JP6957136B2 - 洗濯用殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類やリネン類の洗浄効果に優れ、さらに、栄養型細菌のみならず細菌芽胞に対しても優れた殺菌効果を有する洗濯用殺菌洗浄剤組成物に関する。
病院、ホテル、飲食店等では、施設内で着用される白衣、ユニフォーム、帽子等の衣類や、施設内で使用されるタオル、シーツ、枕カバーなど(以下、「リネン類」という)が微生物に汚染されると、院内感染や食中毒等の問題が起こる可能性があるため、常に衛生的な状態のものが求められている。そのため、着用された衣類や使用済みのリネン類の洗浄を行う業務用クリーニングやリネンサプライといった業務用の洗濯の分野では、洗浄のみならず、繊維に付着した微生物の殺菌・除去処理も行われており、その際に、80℃以上の熱水、次亜塩素酸ナトリウム、過酢酸などが用いられている。
しかしながら、衣類やリネン類に付着した微生物のなかでも、細菌芽胞は熱や化学物質に対する抵抗性が高く、その殺菌・除去は特に困難である。上記の殺菌・除菌処理のうち、80℃の熱水は細菌芽胞に対してほとんど効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムや過酢酸はある程度の効果はあるが、使用上次のような問題がある。
次亜塩素酸ナトリウムは腐食性が高く、繊維を傷めるおそれがあり、また、過酢酸はきわめて強力な消毒剤であり、細菌芽胞に対しても幅広く有効ではあるが、刺激臭や皮膚刺激性などの問題があり人体には適さないため、取扱いには注意が必要である。
さらに、衣類やリネン類の洗浄には、相当量の洗浄剤成分を用いる必要があるが、かかる洗浄剤成分が、併用される殺菌・除菌剤成分との間に相互作用を生じ、殺菌・除菌剤成分の活性または安定性が低下し、または洗浄剤成分の洗浄力が低下する場合もある。
かかる状況の下、細菌芽胞に対する殺菌効果を有し、より安全に使用できる組成物の探求が進められており、ポリヘキサメチレングアニジン塩と、天然アルコール系非イオン界面活性剤、脂肪酸アルキロールアミドエチレンオキシド付加物または酵素を併用する除菌洗浄剤(特許文献1)、ポリヘキサメチレングアニジン塩、珪酸塩、炭素数12〜24の第2級アルコールのアルキレンオキシド付加物、および炭素数6〜8の第1級アルコールのアルキレンオキシド付加物を含有する殺菌洗浄剤組成物(特許文献2)が耐熱性芽胞形成菌に対して殺菌効果を有することが開示されている。
また、1重量%を超える高濃度の第4級アンモニウム塩を含む組成物を用いて、30℃〜80℃で表面を処理することにより、枯草菌およびスポロゲネス菌の芽胞を減少させ得ること(特許文献3)や、ダイマー型ビス第4級アンモニウム塩の溶液を加温または超音波照射しながら接触させる細菌芽胞の殺菌方法(特許文献4)も開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の除菌洗浄剤の除菌効果は、適宜希釈された被験薬物を加えた培地に、一定量の試験菌体を接種して37℃で18〜20時間培養し、試験菌体の発育が認められるか否かにより評価され、特許文献2に記載の殺菌洗浄剤組成物の殺菌効果は、枯草菌をSCD寒天培地にて35℃で24時間培養して形成されたコロニーから菌体を採取して調製した菌液を用いて評価されているため、これら特許文献の実施例に示された除菌効果または殺菌効果が、細菌芽胞に対する効果なのか栄養型細菌に対する効果なのかが明確ではない。
また、特許文献3または特許文献4に記載された処理または殺菌方法は、加温や超音波処理を加えることを要し、多量の衣類やリネン類を処理する業務用洗濯に用いるには、効率のよい方法であるとはいいがたい。
特開2002−047111号公報 特開2009−108184号公報 特表2008−504910号公報 特開平10−295785号公報
従って、洗浄力に優れるとともに、人体に対し安全で、かつ細菌芽胞に対しても効果の高い洗濯用の殺菌洗浄剤組成物が望まれている。
そこで、本発明は、次亜塩素酸ナトリウムや過酢酸などの酸化物を用いることなく、細菌芽胞に対し優れた殺菌効果を有し、安全性および取扱い性に優れる洗濯用殺菌洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、単独では細菌芽胞に対して殺菌効果を示さないポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)等のポリアルキレンビグアナイド化合物またはその塩と、アルカリ剤とを併用し、組成物のpHを12.5以上とすることにより、バチルス属等の細菌芽胞に対する殺菌効果が得られることおよび、さらに第4級アンモニウム塩および/またはアルコールを加えることにより、細菌芽胞に対する殺菌効果が向上することを見出した。
そして、洗浄剤成分として、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を用いた場合に、上記殺菌剤成分の殺菌活性および安定性に対する影響が少なく、かつ洗浄力にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[8]に関する。
[1]式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ剤、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、組成物のpHが12.5以上である、洗濯用殺菌洗浄剤組成物。
Figure 0006957136
[式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、nは2〜18の整数を示す。]
[2]ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上が、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよびその塩からなる群より選択される1種または2種以上である、上記[1]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[3]さらに、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上を含有する、上記[1]または[2]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[4]さらに、アルコールの1種または2種以上を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[5]アルコールの1種または2種以上が、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールからなる群より選択される1種または2種以上である、上記[4]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[6]非イオン界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシドおよびアシルグルカミドからなる群より選択される、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[7]両性界面活性剤が、アルキルベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型界面活性剤、アルキルスルホベタイン型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤およびアルキルアミンオキシド型界面活性剤からなる群より選択される、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[8]細菌芽胞を対象とする、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
本発明の洗濯用殺菌洗浄剤組成物は、衣類やリネン類に対する洗浄力に優れるとともに、従来の殺菌・除菌剤では無効であった細菌芽胞に対して良好な殺菌効果を示し、繊維に対する悪影響が少なく、安全性および取扱い性に優れるため、業務用の洗濯の分野において有用である。
本発明の洗濯用殺菌洗浄剤組成物(以下、本明細書において、単に「本発明の組成物」ともいう)は、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ剤、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、組成物のpHを12.5以上に調整してなる。
本発明において用いるポリアルキレンビグアナイド化合物は、下記の式(1)で示される。
Figure 0006957136
[式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、nは2〜18の整数を示す。]
上記式(1)において、Rで示される炭素数2〜8のアルキレン基には、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン(ヘキサメチレン)、ヘプチレン(ヘプタメチレン)、オクチレン(オクタメチレン)等の直鎖状のものの他、イソプロピレン、イソブチレン、イソペンチレン、ジメチルプロピレン、ジメチルブチレン等の分岐鎖状のものも含まれるが、直鎖状のアルキレン基が好ましい。また、細菌芽胞に対する殺菌効果の観点からは、炭素数4〜8のアルキレン基が好ましく、ヘキサメチレン基が特に好ましい。なお、式(1)におけるnは2〜18であり、細菌芽胞に対する殺菌効果、取扱い性等を考慮すると、前記nは10〜14であることが好ましく、11〜13であることがより好ましい。
式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物は、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸との塩、または酢酸、乳酸、グルコン酸等の有機酸との塩の形態でも用いることができる。かかる塩の中では、塩酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩が好ましく、塩酸塩が最も好ましく用いられる。本発明の組成物には、式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より、1種または2種以上を選択して用いる。
本発明において、ポリアルキレンビグアナイド化合物またはその塩は既知化合物であり、公知の方法、たとえば英国特許第702,268号明細書等に記載された方法に従って製造したものを用いることができるが、市販の製品を用いてもよい。市販の製品としては、「エクリンサイドBG」(理工協産株式会社製)、「プロキセルIB」(アーチ・ケミカルズ社製)、「ロンザバックBG」(ロンザジャパン株式会社製)等が挙げられる。
本発明の組成物には、上記ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上は、最終的に殺菌・洗浄に使用される組成物における濃度にして、通常0.001質量%〜0.2質量%、好ましくは0.003質量%〜0.1質量%、より好ましくは0.005質量%〜0.05質量%含有される。
本発明の組成物に含有されるアルカリ剤としては、組成物のpHを12.5以上に調整できるものであればよく、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム等のメタ珪酸のアルカリ金属塩等、強塩基性を示す無機塩基が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびメタ珪酸ナトリウムがより好ましい。
なお、上記アルカリ剤としては、各社より提供されている市販の製品を使用することができる。
また本発明の組成物は、好ましくは、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ剤、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上に加えて、さらに第4級アンモニウム塩および/またはアルコールを含有する。
かかる本発明の組成物では殺菌効果が向上し、5〜10分間の短時間の処理で、細菌芽胞に対しても有効な殺菌効果を発揮し得る。
本発明において用いる第4級アンモニウム塩としては、上記ポリアルキレンビグアナイド化合物またはその塩、上記アルカリ剤、および後述する界面活性剤とともに、あるいはさらに下記アルコールとともに、本発明の組成物に良好に混和し得るもので、前記成分とともに用いることにより、細菌芽胞に対する殺菌効果を向上させ得るものであれば特に制限なく用いることができ、たとえば、下記の式(2)で示される第4級アンモニウム塩や、下記の式(3)で示されるピリジニウム環を有する第4級アンモニウム塩が挙げられる。
Figure 0006957136
[式中、R〜Rは同一または異なって、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、A は無機または有機の陰イオンを示す。]
Figure 0006957136
[式中、Rはアルキル基を示し、A は無機または有機の陰イオンを示す。]
上記式(2)において、R、R、RまたはRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜18程度のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、炭素数6〜12程度のアリール基が挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜12程度のアラルキル基が挙げられる。
炭素数1〜18程度のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)等の直鎖状のアルキル基、2−プロピル(イソプロピル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、2−メチルプロピル(イソブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、3−メチルブチル(イソペンチル)、4−メチルペンチル(イソヘキシル)、1−メチルヘプチル(sec−オクチル)、6−メチルヘプチル(イソオクチル)、1,1−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−メチルトリデシル、12−メチルトリデシル(イソミリスチル)、1−メチルペンタデシル、14−メチルペンダデシル(イソパルミチル)、1−メチルヘプタデシル、16−メチルヘプタデシル(イソステアリル)等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、前記アルキル基には、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカロイルアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、またはアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基等により置換されたものも含まれる。
また、炭素数6〜12程度のアリール基としては、フェニル、メチルフェニル(トリル)、ナフチル等が挙げられ、炭素数7〜12程度のアラルキル基としては、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル(フェネチル)等が挙げられる。
上記式(2)において、A で示される無機または有機の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、無機酸イオン、有機酸イオン等が挙げられる。
ハロゲンイオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。無機酸イオンとしては、塩酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等が挙げられる。有機酸イオンとしては、メチル硫酸イオン等の炭素数1〜3程度のアルキル硫酸エステルイオン;酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、カプロン酸イオン等の炭素数2〜6程度のモノカルボン酸イオン;乳酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン等の炭素数3〜6程度のヒドロキシカルボン酸イオン;シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン、マレイン酸イオン、アジピン酸イオン等の炭素数2〜6程度のジカルボン酸イオンなどが挙げられる。
これらのうち、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸エステルイオン、ジカルボン酸イオンが好ましく、塩素イオン、臭素イオン、アジピン酸イオンが特に好ましい。
上記式(2)で示される第4級アンモニウム塩としては、式中のRが炭素数8〜18のアルキル、R、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩;式中のRおよびRが同一または異なって、炭素数8〜18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩;および、式中のRがベンジル、フェノキシアルキルまたはフェニルカルバモイルアルキル、Rが炭素数8〜18のアルキル、フェノキシ基、もしくはアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基により置換されたアルキル、またはアルカロイルアルキルアミノアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩が好ましく、式中のRおよびRが同一または異なって、炭素数8〜18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩;Rがベンジル、Rが炭素数8〜18のアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩;およびRがベンジル、Rがアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基により置換されたアルキル、RおよびRが同一または異なって、炭素数1〜4のアルキルであるアンモニウム塩がより好ましい。
上記式(2)で示される第4級アンモニウム塩の好適な具体例としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩<セトリモニウム塩>、ジデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩<ベンザルコニウム塩>、N,N−ジメチル−N−[2−[2−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンゼンメタンアンモニウム塩<ベンゼトニウム塩>、メチルベンゼトニウム塩、ドデシルジメチル(2−フェノキシエチル)アンモニウム塩<ドミフェン塩>、[2−(ラウロイルメチルアミノ)エチル]ジメチル(フェニルカルバモイルメチル)アンモニウム塩<ドファニウム塩>等が挙げられる。
上記式(3)において、Rで示されるアルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基が挙げられ、オクチル、デシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチルまたはセチル)、オクタデシル(ステアリル)等の直鎖状のアルキル基が好ましく、ドデシル(ラウリル)、ヘキサデシル(パルミチルまたはセチル)が特に好ましい。
また、上記式(3)において、A で示される無機または有機の陰イオンとしては、上記式(2)においてA で示される陰イオンと同様のハロゲンイオン、無機酸イオン、有機酸イオン等が挙げられ、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸エステルイオン、ジカルボン酸イオンが好ましく、塩素イオン、臭素イオン、アジピン酸イオンが特に好ましい。
本発明においては、上記式(2)および式(3)で示される第4級アンモニウム塩等より、1種または2種以上を選択して用いることができる。
好適な第4級アンモニウム塩としては、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、臭化ドミフェン、塩化ドファニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられ、これらの中でも、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムがより好ましく、塩化ジデシルジメチルアンモニウムが特に好ましい。
本発明の組成物に用いられる上記第4級アンモニウム塩は、公知の方法に従って製造して用いることもできるが、「コータミンD86P」、「コータミンD2345P」(以上花王株式会社製)、「ハイアミン(Hyamine)1622」、「ハイアミン(Hyamine)3500J」、「バーダック(Bardac)2250」、「バーダック(Bardac)2280」(以上ロンザジャパン株式会社製)、「カチオーゲンDDM−PG」、「カチオーゲンSV」、「カチオーゲンBC50」(以上第一工業製薬株式会社製)、「カチオンDDC−50」、「オスモリンDA−50」、「カチオンG−50」(以上三洋化成工業株式会社製)、「オスバンS」(日本製薬株式会社製)、「塩化セチルピリジニウム(CPC)」(和光純薬工業株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。
本発明の組成物には、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上は、最終的に殺菌・洗浄に使用される組成物における濃度にして、通常0.001質量%〜0.5質量%、好ましくは0.001質量%〜0.2質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.1質量%含有される。
本発明の組成物に用いられるアルコールとしては、上記ポリアルキレンビグアナイド化合物またはその塩、上記アルカリ剤、および後述する界面活性剤とともに、あるいはさらに第4級アンモニウム塩とともに、本発明の組成物に良好に混和し得るもので、前記成分とともに用いることにより、細菌芽胞に対する殺菌効果を向上させ得るものであれば特に制限なく用いることができ、たとえば、アルカノール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等が挙げられる。
アルカノールとしては、直鎖または分岐鎖一価アルカノール、アルカンジオール等が挙げられ、炭素数5〜10のアルカノールが好ましい。
炭素数5〜10の直鎖または分岐鎖一価アルカノールとしては、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール等が挙げられ、炭素数5〜8の直鎖一価アルカノールがより好ましく、炭素数5〜7の直鎖一価アルカノールが特に好ましい。
炭素数5〜10のアルカンジオールとしては、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール等、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールがより好ましい。
テルペンアルコールとしては、ゲラニオール、シトロネロール、テルピネン−4−オール、ネロール、メントール、ラバンジュロール、リナロール、ツジョール、ボルネオール等のモノテルペンアルコール、グアイオール、サンタロール、ネロリドール、ビサボロール等のセスキテルペンアルコール、スクラレオール、フィトール等のジテルペンアルコール等が好ましい。
芳香族アルコールとしては、ベンゼン環等の芳香族環に直接結合しない水酸基を有するアルコール、たとえばベンジルアルコール、サリチルアルコール、シンナミルアルコール、バニリルアルコール等が挙げられるが、本発明の目的には、フェニル、ナフチル等のアリール基、またはフェノキシ、ナフトキシ等のアリールオキシ基により置換されたアルカノールが好ましく、前記アリール基またはアリールオキシ基により置換された炭素数1〜3のアルカノールがより好ましく、フェニルメタノール(ベンジルアルコール)、2−フェニルエタノール(フェネチルアルコール)、1−フェニルエタノール、2−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、2−フェノキシエタノール、3−フェノキシプロパノール等のフェニル基またはフェノキシ基により置換された炭素数が1〜3のアルカノールが特に好ましい。
本発明においては、上記したアルコール等の1種または2種以上を用いることができる。
細菌芽胞に対する殺菌効果の観点からは、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールが好ましく、炭素数5〜7の一価アルカノール、モノテルペンアルコール、およびフェニル基またはフェノキシ基により置換された炭素数が1〜3のアルカノールがより好ましく、2−フェニルエタノール、2−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、2−フェノキシエタノール等がさらに好ましく、2−フェニルエタノールおよび3−フェニル−1−プロパノールが最も好ましい。
本発明の組成物には、上記アルコールは公知の方法に従って製造して用いることもできるが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
本発明の組成物には、上記アルコールの1種または2種以上は、最終的に殺菌・洗浄に使用される組成物における濃度にして、通常0.02質量%〜5質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%、より好ましくは0.2質量%〜1質量%含有される。
本発明の組成物に用いられる非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル(たとえば、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル等)、ショ糖脂肪酸エステル(たとえば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等)、ソルビタン脂肪酸エステル(たとえば、ラウリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン)等のエステル型界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル(たとえば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(たとえば、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル)等のエーテル型界面活性剤;脂肪酸ポリエチレングリコール(たとえば、ステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール等)、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(たとえば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)等のエステルエーテル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド(たとえば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド等)等のアルカノールアミド型界面活性剤;たとえば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド等のアルキルグルコシド型界面活性剤;たとえば、オクタノイル−N−メチルグルカミド、ヤシ油脂肪酸アシルメチルグルカミド等のアシルグルカミド型界面活性剤等が例示される。
本発明の組成物に用いられる両性界面活性剤としては、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン(たとえば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)等のアルキルベタイン型界面活性剤;N−アシル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン(たとえば、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等)等のアミノカルボン酸型界面活性剤;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドプロピルベタイン型界面活性剤;N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン(たとえば、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等)等のアルキルスルホベタイン型界面活性剤;2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型界面活性剤;N,N−ジメチルアルキルアミン=N−オキシド(たとえば、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシド等)等のアルキルアミンオキシド型界面活性剤などが例示される。
本発明においては、上記したような非イオン界面活性剤および両性界面活性剤は、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
また、上記したような非イオン界面活性剤および両性界面活性剤は、自体公知の製造方法により調製して用いてもよいが、各社より洗浄剤成分として市販されている製品を用いることができる。
衣類やリネン類に対する洗浄効果、およびポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、第4級アンモニウム塩等の殺菌剤成分に対する影響の観点から、本発明の組成物に含有される洗浄剤成分としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤、N,N−ジメチルアルキルアミン=N−オキシド等の両性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等がより好ましい。
本発明の組成物には、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上は、最終的に殺菌・洗浄に使用される組成物における濃度にして、通常0.001質量%〜0.5質量%、好ましくは0.003質量%〜0.2質量%、より好ましくは0.005質量%〜0.1質量%含有される。
本発明の組成物のpHは、12.5以上となるように調整され、13以上であることがより好ましい。
本発明の組成物のpHが12.5以上であれば、60分程度の処理時間で、細菌芽胞に対して有効な殺菌効果が認められ、効率的に衣類やリネン類の殺菌、洗浄を行うことができる。
また、本発明の組成物のpHは14以下であり、組成物の安定性の観点からは、13.5以下であることが好ましい。
なお、本発明の組成物のpHは、日本工業規格(JIS) K 3362:2008「8.3 pH値」または医薬部外品原料規格 2006「一般試験法 55.pH測定法」に準拠して測定される。
本発明の組成物が、後述するペースト状等の高粘性の形態で提供される場合や、ゲル状等の固形状の形態で提供される場合には、たとえば25℃にて、pHメーターの電極を直接試料に刺すまたは押し当てて測定される。また、本発明の組成物が、粉末状、顆粒状等の形態で提供される場合には、たとえば該組成物を一般的な使用濃度で精製水に懸濁し、25℃で測定される。
本発明の組成物は、上記したポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ剤および、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上、あるいはさらに第4級アンモニウム塩および/またはアルコールに加えて、必要に応じて、洗浄剤組成物に一般的に用いられる添加成分を加えて、液状、懸濁液状、乳液状、ペースト状、ゲル状、粉末状、顆粒状等、種々の形態で提供することができる。
上記添加成分としては、水軟化剤(たとえば、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸塩等)、キレート剤(たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸ナトリウム等)、分散剤(たとえば、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等)、泡調整剤(たとえば、石けん、シリコーン油等)、溶剤(たとえば、ブチルカルビトール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等)、安定化剤(たとえば、エタノール等)、酵素(たとえば、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等)、蛍光増白剤(たとえば、ビス(トリアジニルアミド)スチルベンジスルホン酸等)等が挙げられ、本発明の特徴を損なわない範囲で、1種または2種以上を用いることができる。
また、本発明の組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の一般的な抗菌成分を含有させることもできる。
さらに、着色、着香等を目的として、色素、香料等を用いることもできる。
多量の衣類やリネン類の洗浄および殺菌処理を、短時間に効率的に行うという観点からは、本発明の組成物は、液状の組成物とすることが好ましい。
液状の本発明の組成物は、上記したポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上ならびにアルカリ剤、あるいはさらに第4級アンモニウム塩および/またはアルコールと、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上とを、溶媒に溶解または懸濁させ、必要に応じて上記した一般的な添加成分を加えて調製することができ、計量キャップ付きボトル、トリガータイプのスプレー容器、スクイズタイプもしくはディスペンサータイプのポンプスプレー容器等に充填して、提供され得る。
溶媒としては、水(たとえば、蒸留水、脱イオン水等の精製水等);炭素数2〜4程度の低級アルコール(たとえば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、炭素数2〜4程度の多価アルコール(たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール等)等の有機溶媒を用いることができるが、繊維に対する腐食性等の取扱い性および経済性等を考慮すると、水または水と前記有機溶媒との混合物を用いることが好ましい。
本発明の組成物は、衣類およびリネン類の洗浄効果に優れるとともに、細菌芽胞に対する殺菌効果に優れる。
芽胞形成細菌としては、バチルス アンスラシス(Bacillus anthracis)(炭疽菌)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)(セレウス菌)、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)(枯草菌)、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)等のバチルス(Bacillus)属に属する細菌、アリサイクロバチルス アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)、アリサイクロバチルス アシドフィルス(Alicyclobacillus acidiphilus)、アリサイクロバチルス ハーバリウス(Alicyclobacillus herbarius)等のアリサイクロバチルス(Alicyclobacillus)属に属する細菌、ブレビバチルス コシネンシス(Brevibacillus choshinensis)等のブレビバチルス(Brevibacillus)属に属する細菌、ゲオバチルス サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)、ゲオバチルス カルドキシロシリティカス(Geobacillus caldoxylosilyticus)、ゲオバチルス ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)等のゲオバチルス(Geobacillus)属に属する細菌、パエニバチルス ボルテックス(Paenibacillus vortex)、パエニバチルス フクイネンシス(Paenibacillus fukuinensis)等のパエニバチルス(Paenibacillus)属に属する細菌、スポロラクトバチルス イヌリナス(Sporolactobacillus inulinus)、スポロラクトバチルス ラエビス(Sporolactobacillus laevis)等のスポロラクトバチルス(Sporolactobacillus)属に属する細菌、クロストリジウム テタニ(Clostridium tetani)(破傷風菌)、クロストリジウム ボツリヌム(Clostridium botulinum)(ボツリヌス菌)、クロストリジウム パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)(ウェルシュ菌)、クロストリジウム ノビィ(Clostridium novyi)、クロストリジウム セプティクム(Clostridium septicum)(ガス壊疽菌群)、クロストリジウム ディフィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム サーモセラム (Clostridium thermocellum )、クロストリジウム ブチリカム (Clostridium butyricum )、クロストリジウム アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum )等のクロストリジウム(Clostridium)属に属する細菌、デスルフォトマキュラム ニグリフィカンス(Desulfotomaculum nigrificans)、デスルフォトマキュラム サーモアセトキシダンス(Desulfotomaculum thermoacetoxidans)、デスルフォトマキュラム サーモベンゾイカム subsp. サーモベンゾイカム(Desulfotomaculum thermobenzoicum subsp. thermobenzoicum)、デスルフォトマキュラム サーモベンゾイカム subsp. サーモシントロフィカム(Desulfotomaculum thermobenzoicum subsp. thermosyntrophicum)、デスルフォトマキュラム サーモシステルナム(Desulfotomaculum thermocisternum)、デスルフォトマキュラム サーモサポボランス(Desulfotomaculum thermosapovorans)、デスルフォトマキュラム サーモサブテラネウム(Desulfotomaculum thermosubterraneum)等のデスルフォトマキュラム(Desulfotomaculum)属に属する細菌、ムーレラ サーモアセティカ(Moorella thermoacetica)、ムーレラ グリセリネ(Moorella glycerine)、ムーレラ ムルデリ(Moorella mulderi)、ムーレラ サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)等のムーレラ(Moorella)属に属する細菌、サーモアネロバクター マスラニイ(Thermoanaerobacter mathranii)、サーモアネロバクター アセトエチリカス(Thermoanaerobacter acetoethylicus)、サーモアネロバクター ブロキイ(Thermoanaerobacter brockii)、サーモアネロバクター セルロリティカス(Thermoanaerobacter cellulolyticus)、サーモアネロバクター エタノリカス(Thermoanaerobacter ethanolicus)、サーモアネロバクター イタリカス(Thermoanaerobacter italicus)、サーモアネロバクター キブイ(Thermoanaerobacter kivui)、サーモアネロバクター シデロフィラス(Thermoanaerobacter siderophilus)、サーモアネロバクター スルフロフィラス(Thermoanaerobacter sulfurophilus)、サーモアネロバクター サーモコプリエ(Thermoanaerobacter thermocopriae)、サーモアネロバクター サーモヒドロスルフリカス(Thermoanaerobacter thermohydrosulfuricus)、サーモアネロバクター ウィエジェリイ(Thermoanaerobacter wiegelii)等のサーモアネロバクター(Thermoanaerobacter)属に属する細菌等が挙げられる。
本発明の組成物は、これらの栄養型細胞のみならず、芽胞に対しても良好な殺菌効果を示す。
本発明の組成物は、病院、ホテル、飲食店等、細菌芽胞が存在する可能性のある場所や施設内で着用され、または使用される白衣、ユニフォーム、帽子等の衣類やリネン類等の洗浄および殺菌処理に好適に用いることができる。
本発明の組成物は、そのまま、または適宜水等により希釈し、もしくは水等に溶解して、衣類またはリネン類の洗浄および殺菌処理に用いることができる。本発明の組成物は、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上、さらには、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上、およびアルコールの1種または2種以上について、衣類やリネン類の洗浄および殺菌処理に使用する際の最終濃度にして、それぞれ上記した範囲となり、アルカリ剤により、pHが12.5以上となるように調製される。
本発明の組成物が液状の組成物である場合は、衣類またはリネン類の洗浄および殺菌処理における取扱い性、効率等を考慮すれば、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上等の各成分を、それぞれ最終濃度の10倍以上の濃度で含有する濃縮された組成物を調製し、使用時に水等により希釈して用いることが好ましい。
かかる濃縮された組成物については、安定性等の観点から、アルカリ剤以外の成分を含有する組成物と、アルカリ剤を含有する組成物とを別々に調製し、使用時に混合して用いることが好ましい。
衣類またはリネン類の洗浄および殺菌処理は、本発明の組成物またはその希釈物中に衣類やリネン類を浸漬し、撹拌等して行ってもよく、本発明の組成物またはその希釈物を、衣類やリネン類に噴霧して行ってもよい。
また、本発明の組成物による衣類またはリネン類の処理時間は比較的短時間でよく、5分〜60分程度で十分な洗浄および殺菌効果を得ることができる。
特に、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上およびアルカリ剤に加えて、第4級アンモニウム塩および/またはアルコールを含有する組成物では、5分〜10分程度の処理により、十分な殺菌効果が認められる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1、2および比較例1]洗濯用殺菌洗浄剤組成物
表1に示す各成分を順次イオン交換水に添加溶解して、実施例1、2および比較例1の各洗濯用殺菌洗浄剤組成物を調製した。各洗濯用殺菌洗浄剤組成物について、25℃におけるpHを測定し、測定結果を表1に併せて示した。
[試験例1]細菌芽胞に対する殺菌効果の評価
(1)供試芽胞
バチルス セレウス(Bacillus cereus) ATCC14579を液体ブイヨン培地で24時間培養後、1/2濃度の標準寒天培地に塗抹して、偏光顕微鏡(「ECLIPSE E600」、株式会社ニコン製)下にて、観察される細菌の90%以上で芽胞形成が確認されるまで、2〜3週間培養した。次いで培地上に冷滅菌水を加えコンラージ棒で培地表面のコロニーを回収し、数回冷滅菌水で遠心洗浄した後、80℃で10分間加熱処理し氷水で急冷し、さらに冷滅菌水で数回遠心洗浄して、芽胞数が10〜10 Colony Forming Unit(CFU)/mLとなるように調製し、冷凍保存した。
(2)試験布の調製
5gのポリソルベート80および炭酸ナトリウム5gを水に溶解し、希釈して1000 mLとしたものを湿潤剤として用いた。この湿潤剤を2.5mLと、炭酸ナトリウム2.5gとを水に溶解して、5Lの洗浄液を調製した。
綿布(かなきん3号)を4〜5Lの上記洗浄液に入れ、1時間煮沸した。微量の湿潤剤を取り除くため、水を替えてさらに約5分間煮沸した。さらに、5Lの冷水で約5分間撹拌した後、自然乾燥させた。
乾燥後の綿布を2cm×2cmの大きさに裁断し、オートクレーブにて121℃で20分間滅菌処理した後、乾燥器で乾燥させて試験布とした。
(3)試験方法
供試芽胞を10CFU/mLとなるように滅菌水に懸濁し、供試芽胞懸濁液とした。
プラスチックシャーレに試験布5枚を重ならないように置き、試験布1枚につき、供試芽胞懸濁液0.02mLを接種してプラスチックシャーレの蓋を閉め、35℃の恒温槽内で1時間静置し、試験布を乾燥させた。
次いで、実施例1、2および比較例1の各殺菌洗浄剤組成物を試験液とし、上記試験布5枚を、試験液各20mL中に入れ、ゆっくりと(300rpmで)撹拌しながら、40℃で10分間処理した。
上記処理の後、各試験液から試験布を取り出して、それぞれフタ付容器に入れたレシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト(SCDLP)ブロス20mL中に入れ、1分間撹拌し、SCDLPブロスにより、前記撹拌液の10倍段階希釈を行った。この段階希釈液各0.1mLをSCDLP寒天培地平板に塗抹し、35℃で、48時間培養した。
培養後、培地上に発育したコロニー数を測定し、各殺菌洗浄剤組成物にて処理した試験布に存在する生菌数を算出した。
なお、対照として、0.05(w/v)%のポリソルベート80水溶液を用い、同様に処理した。
実施例1、2および比較例1の各殺菌洗浄剤組成物で処理した場合の生菌数(対数値)と、対照で処理した場合の生菌数(対数値)との差(Δlog10CFU/試験布)を求めた。本試験においては、Δlog10 CFU/試験布が2.0以上である場合に、細菌芽胞に対する殺菌効果があると評価した。
上記試験の結果を表1に併せて示した。
Figure 0006957136
表1に示されるように、実施例1および2の殺菌洗浄剤組成物では、試験布に接種した供試菌の細菌芽胞に対し、40℃で10分間の処理によりΔlog10CFU/試験布値が2以上となり、殺菌効果が認められた。
一方、比較例1の殺菌洗浄剤組成物では、Δlog10 CFU/試験布値は0.2で、細菌芽胞に対する殺菌効果は認められなかった。
以上詳述したように、本発明により、次亜塩素酸ナトリウムや過酢酸などの酸化物を用いることなく、細菌芽胞に対し優れた殺菌効果を有し、繊維を傷めるおそれがなく、安全性および取扱い性に優れる洗濯用殺菌洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の洗濯用殺菌洗浄剤組成物は、短時間の処理で良好な洗浄および殺菌効果を示し、繊維を傷めるおそれも少なく、病院、ホテル、飲食店等の施設内で着用される衣類、該施設内で使用されるリネン類等の業務用の洗濯の分野において有用である。

Claims (5)

  1. 式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物およびメタ珪酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される1種または2種以上、ならびに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルおよびN,N−ジメチルアルキルアミン=N−オキシドからなる群より選択される1種または2種以上を含有し、組成物のpHが13以上である、細菌芽胞を対象とする洗濯用殺菌洗浄剤組成物。
    Figure 0006957136

    [式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、nは2〜18の整数を示す。]
  2. ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上が、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよびその塩からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1に記載の殺菌洗浄剤組成物。
  3. さらに、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の殺菌洗浄剤組成物。
  4. さらに、アルコールの1種または2種以上を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌洗浄剤組成物。
  5. アルコールの1種または2種以上が、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項4に記載の殺菌洗浄剤組成物。
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