JP6956557B2 - 光透過性吸湿フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、光透過性吸湿フィルム及びその製造方法に関する。
医薬品、電子部品、精密機械等の分野に使用されるフィルムとして、透明性と吸湿性とを有するフィルムが用いられることがある。
例えば特許文献1には、(A)透明重合体中に(B)平均粒子径が0.3μm以下の吸湿剤を含有する透明吸湿組成物及び該組成物から形成されたフィルムが優れた透明性及び吸湿性を示し、例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子等の封止材への適用に好適であると記載されている。
上記特許文献1の実施例においては、(A)透明重合体としてスチレン−1,3−ブタジエン共重合体を用い、(B)吸湿剤として酸化バリウム若しくはシリカ又はこれらの双方を用いた場合についての検証が行われており、透明性がヘーズ値として5%未満であり、吸湿性が4%以上である、柔軟なフィルムが得られたと報告されている。
なお、小粒径ゼオライトの製造方法が特許文献2及び3に記載されている。
特開2006−272190号公報 特開2011−246292号公報 特開2013−49602号公報
上記特許文献1には、酸化バリウム、シリカに関する詳細な仕様が不明確であり、得られたフィルムの全光線透過率は記載されてない。本発明者らの検討によると、特許文献1の技術に従って得られたフィルムの全光線透過率はさほど高いものではなく例えば有機EL素子の保護フィルムとしての適用には適さないことが分かった。
本発明は以上のような従来技術を改良しようとしてなされたものである。従って本発明の目的は、全光線透過率及びヘーズによって評価される透明性が高く、飽和吸湿量の大きい、光透過性吸湿フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1] (A)平均粒子径D50が100nm以下のゼオライト100質量部、
(B)平均粒子径D50が100nm以下の、Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)0.1質量部以上10質量部以下、
(C)HLB値5以下のエステル化合物1質量部以上20質量部以下、及び
(D)エチレン単位を含む熱可塑性樹脂50質量部以上150質量部以下
を含有し、
前記熱可塑性樹脂(D)中に、前記ゼオライト(A)、前記酸化物(B)、及び前記エステル化合物(C)が分散されている、光透過性吸湿フィルム。
[2] 前記ゼオライト(A)が親水性である、[1]に記載のフィルム。
[3] 前記酸化物(B)が、平均粒子径D50が1nm以上20nm以下のシリカである、[1]に記載のフィルム。
[4] 前記エステル化合物(C)が、炭素数2以上6以下のアルキレングリコールと炭素数15以上21以下の脂肪酸とのモノエステルである、[1]に記載のフィルム。
[5] 前記熱可塑性樹脂(D)が、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される、[1]に記載のフィルム。
[6] 光透過性吸湿フィルムを製造するための方法であって、
(A)ゼオライトと、
(B)Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)と、
(C)HLB値5以下のエステル化合物と、
(D)エチレン単位を含む熱可塑性樹脂と、
を任意の順で混合して光透過性吸湿フィルム用組成物を得ること、及び
前記光透過性吸湿フィルム用組成物をフィルム状に成形すること
を含み、
前記光透過性吸湿フィルムに含まれるゼオライト(A)の平均粒子径D50が、100nm以下であり、かつ前記光透過性吸湿フィルムに含まれる酸化物(B)の平均粒子径D50が、100nm以下である、
前記方法。
[7] 前記混合の前の前記ゼオライト(A)が、少なくとも前記混合の間に解砕される凝集体を含む、[6]に記載の方法。
[8] 前記混合の前の前記ゼオライト(A)の嵩密度が、0.40g/ml以上である、[6]又は[7]に記載の方法。
[9] 前記ゼオライト(A)が、嵩密度が低いゼオライト(A)を液中に分散させてスラリーとし、その後ゼオライト(A)が液から、圧密されて又はスプレードライによって、分離されて得られている、[8]に記載の方法。
[10] 前記光透過性吸湿フィルム用組成物を得ることが、前記ゼオライト(A)、前記酸化物(B)、及び前記エステル化合物(C)を予備混合して予備混合物を得ること、並びに前記予備混合物と前記熱可塑性樹脂(D)とを混練することを含む、[6]〜[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] [1]〜[5]のいずれか一項に記載のフィルムを具備する、有機EL素子。
本発明の光透過性吸湿フィルムは、全光線透過率及びヘーズによって評価される透明性が高く、飽和吸湿量が大きい。そのため該光透過性吸湿フィルムは、例えば、有機EL素子の封止用フィルム、医薬品の密閉包装等の分野への適用に好適である。
図1は、本発明の光透過性吸湿フィルムの分散状態を示すイメージ図である。 図2は、エステル化合物(C)を使用しなかった場合の光透過性吸湿フィルムの分散状態を示すイメージ図である。 図3は、本発明の光透過性吸湿フィルムの製造方法において、ゼオライト(A)と酸化物(B)との予備混合物を得る工程のイメージ図である。 図4は、本発明の光透過性吸湿フィルムを有するディスプレイ装置の模式図である。 図5は、本発明の光透過性吸湿フィルムを有する包装用積層体の模式図である。
<光透過性吸湿フィルム>
本発明の光透過性吸湿フィルムは、
(A)平均粒子径D50が100nm以下のゼオライト100質量部、
(B)Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)0.1質量部以上10質量部以下、
(C)HLB値5以下のエステル化合物1質量部以上20質量部以下、及び
(D)エチレン単位を含む熱可塑性樹脂50質量部以上150質量部以下
を含有し、
熱可塑性樹脂(D)中にゼオライト(A)、酸化物(B)、及びエステル化合物(C)が分散されている。
本発明の光透過性吸湿フィルムにおいて、ゼオライト(A)は吸湿剤として機能する。そのため、後述するように親水性ゼオライトを用いることが好ましい。これに対して本発明においてこのゼオライトを分散させる熱可塑性樹脂(D)は一般に疎水性であるから、熱可塑性樹脂(D)中にゼオライト(A)を分散状態で含有させて、高い透明性を得ることは困難であった。
しかしながら本発明においては、酸化物(B)及びエステル系化合物(C)を共存させることにより、疎水性の熱可塑性樹脂(D)中にゼオライト(A)を高度の分散状態、好ましくは一次粒子に近い状態で分散させることを可能とした。このことにより、本発明の光透過性吸湿フィルムは、優れた透明性とともに、高度の吸湿能を発現することができる。
従来公知の光透過性吸湿フィルムにおいては、吸湿剤とマトリクス材料との親和性が不十分であり、これらに強い応力を印加して混練分散分配していた。その結果得られるフィルムは、図2に示したように、吸湿剤(例えばゼオライト1)とマトリクス材料(例えば熱可塑性樹脂4)との界面に、空隙5が生じることとなり、この空隙5の存在がフィルムの透明性を低下させていた。
これに対して図1に示した本発明の光透過性吸湿フィルム10においては、ゼオライト1と熱可塑性樹脂4との間の相溶性を向上する機能を有するエステル化合物3を共存させたのである。すると、ゼオライト1と熱可塑性樹脂4との相溶性が顕著に向上し、界面の空隙を要さずにゼオライト1を熱可塑性樹脂4中に高度に分散することができることとなった。そしてこのことによって、高い透明性を実現したのである。この現象は、両者の界面に該エステル化合物3が介在することによるものと考えられる。
更に、本発明の光透過性吸湿フィルムにおいては、ゼオライト(A)が熱可塑性樹脂(D)中に、高度の分散状態で分散分配されている。この現象の理由は詳らかではないが、例えば、以下の作用機序によることが考えらえる。ただし本発明は、特定の理論に拘束されるものではい。
ゼオライトは、単独では、一次粒子の凝集体である二次粒子、及び該二次粒子が更に凝集した状態で存在するものと考えられる。図3(a)は、ゼオライト1の一次粒子が凝集した二次粒子を示す。これに応力を印加すると、凝集粒子が解砕されて一次粒子を形成する(図3(b))。しかしこの一次粒子は、応力の印加が解除されると、再凝集して二次粒子の状態(図3(a))に戻ると考えられる。
これに対して、ゼオライト1とともに適当な酸化物2の微粒子が存在すると、該酸化物2はゼオライト1の表面に付着する(図3(c))。この状態で応力を印加すると、凝集粒子が解砕されて得られた一次粒子は再凝集しない。酸化物2が再凝集防止剤として機能しているものと推察される(図3(d))。
以下、本発明について、その好ましい実施形態を中心に詳説する。
[ゼオライト(A)]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおけるゼオライト(A)は、平均粒子径D50が100nm以下のゼオライト粒子である。
ゼオライトは、分子の大きさの違いによって分子を分離するために用いられる、結晶性且つ細孔を有する粒状物質である。ゼオライトは、均一な細孔を持つ構造を有し、この細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種の篩の作用を有するため、吸湿剤として有用である。本実施形態におけるゼオライト(A)の細孔(吸収口)径は、0.3nm以上1nm以下であってよく、0.3nm以上0.5nm以下であってよい。
ゼオライト(A)の平均粒子径D50とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。本実施形態におけるゼオライト(A)の平均粒子径D50は、該ゼオライト(A)が熱可塑性樹脂(D)中に分散したフィルムが高度の透明性を示すために、100nm以下であることを要する。ゼオライト(A)の平均粒子径D50は、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下であってよい。ゼオライト(A)の平均粒子径D50は、5nm以上、10nm、20nm以上、又は30nm以上であってよい。
ゼオライト(A)中のSiとAlとの原子比(Si/Al)の値は任意であり、例えば、1以上、2以上、3以上、5以上、10以上、又は15以上であってよく、例えば、80以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
本実施形態におけるゼオライト(A)としては、上記の条件を満たすもののうち、水との親和性の高い親水性ゼオライトが、より高い吸湿性能を発現する観点から好ましく、特にNa−A型ゼオライトを使用することが好ましい。
本実施形態における好ましいゼオライト(A)としては、公知の方法によって製造されたものを用いることができる。ゼオライト(A)は、例えば、特許文献2(特開2011−246292号公報)、特許文献3(特開2013−49602号公報)等に記載の方法によって製造することができる。ただし、下記で詳述するように、これらのゼオライトは、通常は比較的低い嵩密度を有しており、これを一度、軽度に凝集させて比較的高い嵩密度にすることによって、酸化物(B)、エステル化合物(C)等との混合又は混練の際の、ゼオライト(A)の分散を促進させることが好ましい。
ゼオライト(A)は、例えば、下記式(1)で表される原料ゼオライトを、下記式(2)で表されるシリケート又はアルミノシリケートを含有する水溶液に分散させ、再結晶させることにより、得ることができる。
aM O・bSiO・Al・cMeO (1)
{式(1)中、Mはアルカリ金属原子、水素原子、又はアンモニウムイオンであり、Meはアルカリ土類金属イオン原子、aは0.01〜1であり、bは1〜80であり、cは0〜1である。}
dM O・eAl・fSiO・gHO (2)
{式(2)中、比d/gは0.00035〜0.02000であり、比e/gは0〜0.00025であり、f/gは0.0001〜0.025である。}
上記式(1)中のbは、例えば、2〜60又は20〜80であってよい。cは、例えば、0.01〜1であってよい。上記式(2)における比d/gは、例えば、0.003〜0.010であってよい。比e/gは、例えば、0又は0.000003〜0.000250であってよい。比f/gは、例えば、0.0001〜0.0160又は0.006〜0.025であってよい。
上記式(1)の原料ゼオライトとしては、例えば、NaSiAlO、NaSi12AlO26、NHSi19AlO40等を用いることができる。上記式(2)のシリケートとしては、例えば、0.292NaO・hSiO・55.5HO(h=0.400、0.650、0.800、又は1.00)、iNaO・0.650SiO・55.5HO(i=0.165又は0.55)等を用いることができる。上記式(2)のアルミノシリケートとしては、例えば、405NaO・jAl・kSiO・29,900HO((j,k)=(1,23)、(1,51)、(2,23)、又は(2,51))等を用いることができる。
本実施形態におけるゼオライト(A)としては、上記のようにして得られたものに、イオン交換若しくは粉砕又はこれらの双方を施した後に使用に供してもよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおけるゼオライト(A)の含有割合は、フィルムの全質量に対して、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であってもよく、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下であってもよい。
[酸化物(B)]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおける酸化物(B)は、平均粒子径D50が100nm以下の、Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)であり、アルミナ、シリカ、又はチタニアであってよく、特にシリカであってよい。
酸化物(B)は、粒子状であってよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおいて、酸化物(B)は、ゼオライト(A)が一旦解砕された後の再凝集を防止し、該ゼオライト(A)を熱可塑性樹脂(D)中に高度の分散状態で分散分配させる機能を有する。
即ち、ゼオライトは、単独では、一次粒子の凝集体である二次粒子、及び該二次粒子が更に凝集した状態で存在するものと考えられる。ゼオライトの凝集粒子に応力を印加すると、凝集粒子が解砕されて一次粒子を形成する。しかしこの一次粒子は、応力の印加が解除されると、再凝集して二次粒子の状態に戻ると考えられる。
これに対して、凝集状態のゼオライト(A)とともに本実施形態所定の酸化物(B)の微粒子が存在すると、該酸化物(B)はゼオライト(A)の表面に付着する。この状態で応力を印加すると、ゼオライト(A)の凝集粒子が解砕されて得られた一次粒子は再凝集しないのである。
従って、酸化物(B)がゼオライト(A)表面へ効果的に付着することを容易とする観点から、酸化物(B)の平均粒子径D50は、ゼオライト(A)の平均粒子径D50よりも小さいことが好ましい。具体的には例えば、1nm以上、2nm以上、3nm以上、又は5nm以上であってよく、例えば、30nm以下、20nm以下、又は15nm以下であってよい。酸化物(B)の平均粒子径D50については、ゼオライト(A)の平均粒子径D50と同じ意味である。
酸化物(B)は、表面にフェニル基を有する疎水性のものがより好ましい。その余の態様は任意である。例えば酸化物(B)は、多孔性であっても非多孔性であってもよく、その密度、比表面積等も任意であってよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおける酸化物(B)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下である。後述する熱可塑性樹脂(D)中におけるゼオライト(A)の分散を良好な状態に保持するために、酸化物(B)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、0.1質量部以上であることを要し、好ましくは、0.2質量部以上、0.3質量部以上、0.4質量部以上、又は0.5質量部以上であってよい。一方で、ゼオライト(A)の分散に寄与しない酸化物(B)をできるだけ少なくし、得られる光透過性吸湿フィルムの透明性及び加工性を確保する観点から、酸化物(B)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、10質量部以下であることを要し、好ましくは、5質量部以下、3質量部以下、2質量部以下、又は1質量部以下であってよい。
[エステル化合物(C)]
本実施形態におけるエステル化合物(C)は、HLB値5以下のエステル化合物である。
エステル化合物(C)のHLB値は、該エステル化合物が親水性か親油性化を示し指標である。エステル化合物(C)のHLB値が5以下であるということは、該エステル化合物(C)の親油性が高いことを意味し、例えば、消泡剤、又はエマルジョンの乳化剤として使用される領域の数値である。
エステル化合物(C)のHLB値は、好ましくは、例えば、4.5以下、4.0以下、又は3.5以下であってよく、例えば、2.0以上、2.5以上、又は3.0以上であってよい。
本実施形態におけるエステル化合物(C)として好ましくは、多価アルコールと脂肪酸とのモノエステル化合物である。多価アルコールは、例えば、グリセリン、アルキレングリコール等であってよい。脂肪酸は、例えば、炭素数12以上24以下の、飽和又は不飽和の脂肪酸であってよい。
エステル化合物(C)としては、特に、炭素数2以上6以下のアルキレングリコールと炭素数15以上21以下の脂肪酸とのモノエステルであってよい。上記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等であってよい。上記と炭素数15以上21以下の脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等であってよい。
本実施形態におけるエステル化合物(C)は、具体的には例えば、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノベヘネート等であってよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおけるエステル化合物(C)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である。後述する熱可塑性樹脂(D)中におけるゼオライト(A)の分散状態を良好とし、熱可塑性樹脂(D)とゼオライト(A)との間に空隙を介在させないために、エステル化合物(C)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、1質量部以上であることを要し、好ましくは、2質量部以上、3質量部以上、4質量部以上、又は5質量部以上であってよい。一方で、ゼオライト(A)の分散に寄与しないエステル化合物(C)をできるだけ少なくする観点から、エステル化合物(C)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、20質量部以下であることを要し、好ましくは、15質量部以下、10質量部以下、8質量部以下、7質量部以下、又は6質量部以下であってよい。
[熱可塑性樹脂(D)]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおける熱可塑性樹脂(D)は、エチレン単位を含む熱可塑性樹脂である。エチレン単位を含む熱可塑性樹脂は、透明性が高いとともに、適度な「腰」を有することから、本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおけるマトリクス材料として好ましい。
本実施形態における熱可塑性樹脂(D)としては、ポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、例えば、熱可塑性のポリエチレン、エチレン単位とエステル単位とを含む熱可塑性樹脂等であってよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレンと酸素含有エチレン性不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。エチレンと酸素含有エチレン性不飽和単量体との共重合体としては、例えばEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
上記熱可塑性のポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン等であってよい。
上記エチレン単位とエステル単位とを含む熱可塑性樹脂は、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等であってよい。エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、例えば、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等であってよい。
本実施形態における熱可塑性樹脂(D)は、超低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びエチレン−メチルアクリレート共重合体から選択されることが好ましい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムを、有機EL素子の封止材又は保護フィルムとして用いる場合には、熱可塑性樹脂(D)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いてよい。該エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル含量は、例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、又は30質量%以上であってよく、例えば、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおける熱可塑性樹脂(D)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下である。本実施形態の光透過性吸湿フィルムの、フィルムとして必要な機械的特性を発揮するために、熱可塑性樹脂(D)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、50質量部以上であることを要し、好ましくは、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、又は90質量部以上であってよい。一方で、本実施形態の光透過性吸湿フィルムにゼオライト(A)を有意量含有させ、その吸湿機能を十分に発揮させる観点から、熱可塑性樹脂(D)の含有割合は、ゼオライト(A)の100質量部に対して、150質量部以下であることを要し、好ましくは、140質量部以下、130質量部以下、120質量部以下、又は110質量部以下であってよい。
[任意的添加剤]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムは、上記の(A)〜(D)各成分の他に、必要に応じて、例えば、滑材、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、酸化防止剤、防菌剤、防かび剤、紫外線吸収剤等の任意的添加剤を更に含有することができる。
[光透過性吸湿フィルムの厚み]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムの厚みは、その使用目的、所望の透明性、所望の吸湿量等を勘案のうえ、適宜に設定されてよい。本実施形態の光透過性吸湿フィルムを、例えば、有機EL素子の保護フィルムに適用する場合、該フィルムの厚みは、例えば、10μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、例えば、200μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下であってよい。
[スキン層]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムは、その片面又は両面に、スキン層を有するものであってよい。スキン層は、本実施形態の光透過性吸湿フィルムの成膜安定性の向上、表面平滑性の付与、フィルム中のゼオライト(A)の脱落防止、ゼオライト(A)が外部に直接露出することの防止、本実施形態の光透過性吸湿フィルムを包装容器として使用する場合の機械的強度(例えば引張強度)の向上、及び他のフィルム又は積層体とのヒートシール強度の向上のうちの少なくとも1つの機能を有する。
スキン層を構成する樹脂としては、フィルムに一般的に用いられている樹脂を用いることができる。光透過性吸湿フィルムが両面にスキン層を有する場合、それぞれのスキン層を構成する樹脂は、同一であっても異なっていてもよい。
スキン層を構成する樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
スキン層の厚さは、片面当たり、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。光透過性吸湿フィルムの両面にスキン層を有する場合、これらのスキン層の厚さは同一であっても異なっていてもよい。
<光透過性吸湿フィルムの製造方法>
本実施形態の光透過性吸湿フィルムの製造方法は、ゼオライト(A)、酸化物(B)、エステル化合物(C)、及び熱可塑性樹脂(D)を、任意の順で混合して光透過性吸湿フィルム用組成物を得ること、並びに該光透過性吸湿フィルム用組成物をフィルム状に成形することを含む。本実施形態の方法によって得られる光透過性吸湿フィルムは、上記の光透過性吸湿フィルムであってよい。したがって、本実施形態の方法によって得られる光透過性吸湿フィルムに含まれるゼオライト(A)、酸化物(B)、エステル化合物(C)、及び熱可塑性樹脂(D)は、それぞれ上述したものであってよい。
本実施形態の方法において使用されるゼオライト(A)及び酸化物(B)は、それぞれ、所望の粒径に分級したうえで、光透過性吸湿フィルム用組成物の調製に供することができる。
本実施形態の方法において使用されるエステル化合物(C)は、通常、オイル状、ワックス状、ビーズ状、顆粒、粉末等の形態で供給される。光透過性吸湿フィルム用組成物の調製には、供給された形態のエステル化合物(C)をそのまま使用してよい。
本実施形態の方法において使用される熱可塑性樹脂(D)は、通常、ペレット状として供給される。光透過性吸湿フィルム用組成物の製造には、供給された形態の熱可塑性樹脂(D)をそのまま用いてもよく、熱可塑性樹脂(D)をパウダー化したうえで用いてもよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムは、例えば、
ゼオライト(A)と酸化物(B)とエステル化合物(C)とを予備混合して予備混合物を得る、予備混合工程
上記で得られた予備混合物と、熱可塑性樹脂(D)と、を混練して光透過性吸湿フィルム用組成物を得る、光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程及び
上記で得られた光透過性吸湿フィルム用組成物をフィルム状に成形する、フィルム成形工程
を含む方法によって製造することができる。
本実施形態の方法において使用されるゼオライト(A)の嵩密度は、好ましくは、0.35g/ml以上、0.40g/ml以上、0.45g/ml以上、又は0.50g/ml以上である。また、本実施形態の方法において使用されるゼオライト(A)の嵩密度は、1.0g/ml以下、0.80g/ml以下、又は0.60g/ml以下であってもよい。このような嵩密度を有するゼオライトは、密に存在していることによって、混合に使用するミキサー等から効果的にトルクを与えることができ、それにより組成物中への分散を容易にすることができ、特にゼオライト(A)を40質量%以上で組成物中に分散させる場合に組成物中への分散を容易にすることができる。
ただし、本実施形態の方法において使用されるゼオライト(A)は、混合装置及び/又は混練装置の種類等に応じて、比較的低い嵩密度で使用することもできる。
ゼオライト(A)は、組成物を得るための混合又は混練の際に解砕可能な凝集体の形態であることができる。解砕可能な凝集体の形態であるゼオライト(A)は、通常、嵩密度が比較的高い。
嵩密度が比較的低い粉体状の形態のゼオライト(A)から、嵩密度が比較的高い凝集体の形態のゼオライト(A)を得ることができる。その場合、例えば嵩密度が低いゼオライト(A)を液中に分散させてスラリーとし、その後、ゼオライト(A)を液から分離する。液から分離したゼオライトを、随意に粉砕して、嵩密度が高いゼオライト(A)を得ることができる。この際には、ゼオライト(A)の内部に含まれている液を乾燥させるための乾燥工程をおこなうこともできる。
例えば、嵩密度が比較的低い粉体状の形態のゼオライト(A)を水中に分散させて、その後、脱水し、圧密された形態のゼオライトの塊(例えば、長径50μm〜1000μm程度、特に長径100μm〜200μm程度)を得て、これを随意に粉砕することで、嵩密度が比較的高い凝集体の形態のゼオライト(A)を得ることができる。この場合には、ゼオライト(A)の内部に含まれる水を除去するために、粉砕の前及び/又は粉砕の後に乾燥させることが好ましい。粉砕の前に、脱水したゼオライトの塊の水分を除去するために一次乾燥を行ってもよく、一次乾燥後の粉砕の前及び/又は粉砕の後に、ゼオライト(A)の内部に含まれる水を除去するために、ゼオライト(A)をさらに乾燥させてもよい。脱水の際には、周知の固液分離方法、例えば濾別、遠心分離等によって、圧密された形態のゼオライトを得ることができる。
また、スラリーを得た後に、スプレードライ法によって液を分離することによって解砕砕可能な凝集体の形態で、かつ嵩密度が高いゼオライト(A)を得ることもできる。この場合、解砕可能な凝集体(長径5μm〜100μm程度、特に長径30〜50μm程度)を得る為、例えば8000rpmから2500rpmで高速回転するアトマイザーにゼオライトスラリーを送り、遠心力を利用して液滴の微粒化を図る。微粒化された液滴は、チャンバー内で高温の熱風(例えば200〜250℃程度)に当てる事で乾燥させて凝集体を得る事ができる。
本発明者らは、一次粒径が非常に小さいゼオライト(A)をフィルム中に均一に分散させるために、二次粒子及び凝集体が少ないゼオライト(A)を使用して、フィルム中へのゼオライト(A)の均一分散を試みていた。しかしながら、本発明者らは、別の検討をする中で、嵩密度が高いゼオライト(A)及び/又は凝集体の形態であるゼオライト(A)を使用したところ、予想外にも透明性の高いフィルムが容易に得られることを発見した。理論に拘束されないが、この理由としては、ゼオライト(A)の組成物への混合及び/又は混練の際に、このようなゼオライト(A)は、組成物の様々な場所にまず分配されることができ、その後、混合及び/又は混練の際に少しずつ一次粒子に近い形に解砕されて分散していくことができるためであると考えられる。すなわち、組成物への分散の際に、嵩密度が低いゼオライト(A)及び/又は一次粒子に近い形態のゼオライト(A)を使用する場合には、組成物と混合した場所から局所的に分散されていき、組成物中に全体的に分散されるのに時間がかかると考えられる。
[予備混合工程]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムの製造方法における予備混合工程では、ゼオライト(A)と、酸化物(B)と、エステル化合物(C)と、を予備混合して予備混合物を得る。
この予備混合工程は、
ゼオライト(A)、酸化物(B)、及びエステル化合物(C)の3成分を一度に混合する1段階混合によって行ってもよいし、
これら3成分のうちの任意の2成分を混合して得られた混合物に、残りの成分を加えて混合を継続する、2段階混合によって行ってもよい。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムは、このような予備混合工程を経由して製造されることにより、高い透明度と高度の吸湿能とが両立された高機能の光透過性吸湿フィルムであることが担保される。これは、本工程を経由して製造された本実施形態の光透過性吸湿フィルムにおいて、熱可塑性樹脂(D)中にゼオライト(A)が一次粒子の状態で分散されることとなり、その結果、優れた透明性と、高度の吸湿能の双方が発現するものと推察される。
本実施形態における予備混合工程では、ゼオライト(A)と酸化物(B)とエステル化合物(C)を予備混合する際に印加する応力は、ゼオライト(A)の形態等に応じて制御することができる。そのために、該予備混合に使用する混合装置としては、ヘンシェルミキサー、振とう機等であってもよい。予備混合時の温度は、環境温度であってよい。
[光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムの製造方法における光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程では、上記で得られた予備混合物と、熱可塑性樹脂(D)と、を混練して光透過性吸湿フィルム用組成物を得る。
本工程は、例えば、予備混合物と、エステル化合物(C)と、熱可塑性樹脂(D)とを順不同で適当な混練機に投入して混練を行うことにより、実施することができる。混合を加圧ミキサーで行ってマスターバッチを得てから、さらにそれを二軸混練機等で混練してもよい。
本工程において使用される混合装置は、例えば、加圧ミキサー混練機(バンバリー、ロール、ニーダー等)、押出し混練機、一軸混練機、二軸混練機等であってよい。
混練は、熱可塑性樹脂(D)の融点温度以上で行うことができる。混練の温度は、高い方が、熱可塑性樹脂(D)の粘度が低下して混練効率が高くなるため有利である。しかし混練温度が過度に高いと、樹脂にコゲが発生して得られる光透過性吸湿フィルムの透明性を損なう。従って、混練温度は、使用する熱可塑性樹脂(D)の種類に応じて、適当な温度に制御することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂(D)の混練温度は、例えば、60℃以上、80℃以上、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上であってよく、例えば、180℃以下、170℃以下、又は160℃以下であってよい。
[フィルム成形工程]
上記のようにして得られた光透過性吸湿フィルム用組成物を、次いで、所望の厚みのフィルム状に成形することにより、本実施形態の光透過性吸湿フィルムを得ることができる。
本工程は、前工程の光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程と独立の工程として行ってもよいし、前工程と連続した工程として行ってもよい。
光透過性吸湿フィルム用組成物をフィルム状に成形するには、例えば、プレス法、インフレーション法、キャスト法等を挙げることができる。これらの方法は、公知技術に準じて適宜の手法によって行ってよい。
[スキン層の形成]
本実施形態の光透過性吸湿フィルムがスキン層を有する場合、該スキン層は公知の方法、例えば、ラミネート法、共押出し法、キャスト法インフレ法等の適宜の方法を用いて、光透過性吸湿フィルムの片面又は両面に形成することができる。
<光透過性吸湿フィルムの適用例>
本実施形態の光透過性吸湿フィルムの適用例を図4及び図5に示した。
図4は、本実施形態の光透過性吸湿フィルムを有するディスプレイ装置、例えば有機EL素子、の構成の略図である。図4におけるディスプレイ装置200は、発光表示素子110と基材120との間に本実施形態の光透過性吸湿フィルム10を有する。
図5は、本実施形態の光透過性吸湿フィルムを有する包装用積層体の構成の略図である。図5における包装用積層体300は、本実施形態の光透過性吸湿フィルム10、及び該光透過性吸湿フィルム10の両面に積層された透明基材フィルム130を含む。
本実施形態の光透過性吸湿フィルムを有する包装用積層体は、包装袋として用いてよい。該包装袋は、具体的には例えば、図5の包装用積層体の1枚又は複数枚を含み、該1枚又は複数枚の包装用積層体の光透過性吸湿フィルム側の一部が、この積層体の他の部分又は他のフィルムとヒートシールされることにより、袋状に形成されていてよい。この包装袋は、内容物を含み、該内容物を密封する内容物入り包装袋であってよい。
実験A.エステル化合物(C)の種類に関する実験
<実施例1>
1.予備混合工程
ゼオライト(A)としてNa−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)100質量部、酸化物(B)としてシリカ(平均粒子径D50:10nm)1質量部、及びエステル化合物(C)としてグリセリンモノベヘネート(理研ビタミン(株)製、品名「リケマールPB−100」、HLB:3.4)10質量部をガラスびん中に仕込み、振とうによる予備混合を行って、予備混合物を得た。
2.光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程
上記で得た予備混合物の全量、及び熱可塑性樹脂(D)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、品名「エバフレックスEV150」、酢酸ビニル含量:33質量%)100質量部を、バンバリーミキサー及び押出し混練機を順次用い、160℃において溶融混練して、光透過性吸湿フィルム用組成物を得た。
3.フィルム成形工程
上記の光透過性吸湿フィルム用組成物を、160℃、30MPaでプレスしてフィルム状に成形することにより、厚み50μmの光透過性吸湿フィルムを得た。
4.評価
(1)透過率及びヘーズ
上記で得たフィルムを50mm×50mmの正方形に切り出し、ヘーズ・透過率測定器((株)村上色彩研究所製、型式名「HR−100」)を用いて全光線透過率及びヘーズを測定した。ここで、全光線透過率の測定はJIS K7361−1に準拠して行い、ヘーズの測定はJIS K7136に準拠して行った。
(2)飽和吸湿量
上記で得たフィルムを100mm×100mmの正方形に切り出した試験片の質量を測定した。秤量後の試験片を、40℃、90%RH環境下において48時間静置し、次いで23℃、50%RH環境下で24時間静置して、試験片に吸湿させた。吸湿後の試験片の質量を測定し、下記数式により算出された値を飽和吸湿量とした。
飽和吸湿量(g/m)=(吸湿後質量(g)―吸湿前質量(g))/試験片面積(m
本実施例における光透過性吸湿フィルム試験片の飽和吸湿量は、5.2g/mであった。
<実施例2〜5及び比較例1〜3>
エステル化合物(C)としてのグリセリンモノベヘネートの代わりに表1に記載の化合物を同量用いた他は上記実施例1と同様にして光透過性吸湿フィルムを製造し、透過率及びヘーズの評価を行った。結果は表1に示した。なお、比較例1で使用のオキザリン含有反応性ポリスチレンはエステル化合物ではないが、便宜上当該欄に記載した。
<比較例4>
1.光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程
ゼオライト(A)としてNa−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)50質量部、及び熱可塑性樹脂(D)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、品名「エバフレックスEV150」、酢酸ビニル含量:33質量%)50質量部を、ラボプラストミル及びコニカル混練機を順次用い、160℃において溶融混練して、光透過性吸湿フィルム用組成物を得た。
2.フィルム成形工程
上記の光透過性吸湿フィルム用組成物を、160℃、30MPaでプレスしてフィルム状に成形することにより、厚み50μmの光透過性吸湿フィルムを得た。
3.評価
上記で得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、透過率及びヘーズの評価を行った。結果は表1に示した。
Figure 0006956557
表1中の成分名(種類)の略称は、それぞれ以下の意味である。
[ゼオライト]
Na−A型:Na−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm、嵩密度0.50g/ml)
[酸化物]
球状シリカ:球状シリカ(平均粒子径D50:10nm)
[熱可塑性樹脂]
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、品名「エバフレックスEV150」、酢酸ビニル含量:33質量%)
本発明所定の酸化物及びエステル化合物が双方とも含有されない比較例4で得たフィルムは、茶色に着色しており、所々にスジ状の異物が観察された。茶色の着色はゼオライトが混練中に焦げ付いたことに起因すると推察される。スジ状の異物は、ゼオライトの分散性が不十分であり、熱可塑性樹脂マトリクス中に分散されずに凝集したゼオライトがスジ状物として観察されたものと推察される。
本発明所定の酸化物は含有されるが、本発明所定のエステル化合物が含有されない比較例1〜3のフィルムは、ヘーズが不十分であった。ゼオライトと熱可塑性樹脂との界面に空隙を生じたためと推察される。
これらに対して、本発明所定の構成を有する実施例1〜5のフィルムは、着色が見られず、透明性及びヘーズの双方ともが良好であった。
実験B.ゼオライト(A)の嵩密度に関する実験
1.嵩密度の調整
Na−A型ゼオライト50グラム(平均一次粒子径D50:50nm、嵩密度0.10g/ml)と純水を容器に入れて撹拌した後、得られたスラリーを静置してゼオライトを沈殿させた。その上澄み液を捨てて、その後圧力をかけて脱水した。脱水したNa−A型ゼオライトを、30℃の真空乾燥機に24時間かけて乾燥した。乾燥した塊状のNa−A型ゼオライトを粉砕して、50μm程度の粒径を有する凝集体を得た。その凝集したNa−A型ゼオライトを、200℃の真空乾燥機に24時間かけて乾燥し、結晶細孔内に残る水を除去した。この圧密法によって、嵩密度0.50g/mlのNa−A型ゼオライトを得た。
スラリーを得る際の水の量を調整することによって、嵩密度0.20g/mlのNa−A型ゼオライト及び嵩密度0.30g/mlのNa−A型ゼオライトを凝集解砕法によって得た。
また、Na−A型ゼオライト50グラム(平均一次粒子径D50:50nm、嵩密度0.10g/ml)と純水を容器に入れて撹拌した後、得られたスラリーから上述したスプレードライ法によってNa−A型ゼオライトを分離して、嵩密度0.50g/mlのNa−A型ゼオライトを得た。
2.予備混合工程
ゼオライト(A)として、嵩密度が0.10g/ml(実施例6)、0.20g/ml(実施例7)、0.30g/ml(実施例8)、及び0.50g/ml(実施例9)の圧密法によるNa−A型ゼオライト、並びに嵩密度が0.50g/mlのスプレードライ法によるNa−A型ゼオライト(実施例10)100質量部、酸化物(B)として微粒シリカ(平均粒子径D50:10nm)1質量部、及びエステル化合物(C)としてグリセリンモノベヘネート(理研ビタミン(株)製、品名「リケマールPB−100」、HLB:3.4)10質量部をガラスびん中に仕込み、振とうによる予備混合を1〜2分間行って、予備混合物を得た。
3.光透過性吸湿フィルム用組成物調製工程
上記で得た予備混合物の全量、及び熱可塑性樹脂(D)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、品名「エバフレックスEV150」、酢酸ビニル含量:33質量%)100質量部を、バンバリーミキサーを使用し、160℃において10分間溶融混練して、マスターバッチを得た。マスターバッチをさらに二軸混練機にかけて、光透過性吸湿フィルム用組成物を得た。
4.フィルム成形工程
上記の光透過性吸湿フィルム用組成物を、160℃、30MPaでプレスしてフィルム状に成形することにより、厚み50μmの光透過性吸湿フィルムを得た。
5.評価
上記で得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、透過率及びヘーズの評価を行った。結果は表2に示した。
Figure 0006956557
この結果からも分かるように、同一の条件で混合及び混練して製造した場合に、嵩密度を0.5g/mlに調整したゼオライト(A)を使用したフィルム(実施例9〜10)は、嵩密度が0.3g/ml以下のゼオライト(A)を使用したフィルム(実施例6〜8)と比較して、得られたヘーズ値が低かった。嵩密度を0.5g/mlに調整したゼオライト(A)を使用した場合には、比較的単純な混合及び混練条件で、透明度の高いフィルムを得ることができた。
1 ゼオライト(A)
2 酸化物(B)
3 エステル化合物(C)
4 熱可塑性樹脂(D)
5 空隙
10 光透過性吸湿フィルム
110 発光表示素子
120 基材
130 透明基材フィルム
200 ディスプレイ装置
300 包装用積層体

Claims (11)

  1. (A)平均粒子径D50が100nm以下のゼオライト100質量部、
    (B)平均粒子径D50が100nm以下の、Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)0.1質量部以上10質量部以下、
    (C)HLB値2以上5以下のエステル化合物1質量部以上20質量部以下、及び
    (D)エチレン単位を含む熱可塑性樹脂50質量部以上150質量部以下
    を含有し、前記熱可塑性樹脂(D)中に、前記ゼオライト(A)、前記酸化物(B)、及び前記エステル化合物(C)が分散されている、光透過性吸湿フィルム。
  2. 前記ゼオライト(A)が親水性である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記酸化物(B)が、平均粒子径D50が1nm以上20nm以下のシリカである、請求項1に記載のフィルム。
  4. 前記エステル化合物(C)が、炭素数2以上6以下のアルキレングリコールと炭素数15以上21以下の脂肪酸とのモノエステルである、請求項1に記載のフィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂(D)が、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される、請求項1に記載のフィルム。
  6. 光透過性吸湿フィルムを製造するための方法であって、
    (A)ゼオライトと、
    (B)Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ただし、ゼオライトを除く。)と、
    (C)HLB値2以上5以下のエステル化合物と、
    (D)エチレン単位を含む熱可塑性樹脂と、
    を任意の順で混合して光透過性吸湿フィルム用組成物を得ること、及び
    前記光透過性吸湿フィルム用組成物をフィルム状に成形すること
    を含み、
    前記光透過性吸湿フィルムに含まれるゼオライト(A)の平均粒子径D50が、100nm以下であり、かつ前記光透過性吸湿フィルムに含まれる酸化物(B)の平均粒子径D50が、100nm以下である、
    前記方法。
  7. 記混合の前のゼオライト(A)が、少なくとも前記混合の間に解砕される凝集体を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記混合の前の前記ゼオライト(A)の嵩密度が、0.40g/ml以上である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記ゼオライト(A)が、嵩密度が低いゼオライト(A)を液中に分散させてスラリーとし、その後ゼオライト(A)が液から、圧密されて又はスプレードライによって、分離されて得られている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記光透過性吸湿フィルム用組成物を得ることが、前記ゼオライト(A)、前記酸化物(B)、及び前記エステル化合物(C)を予備混合して予備混合物を得ること、並びに前記予備混合物と前記熱可塑性樹脂(D)とを混練することを含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムを具備する、有機EL素子。
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