JP6959746B2 - クライオトラップ - Google Patents

クライオトラップ Download PDF

Info

Publication number
JP6959746B2
JP6959746B2 JP2017046821A JP2017046821A JP6959746B2 JP 6959746 B2 JP6959746 B2 JP 6959746B2 JP 2017046821 A JP2017046821 A JP 2017046821A JP 2017046821 A JP2017046821 A JP 2017046821A JP 6959746 B2 JP6959746 B2 JP 6959746B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacer
low temperature
cylinder
cryotrap
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017046821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018150858A (ja
Inventor
吉信 村山
淳一 安田
直人 鈴木
新治 降矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Cryogenics Inc
Original Assignee
Ulvac Cryogenics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Cryogenics Inc filed Critical Ulvac Cryogenics Inc
Priority to JP2017046821A priority Critical patent/JP6959746B2/ja
Publication of JP2018150858A publication Critical patent/JP2018150858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6959746B2 publication Critical patent/JP6959746B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

本発明はクライオトラップに関し、特に、凍結乾燥などに於いて対象物からの水分を一定の排気速度で低温面に凝縮するためのコールドトラップに使用する冷凍機に用いて好適な技術に関する。
医薬品、食品、化粧品又は化学品等の原料液を凍結して真空乾燥するための、コールドトラップを備えた真空乾燥装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
従来の真空乾燥装置によれば、被乾燥物を収容する乾燥室に排気経路を介して真空ポンプが接続され、この排気経路の途中に、コールドトラップが設けられる。乾燥室内の被乾燥物から昇華した水蒸気を、コールドトラップにて凝結させて捕集することにより、被乾燥物を乾燥させることができる。
また、医薬品向けの凍結乾燥装置における最近の流れとして、『抗体医薬』や『バイオ医薬』のニーズが高まっている。
これらの薬剤は、従来の化学物質よりも水分活性が高いため、より含水率を低く製造しなければならないという背景があり、非特許文献1においては、液体窒素を用いた熱交換器を追加して低温を作り出し、凍結乾燥槽内圧力を低くしてこれらの薬剤製造に対応している。
これらの薬剤の場合、治験薬の作り方を「全くそのままの製法で実現」することが求められる。
しかし、非特許文献1に示す技術であると、液体窒素を用いることにより、極めて装置が大がかりとなり、小型化、省スペース化したいという要求があった。さらに、液体窒素を用いることにより、メンテナンスの手間やランニングコストが増大するため、このようなコストがかからずに作業性のよい装置・方法が要求されている。
このため、従来から半導体やFPDの製造装置で用いられていたクライオトラップを用いることを検討した。(特許文献2)
特許第5574318号公報 特開平7−189907号公報
大陽日酸技報 No. 33(2014) p1-p2 森公哉 米倉正浩 「バイオ医薬品向け液化窒素式真空凍結乾燥機」インターネット(URL; https://www.tn-sanso-giho.com/pdf/33/tnscgiho33_06.pdf )
しかし、医薬品製造においては、厳密な基準(サニタリ規格)があり、装置内部の滅菌洗浄が必要なため、従来のクライオトラップにおいて想定されていた半導体やFPDの製造で想定された温度範囲、圧力範囲に対して、異なる使用条件、特に、滅菌洗浄時の高温に適応できなかった。
さらに、医薬製剤等に直接暴露する部分には、このサニタリ規格により、銅などの金属を用いることができないため、従来の冷却能力を維持することとの両立を図る必要があった。
また、クライオトラップは、もともと、半導体やFPDの製造で使用されてきたものであり、これに比べて医薬品製造においては、大きな冷却能力を要求される可能性があり、ディスプレーサの重量増大などの影響のため、これをそのまま適応することはできなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.クライオトラップを凍結乾燥(真空乾燥)装置に適応可能とすること。
2.医薬品の製造に適応可能な凍結乾燥を可能とすること。
コールドトラップに機械式冷凍機を使用する場合には、コールドトラップの伝熱板とシリンダの熱接触部は低温での熱伝導率が良い材料、例えば無酸素銅を使用し、伝熱板と熱接触部の間にはインジウム箔のような柔らかい材料を使用して、接触面積を増加させて熱伝達性を向上させていた。しかし、凍結乾燥する対象が医薬品の場合は、乾燥炉内に使用できる材質が限定されており、使用可能な材質SUS316Lを使用すると大幅に低温での熱伝達率が損なわれる。
また、凍結乾燥する対象が医薬品の場合は、凍結乾燥の前後の処理として、121℃以上の蒸気滅菌を実施する必要がある。しかし、従来の冷凍機内部の部品であるディスプレーサや接着剤などの耐熱温度が70℃とされているため、蒸気滅菌雰囲気に冷凍機を設置することは困難であった。そのため、蒸気滅菌時にも耐えられるディスプレーサ材料の選定や接着剤不使用の固定方法が必要となる。121℃以上の温度に耐えられる樹脂を選定した場合、従来のシリンダとディスプレーサのクリアランスでは、熱膨張により内部で干渉するとともに、一方で、低温になるとクリアランスが増大し、冷凍性能に影響を与える。熱膨張を考慮して、ディスプレーサの材料にシリンダと同材質のステンレスを使用した場合、ディスプレーサの重量が増大して、機械的な信頼性が損なわれる。ディスプレーサが樹脂の場合は、蒸気滅菌雰囲気にさらされた結果、放出ガスが発生して冷媒である高純度ヘリウムガスを汚染する。
本発明のクライオトラップは、往復動するディスプレーサが収納されたシリンダを有する冷凍機と、ヘリウム循環用のコンプレッサとを有し、蒸気滅菌処理をおこなう被脱気空間であるチャンバに接続されるケース内を冷却するクライオトラップであって、
前記ディスプレーサが前記蒸気滅菌処理における温度条件以上の耐熱温度を有し、
前記ディスプレーサが、SUS316Lからなり、前記シリンダ内表面と摺動しない外側面に、前記シリンダ内表面と摺動する部分よりも厚さ寸法が薄くなる減肉部が設けられ、
前記減肉部に、樹脂からなる被覆部が設けられることにより上記課題を解決した。
本発明のクライオトラップは、前記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングよりも幅狭とされることができる
本発明において、前記シリンダの前記被脱気空間側に露出する外表面が、SUS316Lからなることがより好ましい。
本発明のクライオトラップは、前記シリンダ低温側の内表面が銅からなることが可能である。
また、本発明の前記ディスプレーサには、前記シリンダ低温側となる低温端側およびその反対端側の外側表面に、前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングが周設される手段を採用することもできる。
また、前記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、銅からなる前記シリンダ低温側の内表面と摺動する位置に周設されることができる。
また、前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングが、SUS316Lからなる前記シリンダ低温側と反対側となる内表面と摺動する位置に周設されることができる。
また、前記ディスプレーサの外側表面に周設され前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングには、前記ディスプレーサの周方向に離間する熱膨張吸収溝(ステップカット)が設けられることができる。
また、前記熱膨張吸収溝の前記周方向位置が、前記ディスプレーサの往復動方向位置によってずれた配置とされることができる。
また、前記熱膨張吸収溝には、前記ウェアリングが熱膨張した際に、周方向に摺動して前記ディスプレーサの往復動方向への密閉状態を維持する摺動部が設けられることができる。
また、前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部が前記ディスプレーサの外周側部に嵌合されるとともに、前記ディスプレーサの外周側部から前記蓋部に貫通するスプリングピンにより係止されることができる。
また、前記ディスプレーサの内部が蓄冷器とされ、前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部よりも前記蓄冷器側となる位置に、前記ディスプレーサの外周側部に開口するヘリウムガス噴出口が複数設けられることができる。
また、前記ディスプレーサが、ベークライト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドから選択される材料からなることができる
た、前記シリンダがSUS316Lからなる有底筒状とされ、該シリンダの低温側内側面と低温側内底部とが銅からなることができる。
また、銅からなる前記シリンダ低温側の外表面位置にあるSUS316Lの厚さが0.1〜2mmとされることができる。
また、前記冷凍機から前記コンプレッサへの循環路には、ヘリウムの汚染除去する吸着器が設けられることが好ましい。
また、本発明の真空乾燥装置は、上記のいずれか記載のクライオトラップと、
被脱気空間であるチャンバと、を有することができる。

本発明のクライオトラップは、往復動するディスプレーサが収納されたシリンダを有する冷凍機と、ヘリウム循環用のコンプレッサとを有し、蒸気滅菌処理をおこなう被脱気空間であるチャンバに接続されるケース内を冷却するクライオトラップであって、
前記ディスプレーサが前記蒸気滅菌処理における温度条件以上の耐熱温度を有することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記シリンダの前記被脱気空間側に露出する外表面が、SUS316Lからなることがより好ましい。
本発明のクライオトラップは、前記シリンダ低温側の内表面が銅からなることが可能である。
また、本発明の前記ディスプレーサには、前記シリンダ低温側となる低温端側およびその反対端側の外側表面に、前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングが周設される手段を採用することもできる。
また、前記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、銅からなる前記シリンダ低温側の内表面と摺動する位置に周設されることができる。
また、前記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングよりも幅狭とされることができる。
また、前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングが、SUS316Lからなる前記シリンダ低温側と反対側となる内表面と摺動する位置に周設されることができる。
また、前記ディスプレーサの外側表面に周設され前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングには、前記ディスプレーサの周方向に離間する熱膨張吸収溝(ステップカット)が設けられることができる。
また、前記熱膨張吸収溝の前記周方向位置が、前記ディスプレーサの往復動方向位置によってずれた配置とされることができる。
また、前記熱膨張吸収溝には、前記ウェアリングが熱膨張した際に、周方向に摺動して前記ディスプレーサの往復動方向への密閉状態を維持する摺動部が設けられることができる。
また、前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部が前記ディスプレーサの外周側部に嵌合されるとともに、前記ディスプレーサの外周側部から前記蓋部に貫通するスプリングピンにより係止されることができる。
また、前記ディスプレーサの内部が蓄冷器とされ、前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部よりも前記蓄冷器側となる位置に、前記ディスプレーサの外周側部に開口するヘリウムガス噴出口が複数設けられることができる。
また、前記ディスプレーサが、ベークライト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドから選択される材料からなることができる。
また、前記ディスプレーサが、SUS316Lからなり、前記シリンダ内表面と摺動しない外側面に、前記シリンダ内表面と摺動する部分よりも厚さ寸法が薄くなる減肉部が設けられることができる。
また、SUS316Lからなる前記ディスプレーサには、前記減肉部に、樹脂からなる被覆部が設けられることができる。
また、前記シリンダがSUS316Lからなる有底筒状とされ、該シリンダの低温側内側面と低温側内底部とが銅からなることができる。
また、銅からなる前記シリンダ低温側の外表面位置にあるSUS316Lの厚さが0.1〜2mmとされることができる。
また、前記冷凍機から前記コンプレッサへの循環路には、ヘリウムの汚染除去する吸着器が設けられることが好ましい。
また、本発明の真空乾燥装置は、上記のいずれか記載のクライオトラップと、
被脱気空間であるチャンバと、を有することができる。
本発明によれば、蒸気滅菌処理をおこなうことが必要な医薬品製造に用いられる真空乾燥装置(凍結乾燥装置)に適応可能なクライオトラップを提供可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るクライオトラップの設けられた真空乾燥装置の第1実施形態を示す模式図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態を示す模式図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機を示す側断面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機のシリンダを示す側断面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機のシリンダを示す断面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す側面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す底面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す側段面図である。 本発明に係るクライオトラップの第1実施形態を用いた真空乾燥工程を示すフローチャートである。 本発明に係るクライオトラップの第2実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す側面図である。 本発明に係るクライオトラップの第2実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す底面図である。 本発明に係るクライオトラップの第2実施形態における冷凍機のディスプレーサを示す側段面図である。 本発明に係るクライオトラップの実施形態におけるステップカットの他の例を示す模式図である。
以下、本発明に係るクライオトラップの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるクライオトラップの設けられた真空乾燥装置を示す模式図であり、図において、符号10は、真空乾燥装置である。
本実施形態に係る真空乾燥装置10は、例えば医薬品、医薬製剤、およびその原材料などを製造するために、その原料液を凍結して真空乾燥するためのものである。被乾燥物F1は医薬製剤またはその材料とされて、上記原料液を容器に収容した液体状態であってもよいし、前工程で真空凍結させた固体状態(例えば塊状、粉末状)であってもよい。本実施形態は、前者の例で説明する。
本実施形態に係る真空乾燥装置10は、図1に示すように、被乾燥物を収容する乾燥室11と、乾燥室11に接続され、被乾燥物F1から昇華した水分を凝結させて捕集することが可能な第1の温度に冷却されることが可能な第1の捕集手段17を有する第1の脱水部12と、第1の脱水部12と独立に乾燥室11に接続され、第1の温度より低い第2の温度に冷却されることが可能な捕集手段38を有する第2の脱水部30と、切り替え手段として乾燥室11と第1の脱水部12とを選択的に連通・脱離可能とする第1仕切部21と、同じく切り替え手段として乾燥室11と第2の脱水部30とを選択的に連通・脱離可能とする第2仕切部23と、制御部14と、を有するものとされる。
乾燥室11は、被乾燥物たる原料F1を真空乾燥させるための空間である。乾燥室11内の真空度は、例えば5〜300Paの範囲で調整可能とされている。乾燥室11は、それぞれ試料F1が載置されたトレー(図示略)を支持する複数の棚11aを多段に有する。
乾燥室11における複数の棚11aには、それぞれヒータ(調温手段)11bが設けられている。ヒータ11bは、コントロールユニット(制御部)14に制御され、棚11aに載置された試料F1を加熱可能および冷却可能とされる。ヒータ11bとしては、例えば、棚11aの内部に温媒を循環させる機構や、シーズヒータなどの抵抗加熱式のヒータ等で構成することができる。加熱時におけるヒータ11bの設定温度は特に限定されず、例えば20℃とすることができる。
少なくともいずれか1つの棚11bには、温度センサ11cが設けられている。温度センサ11cは、ヒータ11bにより加熱される棚3上に載置された試料F1の温度を検知し、これを検知信号としてコントロールユニット14に出力する。温度センサ11cは、棚11aの上側から温度を測定する物とすることができ、各棚11aに対してそれぞれ設けることが好ましい。
乾燥室11には、それぞれ独立して第1の脱水部12と第2の脱水部30とが接続され、乾燥室11はこの第1の脱水部12および第2の脱水部30を介して真空ポンプ(第1排気手段)15およびポンプ(第2排気手段)16に連通される。真空ポンプ15は、乾燥室11内を所定の真空度に排気するためのポンプである。真空ポンプ15としては、ロータリーポンプやドライポンプ等の各種の真空ポンプを採用することができる。
乾燥室11には、後述するように、乾燥室11、第1の脱水部12、および、第2の脱水部30内を、洗浄、滅菌するための、洗浄・滅菌手段19が設けられ、コントロールユニット14により制御されて、滅菌工程用に121℃程度のスチーム、あるいは、洗浄工程用に所定の基準を満たした純水を乾燥室11、第1の脱水部12、および、第2の脱水部30内部に供給可能とされている。
乾燥室11には、乾燥室11内部の圧力を測定するための圧力計26,27が設けられる。圧力計26は、測定ガスの種類による測定指示値の影響を受けない全圧測定可能な第1の真空計とされ、例えば、バラトロン真空計、隔膜圧力計であるキャパシタンスマノメータとされる。圧力計27は、熱伝導を利用する全圧測定可能な真空計で、かつ、測定ガスの種類によって測定指示値に差が生ずる第2の真空計とされ、例えば、ピラニ真空計とされる。
第1の脱水部12による第1乾燥工程または加熱乾燥工程中に、前記第1の真空計26による乾燥室11における測定指示値と、第2の真空計27による乾燥室11における測定指示値とを比較し、測定指示値の差が極小に収束する時点を第1乾燥工程または加熱乾燥工程の終点時と判断する。これが後述する判別工程となる。
つまり、これら圧力計26,27の測定値が離間した状態から一致した状態に変化した際に、乾燥室11内部の水分が、第1の脱水部12の能力限界まで除去されたと判断し、第2の脱水部30による第2可能工程へと切り替え可能とされている。圧力計26,27の計測値は、コントロールユニット14に出力される。
第1の脱水部12は、乾燥室11と真空ポンプ(第1排気手段)15とを連通させる一方の排気経路となるとともに、第1の脱水部12には、第1のコールドトラップ17が設けられている。第1のコールドトラップ17は、水蒸気を凝結させて捕集することが可能な捕集面(第1の捕集面)を構成する。第1のコールドトラップ17は、後に説明する第2のコールドトラップ38よりも例えば大型とされ、より大量の水蒸気を捕集することが可能な主乾燥用のコールドトラップとして用いられる。
第1の脱水部12における第1のコールドトラップ17は、冷却媒体が流通するチューブがコイル状に巻回されて構成されている。これ以外にも、第1のコールドトラップは、平板(プレート)状に構成されていてもよい。第1のコールドトラップ17は、チューブの両端に冷媒の導入部17a及び導出部17bを有する。これら冷媒の導入部17a及び導出部17bは、第1のコールドトラップ17内に冷媒を供給し流通させる第1の冷却ユニット17cに接続されている。
第1の冷却ユニット17cは、コントロールユニット14により制御され、第1のコールドトラップ17内に冷媒を流通させる。第1の冷却ユニット17cは、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された高温高圧冷媒を液化する凝縮器と、液体冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、液体冷媒を気化する蒸発器とを有し、第1のコールドトラップ17は上記蒸発器に相当する。冷媒は、導入部17aより第1のコールドトラップ17内に導入され、第1のコールドトラップ17を流通し、導出部17bより導出されることにより循環する。なお、冷媒としては例えばフロンガスR404Aや、シリコンオイル等を用いることができる。
第1の冷却ユニット17cは、第1のコールドトラップ17の表面(第1の捕集面)を第1の温度に冷却する。第1の温度とは、第1のコールドトラップ17が乾燥室11内の試料F1から昇華した水蒸気の殆どを凝結させて捕集できることが可能な温度であり、その値は、乾燥対象物である試料F1の種類、乾燥室の到達圧力等に応じて設定され、本実施形態では、−40℃程度、−20℃〜−60℃程度の範囲である。
第1の脱水部12において、乾燥室11と第1のコールドトラップ17との間には、切替弁となる第1仕切部21が設けられ、第1のコールドトラップ17と真空ポンプ(第1排気手段)15との間には、切り替え手段としての第1の切替弁22が設けられている。第1仕切部21および第1の切替弁22は、コントロールユニット14により開閉制御される。
第1仕切部21は、乾燥室11壁面に開口した部分を閉塞可能な仕切体21aと、この仕切体21aを壁面に接触する閉塞状態と壁面から離脱する開放状態とで移動させる図示しない駆動部と、この駆動部を駆動する図示しない駆動源とを有する。駆動源がコントロールユニット14により駆動制御されることで、第1仕切部21の開閉制御がおこなわれる。仕切体21aおよび駆動部は、後述するように、第1の脱水部12および乾燥室11を洗浄・滅菌する際に、洗浄可能な構成とされている。
第1仕切部21を開放することにより、乾燥室11と第1の脱水部12とを互いに連通することができる。第1仕切部21および第1の切替弁22をともに開放することにより、乾燥室11と真空ポンプ15とを互いに連通することができる。第1仕切部21を閉塞し第1の切替弁22を開放することにより、第1の脱水部12内を排気することができる。第1仕切部21および第1の切替弁22をともに閉塞することにより、第1の脱水部12を介しての乾燥室11内の排気を制限することができる。
真空ポンプ15と第1の切替弁22とは、第1排気手段を構成している。
本実施形態において、乾燥室11に連通する他方の排気経路である第2の脱水部30には、第2のコールドトラップ38が設けられている。第2のコールドトラップ38は、水蒸気を凝結させて捕集することが可能な捕集面(第2の捕集面)を構成する。第2のコールドトラップ38は、第1のコールドトラップ17における第1の捕集面よりも低い第2の温度に冷却されることが可能に構成されている。
図2は、本実施形態におけるクライオトラップを示す断面図である。
本実施形態におけるクライオトラップは、仕上げ乾燥用の第2の脱水部30として、真空乾燥装置10に取り付けられ、被脱気空間である乾燥室(チャンバ)11に接続されたケース31内に設けられている。
本実施形態において、第1のコールドトラップ17の冷凍機17cに要求される能力は、−50〜−60℃近辺の温度で、大きな熱容量を持つことであるのに対し、第2のコールドトラップ30は二次乾燥であり、この場合には一次乾燥で水分を吸着した後の処理であるため、より低温(例えば−80℃〜−100℃)であるが熱容量は小さくてよい。このため、第2のコールドトラップ38は、第1のコールドトラップ17よりも小型とされ、捕集可能な水蒸気量は第1のコールドトラップ17よりも少量であり、仕上げ乾燥用のコールドトラップとして用いられる。例えば、被乾燥物における500kg程度の水分のうち、最後の1%を第2のコールドトラップ38によって乾燥するものとして設けられる。
第2のコールドトラップ38は、コントロールユニット14により制御され、後述する機械式冷凍機(冷凍機)40により冷却された低温パネル38aをトラップパネルとしてケース31内に設置したものとされる。低温パネル38aの板面がチャンバ11内の脱気源(被乾燥物)F1へ向けて設置されている。
低温パネル38aは、機械式冷凍機40がヘリウムガスをサイモン膨張させることにより例えば80Kの超低温にまで冷却することができるものであり、これに気体分子を凝縮することで排気ポンプ16等では到達できない高真空にまで乾燥室11内の真空度を高めることができるものである。
排気ポンプ16は、第2の脱水部30のうち被脱気空間30内を真空に排気するものとされ、ターボ分子ポンプとされることができる。
第2のコールドトラップ38は、低温パネル38aの表面(第2の捕集面)を、第1のコールドトラップ17の表面よりも低い、例えば、およそ−70℃〜−100℃、−85℃程度に冷却する。低温パネル38aの表面温度をあまり低く設定しすぎると、必要な機械式冷凍機40の能力が大きすぎるため好ましくなくまた、低温パネル38aの表面温度をあまり高く設定しすぎると、被乾燥物F1の含水率を必要なレベルまで低減できないため好ましくない。
なお、第2のコールドトラップ38は、もともと上記のように、半導体やFPDの製造に適用可能である高性能なクライオトラップを用いるものであるが、通常使用される条件よりも極めて異なった条件で使用されるものである。
第2の脱水部30において、図1に示すように、乾燥室11と第2のコールドトラップ38との間には、切替弁となる第2仕切部23が設けられ、第2のコールドトラップ38と排気ポンプ(第2排気手段)16との間には、切り替え手段としての第2の切替弁24が設けられている。第2仕切部23および第2の切替弁24は、コントロールユニット14により開閉制御される。
第2仕切部23は、乾燥室11壁面に開口した部分を閉塞可能な仕切体23aと、この仕切体23aを壁面に接触する閉塞状態と壁面から離脱する開放状態とで移動させる図示しない駆動部と、この駆動部を駆動する図示しない駆動源とを有する。この駆動源がコントロールユニット14により駆動制御されることで、第2仕切部23の開閉制御がおこなわれる。仕切体23aおよび駆動部は、後述するように、第2の脱水部30の被脱気空間および乾燥室11を洗浄・滅菌する際に、洗浄可能な構成とされている。
第2仕切部23を開放することにより、乾燥室11と第2の脱水部30の被脱気空間とを互いに連通することができる。第2仕切部23および第2の切替弁24をともに開放することにより、乾燥室11と排気ポンプ(第2排気手段)16とを互いに連通することができる。第2仕切部23を閉塞し第2の切替弁24を開放することにより、第2の脱水部30の被脱気空間内を排気することができる。第2仕切部23および第2の切替弁24をともに閉塞することにより、第2の脱水部30の被脱気空間および乾燥室11内を独立に閉塞することができる。
排気ポンプ16と第2の切替弁24とは、第2排気手段を構成している。
本実施形態に係る真空乾燥装置10は、乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30とを洗浄した後に、乾燥室11と第1の脱水部12とを連通するとともに第2の脱水部30を閉塞して第1の凍結乾燥工程をおこない、その後、乾燥室11と第2の脱水部30とを連通するとともに第1の脱水部12を閉塞して第2の凍結乾燥工程をおこなうものとされる。
このため、本実施形態に係る真空乾燥装置10においては、乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30の被脱気空間とが、それぞれ洗浄可能かつ密閉可能とされている。
具体的には、第1の脱水部12と第2の脱水部30とにおいて、滅菌時の熱対策、医薬製剤製造用としての表面が、SUS316L、Au、Ptから選択される金属で覆われた構成とされることができる。なお、洗浄されない面、つまり、脱水部12,30の内側表面と接しない部分は電熱が良好であるCu等を使用してもよい。
同様に、第1の切替弁22および、第1の切替弁22よりも真空ポンプ15側と、第2の切替弁24および、第2の切替弁24よりも排気ポンプ16側とは、いずれも、乾燥室11側へ逆流しない構成とされている。
次に、本実施形態おけるクライオトラップ38について説明する。
クライオトラップ38は、図2に示すように、機械式冷凍機(冷凍機)40と、冷媒となるヘリウム循環用のコンプレッサ50とを有する。冷凍機40と、コンプレッサ50とは、循環路50a〜50cで接続され、冷凍機40からコンプレッサ50から還流する循環路50bには、連続的に高温雰囲気にさらされた場合に冷媒としている高純度ヘリウムガスが、放出ガスにより汚染されないように活性化されたモレキュラーシーブ又は活性炭を充填した吸着器51が配置されている。
吸着器51をヘリウムガスが循環する冷凍機40とコンプレッサ50との間に配置したことにより、連続的に121℃の雰囲気に冷凍機がさらされた場合、各材料から放出ガスが発生し、冷媒である高純度ヘリウムガスが汚染された場合でも、冷凍機1サイクル毎にヘリウムガスが吸着器51を通過し、放出ガスは都度トラップされて、高純度ヘリウムガスの汚染を防止することができる。
これにより、汚染されたヘリウムガスを使用して冷却した場合に発生する、蓄冷器61内部で凝縮して膨張室に流れるヘリウム流量が減少して性能低下の原因となることを防止できる。さらに汚染物質の凝縮量が多い場合は、圧力損失が大きくなり、冷凍機40の定速での運転が困難となり、間歇的な異常音が発生し機械的な不具合に繋がることを防止できる。
図3は、本実施形態における冷凍機(冷凍機)40を示す断面図である。
冷凍機40は、図3に示すように、シリンダ41とディスプレーサ60とを有する。
シリンダ41内には、駆動源40aにより軸方向に往復動するディスプレーサ60が収容されており、ディスプレーサ60の軸方向先端位置のシリンダ41内には、低温膨脹室42が形成されている。
ディスプレーサ60の内部には、金属網や金属粒から成る蓄冷器61が設けられ、外部のヘリウム循環用のコンプレッサ50で圧縮された室温のヘリウムが吸入バルブ44および排出バルブ45を介して循環可能となっている。
図4は、本実施形態におけるシリンダ41を示す側断面図、図5は、本実施形態におけるシリンダ41を示す開口側から見た断面図である。
本実施形態におけるシリンダ41は、図4,図5に示すように、有底筒状とされ、例えば円形断面を有する。シリンダ41の閉塞された底部側が、冷凍機40の低温側となる低温膨脹室42である。
シリンダ41は、SUS316Lによって外表面の全域が覆われており、低温膨脹室42となる膨脹室内側面42aおよび内底面42bが銅、より好ましくは無酸素銅からなる。また、低温膨脹室42以外の内側面43cがSUS316Lからなる。銅からなる膨脹室内側面42aおよび内底面42bは、一体とされたコップ状の銅からなり、膨脹室内側面42aおよび内底面42bの外表面は、SUS316Lからなる側外層43aおよび底外層43bによってその全面が被覆されている。シリンダ41は、SUS316Lによって外表面の全域が覆われていることにより、薬剤・食品の凍結乾燥、および食品や生物学的材料を凍結保存するサニタリ規格を満たすことができる。
膨脹室内側面42aの開口端と内側面43cの端部は、略面一とされ、内側面43c側端部位置には、膨脹室内側面42aに向けて厚さの増大する拡大部43が設けられている。側外層43aおよび底外層43bの厚さは、いずれも0.1〜2mmとされて、熱伝導率の低下を防止している。また、内側面43cの厚さは、室温からの熱侵入を小さくしつつ、高圧ガスを封入可能な強度を維持するための寸法として、1.6mm〜2.2mmとして設定される。
シリンダ41の開口端位置には、SUS316Lからなるフランジ41aが設けられる。
シリンダ41は、底外層43bがなく両端の開口した状態で内径の異なる部分を有するように形成されたSUS316Lからなる円筒に対して、有底円筒状の一体とされた銅からなる膨脹室内側面42aおよび内底面42bを挿入して真空ろう付けし、さらに、底外層43bを被覆して真空ろう付けし、その全周を溶接して密閉することで製造される。
図6は、本実施形態におけるディスプレーサを示す側面図、図7は、本実施形態におけるディスプレーサを示す開口側から見た底面図、図8は、本実施形態におけるディスプレーサを示す側断面図である。
本実施形態におけるディスプレーサ60は、例えば121℃以上のスチームに20分以上曝す蒸気滅菌処理における温度条件以上の耐熱性を有するベークライト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドから選択される樹脂材料からなるものとされる。これらの物性比較を表1に示す。
Figure 0006959746
表1に示すように、ディスプレーサ60としては、高温雰囲気の連続使用にも耐えられ、低温においても熱膨張率が小さいポリエーテルケトンまたはポリフェニレンサルファイドが好ましいことがわかる。
ディスプレーサ60は、図6〜図8に示すように、両端の閉塞された略円筒状の外周側部62を有し、その内部に金属網や金属粒からなる蓄冷器61が設けられる。
ディスプレーサ60は、低温膨脹室42側である低温端側が蓋部63によって閉塞され、低温端側と反対側が外周側部62と一体の室温端部64として閉塞される。
ディスプレーサ60の低温端側となる外周側部62の外周面には、ウェアリング65が周設され、ディスプレーサ60の低温端側と反対側となる外周側部62の外周面には、ウェアリング66が周設される。
ディスプレーサ60は、ウェアリング65およびウェアリング66の外周のみでシリンダ41内面と摺動するように、ウェアリング65およびウェアリング66以外の部分は、ウェアリング65およびウェアリング66の外径寸法に対して、外径寸法が小さくなるように設定されている。
ウェアリング65およびウェアリング66は、例えば121℃程度以上のスチームに20分以上曝す蒸気滅菌処理における温度条件において耐熱性を有し、放出ガスが極めて少ないものとされるとともに、金属との摺動に対し耐摩耗性と耐熱性を有するフッ化樹脂や熱可塑性樹脂等から選択される材料からなるものとされる。
ウェアリング65は、シリンダ41の膨脹室内側面42aと摺動するとともにシリンダ41およびディスプレーサ60の間をシール可能な外径とされる。ウェアリング65は、ディスプレーサ60の往復動に対応して、銅からなる膨脹室内側面42aと摺動するとともに、内側面43cには接触しない位置として配置される。
ウェアリング66は、シリンダ41の内側面43cと摺動するとともにシリンダ41およびディスプレーサ60の間をシール可能な外径とされる。ウェアリング66は、ディスプレーサ60の往復動に対応して、SUS316Lからなる内側面43cと摺動するとともに、膨脹室内側面42aには接触しない位置として配置される。
このように、ウェアリング65およびウェアリング66の配置を、ディスプレーサ60の往復動方向において設定することで、異なる材質からなる内表面を有するシリンダ41とディスプレーサ60とのシール性を維持することができる。
ウェアリング65の幅寸法t65は、ウェアリング66の幅寸法t66よりも小さくなるように設定されている。言い換えると、ディスプレーサ60の往復動方向において、ウェアリング65はウェアリング66よりも幅狭とされる。これにより、シール性能を変化させずに、低温側となる膨脹室内側面42aと摺動するウェアリング65から発生する摩擦熱を低減することができる。
ウェアリング65およびウェアリング66は、図8に示すように、それぞれディスプレーサ60の外周側部62に周設された溝部62a,62bに勘合されている。
ウェアリング65およびウェアリング66には、図6に示すように、それぞれ熱膨張による体積増加を吸収する溝となるステップカット67が設けられる。
ステップカット67は、ウェアリング65,66が熱膨張した際に、その体積増加分をディスプレーサの周方向において吸収し、ディスプレーサ60がシリンダ41内部で干渉することを防止して、シリンダ41とディスプレーサ60との摺動状態及びシール性能を変化させないように形成されている。
ステップカット67としては、ウェアリング65,66を周方向に分離して互いに離間する溝を形成するとともに、その溝がディスプレーサ60の軸方向位置において、ディスプレーサ60周方向に異なる配置となっているものである。
具体的には、ステップカット67として、ウェアリング65,66の端部が周方向に離間するように、ディスプレーサ60の軸方向に延在するように形成された溝67aおよび溝67bが、それらの近接端部どうしを接続する摺動部となる切れ目67cで連続された切断部分として形成される。このように、溝67aおよび溝67bの周方向位置が、ディスプレーサ60の往復動方向位置によってずれた配置とされている。
溝67aおよび溝67bのディスプレーサ60周方向寸法t67aは、ディスプレーサ60の径寸法およびウェアリング65,66の材質によるが、3〜4mmとすることができる。
ステップカット67における切れ目67cは、ディスプレーサ60周方向において、ウェアリング65,66の端部が接する長さt67cは、熱収縮と熱膨張を考慮し、熱収縮時は溝67aと溝67bとが繋がらない、一方で熱膨張時は溝67aと溝67bとの隙間がなくなり干渉しない寸法、例えば、3〜4mmとすることができる。
蓋部63は、ディスプレーサ60内部の蓄冷器61における低温端側の端部を閉塞するものとされ、蓋部63がディスプレーサ60の外周側部62内側に螺合される。
蓋部63は、ディスプレーサの外周側部62を貫通するスプリングピン68により係止される。
スプリングピン68は、挿入する穴径と等しいか、それ以上の大きさを有する中空円筒状で半割り形状の部品とされ、圧入して挿入すると、穴の内部において金属の弾性限度内における反発力で広がり、破壊しない限り抜けないものである。スプリングピン68は、外周側部62の外周面よりも中心軸側に入り込むように配置されて、ディスプレーサ60が往復動した際に、摺動するシリンダ41内表面と当接しないように設けられている。同時に、スプリングピン68は、外周側部62に対する蓋部63の回転防止もおこなっている。
ディスプレーサ60の外周側部62には、蓋部63よりも蓄冷器61側となる位置に、外周外向きに開口するヘリウムガス噴出口69が複数設けられる。
ヘリウムガス噴出口69は、ディスプレーサ60の外周に周方向均等半角で配置され、本実施形態では、12箇所設けられている。ヘリウムガス噴出口69よりも低温端部側の外周側部62は、低温膨脹室42の内径よりも小さな外径とされており、ディスプレーサ60と低温膨脹室42の内周面とは接触しておらず、この隙間を介して蓄冷器61と低温膨脹室42との間をヘリウムガスが流通する。
室温端部64には、吸入バルブ44および排出バルブ45に接続されるヘリウムガス流入口64aが蓄冷器61まで貫通して設けられている。
本実施形態の冷凍機40においては、ディスプレーサ60の内部には蓄冷器61が設けられ、外部のヘリウム循環用のコンプレッサ50で圧縮された室温のヘリウムは、冷凍機40のシリンダ41内に充満する。このヘリウムの送り込みは吸入バルブ44の開閉により制御される。
そして、ディスプレーサ60が低温膨脹室42の容積を拡げるように、(図で右向きに)移動すると、この低温膨脹室42に蓄冷器61で冷却されながらヘリウムが流入する。次いで吸入バルブ44を閉じ、排出バルブ45を開くと、ヘリウムはサイモン膨脹で膨脹室42を冷却し、同時に蓄冷器61を冷却しながらコンプレッサ50へと戻る。
これにより該冷凍機40の内部は最低圧力となり、ここでディスプレーサ60が低温膨脹室42の容積を減少するように、(図で左向きに)移動し、低温化したヘリウムは蓄冷器61を冷却しながら逆流する。以上のサイクルで低温膨脹室42は77.3K以下程度の極低温になり、熱伝導で各クライオパネル38aが相応した温度に冷却される。
また、第2の脱水部31において、後述する本実施形態における真空乾燥方法では、滅菌工程、洗浄工程、収容工程、第1乾燥工程において、第2排気手段の第2の切替弁24よりも排気ポンプ16側が閉塞された状態とされている。
以下、本実施形態におけるクライオトラップを用いた真空乾燥方法について説明する。
図9は、本実施形態におけるクライオトラップを用いた真空乾燥方法を示すフローチャートである。
本実施形態のクライオトラップを用いた真空乾燥方法は、図9に示すように、準備工程S01と、開閉工程S02と、滅菌工程03と、洗浄工程04と、予備乾燥工程S05と、開閉工程S06と、収容工程S07と、開閉工程S08と、第1乾燥工程S09と、加熱乾燥工程S10と、第2排気工程S11と、判別工程S12と、開閉工程S13と、第2乾燥工程S14と、第1排気工程S15と、密閉工程S16と、開閉工程S17と、取出工程S18とを有するものとされる。
本実施形態の真空乾燥方法は、図9に示す準備工程S01として、必要な被乾燥物F1を棚11aに搬入可能なように準備しておく。またコントロールユニット14において、必要な製造条件情報を準備する。
次いで、図9に示す開閉工程S02として、コントロールユニット14の制御により各仕切、弁を以下のように開閉する。
乾燥室11開
第1仕切部21開
第2仕切部23開
第1の切替弁22閉
第2の切替弁24閉
次いで、図9に示す滅菌工程03として、開閉工程S02で設定した状態、つまり、第1仕切部21および第2仕切部23を開放して乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30とを連通させ、コントロールユニット14の制御により洗浄・滅菌手段19からスチームを供給することにより乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との内部を滅菌する。
被乾燥物F1である医薬製剤が暴露される部分は、完全に無菌が担保されなければならず、このため、薬剤生産工程を開始するごとにその前工程として、蒸気滅菌工程S03を有する。医薬品向けの凍結乾燥装置において必要な滅菌とは121℃以上のスチームに20分以上曝すことにより菌を死滅させるものである。
この蒸気滅菌工程における圧力は、210kPa程度。220kPa〜240kPa程度とされている。実際には、蒸気滅菌工程S03として、3時間程度装置内部を高温に維持することになる。
次いで、図9に示す洗浄工程04として、開閉工程S02で設定した状態、つまり、第1仕切部21および第2仕切部23を開放して乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30とを連通させ、コントロールユニット14の制御により洗浄・滅菌手段19から洗浄用に所定の基準を満たした純水を供給することにより乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との内部を洗浄する。半導体など他の製造分野における真空装置では想定外であるが、装置内部に水をかけて洗浄する。このため、乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との内部はできるだけ水が溜まらない構造が望ましい。
次いで、図9に示す予備乾燥工程05として、開閉工程S02で設定した状態、つまり、第1仕切部21および第2仕切部23を開放して乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30とを連通させ、コントロールユニット14の制御により、第1のコールドトラップ17を駆動して、乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30とを予備乾燥し、洗浄水を除去する。この際、棚11aの調温手段により、乾燥室11内を加温することができる。
予備乾燥工程05においては、コントロールユニット14が、第1の冷却ユニット17cを駆動して第1のコールドトラップ17中に冷媒を流通させ、第1仕切部21、第2仕切部23および第1の切替弁22を開、かつ、第2の切替弁24を閉とし、真空ポンプ15を駆動して、乾燥室11を第1の排気経路となる第1の脱水部12を介して排気する。これにより、乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との圧力が低下することで、内部の水分が蒸発する。真空ポンプ15は、水蒸気を含む乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との内部の気体を、第1の排気経路を介して汲み出す。水蒸気は、第1のコールドトラップ17で捕集される。
なお、予備乾燥工程05においては、第2のコールドトラップ38は駆動させない方が好ましいが、後述する第2排気行程S11により第2の脱水部30内部の水分を後工程で排気する場合などでは、この限りではない。
次いで、図9に示す開閉工程S06として、コントロールユニット14の制御により各仕切、弁を以下のように開閉する。
乾燥室11開
第1仕切部21開
第2仕切部23閉
第1の切替弁22閉
第2の切替弁24閉
次いで、図9に示す収容工程S07として、開閉工程S06で設定した状態、つまり、第1仕切部21を開放して、乾燥室11と第1の脱水部12とを連通させるとともに、第2仕切部23を閉塞して第2の脱水部30を独立させた状態で、乾燥室11に被乾燥物F1を搬入する。
次いで、図9に示す開閉工程S08として、コントロールユニット14の制御により各仕切、弁を以下のように開閉する。
乾燥室11閉
第1仕切部21開
第2仕切部23閉
第1の切替弁22開
第2の切替弁24閉
次いで、図9に示す第1乾燥工程09として、開閉工程S08で設定した状態、つまり、第1仕切部21を開放して、乾燥室11と第1の脱水部12とを連通させるとともに、第2仕切部23を閉塞して第2の脱水部30を独立させた状態で、コントロールユニット14の制御により、第1のコールドトラップ17を駆動して、乾燥室11と第1の脱水部12の内部、特に乾燥室11を凍結乾燥する。これにより、乾燥室11と第1の脱水部12との圧力が低下することで、内部の水分が蒸発する。真空ポンプ15は、水蒸気を含む乾燥室11内の気体を、第1の排気経路を介して汲み出す。水蒸気は、第1のコールドトラップ17で捕集される。
乾燥室11より汲み出された気体のうち窒素等の非凝結気体は、第1のコールドトラップ17で凝結せず真空ポンプ15により汲み出される。棚11aに載置された試料F1は、水分から蒸発潜熱を奪われることによって凍結する。
第1乾燥工程09における第1のコールドトラップ17は、−40℃程度に温度設定される。
次いで、図9に示す加熱乾燥工程S10として、開閉工程S08で設定した状態、つまり、第1仕切部21を開放して、乾燥室11と第1の脱水部12とを連通させるとともに、第2仕切部23を閉塞して第2の脱水部30を独立させた状態で、コントロールユニット14の制御により、各棚11aに設けられた調温手段11bを駆動する。
ヒータ(調温手段)11bは、乾燥室11内の棚11aを20℃に加熱することにより棚11aに載置された試料F1を加熱することで、試料F1の乾燥を促進する。加熱された試料F1に含まれる氷は、この試料F1から潜熱を取り込み、昇華して水蒸気になる。
真空ポンプ15は、この水蒸気を含む乾燥室11内の気体を、第1の排気経路を介して汲み出す。真空ポンプ15により汲み出された気体のうち、水蒸気は第1のコールドトラップ17の表面で潜熱を放出し、凝結して氷になることで、第1のコールドトラップ17により捕集される。乾燥室11より汲み出された気体のうち窒素等の非凝結気体は、第1のコールドトラップ17で凝結せず真空ポンプ15により汲み出される。
真空ポンプ15による乾燥室11の排気動作が継続することで、乾燥室11は真空ポンプ15のもつ到達圧力に達する。また、乾燥室11内の水蒸気の凝結点が下がることで、第1のコールドトラップ17の捕集能力が劣化し、乾燥室11内の真空度の上昇が停止する。乾燥室11内の真空度の上昇が停止すると、試料F1に含まれる氷は昇華することができなくなる。その結果、昇華が行われない以上試料F1に含まれる氷は固体原料から潜熱を取り込むことがないので、ヒータ11bの加熱作用により試料F1の温度が上昇する。棚11aに設けられた温度センサ11cは、ヒータ11bにより加熱される試料F1の表面温度を検知し、これを検知信号としてコントロールユニット14に出力する。
同時に、真空ポンプ15による乾燥室11の排気動作が継続することで、乾燥室11内の真空度の上昇が停止する。このとき、測定ガスの種類による測定指示値の影響を受けない全圧測定可能な第1の真空計とされる圧力計26の測定指示値と、熱伝導を利用する全圧測定可能な真空計で、かつ、測定ガスの種類によって測定指示値に差が生ずる第2の真空計とされる圧力計27の測定指示値と、をコントロールユニット14に出力する。
コントロールユニット14は、前記第1の真空計26による乾燥室11における測定指示値と、第2の真空計27による乾燥室11における測定指示値とを比較し、測定指示値の差が極小に収束する時点を検知する。これら第1及び第2の真空計における測定指示値の差を比較し、当該測定指示値の差が極小に収束する時点を乾燥終点確認時と判断することによって、又は第2の真空計の測定指示曲線における下降曲線の変曲点の時刻を乾燥終点確認時として検知する。
同時に、コントロールユニット14は、温度センサ11cからの検知信号に基き、試料F1の表面温度がヒータ11bの加熱温度と等しくなって上限に達したことを検知する。
次いで、図9に示す判別工程S12として、コントロールユニット14は、圧力計26,27からの測定指示値比較により離検知した乾燥終点確認時、および/または、温度センサ11cからの検知信号に基いて検知した試料F1の表面温度とヒータ11bの温度とが等しくなった上限時になったと判断すると、これが加熱乾燥工程S10の終点時であると判断して、まず第1仕切部21を閉塞し、その後、第1のコールドトラップ17の駆動を停止する。なお、第1仕切部21の閉塞後であれば、第1の切替弁22の開閉状態はどちらでもかまわない。
次いで、図9に示す開閉工程S13として、コントロールユニット14の制御により各仕切、弁を以下のように開閉する。
乾燥室11閉
第1仕切部21閉
第2仕切部23開
第1の切替弁22閉
第2の切替弁24開
次いで、図9に示す第2乾燥工程S14として、開閉工程S13で設定した状態、つまり、第2仕切部23を開放して、乾燥室11と第2の脱水部30とを連通させるとともに、第1仕切部21を閉塞して第1の脱水部12を独立させた状態で、コントロールユニット14の制御により、第2のコールドトラップ38を駆動して、乾燥室11と第2の脱水部30の内部、特に乾燥室11を凍結乾燥する。
これにより、乾燥室11と第2の脱水部30との圧力が低下することで、内部の水分が蒸発する。ターボ分子ポンプ16は、水蒸気を含む乾燥室11内の気体を、第2の排気経路を介して汲み出す。水蒸気は、第2のコールドトラップであるクライオトラップ38によって捕集される。
なお、ヒータ11bおよびターボポンプ16は、加熱乾燥工程S10から引き続き駆動状態とされている。また、第2仕切部23が開放される前に、クライオトラップ38の駆動が開始されてもよい。
クライオトラップ38は第1のコールドトラップ17よりも低い温度、例えば−100℃程度に設定されている。
−100℃に冷却された第2のコールドトラップ38は、第1のコールドトラップ17で捕集できなかった水蒸気を捕集する。これに伴い乾燥室11の圧力が低下する。これにより、試料F1に残存する氷の昇華が再開される。試料F1に残存する氷は、試料F1から潜熱を取り込んで昇華し、発生した水蒸気は第2のコールドトラップ38の低温パネル38a表面で潜熱を放出して凝結して氷になって第2のコールドトラップ38により捕集される。この仕上げ乾燥により、加熱乾燥工程S10が行われた試料F1をさらに乾燥させることができ、試料F1の最終的な乾燥度を上げて、含水率を2桁低下することができる。なお、第1の脱水部12を用いた第1乾燥工程S09および加熱乾燥工程S10で除去する水分に対して、第2の脱水部30を用いた第2乾燥工程S14で除去する水分は1%程度、つまり5kg程度とされることができる。
次いで、図9に示す密閉工程S16として、開閉工程S13で設定した状態、つまり、第2仕切部23を開放して、乾燥室11と第2の脱水部30とを連通させるとともに、第1仕切部21を閉塞して第1の脱水部12を独立させた状態で、コントロールユニット14の制御により、図示しない密閉手段を用いて、被乾燥物F1にアルミシール等を施して密閉する。
次いで、図9に示す開閉工程S17として、コントロールユニット14の制御により各仕切、弁を以下のように開閉する。
乾燥室11開
第1仕切部21閉
第2仕切部23閉
第1の切替弁22閉
第2の切替弁24閉
次いで、図9に示す取出工程S18として、乾燥室11から、所望の状態まで含水率が低減されて乾燥処理の終了した被乾燥物F1を取り出して、このバッチにおける乾燥処理を終了する。
なお、図9に示すように、第1乾燥工程09および加熱乾燥工程S10の一部または全部において、第2排気行程S11として、開閉工程S08で設定した状態、つまり、第1仕切部21を開放して、乾燥室11と第1の脱水部12とを連通させるとともに、第2仕切部23を閉塞して第2の脱水部30を独立させた状態で、第2の切替弁24を開として、この独立状態となっている第2の脱水部30を排気して、第2のコールドトラップ38で捕集した水分を外部に排気しておくことができる。これにより、次バッチの凍結乾燥工程に遅滞なく取りかかることが可能となる。
同様に、図9に示す第2乾燥工程S14の一部または全部において、第1排気行程S15として、開閉工程S13で設定した状態、つまり、第2仕切部23を開放して、乾燥室11と第2の脱水部30とを連通させるとともに、第1仕切部21を閉塞して第1の脱水部12を独立させた状態で、第1の切替弁22を開として、この独立状態となっている第1の脱水部12を排気して、第1のコールドトラップ17で捕集した水分を外部に排気しておくことができる。これにより、次バッチの凍結乾燥工程に遅滞なく取りかかることが可能となる。
本実施形態においては、2つの切り替え可能なコールドトラップ17,38のうち、片方を独立したクライオトラップ38とすることによって、従来は到達できなかった2桁低い含水率まで被乾燥物を凍結乾燥することが可能となった。
また、従来提案されていた液体窒素により極低温を得る方法よりもランニングコストが安く、また温度の条件も可変とできるため様々な乾燥条件に対応することができる。
クライオトラップ38を起動する際には、第1仕切部21または第2仕切部23を閉塞状態とすることにより、第1のコールドトラップ17よりも処理温度の低いクライオトラップ38に、第1のコールドトラップ17に付着した氷が吸着する可能性を防止することができる。
なお、クライオトラップ38と乾燥室11との間に第2仕切部23以外にも、オリフィス板などの仕切りバルブを付けることもできる。
また、まず、既設の凍結乾燥装置に第1のコールドトラップ17と同様に穴をあけてバルブを追加し、クライオトラップ38を追加することもできる。この場合には、洗浄・滅菌工程に対応可能なように、上述した仕様とすること、または、これに準じた構成とすることが必要である。
被乾燥物F1が暴露される乾燥室11と第1の脱水部12と第2の脱水部30との内部は、乾燥処理において完全に無菌が担保されなければならず、このため、薬剤生産工程を開始するごとに前工程として、蒸気滅菌工程、洗浄工程をおこなうことが必須となる。医薬品向け、特に、注射用水(WFI:water for injection)製造等に適用される凍結乾燥装置において必要な滅菌処理とは、121℃以上のスチームに20分以上曝すことにより菌を死滅させるものである。
この蒸気滅菌工程における乾燥室11内部の圧力は、210kPa程度、220kpa〜240kpa程度とされている。実際には、3時間程度蒸気滅菌工程として、装置内部を高温に維持することになる。
クライオトラップ38においては、機械式冷凍機40の冷却能力が勝り、トラップパネル38aの温度が、殺菌に十分な温度まで達しないことのないように機械式冷凍機40の出力設定をおこなうことが必要である。
また、本実施形態のように医薬製剤製造向け装置であれば、機械式冷凍機40と低温パネル38aの接続部に伝熱を向上させるための箔体を金メッキ、金箔等とすることができる。
−50℃〜−70℃での第1のコールドトラップ17による水のトラップをおこなう第1乾燥工程S09および加熱乾燥工程S10が終わった後、さらに総仕上げとして−90℃〜−100℃でのクライオトラップ38による残った水分を搾り取る第2乾燥工程S14をおこなう。このため、第1のコールドトラップ17とクライオトラップ38とは切り離した部屋(空間)に設置することが好ましい。また、低温パネル38aにおける融氷にヒータ11bは用いないことが好ましい。
クライオトラップ38の冷凍機40においては、シリンダ41およびディスプレーサ60が上述した構成とされることで、耐熱性を有する。また、低温パネル(トラップパネル)38a部分の材質は、SUS316Lで伝熱部には金箔など耐食性の高い金属で構成したものとされる。
極低温で水分をトラップして被乾燥物F1の含水率を下げる第2乾燥工程S14は、通常の運転で凍結乾燥を行った第1乾燥工程S09後の仕上げ工程として、残されたわずかな水分を吸着するという運転になる。したがって、処理速度を上昇して処理時間を短縮させることが必要とされておらず、含水率の到達度を2桁程度改善することを目的としている。
本実施形態の極低温冷凍機40を用いて凍結乾燥をおこなった場合には、冷媒を使用した冷凍機よりも低温になるため、極低温冷凍機40を使用したコールドトラップ38を使用して2次乾燥をおこなうことにより、冷媒を使用した冷凍機を用いて乾燥炉内の製品内部の含水率を低減した場合、残留水分として1%程度残るが、その残留水分を限りなく少なくすることができる。この2次乾燥をおこなうことで、医薬品のさらなる長期保存が可能となる効果がある。
2次乾燥を実施する手段として、液体窒素を使用したコールドトラップも考えられるが、水分を凝縮する際に発生する凝縮熱や炉内の輻射熱により、液体窒素が気化して減少するため、減少分の補充が必要となり、液体窒素を追充填する費用と手間がかかる。これに対して、本実施形態の機械式冷凍機40を使用することで、起動・停止は電源スイッチを押すだけとなり、作業工程を低減することができる。
冷凍機40の伝熱部となるシリンダ41の低温膨脹室42部分は、熱伝達の効率を考慮して熱伝導率のよい銅系の材質を選定するとともに、SUS316Lの薄肉材0.1〜2.0mmを銅材外表面に接合することにより、低温膨脹室42部分に低温で熱伝導率の悪いステンレス材を使用しないで熱伝達の効率を大きく悪化させずに、銅系材質を表面に露出させることなく使用することで性能低下を抑え、医薬品を扱う凍結乾燥炉にも使用できるようになる。
従来の極低温機械式冷凍機では、121℃の蒸気滅菌雰囲気のような環境では高温領域での温度限界値を70℃としていたため使用できなかったのに対し、本実施形態では、ディスプレーサ60の材質を耐熱温度が高い材質として、ディスプレーサ60内部に充填する蓄冷材、例えば金網等を抑える蓋部63を、接着材を使用することなく、スプリングピン68を用いてまわり止めを備えた構造にすることで、121℃雰囲気においても機械的な損失もなく運転可能とすることができる。
上記のような121℃程度の蒸気滅菌雰囲気にさらされた場合、ディスプレーサ60に樹脂を使用していると、熱膨張率がシリンダ41のSUS316Lよりも2〜10倍大きいため、シリンダ41内部のクリアランスがなくなり、往復運動を実施することが困難となる。一方で121℃での熱膨張を考慮して、室温でのクリアランスを大きくした場合、低温に冷却した時にディスプレーサ60の熱収縮によりクリアランスが大きくなりすぎて、冷却不良となる。これに対し、本実施形態では、ディスプレーサ60に溝62a,62bを設けて円周上の1箇所にステップカット67を設けたウェアリング65,66を巻回した構成とすることで、熱膨張と熱収縮によるクリアランスの変化を吸収して、変化量の寸法を低減し、熱膨張した時にシリンダ41と干渉せず、低温に冷却した時に適切なクリアランスを確保することが可能なディスプレーサ60とすることができる。
以下、本発明に係るクライオトラップの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図10は、本実施形態におけるディスプレーサを示す側面図、図11は、本実施形態におけるディスプレーサを示す開口側から見た底面図、図12は、本実施形態におけるディスプレーサを示す側断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、ディスプレーサ60の外周側部72、蓋部73、被覆部75,76に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態におけるディスプレーサ60は、外周側部72および蓋部73がSUS316Lからなるものとされる。ディスプレーサ60は、シリンダ41内で往復動をおこなうため、軽量化を図ることが好ましい。このため、本実施形態における外周側部72には、図10〜図12に示すように、ウェアリング65,66の設けられていない部分に、減肉部72c,72dが設けられる。
具体的には、ヘリウムガス噴出口69よりも低温端部側の減肉部72cと、ウェアリング65およびウェアリング66の間の減肉部72dである。
これらの減肉部72c,72dは、図10〜図12に示すように、外周側部72の厚さ寸法を薄くするとともに、その外側にそれぞれ樹脂からなる被覆部75および被覆部76が周設されている。減肉部72c,72dは、溝部62a,62bと同様に外周側部72外周を縮径して形成されているが、軽量化のため溝部62a,62bよりも外径寸法の減少度合いは大きく設定されている。
被覆部75,76の外周寸法は、外周側部72の外径寸法と同様にウェアリング65,66よりも小さく設定され、ディスプレーサ60の往復動作時にシリンダ41内表面と接触しないようになっている。
被覆部75,76の厚さ寸法は、ウェアリング65,66の厚さ寸法に対して、減肉部72c,72dの外径寸法減少を補って外周側部72の外径寸法と同様の形状となるように設定されている。
被覆部75,76は、ウェアリング65,66と同等の材質とすることもできるが、異なる材質として、摺動に対する耐性を考慮しなくていいため、さらに軽量化を図ることもできる。
被覆部75,76には、ステップカット67と同様に、図10に示すように、ステップカット77を設けて、被覆部75,76が熱膨張した際に、その体積増加分をディスプレーサの周方向において吸収するようになっている。
ステップカット77としては、被覆部75,76を周方向に分離して互いに離間する溝を形成するとともに、その溝がディスプレーサ60の軸方向位置において、ディスプレーサ60周方向に異なる配置となっているものである。
具体的には、ステップカット77として、被覆部75,76の端部が周方向に離間するように、ディスプレーサ60の軸方向に延在するように形成された溝77aおよび溝77bが、それらの近接端部どうしを接続する摺動部となる切れ目77cで連続された切断部分として形成される。このように、溝77aおよび溝77bの周方向位置が、ディスプレーサ60の往復動方向位置によってずれた配置とされている。
溝77aおよび溝77bのディスプレーサ60周方向寸法は、ディスプレーサ60の径寸法および被覆部75,76の材質によるが、3〜4mmとすることができる。
ステップカット77における切れ目77cは、ディスプレーサ60周方向において、被覆部75,76の端部が接する長さが、溝77aおよび溝77bのディスプレーサ60周方向寸法の2〜5倍、例えば、3〜4mmとすることができる。
できる。
被覆部75は、図11〜図12に示すように、蓋部73を係止するスプリングピン68,68の外側を覆うように配置されている。スプリングピン68は、被覆部75で覆われるように配置されて、ディスプレーサ60が往復動した際に、摺動するシリンダ41内表面側に露出しないように設けられている。
本実施形態においても、上述した第1実施形態と同等の効果を奏することができるとともに、剛性の増したSUS316Lによってディスプレーサ60を形成し、かつこのディスプレーサ60を軽量化して、稼働部品の機械的な信頼性が低下することを防止することができる。
シリンダ41とディスプレーサ60との熱膨張率が同じとなるようにディスプレーサ60の材質をステンレスとした場合、ステンレスの密度は樹脂よりも大きいため、質量が大きくなる。その結果、機械的な駆動 部が過負荷となり、長期的な機械の信頼性に影響するが、本実施形態においては、ディスプレーサ60の肉厚部を減肉して質量を低減し、減肉部72c,72dに被覆部75,76を巻回して、冷媒ガスが低温部と室温部をいききする量を低減し、熱損失を低減することができる。
上記の実施形態においては、ステップカット67,77を溝が2箇所からなる構成としたが、図13に示すように、ステップカット87として、溝87a,87b,87cが3箇所互い違いに配置されて、2箇所の摺動部となる切れ目87d,87eを有する構成とすることもできる。
本発明の活用例として、超高真空装置に使用するベーカブル型スーパートラップを挙げることができる。
10…真空乾燥装置
11…乾燥室(チャンバ)
11a…棚
11b…ヒータ(調温手段)
11c…温度センサ
12…第1の脱水部
14…制御部(コントロールユニット)
15…真空ポンプ(第1排気手段)
16…排気ポンプ(第2排気手段)
17…第1の捕集手段(第1のコールドトラップ)
17a…導入部
17b…導出部
17c…冷却ユニット
19…洗浄・滅菌手段
21…第1仕切部
21a…仕切体
22…第1の切替弁(第1排気手段)
23…第2仕切部
23a…仕切体
24…第2の切替弁(第2排気手段)
26…圧力計
27…圧力計
F1…被乾燥物(脱気源)
30…第2の脱水部(クライオトラップ)
31…ケース
31a…ピン
38…クライオトラップ
38a…低温パネル
40…機械式冷凍機(冷凍機)
40a…駆動源
41…シリンダ
42…低温膨脹室
42a…膨脹室内側面
42b…内底面
43a…側外層
43b…底外層
43c…内側面
44…吸入バルブ
45…排出バルブ
50…コンプレッサ
50a〜50c…循環路
51…吸着器
60…ディスプレーサ
61…蓄冷器
62…外周側部
62a,62b…溝部
63…蓋部
64…室温端部
64a…ヘリウムガス流入口
65,66…ウェアリング
67…ステップカット
67a,67b…溝
67c…切れ目
68…スプリングピン
69…ヘリウムガス噴出口
72…外周側部
72c,72d…減肉部
73…蓋部
75,76…被覆部
77…ステップカット
77a,77b…溝
77c…切れ目
87…ステップカット
87a,87b,87c…溝
87d,87e…切れ目

Claims (17)

  1. 往復動するディスプレーサが収納されたシリンダを有する冷凍機と、ヘリウム循環用のコンプレッサとを有し、蒸気滅菌処理をおこなう被脱気空間であるチャンバに接続されるケース内を冷却するクライオトラップであって、
    前記ディスプレーサが前記蒸気滅菌処理における温度条件以上の耐熱温度を有し、
    前記ディスプレーサが、SUS316Lからなり、前記シリンダ内表面と摺動しない外側面に、前記シリンダ内表面と摺動する部分よりも厚さ寸法が薄くなる減肉部が設けられ、
    前記減肉部に、樹脂からなる被覆部が設けられることを特徴とするクライオトラップ。
  2. 記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングよりも幅狭とされることを特徴とする請求項1記載のクライオトラップ。
  3. 前記シリンダの前記被脱気空間側に露出する外表面が、SUS316Lからなることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  4. 前記シリンダ低温側の内表面が銅からなることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  5. 前記ディスプレーサには、前記シリンダ低温側となる低温端側およびその反対端側の外側表面に、前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングが周設されることを特徴とする請求項1記載のクライオトラップ。
  6. 前記ディスプレーサ低温端側の外側表面に周設されたウェアリングが、銅からなる前記シリンダ低温側の内表面と摺動する位置に周設されることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  7. 前記ディスプレーサ低温端側と反対側となる外側表面に周設されたウェアリングが、SUS316Lからなる前記シリンダ低温側と反対側となる内表面と摺動する位置に周設されることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  8. 前記ディスプレーサの外側表面に周設され前記シリンダ内表面と摺動するウェアリングには、前記ディスプレーサの周方向に離間する熱膨張吸収溝(ステップカット)が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  9. 前記熱膨張吸収溝の前記周方向位置が、前記ディスプレーサの往復動方向位置によってずれた配置とされることを特徴とする請求項8記載のクライオトラップ。
  10. 前記熱膨張吸収溝には、前記ウェアリングが熱膨張した際に、周方向に摺動して前記ディスプレーサの往復動方向への密閉状態を維持する摺動部が設けられることを特徴とする請求項9記載のクライオトラップ。
  11. 前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部が前記ディスプレーサの外周側部に嵌合されるとともに、前記ディスプレーサの外周側部から前記蓋部に貫通するスプリングピンにより係止されることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  12. 前記ディスプレーサの内部が蓄冷器とされ、前記ディスプレーサ低温端側の端部を閉塞する蓋部が設けられ、該蓋部よりも前記蓄冷器側となる位置に、前記ディスプレーサの外周側部に開口するヘリウムガス噴出口が複数設けられることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  13. 前記ディスプレーサが、ベークライト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドから選択される材料からなることを特徴とする請求項2記載のクライオトラップ。
  14. 前記シリンダがSUS316Lからなる有底筒状とされ、該シリンダの低温側内側面と低温側内底部とが銅からなることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  15. 前記シリンダ低温側の内表面が銅からなり、前記シリンダ低温側の外表面位置にあるSUS316Lの厚さが0.1〜2mmとされることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  16. 前記冷凍機から前記コンプレッサへの循環路には、ヘリウムの汚染除去する吸着器が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のクライオトラップ。
  17. 請求項1から16のいずれか記載のクライオトラップと、
    被脱気空間であるチャンバと、を有することを特徴とする真空乾燥装置。
JP2017046821A 2017-03-10 2017-03-10 クライオトラップ Active JP6959746B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017046821A JP6959746B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 クライオトラップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017046821A JP6959746B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 クライオトラップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018150858A JP2018150858A (ja) 2018-09-27
JP6959746B2 true JP6959746B2 (ja) 2021-11-05

Family

ID=63680233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017046821A Active JP6959746B2 (ja) 2017-03-10 2017-03-10 クライオトラップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6959746B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6143981U (ja) * 1984-08-24 1986-03-22 株式会社日立製作所 クライオポンプ装置
JPH057978U (ja) * 1991-07-16 1993-02-02 ダイキン工業株式会社 クライオポンプ用シールリング
JP3338094B2 (ja) * 1992-10-20 2002-10-28 三洋電機株式会社 クライオポンプ装置
JP2004239564A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd ディスプレーサ
EP2310681A4 (en) * 2008-07-01 2017-04-12 Brooks Automation, Inc. Method and apparatus for providing temperature control to a cryopump
JP5632241B2 (ja) * 2010-09-13 2014-11-26 住友重機械工業株式会社 クライオポンプ及び極低温冷凍機
JP6562503B2 (ja) * 2015-07-13 2019-08-21 アルバック・クライオ株式会社 クライオトラップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018150858A (ja) 2018-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI688738B (zh) 真空乾燥裝置及真空乾燥方法
CN104662379B (zh) 例如用于磁共振成像***的低温冷却装置和低温冷却方法
JP5574318B2 (ja) 真空乾燥装置及び真空乾燥方法
TWI599721B (zh) 低溫泵系統,低溫泵控制裝置,及低溫泵再生方法
JP6124626B2 (ja) クライオポンプ及びその再生方法
JP2676374B2 (ja) 冷凍乾燥装置
JP5808691B2 (ja) クライオポンプ、及びクライオポンプの再生方法
JP2015175342A (ja) クライオポンプ、及びクライオポンプの再生方法
US4485631A (en) Method and apparatus for rapidly regenerating a self-contained cryopump
JP6639129B2 (ja) クライオトラップ
JP6959746B2 (ja) クライオトラップ
TWI618856B (zh) 低溫阱
KR101967286B1 (ko) 동결 건조 장치 및 이를 이용한 동결 건조 방법
JP2019203508A (ja) クライオポンプシステム、クライオポンプ制御装置、クライオポンプ再生方法、及びクライオポンプ
JP7455037B2 (ja) クライオポンプおよびクライオポンプの再生方法
TWI655365B (zh) Cryopump
JP2020159629A (ja) 凍結乾燥方法及び凍結乾燥装置
CN107246762A (zh) 一种采用复叠制冷***的非原位冻干机
RU2776402C1 (ru) Установка вакуумной сублимационной сушки
KR20170113243A (ko) 크라이오펌프
JPH0642459A (ja) クライオポンプ
EP0819856A1 (en) Vacuum pump
JP2021008962A (ja) 真空乾燥機
PL242274B1 (pl) Urządzenie do suszenia

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6959746

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150