JP6963718B1 - 割岩工具および当該工具を用いた破砕方法 - Google Patents

割岩工具および当該工具を用いた破砕方法 Download PDF

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Abstract

【課題】岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を効率的に、かつ比較的大きな力で割岩することができる割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を効率的に破砕することができる破砕方法を提供する。【解決手段】この発明では、可動プレート部に対して底面に向けて外力が付与されることで可動プレート部とともにプレート側楔部材が底面に向かって移動するのに伴って、第1羽根部材が第1ベース側傾斜面および第1プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第1径方向Y1に移動して削孔21の内壁を押圧するとともに、第2羽根部材が第2ベース側傾斜面および第2プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第2径方向Y2に移動して削孔21の内壁を押圧する。【選択図】図2

Description

この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの処理対象物を割岩する割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を破砕する破砕技術に関するものである。
従来、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を割岩するための割岩工具として、楔部材(ウェッジと称されることもある)と羽根部材(ライナーと称されることもある)を用いた、いわゆるセリ矢が知られている。例えば特許文献1では、楔部材と羽根部材を組み合わせた割岩工具により処理対象物を割岩する技術が記載されている。より詳しくは、岩盤に削岩機で予め削孔を形成し、削孔内に楔部材と羽根部材を組み合わせた割岩工具を挿入し、楔部材の後端部をブレーカで打撃して割岩して岩盤を破砕している。
上記割岩工具では、各羽根部材および楔部材を削孔に挿入する作業、ならびに岩盤の破砕後に各羽根部材および楔部材を回収する作業については、作業機械を補助的に使用することは可能である。しかしながら、割岩工具を用いた破砕作業では、人手による作業が数多く存在している。例えばブレーカによる打撃前に削孔に対して羽根部材を個別に挿入し、しかも削孔内で羽根部材を相互に離間させて楔部材の先端部を挿入するための隙間を形成する必要があった。また、破砕が完了して楔部材を羽根部材から引き抜いた後で破砕領域において互いに分離している各羽根部材の位置を確認し、それぞれを個別に回収する際にも、人手が必要となる。このような人手作業を割岩毎に行う必要があり、これが割岩工具を用いた破砕処理の効率を低下させる主要因の一つとなっていた。
そこで、本願出願人は、ベース部とブラケット部との間に、第1下方アームと第1上方アームとを第1連結可動部により連結した連結体と、第2下方アームと第2上方アームとを第2連結可動部により連結した連結体とを設けた割岩工具を創作した(特許文献2参照)。この割岩工具を削孔に挿入した後に、ブラケット部に対して削孔の底面に向けて外力が付与されると、ブラケット部が底面に向けて下降するのに伴って、第1連結可動部および第2連結可動部がそれぞれ第1径方向および第2径方向に移動して削孔の内壁を押圧して割岩処理が実行される。その結果、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を効率的に割岩することが可能となった。
特開2006−225925号公報(図3) 特許第6817512号
特許文献2に記載の割岩工具では、ベース部とブラケット部とを2つの連結体で連結し、これらの連結体のリンク機構により、ブラケット部の移動に応じて第1連結可動部および第2連結可動部をそれぞれ第1径方向および第2径方向に移動して削孔の内壁を押圧している。したがって、ブラケット部に対して付与できる外力は、リンク機構が破損しない程度の比較的小さなものに止まり、上記割岩工具の使用可能範囲は比較的小さな力で割岩できる処理対象物に制限されている。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を効率的に、かつ比較的大きな力で割岩することができる割岩工具および当該工具を用いて処理対象物を効率的に破砕することができる破砕方法を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、割岩工具であって、処理対象物に形成された削孔の底面により支持されるベース部と、ベース部から削孔の開口に向けて矢状に突設されるベース側楔部材と、削孔の開口側で削孔の深さ方向に沿って移動自在に設けられる可動プレート部と、可動プレート部から削孔の底面に向けて矢状に突設されたプレート側楔部材と、削孔の内部で、削孔の径方向においてベース側楔部材の第1径方向の側面に設けられる第1ベース側傾斜面と、プレート側楔部材の第1径方向の側面に設けられる第1プレート側傾斜面との間において、第1ベース側傾斜面および第1プレート側傾斜面に対して摺動自在に配置される第1羽根部材と、削孔の内部で、削孔の径方向においてベース側楔部材の第2径方向の側面に設けられる第2ベース側傾斜面と、プレート側楔部材の第2径方向の側面に設けられる第2プレート側傾斜面との間において、第2ベース側傾斜面および第2プレート側傾斜面に対して摺動自在に配置される第2羽根部材と、ベース側楔部材に対して第1羽根部材および第2羽根部材を削孔の径方向に移動自在に連結するベース側連結部と、プレート側楔部材に対して第1羽根部材および第2羽根部材を削孔の径方向に移動自在に連結するプレート側連結部と、を備え、可動プレート部に対して底面に向けて外力が付与されることで可動プレート部とともにプレート側楔部材が底面に向かって移動するのに伴って、第1羽根部材が第1ベース側傾斜面および第1プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第1径方向に移動して削孔の内壁を押圧するとともに、第2羽根部材が第2ベース側傾斜面および第2プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第2径方向に移動して削孔の内壁を押圧することを特徴としている。
また、この発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る割岩工具において、可動プレート部に対して削孔の開口側で削孔に沿って延設される長軸体をさらに備え、長軸体の両端面のうち可動プレート部と対向する第1端面が可動プレート部と当接する一方、第1端面の反対側の第2端面が外力を受けることで、長軸体が外力を可動プレート部に伝達する。
また、この発明の第3の態様は、上記第2の態様に係る割岩工具において、長軸体の第1端面と対向する可動プレート部の対向面と長軸体の第1端面とのうち、一方が凹面に仕上げられるとともに他方が凸面に仕上げられ、互いに摺接自在となっている。
また、この発明の第4の態様は、上記第2または3の態様に係る割岩工具において、長軸体の側面のうち第2端面の近傍領域から第1径方向に突出して設けられるとともに、第1径方向に突出した先端部位に削孔の開口の周囲と係合可能な第1傾斜面が設けられる第1係合部と、長軸体の側面のうち第2端面の近傍領域から第2径方向に突出して設けられるとともに、第2径方向に突出した先端部位に削孔の開口の周囲と係合可能な第2傾斜面が設けられる第2係合部と、を備え、第1傾斜面および第2傾斜面は、近傍領域からの突出量が第1端面から第2端面に向かう方向に進むにしたがって大きくなるように傾斜しており、外力の付与により可動プレート部、プレート側楔部材とともに長軸体が底面に向かって移動するのに伴って、第1傾斜面および第2傾斜面のうち削孔の開口の周囲と係合する位置が第2端面側に移動することで、第1係合部が削孔の開口の周囲を第1径方向に押圧するとともに、第2係合部が削孔の開口の周囲を第2径方向に押圧する。
また、この発明の第5の態様は、上記第1の態様に係る割岩工具を第1羽根部材および第2羽根部材が相互に近接した状態で削孔に挿入してベース部を底面上に載置する工程と、削孔に挿入された割岩工具の可動プレート部に対して底面に向かう外力を与えることで、削孔の内部で可動プレート部とベース部との距離を短縮するとともに、距離の短縮に応じて第1羽根部材および第2羽根部材を削孔の内壁を押圧して削孔の周囲を破砕する工程とを備えることを特徴としている。
また、この発明の第6の態様は、上記第1の態様に係る割岩工具と同一構成を有する第1割岩工具を第1羽根部材および第2羽根部材が相互に近接した状態で削孔に挿入して第1割岩工具のベース部を底面上に載置する工程と、削孔への第1割岩工具の挿入に続いて、請求項1に記載の割岩工具と同一構成を有する第2割岩工具を第1羽根部材および第2羽根部材が相互に近接した状態で削孔に挿入して第2割岩工具のベース部を第1割岩工具の可動プレート部の上に載置する工程と、削孔に挿入された第2割岩工具の可動プレート部に対して底面に向かう外力を与えることで、削孔の内部で第1割岩工具および第2割岩工具の各々において可動プレート部とベース部との距離を短縮するとともに、距離の短縮に応じて第1羽根部材および第2羽根部材を削孔の内壁を押圧して削孔の周囲を破砕する工程とを備えることを特徴としている。
また、この発明の第7の態様は、第2割岩工具における第1羽根部材および第2羽根部材の移動の方向が第1割岩工具における第1羽根部材および第2羽根部材の移動の方向と異なるように、第2割岩工具を第1割岩工具の可動プレート部の上に載置する。
また、この発明の第8の態様は、上記第2または3の態様に係る割岩工具を用いて削孔の周囲を破砕する破砕方法であって、第1羽根部材および第2羽根部材が相互に近接した状態で、ベース部、ベース側楔部材、可動プレート部、プレート側楔部材、第1羽根部材、第2羽根部材、ベース側連結部およびプレート側連結部を一体的に削孔に挿入してベース部を底面上に載置する工程と、長軸体を削孔に挿入して長軸体の第1端面を可動プレート部と当接させる工程と、長軸体の第1端面を可動プレート部と当接させた状態で、長軸体の第2端面に外力を与えることで、削孔の内部で可動プレート部とベース部との距離を短縮するとともに、距離の短縮に応じて第1羽根部材および第2羽根部材を削孔の内壁を押圧して削孔の周囲を破砕する工程とを備えることを特徴としている。
さらに、この発明の第9の態様は、上記第4の態様に係る割岩工具を用いて削孔の周囲を破砕する破砕方法であって、第1羽根部材および第2羽根部材が相互に近接した状態で、ベース部、ベース側楔部材、可動プレート部、プレート側楔部材、第1羽根部材、第2羽根部材、ベース側連結部およびプレート側連結部を一体的に削孔に挿入してベース部を底面上に載置する工程と、長軸体を削孔に挿入して長軸体の第1端面を可動プレート部と当接させるとともに、第1係合部の第1傾斜面および第2係合部の第2傾斜面を削孔の開口の周囲に当接させる工程と、長軸体の第1端面を可動プレート部と当接させるとともに第1係合部の第1傾斜面および第2係合部の第2傾斜面を削孔の開口の周囲に当接させた状態で、長軸体の第2端面に外力を与えることで、削孔の内部で可動プレート部とベース部との距離を短縮させることで距離の短縮に応じて第1羽根部材および第2羽根部材で削孔の内壁を押圧するとともに、第1係合部および第2係合部で削孔の開口の周囲を押圧して削孔の周囲を破砕する工程とを備えることを特徴としている。
以上のように、本発明によれば、ベース側楔部材に対して第1羽根部材および第2羽根部材がベース側連結部により削孔の径方向に移動自在に連結されるとともに、プレート側楔部材に対して第1羽根部材および第2羽根部材がプレート側連結部により削孔の径方向に移動自在に連結されている。したがって、割岩工具を構成する複数の要素を一括して削孔に挿入することができる。また、割岩処理後においても、それらの要素を一括して回収することができる。
また、上記のような連結構造を有することから、可動プレート部に対して底面に向けて外力が付与されるのに対応し、連結構造を介して第1羽根部材および第2羽根部材が削孔の内壁に向けて移動して押圧するが、その押圧力は上記したように比較的小さい。しかしながら、本実施形態では、上記外力の付与に応じて可動プレート部とともにプレート側楔部材が底面に向かって移動するのに伴って、第1羽根部材が第1ベース側傾斜面および第1プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第1径方向に移動して削孔の内壁を押圧するとともに、第2羽根部材が第2ベース側傾斜面および第2プレート側傾斜面に沿って摺動しながら第2径方向に移動して削孔の内壁を押圧する。このように、リンク機構以外の機構により羽根部材を移動させて削孔の内壁をさらに押圧している。しかも、このように傾斜面に沿って羽根部材を摺動させて羽根部材を径方向に移動させる機構では、比較的大きな力を加えることができ、優れた破壊耐力を有している。その結果、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物を効率的に、かつ比較的大きな力で割岩することができる。
本発明に係る破砕方法の第1実施形態を実行する際に用いられる割岩工具およびブレーカを示す図である。 図1に示す割岩工具の構成を示す図である。 図2(b)に示す割岩工具のIII−III線矢視図である。 本発明に係る破砕方法の第1実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る割岩工具の第2実施形態を示す側面図である。 図5に示す割岩工具を種々の方向から見た図である。 本発明に係る破砕方法の第3実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る破砕方法の第4実施形態を実行するための割岩工具を模式的に示す図である。 図8に示す割岩工具の拡大図である。 第4実施形態で使用される割岩工具の一部をさらに拡大した図である。 本発明に係る破砕方法の第4実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る破砕方法の第5実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る破砕方法の第1実施形態を実行する際に用いられる割岩工具およびブレーカを示す図である。 図13に示す割岩工具の拡大図である。
<第1実施形態>
本発明に係る破砕方法の第1実施形態は、以下の工程(1)〜(4)、
工程(1):岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物に削孔を形成する、
工程(2):本発明に係る割岩工具を削孔に挿入する、
工程(3):上記割岩工具の可動プレート部をブレーカのピストンで打撃して削孔の底面に向けて圧入して削孔の周囲を割岩する、
工程(4):ブレーカを取り外した後で割岩工具を回収する、
を実行することで処理対象物を割岩し、削孔の周囲を破砕するものであり、特に破砕効率を高めるために、次の説明する割岩工具を用いている。
図1は、本発明に係る破砕方法の第1実施形態を実行する際に用いられる割岩工具およびブレーカを示す図であり、当該割岩工具は本発明に係る割岩工具の第1実施形態に相当している。また、図2は、図1に示す割岩工具の構成を示す図であり、同図(a)が分解組立図であり、同図(b)が組立後の割岩工具を示す側面図である。図3は、図2(b)に示す割岩工具のIII−III線矢視図である。なお、各図における方向を統一的に示すために、XYZ直交座標軸を設定する。ここで、Z軸の軸方向が処理対象物2に対して削孔21を形成する深さ方向を表し、Z2方向に削孔21の底面211が位置する一方、Z1方向に削孔21の開口212が位置している。また、削孔21の深さ方向Zと直交するY軸の軸方向が削孔21の径方向に相当し、そのうちY1が第1径方向に相当し、Y2が第2径方向に相当している。さらに、Z軸およびY軸の両方に直交する軸をX軸としており、その一方をX1方向とし、他方をX2方向としている。
割岩工具1Aは、上方からの平面視で略小判形状を有するベース部11を備えている。このベース部11は、長径(Y方向サイズ)が削孔21の内径より若干短く、短径(X方向サイズ)が長径よりもさらに短くなっており、削孔21の開口212を介して削孔21内に挿入可能となっている。ベース部11が削孔21に挿入され、ベース部11のZ2方向側の平面が削孔21の底面211で係止されることで底面211により支持可能となっている。なお、ベース部11の形状はこれに限定されるものではなく、削孔21に挿入して底面211で安定して支持されるものであればよく、例えば円形であってもよい。この点については、後で説明する可動プレート部13も同様である。
このベース部11のZ1方向側の平面の中央部からベース側楔部材12が削孔21の開口212に向けて矢状に突設されている。このベース側楔部材12のY1方向の側面およびY2方向の側面が傾斜面に仕上げられている。両傾斜面を区別するため、以下において、Y1方向側の側面を第1ベース側傾斜面121と称し、Y2方向側の側面を第2ベース側傾斜面122と称する。また、ベース側楔部材12の頂部近傍には、X方向に延びるシャフト123が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形でベース側楔部材12に固定されている。これらの突出部位は後で説明するベース側連結部のリンクバーをベース側楔部材12側で軸支するピン124として機能する。
上記ベース部11からZ1方向に離れた位置に、可動プレート部13が削孔21の開口側(Z2方向側)で削孔21の深さ方向Zに沿って移動自在に設けられている。可動プレート部13も、ベース部11と同様に、上方からの平面視で略小判形状を有しており、削孔21の開口212を介して削孔21内に挿入可能となっている。また、可動プレート部13の上面(Z1方向側の主面)の中央部にはアイボルト19用の雌ネジが螺刻されている。なお、割岩工具1Aは、上下方向Zにおいて対称な形状を有しており、上下反転して使用可能であることから、ベース部11にもアイボルト19用の雌ネジが螺刻されている。
この可動プレート部13のZ2方向側の平面の中央部からプレート側楔部材14が削孔21の底面211に向けて矢状に突設されている。プレート側楔部材14のY1方向の側面およびY2方向の側面が傾斜面に仕上げられている。両傾斜面を区別するため、以下において、Y1方向側の側面を第1プレート側傾斜面141と称し、Y2方向側の側面を第2プレート側傾斜面142と称する。上記傾斜面121、122、141、142の傾斜角度の絶対値は同一値である。また、プレート側楔部材14の頂部近傍には、X方向に延びるシャフト143が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形でプレート側楔部材14に固定されている。これらの突出部位は後で説明するプレート側連結部18のリンクバー181、182をプレート側楔部材14側で軸支するピン144として機能する。
このように可動プレート部13とプレート側楔部材14とは一体化されており、外力の付与に応じて削孔21の内部で一体的に移動自在となっている。例えば可動プレート部13に対してブレーカ3から打撃力が与えられると、プレート側楔部材14は可動プレート部13と一緒にZ2方向に移動し、ベース側楔部材12との距離が短縮されるが、ベース側楔部材12との間には、第1羽根部材15および第2羽根部材16が介在されているため、ベース側楔部材12と衝突することはない。
第1羽根部材15では、図2(a)に示すように、Y2方向側の側面に、第1ベース側傾斜面121および第1プレート側傾斜面141に対してそれぞれ摺動自在な傾斜面151、152が設けられている。そして、第1羽根部材15は、削孔21の内部で、第1ベース側傾斜面121と第1プレート側傾斜面141との間において、傾斜面151が第1ベース側傾斜面121に対して摺動自在で、かつ傾斜面152が第1プレート側傾斜面141に対して摺動自在に配置されている。一方、第1羽根部材15のY1方向側の側面には、Z方向における中央部に帯状の溝部が形成されている。このため、後で説明するように、第1羽根部材15がY1方向に移動されたとき、Y1方向側の側面の上端部と下端部とが削孔21の内壁に密接してY1方向に向けて押圧力を与える。つまり、上下2段に分かれて押圧力を削孔21の内壁に付与可能となっている。また、第1羽根部材15の下端部には、X方向に延びるシャフト153が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形で第1羽根部材15に固定されている。これらの突出部位は後で説明するベース側連結部17のリンクバー171を第1羽根部材15側で軸支するピン154として機能する。さらに、第1羽根部材15の上端部には、X方向に延びるシャフト155が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形で第1羽根部材15に固定されている。これらの突出部位は後で説明するプレート側連結部18のリンクバー181を第1羽根部材15側で軸支するピン156として機能する。
第2羽根部材16では、Y1方向側の側面に、第2ベース側傾斜面122および第2プレート側傾斜面142に対してそれぞれ摺動自在な傾斜面161、162が設けられている。そして、第2羽根部材16は、削孔21の内部で、第2ベース側傾斜面122と第2プレート側傾斜面142との間において、傾斜面161が第2ベース側傾斜面122に対して摺動自在で、かつ傾斜面162が第2プレート側傾斜面142に対して摺動自在に配置されている。一方、第2羽根部材16のY1方向側の側面には、Z方向における中央部に帯状の溝部が形成されている。このため、後で説明するように、第2羽根部材16がY2方向に移動されたとき、Y2方向側の側面の上端部と下端部とが削孔21の内壁に密接してY2方向に向けて押圧力を与える。つまり、上下2段に分かれて押圧力を削孔21の内壁に付与可能となっている。また、第2羽根部材16の下端部には、X方向に延びるシャフト163が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形で第2羽根部材16に固定されている。これらの突出部位は後で説明するベース側連結部17のリンクバー172を第2羽根部材16側で軸支するピン164として機能する。さらに、第2羽根部材16の上端部には、X方向に延びるシャフト165が挿通され、両端部をX1方向およびX2方向に突出した形で第2羽根部材16に固定されている。これらの突出部位は後で説明するプレート側連結部18のリンクバー182を第2羽根部材16側で軸支するピン166として機能する。
割岩工具1Aの下端側では、ベース側連結部17が設けられている。このベース側連結部17は、2枚のリンクバー171、172を有している。リンクバー171、172の両端部には、長穴が設けられている。リンクバー171のY1方向側の長穴はピン154に回転自在に取り付けられるとともに、Y2方向側の長穴はピン124に回転自在に取り付けられている。また、リンクバー172のY1方向側の長穴はピン124に回転自在に取り付けられるとともに、Y2方向側の長穴はピン164に回転自在に取り付けられている。このため、ベース側楔部材12に対して第1羽根部材15および第2羽根部材16が割岩工具1Aの下端側で削孔21の径方向Yに移動自在に連結されている。
割岩工具1Aの上端側では、プレート側連結部18が設けられている。このプレート側連結部18は、2枚のリンクバー181、182を有している。リンクバー181、182の両端部には、長穴が設けられている。リンクバー181のY1方向側の長穴はピン156に回転自在に取り付けられるとともに、Y2方向側の長穴はピン144に回転自在に取り付けられている。また、リンクバー182のY1方向側の長穴はピン144に回転自在に取り付けられるとともに、Y2方向側の長穴はピン166に回転自在に取り付けられている。このため、プレート側楔部材14に対して第1羽根部材15および第2羽根部材16が割岩工具1Aの上端側で削孔21の径方向Yに移動自在に連結されている。
このように割岩工具1Aでは、図2(b)に示すように、ベース部11と一体化されたベース側楔部材12、可動プレート部13と一体化されたプレート側楔部材14、第1羽根部材15および第2羽根部材16が2つの連結部17、18により相互に連結されている。そして、ベース側楔部材12とプレート側楔部材14との距離(以下「楔間距離」という)の変化に応じて第1羽根部材15および第2羽根部材16が相互に近接および離間するように構成されている。
また、楔間距離が短縮されると、第1ベース側傾斜面121および第1プレート側傾斜面141に沿って傾斜面151、152がそれぞれ摺動することによって、第1羽根部材15が第1径方向Y1に移動し、削孔21の内壁をY1方向に押圧する。また同時に、第2ベース側傾斜面122および第2プレート側傾斜面142に沿って傾斜面161、162がそれぞれ摺動することによって、第2羽根部材16が第2径方向Y2に移動し、削孔21の内壁をY2方向に押圧する。なお、ベース側楔部材12とプレート側楔部材14の各々に対する第1羽根部材15および第2羽根部材16の摺動を円滑にするため、図3に示すように、各摺動面に潤滑剤を供給するための溝TRが各傾斜面に設けられている。
上記可動プレート部13に対してベース部11向きの外力を与えてZ2方向に移動させるためのブレーカ3は、図1に示すように油圧パワーショベル等の建設車両5のアーム51にブラケット52を介して取り付けられている。このため、オペレータが建設車両5の操作レバーなどを操作してアーム51の位置や角度などを制御することでブレーカ3の位置および姿勢に制御可能となっている。
次に、上記にように構成された割岩工具1Aおよびブレーカ3を用いて処理対象物2を割岩して破砕する方法について図4を参照しつつ説明する。図4は本発明に係る破砕方法の第1実施形態を模式的に示す図である。同図中の上段は削孔21の内部をX2方向から見た模式図であり、下段は削孔21の内部を上方から見た図である。同図では、ベース部11、ベース側楔部材12、可動プレート部13、プレート側楔部材14、第1羽根部材15および第2羽根部材16の移動動作を明確にするため、連結機構に関連する構成(ピンおよびリンクバー)の図示を省略している。
この実施形態では、図4(a)に示すように、処理対象物2に削孔21をZ2方向に形成する(工程(1):削孔形成工程)。これに並行して、上記削孔21に挿入すべき割岩工具1Aを準備しておく(準備工程)。この準備工程では、可動プレート部13の上面(Z1方向側の主面)の中央部に設けられた雌ネジにアイボルト19の雄ネジを螺合させ、割岩工具1Aにアイボルト19を取り付ける。また、アイボルト19に対して吊下ワイヤーWを装着しておく。
そして、同図(a)中の矢印で示すように、吊下ワイヤーWを利用して割岩工具1Aを削孔21に挿入して割岩工具1Aのベース部11を削孔21の底面211上に載置し、底面211で支持する(工程(2):割岩工具の設置工程)。このとき、第1羽根部材15および第2羽根部材16の外周面の上端部および下端部が削孔21の内壁と当接する一方、帯状の溝部が設けられた中央部は削孔21の内壁から離間している。
それに続いて、吊下ワイヤーWおよびアイボルト19を取り外した後で、図1に示すようにブレーカ3の先端部(図示省略)を割岩工具1Aの可動プレート部13上に位置決めする。その後で、ブレーカ3を作動させて図4(b)に示すように、可動プレート部13に対して打撃を加えて可動プレート部13をプレート側楔部材14と一緒にZ2方向に押し下げる。これにより、楔間距離が短縮され、第1羽根部材15および第2羽根部材16がそれぞれY1方向およびY2方向に移動する。その結果、図4(b)中の白抜き矢印で示すように、羽根部材15、16の外側上端部と外側下端部とが削孔21の内壁に密接して押圧力を与える。つまり、上下2段に分かれて押圧力が削孔21の内壁に付与する。これによって、処理対象物2が割岩されて削孔21の周囲に亀裂CRが入り、破砕される(工程(3):破砕工程)。
その後で、ブレーカ3の作動を停止させるとともに、ブレーカ3を可動プレート部13からZ1方向に離す。すると、削孔21の内壁に与えられていた押圧力がなくなり、しかも削孔21の周囲はすでに破砕されているため、割岩工具1Aを一体的に処理対象物2から回収することができる(工程(4):回収工程)。
以上のように、本実施形態では、割岩工具1Aは、図2(b)に示すように、ベース部11と一体化されたベース側楔部材12、可動プレート部13と一体化されたプレート側楔部材14、第1羽根部材15および第2羽根部材16が2つの連結部17、18により相互に連結されている。したがって、割岩工具1Aを構成する複数の要素を一括して削孔21に挿入することができる。また、割岩処理後においても、それらの要素を一括して回収することができる。
また、上記のような連結構造を有することから、可動プレート部13に対して底面211に向けて外力が付与されるのに対応し、連結構造を介して第1羽根部材15および第2羽根部材16が削孔21の内壁に向けて移動して押圧する。その押圧力は比較的小さいが、これ以外に、もっと大きな押圧力が削孔21の内壁に作用する。つまり、上記外力の付与に応じて可動プレート部13とともにプレート側楔部材14が底面211に向かって移動するのに伴って、第1羽根部材15が第1ベース側傾斜面121および第1プレート側傾斜面141に沿って摺動しながら第1径方向Y1に移動して削孔21の内壁を押圧するとともに、第2羽根部材16が第2ベース側傾斜面122および第2プレート側傾斜面142に沿って摺動しながら第2径方向Y2に移動して削孔21の内壁を押圧する。このように傾斜面に沿って羽根部材15、16を摺動させて羽根部材15、16を径方向Yに移動させる機構では、比較的大きな力を加えることができ、優れた破壊耐力を有している。その結果、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物2を効率的に、かつ比較的大きな力で割岩することができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明に係る割岩工具の第2実施形態を示す側面図である。図6は、図5に示す割岩工具を種々の方向から見た図であり、同図(a)〜(d)はそれぞれ図5中のA−A線矢視図、B−B線矢視図、C−C線矢視図およびD−D線矢視図である。なお、図6(a)および図6(b)中の1点鎖線は削孔21を示している。この第2実施形態に係る割岩工具1Bが第1実施形態に係る割岩工具1Aと大きく相違している点は、以下の通りである。
図6(a)、(b)に示すように、羽根部材15、16の傾斜面側にガイド溝157、167が設けられており、ベース側楔部材12およびプレート側楔部材14をZ方向に案内可能となっている。
また、羽根部材15、16の反傾斜面側(外側面側)には溝が設けられておらず、図6(a)、(b)に示すように、羽根部材15、16が互いに近接した状態で割岩工具1Bは、削孔21の開口側(Z1方向側)で外径D1を有し、削孔21の底面側(Z2方向側)で外径D2(<D1)を有している。つまり、図5に示すように、若干であるものの、Z2方向に向かうにしたがって先細りとなる形状を有している。このような構成については、第1実施形態に係る割岩工具1Aに対しても適用可能である。また、逆に割岩工具1Aと同様に、第2実施形態において、外径D1=外径D2であり、外側面中央部に溝部を設けてもよい。
また、割岩工具1Bでは、図5および図6に示すように、X2方向において、2枚のリンクバー171、172の代わりに、1枚のリンクバー173によりベース側連結部17が構成されている。このリンクバー173は、Y方向に延設されたプレート部材で構成されており、当該中央部に対して係合ピン174がベース側楔部材12に向けて突設されている。また、係合ピン174から、第1径方向Y1に向けて長穴175が設けられるとともに第2径方向Y2に向けて長穴176が設けられている。このような構成されたリンクバー173は、ベース側楔部材12のX2方向側の側面においてZ方向に延設された溝部125に係合ピン174の先端部を係合させた状態で、長穴175、176を介してボルトなどの連結部材177、178により羽根部材15、16とそれぞれ連結されている。なお、このように構成されたベース側連結部17は、X1方向にも設けられており、これら2つのベース側連結部17により、ベース側楔部材12に対して羽根部材15、16が径方向Yに移動自在に連結されている。
このような連結構造は、プレート側にも設けられている。つまり、X2方向において、2枚のリンクバー181、182の代わりに、1枚のリンクバー183によりプレート側連結部18が構成されている。このリンクバー183は、Y方向に延設されたプレート部材で構成されており、当該中央部に対して係合ピン184がプレート側楔部材14に向けて突設されている。また、係合ピン184から、第1径方向Y1に向けて長穴185が設けられるとともに第2径方向Y2に向けて長穴186が設けられている。このような構成されたリンクバー183は、プレート側楔部材14のX2方向側の側面においてZ方向に延設された溝部145に係合ピン184の先端部を係合させた状態で、長穴185、186を介してボルトなどの連結部材187、188により羽根部材15、16とそれぞれ連結されている。なお、このように構成されたプレート側連結部18は、X1方向にも設けられており、これら2つのプレート側連結部18により、プレート側楔部材14に対して羽根部材15、16が径方向Yに移動自在に連結されている。
なお、その他の構成は、基本的に第1実施形態に係る割岩工具1Aと同一である。したがって、同一構成に対し、同一符号を付して説明を省略する。
このように構成された割岩工具1Bおよびブレーカ3を用いて処理対象物2を割岩して破砕する場合、第1実施形態と同様に、処理対象物2に削孔21をZ2方向に形成する(工程(1):削孔形成工程)のと並行して、上記削孔21に挿入すべき割岩工具1Bを準備しておく(準備工程)。この準備工程では、可動プレート部13の上面(Z1方向側の主面)の中央部に設けられた雌ネジにアイボルト19(図2参照)の雄ネジを螺合させ、割岩工具1Bにアイボルト19を取り付ける。また、アイボルト19に対して吊下ワイヤーW(図2参照)を装着しておく。
そして、吊下ワイヤーWを利用して割岩工具1Bを削孔21に挿入して割岩工具1Bのベース部11を削孔21の底面211(図4参照)上に載置し、底面211で支持する(工程(2):割岩工具の設置工程)。このとき、外径の寸法関係が(D1>D2)であるため、割岩工具1Bを削孔21に安定的に挿入することができる。これに続いて、吊下ワイヤーWおよびアイボルト19を取り外した後で、ブレーカ3(図1参照)の先端部を割岩工具1Bの可動プレート部13上に位置決めする。その後で、ブレーカ3を作動させて可動プレート部13に対して打撃を加えて可動プレート部13をプレート側楔部材14と一緒にZ2方向に押し下げる。これにより、楔間距離が短縮され、第1羽根部材15および第2羽根部材16がそれぞれY1方向およびY2方向に移動する。その結果、羽根部材15、16の外側面が削孔21の内壁に密接して押圧力を与える。これによって、処理対象物2が割岩されて削孔21の周囲に亀裂CR(図4参照)が入り、破砕される(工程(3):破砕工程)。その後で、ブレーカ3の作動を停止させるとともに、ブレーカ3を可動プレート部13からZ1方向に離す。すると、削孔21の内壁に与えられていた押圧力がなくなり、しかも削孔21の周囲はすでに破砕されているため、割岩工具1Bを一体的に処理対象物2から回収することができる(工程(4):回収工程)。
以上のように、第2実施形態に係る割岩工具1Bにおいても、ベース部11と一体化されたベース側楔部材12、可動プレート部13と一体化されたプレート側楔部材14、第1羽根部材15および第2羽根部材16が2つの連結部17、18により相互に連結されている。したがって、割岩工具1Bを構成する複数の要素を一括して削孔21に挿入することができる。また、割岩処理後においても、それらの要素を一括して回収することができる。
また、上記のような連結構造を有することから、可動プレート部13に対して底面211に向けて外力が付与されるのに対応し、大きな押圧力が削孔21の内壁に作用する。つまり、上記外力の付与に応じて可動プレート部13とともにプレート側楔部材14が底面211に向かって移動するのに伴って、第1羽根部材15が第1ベース側傾斜面121および第1プレート側傾斜面141に沿って摺動しながら第1径方向Y1に移動して削孔21の内壁を押圧するとともに、第2羽根部材16が第2ベース側傾斜面122および第2プレート側傾斜面142に沿って摺動しながら第2径方向Y2に移動して削孔21の内壁を押圧する。このように傾斜面に沿って羽根部材15、16を摺動させて羽根部材15、16を径方向Yに移動させる機構では、比較的大きな力を加えることができ、優れた破壊耐力を有している。その結果、岩石、岩盤やコンクリート構造物などの処理対象物2を効率的に、かつ比較的大きな力で割岩することができる。
<第3実施形態>
上記第1実施形態および第2実施形態では、1つの削孔21に対して1つの割岩工具1A、1Bを挿入して削孔21の周囲を破砕しているが、1つの削孔21に対して複数の割岩工具を挿入してもよい。例えば図7に示すように、図2に示す割岩工具1Aと同一構成を有する2つの割岩工具1a、1bをこの順序で削孔21に挿入してもよい(第3実施形態)。
図7は、本発明に係る破砕方法の第3実施形態を模式的に示す図である。第3実施形態では、同図に示すように、削孔21の底面211上に割岩工具1aのベース部11を載置し、さらに割岩工具1aの可動プレート部13上に割岩工具1bのベース部11を載置する。これにより割岩工具1aは削孔21の底面211で直接支持され、ブレーカ3からの外力を割岩工具1bを介して受ける。一方、割岩工具1bは割岩工具1aを介しては削孔21の底面211で間接的に支持され、ブレーカ3からの外力を可動プレート部13で直接受ける。また、割岩工具1a、1bがZ1方向からの平面視で互いに交差(例えば直交)するように配置することで割岩工具1aによる割岩方向と割岩工具1bによる割岩方向とを相違させることができ、破砕効率をさらに高めることができる。
この第3実施形態では、割岩工具1a、1bはそれぞれ本発明の「第1割岩工具」および「第2割岩工具」の一例に相当している。また、割岩工具1aについては、Y1方向およびY2方向がそれぞれ本発明の「第1径方向」および「第2径方向」の一例に相当している。一方、割岩工具1bについては、X方向、X1方向およびX2方向がそれぞれ本発明の「径方向」、「第1径方向」および「第2径方向」の一例に相当している。
また、第3実施形態では、割岩工具1a、1bがZ1方向からの平面視で互いに交差(例えば直交)するように配置しているが、同平面視で割岩工具1bが割岩工具1aと完全に重なる、つまり割岩方向が一致するように配置してもよい。
また、第3実施形態では、図2に示す割岩工具1Aと同一構成を有する2つの割岩工具1a、1bを用いているが、図5および図6に示す割岩工具1Bと同一構成を有する2つの割岩工具を用いてもよい。
<第4実施形態>
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、割岩工具1A、1B、1a、1bのブレーカ3からの外力を可動プレート部13に直接与えているが、別部材、例えば図8に示すように、Z方向に延設された長軸体6を介して上記外力を可動プレート部13に与えるように構成してもよい(第4実施形態)。
図8は、本発明に係る破砕方法の第4実施形態を実行するための割岩工具を模式的に示す図である。この第4実施形態が第1実施形態と大きく相違するのは、長軸体6を介してブレーカ3からの外力を可動プレート部13に与える点と、長軸体6の側面に設けられる一対の係合部61、62が削孔21の開口212の周囲を押圧する点とであり、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。したがって、以下のおいては、相違点を中心に説明し、同一構成については同一または相当符号を付して構成説明を省略する。
図9は、図8に示す割岩工具の拡大図であり、同図(a)は側面図である。また、同図(b)は同図(a)中のB−B線矢視図であり、同図(c)は同図(a)中のC−C線矢視断面図であり、これらの図面中の1点鎖線は削孔を示している。図10は、第4実施形態で使用される割岩工具の一部をさらに拡大した図である。図9に示される割岩工具1Cが図2に示す割岩工具1Aと相違する点は、長軸体6が追加装備される点と、可動プレート部13の上面131(本発明の「対向面」の一例に相当)が凸形状に仕上げられている点とであり、その他の構成は基本的に同一である。したがって、以下の説明では、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
長軸体6は、同図(a)に示すように、Z1方向側の端面がブレーカ3に対向するとともにZ2方向側の端面が可動プレート部13の上面131に対向するように配置される。つまり、長軸体6の軸線が削孔21の形成方向Zと略平行となるように、ブレーカ3と可動プレート部13との間に配置される。ここで、第1実施形態ないし第3実施形態のように可動プレート部13の上面131が平面に仕上げられている場合には、長軸体6の両端面も平面に仕上げるのが望ましい。一方、例えば特開2016−211221号公報に記載されているように、ブレーカ3に設けられるピストン31の軸線と楔部材12、14の軸線とが多少不一致になったとしてもブレーカ3の打撃力を確実に楔部材12、14に伝達するためには、図9に示すように、ピストン31、長軸体6および可動プレート部13を湾曲形状に仕上げてもよく、第4実施形態では当該構成を採用している。より具体的には、ピストン31の下面311はZ1方向に後退した湾曲凹面に仕上げられている。これに対応し、長軸体6のZ1方向側の端面(本発明の「第2端面」の一例に相当)64はZ1方向に突出した湾曲凸面に仕上げられている。しかも、これらピストン31の下面311および長軸体6のZ1方向側の端面63は、次の関係
(端面311の曲率半径)=(端面63の曲率半径)
を有している。
また、長軸体6のZ2方向側の端面63(本発明の「第1端面」の一例に相当)はZ1方向に後退した湾曲凹面に仕上げられている。これに対応し、可動プレート部13の上面131はZ1方向に突出した湾曲凸面に仕上げられている。しかも、これら長軸体6のZ2方向側の端面64および可動プレート部13の上面131は、次の関係
(端面64の曲率半径)=(上面131の曲率半径)
を有している。もちろん、上記凹凸関係の両方または一方を逆転させてもよいことは言うまでもなく、いずれの場合も、ブレーカ3に設けられるピストン31の軸線と楔部材12、14の軸線とが多少不一致になったとしてもブレーカ3の打撃力を確実に楔部材12、14に伝達することができる。
また、第4実施形態では、図9に示すように、長軸体6は2つの係合部61、62を有している。第1係合部61は、長軸体6の側面65のうち第2端面64の近傍領域から第1径方向Y1に突出して設けられている。この第1係合部61では、第1径方向Y1に突出した先端部位611に削孔21の開口212の周囲と係合可能な第1傾斜面612が設けられている。一方、第2係合部62は、長軸体6の第2端面64の近傍領域から第2径方向Y2に突出して設けられている。この第2係合部62では、第2径方向Y2に突出した先端部位621に削孔21の開口212の周囲と係合可能な第2傾斜面622が設けられている。これら第1傾斜面612および第2傾斜面622は、近傍領域からの突出量がZ1方向(第1端面63から第2端面64に向かう方向)に進むにしたがって大きくなるように傾斜しており、削孔21の開口212と係合可能となっている。
図9に示すように、割岩工具1Cのうち長軸体6を除く構成部品が一括して挿入された削孔21に長軸体6を挿入すると、第1端面63が可動プレート部13の上面131と摺接する。また、係合部61の第1傾斜面612および係合部62の第2傾斜面622が削孔21の開口212の周囲で処理対象物2に係止される。こうした状態でブレーカ3の打撃力が長軸体6に加えられると、可動プレート部13、プレート側楔部材14とともに長軸体6が底面211に向かって移動する。それに伴って、第1実施形態と同様にして羽根部材15、16による径方向Yへの押圧が実行されると同時に、係合部61、62による押圧が実行される。つまり、第1傾斜面612および第2傾斜面622のうち削孔21の開口212の周囲と係合する係合位置Pが第2端面64側、つまりZ1方向側に移動することで、第1係合部61が削孔21の開口212の周囲を第1径方向Y1に押圧するとともに、第2係合部62が削孔21の開口212の周囲を第2径方向Y2に押圧する。
次に、上記にように構成された割岩工具1Cおよびブレーカ3を用いて処理対象物2を割岩して破砕する方法について図11を参照しつつ説明する。図11は、本発明に係る破砕方法の第4実施形態を模式的に示す図である。同図の各欄において、左側図面は削孔21の内部をX2方向から見た模式図であり、右側上段図面は削孔21の開口212近傍を上方から見た図であり、右側下段図面は削孔21の内部を上方から見た図である。なお、同図では、長軸体6、係合部61、62、ベース部11、ベース側楔部材12、可動プレート部13、プレート側楔部材14、第1羽根部材15および第2羽根部材16の移動動作を明確にするため、連結機構に関連する構成(ピンおよびリンクバー)の図示を省略している。
この第4実施形態では、図11(a)に示すように、処理対象物2に削孔21をZ2方向に形成する(工程(1):削孔形成工程)。これに並行して、上記削孔21に挿入すべき割岩工具1Cを準備しておく(準備工程)。この準備工程では、吊下部材7(図10(b)参照)の先端に設けられたボルト71を可動プレート部13の上面131の中央部に設けられた雌ネジに螺合させ、割岩工具1C(ただし長軸体6を除く)を吊下部材7に吊下可能に取り付ける。
そして、同図(a)に示すように、割岩工具1Cのうち長軸体6を除く構成部品(実質的に割岩工具1Aと同様の一体的構造体)を吊下部材7によって削孔21に挿入し、割岩工具1Cのベース部11を削孔21の底面211上に載置し、底面211で支持する。これに続いて、吊下部材7を可動プレート部13から取り外した後で、長軸体6の先端部および中央部を削孔21に挿入し、第1端面63を可動プレート部13の上面131に摺接させるとともに、係合部61の第1傾斜面612および係合部62の第2傾斜面622を削孔21の開口212の周囲に係止させる(工程(2):割岩工具の設置工程)。
こうして破砕処理の準備が完了すると、図8に示すようにブレーカ3のピストン31を割岩工具1Cの長軸体6の第2端面64に摺接させる。その後で、ブレーカ3を作動させて図11(b)に示すように、長軸体6に対して打撃を加える。これによって、長軸体6がZ2方向に押し下げられるとともに可動プレート部13をプレート側楔部材14と一緒にZ2方向に押し下げる。このうち長軸体6の押し下げによって、第1傾斜面612および第2傾斜面622のうち削孔21の開口212の周囲と係合する係合位置Pが第2端面64側、つまりZ1方向側に移動する。その結果、図11(b)中の白抜き矢印AR1で示すように、第1係合部61が削孔21の開口212の周囲を第1径方向Y1に押圧するとともに、第2係合部62が削孔21の開口212の周囲を第2径方向Y2に押圧する。また同時に、可動プレート部13およびプレート側楔部材14のZ2方向への押し下げによって、楔間距離が短縮され、第1羽根部材15および第2羽根部材16がそれぞれY1方向およびY2方向に移動する。その結果、図11(b)中の白抜き矢印AR2で示すように、羽根部材15、16の外側面が削孔21の内壁に密接して押圧力を与える。これらによって、処理対象物2が割岩されて削孔21の周囲に亀裂CRが入り、破砕される(工程(3):破砕工程)。
その後で、ブレーカ3の作動を停止させるとともに、ブレーカ3を可動プレート部13からZ1方向に離す。すると、削孔21の内壁に与えられていた押圧力がなくなり、しかも削孔21の周囲はすでに破砕されているため、長軸体6を回収し、さらに長軸体6を除く割岩工具1Cを一体的に処理対象物2から回収することができる(工程(4):回収工程)。
以上のように、本実施形態では、割岩工具1Cは、長軸体6と、長軸体6以外の一体的構造体とを有しているが、長軸体6以外の一体的構造体は実質的に割岩工具1Aと同一であり、一体的構造体を構成する複数の要素を一括して削孔21に挿入することができる。また、割岩処理後においても、それらの要素を一括して回収することができる。また、長軸体6は、図11に示すようにZ2方向側の端部が常時削孔21から露出する状態で使用されるため、削孔21への挿入も、削孔21からの回収も容易である。したがって、第1実施形態ないし第3実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第4実施形態では、削孔21の底面近傍と、開口212の近傍とを同時に破砕することができ、破砕処理の効率化を図ることができる。
<第5実施形態>
上記第4実施形態では、1つの削孔21に対して上記工程(2)〜(4)を連続的に実行しているが、予め複数の削孔21を列状に形成し、それらの工程の全部あるいは一部を並行して行うことで破砕処理を連続的に行ってもよい(第5実施形態)。
図12は、本発明に係る破砕方法の第5実施形態を模式的に示す図である。この第5実施形態では、同図(a)に示すように複数の削孔21を形成するとともに、割岩工具1Cを3セット準備しておき、以下の工程を行ってもよい。
・各削孔21a〜21cに割岩工具1Cを挿入する(同図(b))、
・上記長軸体6の第2端面64をブレーカ3のピストン31(図8参照)で打撃して長軸体6および可動プレート部13を押し下げて削孔21aの周囲を破砕する(同図(c))、
・削孔21aから割岩工具1Cを回収し、さらに削孔21cに続く別の削孔(図示省略)に回収した割岩工具1Cを挿入する、
という工程を並行して行うことで、破砕処理の効率をさらに高めることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記第4実施形態および第5実施形態では、割岩工具1Aに長軸体6を組み合わせて割岩工具1Cを用いて破砕処理が実行されるが、図13および図14に示すように、割岩工具1Bに長軸体6を組み合わせた割岩工具1Dを用いて破砕処理が実行してもよい(第6実施形態)。また、1つの長軸体6に対して第3実施形態に示すように複数の割岩工具1A、1Bを組み合わせてもよい。
また、上記実施形態では、可動プレート部13や長軸体6に対してベース部11に向けた外力を与える手段としてブレーカ3を用いているが、その他の手段により上記外力を可動プレート部13に与えて割岩処理を実行するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、羽根部材15、16の外側面の中央部全体に帯状の溝部を設けているが、さらに複数の溝部を設けてもよい。また、溝部を設けることは必須要件ではなく、溝部を有さない羽根部材15、16を用いてもよく、第2実施形態と同様に、Z2方向に向かうにしたがって先細りとなる形状に仕上げてもよい。また、逆に羽根部材15、16の外側面の中央部のみを外側に膨らまして当該中央部のみで削孔21の内壁を押圧するように構成してもよい。
この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの処理対象物を割岩する割岩工具全般および当該工具を用いて処理対象物を破砕する破砕技術全般に適用することができる。
1A〜1D…割岩工具
1a…(第1)割岩工具
1b…(第2)割岩工具
2…処理対象物
6…長軸体
11…ベース部
12…ベース側楔部材
13…可動プレート部
14…プレート側楔部材
15…第1羽根部材
16…第2羽根部材
17…ベース側連結部
18…プレート側連結部
21…削孔
61…第1係合部
62…第2係合部
63…(第2)端面
64…(第1)端面
65…側面
121…第1ベース側傾斜面
122…第2ベース側傾斜面
131…上面(可動プレート部の対向面)
141…第1プレート側傾斜面
142…第2プレート側傾斜面
151、152…(第1羽根部材の)傾斜面
161、162…(第2羽根部材の)傾斜面
211…(削孔21の)底面
212…(削孔21の)開口
611、621…先端部位
612…第1傾斜面
622…第2傾斜面
P…係合位置
X1、Y1…第1径方向
X2、Y2…第2径方向
Y…径方向
Z…深さ方向

Claims (9)

  1. 処理対象物に形成された削孔の底面により支持されるベース部と、
    前記ベース部から前記削孔の開口に向けて矢状に突設されるベース側楔部材と、
    前記削孔の開口側で前記削孔の深さ方向に沿って移動自在に設けられる可動プレート部と、
    前記可動プレート部から前記削孔の底面に向けて矢状に突設されたプレート側楔部材と、
    前記削孔の内部で、前記削孔の径方向において前記ベース側楔部材の第1径方向の側面に設けられる第1ベース側傾斜面と、前記プレート側楔部材の前記第1径方向の側面に設けられる第1プレート側傾斜面との間において、前記第1ベース側傾斜面および前記第1プレート側傾斜面に対して摺動自在に配置される第1羽根部材と、
    前記削孔の内部で、前記削孔の径方向において前記ベース側楔部材の第2径方向の側面に設けられる第2ベース側傾斜面と、前記プレート側楔部材の前記第2径方向の側面に設けられる第2プレート側傾斜面との間において、前記第2ベース側傾斜面および前記第2プレート側傾斜面に対して摺動自在に配置される第2羽根部材と、
    前記ベース側楔部材に対して前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔の径方向に移動自在に連結するベース側連結部と、
    前記プレート側楔部材に対して前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔の径方向に移動自在に連結するプレート側連結部と、を備え、
    前記可動プレート部に対して前記底面に向けて外力が付与されることで前記可動プレート部とともに前記プレート側楔部材が前記底面に向かって移動するのに伴って、前記第1羽根部材が前記第1ベース側傾斜面および前記第1プレート側傾斜面に沿って摺動しながら前記第1径方向に移動して前記削孔の内壁を押圧するとともに、前記第2羽根部材が前記第2ベース側傾斜面および前記第2プレート側傾斜面に沿って摺動しながら前記第2径方向に移動して前記削孔の内壁を押圧する
    ことを特徴とする割岩工具。
  2. 請求項1に記載の割岩工具であって、
    前記可動プレート部に対して前記削孔の開口側で前記削孔に沿って延設される長軸体をさらに備え、
    前記長軸体の両端面のうち前記可動プレート部と対向する第1端面が前記可動プレート部と当接する一方、前記第1端面の反対側の第2端面が前記外力を受けることで、前記長軸体が前記外力を前記可動プレート部に伝達する割岩工具。
  3. 請求項2に記載の割岩工具であって、
    前記長軸体の第1端面と対向する前記可動プレート部の対向面と前記長軸体の第1端面とのうち、一方が凹面に仕上げられるとともに他方が凸面に仕上げられ、互いに摺接自在となっている割岩工具。
  4. 請求項2または3に記載の割岩工具であって、
    前記長軸体の側面のうち前記第2端面の近傍領域から前記第1径方向に突出して設けられるとともに、前記第1径方向に突出した先端部位に前記削孔の開口の周囲と係合可能な第1傾斜面が設けられる第1係合部と、
    前記長軸体の側面のうち前記第2端面の近傍領域から前記第2径方向に突出して設けられるとともに、前記第2径方向に突出した先端部位に前記削孔の開口の周囲と係合可能な第2傾斜面が設けられる第2係合部と、を備え、
    前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、前記近傍領域からの突出量が前記第1端面から前記第2端面に向かう方向に進むにしたがって大きくなるように傾斜しており、
    前記外力の付与により前記可動プレート部、前記プレート側楔部材とともに前記長軸体が前記底面に向かって移動するのに伴って、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面のうち前記削孔の開口の周囲と係合する位置が前記第2端面側に移動することで、前記第1係合部が前記削孔の開口の周囲を前記第1径方向に押圧するとともに、前記第2係合部が前記削孔の開口の周囲を前記第2径方向に押圧する割岩工具。
  5. 請求項1に記載の割岩工具を前記第1羽根部材および前記第2羽根部材が相互に近接した状態で前記削孔に挿入して前記ベース部を前記底面上に載置する工程と、
    前記削孔に挿入された前記割岩工具の前記可動プレート部に対して前記底面に向かう外力を与えることで、前記削孔の内部で前記可動プレート部と前記ベース部との距離を短縮するとともに、前記距離の短縮に応じて前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔の内壁を押圧して前記削孔の周囲を破砕する工程と
    を備えることを特徴とする破砕方法。
  6. 請求項1に記載の割岩工具と同一構成を有する第1割岩工具を前記第1羽根部材および前記第2羽根部材が相互に近接した状態で前記削孔に挿入して前記第1割岩工具のベース部を前記底面上に載置する工程と、
    前記削孔への前記第1割岩工具の挿入に続いて、請求項1に記載の割岩工具と同一構成を有する第2割岩工具を前記第1羽根部材および前記第2羽根部材が相互に近接した状態で前記削孔に挿入して前記第2割岩工具のベース部を前記第1割岩工具の前記可動プレート部の上に載置する工程と、
    前記削孔に挿入された前記第2割岩工具の前記可動プレート部に対して前記底面に向かう外力を与えることで、前記削孔の内部で前記第1割岩工具および前記第2割岩工具の各々において前記可動プレート部と前記ベース部との距離を短縮するとともに、前記距離の短縮に応じて前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔の内壁を押圧して前記削孔の周囲を破砕する工程と
    を備えることを特徴とする破砕方法。
  7. 請求項6に記載の破砕方法であって、
    前記第2割岩工具における前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の移動の方向が前記第1割岩工具における前記第1羽根部材および前記第2羽根部材の移動の方向と異なるように、前記第2割岩工具を前記第1割岩工具の前記可動プレート部の上に載置する破砕方法。
  8. 請求項2または3に記載の割岩工具を用いて前記削孔の周囲を破砕する破砕方法であって、
    前記第1羽根部材および前記第2羽根部材が相互に近接した状態で、前記ベース部、前記ベース側楔部材、前記可動プレート部、前記プレート側楔部材、前記第1羽根部材、前記第2羽根部材、前記ベース側連結部および前記プレート側連結部を一体的に前記削孔に挿入して前記ベース部を前記底面上に載置する工程と、
    前記削孔に挿入された前記可動プレート部に向けて前記長軸体を挿入して前記長軸体の第1端面を前記可動プレート部と当接させる工程と、
    前記長軸体の第1端面を前記可動プレート部と当接させた状態で、前記長軸体の第2端面に前記外力を与えることで、前記削孔の内部で前記可動プレート部と前記ベース部との距離を短縮するとともに、前記距離の短縮に応じて前記第1羽根部材および前記第2羽根部材を前記削孔の内壁を押圧して前記削孔の周囲を破砕する工程と
    を備えることを特徴とする破砕方法。
  9. 請求項4に記載の割岩工具を用いて前記削孔の周囲を破砕する破砕方法であって、
    前記第1羽根部材および前記第2羽根部材が相互に近接した状態で、前記ベース部、前記ベース側楔部材、前記可動プレート部、前記プレート側楔部材、前記第1羽根部材、前記第2羽根部材、前記ベース側連結部および前記プレート側連結部を一体的に前記削孔に挿入して前記ベース部を前記底面上に載置する工程と、
    前記削孔に挿入された前記可動プレート部に向けて前記長軸体を挿入して前記長軸体の第1端面を前記可動プレート部と当接させるとともに、前記第1係合部の第1傾斜面および前記第2係合部の第2傾斜面を前記削孔の開口の周囲に当接させる工程と、
    前記長軸体の第1端面を前記可動プレート部と当接させるとともに前記第1係合部の第1傾斜面および前記第2係合部の第2傾斜面を前記削孔の開口の周囲に当接させた状態で、前記長軸体の第2端面に前記外力を与えることで、前記削孔の内部で前記可動プレート部と前記ベース部との距離を短縮させることで前記距離の短縮に応じて前記第1羽根部材および前記第2羽根部材で前記削孔の内壁を押圧するとともに、前記第1係合部および前記第2係合部で前記削孔の開口の周囲を押圧して前記削孔の周囲を破砕する工程と
    を備えることを特徴とする破砕方法。
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