以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る磁気記憶装置110は、第1磁性層11、第1対向磁性層11c、第1非磁性層11i、第1導電層21、第1金属層31、第2金属層32、及び第1絶縁部41を含む。
例えば、基体20sの上に、第1導電層21が設けられる。基体20sは、基板の少なくとも一部でも良い。基体20sは、例えば、絶縁性である。基体20sは、例えば、酸化シリコン及び酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含んでも良い。この酸化シリコンは、例えば、熱酸化シリコンでも良い。
第1導電層21は、第1〜第3領域21a〜21cを含む。第3領域21cは、第1領域21aと第2領域21bとの間に位置する。例えば、第3領域21cは、第1領域21aと連続する。例えば、第3領域21cは、第2領域21bと連続する。第1導電層21は、第1金属を含む。第1金属は、例えば、Ta、W、Pt、Hf、Re、Os、Ir、Pd、Cu、Ag、及びAuからなる群より選択された少なくとも1つである。
第1磁性層11は、第1方向において、第3領域21cから離れる。第1対向磁性層11cは、第1方向において、第3領域21cと第1磁性層11との間に設けられる。第1非磁性層11iは、第1対向磁性層11cと第1磁性層11との間に設けられる。第1磁性層11と第1非磁性層11iとの間に、別の層が設けられても良い。第1対向磁性層11cと第1非磁性層11iとの間に、別の層が設けられても良い。
第1方向は、例えば、Z軸方向である。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。第1方向は、第1領域21aから第2領域21bへの第2方向と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向に対応する。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む面と交差する。この例では、第3方向は、Y軸方向に対応する。
第1磁性層11は、例えば、強磁性である。第1対向磁性層11cは、例えば、強磁性である。第1磁性層11及び第1対向磁性層11cは、例えば、Fe、Co、及びNiからなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1非磁性層11iは、例えば、MgO、CaO、SrO、TiO、VO、NbO及びAl2O3からなる群より選択された少なくとも1つを含む。第1非磁性層11iは、例えば、Ga、Al、Cuからなる群より選択された少なくとも1つを含んでも良い。
第1金属層31は、非磁性である。第1対向磁性層11cから第1金属層31の少なくとも一部への方向は、X軸方向に沿う。第2領域21bから第1金属層31への方向は、Z軸方向に沿う。第2金属層32は、非磁性である。第1磁性層11から第2金属層32への方向は、X軸方向に沿う。
例えば、第2領域21bの少なくとも一部のZ軸方向における長さは、第3領域21cのZ軸方向における長さよりも短い。第1金属層31は、例えば、カーブしている。第1金属層31の一部のZ軸方向における位置は、第1金属層31の別の一部のZ軸方向における位置と異なる。
第1金属層31及び第2金属層32は、第2金属を含む。第2金属は、第1金属と異なっても良い。第2金属は、例えば、Ru、Ir、Pd、Cu、Rh、Mo、Ta、W、Os、Pt、及びAlからなる群より選択された少なくとも1つである。
第1絶縁部41は、Z軸方向において、第1金属層31と第2金属層32との間に設けられる。第1非磁性層11iから第1絶縁部41への方向は、X軸方向に沿う。第1絶縁部41は、X軸方向において第2金属層32と重なっても良い。第1絶縁部41は、Z軸方向において第1金属層31と重なっても良い。第1絶縁部41は、例えば、AlおよびSiからなる群より選択された少なくとも1つと、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
図1に示す例では、磁気記憶装置110は、第2導電層22をさらに含む。第1金属層31、第2金属層32、及び第1絶縁部41のそれぞれは、X軸方向において複数設けられる。
第2導電層22は、第3領域21cと第1対向磁性層11cとの間に設けられる。第2導電層22は、第1導電層21と第1金属層31との間にさらに設けられても良い。第2導電層22は、第3金属を含む。第3金属は、第1金属及び第2金属と異なっても良い。第3金属は、例えば、Hf、Mg、Li、Sc、Y、Zr、Ti、Nb、V、およびAlからなる群より選択された少なくとも1つである。
第2導電層22及び第1対向磁性層11cは、X軸方向において、第1金属層31同士の間に設けられる。第1磁性層11は、X軸方向において、第2金属層32同士の間に設けられる。複数の第1絶縁部41は、それぞれ、Z軸方向において、複数の第1金属層31と複数の第2金属層32との間に設けられる。
第1磁性層11、第1対向磁性層11c、及び第1非磁性層11iは、第1積層体SB1に含まれる。第1積層体SB1は、例えば、1つのメモリ部(メモリセル)に対応する。
第1磁性層11は、例えば、磁化固定層である。第1対向磁性層11cは、例えば、磁化自由層である。第1磁性層11の磁化11Mは、第1対向磁性層11cの磁化11cMに比べて変化し難い。第1磁性層11は、例えば、参照層として機能する。第1対向磁性層11cは、例えば、記憶層として機能する。
第1積層体SB1は、例えば、磁気抵抗変化素子として機能する。第1積層体SB1において、例えばTMR(Tunnel Magneto Resistance Effect)が生じる。例えば、第1磁性層11、第1非磁性層11i、及び第1対向磁性層11cを含む経路の電気抵抗は、磁化11Mの向きと、磁化11cMの向きと、の間の差異に応じて変化する。第1積層体SB1は、例えば、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)を有する。第1積層体SB1は、例えば、MTJ素子に対応する。第1積層体SB1は、例えば、GMR素子に対応しても良い。
磁気記憶装置110は、制御部70をさらに含んでも良い。制御部70は、第1領域21a及び第2領域21bと電気的に接続される。制御部70は、第1磁性層11とさらに電気的に接続される。例えば、制御部70に駆動回路75が設けられる。駆動回路75は、第1配線70aにより、第1磁性層11と電気的に接続される。この例では、駆動回路75と、第1磁性層11と、の間の電流経路上に、第1スイッチSw1(例えばトランジスタ)が設けられる。
制御部70は、第1動作(第1書き込み動作)において、第1電流Iw1(第1書き込み電流)を第1導電層21に供給する。これにより、第1状態が形成される。第1電流Iw1は、第1領域21aから第2領域21bへの電流である。制御部70は、第2動作(第2書き込み動作)において、第2電流Iw2(第2書き込み電流)を第1導電層21に供給する。これにより、第2状態が形成される。第2書き込み電流Iw2は、第2領域21bから第1領域21aへの電流である。
第1動作後(第1状態)における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の第1電気抵抗は、第2動作後(第2状態)における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の第2電気抵抗とは異なる。
この電気抵抗の差は、例えば、第1状態と第2状態との間における、磁化11cMの状態の差に基づく。
制御部70は、読み出し動作において、第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の電気抵抗に応じた特性(電圧または電流などでも良い)を検出しても良い。
第1対向磁性層11cは、例えば、情報を記憶する層として機能する。例えば、磁化11cMが1つの方向に向く第1状態が、記憶される第1情報に対応する。磁化11cMが別の方向に向く第2状態が、記憶される第2情報に対応する。第1情報は、例えば「0」及び「1」の一方に対応する。第2情報は、「0」及び「1」の他方に対応する。
磁化11cMは、例えば、第1導電層21に流れる電流(書き込み電流)により、制御することができる。例えば、第1導電層21の電流(書き込み電流)の向きにより、磁化11cMの向きを制御することができる。第1導電層21は、例えば、Spin Orbit Layer(SOL)として機能する。例えば、第1導電層21と第1対向磁性層11cとの間において生じるスピン軌道トルクによって、磁化11cMの向きを変えることができる。スピン軌道トルクは、第1導電層21に流れる電流(書き込み電流)に基づく。この電流(書き込み電流)は、制御部70(例えば駆動回路75)により供給される。
磁気記憶装置110は、第1金属層31及び第2金属層32を含む。第1金属層31が設けられると、第1電流Iw1及び第2電流Iw2が流れる経路の電気抵抗を低減できる。例えば、第1電流Iw1及び第2電流Iw2の電流密度を高めるために、第1導電層21のZ軸方向における長さを短くした場合でも、当該経路の電気抵抗の増大を抑制できる。さらに、第2金属層32が設けられると、第1積層体SB1の放熱性が向上する。
第1金属層31と第2金属層32との間には、第1絶縁部41が設けられる。第1金属層31と第2金属層32が連続していると、第1電流Iw1又は第2電流Iw2が、第1金属層31及び第2金属層32を通り、第1磁性層11を流れる。第1電流Iw1又は第2電流Iw2が第1磁性層11を流れると、第1積層体SB1への書き込み動作が不安定になりうる。例えば、第1動作又は第2動作の後に、第1状態又は第2状態が適切に形成されない可能性がある。第1絶縁部41が設けられることで、第1積層体SB1への書き込み動作をより安定して行える。
図2(a)及び図2(b)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図2(a)は、図1のA1−A2断面の一例を示す。図2(b)は、図1のA1−A2断面の別の一例を示す。
磁気記憶装置110は、図2(a)に示すように、第2絶縁部42をさらに含む。例えば、第2絶縁部42は、Y軸方向において複数設けられる。第1積層体SB1及び第1金属層31は、第2絶縁部42同士の間に設けられる。第2絶縁部42は、例えば、チタン及び酸素を含む。
第1対向磁性層11cは、例えば、第1辺s1を有する。複数の第1金属層31の1つは、例えば、第2辺s2を有する。第1辺s1及び第2辺s2は、Y軸方向に沿う。
例えば、第1対向磁性層11cの形状が、Z軸方向から見た場合に円形又は楕円形であると、第1金属層31から第1対向磁性層11cへ流れる局所的な電流の大きさにばらつきが生じる。第1辺s1及び第2辺s2がY軸方向に沿うことで、第1金属層31から第1対向磁性層11cへ流れる局所的な電流i1〜i3の大きさのばらつきを小さくできる。これにより、例えば、第1積層体SB1への書き込み動作をより安定して行える。
第1対向磁性層11cは、第3辺s3をさらに有しても良い。複数の第1金属層31の別の1つは、例えば、第4辺s4を有する。第1辺s1は、X軸方向において、第2辺s2と第3辺s3との間に位置する。第3辺s3は、X軸方向において、第1辺s1と第4辺s4との間に位置する。第3辺s3及び第4辺s4は、Y軸方向に沿う。
第3辺s3及び第4辺s4がY軸方向に沿うことで、第1対向磁性層11cを流れる電流i1〜i3の大きさのばらつきをさらに小さくできる。これにより、例えば、第1積層体SB1への書き込み動作をより安定して行える。
図2(b)に示すように、第1辺s1〜第4辺s4は、X軸方向及びY軸方向と交差しても良い。例えば、第1辺s1〜第4辺s4のそれぞれの少なくとも一部は、互いに平行である。図2(b)に示す構成においても、図2(a)に示す構成と同様に、電流i1〜i3の大きさのばらつきを小さくできる。第1積層体SB1への書き込み動作を、より安定して行える。
図3は、第1実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図3に示す磁気記憶装置120は、第2磁性層12、第2対向磁性層12c、第2非磁性層12i、第3金属層33をさらに含む。
第1導電層21は、第4領域21d及び第5領域21eをさらに含む。X軸方向において、第3領域21cと第4領域21dとの間に第2領域21bが位置する。X軸方向において、第2領域21bと第4領域21dとの間に第5領域21eが位置する。
第2磁性層12は、Z軸方向において、第5領域21eから離れる。第1磁性層11から第2磁性層12への方向は、X軸方向に沿う。第2対向磁性層12cは、Z軸方向において、第5領域21eと第2磁性層12との間に設けられる。第2非磁性層12iは、第2磁性層12と第2対向磁性層12cとの間に設けられる。第2磁性層12と第2非磁性層12iとの間に、別の層が設けられても良い。第2対向磁性層12cと第2非磁性層12iとの間に、別の層が設けられても良い。
第2磁性層12及び第2対向磁性層12cには、第1磁性層11及び第1対向磁性層11cの構成がそれぞれ適用できる。第2非磁性層12iには、第1非磁性層11iの構成が適用できる。
第3金属層33は、非磁性である。第2磁性層12から第3金属層33への方向は、X軸方向に沿う。第3金属層33は、X軸方向において、第2金属層32と第2磁性層12との間に位置する。第3金属層33は、第2金属を含む。
第1金属層31は、X軸方向において、第1対向磁性層11cと第2対向磁性層12cとの間に位置する。第1絶縁部41は、Z軸方向において第1金属層31と第2金属層32との間、Z軸方向において第1金属層31と第3金属層33との間、及びX軸方向において第2金属層32と第3金属層33との間に設けられる。
図3に示す例では、第3金属層33は、X軸方向において複数設けられる。第2磁性層12は、X軸方向において、第3金属層33同士の間に設けられる。図3に示す例では、第5領域21eと第2対向磁性層12cとの間には、別の第2導電層22が設けられる。第3領域21cと第1対向磁性層11cとの間の第2導電層22は、第5領域21eと第2対向磁性層12cとの間の第2導電層22と繋がっていても良い。
第2磁性層12、第2対向磁性層12c、及び第2非磁性層12iは、第2積層体SB2に含まれる。第2積層体SB2は、例えば、別の1つのメモリ部(メモリセル)に対応する。
第2磁性層12の磁化12Mは、第2対向磁性層12cの磁化12cMに比べて変化し難い。第2磁性層12は、例えば、参照層として機能する。第2対向磁性層12cは、例えば、記憶層として機能する。
第1導電層21に流れる電流(例えば第1電流Iw1及び第2電流Iw2など)により、第2対向磁性層12cの磁化12cMが変化する。
制御部70は、例えば、第1領域21a、第4領域21d、第1磁性層11、及び第2磁性層12と電気的に接続される。既に説明したように、制御部70の駆動回路75と、第1磁性層11と、の間の電流経路上に、第1スイッチSw1(例えばトランジスタ)が設けられる。一方、駆動回路75と第2磁性層12との間の電流経路上に、第2スイッチSw2(例えばトランジスタ)が設けられる。これらのスイッチは、制御部70に含まれる。駆動回路75と第2磁性層12とは、第2配線70bにより電気的に接続される。
制御部70は、第1動作(第1書き込み動作)において、第1電流Iw1(第1書き込み電流)を第1導電層21に供給する。これにより、第1状態が形成される。1つの例において、第1電流Iw1は、第1領域21aから第4領域21dへの電流である。制御部70は、第2動作(第2書き込み動作)において、第2電流Iw2(第2書き込み電流)を第1導電層21に供給する。これにより、第2状態が形成される。1つの例において、第2書き込み電流Iw2は、第4領域21dから第1領域21aへの電流である。
この場合も、第1動作後(第1状態)における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の第1電気抵抗は、第2動作後(第2状態)における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の第2電気抵抗とは異なる。
制御部70が第1電流Iw1を第1導電層21に供給したときに、第2積層体SB2において第3状態が形成される。制御部70が第2電流Iw2を第1導電層21に供給したときに、第2積層体SB2において第4状態が形成される。第3状態における第2磁性層12と第1導電層21(第1領域21a)との間の第3電気抵抗は、第4状態における第2磁性層12と第1導電層21(第1領域21a)との間の第4電気抵抗とは異なる。
この電気抵抗の差は、例えば、第3状態と第4状態との間における、磁化12cMの状態の差に基づく。
制御部70は、読み出し動作において、第2磁性層12と第1導電層21(第1領域21a)との間の電気抵抗に応じた特性(電圧または電流などでも良い)を検出しても良い。
上記の第1スイッチSw1及び第2スイッチSw2の動作により、第1積層体SB1(第1メモリセル)及び第2積層体SB2(第2メモリセル)のいずれかが選択される。所望のメモリセルについての書き込み動作及び読み出し動作が行われる。制御部70による動作の例については後述する。
磁気記憶装置120は、第3金属層33を含む。第3金属層33が設けられると、第2積層体SB2の放熱性が向上する。第1金属層31と第3金属層33との間に第1絶縁部41が設けられることで、第2積層体SB2への書き込み動作をより安定して行える。
図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)、及び図6(b)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の製造工程を表す模式的斜視断面図である。
基体20sの上に、導電膜21F(第1導電膜)を形成する。導電膜21Fの上に、導電膜22F(第2導電膜)を形成する。導電膜22Fの上に、磁性膜MF1(第1磁性膜)を形成する。磁性膜MF1の上に、非磁性膜NFを形成する。非磁性膜NFの上に、磁性膜MF2(第2磁性膜)を形成する。これにより、図4(a)に示す積層膜SFが形成される。
導電膜21Fは、第1金属を含む。導電膜22Fは、第2金属を含む。磁性膜MF1及び磁性膜MF2は、例えば、Fe、Co及びNiからなる群より選択された少なくとも1つの第1元素を含む。非磁性膜NFは、例えば、MgO、CaO、SrO、TiO、VO、NbO及びAl2O3からなる群より選択された少なくとも1つを含む。
積層膜SFの上に、フォトリソグラフィ法を用いて複数のレジストR1を形成する。複数のレジストR1は、X軸方向において互いに離れ、Y方向に延びている。複数のレジストR1をマスクとして用いて、磁性膜MF2の一部、非磁性膜NFの一部、及び磁性膜MF1の一部、及び導電膜22Fの一部を除去する。これにより、図4(b)に示すように、溝Tr1を形成する。この工程により、複数の積層膜SFaが形成される。積層膜SFaは、導電膜22Fa、磁性膜MF1a、非磁性膜NFa、及び磁性膜MF2aを含む。
金属を含む膜の表面に選択的に金属材料を堆積させる、Selective Atomic Layer Deposition(選択ALD)を行う。選択ALDでは、まず、導電性の膜の表面にのみ前駆体(プリカーサ)を付着させる。次に、前駆体と反応するガスを積層膜に供給する。ガスは、例えば第2金属を含む。Ptを含む金属材料を堆積させる場合、プリカーサは、例えば、MeCpPtMe3(Trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum)を含む。Ruを含む金属材料を堆積させる場合、プリカーサは、例えば、Ru(EtCp)2(Ru(C2H5C5H4)),2EBECH-Ru(ethylbenzyl) (1-ethyl-1,4-cyclohexadienyl)Ru、及びC16H22Ruの少なくともいずれかを含む。これにより、図5(a)に示すように、溝Tr1を通して露出した導電膜21Fの上面、導電膜22Faの側面、及び磁性膜MF1aの側面に、金属膜31F(第1金属膜)が形成される。複数の磁性膜MF2aの1つの側面に、金属膜32F(第2金属膜)が形成される。複数の磁性膜MF2aの別の1つの側面に、金属膜33F(第3金属膜)が形成される。
レジストR1を除去する。絶縁膜41Fを形成して溝Tr1を埋め込み、絶縁膜41Fの表面を平坦化する。絶縁膜41Fは、金属膜31Fと金属膜32Fとの間、金属膜31Fと金属膜33Fとの間、及び金属膜32Fと金属膜33Fとの間に形成される。図5(b)に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、積層膜SFa及び絶縁膜41Fの上にレジストR2を形成する。
図6(a)に示すように、レジストR2をマスクとして用いて、磁性膜MF2aの一部、非磁性膜NFaの一部、磁性膜MF1aの一部、導電膜22Faの一部、導電膜21Fの一部、金属膜31Fの一部、金属膜32Fの一部、及び金属膜33Fの一部を除去する。これにより、溝Tr2が形成される。
レジストR2を除去する。図6(b)に示すように、絶縁膜42Fを形成して溝Tr2を埋め込み、絶縁膜42Fの表面を平坦化する。これにより、図3に示す磁気記憶装置120が製造される。
図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図7(a)に表した磁気記憶装置130は、第1接続部30a、第2接続部30b、及び第3接続部30cをさらに含む。第1接続部30a、第2接続部30b、及び第3接続部30cは、例えば、Cu、Ta、W、及びAlの少なくともいずれかを含む。
第2接続部30bは、X軸方向において、第1接続部30aと第3接続部30cとの間に設けられる。X軸方向において第1接続部30aと第2接続部30bとの間には、絶縁部25が設けられる。X軸方向において第2接続部30bと第3接続部30cとの間には、別の絶縁部25が設けられる。
第1領域21aは、Z軸方向において、第1接続部30aと複数の第1金属層31の1つとの間に位置する。第2領域21bは、Z軸方向において、第2接続部30bと複数の第1金属層31の別の1つとの間に位置する。第4領域21dは、Z軸方向において、第3接続部30cと複数の第1金属層31のさらに別の1つとの間に位置する。
第1接続部30a、第2接続部30b、及び第3接続部30cは、第1導電層21と電気的に接続される。第1接続部30a、第2接続部30b、及び第3接続部30cは、例えば、制御部70と電気的に接続される。
図7(b)に表した磁気記憶装置140のように、第1導電層21は、X軸方向において複数設けられても良い。複数の第1導電層21の1つは、Z軸方向において、絶縁部25と第1積層体SB1との間に設けられる。
複数の第1導電層21の前記1つは、例えば、第1側端部21s1、第1重畳部21o1、及び部第2側端部21s2を含む。
第1側端部21s1は、Z軸方向において、第1接続部30aと複数の第1金属層31の1つとの間に位置する。複数の第1金属層31の前記1つは、例えば、第1接続部30a及び第1側端部21s1と接触する。これにより、第1接続部30aと第1側端部21s1との間の電気的接続の信頼性を向上できる。
第2側端部21s2は、Z軸方向において、第2接続部30bと複数の第1金属層31の別の1つとの間に位置する。複数の第1金属層31の前記別の1つは、例えば、第2接続部30b及び第2側端部21s2と接触する。これにより、第2接続部30bと第2側端部21s2との間の電気的接続の信頼性を向上できる。
第1重畳部21o1は、Z軸方向において、第2導電層22及び第1積層体SB1と重なる。第1重畳部21o1のZ軸方向における長さは、第1側端部21s1のZ軸方向における長さよりも長く、第2側端部21s2のZ軸方向における長さよりも長い。
複数の第1導電層21の別の1つは、Z軸方向において、別の絶縁部25と第2積層体SB2との間に設けられる。複数の第1導電層21の前記別の1つは、例えば、第3側端部21s3、第2重畳部21o2、及び部第4側端部21s4を含む。
第3側端部21s3は、Z軸方向において、第2接続部30bと複数の第1金属層31の別の1つとの間に位置する。第4側端部21s4は、Z軸方向において、第3接続部30cと複数の第1金属層31のさらに別の1つとの間に位置する。第2重畳部21o2は、Z軸方向において、別の第2導電層22及び第2積層体SB2と重なる。第2重畳部21o2のZ軸方向における長さは、第3側端部21s3のZ軸方向における長さよりも長く、第4側端部21s4のZ軸方向における長さよりも長い。
図8は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、磁気記憶装置210は、第2金属層32を含まない。磁気記憶装置210は、第1絶縁層51をさらに含む。
第1絶縁層51は、X軸方向において、第1金属層31と第2導電層22との間、第1金属層31と第1対向磁性層11cとの間、第1金属層31と第1非磁性層11iとの間、及び第1絶縁部41と第1磁性層11との間に設けられる。
第1磁性層11から第1絶縁部41への方向は、X軸方向に沿う。第1磁性層11から第1金属層31への方向は、X軸方向には沿わない。第1磁性層11は、X軸方向において、第1絶縁層51を介して第1金属層31とは対向しない。
第1絶縁層51は、例えば、第1絶縁領域51a及び第2絶縁領域51bを含む。第2絶縁領域51bは、X軸方向において、第1絶縁領域51aと第1金属層31との間及び第1絶縁領域51aと第1絶縁部41との間に位置する。
第1絶縁領域51aは、第3金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。第2絶縁領域51bは、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
第1金属層31が設けられると、第1電流Iw1及び第2電流Iw2が流れる経路の電気抵抗を低減できる。
例えば、第1金属層31がX軸方向において第1絶縁層51を介して第1磁性層11と対向すると、第1磁性層11と第1金属層31とによりキャパシタンスが構成される。高周波の第1電流Iw1又は第2電流Iw2を第1導電層21に供給した際、このキャパシタンスにより、電力の損失及び電流のリークが発生する。第1金属層31が第1磁性層11と対向しないことで、電力の損失及び電流のリークを抑制できる。
図8に示す例では、第1金属層31、第1絶縁部41、及び第1絶縁層51のそれぞれは、X軸方向において複数設けられる。第1積層体SB1及び複数の第1絶縁層51は、第1金属層31同士の間及び第1絶縁部41同士の間に設けられる。第1積層体SB1は、X軸方向において第1絶縁層51同士の間に設けられる。
図9は、第2実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図9に示す磁気記憶装置220は、第2磁性層12、第2対向磁性層12c、第2非磁性層12i、及び第2絶縁層52をさらに含む。
磁気記憶装置220における第2磁性層12、第2対向磁性層12c、及び第2非磁性層12iには、それぞれ、磁気記憶装置120における第2磁性層12、第2対向磁性層12c、及び第2非磁性層12iの構成が適用できる。
複数の第1金属層31の1つは、X軸方向において、第1対向磁性層11cと第2対向磁性層12cとの間に位置する。複数の第1金属層31の当該1つは、第1端部31e1、中間部分31m、及び第2端部31e2を含む。第1端部31e1のX軸方向における位置は、第1対向磁性層11cのX軸方向における位置と、中間部分31mのX軸方向における位置と、の間にある。第2端部31e2のX軸方向における位置は、第2対向磁性層12cのX軸方向における位置と、中間部分31mのX軸方向における位置と、の間にある。中間部分31mのZ軸方向における長さは、例えば、第1端部31e1のZ軸方向における長さよりも短く、第2端部31e2のZ軸方向における長さよりも短い。
第2絶縁層52は、第1金属層31と第2対向磁性層12cとの間、第1金属層31と第2非磁性層12iとの間、及び第1絶縁部41と第2磁性層12との間に設けられる。第2絶縁層52は、例えば、第1絶縁層51と同様に、絶縁領域52a及び絶縁領域52bを含む。絶縁領域52bは、X軸方向において、絶縁領域52aと第1金属層31との間及び絶縁領域52aと第1絶縁部41との間に設けられる。絶縁領域52aは、第3金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。絶縁領域52bは、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
第5領域21eと第2対向磁性層12cとの間には、別の第2導電層22が設けられる。第3領域21cと第1対向磁性層11cとの間の第2導電層22は、第5領域21eと第2対向磁性層12cとの間の第2導電層22と繋がっていても良い。
図10(a)、図10(b)、図11(a)、図11(b)及び図12は、第2実施形態に磁気記憶装置の製造工程を表す模式的斜視断面図である。
図4(a)及び図4(b)に示す工程と同様の工程を行い、複数の積層膜SFaを形成する。このとき、磁性膜MF2の一部、非磁性膜NFの一部、及び磁性膜MF1の一部、及び導電膜22Fの一部を、Ar等のイオンビームの照射により除去する。除去する際に、飛散した原子の一部が、積層膜SFaの側面に付着する。これにより、図10(a)に示すように、積層膜SFaの側面に、再堆積膜RFが形成される。
再堆積膜RFは、例えば、導電膜22Fに含まれる第3金属を含む。再堆積膜RFは、Fe、Co、及びNiからなる群から選択された少なくとも1つをさらに含んでいても良い。
図10(b)に示すように、再堆積膜RFを酸化又は窒化し、絶縁膜IF1を形成する。このとき、露出した導電膜21Fの一部が酸化又は窒化され、絶縁領域IR1が形成される。
Ar等のイオンビームを絶縁領域IR1に照射し、絶縁領域IR1を除去する。除去する際に、飛散した原子の一部が、絶縁膜IF1に付着する。これにより、図11(a)に示すように、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む絶縁膜IF2が形成される。
ALD法を用いて、図11(b)に示すように、金属膜31Fを形成する。金属膜31Fは、例えば、露出した導電膜21Fの表面、及び絶縁膜IF2の表面に形成される。
金属膜31Fの一部は、X軸方向において、絶縁膜IF1及び絶縁膜IF2を介して、磁性膜MF2aと対向する。例えば、Z軸方向に対して傾斜した方向から金属膜31Fにイオンビームを照射し、図12に示すように、金属膜31Fの当該一部を除去する。以降は、図5(b)、図6(a)、及び図6(b)に示す工程と同様の工程を行うことで、図9に示す磁気記憶装置220が製造される。
図13(a)、図13(b)、図14(a)、図14(b)、図15(a)、及び図15(b)は、第2実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図13(a)に示す磁気記憶装置230では、第1磁性層11の一部が、X軸方向において、第1絶縁層51を介して第1金属層31と対向している。第1磁性層11の別の一部は、X軸方向において、第1絶縁層51を介して第1絶縁部41と対向している。
第2磁性層12の一部は、X軸方向において、第2絶縁層52を介して第1金属層31と対向している。第2磁性層12の別の一部は、X軸方向において、第2絶縁層52を介して第1絶縁部41と対向している。
第1絶縁層51は、第3絶縁領域51cをさらに含む。第3絶縁領域51cは、X軸方向において、第2絶縁領域51bと第1金属層31との間及び第2絶縁領域51bと第1絶縁部41との間に設けられる。第3絶縁領域51cは、例えば、Siと、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
第1磁性層11の一部及び第2磁性層12の一部が第1金属層31と対向している場合でも、第1絶縁層51が設けられることで、第1金属層31から第1磁性層11への通電及び第1金属層31から第2磁性層12への通電を抑制できる。
例えば、第1絶縁層51の少なくとも一部のX軸方向における長さは、第1非磁性層11iのZ軸方向における長さの2倍以上であり、第2非磁性層12iのZ軸方向における長さの2倍以上である。これにより、第1金属層31と第1磁性層11との間の通電及び第1金属層31と第2磁性層12との間の通電をさらに抑制できる。
図13(b)に示す磁気記憶装置240のように、X軸方向において第1金属層31と第1絶縁層51との間及び第1金属層31と第2絶縁層52との間に、第1絶縁部41の一部が設けられても良い。第1金属層31のX軸方向における長さは、第1絶縁部41のX軸方向における長さよりも短い。
図14(a)に示す磁気記憶装置250のように、第1絶縁膜61及び第2絶縁膜62が設けられても良い。第1絶縁膜61は、例えば、第1絶縁層51と繋がっている。第1絶縁膜61は、Z軸方向において第1端部31e1と第1導電層21との間に設けられる。第2絶縁膜62は、例えば、第2絶縁層52と繋がっている。第2絶縁膜62は、Z軸方向において第2端部31e2と第1導電層21との間に設けられる。第1絶縁膜61及び第2絶縁膜62は、例えば、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
図14(b)に示す磁気記憶装置260のように、X軸方向において第1金属層31と第1絶縁層51との間及び第1金属層31と第2絶縁層52との間に、第1絶縁部41が設けられても良い。第1絶縁膜61の一部及び第2絶縁膜62の一部は、Z軸方向において、第1絶縁部41と重なる。
第1絶縁膜61及び第2絶縁膜62が設けられる場合であっても、第1金属層31が設けられることで、磁気記憶装置260の電気抵抗を低減でき、放熱性を向上させることができる。
図15(a)に表した磁気記憶装置270は、第1接続部30a、第2接続部30b、及び第3接続部30cをさらに含む。
第2接続部30bは、X軸方向において、第1接続部30aと第3接続部30cとの間に設けられる。X軸方向において第1接続部30aと第2接続部30bとの間には、絶縁部25が設けられる。X軸方向において第2接続部30bと第3接続部30cとの間には、別の絶縁部25が設けられる。
第1領域21aは、Z軸方向において、第1接続部30aと複数の第1金属層31の1つとの間に位置する。第2領域21bは、Z軸方向において、第2接続部30bと複数の第1金属層31の別の1つとの間に位置する。第4領域21dは、Z軸方向において、第3接続部30aと複数の第1金属層31のさらに別の1つとの間に位置する。
図15(b)に表した磁気記憶装置280のように、第1導電層21は、X軸方向において複数設けられても良い。
複数の第1導電層21の1つは、例えば、第1側端部21s1、第1重畳部21o1、及び部第2側端部21s2を含む。複数の第1導電層21の別の1つは、例えば、第3側端部21s3、第2重畳部21o2、及び部第4側端部21s4を含む。
複数の第1金属層31の1つは、例えば、第1接続部30a及び第1側端部21s1と接触する。これにより、第1接続部30aと第1側端部21s1との間の電気的接続の信頼性を向上できる。
複数の第1金属層31の別の1つは、例えば、第2接続部30b及び第2側端部21s2と接触する。これにより、第2接続部30bと第2側端部21s2との間の電気的接続の信頼性を向上できる。
磁気記憶装置270及び280において、磁気記憶装置240及び260と同様に、第1絶縁部41の一部が、X軸方向において、第1金属層31と第1絶縁層51との間及び第1金属層31と第2絶縁層52との間に設けられても良い。磁気記憶装置270及び280は、磁気記憶装置250及び260と同様に、第1絶縁膜61及び第2絶縁膜62をさらに含んでも良い。
図16、図17(a)、及び図17(b)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図18は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的斜視図である。
図16は、図18のA1−A2断面図である。図17(a)は、図18のB1−B2断面図である。図17(b)は、図18のC1−C2断面図である。図18では、第1絶縁部41と、第2絶縁部42の一部と、が省略されている。
例えば、磁気記憶装置310は、図17(a)に示すように、第3絶縁層53をさらに含む。第3絶縁層53は、第3絶縁領域53c及び第4絶縁領域53dを含む。第4絶縁領域53dは、Y軸方向において、第3絶縁領域53cと第2絶縁部42との間に位置する。
第3絶縁領域53cは、第3金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。第4絶縁領域53dは、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
磁気記憶装置310では、図17(b)及び図18に示すように、第1金属層31のY軸方向における長さL1が、第1導電層21のY軸方向における長さL2よりも長い。例えば、長さL1は、第1対向磁性層11c、第1非磁性層11i、又は第1磁性層11のY軸方向における長さL3よりも長い。例えば、長さL1は、第2対向磁性層12c、第2非磁性層12i、又は第2磁性層12のY軸方向における長さL4よりも長い。長さL1が長さL2よりも長いことで、磁気記憶装置310の放熱性を向上できる。
例えば、第1金属層31は、図17(b)に示すように、第1金属部分31a及び第2金属部分31bを含む。第2金属部分31bは、Z軸方向において、第1導電層21と第1金属部分31aとの間に位置する。第1金属部分31aのY軸方向における長さは、第2金属部分31bのY軸方向における長さよりも長い。第2金属部分31bのY軸方向における長さは、例えば、長さL2と実質的に同じである。
図19(a)及び図19(b)は、第3実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図19(a)は、図18のD1−D2断面の一例を示す。図19(b)は、図17のD1−D2断面の別の一例を示す。
図19(a)に示すように、磁気記憶装置310では、磁気記憶装置110と同様に、第1対向磁性層11cは、第1辺s1を有する。複数の第1金属層31の1つは、第2辺s2を有する。第1辺s1及び第2辺s2は、Y軸方向に沿う。第2辺s2のY軸方向における長さは、第1辺s1のY軸方向における長さよりも長い。
例えば、第1対向磁性層11cは、第3辺s3をさらに有する。複数の第1金属層31の別の1つは、第4辺s4を有する。第3辺s3及び第4辺s4は、Y軸方向に沿う。第4辺s4のY軸方向における長さは、第3辺s3のY軸方向における長さよりも長い。
第1辺s1〜第4辺s4がY軸方向に沿うことで、第1対向磁性層11cを局所的に流れる電流i1〜i3の大きさのばらつきをさらに小さくできる。これにより、例えば、第1積層体SB1への書き込み動作をより安定して行える。
例えば、第2対向磁性層12cは、辺s5を有する。複数の第1金属層31の別の1つは、辺s6を有する。辺s5及び辺s6は、Y軸方向に沿う。例えば、第2対向磁性層12cは、辺s7をさらに有する。複数の第1金属層31のさらに別の1つは、辺s8を有する。辺s7及び辺s8は、Y軸方向に沿う。
辺s5〜辺s8がY軸方向に沿うことで、第2対向磁性層12cを局所的に流れる電流i4〜i6の大きさのばらつきをさらに小さくできる。これにより、例えば、第2積層体SB2への書き込み動作をより安定して行える。
図19(b)に示すように、第1辺s1〜第4辺s4及び辺s5〜辺s8は、X軸方向及びY軸方向と交差しても良い。例えば、第1辺s1〜第4辺s4のそれぞれの少なくとも一部は、互いに平行である。辺s5〜辺s8のそれぞれの少なくとも一部は、互いに平行である。
図20(a)、図20(b)、図21(a)、図21(b)は、第3実施形態に磁気記憶装置の製造工程を表す模式的斜視断面図である。
図4(a)に示す積層膜SFを基体20sの上に形成する。図20(a)に示すように、X軸方向に延びる溝Tr1を、Y軸方向において複数形成する。これにより、X軸方向に延びる積層膜SFが形成される。
溝Tr1を形成する際、例えば、Ar等のイオンビームを用いる。磁性膜MF2の一部、非磁性膜NFの一部、及び磁性膜MF1の一部、及び導電膜22Fの一部を、除去する際、再堆積した材料により、例えば、絶縁膜IF1及び絶縁膜IF2が形成される。絶縁膜IF1は、第3金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。絶縁膜IF2は、第1金属と、酸素および窒素からなる群より選択された少なくとも1つと、を含む。
図20(b)に示すように、溝Tr1を絶縁膜42Fで埋め込む。積層膜SF及び絶縁膜42Fの上に、Y軸方向に延びるレジストR1を形成する。レジストR1は、X軸方向において複数形成する。
レジストR1をマスクとして用いて、図21(a)に示すように、積層膜SFの一部及び絶縁膜IF1の一部を除去し、溝Tr2を形成する。これにより、導電膜21Fの上に、複数の積層膜SFaが形成される。溝Tr2を通して、導電膜21Fの表面の一部が露出する。
溝Tr2を形成する際、図10(a)、図10(b)、及び図11(a)に示す工程と同様の工程を行うことで、積層膜SFbの側面に、絶縁膜IF3及び絶縁膜IF4を形成する。
選択ALDを行う。これにより、図21(b)に示すように、露出した導電膜21Faの表面に、選択的に金属膜31Fが形成される。形成された金属膜31FのY軸方向における長さは、導電膜21FaのY軸方向における長さよりも長い。溝Tr2を絶縁膜で埋め込むことで、磁気記憶装置310が製造される。
図22(a)及び図22(b)は、第3実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図22(a)に示す磁気記憶装置320では、第1金属層31は、第3端部31e3、第4端部31e4、及び中間部分31mを含む。第3端部31e3から第4端部31e4への方向は、Y軸方向に沿う。中間部分31mは、第3端部31e3と第4端部31e4との間に位置する。
中間部分31mのZ軸方向における長さは、第3端部31e3のZ軸方向における長さよりも短く、第4端部31e4のZ軸方向における長よりも短い。第1金属層31の一部(第2領域21bの一部)は、Y軸方向において、第3端部31e3の一部と、第4端部31e4の一部と、の間に設けられる。
又は、図22(b)に示す磁気記憶装置320のように、第1導電層21と第1金属層31との接触面のZ軸方向における位置が、第1金属層31と第2絶縁部42の接触面のZ軸方向における位置と同じであっても良い。
図22(a)及び図22(b)に示す磁気記憶装置320及び磁気記憶装置330によれば、磁気記憶装置310と同様に、放熱性を向上できる。
以下、本実施形態に係る磁気記憶装置の動作の例について説明する。
既に説明したように、制御部70は、第1積層体SB1(第1磁性層11)及び第2積層体SB2(第2磁性層12)と、電気的に接続されている。第1積層体SB1に情報を書き込むときには、第1磁性層11に所定の選択電圧が印加される。このとき、第2積層体SB2には、非選択電圧が印加される。一方、第2積層体SB2に情報を書き込むときには、第2磁性層12に所定の選択電圧が印加される。このとき、第1積層体SB1には、非選択電圧が印加される。0ボルトの電圧の印加も、「電圧の印加」に含まれる。選択電圧の電位は、非選択電圧の電位とは異なる。
例えば、制御部70は、第1書き込み動作において、第1磁性層11を、第2磁性層12の電位(例えば、非選択電位)とは異なる電位(例えば、選択電位)に設定する。制御部70は、第2書き込み動作において、第1磁性層11を、第2磁性層12の電位(例えば、非選択電位)とは異なる電位(例えば、選択電位)に設定する。
例えば、制御部70は、第3書き込み動作において、第2磁性層12を、第1磁性層11の電位(例えば、非選択電位)とは異なる電位(例えば、選択電位)に設定する。制御部70は、第4書き込み動作において、第2磁性層12を、第1磁性層11の電位(例えば、非選択電位)とは異なる電位(例えば、選択電位)に設定する。
このような電位の選択は、例えば、第1スイッチSw1及び第2スイッチSw2の動作により行われる。
以下、このような動作の例について説明する。
図23(a)、図23(b)、図24(a)、及び図24(b)は、実施形態に係る磁気記憶装置における動作を例示する模式的断面図である。
図23(a)に示すように、制御部70と第1磁性層11とが、第1配線70aにより電気的に接続される。制御部70と第2磁性層12とが、第2配線70bにより電気的に接続される。この例では、第1配線70a上に第1スイッチSw1が設けられている。第2配線70b上に第2スイッチSw2が設けられている。制御部70が、第1配線70aの電位を制御することで、第1磁性層11の電位が制御される。第1配線70aにおける電位の変化は実質的に小さい。このため、第1配線70aの電位を、第1磁性層11の電位と見なすことができる。同様に、第2配線70bの電位を、第2磁性層12の電位と見なすことができる。以下では、第1磁性層11の電位は、第1配線70aの電位と同じとみなす。以下では、第2磁性層12の電位は、第2配線70bの電位と同じとみなす。
以下の例では、第1磁性層11の磁化11M、及び、第2磁性層12の磁化12Mは、+Y方向である。これらの磁化は、固定されている。
図23(a)に示すように、第1動作OP1において、制御部70は、第1導電層21の第1領域21aを電位V0に設定する。電位V0は、例えば、グランド電位である。第1動作OP1において、制御部70は、第1磁性層11を第1電圧V1に設定する。すなわち、制御部70は、第1動作OP1において、第1領域21aと第1磁性層11との間の第1電位差を第1電圧V1とする。第1電圧V1は、例えば、選択電圧である。
一方、制御部70は、第1動作OP1において、第2磁性層12を第2電圧V2とする。すなわち、制御部70は、第1動作OP1において、第1領域21aと第2磁性層12との間の第2電位差を第2電圧V2とする。第2電圧V2は、例えば、非選択電圧である。第2電圧V2は、第1電圧V1とは異なる。例えば、第1電圧V1の絶対値は、第2電圧V2の絶対値よりも大きい。例えば、第1電圧V1の極性は、第2電圧V2の極性とは異なる。
第1動作OP1において、制御部70は、第1導電層21に第1電流Iw1を供給する。第1電流Iw1は、第1領域21aから第4領域21dへの向きを有する。
第1動作OP1において、例えば、選択状態の第1対向磁性層11cの磁化11cMは、+Y方向に向く。これは、第1導電層21からの磁気的作用による。一方、非選択状態の第2対向磁性層12cの磁化12cMは、実質的に変化しない。この例では、磁化12cMは、初期状態(この例では+Y方向)を維持する。
図23(b)に示すように、第2動作OP2において、制御部70は、第1導電層21の第1領域21aを電位V0に設定する。制御部70は、第2動作OP2において、第1領域21aと第1磁性層11との間の第1電位差を第1電圧V1とする。制御部70は、第2動作OP2において、第1領域21aと第2磁性層12との間の第2電位差を第2電圧V2とする。第2動作OP2において、制御部70は、第1導電層21に第2電流Iw2を供給する。第2電流Iw2は、第4領域21dから第1領域21aへの向きを有する。
このときに、選択状態の第1対向磁性層11cの磁化11cMは、例えば、−Y方向に変化する。これは、第1導電層21からの磁気的作用による。一方、非選択状態の第2対向磁性層12cの磁化12cMは、実質的に変化しない。この例では、磁化12cMは、初期状態(この例では+Y方向)を維持する。
第1動作OP1の後における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の電気抵抗を第1電気抵抗とする。第2動作OP2の後における第1磁性層11と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の電気抵抗を第2電気抵抗とする。第1電気抵抗は、第2電気抵抗とは異なる。この例では、第1電気抵抗は、第2電気抵抗よりも低い。
一方、上記の第1動作OP1の後における第2磁性層12と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の電気抵抗を第3電気抵抗とする。上記の第2動作OP2の後における第2磁性層12と第1導電層21(例えば第1領域21a)との間の電気抵抗を第4電気抵抗とする。第3電気抵抗は、第4電気抵抗と実質的に同じである。これは、第2対向磁性層12cの磁化12cMが実質的に変化しないためである。
このように、実施形態においては、第1電気抵抗と第2電気抵抗との差の絶対値は、第3電気抵抗と第4電気抵抗との差の絶対値よりも大きい。
このように、選択状態の第1積層体SB1において、第1電流Iw1または第2電流Iw2により電気抵抗の変化が形成される。すなわち、情報の書き込みが行われる。一方、非選択状態の第2積層体SB2においては、第1電流Iw1または第2電流Iw2による電気抵抗の変化が形成されない。
図24(a)に示す第3動作OP3の例では、第1積層体SB1が、非選択状態とされ、第2積層体SB2が選択状態とされる。制御部70は、第1動作OP1において、第1領域21aと第1磁性層11との間の第1電位差を第1電圧V1とする(図23(a)参照)。一方、制御部70は、第2動作OP2において、第1電位差を第1電圧V1とする(図23(b)参照)。図24(a)に示すように、制御部70は、第3動作OP3において、第1領域21aと第1磁性層11との間の第1電位差を第2電圧V2(非選択電圧)とする。制御部70は、第3動作OP3において、第1電流Iw1を第1導電層21に供給する。
このとき、非選択状態の第1対向磁性層11cの磁化11cMは、図23(a)の状態と同じである。一方、選択状態の第2対向磁性層12cの磁化12cMは、図23(a)の状態から変化する。
図24(b)に示す第4動作OP4においても、第1積層体SB1が、非選択状態とされ、第2積層体SB2が選択状態とされる。制御部70は、第4動作OP4において、第1電位差を第2電圧V2とする。制御部70は、第4動作OP4において、第2電流Iw2を第1導電層21に供給する。
非選択状態である第1積層体SB1においては、第3動作OP3と第4動作OP4との間で、電気抵抗は実質的に同じである。一方、選択状態である第2積層体SB2においては、第3動作OP3と第4動作OP4との間で、電気抵抗は変化する。
このように、第1動作OP1の後の第1電気抵抗と、第2動作OP2の後の第2電気抵抗との差の絶対値は、第3動作OP3の後における第1磁性層11と第1領域21aとの間の電気抵抗と、第4動作OP4の後における第1磁性層11と第1領域21aとの間の電気抵抗と、の差の絶対値よりも大きい。
複数の積層体は、複数のメモリセルにそれぞれ対応する。複数のメモリセルにおいて、互いに異なる情報が記憶されることが可能である。複数のメモリセルに情報を記憶する際に、例えば、複数のメモリセルに「1」及び「0」の一方を記憶した後に、複数のメモリセルのうちの所望のいくつかに「1」及び「0」の他方を記憶しても良い。例えば、複数のメモリセルの1つに「1」及び「0」の一方を記憶した後に、複数のメモリセルの別の1つに「0」及び「0」の一方を記憶しても良い。
上記において、第1領域21a及び第4領域21dは、互いに入れ替えが可能である。例えば、上記の電気抵抗は、第1磁性層11と第4領域21dとの間の電気抵抗でも良い。上記の電気抵抗は、第2磁性層12と第4領域21dとの間の電気抵抗でも良い。
以下、別の動作の例について説明する。
図25(a)〜図25(c)は、実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図25(a)に示すように、実施形態にかかる磁気記憶装置120において、複数の積層体(第1積層体SB1及び第2積層体SB2)が設けられる。磁気記憶装置120においては、第1積層体SB1に流れる電流と、第2積層体SB2に流れる電流とは別である。
第1積層体SB1は、Z軸方向において、第3領域21cと重なる。第2積層体SB2は、Z軸方向において、第5領域21eと重なる。
例えば、第1端子T1が、第1導電層21の第1領域21aと電気的に接続される。第2端子T2が、第4領域21dと電気的に接続される。第3端子T3が、第2領域21bと電気的に接続される。第4端子T4が、第1磁性層11と電気的に接続される。第5端子T5が、第2磁性層12と電気的に接続される。
図25(a)に示すように、1つの動作QP1において、第1電流Iw1が、第1端子T1から第3端子T3に向けて流れ、第3電流Iw3が第2端子T2から第3端子T3に向けて流れる。第1積層体SB1の位置における電流(第1電流Iw1)の向きは、第2積層体SB2の位置における電流(第3電流Iw3)の向きと逆である。このような動作QP1において、第1積層体SB1の第1対向磁性層11cに作用するスピンホールトルクの向きは、第2積層体SB2の第2対向磁性層12cに作用するスピンホールトルクの向きと逆になる。
図25(b)に示す別の動作QP2において、第2電流Iw2が、第3端子T3から第1端子T1に向けて流れ、第4電流Iw4が第3端子T3から第2端子T2に向けて流れる。第1積層体SB1の位置における電流(第2電流Iw2)の向きは、第2積層体SB2の位置における電流(第4電流Iw4)の向きと逆である。このような動作QP2において、第1積層体SB1の第1対向磁性層11cに作用するスピンホールトルクの向きは、第2積層体SB2の第2対向磁性層12cに作用するスピンホールトルクの向きと逆になる。
図25(a)及び図25(b)に示すように、第2対向磁性層12cの磁化12cMの向きは、第1対向磁性層11cの磁化11cMの向きと逆である。一方、第2磁性層12の磁化12Mの向きは、第1磁性層11の磁化11Mの向きと同じである。このように、第1積層体SB1と第2積層体SB2との間で、反対の向きの磁化情報が記憶される。例えば、動作QP1の場合の情報(データ)が、”1”に対応する。例えば、動作QP2の場合の情報(データ)が、”0”に対応する。このような動作により、例えば、後述するように、読み出しが高速化できる。
動作QP1及び動作QP2において、第1対向磁性層11cの磁化11cMと、第1導電層21を流れる電子(偏極電子)のスピン電流と、が相互作用する。磁化11cMの向きと、偏極電子のスピンの向きとは、平行または反平行の関係となる。第1対向磁性層11cの磁化11cMは、歳差運動して、反転する。動作QP1及び動作QP2において、第2対向磁性層12cの磁化12cMの向きと、偏極電子のスピンの向きとは、平行または反平行の関係となる。第2対向磁性層12cの磁化12cMは、歳差運動して、反転する。
図25(c)は、磁気記憶装置120における読み出し動作を例示している。
読み出し動作QP3において、第4端子T4の電位を第4電位V4とする。そして、第5端子T5の電位を第5電位V5とする。第4電位V4は、例えば、接地電位である。第4電位V4と第5電位V5との間の電位差をΔVとする。複数の積層体のそれぞれにおける2つの電気抵抗を、高抵抗Rh及び低抵抗Rlとする。高抵抗Rhは、低抵抗Rlよりも高い。例えば、磁化11Mと磁化11cMとが反平行であるときの抵抗が、高抵抗Rhに対応する。例えば、磁化11Mと磁化11cMとが平行であるときの抵抗が、低抵抗Rlに対応する。例えば、磁化12Mと磁化12cMとが反平行であるときの抵抗が、高抵抗Rhに対応する。例えば、磁化12Mと磁化12cMとが平行であるときの抵抗が、低抵抗Rlに対応する。
例えば、図25(a)に例示する動作QP1(”1”状態)において、第3端子T3の電位Vr1は、(1)式で表される。
Vr1={Rl/(Rl+Rh)}×ΔV …(1)
一方、図25(b)に例示する動作QP2(”0”状態)の状態において、第3端子T3の電位Vr2は、(2)式で表される。
Vr2={Rh/(Rl+Rh)}×ΔV …(2)
従って、”1”状態と”0”状態との間における、電位変化ΔVrは、(3)式で表される。
ΔVr=Vr2−Vr1={(Rh−Rl)/(Rl+Rh)}×ΔV …(3)
電位変化ΔVrは、第3端子T3の電位を測定することによって得られる。
定電流を積層体(磁気抵抗素子)に供給して磁気抵抗素子の2つの磁性層の間の電圧(電位差)を測定する場合に比べて、上記の読み出し動作QP3においては、例えば、読み取り時の消費エネルギーを低減できる。上記の読み出し動作QP3においては、例えば、高速読み出しを行なうことができる。
上記の動作QP1及び動作QP2において、第4端子T4及び第5端子T5を用いて、第1対向磁性層11c及び第2対向磁性層12cのそれぞれの垂直磁気異方性を制御することができる。これにより、書込み電流を低減できる。例えば、書込み電流は、第4端子T4及び第5端子T5を用いないで書き込みを行う場合の書き込み電流の約1/2にできる。例えば、書込み電荷を低減できる。第4端子T4及び第5端子T5に加える電圧の極性と、垂直磁気異方性の増減と、の関係は、磁性層及び第1導電層21の材料に依存する。
図25(a)に示す動作QP1では、第2領域21bに、第1電流Iw1及び第3電流Iw3が供給される。図25(b)に示す動作QP2では、第2領域21bに、第2電流Iw2及び第4電流Iw4が供給される。動作QP1及びQP2において、第2領域21bを流れる電流密度は、第1領域21a又は第4領域21dを流れる電流密度よりも大きい。第2領域21bにおける発熱は、第1領域21aにおける発熱及び第4領域21dにおける発熱よりも大きい。第2領域21bとZ軸方向において並ぶ第1金属層31が設けられることで、第2領域21bにおける放熱性を向上できる。これにより、磁気記憶装置120の発熱を抑制し、磁気記憶装置120の耐久性を向上できる。
図26(a)〜図26(c)は、実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
実施形態に係る別の磁気記憶装置に、第1端子T1〜第5端子T5が設けられ、動作QP1〜QP3が実施されても良い。例えば図26(a)に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置230に、第1端子T1〜第5端子T5が設けられる。
図26(a)に示す動作QP1において、第1電流Iw1が、第1端子T1から第3端子T3に向けて流れ、第3電流Iw3が第2端子T2から第3端子T3に向けて流れる。
図26(b)に示す動作QP2において、第2電流Iw2が、第3端子T3から第1端子T1に向けて流れ、第4電流Iw4が第3端子T3から第2端子T2に向けて流れる。
図26(c)に示す読み出し動作QP3において、第4端子T4の電位を第4電位V4とする。そして、第5端子T5の電位を第5電位V5とする。
図27(a)〜図27(c)は、実施形態に係る別の磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図27(a)に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置240に、第1端子T1〜第5端子T5が設けられても良い。図27(a)〜図27(c)に示す磁気記憶装置240の動作は、図25(a)〜図25(c)又は図26(a)〜図26(c)に示す磁気記憶装置の動作と実質的に同じである。
図27(a)に示す動作QP1において、第1電流Iw1が、第1端子T1から第3端子T3に向けて流れ、第3電流Iw3が第2端子T2から第3端子T3に向けて流れる。
図27(b)に示す動作QP2において、第2電流Iw2が、第3端子T3から第1端子T1に向けて流れ、第4電流Iw4が第3端子T3から第2端子T2に向けて流れる。
図27(c)に示す読み出し動作QP3において、第4端子T4の電位を第4電位V4とする。そして、第5端子T5の電位を第5電位V5とする。
磁気記憶装置230及び240においても、第1金属層31が設けられることで、第2領域21bにおける放熱性を向上できる。これにより、磁気記憶装置230及び240の発熱を抑制し、磁気記憶装置230及び240の耐久性を向上できる。
図28は、第4実施形態に係る磁気記憶装置を示す模式図である。
図28に示すように、磁気記憶装置410においては、メモリセルアレイMCA、複数の第1配線(例えば、ワード線WL1及びWL2など)、複数の第2配線(例えば、ビット線BL1、BL2及びBL3など)、及び、制御部70が設けられる。複数の第1配線は、1つの方向に延びる。複数の第2配線は、別の1つの方向に延びる。制御部70は、ワード線選択回路70WS、第1ビット線選択回路70BSa、第2ビット線選択回路70BSbと、第1書込み回路70Wa、第2書き込み回路70Wb、第1読出し回路70Ra、及び、第2読出し回路70Rb、を含む。メモリセルアレイMCAにおいて、複数のメモリセルMCが、アレイ状に並ぶ。
例えば、複数のメモリセルMCの1つに対応して、スイッチSw1及びスイッチSwS1が設けられる。これらのスイッチは、複数のメモリセルの1つに含められると見なす。これらのスイッチは、制御部70に含まれると見なされても良い。これらのスイッチは、例えば、トランジスタである。複数のメモリセルMCの1つは、例えば、積層体(例えば第1積層体SB1)を含む。
既に説明したように、1つの第1導電層21に、複数の積層体(第1積層体SB1及び第2積層体SB2など)が設けられても良い。そして、複数の積層体に、複数のスイッチ(スイッチSw1及びスイッチSw2など)がそれぞれ設けられても良い。図28においては、図を見やすくするために、1つの第1導電層21に対応して、1つの積層体(積層体SB1など)と、1つのスイッチ(スイッチSw1など)と、が描かれている。
図28に示すように、第1積層体SB1の一端は、第1導電層21に接続される。第1積層体SB1の他端は、スイッチSw1のソース及びドレインの一方に接続される。スイッチSw1のソース及びドレインの他方は、ビット線BL1に接続される。スイッチSw1のゲートは、ワード線WL1に接続される。第1導電層21の一端(例えば第1領域21a)は、スイッチSwS1のソース及びドレインの一方に接続される。第1導電層21の他端(例えば第4領域21d)は、ビット線BL3に接続される。スイッチSwS1のソース及びドレインの他方は、ビット線BL2に接続される。スイッチSwS1のゲートは、ワード線WL2に接続される。
複数のメモリセルMCの他の1つにおいて、積層体SBn、スイッチSwn及びスイッチSwSnが設けられる。
メモリセルMCへの情報の書込み動作の例について説明する。
書込みを行なう1つのメモリセルMC(選択メモリセル)のスイッチSwS1がオン状態とされる。例えば、オン状態においては、この1つのスイッチSwS1のゲートが接続されたワード線WL2が、ハイレベルの電位に設定される。電位の設定は、ワード線選択回路70WSにより行われる。上記の1つのメモリセルMC(選択メモリセル)を含む列の他のメモリセルMC(非選択メモリセル)におけるスイッチSwS1もオン状態となる。1つの例では、メモリセルMC(選択メモリセル)内のスイッチSw1のゲートに接続されるワード線WL1、及び、他の列に対応するワード線WL1及びWL2は、ロウレベルの電位に設定される。
図28では、1つの第1導電層21に対応して1つの積層体及び1つのスイッチSw1が描かれている。既に説明したように、1つの第1導電層21に対応して複数の積層体(積層体SB1及び第2積層体SB2など)及び複数のスイッチ(スイッチSw1及びスイッチSw2など)が設けられる。この場合、例えば、複数の積層体のそれぞれに接続されているスイッチは、オン状態とされる。複数の積層体のいずれかには選択電圧が印加される。一方、他の積層体には非選択電圧が印加される。複数の積層体の上記のいずれかに書き込みが行われ、他の積層体には書き込みが行われない。複数の積層体における選択的な書き込みが行われる。
書込みを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたビット線BL2及びBL3が、選択される。選択は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbにより行われる。この選択されたビット線BL2及びBL3に、書込み電流が供給される。書き込み電流の供給は、第1書込み回路70Wa及び第2書き込み回路70Wbによって行われる。書き込み電流は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方に向けて流れる。書込み電流によって、MTJ素子(第1積層体SB1など)の記憶層(第1対向磁性層11cなど)の磁化方向が変化可能になる。第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方に向けて書込み電流が流れると、MTJ素子の記憶層の磁化方向が、上記とは反対方向に変化可能となる。このようにして、書込みが行われる。
以下、メモリセルMCからの情報の読出し動作の例について説明する。
読出しを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたワード線WL1がハイレベルの電位に設定される。上記のメモリセルMC(選択セル)内のスイッチSw1がオン状態にされる。このとき、上記のメモリセルMC(選択セル)を含む列の他のメモリセルMC(非選択セル)におけるスイッチSw1もオン状態となる。上記のメモリセルMC(選択セル)内のスイッチSwS1のゲートに接続されるワード線WL2、及び、他の列に対応するワード線WL1及びWL2は、ロウレベルの電位に設定される。
読出しを行なうメモリセルMC(選択セル)に接続されたビット線BL1及びBL3が、選択される。選択は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbにより行われる。この選択されたビット線BL1及びビット線BL3に、読出し電流が供給される。読み出し電流の供給は、第1読出し回路70Ra及び第2読み出し回路70Rbにより行われる。読み出し電流は、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの一方から、第1ビット線選択回路70BSa及び第2ビット線選択回路70BSbの他方に向けて流れる。例えば、上記の選択されたビット線BL1及びBL3の間の電圧が、第1読出し回路70Ra及び第2読み出し回路70Rbによって、検出される。例えば、MTJ素子の、記憶層(第1対向磁性層11c)の磁化と、参照層(第1磁性層11)の磁化と、の間の差が検出される。差は、磁化の向きが互いに平行状態(同じ向き)か、または、互いに反平行状態(逆向き)か、を含む。このようにして、読出し動作が行われる。
例えば、揮発性の(SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory))ワーキングメモリ、不揮発性の(NANDフラッシュメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive))ストレージなどがある。SRAMではリーク電流により、消費エネルギーが大きい。DRAMでは、リフレッシュ電流により、消費エネルギーが大きい。
ワーキングメモリにおいては、動作(Active)時の頻度が待機(Standby)時の頻度に比べて多い。動作時に大きな書き込み電荷が必要であり、書き込みエネルギーが増大する。待機時にセーブしたエネルギーが、動作時に消費され、トータルでは消費エネルギーを低減することが困難である。
動作頻度の比較的少ない最下層のキャッシュメモリ(LLC(Last Level Cache))に、例えば、STT(Spin Transfer Torque)−MRAM(Magnetic Random Access Memory)を用いることで、消費エネルギーを低減できる可能性がある。しかしながら、LLCよりも上層のキャッシュメモリにSTT−MRAMを用いた場合は、動作頻度が格段に増える。このため、膨大なエネルギーを消費する。
実施形態においては、消費エネルギーを小さくできる。実施形態においては、高速の動作を得ることができる。
以上で説明した各実施形態によれば、電力の損失又は電流のリークを抑制できる磁気記憶装置及びその製造方法を提供できる。
実施形態は、以下の構成(例えば、技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含む第1導電層と、
第1磁性層と、
前記第1領域から前記第2領域への第2方向と交差する第1方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1対向磁性層と、
前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
非磁性の第1金属層であって、前記第1対向磁性層から前記第1金属層の少なくとも一部への方向は前記第2方向に沿う、前記第1金属層と、
非磁性の第2金属層であって、前記第1磁性層から前記第2金属層への方向は前記第2方向に沿う、前記第2金属層と、
前記第1方向において前記第1金属層と前記第2金属層との間に設けられた第1絶縁部と、
を備えた磁気記憶装置。
(構成2)
前記第2領域から前記第1金属層への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1方向における前記第2領域の少なくとも一部の長さは、前記第1方向における前記第3領域の長さよりも短い構成1記載の磁気記憶装置。
(構成3)
第2磁性層と、
第2対向磁性層と、
第2非磁性層と、
をさらに備え、
前記第1導電層は、第4領域及び愛5領域をさらに含み、
前記第2領域は、前記第2方向において、前記第3領域と前記第4領域との間に位置し、
前記第5領域は、前記第2方向において、前記第2領域と前記第4領域との間に位置し、
前記第2対向磁性層は、前記第1方向において、前記第5領域と前記第2磁性層との間に設けられ、
前記第2非磁性層は、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられ、
前記第1金属層は、前記第2方向において、前記第1対向磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた構成1又は2に記載の磁気記憶装置。
(構成4)
非磁性の第3金属層をさらに備え、
前記第3金属層は、前記第2方向において、前記第2金属層と前記第2磁性層との間に設けられ、
前記第1絶縁部は、さらに、前記第1方向において前記第1金属層と前記第3金属層との間、及び前記第2方向において前記第2金属層と前記第3金属層との間に設けられた構成3記載の磁気記憶装置。
(構成5)
前記第1導電層は、第1金属を含み、
前記第1金属層及び前記第2金属層は、第2金属を含む構成1〜4のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成6)
前記第1金属は、Ta、W、Hf、Pt、Re、Os、Ir、Pd、Cu、Ag、及びAuからなる群より選択された少なくとも1つであり、
前記第2金属は、Ru、Ir、Pd、Cu、Rh、Mo、Ta、W、Os、Pt、及びAlからなる群より選択された少なくとも1つである構成5記載の磁気記憶装置。
(構成7)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含む第1導電層と、
第1磁性層と、
前記第1領域から前記第2領域への第2方向と交差する第1方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1対向磁性層と、
前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
非磁性の第1金属層であって、前記第2領域から前記第1金属層への方向は前記第1方向に沿い、前記第1対向磁性層から前記第1金属層の少なくとも一部への方向は前記第2方向に沿い、前記第1方向及び前記第2方向を含む第1面と交差する第3方向における前記第1金属層の長さは前記第3方向における前記第1領域の長さよりも長い、前記第1金属層と、
を備えた磁気記憶装置。
(構成8)
前記第3方向における前記第1金属層の長さは、前記第3方向における前記第1対向磁性層の長さよりも長い構成7記載の磁気記憶装置。
(構成9)
前記第1金属層は、
第1金属部分と、
前記第1方向において、前記第1導電層と第1金属部分との間に位置する第2金属部分と、
を含み、
前記第3方向における前記第1金属部分の長さは、前記第3方向における前記第2金属部分の長さよりも長い構成7又は8に記載の磁気記憶装置。
(構成10)
前記第1金属層は、第3端部、第4端部、及び中間部分を含み、
前記中間部分は、前記第3方向において、前記第3端部と前記第4端部との間に位置し、
前記第1方向における前記中間部分の長さは、前記第1方向における前記第3端部の長さよりも短く、前記第1方向における前記第4端部の長さよりも短い構成7又は8に記載の磁気記憶装置。
(構成11)
前記第1導電層の一部は、前記第3方向において、前記第3端部の一部と前記第4端部の一部との間に設けられた構成10記載の磁気記憶装置。
(構成12)
前記第1金属層の少なくとも一部は、カーブしている構成1〜11のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成13)
前記第1領域及び第2領域と電気的に接続された制御部をさらに備え、
前記制御部は、少なくとも、前記第1領域から前記第2領域への第1電流を前記導電層に供給する第1動作と、前記第2領域から前記第1領域への第2電流を前記導電層に供給する第2動作と、を実施する構成1〜12のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成14)
前記制御部は、前記第1磁性層とさらに電気的に接続され、
前記制御部は、
前記第1動作において前記第1領域と前記第1磁性層との間の第1電位差を第1電圧とし、
前記第2動作において前記第1電位差を前記第1電圧とし、
前記制御部は、第3動作及び第4動作をさらに実施し、
前記制御部は、
前記第3動作において、前記第1領域と前記第1磁性層との間の第1電位差を前記第1電圧とは異なる第2電圧とし、前記第1電流を前記導電層に供給し、
前記第4動作において、前記第1電位差を前記第2電圧とし、前記第2電流を前記導電層に供給し、
前記第1動作後における前記第1磁性層と前記導電層との間の第1電気抵抗は、前記第2動作後における前記第1磁性層と前記導電層との間の第2電気抵抗とは異なり、
前記第1電気抵抗と前記第2電気抵抗との差の絶対値は、前記第3動作後における前記第1磁性層と前記導電層との間の電気抵抗と、前記第4動作後における前記第1磁性層と前記導電層との間の電気抵抗と、の差の絶対値よりも大きい構成13記載の磁気記憶装置。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶装置に含まれる磁性層、対向磁性層、非磁性層、導電層、金属層、絶縁部、及び絶縁層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示すものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。