JP6964530B2 - パイプの接合構造及び接合方法 - Google Patents
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Description
また、枝パイプ103が主パイプ101に斜めに接合されている(主パイプ101の軸線Oaに対して枝パイプ103の軸線Obが傾斜している)ため、主パイプ101と枝パイプ103の接合部も、枝パイプ103の軸線Obに対して傾斜している。このため、枝パイプ103に軸線Ob方向の荷重が作用すると、接合部にせん断方向の荷重が作用する。特に、接合部に未接合部Gがあるため、このせん断方向の荷重に対して接合強度が低下してしまう。
(1) 第一パイプに第二パイプが接合されるパイプの接合構造であって、
前記第一パイプの周面に筒状の継手が形成され、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面が突き当てられて溶接によって接合され、
前記継手は、前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させた積層造形物からなる
パイプの接合構造。
(2) 第一パイプに第二パイプを接合させるパイプの接合方法であって、
前記第一パイプの周面に筒状の継手を形成する継手形成工程と、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面を突き当てて溶接によって接合させる接合工程と、
を含み、
前記継手形成工程において、
前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させて筒状の前記継手を形成する
パイプの接合方法。
まず、製造システム100において、設定された層形状データから生成されるトーチ17の移動軌跡に沿って、トーチ17を溶接ロボット19の駆動により移動させながら溶加材Mを溶融させ、溶融した溶加材Mを第一パイプ51の周面上に供給する。そして、溶着ビード25を積層させた積層造形物Wからなる接合部57と接合筒部59とを有する筒状の継手55を造形する。このとき、図3Aに示すように、まず、第一パイプ51側の接合部57を、第一パイプ51の軸線Oaに対して垂直に形成していく。接合部57の肉厚が溶着ビード25のビード幅よりも厚い場合には、接合部57は、第1パイプ51の周面上に複数列の溶着ビード25によって形成されてもよい。さらに、図3Bに示すように、接合筒部59を、接合部57から連続して、第1パイプ51に対して傾斜するように形成する。
なお、接合部57、接合筒部59の造形は、所望の形状が得られるものであれば、任意に積層することができる。
図3Cに示すように、継手55の接合筒部59の端面に第二パイプ53の端面を突き合わせる。すると、接合筒部59と第二パイプ53の突き合わせ箇所における外周側に、開先61が形成される。その後、形成された開先61を溶接することで、開先61の溶接部63によって継手55の接合筒部59と第二パイプ53とが接合される(図1B参照)。このとき、継手55の接合筒部59と第二パイプ53とは、第二パイプ53の軸線Obに対して直交する面で接合させる。即ち、接合筒部59の端面は、軸線Ocに対して垂直面とされている。したがって、継手55の接合筒部59に第二パイプ53を接合させることで、第二パイプ53と接合筒部59とは、それぞれの軸線Ob,Ocが一致され、第二パイプ53及び接合筒部59の軸線Ob,Ocに対して直交する接合面65で接合されることとなる。
(変形例1)
図4A及び図4Bに示すように、変形例1では、第一パイプ51に対して第二パイプ53が垂直に接合されている。この場合、第一パイプ51に形成する継手55は、接合部57から接合筒部59が垂直に立設するように溶着ビード25を積層させて形成されることとなる。
図5に示すように、変形例2では、角パイプからなる第一パイプ51に対して角パイプからなる第二パイプ53が垂直に接合されている。この場合、第一パイプ51に形成する継手55は、第二パイプ53の断面形状と同一の角筒形状で第一パイプ51の周面から垂直に立設するように溶着ビード25を積層させて形成されることとなる。
図6A及び図6Bに示すように、変形例3では、複数(本例では二つ)の継手55が、第一パイプ51の周面に対して一部が重なるように積層造形で形成され、接合筒部59が異なる方向へ延在する。そして、複数の接合筒部59には、第二パイプ53がそれぞれ接合されている。これらの接合筒部59は、第一パイプ51の周面に形成した接合部57から延在されている。それぞれの接合筒部59が形成された接合部57は、その一部が交差するように、第一パイプ51の周面に形成されている。
(1) 第一パイプに第二パイプが接合されるパイプの接合構造であって、
前記第一パイプの周面に筒状の継手が形成され、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面が突き当てられて溶接によって接合され、
前記継手は、前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させた積層造形物からなる
パイプの接合構造。
このパイプの接合構造によれば、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させた積層造形物からなる筒状の継手が第一パイプの周面に形成され、継手の端面に第二パイプの端面が突き当てられて溶接によって接合されている。
したがって、第一パイプの周面に第二パイプを突き合わせて直接溶接する場合と比較し、未溶接部を極力なくすことができ、接合強度の高い接合構造とすることができる。しかも、筒状の継手と第二パイプとを溶接して接合するので、接合の容易化を図ることができ、また、ロボット等を用いたロボット溶接にも容易に対応させることができる。
また、第二パイプの端面形状を第一パイプの周面形状に合わせて複雑な形状とする必要がなく、このため、第二パイプの製造コストを抑えることができる。
前記接合筒部は、前記第二パイプと略同一の肉厚を有し、前記接合部は、前記接合筒部よりも厚肉に形成されている(1)に記載のパイプの接合構造。
このパイプの接合構造によれば、継手は、第一パイプの周面に固着された接合部が、第二パイプと略同一の肉厚に形成されて第二パイプの軸線方向に延びる接合筒部よりも厚肉とされている。したがって、継手における第一パイプとの接合箇所での耐荷重を高めることができ、さらに高強度な接合構造とすることができる。
前記継手に接合された前記第二パイプが前記第一パイプに対して斜めに接合されている(2)に記載のパイプの接合構造。
このパイプの接合構造によれば、第一パイプに対して継手の接合筒部が傾斜されている。したがって、この接合筒部に第二パイプを接合することで、第一パイプに対して第二パイプを容易に斜めに接合することができる。
このパイプの接合構造によれば、接合筒部と第二パイプとが、第二パイプの軸線に対して直交する面で接合されている。したがって、第二パイプに軸方向の荷重が作用しても、継手と第二パイプとの接合箇所に生じるせん断荷重の発生を抑制でき、耐荷重性をさらに高めることができる。
このパイプの接合構造によれば、第一パイプに対して積層造形した継手を介して複数の第二パイプを高い強度で接合させることができる。また、それぞれの接合筒部の長さを溶着ビードの積層数を増やして長くすることで、各接合筒部と第二パイプとのそれぞれの接合箇所を離し、溶接しやすくすることができる。
(6) 前記継手は、前記第一パイプの周面に溶接によって接合され、且つ、該継手の内部に形成されるリブを有する(1)から(5)のいずれか一つに記載のパイプの接合構造。
このパイプの接合構造によれば、継手の内部には、リブが形成される。したがって、継手の耐荷重性を高めることができる。
前記第一パイプの周面に筒状の継手を形成する継手形成工程と、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面を突き当てて溶接によって接合させる接合工程と、
を含み、
前記継手形成工程において、
前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させて筒状の前記継手を形成する
パイプの接合方法。
このパイプの接合方法によれば、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させた積層造形物からなる筒状の継手を第一パイプの周面に形成し、継手の端面に第二パイプの端面を突き当てて溶接によって接合する。
したがって、第一パイプの周面に第二パイプを突き合わせて直接溶接する場合と比較し、未溶接部を極力なくすことができ、高い接合強度で接合させることができる。しかも、筒状の継手と第二パイプとを溶接して接合するので、接合の容易化を図ることができ、また、ロボット等を用いたロボット溶接にも容易に対応させることができる。また、第二パイプの端面形状を第一パイプの周面形状に合わせて複雑な形状とする必要がなく、このため、第二パイプの製造コストを抑えることができる。
前記第一パイプの周面に固着する接合部と、前記接合部から前記第二パイプの軸線方向に延びる接合筒部と、を有する前記継手を形成し、
前記接合筒部を前記第二パイプと略同一の肉厚に形成し、前記接合部を前記接合筒部よりも厚肉に形成する(7)に記載のパイプの接合方法。
このパイプの接合方法によれば、第一パイプの周面に固着する接合部を、第二パイプと略同一の肉厚に形成して第二パイプの軸線方向に延びる接合筒部よりも厚肉とする。したがって、継手における第一パイプとの接合箇所での耐荷重を高めることができ、さらに高強度な接合構造とすることができる。
このパイプの接合方法によれば、第一パイプに対して継手の接合筒部が傾斜するように継手を形成する。したがって、この接合筒部に第二パイプを接合することで、第一パイプに対して第二パイプを容易に斜めに接合することができる。
このパイプの接合方法によれば、接合筒部と第二パイプとを、第二パイプの軸線に対して直交する面で接合させる。したがって、第二パイプに軸方向の荷重が作用しても、継手と第二パイプとの接合箇所に生じるせん断荷重の発生を抑制でき、耐荷重性をさらに高めることができる。
前記接合工程において、複数の前記接合筒部に前記第二パイプをそれぞれ接合させる(8)から(10)のいずれか一つに記載のパイプの接合方法。
このパイプの接合方法によれば、第一パイプに対して積層造形した継手を介して複数の第二パイプを高い強度で接合させることができる。また、それぞれの接合筒部の長さを溶着ビードの積層数を増やして長くすることで、各接合筒部と第二パイプとのそれぞれの接合箇所を離し、溶接しやすくすることができる。
(12) 前記継手形成工程において、前記第一パイプの周面に溶接によって接合され、且つ、該継手の内部に形成されるリブを有する(8)から(11)のいずれか一つに記載のパイプの接合方法。
このパイプの接合方法によれば、第一パイプの周面に溶接によって接合され、且つ、該継手の内部に形成されるリブを有する。これにより、継手の耐荷重性を高めることができる。
51 第一パイプ
53 第二パイプ
55 継手
57 接合部
59 接合筒部
65 接合面
M 溶加材
Oa,Ob,Oc 軸線
W 積層造形物
Claims (10)
- 第一パイプに第二パイプが接合されるパイプの接合構造であって、
前記第一パイプの周面に筒状の継手が形成され、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面が突き当てられて溶接によって接合され、
前記継手は、前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させた積層造形物からなり、
前記継手は、前記第一パイプの周面に溶接によって接合され、且つ、前記継手の内部に形成されるリブを有する、
パイプの接合構造。 - 前記継手は、前記第一パイプの周面に固着された接合部と、前記接合部から前記第二パイプの軸線方向に延びる接合筒部と、を有し、
前記接合筒部は、前記第二パイプと略同一の肉厚を有し、前記接合部は、前記接合筒部よりも厚肉に形成されている請求項1に記載のパイプの接合構造。 - 前記第一パイプに対して前記継手の前記接合筒部が傾斜され、
前記継手に接合された前記第二パイプが前記第一パイプに対して斜めに接合されている請求項2に記載のパイプの接合構造。 - 前記継手の前記接合筒部と前記第二パイプとが、前記第二パイプの軸線に対して直交する面で接合されている請求項2または請求項3に記載のパイプの接合構造。
- 前記継手は、異なる方向へ延在する複数の接合筒部を有し、複数の前記接合筒部に前記第二パイプがそれぞれ接合されている請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のパイプの接合構造。
- 第一パイプに第二パイプを接合させるパイプの接合方法であって、
前記第一パイプの周面に筒状の継手を形成する継手形成工程と、
前記継手の端面に前記第二パイプの端面を突き当てて溶接によって接合させる接合工程と、
を含み、
前記継手形成工程において、
前記第一パイプの周面に対して、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層させて筒状の前記継手を形成し、前記継手の内部に、前記第一パイプの周面に溶接によって接合されたリブを形成する、
パイプの接合方法。 - 前記継手形成工程において、
前記第一パイプの周面に固着する接合部と、前記接合部から前記第二パイプの軸線方向に延びる接合筒部と、を有する前記継手を形成し、
前記接合筒部を前記第二パイプと略同一の肉厚に形成し、前記接合部を前記接合筒部よりも厚肉に形成する請求項6に記載のパイプの接合方法。 - 前記継手形成工程において、前記第一パイプに対して前記接合筒部が傾斜するように前記継手を形成することで、前記第二パイプを前記第一パイプに対して斜めに接合させる請求項7に記載のパイプの接合方法。
- 前記接合工程において、前記継手の前記接合筒部と前記第二パイプとを、前記第二パイプの軸線に対して直交する面で接合させる請求項7または請求項8に記載のパイプの接合方法。
- 前記継手形成工程において、異なる方向へ延在する複数の接合筒部を有する前記継手を形成し、
前記接合工程において、複数の前記接合筒部に前記第二パイプをそれぞれ接合させる請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のパイプの接合方法。
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