JP6970336B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源装置に関し、特に半導体レーザを備える光源装置に関する。
半導体レーザを備えた光源装置の中には、半導体レーザが載置された基板の上面に対して傾斜した反射面を有し、半導体レーザから出射された光を基板の上面に対して略垂直方向に出射する光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光源装置では、傾斜した反射面を有するスペーサの下面に形成された金属膜からなる接合膜、及び基板の上面に形成された金属膜からなる接合膜の間を金属接合材で繋げて、スペーサを基板に取り付けている。
国際公開2016/103547号
特許文献1に記載の光源装置では、接合作業時に、溶融した金属接合材が拡散するのを防ぐため、金属接合材に隣接してバリア層が設けられている。しかし、このバリア層は、スペーサの下面の中央領域にのみに設けられ、スペーサの反射面の下端部には設けられていない。よって、仮に、溶融した金属接合材がスペーサの反射面の下端部にまで達した場合、溶融した金属接合材が反射面上を這い上がったり、スペーサの傾斜面に反射膜が設けられている場合には、溶融した金属接合材が、傾斜面及び反射膜の間に入り込んで濡れ広がる虞がある。その場合には、反射面の機能を阻害することになる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、半導体レーザが載置された基板の上面に対して傾斜した反射面を備えた光源装置であって、高い反射率の反射面を備える光源装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光源装置は、
基板と、
前記基板の上面に載置された半導体レーザと、
前記基板の上面に対向する下面、及び該下面と下端部で繋がり前記基板の上面に対して傾斜した傾斜面を有する側壁部と、
前記傾斜面に形成され、前記半導体レーザから出射された光を反射する反射面を構成する反射膜と、
前記基板の上面及び前記側壁部の下面の間に配置され、溶融接合で前記基板及び前記側壁部を接合する金属接合材と、
前記側壁部の下面及び前記反射面に連続して形成されたバリア層と、
を備える。
上記の態様によれば、半導体レーザが載置された基板の上面に対して傾斜した反射面を備えた光源装置であって、高い反射率の反射面を備える光源装置を提供することができる。
本発明の1つの実施形態に係る光源装置の概要を示す模式的な側面断面図である。 図1のII−II矢視図(平面図)である。 図1のAで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、1つの実施形態に係る光源装置における本発明の第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。 図1のAで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、1つの実施形態に係る光源装置における本発明の第2の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。 1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係る光源装置の概要を示す模式的な側面断面図である。 図6のX−X矢視図(平面図)である。 図6のBで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、その他の実施形態に係る光源装置における第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。 その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。 その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における1つの工程を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための様々な実施形態を説明する。各図面中、同一の機能を有する対応する部材には、同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。第2実施形態(その他の実施形態)以降では第1実施形態(1つの実施形態)と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。
基板が水平面上に載置され、基板が下側、リッドが上側に配置された前提で下記の記載を行う。特に、水平で図面左から右の方向をX軸+方向、垂直で図面下から上方向をY軸+方向として示す。
(1つの実施形態に係る光源装置)
はじめに、図1及び図2を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る光源装置の概要を説明する。図1は、本発明の1つの実施形態に係る光源装置の概要を示す模式的な側面断面図である。図2は、図1のII−II矢視図(平面図)である。
本実施形態に係る光源装置2は、基板4と、基板4の上面に配置された半導体レーザ6と、半導体レーザ6を囲むように形成された側壁部8と、基板4及び側壁部8で囲まれた空間を覆う透光性を有するリッド10とを備える。側壁部8は、基板4の上面4Aに対向する下面8C、及び下面8Cと下端部で繋がり基板4の上面に対して傾斜した内側面である傾斜面8Aを有する。傾斜面8Aには、半導体レーザ6から出射された光をリッド10の方向に反射する(図1の点線の矢印参照)反射面24を構成する反射膜が形成されている。なお、リッド10の方向に反射された光とは、リッドへ向かう垂直上向きのベクトル成分を含む任意の方向に進む反射光を意味する。
側壁部8の上面8Bの全周に渡って、リッド10の下面10Aと気密に接合されている。同様に、側壁部8の下面8Cの全周に渡って、基板4の上面4Aと気密に接合されている。この接合構造により、基板4及び側壁部8から構成されるパッケージに実装された半導体レーザ6を、リッド10により気密に収納することができる。よって、半導体レーザ6を気密に収納して耐久性を高めた、リッド10から光を取り出すことが可能な光源装置2を提供できる。
図2に示すように、パッケージを上方から見た平面視において、パッケージを構成する基板4は略長方形の形状を有し、側壁部8には、基板4とともに、半導体レーザ6が収納される凹部を構成する4つの傾斜面8Aが形成されている。側壁部8の傾斜面8A及び上面8Bの境界となる4つの上辺が略長方形の形状を形成する。同様に、側壁部8の傾斜面8A及び基板4の境界である4つの下辺が略長方形の形状を形成する。よって、基板4及び側壁部8の4つの傾斜面8Aにより、上辺よりも下辺が短い下側が狭まった略四角錐台状の凹部が形成されている。
本実施形態では、側壁部8が半導体レーザ6を囲むように形成され、傾斜面8Aに形成された反射面24が半導体レーザ6を囲むように形成されているので、半導体レーザ6から出射された光を効率的に反射して、光の取り出し効率を高めることができる。また、反射面24を有する側壁部8がパッケージの一部としても機能するため、光源装置2を小型化することができる。
ただし、これに限られるものではなく、後述するように、パッケージの構成部材とは別途に、立ち上げミラーとして機能する側壁部を備えるその他の実施形態に係る光源装置もあり得る(例えば、図6参照)。
本実施形態では、平面視が略長方形の基板4及び側壁部8の4つの傾斜面8Aにより略四角錐状の凹部が形成されているが、これに限られるものではなく、三角錐、五角錐以上の任意の多角錐状の凹部や円錐状の凹部の場合もあり得る。基板4の平面視形状も、正方形、三角形、五角形以上の多角形や円形であってもよい。また、本実施形態では、基板4の外縁側に側壁部8が形成され、基板4の外形と側壁部8の外形が一致しているが、これに限られるものではない。側壁部8が半導体レーザ6を囲むように形成されれば、基板4が側壁部8の外形の更に外側にまで伸びている場合もあり得る。また、1つの基板4に複数の側壁部8が形成されている場合もあり得る。
本実施形態では、基板4及び側壁部8が個別の部材で形成されているので、それぞれの用途に応じた最適な材料を採用することができる。基板4の材料として、本実施形態では、窒化アルミニウムが用いられている。ただし、これに限られるものではなく、アルミナ、アルミナジルコニア、窒化ケイ素、LTCC等のその他のセラミック材料や、樹脂材料、シリコン等の単結晶、絶縁層を備えた金属材料等を用いることもできる。
側壁部8の材料として、本実施形態ではシリコンが用いられている。この場合、傾斜面8Aの角度をシリコンの結晶方位で画定することができるので、正確な傾斜角度を有する反射面を容易に形成することができる。例えば、異方性エッチングで単結晶シリコンの<100>面をエッチングすると、54.7°の角度をもった<111>面が現れ、これを傾斜面8Aとすることができる。
以上のように、本実施形態では、側壁部8がシリコンから構成されるので、高い精度で所望の傾斜角を有する反射面を形成できる。ただし、側壁部8の材料は、シリコンに限られるものではなく、樹脂材料やその他のセラミック材料、絶縁層を備えた金属、ガラス等を用いることもできる。
透光性を有するリッド10の材料として、本実施形態では、透光性を有するガラスが用いられているが、これに限られるものではなく、石英やサファイア等を用いることもできる。
半導体レーザ6として、本実施形態では窒化物半導体レーザが用いられており、発振波長は紫外から緑色が挙げられる。ただし、これに限られるものではなく、赤色や赤外の半導体レーザを用いることもできる。
(第1の実施形態に係る側壁部の接合構造)
次に、図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を説明する。図3は、図1のAで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、1つの実施形態に係る光源装置における本発明の第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。
図3では、図1に比べ、更に、
(1)基板4及び側壁部8を気密に接合するために形成された、バリア層36、第1の接合膜30、第2の接合膜32及び金属接合材34と、
(2)側壁部8の傾斜面8Aを反射面24として機能させるために形成された、金属膜である第1の反射膜20及び誘電体膜である第2の反射膜22と、
(3)側壁部8の上面8B及びリッド10の下面10Aを陽極接合するための接続層12と、
が示されている。
<基板及び側壁部の接合>
本実施形態では、基板4の上面4Aであって側壁部8の下面8Cに対向する領域に、金属膜である第1の接合膜30が形成されている。側壁部8の下面8Cには、金属膜であるバリア層36が形成され、更にバリア層36の上に、金属膜である第2の接合膜32が形成されている。そして、第1の接合膜30及び第2の接合膜32の間を溶融接合する金属接合材34が形成されている。つまり、基板4の上面4Aから側壁部8の下面8Cまで順に(Y軸+方向に)、第1の接合膜30(例えば、Ti/Pt/Au)、金属接合材34(例えば、AuSn)、第2の接合膜32(例えば、Au)及びバリア層36(例えば、Pt/Ti)が配置されている。 これにより、基板4の上面4A及び側壁部8の下面8Cの間に配置された金属接合材34による溶融接合で、基板4及び側壁部8が接合されている。
バリア層36は、側壁部8の下面8C及び反射面24に連続して形成されている。また、本実施形態では、第1の接合膜30、金属接合材34及び第2の接合膜32が、反射面24の下端部Pまで形成されている。つまり、第1の接合膜30、金属接合材34及び第2の接合膜32の反射面側の端部Qの位置が、反射面24の下端部Pの位置とほぼ一致している。
基板4の上面4Aの側壁部8の取り付け領域に形成された第1の接合膜30として、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の何れかを含む膜からなる第1層、及び白金(Pt)を含む膜からなる第2層(第2層がない場合もあり得る)から構成される層と、その上の金(Au)を含む膜からなる第3層(接合層)とで構成された積層膜を例示できる。
側壁部8の下面8Cに形成されたバリア層36としては、側壁部8側から、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の何れかを含む膜からなる第1層(下地層)、及び白金(Pt)を含む膜からなる第2層(遮蔽層)とで構成された積層膜を例示できる。ただし、これに限られるものではなく、例えば、第2層(遮蔽層)として、パラジウム(Pd)を用いることもできる。また、側壁部8側から白金(Pt)、チタン(Ti)で構成された積層膜であってもよい。
バリア層36の上に形成された第2の接合膜32として、金(Au)を含む膜からなる層を例示できる。
なお、これらのバリア層36、第1の接合膜30、第2の接合膜32の厚みとして、それぞれ0.3〜2μm程度を例示することができる。
基板4側に形成された第1の接合膜30及び側壁部8側に形成された第2の接合膜32が、金スズ(AuSn)を含む半田材料から構成される金属接合材34により溶融接合されている。なお、金属接合材34として、スズ(Sn)を用いることもできる。基板4の上面4A及び金属接合材34の間を繋ぐ第1の接合膜30、及び側壁部8の下面8Cに形成されたバリア層36及び金属接合材34の間を繋ぐ第2の接合膜32により、基板4及び側壁部8を強固に接合することができる。これにより、基板4及び側壁部8の長期間安定した強固な接合構造が得られる。
一般的に、光源装置2を二次実装する際に使用されることの多い鉛フリー半田の融点は220℃前後である。金属接合材34が金スズ(AuSn)を含む半田材料から構成される場合には、金属接合材34の融点を、二次実装で用いる半田の融点より高くすることができる。金属接合材34の融点が、二次実装に用いる半田の融点よりも高い場合には、二次実装時に溶融することなく、基板4及び側壁部8の長期間安定した強固な接合構造が得られる。
<反射膜>
側壁部8の傾斜面8Aには、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の何れかを含む膜からなる第1層(第1層が無い場合もありうる)、及び白金(Pt)を含む膜からなる第2層(第2層がない場合もあり得る)から構成される層と、その上の銀(Ag)を含む膜からなる第3層(反射層)とで構成された第1の反射膜(金属膜)20が形成されている。第1の反射膜(金属膜)20の厚みとして、0.3〜2μm程度を例示することができる。
本実施形態では、第1の反射膜(金属膜)20として銀を含む膜が形成されているので、高い反射率の反射面24が得られる。第3層として、銀(Ag)に限られるものではなく、例えば、アルミニウム(Al)を含む金属膜を用いることもできる。
本実施形態では更に、第1の反射膜(金属膜)20の上に、二酸化ケイ素(SiO)や二酸化チタン(TiO)などからなる誘電体膜である第2の反射膜22が形成されている。第2の反射膜(誘電体膜)22は、単層の場合もあり得るし、屈折率の異なる層を積層させた多層膜の場合もあり得る。第2の反射膜(誘電体膜)22は、積層する材料及び膜厚を適切に設定することにより、優れた反射膜として機能させることができる。ここでは、反射膜として機能する第2の反射膜(誘電体膜)22により、反射面24の反射率を効果的に高めることができる。
本実施形態では、反射膜が、第1の反射膜(金属膜)20及び第2の反射膜(誘電体膜)22から形成されている。よって、第2の反射膜(誘電体膜)22の外表面が反射面24を構成している。ただし、これに限られるものではなく、誘電体膜が設けられておらず、金属膜の外表面が反射面を構成する場合もあり得るし、金属膜も設けられておらず、側壁部の傾斜面自体が反射面を構成する場合もあり得る。なお、反射面24にはバリア層36で覆われる領域も含まれるが、バリア層36で覆われていない領域を、以下では反射面24の反射領域と称する。
以上のように、側壁部8の傾斜面8Aに、反射膜として、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)を含む第1の反射膜(金属膜)20及び誘電体膜である第2の反射膜22が設けられているので、高い反射率の反射面24が得られる。
<側壁部及びリッドの接合>
次に、側壁部8の上面8B及びリッド10の下面10Aの接合について説明する。
本実施形態では、スパッタリングや蒸着により、側壁部8の上面8Bに、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成される接続層12を形成し、この接続層12及びリッド10の下面10Aを陽極接合する。なお、接続層12の材料として、アルミニウムやアルミニウム合金の代わりに、チタンまたはチタン合金を用いることもできる。また、上述した金属膜等を成膜することなしに、つまりはシリコン自体を用いることもできる。
陽極接合は、ガラス及び金属またはガラス及びシリコンを接触させて加熱することでガラス内部に存在するイオンを活性化させた後に、金属またはシリコン側、つまりは側壁部8側を陽極として、両者の間に所定の電圧を加えることでイオンを移動させて接合を行うものである。この陽極接合により、ガラスと金属、ガラスとシリコンという大きく性質の異なる材料同士を、半田や接着剤のような介在物を用いることなく接合することができる
以上のように、接続層12及びリッド10が陽極接合で接合されるので、気密性の高い堅固な接続が可能になる。
<バリア層>
次に、図3を参照しながら、バリア層36の機能について説明する。基板4及び側壁部8の接合時に、第1の接合膜30及び第2の接合膜32の間から、溶融金属(金属接合材)34が反射面24の下端部P側に押し出される。もし、バリア層36が存在しない場合には、溶融金属(金属接合材)34が反射面24上を這い上がったり、傾斜面8A及び第1の反射膜(金属膜)20の間に入り込んで濡れ広がる虞がある。この場合には、反射面の機能を阻害することになる。
本実施形態では、側壁部8の下面8C及び反射面24に連続して形成されたバリア層36が備えられている。白金(Pt)等からなるバリア層36は、溶融金属(金属接合材)34が拡散するのを防ぐことができるので、溶融金属(金属接合材)34が反射面24上を這い上がることを防ぐことができる。また、バリア層36が、側壁部8の傾斜面8A及び第1の反射膜(金属膜)20の間を覆っているので、溶融金属(金属接合材)34が傾斜面8A及び第1の反射膜(金属膜)20の間に入り込んで濡れ広がることを防ぐことができる。
更に、熱や電圧をかけると、反射膜20、22の構成金属が金属接合材34側に拡散して接合不具合が生じる場合があり得るが、バリア層36を設けることにより、これを抑制することができる。更には、接合層のAuが反射層Alなどに熱拡散することを抑制することができる。
以上のように、側壁部8の下面8C及び反射面24に連続して形成されたバリア層36を備えることにより、高い反射率を有する反射面24を備えた信頼性の高いコンパクトな光源装置2を提供できる。
特に、バリア層36が白金(Pt)を含むので、溶融金属(金属接合材)34が拡散しにくくなり、溶融金属(金属接合材)34が、反射面24上を這い上がったり、側壁部8の傾斜面8A及び第1の反射膜(金属膜)20の間に侵入することを効果的に防ぐことができる。
図3から明らかなように、本実施形態では、バリア層36が反射面24の下端部Pから所定の距離Lまで形成されている。原則として、反射面24の反射領域は、傾斜面8Aの下端部の近くまでなるべく広く取ることが好ましい。よって、その観点からは、所定の距離Lは短い方が好ましい。一方、溶融金属(金属接合材)34が反射面24上を這い上がるのを防ぐ観点からは、所定の距離Lはある程度の長さを要する。
また、バリア層36の端部の位置はある程度のバラツキがあるので、所定の距離Lを短くすると、側壁部8の傾斜面A及び第1の反射膜(金属膜)20の間がバリア層36で覆れない領域が生じる虞がある。特に、マスクを用いずに、スパッタリング等でバリア層36を形成する場合には、バリア層36の端部の位置のバラツキを十分考慮すべきである。この相反する要件を考慮して適切な所定の距離Lを設定することにより、側壁部8の傾斜面8A及び第1の反射膜(金属膜)20の間を確実にバリア層36で覆うとともに、より広い反射領域を得ることができる。ここで、適切なLの値として、5〜100umを例示することができる。
図5Bを用いて後述するように、適切な条件設定下で、側壁部8の下面8C側からスパッタリングすることにより、マスクを用いることなく、バリア層36を側壁部8の下面8C及び反射面24の下端部Pから所定の距離Lまで連続して形成することができるので、製造コストを低減できる。
更に、本実施形態では、反射面24に形成されたバリア層36の上端の位置が、半導体レーザ6の発光層の下端の位置よりも低くなっている。つまり、図3において、基板4の上面4Aからバリア層36の上端までの距離をH1とし、基板4の上面4Aから半導体レーザ6の発光層の下端までの距離をH2とすると、
H1 < H2
の関係を有する。
これにより、直進性の高い半導体レーザ6からの出射光がバリア層36に当たるのを抑制して、反射面の反射率を高く維持することができる。
また、第1の実施形態に係る側壁部の接合構造では、第1の接合膜30、金属接合材34及び第2の接合膜32の反射面側の端部Qが、反射面24の下端部Pの位置またはその近傍まで達するように形成できるので、コンパクトで堅固な光源装置2を実現できる。
(第2の実施形態に係る側壁部の接合構造の説明)
次に、図4を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る側壁部の接合構造を説明する。図4は、図1のAで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、1つの実施形態に係る光源装置における本発明の第2の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。
第2の実施形態でも、上記の第1の実施形態と同様に、基板4の上面4Aから側壁部8の下面8Cまで順に(Y軸+方向に)、第1の接合膜30、金属接合材34、第2の接合膜32及びバリア層36が備えられている。これにより、基板4の上面4A及び側壁部8の下面8Cの間に配置された金属接合材34による溶融接合で、基板4及び側壁部8が接合されている。また、バリア層36の配置についても、上記の第1の実施形態と同様である。
一方、第2の実施形態では、第1の接合膜30、金属接合材34及び第2の接合膜32が、反射面24の下端部Pまで形成されておらず、第1の接合膜30、金属接合材34及び第2の接合膜32の反射面側の端部Qの位置が、反射面24の下端部Pの位置から距離Mだけ離れて形成されている点で、上記の第1の実施形態と異なる。
基板4及び側壁部8の接合時に、第1の接合膜30及び第2の接合膜32の間から、溶融金属(金属接合材)34が反射面24の下端部P側に押し出されるが、反射面24の下端部Pに達するまでに距離Mを有するので、白金(Pt)を含むバリア層36により、溶融金属(金属接合材)34の拡散を効果的に抑制することができる。
なお、押し出された溶融金属(金属接合材)34は、白金(Pt)を含むバリア層36により完全に弾かれることがない。よって、溶融金属(金属接合材)34が、側壁部8の下面8Cのバリア層36上を徐々に広がっていくと考えられ、これにより所謂半田ボールが生じるのを抑制することができる。
本実施形態では、側壁部8の上面8Bに接続層12は形成されておらず、側壁部(シリコン)8の上面8B及びリッド(ガラス)10の下面10Aが直接陽極接合されている。
その他については、上記の第1の実施形態に係る側壁部の接合構造とほぼ同様なので、更なる説明は省略する。
(1つの実施形態に係る光源装置の製造方法)
次に、図5A〜図5Eを参照しながら、上記の1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例を示す。図5A〜図5Eは、1つの実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における各工程を示す模式図である。図5A〜図5Eでは、図3に示す第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を有する場合を例にとって説明するが、図4に示す第2の実施形態に係る側壁部の接合構造の場合も同様である。
なお、バリア層36を形成するためのスパッタリングの方向を示すため、図5Bにだけ、スパッタリングのためのターゲット(積層材料)60が図示されている。図示はされていない他の工程においても、同様なターゲットを用いて、スパッタリングを行うことができる。
図5Aに示すように、窒化アルミニウムからなる基板にパターニング等で配線層が形成された、半導体レーザの正極及び負極と電気的に繋がる配線層を有する基板4を準備する。そして、基板4の上面4Aの側壁部8の取り付け領域を除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、チタン(Ti)等を含む膜からなる第1層を形成し、その上に白金(Pt)を含む膜からなる第2層を積層し、その上に金(Au)を含む膜からなる第3層を積層する。これにより、第1層及び第2層からなる層と、接合層である第3層とから構成される第1の接合膜30を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第2層の層を形成せず、スパッタリングまたは蒸着により、金(Au)を含む膜からなる第3層だけを第1層上に形成することもできる。また、形成方法も、スパッタリングや蒸着だけではなく、メッキや印刷などの方法も使用することができる。
次に、図5Bに示すように、シリコンの異方性エッチングにより、傾斜した傾斜面8Aを有する側壁部8を準備する。なお、傾斜面は異方性エッチング以外の方法によって形成されていてもよい。そして、側壁部8の傾斜面8Aを除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、チタン(Ti)等を含む膜からなる第1層を形成し、その上に白金(Pt)を含む膜からなる第2層を積層し、その上に銀(Ag)を含む膜からなる第3層を積層する。これにより、第1層及び第2層からなる層と、反射層である第3層とから構成される第1の反射膜(金属膜)20を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第2層の層を形成せず、スパッタリングまたは蒸着により、銀(Ag)を含む膜からなる第3層だけを第1層上に形成することもできる。
更に、スパッタリングまたは蒸着で、第1の反射膜(金属膜)20の上に誘電体膜を形成する。これにより、側壁部8の傾斜面8Aに形成された第1の反射膜(金属膜)20の上に反射率を向上させる第2の反射膜(誘電体膜)22を形成することができる。
これに引き続いて、上記のマスクを除去し、図5Bに示すように、白金(Pt)を含むスパッタリングのターゲット(積層材料)60を側壁部8の下面8Cの下方に配置して、側壁部8の下面8C側からスパッタリングを行う。
この場合、適切なスパッタリングの条件を設定することにより、マスクを用いることなく、バリア層36を側壁部8の下面8C及び反射面24の下端部Pから所定の距離まで連続して形成することができる。これにより、製造コストの低減に寄与できる。
ただし、これに限られるものではなく、バリア層36を形成する領域以外の領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着により、白金(Pt)を含むバリア層36を形成することもできる。上記のように、側壁部8側から、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の何れかを含む膜からなる第1層(下地層)、及び白金(Pt)を含む膜からなる第2層(遮蔽層)とで構成された積層膜を形成することもできるし、側壁部8側から白金(Pt)、チタン(Ti)で構成された積層膜を形成することもできる。また、第2層(遮蔽層)として、パラジウム(Pd)を用いることもできる。
次に、図5Cに示すように、側壁部8の下面8Cを除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、金(Au)を含む膜からなる層を形成する。これにより、側壁部8の下面8Cに形成されたバリア層36の上に、接合層である第2の接合膜32を形成することができる。
更に、側壁部8の上面8Bの接続層12の形成領域を除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成される接続層12を形成する。これにより、側壁部8の上面8Bに接続層12を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第1の接合膜30、第2の接合膜32の製造プロセスと同様に、第1層を側壁部8の上面8Bに形成した後、その上に接続層12を形成することもできる。
更に、図5Cに示すように、ガラスからなるリッド10を準備し、側壁部8に形成された接続層12の上面12A及びリッド10の下面10Aを接触させた状態で加熱し、接続層12側を陽極として、両者の間に所定の電圧を加えることにより、陽極接合を行う。これにより、接続層12及びリッド10の気密性の高い接合構造が得られる。
なお、図5A〜図5Eでは、1つの光源装置の製造方法を示しているが、基板4や側壁部8が複数連結された状態で製造し、適当なところで分割してもよい。これにより複数の光源装置を効率よく製造することができる。この場合、図5Aに示すように、基板4の上面4Aの端部から一定の範囲で第1の接合膜30が形成されていない領域が設けられている。同様に、図5Cに示すように、側壁部8の下面8Cの端部から一定の範囲でバリア層36や第2の接合膜32が形成されていない領域が設けられ、側壁部8の上面8Bの端部から一定の範囲で接続層12が形成されていない領域が設けられている。これは、後の個片化の工程で、ダイシング等により金属パターンである第1の接合膜30、第2の接合膜32、バリア層36、接続層12等が損傷するのを防ぐために設けられている。
次に、図5Dに示すように、このパッケージの基板4上に半導体レーザ6を実装する。実装方法の一例として、半導体レーザ6の底面側のn電極及び基板4に設けられた配線層をバンプ等の接合部材を介して接合し、半導体レーザ6の上面側のp電極及び基板4に設けられた配線層をワイヤボンディングすることが挙げられる。また、他の一例としては、同一面側にn電極及びp電極を有する半導体レーザ6を用いて、n電極及びp電極の双方と配線層とを接合部材を介して接合してもよい。
また、半導体レーザ6は、サブマウントを介して基板4上に実装することもできる。サブマウントは、典型的には、電気絶縁性が高く、熱伝導率の高い材質である。例えば、窒化アルミニウムや炭化ケイ素が挙げられる。
次に、図5Eに示すように、基板4に形成された第1の接合膜30の接合面、及び側壁部8の下面に形成された第2の接合膜32の接合面の間を、例えば、錫(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)等からなる金属接合材34を用いて、溶融接合で接合する。これにより、金属接合材34による、基板4及び側壁部8の気密性の高い接合構造が得られる。ただし、金属接合材34を用いた接合プロセスだけでなく、例えば、第1の接合膜30の接合面及び第2の接合膜32の接合面を加熱、加圧することにより、固相拡散接合で接合することもできる。
以上のような製造プロセスにより、図1に示すような、半導体レーザ6がパッケージ内に気密に収納された光源装置2を製造することができる。
なお、図5Dに示す工程は、図5Aに示す工程の後であって、図5Eに示す工程の前であれば、図5B、Cの工程とは個別に、任意のタイミングで行うことができる。更に、上記の製造プロセスの各工程の順番は任意に変更することができる。このとき、後の工程により先の工程の材料が溶融しないようにするため、融点の高いものを先につけるように各工程の順番を定めるのが好ましい。
上記の実施形態では、陽極接合を用いて、接続層12及びリッド10を接合しているが、これに限られるものではなく、溶接、半田付け、接着をはじめとするその他の接合手段を用いることもできる。この場合には、接続層12の材料として、アルミニウムやチタン以外の金属材料や、樹脂材料、セラミック材料等を用いることもできる。
また、半導体レーザ6が収納される凹部内に、フォトダイオードやツェナーダイオードが収納されていてもよい。
(その他の実施形態に係る光源装置)
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明のその他の実施形態に係る光源装置の概要を説明する。図6は、本発明のその他の実施形態に係る光源装置の概要を示す模式的な側面断面図である。図7は、図6のVII−VII矢視図(平面図)である。
その他の実施形態に係る光源装置2’では、側壁部8’が半導体レーザ6を囲むように形成されておらず、図7に示す平面視において、半導体レーザ6の出射面と対向する一面側にだけ設けられている点で、上記の1つの実施形態に係る光源装置2とは異なる。つまり、側壁部8’が、パッケージの構成部材とは個別の立ち上げミラーとして形成されている。
本実施形態に係る光源装置2’では、パッケージ部材40が半導体レーザ6を囲むように形成されており、基板4及びパッケージ部材40で、半導体レーザ6及び側壁部8’を囲む空間を形成している。図6では、この空間を覆うリッドが示されていないが、上記の実施形態と同様に、空間を気密に覆うリッドを備えることもできるし、パッケージ部材40の上側にロッドインテグラのような光学部材を取り付けることもできる。
基板4への実装時に、側壁部8’の上面をコレットで吸引する場合を考慮すると、側壁部8’の上面はある程度の大きさを有することが好ましい。一方、平面視における光源装置2’の小型化の観点からは、側壁部8’の上面は小さい方が好ましい。よって、これら相反する事項のバランスを考慮して、側壁部8’の最適な形状を定めることが好ましい。
また、平面視における光源装置2’の小型化の観点から、パッケージ部材40は、垂直な側面を有することが好ましい。
基板4の材料として、本実施形態では、窒化アルミニウム、アルミナ、アルミナジルコニア、窒化ケイ素、LTCC等のセラミック材料が用いられている。ただし、これに限られるものではなく、樹脂材料、シリコン等の単結晶、絶縁層を備えた金属材料等を用いることもできる。
側壁部8’の材料として、本実施形態ではガラスが用いられている。この場合、基板4の上面4Aに対して45°傾斜した傾斜面8A’及び反射面24’を得ることもできる。この場合には、半導体レーザ6’から出射された光を略直交する方向へ反射させることができる。ただし、側壁部8’の材料として、ガラスに限られるものではなく、上記のようなシリコンや、樹脂材料やその他のセラミック材料等を用いることもできる。
パッケージ部材40の材料として、本実施形態では、窒化アルミニウム、アルミナ、アルミナジルコニア、窒化ケイ素等のセラミック材料が用いられている。ただしこれに限られるものではなく、シリコン等の単結晶、樹脂材料等を用いることもできる。なお、パッケージ部材40及び基板4の熱棒膨張係数を合わせるため、パッケージ部材40及び基板4で同様な材料を用いることも好ましい。また、セラミック材料等を用いて、パッケージ部材40及び基板4を一体的に形成することもできる。
(第1の実施形態に係る側壁部の接合構造)
次に、図8を参照しながら、その他の実施形態に係る光源装置における第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を説明する。図8は、図6のBで示す領域を拡大して示した側面断面図であって、その他の実施形態に係る光源装置における第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を示す図である。
基板4及び側壁部8’の接合構造は、上記の図3に示す場合と同様であり、側壁部8’の下面8C’に形成されたバリア層36’の上に第2の接合膜32’が形成されている。そして、基板4の上面4Aに形成された第1の接合膜30’と、第2の接合膜32’との間を金属接合材34’で接合している。更に、バリア層36’、第1の接合膜30’、第2の接合膜32’及び金属接合材34’の詳細については、上記の1つの実施形態に係る光源装置の場合と同様なので、更なる説明は省略する。
側壁部8’の傾斜した傾斜面8A’には、第1の反射膜(金属膜)20’及び第2の反射膜(誘電体膜)22’が形成され、高い反射率の反射面24’を有している。第1の反射膜(金属膜)20’及び第2の反射膜(誘電体膜)22’ の詳細については、上記の1つの実施形態に係る光源装置の場合と同様なので、更なる説明は省略する。
基板4及びパッケージ部材40の接合構造は、基板4の上面4Aに形成された接合膜50と、パッケージ部材40の下面40Cに形成された接合膜52との間を金属接合材54で接合している。接合膜50、接合膜52及び金属接合材54の詳細については、上記の基板4及び側壁部8’の接合構造における第1の接合膜30’、第2の接合膜32’及び金属接合材34’と同様なので、更なる説明は省略する。
その他の実施形態に係る光源装置における第1の実施形態に係る側壁部の接合構造も、上記の1つの実施形態に係る光源装置における第1の実施形態に係る側壁部の接合構造と同様な作用効果を奏する。
つまり、 側壁部8’の下面8C’及び反射面24’に連続して形成されたバリア層36’を備えることにより、高い反射率を有する反射面24’を備えた信頼性の高いコンパクトな光源装置2’を提供できる。特に、バリア層36’が白金(Pt)を含むので、溶融金属(金属接合材)34’が拡散しにくく、側壁部8’の傾斜面8A’及び第1の反射膜(金属膜)20’の間に溶融金属(金属接合材)34’が侵入することを防止することができる。
また、適切な所定の距離L’を設定することにより、側壁部8’の傾斜面8A’及び第1の反射膜(金属膜)20’の間を確実にバリア層36’で覆うとともに、より広い反射領域が得られる。更に、反射面24’に形成されたバリア層36’の上端の位置が、半導体レーザ6の発光層の下端の位置よりも低くなっているので、直進性の高い半導体レーザ6からの出射光がバリア層36’に当たるのを抑制して、反射面24’の反射率を高く維持することができる。また、第1の接合膜30’、金属接合材34’及び第2の接合膜32’の反射面側の端部Q’が、反射面24’の下端部P’の位置またはその近傍まで達するように形成できるので、コンパクトで堅固な光源装置2’を実現できる。
なお、その他の実施形態に係る光源装置においても、図4に示すような第2の実施形態に係る側壁部の接合構造、つまり、第1の接合膜30’、金属接合材34’及び第2の接合膜32’の反射面側の端部Q’の位置が、反射面24’の下端部P’の位置から所定の距離だけ離れた構造を採用することができ、同様な作用効果を得ることができる。
つまり、基板4及び側壁部8’の接合時に、第1の接合膜30’及び第2の接合膜32’の間から、溶融金属(金属接合材)34’が反射面の下端部P’側に押し出されるが、反射面の下端部P’にまで達するまでに所定の距離を有するので、白金(Pt)を含むバリア層36’により、溶融金属(金属接合材)34’の拡散を効果的に抑制することができる。更に、押し出された溶融金属(金属接合材)34’は、白金(Pt)を含むバリア層36’により完全に弾かれることがないので、溶融金属(金属接合材)34’が、側壁部8’の下面8C’のバリア層36’上を徐々に広がっていって、所謂半田ボールが生じるのを抑制することができる。
(その他の実施形態に係る光源装置の製造方法)
次に、図9A〜図9Eを参照しながら、その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例を示す。図9A〜図9Eは、その他の実施形態に係る光源装置の製造方法の一例における各工程を示す模式図である。図9A〜図9Eでは、図8に示す第1の実施形態に係る側壁部の接合構造を有する場合を例にとって説明するが、第2の実施形態に係る側壁部の接合構造の場合も同様である。
図9Aに示すように、窒化アルミニウム等のセラミック材料からなる基板にパターニングして、半導体レーザの正極及び負極と電気的に繋がる配線層を有する基板4を準備する。なお、配線層が形成されている基板4を購入して使用してもよい。そして、基板4の上面4Aの側壁部8’の取り付け領域及びパッケージ部材40の取り付け領域を除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、チタン(Ti)等を含む膜からなる第1層を形成し、その上に白金(Pt)を含む膜からなる第2層を積層し、その上に金(Au)を含む膜からなる第3層を積層する。これにより、第1層及び第2層からなる層と、接合層である第3層とから構成される第1の接合膜30’及び接合膜50を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第2層の層を形成せず、スパッタリングまたは蒸着により、金(Au)を含む膜からなる第3層だけを第1層上に形成することもできる。
次に、図9Bに示すように、中央が開口した窒化アルミニウム等のセラミック材料からなるパッケージ部材40を準備する。なお、所定の形状を有するパッケージ部材40を購入して使用してもよい。そして、パッケージ部材40の下面40Cを除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、チタン(Ti)等を含む膜からなる第1層を形成し、その上に白金(Pt)を含む膜からなる第2層を積層し、その上に金(Au)を含む膜からなる第3層を積層する。これにより、パッケージ部材40の下面40Cに、第1層及び第2層からなる層と、接合層である3層とから構成される接合膜52を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第2層の層を形成せず、スパッタリングまたは蒸着により、金(Au)を含む膜からなる第3層だけを第1層上に形成することもできる。
次に、図9Cに示すように、傾斜した傾斜面8A’を有するガラスからなる側壁部8’を準備する。なお、傾斜した傾斜面が形成された側壁部を購入して使用してもよい。そして、側壁部8’の傾斜面8A’を除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、チタン(Ti)等を含む膜からなる第1層を形成し、その上に白金(Pt)を含む膜からなる第2層を積層し、その上に銀(Ag)を含む膜からなる第3層を積層する。これにより、第1層及び第2層からなる層と、反射層である第3層とから構成される第1の反射膜(金属膜)20’を形成することができる。
ただし、上記のプロセスに限られるものではなく、第2層の層を形成せず、スパッタリングまたは蒸着により、銀(Ag)を含む膜からなる第3層だけを第1層上に形成することもできる。
更に、スパッタリングまたは蒸着で、第1の反射膜(金属膜)20’上に誘電体膜を形成する。これにより、側壁部8’の傾斜面8A’に形成された第1の反射膜(金属膜)20’に反射率を向上させる第2の反射膜(誘電体膜)22’を形成することができる。
これに引き続いて、上記のマスクを除去し、図9Cに示すように、白金(Pt)を含むスパッタリングのターゲット(積層材料)60’を側壁部8’の下面8C’の下方に配置して、側壁部8’の下面8C’からスパッタリングを行う。
このとき、適切なスパッタリングの条件を設定することにより、マスクを用いることなく、バリア層36’を側壁部8’の下面8C’及び反射面24’の下端部P’から所定の距離まで連続して形成することができる。これにより、製造コストの低減に寄与できる。
ただし、これに限られるものではなく、バリア層36’を形成する領域以外の領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着により、白金(Pt)を含むバリア層36’を形成することもできる。上記のように、側壁部8’側から、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の何れかを含む膜からなる第1層(下地層)、及び白金(Pt)を含む膜からなる第2層(遮蔽層)とで構成された積層膜を形成することもできるし、側壁部8’側から白金(Pt)、チタン(Ti)で構成された積層膜を形成することもできる。また、第2層(遮蔽層)として、パラジウム(Pd)を用いることもできる。
次に、図9Dに示すように、側壁部8’の下面8C’を除く領域にマスクを施して、スパッタリングまたは蒸着で、金(Au)を含む膜からなる層を形成する。これにより、側壁部8’の下面8C’に形成されたバリア層36’上に、接合層である第2の接合膜32’を形成することができる。
なお、図9A〜図9Eでは、1つの光源装置の製造方法を示しているが、基板4やパッケージ部材40が複数連結された状態で製造し、適当なところで分割してもよい。同様に、複数連結された状態で側壁部8’を製造した後、個々に分割してもよい。これにより複数の光源装置や側壁部8’を効率よく製造することができる。この場合、図9Aに示すように、基板4の上面4Aの端部から一定の範囲で接合膜50が形成されていない領域が設けられている。同様に、図9Bに示すように、パッケージ部材40の下面40Cの端部から一定の範囲で、接合膜52が形成されていない領域が設けられている。図9Dに示すように、側壁部8’の下面8C’の端部から一定の範囲で、バリア層36’や第2の接合膜32’が形成されていない領域が設けられている。これは、後の個片化の工程で、ダイシング等により金属パターンである接合膜50、接合膜52、バリア層36’、第2の接合膜32’等が損傷するのを防ぐために設けられている。
次に、図9Eに示すように、基板4の上面4Aに形成された第1の接合膜30’及び側壁部8’の下面8C’に形成された第2の接合膜32’の間、並びに基板4の上面4Aに形成された接合膜50及びパッケージ部材40の下面40Cに形成された接合膜52の間を、例えば、錫(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)からなる金属接合材を用いて、溶融接合で接合する。これにより、金属接合材による、基板4及び側壁部8’ 並びに基板4及びパッケージ部材40の強固な接合構造が得られる。そして、半導体レーザ6を基板4の上面4Aに実装する。なお、半導体レーザ6の実装方法は、上記の1つの光源装置2の製造方法と同様なので、更なる説明は省略する。
基板4の上面4Aに、側壁部8’、パッケージ部材40を取り付け、半導体レーザ6を実装する工程を、同時に行うこともできるし、側壁部8’ 及びパッケージ部材40を先に基板4に取り付け、その後、半導体レーザ6を実装することもできる。上側に取り付けるリッドや光学部材の取り付けを含め、最適な手順で取り付け、実装を行うことが好ましい。
以上のような製造プロセスにより、図6から図8に示すような、半導体レーザ6及び立ち上げミラーとして機能する側壁部8’を備えた光源装置2’を製造することができる。
なお、上記の製造プロセスの各工程の順番は任意に変更することができる。このとき、後の工程により先の工程の材料が溶融しないようにするため、融点の高いものを先につけるように各工程の順番を定めるのが好ましい。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
2、2’ 光源装置
4 基板
4A 上面
6 半導体レーザ
8、8’ 側壁部
8A、8A’ 傾斜面
8B、8B’ 上面
8C、8C’ 下面
10 リッド
10A 下面
10B 上面
12 接続層
12A 上面
20、20’ 第1の反射膜(金属膜)
22、22’ 第2の反射膜(誘電体膜)
24、24’ 反射面
30、30’ 第1の接合膜
32、32’ 第2の接合膜
34、34’ 金属接合材
36、36’ バリア層
40 パッケージ部材
40A 側面
40B 上面
40C 下面
50 接合膜
52 接合膜
54 金属接合材
60、60’ スパッタリングのターゲット(積層材料)
P、P’ 反射面の下端部
Q、Q’ 接合膜、金属接合材の端部(端面)

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の上面に載置された半導体レーザと、
    前記基板の上面に対向する下面、及び該下面と下端部で繋がり前記基板の上面に対して傾斜した傾斜面を有する側壁部と、
    前記傾斜面に形成され、前記半導体レーザから出射された光を反射する反射面を構成する反射膜と、
    前記基板の上面及び前記側壁部の下面の間に配置され、溶融接合で前記基板及び前記側壁部を接合する金属接合材と、
    前記側壁部の下面及び前記反射面に連続して形成されたバリア層と、
    を備え
    前記傾斜面の下端において、前記バリア層が前記傾斜面及び前記反射膜の間を覆うことを特徴とする光源装置。
  2. 基板と、
    前記基板の上面に載置された半導体レーザと、
    前記基板の上面に対向する下面、及び該下面と下端部で繋がり前記基板の上面に対して傾斜した傾斜面を有する側壁部と、
    前記傾斜面に形成され、前記半導体レーザから出射された光を反射する反射面を構成する反射膜と、
    前記基板の上面及び前記側壁部の下面の間に配置され、溶融接合で前記基板及び前記側壁部を接合する金属接合材と、
    前記側壁部の下面及び前記反射面に連続して形成されたバリア層と、
    を備え
    前記バリア層が前記反射面の下端部から所定の距離まで形成され、
    前記反射面に形成された前記バリア層の上端の位置が、前記半導体レーザの発光層の下端の位置よりも低いことを特徴とする光源装置。
  3. 前記バリア層が前記反射面の下端部から所定の距離まで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記バリア層が白金(Pt)を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光源装置。
  5. 前記金属接合材が、金スズ(AuSn)から構成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光源装置。
  6. 前記金属接合材の融点が、二次実装に用いる半田の融点よりも高いことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光源装置。
  7. 前記反射膜が、銀またはアルミニウム(Al)を含む金属膜及び誘電体膜から形成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光源装置。
  8. 前記基板の上面及び前記金属接合材の間を繋ぐ第1の接合膜と、前記バリア層及び前記金属接合材の間を繋ぐ第2の接合膜とを備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の光源装置。
  9. 前記側壁部が前記半導体レーザを囲むように形成され、前記反射面が前記半導体レーザを囲むように形成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の光源装置。
  10. 前記基板及び前記側壁部で囲まれた空間を気密に覆う透光性を有するリッドを更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
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