーから、単官能(メタ)アクリル系モノマーのみを抽出し、各単官能(メタ)アクリル系モノマー間の割合は維持したままでこれ(ら)のみを(共)重合することで得られる概念上の重合体のことを言う。この概念上の重合体は、S1として1種のみ用いる場合には、1種のみからなる単独重合体を意味し、S1として2種以上用いる場合には2種以上のS1からなる共重合体を意味する。
次に、本発明のコアシェル粒子、特にコア部とシェル部が上記好ましい成分を満たすコアシェル粒子の製造方法について説明する。該製造方法は、
(i)単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)、重合開始剤、分散安定剤(好ましくは水溶性高分子系分散安定剤)、及び水系溶媒を含む混合物の懸濁液を反応させてコア重合部を形成する工程1;及び
(ii)単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位、架橋性モノマー(S2)単位、乳化剤、及び水系溶媒を含む乳化液と、前記工程1で得られたコア重合部を含む反応液とを接触させて、コア重合部表面にシェル重合部を形成する工程2;とを含む。
上記製造方法の各工程について、以下、より詳細に説明する。
(i)単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)、重合開始剤、分散安定剤(好ましくは水溶性高分子系分散安定剤)、及び水系溶媒を含む混合物の懸濁液を反応させてコア重合部を形成する工程1
(i−1)コア用懸濁液の作製
まず、コア用の懸濁液を作るために、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)、重合開始剤、分散安定剤、及び水系溶媒を含む混合物を容器に入れ、所定時間撹拌して懸濁液を作製する。
水は、懸濁重合の場を提供する媒体として用いられ、水系溶媒は水単独であっても良いし、水と非水溶媒との組み合わせであっても良いが、水単独であることが好ましい。懸濁液100質量部中、水の量は70〜85質量部であることが好ましい。
上記した分散安定剤は、重合反応を安定に進めるために用いられ、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、セルロース、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子系分散安定剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム)等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤;その他アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等の無機分散剤を用いることができる。分散安定剤としては、水溶性高分子系分散安定剤が好ましく、より好ましくはPVA、ポリビニルピロリドン、セルロース、ゼラチンのうちの1種以上、更に好ましくはPVA、ポリビニルピロリドンのうちの1種以上、特に好ましくはPVAである。また、被添加物である有機樹脂とのより高い親和性を確保する観点からは、上記のうち、水溶性高分子系分散安定剤、種々の界面活性剤、その他アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン等を用いることが好ましい。
分散安定剤は、コア用懸濁液100質量部中、例えば5〜10質量部であることが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を好ましく使用できる。ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤が好ましく、例えば、過酸化物系重合開始剤、アゾ化合物系重合開始剤が挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、オルトクロロベンゾイルペルオキシド、オルトメトキシベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等が挙げられる。また、アゾ化合物系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
重合開始剤は、コア用懸濁液100質量部中、0.1〜1質量部であることが好ましい。
懸濁液を作製する際の撹拌は、パドル翼などを用いて200〜400rpm程度で1〜3時間程度撹拌するか、または2000〜4000rpm程度の高速撹拌を1〜30分程度行えば良い。前記した高速撹拌には、公知の乳化分散装置を用いることができる。乳化分散装置としては、例えば、マイルダー(荏原製作所製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)等の高速せん断タービン型分散機;ピストン型高圧式均質化機(ゴーリン社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス社製)等の高圧ジェットホモジナイザー;超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製)等の超音波式乳化分散機;アトライター(三井鉱山社製)等の媒体撹拌分散機;コロイドミル(日本精機製作所製)等の強制間隙通過型分散機等を用いることができる。
(i−2)コア用モノマーの重合
コア用懸濁液を作製した後は、必要に応じて別の容器に移し代えて、撹拌しながら、不活性ガス雰囲気下、昇温してコア用モノマー成分の重合を行う。
不活性ガスとしては、窒素ガスや希ガスなどを用いることができ、窒素ガスを用いることが好ましい。また昇温温度は例えば40〜100℃であり、好ましくは50〜90℃である。
コア用懸濁液と、後述するシェル用モノマーを含む混合物とを混合するタイミングは、コア用モノマーの重合が十分に進んだ段階で行うことが好ましい。コア用モノマーの重合率はコア用懸濁液の温度変化から推測でき、コア用懸濁液の温度が極大値を示した直後に、シェル用モノマーを含む混合物と混合することが好ましい。
(ii)単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位、架橋性モノマー(S2)単位、乳化剤、及び水系溶媒を含む乳化液と、前記工程1で得られたコア重合部を含む反応液とを接触させて、コア重合部表面にシェル重合部を形成する工程2
(ii−1)シェル用モノマー成分を含むプレエマルションの作製
シェル用モノマー成分として単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位と架橋性モノマー(S2)単位、乳化剤、及び水系溶媒を含み、重合開始剤を含まない混合物を高速撹拌し、プレエマルションとして、前記コア用懸濁液と混合することが好ましい。シェル用モノマーを含む混合物をプレエマルションとすることによって、コア用懸濁液中にシェル用モノマー成分が均一に分散すると共に、コア粒子の表面にシェル用モノマー成分が到達しやすくなる。
前記コア用懸濁液には、重合開始剤が残存しており、この重合開始剤によって、シェル用モノマーの重合が進行するため、シェル用プレエマルションには重合開始剤を含む必要がない。むしろ、重合開始剤が含まれていると、シェル用モノマーが単独で重合してシェル部を形成しない恐れがある。プレエマルションに重合開始剤は必要ないが、シェル部の形成を阻害しない範囲で含まれていてもよい。
水系溶媒は、水単独であっても良いし、水と非水溶媒との組み合わせであっても良いが、水単独であることが好ましい。プレエマルション100質量部中、水の量は40〜60質量部であることが好ましい。
乳化剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸エステルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が挙げられ、好ましくはアニオン性界面活性剤(特にポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩)が用いられる。
乳化剤の量は、プレエマルション100質量部中、0.05〜1.5質量部(好ましくは0.05〜1質量部)であることが好ましい。
シェル用モノマー成分、水系溶媒、乳化剤を含む混合物のプレエマルション化は、例えば、上記したシェル用懸濁液の高速撹拌に用いることのできる装置と同様のものを用いることができる。
シェル用プレエマルションの量は、コア用懸濁液100質量部に対して例えば8〜20質量部とすることができる。
(ii−2)シェル用モノマーの重合
コア用懸濁液とシェル用プレエマルションとを混合した後、40〜100℃で(好ましくは50〜90℃)1〜3時間保持することによりシェル用モノマーを重合できる。コア及びシェルの重合が終了した後は、適宜、ろ過、遠心分離、乾燥等を行えば良い。乾燥は、例えば100℃以下(好ましくは30〜50℃)で5〜20時間程度行えば良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実施例で行った各種物性の測定方法は以下の通りである。
(1)樹脂粒子の体積平均粒子径・変動係数(CV値)
樹脂粒子0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とした。粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、体積平均粒子径を求めた。また、粒子径の変動係数については、体積平均粒子径とともに体積基準での粒子径の標準偏差を求め、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子径の変動係数(%)=(体積基準の粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)×100
(2)シェル厚の測定
後述する重合粒子の製造過程において、シェル用モノマー成分の乳化液を添加する直前の重合液をサンプリングして測定した粒子径の平均値と、最終的に得られた重合体微粒子について測定した粒子径の平均値との差を2で割った値をシェル厚とした。表1には、体積平均粒子径に対するシェル部の厚みの比も示す。
(3)樹脂粒子の10%K値
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、「軟質表面検出」モードで、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの圧縮荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。樹脂粒子の直径は、上記MCT−W500に付属のノギス径算出ツールを用い測長した。測定対象樹脂粒子は、下記「(4)樹脂粒子の軟質性評価」に示す通りである。そして、得られた圧縮荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、そのとき得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき算出した。上記測定は、25℃の恒温雰囲気下で行った。
Figure 0006980402
上記式中、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。
(4)樹脂粒子の軟質性評価
軟質性の評価は下記の手順で行う。
[1]前記(1)に示した通り、粒度分布測定装置にて体積平均粒子径を測定する。
[2]粒子径10±2μm、30±2μm、50±2μmのうち、体積平均粒子径に最も近い粒子径を選択する。
[3]上記選択した粒子径10±2μm、30±2μm、または50±2μmの樹脂粒子10個を、MCT−W500にて付属のノギス径算出ツールを用いて粒子径を測長する。
[4]上記測長した樹脂粒子10個の10%K値をそれぞれ算出し、その平均値を求める。
例えば、体積平均粒子径が35μmである場合、上記ツールを用いて測長した粒子径が30±2μmの樹脂粒子10個を集め、これらの樹脂粒子の10%K値を測定し、10個の平均値を、粒子径30±2μmの粒子の10%K値とする。そして、下記指標により軟質性を評価する。尚、表1ではいずれの例においても、体積平均粒子径に最も近い粒子径30±2μmの10%K値に加え、粒子径10±2μmの粒子の10%K値、および粒子径50±2μmの粒子の10%K値も併せて示している。
[軟質性指標]
粒子径が10±2μmの場合
830N/mm2以下は「○」、830N/mm2超は「×」
粒子径が30±2μmの場合
680N/mm2以下は「○」、680N/mm2超は「×」
粒子径が50±2μmの場合
320N/mm2以下は「○」、320N/mm2超は「×」
(5)粉体(樹脂粒子)の取扱性の評価
目開き1.18mmのふるいに重合体微粒子100gを乗せ、1分間振とうさせた後、ふるいを通過した重合体微粒子の質量を測定し、下記式によりパス率を求めた。
パス率(%)=(ふるいを通過した重合体微粒子質量(g)/100(g))×100
パス率が80〜100質量%のものを「○」、80質量%未満のものを「×」と評価した。
(6)樹脂粒子の耐溶剤性の評価
内径15mmの試験管A、Bを用意し、試験管Aには樹脂粒子2.5gと、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1質量%水溶液20mlを入れ、試験管Bには樹脂粒子2.5gと、メチルエチルケトン20mlを入れた後、試験管A及びBをそれぞれ5分間超音波で分散し、12時間放置した。沈降した樹脂粒子の高さを測定し、下記式(1)に従いMEK膨潤率を算出した。尚、下記式(1)では、コアシェル粒子を樹脂粒子と表現している。
MEK膨潤率=(メチルエチルケトン中で沈降した樹脂粒子の高さ(mm))/(乳化剤水溶液中で沈降した樹脂粒子の高さ(mm))・・・(1)
MEK膨潤率が3.0未満のものを「○」、3.0以上のものを「×」と評価した。
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−205」)の10%水溶液666.7部(以下、「部」は「質量部」を意味する)を仕込み25℃に保持した。235rpmで攪拌下、滴下口から、コア用単量体成分としてn−ブチルアクリレート47.5部(全コア用モノマー中47.5質量%)と、n−ブチルメタクリレート47.5部(全コア用モノマー中47.5質量%)と、トリエチレングリコールジメタクリレート5.0部(全コア用モノマー中5質量%)と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)3.0部とを溶解した溶液を添加して2時間保持することにより懸濁液を作成した。この懸濁液を、撹拌継続下、窒素雰囲気下で65℃まで昇温させることにより、コア用単量体成分のラジカル重合を行った。なお、n−ブチルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度は、218.2Kであり、n−ブチルメタクリレートの単独重合体のガラス転移温度は293.2Kである。
次いで、別のフラスコに、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液1.3部を、イオン交換水50.0部に溶解した溶液に、シェル用単量体成分としてn−ブチルメタクリレート47.5部(コア用モノマーの合計100質量部に対して47.5質量部)と、トリエチレングリコールジメタクリレート2.5部(コア用モノマーの合計100質量部に対して2.5質量部)を加え、乳化分散させてシェル用単量体成分の乳化液を調製した。
コア用単量体成分の重合が始まり、フラスコ内温がピーク温度に達し、極大値を示した直後に、上記シェル用単量体成分の乳化液を添加した。添加後65℃にて2時間保持することによりシェル用単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、40℃で12時間真空乾燥させて重合体微粒子(1)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
(製造例2〜5)
単量体の種類と使用量を表1に示す通りとした以外は製造例1と同様にして、重合体微粒子(2)〜(5)を得た。得られた重合体微粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
(製造例6)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−205」)の10%水溶液666.7部を仕込み25℃に保持した。200rpmで攪拌下、滴下口から、単量体成分としてメチルメタクリレート60.0部と、エチレングリコールジメタクリレート40.0部と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2.0部とを溶解した溶液を添加し、2時間保持することにより懸濁液を作成した。この懸濁液を、撹拌継続下、窒素雰囲気下で65℃まで昇温させることにより、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、40℃で12時間真空乾燥させて重合体微粒子(6)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
(製造例7)
単量体の種類と使用量を表1に示す通りとした以外は製造例6と同様にして、重合体微粒子(7)を得た。得られた重合体微粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
Figure 0006980402
なお、表1において、nBMAはn−ブチルメタクリレート、nBAはn−ブチルアクリレート、3EGはトリエチレングリコールジメタクリレートを表し、MMAはメタクリル酸メチル、EGDMAはエチレングリコールジメタクリレート、DVBはジビニルベンゼン、Stはスチレンを表す。またシェル架橋度は、シェル中の全モノマーの含有量に対する架橋性モノマーの含有量の質量割合を百分率で示した値である。
表1から、本発明の要件を満たす実施例1および2は、いずれも軟質性が良好で、かつ粉体の取扱性に優れると共に、MEK膨潤率が低く耐溶剤性にも優れることがわかる。
一方、比較例1〜3は、体積平均粒子径に最も近い粒子径30±2μmの粒子の10%K値が高いため、軟質性が劣っていた。また実施例1と比較例2を比較すると、優れた軟質性と共に、粉体の取扱性にも優れた樹脂粒子を得るには、シェル部を、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位の少なくとも1種と、架橋性モノマー(S2)単位の少なくとも1種を有する共重合体とすることが好ましく、より好ましくは前記架橋性モノマー(S2)単位が架橋性(メタ)アクリル系モノマー単位であることが好ましいことがわかる。
比較例4は、硬質なコア部を有するのみでシェル部を有していないため、軟質性に劣っていた。また比較例5は、軟質なコア部を有するのみでシェル部を有していないため、粉体の取扱性と耐溶剤性に劣っていた。
本発明のコアシェル粒子は、ゴム、フィルム、塗料、インキ、接着剤等の機械的特性や光学特性などの高機能化を図るための添加剤(改質剤)として有用である。本発明のコアシェル粒子は、具体的に例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、NBRゴム、天然ゴム、フッ素ゴムクロロプレンゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化オレフィン樹脂、セルロース樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等に添加して、上記特性の向上を図るための添加剤(改質剤)として有用である。

Claims (9)

  1. コア部とその表面に設けられたシェル部で構成されるコアシェル粒子であって、
    体積平均粒子径が3μm以上、150μm以下であり、
    粒子径の変動係数が20%以上であり、かつ
    前記体積平均粒子径に最も近い、粒子径10±2μm、30±2μmまたは50±2μmのいずれかの粒子の10%K値が、下記範囲を満たし、
    前記コア部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)単位の少なくとも1種と、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃未満であり、
    前記シェル部は、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位の少なくとも1種と、架橋性モノマー(S2)単位の少なくとも1種を有する共重合体を含み、FOX式に基づいて算出される前記単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)のみからなる重合体のガラス転移温度Tgが0℃以上50℃未満であることを特徴とするコアシェル粒子。
    粒子径10±2μmの粒子の10%K値は830N/mm2以下
    粒子径30±2μmの粒子の10%K値は680N/mm2以下
    粒子径50±2μmの粒子の10%K値は320N/mm2以下
  2. 前記シェル部の単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)が、炭素数が3以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルである請求項に記載のコアシェル粒子。
  3. 前記シェル部の架橋性モノマー(S2)単位として架橋性(メタ)アクリル系モノマー単位が含まれる請求項1または2に記載のコアシェル粒子。
  4. 前記シェル部の架橋性(メタ)アクリル系モノマーが、エチレングリコール単位の繰り返し数が2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである請求項に記載のコアシェル粒子。
  5. 前記シェル部の架橋性モノマー(S2)単位が、単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位及び架橋性モノマー(S2)単位の合計100質量部に対して、1〜50質量部である請求項のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  6. 目開き1.18mmのふるいを通過する粒子の割合が80質量%以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  7. 下記耐溶剤性試験により算出される、MEK膨潤率が3.0未満である請求項1〜のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
    [耐溶剤性試験]
    内径15mmの試験管A、Bを用意し、試験管Aにはコアシェル粒子2.5gと、1質量%の乳化剤水溶液20mlを入れ、試験管Bにはコアシェル粒子2.5gと、メチルエチルケトン20mlを入れ、試験管A及びBをそれぞれ5分間超音波で分散し、12時間放置した後、沈降したコアシェル粒子の高さを測定し、下記式(1)に従いMEK膨潤率を算出する。
    MEK膨潤率=(メチルエチルケトン中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))/(乳化剤水溶液中で沈降したコアシェル粒子の高さ(mm))・・・(1)
  8. 前記体積平均粒子径に対するシェル部の厚みの比が0.03以上、0.12以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  9. 単官能(メタ)アクリル系モノマー(C1)、架橋性(メタ)アクリル系モノマー(C2)、重合開始剤、水溶性高分子系分散安定剤、及び水系溶媒を含む混合物の懸濁液を反応させてコア重合部を形成する工程1、及び
    単官能(メタ)アクリル系モノマー(S1)単位、架橋性モノマー(S2)単位、乳化剤、及び水系溶媒を含む乳化液と、前記工程1で得られたコア重合部を含む反応液とを接触させて、コア重合部表面にシェル重合部を形成する工程2
    とを含むことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のコアシェル粒子の製造方法。
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