JP6962261B2 - 機械装置の異常診断方法及び異常診断装置 - Google Patents

機械装置の異常診断方法及び異常診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、機械装置の異常診断方法及び異常診断装置に関する。
風車、鉄道車両、工作機械等の機械装置においては、回転部品等の異常による不具合の発生を防止するため、定期的に検査を実施している。例えば、風力発電装置においては、山間部や海洋上に設置されて長期間に亘って連続運転されるため、使用環境が過酷になる。しかも、風力発電装置は交通アクセスが悪い場所に設置されることが多く、一旦故障が発生するとメンテナンスに多大なコストを要する問題がある。
そのため、機械装置にセンサを取り付けて異常検出や状態監視を行う異常診断システムが種々提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献1〜3の異常診断システムでは、機械装置の入出力軸や中間軸、又は機械装置と繋がっている主軸等の角速度(回転速度)を測定して、各測定位置の角速度や各測定位置間の角速度比等から機械装置の異常を検知している。また、特許文献4の異常診断システムでは、上記した角速度に代えて、振動センサ、超音波センサ、AE(アコースティックエミッション)センサによる振動測定によって異常診断を行っている。
特許第5826866号公報 特許第5534875号公報 米国特許第9810203号明細書 特許第5419472号公報
一般に、変速機のような機械装置では、変速により軸の角速度に変化があった場合、各測定位置の角速度は一時的に変動が生じるが、時間の経過とともに一定に収束する。しかし、機械装置内に何らかの異常が生じた場合、機械装置内のトルク(回転に対する抵抗力)が変化し、正常な場合と比べて角速度変化時の角速度変動幅、角速度が一定になるまでの時間、等の各種特性が変化する。そのため、特許文献1、2の技術では、機械装置の入出力軸、中間軸等の角速度を検出して異常診断する際、外的要因によって入力トルクの変動が生じた場合に、各測定位置で角速度の挙動が変化して、診断精度が低下するという問題が生じる。
特許文献3の技術では、角速度を機械装置の2箇所で測定することでトルクの時間変動が得られるが、2箇所の角速度からは、単に入力トルクが増大したのか、トルク伝達に異常が生じたのかを切り分けすることができない。そのため、適正に異常を診断できない場合がある。
また、特許文献4のように、振動測定により異常診断を行う場合、機械装置の内部や周辺部には多数の振動、超音波、AEの発生源があるため、測定結果に不要なノイズが重畳して、正確な診断が困難になる。また、使用するセンサ類は高価であり、装置コストが増加するという不利がある。
そこで本発明は、測定のための設備コストの増加を抑え、装置外部からの要因により角速度の測定に影響が及んでも、高精度に異常を診断できる機械装置の異常診断方法及び異常診断装置を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
(1) 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点で、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する工程と、
前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する工程と、
を備える機械装置の異常診断方法。
(2) 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点に設置され、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する角速度検出部と、
前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する異常診断部と、
を備える異常診断装置。
本発明によれば、測定のための設備コストの増加を抑え、装置外部からの要因により角速度の測定に影響が及んでも、高精度に異常を診断できる。
異常診断装置を備える風力発電装置の概略構成図である。 主軸、増速機に異常がなく、入力トルクが一定の状態で角速度が増加した場合の各測定点における修正角速度を模式的に示す説明図である。 主軸、増速機に異常がなく、入力トルクにトルク変動がある状態で角速度が増加した場合の各測定点における修正角速度を模式的に示す説明図である。 増速機に異常はなく主軸に異常があり、入力トルクが一定の状態で角速度が増加した場合の各測定点における修正角速度を模式的に示す説明図である。 主軸に異常はなく増速機に異常があり、入力トルクが一定の状態で角速度が増加した場合の各測定点における修正角速度を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
ここでは、機械装置の一例として風力発電装置を用いて説明するが、本発明はこれに限らない。
図1は異常診断装置を備える風力発電装置の概略構成図である。
風力発電装置10は、主軸(回転部)11と、ブレード13と、増速機15と、発電機17と、を備える。主軸11、増速機15、発電機17は、図示は省略するが、タワーによって支持されるナセル内に格納される。
主軸11の先端に設けられたブレード13は、風力から変換して得られた回転トルクを主軸11に伝達する。主軸11は、一対の主軸軸受19A,19Bによって回転自在に支持され、風力を受けたブレード13が発生する回転トルクを、増速機15の入力軸23へ伝達する。増速機15は、入力軸23の回転を増速して出力軸25に伝達して、カップリング26を介して発電機17を回転駆動する。この増速機15は、例えば、軸受に回転自在に支持された複数の中間軸を有する歯車増速機構によって構成される。
発電機17は、増速機15の出力軸25から受ける回転トルクによって発電する、例えば誘導発電機により構成される。
上記構成の風力発電装置10の異常を検出し、診断を行う異常診断装置100は、角速度検出部である複数のエンコーダ31A,31B,31Cと、修正角速度差検出部33と、異常診断部35とを備える。
エンコーダ31A,31B,31Cは、風力発電装置10の回転部の互いに異なる測定点Ma,Mb,Mcに設置され、各測定点Ma,Mb,Mcにおける回転部の角速度(回転速度)を検出する。
測定点Maのエンコーダ31Aは、回転部である主軸11に設けられ、測定点Mbのエンコーダ31Bは、回転部である増速機15の入力軸23に設けられる。また、測定点Mcのエンコーダ31Cは、回転部である増速機14の出力軸25に設けられる。
これらエンコーダ31A,31B,31Cは、多数の凹凸が円周方向に沿って形成されたリング状部材37と、凹凸を検出する変位センサ39をそれぞれ有し、各回転軸の角速度を検出する。エンコーダ31A,31B,31Cは、例えば、円周方向にS極、N極が交互に磁化された磁気リングと、この磁気リングの磁気を検出する磁気センサとから構成されるが、このような磁気検出方式に限らず、回転位置を検出することができれば、他の検出方式のものであってもよい。
角速度を精度よく検出するためには、エンコーダ(リング状部材37)の凹凸数や磁極数は多いほど好ましい。また、円周方向に複数の変位センサ39や磁気センサを取り付けてもよい。各配置数が増えるほど測定精度を向上できる。なお、エンコーダは、凹凸の間隔や、S極,N極の間隔等の精度を予め測定しておけば、信号処理によって間隔の精度誤差を補正することが可能である。したがって、その場合にはエンコーダ自体に高い機械的精度は要求されず、比較的安価なものを適宜採用できる。
修正角速度差検出部33は、エンコーダ31A,31B,31Cによって測定点Ma,Mb,Mcで測定された角速度の測定点Ma,Mbの間の区間Wabにおける修正角速度差ωabと、測定点Mb,Mcの間の区間Wbcにおける修正角速度差ωbcとをそれぞれ算出する。
異常診断部35は、CPU、メモリ、インターフェース等を含むコンピュータ装置により構成される。異常診断部35は、修正角速度差検出部33で算出された修正角速度差ωabと修正角速度差ωbcとの修正角速度差の比R(修正角速度差比R=ωab/ωbc)を求める。そして、求めた修正角速度差比Rを、予め定めた閾値である修正角速度差比Rcと相対比較して、風力発電装置10に異常が発生したと診断する。閾値の修正角速度差比Rcは、修正角速度差の変数で除算し、機械装置の構造に応じて区間毎に異なる閾値としてもよく、構造による特性が略同等であれば同じにしてもよい。また、異常診断部35は、異常の発生箇所により大小が変化する特性を利用して、閾値の範囲から外れる場合に異常が生じたと判断するとともに、外れる方向(増加又は減少)により発生箇所を推定することも可能である。
次に、上記構成の異常診断装置100による異常診断の手順を説明する。
<異常がない場合の基本特性>
図2は、図1に示す主軸11及び増速機15に異常がなく、入力トルクが一定の状態で、入力角速度が増加した場合の測定点Maの角速度ωa、測定点Mbの角速度ωb、測定点Mcの角速度ωcの時間変化を模式的に示した説明図である。同図においては、変化前の角速度ωaを基準として、角速度ωb,ωcを角速度ωaと同じになるように補正して示している。つまり、定速状態となる定常時における角速度ωa,ωb,ωcがそれぞれ同じになるように補正する。また、以降に説明する図3〜図5についても同様に、縦軸は補正した角速度で示している。
図2に示す場合、測定点Maの角速度ωaの増加に伴って、測定点Mbの角速度ωbは、角速度ωaからの僅かな遅れΔTab1を生じている。また、測定点Mcの角速度ωcは、角速度ωbからの僅かな遅れΔTbc1を生じている。つまり、角速度ωaの増加に伴って角速度ωb,ωcは僅かな遅れを有するだけで、略遅延なく増加する。
図3は、主軸11及び増速機15に異常がなく、トルク変動(増加)がある状態で、入力角速度が増加した場合の測定点Maの角速度ωa、測定点Mbの角速度ωb、測定点Mcの角速度ωcの時間変化を模式的に示した説明図である。
図3に示す場合、測定点Maの角速度ωaの増加に伴って、測定点Mbにおいては、トルク変動に伴う主軸11のねじれ等により、角速度ωaが定常状態に達したタイミングから遅れΔTab2を有して角速度ωbが定常状態に達する。また、測定点Mcにおいては、増速機15内の軸のねじれや歯車の変形等により、角速度ωbが定常状態に達したタイミングから遅れΔTbc2を有して角速度ωcが定常状態に達する。
遅れΔTab2は、前述したトルク変動のない場合の遅れΔTab1より大きな遅れ(ΔTab2>ΔTab1)であり、遅れΔTbc2も同様に、前述したトルク変動のない場合の遅れΔTbc1よりも大きな遅れ(ΔTbc2>ΔTbc1)である。
なお、本構成ではエンコーダ31A,31B,31Cにより角速度の修正角速度差を算出するが、説明をより簡単にするため、ここでは、図示した遅れΔTab1、ΔTab2を修正角速度差ωabに対応するパラメータとし、遅れΔTbc1、ΔTbc2を修正角速度差ωbcに対応するパラメータとして説明する。
上記のように、主軸11と増速機15は共に異常がない場合、角速度ωb,ωcの遅れΔTab1とΔTbc1との関係は一定であり、また、上記したトルク変動のある場合でも、遅れΔTab2とΔTbc2との関係は一定となる。つまり、修正角速度差ωabと修正角速度差ωbcとの関係は一定となる。
トルク変動がある場合の遅れΔTab2、ΔTbc2は、変動がない場合の遅れΔTab1、ΔTbc1よりも大きくなるが、その場合でも、いずれの区間においてもΔTab1:ΔTbc1=ΔTab2:ΔTbc2の関係は維持される。つまり、修正角速度差ωabと修正角速度差ωbcとの関係は一定となる。
ここで、図2に示すトルク変動のない場合で診断の手順を説明する。
修正角速度差検出部33は、遅れΔTab1とΔTbc1に示されるように、測定点Ma,Mbの区間と、測定点Mb,Mcの区間における修正角速度差ωab,ωbcをそれぞれ算出する。
そして、異常診断部35は、修正角速度差検出部33で算出された修正角速度差ωabと、修正角速度差ωbcとの比R(=θab/θbc)を求める。そして、求めた修正角速度差比Rを、予め定めた閾値である修正角速度差比Rc(具体的には、修正角速度差比Rの所定範囲の上限、下限を、機械が正常である適正範囲の限界値としてもよい)と比較する。修正角速度差比Rが、予め定めた修正角速度差比Rcの範囲であれば、図3に示すように、発生した角速度の遅れによる修正角速度差が入力トルクの変動により生じたものと判定する。一方、修正角速度差比Rが修正角速度差比Rcの範囲外であれば、発生した角速度の遅れによる修正角速度差が軸受や歯車等の機械の異常により生じたものと判定する。
<異常が生じた場合の角速度の変化特性>
次に、機械に異常が生じた場合について説明する。
図4は、図1に示す増速機15に異常がなく主軸11に異常があり、入力トルクの変動(増加)がない状態で、入力角速度が増加した場合の測定点Maの角速度ωa、測定点Mbの角速度ωb、測定点Mcの角速度ωcの時間変化を模式的に示した説明図である。
図4に示す場合、測定点Maの角速度ωaの増加に伴って、測定点Mbにおいては、異常が無い場合よりも大きな遅れΔTab3を有して角速度ωbが増加する。一方、測定点Mcにおいては、角速度ωbの増加に伴って異常が無い場合の遅れΔTbc3(ΔTab3>ΔTbc3)で角速度ωcが増加する。
異常診断部35は、遅れΔTab3とΔTbc3による遅れの修正角速度差比Rを求め、予め定めた修正角速度差比Rcと比較する。異常診断部35は、修正角速度差比Rと、予め定めた修正角速度差比Rcとの相対比較によって、入力トルクの変動により生じたか、機械の異常により生じたかを判定する。ここでは、測定点Ma,Mbの区間の遅れΔTab3(修正角速度差ωab)が測定点Mb,Mcの区間の遅れΔTbc3(修正角速度差ωbc)より大きく、修正角速度差比Rが、閾値である上限の修正角速度差比Rc以上となる。そのため、異常診断部35は、異常が無い場合の修正角速度差より大きな修正角速度差を生じている測定点Ma,Mbの区間で、機械の異常、即ち、主軸11で異常が生じたと診断する。また、測定点Mb,Mcの区間は正常であると診断する。
このように、求めた修正角速度差比Rを閾値である修正角速度差比Rcと相対比較することにより、角速度の遅れによる修正角速度差が、トルク変動により生じたのか、軸受や歯車等の機械の異常により生じたのかを切り分けできる。また、測定点を3箇所設けることで、異常の発生原因と発生部位を特定することが可能になり、診断精度を向上できる。
図5は、図1に示す主軸11に異常はなく増速機15に異常があり、入力トルクの変動(増加)がない状態で、入力角速度が増加した場合の測定点Maの角速度ωa、測定点Mbの角速度ωb、測定点Mcの角速度ωcの時間変化を模式的に示した説明図である。
図5に示す場合、測定点Maの角速度ωaが増加すると、測定点Mbにおいては、僅かな遅れΔTab4で角速度ωbが増加するが、測定点Mcにおいては、角速度ωbの増加に伴って、遅れΔTab4より大きな遅れΔTbc4(ΔTab4<ΔTbc4)を有して角速度ωcが増加している。
異常診断部35は、遅れΔTab4とΔTbc4による遅れの修正角速度差比Rを求め、予め定めた修正角速度差比Rcと比較する。ここでは、測定点Mb,Mcの区間の修正角速度差ωbcが、測定点Ma,Mbの区間の修正角速度差ωabより大きく、修正角速度差比Rが、閾値である下限の修正角速度差比Rc以下となる。そのため、異常診断部35は、修正角速度差が大きい方の測定点Mb,Mcの区間で、機械の異常、即ち、増速機15で異常が生じたと診断する。また、測定点Ma,Mbの区間は正常であると診断する。
この場合でも、図4に示す場合と同様に、2つの区間で角速度の遅れの修正角速度差比を求めることにより、角速度の遅れによる修正角速度差が、入力トルクの変動により生じたのか、軸受や歯車等の機械の異常により生じたのかを正確に判定できる。また、2つの区間のどちらで異常が発生したかを確実に判定できる。よって、正確な異常診断が行える。
特に風力発電装置においては、風量に応じて、回転部の角速度、回転トルクが変動しながら回っており、2箇所以下の測定点による診断では診断の正確性に欠けるが、測定点を3箇所以上とすることで、正確な異常診断が可能となる。これによれば、回転変動や負荷変動が生じた場合でも、異常発生箇所を正確に特定できる。つまり、外部からトルク変動等、入力に乱れが生じた場合でも、その影響を排除して、安定して正確な診断が行え、より精度の高い診断が行える。
また、本構成によれば、角速度検出部として比較的安価なエンコーダを用いることで済み、異常診断装置100の設備コストの増加を抑制できる。例えば、振動センサ、超音波センサ、AEセンサ等の比較的高価な検出手段を用いる場合と比較して、ノイズ除去のための複雑な信号処理技術を要せず、異常診断装置100のコストを低く抑えることができる。そして、2箇所以下の測定点からの検出信号に基づいて異常を診断する方式と比較して、少なくとも2区間の修正角速度差から診断する本構成では、外部からのノイズに影響され難くなり、診断結果の信頼性が高くなる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記説明で、測定箇所を主軸、入力軸、出力軸としているが、図1で示すように入力軸、中間軸、出力軸としても良い。
また、上記説明では、3箇所の測定点で角速度を測定して、2区間における角速度の遅れによる修正角速度差の比と、閾値との相対比較により異常診断を行っていたが、3区間以上、即ち、4箇所異常の測定点で3区間以上の各区間における修正角速度差を用いて異常診断を行ってもよい。
例えば、4箇所の測定点で角速度を測定して異常診断する場合は、図1に示すように、増速機15内の不図示の中間軸にエンコーダ31Dを設置する構成であってもよい。この場合、修正角速度差検出部33により算出される測定点Ma,Mb間、測定点Mb,Md間、及び測定点Md,Mc間の合計3区間における角速度の遅れによる修正角速度差を求め、これら修正角速度差の修正角速度差比を、予め定めた閾値と相対比較することにより、風力発電装置10の異常を細分化して、より詳細に診断できる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点で、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する工程と、
前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する工程と、
を備える機械装置の異常診断方法。
この機械装置の異常診断方法によれば、複数の測定点間の修正角速度差の比を、予め定めた閾値と相対比較することで、測定のための設備コストの増加を抑えつつ、装置外部からの要因により角速度の測定に影響が及んだ場合でも、高精度に異常を診断できる。
(2) 前記異常を診断する工程は、異常が発生したと判断された場合に、前記修正角速度差が異常が無い場合と比較して大きい側の区間に異常が発生したと判定する(1)に記載の機械装置の異常診断方法。
この機械装置の異常診断方法によれば、異常が発生した区間を特定できるため、修繕箇所を特定でき、メンテナンス性を向上できる。
(3) 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点に設置され、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する角速度検出部と、
前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する異常診断部と、
を備える異常診断装置。
この異常診断装置によれば、複数の測定点間の修正角速度差の比を、予め定めた閾値と相対比較することで、測定のための設備コストの増加を抑えつつ、装置外部からの要因により角速度の測定に影響が及んだ場合でも、高精度に異常を診断できる。
(4) 前記角速度検出部は、エンコーダにより構成される(3)に記載の異常診断装置。
この異常診断装置によれば、角速度検出部としてエンコーダを用いるので異常診断装置を低コストで構成できる。
(5) 前記機械装置は、風力発電装置であり、
前記回転部は、
ブレードが接続される主軸と、
前記主軸に接続される増速機の入力軸と、
前記増速機の出力軸と、
を含む(3)又は(4)に記載の異常診断装置。
この異常診断装置によれば、低コストで、外部からの影響を受け難く、且つ高精度での風力発電装置の異常診断が可能となる。
10 風力発電装置(機械装置)
11 主軸(回転部)
13 ブレード
15 増速機
23 入力軸(回転部)
25 出力軸(回転部)
31A,31B,31C エンコーダ(角速度検出部)
33 修正角速度差検出部
35 異常診断部
100 異常診断装置
Ma,Mb,Mc,Md 測定点

Claims (5)

  1. 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点で、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する工程と、
    前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する工程と、
    を備える機械装置の異常診断方法。
  2. 前記異常を診断する工程は、異常が発生したと判断された場合に、前記修正角速度差が異常が無い場合と比較して大きい側の区間に異常が発生したと判定する請求項1に記載の機械装置の異常診断方法。
  3. 回転駆動される回転部を有する機械装置において、前記回転部の3箇所以上の測定点に設置され、前記回転部の角速度をそれぞれ検出する角速度検出部と、
    前記測定点で検出された前記角速度から、各測定点の定常の角速度値が同じになるように補正した修正角速度をそれぞれ求めて、前記測定点間の前記修正角速度の差を前記測定点の区間毎に求め、これら前記区間毎の修正角速度差の比と、予め定めた閾値とを相対比較して、前記機械装置に発生する異常を診断する異常診断部と、
    を備える異常診断装置。
  4. 前記角速度検出部は、エンコーダにより構成される請求項3に記載の異常診断装置。
  5. 前記機械装置は、風力発電装置であり、
    前記回転部は、
    ブレードが接続される主軸と、
    前記主軸に接続される増速機の入力軸と、
    前記増速機の出力軸と、
    を含む請求項3又は請求項4に記載の異常診断装置。
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