JP6960791B2 - 中空糸膜濾過装置の洗浄方法及び中空糸膜濾過装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中空糸膜濾過装置の洗浄方法及び中空糸膜濾過装置に関する。
従来、水中の不純物を除去する水処理において、多数の細孔が形成された中空糸膜を用いることが知られている。中空糸膜を用いた濾過においては、膜の内外の圧力差によって原水(濾過前の水)を膜に透過させることにより、細孔よりも大きな物質(イオンや微粒子など)が原水から分離される。この方法は、分離対象物質の相変化や化学変化を伴わないため、他の分離法に比べて高効率且つ省エネルギーという観点から有望視されている。
しかし、中空糸膜を用いた濾過においては、原水中に含まれるSS(Suspended Solids)と呼ばれる懸濁物質が膜表面に付着し、また膜の細孔内に侵入することがある。これにより、原水の透過流速が濾過時間の経過と共に低下する(ファウリング現象)。したがって、中空糸膜による濾過を長期間に亘って安定して継続するためには、中空糸膜を定期的に洗浄することにより膜表面に付着した懸濁物質を除去する必要がある。
特許文献1,2には、中空糸膜の洗浄方法の1つとして、濾過方向とは逆方向に濾過水を流すことにより、中空糸膜の表面に付着した懸濁物質を除去する逆圧洗浄(以下、「逆洗」とも称する)について記載されている。特許文献1には、中空糸膜の外表面側から気体が放出される圧力よりも小さい圧力の気体を中空糸膜の内表面側に導入し、20秒以内で内表面側の液体を排出する方法について記載されている。また特許文献2には、中空糸膜モジュール内における膜一次側の原水を排出した後、加圧気体によって膜二次側から膜一次側に向かって濾過水を押し出す方法について記載されている。
特許第3887072号公報 特開2015−155076号公報
特許文献1,2における逆圧洗浄では、エアーコンプレッサーにより圧縮された空気が中空糸膜の内表面側の領域に導入され、この圧縮空気によって膜の内表面側から外表面側に向かって濾過水が押し出される。ここで、圧縮空気には、微粒子、水分、エアーコンプレッサーから持ち出されるオイル、細菌などの微生物及びウイルスなどの種々の汚染物質が含まれることがある。このため、特許文献1,2のように圧縮空気をそのまま中空糸膜内に導入すると、膜の内表面側の領域が汚染されてしまうことがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、中空糸膜の内表面側の領域の汚染を抑制しつつ中空糸膜を洗浄することが可能な中空糸膜濾過装置の洗浄方法及び中空糸膜濾過装置を提供することである。
本発明の一局面に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法は、中空糸膜により原水を濾過する中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜の表面を洗浄する方法である。この方法は、前記中空糸膜の外表面側から前記中空糸膜の内表面側に向かって原水を前記中空糸膜に透過させることにより、前記内表面側から濾過水を取り出す濾過工程と、前記中空糸膜の前記内表面側の領域に向かって気体を導く気体導入経路に配置された分離手段であって、気体に含まれる微粒子、水分、オイル、微生物及びウイルスのうち少なくともいずれかの汚染物質を気体から分離可能な前記分離手段を通過した気体によって、前記中空糸膜の前記内表面側から前記外表面側に向かって濾過水を押し出す逆洗工程と、前記逆洗工程の後、前記気体導入経路における前記分離手段よりも前記中空糸膜側の部位から分岐した圧抜き経路に設けられた圧抜きバルブの操作により、前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力を大気圧よりも大きい圧力に保持しつつ前記内表面側の領域から気体を抜く圧抜き工程と、を備え、前記圧抜き工程は、前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力が大気圧に等しくなる前に終了する。
この洗浄方法では、逆洗工程において中空糸膜の内表面側から外表面側に向かって濾過水を押し出すことにより、濾過工程中に中空糸膜の外表面に付着した懸濁物質を除去することができる。ここで、濾過水の押し出しに用いられる気体は、分離手段を通過することによって、微粒子、水分、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質が分離されている。このため、逆洗工程の際、中空糸膜の内表面側の領域にこれらの汚染物質が混入するのを抑制することができる。したがって、本発明の中空糸膜濾過装置の洗浄方法によれば、中空糸膜の内表面側の領域の汚染を抑制しつつ中空糸膜を洗浄することができる。
また、圧抜き工程において中空糸膜の内表面側の領域における圧力を大気圧に対して正圧に保つことができるため、圧抜き工程の際に中空糸膜の内表面側の領域に向かって外気が流れ込むのを防ぐことができる。その結果、中空糸膜の内表面側の領域の汚染をより確実に防ぐことができる。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、前記逆洗工程において、外部から取り込んだ空気を前記気体として用いると共に、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって前記空気に含まれる前記汚染物質を分離可能なエアフィルタを前記分離手段として用いてもよい。
逆洗工程において濾過水の押し出しのために外気を用いることは、コスト面で特に好ましい。しかし、外気中には汚染物質が多く存在しているため、逆洗工程において外気を用いる場合には汚染物質を予め除去しておく必要がある。ここで、分離精度が1.0μm以下のエアフィルタを通過させることにより、外気中の汚染物質が効果的に除去されることが本発明者らの検討により明らかになった。したがって、このエアフィルタを分離手段として用いることにより、逆洗工程において外気を用いた場合でも、中空糸膜の内表面側の領域に汚染物質が混入するのを防ぐことができる。さらに、分離精度が0.01μm以上のエアフィルタを用いることにより、エアフィルタを通過する際の空気の圧力損失を小さくすることができる。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、前記逆洗工程において、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された気体によって濾過水を押し出してもよい。
逆洗工程時の気体の圧力を0.05MPa以上に調整することにより、中空糸膜の外表面の洗浄効果を高めることができる。しかし、気体の圧力を0.5MPa以上に上げても洗浄効果の向上は少ない。したがって、エネルギー効率の観点から、逆洗工程時の気体の圧力は0.5MPa未満に調整されることが好ましい。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法において、水の接触角が90°未満になるまで前記内表面が親水化された前記中空糸膜を用いてもよい。
中空糸膜の内表面が疎水性を有する場合には、逆洗工程において中空糸膜の内表面側に気体を導入する際に当該内表面が乾燥してしまう。これにより、濾過工程を再開する際、中空糸膜の外表面側から内表面側に向かって原水を透過させるのが困難になる。これに対して、上述の通り内表面が親水化された中空糸膜を用いることにより、逆洗工程の際に中空糸膜の内表面が乾燥するのを防ぐことができる。
本発明の他局面に係る中空糸膜濾過装置は、中空糸膜と、前記中空糸膜を収容するハウジングと、前記ハウジング内に原水を供給する原水供給手段と、前記中空糸膜の内表面側の領域に向かって気体を導く気体導入経路と、前記気体導入経路に配置されると共に、気体に含まれる微粒子、水分、オイル、微生物及びウイルスのうち少なくともいずれかの汚染物質を気体から分離可能な分離手段と、前記気体導入経路における前記分離手段よりも前記中空糸膜側の部位から分岐し、前記中空糸膜の前記内表面側の領域にある気体を外部に抜くための圧抜き経路と、前記圧抜き経路に設けられた圧抜きバルブと、前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力を検知する圧力検知部と、逆洗工程の後の圧抜き工程において前記圧力検知部により検知される圧力が大気圧よりも大きい圧力に保持されるように、前記圧抜きバルブを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記圧力検知部により検知される圧力が大気圧に等しくなる前に前記圧抜きバルブを閉じる制御を行う。
この中空糸膜濾過装置では、ハウジング内に原水を供給し、この原水を中空糸膜の外表面側から内表面側に向かって透過させることにより、濾過水を得ることができる。そして、気体導入経路を通じて中空糸膜の内表面側の領域に向かって気体を導くことにより、この気体によって濾過水を中空糸膜の内表面側から外表面側に向かって押し出すことができる。これにより、濾過中に中空糸膜の外表面に付着した懸濁物質を除去することができる。しかも、微粒子、水分、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質を気体から分離可能な分離手段が気体導入経路に配置されているため、この分離手段を通過した後の気体を中空糸膜の内表面側の領域に導くことができる。このため、中空糸膜の内表面側の領域にこれらの汚染物質が混入するのを抑制することができる。
また、中空糸膜の内表面側の領域における圧力を大気圧に対して正圧に保つことができるため、中空糸膜の内表面側の領域に向かって外気が流れ込むのを防ぐことができる。その結果、中空糸膜の内表面側の領域の汚染をより確実に防ぐことができる。しかも、圧抜きバルブを制御部によって自動制御することにより、上述のような圧力調整を容易に行うことができる。
上記中空糸膜濾過装置において、前記気体導入経路には、外部から空気を取り込むための空気取込口が設けられていてもよい。前記分離手段は、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって前記空気に含まれる前記汚染物質を分離可能なエアフィルタを含んでいてもよい。
この構成によれば、濾過水の押し出しに外気を用いることができるため、コスト面で好ましい。しかも、上記エアフィルタに通過させた後の外気を用いることにより、中空糸膜の内表面側の領域に汚染物質が混入するのを防ぐこともできる。
上記中空糸膜濾過装置は、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された気体を前記中空糸膜の前記内表面側の領域に向かって導くように構成されていてもよい。
この構成によれば、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された気体によって濾過水を中空糸膜の内表面側から外表面側に向かって押し出すことができる。この圧力範囲は、上述のように逆圧洗浄における中空糸膜の洗浄効果及びエネルギー効率の観点から好ましい。
上記中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜の前記内表面は、水の接触角が90°未満になるまで親水化されていてもよい。
この構成によれば、逆圧洗浄において中空糸膜の内表面側の領域に気体を導入した場合でも、当該内表面が乾燥するのを防ぐことができる。
上記中空糸膜濾過装置において、前記分離手段は、気体に含まれる水分及びオイルのうち少なくともいずれかを気体から分離可能に構成されていてもよい。前記分離手段よりも後段に配置されるバルブは、前記分離手段を通過した気体により駆動可能に構成されていてもよい。
この構成によれば、分離手段を通過することにより水分やオイルが除去された気体を、バルブの駆動源として有効に利用することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、中空糸膜の内表面側の領域の汚染を抑制しつつ中空糸膜を洗浄することが可能な中空糸膜濾過装置の洗浄方法及び中空糸膜濾過装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る中空糸膜濾過装置の構成を模式的に示す図である。 中空糸膜の長手方向に沿った上端側の断面を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法の各工程におけるポンプの作動状態及びバルブの開閉状態を示す図である。 本発明の実施形態2に係る中空糸膜濾過装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態3に係る中空糸膜濾過装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態4に係る中空糸膜濾過装置の部分構成を模式的に示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る中空糸膜濾過装置及びその洗浄方法について詳細に説明する。
(実施形態1)
<中空糸膜濾過装置>
まず、本発明の実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1の構成について、図1を主に参照して説明する。図1は、中空糸膜濾過装置1の主要な構成要素を模式的に示している。図1に示すように、中空糸膜濾過装置1は、中空糸膜モジュール10と、原水供給手段20と、気体導入経路30と、分離手段40と、圧縮機50と、レシーバタンク60と、を主に備えている。
中空糸膜モジュール10は、外圧濾過式のモジュールであり、束状の複数の中空糸膜11を有する中空糸膜束12と、中空糸膜束12を収容するハウジング13と、を主に有している。中空糸膜モジュール10は、濾過の目的や要求される性能に応じて、外圧全量濾過式又は外圧循環濾過式のいずれかの濾過方式のモジュールとなっている。膜寿命の観点からは、濾過処理と同時に膜表面を洗浄することが可能な外圧循環濾過式のモジュールが好ましい。一方、設備の単純さ、設置コスト及び運転コストの観点からは、外圧全量濾過式のモジュールが好ましい。
中空糸膜束12は、各中空糸膜11の上端11Aが開口した状態で固定部材14によりハウジング13に固定されると共に、各中空糸膜11の下端11Bが固定されない状態で樹脂などにより封止された片端フリータイプのものである。ハウジング13内の空間は、固定部材14によって、原水が流れる原水側空間S1と、濾過水が流れる濾過水側空間S2と、に仕切られている。
各中空糸膜11の上端11Aは、固定部材14を貫通すると共に、濾過水側空間S2に開口している。これにより、中空糸膜11の内表面側の部分は、濾過水側空間S2と連通している。なお、中空糸膜束は、片端フリータイプのものに限定されず、各中空糸膜11の上端11A及び下端11Bがそれぞれ固定された両端固定タイプのものであってもよい。しかし、片端フリータイプの中空糸膜束12によれば、充水された原水側空間S1に気体を導入してバブリング洗浄する際に、中空糸膜11を気泡によって容易に揺動させることができるため、好ましい。
中空糸膜11の素材としては、種々のものを用いることが可能であり、特に限定されない。例えば、中空糸膜11は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF;Poly Vinylidene DiFluoride)、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール及びポリエーテルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含むことが好ましい。特に、膜強度や耐薬品性の観点から、中空糸膜11は、PVDFを含むことが好ましい。
図2は、中空糸膜11を長手方向に沿って切断したときの断面(上端11A側の縦断面)を示している。図2に示すように、中空糸膜11は、中空円筒状の濾過膜であり、外表面11B(円筒外面)と、内表面11C(円筒内面)と、を有している。中空糸膜11がハウジング13に収容された状態(図1)において、外表面11Bは原水側空間S1に面する。また中空糸膜11の膜壁には、多数の細孔(図示しない)が形成されている。
中空糸膜11によれば、ハウジング13の原水側空間S1に供給された原水(濾過前の水)を外表面11B側から内表面11C側に向かって透過させることにより、原水中の不純物を分離し、内表面11C側の領域(中空部11D)から濾過水100を取り出すことができる。この濾過水100は、中空糸膜11の上端11Aの開口を通じて濾過水側空間S2(図1)に流出し、その後ハウジング13の外に流出する。
中空糸膜11の分離精度は、原水中の細菌などの微生物を分離可能な程度となっている。具体的には、中空糸膜11の分離精度は、10.0μm以下であり、5.0μm未満であることが好ましく、2.0μm未満であることがより好ましく、0.5μm未満であることがさらに好ましく、0.2μm未満であることが一層好ましい。
中空糸膜11の内表面11Cは、例えば水に溶解した親水性樹脂を塗布することによって親水化されている。つまり、内表面11Cにおける水の接触角は、90°未満になっている。これにより、中空部11D内に圧縮空気などの気体を導入した際に、内表面11Cが乾燥するのを防ぐことができる。内表面11Cにおける水の接触角は、85°未満であることが好ましく、80°未満であることがさらに好ましい。また親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、セルロースエステル、エチレン−ビニルアルコール又はポリビニルアルコールなどを用いることができるが、特に親水性が高いポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
内表面11Cにおける水の接触角は、以下のようにして測定することができる。まず、中空糸膜11を長手方向に沿って切断する。次に、中空糸膜11の内表面11C上に水滴を滴下し、その瞬間の画像を撮影する。そして、水滴表面が中空糸膜11の内表面11Cに接する場所における、水滴表面と内表面11Cとのなす角が、内表面11Cにおける水の接触角となる。測定装置としては、協和界面科学株式会社製の「Drop Master 700」を用いることができる。
なお、本発明においては、中空糸膜11の内表面11Cのみが上述のように親水化されると共に外表面11Bが親水化されていなくてもよいし、中空糸膜11の外表面11B及び内表面11Cがいずれも親水化されていてもよい。また中空糸膜11の外表面11B及び内表面11Cがいずれも親水化されていなくてもよい。
ハウジング13は、例えば円筒状の容器からなっている。ハウジング13の上部には、濾過水側空間S2からハウジング13の外に濾過水を流出させるための濾過水出口13Aが設けられている。ハウジング13の側部において固定部材14の真下には、原水側空間S1からハウジング13の外に気体を排出するための気体排出口13Bが設けられている。気体排出口13Bには、気体排出経路92が接続されている。ハウジング13の下部には、原水側空間S1に原水を流入させる又は原水側空間S1からハウジング13の外に原水を流出させるための原水出入口13Cが設けられている。
原水供給手段20は、ハウジング13内(原水側空間S1)に原水を供給するものであり、送液ポンプ21と、原水配管22と、原水バルブ23と、を主に有している。図1に示すように、原水配管22の一端(下流端)はハウジング13の原水出入口13Cに接続されており、原水配管22の他端(上流端)は図示しない水源に接続されている。また原水配管22の他端側には、送液ポンプ21が配置されている。原水バルブ23は、配管内における原水の流通及び遮断を切り替えるものであり、送液ポンプ21よりも原水の流れ方向下流側に配置されている。送液ポンプ21の作動のオン/オフ及び原水バルブ23の開閉は、図示しない制御装置によって制御される。これにより、原水配管22を通じてハウジング13の原水側空間S1に原水を供給することができる。また図1に示すように、原水配管22において原水バルブ23よりも下流側の部位には、原水を排出するためのドレン経路94が接続されている。
気体導入経路30は、中空糸膜濾過装置1の外部から取り込んだ空気(気体)を、中空糸膜11の内表面11C側の領域(中空部11D、図2)に向かって導くための経路である。図1に示すように、気体導入経路30の一端(下流端)はハウジング13の濾過水出口13Aに接続されており、気体導入経路30の他端(上流端)には外部から経路内に空気(外気)を取り込むための空気取込口30Aが設けられている。空気取込口30Aから経路内に取り込まれた空気は、気体導入経路30を通じてハウジング13の濾過水側空間S2に流入し、その後、中空糸膜11の上端11Aの開口から中空糸膜11の中空部11D内に流入する。つまり、濾過水出口13Aは、ハウジング13内への空気の流入口としても機能する。
図1に示すように、気体導入経路30の上流側から下流側に向かって、圧縮機50、レシーバタンク60、分離手段40及び気体導入バルブ31が順に配置されている。
圧縮機50は、例えば給油式のエアーコンプレッサーであり、空気取込口30Aから気体導入経路30内に取り込まれた空気を圧縮し、その圧縮空気を下流側に排出する。圧縮機50は、露点が−60℃以上0℃未満になるように空気を圧縮する。圧縮空気の露点は、−50℃以上0℃未満であることが好ましく、−40℃以上0℃未満であることがより好ましい。圧縮空気の露点は、株式会社テクネ計測製の露点計(TK−100)を用いて測定することができる。なお、圧縮機50は、給油式のものに限定されず、無給油式のものであってもよい。
レシーバタンク60は、圧縮機50から送られる圧縮空気を一時的に貯留するものであり、圧縮機50の後段に配置されている。レシーバタンク60の出口には、圧力調整用のレギュレータ(減圧弁)が配置されている。この減圧弁によって、気体導入経路30を通じて中空糸膜11の中空部11Dに導入される圧縮空気の圧力を調整することができる。本実施形態では、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された圧縮空気を中空糸膜11の中空部11Dに向かって導くことができる。なお、このレシーバタンク60は、本発明の中空糸膜濾過装置において必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。また本発明において、圧縮空気の圧力は上記範囲に限定されない。
気体導入バルブ31は、気体導入経路30内における圧縮空気の流通及び遮断を切り替えるものであり、分離手段40の後段に配置されている。また気体導入バルブ31は、例えば電動式の開閉弁であり、原水バルブ23と同様に、図示しない制御装置によって開度が制御される。
中空糸膜濾過装置1においては、以下のようにして、中空糸膜11に対して濾過方向と逆方向に濾過水を流すことにより中空糸膜11の外表面11Bを洗浄する逆圧洗浄を行うことができる。まず、中空糸膜11による原水の濾過を一時中断した後、空気取込口30Aから気体導入経路30内に空気(外気)を取り込み、この空気を圧縮機50において圧縮する。この圧縮空気は、レシーバタンク60に貯められる。そして、レシーバタンク60から流出した圧縮空気は、気体導入経路30を通じてハウジング13の濾過水側空間S2に導入する。これにより、図2に示すように、中空糸膜11の中空部11D内にある濾過水100の液面を圧縮空気により加圧し、濾過水100を内表面11C側から外表面11B側に向かって押し出すことができる。その結果、濾過中に外表面11Bに付着した懸濁物質を、濾過水の水圧によって外表面11Bから除去することができる。
ここで、上述の逆圧洗浄に用いられる圧縮空気は、外気であるため、塵埃などの微粒子、細菌などの微生物又はウイルスなどが含まれる場合がある。さらに、本実施形態のように給油式の圧縮機50が用いられる場合には、圧縮機50から下流側に持ち出されるオイルが圧縮空気中に混入する可能性もある。したがって、逆圧洗浄の際、圧縮空気の導入によってこれらの汚染物質が中空糸膜11の中空部11Dに混入してしまうことがあり、この場合、清浄な濾過水を得ることが困難になる。
そこで、本実施形態に係る中空糸膜濾過装置1においては、圧縮空気に含まれる微粒子、微生物及びウイルスなどの汚染物質を圧縮空気から分離可能な分離手段40が、気体導入経路30に配置されている。これにより、圧縮空気が分離手段40を通過する際にこれらの汚染物質を予め分離することができるため、中空糸膜11の中空部11Dが汚染されるのを抑制することができる。
本実施形態では、分離手段40は、エアフィルタ41により構成されている。図1に示すように、エアフィルタ41は、気体導入経路30においてレシーバタンク60と気体導入バルブ31との間に配置されている。
エアフィルタ41は、少なくとも圧縮空気に含まれる微粒子(塵埃)を分離可能に構成されており、微粒子よりもさらに小さい微生物(カビ、胞子、細菌など)まで分離可能に構成されていることが好ましく、微生物よりもさらに小さいウイルスまで分離可能に構成されていることがより好ましい。エアフィルタ41の分離精度は、10.0μm以下であり、5.0μm未満であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。後述の実施例で説明する通り、1.0μm以下の分離精度を有するエアフィルタ41を用いることにより、圧縮空気から細菌を効果的に分離することが可能である。
一方、エアフィルタ41の分離精度が高すぎると、エアフィルタ41を圧縮空気が通過する際の圧力損失が大きくなり、エネルギー効率の低下を招く。このため、エアフィルタ41の分離精度は、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましい。
エアフィルタ41は、オイルも分離可能に構成されていてもよい。具体的には、エアフィルタ41のエレメントによって圧縮空気に含まれ得るオイルミストを捕捉可能となっていてもよい。上述の通り、圧縮機50は給油式であるため、圧縮機50から吐出される空気にはオイルミストが混入することがあるが、エアフィルタ41によってこれを分離することができる。したがって、微粒子、微生物及びウイルスに加えて、オイルが中空糸膜11の中空部11Dに混入するのも防ぐことができる。なお、圧縮機50が無給油式である場合には、エアフィルタ41は上述のようなオイルセパレータの機能を有していなくてもよい。
中空糸膜濾過装置1は、濾過水を装置外に取り出すための濾過水経路80と、濾過水経路80に設けられた濾過水バルブ81と、をさらに備えている。図1に示すように、濾過水経路80の一端(上流端)は、気体導入経路30における気体導入バルブ31よりも下流側の部位P1に接続されている。濾過水は、濾過水出口13Aからハウジング13の外に流出した後、部位P1から濾過水経路80に流入し、その後装置外に取り出される。
中空糸膜濾過装置1は、圧抜き経路70と、圧抜き経路70に設けられた圧抜きバルブ71と、圧力検知部72と、圧抜きバルブ71の開閉を制御する制御部73と、をさらに備えている。
圧抜き経路70は、中空糸膜11の中空部11Dにある空気(気体)を外部に抜くための経路である。図1に示すように、圧抜き経路70の一端(上流端)は気体導入経路30における気体導入バルブ31と部位P1との間の部位P2に接続されており、圧抜き経路70の他端(下流端)は大気側に開放されている。圧抜きバルブ71は、例えば電動弁であって、圧抜き経路70内における空気の流通及び遮断を切り替える。
中空糸膜11の中空部11Dにおける圧力が大気圧よりも大きく且つ気体導入バルブ31が閉じた状態で圧抜きバルブ71を開くと、圧力差によって中空部11D内の空気が圧抜き経路70に流れ込み、その後装置外に排出される。このようにして、中空糸膜11の中空部11D内の空気を圧抜き経路70を通じて外部に抜くことができる。
圧力検知部72は、中空糸膜11の中空部11Dにおける圧力を検知するセンサーであり、本実施形態では濾過水経路80における濾過水バルブ81よりも上流側に設けられている。なお、圧力検知部72は、中空糸膜11の中空部11Dと連通する空間の圧力を検知可能な位置に設けられていればよく、例えば気体導入経路30における部位P1よりも下流側に設けることも可能である。
制御部73は、圧力検知部72により検知される圧力(中空糸膜11の中空部11Dにおける圧力)が大気圧よりも大きい圧力に保持されるように、圧抜きバルブ71の開閉を制御する。具体的に、制御部73には、圧力検知部72による検知圧力の情報が送られる。そして、制御部73は、圧力検知部72による検知圧力が大気圧に等しくなる前に圧抜きバルブ71を閉じる制御を行う。
なお、本発明においては、圧抜きバルブ71の開閉を自動制御する制御部73は必須ではなく、制御部73を省略した上で圧抜きバルブ71の開閉を手動で制御してもよい。
中空糸膜濾過装置1は、バブリング用経路90と、バブリング用経路90に設けられたバブリング用バルブ91と、をさらに備えている。図1に示すように、バブリング用経路90の一端(上流端)は気体導入経路30におけるレシーバタンク60とエアフィルタ41との間の部位P3に接続されており、バブリング用経路90の他端(下流端)は原水配管22における原水バルブ23よりも下流側の部位P4に接続されている。これにより、気体導入経路30を流れる圧縮空気を部位P3においてバブリング用経路90に流入させることができる。そして、この圧縮空気を、バブリング用経路90及び原水配管22の下流部を通じてハウジング13内(原水側空間S1)に供給することができる。原水側空間S1が充水された状態でこのように圧縮空気を送り込むことにより、原水側空間S1に気泡を発生させ、中空糸膜11をバブリング洗浄することができる。
本実施形態では、エアフィルタ41よりも後段に配置される気体導入バルブ31及び圧抜きバルブ71が電動弁である場合について説明したが、これらのバルブは、エアフィルタ41を通過した圧縮空気により駆動可能なエア駆動弁であってもよい。エアフィルタ41を通過した圧縮空気は、オイルが分離されているため、バルブの駆動源としても有効に利用することが可能である。
<中空糸膜濾過装置の洗浄方法>
次に、本発明の実施形態1に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法について説明する。本実施形態に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、上述した中空糸膜濾過装置1(図1)において中空糸膜11の外表面11Bが洗浄される。図3は、本実施形態に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法の各工程における送液ポンプ21の作動状態と各バルブの開閉状態とを示している。図3中において、丸印はポンプのオン状態又はバルブの開状態を意味し、空欄はポンプのオフ状態又はバルブの閉状態を意味する。
はじめに、充水工程が実施される。この工程では、中空糸膜濾過装置1の全バルブが閉じた状態において、原水バルブ23及び気体排出バルブ93を開くと共に、送液ポンプ21が作動する。これにより、送液ポンプ21によって送られた原水が原水配管22を通じてハウジング13内(原水側空間S1)に供給される。
次に、濾過工程が実施される。この工程では、気体排出口13Bから原水が溢れた後、送液ポンプ21を作動させたまま濾過水バルブ81を開くと共に気体排出バルブ93を閉じる。原水側空間S1に供給された原水は、中空糸膜11の外表面11B側から内表面11C側に向かって膜壁を透過する。これにより、原水中の不純物(細菌など)が分離され、内表面11C側から濾過水100が取り出される。濾過水100は、濾過水出口13Aを通じてハウジング13の外に流出し、濾過水経路80を通じて装置外に取り出される。
上記濾過工程においては、濾過時間の経過に伴って原水中の懸濁物質が中空糸膜11の外表面11Bに付着し、膜の細孔が閉塞されることがある。これにより、原水の透過流速が低下し、中空糸膜11による濾過能力が低下する。このため、濾過開始から一定時間が経過した後、以下に説明する逆洗工程及びバブリング工程を実施する。これにより、中空糸膜11の外表面11Bに付着した懸濁物質が除去され、中空糸膜11の濾過能力を回復させることができる。
まず、逆洗工程が実施される。この工程では、気体導入バルブ31及びドレンバルブ95がそれぞれ開かれる。まず、空気取込口30Aを通じて空気(外気)が気体導入経路30内に取り込まれ、この空気が圧縮機50により圧縮される。この圧縮空気は、レシーバタンク60に貯められる。そして、レシーバタンク60から流出した圧縮空気は、エアフィルタ41を通過してハウジング13の濾過水側空間S2へ導かれる。図2に示すように、濾過工程後に中空糸膜11の中空部11Dに残った濾過水100は、この圧縮空気によって加圧される。これにより、濾過水100が中空糸膜11の内表面11C側から外表面11B側に向かって圧縮空気により押し出される。その結果、外表面11Bに対する懸濁物質の密着力が弱まり、外表面11Bから懸濁物質が浮いた状態となる。
ここで、上述の通り、圧縮空気に含まれる微粒子、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質を分離可能なエアフィルタ41(分離手段40)を通過した圧縮空気によって濾過水を押し出すことにより、これらの汚染物質が中空糸膜11の中空部11Dに混入するのを防ぐことができる。これにより、逆洗工程時に中空糸膜11の中空部11Dが汚染されるのを抑制することができるため、逆洗工程後に濾過工程を再開する場合にも、清浄な濾過水を得ることができる。
逆洗工程では、レシーバタンク60の出口に配置されたレギュレータにより0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力(ゲージ圧)に調整された圧縮空気によって濾過水が押し出される。圧縮空気の圧力を0.05MPa以上にすることにより、濾過水の加圧力が大きくなり、中空糸膜11の洗浄効果が高まるが、0.5MPa以上に上げても洗浄効果は飽和する傾向がある。したがって、中空糸膜11の洗浄効果及びエネルギー効率を両立させる観点から、圧縮空気の圧力は、0.05MPa以上0.5MPa未満に調整されることが好ましく、0.1MPa以上0.5MPa未満に調整されることがより好ましく、0.1MPa以上0.3MPa未満に調整されることがさらに好ましい。しかし、本発明においては、逆洗工程時の圧縮空気の圧力は上記範囲に限定されない。
また逆洗工程では、中空糸膜11の中空部11Dに残った濾過水が全て外表面11B側(原水側空間S1)に押し出されるため、逆洗工程の終了時には、中空部11D全体に空気が充満した状態になる。ここで、中空糸膜11の内表面11Cが疎水性を有する場合には、内表面11Cが乾燥してしまい、濾過工程を再開した時に外表面11B側から内表面11C側に向かって原水を透過させることが困難になる。これに対して、本実施形態では、水の接触角が90°未満になるまで内表面11Cが親水化された中空糸膜11を用いることにより、逆洗工程の終了時に内表面11Cが乾燥するのを防ぐことができる。したがって、逆洗工程後に濾過工程を再開する場合でも、原水が中空糸膜11を透過しないという問題が生じない。
次に、圧抜き工程が実施される。この工程では、逆洗工程において中空糸膜11の中空部11Dに導入された空気を外部に抜くことにより、中空部11D内を減圧する。具体的には、気体導入バルブ31が閉じた状態で圧抜きバルブ71を開くことにより、中空部11D内の空気がハウジング13の外に流出すると共に部位P2から圧抜き経路70に流入し、装置外に排出される。
ここで、圧抜き工程では、圧力検知部72により検知される中空部11Dにおける圧力を大気圧よりも大きい圧力に保持しつつ当該中空部11Dから空気が抜かれる。具体的に、圧抜き工程の開始時には、逆洗工程で導入された空気が中空部11Dに充満しているため、中空部11Dにおける圧力は大気圧よりも大きくなっている。そして、圧力検知部72により中空部11Dにおける圧力を監視しつつ中空部11D内の空気を抜き、その検知圧力が大気圧に到達する(等しくなる)前に圧抜きバルブ71を閉じて圧抜き工程を終了する。つまり、圧抜き工程の終了時においても、中空部11Dにおける圧力が大気圧よりも大きくなる状態を保つ。このように、中空部11Dにおける圧力が大気圧に対して正圧となる状態を保つことにより、汚染物質(微粒子、微生物、ウイルスなど)を含む外気が圧抜き経路70を通じて中空糸膜11の中空部11Dに流れ込むのを防ぐことができる。
また上述のように中空部11Dにおける圧力が大気圧よりも大きい状態は、次の濾過工程が再開されるまで保持される。ここで、中空部11Dにおける圧力が大気圧に対して大きすぎると、次の濾過工程を再開する際に、空気圧によって濾過水が激しく噴出してしまうため、好ましくない。また、次の濾過工程が再開されるまで中空糸膜11の内表面11C側が過度の高圧状態になることも、膜の耐久性の面で好ましくない。このため、圧抜き工程の終了時において、中空部11Dの圧力と大気圧との差が50kPa未満に調整されることが好ましく、30kPa未満に調整されることがより好ましく、10kPa未満に調整されることがさらに好ましい。
なお、本実施形態では、制御部73によって圧抜きバルブ71の開閉を自動制御する場合について説明したがこれに限定されず、制御部73を用いずに圧抜きバルブ71の開閉を手動で制御することも可能である。
次に、バブリング工程が実施される。この工程では、ハウジング13の原水側空間S1に原水が充たされた状態において、バブリング用バルブ91及び気体排出バルブ93がそれぞれ開かれる。これにより、バブリング用経路90及び原水配管22の下流部を通じて圧縮空気が原水側空間S1の下部に供給される。そして、中空糸膜11の長手方向に沿って上昇する気泡流が発生し、これにより中空糸膜11が揺らされる。その結果、逆洗工程において外表面11Bに対する密着力が弱まった懸濁物質が膜から剥がれ落とされる。
次に、排水工程が実施される。この工程では、バブリング用バルブ91が閉じられると共にドレンバルブ95が開かれる。これにより、バブリング工程において中空糸膜11の外表面11Bから剥がれ落ちた懸濁物質を含んだ原水が、原水出入口13Cからハウジング13の外に排出される。以上のようにして中空糸膜11の外表面11Bが洗浄された後、上述した充水工程及び濾過工程が再開される。
ここで、上述の通り説明した実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1及びその洗浄方法の特徴、並びにこれらの作用効果について列記する。
実施形態1に係る中空糸膜濾過装置の洗浄方法は、中空糸膜11により原水を濾過する中空糸膜濾過装置1において、中空糸膜11の外表面11Bを洗浄する方法である。この方法は、中空糸膜11の外表面11B側から内表面11C側に向かって原水を透過させることにより、内表面11C側から濾過水を取り出す濾過工程と、圧縮空気に含まれる微粒子、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質を圧縮空気から分離可能な分離手段40を通過した圧縮空気によって、中空糸膜11の内表面11C側から外表面11B側に向かって濾過水を押し出す逆洗工程と、を備えている。
実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1は、中空糸膜11と、中空糸膜11を収容するハウジング13と、ハウジング13内に原水を供給する原水供給手段20と、中空糸膜11の内表面11C側の領域(中空部11D)に向かって圧縮空気を導く気体導入経路30と、気体導入経路30に配置されると共に、圧縮空気に含まれる微粒子、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質を圧縮空気から分離可能な分離手段40と、を備えている。
この特徴によれば、中空糸膜11の内表面11C側から外表面11B側に向かって濾過水を押し出すことにより、濾過中に中空糸膜11の外表面11Bに付着した懸濁物質を除去することができる。そして、濾過水の押し出しに用いられる圧縮空気を分離手段40に通過させることによって、微粒子、オイル、微生物又はウイルスなどの汚染物質を圧縮空気から予め分離することができる。このため、逆圧洗浄の際、中空糸膜11の内表面11C側の領域にこれらの汚染物質が混入するのを抑制することができる。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、逆洗工程において、外部から取り込んだ空気を用いると共に、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって空気に含まれる上記汚染物質を分離可能なエアフィルタ41を分離手段40として用いる。上記中空糸膜濾過装置1において、気体導入経路30には、外部から空気を取り込むための空気取込口30Aが設けられている。分離手段40は、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって空気に含まれる上記汚染物質を分離可能なエアフィルタ41を含む。
濾過水の押し出しに外気を用いることによってコスト低減を図ることができる。しかも、外気に含まれる上記汚染物質を分離可能なエアフィルタ41を用いることにより、中空糸膜11の内表面11C側の領域に上記汚染物質が混入するのを防ぐこともできる。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、逆洗工程において、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力(ゲージ圧)に調整された圧縮空気によって濾過水を押し出す。上記中空糸膜濾過装置1は、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された圧縮空気を中空糸膜11の内表面11C側の領域に向かって導くように構成されている。この圧力範囲は、逆圧洗浄における中空糸膜11の洗浄効果及びエネルギー効率の観点から好ましい。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法では、水の接触角が90°未満になるまで内表面11Cが親水化された中空糸膜11を用いる。上記中空糸膜濾過装置1において、中空糸膜11の内表面11Cは、水の接触角が90°未満になるまで親水化されている。これにより、逆圧洗浄において中空糸膜11の内表面11C側の領域に空気を導入した場合でも、内表面11Cが乾燥するのを防ぐことができる。
上記中空糸膜濾過装置の洗浄方法は、逆洗工程の後、中空糸膜11の内表面11C側の領域における圧力を大気圧よりも大きい圧力に保持しつつ内表面11C側の領域から気体を抜く圧抜き工程を備えている。上記中空糸膜濾過装置1は、中空糸膜11の内表面11C側の領域にある空気を外部に抜くための圧抜き経路70と、圧抜き経路70に設けられた圧抜きバルブ71と、中空糸膜11の内表面11C側の領域における圧力を検知する圧力検知部72と、圧力検知部72により検知される圧力が大気圧よりも大きい圧力に保持されるように、圧抜きバルブ71を制御する制御部73と、を備えている。
これにより、中空糸膜11の内表面11C側の領域における圧力を大気圧に対して正圧に保つことができるため、中空糸膜11の内表面11C側の領域に向かって外気が流れ込むのを防ぐことができる。その結果、中空糸膜11の内表面11C側の領域の汚染をより確実に防ぐことができる。
上記中空糸膜濾過装置1において、分離手段40は、圧縮空気に含まれるオイルを圧縮空気から分離可能に構成されている。そして、分離手段40よりも後段に配置される気体導入バルブ31及び圧抜きバルブ71は、分離手段40を通過した圧縮空気により駆動可能に構成されていてもよい。これにより、分離手段40を通過することによりオイルが分離された圧縮空気を、これらのバルブの駆動源として有効に利用することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る中空糸膜濾過装置1Aについて、図4を参照して説明する。実施形態2に係る中空糸膜濾過装置1Aは、基本的に実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1と同様の構成を備えているが、エアフィルタ41が圧縮機50の前段に配置されている点で異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、実施形態2では、エアフィルタ41は、気体導入経路30において圧縮機50よりも上流側に配置されている。このため、エアフィルタ41により汚染物質が分離された後の空気を圧縮機50により圧縮し、この圧縮空気を中空糸膜モジュール10に向かって導くことができる。またバブリング用経路90の上流端は、気体導入経路30ではなくレシーバタンク60の出口に直接接続されている。この中空糸膜濾過装置1Aにおいて、上記実施形態1と同様に図3の工程フローに従った洗浄方法を実施することが可能である。
実施形態2では、エアフィルタ41が圧縮機50の前段に配置されているため、エアフィルタ41によって汚染物質が分離された後の清浄な空気を圧縮機50に送ることが可能であり、圧縮機50の汚染を防ぐことができる。また圧縮機50から吐出された空気を、エアフィルタ41を通さずにそのまま中空糸膜モジュール10に導くことができるため、圧縮空気の圧力損失をより小さくすることもできる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る中空糸膜濾過装置1Bについて、図5を参照して説明する。実施形態3に係る中空糸膜濾過装置1Bは、基本的に実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1と同様の構成を備えているが、中空糸膜モジュール10の原水側にもエアフィルタ41を通過した圧縮空気を導く構成となっている点で異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、実施形態3に係る中空糸膜濾過装置1Bでは、バブリング用経路90の上流端は、エアフィルタ41の出口に直接接続されている。この中空糸膜濾過装置1Bにおいて、上記実施形態1と同様に図3の工程フローに従った洗浄方法を実施することができる。
実施形態3では、中空糸膜モジュール10の原水側に対しても、エアフィルタ41を通過した圧縮空気を供給することができる。このため、バブリング洗浄の際に中空糸膜モジュール10の原水側の空間が汚染されるのを防ぐことができる。なお、エアフィルタ41の目詰まりを抑制してフィルタ寿命を長くする観点からは、上記実施形態1のように中空糸膜モジュール10の濾過水側に導く圧縮空気のみをエアフィルタ41に通過させることが好ましい。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る中空糸膜濾過装置について、図6を参照して説明する。実施形態4に係る中空糸膜濾過装置は、基本的に実施形態1に係る中空糸膜濾過装置1と同様の構成を備えているが、分離手段40がエアフィルタ41だけでなく、エアフィルタ41及びミストセパレータ42により構成されている点で異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図6は、実施形態4の中空糸膜濾過装置における分離手段40の近傍の構成のみを示している。分離手段40は、エアフィルタ41と、ミストセパレータ42と、を有している。エアフィルタ41は、上記実施形態1で説明したものと同様である。
ミストセパレータ42は、圧縮空気に含まれる水分を分離することにより、圧縮空気を乾燥させるものである。図6に示すように、ミストセパレータ42は、気体導入経路30においてレシーバタンク60とエアフィルタ41との間に配置されている。ミストセパレータ42は、圧縮空気に含まれるミスト状の水滴を圧縮空気から分離可能なものであり、例えば、遠心分離によってミスト状の水滴を圧縮空気から分離するものを用いることができる。
実施形態4では、エアフィルタ41によって微粒子、オイル、微生物及びウイルスが中空糸膜11の中空部11Dに混入するのを抑制するだけでなく、さらに、汚染された水分が中空部11Dに混入するのをミストセパレータ42によって抑制することができる。これにより、中空部11Dの汚染をより確実に防ぐことができる。しかも、ミストセパレータ42をエアフィルタ41の前段に配置することにより、圧縮空気に含まれる水分がエアフィルタ41に付着してフィルタの目詰まりが生じるのを抑制することもできる。また実施形態4における分離手段40(エアフィルタ41及びミストセパレータ42)を、実施形態2と同様に圧縮機50の前段に配置することも可能である。
また上記同様に、分離手段40の後段に配置される気体導入バルブ31及び圧抜きバルブ71(図1)は、分離手段40を通過した圧縮空気により駆動可能なエア駆動弁であってもよい。これにより、水分及びオイルが分離された圧縮空気をバルブの駆動源として用いることができる。
(その他実施形態)
上記実施形態1では、コスト低減を目的として、濾過水の押し出しに外気を用いる場合について説明したがこれに限定されず、例えばタンクに貯留された気体(空気又は空気以外の気体)を用いることも可能である。この場合、気体導入経路30の上流端側にタンクが設けられる。
上記実施形態1〜4では、エアフィルタ41が1つのみ設けられる場合について説明したが、複数のエアフィルタ41が設けられてもよい。また、複数のエアフィルタ41が目的に応じて直列又は並列に配置されてもよい。
上記実施形態3において、エアフィルタ41が省略され、ミストセパレータ42のみによって分離手段40が構成されてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例により制限されるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
PVDFからなる中空糸膜(株式会社クラレ製)を用いて中空糸膜モジュール10(図1)を作製した。そして、この中空糸膜モジュール10を用いて中空糸膜濾過装置1(図1)を組み立てた。
中空糸膜の分離精度は、0.02μmであった。中空糸膜は、ポリビニルアルコールにより親水化されており、内表面の接触角が65°であった。中空糸膜束としては、片端フリーのものを用いた。エアフィルタとしては、SMC株式会社製ミストセパレータAFM30(濾過精度(分離精度)が0.3μm)などを使用した。
まず、ハウジングの原水側空間に原水を供給し、中空糸膜の外表面から内表面に向かって原水を透過させた。次に、エアフィルタを通過した圧縮空気により濾過水を中空糸膜の内表面から外表面に向かって押し出した。この時、圧縮空気の圧力を0.2MPaとし、また圧縮空気の露点は−5℃であった。
次に、中空糸膜の中空部内の空気を抜いた。この時、膜の中空部内の圧力が大気圧よりも5kPa大きい状態で圧抜きを終了した。次に、充水された原水側空間に圧縮空気を供給し、中空糸膜を気泡により洗浄した。最後に、原水側空間内の原水をハウジングから排出した。
上記の工程からなるサイクルを約2週間に亘って繰り返し行った。その間、1日毎に濾過水中の一般細菌を測定した。細菌の測定は、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法に基づいて行った。
(実施例2)
エアフィルタの分離精度を1.0μmにした点以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
中空糸膜の分離精度を2.0μmとし、中空糸膜の内表面の接触角を60°とし、エアフィルタの分離精度を0.1μmとした点以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
中空糸膜の内表面の接触角を45°とし、エアフィルタの分離精度を1.0μmとし、膜の中空部内の圧力と大気圧との差を10kPaにした点以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
膜の中空部内の圧力と大気圧との差を0kPaにした点以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
膜の中空部内の圧力と大気圧との差を0kPaにした点以外は、実施例3と同様である。
(実施例7)
エアフィルタの分離精度を10μmにした点以外は、実施例1と同様である。
(実施例8)
中空糸膜の分離精度を10μmにした点以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
エアフィルタを用いなかった点以外は、実施例1と同様である。
実施例1〜8及び比較例1の条件及び細菌の測定結果を下記の表1に示す。
Figure 0006960791
表1の通り、実施例1〜8に比べて比較例1では細菌の検出回数が多くなった。この結果より、エアフィルタを通過した圧縮空気を濾過水の押し出しに用いることが、中空糸膜の中空部内への細菌の混入防止において有効に寄与することが分かった。特に、エアフィルタの分離精度を0.01〜1.0μmとし、中空糸膜の分離精度を2.0μm以下とし、膜の中空部内の圧力と大気圧との差を0kPa超えとした実施例1〜4では、細菌の検出回数が0回であり、特に良好な結果が得られた。
今回開示された実施形態及び実施例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 中空糸膜濾過装置
10 中空糸膜モジュール
11 中空糸膜
11B 外表面
11C 内表面
11D 中空部
13 ハウジング
20 原水供給手段
30 気体導入経路
30A 空気取込口
31 気体導入バルブ
40 分離手段
41 エアフィルタ
42 ミストセパレータ
70 圧抜き経路
71 圧抜きバルブ
72 圧力検知部
73 制御部
100 濾過水

Claims (9)

  1. 中空糸膜により原水を濾過する中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜の表面を洗浄する方法であって、
    前記中空糸膜の外表面側から前記中空糸膜の内表面側に向かって原水を前記中空糸膜に透過させることにより、前記内表面側から濾過水を取り出す濾過工程と、
    前記中空糸膜の前記内表面側の領域に向かって気体を導く気体導入経路に配置された分離手段であって、気体に含まれる微粒子、水分、オイル、微生物及びウイルスのうち少なくともいずれかの汚染物質を気体から分離可能な前記分離手段を通過した気体によって、前記中空糸膜の前記内表面側から前記外表面側に向かって濾過水を押し出す逆洗工程と、
    前記逆洗工程の後、前記気体導入経路における前記分離手段よりも前記中空糸膜側の部位から分岐した圧抜き経路に設けられた圧抜きバルブの操作により、前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力を大気圧よりも大きい圧力に保持しつつ前記内表面側の領域から気体を抜く圧抜き工程と、を備え
    前記圧抜き工程は、前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力が大気圧に等しくなる前に終了することを特徴とする、中空糸膜濾過装置の洗浄方法。
  2. 前記逆洗工程において、外部から取り込んだ空気を前記気体として用いると共に、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって前記空気に含まれる前記汚染物質を分離可能なエアフィルタを前記分離手段として用いることを特徴とする、請求項1に記載の中空糸膜濾過装置の洗浄方法。
  3. 前記逆洗工程において、0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された気体によって濾過水を押し出すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空糸膜濾過装置の洗浄方法。
  4. 水の接触角が90°未満になるまで前記内表面が親水化された前記中空糸膜を用いることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の中空糸膜濾過装置の洗浄方法。
  5. 中空糸膜と、
    前記中空糸膜を収容するハウジングと、
    前記ハウジング内に原水を供給する原水供給手段と、
    前記中空糸膜の内表面側の領域に向かって気体を導く気体導入経路と、
    前記気体導入経路に配置されると共に、気体に含まれる微粒子、水分、オイル、微生物及びウイルスのうち少なくともいずれかの汚染物質を気体から分離可能な分離手段と、
    前記気体導入経路における前記分離手段よりも前記中空糸膜側の部位から分岐し、前記中空糸膜の前記内表面側の領域にある気体を外部に抜くための圧抜き経路と、
    前記圧抜き経路に設けられた圧抜きバルブと、
    前記中空糸膜の前記内表面側の領域における圧力を検知する圧力検知部と、
    逆洗工程の後の圧抜き工程において前記圧力検知部により検知される圧力が大気圧よりも大きい圧力に保持されるように、前記圧抜きバルブを制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、前記圧力検知部により検知される圧力が大気圧に等しくなる前に前記圧抜きバルブを閉じる制御を行うことを特徴とする、中空糸膜濾過装置。
  6. 前記気体導入経路には、外部から空気を取り込むための空気取込口が設けられており、
    前記分離手段は、分離精度が0.01μm以上1.0μm以下であって前記空気に含まれる前記汚染物質を分離可能なエアフィルタを含むことを特徴とする、請求項に記載の中空糸膜濾過装置。
  7. 0.05MPa以上0.5MPa未満の圧力に調整された気体を前記中空糸膜の前記内表面側の領域に向かって導くように構成されていることを特徴とする、請求項又はに記載の中空糸膜濾過装置。
  8. 前記中空糸膜の前記内表面は、水の接触角が90°未満になるまで親水化されていることを特徴とする、請求項の何れか1項に記載の中空糸膜濾過装置。
  9. 前記分離手段は、気体に含まれる水分及びオイルのうち少なくともいずれかを気体から分離可能に構成されており、
    前記分離手段よりも後段に配置されるバルブは、前記分離手段を通過した気体により駆動可能に構成されていることを特徴とする、請求項の何れか1項に記載の中空糸膜濾過装置。
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