JP6958801B2 - 建造物の移動方法、建造物の移動システム、及び動力装置 - Google Patents

建造物の移動方法、建造物の移動システム、及び動力装置 Download PDF

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Description

本発明は、建造物を移動させるための技術、特にはレールの上に乗せられたレールに沿って移動可能な建造物を移動させるための技術に関する。
レールの上に乗せられた、レールに沿って移動可能な建造物が存在する。建造物は、例えば、仮設テントである。
例えば、建築物などを解体するには、解体現場においてパワーショベルなどの重機を用いて建築物を破壊し、細分化し、それによって生じた廃棄物を適当な方法で分別して廃棄する。
このような解体作業を、例えば、住宅地、病院、或いは学校等の近辺で行う場合には、粉塵の飛散が生じ易い。解体の対象となる建築物は古い建築物であるのが通常であるのでアスベスト等の健康に好ましくない物質を含む粉塵が生じる場合があり、また、廃棄物処分場が解体の対象となる場合にはダイオキシン等のこれも健康に好ましくない物質を含む粉塵が生じる場合がある。健康に好ましくない粉塵が生じる場合は特に、粉塵の飛散は近隣の住民等から大きな問題と捉えられやすい。
また、建築物の解体には騒音がつきものであるが、それが近隣の住民との間で問題を生じる可能性がある。
建築物の解体作業を一例とする何らかの作業を行うときに、その作業によって生じる粉塵や騒音の外部への漏れ出しを防止するための技術の1つとして、仮設テントにより解体の対象となる建築物の全体を覆うという技術が採用されている。
そして、かかる仮設テントは、テントの構築或いはその解体をし易くしたり、さもなくばその期間を短縮するため、或いは建築物の解体作業を行う際における何らかの都合により、レールの上にレールに沿って移動可能として乗せられる場合がある。
もっともレールの上に乗せられた仮設テントは、それがレールに沿って移動させることが可能とされているとはいえ、それを移動させるのはなかなかに難しい。
仮設テントは、金属製の柱、梁等の骨材と、それらを覆うことで壁と屋根とを構成するシートとによって構成されている。シートを用いるのは、仮設テントを構築するための費用や期間を短縮するためでもあるが、仮設テントの重量を軽くするためでもある。とはいえ、例えば、解体の対象となる建築物をすっぽりと覆うような仮設テントは、テントという名称を用いるのが憚られる程大きく、場合によりその長辺が100mに及ぶことがあり、その高さが50mに及ぶことがある。つまり、軽く作ってあるとはいえ、仮設テントは非常に重く、その重量は、数十トンを超える場合がある。
そのような仮設テントをレールに沿って動かすには、それ相応の工夫が必要となる。
例えば、重機を用いて仮設テントを押す、或いは引く、ことによって仮設テントを移動させるという技術が存在する。しかしながら、重機を用いるには費用がかかる。
また、本体と、本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材とを備えた動力装置によって、仮設テントを移動させるという技術も存在する。動力装置は例えば、例えば、油圧で駆動するジャッキスピンドルである。かかる方法を実行するには、棒状部材の長さ方向がレールの長さ方向に沿うようにして、レールの上に動力装置を配するとともに、動力装置の本体をレールに固定し、また棒状部材の一部を、仮設テントに固定する。その状態で、棒状部材を本体に対して移動させることにより、棒状部材の移動量に対応する距離だけ、レールの上で仮設テントを移動させる。そして、動力装置とレールとの固定と、棒状部材と仮設テントとの固定を解き、本体に対する棒状部材の位置を元に戻すとともに、動力装置全体の位置を仮設テントの移動量に対応した距離だけ移動させる。そして、動力装置の本体をレールに、棒状部材の一部を仮設テントにそれぞれ固定してから、再び棒状部材を本体に対して移動させることで、レールの上で仮設テントを移動させる。これを繰り返すことにより、仮設テントをレールの上で移動させることができる。
かかる方法は、重機を用いない分コスト的には有利であるが、しかしながら、かかる方法は、レールに対する動力装置の本体の固定とその解除、及び仮設テントに対する棒状部材の固定とその解除を繰返すことが必要であり、また動力装置をレールに沿って移動させることが必要であることから、その実施に時間がかかり、結局コスト低減の効果も限られる。特に、従来におけるレールに対する動力装置の本体の固定とその解除、及び仮設テントに対する棒状部材の固定は、ボルト、ナット等を用いて強固に行うものであるから、その固定も解除も手間である。
本願発明は、レールの上にレールの長さ方向に移動可能に乗った構造物をレールの長さ方向に移動させるための、簡単で低コストな技術を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明は、その長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられた長尺のレールの上に設けられた建造物を、前記レールに沿って移動させるための建造物の移動方法である。そしてこの方法には、本体と、前記本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材と、前記本体に設けられた、前記第1凹部の中に挿入可能であり、且つ前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第1方向の力が付与された場合には前記第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には前記第1凹部から抜けるようになっている係止体と、を備えている動力装置を用いる。
そして、この建造物の移動方法は、前記棒状部材の長さ方向が前記レールの長さ方向に沿うようにして、前記レールの上に前記動力装置を配するとともに、前記棒状部材と前記建造物とを固定する第1過程と、前記第1凹部のうちのいずれかに前記係止体を挿入する、前記第1過程と前後して行われる第2過程と、前記本体に対して前記棒状部材を前記第2方向に移動させることにより、前記係止体が挿入された前記第1凹部に対して係止されている前記係止体により前記レールに係止された状態の前記動力装置の前記本体に対して、前記棒状部材に固定された前記建造物を前記レール上で前記第2方向に移動させる第3過程と、前記本体に対して前記棒状部材を前記第1方向に移動させることにより、挿入された前記第1凹部から前記係止体が抜け出ることによって前記レールとの係止が解除された状態の前記動力装置の前記本体を、前記棒状部材に固定された前記建造物に対して前記レール上で前記第2方向に移動させる第4過程と、前記第1凹部のうちの、その直前に前記係止体が挿入されていたものより、前記第2方向側に位置するものに、前記係止体を挿入する第5過程と、を含んでいる。この建造物の移動方法では、前記第2過程から前記第4過程を繰り返すことにより、前記第2方向に向けて前記建造物を移動させる。
この方法を実施する場合におけるレールと、動力装置は、基本的には従来からのものと同じであるが、それらの双方に工夫が加えられている。まずレールであるが、レールの長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられている。他方、動力装置の本体には、係止体が設けられている。係止体は、レールの上面に設けられた下向きの凹部である第1凹部の中に挿入可能であり、且つ第1凹部の中にそれが挿入された状態で本体にレールに沿う第1方向の力が付与された場合には第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、第1凹部の中にそれが挿入された状態で本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には第1凹部から抜けるようになっている。つまり、係止体と第1凹部とは、ラチェット機構における歯と爪の如き関係であり、本体に第1方向の力が付与された場合には本体の移動を禁じ、本体に第2方向の力が付与された場合には本体の移動を許容するものとなっている。第1方向と第2方向とはレールに沿う互いに反対向きの方向であり、第2方向が構造物の移動方向である。
かかる移動方法を用いる場合、まず、棒状部材の長さ方向がレールの長さ方向に沿うようにして、レールの上に動力装置を配するとともに、棒状部材と前記建造物とを固定する、従来と変わらぬ第1過程を行う。かかる移動方法では、また、第1過程を行う場合、その前後或いは第1過程を実施するのと同時に、第1凹部のうちのいずれかに係止体を挿入する第2過程を行う。
次いで、本体に対して棒状部材を第2方向に移動させる第3過程が行われる。第3過程が実行されると、建造物は、棒状部材とともに第2方向に移動する。このとき、動力装置の本体には建造物を第2方向に押す棒状部材から、反作用として第1方向の力がはたらく。しかしながら、第2方向の力が本体にかかったとしても、上述のように本体に設けられた係止体は、それが挿入された第1凹部に対して係止されているから、本体はレールに対して係止され動かない。
次いで、本体に対して棒状部材を第1方向に移動させる第4過程を実行する。第4過程が実行されると、本体に対して、建造物に固定されている棒状部材から第2方向の力が付与される。建造物と本体との重量を比較すればもちろん前者の遥かに大きいから、第2方向の力が本体にかかると、挿入された第1凹部から係止体がいわば自然に抜け出し、本体とレールとの係止が解除されるから、動力装置の本体はレールの上を第2方向に移動する。
次いで、レールに沿って複数存在する第1凹部のうちの、その直前に係止体が挿入されていたものより、第2方向側に位置するものに、係止体を挿入する第5過程を実行する。この状態は、建造物と動力装置とが第2方向側に移動していることを除けば、第2過程が終了した時点の状態と変わらない。
そして、本願の建造物の移動方法では、以上で説明した第2過程から第5過程を繰り返すことにより、第2方向に向けて前記建造物を、棒状部材の本体に対する移動量の分ずつ移動させる。
以上の説明から判るように、この方法では、動力装置の本体は、レールに対して係止はされるが固定はされないし、またその係止の実行と解除とにかかる手間は従来よりも遥かに少ない。また、動力装置の移動も従来であれば大型でないものの重機を必要とするものであったが、本願発明の方法であれば、動力装置が持つ本体に対する棒状部材を移動させるための動力により、それを実現することができる。つまり、本願発明によるレールの上にレールの長さ方向に移動可能に乗った構造物をレールの長さ方向に移動させる方法は、簡単で低コストである。
なお、第4過程の終了時に、第5過程の終了時の状態として、第4過程と第5過程を一連の過程として実行することも可能である。これにより、この方法は更に簡単で低コストになる。
なお、隣接する第1凹部間の間隔は、一定であってもそうでなくても良い。
前記レールは少なくとも1本であり、平行であれば3本以上でも良いが、平行な2本であってもよい。この場合、動力装置は、各レール、或いは複数のレールに配されても良いし、レールのうちの1本にのみ配されても良い。
前記建造物はレールに乗っておりレールに沿って移動させることが必要であれば何であっても構わないが、例えば仮設テントとすることができる。
上述のように、レールの上には、その長さ方向に沿って複数の第1凹部が設けられている。
これに加えて、前記レールの長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第2凹部が設けられていてもよい。その場合、前記動力装置の前記本体には、前記第2凹部に、前記第2凹部に挿入可能な先端を有する係止部材の先端が挿入した場合に、前記本体が前記第1方向及び前記第2方向のいずれにも移動できないように前記係止部材に固定される係止部が設けられていてもよい。レールと、動力装置とがそのようなものである場合、本願発明による建造物の移動方法は、前記第2過程では、前記第2凹部に前記係止部材の先端を挿入し、前記第4過程と前記第5過程との間で、前記第2凹部から前記係止部材を引き抜く、ものであってもよい。
上述のように、本願発明の建造物の移動方法では、本体に対して棒状部材を第2方向に移動させることにより、建造物を棒状部材とともに第2方向に移動させる第3過程が実行される場合においても、動力装置の本体はレールに対してその係止体で係止されるのみであり、固定はされない。ただし、かかる係止が万が一不十分であると、動力装置の本体が第1方向に移動してしまい、結果として建造物を第2方向に移動させられないという事態も生じうる。レールに第2凹部が設けられており、且つ第2凹部に対して係止部材を挿入することで、第1方向、第2方向のいずれにも動けないような状態で、動力装置の本体を係止部材を介してレールに係止させることができるのであれば、動力装置の本体が第1方向に移動してしまうという事態を防ぐことができるようになる。しかも、この場合においても、動力装置の本体は、レールに対して係止されるだけであるから、係止及びその解除は、従来におけるレールに対する本体の固定及びその解除に比して簡単で、低コストでる。
なお、隣接する第2凹部間の間隔は、一定であってもそうでなくても良い。また、隣接する第2凹部と第1凹部の間隔は一定とすることができる。動力装置の本体に設けられる係止部は、例えば、板に開けられた鉛直方向の孔であり、その場合棒状体である係止部材は、その孔を上から貫通した状態でその先端が第2凹部に挿入される。
本願発明者は、以上で説明した建造物の移動方法を実行するために用いる建造物の移動システム、及びかかる建造物の移動システムの一部である動力装置をも本願発明の一態様として提案する。これらによる効果は、以上で説明した建造物の移動方法の効果に同じである。
一例となる建造物の移動システムは、その長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられた長尺のレールであり、その上に建造物が前記レールに沿って移動可能に乗せられるものと、本体と、前記本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材と、前記本体に設けられた、前記第1凹部の中に挿入可能であり、且つ前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第1方向の力が付与された場合には前記第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には前記第1凹部から抜けるようになっている係止体と、を備えている動力装置と、を有してなる建造物の移動システムである。
なお、上述のように、本体に設けられた係止片は、レールに設けられた第1凹部の中に挿入可能であり、且つ第1凹部の中にそれが挿入された状態で本体にレールに沿う第1方向の力が付与された場合には第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、第1凹部の中にそれが挿入された状態で本体にレールに沿う第2方向の力が付与された場合には第1凹部から抜けるようになっている。かかる条件は、係止片単体の構成により充足されるというよりも、係止片と第1凹部との相対的な関係性によって充足されるものである。例えば、前記第1凹部の少なくともその第1方向側と第2方向側の端面がいずれも鉛直であってもよく、その場合、前記係止体は、その第1方向側の面が鉛直であり、その第2方向側の面の下面が第2方向側に向かって上る傾斜面であってもよい。
また、本願による建造物の移動システムにおいても、前記レールの長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第2凹部が設けられており、前記動力装置の前記本体には、前記第2凹部に、前記第2凹部に挿入可能な先端を有する係止部材の先端が挿入した場合に、前記本体が前記第1方向及び前記第2方向のいずれにも移動できないように前記係止部材に固定される係止部が設けられていてもよい。
本願による建造物の移動システムにおける前記レールの上面は板状体の上側の面であり、前記第1凹部と前記第2凹部との少なくとも一方は、前記板状体を貫通する孔であってもよい。つまり、第1凹部と第2凹部は有底の穴であっても良いし、底のない孔であってもよい。
本願による建造物の移動システムにおける前記第1凹部は、前記レールの幅方向に複数設けられていてもよい。この場合、前記係止体は、幅方向に設けられた複数の前記第1凹部のすべてに一度に挿入可能として、前記本体に、前記レールの幅方向に設けられた第1凹部の数と同数として設けられていてもよい。レールの幅方向に複数の第1凹部を設け、それらのそれぞれに複数の係止体を挿入することとすれば、レールに対する動力装置の本体の係止をより強力にすることができる。
本願による建造物の移動システムにおける前記第2凹部は、前記レールの幅方向に複数設けられていてもてよい。この場合、前記係止部材は、幅方向に設けられた複数の前記第2凹部のすべてにその先端を一度に挿入可能とされていてもよい。レールの幅方向に複数の第2凹部を設け、それらのそれぞれに複数の係止部材の先端を挿入することとすれば、レールに対する動力装置の本体の係止をより強力にすることができるようになるし、また、複数の第2凹部に係止部材の複数の先端を一度に挿入することができるのであれば、係止部材を介しての本体のレールに対する係止を行う際の手間を軽減することができる。
本願発明による動力装置の一例は以下のようなものである。
本願発明による動力装置は、その長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられた長尺のレールであり、その上に建造物が前記レールに沿って移動可能に乗せられるものと組合せることにより、建造物の移動システムを構成する動力装置である。そして、かかる動力装置は、本体と、前記本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材と、前記本体に設けられた、前記第1凹部の中に挿入可能であり、且つ前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第1方向の力が付与された場合には前記第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には前記第1凹部から抜けるようになっている係止体と、を備えている。
一実施形態で移動される仮設テントの構成を示す斜視図。 (A)は、図1に示した仮設テントに含まれる骨部材の下端付近及びレールの側面図、(B)は、レールの平面図。 (A)、(B)は、動力装置の側面図、(C)は同正面図。 係止部材の正面図。 仮設テントの移動方法が実行されている場合におけるある状態を示す側面図。 仮設テントの移動方法が実行されている場合における他の状態を示す側面図。
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態では、後述するようにして、図1に示したような仮設テント1を移動させる。
仮設テント1は、簡単に言うと巨大なテントのようなものである。これには限られないが、この実施形態における仮設テント1は、ビルディング、清掃工場等の既存の建築物を解体するために用いられるものであり、既存の建築物の全体をすっぽりと覆うようなものとされる。仮設テント1は、これには限られないがこの実施形態では平面視矩形であり、大きい場合にはその長辺が100mに及ぶことがあり、その高さは50mに及ぶことがある。
仮設テント1は、レール2の上に乗っている。レール2は1本でも良いが、平行な複数本でも良い。この実施形態では、レール2は2本で一組とされており、互いに平行である。レール2の構成は、後述する第1孔、第2孔を除き、公知、周知技術に倣えば良い。
この実施形態による仮設テント1は、図1、図2に示すようにして複数の骨部材10を備えている。図2は、骨部材10のみを示した図である。骨部材10は、従来の仮設テント1におけるそれらと基本的に同じ構造で構わない。各骨部材10は、これには限られないがこの実施形態では等間隔で、且つ平面視した場合に平行になるようにして立てられている。
また、隣接する骨部材10は、後述する接続材によって、それらの間隔が不変となるようにして互いに接続されている。これによって、仮設テント1は、全体として一体となっており、レール2上をレール2に沿って移動するときにおいても、骨部材10の間隔が変化するような変形を生じないようになっている。
これには限られないが、この実施形態における各骨部材10は同じものとされている。骨部材10は仮設テント1の骨材となるものであり、それに必要な剛性を有するものとなっている。骨部材10は、これには限られないがこの実施形態では金属製の角パイプで構成されている。
骨部材10は、いずれも棒状の2本の柱部11と、これもいずれも棒状の2本の梁部12とを備えて構成されている。柱部11は仮設テント1の柱となり壁の一部を構成するものであり、梁部12は仮設テント1の梁となり屋根の一部を構成するものである。柱部11と梁部12とは全体として一体となっていても構わないが、この実施形態における2つの柱部11と2つの梁部12とは別部材とされており、それらが組合せられ、後述の状態で固定されることにより、一体の骨部材10となるようにされている。もちろん、柱部11と梁部12との少なくとも一方が、更に複数の部材で構成されていることもあり得る。
柱部11は、所定の間隔を空けて、レール2の上に事実上鉛直に立てられるものである。柱部11の下端はレール2の上をレール2に沿って移動可能とされる。柱部11の下端がレール2の上をレール2から外れずに、或いはレール2に案内されて移動可能とするための技術は、公知或いは周知であるから、その説明は省略する。
2つの梁部12の一端は、2つの柱部11の上端にそれぞれ固定されている。また2つの梁部12の他端は互いに接続されるようになっている。平面視した場合における2つの梁部12は一直線上になるようにされている。梁部12の互いに接続される他端は、梁部12の一端よりもその高さが高くなるようになっている。かかる梁部12の構成により、仮設テント1の屋根は、これには限られないが、いわゆる切妻型となる。
次に、仮設テント1を構成するシート20について説明する。
シート20は、従来のものとその構成は同じでよい。シート20は一般には樹脂製の膜材であり、骨部材10の間に張り渡すことができる程度の柔軟性を備えている。シート20のうち、隣接する骨部材10の間に張り渡されているものは矩形の長尺材であり、隣接する骨部材10に対してその長辺をそれぞれ支持されている。骨部材10とシート20の固定の方法は、従来技術に倣えば良い。
また、仮設テント1の両端に位置する骨部材10で囲まれた空間にもシート20が張り渡されている。仮設テント1の両端に位置する骨部材10で囲まれた空間に張り渡されたシート20には、仮設テント1への出入口となる扉40が必要に応じて設けられる。
シート20は、二重に張り渡されていても良い。
以上で説明した仮設テント1及びレール2の内容はすべて従来技術に即したものとすることができ、この実施形態では実際にそうされている。
この実施形態におけるレール2は、基本的には従来のレールと同様であるが、多少の工夫がされている。それについて、図2を用いて説明する。なお、図2(A)はテント1の下部とレール2の側面図、同(B)は、上板2Bの平面図である。
この実施形態においてレール2は、これには限られないが、H鋼により構成されている。H鋼により構成されたレールは、レール2の長さ方向の延長線上から見た場合、上下にそれぞれ水平の板を持つとともに水平の板の中間を鉛直な板で繋いだ構成となっている。これら水平な板と鉛直な板とが略H字型を構成してH鋼を構成している。なお、これには限られないが、レール2の上述した鉛直な板の両側には、その上下が上述した水平の板に接続され、且つその基端が上述した鉛直な板に接続された矩形の鉛直な板であるリブ板2Aが、適当な間隔で設けられている。リブ板2Aは、公知、周知のものであり、レール2の剛性、特に上下方向の剛性を高める役割を担っている。以後、レール2において、上下に存在する水平の板のうち上側の板を上板2Bと称することとする。
図2に示したように、上板2Bには、いずれも多数の第1孔2Cと、第2孔2Dとが設けられている。
第1孔2Cは、後述する係止片が挿入される孔である。第1孔2Cは、有底の穴でも良いが、この実施形態では、上板2Bを上下に貫通する孔である。より詳細には、第1孔2Cは、上板2Bを鉛直方向に貫く孔である。第1孔2Cは、平面視した場合、その4つの角が面取りされてはいるものの、その長辺がレール2の長さ方向に平行な矩形とされている。第1孔2Cの4つの辺の内側の面は、鉛直な面とされている。
第1孔2Cは、レール2の長さ方向の例えば全長にわたって、所定間隔で多数設けられている。隣接する第1孔2Cの間隔は、一定でなくとも良いがこの実施形態では一定とされている。なお、第1孔2Cは、後述する動力装置を用いて後述するようにしてレール2の上で仮設テント1を移動させるために使用されるものであるから、レール2の全長にわたって存在する必要はなく、レール2の長さ方向のうち、仮設テント1を移動させるために必要な範囲にのみ存在していれば良い。もっとも、この実施形態ではこの限りではないが、レール2の全長にわたって所定間隔で設けられている。これには限られないが、第1孔2Cは、レール2の幅方向に2つずつ設けられている。レール2の幅方向に並んだ2つの第1孔2Cのレール2の幅方向における位置は、レール2の長さ方向の異なる位置に存在する各第1孔2Cについて同一となるようにされている。もっとも、第1孔2Cはレール2の幅方向に1つだけ設けられていてもよく3つ以上設けられていてもよい。
第2孔2Dは、後述する係止部材の挿入部が挿入される孔である。第2孔2Dは、有底の穴でも良いが、この実施形態では、上板2Bを上下に貫通する孔である。より詳細には、第2孔2Dは、上板2Bを鉛直方向に貫く孔である。第2孔2Dは、平面視した場合、その4つの角が面取りされてはいるものの、その長辺がレール2の長さ方向に平行な矩形とされている。第2孔2Dの4つの辺の内側の面は、鉛直な面とされている。
第2孔2Dは、レール2の長さ方向の例えば全長にわたって、所定間隔で多数設けられている。隣接する第2孔2Dの間隔は、一定でなくとも良いがこの実施形態では一定とされている。したがって、隣接する一対の第1孔2C及び第2孔2Dのレール2の長さ方向における距離は、すべての第1孔2C及び第2孔2Dの対において一定である。なお、第2孔2Dは、第1孔2Cの場合と同様の理由で、レール2の全長にわたって存在する必要はないが、この実施形態では、レール2の全長にわたって設けられている。第2孔2Dは、レール2の幅方向に2つずつ設けられている。レール2の幅方向に並んだ2つの第2孔2Dのレール2の幅方向における位置は、レール2の長さ方向の異なる位置に存在する各第2孔2Dについて同一となるようにされている。もっとも、第2孔2Dはレール2の幅方向に1つだけ設けられていてもよく3つ以上設けられていてもよい。
なお、図2に示したように、仮設テント1の骨部材10における柱部11の下端にはそれぞれ、レール2の上に柱部11を、レール2に沿って移動可能に接続するための基体11Aが設けられている。
また、隣接する骨部材10における柱部11は、接続部材13によって互いに接続され、隣接する骨部材10間の位置が不変となるようにされている。
以上で説明した仮設テント1をレール2に沿ってレール2の上で移動させるには、動力装置100を用いる。図3を用いて動力装置100の構成について説明する。
動力装置100は、本体110と、本体110に対して移動可能な棒状部材であるシリンダ120とを備えて構成されている。シリンダ120は、本体110に対して取付けられており、且つその長さ方向に平行移動できるようにされている。なお、図3等では、シリンダ120は本体110を貫通するように図示されているが、これはシリンダ120の移動の範囲の理解を容易にするためであり、通常本体110の図3における右側の端部は、シリンダ120が最も右側に移動した場合におけるシリンダ120の右側の端部よりも更に右側に位置する。つまり、シリンダ120は一般に、本体110の本願でいう第1方向側に貫通することはない。
シリンダ120の移動できる範囲は、この実施形態では、図3(A)と図3(B)の側面図に示された間であり、その移動距離はLである。シリンダ120の移動距離Lは、少なくともレール2の長さ方向において隣接する2つの第1孔2Cの間の距離と同じかそれよりも大きい。本体110と、本体110に対してその長さ方向に平行移動できるようにされた棒状部材であるシリンダ120とを備える装置としては、油圧によって駆動するジャッキスピンドルが公知、或いは周知であり、動力装置100の本体110とシリンダ120には、そのようなジャッキスピンドルを流用することができる。より具体的には、この実施形態で使用可能なジャッキスピンドルの例となるのは、株式会社大阪ジャッキ製作所が製造販売する油圧ジャッキ(例えば、品番E20H50)である。
動力装置100の本体110の底面には、板状体である係止体111が設けられている。係止体111は、レール2の幅方向に並んだ2つの第1孔2Cに同時に挿入することが可能な位置に、それが可能な形状、大きさで、2つ設けられている。係止体111の数は、レール2の幅方向に設けられた第1孔2Cの数に倣うことができる。係止体111の幅は、第1孔2Cの幅に略等しく、それより僅かに小さい。
後述するようにして係止体111は、第1孔2Cに挿入される。そのとき、動力装置100は、そのシリンダ120の長さ方向がレール2の長さ方向に沿う向きで、レール2の上に乗せられる。第1孔2Cに挿入された係止体111は、本体110に図2、図3における右向き(これが、本願でいう第1方向であるから、以後この向きを「第1方向」と称する。)に力がかかったときにおいては、その第1方向側の端部が、第1孔2Cの第1方向側の端部に係止されるようになっている。具体的には、係止体111の第1方向側の端部は、鉛直な面となっている。また、第1孔2Cに挿入された係止体111は、本体110に図2、図3における左向き(これが、本願でいう第2方向であるから、以後この向きを「第2方向」と称する。)に力がかかったときにおいては、その第2方向側の端部が、第1孔2Cの第2方向側の端部に係止されることなく係止体111の全体が第2方向側に進行し、結果として第1孔2Cから抜け出すようになっている。具体的には、係止体111の第2方向側の下面は、第2方向側に向かって上る傾斜面となっている。
また、本体110の幅方向の両側には、横方向に張り出す板状体であるリブ112が設けられており、リブ112には、鉛直な孔である係止孔112Aが設けられている。2つの係止孔112Aの距離は、レール2の幅方向に並んだ2つの第2孔2Dの幅に対応する距離となっている。また、シリンダ120の長さ方向における係止体111と係止孔112Aとの距離は、上述した一対の第1孔2Cと第2孔2Dとの距離に対応している。それゆえ、2つの係止体111を、レール2の幅方向に並ぶある2つの第1孔2Cに挿入した場合には、2つの係止孔112Aは、係止体111が挿入された第1孔2Cと対になっているレール2の幅方向に2つ並んだ第2孔2Dの真上に位置するようになっている。
なお、係止孔112Aは、後述する係止部材の挿入部を第2孔2Dに挿入した場合において、リブ112と係止部材とを係止し合せるためのものである。そのため、係止孔112Aの位置と数は、第2孔2Dの位置と数に合わせて決定される。また、係止孔112Aの形状、大きさは、係止部材の挿入部を貫通させられるようなものとなっており、これには限られないがこの実施形態では、その形状は円形である。
レール2に沿って仮設テント1を移動させる場合には、動力装置100とともに、係止部材をも用いる。係止部材200の正面図を図4に示す。
係止部材200は正面視した場合に、下方が開放された略コの字形状の係止部材本体210を有している。係止部材本体210は、これには限られないが、この実施形態では、断面円形で剛性の高い金属製の棒を略コの字型に曲折させることにより構成されている。
係止部材本体210は、その幅方向の両端における、図4において鉛直方向に延びる部分の下端やや上に、これには限られないがこの実施形態においては円板状とされた係止リブ220を備えている。係止リブ220は、上述した係止孔112Aよりもその径が大きな円形の板であって、その中心を係止部材本体210に貫かれている。係止部材本体210の図4における上側の水平な部分は、動力装置100の本体110の幅よりも広くなっており、その間隔は動力装置100の2つの係止孔112Aの間隔に一致している。
係止部材本体210のうち、図4において、係止リブ220よりも下側の部分が挿入部211である。2つの挿入部211は、レール2の幅方向に並んだ第2孔2Dに、それらの真上に位置する動力装置100における2つの係止孔112Aをそれぞれ貫通して、挿入できるようになっている。
以上で説明した仮設テント1をレール2に沿ってレール2の上で移動させる方法について説明する。
かかる移動方法を用いる場合、まず、シリンダ120の長さ方向がレール2の長さ方向に沿うようにして、レール2の上に動力装置100を配するとともに、シリンダ120と仮設テント1とを固定する第1過程を行う。第1過程を行う場合、シリンダ120と仮設テント1を固定的に接続する必要があるが、シリンダ120のどの部分と仮設テント1のどの部分とを接続するかは、シリンダ120の本体110に対する移動が可能な限り、適当に決定することができる。この実施形態では、シリンダ120の先端と仮設テント1のうちの任意の柱部11の下端の基体11Aとを固定することとしている。シリンダ120と仮設テント1との、より詳細にはシリンダ120と仮設テント1の基体11Aとの固定的な接続の方法は、公知或いは周知技術により適当に行えば良い。例えば、適当な金具を用いてこれを行うことができる。このときのシリンダ120の位置は、図3(A)に示したように、もっとも第1方向側に位置している。
かかる移動方法では、また、第1過程を行う場合、その前後或いは第1過程を実施するのと同時に、第1孔2Cのうちのいずれかに係止体111を挿入する第2過程を行う。より正確には、このとき、動力装置100の本体110に設けられた2つの係止体111は、レール2の幅方向に2つ並んだ第1孔2Cのそれぞれに挿入されることになる。これにより、動力装置100の本体110は、第2方向に力がかかったときにおいては、第1孔2Cから係止体111が抜け出すことにより第2方向に移動するものの、第1方向に力がかかったときにおいては係止体111が第1孔2Cに係止されることで動かなくなる。
また、第1過程、第2過程が実行された状態で、動力装置100における2つの係止孔112Aは、係止体111が挿入された第1孔2Cと対になっているレール2の幅方向に2つ並んだ第2孔2Dの真上に位置している。その状態で、係止部材200における係止部材本体210の両端の2つの挿入部211の先端を、動力装置100の本体110を跨がせた状態で、レール2の幅方向に並んだ第2孔2Dに、それらの真上に位置する動力装置100における2つの係止孔112Aをそれぞれ貫通させてから、一度に或いは同時に挿入する。このとき、係止リブ220が係止孔112Aの周囲のリブ112に係止されるから、係止部材200の上下方向の位置は適切な位置に位置決めされる。そうすると、動力装置100の本体110は、その係止孔112A或いはリブ112が係止部材200の係止部材本体210に係止されることになり、且つレール2に設けられた第2孔2Dに挿入部211の先端が挿入されることによって係止部材200がレール2に対して係止されているから、係止部材200を介して間接的にレール2に対して係止されることになる。この状態では、動力装置100は第1方向の力と第2方向の力のいずれを受けても、第1方向にも第2方向にも移動しないようになる。
この状態を、図5に示す。
なお、以上の過程は、レール2の双方で2つの動力装置100を用いて行われてもよく、レール2の一方のみで行われても良い。
次いで、本体110に対してシリンダ120を第2方向に移動させる第3過程を行う。
第3過程が実行されると、仮設テント1のシリンダ120と接続された基体11Aは、シリンダ120とともに第2方向に移動する。これにより、図5で矢視したように、仮設テント1の全体が第2方向に移動する。
このとき、動力装置100の本体110は仮設テント1を第2方向に押すシリンダ120から、反作用として第1方向の力を受ける。しかしながら、第1方向の力が本体110にかかったとしても、上述のように本体110に設けられた係止体111は、それが挿入された第1孔2Cに対して係止されているから、本体110はレール2に対して係止され第1方向に動かない。更には、仮に、係止体111と第1孔2Cとの間の係止が不十分で、第1孔2Cから係止体111が抜け出して動力装置100の本体110が第1方向に移動しようとしても、本体110は、係止部材200によって間接的にレール2に対して係止されているので、結果的に本体110は第1方向に移動しない。
シリンダ120を、図3(B)の状態まで移動させきった状態を図6に示す。
次いで、係止部材200を動力装置100の本体110から除去する。より具体的には、係止部材200を上方に引き上げることにより、係止部材本体210の両端の2つの挿入部211を、第2孔2D、及び動力装置100における2つの係止孔112Aから引き抜く。これにより、係止部材200による、動力装置100の本体110のレール2に対する間接的な係止が解除される。
次いで、本体110に対してシリンダ120を第1方向に移動させる第4過程を実行する。第4過程が実行されると、本体110に対して、仮設テント1に固定されているシリンダ120から第2方向の力が付与される。仮設テント1と本体110との重量を比較すればもちろん前者の遥かに大きいから、第2方向の力が本体110にかかると、挿入された第1孔2Cから係止体111がいわば自然に抜け出す。これにより、本体110とレール2との係止が解除されるから、図6で矢視したように、動力装置100の本体110はレール2の上を、動力装置100が発生する動力によって半ば自動的に第2方向に移動する。
次いで、レール2に沿って複数存在する第1孔2Cのうちの、その直前に係止体111が挿入されていたものより、第2方向側に位置するものに、係止体111を挿入する第5過程を実行する。次いで、係止部材200を用いて、上述したようにして、動力装置100の本体110を係止部材200を介して間接的にレール2に係止する。この状態は、仮設テント1と動力装置100とが第2方向側に移動していることを除けば、第2過程が終了した時点の状態と変わらない。つまり、動力装置100と仮設テント1とは、図5で示された状態に戻る。
この実施形態における仮設テント1の移動方法では、以上で説明した第2過程から第5過程を、動力装置100の本体110とレール2との係止部材200による間接的な係止を行い、また、その係止を解除するための上述の処理を含めて繰り返す。それにより、第2方向に向けて仮設テント1を、シリンダ120の本体110に対する移動量の分ずつ移動させる。
なお、第4過程の終了時に、係止体111を第1孔2Cに挿入してしまうことも可能である。そのためには、例えば、シリンダ120の移動量であるLを、レール2の長さ方向における隣接する第1孔2C間の距離に一致させるか、或いはシリンダ120の移動量であるLを、レール2の長さ方向における隣接する第1孔2C間の距離の整数倍の距離としておくことが便利である。
なお、以上で説明した実施形態では、第3過程を実行する場合における本体110の第1方向への移動防止を、係止体111と第1孔2Cの係止力のみに頼らず、係止部材200を用いることにより、動力装置100の本体110とレール2とを間接的に係止させることによって実現させていた。
しかしながら、第3過程を実行する場合における本体110の第1方向への移動防止を、係止体111と第1孔2Cの係止力のみによって実現できるのであれば、以上で説明したレール2における第2孔2Dと、動力装置100の本体110におけるリブ112及び係止孔112Aと、係止部材200は不要である。もちろんその場合には、仮設テント1を移動させる場合において、動力装置100の本体110とレール2との係止部材200による間接的な係止を行い、また、その係止を解除するための上述の処理も省略されることになる。
1 仮設テント
2 レール
2C 第1孔
2D 第2孔
10 骨部材
11 柱部
11A 基体
12 梁部
13 接続部材
20 シート
100 動力装置
110 本体
111 係止体
112A 係止孔
120 シリンダ
200 係止部材
210 係止部材本体
211 挿入部

Claims (8)

  1. その長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられた長尺のレールの上に設けられた建造物を、
    本体と、前記本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材と、前記本体に設けられた、前記第1凹部の中に挿入可能であり、且つ前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第1方向の力が付与された場合には前記第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には前記第1凹部から抜けるようになっている係止体と、を備えている動力装置を用いて、
    前記レールに沿って移動させるための建造物の移動方法であって、
    前記棒状部材の長さ方向が前記レールの長さ方向に沿うようにして、前記レールの上に前記動力装置を配するとともに、前記棒状部材と前記建造物とを固定する第1過程と、
    前記第1凹部のうちのいずれかに前記係止体を挿入する、前記第1過程と前後して行われる第2過程と、
    前記本体に対して前記棒状部材を前記第2方向に移動させることにより、前記係止体が挿入された前記第1凹部に対して係止されている前記係止体により前記レールに係止された状態の前記動力装置の前記本体に対して、前記棒状部材に固定された前記建造物を前記レール上で前記第2方向に移動させる第3過程と、
    前記本体に対して前記棒状部材を前記第1方向に移動させることにより、挿入された前記第1凹部から前記係止体が抜け出ることによって前記レールとの係止が解除された状態の前記動力装置の前記本体を、前記棒状部材に固定された前記建造物に対して前記レール上で前記第2方向に移動させる第4過程と、
    前記第1凹部のうちの、その直前に前記係止体が挿入されていたものより、前記第2方向側に位置するものに、前記係止体を挿入する第5過程と、
    を含んでおり、
    前記第2過程から前記第4過程を繰り返すことにより、前記第2方向に向けて前記建造物を移動させるというものであり、
    前記レールの長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第2凹部が設けられており、
    前記動力装置の前記本体には、前記第2凹部に、前記第2凹部に挿入可能な先端を有する係止部材の先端が挿入された場合に、前記本体が前記第1方向及び前記第2方向のいずれにも移動できないように前記係止部材に固定される係止部が設けられており、
    前記第2過程では、前記第2凹部に係止部材の先端を挿入し、
    前記第4過程と前記第5過程との間で、前記第2凹部から前記係止部材を引き抜く、
    建造物の移動方法。
  2. 前記レールは平行な2本である、
    請求項1記載の建造物の移動方法。
  3. 前記建造物は仮設テントである、
    請求項1記載の建造物の移動方法。
  4. その長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第1凹部が設けられた長尺のレールであり、その上に建造物が前記レールに沿って移動可能に乗せられるものと、
    本体と、前記本体に対して水平方向に移動させることが可能とされた棒状の棒状部材と、前記本体に設けられた、前記第1凹部の中に挿入可能であり、且つ前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第1方向の力が付与された場合には前記第1凹部に対して係止されるようになっているとともに、前記第1凹部の中にそれが挿入された状態で前記本体に前記レールに沿う第2方向の力が付与された場合には前記第1凹部から抜けるようになっている係止体と、を備えている動力装置と、
    を有してなる建造物の移動システムであって、
    前記レールの長さ方向の所定間隔毎の上面に凹部である第2凹部が設けられており、
    前記動力装置の前記本体には、前記第2凹部に、前記第2凹部に挿入可能な先端を有する係止部材の先端が挿入された場合に、前記本体が前記第1方向及び前記第2方向のいずれにも移動できないように前記係止部材に固定される係止部が設けられている、
    建造物の移動システム。
  5. 前記第1凹部の少なくともその第1方向側と第2方向側の端面がいずれも鉛直であり、
    前記係止体は、その第1方向側の面が鉛直であり、その第2方向側の面の下面が第2方向側に向かって上る傾斜面である、
    請求項記載の建造物の移動システム。
  6. 前記レールの上面は板状体の上側の面であり、前記第1凹部と前記第2凹部との少なくとも一方は、前記板状体を貫通する孔である、
    請求項記載の建造物の移動システム。
  7. 前記第1凹部は、前記レールの幅方向に複数設けられており、
    前記係止体は、幅方向に設けられた複数の前記第1凹部のすべてに一度に挿入可能として、前記本体に、前記レールの幅方向に設けられた第1凹部の数と同数として設けられている、
    請求項記載の建造物の移動システム。
  8. 前記第2凹部は、前記レールの幅方向に複数設けられており、
    前記係止部材は、幅方向に設けられた複数の前記第2凹部のすべてにその先端を一度に挿入可能とされている、
    請求項記載の建造物の移動システム。
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