以下、図を参照しながら、この発明による電話制御装置の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、例えば、会社のオフィス等に形成されるビジネスホンシステム(ボタン電話システム)の電話制御装置(主装置)に、この発明を適用した場合を例にして説明する。
[ビジネスホンシステムの全体構成]
図1は、実施の形態のビジネスホンシステムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態のビジネスホンシステムは、電話制御装置(主装置)1に対してLAN(Local Area Network)5を通じて、複数の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…が接続されて構成される。更に、この実施の形態においては、LAN5に対して、管理用PC(Personal Computer)2や複数の個人用PC(Personal Computer)4(1)、4(2)、…も接続されている。
電話制御装置1は、通信路(通信回線)を接続する端末間のアドレス解決をするものであり、LAN5に接続された配下の機器間や、LAN5に接続された機器と広域ネットワークに接続された機器との間に、通信路をつなぐための小型の交換機として機能する。この実施の形態の電話制御装置1は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、電話番号をIP(Internet Protocol)アドレスと対応付けたり、相手を呼び出して繋いだりするといった呼制御を行うSIPサーバとしての機能を備える。
また、電話制御装置1は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のLED(Light Emitting Diode)の点灯・消灯の制御など、配下の端末に対する種々の制御をも行う。また、電話制御装置1は、LAN5を通じて接続されている管理用PC2や個人用PC4(1)、4(2)、…などの情報処理装置を広域ネットワークに接続することもできる。
なお、電話制御装置1を介して通信を行うための広域ネットワークには、インターネット、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)、NGN(Next Generation Network)、3G(3rd Generation)規格やLTE(Long Term Evolution)規格の音声通信網(携帯電話網)などの種々のネットワークを含む。NGNは、FMC(Fixed-Mobile Convergence)と呼ばれる固定・移動体通信を統合し、トリプルプレイ(Triple Play)と呼ばれる、電話・データ通信・ストリーミング放送が融合したマルチメディアサービスを実現する次世代通信網を意味する。更に、広域ネットワークは、インターネットに接続された、例えば、Wi−Fi(登録商標)規格の無線LAN(Local Area Network)なども含む。また、広域ネットワークの伝送媒体には、電線、無線、光ケーブルなどの種々のものを含む。
管理用PC2は、この実施の形態のビジネスホンシステムを管理、運用するために用いられるものである。管理用PC2は、電話制御装置1や電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に対して情報の設定、変更、削除を行ったり、電話制御装置1や電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…の状態を把握したりする場合に用いられる。すなわち、管理用PC2は、この実施の形態のビジネスホンシステムの全体を管理するものである。
電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、電話制御装置1を通じて、広域ネットワークに接続された外部の電話端末との間に接続される通信路を通じて外線通話を行うことができるものである。また、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、電話制御装置1を通じて、LAN5に接続され他の電話端末との間に接続される通信路を通じて内線通話を行うことができるものである。この実施の形態の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、オフィスの机の上などに配置され、通常、決まったユーザによって使用される。
個人用PC4(1)、4(2)、…のそれぞれは、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれのユーザが業務において使用するものであり、いわゆるメーラー、ブラウザ、ワープロソフト、表計算ソフトなどを備え、目的とする処理を行えるものである。従って、使用者は、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…を使用して目的とする相手先と通話を行い、また、個人用PC4(1)、4(2)、…を用いて、電子メールの送受信、Webページの閲覧、文書や表の作成といった業務を行うことができる。
そして、この実施の形態のビジネスホンシステムの電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、種々の機能や短縮ダイヤル等を任意に割り付ける(設定する)ことができる複数のラインキーを備えたものである。この複数のラインキーを有効に活用できれば、ビジネスホンシステムの利便性を向上させることができる。そこで、この実施の形態のビジネスホンシステムの電話制御装置1は、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…の操作履歴に基づいて、複数のラインキーを有効に活用するためのラインキーに関する推奨情報を形成する。そして、電話制御装置1は、形成したラインキーに関する推奨情報を、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…や個人用PC4(1)、4(2)、4(3)、…を通じて、そのユーザに提供することができるようにしている。
[電話制御装置1の構成例]
図2は、実施の形態のビジネスホンシステムの電話制御装置1の構成例を説明するためのブロック図である。図2に示すように、電話制御装置1は、広域ネットワークの1つであるIP網への接続端子101Tと、IP網インターフェース(以下、IP網I/Fと略称する。)101と、パケット分解/生成部102とを備える。また、電話制御装置1は、広域ネットワークの1つである電話網への接続端子103Tと、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fと略称する。)103とを備える。また、電話制御装置1は、制御部104と、記憶装置105と、アドレス管理データベース(以下、アドレス管理DBと記載する。)106と、端末別キー設定テーブル107とを備える。更に、電話制御装置1は、LANインターフェース(以下、LANI/Fと記載する。)108と、LAN5への接続端子108Tを備える。
そして、電話制御装置1は、端末別操作履歴データファイル111と、端末別操作統計データファイル112と、キー設定推奨データファイル113とを備えると共に、操作履歴統計処理部121、推奨情報形成部122、推奨情報提供部123を備える。これらの部分と制御部104とが、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれが備える複数のラインキーを有効に活用できるようにするための推奨情報を提供する機能を実現する。なお、図2では、「データファイル」との記載を「データF」と略称で示している。
制御部104は、電話制御装置1の各部を制御するものであり、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ等がシステムバスを通じて接続されて構成されたマイクロプロセッサである。また、制御部104は、上述もしたように、着信制御や発信制御などの呼制御を行うものである。そして、制御部104は、特に、自機の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…からの操作入力情報に関連して、実行処理手段、判別処理手段、記録処理手段としても機能する。
すなわち、制御部104は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…からの操作入力情報に応じて、指示された機能を実行する実行処理部として機能する。また、制御部104は、実行するようにした機能の実行の成否を判別する判別処理部として機能する。また、制御部104は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…からの操作入力情報と、当該操作入力情報に応じて実行するようにした機能の実行の成否を示す情報とを対応付けて、端末別操作履歴データファイル111に記録する記録処理部として機能する。
接続端子101Tは、広域ネットワークの1つであるIP網への接続端部を構成する。IP網I/F101は、IP網を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部104に供給する。また、IP網I/F101は、制御部104を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをIP網に送出する。
接続端子103Tは、広域ネットワークの1つである電話網への接続端部を構成する。電話網I/F103は、電話網を通じて供給されるデータ(情報)を受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部104に供給する。また、電話網I/F103は、制御部104を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網に送出する。
接続端子108Tは、LAN5への接続端部を構成する。LANI/F108は、LAN5を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部104に供給する。また、LANI/F108は、制御部104を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLAN5に送出する。
パケット分解/生成部102は、パケットの分解や生成を行うものである。具体的には、LAN5を通じて電話制御装置1に対して接続される電話端末3(1)、…等からの電話網に接続された端末装置に送信すべきパケットは、接続端子108T、LANI/F108を通じて制御部104に受け付けられる。当該パケットは、制御部104からパケット分解/生成部102に供給され、ここでパケット分解された後に、制御部104、電話網I/F103、接続端子103Tを通じて電話網に送出され、目的とする相手先に送信される。
また、電話網に接続された端末装置からのLAN5を通じて電話制御装置1に接続された電話端末3(1)、…等へのデータは、接続端子103T、電話網I/F103を通じて制御部104に受け付けられる。当該データは、制御部104からパケット分解/生成部102に供給され、ここで所定の形式のパケットとされた後に、制御部104、LANI/F108、接続端子108Tを通じて、LAN5に送出されて目的とする電話端末3(1)、…等に送信される。
なお、IP網に接続された端末と、電話制御装置1にLAN5を通じて接続される電話端末3(1)…等との間では、パケットが送受される。このため、パケット分解/生成部102において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IP網I/F101、LANI/F108において、パケットの形式が整えられてそのまま送受信される。同様に、電話制御装置1にLAN5を通じて接続される同じビジネスホンシステム内の電話端末3(1)、…等との間においても、パケットが送受される。このため、この場合にも、パケット分解/生成部102においては、パケットの分解や生成は行われることはなく、LANI/F108を通じてパケットが送受信される。
記憶装置105は、例えば、ハードディスクなどの記録媒体とそのドライバとからなり、種々の情報の書き込み、読み出し、変更、削除等が行えるものである。記憶装置105には、制御部104において実行される種々のプログラムや処理に必要になる情報等が記憶保持されている。また、記憶装置105には、処理の結果得られた情報や処理の途中結果などの情報も記憶保持される。
アドレス管理DB106は、レジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網やLAN5に接続され、電話制御装置1を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報などを記憶保持する。電話制御装置1の制御部104は、IP網I/F101やLANI/F108を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信する。この場合に、制御部104は、受信した要求に含まれるIPアドレスなどの必要となる情報を抽出し、これを用いてアドレス管理DB106に情報を登録したり、登録されている情報を更新したりする。
図3は、アドレス管理DB106の格納データの例を説明するための図である。図3に示すように、アドレス管理DB106は、内線番号、電話端末用IPアドレス、個人用PCIPアドレス、その他といった情報を管理する。このように、内線番号や電話端末用IPアドレスと対応付けて個人用PCIPアドレスを管理しておくことにより、電話端末3(1)、3(2)、…の使用者に個人用PC4(1)、4(2)、…を通じて、電話制御装置1が種々の情報を提供することができる。その他の情報としては、例えば、IPアドレスと同じく、各電話端末3(1)、3(2)、…のそれぞれが有する固有の識別情報である、例えば、URL(Uniform Resource Locator)やMACアドレスなどの情報である。
なお、アドレス管理DB106においては、IP網に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報についても管理できる。しかし、この発明は、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のラインキーを有効に活用できるようにするための推奨情報を提供する点をポイントとするものである。このため、図3においては、電話制御装置1に接続された電話端末3(1)、3(2)、…についての情報を示している。なお、IP網に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報については、別途、アドレス管理データベースを設けて管理することもできる。
端末別キー設定テーブル107は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…ごとの複数のラインキーについての機能の割り付け情報(設定情報)を記憶保持する。図4は、端末別キー設定テーブルの格納データの例を説明するための図である。図4に示すように、端末別キー設定テーブル107は、内線番号や電話端末IPアドレスによって特定できる電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…ごとに、ラインキーの識別情報と、ラインキーに割り付けられた機能を示す情報とを対応付けて記憶保持する。
図4では、内線番号が「100」で、電話端末IPアドレスが「192.168.1.10」の電話端末についてのラインキーについての設定情報の一部を示している。図4において、ラインキーの欄のLK01、LK02、LK03、…の記載がラインキーの識別情報である。そして、設定機能の欄に示された内容が、割り付けられた(設定された)機能を示している。具体的に、図4に示した例の場合には、識別情報LK01〜LK04で特定される4つのラインキーには、電話番号の異なる電話回線1〜電話回線4が割り付けられている。そして、識別情報LK01〜LK04で特定される4つのラインキーを用いて、これらの電話回線を通じて発信したり、これらの電話回線を通じての着信に応答したりすることができる。
また、識別情報LK05で特定されるラインキーには、個別転送電話機能が割り付けられ、識別情報LK06で特定されるラインキーには、共通転送電話機能が割り付けられている。個別転送電話機能は、掛かって来た電話を、この例の内線番号「100」の電話端末のユーザが定めた転送先に転送する機能である。また、共通転送電話機能は、掛かって来た電話を、例えば複数台の電話端末が共通に用いる転送先に転送する機能である。また、識別情報LK07で特定されるラインキーには、IP電話回線1が割り付けられている。そして、識別情報LK07で特定されるラインキーを用いることにより、IP電話回線1を通じて発信したり、IP電話回線1を通じての着信に応答したりすることができるようにされる。
図4は、一部しか示していないが、端末別キー設定テーブル107には、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれごとに、各ラインキーLK01、LK02、…のそれぞれには、どのような機能が割り付けられているのかを管理している。これにより、電話制御装置1の制御部104は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…から提供されるラインキーの識別情報(操作入力情報)に基づいて、操作されたラインキーを特定し、その特定されたラインキーに割り付けられている機能を実行することできる。
端末別操作履歴データファイル111は、電話制御装置1が配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれから受け付けた操作入力情報と、当該操作入力情報に基づいて実行するようにした機能の実行の成否とを対応付けて、電話端末ごとに記憶保持する。図5は、端末別操作履歴データファイル111の格納データの例を説明するための図である。図5では、内線番号が「100」で、電話端末IPアドレスが「192.168.1.10」の電話端末についての操作履歴データの一部を示している。
図5に示すように、操作履歴データは、受付年月日、操作入力情報、機能、成否区分からなる。受付年月日は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…等からLAN5を通じて送信されて来る操作入力情報を受け付けた(受信した)ときの年月日を示す。受付年月日は、図2には図示しなかったが電話制御装置1が備える時計回路から取得される。なお、図5において受付年月日としたが、時分秒までの情報を有する受付日時を取得して管理してもよい。
操作入力情報は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…等からLAN5を通じて送信されて来る情報であり、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…等のそれぞれに対してユーザが行った操作を示す情報である。機能は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…等からLAN5を通じて送信されて来る操作入力情報に応じて実行するようにされた機能を示す情報である。成否区分は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…等からLAN5を通じて送信されて来る操作入力情報に応じて実行するようにした機能の実行の成否、即ち、当該機能が実行されたのか、実行できなかったのかを示す情報である。
図5に示した端末別操作履歴データファイル111の格納データの場合には、いずれも「2018年6月28日」に行われた操作入力であることが示されている。そして、1件目のデータは、操作入力情報により、識別情報「LK01」により特定されるラインキーが操作され、その後に数字キーにより「0312341234」が入力されたことが示されている。そして、当該操作入力情報により行うようにされた機能は、「外線発信」であり、その機能の成否区分は「OK」であることが示されている。すなわち、1件目のデータは、目的とする相手先に外線発信を行って、通話回線が接続されたことが示されている。
2件目のデータは、操作入力情報により、識別情報「LK15」により特定されるラインキーが操作されたことが示されている。そして、当該操作入力情報により行うようにされた機能は、「音声メール録音」であり、その機能の成否区分は「NG」であることが示されている。すなわち、2件目のデータは、「音声メール録音」が行うようにされたものの、ラインキーの操作の後に、例えば、相手先の電話番号等が入力されなかったために、当該機能は実行されなかったことが示されている。
3件目のデータは、操作入力情報により、特番「*9999」が操作されたことが示されている。そして、当該操作入力情報により行うようにされた機能は、「リダイヤル発信」であり、その機能の成否区分は「OK」であることが示されている。すなわち、3件目のデータは、直前に電話を掛けた相手先に対して、電話制御装置1に保持されている相手先の電話番号を用いることにより、再度の電話番号の入力を行うことなく、目的とする相手先に対して再度の電話を掛ける操作が行われたことが示されている。そして、その成否区分は「OK」であること、すなわち、目的とする相手先に外線発信(リダイヤル)を行って、通話回線が接続されたことが示されている。
なお、リダイヤル発信において用いられる、先に入力された相手先の電話番号は、図5の1件目のデータに示したように、端末別操作履歴データファイル111に蓄積されている外線発信に対応するデータを用いることができる。また、別途、発信履歴データファイルを備えるようにし、ここに蓄積されているものを用いるようにすることもできる。
図5においては、内線番号が「100」で、電話端末IPアドレスが「192.168.1.10」である電話端末についての操作履歴データについて示したが、他の電話端末についても、同様にして操作履歴データが蓄積される。そして、端末別操作履歴データファイル111に蓄積される操作履歴データにより、電話制御装置1の配下の電話端末ごとに、どのような操作が行われているのかを把握できる。なお、端末別操作履歴データファイル111には、上述したように、実行処理部、判別処理部、記憶処理部としての機能を備える制御部104によって、操作履歴データが形成され、これが記録される。
端末別操作統計データファイル112は、端末別操作履歴データファイル111に蓄積されている操作履歴データを統計処理することにより得られる操作統計データを、電話端末ごとに記憶保持する。図6は、端末別操作統計データファイル112の格納データの例を説明するための図である。図6では、内線番号が「100」で、電話端末IPアドレスが「192.168.1.10」の電話端末についての操作統計データの一部を示している。
図6に示すように、この実施の形態の操作統計データは、操作キー、機能、成否区分、回数からなる。操作キーは、この実施の形態のビジネスホンシステムにおいて、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれが実行可能な機能を実行させるために操作したラインキーや特番入力などを特定する情報である。機能は、操作されたラインキーや特番入力により実行するようにされた機能が何かを示している。成否区分は、ユーザからの操作入力情報に応じて実行するようにされた機能が適切に実行できたのか(成功「OK」)、あるいは、エラーとなったり、状態が変化しなかったりしたのか(失敗「NG」)を示す。回数は、実行するようにされた機能が適切に実行された回数(「OK」の回数)やエラーとなったり、状態が変化しなかったりした回数(「NG」の回数)を示す。
したがって、図6に示した端末別操作統計データファイル112の格納データの場合には、以下のことが把握できる。まず、識別情報「LK01」によって特定されるラインキーが操作されて実行するようにされた「外線発信」機能について、成否区分が「OK」である(適切に実行された)回数は、23回あることが把握できる。また、識別情報「LK01」によって特定されるラインキーが操作されて実行するようにされた「外線発信」機能について、成否区分が「NG」である(エラーとなったり、状態が変化しなかったりした)回数は、2回あることが把握できる。
更に、識別情報「LK15」によって特定されるラインキーが操作されて実行するようにされた「音声メール録音」機能について、成否区分が「NG」である(エラーとなったり、状態が変化しなかったりした)回数は、7回あることが把握できる。また、特番「*9999」が入力されて実行するようにされた「リダイヤル発信」機能について、成否区分が「OK」である(適切に実行された)回数は、7回あることが把握できる。
このことから、内線番号が「100」である電話端末では、識別情報「LK01」で特定されるラインキーを用いた「外線発信」機能の実行は、頻繁に行われて適切に実行されていることが多いことが分かる。しかし、識別情報「LK15」で特定されるラインキーを用いた「音声メール録音」機能の実行は、7回も行われているのに、いずれも適切に実行されておらず、他のラインキーと間違えて操作されている可能性があることが分かる。また、「リダイヤル発信」機能を実行する特番「*9999」が7回も操作されており、「リダイヤル発信」機能については、ラインキーへ割り付けた方が操作の効率を向上させることができる可能性があることが分かる。
このように、端末別操作統計データファイル112に格納された統計データにより、例えば、操作ミスの可能性の高いラインキー操作の存在を把握できる。また、ラインキーに登録した方がよいと考えられる、よく使用されている特番の存在を把握できる。そして、端末別操作統計データファイル112に格納された統計データにより、キー設定推奨データが形成される。
キー設定推奨データファイル113は、ラインキーへの機能の割り付けの追加や変更や削除等を推奨するためのキー設定推奨データを記憶保持する。図7は、キー設定推奨データファイル113の格納データの例を説明するための図である。図7に示すように、キー設定推奨データファイル113に格納されるキー設定推奨データは、電話制御装置1の配下の電話端末ごとに形成される。図7では、内線番号が「100」で、電話端末IPアドレスが「192.168.1.10」の電話端末についてのキー設定推奨データの例を示している。
図7に示すように、この実施の形態のキー設定推奨データは、推奨区分と推奨内容とからなり、端末別操作統計データファイル112や端末別キー設定テーブル107の格納データに基づいて種々の内容のものが形成される。図7(A)に示した例は、よく使う特番が存在し、その特番が自端末(内線番号「100」の電話端末)でラインキーに登録されていない場合のキー設定推奨データである。
この場合、図7(A)に示したように、ラインキーへの機能割り付けの追加を推奨するものであるため、推奨区分は「1:追加」となる。また、推奨内容は「*9999(リダイヤル発信)をラインキーに設定」というように、特番「*9999(リダイヤル発信)」のラインキーへの割り付けを推奨するものとなる。なお、よく使う特番が存在することは、端末別操作統計データファイル112の操作統計データに基づいて把握できる。また、その特番が自端末のラインキーに登録されているか否かは、端末別キー設定テーブル107の格納データに基づいて特定できる。
図7(B)に示した例は、よく使う特番が存在し、その特番が他の電話端末では識別情報「LK18」で特定されるラインキーに登録されていることが多い場合のキー設定推奨データである。この場合、ラインキーへの機能割り付けの変更を推奨するものであるため、推奨区分は「2:変更」となる。また、推奨内容は、「*9999(リダイヤル発信)」をLK18に変更」というように、特番「*9999(リダイヤル発信)」を識別情報「LK18」により特定されるラインキーへの割り付けを推奨するものとなる。
なお、図7(B)の場合、その特番が自端末(内線番号が「100」の電話端末)でラインキーに登録されていても、いなくてもよい。しかし、既に登録されている場合には、特番「*9999(リダイヤル発信)」により実行される機能が割り付けられているラインキーを通知して、ラインキーに割り付ける機能の変更を推奨するようにできる。また、割り付け先のラインキーに別機能が割り付けられている場合には、既に割り付けられている機能の他のラインキーへ割り付けの変更を推奨することもできる。
また、よく操作されるラインキーが存在し、そのラインキーに割り付けられている機能が、エラーになったり、状態が変化しなかったりして、適切に実行されていないことが多い場合があるとする。この場合には、当該適切に実行されていない機能が割り付けられているラインキーへの割り付け機能の変更を推奨するキー設定推奨データを形成することができる。この場合、推奨区分は「変更」となり、推奨内容は、例えば、「操作ミスの可能性あり。「LK15」の割り付け機能を確認。」、あるいは、「「LK15」の「音声メール録音」機能を、他のラインキーに変更。」などといったものとなる。
また、図7(C)は、複数のラインキーについて、割り付けられている機能が、エラーになったり、状態が変化しなかったりして、適切に実行されていないことが多かった場合のキー設定推奨データである。この場合には、複数のラインキーについて、割り付けられている機能が適切に実行されていることが多い電話端末の複数のラインキーについての割り付けを、そのまま全部コピーするようにして変更することを推奨するものとなる。具体的には、図7(C)に示すように、推奨区分が「3:全変更」となる。そして、推奨内容は、複数のラインキーについて、割り付けられている機能が適切に実行されていることが多い電話端末についてのラインキーの識別情報と割り付ける機能とを、複数のラインキーのそれぞれごとに示すものとなる。
この場合、複数のラインキーについて、割り付けられている機能が、適切に実行されていないことが多いこと及びその電話端末の特定は、端末別操作統計データファイル112の格納データにより把握できる。また、複数のラインキーについて、割り付けられている機能が適切に実行されていることが多いこと及びその電話端末の特定についても、端末別操作統計データファイル112の格納データにより把握できる。そして、割り付けられている機能が適切に実行されていることが多い電話端末についてのラインキーに対する割り付け情報(設定情報)は、端末別キー設定テーブル107の格納データにより把握できる。
そして、操作履歴統計処理部121は、制御部104の機能により端末別操作履歴データファイル111に蓄積された操作履歴データを統計処理して、端末別に操作統計データを形成する。そして、操作履歴統計処理部121は、形成した端末別の操作統計データを端末別操作統計データファイル112に記録する。具体的に、操作履歴統計処理部121は、電話端末別、機能を実行するラインキーまたは特番別、成否区分別に、操作履歴データの件数を集計することにより、図6を用いて説明した態様の端末別の操作統計データを形成する。
推奨情報形成部122は、操作履歴統計処理部121により端末別操作統計データファイル112に蓄積された操作統計データと、端末別キー設定テーブル107の格納データに基づいて、電話端末別のキー設定推奨データを形成する。そして、推奨情報形成部122は、形成した電話端末別のキー設定推奨データをキー設定推奨データファイル113に記録する。
推奨情報形成部122は、大きくは以下の(1)〜(3)に示す3つの切り口で電話端末別のキー設定推奨データを形成する。(1)特番入力で回数の多い操作統計データに着目し、当該特番により実行される機能のラインキーへの割り付けを推奨するキー設定推奨データを形成する。(1)の場合に応じたキー設定推奨データが、図7(A)、(B)を用いて説明したものである。
(2)ラインキーで「NG」の回数が所定回以上の操作統計データに着目し、他のラインキーへの設定変更を推奨するキー設定推奨データを形成する。(2)の場合に応じたキー設定推奨データは、図示しなかったが、推奨内容が「NG」の多いラインキーに割り付けられた機能を他のラインキーに割り付けることを推奨するものとなり、その基本的な構成は、図7(B)を用いて説明したものとなる。
(3)複数のラインキーで「NG」の回数が所定回以上である電話端末の操作統計データに着目し、複数のラインキーで「OK」の回数が多い電話端末の複数のラインキーについての割り付けの全部をコピーすることを推奨するキー設定推奨データを形成する。(3)の場合に応じたキー設定推奨データが、図7(C)を用いて説明したものである。
この他にも、推奨情報形成部122は、端末別操作統計データファイル112の端末別の操作統計データと、端末別キー設定テーブル107の設定データとを突き合わせ、操作されたことないラインキーを特定し、機能の割り付けの削除を推奨することもできる。このように、推奨情報形成部122は、端末別操作統計データファイル112の操作統計データと、端末別キー設定テーブル107の設定データとに基づいて、ラインキーに対する機能の割り付けの追加、変更、削除を推奨する種々のキー設定推奨データを形成できる。
推奨情報提供部123は、キー設定推奨データファイル113に形成されたキー設定推奨データに基づいて、目的とする電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…にキー設定推奨データを提供する。推奨情報提供部123は、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に直接、キー設定推奨データを提供することができる。また、推奨情報提供部123は、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に対応付けられた個人用PC4(1)、4(2)、4(3)、…に対して、キー設定推奨データを提供することもできる。また、推奨情報提供部123は、管理用PC2に対して、全てのキー設定推奨データを提供し、管理用PC2から、各電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…や個人用PC4(1)、4(2)、4(3)、…に対して、キー設定推奨データを提供するようにすることもできる。
このように、この実施の形態の電話制御装置1は、配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に対する呼制御等を行うという基本的な機能を備える。更に、電話制御装置1は、配下の電話端末が備える複数のラインキーのそれぞれに割り付ける機能について、利便性を向上させるように、適切な割り付けを推奨することができるという新たな機能も実現している。
[電話端末3の構成例]
図1を用いて説明したように、この実施の形態の電話制御装置1には、LAN5を通じて電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…が接続されている。電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、基本的な構成は同様のものであるため、特に区別して示す必要がある場合を除いて、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれを、電話端末3と総称することとする。
図8は、この実施の形態のビジネスホンシステムの電話端末3の構成例を説明するためのブロック図であり、図9は、電話端末3の外観を説明するためのブロック図である。電話端末3は、図8に示すように、主に電話機能を実現する部分として、LAN接続端子301T、LANインターフェース(以下、LANI/Fという。)301、パケット処理部302、通話音声入出力インターフェース(以下、通話音声入出力I/Fという。)303、ハンドセット接続端子304、ハンドセット305、操作入力部311、操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fという。)312、ディスプレイコントローラ313、ディスプレイ314、リンガ315を備えている。
また、電話端末3は、各部を制御する制御部320を備えている。制御部320は、CPU321、ROM322、RAM323が、CPUバス324を通じて接続されて構成されたマイクロプロセッサである。そして、図9に示すように、電話端末3の場合、端末本体の前面左側にハンドセット305が載置される構成を有する。そして、ハンドセット305が、端末本体に載置された状態ではオンフック状態となり、端末本体から持ち上げられた状態ではオフフック状態となるように構成されている。また、端末本体の前面上側には、ディスプレイ314の表示画面が設けられ、ディスプレイ314の表示画面の下側には操作入力部311が設けられている。
操作入力部311には、ユーザによって機能等の割り付けが可能なラインキー(フレキシブルキー)LK01〜LK36が設けられている。このように、36個ものラインキーが設けられている点が、この実施の形態の電話端末3の1つの特徴である。ラインキーLK01〜LK36の下側には、丸型のキーで示したテンキー(数字キー及び記号キー)が設けられ、テンキーの横には、内線、フック、マイク、スピーカといった機能キーが設けられている。また、テンキーの下側には、メニュー、クリア、機能選択、保留といった機能キーや十字キーが設けられている。十字キーはディスプレイ314の表示画面上でのカーソルの移動指示や決定入力を行うことができると共に、通常時においては、例えば、発信履歴、電話帳、新着履歴、短縮といった機能が割り付けられて、これらの機能の選択実行ができるようになっている。
そして、LAN接続端子301T、LANI/F301、パケット処理部302、通話音声入出力I/F303、ハンドセット接続端子304、ハンドセット305からなる通話系の機能により通話を行うことができる。すなわち、LAN接続端子301T、LANI/F301を通じて受信した自機宛てのパケットは、パケット処理部302に供給されて分解処理され、制御データや音声データ抽出し、制御データは制御部320に供給され、自機の制御に用いられる。
制御部320に供給されたパケット処理部302からの当該制御データが、着信通知である場合、制御部320は、リンガ315やディスプレイコントローラ313及びディスプレイ314を通じて着信を通知する。これにハンドセット305を取り上げるなどして応答したとする。この場合、制御部320は、着信に応答するメッセージを形成し、これをパケット処理部302においてパケット化して、LANI/F301、LAN接続端子301Tを通じてLAN5に送出し、電話制御装置1を通じて発呼元の端末に送信する。
これにより発信元との間において、通信路が生成され、通話が開始される。すなわち、受信したパケットに含まれる相手先からの音声データは、パケット処理部302において抽出されて、CPUバス324を通じて通話音声入出力I/F303に供給される。通話音声入出力I/F303は、CPUバス324を通じて供給されたデジタル信号である音声データをアナログ音声信号に変換して、ハンドセット接続端子304を通じてハンドセット305のスピーカに供給する。これによりハンドセット305のスピーカから相手先の音声が放音される。
一方、ハンドセット305のマイクロホンにより集音された電話端末3のユーザの発する音声は、ハンドセット接続端子304を通じて通話音声入出力I/F303に供給され、ここでデジタル信号である音声データに変換される。通話音声入出力I/Fにおいて、デジタル信号に変換された音声データは、CPUバス324を通じてパケット処理部302に供給されパケット化される。パケット処理部302で形成された相手先へのパケットは、LANI/F301及びLAN接続端子301Tを通じてLAN5に送出され、電話制御装置1を通じて相手先に送信される。このようにして、着信に応答し、通話を行うことができる。
また、電話端末3から発信する場合には、まず、ハンドセット305を電話端末3の本体から持ち上げて、電話端末3をオフフック状態にし、操作入力部311を通じて通信の相手先の電話番号、あるいは、内線番号を入力する。ここで入力された情報は、操作入力I/F312を通じて制御部320に供給される。すると、制御部320は、発呼メッセージを形成し、これをパケット処理部302に供給する。パケット処理部302は、自機からの発呼メッセージをパケット化し、これをLANI/F301、LAN接続端子301Tを通じてLAN5に送出し、電話制御装置1を通じて目的とする通信の相手先に送信する。この後、目的とする相手先からの応答が返信されてきた場合に通信路を生成し、上述したように、通話系の機能により通話が行われる。
そして、図9に示したように、この実施の形態の電話端末3は、36個のラインキーLK01〜LK36を備えている。なお、この明細書において、ラインキーに対する参照符号LK01〜LK36は、各ラインキーの識別情報としても用いている。そして、この実施の形態の電話端末3のユーザは、ラインキーLK01〜LK36に種々の機能を割り付けおくことにより、ラインキーを押下操作するだけで目的とする機能を実行できるようになっている。
なお、電話端末3のラインキーLK01〜LK36への機能の割り付けは、電話端末3の操作入力部311を通じて行うことができる。また、管理用PC2を通じて、ビジネスホンシステムの設置業者が、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれのラインキーLK01〜LK36への機能の割り付けを行うこともできる。しかし、36個ものラインキーがあると、十分に有効活用できない場合もある。
例えば、設置業者等の電話端末3の実際のユーザとは異なる者が、電話端末3についてのラインキーLK01〜LK36への機能の割り付けを行った場合、電話端末3の実際のユーザは割り付けの状態を把握していないことになる。この場合には、ラインキーへの機能割り付けの一覧リストを出力して確認するなどして、どのラインキーにどの機能が割り付けられているのかを把握してからでないとラインキーは使用できない。しかし、他人が行ったラインキーへの機能の割り付けは分かり難く、誤操作を招く可能性もある。
そこで、この実施の形態の電話制御装置1においては、上述したように、端末別に操作履歴を収集し、これを統計処理して、操作ミスになる可能性が低く、利便性を向上させることができるように、ラインキーへの機能の割り付けの推奨機能を実現している。当該推奨機能を実現するために、電話制御装置1は、端末別操作履歴データファイル111、端末別操作統計データファイル112、キー設定推奨データファイル113を備えると共に、制御部104、操作履歴統計処理部121、推奨情報形成部122、推奨情報提供部123が機能するようになっている。
[ラインキーへの機能の割り付けの推奨の具体例]
図10は、電話端末3のラインキーの割り付けの例を説明するための図であり、図11は、電話端末3のラインキーの割り付けの他の例を説明するための図である。具体的に、図10は、例えば、電話端末3(1)の実際のユーザ以外の者、例えば設置業者により設定された電話端末3(1)のラインキーの割り付けの例を示している。また、図11は、電話制御装置1によって推奨するようにされたラインキーの割り付けの例で、例えば、電話端末3(8)において用いられているラインキーの割り付けの例を示している。
この実施の形態において、ビジネスホンシステムの電話端末3(1)のライキンキーに対する機能の割り付けは、図10に示すようになっている。すなわち、ラインキーLK01〜LK04には、外線1〜外線4が割り付けられ、外線1〜外線4を通じての着信に応答する場合、また、外線1〜外線4を通じて発信を行う場合に用いられる。また、ラインキーLK07〜LK10には、IP回線1〜IP回線4が割り付けられ、IP回線1〜IP回線4を通じての着信に応答する場合、また、IP回線1〜IP回線4を通じて発信を行う場合に用いられる。
また、ラインキーLK19〜LK21には、パーク保留1〜パーク保留3が割り付けられ、ラインキーLK19〜LK21を押下操作することにより、接続されている通話回線を、その操作されたラインキーに対して保留するようにできる。そして、通話回線が保留されているラインキーLK19〜LK22を押下することにより保留されている通話回線を引き継いで通話を行うことができるようにされる。ラインキーLK25〜LK36には、ワンタッチ機能、即ち、登録するようにされた目的とする相手先にワンタッチで電話を掛けることできる機能が割り付けられている。
そして、図10に示す例の場合、ラインキーLK05、LK06、LK11、LK12、LK13〜LK18、LK22〜LK24のそれぞれには、この実施の形態のビジネスホンシステムで提供するようにしている個別の機能が割り付けられている。すなわち、ラインキーLK05には、電話端末3(1)のユーザが個別に定めた相手先に電話を転送する個別転送電話機能が割り付けられ、ラインキーLK06には、全ての電話端末3で共通に定めた相手先に電話を転送する共通転送電話機能が割り付けられている。また、ラインキーLK11には、電話端末3(1)のユーザ用の録音エリアに留守番録音を行う個別留守番電話機能が割り付けられ、ラインキーLK12には、全ての電話端末3で共通に定めた録音エリアに留守番録音を行う共通留守番電話機能が割り付けられている。
また、ラインキーLK13には、通話録音モードの変更を行う通話録音モード機能が割り付けられ、ラインキーLK14には、電話端末3(1)のユーザ宛の音声メールを再生する音声メール再生機能が割り付けられている。また、ラインキーLK15には、電話端末3(1)のユーザから目的とする相手先に送信する音声メールの録音を行う音声メール録音機能が割り付けられ、ラインキーLK16には、電話端末3(1)を通じて通話中である場合に、通話の音声録音を行う通話録音機能が割り付けられている。
また、ラインキーLK17には、電話端末3(1)のユーザのコメントを録音するコメント録音機能が割り付けられ、ラインキーLK18には、電話端末3(1)を通じて通話中において受話音声の音量を所定値分上げる受話音量増大機能が割り付けられている。また、ラインキーLK22には、電話端末3(1)を通じて、他の電話端末で行われている通話をモニタし、必要に応じて割り込みを行うことができるようにする通話モニタ/割込機能が割り付けられている。また、ラインキーLK23には、電話端末3(1)を通じて通話中において、相手先からの音声は聞きながら、こちらからの音声は相手先に送信しないようにする通話カット機能が割り付けられている。また、ラインキーLK24には、相手先からの音声を高音質で再生するようにする高音質モード機能が割り付けられている。
また、この実施の形態において、ビジネスホンシステムの電話端末3(8)のライキンキーの割り付けは、図11に示すようになっている。すなわち、ラインキーLK01〜LK04と、ラインキーLK07〜LK10と、ラインキーLK25〜LK36とについての機能の割り付けは、図10に示した電話端末3(1)におけるラインキーに対する機能の割り付けと同じである。そして、電話端末3(8)のラインキーの割り付けにおいて、ラインキーLK13〜LK15には、図11に示すように、パーク保留1〜パーク保留3が割り付けられている。このように、電話端末3(8)のライキンキーの割り付けでは、複数キーが必要になる外線、IP回線、パーク保留については、ラインキーの配置でいうと、左上端側にまとめて配置されている。
そして、電話端末3(8)のラインキーの割り付けにおいては、ラインキーLK05には音声メール録音機能が割り付けられ、ラインキーLK11には、音声メール再生機能が割り付けられている。また、ラインキーLK06には通話録音機能が割り付けられ、ラインキーLK12には、通話録音再生機能が割り付けられている。また、ラインキーLK16には個別留守番電話機能が割り付けられ、ラインキーLK22には、共通留守番電話機能が割り付けられている。また、ラインキーLK17には個別転送電話機能が割り付けられ、ラインキーLK23には、共通転送電話機能が割り付けられている。このように、電話端末3(8)のライキンキーの割り付けでは、録音と再生、個別と共通などのように関連のある機能については、上下に隣接するラインキーに割り付けられている。
また、ラインキーLK18には通話録音モード機能が割り付けられ、ラインキーLK24には、送話カット機能が割り付けられている。また、ラインキーLK19には、通話モニタ/割込機能が割り付けられ、ラインキーLK20には、高音質モード機能が割り付けられ、ラインキーLK21には受話音量増大機能が割り付けられている。すなわち、よく利用される可能性のある通話録音モード機能や送話カット機能は、右端中央部分に設け、また、比較的に利用される可能性の高い、通話モニタ/割込機能、高音質モード機能、受話音量増大機能は、パーク保留機能が割り付けられたラインキーとワンタッチ機能が割り付けられたラインキーとによって挟まれた部分にあるラインキーに割り付けられている。
そして、図10に示したラインキーに対する機能の割り付けを有する電話端末3(1)からの操作入力情報を含む操作履歴データ(図5)を統計処理して得られた電話端末3(1)についての操作統計データ(6)において、ラインキー操作のエラーが多かったとする。すなわち、操作されたラインキーにより機能が実行するようにされても、状態が変化しなかったり、エラーになったりして、機能が適切に事項されなかった回数が所定回数以上のラインキーが多数存在していたとする。
これに対して、図11に示したラインキーに対する機能の割り付けを有する電話端末3(8)からの操作入力情報を含む操作履歴データ(図5)を統計処理して得られた電話端末3(8)についての操作統計データ(図6)において、ラインキー操作のエラーは少なかったとする。すなわち、操作されたラインキーにより機能が実行するようにされた場合、その機能が適切に実行されたことを示す回数が多いラインキーが大多数を占め、機能が適切に実行されなかった回数が所定回数以上のラインキーは存在しなかったとする。
この場合には、電話制御装置1の推奨情報形成部122は、図7(C)に示した態様の、電話端末3(8)のラインキーに対する機能の割り付け情報(図11)の全てを、電話端末3(1)のユーザに推奨するキー設定推奨データを形成する。そして、形成したキー設定推奨データを、推奨情報提供部123が、電話端末3(1)の使用者に提供するように機能する。この場合、推奨情報提供部123は、電話端末3(1)を通じてキー設定推奨データを提供することができる。
また、推奨情報提供部123は、今回のように、電話端末3(8)のラインキーLK01〜LK36の全ての設定を、電話端末3(1)のユーザに推奨する場合には、電話端末3(1)に対応付けられた個人用PC4(1)を通じて、キー設定推奨データを提供するようにできる。また、推奨情報提供部123は、管理用PC2を通じて、電話端末3や個人用PC4(1)にキー設定推奨データを提供することもできる。
なお、ラインキーLK01〜LK36に設定可能な機能は、図10、図11に示したものに限らない。この実施の形態のビジネスホンシステムにおいて、特番により実行可能な機能は、ラインキーに対して割り付け可能である。図12は、実施の形態のビジネスホンシステムで用いられる特番機能の例を説明するための図である。例えば、外線指定発信、リダイヤル発信、電話帳ダイヤル発信、…といった特番により実行可能な種々の機能をラインキーLK01〜LK36の任意のラインキーに割り付けることができる。
[ビジネスホンシステムの動作の説明]
図13は、上述した構成を有する電話制御装置1と、複数の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…とからなるこの実施の形態のビジネスホンシステムの動作について説明するためのシーケンス図である。電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれからの操作入力情報が、LAN5を通じて電話制御装置1に送信される(ステップS1、S3、S5、…)。操作入力情報は、ラインキー、テンキー、ファンクションキーなどの操作されたキーを特定する情報からなり、発信操作や特番入力等の全てのボタン(キー)操作に応じたものが含まれる。
電話制御装置1では、制御部104が実行処理部として機能して、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれからの操作入力情報に応じた機能を実行する。例えば、電話を掛けたり、着信に応答したり、保留機能を使ったり、音声メールを録音したり、といった、この実施の形態のビジネスホンシステムで実行可能な種々の機能が、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…からの操作入力情報に応じて実行される。
そして、制御部104は、判別処理部として機能し、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれからの操作入力情報に応じて実行するようにした機能が適切に実行されたか否かを判別する。すなわち、制御部104は、操作入力情報に応じて機能を実行するようにするが、上述もしたように、状態が変わらなかったり、エラーになったりした場合には、当該機能は実行できなかった(「NG」である)と判別する。また、当該機能に応じた処理が適切に行われた場合には、当該機能は実行された(「OK」である)と判別する。
なお、状態が変わらなかったり、エラーになったりする場合は、例えば、機能の実行指示はあったものの必要な情報が入力されなかったり、また、必要な情報は入力されたもののその情報が間違っていたりすることが考えられる。より具体的には、「外線ボタンを押したのに、ダイヤル桁数が足りない。」、「ある機能ボタンを押したときには、その後に4桁の数字を入力する必要があるのに、入力された数字が少ない、または、多い。」、「ある特番操作は、3桁+3桁の計6桁で動作するのに、入力された数字が少ない、または、多い」といった場合がある。
また、例えば、通話中ではないのにパーク保留機能を使うようにした場合のように、そもそも、その機能が使える状態でないのに、その機能を使うようにした場合にも、状態が変わらなかったり、エラーになったりするため、当該機能は実行できなかった(「NG」である)と判別されることになる。
そして、制御部104は、記録処理部として機能し、受け付けた操作入力情報と判別した成否区分を含む操作履歴データ(操作履歴情報)を形成して、端末別操作履歴データファイル111に蓄積する(ステップS2、S4、S6、…)。また、使用頻度が少ない電話端末3が、入力操作で失敗が少ない端末と判別されることがないように、指示された機能が適切に実行された場合(「OK」であると判別された場合)の操作履歴データも形成して記録する。このように、ステップS1〜S6に示したように、操作入力情報の提供と操作履歴データの形成及び記録が繰り返されて、図5に示した態様で、端末別操作履歴データファイル111に操作履歴データが蓄積されていく。
この後、電話制御装置1は、ある程度の期間が経過し、端末別操作履歴データファイル111に操作履歴データが蓄積されたとする。この場合に、操作履歴統計処理部121が機能して、端末別操作履歴データファイル111の操作履歴データ(図5)を統計処理して、図6に示した態様の端末別操作統計データを形成し、これを端末別操作統計データファイル112に記録する(ステップS7)。ステップS7の統計処理では、日単位、週単位、月単位といった種々の単位期間を対象期間として統計処理を行うことができる。この統計処理により、ボタン操作ミスの多い傾向の電話端末とボタン操作のミスの少ない傾向の電話端末を区別することができる。
次に、推奨情報形成部122が機能して、端末別操作統計データファイル112の操作統計データを解析し(ステップS8)、図7を用いて説明した態様で、キー設定推奨データを形成して(ステップS9)、これをキー設定推奨データファイル113に記録する。ステップS8の解析処理では、どのような操作でミスが多いのか、即ち、どのような操作で機能が適切に実行されていないのか、また、どのような操作が多いのかなどを総合的に解析する。例えば、ラインキー操作でミスが多い(機能が適切に実行されていないことが多い)、特定のラインキーでミスが多い、発信操作でミスが多い、特番操作が多いなどといった傾向を電話端末3ごとに解析する。
そして、ステップS8の解析処理の結果を踏まえ、ステップS9の提案生成において、キー設定推奨データを形成して記録する。例えば、ラインキー操作全般でミスが多い場合には、ラインキー操作でミスの少ない電話端末のラインキーへの機能の割り付けの全部を推奨するキー設定推奨データを形成する。なお、この場合に、例えば、発信操作でミスが多いとか、設定操作でミスが多いなどというように、〇〇に関する操作でミスが多いという傾向が明らかな場合には、その操作に関するラインキーに関する機能の割り付けを変更することを推奨するキー設定推奨データを形成することもできる。
また、特定のラインキーで操作ミスが多い場合には、その特定のラインキーについての機能の割り付けの変更を推奨するキー設定推奨データを形成する。また、特定の特番操作が多い場合には、その特番により実行される機能をラインキーに割り付けることを推奨するキー設定推奨データを形成する。また、ミスが多い電話端末のラインキーの設定と、ミスが少ない電話端末のラインキーの設定とを比較し、その差分が大きい部分について、ミスが少ない電話端末のラインキーの設定に変更するように推奨するキー設定推奨データを形成することもできる。
そして、推奨情報提供部123が機能して、ラインキーへの機能の割り付けに関する推奨情報(追加、変更、削除等の提案)を、これが必要となる電話端末3に対して提供する(ステップS10)。これにより、キー設定推奨データの提供を受けた電話端末3では、これをディスプレイ314に表示し、ユーザに対してラインキーに関する機能の割り付けの変更等を推奨する。
また、電話制御装置1が、管理用PC2からのキー設定推奨データの出力要求を受け付けたとする(ステップS11)。この場合には、推奨情報提供部123が機能し、キー設定推奨データファイル113に形成されている電話端末ごとのキー設定推奨データを管理用PC2に提供する(ステップS12)。これにより、管理用PC2が、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれに、その電話端末宛てのキー設定推奨データを提供し、ラインキーへの機能の割り付けの追加、変更、削除などを推奨することもできる。
なお、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…が備えるディスプレイ314の表示画面は比較的に小さいので、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に対応する個人用PC4(1)、4(2)、4(3)、…にキー設定推奨データを提供するようにしてもよい。これにより、漏れなく、包括的に、ラインキーに関する機能の割り付けの変更等を行うように、ユーザに対して指示することができる。
このように、この実施の形態のビジネスホンシステムの電話制御装置1は、配下の電話端末3の操作実績に応じて、効率良く操作が可能なラインキーへの機能の割り付けを推奨することができるようにしている。
[電話制御装置1で行われるキー設定推奨データの形成処理]
図14、図15は、この実施の形態のビジネスホンシステムの電話制御装置1で実行されるキー設定推奨データの形成処理の一例について説明するためのフローチャートである。図14、図15のフローチャートに示す処理は、端末別操作履歴データファイル111に操作履歴データが蓄積された後に、例えば、日単位、週単位、月単位といった所定の単位期間ごとに実行される処理である。もちろん、2日おき、3日おき、5日おき、10日おきといった任意の期間ごとに実行することもできるし、ビジネスホンシステムの管理者が任意のタイミングで実行することもできる。
すなわち、図14、図15に示す処理は、予め決められたタイミングで実行するようにされたり、あるいは、ビジネスホンシステムの管理者によって実行するようにされたりする。この場合、電話制御装置1における操作入力情報の受付日時(操作日時)を基準に、いつからいつまでの操作履歴データが統計処理の対象になるかは、予め決められて例えば制御部104内のメモリに登録されていたり、ビジネスホンシステムの管理者によって入力されたりする。
図14、図15に示す処理が実行されると、制御部104は、操作履歴統計処理部121を制御して、端末別操作統計データを形成する処理を実行する(ステップS101)。ステップS101の処理は、端末別操作履歴データファイル111の操作履歴データについて統計処理を行うことにより、端末別操作統計データを形成し、これを端末別操作統計データファイルに112に記録する処理である。
この後、制御部104は、推奨情報形成部122を制御し、操作統計データを解析して、キー設定推奨データを形成する処理を行う。まず、推奨情報形成部122は、端末別操作統計データファイル112の操作統計データを順次に参照し、ラインキー以外でよく行われている操作、即ちラインキー以外の頻出操作を検出(判別)する(ステップS102)。ステップS102の処理において、ラインキー以外の頻出操作が検出できた場合には、推奨情報形成部122は、端末別キー設定テーブル107を参照し、該当する電話端末3において、そのラインキー以外の頻出操作により実行される機能は、ラインキーに割り付けられているか否かを判別する(ステップS103)。
ステップS103の判別処理において、ラインキーに割り付けられていないと判別したとする。この場合、推奨情報形成部122は、更に端末別キー設定テーブル107を参照し、当該頻出操作により実行される機能は、他の電話端末でラインキーへの割り付けが多いか否かを判別する(ステップS104)。ステップS104の判別処理において、他の電話端末でラインキーへの割り付けは多くないと判別したとする。この場合には、推奨情報形成部122は、当該頻出操作により実行される機能を任意のラインキーに割り付けることを推奨するキー設定推奨データを形成し、これをキー設定推奨データファイル113に記録する(ステップS105)。
また、ステップS103の判別処理において、当該頻出操作で実行される機能は既に自機においてもラインキーに割り付けられていると判別した場合には、ステップS106の処理を行う。同様に、ステップS104の判別処理で、当該頻出操作で実行される機能は他の電話端末でラインキーへの割り付けが多いと判別した場合にも、ステップS106の処理を行う。この場合、当該頻出操作で実行される機能を、他の電話端末で当該機能の割り付けが多いラインキーへの割り付けを推奨するキー設定推奨データを形成し、これをキー設定推奨データファイル113に記録する(ステップS106)。
ステップS105とステップS106の処理の後においては、ステップS102からの処理を繰り返す。これにより、端末別操作統計データファイル112の全データを対象として、ラインキー以外の頻出操作により実行される機能をラインキーに割り付けることを推奨するデータの形成処理を行うことができる。
そして、ステップS102の判別処理において、ラインキー以外の頻出操作はもう無いと判別したときには、制御部104は、推奨情報形成部122を制御して、図15のステップS107からの処理を行う。すなわち、ステップS102の処理は、端末別操作統計データファイル112の全データを対象とした、ラインキー以外の頻出操作により実行される機能をラインキーに割り付けることを推奨するデータの形成処理が終了したか否かを判別する処理である。
そして、推奨情報形成部122は、端末別操作統計データファイル112の操作統計データを順次に参照し、ラインキー操作を含む頻出エラー操作、即ちラインキー操作で機能が適切に実行されていないことの多い操作を検出(判別)する(ステップS107)。ステップS107の処理において、ラインキー操作を含む頻出エラー操作が検出できたとする。この場合、推奨情報形成部122は、更に端末別操作統計データファイル112の操作統計データを参照し、当該電話端末について、ラインキー操作を含む頻出エラー操作が複数存在するか否かを判別する(ステップS108)。
ステップS108の判別処理において、ラインキー操作を含む頻出エラー操作は複数存在しない、つまり、1つのラインキー操作だけであると判別したとする。この場合、推奨情報形成部122は、当該ラインキーへの機能の割り付けを変更することを推奨するキー設定推奨データを形成して、キー設定推奨データファイル113に記録する(ステップS109)。この場合、当該ラインキーが操作されることにより、実行される機能が、当該ラインキー操作が行われた電話端末のユーザが実行したかった機能ではない可能性が高い。そこで、当該ラインキーに割り付けられている機能を通知して、割り付ける機能の変更を推奨するようにするキー設定推奨データを形成してもよい。
また、ステップS108の判別処理において、ラインキー操作を含む頻出エラー操作は複数存在すると判別したとする。この場合、推奨情報形成部122は、更に端末別操作統計データファイル112の操作統計データを参照し、ラインキー操作についてエラーの少ない電話端末を特定する。そして、推奨情報形成部122は、ラインキー操作についてエラーの少ない電話端末のラインキーについての機能の割り付けの全部を推奨するキー設定推奨データを形成し、これをキー設定推奨データファイル113に記録する(ステップS110)。このステップS110の処理においては、端末別キー設定テーブル107のデータも参照して、キー設定推奨データを形成することになる。
ステップS109とステップS110の処理の後においては、ステップS107からの処理を繰り返す。これにより、端末別操作統計データファイル112の全データを対象として、ラインキー操作を含む頻出エラー操作について、機能を割り付けるラインキーを変更することを推奨するデータの形成処理が繰り返される。
そして、ステップS107の判別処理において、ラインキー操作を含む頻出エラー操作はもう無いと判別したときには、制御部104は、この図14、図15に示す処理を終了する。すなわち、ステップS107の処理は、端末別操作統計データファイル112の全データを対象とした、ラインキー操作を含む頻出エラー操作について、機能を他のラインキーに割り付けることを推奨するデータの形成処理が終了したか否かを判別する処理である。
なお、ステップS110においては、ラインキー操作を含む頻出エラー操作が複数存在する電話端末3におけるラインキーに対する機能の割り付けについて、エラーの少ない電話端末3におけるラインキーに対する機能の割り付けの全部を推奨するものとした。しかし、これに限るものではない。例えば、ラインキー操作を含む複数の頻出エラー操作が、上述もしたように、発信操作に多かったり、設定操作に多かったりする場合には、その操作に関する機能について、他のラインキーに変更するように推奨するキー設定推奨データを形成することもできる。
このように、電話制御装置1においては、端末別操作履歴データを統計処理することにより得られる端末別操作統計データと、端末別キー設定テーブル107の設定データとを用いて、キー設定推奨データを形成できる。このキー設定推奨データを用いて、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…に対して、ラインキーに対する機能の割り付けを推奨することができる。
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の電話制御装置1によれば、操作履歴統計処理部121と推奨情報形成部122が機能して、ラインキーに割り付ける機能について、操作ミスを少なくし、効率良く操作できるようにする割り付けを推奨するためのデータを形成できる。当該推奨をするためのデータは、キー設定推奨データとしてキー設定推奨データファイル113に記録し、推奨情報提供部123が、電話端末3に直接提供したり、電話端末3に対応付けられる個人用PC4(1)、4(2)、4(3)…に提供したりできる。また、キー設定推奨データは、管理用PC2において集約し、この管理用PC2から電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…や個人用PC4(1)、4(2)、4(3)…に対して提供することもできる。
即ち、電話制御装置1の配下の電話端末3に設けられる複数のラインキーを操作ミスすることなく使用でき、効率的に電話端末3を利用できるように整えることができる。換言すれば、複数のラインキーを適切に使用できるようにし、多機能なビジネスホンシステムを有効に利用できるようにする環境を整備することができる。
[変形例]
なお、上述した実施の形態では、端末別キー設定テーブル107は、電話制御装置1が備えるものとして説明したが、これに限るものではない。電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれが、自機用のキー設定テーブルを備えていてもよい。この場合には、電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれから、電話制御装置1にLAN5を通じて送信される操作入力情報に、操作されたキーの識別情報と共に、その操作されたキーにより実行される機能を示す情報をも付加しておけばよい。これにより、電話制御装置1において、当該機能を実行させる事もできるし、図5に示した態様の端末別操作履歴データを形成して蓄積することもできる。
また、上述した実施の形態では、電話制御装置1の配下の電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…は、全て同様のものであるものとして説明したが、これに限るものではない。比較的に規模の大きなビジネスホンシステムの場合には、例えば操作ボタンの数や配置位置の異なる複数種類の電話端末が接続される場合もあると考えられる。このため、電話制御装置1において、配下の電話端末のそれぞれの形式や型番についても管理するようにしておく。そして、ラインキー操作でエラーの多い電話端末については、同じ形式や型番を有する他の電話端末であって、ラインキー操作でエラーの少ない電話端末についてのラインキーに対する機能の割り付けを推奨の対象とすればよい。すなわち、同じ形式や型番の電話端末をグループとして管理し、そのグループにおいて、操作統計データの比較や推奨情報の抽出を行うようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、主に、1つのラインキーへの機能の割り付けの変更の推奨、一部のラインキーへの機能の割り付けの変更の推奨、全部のラインキーへの機能の割り付けの変更の推奨が可能であることを説明した。また、特番入力等のラインキー以外のキー操作で頻繁に行われる操作で実行される機能を、ラインキーに割り付けることを推奨できることも説明した。しかし、これに限るものではない。全く使用されていないラインキーを特定し、そのラインキーへの機能の割り付けの削除を推奨することも可能である。すなわち、キー推奨データは、ラインキーへの機能の割り付けの追加、変更、削除を推奨することが可能である。
なお、この明細書において、「特番」とはテンキー(ダイヤルボタン)の「1」〜「0」と「#」、「*」の組合せを押下操作することにより、ビジネスホンシステムの機能を動作させることができるものを意味する。例えば、直前に通話していた相手先に電話を掛け直したい(リダイヤル発信)をしたい場合には、上述した実施の形態のビジネスホンシステムの場合には、「*9999」を押下操作すると、リダイヤル発信ができるようになるというものである。また、具体的な「特番」は、ビジネスホンシステムごとに決められることになる。
また、上述した実施の形態では、ラインキー操作で機能が適切に実行されなかった場合の多い操作が複数存在する場合に、ラインキー操作で機能が適切に実行されることの多い端末のラインキーへの機能の割り付けの全部推奨するものとして説明した。この場合の全部推奨を行うか否かの判別基準は、機能が適切に実行されなかった場合を示す「NG」の回数と、その「NG」の回数の基準を満たす異なるラインキー操作の数に基づいて行うことができる。
具体的には、ラインキー操作で機能が適切に実行されなかったことを示す「NG」回数が所定回(例えば5回)以上である場合が、7つ以上の異なるラインキーで発生していれば、割り付けの全部変更を推奨するというようにすることができる。なお、機能が適切に実行されなかった場合を示す「NG」の回数と、その「NG」の回数の基準を満たす異なるラインキー操作の数とは、適宜の数とすることができる。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項における端末別キー設定記憶手段の機能は、実施の形態の電話制御装置1(以下、単に電話制御装置1と記載する。)の端末別キー設定テーブル107が実現する。また、請求項の受付手段の機能は、接続端子108T及びLANI/F108と制御部104とが共同して実現する。また、請求項の実行処理手段、判別処理手段、記録処理手段の機能は、電話制御装置1の制御部104が実現する。また、請求項の推奨情報形成手段の機能は、操作履歴統計処理部121と推奨情報形成部122とが協働して実現している。また、請求項の出力手段の機能は、電話制御装置1の主に推奨情報提供部123が実現している。
また、制御部104が実現する実行処理部、判別処理部、記録処理部の各部の機能は、制御部104において実行されるソフトウェアによって実現できる。また、操作履歴統計処理部121、推奨情報形成部122、推奨情報提供部123の各部の機能についても、制御部104において実行されるソフトウェアにより実現することもできる。また、図14、図15に示したフローチャートの処理を実行するプログラムが、操作履歴統計処理部121と推奨情報形成部122の機能を実現するプログラムになる。