JP6976875B2 - 水溶性セレンの分析方法並びにそれを利用したセレン含有排水の排水処理システム - Google Patents
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Description
図2に示す6価セレン定量化ライン1は、大きく分けて排水採取部3と、水素化除去処理部4と塩酸還元処理部5とセレン水素化処理部6及び分析部7とで構成されている。尚、図中の符号50,51は廃液ポンプ、52は低濃度廃液ライン、53高濃度廃液ラインである。
排水採取部3は、例えば調整槽11と標準試料貯留槽12とを有し、バルブの開閉によって、脱硫排水から採取された分析用試料Aまたは標準試料が排水送液装置14を備える排水送液ライン13並びに試料計量計15を経て所定量が第一処理槽16に送液されるものとされている。尚、本実施形態では、2つの調整槽11及び標準試料貯留槽12を備えることで、条件の異なる排水を採取して、これら分析用試料を連続測定することでセレン除去処理の状況を検討しやすくなる利点があるが、調整槽等を2つ備えることは必須条件ではない。また、採取された分析用試料の一部は分岐管8を経て全セレン分析ライン2へ供給される。
水素化除去処理部4は、第一処理槽16内で分析用試料Aに対し、水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液18と塩酸20とを添加して攪拌し混合液(以下、第一混合液と呼ぶ)を生成して常温で反応させ、セレン化水素ガス並びに硫化水素ガスを発生させて槽外に取り出すことで、分析用試料中から4価セレン及び硫黄化合物を除去する処理を行う。この処理によって得られる水素化除去済み分析用試料Bには、6価セレンのみが残留している。ここで、水素化ホウ素ナトリウム18と塩酸20との添加量は、分析用試料Aの4価セレンと硫黄化合物とを水素化して排出し得る量で且つ塩酸還元処理部5での還元を阻害しない量である。尚、図中の符号16は分析用試料を収容する第一処理槽、17は水素化ホウ素ナトリウムを貯留するタンク、19は塩酸を貯留するタンク、21,22は第一処理槽16内に水素化ホウ素ナトリウム18と塩酸20とを所定量ずつ供給するシリンジポンプ、24及び25は水素化除去済み分析用試料Bを塩酸還元処理部5に向けて送液する第一送液装置及び第一送液ライン、55は水素化ホウ素ナトリウム18を冷温貯蔵する冷蔵庫である。また、第一処理槽16中における分析用試料Aと水素化ホウ素ナトリウム18と塩酸20との攪拌は、本実施形態の場合、エアコンプレッサ54から噴気管23を介して供給されるキャリアガス(空気)によりバブリングで行われるようにしているが、これに特に限られず、攪拌翼などによる機械的攪拌やスターラーでの撹拌でも良い。
塩酸還元処理部5は、水素化除去処理済み分析用試料Bに残る6価セレン(元々脱硫排水Aに含まれていた6価セレン)を4価セレンに還元する処理を行うものである。水素化ホウ素ナトリウム水溶液(NaBH4)は、4価セレンと反応してセレン化水素ガスを生成させることはできるものの、6価セレンとは反応しない。そこで、還元剤として塩酸を添加することで、水素化除去処理済み分析用試料Bに含まれる6価セレンを4価セレンに還元して、水素化ホウ素ナトリウムとの反応を可能にする。
セレン水素化処理部6は、還元処理済み分析用試料Cに含まれる4価セレンを水素化ホウ素ナトリウムで水素化してセレン化水素ガスを生成するものであり、還元処理済み分析用試料Cが送液されて収容される密閉構造の反応槽34と、反応槽34内のヘッドスペース41に溜まるセレン化水素ガスをセレン化水素ガス検知器43に送り込むためのガス導入管42と、ガス導入管42にキャリアガスを供給してセレン化水素ガス検知器43までのガス流通経路をキャリアガスで置換するキャリアガス供給手段45と、セレン化水素ガス生成剤としての水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液38を還元処理済み分析用試料Cに添加するセレン化水素ガス生成剤添加手段55とで構成されている。セレン化水素ガス生成剤添加手段55は、水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液38を貯蔵するタンク36及びタンク36と共に溶液38を0℃〜10℃に冷却して貯蔵する冷蔵庫37と、水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液38を供給するポンプ39とで構成されている。ここで、セレン化水素ガス生成剤添加手段55による水素化ホウ素ナトリウムの添加は、反応槽34内とガス導入管42内のガス流通経路をキャリアガスで置換した後に行われる。尚、セレンでも硫黄化合物でもNaBH4で水素化するには、酸性条件(酸性溶液)でNaBH4を添加する必要がある。前処理(4価セレンの水素化除去と硫酸以外の硫黄化合物の水素化除去)では、酸性条件にするために塩酸を添加している。一方、最後の工程の4価セレンの水素化では、水素化工程の前の6価セレンの(4価セレンへの)還元工程で、塩酸を添加している。したがって、還元工程後の試料は(塩酸は過剰に添加されているため)既に酸性溶液になっているため、塩酸を追加添加する必要はない。
分析部7は、反応槽34内のヘッドスペース41のセレン化水素ガスをガス導入管42を介してセレン化水素ガス検知器43に送り込み、セレン化水素ガス検知器43により測定された測定値(信号値)に基づいて、分析用試料の水溶性セレン濃度を検量線法により分析するものである。
図3に全セレン分析システム2の一実施形態を示す。この全セレン分析システム2は、本実施形態では、図2に示す6価セレン分析ライン1の上流側の排水採取部3で分岐された分析用試料Aが供給され、分析用試料Aに対して全セレン濃度を定量分析するものであり、分析用試料Aに対し過マンガン酸カリウム68と硫酸70とを添加して加熱し不安定な硫黄化合物を硫酸イオンとする酸化処理部57と、酸化処理済み分析用試料Eに塩酸79を添加して加熱し6価セレンを4価セレンに還元して4価セレンに揃える還元処理部58と、還元処理済み分析用試料Fに水素化ホウ素ナトリウムを添加して反応させ4価セレンをセレン化水素ガスにするセレン水素化処理部59と、発生したセレン化水素ガスをセレン化水素ガス検知器93に導いて得られた検出信号値に基づいて、予め求められている検量線を利用して全セレン濃度を求める分析部60とで構成され、6価セレンを4価セレンに揃えてから全セレンとして定量するものである。尚、本全セレン分析ライン2には、排水送液装置64及び試料計量計65を備える排水送液ライン8を経て分析用試料Aが第一処理槽66に送液される。
排水採取部56は、6価セレン定量化ライン1から分岐された分析用試料Aを排水送液ライン8を経て第一処理槽66に送液するための排水送液装置64と試料計量計65とを備える。また、この排水採取部56には、標準試料貯留槽63が必要に応じて備えられている。
酸化処理部57は、例えば分析用試料を収容する第一処理槽66と、この第一処理槽66内に硫黄化合物を硫酸イオンに分解し得る量で且つ還元処理部58における還元を阻害しない量の過マンガン酸カリウム68と硫酸70とをタンク67,69から供給して添加する硫黄化合物分解剤添加手段と、第一処理槽66内の排水と硫黄化合物分解剤とを撹拌混合して第一混合液とする第一撹拌手段と、第一混合液を還元処理部58に向けて送液する第一送液装置74を備える第一送液ライン76と、第一送液ライン76を通過中の第一混合液を、硫黄化合物が分解される温度に加熱する第一加熱装置75とで構成され、分析用試料A中の硫黄化合物を安定な硫酸イオンに変換して還元処理部58へ酸化処理済み分析用試料Eとして送り出すものである。分析用試料Aと過マンガン酸カリウム68と硫酸70との混合液(第一混合液E)は、還元処理部58の第二処理槽77へ向けて送液される過程で加熱されて硫黄化合物が安定な硫酸イオンに分解処理される。加熱反応器75内での加熱は、例えば第一混合液Eの流量を0.5mL/分に設定した場合、ヒーターの加熱温度を100℃として、20分間程度行われる。尚、分析用試料Aと過マンガン酸カリウム68と硫酸70との第一混合液Eが通過した後の第一送液ライン76には、過マンガン酸カリウム68に起因する二酸化マンガン等が析出して、内径を狭めたり閉塞させることから、図示していない洗浄剤供給手段によって洗浄剤として塩酸が供給される。また、過マンガン酸カリウム68と硫酸70との添加量はシリンジポンプ71,72により制御される。第一処理槽66内における分析用試料Aとマンガン酸カリウム68と硫酸70との攪拌は、本実施形態の場合、コンプレッサ54から供給される圧縮空気を噴気管73を通してバブリングさせることにより行なわれる。
還元処理部58は、図2の六価セレン分析システム1の還元処理部5と同様の構成であり、図2の六価セレン分析ライン1と異なるのは、第二処理槽77に供給される前段の酸化処理済み分析用試料Eには硫黄化合物が分解処理された安定な硫酸イオンと元々存在する6価セレンと酸化により4価セレンから6価セレンとなったものとを含んでいることである。したがって、酸化処理済み分析用試料Eを還元処理することで、分析用試料に含まれていた全セレン(6価セレンと4価セレン)が全て4価セレンとされる。尚、図中の符号78は塩酸79を貯留するタンク、80は所定量の塩酸79を第二処理槽77に供給するシリンジポンプ、81は第二処理槽77内の酸化処理済み分析用試料Eと塩酸79とをバブリングにより攪拌する攪拌手段を構成する噴気管、82及び84は酸化処理済み分析用試料Eと塩酸79との混合液Fを第三処理槽85に向けて送液する第二送液装置及び第二送液ライン、83は第二送液ライン84を通過中の酸化処理済み分析用試料Eと塩酸79との混合液(第二混合液F)の6価セレンを4価セレンへの還元反応が進行する温度に加熱する加熱装置である。
セレン水素化処理部59は、図2の六価セレン分析システムにおけるセレン化水素化処理部と同様の構成である。図中の符号85は還元処理済み分析用試料が収容される密閉構造の反応槽、92はガス導入管、95はキャリアガス供給手段、86は撹拌翼(第三撹拌装置)、61はセレン化水素ガス生成剤添加手段である。セレン化水素ガス生成剤添加手段61は、水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液89を貯蔵するタンク87及び冷蔵庫88と、水素化ホウ素ナトリウムを含む溶液89をセレン化水素ガス検知器93にて検出される信号値のピークが***する速度未満で供給するポンプ90とで構成されている。また、キャリアガス供給手段95は、キャリアガスの加湿のための2つの水タンク96と、加湿済みキャリアガスをガス導入管42に供給する配管94と、エアコンプレッサ54から供給されるキャリアガスの流量を調整するマスコントローラ49及び配管98で構成されている。また、ヒーティングライン97によって、ガス導入管42の内壁に結露が生じない温度に加熱すると共に、セレン化水素ガス検知器43のセンサ部の電解液が蒸発乾固しない温度に加熱する図示しない加熱装置を備えられている。
分析部は、図2の六価セレン分析システムにおけるセレン化水素ガス生成部と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
上述の6価セレン定量化ライン1で求められる等価6価セレン濃度と全セレン定量分析ライン2で求められる全セレン濃度とは、例えば図5に示すセレン含有排水処理システムにおいて、セレン処理設備の運用に用いることができる。
このセレンモニターによる全セレン定量分析測定フローは、
(1)分析用試料の採取・計量、
(2)酸化分解試薬(過マンガン酸カリウム(KMnO4)溶液と硫酸(H2SO4)溶液)の添加、
(3)酸化分解(105℃)、
(4)Se還元試薬(塩酸(HCl)溶液)の添加、
(5)Seの還元(105℃)、
(6)Seの水素化(水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)溶液の添加)、
(7)Seの検出・定量、
の各工程から成る。
尚、Se水素化で発生したH2Seの検出、定量には、バイオニクス機器(株)の隔膜ガルバニ電池式電気化学センサGT-3260Hを用いた。また、センサの電解液は、バイオニクス機器が提供する市販品(E-3260-1)を使用した。ガスセンサのテフロン(登録商標)製隔膜は膜厚200 μmのものを使用した。
試験期間:2016年9月26日〜2016年12月26日
分析用試料:セレンを対象とする排水処理工程における還元塔供給槽排水
(セレン処理入口)
測定頻度:3時間毎
試料採取量:5.0 mL
キャリヤガスの加湿:あり(室温でのバブリング)
定量計算:測定時センサ信号の最大出力値による(ピーク高計算)
校正:ブランク試料とセレン標準試料による2点校正。
校正頻度:24時間毎
セレン標準試料:SeO3 2-溶液0.200 mg-Se/L
試料の前処理温度:105℃
使用試薬および1測定あたり使用量:9.0 mol/L H2SO4溶液 2 mL
6.0 g/L KMnO4溶液 1 mL
12 mol/L HCl溶液 5 mL
3.0 g/L NaBH4溶液 10 mL
(標準試料による定量性)
図3に示すセレンモニターを用いて、SeO3 2-標準試料を測定し、定量性を評価した。標準試料のSe濃度は、0.00、0.05、0.10、0.20 mg/Lとした。その結果を図6と表1に示す。セレン濃度0〜0.2 mg/Lの範囲において直線性の高い検量線(図6参照)が得られ(繰り返し数n=5、相関係数r2 = 0.990)、各濃度の相対標準偏差は3〜9%であった。
0.00〜0.50 mg/L(0.00、0.05、0.10、0.20、0.40、0.50 mg/L)の範囲において直線性の高い検量線(繰り返し数n=3、相関係数r2 = 0.992)が得られ、各濃度の相対標準偏差は3〜14%であった。ガスセンサ隔膜(200μm)の膜厚である。
図7に公定法による排水セレン濃度の経時変化を示す。セレンモニターに供給されるセレン処理入口排水のセレン濃度は0.02〜0.16 mg/Lの範囲で概ね緩やかに変動した。グラフ中の濃いグレーは、セレンモニターに対する排水供給が停止した期間を示す。試験中にセレン濃度が不連続に変化する箇所もあったが、これは、セレンモニターに供給する還元塔供給槽(排水系統1、排水系統2)の切替など、排水処理設備の運転状況を反映していると考えられた。なお、排水中のセレンをICP-OESにて化学形態別に定量した結果、セレンの化学形態はほぼ6価だった(図8)。
図8にセレンモニターによる排水セレン濃度のモニタリング結果を示す。グラフには校正時のガスセンサの信号出力(図9、上グラフ)とモニターによるセレン濃度測定値(図9、下グラフ)を示した。濃度グラフには公定法による測定値も示した。
因みに、試験期間中、セレンモニターは、構成部品の動作不良とセンサ寿命に起因して断続的に測定不良が16日間(図9の薄く網掛けした部分)発生した。濃い網掛け部分はセレンモニターの排水供給が停止された期間を示す。
本試験中に発生したトラブルは以下の通りである。
(1)2016年10月23〜25日に、電磁弁故障による測定不良(塩酸無添加)が発生した。
(2)2016年10月31日〜11月2日に、反応槽の撹拌機の停止による測定不良が発生した。
(3)2016年12月15日未明より、センサ寿命と推測される不具合により、1流路切替時の信号出力(ベースライン)低下と2信号出力超過(スケールオーバー)が発生した。
なお、流路切替時の信号出力低下は12月20日以降も解消されず、測定不良が継続した。試験終了後の検討により、流路切替時の信号出力低下は、反応槽内のHClガスの置換不足によることを確認した。一方、12月20日のトラブル対応においては、電磁弁3個、排液用ダイヤフラムポンプ1個の動作不良も確認した。
セレン含有水溶液(4価セレンと6価セレンを含有)に水素化ホウ素ナトリウム水溶液(NaBH4)と塩酸を添加して常温で反応させることにより、試料中の4価セレンをセレン化水素(H2Se)に変換(水素化)して溶液から除去した。セレン含有酸性溶液にNaBH4を添加すると4価セレンのみが水素化され、6価セレンは水素化されない現象を活用している。
この水素化除去後の試料には6価セレンのみが残存すると仮定し、公定法(JIS K0102)で求めた除去後試料の全セレン濃度を6価セレン濃度とみなした(図1)。
測定試料には、脱硫排水2種(表2、脱硫排水AおよびB)、および、これに所定濃度の6価セレン、もしくは4価セレンと6価セレンの両方を標準添加したものを用いた。
(1)分析用試料25mLを100mLのテフロン製ビーカに分取した(溶液A)。
(2)塩酸(HCl、12mol/L)25mLを分取し、溶液Aに添加した(溶液B)。
(3)溶液Bをスターラーで撹拌しながら所定濃度(3.0、6.0、12.0g/L)のNaBH4溶液(0.1mol/L NaOHと1mmol/L EDTAを含有)を所定量(3.0g/L NaBH4は50mL、6.0g/L NaBH4は25mL、12.0g/L NaBH4は12.5mL)添加し、5分撹拌した。
(4)回収率は次式から算出した。
回収率(%)=(C0 −C1)/C0×100
C0:試料中セレンの設定濃度
(mg/L、排水セレン濃度の実測値に標準添加濃度を加算したもの)
C1:試料のセレン濃度測定値(mg/L)
なお、水素化除去した分析用試料の全セレンおよび6価セレンの設定濃度は、水素化除去前試料の6価セレン濃度設定値とした。
分析用試料にHClとNaBH4溶液を添加して、分析用試料中の4価セレンをH2Seに水素化して気化除去させた。水素化除去によって、分析用試料中の4価セレンは全て除去され、水素化除去後試料に残存するセレンは全て6価セレンであると仮定した。このため、水素化除去後の分析用試料の全セレン濃度を6価セレン濃度と読み替えた。
S2 塩酸還元工程
S3 セレン水素化工程
A 分析用試料
B 水素化除去済み分析用試料
C 還元処理済み分析用試料
D 水素化済み分析用試料
1 6価セレンモニター(6価セレン定量化ライン)
2 全セレンモニター(全セレン定量分析ライン)
100 排水処理ライン
101 6価セレン専用排水処理設備
102 凝集沈殿排水処理設備
103 制御部
104 切り替え弁
105 迂回路
Claims (2)
- 脱硫排水から採取された分析用試料に水素化ホウ素ナトリウムと塩酸とを添加して常温で反応させ前記分析用試料中の4価セレンをセレン化水素ガスとして前記分析用試料中から離脱させると同時に前記分析用試料中の硫黄化合物も硫化水素ガスとして前記分析用試料中から離脱させる水素化除去工程と、セレン化水素ガス並びに硫化水素ガスを除去した前記分析用試料中にさらに塩酸を添加して加熱し前記分析用試料中に残存する6価のセレンを4価セレンに還元する塩酸還元工程と、さらに6価のセレンを4価セレンに還元させた前記分析用試料に水素化ホウ素ナトリウムを添加して常温下で反応させセレン化水素ガスを発生させるセレン水素化工程とを有し、前記セレン水素化工程で発生した前記セレン化水素ガスをセレン化水素ガス検知器に導いて等価6価セレン濃度を求めることを特徴とする水溶性セレン分析方法。
- 6価セレン専用排水処理設備と4価セレンを処理する凝集沈殿排水処理設備とを備える排水処理ラインに、6価セレン濃度を定量化する6価セレン濃度定量化ラインと全セレン濃度を定量化する全セレン濃度定量化ラインとの2つのセレンモニター並びに排水の流路を切り替える制御部とを備え、
前記6価セレン濃度定量化ラインは、排水から採取された分析用試料に対し、水素化ホウ素ナトリウムと塩酸とを添加して反応させ分析用試料中の4価セレンをセレン化水素ガスとして排水中から離脱させると同時に前記分析用試料中の硫黄化合物も硫化水素ガスとして分析用試料中から離脱させる水素化除去部と、セレン化水素ガス並びに硫化水素ガスを除去した前記分析用試料にさらに塩酸を添加して加熱し前記分析用試料中に残存する6価のセレンを4価セレンに還元する塩酸還元部と、さらに6価のセレンを4価セレンに還元させた前記分析用試料に水素化ホウ素ナトリウムを添加して常温で反応させセレン化水素ガスを発生させるセレン水素化部と、セレン化水素ガスを検知して等価6価セレン濃度を求めるセレン化水素ガス検知器とを有し、
前記全セレン濃度定量化ラインは、排水から採取された分析用試料に対し、過マンガン酸カリウムと硫酸とを添加して加熱する酸化処理部と、塩酸を添加して加熱し6価セレンを4価セレンに還元する還元処理部と、前記分析用試料に含まれる4価セレンを水素化ホウ素ナトリウムと反応させてセレン化水素ガスを発生させるセレン水素化部と、このセレン化水素ガスを検知して前記分析用試料の全セレン濃度を求めるセレン化水素ガス検知器とを有し、
前記制御部は、前記全セレン濃度定量化ラインで検出した全セレン濃度が排水基準を満たしていると判断したときには前記6価セレン専用排水処理設備をバイパスさせて排水し、前記全セレン濃度が排水基準を満たしておらず且つ前記6価セレン濃度定量化ラインで検出される等価6価セレン濃度が排水基準を満たさないときには前記6価セレン専用排水処理設備と凝集沈殿排水処理設備とでセレン除去処理を施してから排水し、前記全セレン濃度が排水基準を満たしていないが、前記等価6価セレン濃度が未検出のときあるいは検出された等価6価セレン濃度が排水基準を満たすときには前記6価セレン専用排水処理設備をバイパスさせて前記凝集沈殿排水処理設備で4価セレンを除去してから排水することを特徴とするセレン含有排水の排水処理システム。
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