JP2023035494A - 容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 飲用時における異臭が抑制された容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料を提供する。【解決手段】 本発明は、2-メチル酪酸、オイゲノール、および、β-ダマセノンを含有し、希釈して飲用するための容器詰め濃縮飲料であって、希釈後の飲料は、2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め濃縮飲料に関する。また、本発明は、2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め飲料に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、飲用時における異臭が抑制された容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料に関する。
果汁入り飲料は、幅広い年代に好まれる嗜好品として広く飲用されている。また、果汁入りのホット飲料は、例えば寒い時期などに体を温める嗜好品として広く好まれて飲用されている。また、飲用量に対して容器が小さく、保存も効きやすいとの理由から、容器詰め濃縮飲料の需要が高まっており、果汁入り飲料の容器詰め濃縮飲料に対する需要も存在する。このような濃縮飲料は、飲用時に消費者の好みの濃度に希釈でき、例えば、加温した水で希釈してホット飲料として飲用してもよいし、またかき氷の調理時などにそのままの濃度で使用することで飲用時に氷水によって希釈されてもよい。
果汁入り飲料に関しては、様々な研究開発が進められている。例えば、特許文献1は、果汁含有製品の光劣化臭の新規マスキング剤に関し、当該マスキング剤として用いられる化合物として、多数の化合物が例示されている。
また、特許文献2は、嗜好性および持続性が高く、且つ食品の原材料の香味の改善、特異臭のマスキングに効果があり、酸性・塩基性領域でも安定で食品原材料の作用・機能を阻害することのないシトラス様香料組成物並びに該香料組成物に関し、特定の天然香料類、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素及び/又は含硫化合物、酸類の群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の天然もしくは合成香料を配合することにより得られるシトラス様香料組成物が記載されている。
また、臭いのマスキングに関しては、例えば特許文献3には、酢酸を含む調味料に果汁由来成分を含有させることで、酢酸の刺激臭を低減させる技術が開示されている。
特開2019-170375号公報 特開2005-015686号公報 特開2012-143190号公報
本発明は、飲用時における異臭が抑制された容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、加温して希釈して飲用する果汁入り濃縮飲料において、飲用時にわずかに異臭(特に雑巾臭を指し、生乾き臭やムレ臭などとも表現される。)が感じられる現象に着目した。そして、本発明者らは、その異臭の原因が、当該濃縮飲料に含まれる2-メチル酪酸とオイゲノールであることを明らかにした。そして、本発明者らは、鋭意研究により、果汁入り濃縮飲料における2-メチル酪酸とオイゲノール由来の異臭に対して、β-ダマセノンを所定量添加することで、この異臭を抑制できることを発見した。さらに、本発明者らは、予想外にも、果汁を含まない濃縮飲料および容器詰め飲料においても同様に2-メチル酪酸、オイゲノール、およびβ-ダマセノンを所定の濃度に設定することで、飲用時における異臭を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の態様を含むものである。
〔1〕2-メチル酪酸、オイゲノール、および、β-ダマセノンを含有し、希釈して飲用するための容器詰め濃縮飲料であって、
希釈後の飲料は、
2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、
オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、
β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め濃縮飲料。
〔2〕2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、
オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、
β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め飲料。
〔3〕果汁を含有する、前記〔1〕または〔2〕に記載の飲料。
〔4〕果汁が梅果汁を含む、前記〔3〕に記載の飲料。
本発明は、飲用時における異臭が抑制された容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料を提供できる。
本発明は、希釈して飲用するための容器詰め濃縮飲料、および、容器詰め飲料に関する。本発明における容器詰め飲料、または単に飲料と記載する場合、容器から直接飲用される(ready to drink)飲料を指すものとする。
本発明において、当該濃縮飲料を飲用時に希釈した後に、その希釈飲料における2-メチル酪酸の含有量は0.1~35ppmであり、オイゲノールの含有量は0.01~2ppmであり、β-ダマセノンの含有量は1~200ppbである。
また、本発明において、当該容器詰め飲料における2-メチル酪酸の含有量は0.1~35ppmであり、オイゲノールの含有量は0.01~2ppmであり、β-ダマセノンの含有量は1~200ppbである。
当該濃縮飲料を希釈した後のその希釈飲料、および、容器詰め飲料において、2-メチル酪酸の含有量は1~30ppmであってもよく、5~20ppmであってもよい。また、当該濃縮飲料を希釈した後、その希釈飲料におけるオイゲノールの含有量は0.1~2ppmであってもよいし、0.2~1.5ppmであってもよい。また、当該濃縮飲料を希釈した後、その希釈飲料におけるβ-ダマセノンの含有量は2~100ppbであることが好ましく、5~100ppbであることがより好ましい。
本発明によって、飲用時に感じられる上記希釈飲料および容器詰め飲料の異臭を抑制することができる。ここで、本発明において対象とする異臭は、特に雑巾臭を指し、生乾き臭やムレ臭などとも表現される臭いである。
ここで、2-メチル酪酸は、天然にはアンゲリカ根油、ストロベリーなどの果実類、アルコール飲料などに広く存在する。また、オイゲノールは、天然にはクローブ油、シンナモン葉油の主成分であり、スパイシーな香気と焼くような味を有する。また、β-ダマセノンは、ブルガリアローズ油およびゼラニウム油から微量成分として発見されたものであり、ローズ様の特徴あるフローラル香を有する。
本発明の容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料において、2-メチル酪酸とオイゲノールは、飲料を温めた際に揮発しやすくなり、異臭として感知しやすくなるものと考えられる。また、飲料の嗜好性を向上させる(例えば、梅風味に関して特に好ましい風味)という観点から、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量は、本発明における所定値になるように、それぞれの化合物を当該濃縮飲料および飲料において、各成分を含む香料や、果汁やエキスその他の天然物由来原料を含有することによって調整してもよい。また一方で、容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料において、β-ダマセノンの含有量は、β-ダマセノンを含む香料や、はちみつ、果汁やエキスその他の天然物由来原料などを添加することによって調整してもよいし、本発明における所定値になるようにβ-ダマセノン自体を添加してもよい。本発明において、容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料中の2-メチル酪酸、オイゲノール、および、β-ダマセノンの含有量は、本実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の容器詰め濃縮飲料の飲用時の希釈倍率は特に限定されず、例えば、2倍~20倍のいずれかであってもよいし、3倍~10倍のいずれかであってもよいし、3倍~5倍のいずれかであってもよい。
したがって、本発明の容器詰め濃縮飲料における2-メチル酪酸、オイゲノール、および、β-ダマセノンの含有量は、上記希釈後のその希釈飲料における各成分の含有量を満たす限りにおいては特に限定されないが、例えば、当該濃縮飲料において、2-メチル酪酸の含有量が0.2~175ppmであってもよいし、2~150ppmであってもよく、オイゲノールの含有量が0.02~10ppmであってもよいし、0.4~7.5ppmであってもよく、β-ダマセノンの含有量は5~1000ppbであってもよいし、50~500ppbであってもよい。
容器詰め濃縮飲料を希釈するための液体は特に限定されず、例えば水であってもよいし、炭酸水であってもよいし、糖類や甘味料を含有する水や炭酸水であってもよいし、乳や乳製品を含む飲料であってもよい。
また、本発明の容器詰め濃縮飲料は、飲用時の希釈後の希釈飲料の温度が30℃以上、または、45℃以上、または、60℃以上である場合に、より高い異臭抑制効果を享受することができる。したがって、本発明の濃縮飲料が、例えば、80℃以上の水などで希釈されて飲用される場合に、その飲料の異臭抑制効果はより高くなる。飲用時の飲料の温度については、同様のことが、本発明の容器詰め飲料についても当てはまる。
また、本発明の容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料は、風味等を損なわない範囲で、必要に応じて果汁を含有してもよい。当該果汁は、ストレート果汁であってもよいし、濃縮果汁であってもよいし、透明果汁や混濁果汁であってもよい。本発明の濃縮飲料における果汁の含有量は、例えば5倍希釈時に果汁率が0.1~50質量%になるように設定してもよいし、1~10質量%になるように設定してもよい。同様に、本発明の容器詰め飲料は、果汁0.1~10質量%になるように設定してもよいし、1~10質量%になるように設定してもよい。本発明の濃縮飲料における「果汁の使用割合(含有量)」は、果実飲料等の表示に関する公正競争規約(令和元年6月28日施行)に従ってもよい。
当該果汁は、特に限定されないが、例えばウメの果汁や、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ、イチゴ、マンゴー等の果汁を含有してもよい。
本発明の容器詰め濃縮飲料においては、酸味料として通常使用される成分、例えば、リン酸や、クエン酸および乳酸等の有機酸の添加量を調整して、飲料全体の酸度(Ac(無水クエン酸))が、0.3~1.5質量%となるように設定されてもよく、0.5~1.2質量%となるように設定されてもよい。また、同様に、本発明の容器詰め飲料の酸度(Ac(無水クエン酸))を0.1~0.5質量%、または、0.2~0.4質量%に調整することによって、爽やかな酸味や後味をもたらすように設定してもよい。本発明において、容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料中の酸度(Ac(無水クエン酸))は、本実施例に記載の方法で計算した値とすることができる。
本発明に係る容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料の糖度は、ブリックス(BrixまたはBxとも表記する)値と同義とする。すなわち、本発明において糖度は、20℃における糖用屈折計の示度とし、例えば、商品名「デジタル屈折計Rx-5000」(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した固形分量とすることができる。容器詰め濃縮飲料の糖度は、特に限定されないが、例えば10~60(°Bx)であってもよいし、20~55(°Bx)であってもよい。また、本発明の容器詰め飲料の糖度は、例えば1~15(°Bx)であってもよいし、2~10(°Bx)であってもよい。
本発明に係る容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料の糖度は、公知の糖類や甘味料を使用することで上記の値に調整することができる。たとえば、ショ糖、ブドウ糖、グラニュー糖、果糖、乳糖、および麦芽糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖等の糖類;キシリトール、D-ソルビトール等の低甘味度甘味料;タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、およびサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料を単独で、または適宜2種類以上を組み合わせて調整してもよく、より具体的には、ショ糖や果糖ぶどう糖液糖等の糖類や、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテームなどの甘味料で調整してもよい。糖類や甘味料の種類を適宜選択することで、容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料に求められる自然な甘みや爽やかな酸味といった嗜好性を高めてもよい。
また、本発明に係る容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料は、pHが、例えば3.0~4.2であってもよく、3.0~3.8であってもよい。
本発明に用いる水は特に限定されず、例えば、純水、蒸留水、イオン交換水などを用いることができる。
また、本発明に係る容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、一般的に使用されうる、上述していない甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物(例えば、緑茶抽出物、紅茶抽出物など。)、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を含有させてもよい。本発明の容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、均質化処理や殺菌処理を加えて行なうことができる。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されず、常法に従うことができる。
殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。
殺菌処理後の本発明の容器詰め濃縮飲料および容器詰め飲料を容器に充填する方法としては、例えば、飲料を容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、または容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行うことができる。
本発明の濃縮飲料および飲料を充填する容器は特に制限されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、PE(ポリエチレン)容器、PP(ポリプロピレン)容器、ガラス瓶、アルミ缶、スチール缶、紙容器、アルミパウチ、チルドカップなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更させてもよい。
各成分の含有値の分析値または計算値を得るための方法、および官能評価方法については、以下の通りとした。
1 香気成分
飲料サンプル中の2-メチル酪酸(ppm)、オイゲノールの濃度(ppm)およびβ-ダマセノンの濃度(ppb)について、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法により、GC/MS測定に供し、以下に示す条件で測定できる。
装置:GC:Agilent Technologies社製 7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977B MSD
HS:Gerstel社製MPS,
TUBE:Tenax TA、CarbopackB/X
カラム:DB-WAX UI 0.25mm×30m×0.25μm
定量イオン:2-メチル酪酸 m/z=74
オイゲノール m/z=164
β-ダマセノン m/z=121
温度条件:40℃(2分)→8℃/分→240℃(10分)
キャリアガス流量:He 1ml/分
注入法:スプリットレス
イオン源温度:230℃
2 酸度(Ac(無水クエン酸))(質量%(w/w%))
飲料サンプル全体の酸度(Ac(無水クエン酸))は、フェノールフタレイン指示薬と水酸化ナトリウムとを用いて、以下の手順で滴定することにより求めた。
(1)200mL三角フラスコに対して5~15gの飲料を正確に秤量し、水を用いて50mL程度まで希釈する。
(2)希釈した前記飲料に対して1%フェノールフタレイン指示薬を数滴加えて撹拌する。
(3)三角フラスコ内の希釈飲料溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら、25mL容ビューレットに入れた0.1Mの水酸化ナトリウムを前記飲料溶液に滴下し、滴定試験を実施する。この滴定試験は、三角フラスコ内の飲料溶液の色が、30秒間赤色を持続した点を終点とする。
(4)酸度(Ac(無水クエン酸))(%)の値を、滴定試験の結果に基づき次式によって算出する。
酸度(%)=A×f×(100/W)×0.0064 式(1)
[式(1)において、Aは、0.1M水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)を、fは、0.1M 水酸化ナトリウム溶液の力価を、Wは、サンプルの質量(g)を示す。また、式(1)において乗算している「0.0064」という値は、1mLの0.1M水酸化ナトリウム溶液に相当する無水クエン酸の質量(g)を指す。]
なお、前記滴定試験においては、フェノールフタレイン指示薬に代えて、水素イオン濃度計を用いて実施してもよい。この場合、滴定試験の終点は、三角フラスコ内の飲料溶液のpHが8.1になった時とする。
3 pH
pHは、pHメーター計で、測定した。
4 糖度(Bx°)
糖度は、20℃のサンプルに対して、商品名「デジタル屈折計Rx-5000」(アタゴ社製)を用いて、測定した。
5 官能評価方法
官能評価は、専門パネリストによって、各実験系の「対照」を基準点である「4」とした分量評定法を用いて行われた。評価項目は、異臭(雑巾臭。生乾き臭やムレ臭ともいう。)とし、4段階で評価し、その評点を平均化し、平均点が3.5点以下を、異臭抑制効果ありとして判断した。なお、各パネリストの評点にばらつきはあまりなかった。官能評価基準と評点は、下記表1に示したものに従った。
Figure 2023035494000001
[対照サンプル1]
グラニュー糖(ショ糖)、果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、梅透明濃縮果汁を所定量配合して、対照サンプル1(濃縮飲料のベース)を作製した。
当該対照サンプル1の実測特性値は、糖度(Bx°)が50.21であり、酸度が0.9584質量%であり、pHが3.40であった。
[実施例1~5と比較例1]
上記対照サンプル1に、2-メチル酪酸とオイゲノールを添加した濃縮飲料であって、5倍希釈した場合に、梅透明果汁含有量が果汁率1質量%になり、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量がそれぞれ14.14ppmと0.28ppmになるように設定した濃縮飲料を調製し、この濃縮飲料を純水で5倍希釈して得られた希釈飲料を比較例1とした。比較例1の実測特性値は、糖度(Bx°)が11.81であり、酸度が0.2338質量%であり、pHが3.56であった。
そして、実施例1は、5倍希釈後に比較例1と同じ量の2-メチル酪酸とオイゲノール、および、表2に示す量のβ-ダマセノンを含むように、対照サンプル1に2-メチル酪酸、オイゲノール、およびβ-ダマセノンを添加して濃縮飲料を調製し、この濃縮飲料を純水で5倍希釈して得られた希釈飲料とした。実施例2~5は、実施例1と同様にして作製した。
各例のサンプルの官能評価時の液温は、78.4℃だった。表2に示す異臭評価は、比較例1を対照として、8名のパネリストが行った。
Figure 2023035494000002
[実施例6~10と比較例2]
実施例6~10と比較例2は、官能評価時の液温を7.8℃にした以外は、実施例1~5と比較例1とそれぞれ同じとした。表3に示す異臭評価は、比較例2を対照として、6名のパネリストが行った。なお、実施例6~10において、比較例2と比較して風味の劣化は確認されなかった。
Figure 2023035494000003
表2に示されるように、β-ダマセノンによってマスキングする前に検知されていた異臭について、β-ダマセノンの含有量が増えるごとに異臭評価点が減少していく傾向が見られたので、β-ダマセノンの添加による異臭マスキングの効果が見られた。一方で、表3に示されるように、飲用温度が低い場合には、異臭自体が検知されなかった。
[対照サンプル2]
対照サンプル1において、梅透明濃縮果汁を配合させないこと以外は、同じようにして対照サンプル2を作製した。
[実施例11~15と比較例3]
上記対照サンプル2に、2-メチル酪酸とオイゲノールを添加した濃縮飲料であって、5倍希釈した場合に、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量が14.14ppmと0.28ppmになるように設定した濃縮飲料を調製し、この濃縮飲料を純水で5倍希釈して得られた希釈飲料を比較例3とした。
そして、実施例11は、5倍希釈後に比較例3と同じ量の2-メチル酪酸とオイゲノール、および、表3に示す量のβ-ダマセノンを含むように、対照サンプル2に2-メチル酪酸、オイゲノール、およびβ-ダマセノンを添加して濃縮飲料を調製し、この濃縮飲料を純水で5倍希釈して得られた希釈飲料とした。実施例12~15は、実施例11と同様にして作製した。
各例のサンプルの官能評価時の液温は、73.3℃だった。表4に示す異臭評価は、比較例3を対照として、6名のパネリストが行った。
Figure 2023035494000004
表4に示されるように、果汁を含まない場合であっても、β-ダマセノンによってマスキングする前に検知されていた異臭について、β-ダマセノンの含有量が増えるごとに異臭評価点が減少していく傾向が見られたので、β-ダマセノンの添加による異臭マスキングの効果が見られた。
[実施例16と比較例4]
比較例4は、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量がそれぞれ2.36ppmと1.18ppmになるように設定した以外は、比較例1と同じようにして調製した。実施例16では、表5に示すβ-ダマセノンの含有量となるようにβ-ダマセノンを添加した以外は、比較例4と同様に調製した。表5に示す異臭評価は、比較例4を対照として、4名のパネリストが行った。
Figure 2023035494000005
[実施例17~18と比較例5]
比較例5は、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量がそれぞれ23.56ppmと0.47ppmになるように設定した以外は、比較例1と同じようにして調製した。実施例17および18では、表6に示すβ-ダマセノンの含有量となるように、β-ダマセノンを添加した以外は、比較例5と同様に調製した。表6に示す異臭評価は、比較例5を対照として、4名のパネリストが行った。
Figure 2023035494000006
[実施例19と比較例6~7]
比較例6は、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量をそれぞれ28.27ppmと0.57ppmに設定した以外は、比較例1と同じようにして調製した。実施例19および比較例7では、表7に示すβ-ダマセノンの含有量となるように、比較例6にβ-ダマセノンを添加した。表7に示す異臭評価は、比較例6を対照として、4名のパネリストが行った。ここで、比較例7は、薬品臭が強くなり、飲料としての風味が悪くなることが確認されたため、異臭抑制効果を評価しなかった。
Figure 2023035494000007
表5~表7から、2-メチル酪酸とオイゲノールの含有量のバランスやそれぞれの量を変えても、感じられた異臭に対するβ-ダマセノンによるマスキング効果が確認された。一方で、β-ダマセノンを過剰に添加した場合には、飲料の風味が却って悪くなることも確認された。

Claims (4)

  1. 2-メチル酪酸、オイゲノール、および、β-ダマセノンを含有し、希釈して飲用するための容器詰め濃縮飲料であって、
    希釈後の飲料は、
    2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、
    オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、
    β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め濃縮飲料。
  2. 2-メチル酪酸の含有量が0.1~35ppmであり、
    オイゲノールの含有量が0.01~2ppmであり、
    β-ダマセノンの含有量が1~200ppbである、容器詰め飲料。
  3. 果汁を含有する、請求項1または2に記載の飲料。
  4. 果汁が梅果汁を含む、請求項3に記載の飲料。
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