JP6956907B1 - ラクチュロースを含有する飲料 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)5ppb以上のバニリン及び3000ppm以上のラクチュロースを含み、甘味度が9以下である、飲料。
(2)α−ターピネオールをさらに含む、(1)に記載の飲料。
本発明の飲料は、バニリンを含む。バニリンは、バニロイド類に属し、化学式C8H8O3で表される有機化合物である。バニリンは、別名として4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒドとも称され、そのCAS登録番号は121−33−5である。バニリンは、バニラ特有の甘い香りを有することが知られており、飲食品や香水の原料として広く使用されている。本発明の飲料におけるバニリンの由来は限定されず、植物などの天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよいが、香料として含まれることが好ましい。
装置:GC:Agilent Technologies社製 GC6890N
MS:Agilent Technologies社製 5975B
加熱脱着装置:Gerstel社製 TDU
カラム:Inert cap pure WAX 30m×0.25mmi.d. df=0.25μm
定量イオン:m/z=151
温度条件:40℃(5分)〜10℃/分〜260℃
キャリアガス流量:He 1.2ml/分
TDU温度:260℃
IF温度:260℃
イオン源温度:230℃
本発明の飲料は、甘味度が9以下である。甘味度が9以下である場合は、飲料中のバニリンに起因するキレの悪さが感じられやすくなり、本発明の効果が顕著に発揮される傾向にある。本発明の飲料の甘味度は、好ましくは1〜8、より好ましくは3〜7、さらに好ましくは4〜6である。
本発明の飲料は、ラクチュロースを含む。ラクチュロースは、ガラクトースとフルクトースがβ−1,4−グリコシド結合した二糖であり、化学式C12H22O11で表される有機化合物である。ラクチュロースは、別名として4−O−β−D−ガラクトピラノシル−D−フルクトースとも称され、そのCAS登録番号は4618−18−2である。ラクチュロースは、ミルクオリゴ糖の一種であり、乳糖を原料にして得ることができ、加熱処理された牛乳や乳製品中に広く見出される。
本発明の飲料は、α−ターピネオールをさらに含むことができる。α−ターピネオールをさらに用いることにより、本発明の効果がより顕著に表れる傾向にある。α−ターピネオールは、モノテルペンアルコールの一種であり、化学式C10H18Oで表される有機化合物である。α−ターピネオールは、別名として1−p−メンテン−8−オールやp−メンタ−1−エン−8−オールと称されることもあり、そのCAS登録番号は10482−56−1、7785−53−7、又は98−55−5である。α−ターピネオールは、S体及びR体のいずれであってもよく、これらの混合物(例えば、ラセミ体)であってもよい。α−ターピネオールは松根油(pine oil)から単離されることが知られており、一般に、香料や化粧品、石鹸などへの添加物として使用されている。本発明の飲料におけるα−ターピネオールの由来は限定されず、天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよい。本発明において、α−ターピネオールは香料として添加されるのが好ましい。
装置:GC:Agilent Technologies社製 GC7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977B
カラム:Agilent Technologies社製DB−WAX 30m×0.25mmi.d. df=0.25μm
導入系:スピリット 5:1
注入量:1μl
温度条件:試料注入口220℃、カラム80℃(1分)〜10℃/分〜240℃
キャリアガス流量:He 1ml/分
イオン源温度:230℃。
イオン化法:EI
定量イオン:m/z=136
本発明の飲料には、上記に示した各種成分に加えて、通常の飲料に用いられる香料、栄養強化剤(ビタミン類など)、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、及び品質安定剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。また、本発明の飲料は乳性風味飲料が好ましいことから、乳酸菌を含んでいてもよい。
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、例えば5以下、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3〜4である。飲料のpHが5以下である場合、バニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、pHが5以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。
本発明の飲料のBrix値は、特に限定されないが、例えば15°Bx以下、好ましくは2〜12°Bx、より好ましくは4〜10°Bxである。飲料のBrix値が15°Bx以下である場合、飲料自体がすっきりとした味わいとなり、それに伴ってバニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、Brix値が15°Bx以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。飲料のBrix値は、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrix値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brix値の単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
本発明の飲料の無脂乳固形分の量は、特に限定されないが、例えば2%以下、好ましくは1%以下、最も好ましくは0%である。飲料の無脂乳固形分が2%以下である場合、バニリンに由来するキレの悪さがより明確に知覚されやすくなる傾向にある。そのため、無脂乳固形分が2%以下である飲料は、本発明の効果を発揮する上で好ましい態様の一つである。本明細書において無脂乳固形分とは、乳を構成する成分のうち、乳から水分と乳脂肪分を除いた部分である。本発明において、無脂乳固形分は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の「別表二 乳等の成分規格並びに製造、調理及び保存の方法の基準」に記載の方法にて測定することができる。
本発明の飲料の種類は、特に限定されないが、清涼飲料とすることができる。本発明の飲料は、例えば、栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶等)、コーヒー飲料、及び炭酸飲料などいずれであってもよいが、フレーバードウォーターであることが好ましい。本発明の飲料は、一実施形態において、乳性風味を有する飲料であることが好ましい。ここで、本明細書において乳性風味とは、ヨーグルト風味、或いは、乳酸菌飲料を想起させる甘酸っぱい風味のことをいう。乳酸菌飲料とは、乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料を意味し、発酵乳特有の香りを有し、市販の製造品としてはカルピスやヤクルト等が挙げられる。本発明の飲料は、特に限定されるわけではないが、アルコール分1%(v/v)未満の飲料であることが好ましい。アルコール分が1%(v/v)以上である場合、飲料に含まれるエタノール等のアルコール成分が本発明の効果を阻害するおそれがある。
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
バニリン1000ppbを含有する、甘味度の異なる3種類の飲料サンプルを調製した。具体的には、水にバニリン1000ppbを添加し、ショ糖を用いて、下表に示した甘味度になるよう各飲料サンプルを調製した。さらに、クエン酸を用いて各飲料サンプルのpHを3.5に調整した。
(評価基準)
3:バニリンに起因するキレの悪さを感じない
2:バニリンに起因するキレの悪さを少し感じる
1:バニリンに起因するキレの悪さをとても感じる
バニリン、ラクチュロース、マルトオリゴ糖、及びα−ターピネオールの各種成分を水に添加し、各種成分の最終濃度が下表に示した濃度となるように飲料サンプルを調製した。なお、各飲料サンプルの甘味度はショ糖で調整し、各飲料サンプルのpHはクエン酸を用いて3.5に調整した。添加成分であるラクチュロースは「ミルクオリゴ糖 MLS−50」(森永乳業)(ラクチュロース51%含有、甘味度0.6)を用い、マルトオリゴ糖は「フジオリゴ#360」(日本食品化工)(マルトトリオース60%含有、マルトテトラオース7.6%含有、甘味度0.33)を用いた。
Claims (2)
- 5ppb以上のバニリン及び3000ppm以上のラクチュロースを含み、甘味度が9以下である、飲料。
- α−ターピネオールをさらに含む、請求項1に記載の飲料。
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MILK SCIENCE, 2001, VOL.50, P.39-47, JPN6021035185, ISSN: 0004586808 * |
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