JP6965934B2 - 回転電機用電機子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸方向に延びるスロットが周方向に複数配置された円筒状の電機子コアと、前記電機子コアに巻装されたコイルと、を備えた回転電機用電機子の製造方法に関する。
回転電機用電機子のコイルを、複数のセグメント導体を接合して構成する技術が既に知られている。例えば、下記の特許文献1には、電機子コア(ステータコア14)の軸方向の一方側に配置される第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)と、電機子コア(ステータコア14)の軸方向の他方側に配置される第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)とを接合して構成されたコイルを備えた回転電機用電機子(ステータ10)が開示されている。特許文献1の回転電機用電機子(ステータ10)においては、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)の導体辺部(一方側脚部32,33)の先端部には、凸部(凸部60)が形成され、第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)の導体辺部(他方側脚部40,41)の先端部には、凹部(凹部62)が形成されている。そして、凸部(凸部60)と凹部(凹部62)とが係合した状態で、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)と第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)とを、軸方向の両側から押圧しつつ加熱することによって互いに接合している。
特許文献1では、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)の導体辺部(一方側脚部32,33)と、第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)の導体辺部(他方側脚部40,41)とが、軸方向の両側からスロット(スロット12,13)に挿入される。このとき、導体辺部(脚部32,33,40,41)の厚み(軸方向に直交する方向の長さ)は比較的小さく、また、セグメント導体の成形誤差もあるため、軸方向に対向する導体辺部(脚部32,33,40,41)同士の位置決めが難しい。よって、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)と第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)とを適切に接合することが難しいという課題があった。
特開2015−023771号公報(段落0033、第8図)
そこで、セグメント導体同士を適切に接合することが容易に行える技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、回転電機用電機子の製造方法の特徴構成は、
軸方向に延びると共に径方向に開口する径方向開口部を有するスロットが周方向に複数配置された円筒状の電機子コアと、複数のセグメント導体を接合して構成されて前記電機子コアに巻装されたコイルと、を備えた回転電機用電機子の製造方法であって、
前記軸方向に沿って延在する導体辺部と、前記電機子コアにおける前記軸方向の外側において前記導体辺部に接続されている渡り部とを有し、対向面を有する接合部が前記導体辺部に設けられている、前記セグメント導体を複数準備すると共に、前記電機子コアを準備する準備工程と、
最も前記径方向開口部側の前記導体辺部の前記径方向の位置に応じて配置される規制面を有し、当該規制面により前記導体辺部の前記径方向の移動を規制する規制部材を配置する規制部材配置工程と、
複数の前記セグメント導体のうち、前記電機子コアに対して前記渡り部が前記軸方向の一方側に配置される前記セグメント導体を第1セグメント導体とし、前記電機子コアに対して前記渡り部が前記軸方向の他方側に配置される前記セグメント導体を第2セグメント導体として、前記第1セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面と、前記第2セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面とが対向するように、前記第1セグメント導体の前記導体辺部と前記第2セグメント導体の前記導体辺部との少なくとも一方を、前記規制部材配置工程の後に、前記スロット内に挿入する挿入工程と、
前記第1セグメント導体の前記接合部と前記第2セグメント導体の前記接合部とを接合する接合工程と、を備え、
前記挿入工程では、前記第1セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面と、前記第2セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面とが対向するまでの間、前記規制部材の前記規制面により前記導体辺部の前記径方向の移動を規制する点にある。
この特徴構成によれば、規制部材配置工程(S16)で予め配置された規制部材(10)によって、挿入工程(S17)を実行する際に第1セグメント導体(5)の導体辺部(41)と第2セグメント導体(6)の導体辺部(41)とが、径方向(R)に移動することが規制される。そのため、第1セグメント導体(5)の対向面(44)と第2セグメント導体(6)の対向面(44)とを対向させ易い。したがって、セグメント導体(4)同士を適切に接合することが容易に行える。
第1の実施形態に係る回転電機用電機子の一部の径方向に沿った断面図 第1の実施形態に係る回転電機用電機子の一部の軸方向に沿った断面図 一対のセグメント導体を示す図 第2の実施形態に係る回転電機用電機子の一部の軸方向に沿った断面図 参考形態に係る回転電機用電機子の製造方法を示すフローチャート 配置工程を示す図 押圧工程を示す図 第3の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る規制工程を示す図 第3の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態を示すフローチャート 第3の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る規制工程を示す図 第4の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る押圧工程を示す図 第5の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る押圧工程を示す図 第5の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る押圧工程を示す図 第6の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法の参考形態に係る押圧工程を示す図 第7の実施形態に係る回転電機用電機子の製造方法を示すフローチャート 第7の実施形態に係る挿入工程を示す図 規制面移動工程を示す図 第8の実施形態に係る挿入工程を示す図 別の実施形態に係る回転電機用電機子の一部の径方向に沿った断面図 更に別の実施形態に係る回転電機用電機子の一部の径方向に沿った断面図 互いに径方向に嵌合する形状を有するセグメント導体の接合部を示す図 互いに軸方向に嵌合する形状を有するセグメント導体の接合部を示す図 別の実施形態に係る一対のセグメント導体のうちの一方を示す図 別の実施形態に係る一対のセグメント導体のうちの他方を示す図
1.第1の実施形態
回転電機用電機子の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、回転電機用電機子を、インナロータ型の回転電機用のステータ1に適用した場合を例として説明する。
なお、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
1−1.ステータの全体構成
以下では、本実施形態に係るステータ1の全体構成について、図1及び2を参照して説明する。図1及び2に示すように、ステータ1は、円筒状のステータコア2と、ステータコア2に巻装されたコイル3とを備えている。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、「径方向R」、「軸方向L」、及び「周方向C」は、後述する円筒状のステータコア2のコア基準面Sを基準として定義している。さらに、「径方向内側R1」は、コア基準面Sの径方向Rの内側を表し、「径方向外側R2」は、コア基準面Sの径方向Rの外側を表す。また、軸方向Lの一方側である「軸方向第1側L1」は、ここでは図2における軸方向Lの上側を表し、軸方向Lの他方側である「軸方向第2側L2」は、ここでは図2における軸方向Lの下側を表す。
また、以下の説明では、コイル3がステータコア2に巻装された状態(図1及び2参照)を想定して、それ以外の状態においても、径方向R、軸方向L、及び周方向Cの各方向を用いて説明する。
ステータコア2は、磁性材料を用いて形成されており、「電機子コア」として機能する。本実施形態では、ステータコア2は、円環板状の電磁鋼板を軸方向Lに複数枚積層した積層構造体である。ステータコア2には、軸方向Lに沿って延びるスロット21が周方向Cに複数分散配置されている。複数のスロット21は、周方向Cに沿って一定間隔で配置されている。周方向Cに隣接する2つのスロット21の間には、ティース22が形成されている。
ここで、上述した円筒状のステータコア2の「コア基準面」は、スロット21の配置や構成に関して基準となる仮想面である。本実施形態では、図1に示すように、複数のティース22における径方向内側R1の端面を含む円筒状の仮想面(コア内周面)を、コア基準面Sとしている。なお、ステータコア2の外周面をコア基準面Sとしても良い。
スロット21は、ステータコア2を軸方向Lに貫通するように形成されている。本実施形態では、スロット21は、軸方向Lに平行に延びると共に、その周方向Cの中央部を結ぶ仮想線(すなわち、幅方向中心線)が径方向Rに平行に延びるように形成されている。スロット21は、径方向Rに開口する径方向開口部21aを有している。本実施形態では、径方向開口部21aは、径方向内側R1に向けて開口している。
図示は省略するが、ステータ1(ステータコア2)の径方向内側R1には、永久磁石又は電磁石を備えた界磁としてのロータが、ステータ1に対して相対回転可能に配置され、ステータ1から発生する回転磁界により回転する。つまり、本実施形態に係るステータ1は、インナロータ型であって回転界磁型の回転電機用のステータである。
1−2.コイルの構成
以下では、コイル3の構成について、図1〜3を参照して詳細に説明する。図1及び2に示すように、コイル3は、後述する導体辺部41が径方向Rにn個配列されたn層巻構造である。ここで、nは2以上の整数(例えば、2以上10以下の整数。特に2以上の偶数が望ましい。)であり、回転電機に要求されるトルクや許容される逆起電力の大きさ等に応じて設定される。本実施形態では、コイル3は、8層巻構造である。また、コイル3は、各スロット21において導体辺部41が周方向Cに少なくとも1個配置された構造を有している。本実施形態では、導体辺部41が周方向Cに1個配置されている。つまり、本実施形態では、各スロット21内に、8本の導体辺部41が径方向Rに積み重なるように、1列に整列配置されている。なお、図示は省略するが、コイル3とステータコア2との間の電気的な絶縁性を確保するために、シート状の絶縁部材がコイル3とスロット21の内壁面との間に介装されている。
コイル3は、複数のセグメント導体4を順次接合して構成されている。セグメント導体4は、延在方向に直交する面における断面形状が、例えば矩形状の線状導体で構成されている。なお、線状導体の矩形状断面の角部には、適宜、C面取りやR面取り等の面取り形状が形成されると良い。この線状導体を構成する材料として、例えば、銅、アルミニウム等を採用することができる。また、線状導体の表面は、異なる部材間の電気的な接続箇所(後述する接合部43の形成箇所等)を除き、樹脂等(例えば、ポリイミド等)からなる絶縁皮膜により被覆されている。
ここで、図3を用いて、セグメント導体4の構成について説明する。図3は、径方向R視、軸方向L視、及び周方向C視における、互いに接合される一対のセグメント導体4を示す図である。図3の左下、上、及び右には、それぞれ、径方向R視、軸方向L視、及び周方向C視の一対のセグメント導体4が示されている。
なお、以下の説明では、ステータコア2に対して渡り部42が軸方向第1側L1に配置されたセグメント導体4を第1セグメント導体5とし、ステータコア2に対して渡り部42が軸方向第2側L2に配置されたセグメント導体4を第2セグメント導体6とする。そして、セグメント導体4と記した場合には、第1セグメント導体5及び第2セグメント導体6の双方を区別することなく表すものとする。
図3に示すように、セグメント導体4は、径方向R視でU字状に形成されている。セグメント導体4は、一対の導体辺部41と、一対の導体辺部41を接続する渡り部42とを有している。本実施形態では、一対の導体辺部41の軸方向Lの長さが互いに異なる。そのため、以下の説明では、一対の導体辺部41のうちの一方であって他方よりも軸方向Lの長さが大きい導体辺部41を第1導体辺部411とし、第1導体辺部411よりも軸方向Lの長さが小さい導体辺部41を第2導体辺部412とする。そして、導体辺部41と記した場合には、第1導体辺部411及び第2導体辺部412の双方を区別することなく表すものとする。
導体辺部41は、スロット21と平行に軸方向Lに延在し、その先端部、つまり、導体辺部41における渡り部42との接続部とは反対側の端部には、別の導体辺部41と接合させるための接合部43が形成されている。接合部43の詳細な構成については後述する。
渡り部42は、一対の導体辺部41を接続している。本実施形態では、第1セグメント導体5の渡り部42は、第1セグメント導体5の一対の導体辺部41の軸方向第1側L1の端部同士を接続し、第2セグメント導体6の渡り部42は、第2セグメント導体6の一対の導体辺部41の軸方向第2側L2の端部同士を接続している。つまり、渡り部42は導体辺部41に接続されている。また、渡り部42は周方向Cに延在している。渡り部42には、一対の導体辺部41を径方向Rにオフセットさせるオフセット部421が形成されている。本実施形態では、オフセット部421は、渡り部42における周方向Cの中央部に形成されており、一対の導体辺部41を径方向Rに1層分オフセットさせるように形成されている。このオフセット部421を有することにより、セグメント導体4の一対の導体辺部41同士が、周方向C視で重複せず隣接している。
ここで、「重複する」とは、2つの部材の配置に関して、視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が存在することを指す。
本実施形態では、コイル3は、重ね巻によりステータコア2に巻装されている。そのため、図3に示すように、1つの第1セグメント導体5と、1つの第2セグメント導体6とを抜き出した場合、第1セグメント導体5の第1導体辺部411の接合部43と、第2セグメント導体6の第2導体辺部412の接合部43とが接合されている。そして、第1セグメント導体5の第2導体辺部412と、第2セグメント導体6の第1導体辺部411とが、周方向Cの位置を合わせて配置されていると共に、互いに径方向Rの異なる位置に配置されている。また、第1セグメント導体5の第2導体辺部412の接合部43と、図示しない別の第2セグメント導体6の第1導体辺部411の接合部43とが接合されている。同様に、第2セグメント導体6の第1導体辺部411の接合部43と、図示しない別の第1セグメント導体5の第2導体辺部412の接合部43とが接合されている。
図2に示すように、本実施形態では、導体辺部41は、スロット21内に配置され、渡り部42は、ステータコア2の軸方向Lの外側に配置されている。そして、本実施形態では、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、スロット21内で互いに接合されている。
接合部43は、対向面44を有しており、互いに接合される一対の接合部43の対向面44同士が対向するように形成されている。そして、一対の対向面44同士が対向して接合部43同士が接合された状態で、それらが形成された一対の導体辺部41(第1導体辺部411及び第2導体辺部412)は軸方向Lに沿って直線状に延在するように、接合部43及び対向面44が形成されている。
対向面44は、その全体に亘って、径方向R視で互いに重複する部分がないように形成されている。本実施形態では、対向面44は、導体辺部41の先端部における軸方向端面の全体に亘って形成され、軸方向Lに対して傾斜する方向に延在する平面とされている。また、互いに対向する対向面44の一方は、径方向Rの一方側を向く面のみから構成され、互いに対向する対向面44の他方は、径方向Rの他方側を向く面のみから構成されている。本実施形態では、第1導体辺部411の対向面44は、径方向内側R1を向く面のみから構成され、第2導体辺部412の対向面44は、径方向外側R2を向く面のみから構成されている。ここで、「対向面44が径方向Rの一方側を向く面のみから構成されている」とは、当該対向面44の中に、径方向Rの他方側を向く面がないということである。そして、「径方向Rの他方側を向く面」とは、法線ベクトルが径方向Rの他方側の成分を有している面のことである。また、「対向面44が径方向Rの他方側を向く面のみから構成されている」とは、当該対向面44の中に、径方向Rの一方側を向く面がないということである。そして、「径方向Rの一方側を向く面」とは、法線ベクトルが径方向Rの一方側の成分を有している面のことである。
また、対向面44は、その全体に亘って、周方向C視で互いに重複する部分がないように形成されている。本実施形態では、対向面44は、周方向Cに平行に配置されている。また、対向面44は、その中に軸方向Lに突出又は窪む部分を有しないように形成されている。ここで、「対向面44が軸方向Lに突出又は窪む部分を有しない」とは、対向面44の中に軸方向Lの凹凸がないことであり、対向面44の中に径方向Rや周方向Cの凹凸が形成されていても良い。また、対向面44以外の部分や、対向面44と対向面44以外の部分とによって軸方向Lの凹凸が形成されていても良い。なお、対向面44の中の一部での面の傾斜方向が軸方向の一方側に向かう方向となっており、別の一部での面の傾斜方向が軸方向の他方側に向かう方向となっている場合のように、面の傾斜方向が軸方向Lで反対向きとなる部分がある場合、「対向面44が軸方向Lに突出又は窪む部分を有する」ことになる。
各対向面44は、対向する他の対向面44の形状に適合する形状とされている。本実施形態では、互いに対向する対向面44は、互いに同一の形状を有しており、互いに平行に配置されている。
上記のように構成された対向面44により、一対のセグメント導体4が、互いに接合される接合部43における対向面44の全体で径方向Rの荷重を受け止め可能となっている。一方、上述の特許文献1(特開2015−023771号公報)では、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)の導体辺部(一方側脚部32,33)の先端部に、凸部(凸部60)が形成され、第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)の導体辺部(他方側脚部40,41)の先端部に、凹部(凹部62)が形成されている。そのため、第1セグメント導体(一方側導体セグメント28)及び第2セグメント導体(他方側導体セグメント29,30)は、対向面の比較的狭い範囲でしか径方向の荷重を受け止めることができない構成となっている。
2.第2の実施形態
以下では、回転電機用電機子の第2の実施形態について、図4を用いて説明する。本実施形態では、セグメント導体4における接合部43の対向面44の構成が上記第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
図4に示すように、本実施形態では、対向面44は、導体辺部41の先端部における軸方向端面の全体に亘って形成されており、第1傾斜面441と、第2傾斜面442と、第3傾斜面443とを含んでいる。そして、導体辺部41の軸方向Lにおける先端部から基端部側へ向かうに従って、第1傾斜面441、第2傾斜面442、第3傾斜面443の順に配置されている。なお、本実施形態では、互いに対向する対向面44は、互いに同一の形状を有しており、互いに平行に配置されている。また、本例では、第1傾斜面441と、第2傾斜面442と、第3傾斜面443とは、いずれも周方向Cに平行に配置されている。
第1傾斜面441は、軸方向Lに対して傾斜する方向に沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第1傾斜面441は、導体辺部41の最先端部を含んで形成され、軸方向Lに対して傾斜する方向に延在する平面とされている。
第2傾斜面442は、第1傾斜面441の延在する方向に対して交差する方向に沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第2傾斜面442は、軸方向Lにおける第1傾斜面441と第3傾斜面443との間に配置されている。そして、第2傾斜面442は、第1傾斜面441に連続して形成され、第1傾斜面441と共に径方向Rに突出する凸部を成すようにされている。このため、第2傾斜面442は、第1傾斜面441とは異なる向きで軸方向Lに対して傾斜する方向に延在する平面とされている。また、第2傾斜面442は、軸方向L視で第1傾斜面441と重複するように形成されている。本実施形態では、第2傾斜面442の全体が、軸方向L視で第1傾斜面441と重複している。なお、本例では、第1傾斜面441と第2傾斜面442とは曲面部を介して滑らかに連続している。但しこれに限らず、第1傾斜面441と第2傾斜面442とが角部を介して交差するように連続する構成としても好適である。
第3傾斜面443は、第2傾斜面442の延在する方向に対して交差する方向に沿って延在するように形成されている。本実施形態では、軸方向Lにおける第2傾斜面442よりも基端部側に配置されている。そして、第3傾斜面443は、第2傾斜面442に連続して形成され、第2傾斜面442と共に径方向Rに窪む凹部を成すようにされている。このため、第3傾斜面443は、第2傾斜面442とは異なる向きで軸方向Lに対して傾斜する方向に延在する平面とされている。具体的には、第3傾斜面443は、第1傾斜面441に対して平行な方向に延在する平面とされている。更に、第3傾斜面443の延在方向の長さは、第1傾斜面441の延在方向の長さと同一とされている。なお、本実施形態では、第2傾斜面442と第3傾斜面443とは曲面部を介して滑らかに連続している。但しこれに限らず、第2傾斜面442と第3傾斜面443とが角部を介して交差するように連続する構成としても好適である。
本実施形態では、一対の導体辺部41が接合された状態で、第1導体辺部411の第1傾斜面441と、第2導体辺部412の第3傾斜面443とが対向し、第1導体辺部411の第2傾斜面442と、第2導体辺部412の第2傾斜面442とが対向し、第1導体辺部411の第3傾斜面443と、第2導体辺部412の第1傾斜面441とが対向している。
以上のように、本実施形態では、対向面44は、その全体に亘って、径方向R視及び周方向C視で互いに重複する部分がないように形成されている。また、本実施形態では、第1導体辺部411の対向面44は、径方向内側R1を向く面のみから構成され、第2導体辺部412の対向面44は、径方向外側R2を向く面のみから構成されている。また、本実施形態では、対向面44は、その中に軸方向Lに突出又は窪む部分を有しないように形成されている。
3.回転電機用電機子の製造方法の参考形態
以下では、回転電機用電機子の製造方法の参考形態である、ステータ1の製造工程S1について、図5〜7を参照して説明する。なお、本参考形態に係る製造工程S1において製造するステータ1は、上記第2の実施形態に係るもの(図4参照)である。
図5に示すように、本参考形態に係る製造工程S1は、準備工程S10と、接合材配置工程S11と、配置工程S12と、押圧工程S13と、接合工程S14とを備えている。
準備工程S10は、コイル3を構成する複数のセグメント導体4と、ステータコア2と、を準備する工程である。準備工程S10では、セグメント導体4として、複数の第1セグメント導体5と、第1セグメント導体5の数に対応する数の第2セグメント導体6とを準備する。
接合材配置工程S11は、互いに対向する対向面44の少なくとも一方に導電性接合材8を配置する工程である。図6に示すように、導電性接合材8は、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とを導電性を確保しつつ互いに接合するための接合材である。導電性接合材8としては、例えば、銀ナノ粒子を含んだペースト状の接合材を採用することができる。
配置工程S12は、第1セグメント導体5における1つの接合部43の対向面44と、第2セグメント導体6における1つの接合部43の対向面44とが対向するように、第1セグメント導体5の導体辺部41と第2セグメント導体6の導体辺部41との少なくとも一方をスロット21内に配置する工程である。図6に示すように、配置工程S12では、複数のスロット21のそれぞれの中において、第1セグメント導体5の第1導体辺部411の対向面44と、第2セグメント導体6の第2導体辺部412の対向面44とが対向すると共に、第1セグメント導体5の第2導体辺部412の対向面44と、別の第2セグメント導体6の第1導体辺部411の対向面44とが対向するように、複数の第1セグメント導体5と複数の第2セグメント導体6とをスロット21内に配置する。
押圧工程S13は、複数のセグメント導体4における互いに接合される一対の導体辺部41の少なくとも一部を径方向Rに押圧する工程である。本参考形態では、押圧工程S13は、複数のセグメント導体4における、互いに接合される一対の接合部43が径方向R視で重複する部分を、径方向開口部21aから押圧する工程である。言い換えると、押圧工程S13では、接合対象の一対の接合部43の一対の対向面44が、径方向R視で互いに対向している領域を、径方向開口部21aから押圧する。図7に示すように、本参考形態では、押圧装置9を用いて押圧工程S13を行う。押圧装置9は、固定部材91と、複数の可動部材92と、挿入部材93とを備えている。
固定部材91は、円筒状に形成されており、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4よりも径方向内側R1に配置可能な外径を有している。そして、固定部材91は、ステータコア2と同軸となるように、ステータコア2における、コア内周面(コア基準面S)よりも径方向内側R1に配置されると共に、ステータコア2に対して固定される。固定部材91は、周方向Cの全域に亘って軸方向Lに沿って延在する外周面91aと、外周面91aの軸方向第2側L2の端部から径方向外側R2に延在する底面91bとを有している。本参考形態では、固定部材91の外周面91aは円筒状に形成され、底面91bは円板状に形成されている。
押圧装置9は、ステータコア2のスロット21と同数の可動部材92を備えている。各可動部材92は板状に形成されている。そして、全ての可動部材92が、ステータコア2のスロット21に対応して、ステータコア2の軸心を基準とする放射状に配置されている。また、各可動部材92は、各スロット21の径方向開口部21aからスロット21内に挿入されている。この際、可動部材92の径方向内側R1の一部が、スロット21の径方向開口部21aよりも径方向内側R1に突出するように配置される。また、各可動部材92は、固定部材91の底面91bに載置される。更に、可動部材92は、内周側傾斜面92aを有している。内周側傾斜面92aは、可動部材92の径方向内側R1の面に形成されており、軸方向第1側L1から軸方向第2側L2に向かうに従って径方向内側R1に向かう傾斜面とされている。
また、可動部材92は、第1押圧部921と、第2押圧部922とを有している。第1押圧部921及び第2押圧部922は、可動部材92の径方向外側R2の面に形成されている。第1押圧部921は、軸方向Lにおける両側の部分よりも径方向外側R2に突出するように形成されており、第1セグメント導体5の第2導体辺部412の接合部43と、第2セグメント導体6の第1導体辺部411の接合部43とが径方向R視で重複する部分の軸方向Lの位置に合わせて配置されている。第2押圧部922は、軸方向Lにおける両側の部分よりも径方向外側R2に突出するように形成されており、第1セグメント導体5の第1導体辺部411の接合部43と、第2セグメント導体6の第2導体辺部412の接合部43とが径方向R視で重複する部分の軸方向Lの位置に合わせて配置されている。本参考形態では、第1押圧部921及び第2押圧部922は、いずれも、最も径方向外側R2に突出した部分が、軸方向Lに平行な平面状となっている。
挿入部材93は、円筒状に形成されており、固定部材91と可動部材92との径方向Rの間に挿入される。挿入部材93は、内周面93aと外周側傾斜面93bを有している。挿入部材93の内周面93aは、固定部材91の外周面91aに沿って形成され、ここでは、固定部材91の外周面91aの径より僅かに大きい内径を有する円筒面とされている。また、挿入部材93の外周側傾斜面93bは、軸方向Lに対する傾斜角度が、可動部材92の内周側傾斜面92aと同じ角度となるように形成された円錐台面とされている。また、挿入部材93の径方向Rの厚さは、各可動部材92が、可動範囲内における最も径方向外側R2に移動した状態で、当該可動部材92の内周側傾斜面92aに接する挿入部材93の下端部が、固定部材91の底面91bに当接しないように設定されている。
押圧工程S13では、軸方向第1側L1から、挿入部材93を固定部材91と放射状に配置された複数の可動部材92との径方向Rの間に挿入することにより、各可動部材92を固定部材91の底面91bに沿って径方向外側R2に移動させる。これにより、可動部材92の第1押圧部921及び第2押圧部922が、スロット21内においてセグメント導体4を径方向内側R1から(すなわちスロット21の径方向開口部21aから)押圧する。こうして、本参考形態の押圧工程S13では、押圧装置9を用いて、全てのスロット21内におけるセグメント導体4の接合部43を押圧することができる。この際、互いに接合される一対の導体辺部41は、軸方向Lに沿って直線状に配置されているため、第1押圧部921によって付与される押圧力と第2押圧部922によって付与される押圧力とが不均一になり難い。
本参考形態では、可動部材92によってセグメント導体4を押圧する際、その押圧力がスロット21における径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)の内壁面21bに伝達されるように、可動部材92を径方向外側R2に移動させる。こうして、各スロット21内の全てのセグメント導体4の接合部43が、可動部材92とスロット21における径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)の内壁面21bとの間に挟まれた状態で押圧されることとなる。
図7に示すように、本参考形態の押圧工程S13では、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4の導体辺部41における、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とを含む押圧領域PAを、第1押圧部921と第2押圧部922とによって押圧する。一方で、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4の導体辺部41における押圧領域PAを除いた非押圧領域NAは押圧しない。
本参考形態では、第1セグメント導体5の第2導体辺部412の接合部43と、第2セグメント導体6の第1導体辺部411の接合部43とが互いに接合され、第1セグメント導体5の第1導体辺部411の接合部43と、第2セグメント導体6の第2導体辺部412の接合部43とが互いに接合される。そのため、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4において、互いに接合される一対の接合部43が径方向R視で重複する部分は、軸方向Lの2箇所に位置している。よって、本参考形態では、押圧領域PAは、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4における軸方向Lの2箇所に位置している。なお、このような構成に限定されることなく、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4における軸方向Lの1箇所又は3箇所以上に、互いに接合される一対の接合部43が径方向R視で重複する部分が位置していても良い。つまり、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4における軸方向Lの1箇所又は3箇所以上に押圧領域PAが位置していても良い。
接合工程S14は、上述した押圧工程S13における押圧状態を維持しつつ、各第1セグメント導体5の接合部43と、第2セグメント導体6の接合部43とを接合する工程である。本参考形態では、上述の銀ナノ粒子を含んだペースト状の接合材を導電性接合材8として採用しているため、接合工程S14では、例えばヒータ等を用いて導電性接合材8を加熱して溶融させることにより、各第1セグメント導体5の接合部43と、第2セグメント導体6の接合部43とを接合する。
4.第3の実施形態
以下では、回転電機用電機子の第3の実施形態について、図8を用いて説明する。本実施形態では、セグメント導体4における接合部43の対向面44の構成が、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態と同様とする。
図8に示すように、本実施形態では、対向面44は、導体辺部41の先端部における軸方向端面の全体に亘って形成され、径方向Rに沿って延在する平面とされている。本実施形態では、対向面44は、周方向Cに平行に配置されている。また、本実施形態では、互いに対向する対向面44は、互いに同一の形状を有しており、互いに平行に配置されている。
図9に示すように、本実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態に係る製造工程S1は、上述した押圧工程S13の代わりに規制工程S15を備えている。規制工程S15は、導体辺部41の径方向Rの移動を規制する工程である。ここでは、規制工程S15は、スロット21内における接合部43の径方向Rの移動を規制する工程である。上述した押圧工程S13は、規制工程S15の一形態である。図8に示すように、本参考形態では、規制部材10を用いて規制工程S15を行う。
規制部材10は、スロット21内における、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)に位置する導体辺部41よりも径方向開口部21a側(径方向内側R1)に配置される。本参考形態では、規制部材10は、径方向開口部21aを通してスロット21内に挿入される。つまり、規制部材10の周方向Cの幅は、径方向開口部21aの周方向Cの幅よりも小さい。
規制部材10は、スロット21内に配置されたセグメント導体4の導体辺部41に対向する規制面11を有している。規制面11は、スロット21内に配置されたセグメント導体4の導体辺部41の径方向Rの移動を規制する。規制面11は、第1セグメント導体5の導体辺部41及び第2セグメント導体6の導体辺部41の双方における軸方向Lの全域又は一部の領域である対象領域OAに対向するように形成されている。本参考形態では、対象領域OAは、第1セグメント導体5の導体辺部41及び第2セグメント導体6の導体辺部41の双方における軸方向Lの全域である。また、規制面11は、対象領域OAにおける規制面11に対向する面に沿った形状を有している。具体的には、本参考形態では、規制面11は、導体辺部41の径方向Rの側面に沿った形状を有している。つまり、本参考形態では、規制面11は、軸方向Lに沿って延在する平面であり、周方向Cに平行に形成されている。
規制工程S15では、スロット21内における、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)に位置する一対の導体辺部41よりも径方向開口部21a側(径方向内側R1)に規制部材10を配置する。そして、規制部材10を、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)に位置する一対の導体辺部41に規制面11が沿うように配置する。本例では、規制部材10が、一対の導体辺部41を押圧しないように、当該一対の導体辺部41に規制面11を接触させる。このとき、最も径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)に位置する一対の導体辺部41が、スロット21の径方向外側R2の内壁面21bに接触すると共に、スロット21内において径方向Rに配列された複数対の導体辺部41が、互いに接触していると好適である。但し、これらの間に隙間が生じることも許容される。
本参考形態に係る接合工程S14では、規制工程S15における規制状態を維持しつつ、第1セグメント導体5と第2セグメント導体6とが互いに近接するように、第1セグメント導体5及び第2セグメント導体6の少なくとも一方を軸方向Lに押圧する。本例では、規制工程S15における規制状態を維持しつつ、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4を軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)から押圧する。このとき、スロット21内において径方向Rに配列された複数対の導体辺部41は、規制部材10の規制面11とスロット21の径方向外側R2の内壁面21bとの間で、径方向Rの移動を規制された状態となっている。そのため、複数のセグメント導体4を軸方向Lの両側から押圧した場合でも、互いに対向する一対の接合部43が互いに径方向にずれたり離間したりすることはない。
本参考形態に係る接合工程S14では、規制面11の径方向Rの位置が固定される。本例では、規制部材10の径方向外側R2の端面に規制面11が形成されているため、規制部材10の径方向Rの位置を固定することにより、規制面11の径方向Rの位置を固定している。
なお、導体辺部41の径方向Rの移動を規制することができれば、複数のセグメント導体4を軸方向Lに押圧する前の時点で、規制部材10の規制面11を、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)に位置する一対の導体辺部41に接触させなくても良い。また、規制部材10は、上記の構成に限定されず、例えば、上記の押圧工程S13で用いた、第1押圧部921と第2押圧部922とを有する可動部材92の径方向外側R2の表面形状と同様の形状を有する構成であっても良い。この場合、第1押圧部921に相当する部分の径方向外側R2の端面と、第2押圧部922に相当する部分の径方向外側R2の端面とが、規制面11として機能する。つまり、この場合、規制面11は、第1セグメント導体5の接合部43及び第2セグメント導体6の接合部43の双方に対向する。
また、規制面11は、例えば図10に示された形状であっても良い。図10に示す例では、対象領域OAは、第1セグメント導体5の導体辺部41及び第2セグメント導体6の導体辺部41の双方における軸方向Lの一部の領域である。具体的には、図10に示す例では、対象領域OAは、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4の導体辺部41における、互いに接合される一対の接合部43が径方向R視で重複する部分を除いた部分である。そのため、図10に示す例では、規制面11は、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4の導体辺部41における、互いに接合される一対の接合部43が径方向R視で重複しない部分に対向するように、軸方向Lの3箇所に形成されている。
なお、上記の押圧工程S13で用いた可動部材92の径方向外側R2の表面の形状に、規制面11を含む規制部材10の径方向外側R2の表面の形状を適用し、可動部材92における規制面11に相当する部分によってセグメント導体4を押圧しても良い。可動部材92における規制面11に相当する部分の形状が、図8に示された規制面11の形状と同様である場合には、導体辺部41の軸方向Lの全域が押圧されるため、導体辺部41に均一に押圧力を付与することができる。一方、可動部材92における規制面11に相当する部分の形状が、図10に示された規制面11の形状と同様である場合には、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43との間に配置された導電性接合材8が、可動部材92における規制面11に相当する部分に付着し難くなる。
また、本実施形態のように、押圧工程S13の代わりに規制工程S15を行うステータ1の製造方法は、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態で説明したような対向面44の構成を有するセグメント導体4を用いて行っても好適である。
5.第4の実施形態
以下では、回転電機用電機子の第4の実施形態について、図11を用いて説明する。本実施形態では、ステータコア2のスロット21の構成が、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態と同様とする。
図11に示すように、本実施形態では、スロット21のそれぞれはセミオープンスロットである。具体的には、径方向開口部21aの周方向Cの幅は、スロット21における導体辺部41が配置される領域の周方向Cの幅よりも小さい。換言すれば、ティース22の先端部22aには、周方向Cの両側に突出する突部が形成されている。
スロット21のそれぞれには、コイル3とステータコア2との間の電気的な絶縁性を確保するために、シート状の絶縁部材7が設けられている。具体的には、絶縁部材7は、導体辺部41とスロット21の内壁面との間に介装されている。
なお、以下では、説明の便宜上、各スロット21における全ての導体辺部41を「導体辺部群」と記す。
本実施形態では、絶縁部材7は、導体辺部群の周方向Cの両側の側面(スロット21の周方向Cの両側の内壁面に対向する面)、及び導体辺部群の径方向外側R2の側面(スロット21の径方向外側R2の内壁面に対向する面)を覆うように配置されている。換言すれば、本実施形態では、絶縁部材7は、導体辺部群における径方向開口部21a側(径方向内側R1)の側面を除く側面の全体を覆うように配置されている。また、図示は省略するが、絶縁部材7の軸方向Lの長さは、スロット21の軸方向Lの長さより長い。よって、絶縁部材7は、スロット21の軸方向Lの両端部から軸方向Lに突出するように配置されている。更に、本例では、図11に示すように、絶縁部材7は、導体辺部群の周方向Cの両側の側面に接する部分から径方向開口部21a側に延びる部分を有している。なお、この部分は、最終的に折り畳まれて導体辺部群における径方向開口部21a側(径方向内側R1)の側面を覆うように配置される。
本実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態に係る製造工程S1は、上述した押圧工程S13を備えている。図11に示すように、本参考形態に係る製造工程S1の押圧工程S13は、周方向Cの幅が径方向開口部21aのものよりも小さい可動部材92を複数備えた押圧装置9を用いて行われる。本参考形態に係る可動部材92は、周方向Cの幅が異なる点以外は、上述した押圧工程S13で用いられたものと同じである。本参考形態に係る押圧工程S13では、可動部材92を径方向内側R1から径方向開口部21aに挿入する。そして、可動部材92によって径方向開口部21aから導体辺部群を径方向外側R2に押圧する。
なお、本参考形態においても、押圧工程S13の代わりに規制工程S15を行っても良い。本参考形態に係る規制工程S15では、例えば、上記の周方向Cの幅が径方向開口部21aのものよりも小さい可動部材92を、径方向外側R2に移動させずに、導体辺部群に接触する位置で固定する。そして、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4を軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)から押圧する。
6.第5の実施形態
以下では、第5の実施形態について、図12を用いて説明する。本実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態では、可動部材92の構成が、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態のものとは異なっている。以下では、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態と同様とする。
図12に示すように、本参考形態に係る押圧工程S13は、幅狭部92bと幅広部92cとを有する可動部材92を複数備えた押圧装置9を用いて行われる。本参考形態に係る可動部材92は、幅狭部92bと幅広部92cとを有している。この点以外、可動部材92の構成は、上述した押圧工程S13で用いられたものと同じである。幅狭部92bの周方向Cの幅は、径方向開口部21aの周方向Cの幅よりも小さい。幅広部92cの周方向Cの幅は、径方向開口部21aの周方向Cの幅よりも大きく、スロット21における導体辺部41が配置される領域の周方向Cの幅よりも小さい。また、幅広部92cの径方向Rの長さは、導体辺部群と径方向開口部21a(ティース22の先端部22aに形成された周方向Cに突出する突部)との間の距離よりも小さい。そして、幅狭部92bの径方向外側R2の端部に幅広部92cが配置されている。幅広部92cは、スロット21内における径方向開口部21aと導体辺部群との間の空間に応じた形状を有している。
本参考形態に係る押圧工程S13では、径方向開口部21a内に幅狭部92bが位置すると共に、スロット21内における径方向開口部21aと導体辺部群との間の空間に幅広部92cが位置するように、軸方向Lに沿って可動部材92をスロット21内に挿入する。そして、可動部材92によって導体辺部群を径方向外側R2に押圧する。この際、本例では、図12に示すように、絶縁部材7は、当該絶縁部材7における径方向開口部21aと導体辺部群との間に位置する部分が、スロット21の周方向Cの内壁面における導体辺部群が対向していない部分に沿う状態となっている。
図13に示すように、本参考形態に係る押圧工程S13では、上述の複数の可動部材92を備えた押圧装置9に代えて、複数の内部押圧部材94を備えた押圧装置9を用いても良い。内部押圧部材94におけるスロット21内に挿入される部分の形状は、上述の可動部材92において幅狭部92bを無くして幅広部92cのみとした形状と同様である。内部押圧部材94の軸方向Lの長さは、ステータコア2の軸方向Lの長さよりも大きい。内部押圧部材94は、軸方向Lに沿ってスロット21内における径方向開口部21aと導体辺部群との間の空間に挿入される。それにより、内部押圧部材94は、軸方向Lの両端部がステータコア2から軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)に突出するように配置される。そして、内部押圧部材94の軸方向Lの両端部が把持装置(図示せず)によって把持された状態で径方向外側R2に移動される。こうして、径方向開口部21aを通さずに、内部押圧部材94によって導体辺部群を径方向外側R2に押圧する。このような押圧装置9は、上述した固定部材91及び挿入部材93(図7参照)を備えておらず、複数の内部押圧部材94と、前記把持装置とを備えている。なお、本参考形態においても、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態のように、周方向Cの幅が径方向開口部21aのものよりも小さい可動部材92を複数備えた押圧装置9を用いても良い。
なお、本参考形態においても、押圧工程S13の代わりに規制工程S15を行っても良い。本実施形態に係る規制工程S15では、例えば、上記の幅狭部92bと幅広部92cとを有する可動部材92、又は上記の内部押圧部材94を、径方向外側R2に移動させずに、導体辺部群に接触する位置で固定する。そして、スロット21内に配置された複数のセグメント導体4を軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)から押圧する。
7.第6の実施形態
以下では、第6の実施形態について、図14を用いて説明する。本実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態では、押圧工程S13を行う際における絶縁部材7の状態が、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態と異なっている。以下では、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第4の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態と同様とする。
図14に示すように、本参考形態では、押圧工程S13を行う際に、絶縁部材7は、導体辺部群の全ての側面を覆うように配置されている。ここで、絶縁部材7における、導体辺部群における径方向開口部21a側の側面を覆う部分は、導体辺部群の周方向Cの両側の側面に接する部分から径方向開口部21a側に延びた部分が、導体辺部群における径方向開口部21a側の側面に沿う方向に折り曲げられて構成される。なお、この部分は、周方向Cの両側の絶縁部材7が互いに重なるように配置されても良いし、周方向Cの両側の絶縁部材7の端部同士が接するように配置されても良い。本参考形態に係る押圧工程S13では、図11に示すように、上記第4の実施形態のステータ1の製造方法の参考形態に係る可動部材92を複数備えた押圧装置9が用いられている。なお、上記第5の実施形態に係るステータ1の製造方法の参考形態で例示した押圧装置9を用いても良い。また、本参考形態においても、押圧工程S13の代わりに規制工程S15を行っても良い。
8.第7の実施形態
以下では、第7の実施形態について、図15〜17を参照して説明する。図15に示すように、本実施形態に係る製造工程S1は、準備工程S10と、接合材配置工程S11と、規制部材配置工程S16と、挿入工程S17と、規制面移動工程S18と、規制工程S15と、接合工程S14とを備えている。つまり、本実施形態に係る製造工程S1は、規制部材配置工程S16及び規制面移動工程S18を備えると共に、上述した配置工程S12の代わりに挿入工程S17を備えている点で、上記第3の実施形態に係る製造工程S1(図9参照)と異なっている。以下では、上記第3の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第3の実施形態と同様とする。
規制部材配置工程S16は、規制面11により導体辺部41の径方向Rの移動を規制する規制部材10を配置する工程である。図16に示すように、規制部材配置工程S16では、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)の導体辺部41の径方向Rの位置に応じて規制部材10の規制面11が配置される。
ここで、1つの導体辺部41の径方向Rの厚さを導体厚さT1とし、スロット21内で径方向Rに並ぶ導体辺部41の数(図示の例では、8つ)に、導体厚さT1を乗じて得た長さをスロット内導体厚さT2とする。
本実施形態に係る規制部材配置工程S16では、規制面11は、スロット21における径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)の内壁面21bから径方向開口部21a側(径方向内側R1)にスロット内導体厚さT2以上離間している。更に、規制面11は、スロット21内に収まる位置に配置されている。具体的には、規制面11は、内壁面21bから、スロット21の径方向Rの長さであるスロット深さDs未満の距離で離間している。図示の例では、規制面11は、内壁面21bから径方向開口部21a側(径方向内側R1)に、スロット内導体厚さT2に規定のクリアランスを加えた距離で離間している。つまり、内壁面21bから規制面11までの距離は、スロット内導体厚さT2よりクリアランス分大きい。なお、クリアランスをゼロとして、内壁面21bから規制面11までの距離を、スロット内導体厚さT2と等しくしても良い。
図16に示すように、本実施形態では、規制面11は、当該規制面11の軸方向Lの両側(軸方向第1側L1、軸方向第2側L2)に案内傾斜面12を有している。一対の案内傾斜面12は、互いに離間するに従って径方向開口部21a側(径方向内側R1)へ向かうように形成されている。つまり、一対の案内傾斜面12は、互いに離間するに従ってスロット21の内壁面21bとの間隔が大きくなるように形成されている。本実施形態では、案内傾斜面12は、周方向Cに平行に形成されている。
挿入工程S17は、規制部材配置工程S16の後に、第1セグメント導体5における1つの接合部43の対向面44と、第2セグメント導体6における1つの接合部43の対向面44とが対向するように、第1セグメント導体5の導体辺部41と第2セグメント導体6の導体辺部41との少なくとも一方を、スロット21内に挿入する工程である。挿入工程S17では、第1セグメント導体5における1つの接合部43の対向面44と、第2セグメント導体6における1つの接合部43の対向面44とが対向するまでの間、規制部材10の規制面11により導体辺部41の径方向Rの移動を規制する。挿入工程S17は、上述した配置工程S12の一形態である。図16に示すように、本実施形態の挿入工程S17では、規制部材10の規制面11とスロット21の内壁面21bとの間に、複数のセグメント導体4の導体辺部41を挿入する。このとき、本実施形態では、導体辺部41の先端部が案内傾斜面12によってスロット21内に向かうように案内されるため、規制面11と内壁面21bとの間に、導体辺部41を容易に挿入することができる。
そして、本実施形態の挿入工程S17では、各スロット21内において、第1セグメント導体5の第1導体辺部411の対向面44と、第2セグメント導体6の第2導体辺部412の対向面44とが対向すると共に、第1セグメント導体5の第2導体辺部412の対向面44と、別の第2セグメント導体6の第1導体辺部411の対向面44とが対向するように、複数の第1セグメント導体5と複数の第2セグメント導体6とを、軸方向Lの両側(軸方向第1側L1、軸方向第2側L2)からスロット21内に挿入する。
図17に示すように、規制面移動工程S18は、径方向Rにおける径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)へ規制面11を移動させる工程である。本実施形態では、規制部材10の径方向外側R2の端面に規制面11が形成されているため、規制部材10を径方向Rにおける径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)へ移動させることにより、規制面11を径方向Rにおける径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)へ移動させている。なお、規制部材10を径方向Rに移動させるための移動装置の構成は特に限定されず、押圧装置9における可動部材92を移動させるための機構と同様のものであっても良いし、その他の公知の移動装置を採用しても良い。
図15に示すように、規制面移動工程S18は、挿入工程S17の後であって接合工程S14の前に行われる。本実施形態では、規制面移動工程S18は、挿入工程S17の次に行われ、規制面移動工程S18の次に規制工程S15が行われる。
上述したように、図示の例では、内壁面21bから規制面11までの距離はスロット内導体厚さT2に規定のクリアランスを加えた距離となっている。そのため、規制面11を径方向Rにおける径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)へ移動させると、上記クリアランス分の隙間がなくなり、規制面11がセグメント導体4の径方向開口部21a側の面に接する状態となる。規制面11を更に移動させると、規制面11が複数のセグメント導体4の導体辺部41を径方向外側R2に押圧する状態となる。この場合、規制面移動工程S18と規制工程S15とは、上述した押圧工程S13として機能する。
なお、規制部材配置工程S16で配置する規制部材10は、上述した図10で示されたような、異なる形状の規制部材10であっても良い。また、この規制部材10は、図7に示した可動部材92と同様の形状であっても良い。
9.第8の実施形態
以下では、第8の実施形態について、図18を参照して説明する。図18に示すように、本実施形態は、規制部材配置工程S16において、規制部材10の代わりに押圧装置9を配置する点で上記第7の実施形態と異なっている。本実施形態では、可動部材92の第1押圧部921及び第2押圧部922の径方向外側R2の端面が、それぞれ規制面11として機能する。
図18に示すように、本実施形態に係るセグメント導体4は、上記第2の実施形態に係るもの(図4参照)と同様である。そのため、本実施形態に係るセグメント導体4の対向面44は、第1傾斜面441と、第2傾斜面442と、第3傾斜面443とを含んでいる。上述したように、第1傾斜面441と第2傾斜面442とは、径方向Rに突出する凸部を成している。よって、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とは、径方向Rに互いに噛み合う径方向凹凸部45を有している。本実施形態では、径方向凹凸部45の噛み合いの深さである噛合い深さDeは、第2傾斜面442の径方向Rの長さである。
本実施形態に係る規制部材配置工程S16では、規制面11は、スロット内導体厚さT2に噛合い深さDeを加えた長さ以上、スロット21における径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)の内壁面21bから径方向開口部21a側(径方向内側R1)に離間している。更に、規制面11は、スロット21内に収まる位置に配置されている。具体的には、規制面11は、内壁面21bから、スロット21の径方向Rの長さであるスロット深さDs未満の距離で離間している。
図示の例では、規制面11は、内壁面21bから径方向開口部21a側(径方向内側R1)に、スロット内導体厚さT2に噛合い深さDeを加えた長さと同一の距離で離間している。つまり、内壁面21bから規制面11までの距離は、スロット内導体厚さT2に噛合い深さDeを加えた長さと等しい。図示の例では、最も径方向開口部21a側とは反対側(径方向外側R2)の導体辺部41がスロット21の内壁面21bに接触しているため、第1押圧部921及び第2押圧部922の径方向外側R2の端面と、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)の導体辺部41の径方向内側R1の側面との距離が噛合い深さDeと等しい。つまり、第1押圧部921及び第2押圧部922と、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)の導体辺部41との間に、噛合い深さDe分のクリアランスが形成されている。
本実施形態に係る規制面移動工程S18では、上述した押圧工程S13と同様に、可動部材92を径方向外側R2に移動させる。これにより、第1押圧部921及び第2押圧部922が、最も径方向開口部21a側(径方向内側R1)の導体辺部41に接近し、それらの間のクリアランスが小さくなる。当該クリアランスがなくなった状態から更に可動部材92を移動させた場合には、複数のセグメント導体4の導体辺部41が径方向外側R2に押圧される。こうして、規制面移動工程S18から円滑に押圧工程S19(図7参照)に移行することができる。なお、規制面移動工程S18において、上記のクリアランスがなくなるまで可動部材92を移動させず、噛合い深さDeよりも小さいクリアランスが形成された状態で規制面移動工程S18を終了しても良い。この場合、規制面移動工程S18の後、押圧工程S19の代わりに規制工程S15が行われる。
また、上述したように、第1押圧部921と第2押圧部922とのそれぞれは、軸方向Lにおける両側の部分よりも径方向外側R2に突出するように形成されている。そのため、図18に示すように、可動部材92の軸方向Lの両側(軸方向第1側L1、軸方向第2側L2)には、第1案内傾斜面921aと第2案内傾斜面922aとが形成されている。具体的には、第1押圧部921の軸方向第1側L1には、第1案内傾斜面921aが形成され、第2押圧部922の軸方向第2側L2には、第2案内傾斜面922aが形成されている。第1案内傾斜面921a及び第2案内傾斜面922aは、互いに離間するに従って径方向開口部21a側(径方向内側R1)へ向かうように形成されている。第1案内傾斜面921a及び第2案内傾斜面922aは、上記第7の実施形態に係る規制部材10の一対の案内傾斜面12と同様の機能を有している。
10.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、単一の傾斜面としての対向面44が導体辺部41の接合部43に形成された構成(第1の実施形態)と、第1傾斜面441、第2傾斜面442、及び第3傾斜面443を含む対向面44が導体辺部41の接合部43に形成された構成(第2の実施形態)とを例として説明した。しかし、以下のように、対向面44を上記の各実施形態とは異なる形状とすることも可能である。
例えば、対向面44を、図19に示された形状としても良い。図19に示された対向面44は、径方向R、つまり導体辺部41の延在方向に直交する方向に沿う第1直交面445及び第2直交面447と、軸方向L、つまり導体辺部41の延在方向に平行な方向に沿う平行面446とを含んでいる。そして、導体辺部41の軸方向Lにおける先端部から基端部側へ向かうに従って、第1直交面445、平行面446、第2直交面447の順に配置され、各面は隣接する面と連続して形成されている。本実施形態では、第1導体辺部411の対向面44は、径方向内側R1を向く面を有していないため、径方向外側R2を向く面のみから構成され、第2導体辺部412の対向面44は、径方向外側R2を向く面を有していないため、径方向内側R1を向く面のみから構成されているといえる。なお、本実施形態においても、互いに対向する対向面44は、互いに同一の形状を有しており、互いに平行に配置されている。
或いは、図20に示すように、互いに対向する対向面44の形状が互いに異なる構成としても良い。この場合においても、対向する一対の対向面44に、互いに対応する凹凸を形成し、当該凹凸の噛み合いによって、位置決め機能及び軸方向Lの離間を規制する機能を有するようにすると好適である。なお、図20に示す例では、対向面44の中に、径方向Rに突出する部分が形成され、又は径方向Rに窪む部分が形成されている。このように構成された一対の対向面44も、上記第8の実施形態に係るもの(図18参照)と同様に、径方向凹凸部45として機能する。
(2)上記の実施形態では、製造工程S1の押圧工程S13において、押圧装置9を用いて、全てのスロット21内における全てのセグメント導体4の接合部43を押圧して接合する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、スロット21ごとにセグメント導体4の押圧工程S13を行い、スロット21ごとに接合工程S14を行う構成としても良い。
(3)上記の実施形態では、コイル3が重ね巻によりステータコア2に巻装されるように構成された複数のセグメント導体4を備えた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、コイル3が波巻によりステータコア2に巻装されるように構成された複数のセグメント導体4を備えた構成としても良い。
(4)上記の実施形態では、セグメント導体4における延在方向に直交する面における断面形状が、矩形状である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、線状導体の断面形状は、矩形状以外の形状であってもよく、例えば、円形状や楕円形状であっても良いし、三角形状や五角形以上の多角形状等であっても良い。
(5)上記の実施形態では、スロット21が軸方向Lに平行に延びる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、スロット21の全体又は一部が、軸方向Lに対して傾斜して延びる構成としても好適である。この場合であっても、スロット21は、軸方向Lに延びるものとなる。
(6)上記の実施形態では、接合材配置工程S11において一対のセグメント導体4の互いに対向する対向面44の少なくとも一方に導電性接合材8を配置し、当該導電性接合材8を用いて一対の接合部43(対向面44)を接合する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、溶接等によって接合材を用いることなく一対の接合部43(対向面44)を接合する構成としても良い。
また、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、互いに径方向Rに嵌合する形状を有していても良い。図21に示す例では、図19に示された一対の対向面44の一方に径方向嵌合突部43aが設けられ、他方に径方向嵌合孔部43bが設けられている。径方向嵌合突部43aは、一方の対向面44の平行面446から径方向Rに突出している。径方向嵌合孔部43bは、他方の対向面44を有する接合部43内に径方向Rに延在するように他方の対向面44の平行面446に開口している。このような径方向嵌合突部43a及び径方向嵌合孔部43bが設けられた構成では、押圧工程S13において、径方向嵌合突部43aと径方向嵌合孔部43bとが対向した状態で、それらが設けられた一対の導体辺部41を径方向Rに押圧することで、径方向嵌合突部43aが径方向嵌合孔部43bに挿入される。それにより、径方向嵌合突部43aと径方向嵌合孔部43bとが互いに嵌合し、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが互いに接合される。なお、径方向嵌合突部43aの径方向Rの長さは、径方向嵌合孔部43bの径方向Rの長さ以下に設定されている。また、図21に示す例では、径方向嵌合孔部43bは、接合部43を径方向Rに貫通している。なお、径方向嵌合突部43a及び径方向嵌合孔部43bの形状は特に限定されず、径方向嵌合突部43aを径方向嵌合孔部43bに径方向Rに嵌挿できる形状であればよい。例えば、径方向嵌合突部43a及び径方向嵌合孔部43bの形状として、円柱形状、角柱形状等を採用可能である。
或いは、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、互いに軸方向Lに嵌合する形状を有していても良い。図22に示す例では、径方向Rに沿って延在する平面として形成された一対の対向面44の一方に軸方向嵌合突部43cが設けられ、他方に軸方向嵌合孔部43dが設けられている。軸方向嵌合突部43cは、一方の対向面44から径方向Rに突出している。軸方向嵌合孔部43dは、他方の対向面44を有する接合部43内に軸方向Lに延在するように他方の対向面44に開口している。このような軸方向嵌合突部43c及び軸方向嵌合孔部43dが設けられた構成では、上記第3の実施形態(図8参照)及び上記第7の実施形態(図17参照)と同様に、接合工程S14において、軸方向嵌合突部43cと軸方向嵌合孔部43dとが対向した状態で、それらが設けられた複数のセグメント導体4を軸方向Lに押圧することで、軸方向嵌合突部43cが軸方向嵌合孔部43dに挿入される。それにより、軸方向嵌合突部43cと軸方向嵌合孔部43dとが互いに嵌合し、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが互いに接合される。なお、軸方向嵌合突部43cの軸方向Lの長さは、軸方向嵌合孔部43dの軸方向Lの長さ以下に設定されている。なお、軸方向嵌合突部43c及び軸方向嵌合孔部43dの形状は特に限定されず、軸方向嵌合突部43cを軸方向嵌合孔部43dに軸方向Lに嵌挿できる形状であればよい。例えば、軸方向嵌合突部43c及び軸方向嵌合孔部43dの形状として、円柱形状、角柱形状等を採用可能である。
なお、上記のように一対のセグメント導体4の接合部43が互いに径方向R又は軸方向Lに嵌合する形状を有する場合であっても、それらの間に導電性接合材8を配置しても良い。
(7)上記の実施形態では、セグメント導体4が、径方向R視でU字状に形成され、一対の導体辺部41と、一対の導体辺部41を接続する渡り部42とを有している構成とされている場合を例として説明した。しかし、セグメント導体4の形状はこれに限定されず、例えば、セグメント導体4が、J字状に形成され、1つの導体辺部41と当該導体辺部41に接続された渡り部42とを有している構成とされていても良い。
(8)上記の実施形態では、回転電機用電機子がインナロータ型の回転電機用のステータ1として構成されている場合を例として説明した。しかし、これに限定されず、回転電機用電機子がアウタロータ型の回転電機用のステータ1として構成されていても良い。この場合、ステータコア2のスロット21の径方向開口部21aが、径方向外側R2に向けて開口していると好適である。
(9)上記の実施形態では、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、スロット21内で互いに接合された構成を例として説明した。しかし、以下のように、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、スロット21の外側で互いに接合された構成としても良い。
図23及び図24に示す例では、第1セグメント導体5の一対の導体辺部41は互いに同一の軸方向Lの長さを有していると共に、第2セグメント導体6の一対の導体辺部41は互いに同一の軸方向Lの長さを有している。そして、第2セグメント導体6の導体辺部41は、第1セグメント導体5の導体辺部41よりも軸方向Lの長さが大きい。第2セグメント導体6の導体辺部41の軸方向Lの長さは、スロット21の軸方向Lの長さよりも大きく、第2セグメント導体6がスロット21内に配置された場合に、当該導体辺部41の接合部43がスロット21(ステータコア2)の軸方向第1側L1の端部よりも軸方向第1側L1に位置する。このように、図23及び図24に示す例では、第1セグメント導体5の接合部43と第2セグメント導体6の接合部43とが、スロット21の外側で互いに接合される。なお、このような構成では、押圧工程S13(図7参照)において、互いに接合される接合部43をスロット21の径方向外側R2の内壁面21bに向けて押圧することができない。また、規制工程S15(図8参照)及び挿入工程S17において、スロット21の径方向外側R2の内壁面21bを利用して、スロット21の外側に位置する導体辺部41(ここでは、第1セグメント導体5の導体辺部41)の径方向Rの移動を規制することができない。そのため、スロット21の外側に位置する導体辺部41であって最も径方向外側R2に位置する導体辺部41に径方向外側R2から対向する部分を有する治具等を用いて、スロット21の外側に位置する導体辺部41の径方向Rの移動を規制すると好適である。
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
11.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した回転電機用電機子(1)の製造方法(S1)の概要について説明する。
回転電機用電機子(1)の製造方法(S1)は、
軸方向(L)に延びると共に径方向(R)に開口する径方向開口部(21a)を有するスロット(21)が周方向に複数配置された円筒状の電機子コア(2)と、複数のセグメント導体(4)を接合して構成されて前記電機子コア(2)に巻装されたコイル(3)と、を備えた回転電機用電機子(1)の製造方法(S1)であって、
前記軸方向(L)に沿って延在する導体辺部(41)と、前記電機子コア(2)における前記軸方向(L)の外側において前記導体辺部(41)に接続されている渡り部(42)とを有し、対向面(44)を有する接合部(43)が前記導体辺部(41)に設けられている、前記セグメント導体(4)を複数準備すると共に、前記電機子コア(2)を準備する準備工程(S10)と、
最も前記径方向開口部(21a)側の前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の位置に応じて配置される規制面(11)を有し、当該規制面(11)により前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の移動を規制する規制部材(10)を配置する規制部材配置工程(S16)と、
複数の前記セグメント導体(4)のうち、前記電機子コア(2)に対して前記渡り部(42)が前記軸方向(L)の一方側(L1)に配置される前記セグメント導体(4)を第1セグメント導体(5)とし、前記電機子コア(2)に対して前記渡り部(42)が前記軸方向(L)の他方側(L2)に配置される前記セグメント導体(4)を第2セグメント導体(6)として、前記第1セグメント導体(5)における1つの前記接合部(43)の前記対向面(44)と、前記第2セグメント導体(6)における1つの前記接合部(43)の前記対向面(44)とが対向するように、前記第1セグメント導体(5)の前記導体辺部(41)と前記第2セグメント導体(6)の前記導体辺部(41)との少なくとも一方を、前記規制部材配置工程(S16)の後に、前記スロット(21)内に挿入する挿入工程(S17)と、
前記第1セグメント導体(5)の前記接合部(43)と前記第2セグメント導体(6)の前記接合部(43)とを接合する接合工程(S14)と、を備え、
前記挿入工程(S17)では、前記第1セグメント導体(5)における1つの前記接合部(43)の前記対向面(44)と、前記第2セグメント導体(6)における1つの前記接合部(43)の前記対向面(44)とが対向するまでの間、前記規制部材(10)の前記規制面(11)により前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の移動を規制する。
この構成によれば、規制部材配置工程(S16)で予め配置された規制部材(10)によって、挿入工程(S17)を実行する際に第1セグメント導体(5)の導体辺部(41)と第2セグメント導体(6)の導体辺部(41)とが、径方向(R)に移動することが規制される。そのため、第1セグメント導体(5)の対向面(44)と第2セグメント導体(6)の対向面(44)とを対向させ易い。したがって、セグメント導体(4)同士を適切に接合することが容易に行える。
ここで、前記挿入工程(S17)では、前記第1セグメント導体(5)の前記導体辺部(41)と前記第2セグメント導体(6)の前記導体辺部(41)との双方を、前記軸方向の両側から前記スロット(21)内に挿入し、
前記接合工程(S14)では、前記第1セグメント導体(5)の前記接合部(43)と前記第2セグメント導体(6)の前記接合部(43)とを前記スロット(21)内で接合すると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(5)の導体辺部(41)と第2セグメント導体(6)の前記導体辺部(41)との双方を前記スロット(21)内に挿入する際、スロット(21)の内壁面(21b)を利用して、導体辺部(41)の径方向(R)の移動を規制することができる。したがって、第1セグメント導体(5)の対向面(44)と第2セグメント導体(6)の対向面(44)とを対向させることが更に容易となる。
ここで、前記スロット(21)内で前記径方向(R)に並ぶ前記導体辺部(41)の数に、1つの前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の厚さ(T1)を乗じて得た長さをスロット内導体厚さ(T2)として、
前記規制部材配置工程(S16)では、前記規制面(11)は、前記スロット(21)における前記径方向開口部(21a)側とは反対側の内壁面(21b)から前記径方向開口部(21a)側に前記スロット内導体厚さ(T2)以上離間し、かつ、前記スロット(21)内に収まる位置に配置されると好適である。
この構成によれば、規制面(11)とスロット(21)の内壁面(21b)との距離が、スロット(21)内で径方向(R)に並ぶ導体辺部(41)の径方向(R)の長さ以上となる。したがって、挿入工程(S17)において、規制面(11)とスロット(21)の内壁面(21b)との間に、導体辺部(41)を適切に挿入することができる。
また、前記規制面(11)は、当該規制面(11)の前記軸方向(L)の両側(L1,L2)に案内傾斜面(12)を有し、
前記案内傾斜面(12)は、互いに離間するに従って前記径方向開口部(21a)側へ向かうように形成されていると好適である。
この構成によれば、規制面(11)の軸方向(L)の両側(L1,L2)に形成された案内傾斜面(12)が、互いに離間するに従ってスロット(21)の内壁面(21b)との間隔が大きくなる。よって、第1セグメント導体(5)及び第2セグメント導体(6)の導体辺部(41)をスロット(21)内に挿入する際に、当該導体辺部(41)の先端部が案内傾斜面(12)によってスロット(21)内に向かうように案内される。したがって、規制面(11)とスロット(21)の内壁面(21b)との間に、導体辺部(41)を容易に挿入することができる。
また、前記挿入工程(S17)の後であって前記接合工程(S14)の前に、前記径方向(R)における前記径方向開口部(21a)側とは反対側へ前記規制面(11)を移動させる規制面移動工程(S18)を更に備えると好適である。
この構成によれば、挿入工程(S17)の後、規制面(11)及びスロット(21)の内壁面と導体辺部(41)との間にクリアランスがある場合には、規制面(11)を移動させて当該クリアランスを低減することができる。また、規制面(11)及びスロット(21)の内壁面(21b)と導体辺部(41)との間にクリアランスがない状態から更に規制面(11)を移動させた場合には、導体辺部(41)を径方向(R)に押圧することができる。いずれにしても、接合工程(S14)において導体辺部(41)の径方向(R)の移動を適切に規制することができる。
また、前記第1セグメント導体(5)の前記接合部(43)と前記第2セグメント導体(6)の前記接合部(43)とが、前記径方向(R)に互いに噛み合う径方向凹凸部(45)を有し、
前記スロット(21)内で前記径方向(R)に並ぶ前記導体辺部(41)の数に、1つの前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の厚さ(T1)を乗じて得た長さをスロット内導体厚さ(T2)とし、前記径方向凹凸部(45)の噛み合いの深さを噛合い深さ(De)として、
前記規制部材配置工程(S16)では、前記規制面(11)は、前記スロット内導体厚さ(T2)に前記噛合い深さ(De)を加えた長さ以上、前記スロット(21)における前記径方向開口部(21a)側とは反対側の内壁面(21b)から前記径方向開口部(21a)側に離間し、かつ、前記スロット(21)内に収まる位置に配置されると好適である。
この構成によれば、径方向凹凸部(45)同士の干渉を抑えて、第1セグメント導体(5)の導体辺部(41)と第2セグメント導体(6)の導体辺部(41)とを適切にスロット(21)内に挿入することができる。
また、前記接合工程(S14)では、前記規制部材(10)により前記導体辺部(41)の前記径方向(R)の移動を規制しつつ、前記第1セグメント導体(5)の前記接合部(43)と前記第2セグメント導体(6)の前記接合部(43)とを接合すると好適である。
この構成によれば、接合工程(S14)において第1セグメント導体(5)の接合部(43)と第2セグメント導体(6)の接合部(43)とが互いに径方向(R)にずれたり離間したりすることを制限できる。したがって、セグメント導体(4)同士を適切に接合することが更に容易となる。
また、前記規制面(11)は、前記第1セグメント導体(5)の前記導体辺部(41)及び前記第2セグメント導体(6)の前記導体辺部(41)の双方における前記軸方向(L)の全域又は一部の領域である対象領域(OA)に対向するように形成され、当該対象領域(OA)における前記規制面(11)に対向する面に沿った形状を有していると好適である。
この構成によれば、導体辺部(41)における軸方向(L)の全域又は一部の領域に設定された対象領域(OA)の径方向(R)の移動を、当該対象領域(OA)に対向する規制面(11)によって適切に規制することができる。ここで、この規制面(11)は、導体辺部(41)の対象領域(OA)に沿う形状となっている。したがって、このような規制面(11)によって、安定的に導体辺部(41)の径方向(R)の移動を規制することができる。
また、前記規制面(11)は、前記第1セグメント導体(5)の前記接合部(43)及び前記第2セグメント導体(6)の前記接合部(43)の双方に対向するように形成されていると好適である。
この構成によれば、第1セグメント導体(5)の接合部(43)及び第2セグメント導体(6)の接合部(43)の双方の径方向(R)の移動を、規制面(11)によって適切に規制することができる。そのため、接合工程(S14)において第1セグメント導体(5)の接合部(43)と第2セグメント導体(6)の接合部(43)とが互いに径方向(R)にずれたり離間したりすることを制限できる。したがって、セグメント導体(4)同士を適切に接合することが更に容易となる。
本開示に係る技術は、軸方向に延びるスロットが周方向に複数配置された円筒状の電機子コアと、前記電機子コアに巻装されたコイルと、を備えた回転電機用電機子の製造方法に利用することができる。
1 :ステータ(回転電機用電機子)
2 :ステータコア(電機子コア)
21 :スロット
21a :径方向開口部
3 :コイル
4 :セグメント導体
41 :導体辺部
42 :渡り部
43 :接合部
44 :対向面
5 :第1セグメント導体
6 :第2セグメント導体
8 :導電性接合材
9 :押圧装置
10 :規制部材
11 :規制面
R :径方向
L :軸方向
C :周方向

Claims (9)

  1. 軸方向に延びると共に径方向に開口する径方向開口部を有するスロットが周方向に複数配置された円筒状の電機子コアと、複数のセグメント導体を接合して構成されて前記電機子コアに巻装されたコイルと、を備えた回転電機用電機子の製造方法であって、
    前記軸方向に沿って延在する導体辺部と、前記電機子コアにおける前記軸方向の外側において前記導体辺部に接続されている渡り部とを有し、対向面を有する接合部が前記導体辺部に設けられている、前記セグメント導体を複数準備すると共に、前記電機子コアを準備する準備工程と、
    最も前記径方向開口部側の前記導体辺部の前記径方向の位置に応じて配置される規制面を有し、当該規制面により前記導体辺部の前記径方向の移動を規制する規制部材を配置する規制部材配置工程と、
    複数の前記セグメント導体のうち、前記電機子コアに対して前記渡り部が前記軸方向の一方側に配置される前記セグメント導体を第1セグメント導体とし、前記電機子コアに対して前記渡り部が前記軸方向の他方側に配置される前記セグメント導体を第2セグメント導体として、前記第1セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面と、前記第2セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面とが対向するように、前記第1セグメント導体の前記導体辺部と前記第2セグメント導体の前記導体辺部との少なくとも一方を、前記規制部材配置工程の後に、前記スロット内に挿入する挿入工程と、
    前記第1セグメント導体の前記接合部と前記第2セグメント導体の前記接合部とを接合する接合工程と、を備え、
    前記挿入工程では、前記第1セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面と、前記第2セグメント導体における1つの前記接合部の前記対向面とが対向するまでの間、前記規制部材の前記規制面により前記導体辺部の前記径方向の移動を規制する、回転電機用電機子の製造方法。
  2. 前記挿入工程では、前記第1セグメント導体の前記導体辺部と前記第2セグメント導体の前記導体辺部との双方を、前記軸方向の両側から前記スロット内に挿入し、
    前記接合工程では、前記第1セグメント導体の前記接合部と前記第2セグメント導体の前記接合部とを前記スロット内で接合する、請求項1に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  3. 前記スロット内で前記径方向に並ぶ前記導体辺部の数に、1つの前記導体辺部の前記径方向の厚さを乗じて得た長さをスロット内導体厚さとして、
    前記規制部材配置工程では、前記規制面は、前記スロットにおける前記径方向開口部側とは反対側の内壁面から前記径方向開口部側に前記スロット内導体厚さ以上離間し、かつ、前記スロット内に収まる位置に配置される、請求項1又は2に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  4. 前記規制面は、当該規制面の前記軸方向の両側に案内傾斜面を有し、
    前記案内傾斜面は、互いに離間するに従って前記径方向開口部側へ向かうように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  5. 前記挿入工程の後であって前記接合工程の前に、前記径方向における前記径方向開口部側とは反対側へ前記規制面を移動させる規制面移動工程を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  6. 前記第1セグメント導体の前記接合部と前記第2セグメント導体の前記接合部とが、前記径方向に互いに噛み合う径方向凹凸部を有し、
    前記スロット内で前記径方向に並ぶ前記導体辺部の数に、1つの前記導体辺部の前記径方向の厚さを乗じて得た長さをスロット内導体厚さとし、前記径方向凹凸部の噛み合いの深さを噛合い深さとして、
    前記規制部材配置工程では、前記規制面は、前記スロット内導体厚さに前記噛合い深さを加えた長さ以上、前記スロットにおける前記径方向開口部側とは反対側の内壁面から前記径方向開口部側に離間し、かつ、前記スロット内に収まる位置に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  7. 前記接合工程では、前記規制部材により前記導体辺部の前記径方向の移動を規制しつつ、前記第1セグメント導体の前記接合部と前記第2セグメント導体の前記接合部とを接合する、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  8. 前記規制面は、前記第1セグメント導体の前記導体辺部及び前記第2セグメント導体の前記導体辺部の双方における前記軸方向の全域又は一部の領域である対象領域に対向するように形成され、当該対象領域における前記規制面に対向する面に沿った形状を有している、請求項1から7のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
  9. 前記規制面は、前記第1セグメント導体の前記接合部及び前記第2セグメント導体の前記接合部の双方に対向するように形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機用電機子の製造方法。
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