JP6973802B2 - 認知機能評価システム - Google Patents

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Description

本発明は、被験者の認知機能を評価し、認知症の基礎疾患別に認知症リスクを提示するための認知機能評価システムに関する。
近年の高齢化に伴い、認知症の患者数が急増している。認知症は、一度発症すると完治させることは難しい一方で、早期治療をすることで進行を遅らせたり症状を緩和させたりすることが可能であるため、早期段階での発見が重要である。しかし、認知症を診断する専門医の数はさほど増加しておらず、認知機能を簡易に評価できる診断支援ツールが求められている。
従来では、例えば文献1に開示されているような診断支援ツールが開発されている。この診断支援ツールでは、被験者の事前情報や環境情報、そして被験者の回答内容に応じて動的に設問を変更し、被験者の認知機能を評価することが可能となっている。
特開2007−282992号公報
しかし、認知症とはアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などの様々な基礎疾患が原因となっており、これら原因となる基礎疾患によって症状や予後、対応、治療方法が異なる。
にもかかわらず、特許文献1に開示されているような診断支援ツールでは、認知機能が全体としてどの程度に機能しているかを評価しているにすぎず、このような様々な基礎疾患のリスク(どの基礎疾患に罹患している可能性が高いか)についてまでは評価できていないため、結局は専門医が診断するにあたって有意義な情報を提供できていないのが現状である。更に、認知症は進行性の経過をとるが、その進行度合いは基礎疾患によって異なる。従来のツールでは認知症全体に対して同じ評価を行うため、基礎疾患別の進行予測ができない。その為、何らかの介入、例えば薬剤の効果を検証する場合にも、基礎疾患別の評価ができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被験者の認知機能を検査する際に認知症の基礎疾患ごとのリスクを評価することのできる診断ツールを提供することにある。加えて、基礎疾患別の進行予測を提供するものである。更に、本発明では、肢体不自由でも実施可能である。
本発明における認知機能評価システムは、被験者の認知機能における複数の基礎疾患のリスクを、該認知機能についての検査項目に基づいて評価し、前記検査項目の検査値を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された検査値を基に前記リスクを算出する算出手段と、前記算出したリスクの中から、もっともリスクの高い基礎疾患を選定する選定手段とを備えることを特徴とする。認知機能評価に影響する因子についても同時に評価し、判定の精度を高める。上肢(手指)、もしくは下肢、もしくは発声、もしくは瞬目で回答することができる。
本発明によれば、認知症の原因となる基礎疾患別にリスクを算出することができ、認知症診断をより効果的に支援することが可能となる。
本発明の実施形態に係る認知機能評価システムを実装したコンピュータの斜視図である。 認知機能評価システムの機能ブロック図である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムにおける設問の一例である。 認知機能評価システムで出力されるレーダーチャートの例である。 実施例におけるロジスティック回帰分析の例示である。 実施例における補正項の取り扱いの例示である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態)
本発明の実施形態は、通信回線を必要としない、いわゆるスタンドアローン型として機能するコンピュータ内に実装された認知機能評価システムである。図1は、本実施形態の認知機能評価システムが実装されたコンピュータ1を模式的に示している。本発明の実施形態としての認知機能評価システムは、このコンピュータ1のハードウェアとその内部で実行されるソフトウェアとの組合せにより実現される。
コンピュータは、CPU、RAMメモリ、ROM、ハードディスク等を内蔵した本体と、画面表示のための液晶ディスプレイと、医療従事者が各種設定等を入力するためのキーボード、マウスを備えている。そして、認知機能評価システムがソフトウェアとしてコンピュータ1のハードディスク内にインストールされ、インストールされた認知機能評価システムが起動されると、コンピュータ1は、本実施形態の認知機能評価システムとして機能することとなる。
図2は、本実施形態における認知機能評価システム10の機能ブロック図である。認知機能評価システム10は、設問記憶部11と、画面表示部12と、設問変更部13と、検査値計測部14と、リスク算出部15と、リスク選定部16と、結果出力部17と、から構成されている。
設問記憶部11には、認知機能評価システム10で実施されるおよそ70個の設問の内容と、それぞれの配点、回答時間、及び各設問に対応する検査項目が記憶されている。詳細は後述するが、検査項目とは記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力、実行機能、及び、補正項の9個からなり、各設問はこれら検査項目の内のいずれかと対応している。
画面表示部12は、液晶ディスプレイによって構成されており、各設問を被験者に表示する。被験者は画面表示部12に表示された設問についてタッチパネル、キーボード、フットセンサー、瞬目センサーまたはマウスを用いて順次回答していくこととなる。そして、画面表示部12には撮像部23が備えられており、被験者の検査中における瞬目頻度及び表情の変化が検知される。
設問変更部13は、被験者に応じて医療従事者が設問内容を変更できる機能である。具体的には、各設問の配点を変更できる配点変更手段と、各設問の回答時間を設定できる回答時間設定手段とを備えている。
計測手段としての検査値計測部14は、被験者の各設問に対する回答に対して正誤判定をし、設問毎に割り振られた配点に基づいて採点を行う。そして、前述の検査項目ごとの得点を検査値として計測する。
算出手段としてのリスク算出部15は、検査値計測部14で計測された検査値(検査項目ごとの得点)に基づいて、被験者の認知機能における基礎疾患のリスクを算出する。本実施形態では、基礎疾患として、アルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症(VAD)、レビー小体型認知症(DLBD)、パーキンソン認知症複合(PDD)、前頭側頭型認知症(FTD)、皮質基底核変性症、脳炎(後遺症)、代謝性脳症、及び、正常圧水頭症をリスク算出対象としている。加えて、認知症と鑑別すべき疾患と病態、具体的にはうつ、心因性反応、神経症など、が認知機能に影響する程度を算出し、認知症による基礎疾患のリスク算出の精度を高める。
詳細は後述するが、各基礎疾患のリスクは、基礎疾患のリスク:X=A×(記憶力の検査値:X)+A×(見当識の検査値:X)+A×(失語の検査値:X)+A×(失認の検査値:X)+A×(計算力の検査値:X)+A×(理解力の検査値:X)+A×(判断力の検査値:X)+A×(実行機能の検査値:X)+(補正項の検査値:C)というように、各検査項目の検査値とA〜Aで表される傾斜係数との一次式で算出される(なお記憶力については、AはA1A,A1Bとして、XはX1A,X1Bとして扱われる。)。各基礎疾患に応じて(A,A,…,A)で表される傾斜係数の組み合わせが異なる。リスク算出部15では、各基礎疾患に対応した傾斜係数の組み合わせを用いて、基礎疾患のリスクを算出することとなる。
算出手段は、補正項を考慮しない場合、下記式(1)で示される式により、基礎疾患のリスクYを基礎疾患ごとに算出する。
Y=A1X1+A2X2+A3X3+A4X4+A5X5+A6X6+A7X7+A8X8・・・(1)
算出手段は、補正項を考慮する場合、下記式(1’)で示される式により、基礎疾患のリスクYを基礎疾患ごとに算出する。
Y=A1X1+A2X2+A3X3+A4X4+A5X5+A6X6+A7X7+A8X8+C・・・(1’)
なお、詳細は後述するが、リスク算出部15は、被験者の検査結果を蓄積し、該蓄積されたデータを基に各基礎疾患の傾斜係数の組み合わせを多変量解析によって修正する係数修正部21を備えている。多変量解析としては、例えば一般に良く知られているロジスティック回帰分析を利用することができる。
さらに、リスク算出部15は、算出した各基礎疾患のリスクを補正する算出結果補正部22を備えている。これは例えば、被験者が低難易度項目は誤答したが高難易度項目を正答した場合、低難易度項目の誤答は単なる過誤だと判断して基礎疾患のリスクを低く評価するように補正したり、被験者が身体の状態に関する設問に否定的な入力をした場合に、基礎疾患のリスクを低く評価するように補正したりする。
選定手段としてのリスク選定部16は、リスク算出部15で算出した基礎疾患ごとのリスクの中で、基礎疾患のリスクがあると判断される予め定められた基礎疾患基準値よりも低いYがある場合、その基礎疾患を選定し、画面表示部12に表示する。つまり、算出された基礎疾患のリスクの中から、被験者にとってリスクの高いものを表示する。あるいは、算出された全ての基礎疾患について、リスクの高いものから順に並べて表示することもできる。
選定手段としてのリスク選定部16は、算出した基礎疾患ごとのリスクの中で、基礎疾患基準値以上であるが、MCIのリスクがあると判断される予め定められたMCI基準値よりも低いYがある場合、その基礎疾患のMCIのリスクがあるとして選定する。
結果出力部17は、リスク算出部で算出された被験者の検査結果についてレーダーチャートを作成し、検査結果として出力する。
また、リスク算出部15は、各検査項目において回答時間内に正答できたか否かを記録する回答時間内正誤記録手段を備えている。なお、各検査項目における回答時間内に回答しても誤答の場合は、回答時間内に正答できたことにはならない。またリスク算出部15は、回答時間内に正答できた検査項目の個数に基づいて、被検者の検査に対する制限時間内の問題処理能力を評価する問題処理能力評価手段を備えている。被検者の問題処理能力の評価は結果出力部17に出力される。
具体的には、各検査項目の回答時間が、記憶力の検査の回答時間T、見当識の検査の回答時間T、失語の検査の回答時間T、失認の検査の回答時間T、計算力の検査の回答時間T、理解力の検査の回答時間T、判断力の検査の回答時間T、及び、実行機能の検査の回答時間Tとして設定される。そして、例えば、記憶力の検査、失語の検査、理解力の検査、及び、実行機能の検査では回答時間内の正答ができたが、それら以外の検査では回答時間内の正答ができなかった場合、回答時間内正誤記録手段はこのことを記録する。
問題処理能力評価手段は、予め定められた所定の基準と比較して被検者の問題処理能力を評価する。例えば記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力及び実行機能の8つの検査項目のうち4つ以下の検査項目において回答時間内に正答できない場合は、被検者の問題処理能力は否定的に評価される。また例えば記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力及び実行機能の8つの検査項目のうち、特に短時間で回答できる検査項目に重きを置いて被検者の問題処理能力を評価することもできる。例えば失認は図6のような設問が問われることとなるが、短時間で回答できる問題であるが、計算力は図7A及び図7Bのような設問が問われることとなり、短時間で回答できる問題ではない。
本発明にかかる認知機能評価システムは、認知症の基礎疾患ごとに認知症のリスクを診断できるものであり、例えば本発明にかかる認知機能評価システムによればある被検者に対してアルツハイマー型認知症に該当するとして評価することができるが、アルツハイマー型認知症であってもその病態は様々である。本発明にかかる認知機能評価システムによれば、問題処理能力評価手段を備えているため、認知症の基礎疾患の判断が可能となるだけでなく、更に、病態までも評価可能である。例えば、アルツハイマー型認知症は記憶障害の悪化を基本とする疾患であるが、その病態としては、記憶障害以外にも、見当識障害、学習障害、注意障害、視空間認知障害、問題処理能力障害等がある。例えば、アルツハイマー型認知症に該当すると判断された人によっては、記憶障害有り、見当識障害有り、問題処理能力障害無しと判断される人もいれば、記憶障害有り、見当識障害無し、問題処理能力障害有りと判断される人もいる。
本発明の認知機能評価システムによれば、被検者が例えばアルツハイマー型認知症のリスクが高いと判断され、且つ、問題処理能力の評価が否定的に評価された場合(即ち、この被検者はアルツハイマー型認知症のリスクが高く、記憶障害有り、問題処理能力障害有りと判断されたことになる。)は、被検者の日常生活の行動に危険性がある虞があるため、被検者の介護の強化が図られるべきである。被検者が例えばアルツハイマー型認知症のリスクが高いと判断され、且つ、問題処理能力の評価が肯定的に評価された場合(即ち、この被検者はアルツハイマー型認知症のリスクが高く、記憶障害有り、問題処理能力障害無しと判断されたことになる。)は、被検者の記憶能力は低下しているもの日常生活の行動能力は低下していないため、被検者の介護の強化はさほど重視されるべきではない。
またリスク算出部15は、問題処理能力評価手段により評価された被験者の制限時間内の問題処理能力に基づき、自動車の安全運転能力を評価する安全運転能力評価手段を備える。被検者の安全運転能力の評価は結果出力部17に出力される。被検者の問題処理能力の評価が否定的な場合は、被検者の安全運転能力も否定的に評価される。被検者の問題処理能力の評価が肯定的な場合は、被検者の安全運転能力も肯定的に評価される。わが国の自動車免許制度において認知症の方が自動車の運転を行うことは禁止されているが、MCI(軽度認知障害)の方は自動車の運転は禁止されていない。認知症ではないが認知機能の低下がみられ今後認知症となるおそれがあるMCIの場合、その後認知症となる可能性があることから、一定期間後に臨時適性検査が義務づけられているのみである。本発明の認知機能評価システムによれば、被検者が例えばアルツハイマー型認知症のリスクが高いと判断されれば、自動車の運転を行うことは避けるべきである。被検者が例えばアルツハイマー型認知症のMCIのリスクが高いと判断され、且つ、問題処理能力の評価が否定的であるため安全運転能力も否定的に評価された場合は、自動車の運転を行うことは避けるべきである。被検者が例えばアルツハイマー型認知症のMCIのリスクが高いと判断され、且つ、問題処理能力の評価が肯定的であるため安全運転能力も肯定的に評価された場合は、自動車の運転を自粛する必要性は少ない。
(検査の流れ)
以下に、本実施形態に係る認知機能評価システムを用いた検査の流れを説明する。本実施形態に係る認知機能評価システムには、およそ70の設問が用意されている。プロファイル情報は検査者が入力する。プロファイル情報とは、居住地、生年月日、性別などである。被験者は画面表示部12である液晶ディスプレイに向かって、検査当日の体調や前日の睡眠状況、最近の自覚症状、最近の習慣などに回答した後に、認知機能を評価するために用意された各種設問に回答していくこととなる。
ここで、各種設問は上述の通り、9つの検査項目のいずれかに対応している。9つの検査項目は、記憶力(X)、見当識(X)、失語(X)、失認(X)、計算力(X)、理解力(X)、判断力(X)、実行機能(X)、補正項(C)からなり、記憶力(X)はさらに即時記憶(X1A)と近時記憶(X1B)とに分類される。そして、X1,,…Xは配点が各10点、Cが20点となっており、計100点満点で評価されることとなる。ここで、点数が高いほど認知機能が高く維持されており認知症のリスクが低く、点数が低いほど認知機能が低下しており認知症のリスクが高い、と評価されることとなる。
各項目について説明する。記憶力とは物事を記憶する能力であり、本システムでは即時記憶と近時記憶とが測定される。即時記憶とは、数秒前のことを記憶している能力のことであり、例えば図3A,図3Bのような設問が問われることとなる。近時記憶とは、数分前のことを記憶している能力であり、例えば本検査の終了直前に、図3Cのような設問が問われることになる。
見当識とは、現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況把握のことであり、例えば図4のような設問が問われることとなる。
失語とは、言葉を理解し、操作するための機能が低下することを表す。ここでは単語の知識を基に失語について検査することにしており、例えば、図5のような設問が問われることとなる。
失認とは、五感を通した認識力が低下することを表し、例えば、図6のような設問が問われることとなる。
計算力とは、四則演算などの計算を行う能力のことであり、例えば図7A,図7Bのような設問が問われることとなる。
理解力とは、物事を理解する能力のことであり、例えば図8A,図8Bのような設問が問われることとなる。
判断力とは、状況を判断する能力のことであり、例えば図9のような設問が問われることとなる。
実行機能とは、物事を順序立てて実行する機能のことである。例えば、図10のような設問で問われることとなる。
補正項とは、上記以外の検査項目であり、例えば、認知症の自覚があるかどうかが問われることとなる。この補正項については、後述の算出結果補正部22の処理において詳細に説明する。
このようにして、被験者がおよそ70個の設問に回答すると、回答された内容について採点を行い、検査項目毎の得点(X1A,X1B,X,…X,C)が計算される。そして、この計算された検査項目毎の得点(検査値)を用いて、基礎疾患のリスクが算出される。
ここで、基礎疾患のリスクを算出する際には、補正項以外の各得点(X1A,X1B,X,…X)に対して9個の傾斜係数(A1A,1B,,…,A)を掛け合わせた一次式として計算される。これを一般式で書くと、下記式で表される。
Y=A{=A1A1A+A1B1B}+A+A+A+A+A+A+A
ここで、傾斜係数(A1A,1B,,…,A)の組み合わせは各基礎疾患によって異なり、具体的な計算式としては以下の式が初期値として用いられる。
・アルツハイマー型認知症(AD)
Y=3.7X(=1.2X1A+2.5X1B)+2.0X+1.2X+0.8X+0.2X+0.7X+1.1X+0.3X
・脳血管性認知症(VaD)
Y=1.6X(=0.7X1A+0.9X1B)+1.0X+1.9X+1.4X+0.8X+0.6X+0.6X+2.1X
・レビー小体型認知症(DLBD)
Y=1.3X(=0.5X1A+0.8X1B)+1.4X+1.1X+1.6X+0.5X+0.9X+1.2X+2.0X
・パーキンソン認知症複合(PDD)
Y=1.4X(=0.5X1A+0.9X1B)+1.3X+1.1X+1.6X+0.5X+0.9X+1.2X+2.0X
・前頭側頭型認知症(FTD)
Y=1.6X(=0.7X1A+0.9X1B)+1.0X+1.1X+1.5X+0.5X+1.1X+1.2X+2.0X
・皮質基底核変性症
Y=1.6X(=0.5X1A+1.1X1B)+1.0X+1.5X+0.9X+0.5X+0.9X+1.2X+2.4X
・脳炎(後遺症)
Y=1.4X(=0.7X1A+0.7X1B)+1.2X+1.1X+1.6X+1.1X+0.9X+1.2X+1.5X
・代謝性脳症
Y=1.2X(=0.5X1A+0.7X1B)+1.2X+1.1X+1.6X+1.0X+1.1X+1.4X+1.4X
・正常圧水頭症
Y=1.2X(=0.5X1A+0.7X1B)+1.2X+1.3X+1.6X+1.2X+1.1X+1.2X+1.2X
つまり、基礎疾患ごとに異なる算出式を用いてリスクが算出されることとなる。この初期値としての傾斜係数(A1A,1B,,…,A)の組み合わせは、医学的な知見により定めたものであるが、後述するように重回帰分析によって修正することが可能となっている。初期傾斜係数は、各認知機能が各基礎疾患でどの程度障害されやすいかを比で表し、次いで各係数をそれらの総和で除したのち、それぞれに10を乗じて算出できる。重回帰分析において、独立変数は二値、カテゴリー、順序、数値変数のいずれでも良い。従属変数は二値、順序のいずれでも良い。モデルは、線形でも非線形モデルでも良い。更に、数値変数は対数変換を行っても良い。基礎疾患は必ずしも上記に限定されるものでは無い。情報があれば同様の処理ができるからである。
そして、上記処理によって基礎疾患のリスクが算出されると、補正項の検査値Cを用いて、算出結果補正部22において算出された結果の補正が行われる。補正の内容としては例えば、被験者が検査の序盤に問われる検査当日の体調や前日の睡眠状況に関する設問に否定的な入力をした場合、補正項Cとして所定の点数を与えて基礎疾患のリスクを低く評価する。これは、認知症の患者は睡眠状況や自身の体調について否定的な見解を持たないことが多いためである。うつや心因性反応では否定的見解となりやすい。補正項として否定的見解の時プラス2点、やや否定的見解の時プラス1点を与えるとともに、これらの評価項目については、別途表記するのが望ましい。
また、被験者が検査の序盤に問われる認知症の自覚に関する設問に肯定的な入力をした場合、補正項Cとして所定の点数を与えて基礎疾患のリスクを低く評価する。これは、認知症の患者は認知症の自覚がないことが大半だからである。うつや神経症では過度の不安感を伴いやすい。補正項として否定的見解の時プラス2点、やや否定的見解の時プラス1点を与えるとともに、これらの評価項目については、別途表記するのが望ましい。
また、被験者が検査の序盤に問われる被験者の教育歴が長い場合、補正項Cとして計算力の傾斜係数を増加させる。これは、教育歴が長いにも関わらず計算力が低下しているということは認知症の可能性が考えられるので、リスク算出における計算力の影響を大きくして認知症リスクを露見しやすくするためである。教育歴の長短は、例えば、被験者の大学卒業の有無により定義することが可能である。或いは、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院の就学年数として定義することもできる。多変量解析に用いる情報としては、カテゴリーにまとめた情報より、数値情報の方が情報量としては優れている。教育歴が、認知機能に及ぼす影響は、認知機能領域や設問によって異なるため、それぞれに応じた補正が望ましい。例えばリンゴをリンゴと認識する認知機能、表情を識別する認知機能には教育歴は影響しない。認知機能領域の傾斜係数を補正することができる。
また、被験者の年齢が高い場合、補正項Cとして見当識の傾斜係数を増加させる。これは、年齢が高いと見当識が低下する傾向が強いため、リスク算出における見当識の影響を大きくして認知症リスクを露見しやすくするためである。例えば、60歳以上の場合、被験者の年齢が高いと定義することが可能である。年齢は実年齢(数値情報)が望ましい。多変量解析において情報量として多くなるためである。認知機能領域の傾斜係数を補正することができる。年齢は、聴力、視力、動作速度にも影響するから、認知機能評価時に年齢情報を同時に取得し、補正することができる。各認知機能領域の傾斜係数を補正することができる。
また、各設問には「わからない」ことを入力することが可能となっており(例えば図3B右端)、被験者が「わからない」ことが入力される割合が一定頻度以上の場合、補正項Cとして所定の点数を与えて基礎疾患のリスクを低く評価する。これは、「わからない」ことが入力される割合が一定頻度以上の場合には、認知症ではなく鬱病などの他の疾患が疑われるためである。「わからない」の選択と回答ができなかったのとは意味が異なる。「わからない」を選択したことは、その意味を理解し、他の選択肢を選ばず、誤答となることを理解したうえで、それを選択することであるからである。認知症では「わからないの」選択は減り、更に認知症の進行につれて「わからない」の選択はさらに減る。高度であれば、「わからない」の選択はなくなる。従って、例えば「わからない」選択のために低得点となった場合、それを直ちに認知症のリスクと判定するのは適切でない。基礎疾患によっても「わからない」の選択頻度は異なる。例えば、ADでは取り繕い反応がみられるため「わからない」選択は他の基礎疾患に比べれば多い。FTDでは検査に対する取り組みの姿勢が変わるため「わからない」選択頻度は他の認知症基礎疾患に比べて高い。NPHでは、「わからない」選択の頻度は低い。この様に、「わからない」選択は基礎疾患の鑑別に役立つ、認知機能評価になる。次に述べる、低難易度問題と高難易度問題に対する「わからない」選択との組み合わせは、認知症の診断と鑑別に有効である。例えば、低難易度問題に対して「わからない」を選択し、高難易度問題に対して「わからない」を選択しなかった場合は、認知症のリスクは低くなる。更に高難易度問題に対して正答の場合、認知症以外の要因、つまり「うつ」や心因性反応を考慮すべきである。「わからない」選択は、頻度、どの設問に対して選択されたか、および分布が、認知症リスク評価に有用である。「わからない」選択の有無は一覧表示することができる。「わからない」選択の有無を多変量解析することによって、認知症リスク判定の精度を高めることができる。
さらに、低難易度項目と高難易度項目が用意されているような設問(例えば図7A,図7B)において、被験者が低難易度項目(図7A)は誤答したが高難易度項目(図7B)を正答した場合、補正項Cとして所定の点数を与えて基礎疾患のリスクを低く評価する。これは高難易度項目に正答したということは計算力が低下しておらず、低難易度項目の誤答は単なる過誤と考えられるためである。
さらに、画面表示部12に設けられた撮像部23を用いて被験者の瞬目頻度を検出し、瞬目頻度が少ない場合に補正項Cとして所定の点数を減じて基礎疾患のリスクを高く評価する。これは、認知症患者は瞬目頻度が少ない傾向があるためである。瞬目頻度を検出する瞬目頻度検出手段は、例えば、平常時の瞬目頻度をBU、試験時の瞬目頻度をBTとすると、瞬目頻度Bを、B=BU/BTにより算出して検出することができる。単位時間当たりの瞬目頻度を比較しても良い。上眼瞼の動きが下眼瞼の動きより大きいため、上眼瞼の動きを検出して測定することもできる。角膜反射の消失、瞳孔の遮蔽を評価しても良い。瞬目頻度の減少は認知症基礎疾患によって異なる。例えばPDDでは減少の程度がADに比べて大きい。従って、瞬目頻度は基礎疾患の鑑別に有用でもある。また認知症の進行期によっても異なる。各認知機能領域の傾斜係数を補正することができる。更に非線形モデルを用いて補正を行うこともできる。
さらに、撮像部23を用いて被験者の表情の変化を検出し、表情の変化が所定の基準以下の場合に補正項Cとして所定の点数を減じて基礎疾患のリスクを高く評価する。これは、認知症患者は表情の変化が少ない傾向があるためである。表情の変化は、眼瞼、眉、顎、鼻、鼻唇溝、口角、を3Dで捉えて評価する。表情の変化の減少は認知症基礎疾患によって異なる。例えばPDD、DLDBでは減少の程度がADに比べて大きい。FTD、NPHでも減少する。この減少の程度は、上記瞬目減少とは一致しない。表情の変化は、基礎疾患によって違うのであるから当然、基礎疾患に応じた評価が必要である。また表情の評価は基礎疾患の鑑別に有用でもある。また認知症の進行期によっても異なる。各認知機能領域の傾斜係数を補正することができる。この補正に際しても非線形モデルを用いることができる。
その後、リスク選定部16において、補正された各基礎疾患のリスクの算出結果に対して、リスクの高いものを選定する。選定手段は、算出した基礎疾患ごとのリスクの中で、基礎疾患基準値以上であるが、MCIのリスクがあると判断される予め定められたMCI(軽度認知障害)基準値よりも低いYがある場合、その基礎疾患のMCIのリスクがあるとして選定する。具体的には、記憶力(X)、見当識(X)、失語(X)、失認(X)、計算力(X)、理解力(X)、判断力(X)、実行機能(X)、及び、補正項(C)からなる検査項目において、X1,,…Xは配点が各10点、Cが20点となっており、計100点満点で評価され、基礎疾患基準値が70点で、MCI基準値が80点の場合、上記算出式及び補正によって得られた点数が69点以下の基礎疾患を認知症リスクが高い基礎疾患として、70点〜79点の基礎疾患をMCIのリスクがあるとして、算出結果とともに画面表示部12に表示する。または、算出した基礎疾患全てについて、リスクの高い順(点数の低い順)に、画面表示部12に表示してもよい。この際、認知症の可能性を示すとともに、どの基礎疾患による認知症であるのかを示すことができる。認知症の有無の判定は、最高のリスクを示したもの算出結果で行う。具体的に基礎疾患A 50点、B 60点、C 70点、D−H 80点となった場合、Aの50点を採用し、この被験者は認知症である可能性が高いと判定する。合わせて基礎疾患としてAの可能性が最も高く、次いでBの可能性があると判定する。基礎疾患Cに関してはMCIの状況と判定する。D−Hの基礎疾患に関してはそれらによる認知症の可能性は低いと判定する。
また、各基礎疾患のMCIのリスクの判定方法として、MCIに該当する被検者は、認知症の基礎疾患に該当する被検者よりも、上述の式(1)で与えられるリスクY又は式(1’)で与えられるリスクYにつき高得点(即ち、認知症には該当しないとの点数である。)を示すため、式(1)及び式(1’)の傾斜係数A〜Aと補正項Cとにそれぞれカットオフ係数を乗じて、各基礎疾患のMCIのリスクを判定することも可能である。カットオフ係数は、各基礎疾患の特質を考慮して各基礎疾患のMCIごとに設定することが可能であり、例えば0.5〜0.9の範囲で設定可能である。より具体的には、アルツハイマー型認知症(AD)の場合はカットオフ係数を0.9し、脳血管性認知症(VaD)の場合はカットオフ係数を0.5とし、レビー小体型認知症(DLBD)の場合はカットオフ係数を0.6とし、パーキンソン認知症複合(PDD)の場合はカットオフ係数を0.6とし、前頭側頭型認知症(FTD)の場合はカットオフ係数を0.9とし、皮質基底核変性症の場合はカットオフ係数を0.8とし、脳炎(後遺症)の場合はカットオフ係数を0.6とし、代謝性脳症の場合はカットオフ係数を0.6とし、正常圧水頭症の場合はカットオフ係数を0.6とすることができる。
それと同時に、結果出力部17においては、算出結果に対して、レーダーチャートを作成して出力する。ここでこのレーダーチャートでは、算出結果と各基礎疾患の病型とが比較して確認できるようになっている。こうすることで、医療従事者は被験者の検査結果に対して視覚的に容易に認知機能及び基礎疾患のリスクの評価を行うことができる。また、それと同時に病型別確率を表示することができ、定量的な判断も可能となっている。レーダーチャートは相似性を保持して拡大表示することもできる。各病型のレーダーチャートと比較する場合に判断が容易になる。レーダーチャートの面積や切片値和、切片値二乗和を表示することもできる。各病型別レーダーチャートとの切片差和、切片値二乗和を表示することもできる。本発明におけるレーダーチャートには認知症の特に初期の判断に有用である。基礎疾患別にレーダーチャートの概形が異なるため、被験者のレーダーチャートの形から基礎疾患が推定できる。得点としては高くても、基礎疾患のレーダーチャートに類似した形状の時は、その基礎疾患である、または、その初期である、又はその基礎疾患の予備軍であると推定することができる。
なお、本認知機能評価システムでは、被験者に応じて医療従事者が設問内容を変更できる。具体的には、各検査値の配点を変更できる配点変更手段と、各設問の回答時間を設定できる回答時間設定手段とを備えた設問変更部13を用いて、変更作業を行うこととなる。
配点を変更することで、問題数を減らしたり、難易度の高い問題の配点を低くしたりすることができる。また、回答時間を設定することで、所定の回答時間内に回答できなかったことを補正項として導入することができるとともに、所要時間が長くなりすぎて検査が円滑に進まないことを防ぐことができる。さらに、時間制限によって無回答となった設問が多い場合には、本人の回答意欲が低く、認知症ではなく「うつ」「神経症」のリスクを想定することができる。
さらに、本認知機能評価システムには、検査が完了した被験者のリスク算出結果を記憶し、重回帰分析により傾斜係数の組み合わせを修正する係数修正部21を備えている。このことにより、傾斜係数の組み合わせの精度をより高めることができ、認知機能評価システムの信頼性を向上することができる。
さらに、本認知機能評価システムには、基礎疾患別に結果を記憶し、複数回の検査結果を比較することができる。従って、基礎疾患別の進行度合いを予測できる。
さらに、本認知機能評価システムでは、検査が完了した被験者のリスク算出結果を記憶し、複数回の検査結果を比較することができる。従って、認知機能障害の進行度合いを定量的に評価できる。複数例の評価結果から、全体または基礎疾患別の進行程度を重回帰分析により傾斜係数として算出することができる。このことにより、被験者の認知機能障害の進行予測が可能になる。また、その予測に対して、被験者の認知機能の実測値のずれを評価することができる。
(効果)
以上述べたように、本発明の実施形態に係る認知機能評価システムでは、基礎疾患ごとのリスクをそれぞれ算出するので、被験者がどの基礎疾患のリスクが高いかを評価することができ、その後の専門医による診断及び医療行為に対して有益な情報を提供することができる。認知機能障害は基礎疾患別に異なる。また障害進行も基礎疾患別に異なる。本システムによって、基礎疾患別の進行予測ができる。また基礎疾患に応じた介入効果を評価できる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、例えばクライアント−サーバシステムとして実装してもよく、クライアント側はタブレット端末やスマートフォンなどとすることもできる。色覚障害者に対しては表示色を変更することができる。音声出力が可能であり、音量も調整できる。指による操作以外に、瞬目操作、フットタップ(フットスイッチ)、音声入力ができる。フットセンサー、音声センサーはUSBなどで測定部位と接続できる。例えば画面上で選択肢が順次ハイライトされ、選択する場所がハイライトされた時に瞬目などの信号を送ることにより選択肢を選ぶことができる。この信号をフットタップや、音声で送っても良い。
また、補正項として、被験者の性別、飲酒量、喫煙量などを採用することもできる。こうすることで、これらの要因による認知機能評価のバイアスを除去することが更に可能となるためである。これらの場合においても、本発明は上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、被験者の運動、知的活動、社会的活動を評価することができる。例えば、散歩時間、読書時間、サークル活動や老人会参加の多寡で評価しても良い。認知症では、こうした活動は減少する。従って、少ない場合認知症のリスクは高くなる。これらの活動は、認知症予防に有効であるから、その情報取得と評価を同時に行うことによって、認知症対策に役立てることができる。被験者の状況を知る被験者以外のものから情報を得ても良い。自覚的評価と、この被験者以外から得られた評価は異なっても良い。正誤で判定される認知機能評価と、自覚症状や、被験者自身の自己評価、或いは他覚的評価を同時に複数得ることによって、一つの情報のみによる評価の精度を挙げ補正できるとともに、両者の関係を検討することができる。
以下において、具体的な本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明における認知機能評価システムを用いて2人の被験者に対して検査を行った。そして、各基礎疾患についてリスク評価を算出した。
被験者A及びBの各検査項目の検査値を表1に示す。表1は、認知機能評価システムを用いた実施例1における検査項目の検査値である。
Figure 0006973802
この表から読み取れるように、被験者A及びBはいずれも合計点は70点となっている。ここで、本認知機能評価システムでは、80点以上を正常、70点〜79点を軽度認知障害(MCI)、69点以下を認知症という基準を用いている。よって、従来通りに単に合計点を評価するやり方では、被験者A及びBはいずれも同程度の軽度認知障害という検査結果となり、その後に専門医が診察するにあたって、それ以上の情報は得られない。
しかし、本発明では、上述の通り検査項目の検査値を基に、基礎疾患のリスクを算出する。この算出結果を表2に示す。表2は、認知機能評価システムを用いた実施例1における基礎疾患のリスク算出結果である。
Figure 0006973802
この表から読み取れるように、本発明によれば被験者Aはアルツハイマー型認知症(AD)のリスク算出結果が54.2点となっており、認知症の基準である69点以下となっている。つまり、被験者Aはアルツハイマー型認知症を基礎疾患とする認知症のリスクが高いと評価することができる。そして、被験者Bは脳血管性認知症(VaD)のリスク算出結果が66.7点となっており、認知症の基準である69点以下であるため、脳血管性認知症を基礎疾患とする認知症のリスクが高いと評価することができる。このように、本発明によれば、従来のやり方ではわからなかった被験者の基礎疾患のリスクをより精緻に評価することが可能となる。
この被験者Aでは、例えば、AD54.2(アルツハイマー病による認知症の可能性が高い)、VaD79.4(血管性認知症では無い)、DLBD79.7(レビー小体病による認知症では無い)、PDD79.6(PDDでは無い)、FTD80.7(FTDによる認知症では無い)、皮質基底核変性症79.7(皮質基底核変性症では無い)、脳炎後遺症81.2(脳炎後遺症による認知症では無い)、代謝性脳症82.5(代謝性脳症による認知症では無い)、正常圧水頭症82.5(正常圧水頭症による認知症では無い)と表される。可能性の高いものから順に並び替えて表示しても良い。なお、この症例の場合の一般式は、被験者Aについて
Y=A1A+A+6A+8A+10A+10A+7A+9A+C
被験者Bについて
Y=2A1B+10A+2A+5A+10A+10A+10A+3A+C
となる。
(実施例2)
本発明における認知機能評価システムの係数修正部21を用いたロジスティック回帰分析を行い、その結果を表3〜表5に示した。表3〜表5は、認知機能評価システムを用いた実施例2におけるロジスティック回帰分析の前提条件である。ここで、それぞれの項について正答を1、誤答を0としている。
Figure 0006973802
Figure 0006973802
まず、AD群を1、VaD群を0、Tを陽性項目数として群間比較をすると、表3及び表4より、両群間で有意差が無いことが確認できる。この2群間でロジスティック回帰分析を行った結果が表5である。Exp(B)がオッズ比であり、ADが項目別評価で推定されるオッズ比は逆数となる。ここでAD群を1、正常群を0として群間比較しても良い。
AD群を更に重症度分類しても良く、この場合、二項ロジスティック回帰モデルに代えて順序ロジスティック回帰モデルを用いても良い。
このようにして、被験者の蓄積データを基にロジスティック回帰分析を行うことで、基礎疾患を算出する際の傾斜係数の組み合わせ(A1A,1B,,…,A)を精緻化することが可能となり、本システムの信頼性を向上することができる。
Figure 0006973802
(実施例3)
本発明における認知機能評価システムにより作成したレーダーチャートを図11に示す。
図11(A)は基礎疾患A(アルツハイマー病)の被験者アのものである。(B)は基礎疾患Bの被験者イのものである。(C)は被験者ウのものである。(D)は被験者エのものである。(E)は被験者オのものである。(F)は被験者カのものである。
(B)は形状から基礎疾患Aとは異なることが分かる。(C)はレーダーチャートの面積が小さく認知症であることが分かり、かつ形状が(A)に似ていることから基礎疾患はAであると分かる。(D)はレーダーチャートの面積が小さく認知症であることが分かり、かつ形状が(B)に似ていることから基礎疾患はBであると分かる。
(E)はレーダーチャートの形状から基礎疾患はAであるが被験者ア,ウに比べて面積が広いことから程度が軽いことが分かる。(F)はレーダーチャートの面積は広くMCIの範囲であり認知症とは言えないが、形状から今後基礎疾患Aによる認知症より基礎疾患Bによる認知症になるリスクが高いと見做せる。
(実施例4)
本発明における認知機能評価システムの係数修正部21を用いたロジスティック回帰分析を行い、その結果を図12(A)に示した。破線1は基礎疾患Iの継時的変化を線形回帰で示したものである。基礎疾患Iに属する被験者の継時的推移は破線1として予測される。実線2,3はそれぞれ、基礎疾患Iに属する被験者AとBの継時的スコア推移を線形回帰で示したものである。実線2の場合、即ち破線1を上回る時、Aの予後は予想されたより良かったことを示しており、この間に例えば介入アがあったとすればこのアは有効であったと見做せる。
Bの継時的スコア推移が実線3の場合、即ち破線1を下回る時、Bの予後は予想されたより悪かったことを示しており、この間に介入イがあったとすればそのイは悪化要因であったと見做せる。従って、これは、例えば治療の有効性を調べる場合に有効である。認知症全体としての予後予測に比べて、基礎疾患別の予後予測の方が精度は高いため、本予測は既存の予測より優れている。ここでは例として直線回帰を示したが、曲線回帰を用いても良い。直線回帰を用いる場合でも曲線回帰を用いる場合においても、病期によってノッチを設けて、演算式を分けても良い(図12(B)参照)。
(実施例5)
認知機能に影響する因子の補正方法を具体的に示す。
図13(A)は生活習慣、例えば散歩Aの有無と認知機能の関係を示したものである(他の因子は補正してある)。図で示した「差」分だけ散歩有群の認知機能が良いことが分かる。この時、A有群と無群を独立因子として、認知機能を従属因子としてロジスティック回帰分析を行う。散歩の有無を調整因子に加えた時、この「差」が有意で無くなれば、認知機能評価において散歩の有無が仲介因子となっていることが分かる。従って、散歩の有無で認知機能評価を補正する必要はない。逆に「差」が有意として残った場合、その部分は仲介因子では無いと考えられるため、認知機能評価の補正が必要である。この「差」は認知症基礎疾患別に異なる。
図13(B)は生活習慣、例えば散歩時間Aと認知機能の関係を示したものである(他の因子は補正してある)。両者の関係は図に示したようにS字状曲線を描く。即ち、Aが増えるにつれ認知機能は改善するが、その関係は線形にはならず、ある程度以下の時と、Aの量が一定値以上の時には認知機能の改善は見られず、逆に一定量以下の時、認知機能の悪化も見られなくなる。この様に、上記補正では、Aの範囲を考慮するのが望ましい。具体的には、例えば図13(B)において曲線の微分係数が0.2未満の場合は補正しないのが望ましい。この図の概形も認知症基礎疾患別に異なる。
(実施例6)
瞬目センサーを用いた検査の例を示す。筋委縮性側索硬化症(ALS)に代表される神経筋疾患では、四肢の動きが制限され、発語もできなくなり認知症の有無の判定が困難になる。被験者はベッド臥床状態であるが、瞬目で自分の意思を伝達することができる。視覚、聴覚が障害されることは少ないため、本システムの使用は可能である。また、ALSでは眼輪筋は障害されにくいため、瞬目動作は可能である。問題提示については同様に行う。
回答は選択肢であるため、選択肢の一つをハイライトすることができる。被験者は、選択したい選択肢がハイライトされた時に瞬目を行う。システムはその瞬目を感知し、ハイライトの移動が一旦停止する。ついで、被験者が、その選択肢で良いと判断した場合は再度瞬目を行うことによってその選択が確定される。間違って選ばれハイライトが停止した場合は、瞬目を行わないことによって、誤選択と見なし、次の選択肢にハイライトが移動する。この様にして順次回答を決定する。
所要時間は、病状によって異なるため、ここでは、選択の正誤、分布等によって、他の実施形態同様に認知機能の評価と、認知症基礎疾患別の認知症評価を行う。なお、例えばALSであっても認知症を合併する場合はある。この様に、従来は困難であった、臥床状態の被験者であっても認知症診断が可能になる。
以上説明したように、本発明は、認知症診療の現場において極めて有用である。具体的には、本発明によって本来複数の基礎疾患からなる認知症をその基礎疾患別に分けて判断することができるようになるため次のことが可能になる。
認知症の有無を早期に判断できる。検査部分に介助がいらないため、何処でも誰でも実施でき、市役所など公的機関、医療機関の待合、福祉施設などで、認知症のスクリーニング検査ができる。
認知症の基礎疾患を示すことができる。治療は基礎疾患によって異なるため、治療を考える上では、認知症の基礎疾患を知ることが望ましい。
認知症と区別すべき病態を示すことができる。例えば「うつ」や「神経症」によって認知症が正しく評価されていないことがある
認知症の予後を予測することができる。認知症の予後は、認知症基礎疾患によって異なるため、基礎疾患別に考慮するのが望ましい。
認知症に対する治療・介入効果を示すことができる。前述のように、治療は認知症基礎疾患によって異なるし、その効果も認知症基礎疾患によって異なるため、認知症基礎疾患を考慮した認知機能評価が望ましい。
加えて、手による操作が困難な方でも認知機能評価ができる。具体的には、臥床状態の方にも実施できる。臥床状態であっても、認知症である方と、認知機能は正常である方がおられる。
1 コンピュータ
11 設問記憶部
12 画面表示部
13 設問変更部
14 検査値計測部
15 リスク算出部
16 リスク選定部
17 結果出力部
21 係数修正部
22 算出結果補正部
23 撮像部

Claims (24)

  1. 被験者の認知機能における複数の基礎疾患のリスクを、各認知機能についての検査項目に基づいて評価する認知機能評価システムであって、
    前記検査項目の検査値を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された検査値を基に前記リスクを算出する算出手段と、
    前記算出したリスクの中から、リスクの高い基礎疾患を選定する選定手段とを備え、
    前記検査項目の回答時間を設定できる回答時間設定手段を備え
    前記算出手段は、前記リスクの算出式を多変量解析によって修正する修正機能を備えることを特徴とする認知機能評価システム。
  2. 前記基礎疾患は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン認知症複合、前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症、脳炎(後遺症)、代謝性脳症、又は、正常圧水頭症の中のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の認知機能評価システム。
  3. 前記検査項目は、記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力、及び、実行機能の中のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の認知機能評価システム。
  4. 前記検査値の配点を変更できる配点変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  5. 前記多変量解析は重回帰分析であることを特徴とする請求項に記載の認知機能評価システム。
  6. 前記検査項目は高難易度項目と低難易度項目とからなり、
    被験者が低難易度項目は誤答したが高難易度項目を正答した場合、前記基礎疾患のリスクを補正評価することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  7. 前記被験者の身体の状態に関する事項を入力する入力手段を更に有し、
    被験者が身体の状態に関する事項に否定的に入力された場合、前記基礎疾患のリスクを補正評価することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  8. 前記被験者の認知症の自覚に関する事項を入力する入力手段を更に有し、
    被験者が認知症の自覚に関する事項に肯定的に入力された場合、前記基礎疾患のリスクを補正評価することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  9. 前記被験者の教育歴に関する事項を入力する入力手段を更に有し、
    被験者の教育歴が長い場合、前記計算力の傾斜係数を増加させることを特徴とする請求項3に記載の認知機能評価システム。
  10. 前記被験者が、検査項目がわからないことを入力する入力手段を更に有し、
    わからないことが入力される割合が一定頻度以上の場合、前記基礎疾患のリスクを補正評価する請求項1〜のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  11. 被験者の瞬目頻度を検出する瞬目頻度検出手段を更に有し、
    前記瞬目頻度が少ない場合に前記基礎疾患のリスクを補正評価することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  12. 被験者の表情の変化を検出する表情検出手段を更に有し、
    前記表情の変化が所定の基準以下の場合に前記基礎疾患のリスクを補正評価する請求項1〜11のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  13. 前記検査項目の検査値を基にレーダーチャートを作成し、予め定められた基礎疾患の病型別のレーダーチャートと対比して表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  14. 前記検査項目の検査値を複数回記録することによって、基礎疾患別に予後予測を行う請求項1〜13のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  15. 前記検査項目の検査結果から、基礎疾患の病型別に、進行度を予測することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  16. 前記検査項目の検査値を複数回記録することによって、基礎疾患の病型別の予後予測と対比して進行度合いを評価することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  17. 前記各検査項目において前記回答時間を計測して前記回答時間内に正答できたか否かを記録する回答時間内正誤記録手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  18. 被験者の認知機能における複数の基礎疾患のリスクを、各認知機能についての検査項目に基づいて評価する認知機能評価システムであって、
    前記複数の基礎疾患は、アルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症(VAD)、レビー小体型認知症(DLBD)、パーキンソン認知症複合(PDD)、前頭側頭型認知症(FTD)、皮質基底核変性症、脳炎(後遺症)、代謝性脳症、又は、正常圧水頭症の何れかであり、
    前記検査項目は、記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力、及び、実行機能からなり、
    各検査項目の各検査値であるX(記憶力の検査値)、X(見当識の検査値)、X(失語の検査値)、X(失認の検査値)、X(計算力の検査値)、X(理解力の検査値)、X(判断力の検査値)、及び、X(実行機能の検査値)を、認知機能が維持されている場合は高い点数で、認知機能が維持されていない場合は低い点数で計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された各検査値(X、X、X、X、X、X、X、及び、X)に、各基礎疾患ごとの傾斜係数(A、A、A、A、A、A、A、及び、A)をそれぞれ掛け合わせた各値を全て足し合わせた基礎疾患のリスクYを基礎疾患ごとに算出する、下記式(1)で示される算出手段と、
    Y=A+A+A+A+A+A+A+A・・・(1)
    算出した基礎疾患ごとのYの中で、基礎疾患のリスクがあると判断される予め定められた基礎疾患基準値よりも低いYがある場合、そのYの基礎疾患をリスクの高い基礎疾患として選定する選定手段と、
    を備えることを特徴とする認知機能評価システム。
  19. 前記各検査項目の各検査値(X、X、X、X、X、X、X、及び、X)を基にレーダーチャートを作成し、予め定められた基礎疾患ごとのレーダーチャートと対比して表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする請求項18に記載の認知機能評価システム。
  20. 前記検査項目は、記憶力、見当識、失語、失認、計算力、理解力、判断力、実行機能、及び、補正項からなり、
    前記算出手段は、前記計測手段により計測された各検査値(X、X、X、X、X、X、X、及び、X)に、各基礎疾患ごとの傾斜係数(A、A、A、A、A、A、A、及び、A)をそれぞれ掛け合わせた各値を全て足し合わせ、更に、C(補正項の検査値)を足し合わせた基礎疾患のリスクYを基礎疾患ごとに算出する下記式(1’)
    Y=A+A+A+A+A+A+A+A+C・・・(1’)
    を備えることを特徴とする請求項18又は19に記載の認知機能評価システム。
  21. 前記選定手段は、算出した基礎疾患ごとのYの中で、前記基礎疾患基準値以上であるが、MCIのリスクがあると判断される予め定められたMCI基準値よりも低いYがある場合、その基礎疾患のMCIのリスクがあるとして選定する、ことを特徴とする請求項1820の何れか1項に記載の認知機能評価システム。
  22. 前記各検査項目の回答時間をそれぞれ設定できる回答時間設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1821のいずれか1つに記載の認知機能評価システム。
  23. 前記各検査項目において前記回答時間内に正答できたか否かを記録する回答時間内正誤記録手段と、
    前記回答時間内に正答できた検査項目の個数に基づいて、被検者の検査に対する制限時間内の問題処理能力を評価する問題処理能力評価手段と、
    備えることを特徴とする請求項22に記載の認知機能評価システム。
  24. 前記問題処理能力評価手段により評価された被験者の制限時間内の問題処理能力に基づき、自動車の安全運転能力を評価する安全運転能力評価手段を備えることを特徴とする請求項23に記載の認知機能評価システム。
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