JP6977287B2 - 複数の蛍光物質を用いた標識方法 - Google Patents

複数の蛍光物質を用いた標識方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6977287B2
JP6977287B2 JP2017066231A JP2017066231A JP6977287B2 JP 6977287 B2 JP6977287 B2 JP 6977287B2 JP 2017066231 A JP2017066231 A JP 2017066231A JP 2017066231 A JP2017066231 A JP 2017066231A JP 6977287 B2 JP6977287 B2 JP 6977287B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescence
wavelength
fluorescent substance
labeled
fluorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017066231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018169272A (ja
Inventor
章仁 小松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2017066231A priority Critical patent/JP6977287B2/ja
Publication of JP2018169272A publication Critical patent/JP2018169272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6977287B2 publication Critical patent/JP6977287B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は試料中に含まれる標的粒子を、最大蛍光波長が互いに異なる複数の蛍光物質を用いて検出する方法に関する。
血液試料、組織懸濁液、培養液などの試料中に含まれる細胞の特徴や細胞種を推定しようとする際、細胞の小器官に特異的に結合する物質で染色することで標識し、当該標識された部位やその強度(標識具合)によって、前記細胞を推定することが通常行なわれる。例えば、テトラメチルローダミンメチルエステル(TMRM)はミトコンドリアに特異的に結合することから細胞内にミドコンドリアが存在しているかを知ることができる。また、ミトコンドリアは真核細胞に特徴的に見られる小器官であることから、TMRMによって染色(標識)される細胞は、真核細胞であると推定できる。さらに、試料中に含まれる細胞を複数の特徴から推定しようとする際は、当該複数の特徴に対応した複数の物質で細胞を染色(標識)し、当該標識した物質の局在位置や強度に基づき前記特徴を検出することで前記細胞を推定する。
試料中に含まれる細胞の推定を標識具合に基づき行なう際、当該細胞に特異的に結合可能な蛍光物質を用いて標識し、標識した前記蛍光物質由来の蛍光強度を測定することで標識具合を判断する蛍光観察法が多く用いられる。蛍光観察法は外乱光による影響を抑えられるため、より正確な測定が可能である。試料中に含まれる細胞を複数の特徴に基づき蛍光観察法で推定しようとする際は、当該複数の特徴に対応した複数の蛍光物質を用いて標識し、当該蛍光物質由来の蛍光強度測定を、前記蛍光物質の蛍光スペクトルに対応した光学系に一つずつ順次切り替えて行なうことが多い。本方法は、標識したそれぞれの蛍光物質の標識具合を高い正確性で測定できる一方、同一の細胞に対し複数の光学系による測定または単一の光学系による複数回の測定が必要となり、測定時間が長くなる問題があった。
蛍光観察法において測定時間の短縮化が図れる方法の一例として、細胞に標識した複数の蛍光物質に由来する蛍光強度を、マルチバンドパスフィルタ(透過、遮光の範囲が複数からなる光学フィルタ)とデジタルカラーカメラを用いて測定する方法が挙げられる。本方法は、複数の蛍光物質の染色具合を同時に測定できるため、測定時間を短縮できる。しかしながら、蛍光検出の際、標識した特定の蛍光物質由来の蛍光の一部が、標識した別の蛍光物質由来の蛍光として検出(蛍光の漏れ込み)してしまい、蛍光測定の正確性が低下する問題があった。通常、デジタルカラーカメラはヒトの眼が認識できる範囲である400nmから700nm付近に感度を有するよう設計される一方、標識に用いる蛍光物質の蛍光スペクトルは幅広いため、マルチバンドパスフィルタおよびデジタルカラーカメラを複数(特に3以上)の蛍光物質の蛍光スペクトルに対応させようとしても、前述した蛍光の漏れこみが発生し得る。
本発明の課題は、標的粒子を標識したそれぞれの蛍光物質由来の蛍光を、より正確かつ迅速に検出する方法を提供することにある。
本発明者は、マルチバンドパスフィルタの最も短波長側の透過帯の下限よりも最大蛍光波長が短い蛍光物質を使用することで、他の透過帯への漏洩を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
標的粒子を、最大蛍光波長が互いに異なる3以上の蛍光物質で標識する工程と、
前記標的粒子に励起光を照射する工程と、
前記標的粒子に標識した前記蛍光物質由来の蛍光を、マルチバンドパスフィルタを通して、デジタルカラーカメラで測定する工程と、
を含む前記標的粒子の測定方法であって、
最大蛍光波長が最も短い蛍光物質の最大蛍光波長が、前記マルチバンドパスフィルタの最も短波長側の透過帯の下限よりも短いことを特徴とする測定方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において標的粒子とは、細胞、ウイルス、オルガネラ、小胞等の蛍光物質によって標識可能な生体材料が挙げられる。標的粒子が前述した生体材料からなる粒子である場合、標的粒子を含む試料の一例としては、全血、希釈血液、血清、血漿、臍帯血、成分採血液、髄液、尿、唾液、***、糞便、痰、羊水、腹水、腹腔洗浄液などの生体試料や、肝臓、肺、脾臓、腎臓、皮膚、腫瘍、リンパ節などの組織の一片を懸濁させた組織懸濁液や、前記生体試料又は前記組織懸濁液より分離して得られる、前記生体試料又は前記組織由来の細胞を含む画分や、あらかじめ単離した細胞の培養液等が挙げられる。このうち生体試料又は組織由来の細胞を含む画分の一例として、生体試料や組織懸濁液を密度勾配形成用媒体の上に重層後、密度勾配遠心することで得られる画分が挙げられる。
標的粒子を含む溶液が全血、希釈血液、血清、血漿、臍帯血、成分採血液などの血液試料である場合における、標的粒子の一例としては、血液循環腫瘍細胞(CTC)などの腫瘍細胞、循環血液内皮細胞(CEC)、循環血管内皮細胞(CEP)、循環胎児細胞(CFC)、抗原特異的T細胞などの各種幹細胞が挙げられる。なお、本明細書における血液試料は、全血、血清、血漿、臍帯血、成分採血液といった血液検体に限らず、当該血液検体を生理食塩水などで希釈した試料や、当該血液検体より分離して得られる、前記血液検体由来の細胞を含む画分も、血液試料に含まれる。
本発明において、標的粒子の標識に用いる蛍光物質は、互いに異なる最大蛍光波長を有した物質である限り、特に限定はない。本発明における標的粒子への蛍光物質の標識態様の例として、試料中に含まれる単一の標的粒子を、最大蛍光波長が互いに異なる蛍光物質(例えば、最大蛍光波長Aの蛍光物質、最大蛍光波長Bの蛍光物質および最大蛍光波長Cの蛍光物質の3種類)で標識する態様や、試料中に含まれる標的粒子が複数種類(例えば、標的粒子A、標的粒子Bおよび標的粒子Cの3種類)あり、各標的粒子に対して最大蛍光波長が互いに異なる蛍光物質を標識(例えば、標的粒子Aに対して最大蛍光波長Aの蛍光物質、標的粒子Bに対して最大蛍光波長Bの蛍光物質、標的粒子Cに対して最大蛍光波長Cの蛍光物質)を標識する態様、が挙げられる。なお前記最大蛍光波長A(またはB、C)の蛍光物質は最大蛍光波長が一致または概ね一致(例えば、最大蛍光波長の差が5nm以内)していればそれぞれ複数種類併用してもよい。
本発明において「標的粒子を蛍光物質で標識」とは、標的粒子と蛍光物質とを物理的、化学的に結合させることをいう。標識方法に特に限定はなく、例えば、標的粒子を蛍光色素で直接染色することにより標識してもよく、標的粒子と当該標的特有の物質に対する蛍光物質標識抗体とを抗原抗体反応で結合させることで標識してもよく、標的粒子と当該特有の物質に対する抗体(一次抗体)とを抗原抗体反応で結合させた後、当該一次抗体に対する蛍光物質標識抗体(二次抗体)とを抗原抗体反応で結合させることで標識してもよい。
本発明では標的粒子に標識した前記蛍光物質由来の蛍光をマルチバンドパスフィルタを通して、デジタルカラーカメラで測定する。マルチバンドパスフィルタは複数の透過帯を有するバンドパスフィルタであり、蛍光物質それぞれの蛍光スペクトルに対応した透過帯を有したフィルタであれば、市販品の中から適宜選択すればよい。なお、本明細書において「蛍光スペクトルに対応した透過帯」とは、必ずしも蛍光物質の最大蛍光波長がマルチバンドパスフィルタの透過帯に含まれなくてもよく、蛍光物質の最大蛍光波長における蛍光強度の80%以上(好ましくは90%以上)の蛍光強度を示す波長がマルチバンドパスフィルタの透過帯に含まれていればよい。具体例として、透過帯が425nmから465nmのマルチバンドパスフィルタの場合、Alexa Fluor 405の最大蛍光波長421nmは前記透過帯に含まれない。しかしながら、前記透過帯は、Alexa Fluor 405の最大蛍光波長における蛍光強度の80%以上の蛍光強度を示す波長(405nmから435nm、図1および5参照)には含まれるため、前記マルチバンドパスフィルタはAlexa Fluor 405の蛍光スペクトルに対応した透過帯を有するフィルタといえる。
また、デジタルカラーカメラは、光の強度を電気信号に変換するセンサーを持ち、波長帯ごとにそれぞれの像を得ることができる機器である。センサーの素子として代表的なものに、電荷結合素子(Charge Coupled Devices:CCD)と、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor:CMOS)等があるが、本発明ではどのような素子であってもよい。多くのデジタルカラーカメラは光の三原色である青、緑、赤に対応するように作られるが、本発明でいうデジタルカラーカメラはこれに限定されず、2または4以上の波長帯の像を得るものであってもよい。波長帯ごとに分ける代表的な方法として単板式、三板式がある。単板式は、1つのセンサー上で受光素子ごとに分担する波長帯を割り当てる方式である。三板式は、ダイクロイックミラー等によって光学的に分解した後、それぞれのセンサーで波長帯ごとの像を得る方式である。本発明は単板式、三板式どちらであってもよく、またこれらに限られず波長帯ごとに分けて受光するものであればどのようなものであってもよい。
本発明は、最大蛍光波長が最も短い蛍光物質の最大蛍光波長が、マルチバンドパスフィルタの最も短波長側の透過帯の下限よりも短いことを特徴とする。換言すれば、マルチバンドパスフィルタが有する透過帯のうち、最大蛍光波長が最も短い蛍光物質の蛍光スペクトルに対応した透過帯が、前記蛍光物質の最大蛍光波長より長波長側であることを特徴としている。なお、前記透過帯以外の透過帯については、当該透過帯に対応する蛍光スペクトルを有した蛍光物質における最大蛍光波長に含まれていてもよい。
標的粒子が細胞の場合、その核を標識する蛍光物質として青色蛍光物質であるDAPI(4’,6−DiAmidino−2−PhenylIndole)が多く用いられる。しかしながら、この物質の最大蛍光波長は461nmと青色蛍光物質としては比較的、長波長側にある。そのため、DAPIと緑色蛍光物質(例えば、最大蛍光波長が523nmであるSYTOX Green(Thermo Fisher Scientific製))とで少なくとも標識した細胞を、それぞれの蛍光スペクトルに対応した透過帯を有するマルチバンドパスフィルタを通して検出しようとした場合、前記緑色蛍光物質の蛍光スペクトルに対応した透過帯を通過した蛍光の中に、DAPI由来の蛍光が多く漏れ込む。例えば、青色蛍光物質がDAPIであり、マルチバンドパスフィルタの透過帯が波長425nmから465nm(以下、チャネルAと表記)および波長500nmから565nm(以下、チャネルBと表記)である場合、チャネルBからの蛍光には、チャネルAからの蛍光量の50%量に相当するDAPI由来の蛍光が漏れ込む。そこで、青色蛍光物質をチャネルAより短波長側に最大蛍光波長を有するAlexa Fluor 405(最大蛍光波長:421nm)に変更することで、チャネルBへの漏れ込み量をチャネルAからの蛍光量の約5%量まで低減できる。
なお、標的粒子を細胞とし、細胞への標識が少なくとも細胞核への標識を含み、細胞への標識物質が少なくとも青色蛍光物質(例えば、最大蛍光波長400nmから500nmの蛍光物質)及び緑色蛍光物質(例えば、最大蛍光波長500nmから550nmの蛍光物質)又は赤色蛍光物質(例えば、最大蛍光波長600nmから650nmの蛍光物質)を含み、マルチバンドパスフィルタが少なくとも前記青色蛍光物質の蛍光スペクトルに対応した透過帯及び前記緑色蛍光物質又は前記赤色蛍光物質の蛍光スペクトルに対応した透過帯を互いに重ならないよう有している場合、細胞核への標識物質は緑色蛍光物質又は赤色蛍光物質とすると好ましい。前述した通り、細胞核への標識物質として知られている青色蛍光物質の最大蛍光波長は長波長側(具体的には450nm以上)にあり、本発明の方法を適用すべくマルチバンドパスフィルタの透過帯を前記最大蛍光波長より長波長側に設定すると、長波長側(緑色/赤色側)の検出領域が狭くなり、多色検出が困難となるからである。細胞核へ標識可能な緑色蛍光物質又は赤色蛍光物質の一例として、最大蛍光波長が523nmであるSYTOX Green(Thermo Fisher Scientific製)が挙げられる。なお、SYTOX Greenは半値全幅が狭く、本発明の方法で用いる細胞核標識物質として好ましい態様である。
本発明により、長波長側に隣接する透過帯への蛍光の漏れ込みを低減でき、最大蛍光波長が互いに異なる複数の蛍光物質で標識した標的粒子の迅速、高感度な測定が可能となる。
蛍光物質(Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 350)の蛍光スペクトル。 実施例で用いたマルチバンドパスフィルタの分光特性。 実施例で用いたカラーカメラ(CMOS)の分光感度曲線。 Alexa Fluor 405またはAlexa Fluor 350による標識で得られた蛍光像(青チャネル(波長:425nmから465nm)、緑チャネル(波長:500nmから565nm)および緑チャネル/青チャネル)。なお図中白四角で囲った範囲が蛍光強度比(緑チャネル/青チャネル)の算出に用いた領域である。 蛍光物質(SYTOX Green、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 405)の蛍光スペクトル。 実施例で得られた蛍光像(元々は青緑赤3色からなる画像で、合成して1色にした画像である)。 図6の画像データを色分解(青チャネル)した画像である。 図6の画像データを色分解(緑チャネル)した画像である。 図6の画像データを色分解(赤チャネル)した画像である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(蛍光物質の違いによる蛍光の漏れ込みの影響)
(1−1)がん細胞株PC−9を培養ディッシュで培養し、培養したがん細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液による固定処理およびエタノールによる膜透過処理を行った後、一次抗体としてAnti−Pan CK(サイトケラチン)抗体(マウス由来、自家製)を、二次抗体としてAlexa Fluor 405標識抗マウスIgG抗体(Abcam製)又はAlexa Fluor 350標識抗マウスIgG抗体(Thermo Fisher Scientific製)を、それぞれ用いて細胞質内のCKに対し蛍光物質を標識した。なお、Alexa Fluor 405の最大蛍光波長は421nmであり、Alexa Fluor 350の最大蛍光波長は442nmである(本実施例で用いた蛍光物質の蛍光スペクトルを図1に示す)。
(1−2)蛍光物質を標識したがん細胞に対し励起光(Alexa Fluor 405で標識した細胞は波長401nmを含む光、Alexa Fluor 350で標識した細胞は波長346nmを含む光)を照射し、得られた蛍光を蛍光顕微鏡(オリンパス製IX83)で検出し、マルチバンドパスフィルタ(透過帯:425nmから465nm(以下、青チャネルとも表記)、500nmから565nm(以下、緑チャネルとも表記)および610nmから685nm(以下、赤チャネルとも表記)、Semrock製、分光特性を図2に示す)を通して、カラーカメラ(ImagingSource製DFK23UX236、本カメラに備えるCMOS(ソニー製IMX236)の分光感度曲線を図3に示す)で撮像した。
(1−3)青チャネルの蛍光像および緑チャネルの蛍光像(図4)中、細胞質部分の特定領域(図4の四角で囲った領域)における青チャネルの蛍光輝度に対する緑チャネルでの蛍光輝度の比(緑チャネルでの蛍光輝度/青チャネルの蛍光輝度)を算出し、緑チャネルへの蛍光の漏れ込みを評価した。
蛍光強度比を算出した結果、蛍光物質としてAlexa Fluor 405を用いたときは0.358±0.0141となり、Alexa Fluor 350を用いたときは0.384±0.0973(範囲は標準偏差)となり、蛍光物質としてAlexa Fluor 405を用いることで、Alexa Fluor 350を用いたときよりも緑チャネルへの蛍光の漏れ込みが抑えられていることがわかる。
以上の結果から、青チャネル(波長:425nmから465nm)での蛍光検出に用いる蛍光色素として、最大蛍光波長が当該チャネルの透過帯よりも低波長側にあるAlexa Fluor405(最大蛍光波長:421nm)を用いるのが好ましいことがわかる。
(3種類の蛍光物質を用いたがん細胞の蛍光検出)
(2−1)がん細胞株PC−9を培養ディッシュで培養し、培養したがん細胞を4%パラホルムアルデヒド溶液による固定処理およびエタノールによる膜透過処理を行なった後、細胞核、核膜、細胞質内のCKに対し、それぞれ以下に示す方法で蛍光物質を標識した。なお、本実施例で用いた蛍光物質の蛍光スペクトルを図5に示す。
細胞核:SYTOX Green(最大蛍光波長:523nm、Thermo Fisher Scientific製)による染色
核膜:一次抗体Anti−SUN2抗体(ウサギ由来、Sigma Life Science製)を添加後、二次抗体Alexa Fluor 633(最大蛍光波長:633nm)標識抗ウサギ抗体(Thermo Fisher Scientific製)を添加することで標識
細胞質(CK):一次抗体Anti−Pan CK(サイトケラチン)抗体(マウス由来、自家製)を添加後、二次抗体Alexa Fluor 405標識抗マウスIgG抗体(Abcam製)を添加することで標識
(2−2)(1−2)と同様の蛍光顕微鏡、マルチバンドパスフィルタおよびカラーカメラを用いて、蛍光像を取得した。
取得した蛍光像を図6に示す。また図6の画像から、マルチバンドパスフィルタの各透過帯(各チャネル)毎に色分解した画像を図7(青チャネル、Alexa Fluor 405による蛍光像に相当)、図8(緑チャネル、SYTOX Greenによる蛍光像に相当)および図9(赤チャネル、Alexa Fluor 633による蛍光像に相当)に示す。図6の結果より、がん細胞の細胞核、核膜および細胞質(CK)がそれぞれの蛍光物質によって染色されていることが確認できた。また、色分解した画像(図7から図9)から、各チャネル(各蛍光色素)の染色具合を確認できた。
なお、本結果から、緑チャネル(波長:500nmから565nm)および赤チャネル(波長:610nmから685nm)での蛍光検出用蛍光色素については、その最大蛍光波長が当該チャネル(透過帯)内であっても問題ないことがわかる(SYTOX Greenの最大蛍光波長:523nm、Alexa Fluor 633の最大蛍光波長:633nm)。

Claims (2)

  1. 標的粒子を、最大蛍光波長が互いに異なる3以上の蛍光物質で標識する工程と、
    前記標的粒子に励起光を照射する工程と、
    前記標的粒子に標識した前記蛍光物質由来の蛍光を、マルチバンドパスフィルタを通して、デジタルカラーカメラで測定する工程と、
    を含む前記標的粒子の蛍光輝度を定量的に測定する方法であって、
    最大蛍光波長が最も短い蛍光物質の最大蛍光波長が、前記マルチバンドパスフィルタの最も短波長側の透過帯の下限よりも短いことを特徴とする測定方法。
  2. 前記標的粒子が細胞であって、細胞核を染色するのに、蛍光スペクトルの最大蛍光波長が短波長側から数えて2番目以降となる蛍光物質を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
JP2017066231A 2017-03-29 2017-03-29 複数の蛍光物質を用いた標識方法 Active JP6977287B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066231A JP6977287B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 複数の蛍光物質を用いた標識方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066231A JP6977287B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 複数の蛍光物質を用いた標識方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018169272A JP2018169272A (ja) 2018-11-01
JP6977287B2 true JP6977287B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=64017883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017066231A Active JP6977287B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 複数の蛍光物質を用いた標識方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6977287B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7280577B2 (ja) * 2019-04-22 2023-05-24 東洋インキScホールディングス株式会社 蛍光バイオイメージング方法
KR102450912B1 (ko) 2022-02-25 2022-10-06 주식회사 제이엘메디랩스 바이오마커 식별이 가능한 형광 현미경 및 이를 이용한 바이오마커 식별방법

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6083486A (en) * 1998-05-14 2000-07-04 The General Hospital Corporation Intramolecularly-quenched near infrared fluorescent probes
GB0317679D0 (en) * 2003-07-29 2003-09-03 Amersham Biosciences Uk Ltd Analysing biological entities
JP4224640B2 (ja) * 2004-03-29 2009-02-18 オリンパス株式会社 蛍光分光分析装置
JP4509702B2 (ja) * 2004-08-31 2010-07-21 オリンパス株式会社 細胞内の顆粒状構造物の測定方法
US7932503B2 (en) * 2008-05-16 2011-04-26 David R. Parks Method for pre-identification of spectral overlaps within fluorescent dye and detector combinations used in flow cytometry
JP5734091B2 (ja) * 2010-06-04 2015-06-10 富士フイルム株式会社 生体分子検出装置および生体分子検出方法
JP5703126B2 (ja) * 2010-09-30 2015-04-15 富士フイルム株式会社 生体分子検出装置および生体分子検出方法
SE537103C2 (sv) * 2013-12-16 2015-01-07 Per Fogelstrand System och metod för fluorescensmikroskopi med detektering av ljusemission från multipla fluorokromer
EP3083979B1 (en) * 2013-12-19 2019-02-20 Axon DX, LLC Cell detection, capture and isolation methods and apparatus
FI3940371T3 (fi) * 2014-06-05 2023-11-20 Univ Heidelberg Menetelmä ja kuvantamislaitteisto fluoresenssi- ja heijastuskuvien saamiseksi

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018169272A (ja) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2017204463B2 (en) Digitally enhanced microscopy for multiplexed histology
AU2010301166A1 (en) System and method for generating a brightfield image using fluorescent images
JP2016161417A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、イメージングシステム
JP6977287B2 (ja) 複数の蛍光物質を用いた標識方法
JP2002521682A5 (ja)
JP6721030B2 (ja) 病理標本、病理標本の作製方法
KR101836830B1 (ko) 광학적 세포 식별방법
US20160216209A1 (en) Method for determining quantity of biological material in tissue section
WO2017014196A1 (ja) 目的生体物質の解析方法および解析システム
JP2020173204A (ja) 画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
Schmidt et al. Simultaneous polychromatic immunofluorescent staining of tissue sections and consecutive imaging of up to seven parameters by standard confocal microscopy
US11567008B2 (en) Immunostaining method, immunostaining system, and immunostaining kit
JP7160047B2 (ja) 生体物質定量方法、画像処理装置及びプログラム
Di Caprio et al. Hyperspectral microscopy of flowing cells
JP5362666B2 (ja) 細胞観察装置および細胞観察方法
WO2013179279A2 (en) Method and device for analyzing biological sample
Itoh et al. Quantum dots for multicolor tumor pathology and multispectral imaging
WO2020262117A1 (ja) 画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
Jenster et al. Measuring NLR Oligomerization II: Detection of ASC Speck Formation by Confocal Microscopy and Immunofluorescence
WO2020209217A1 (ja) 画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
JP7184046B2 (ja) 生体物質定量方法、画像処理装置、病理診断支援システム及びプログラム
JP2024516380A (ja) 形態学的マーカー染色
US20180275062A1 (en) Optical Method of Detecting Bacteria

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211025

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6977287

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151