JP6960224B2 - 生体物質定量方法、病理診断支援システム及びプログラム - Google Patents

生体物質定量方法、病理診断支援システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、蛍光物質の輝度情報を用いた生体物質定量方法、病理診断支援システム及びプログラムに関する。
病理診断において、組織切片等の標本で過剰発現をしているタンパク質及びその発現量を特定することは、予後の予測やその後の治療計画を決める上で非常に重要な情報となり得る。
例えば、Ki67タンパクのように、細胞***中に核内に発現するタンパクの発現を評価して、様々な腫瘍の増殖性・悪性度が判断されている。
特許文献1には、乳がん患者から採取した細胞中の、Ki67が発現している細胞数または発現量に基づいて、癌の再発リスクを判定する方法が記載されている。
特開2011−209220号公報
特許文献1においては、具体的には、酵素を用いた色素染色法(例えば、DAB染色)によりKi67を標識している。この染色法では、発現の有無を判定してKi67が発現している細胞を抽出することは比較的容易であるが、発現量の定量においては精度が低く再現性が悪いため、発現レベルの定量評価ができないという問題点があった。
本発明の主な目的は、標本内の核タンパク質の発現量を正確に定量できる生体物質定量方法、病理診断支援システム及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
蛍光物質を内包した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された標本から、前記蛍光物質の蛍光に基づいて生体物質を定量する生体物質定量方法において、
前記標本の明視野画像から細胞核が抽出された画像である細胞核画像を生成する工程と、
前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力工程と、
前記細胞核画像及び前記蛍光輝点の蛍光に基づいて前記生体物質の発現量を定量する定量工程と、
を含み、
前記生体物質は細胞核に存在するタンパク質であるKi67、又は細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)であり、
前記蛍光粒子は前記生体物質を抗原とする一次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、前記一次抗体を抗原とする二次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、
前記生体物質がKi67である場合、前記一次抗体はSP6であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はEPR3610であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はB126.1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体は4A1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体はMIB−1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはSB77eであり、もしくは前記一次抗体は5D7であり、前記二次抗体はLO−RG1であり、
前記生体物質がエストロゲン受容体(ER)である場合、前記一次抗体は6F11であり、前記二次抗体はLO−MG1−13であり、もしくは前記一次抗体は14C8であり、前記二次抗体はLO−MG7であることを特徴とする生体物質定量方法が提供される。
本発明の他の態様によれば
記蛍光粒子は、前記一次抗体を抗原とする二次抗体を介して前記生体物質に結合し、
前記二次抗体はモノクローナル抗体であることを特徴とする生体物質定量方法が提供される。
複数種類の抗体を含むポリクローナル抗体は、抗原上の複数の抗原決定基と反応するため、ポリクローナル抗体を用いた免疫染色によれば、モノクローナル抗体を用いた場合と比較して、特定タンパクの発現を高感度に検出できることが知られる。しかし、本発明は、モノクローナル抗体を用いても生体物質の発現を高感度に検出可能であるという点で、従来の染色方法による生体物質の定量とは特徴を異にする。
本発明の他の態様によれば、
前記染色試薬は、相異なる発光波長の蛍光物質を含む2種類以上の試薬を混合した混合試薬であり、
前記2種類以上の試薬は、前記相異なる発光波長の蛍光物質を用いて同一種類の前記生体物質を染色可能であり、
前記入力工程において、前記標本における前記生体物質の発現を前記混合試薬に含まれる蛍光物質の蛍光に基づく蛍光輝点で表す蛍光画像が、前記蛍光物質の発光波長ごとに入力され、
前記定量工程において、前記蛍光物質の発光波長ごとに入力された前記蛍光画像における前記蛍光輝点に基づいて、前記生体物質量が定量され、
前記蛍光物質の発光波長ごとに定量された前記生体物質量が加算される加算工程を有することを特徴とする生体物質定量方法が提供される。
定量する生体物質が、例えばKi67のように細胞核に高密度に発現する核タンパク質である場合、互いに近接した複数の生体物質の発現に対応する複数の蛍光粒子は1つの輝点として計測される確率が高く、定量性が悪化する。その場合には、同じ種類の生体物質を染色可能な2色以上の蛍光粒子を用いて染色を行うことにより、顕微鏡の分解能の限界よりも近接した粒子を識別して観察することができるため、分解能が比較的低い顕微鏡を用いた場合であっても、標本内の生体物質の発現量の定量精度を高めることができる。
本発明によれば、標本内の核タンパク質の発現量を正確に定量できる。
本発明の生体物質定量方法を用いた病理診断支援システムのシステム構成を示す図である。 図1の画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 明視野画像の一例を示す図である。 蛍光画像の一例を示す図である。 図2の制御部により実行される画像解析処理を示すフローチャートである。 図5のステップS2の処理の詳細を示すフローチャートである。 明視野画像を示す図である。 細胞が抽出された画像を示す図である。 図5のステップS4の処理の詳細を示すフローチャートである。 蛍光画像を示す図である。 輝点領域が抽出された画像を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<病理診断支援システム100の構成>
図1に、本発明の生体物質定量方法を用いた病理診断支援システム100の全体構成例を示す。病理診断支援システム100は、所定の染色試薬で染色された標本の顕微鏡画像を取得し、取得された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織標本における特定の生体物質の発現を定量的に表す特徴量を出力するシステムである。
図1に示すように、病理診断支援システム100は、顕微鏡画像取得装置1Aと、画像処理装置2Aがケーブル3A等のインターフェースを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。なお、顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2Aとの接続方式は特に限定されない。例えば、顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2AはLAN(Local Area Network)により接続されることとしてもよいし、無線により接続される構成としてもよい。
さらに、病理診断支援システム100は標本の染色を自動で行う染色装置を備えても良い。
顕微鏡画像取得装置1Aは、公知のカメラ付き光学顕微鏡であり、スライド固定ステージ上に載置されたスライド上の組織標本の顕微鏡画像を取得し、画像処理装置2Aに送信するものである。
顕微鏡画像取得装置1Aは、照射手段、結像手段、撮像手段、通信I/F等を備えて構成されている。照射手段は、光源、フィルター等により構成され、スライド固定ステージに載置されたスライド上の組織標本に光を照射する。結像手段は、接眼レンズ、対物レンズ等により構成され、照射した光によりスライド上の組織標本から発せられる透過光、反射光、又は蛍光を結像する。撮像手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサー等を備え、結像手段により結像面に結像される像を撮像して顕微鏡画像のデジタル画像データを生成する顕微鏡設置カメラである。通信I/Fは、生成された顕微鏡画像の画像データを画像処理装置2Aに送信する。本実施の形態において、顕微鏡画像取得装置1Aは、明視野観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた明視野ユニット、蛍光観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた蛍光ユニットが備えられており、ユニットを切り替えることにより明視野/蛍光を切り替えることが可能である。
なお、顕微鏡画像取得装置1Aとしては、例えば、国際公開第2014/005195号パンフレットに記載された構造化照明法(SIM:Structured Illumination Microscopy)を用いて画像を取得する超解像顕微鏡を用いてもよい。構造化照明法を用いた超解像顕微鏡によれば、視野全体を2本のコヒーレントビームで照明して試料上に縞状の光格子を作製し、モアレ効果を利用して従来捕えられなかった回折光を取り込んで解析することにより、解像度の高い顕微鏡画像を取得可能である。従来の光学顕微鏡の解像度(接近している2点を識別できる最小の距離)は、光の回折限界により、およそ200nmであるが、構造化照明法を用いた超解像顕微鏡によれば、約100nmの解像度が実現される。
なお、顕微鏡画像取得装置1Aとしては、カメラ付き顕微鏡に限定されず、例えば、顕微鏡のスライド固定ステージ上のスライドをスキャンして組織標本全体の顕微鏡画像を取得するバーチャル顕微鏡スライド作成装置(例えば、特表2002−514319号公報参照)等を用いてもよい。バーチャル顕微鏡スライド作成装置によれば、スライド上の組織標本全体像を表示部で一度に閲覧可能な画像データを取得することができる。
画像処理装置2Aは、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織標本における特定の生体物質の発現分布を算出する。
図2に、画像処理装置2Aの機能構成例を示す。図2に示すように、画像処理装置2Aは、制御部21、操作部22、表示部23、通信I/F24、記憶部25等を備えて構成され、各部はバス26を介して接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部25に記憶されている各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、画像処理装置2Aの動作を統括的に制御する。例えば、制御部21は、記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により画像解析処理(図5参照)を実行し、生体物質の発現量を定量する定量工程及び加算工程を実行する手段としての機能を実現する。
操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
表示部23は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。本実施の形態において、表示部23は、画像解析結果を出力するための出力手段として機能する。
通信I/F24は、顕微鏡画像取得装置1Aをはじめとする外部機器との間でデータ送受信を行なうためのインターフェースである。通信I/F24は、明視野画像と蛍光画像の入力手段として機能する。
記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。記憶部25には、前述のように各種プログラムや各種データ等が記憶されている。
その他、画像処理装置2Aは、LANアダプターやルーター等を備え、LAN等の通信ネットワークを介して外部機器と接続される構成としてもよい。
本実施の形態における画像処理装置2Aは、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された明視野画像及び蛍光画像を用いて解析を行うことが好ましい。
明視野画像は、H(ヘマトキシリン)染色試薬、HE(ヘマトキシリン−エオジン)染色試薬を用いて染色された組織標本を、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて明視野で拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像であって、当該組織標本における細胞の形態を表す細胞形態画像である。ヘマトキシリンは青紫色の色素であり、細胞核、骨組織、軟骨組織の一部、漿液成分など(好塩基性の組織等)を染色する。エオジンは赤〜ピンク色の色素であり、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒など(好酸性の組織等)を染色する。図3に、HE染色を行った組織標本を撮影した明視野画像の一例を示す。
蛍光画像は、特定の生体物質を特異的に標識する蛍光物質を内包したナノ粒子(蛍光粒子)を含む染色試薬を用いて染色された組織標本に対し、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて所定波長の励起光を照射して蛍光粒子を発光(蛍光)させ、この蛍光を拡大結像及び撮影することにより得られる顕微鏡画像である。即ち、蛍光画像に現れる蛍光は、組織標本における、特定の生体物質の発現を示すものである。図4に、蛍光画像の一例を示す。
<蛍光画像の取得>
ここで、蛍光画像の取得方法について、この蛍光画像の取得に際して用いられる染色試薬、染色試薬による組織標本の染色方法等も含めて詳細に説明する。
〔蛍光物質〕
蛍光画像の取得のための染色試薬に用いられる蛍光物質としては、蛍光有機色素及び量子ドット(半導体粒子)を挙げることができる。200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜1100nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましい。
蛍光有機色素としては、フルオレセイン系色素分子、ローダミン系色素分子、Alexa Fluor(インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(インビトロジェン社製)系色素分子、カスケード系色素分子、クマリン系色素分子、エオジン系色素分子、NBD系色素分子、ピレン系色素分子、Texas Red系色素分子、シアニン系色素分子等を挙げることができる。
具体的には、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、及びAlexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7等を挙げることができる。単独でも複数種を混合したものを用いてもよい。
量子ドットとしては、II−VI族化合物、III−V族化合物、又はIV族元素を成分として含有する量子ドット(それぞれ、「II−VI族量子ドット」、「III−V族量子ドット」、「IV族量子ドット」ともいう。)のいずれかを用いることができる。単独でも複数種を混合したものを用いてもよい。
具体的には、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されない。
〔蛍光物質内包ナノ粒子〕
本実施の形態において蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光粒子)とは、蛍光物質が樹脂やシリカを母体とするナノ粒子の内部又は表面に分散されたものをいい、蛍光物質とナノ粒子自体とが化学的に結合していても、結合していなくてもよい。
有機蛍光体(例えば、蛍光有機色素、量子ドット等)を内包した蛍光粒子の製造方法として、有機蛍光体を樹脂やシリカからなるナノ粒子の内部または表面に固定した、直径がナノメートルオーダーの樹脂粒子を形成させる方法を挙げることができる。この色素粒子の調製方法は特に限定されるものではなく、公知の任意の方法により作製することが可能であるが、例えば、乳化重合法により、ナノ粒子の母体をなす樹脂(熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂)を合成するための(コ)モノマーを(共)重合させながら、有機蛍光体を添加し、当該(共)重合体の内部または表面に当該有機蛍光体を取り込ませる方法を用いることができる。
ナノ粒子の母体となる熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、フラン樹脂、または、これに類する樹脂を好適に用いることができる。また、ナノ粒子の母体となる熱硬化性樹脂としては、例えば、キシレン樹脂、ポリ乳酸、グリシジルメタクリレート、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、多糖類またはこれに類する樹脂を好適に用いることができる。熱硬化性樹脂、特にメラミン樹脂は、キシレン等の有機溶媒を用いる脱水、透徹、封入などの処理によっても、ナノ粒子に内包させた色素の溶出を抑制することができる点で好ましい。
蛍光有機色素を内包したポリスチレンナノ粒子は、米国特許4326008(1982)に記載されている重合性官能基をもつ有機色素を用いた共重合法や、米国特許5326692(1992)に記載されているポリスチレンナノ粒子への蛍光有機色素の含浸法を用いて作製することができる。
また、量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを蛍光粒子として用いることもできる。以下、本明細書中シェルを有する量子ドットの表記法として、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。例えば、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnS等を用いることができるが、これらに限定されない。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマー等により表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
量子ドットを内包したポリマーナノ粒子は、ネイチャー・バイオテクノロジー19巻631ページ(2001)に記載されているポリスチレンナノ粒子への量子ドットの含浸法を用いて作製することができる。
本実施の形態で用いられる蛍光粒子の粒径は特に限定されないが、粒径が大きいものは、生体物質との結合が妨げられて定量結果が不正確となることがあり、また、粒径が小さいものは、1つの蛍光粒子に含まれる蛍光物質が少ないため蛍光粒子の信号がバックグラウンドノイズ(カメラのノイズや細胞の自家蛍光)に埋もれて定量が困難であることなどから、蛍光粒子の平均粒径は50〜250nm程度のものが好適である。また、粒径のばらつきを示す変動係数(=(標準偏差/平均値)×100%)は特に限定されないが、20%以下のものを用いることが好ましい。
なお、蛍光粒子の平均粒径の算出においては、まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した電子顕微鏡写真から蛍光粒子の断面積を計測し、各計測値を円の面積としたときの円の直径を粒径とする。本願においては、1000個の蛍光粒子の粒径を計測し、その算術平均を平均粒径とした。変動係数も、1000個の粒子の粒径分布から算出した値とした。
〔蛍光粒子の表面修飾〕
蛍光粒子は、目的とする生体物質と特異的に結合及び/又は反応するために表面修飾を施される。目的とする生体物質は、それと特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されるものではないが、代表的にはタンパク質(ペプチド)および核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)、抗体等が挙げられる。したがって、そのような目的とする生体物質に結合する物質としては、前記タンパク質を抗原として認識する抗体やそれに特異的に結合する他のタンパク質等、および前記核酸にハイブリタイズする塩基配列を有する核酸等が挙げられる。具体的には、細胞核に存在するタンパク質であるKi67に特異的に結合する抗Ki67抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)に特異的に結合する抗ER抗体、細胞骨格を形成するアクチンに特異的に結合する抗アクチン抗体等があげられる。中でも抗Ki67抗体及び抗ER抗体を蛍光粒子に結合させたものは、乳癌の投薬選定に用いることができ、好ましい。
表面修飾された蛍光粒子と、生体物質は、直接結合されても良いが、別の物質を介して間接的に結合されても良い。例えば、生体物質に特異的に結合する一次抗体及び、一次抗体に特異的に結合するビオチン化二次抗体を介して、ビオチンに特異的に結合するストレプトアビジンにより修飾された蛍光物質と生体物質が結合することとしても良い。
一次抗体及び二次抗体は、蛍光粒子が特定の生体物質に特異的に結合できる組み合わせの抗体を任意に用いることができ、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれを用いても良い。
特定抗原としては以下を例示することができ、各抗原を認識する抗体はさまざまな抗体メーカーから入手可能であるとともに一般的な知識に基づいて作成可能である。例示として抗原略称および対応する遺伝子IDを示す。APOE(ID:348)、HMGA2(ID:8091)、HFN1A(ID:6927)、ACE(ID:1636)、ESR1(ID:2099)、HLA-B(ID:3106)、LIPC(ID:3990)、CYP19A1(ID:1588)、UGT1A1(ID:54658)、AR(ID:367)、NFKB1(ID:4790)、PPARG(ID:5468)、HMGA1(ID:3159)、VDR(ID:7421)、THRB(ID:7068)、ETV6(ID:2120)、APOA1(ID335)、NUP153(ID:9972)、RARB(ID:5915)、NR3C1(ID:2908)、ESR2(ID:2100)、NCOA2(ID:10499)、LDLR(ID:3949)、NUP98(ID:4928)、UGT1A9(ID:54600)、NKX2-1(ID:7080)、CETP(ID:1071)、RELA(ID:5970)、RGR(ID:5241)、HLA-DRB1(ID:3123)、BMP2(ID:650)、PCNA(ID:5111)、NFE2L2(ID:4780)、TP53(ID:7157)、IL10(ID3586)、IFNG(ID:3458)、PPARA(ID:5465)、ATXN3(ID:4287)、MDC1(ID:9656)、LCORL(ID:254251)、NCOA3(ID:8202)、CRP(ID:1401)、TOMM40(ID:10452)、CXCR4(ID:7852)、APOC3(ID:345)、NFKBIA(ID:4792)、TNFSF11(ID:8600)、PCSK9(ID:255738)、CEBPB(ID:1051)、HNF4A(ID:3172)、ER、Ki67、p53、PGR、が挙げられる。
蛍光粒子を修飾する物質と蛍光粒子の結合の態様としては特に限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、物理吸着及び化学吸着等が挙げられる。結合の安定性から共有結合等の結合力の強い結合が好ましい。
また、蛍光粒子を修飾する物質と蛍光粒子の間を連結する有機分子があってもよい。例えば、生体物質との非特異的吸着を抑制するため、ポリエチレングリコール鎖を用いることができ、Thermo Scientific社製SM(PEG)12を用いることができる。
蛍光物質内包シリカナノ粒子を表面修飾する場合、蛍光物質が蛍光有機色素の場合でも、量子ドットの場合でも同様の手順を適用することができる。例えば、無機物と有機物を結合させるために広く用いられている化合物であるシランカップリング剤を用いることができる。このシランカップリング剤は、分子の一端に加水分解でシラノール基を与えるアルコキシシリル基を有し、他端に、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アルデヒド基等の官能基を有する化合物であり、上記シラノール基の酸素原子を介して無機物と結合する。具体的には、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエチレングリコール鎖をもつシランカップリング剤(例えば、Gelest社製PEG-silane no.SIM6492.7)等が挙げられる。シランカップリング剤を用いる場合、二種以上を併用してもよい。
蛍光有機色素内包ナノ粒子とシランカップリング剤との反応手順は、公知の手法を用いることができる。例えば、得られた蛍光有機色素内包ナノ粒子を純水中に分散させ、アミノプロピルトリエトキシシランを添加し、室温で12時間反応させる。反応終了後、遠心分離又はろ過により表面がアミノプロピル基で修飾された蛍光有機色素内包ナノ粒子を得ることができる。続いてアミノ基と抗体中のカルボキシル基とを反応させることで、アミド結合を介し抗体を蛍光有機色素内包ナノ粒子と結合させることができる。必要に応じて、EDC(1-Ethyl-3-[3-Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride:Pierce(登録商標)社製)のような縮合剤を用いることもできる。
必要により、有機分子で修飾された蛍光有機色素内包ナノ粒子と直接結合しうる部位と、分子標的物質と結合しうる部位とを有するリンカー化合物を用いることができる。具体例として、アミノ基と選択的に反応する部位とメルカプト基と選択的に反応する部位の両方をもつsulfo-SMCC(Sulfosuccinimidyl 4[N-maleimidomethyl]-cyclohexane-1-carboxylate:Pierce社製)を用いると、アミノプロピルトリエトキシシランで修飾した蛍光有機色素内包ナノ粒子のアミノ基と、抗体中のメルカプト基を結合させることで、抗体結合した蛍光有機色素内包ナノ粒子ができる。
蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子へ生体物質認識部位を結合させる場合、蛍光物質が蛍光有機色素の場合でも、量子ドットの場合でも同様の手順を適用することができる。すなわち、アミノ基等の官能基をもつポリスチレンナノ粒子へ蛍光有機色素、量子ドットを含浸することにより、官能基をもつ蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子を得ることができ、以降EDC又はsulfo-SMCCを用いることで、抗体結合した蛍光物質内包ポリスチレンナノ粒子ができる。
〔染色方法〕
以下、組織標本の染色方法について述べるが、本発明は組織標本に限定されるものではなく、基板上に固定した細胞等の標本にも適用可能である。
また、以下に説明する染色方法が適用できる標本の作製法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。
1)脱パラフィン工程
キシレンを入れた容器に組織標本を浸漬させ、パラフィンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に組織標本を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に組織標本を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
2)賦活化処理
公知の方法にならい、目的とする生体物質の賦活化処理を行う。賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01M クエン酸緩衝液(pH6.0)、1mM EDTA溶液(pH8.0)、5% 尿素、0.1M トリス塩酸緩衝液等を用いることができる。加熱機器は、オートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバス等を用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50−130℃、時間は5−30分で行うことができる。
次いで、PBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)を入れた容器に、賦活化処理後の標本を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
3)表面修飾された蛍光粒子を用いた染色
表面修飾された蛍光粒子のPBS分散液を組織標本に載せ、目的とする生体物質と反応させる。蛍光粒子の表面修飾を変えることにより、さまざまな生体物質に対応した染色が可能となる。数種類の表面修飾を施された蛍光粒子を用いる場合には、それぞれの蛍光粒子PBS分散液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次組織標本に載せてもよい。
温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
蛍光粒子による染色を行う前に、BSA含有PBS等、公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の組織標本を浸漬させ、未反応蛍光粒子の除去を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。カバーガラスを組織標本に載せ、封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
なお、HE染色試薬を用いて染色を行う場合、カバーガラスによる封入前にHE染色を行う。
なお、上述の蛍光染色には、同一の表面修飾を施された蛍光粒子を複数種類混合したPBS分散液(混合試薬)を用いても良い。混合する蛍光粒子は、内包する蛍光物質が発する蛍光を分離して撮像できる組み合わせのものを任意に選択可能であり、任意の種類数を選択して良いが、特に、蛍光物質の励起光の波長差及び発光の波長差が、共にできるだけ大きくなるように選択することが好ましく、また、1分子の生体物質に対しては、蛍光粒子が1粒子のみ結合して、蛍光粒子が2粒子以上結合しないようにするために、蛍光粒子に内包される蛍光物質の種類のみが異なり、その他の構成(例えば、表面修飾の構造、ナノ粒子の素材、平均粒径、粒径の変動係数など)は同じとなるように作製された蛍光粒子を混合することが好ましい。
〔蛍光画像の取得〕
染色した組織標本に対し顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、広視野の顕微鏡画像(蛍光画像)を取得する。顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、染色試薬に用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応した励起光源及び蛍光検出用光学フィルターを選択する。
<病理診断支援システム100の動作(画像処理方法を含む。)>
以下、病理診断支援システム100において、上記説明した蛍光画像及び明視野画像を取得して解析を行う動作について説明する。ここでは、HE染色試薬及び特定のタンパク質(以下、特定タンパクと呼ぶ。)を認識する生体物質認識部位が結合した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された組織標本を観察対象とする場合を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
まず、操作者は、HE染色試薬と、特定タンパクを認識する生体物質認識部位が結合した蛍光粒子を蛍光標識材料とした染色試薬との、2種の染色試薬を用いて組織標本を染色する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、(a1)〜(a5)の手順により明視野画像及び蛍光画像が取得される。
(a1)操作者は、HE染色試薬と蛍光粒子を含む染色試薬とにより染色された組織標本をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)撮像手段で撮影を行って明視野画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a4)ユニットを蛍光ユニットに変更する。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルターを適宜選択して、染色試薬に含まれる蛍光粒子を励起させた状態で撮像手段により撮影を行って、染色試薬が発する蛍光を撮影した蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
例えば2種類の表面修飾された蛍光粒子を混合した混合試薬(以下、染色試薬A及びBとする。)を用いて蛍光染色を行った場合には、(a4)の手順の後、以下の手順により、蛍光画像を取得する。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルターを適宜選択して、染色試薬Aに含まれる蛍光粒子を励起させた状態で撮像手段により撮影を行って、染色試薬Aが発する蛍光を撮影した第一の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a6)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルターを適宜選択して、染色試薬Bに含まれる蛍光粒子を励起させた状態で撮像手段により撮影を行って、染色試薬Bが発する蛍光を撮影した第二の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
画像処理装置2Aにおいては、明視野画像及び蛍光画像に基づき画像解析処理が実行される。
図5に、画像処理装置2Aにおける画像解析処理のフローチャートを示す。図5に示す画像解析処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aからの明視野画像が入力されると(ステップS1)、明視野画像から細胞核の領域を抽出する(ステップS2)。
図6に、ステップS2における処理の詳細フローを示す。ステップS2の処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ステップS2においては、まず、明視野画像をモノクロ画像への変換する(ステップS201)。図7Aに、明視野画像の一例を示す。
次いで、モノクロ画像に対し予め定められた閾値を用いて閾値処理を施し、各画素の値を二値化した二値化画像を生成する(ステップS202)。
次いで、ノイズ処理を行う(ステップS203)。ノイズ処理は、具体的には、二値画像にクロージング処理を施すことにより行うことができる。クロージング処理は、膨張処理を行ってから同じ回数分だけ収縮処理を行う処理である。膨張処理は、注目画素からn×n画素(nは2以上の整数)の範囲内にある画素に1つでも白が含まれている場合に注目画素を白に置き換える処理である。収縮処理は、注目画素からn×n画素の範囲内にある画素に1つでも黒が含まれている場合に注目画素を黒に置き換える処理である。クロージング処理により、ノイズ等の小さい領域を除去することができる。図7Bに、ノイズ処理後の画像の一例を示す。図7Bに示されように、ノイズ処理後には、細胞核が抽出された画像(細胞核画像)が生成される。
次いで、ノイズ処理後の画像にラベリング処理を施し、抽出された細胞核のそれぞれにラベルを付与する(ステップS204)。ラベリング処理とは、連結している画素に同じラベル(番号)を付与していくことで画像内のオブジェクトを識別する処理である。ラベリング処理により、ノイズ処理後の画像から各細胞核を識別してラベルを付与することができる。
一方、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aからの蛍光画像が入力されると(ステップS3:入力工程)、蛍光画像から輝点領域を抽出する(ステップS4)。
図8に、ステップS4における処理の詳細フローを示す。ステップS4の処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ステップS4においては、まず、蛍光画像から蛍光輝点の波長に応じた色成分を抽出する(ステップS401)。ステップS401では、たとえば、蛍光粒子の発光波長が615nmである場合には、その波長成分を有する蛍光輝点のみを画像として抽出する。図9Aに、蛍光画像の一例を示す。
次いで、抽出された画像に閾値処理を施し、二値化画像を生成して輝点領域を抽出する(ステップS402)。図9Bは、蛍光輝点を中心とした輝点領域が抽出された画像の一例である。
なお、ステップS402の閾値処理の前に細胞自家蛍光や他の不要信号成分等のノイズ除去処理が施されてもよく、ガウシアンフィルタ等のローパスフィルタや二次微分等のハイパスフィルタが好ましく用いられる。
次いで、抽出された輝点領域のそれぞれにラベルを付与するラベリング処理を施す(ステップS403)。
ステップS4の処理の終了後、図5の処理に戻り、ステップS5では、各輝点領域に含まれる蛍光粒子数を算出する。算出した輝点領域ごとの蛍光粒子数の情報は、ステップS404で付与した輝点領域のラベルの情報に追加される。
ステップS2とステップS5の処理の終了後、細胞核画像(図7B)と輝点領域画像(図9B)の加算処理が行われ、細胞核における輝点領域の分布が画像処理装置2Aの表示部23に表示されて(ステップS6)、一細胞核当たりの蛍光粒子数が算出される(ステップS7:定量工程)。
以上の本実施形態によれば、ステップS1〜S2の処理により細胞核が抽出され、ステップS3〜S5の処理により、各輝点領域の蛍光粒子数が算出され、ステップS6の処理により、細胞核上での輝点領域の分布が具体的に表示され、一細胞核当たりの蛍光粒子数が算出される。
なお、混合試薬を用いて蛍光染色を行って、顕微鏡画像取得装置1Aによって複数の蛍光画像を取得した場合には、各蛍光画像に対してステップS3〜S7の処理を行って、蛍光画像ごとに細胞核当たりの蛍光粒子数を算出する。全ての蛍光画像に対して、ステップS7の処理が終了した後、蛍光画像ごとに算出された各細胞核上に存在する輝点数を加算して(加算工程)、細胞核当りの総輝点数を算出する。
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
本発明は、上記実施形態の核タンパク質の定量を実施するためのキットとしての態様を含む。キットの構成要素としては、上記実施形態で用いられる蛍光粒子が含まれる。さらに、定量する核タンパク質の種類に応じて選択される一次抗体及び二次抗体が含まれることが好ましく、さらに、細胞の形態を抽出するための染色試薬(例えば、HE染色試薬)、染色工程で用いられる希釈液、封入剤、定量方法を記載した説明書などが含まれることが好ましい。
上記実施形態では、1種の特定タンパクのみを対象としたが、複数の特定タンパクに対し、発光波長が互いに異なる2種以上の蛍光粒子を用いてもよい。
かかる場合、上述したように、蛍光粒子の発光波長ごとに蛍光画像を取得して各蛍光画像に対してステップS3〜S7の処理を行っても良いし、また、例えば、ステップS401においてフィルターワーク等を用いてそれぞれの色成分を抽出し、その抽出した色成分(波長成分)ごとにステップS402〜S5の処理を実行し、ステップS6〜S7において、細胞画像と色成分毎に作成された蛍光粒子画像とを加算して、各色成分の蛍光粒子数を算出してもよい。
また、上記実施形態では、混合試薬として、同一の表面修飾を施された蛍光粒子を2種類混合したPBS分散液を例として説明したが、3種類以上の蛍光粒子を混合しても良い。
混合する蛍光粒子の色数が多いほど、隣接する特定タンパクが異なる蛍光粒子により染め分けられる確率が増加するため、高密度に分布した蛍光物質を分離して算出される確率が高まり、正確な定量が可能となる。
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、病理診断支援システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
(A)蛍光物質内包メラミンナノ粒子の作製
蛍光物質としてAlexa488(ライフテクノロジーズ社製)2.5mgを水22.5mLに加えた後、ホットスターラー上で70℃で20分間加熱し、メラミン樹脂ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製、重量平均重合度:1.5)1.5gを加え、さらに5分間加熱撹拌した。ギ酸100μLを加え、60℃で20分間加熱撹拌した後、室温で放冷した。冷却後、反応混合物を遠心用チューブに入れて遠心分離機に12,000rpmで20分間かけ、上澄みを除去した。この粒子を1m1の純水中に再分散して、蛍光物質内包メラミンナノ粒子としてブチルヒドロキシトルエン・色素内包メラミン樹脂ナノ粒子を得た。
得られたAlexa488内包ナノ粒子を走査型電子顕微鏡(SEM;日立社製 S−800型)で観察したところ、平均粒径は150nmであった。
(B)蛍光粒子の表面修飾
上記(A)で得られた蛍光物質内包メラミンナノ粒子0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミンプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行なった。
次いで、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl-[(N-maleomidopropionamid)-dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで末端にマレイミド基が付いた蛍光物質内包メラミンナノ粒子を得た。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬社製)をN-succinimidyl S-acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、蛍光物質内包メラミンナノ粒子に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。
上記の蛍光物質内包メラミンナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン結合蛍光物質内包メラミンナノ粒子を作成した。作成したストレプトアビジン結合蛍光物質内包メラミンナノ粒子は4℃で保存し、組織染色に使用する直前に、超音波分散及びブロッキング溶液(Dako社製 抗体希釈用緩衝液、Antibody Diluent with Background Reducing Components、製造番号S3022)を用いた希釈を行い、ナノ粒子の最終濃度が0.2nMとなるように調整した染色試薬を作成した。
(C)組織染色
ヒト***組織をホルマリン固定及びパラフィン包埋した組織アレイ(US-BioMax社製、商品名:パラフィン包埋乳がん組織アレイ、商品番号:BR243)中の、同一検体の隣接切片を、以下の手順により染色した。
まず、組織標本に対し、キシレンを用いた脱パラフィン処理、及びキシレンを除去する親水処理を行った。次いで、クエン酸バッファー(pH6.0)に入れた組織標本を加熱(121℃、5分間)して賦活化した。
次いで、組織標本をPBSで洗浄し、上記ブロッキング溶液を室温で15分間反応させてブロッキングした後、表1及び表2に記載されている組み合わせの一次抗体及び二次抗体を反応させた。
具体的には、例えば、一次抗体としてKi67を抗原とするマウスモノクローナル抗体であるMIB−1(Dako社製)を上記ブロッキング溶液で希釈して0.61μh/mlとした試薬を、ブロッキング後の組織標本にのせて、4℃で一晩放置した。組織標本をPBSで洗浄した後、二次抗体として、モノクローナル抗マウス抗体であるLO-MG1-13(AbD社製、No.MCA1289)のビオチン標識体を上記ブロッキング溶液で希釈して2μg/mlとした試薬を組織標本にのせて、室温で30分放置した。なお、二次抗体のビオチン標識は定法に従い、Biotin Labeling Kit-SH(同仁科学研究所社製、製品コード:LK10)を使用して実施した。
一次抗体及び二次抗体を反応させた組織標本に、(B)で作成した染色試薬をのせて室温で30分〜1時間放置し、洗浄した後、4%パラホルムアルデヒドを室温で10分間反応させることにより、蛍光粒子を組織標本に固定して、蛍光染色を実施した。
次いで、市販のHE染色試薬を用いた細胞核の染色、及びエンテランニュー(メルク社製)を用いた封入を行った。
表1及び表2に記載されている一次抗体及び二次抗体の組み合わせについても、それぞれ市販の試薬を用いて、公知の方法により組織標本に反応させた。表1に記載されている一次抗体(抗Ki67抗体)及び二次抗体の組み合わせにより、Ki67を特定タンパクとして蛍光染色し、表2に記載されている一次抗体(抗ER抗体)及び二次抗体の組み合わせにより、ERを特定タンパクとして蛍光染色することが可能である。
なお、表1及び表2には、各抗体の名称として、モノクローナル抗体についてはクローン名、ポリクローナル抗体については商品コードが記載されている。一次抗体のクローン名の下の括弧内には、一次抗体を作成した動物種(ホスト)が示されている。SP6、EPR3610、B126.1、4A1、5D7、RG-16、SB115h、SB77e、6F11、14C8、1D5、Ab15580、Ab97109、Ab97042、Ab97052、Ab97047、Ab97106、及びAb30656はアブカム社製、LO-MG7はアクリスアンチボディーズ社製、LO-RG1及びLO-MG2a-7はAbD社製、Sc-7877はサンタクルーズバイオテクノロジー社製、LS-C178370はライフスパンバイオサイエンス社製である。
また、蛍光粒子を用いて染色した組織切片に隣接する組織切片に対して、従来のDAB法を用いた組織染色を行い、蛍光粒子を用いた本発明の染色結果と比較した。
(D)画像解析処理
ニコン社製超解像顕微鏡 N-SIMを用いて、染色された組織標本の顕微鏡画像(明視野画像及び蛍光画像)を取得した。蛍光画像は、励起波長490nmの励起光下、中心波長約540nmの蛍光を撮影した画像である。
取得した明視野画像から、ヘマトキシリン染色に基づいて、細胞核の領域を抽出した。
また、取得した蛍光画像から、特開2013−57631号公報に記載の方法により、輝点数の計測を行った。具体的には、取得した蛍光画像から、予め設定された上限閾値および下限閾値に基づいて、輝点領域が抽出された2値化画像を作成した。この上限・下限閾値は、例えば、大津の判別分析法(大津展之;判別及び最小2乗基準に基づく自動しきい値選定法、電子通信学会論文誌、Vol.J63-D, No4, pp.349-356, 1980)による2値化などのような統計的閾値決定法を利用してもよい。作成された2値化画像に、ジーオングストローム社製の輝点計測ソフト「G-count」を用いて輝点領域当たりの輝点数を計測した。
次いで、明視野画像と蛍光画像とを重ね合わせ、1画像当たりの細胞核内及び細胞核外の領域に発現する輝点数を算出した。
(E)実験結果
本発明の蛍光粒子を用いた蛍光染色と、DAB法による染色の結果を、同じ一次抗体及び二次抗体の組み合わせを用いた場合で比較すると、本発明の方法によれば、特定タンパク(Ki67及びER)の発現率(全細胞のうち、特定タンパクを発現している細胞の割合)の評価に関しては、DAB法と同等の評価が得られた。
さらに、細胞核領域当たりの特定タンパクの発現量を定量的に評価したところ、DAB法によれば、特定タンパクの発現率が同程度の標本であっても、定量結果のばらつきが大きく、安定した定量評価を行うことができなかった。一方、蛍光粒子を用いた本発明の方法によれば、特定タンパクの発現率の大小に応じて定量結果の違いがあった。また、本発明の方法によれば、発現量を蛍光輝点の数として計測できるという観点からも、計測者や計測システムが異なる場合でも誤差が少なく、定量の再現性が高かった。
以下、本発明の方法による特定タンパクの定量精度について、さらに詳細な評価を示す。
表1及び表2は、それぞれ、本発明の方法を用いてKi67及びERを蛍光染色した標本における1画像当たりの細胞核外の輝点数に基づく評価を示す。細胞核外の輝点数が9個以下の場合は◎、10〜99個の場合は○、100〜200個の場合は△と評価する。「―」は、評価を行っていないことを示す。
Ki67及びERは、細胞核内に発現するたんぱく質であるため、細胞核外の輝点は、Ki67及びERの発現を示すものではなく、非特異的に染色されたノイズを示す。ノイズ(細胞核外の輝点数)が少ないほど、細胞核内の輝点に関してもノイズが少ないことが示唆され、定量精度が高いと考えられる。
Figure 0006960224
表1より、蛍光粒子を含む染色試薬を用いてKi67を染色することにより、標本中のKi67を自動的に定量することができた。また、組織標本として同一検体の隣接切片を用いているため、細胞核内の輝点数はいずれの一次抗体及び二次抗体の組み合わせにおいてもほぼ同じであると考えられる。実際に計測された1画像当たりの細胞核内の輝点数は、いずれも約2500個であり、ほぼ同じ値であった。従って、本発明の方法によれば、抗体の組み合わせに関わらず、安定した定量結果が得られる。
また、一次抗体または二次抗体のいずれか一方がモノクローナル抗体であった場合には、一次抗体及び二次抗体が共にポリクローナル抗体であった場合と比較して、ノイズ(細胞核外の輝点数)が少ない(評価:○又は◎)場合が多いことから、細胞核内の輝点においてもノイズが少ないことが示唆され、定量精度が高いと考えられる。さらに、一次抗体及び二次抗体がともにモノクローナル抗体であった場合には、すべての組み合わせにおいて、細胞核外の輝点数が9個以下(評価:◎)であり、細胞核内の輝点数が約2500個であったことを考慮すれば、本発明の方法による定量精度は極めて高いと考えられる。
Figure 0006960224
表2より、蛍光粒子を含む染色試薬を用いてERを染色することにより、標本中のERを自動的に定量することができた。また、組織標本として同一検体の隣接切片を用いているため、細胞核内の輝点数はいずれの一次抗体及び二次抗体の組み合わせにおいてもほぼ同じであると考えられるが、実際に計測された1画像当たりの細胞核内の輝点数は、いずれも約1200個であり、ほぼ同じ値であった。従って、本発明の方法によれば、抗体の組み合わせに関わらず、安定した定量結果が得られる。
また、一次抗体または二次抗体のいずれか一方がモノクローナル抗体であった場合には、一次抗体及び二次抗体が共にポリクローナル抗体であった場合と比較して、ノイズ(細胞核外の輝点数)が少ない(99個以下、評価:○)場合が多いことから、細胞核内の輝点においてもノイズが少ないことが示唆され、定量精度が高いと考えられる。さらに、一次抗体及び二次抗体がともにモノクローナル抗体である4例においては、いずれも細胞核外の輝点数が99個以下(評価:○又は◎)であり、さらに、4例中2例においては、細胞核外の輝点数は9個以下(評価:◎)であった。細胞核内の輝点数が約1200個であったことを考慮すれば、本発明の方法による定量精度は極めて高いと考えられる。
一般的に、複数種類の抗体を混在して含むポリクローナル抗体を用いた免疫染色は、抗原上の複数の抗原決定基に抗体が反応できるため、染色効率が高く、特定タンパクの発現を高感度に検出できる。一方、1種類の抗体からなるモノクローナル抗体は、抗原上の1種類の抗原決定基にのみ反応して、特異性が高くノイズは少ないものの、従来の蛍光色素や酵素を用いた染色の場合、特定タンパクの発現を示す輝点の輝度や酵素反応による発色が微弱であるため、定量が困難であった。しかし、本発明の定量方法によれば、蛍光粒子の1粒子当たりの輝度が高いため、モノクローナル抗体を用いた染色であっても感度よく生体物質を検出可能であり、定量が容易となる。さらに、本発明の定量方法によれば、モノクローナル抗体を用いることにより、ポリクローナル抗体を用いた場合と比較して細胞核外の輝点数が少なく、すなわちノイズが少ないため正確な定量結果が得られて好ましいという結果が得られた。
[変形例]
Alexa488の代わりにAlexa647(ライフテクノロジーズ社製)を用いた他は、実施例の(A)〜(B)と同様の手順により、Alexa647を内包するストレプトアビジン結合蛍光物質内包メラミンナノ粒子を作成し、これを0.2nM含む染色試薬を作成した。さらに、実施例で作成したAlexa488を用いた染色試薬と同量ずつ混合して、2種類の蛍光粒子の合計濃度が0.2nMとなるように調整した混合試薬を準備した。
次いで、実施例の(C)の染色工程において、染色試薬として混合試薬を用いた他は同様にして、組織染色を実施した。
次いで、励起波長490nm励起光下、中心波長薬540nmの蛍光を撮影した蛍光画像及び、650nmの励起光下、中心波長約665nmの蛍光を撮影した蛍光画像を取得し、各蛍光画像に対して、(D)と同様の画像解析処理を実施して蛍光画像毎に細胞核内及び細胞核外の領域に発現する輝点数を算出し、さらに、算出された細胞核内及び細胞核外の輝点数を全て加算して、細胞核内及び細胞核外の輝点数の総数を算出した。
(実験結果)
実施例と同様の、特定タンパクの発現率をDAB法による染色法と比較する評価、及び1画像当たりの細胞核外輝点数に基づく定量精度の評価については、実施例と同等の結果が得られた。
1画像当たりの細胞核内の輝点数はいずれの標本においてもほぼ同じであり、その数は約10000個であった。このように、蛍光波長の異なる2種類の蛍光粒子を用いたことにより、実施例よりも多数の輝点数が計測された理由は、以下のように考察される。
染色に用いる蛍光粒子の平均粒径が小さく、かつKi67やERのように高密度に発現している生体物質を染色対象とする場合には、蛍光粒子が顕微鏡の解像度よりも近接して存在する可能性が高い。このような場合に、蛍光染色に用いる蛍光粒子の色数が1つであると、近接した蛍光粒子は1つの輝点として観察され、蛍光粒子の1つ1つを分離して計測できない。すなわち、検出できる輝点数には、顕微鏡の解像度に基づく限界があった。
しかし、本変形例では、蛍光波長の異なる2種類の蛍光粒子を用いて染色を行うことにより、複数の蛍光粒子が顕微鏡の解像度よりも近接して存在している場合であっても、これらの蛍光粒子の蛍光波長が異なっていれば、分離した輝点として分離して計測できる。そのため、輝点数がより正確に計測できるようになったと考察できる。
つまり、本変形例のような混合試薬を用いた定量方法によれば、上述したような顕微鏡の解像度に基づく限界(超解像顕微鏡の場合には、約100nm)よりも平均粒径が小さい蛍光粒子を用いて染色を行った場合であっても、高精度の定量が可能である。
以上のように、本発明の生体物質定量方法によれば、蛍光粒子の輝点数に基づいて特定タンパクの発現量を正確に定量することができる。
さらに、一次抗体及び二次抗体の少なくとも一方、好ましくは両方をモノクローナル抗体とすれば、特定タンパクに非特異的な輝点が減少し、定量結果の信頼度が高い。
また、本発明の方法で定量される生体物質は、Ki67及びERタンパクに限定されるものではない。また、診断対象となる病変(がん)種に応じて、蛍光画像を取得する際の生体物質認識部位を異なるものとすれば、病変種に応じた生体物質の発現量を定量的に示す特徴量を医師に提供することが可能となる。
本発明は、病理診断に用いる画像の画像解析処理に好適に利用することができる。
1A 顕微鏡画像取得装置
2A 画像処理装置
3A ケーブル
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信I/F
25 記憶部
26 バス
100 病理診断支援システム

Claims (7)

  1. 蛍光物質を内包した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された標本から、前記蛍光物質の蛍光に基づいて生体物質を定量する生体物質定量方法において、
    前記標本の明視野画像から細胞核が抽出された画像である細胞核画像を生成する工程と、
    前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力工程と、
    前記細胞核画像及び前記蛍光輝点の蛍光に基づいて前記生体物質の発現量を定量する定量工程と、
    を含み、
    前記生体物質は細胞核に存在するタンパク質であるKi67、又は細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)であり、
    前記蛍光粒子は前記生体物質を抗原とする一次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、前記一次抗体を抗原とする二次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、
    前記生体物質がKi67である場合、前記一次抗体はSP6であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はEPR3610であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はB126.1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体は4A1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体はMIB−1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはSB77eであり、もしくは前記一次抗体は5D7であり、前記二次抗体はLO−RG1であり、
    前記生体物質がエストロゲン受容体(ER)である場合、前記一次抗体は6F11であり、前記二次抗体はLO−MG1−13であり、もしくは前記一次抗体は14C8であり、前記二次抗体はLO−MG7であることを特徴とする生体物質定量方法。
  2. 蛍光物質を内包した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された標本から、前記蛍光物質の蛍光に基づいて生体物質を定量する生体物質定量方法において、
    前記標本の明視野画像から細胞核が抽出された画像である細胞核画像を生成する工程と、
    前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力工程と、
    前記細胞核画像及び前記蛍光輝点の蛍光に基づいて前記生体物質の発現量を定量する定量工程と、
    を含み、
    前記生体物質は細胞核に存在するタンパク質であるKi67、又は細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)であり、
    前記蛍光粒子は前記生体物質を抗原とする一次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、前記一次抗体を抗原とする二次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、
    前記生体物質がKi67である場合、前記一次抗体はSP6であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はEPR3610であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はB126.1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体は4A1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体はMIB−1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはSB77eであり、もしくは前記一次抗体は5D7であり、前記二次抗体はLO−RG1であり、
    前記生体物質がエストロゲン受容体(ER)である場合、前記一次抗体は6F11であり、前記二次抗体はLO−MG1−13であり、もしくは前記一次抗体は14C8であり、前記二次抗体はLO−MG7であり、
    前記染色試薬は、相異なる発光波長の蛍光物質を含む2種類以上の試薬を混合した混合試薬であり、
    前記2種類以上の試薬は、前記相異なる発光波長の蛍光物質を用いて同一種類の前記生体物質を染色可能であり、
    前記入力工程において、前記標本における前記生体物質の発現を前記混合試薬に含まれる蛍光物質の蛍光に基づく蛍光輝点で表す蛍光画像が、前記蛍光物質の発光波長ごとに入力され、
    前記定量工程において、前記蛍光物質の発光波長ごとに入力された前記蛍光画像における前記蛍光輝点の蛍光に基づいて、前記生体物質の発現量が定量され、
    前記蛍光物質の発光波長ごとに定量された前記生体物質の発現量を加算する加算工程を有することを特徴とする生体物質定量方法。
  3. 前記染色試薬は、相異なる発光波長の蛍光物質を含む3種類以上の試薬を混合した混合試薬であり、
    前記3種類以上の試薬は、前記相異なる発光波長の蛍光物質を用いて同一種類の前記生体物質を染色可能であることを特徴とする請求項に記載の生体物質定量方法。
  4. 前記蛍光粒子の平均粒径は、50nm以上100nm未満であることを特徴とする請求項又はに記載の生体物質定量方法。
  5. 前記入力工程において、超解像顕微鏡を用いて前記蛍光画像を入力することを特徴とする請求項の何れか一項に記載の生体物質定量方法。
  6. 蛍光物質を内包した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された標本から、前記蛍光物質の蛍光に基づいて生体物質を定量する病理診断支援システムであって、
    前記標本の明視野画像から細胞核が抽出された画像である細胞核画像を生成する手段と、
    前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段と、
    前記細胞核画像及び前記蛍光輝点の蛍光に基づいて前記生体物質の発現量を定量する定量手段と、
    を備え、
    前記生体物質は細胞核に存在するタンパク質であるKi67、又は細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)であり、
    前記蛍光粒子は、前記生体物質を抗原とする一次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、前記一次抗体を抗原とする二次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、
    前記生体物質がKi67である場合、前記一次抗体はSP6であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はEPR3610であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はB126.1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体は4A1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体はMIB−1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはSB77eであり、もしくは前記一次抗体は5D7であり、前記二次抗体はLO−RG1であり、
    前記生体物質がエストロゲン受容体(ER)である場合、前記一次抗体は6F11であり、前記二次抗体はLO−MG1−13であり、もしくは前記一次抗体は14C8であり、前記二次抗体はLO−MG7であることを特徴とする病理診断支援システム。
  7. 蛍光物質を内包した蛍光粒子を含む染色試薬を用いて染色された標本から、前記蛍光物質の蛍光に基づいて生体物質を定量するコンピュータを、
    前記標本の明視野画像から細胞核が抽出された画像である細胞核画像を生成する手段、
    前記標本における前記生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を入力する入力手段、
    前記細胞核画像及び前記蛍光輝点の蛍光に基づいて前記生体物質の発現量を定量する定量手段、
    として機能させ、
    前記生体物質は細胞核に存在するタンパク質であるKi67、又は細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)であり、
    前記蛍光粒子は、前記生体物質を抗原とする一次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、前記一次抗体を抗原とする二次抗体であるモノクローナル抗体を介して前記生体物質に結合し、
    前記生体物質がKi67である場合、前記一次抗体はSP6であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はEPR3610であり、前記二次抗体はLO−RG1、またはRG−16であり、もしくは前記一次抗体はB126.1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体は4A1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはLO−MG2a―7であり、もしくは前記一次抗体はMIB−1であり、前記二次抗体はLO−MG1−13、またはSB77eであり、もしくは前記一次抗体は5D7であり、前記二次抗体はLO−RG1であり、
    前記生体物質がエストロゲン受容体(ER)である場合、前記一次抗体は6F11であり、前記二次抗体はLO−MG1−13であり、もしくは前記一次抗体は14C8であり、前記二次抗体はLO−MG7であることを特徴とするプログラム。
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