JP6956633B2 - 軟質コンタクトレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、装用時に角膜への吸着を抑止することを可能にするとともに、装用感に優れる軟質コンタクトレンズおよび軟質コンタクトレンズの角膜への吸着抑制方法に関する。
コンタクトレンズは、軟質(ソフト)コンタクトレンズ(SCL)と硬質(ハード)コンタクトレンズ(HCL)に大別されるが、装用感の高さから軟質コンタクトレンズが選択される場合が多い。
装用感とは、コンタクトレンズを装用した際の異物感の低さ、即ち、快適さであり、角膜上での挙動やデザインにより変動する。コンタクトレンズを装用した場合、コンタクトレンズのベースカーブ面と角膜との間に涙液が存在する。涙液は、特に軟質コンタクトレンズの装用時において、軟質コンタクトレンズ自体の汚染を抑止すると共に、角膜への酸素供給を補助するために重要な役割を有しており、涙液交換(流れ)が妨げられることにより、軟質コンタクトレンズの汚染を原因とする角膜損傷や、酸素不足など医学上の問題を引き起こすことが考えられる。
コンタクトレンズのベースカーブ面と角膜との間の涙液の交換は、瞬目により角膜上でコンタクトレンズが動くことにより行われるが、角膜上でのコンタクトレンズの動きは、装用感に影響を及ぼすものであり、動きが大きすぎると異物感による装用感の低下を引き起こす。そのため、装用時に不快さを感じることのない安定性は有するものの、涙液の交換は好適に行うことのできるコンタクトレンズが求められていた。
コンタクトレンズと眼球との間で溜める涙液の量を増やして、十分に眼球表面を潤すと共に、安定して装用することを目的として、内側表面の外周縁に沿って、眼球との間に涙液を溜める環状の隙間を有するコンタクトレンズが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、十分な涙の流れ、及びそれによる涙の入れ換えを行い、正常な眼の新陳代謝への妨げを減少させることを目的として、中心に設けられた単焦点光学特性を提供する光学ゾーンと、前記光学ゾーンを囲む周辺ゾーンとを有し、前記周辺ゾーンの後面(角膜と接する側)に三次元パターンが設けられるコンタクトレンズが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
一方で、軟質コンタクトレンズは装用感に優れるものの酸素透過性が低いという課題を有していることから、近年、角膜への酸素透過性と装用感に優れた、シリコーン化合物を構成成分に有する、低含水性、或いは、非含水性の軟質コンタクトレンズが開発されている(例えば、特許文献3参照)。
実開平07−043698号公報 特表2001−516462号公報 国際公開第2011/102356号
特許文献3にかかる軟質コンタクトレンズは酸素透過性に優れるものの、含水性の軟質コンタクトレンズに比べれば角膜へ吸着しやすい傾向があるため、これに対する対策が必要となる。
軟質コンタクトレンズが角膜へ吸着するのを低減する手段として、ベースカーブを大きく設計する方法が用いられている。ところが、軟質コンタクトレンズの直径は眼の構造上、設計範囲が制限されるために、単一の曲率半径でベースカーブを大きく設計した場合、一般的に用いられる軟質コンタクトレンズと同程度の直径におけるサジタルデプス(レンズの深さ)は小さい値となる。サジタルデプスが小さいと、軟質コンタクトレンズは装用中における角膜上での位置の安定性が低下し、いわゆるルーズフィッティングとなるため、装用感の低下を引き起こすと共に、視力の補正効果が低下するため好ましくない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シリコーン化合物を構成成分とする軟質コンタクトレンズにおいて、装用時の角膜への吸着の抑止を可能とすると共に、良好なフィッティング性を有する軟質コンタクトレンズおよび軟質コンタクトレンズの角膜への吸着抑制方法を提供するものである。
低含水性、或いは、非含水性の軟質コンタクトレンズについて、レンズの中心部の曲率半径が大きくなるように設計した場合、角膜への吸着は抑止されるものの、サジタルデプスが小さくなるため、角膜上での安定性が悪く装用感とフィッティング性は低下する。
そこで、本発明者らは、低含水性、または、非含水性の軟質コンタクトレンズについて、角膜への吸着を抑止することのできる曲率半径と、高い装用感とフィッティング性が得られるサジタルデプスとの、双方を組み合わせたデザインについて鋭意検討する中で、本発明を完成するに至った。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、非含水性或いは、低含水性の軟質コンタクトレンズであって、中心に位置する円形の中心部と、前記中心部の外周側に位置する前記中心部と同軸中心の環状をなす中間部と、前記中間部の外周側に位置する前記中心部と同軸中心の環状をなす外縁部と、を備え、前記中心部、前記中間部、および前記外縁部の曲率半径はそれぞれ異なるものであって、前記コンタクトレンズのサジタルデプスは、前記外縁部の曲率半径±0.2mmの範囲でコンタクトレンズ全体を形成した場合のサジタルデプスの範囲内であることを特徴とする。
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、上記発明において、前記中間部の曲率半径は、前記中心部および前記外縁部の曲率半径より小さいことを特徴とする。
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、上記発明において、前記中心部、前記中間部、前記外縁部の曲率半径は、下記式を満たすことを特徴とする。
中心部曲率半径>外縁部曲率半径>中間部曲率半径
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、上記発明において、前記外縁部の曲率半径は前記中心部の曲率半径に対し60〜97%であり、前記中間部の曲率半径は前記外縁部の曲率半径に対し60〜98%であることを特徴とする。
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、上記発明において、表面側から裏面側に貫通する少なくとも一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする。
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズは、上記発明において、前記貫通孔が前記中間部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明にかかる軟質コンタクトレンズの角膜への吸着抑制方法は、上記のいずれか一つに記載の軟質コンタクトレンズを使用することを特徴とする。
本発明の軟質コンタクトレンズおよび軟質コンタクトレンズの角膜への吸着抑制方法によれば、軟質コンタクトレンズの角膜への吸着が抑止されるため、角膜細胞の損傷を抑制することができる。また、本発明の軟質コンタクトレンズは、酸素透過性に優れるとともに、良好なフィッティング性を有するため、優れた視力補正効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる軟質コンタクトレンズを示す(a)断面図、(b)平面図である。 図2は、図1に示す軟質コンタクトレンズと、従来技術にかかる一律の曲率半径を有する軟質コンタクトレンズとを重ね合わせた断面図である。 図3は、図1に示す軟質コンタクトレンズと、従来技術にかかる一律の曲率半径を有する軟質コンタクトレンズとを重ね合わせた断面図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる軟質コンタクトレンズを装着した場合の(a)断面図、(b)平面図である。
以下、本発明の軟質コンタクトレンズの詳細について実施の形態に即して説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
図1に示すように、本発明のコンタクトレンズ10は、非含水性或いは、低含水性の軟質コンタクトレンズであって、中心に位置する円形の中心部1と、中心部1の外周側に位置する中心部1と同軸中心の環状をなす中間部2と、中間部2の外周側に位置する中心部1と同軸中心の環状をなす外縁部3と、を備える。コンタクトレンズ10の中心部1、中間部2、および外縁部3の曲率半径はそれぞれ異なるものであって、コンタクトレンズ10のサジタルデプスEが、外縁部3の曲率半径±0.2mmの範囲で、一律の曲率半径としたコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)の全体(図2および図3参照)を形成した場合に得られるサジタルデプスFがとりうる値の範囲内(F1〜F2)であることを特徴とする。
言い換えれば、曲率半径がそれぞれ異なる中心部1、中間部2および外縁部3をつなぎあわせ、かつ、コンタクトレンズ10のサジタルデプスの設計において、コンタクトレンズ10の外縁部3の曲率半径±0.2mmの範囲で、曲率半径を一律に形成したコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)を仮に設計し、そのサジタルデプスFのとりうる値の範囲(F1〜F2)を、コンタクトレンズ10のサジタルデプスEのとりうる値の範囲とすることにより、吸着抑止性とフィッティング性に優れるコンタクトレンズ10が得られることを見出した。
外縁部3の曲率半径がGの場合のサジタルデプスFについて述べる。半径Gの球面(球殻)を描く。その球面を平面で切り取って球冠(コンタクトレンズ10’)を得る。このとき球冠の切断面の円の直径(コンタクトレンズ10’の直径)がコンタクトレンズ10の直径と同じ値になるようにする。得られた球冠(コンタクトレンズ10’)のサジタルデプスがサジタルデプスFである。
なお、角膜矯正(オルソケラトロジー)用レンズとして、中心部と、外周部の曲率半径が異なるレンズが提案されている(例えば、特開2007−195818号公報等)。オルソケラトロジー用レンズは、中心部、すなわち、レンズの角膜と接する側の中心部の形状を扁平とし、屈折異常を軽減、または、除去するオルソケラトロジーに使用されるコンタクトレンズである。オルソケラトロジー用レンズを就寝中に装着することで角膜形状を矯正し、当該レンズを外した後も、一定期間裸眼視力を維持することができる。
特開2007−195818号公報に記載されるオルソケラトロジー用レンズは、曲率半径が平坦な中心部と、当該中心部と連結し、角膜の曲面よりも急峻な曲率半径である外周部とを一体に組み合わせた曲面を有する構成よりなる。オルソケラトロジー用レンズは、中心部の形状を扁平とし、該レンズを装着することにより角膜形状を矯正する。オルソケラトロジー用レンズは、レンズ形状によりレンズと角膜との吸着を抑制するものではないことから、上記サジタルデプスの詳細な設計について記載がなく、外周部に表面から裏面に貫通する導入孔を設けることで、レンズの角膜への吸着を防止している。しかし、硬質コンタクトレンズの場合は、瞼の圧力(眼瞼圧)によるコンタクトレンズの変形がほとんど起こらないので、眼瞼圧による涙液のポンピングはほとんど期待できない。一方、本発明にかかるコンタクトレンズは、軟質コンタクトレンズであるので、眼瞼圧でコンタクトレンズが変形することによる涙液のポンピングが期待できる。
本発明に係るコンタクトレンズ10は、非含水性或いは、低含水性の軟質コンタクトレンズであって、基材が、1分子あたり複数の重合性官能基を有し、数平均分子量が6000以上のポリシロキサン化合物である成分(A)を含む重合体材料からなり、中心部1、中間部2、および外縁部3の曲率半径をそれぞれ異なるものとし、コンタクトレンズ10のサジタルデプスの値Eを、外縁部3の曲率半径±0.2mmの範囲内で、一律の曲率半径としてコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)全体を形成した場合に得られるサジタルデプスFの範囲内(F1〜F2)とすることにより、視力補正効果を奏しながら、角膜への吸着の抑止性とフィッティング性の双方を向上するものであり、上記したオルソケラトロジー用コンタクトレンズとは、思想が異なる発明である。
本発明の軟質コンタクトレンズは、角膜矯正を目的としない視力補正用コンタクトレンズであることが好ましい。本発明の軟質コンタクトレンズは、装用時の角膜への吸着が抑止されるため視力補正用コンタクトレンズとして非常に好適である。この、角膜への吸着が抑止される効果は、一つにはレンズの変形・回復に伴う涙液のポンピング効果によって達成される。
本発明の軟質コンタクトレンズは、角膜矯正を目的としないことが好ましい。本発明の軟質コンタクトレンズは、非含水性或いは、低含水性の軟質コンタクトレンズであるため、通常は硬質コンタクトレンズが用いられる角膜矯正用としては大きな効果が期待できるものではない。また、本発明の軟質コンタクトレンズは、レンズの変形・回復に伴う涙液のポンピング効果によって角膜への吸着を抑止するものであり、レンズの変形・回復がほとんど起こらない就寝時に装用するオルソケラトロジー用コンタクトレンズとは、思想が異なる発明である。
本発明のコンタクトレンズ10の外径Aは、装用に支障がなければ良く、特に限定はされないが、眼球上への挿入性、装用性、および、強膜表面の被覆性を考慮し、13〜15mmが好ましく、より好ましくは13.5〜14.5mmであることが好ましい。
中心部1の内径Bは、視力の補正性と、コンタクトレンズ10を装用時の角膜への吸着抑止性を考慮し、5〜14mmが好ましく、6〜11mmがより好ましい。また、中心部1のベースカーブ4は、角膜への吸着抑止性の観点から、曲率半径Xを8.5〜15mmとすることが好ましく、8.5〜13mmで設計されることがより好ましい。曲率半径Xの好ましい範囲は、8.7〜12.8mmが好ましく、9.0〜12.5mmがさらに好ましく、9.0〜12.0mmが最も好ましい。これらの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
外縁部3の幅Dは、コンタクトレンズ10の外縁を基準として、0.1〜5mmが好ましく、0.1〜2mmがより好ましい。この範囲で外縁部3を設計することで、角膜吸着の抑止効果を損なうことなくフィッティング性の向上の効果が得られる。また、外縁部3のベースカーブ6は、強膜での安定性の観点から、曲率半径Zを8.0〜9.5mmとすることが好ましく、8.3〜9.3mmで設計されることがより好ましい。また、外縁部3の曲率半径Zは、中心部1のベースカーブ4の曲率半径Xの値に対し、60〜97%となるように設計することで、涙液がコンタクトレンズ10と角膜との間に取り込みやすくなり、角膜への吸着抑止に対し好適に作用する。より好ましくは、曲率半径Zは、曲率半径Xの65〜95%であり、さらに好ましくは67〜92%であり、最も好ましくは70〜90%である。これらの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
中間部2の幅Cは、外縁部3の内縁を基準として、0.5〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。また、中間部2のベースカーブ5は、曲率半径Yが、中心部1の曲率半径X、および外縁部3の曲率半径Zより小さい値となるように形成することが好ましい。この範囲で設計することで、角膜への吸着抑止に対し好適に作用する。中間部2の曲率半径Yの値は、外縁部3の曲率半径Zの値に対し、60〜98%となるように設計することで、角膜への吸着抑止に対し好適に作用する。より好ましくは、曲率半径Yは、曲率半径Zの65〜95%であり、さらに好ましくは67〜92%であり、最も好ましくは70〜90%である。これらの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
中間部2の曲率半径Y、外縁部3の曲率半径Zを前記の範囲で形成することで、コンタクトレンズ10のサジタルデプスEは、2.13〜6.09mmで形成されることとなり、コンタクトレンズ10の装用時における角膜上での安定性が向上し、良好なフィッティングが得られる。
また、コンタクトレンズ10のサジタルデプスEの値を、全体を一律の曲率半径としたコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)、すなわち、曲率半径を外縁部3のベースカーブ6の曲率半径Z±0.2mmの範囲で、一定の値として一律に設計したコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)のサジタルデプスFがとりうる値の範囲内(F1〜F2)となる様に設計することで、角膜への吸着抑止に対し好適に作用する。図2および図3は、図1に示す本発明のコンタクトレンズ10と、従来技術にかかる一律の曲率半径を有するコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)とを重ね合わせた断面図であり、図2は全部分の曲率半径が外縁部3のベースカーブ6の曲率半径Z+0.2mmのコンタクトレンズ10’−1、図3は全部分の曲率半径が外縁部3のベースカーブ6の曲率半径Z−0.2mmのコンタクトレンズ10’−2と重ね合わせて示している。コンタクトレンズ10のサジタルデプスEの値を、曲率半径Z+0.2mmのコンタクトレンズ10’−1のサジタルデプスF1〜曲率半径Z−0.2mmのコンタクトレンズ10’−2のサジタルデプスF2の範囲内となる様に設計することで、角膜への吸着抑止に対し好適に作用する。
図4は、本発明の実施の形態にかかるコンタクトレンズ10を装着した場合の(a)断面図、(b)平面図である。コンタクトレンズ10を眼球7上に装着すると、曲率半径が小さい中間部2と中心部1の外縁に涙液溜り8が形成され、この涙液溜り8に従来技術のコンタクトレンズより多量の涙液が保持されることにより、コンタクトレンズ10の眼球7への吸着が抑制される。また、コンタクトレンズ10は、のちに詳細に説明するように、シリコーン化合物を構成成分とする低含水性、または、非含水性の軟質コンタクトレンズであるため、瞬目により、コンタクトレンズ10は眼球7の形状に沿うように変形し、元の形状に復活する際、涙液交換がなされることにより、コンタクトレンズ10の汚染および吸着を抑止できると推測される。
なお、コンタクトレンズ10の中心部1、中間部2、外縁部3の曲率半径X、Y、Zは、中心部1の曲率半径X>外縁部3の曲率半径Z>中間部2の曲率半径Yを満たすものであることが好ましいが、中間部2の曲率半径Yが最も小さければよく、外縁部3の曲率半径Zが中心部1の曲率半径Xより大きくてもよい。
また、本発明のコンタクトレンズ10は、中心部1、中間部2、および外縁部3の曲率半径がそれぞれ異なるものであって、コンタクトレンズ10のサジタルデプスが、外縁部3の曲率半径±0.2mmの範囲で曲率半径が一律のコンタクトレンズ10’(10’−1、10’−2)全体を形成した場合のサジタルデプスFの範囲内(F1〜F2)であれば、外縁部3の外周側にベベルが形成されていてもよい。この場合において、ベベルの幅は、コンタクトレンズの形成に通常用いられる範囲であれば、特に限定されない。
本発明の軟質コンタクトレンズは、コンタクトレンズ10の表面から裏面に貫通する孔(貫通孔)が設けられていることが好ましい。貫通孔が設けられることで、涙液がレンズの厚み方向に移動できるようになり、涙液交換がしやすくなるため、コンタクトレンズ10の角膜への吸着がより起こりにくくなる。
貫通孔は、涙液交換および涙液保持の観点から、中間部2に設けられていることが好ましい。本発明の軟質コンタクトレンズを装用しているときには、中間部と角膜の間に涙液が特に多く存在する。閉瞼時には眼瞼圧によって軟質コンタクトレンズが変形して涙液が押し出され、開瞼時には眼瞼圧が解放されて軟質コンタクトレンズが元の形状に戻ることで再び涙液がコンタクトレンズと角膜の間に流入する(涙液のポンピング)。涙液が特に多く存在する中間部に貫通孔があると、涙液が貫通孔を通って容易に出入りできるので、前記ポンピングが極めてスムーズに行われるために好ましい。
貫通孔の数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が最も好ましい。また貫通孔の数は、120以下が好ましく、60以下がより好ましく、24以下がさらに好ましく、12以下が最も好ましい。貫通孔の数が少なすぎると貫通孔の効果が十分に発現しない場合があり好ましくない。貫通孔の数が多すぎるとコンタクトレンズの強度や、装用感に悪影響を及ぼすことが考えられるため好ましくない。
貫通孔を複数設ける場合、貫通孔を等間隔に設けることが好ましい。各貫通孔はコンタクトレンズ10の中心を中心とする(仮想)円の円周上に等間隔で設けられることがより好ましい。貫通孔が設けられる仮想円の円周は、中間部2に位置することが好ましい。また、貫通孔は、1つの仮想円の円周上への配置に限らず、2以上の半径が異なる仮想円の円周上に配置してもよい。仮想円の数は10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、2以下が最も好ましい。仮想円の数が多すぎるとコンタクトレンズ10の強度や、装用感に悪影響を及ぼすことが考えられるため好ましくない。
貫通孔の形状(貫通孔の孔軸と直交する断面)は任意に設定できるが、形成コストの観点や、涙液交換の効率の観点からは円形または略円形が好ましい。
貫通孔の断面の周上の任意の2点間の距離のうち最も大きい値を、貫通孔の径とする。貫通孔の径は300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。貫通孔の径は0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。貫通孔の径が小さすぎると貫通孔の効果が十分に発現しない場合があり好ましくない。貫通孔の径が大きすぎるとコンタクトレンズ10の強度や、装用感に悪影響を及ぼすことが考えられるため好ましくない。
貫通孔を形成する方法は、ウォータジェット法、ドリル法、パンチング法、レーザー法、電子線照射法、および中性子線照射法などが適用できるが、加工精度や加工コストの観点ではパンチング法とレーザー法が好ましい。
本発明のコンタクトレンズ10の基材は、非含水性或いは、低含水性の軟質基材である。低含水性とは含水率が30質量%以下であることを意味する。非含水性とは含水率が0質量%であることを意味する。また、軟質とは引張弾性率が10MPa以下であることを意味する。
本明細書において、含水率は、例えば、コンタクトレンズ形状の試験片の乾燥状態での質量と、リン酸緩衝液による湿潤状態の試験片の表面水分を拭き取った際の質量(湿潤状態での質量)とから、下記式により与えられる。
含水率(%)={〔(湿潤状態での質量)−(乾燥状態での質量)〕/(湿潤状態での質量)}×100
本明細書において、湿潤状態とは、試験片を室温(25℃)の純水あるいはリン酸緩衝液中に24時間以上浸漬した状態を意味する。湿潤状態での物性値の測定は、試験片を純水中あるいはリン酸緩衝液中から取り出した後、可及的速やかに実施される。
また、本明細書において、乾燥状態とは、湿潤状態の試験片を40℃で2時間真空乾燥した状態を意味する。該真空乾燥における真空度は2hPa以下とする。乾燥状態での物性値の測定は、上記真空乾燥の後、可及的速やかに実施される。
コンタクトレンズ10は、低含水性或いは、非含水性である場合、装用者の眼の乾燥感が小さく装用感に優れるという特徴を有する。また、細菌の繁殖リスクが小さいという利点を有する。かかる観点からはコンタクトレンズ10の含水率は低い方が好ましいが、低含水性である場合25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、2質量%以下、1質量%以下のいずれも好ましく、1質量%未満が最も好ましい。コンタクトレンズ10は、含水率が0質量%である場合、非含水性である。含水率が高すぎると、コンタクトレンズ10の装用者の眼の乾燥感が大きくなったり、細菌の繁殖リスクが高まったりなどするために好ましくない。
コンタクトレンズ10の引張弾性率は、0.01〜5MPaが好ましく、0.1〜3MPaがより好ましく、0.1〜2MPaがさらに好ましく、0.1〜1MPaがよりいっそう好ましく、0.1〜0.6MPaが最も好ましい。引張弾性率が小さすぎると、軟らかすぎてハンドリングが難しくなる傾向がある。引張弾性率が大きすぎると、硬すぎて装用感が悪くなる傾向があり、また、レンズの変形・回復に伴う涙液のポンピング効果が小さいため、吸着の抑止性が低減する。引張弾性率が2MPa以下であると良好な装用感が得られ、1MPa以下であるとさらに良好な装用感が得られるので好ましい。引張弾性率は、リン酸緩衝液による湿潤状態の試験片にて測定される。
コンタクトレンズ10の引張伸度(破断伸度)は、100%〜1500%が好ましく、200%〜1000%がより好ましい。引張伸度が小さいと、コンタクトレンズ10が破れやすくなるので好ましくない。引張伸度が大きすぎる場合には、コンタクトレンズ10が変形しやすくなる傾向があり好ましくない。引張伸度は、リン酸緩衝液による湿潤状態の試験片にて測定される。
本発明のコンタクトレンズ10は、基材表面が改質されていることが好ましい。改質方法は特段限定されず、公知の又は今後開発される任意の適切な材質のものを用いることができる。具体的には、反対の荷電を有する2つのポリマー材料を1層ずつ交互にコーティングする方法であるLbL法(Layer by Layer法)、プラズマ処理法、γ線照射法などを挙げることができる。
本発明のコンタクトレンズ10の静止接触角は、100°以下が好ましく、90°以下がより好ましく、80°以下がさらに好ましい。装用者の角膜への貼り付きを防止する観点からは、静止接触角はより低いことが好ましく、70゜以下が好ましく、65゜以下がより好ましく、60゜以下がさらに好ましく、55゜以下が一層好ましく、50゜以下が最も好ましい。静止接触角は、リン酸緩衝液中からコンタクトレンズ10を取り出し窒素を5秒間吹きかけた部位にて測定される。
また、装用者の角膜への貼り付きを防止する観点からは、コンタクトレンズ10の表面の液膜保持時間が長いことが好ましい。本明細書において、液膜保持時間とは、リン酸緩衝液に浸漬したコンタクトレンズ10を液から引き上げ、直径方向が鉛直になるように空中で保持した際に、コンタクトレンズ10表面の液膜が切れずに保持される時間である。液膜保持時間は、5秒以上が好ましく、10秒以上がさらに好ましく、20秒以上が最も好ましい。本明細書において、直径とは、コンタクトレンズ10の縁部が構成する円の直径である。
本発明のコンタクトレンズ10は、コンタクトレンズ10の装用者の眼への大気からの酸素供給の観点から、高い酸素透過性を有することが好ましい。酸素透過係数[×10−11(cm/sec)mLO/(mL・hPa)]は50〜2000が好ましく、100〜1500がより好ましく、150〜1000がさらに好ましく、200〜700が最も好ましい。酸素透過性を大きくしすぎると機械物性などの他の物性に悪影響が出る場合があり好ましくない。酸素透過係数は、乾燥状態の試験片にて測定される。
本発明のコンタクトレンズ10は、高い酸素透過性を有するために、基材にケイ素原子を5質量%以上含むことが好ましい。ケイ素原子の含有量(質量%)は、乾燥状態の基材質量を基準(100質量%)として算出される。基材のケイ素原子含有量は5質量%〜36質量%が好ましく、7質量%〜30質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましく、12質量%〜26質量%が最も好ましい。ケイ素原子の含有量が大きすぎる場合は引張弾性率が大きくなる場合があり好ましくない。
基材におけるケイ素原子の含有量は以下の方法で測定することができる。十分乾燥した基材を白金るつぼに秤取し、硫酸を加えてホットプレートおよびバーナーで加熱灰化する。灰化物を炭酸ナトリウムで融解し、水を加えて加熱溶解した後、硝酸を加え水で定容する。この溶液について、ICP発光分光分析法によりケイ素原子を測定し、基材中の含有量を求める。
本発明のコンタクトレンズ10の基材は、1分子あたり複数の重合性官能基を有し、数平均分子量が6000以上のポリシロキサン化合物である成分Aの重合体、または、上記成分Aおよび重合性官能基を有する化合物であって、成分Aとは異なる化合物との共重合体を主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とは乾燥状態の基材質量を基準(100質量%)として50質量%以上含まれる成分であることを意味する。本明細書において、ポリシロキサン化合物とはSi−O−Si−O−Siで表される結合を有する化合物である。
成分Aの数平均分子量は6000以上であることが好ましい。成分Aの数平均分子量がこの範囲にあることで、柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた低含水性のコンタクトレンズ10を得ることができる。成分Aのポリシロキサン化合物の数平均分子量は、耐折り曲げ性などの機械物性により優れた低含水性のコンタクトレンズ10が得られることから、8000以上が好ましい。成分Aの数平均分子量は8000〜100000の範囲にあることが好ましく、9000〜70000の範囲にあることがより好ましく、10000〜50000の範囲にあることが一層好ましい。成分Aの数平均分子量が小さすぎる場合には耐折り曲げ性などの機械物性が低くなる傾向があり、特に6000未満では耐折り曲げ性が低くなる。成分Aの数平均分子量が大きすぎる場合には、柔軟性や透明性が低下する傾向があり好ましくない。
本発明のコンタクトレンズ10は、光学製品であるので、透明性が高いことが好ましい。透明性の基準としては、目視した際に透明で濁りがないことが好ましい。さらにコンタクトレンズ10は、レンズ投影機で観察した場合、濁りがほとんど、または、全く観察されないことが好ましく、濁りが全く観察されないことが最も好ましい。
成分Aの分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値)は、6以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましく、1.5以下が最も好ましい。成分Aの分散度が小さい場合、他の成分との相溶性が向上し、得られるレンズの透明性が向上する、得られるレンズに含まれる抽出可能な成分が減る、レンズ成型に伴う収縮率が小さくなる、などの利点が生じる。レンズ成型に伴う収縮率は、下記式で評価することができる。
レンズ成型比=[レンズ直径]/[モールドの空隙部の直径]
レンズ成型比は、1に近いほど高品位のレンズを安定に製造することが容易となる。成型比は0.85〜2.0の範囲が好ましく、0.9〜1.5の範囲がより好ましく、0.91〜1.3の範囲が最も好ましい。
本発明において、成分Aの数平均分子量は、クロロホルムを溶媒として用いたゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。質量平均分子量および分散度(質量平均分子量を数平均分子量で除した値)も同様の方法で測定される。また、他の成分についても、同様の方法で数平均分子量、質量平均分子量、および分散度が測定される。本明細書においては、質量平均分子量をMw、数平均分子量をMnで表す場合がある。
成分Aは、複数の重合性官能基を有するポリシロキサン化合物である。成分Aの重合性官能基の数は、1分子あたり2個以上であればよいが、より柔軟(低弾性率)なコンタクトレンズが得られやすいという観点からは、1分子あたり2個が好ましい。特に分子鎖の両末端に重合性官能基を有する構造が好ましい。
成分Aの重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリロイルという語はメタクリロイルおよびアクリロイルの両方を表すものであり、(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートなどの語も同様である。
成分Aとしては、下記式(A1)の構造を有するものが好ましい。
Figure 0006956633
式(A1)中、XおよびXはそれぞれ独立に重合性官能基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基からなる群から選ばれる置換基を表す。LおよびLは、それぞれ独立に2価の基を表す。aはシロキサン単位の繰り返し数であり、1〜1500の整数を表す。各シロキサン単位の構造はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
およびXで表される重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものが好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。すなわち、成分Aは(メタ)アクリル系マクロモノマーであることが最も好ましい。
〜Rの好適な具体例は、水素;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基;トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。
およびLはそれぞれ独立に2価の基を表し、炭素数1〜20の2価の基が好ましい。中でも式(A1)の化合物が高純度で得られやすい利点を有することから、下記式(LE1)〜(LE12)で表される基が好ましく、中でも下記式(LE1)、(LE3)、(LE9)または(LE11)で表される基がより好ましく、下記式(LE1)または(LE3)で表される基がさらに好ましく、下記式(LE1)で表される基が最も好ましい。なお、下記式(LE1)〜(LE12)は、左側が重合性官能基XまたはXに結合する末端、右側がケイ素原子に結合する末端として描かれている。
Figure 0006956633
式(A1)中、aは、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、100〜1400がより好ましく、120〜950がより好ましく、130〜700がさらに好ましい。
本発明の成分Aは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。成分Aと共重合させる他の化合物としては、フルオロアルキル基を有する重合性モノマーである成分Bが好ましい。成分Bはフルオロアルキル基に起因する臨界表面張力の低下により、撥水撥油性の性質を持ち、これにより、眼用レンズ表面が涙液中のタンパク質や脂質などの成分によって汚染されることを抑える効果がある。また、成分Bは、柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた低含水性のコンタクトレンズを与える効果がある。成分Bのフルオロアルキル基の好適な具体例は、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。より好ましくは、炭素数2〜8のフルオロアルキル基、例えば、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、オクタフルオロペンチル基、およびドデカフルオロオクチル基であり、最も好ましくはトリフルオロエチル基である。
成分Bの重合性官能基としてはラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などであるが、これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
柔軟で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた低含水性軟質のコンタクトレンズが得られる効果が大きいことから、成分Bとして最も好ましいのは(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルである。かかる(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルの具体例としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、およびトリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレートが挙げられる。トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。最も好ましくはトリフルオロエチル(メタ)アクリレートである。本発明において、成分Bは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
共重合体中における成分Bの好ましい含有量は、成分A100質量部に対して、10〜500質量部、より好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは20〜200質量部である。成分Bの使用量が少なすぎる場合は、得られるコンタクトレンズ10に白濁が生じたり、耐折り曲げ性などの機械物性が不十分になったりする傾向がある。
また、基材に用いる共重合体としては、成分Aおよび成分Bに加えて、成分Aおよび成分Bとは異なる成分(以下成分C)をさらに共重合させたものを用いてもよい。
成分Cとしては、共重合体のガラス転移点を室温あるいは0℃以下に下げるものがよい。これらは凝集エネルギ−を低下させるので、共重合体にゴム弾性と柔らかさを与える効果がある。
成分Cの重合性官能基としてはラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などであるが、これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
成分Cとして、柔軟性や耐折り曲げ性などの機械的特性の改善のために好適な例は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびn−ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、より好ましくは、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレートである。これらの中でアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルはさらに好ましい。アルキル基の炭素数が大きすぎると得られるレンズの透明性が低下する場合があり好ましくない。
さらにまた、基材に用いる共重合体として、成分Aに加えて、成分Mをさらに共重合させたものを用いてもよい。成分Mは、「1分子あたり1個の重合性官能基、およびシロキサニル基を有する単官能モノマー」である。本明細書において、シロキサニル基とはSi−O−Si結合を有する基を意味する。
成分Mのシロキサニル基は直鎖状であることが好ましい。シロキサニル基が直鎖状であれば、得られる低含水性軟質のコンタクトレンズ10の形状回復性が向上する。ここで直鎖状とは、重合性基を有する基と結合したケイ素原子を起点とする、一本の線状に連なるSi−(O−Si)n−1−O−Si結合で示される構造を指す(ただし、nは2以上の整数を表す)。得られるコンタクトレンズ10が十分な形状回復性を得るためにはnは3以上の整数が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、6以上が最も好ましい。ここで、「シロキサニル基が直鎖状である」とはシロキサニル基が上記の直鎖状構造を有し、かつ直鎖状構造の条件を満たさないSi−O−Si結合を有さないことを意味する。
基材は、数平均分子量が300〜120000である成分Mを含む共重合体を主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とは乾燥状態の基材質量を基準(100質量%)として50質量%以上含まれる成分であることを意味する。
成分Mの数平均分子量は、300〜120000であることが好ましい。成分Mの数平均分子量がこの範囲にあることで、柔軟(低弾性率)で装用感に優れ、しかも耐折り曲げ性などの機械物性に優れた基材が得られる。成分Mの数平均分子量は、耐折り曲げ性などの機械物性により優れ、かつ形状回復性に優れた基材が得られることから、500以上がより好ましい。成分Mの数平均分子量は、1000〜25000の範囲にあることがより好ましく、5000〜15000の範囲にあることが一層好ましい。成分Mの数平均分子量が小さすぎる場合には耐折り曲げ性や形状回復性などの機械物性が低くなる傾向があり、特に500未満では耐折り曲げ性、および形状回復性が低くなることがある。成分Mの数平均分子量が大きすぎる場合には、柔軟性や透明性が低下する傾向があり好ましくない。
成分Mの重合性官能基としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものがより好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
成分Mとしては、下記式(ML1)の構造を有するものが好ましい。
Figure 0006956633
式(ML1)中、Xは重合性官能基を表す。R11〜R17はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、および炭素数1〜20のフルオロアルキル基から選ばれた置換基を表す。Lは2価の基を表す。cは、0〜700の整数を表す。
としては、ラジカル重合可能な官能基が好ましく、炭素炭素二重結合を有するものが好ましい。好ましい重合性官能基の例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、α−アルコキシメチルアクリロイル基、マレイン酸残基、フマル酸残基、イタコン酸残基、クロトン酸残基、イソクロトン酸残基、およびシトラコン酸残基などである。これらの中でも高い重合性を有することから(メタ)アクリロイル基が最も好ましい。
また、成分Mの重合性官能基は、良好な機械物性の低含水性軟質のコンタクトレンズ10が得られやすいことから、成分Aの重合性官能基と共重合可能であることがより好ましく、成分Mと成分Aが均一に共重合されることで良好な表面特性を有する低含水性軟質のコンタクトレンズ10が得られやすいことから、成分Aの重合性官能基と同一であることがさらに好ましい。
11〜R17の好適な具体例は、水素;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基、ノナフルオロペンチル基、ドデカフルオロヘプチル基、トリデカフルオロヘプチル基、ドデカフルオロオクチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘキサデカフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラデカフルオロオクチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、およびノナデカフルオロデシル基などの炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。これらの中で、低含水性軟質眼用レンズに良好な機械物性と高酸素透過性を与えるという観点からさらに好ましいのは、水素およびメチル基であり、最も好ましいのはメチル基である。
としては、炭素数1〜20の2価の基が好ましい。中でも式(ML1)の化合物が高純度で得られやすい利点を有することから、下記式(LE1)〜(LE12)で表される基が好ましく、中でも下記式(LE1)、(LE3)、(LE9)および(LE11)で表される基がより好ましく、下記式(LE1)および(LE3)で表される基がさらに好ましく、下記式(LE1)で表される基が最も好ましい。なお、下記式(LE1)〜(LE12)は、左側が重合性官能基Xに結合する末端、右側がケイ素原子に結合する末端として描かれている。
Figure 0006956633
式(ML1)中、cは、3以上が好ましく、10以上がより好ましく、10〜500がより好ましく、30〜300がより好ましく、50〜200がさらに好ましい。
本発明のコンタクトレンズ10の基材において、成分Mは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のコンタクトレンズ10の基材が適当な量の成分Mを含有することにより、架橋密度が減少してポリマーの自由度が大きくなり、適度に柔らかい低弾性率の基材を実現することができる。これに対し、成分Mの含有量が少なすぎると架橋密度が高くなり、基材が硬くなる。また、成分Mの含有量が多すぎると軟らかくなりすぎ、破れやすくなるため好ましくない。
また、本発明のコンタクトレンズ10の基材において、成分Mと成分Aとの質量比は、成分A100質量部に対して成分Mが5〜200質量部、より好ましくは7〜150質量部、最も好ましくは10〜100質量部、であることが好ましい。成分Mの含有量が、成分A100質量部に対し5質量部を下まわると、架橋密度が高くなり、基材が硬くなる。また、成分Mの含有量が、成分A100質量部に対し200質量部を超えると、軟らかくなりすぎ、破れやすくなるため好ましくない。
さらに、本発明のコンタクトレンズ10は、機械的性質、表面濡れ性、レンズの寸法安定性などを向上させるためには、所望に応じ、以下に述べるモノマーを基材に共重合させることができる。
機械的性質を向上させるためのモノマーとしては、例えばスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
表面濡れ性を向上させるためのモノマーとしては、例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、およびN−ビニル−N−メチルアセトアミド等が挙げられる。中でもN,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、およびN−ビニル−N−メチルアセトアミドなどのアミド基を含有するモノマーが好ましい。
コンタクトレンズ10の寸法安定性を向上させるためのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレート、アクリルメタクリレートおよびこれらのメタクリレート類に対応するアクリレート類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
成分Cは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
成分Cの好ましい使用量は、成分A100質量部に対して、0.001〜400質量部、より好ましくは0.01〜300質量部、さらに好ましくは0.01〜200質量部、最も好ましくは0.01〜30質量部である。成分Cの使用量が少なすぎる場合は成分Cに期待する効果が得られにくくなる。成分Cの使用量が多すぎる場合は得られるコンタクトレンズに白濁が生じたり耐折り曲げ性などの機械物性が不十分になったりする傾向がある。
本発明のコンタクトレンズ10は、基材に紫外線吸収剤、色素、着色剤、湿潤剤、スリップ剤、医薬および栄養補助成分、相溶化成分、抗菌成分、離型剤等の成分をさらに含んでいてもよい。上記した成分はいずれも、非反応性形態または共重合形態で含有され得る。
紫外線吸収剤を含む場合、コンタクトレンズ装用者の眼を有害紫外線から保護することができる。また、着色剤を含む場合、眼用レンズが着色されて、識別が容易になり、取扱時の利便性が向上する。
上記成分を共重合した場合、すなわち重合性基を有する紫外線吸収剤、重合性基を有する着色剤などを使用した場合は、該成分が基材に共重合されて固定化されるので溶出の可能性が小さくなるので好ましい。
基材は、紫外線吸収剤および着色剤から選ばれる成分、ならびに、これら以外の2種類以上の成分C(以下、成分Ck)を含むことが好ましい。その場合、成分Ckとしては、炭素数1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルから少なくとも1種類、上記表面濡れ性を向上させるためのモノマーから少なくとも1種類が選ばれることが好ましい。成分Ckを2種類以上使用することにより、紫外線吸収剤や着色剤との親和性が増し、透明な基材を得ることが容易になる。
紫外線吸収剤を用いる場合、その好ましい使用量は、成分A100質量部に対して、0.01〜20質量部、より好ましくは0.05〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜2質量部である。着色剤を用いる場合、その好ましい使用量は、成分A100質量部に対して、0.00001〜5質量部、より好ましくは0.0001〜1質量部、さらに好ましくは0.001〜0.5質量部である。紫外線吸収剤や着色剤の含有量が少なすぎる場合は、紫外線吸収効果や着色効果が得られにくくなる。逆に、多すぎる場合はこれらの成分を基材中に溶解せしめることが難しくなる。成分Ckの好ましい使用量は、それぞれ、成分A100質量部に対して、0.1〜100質量部、より好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは2〜50質量部である。成分Ckの使用量が少なすぎる場合は、紫外線吸収剤や着色剤との親和性が不足して透明な基材を得るのが難しくなる傾向がある。成分Ckの使用量が多すぎる場合も得られるコンタクトレンズ10に白濁が生じたり耐折り曲げ性などの機械物性が不十分になったりする傾向があり好ましくない。
また、本発明のコンタクトレンズ10の基材は、架橋度が2.0〜18.3の範囲であることが好ましい。架橋度は、下記式(Q1)で表される。
Figure 0006956633
式(Q1)において、Qnは1分子あたりn個の重合性基を有するモノマーの合計ミリモル量、Wnは1分子あたりn個の重合性基を有するモノマーの合計質量(kg)を表す。また、モノマーの分子量が分布を有する場合は、数平均分子量を用いてミリモル量を計算することとする。
本発明にかかる基材の架橋度が、2.0より小さくなると、柔らかすぎてハンドリングが難しくなり、18.3より大きくなると硬すぎて装用感が悪くなる傾向があるので好ましくない。架橋度のより好ましい範囲は3.5〜16.0であり、さらに好ましい範囲は8.0〜15.0であり、最も好ましい範囲は9.0〜14.0である。
本発明のコンタクトレンズ10の基材、すなわちレンズ形状の成型体を製造する方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、いったん、丸棒や板状の重合体を得て、これを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などを使用することができる。レンズを切削加工で得る場合には、低温での冷凍切削が好適である。
一例として、成分Aを含む原料組成物をモールド重合法により重合して眼用レンズを製造する方法について、次に説明する。まず、一定の形状を有する2枚のモールド部材間の空隙に原料組成物を充填する。モールド部材の材料としては、樹脂、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。光重合を行う場合は光学的に透明な素材が好ましいので、樹脂またはガラスが好ましく使用される。モールド部材の形状や原料組成物の性状によっては、眼用レンズに一定の厚みを与え、かつ、空隙に充填した原料組成物の液モレを防止するために、ガスケットを用いてもよい。空隙に原料組成物を充填したモールドは、続いて紫外線、可視光線またはこれらの組み合わせなどの活性光線を照射されるか、もしくはオーブンや液槽中などで加熱されることにより、充填した原料組成物を重合する。2通りの重合方法を併用する方法もありうる。すなわち、光重合の後に加熱重合したり、または加熱重合後に光重合することもできる。光重合の具体的態様は、例えば水銀ランプや紫外線ランプ(例えばFL15BL、(株)東芝製)のような紫外線を含む光を短時間(通常は1時間以下)照射する。熱重合を行う場合には、原料組成物を室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めて行く条件が、眼用レンズの光学的な均一性および品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
重合においては、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤または光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度において最適な分解特性を有するものが選択される。一般的には、10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合を行う場合の光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられる。重合開始剤の量は、重合混合物に対し最大で5質量%までが好ましい。
重合する際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能である。溶媒の例としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、テトラヒドロリナロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチルおよび安息香酸メチル等のエステル系溶媒;ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンおよびノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロへキサンおよびエチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;並びに石油系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本明細書において上記した数値範囲で規定される全ての各項目については、上記各項目における上限、好ましい上限およびより好ましい上限等のいずれかの数値と、下限、好ましい下限またはより好ましい下限等のいずれかの数値とを組み合わせたいずれの数値範囲であってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(参考例1)
成分Aとして両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、JNC、式(M2)の化合物、質量平均分子量29000、数平均分子量26000)(28質量部)、成分Mとして片末端にメタクリロイル基を有するポリシロキサン(FM0721、JNC、式(M4)の化合物、質量平均分子量6600、数平均分子量6300)(7質量部)、成分Bとしてトリフルオロエチルアクリレート(“ビスコート(登録商標)”3F、大阪有機化学工業(株))(57.9質量部)、成分Cとして2−エチルヘキシルアクリレート(7質量部)、成分Cとしてジメチルアミノエチルアクリレート(0.1質量部)、成分Cとして重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学(株))(0.5質量部)、成分Cとして着色剤(RB246、Arran Chemical Company)(0.01質量部)、重合開始剤“イルガキュア(登録商標)”819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、0.5質量部)およびt−アミルアルコール(10質量部)を混合し撹拌した。メンブレンフィルター(孔径:0.45μm)でろ過して不溶分を除きモノマー混合物を得た。透明樹脂(ベースカーブ側ポリプロピレン、フロントカーブ側ポリプロピレン)製の、表1に示す実施例1〜9、または比較例1〜4の形状となるフロントカーブ側のコンタクトレンズ用モールドにモノマー混合物を注入し、表1に示す実施例1〜9、または比較例1〜4の形状となるベースカーブ側のコンタクトレンズ用モールドをそれぞれ嵌め合せ、光照射(波長405nm(±5nm)、照度:0.8mW/cm、30分間)により重合した。重合後に、フロントカーブ側のモールドをピンセットを用い剥離した後、ベースカーブ側のモールドごと100質量%イソプロピルアルコール溶液中に浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。それによって得られた成型体を、100質量%イソプロピルアルコール溶液中に60℃、2時間浸漬して未重合モノマーを除去した。得られたコンタクトレンズ形状の成型体を新たな100質量%イソプロピルアルコール溶液で軽く洗浄し、室温(23℃)で一晩風乾した。
Figure 0006956633
(参考例2)
市販シリコーンゴム“SR−151”(登録商標)(タイガースポリマー(株))を、表1に示す比較例5~7のコンタクトレンズ形状にそれぞれ押出成形した。
(参考例3)
市販シリコーンゴム“SR−70”(登録商標)(タイガースポリマー(株))を、表1に示す比較例8のコンタクトレンズ形状に押出成形した。
(参考例4)
コーティング溶液の調製
<PAA溶液>
ポリアクリル酸(“Sokalan”(登録商標) PA 110S”、BASF、質量平均分子量250000)を純水に溶解して1.2質量%水溶液とした。
<PEI溶液>
ポリエチレンイミン(“PEI70000”(登録商標)、純正化学(株)製、質量平均分子量750000)を純水に溶解して1質量%水溶液とした。
<p(DMAA/AA)溶液>
N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸(“TEARS91”(登録商標)、大阪有機化学工業(株)製、質量平均分子量200000)を純水に溶解して0.1質量%水溶液とした。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
参考例1で得られた成型体を参考例4で調整したPAA溶液に室温(23℃)で30分間浸漬した後、ビーカー中の純水で軽く濯ぎ洗いした。成型体を新しい純水が入ったビーカーに移し、軽く濯ぎ洗いする操作を2回繰り返した。次いで、参考例4で調整したPEI溶液、p(DMAA/AA)溶液の順に同様の操作を繰り返した後、密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液中にコーティングした成型体を浸漬した状態で入れ、121℃、30分間オートクレーブ(LSX−300、(株)トミー精工)した。得られた成型体の引張弾性率は0.6MPa、伸度は1000%、含水率は0.2%であった。
(比較例5〜7)
参考例2で得られた成型体を参考例4で調整したPAA溶液に室温(23℃)で30分間浸漬した後、ビーカー中の純水で軽く濯ぎ洗いした。成型体を新しい純水が入ったビーカーに移し、軽く濯ぎ洗いする操作を2回繰り返した。次いで、参考例4で調整したPEI溶液、p(DMAA/AA)溶液の順に同様の操作を繰り返した後、密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液中にコーティングした成型体を浸漬した状態で入れ121℃、30分間オートクレーブ(LSX−300、(株)トミー精工)した。得られた成型体の引張弾性率は10.8MPa、伸度は480%、含水率は0.2%であった。
(比較例8)
参考例3で得られた成型体を参考例4で調整したPAA溶液に室温(23℃)で30分間浸漬した後、ビーカー中の純水で軽く濯ぎ洗いした。成型体を新しい純水が入ったビーカーに移し、軽く濯ぎ洗いする操作を2回繰り返した。次いで、参考例4で調整したPEI溶液、p(DMAA/AA)溶液の順に同様の操作を繰り返した後、密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液中にコーティングした成型体を浸漬した状態で入れ121℃、30分間オートクレーブ(LSX−300、(株)トミー精工)した。得られた成型体の引張弾性率は7.1MPa、伸度は290%、含水率は0.2%であった。
(実施例8)
参考例1で得られた成形体に、COレーザー((株)メイコー製)を用いて中間部2の領域(図1)にφ0.3mmの貫通孔を等間隔で8孔あけた。孔の中心の位置はいずれもコンタクトレンズの中心から9.75mmとした。得られた成形体を参考例4で調整したPAA溶液に室温(23℃)で30分間浸漬した後、ビーカー中の純水で軽く濯ぎ洗いした。成型体を新しい純水が入ったビーカーに移し、軽く濯ぎ洗いする操作を2回繰り返した。次いで、参考例4で調整したPEI溶液、p(DMAA/AA)溶液の順に同様の操作を繰り返した後、密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液中にコーティングした成型体を浸漬した状態で入れ、121℃、30分間オートクレーブ(LSX−300、(株)トミー精工)した。得られた成型体の引張弾性率は0.6MPa、伸度は1000%、含水率は0.2%であった。
(実施例9)
参考例1で得られた成形体に、パンチング装置((有)クドウ電子)によって中間部2の領域(図1)にφ0.4mmの貫通孔を等間隔で4孔あけた。孔の中心の位置はいずれもコンタクトレンズの中心から9.75mmとした。得られた成形体を参考例4で調整したPAA溶液に室温(23℃)で30分間浸漬した後、ビーカー中の純水で軽く濯ぎ洗いした。成型体を新しい純水が入ったビーカーに移し、軽く濯ぎ洗いする操作を2回繰り返した。次いで、参考例4で調整したPEI溶液、p(DMAA/AA)溶液の順に同様の操作を繰り返した後、密閉バイアル瓶中のリン酸緩衝液中にコーティングした成型体を浸漬した状態で入れ、121℃、30分間オートクレーブ(LSX−300、(株)トミー精工)した。得られた成型体の引張弾性率は0.6MPa、伸度は1000%、含水率は0.2%であった。
(装用感および眼球上での安定性評価)
実施例1〜9、および比較例1〜8で作製したレンズを、装用者に3.5〜8時間装用してもらい、レンズ吸着性、装用感、眼球上での安定性を評価した。
吸着性
○:瞬目時にレンズの動きが確認できる
△:下眼瞼の上からレンズを軽く押さえて、上方に押し上げることで、レンズが動く
×:下眼瞼の上からレンズを軽く押さえて、上方に押し上げても、レンズが動かない
装用感
○:装用者が、異物を感じず良好な装用感の場合
△:若干異物を感じるが装用に支障がない場合
×:装用できない程度の異物を感じた場合
眼球上での安定性
○:瞬目の際に眼の中心に安定して保持されている場合
△:若干ずれるが瞳孔にかからない程度の場合
×:ずれて脱落するもしくは、瞳孔にかかる場合
結果を表1に示す。実施例1〜3、6、及び7〜9のコンタクトレンズを装用した場合においては、吸着は発生せず、装用感および眼内安定性ともに良好であった。実施例4、5のコンタクトレンズを装用した場合においては、吸着は発生しなかったが、外径が小さいことにより安定性が悪くなっていた。
一方、比較例1〜4、7、及び8のコンタクトレンズを装用した場合においては、単一の曲率半径であるため、吸着が発生した。特に比較例2のコンタクトレンズは、外径、サジタルデプスは実施例1と同一であるが、単一の曲率半径であるため、レンズが角膜に吸着した。また、比較例5、6のコンタクトレンズは中心部における曲率半径、外径、サジタルデプスが、実施例1、2とそれぞれ同一であるが、弾性率が高すぎるため、装用感が悪く、また、レンズの動き、安定性も優れない結果となった。
Figure 0006956633
A:コンタクトレンズの外径
B:中心部の内径
C:中間部の幅
D:外縁部の幅
E:本発明のコンタクトレンズのサジタルデプス
F、F1、F2:従来技術のコンタクトレンズのサジタルデプス
1:中心部
2:中間部
3:外縁部
4、5、6:ベースカーブ
7:眼球
10:本発明のコンタクトレンズ
10’、10’−1、10’−2:従来技術のコンタクトレンズ

Claims (4)

  1. 低含水性、或いは、非含水性の軟質コンタクトレンズであって、
    中心に位置する円形の中心部と、
    前記中心部の外周側に位置する前記中心部と同軸中心の環状をなす中間部と、
    前記中間部の外周側に位置する前記中心部と同軸中心の環状をなす外縁部と、
    を備え、
    前記中心部、前記中間部、および前記外縁部の曲率半径は下記式を満たすものあって、前記軟質コンタクトレンズのサジタルデプスは、前記外縁部の曲率半径±0.2mmの範囲で軟質コンタクトレンズ全体を形成した場合のサジタルデプスの範囲内であることを特徴とする軟質コンタクトレンズ。
    中心部曲率半径>外縁部曲率半径>中間部曲率半径
  2. 前記外縁部の曲率半径は前記中心部の曲率半径に対し60〜97%であり、前記中間部の曲率半径は前記外縁部の曲率半径に対し60〜98%であることを特徴とする請求項1に記載の軟質コンタクトレンズ。
  3. 表面側から裏面側に貫通する少なくとも一つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の軟質コンタクトレンズ。
  4. 前記貫通孔が前記中間部に設けられていることを特徴とする請求項に記載の軟質コンタクトレンズ。
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