JP6955481B2 - フレキシブル回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル回路基板およびその製造方法に関するものである。
従来より絶縁性樹脂フィルム上に回路配線を形成したフレキシブル配線基板(以下、FPCという)は一般に使用されている。FPCおよびFPCに搭載された電子部品が組み込まれた各種の装置や機器は、小さく、薄く、軽くすることが常に求められているので、薄くて折り曲げることができるFPCはより多く使用されるようになってきており、また、FPCの配線ピッチも小さく、回路基板上の部品実装密度は高くなる方向に進んでいる。
上述のように、電子機器や電子部品を小さく、薄く、軽くするためには、回路配線同士や回路配線と周囲の部品や配線等との短絡を防止することが必要であり、そのためにFPCの回路配線を可能な限り絶縁材料で覆い隠して、絶縁信頼性を保つことが必要になってくる。その目的のため、FPCの回路配線のうち、端子や電子部品との接続部分以外の部分をカバーレイフィルムやカバーコートで保護することが一般的に行われている。
カバーレイフィルムは、絶縁性の樹脂フィルムに接着剤を塗布したものであり、FPCにおける回路配線の接続部分や部品実装部分に該当する部分を開口させた後、回路配線の上に貼り合わせるものである(例えば、特許文献1)。FPCにおける回路配線の接続部分や部品実装部分はカバーレイフィルムの開口部分に該当するため、露出した状態になる。カバーレイフィルムを貼り合わせることにより、FPCの機械的強度も向上し、回路が保護されると共に、屈曲に対する耐性も向上する。
カバーコートは、絶縁性を備えているとともに熱や光等によって硬化する物質を用いて、回路配線のうち接続部分以外の上に塗布して硬化させて形成される。
また感光性カバーレイは、絶縁性を備え、光で硬化する物質をあらかじめシート化したもので、回路配線に貼り合わせた後に光で硬化させる。
特開平9−283895号公報 特開平10−97081号公報
しかしながら、カバーレイフィルムは予め開口部を設けてからFPCに貼り合わせるため、開口部とFPCのうち回路配線の特定部分との位置合わせに手間がかかり、貼り合わせ位置がずれた場合には不良品となってしまう。また、開口部を形成する金型の大きさや、材料のフィルムの物理的な特性などから、開口部の形状や大きさには自ずと制限が生じ、FPCの回路配線の設計に制限が課されてしまう。さらに、カバーレイフィルムの開口部に位置するFPCの回路配線では、隣合う配線の対向している側面が露出しており配線ピッチが小さくなるほど配線間の絶縁性に問題が生じるおそれがあるとともに、この部分の配線は剥離強度が低く、配線が剥離しやすい。
一方、カバーコートは印刷手法によりFPCに塗布を行うので、特に感光材料を用いる場合は、開口部を小さく形成することができるため、高密度実装を行う上では有効な手法であるが、絶縁材料の厚みが均一ではなく、硬化後にFPCがカールしやすいという問題がある。また、FPCの機械強度を上げる働きは弱く、屈曲耐性の点でも問題がある。
また、感光性カバーレイをFPCの回路面に貼り合わせ、その後で光により硬化させてFPC上の絶縁保護膜を形成するプロセスも提案されているが、この場合も硬化後にカールしやすいという問題があり、また回路保護に対する機械強度の不足、屈曲耐性の不足の問題を抱えている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、開口部の形状や大きさの設計の自由度が高いカバーレイフィルムがFPCに貼り合わせられていてカバーレイの開口部に位置する配線において隣合う配線間の絶縁性が十分に確保されたフレキシブル回路基板を提供することにある。
本発明のフレキシブル回路基板は、絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム上に形成された配線と、前記絶縁フィルム及び前記配線の一部の上に配置された絶縁性の保護フィルムとを備え、前記保護フィルムは、前記絶縁フィルム及び前記配線に接着剤を介して貼り合わせられており、前記配線のうち、前記保護フィルムが上に配置されていない部分は、上面が露出しているとともに側方あるいは周囲に前記接着剤が付着している構成を備えている。すなわち、配線のうち、前記一部以外では保護フィルムが上に配置されておらず、その部分では配線の上面が露出している。
前記保護フィルムはポリイミド樹脂及びポリエステル樹脂のいずれか一つからなることが好ましい。
本発明の他のフレキシブル回路基板は、絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム上に形成された配線と、前記絶縁フィルム及び前記配線の一部の上に配置された絶縁性の保護フィルムとを備え、前記保護フィルムは、前記絶縁フィルム及び前記配線に接着剤を介して貼り合わせられており、前記保護フィルムが上に配置されていない部分においては、前記配線の側方あるいは周囲に前記接着剤が付着しており、前記配線が形成されていない前記絶縁フィルム上に前記接着剤が設けられているとともに、前記接着剤の表面及び前記配線の上面には導電性部材からなる導電層が載せられている。
前記導電層はめっき層であってもよい。
本発明のフレキシブル回路基板の製造方法は、絶縁フィルム上に配線が形成された配線形成フィルムを準備する工程と、絶縁性の保護フィルムの一方の面に接着剤が形成されているカバーシートを、前記接着剤を前記配線に向かい合わせて前記配線形成フィルムに載せて貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記保護フィルムの一部を除去して前記接着剤の一部を露出させる接着剤露出工程と、露出した前記接着剤の前記一部のうち上部を除去して前記配線の上面を露出させる配線露出工程とを含む構成を備えている。
前記保護フィルムはポリイミド樹脂及びポリエステル樹脂のいずれか一つからなり、前記接着剤露出工程はエッチングにより行われることが好ましい。
前記配線露出工程は、過マンガン酸塩と水酸化ナトリウムとを含む溶液を用いたエッチングにより行われることが好ましい。ここで過マンガン酸塩とは、過マンガン酸と塩基とによる塩のことであり、例えば過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
前記配線露出工程において用いられる前記溶液は、過マンガン酸カリウムの濃度が2質量%以上18.15質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.05質量%以上0.1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上5質量%未満、のいずれかであることが好ましい。
前記配線露出工程において用いられる前記溶液は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が2質量%以上20質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満、のいずれかであることが好ましい。
本発明のフレキシブル回路基板においては、保護フィルムが配置されていない部分の配線が側方周囲を接着剤に囲まれているので、配線間が接着剤によって機械的、電気的に保護されて、配線の剥離強度、配線間の絶縁性が十分に担保されている。
準備工程を示す断面模式図である。 貼り合わせ工程を示す断面模式図である。 接着剤露出工程を示す断面模式図である。 配線露出工程を示す断面模式図である。 別の実施形態に係るフレキシブル回路基板を示す断面模式図である。 他の実施形態に係るフレキシブル回路基板を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。なお、本願発明における「カバーシート」とは、カバーレイの一類型であって、配線の剥離強度や配線間の絶縁性を担保する接着剤を配したものをいう。
(実施形態1)
実施形態1においては、絶縁フィルム上に配線が形成された配線形成フィルム(FPCに該当)を準備する工程(準備工程)と、絶縁性の保護フィルムの一方の面に接着剤が形成されているカバーシートを、前記接着剤を前記配線に向かい合わせて前記配線形成フィルムに載せて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)と、前記保護フィルムの一部を除去して前記接着剤の一部を露出させる工程(接着剤露出工程)と、露出した前記接着剤の前記一部のうち上部を除去して前記配線の上面を露出させる工程(配線露出工程)によってフレキシブル回路基板を製造する。
図1は、準備工程における配線形成フィルム20とカバーシート10との断面を示す図である。配線形成フィルム20は、絶縁フィルム22の上に複数の配線31が形成されているものである。カバーシート10は、絶縁性の保護フィルム12の一方の面に絶縁性の接着剤14が形成されているものである。なお、カバーシート10には開口部を設ける必要はない。
絶縁フィルム22は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、アラミド樹脂、LCP(液晶ポリマー)などからなる、厚みが5μmから75μm程度のフィルムが一般的に用いられる。配線31は、絶縁フィルム22に銅箔を貼り合わせ、その銅箔をエッチングによりパターニングして形成されたり、メタライジング材を使用してセミアディティブ法でパターニングして形成されたり、アディティブ法により形成されたり、導電性のインク等を用いて印刷により形成されたりしたものである。なお、絶縁フィルム22と配線31との間に絶縁フィルム22と同種あるいは異種素材による接着剤が存在する形態も一般的に存在する。保護フィルム12は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、アラミド樹脂、LCP(液晶ポリマー)などからなる、厚みが2.5μmから25μm程度のフィルムが一般的に用いられる。耐熱性、寸法安定性、屈曲耐性の観点からはポリイミド樹脂であることが好ましい。接着剤14は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂等を主体としたもので、一般的には熱硬化型の樹脂であるが、光硬化型であっても構わなく、厚みは5μmから35μm程度である。
次に、配線形成フィルム20とカバーシート10とを貼り合わせる(図2、貼り合わせ工程)。貼り合わせ工程では、カバーシート10の一方の面に形成されている接着剤14を、配線形成フィルム20の配線31に向かい合わせて重ね、圧力を加えながら加熱あるいはUV光を照射して、接着剤14を硬化させる。貼り合わせ工程では、カバーシート10に開口部を設ける必要がないため、配線形成フィルム20の配線31との位置合わせ(開口部と露出させる配線部分との位置合わせ)が不要であり、容易にロールトゥロールで貼り合わせを行うことができる。なお、配線形成フィルム20とカバーシート10とを、単一又は複数の回路が含まれるシート単位(いわゆる枚葉)で貼り合わせを行ってもよい。この場合も、開口部と露出させる配線部分との厳密な位置合わせが不要である。このように本実施形態では貼り合わせ時の厳密な位置合わせが不要であるため、位置合わせが失敗した不良品は発生せず、工程スピードも上げられるので低コストかつ高速で貼り合わせを行うことができる。なお、開口部の位置合わせを目的としないが、貼り合わせ工程に材料を送り込みあるいは設置するのに、ガイドとしてあらかじめカバーシートにガイド穴などを開けておいてもよいことは言うまでもない。
貼り合わせ工程が終了すると、全ての配線32、32aはカバーシート10によって保護された状態となる。それから、露出させるべき配線32a部分の上方に存する保護フィルム12を除去して開口部40を形成する(図3、接着剤露出工程)。保護フィルム12の除去方法は、エッチングによる方法、レーザーを用いる方法など種々存在する。例えばエッチングによる方法は、特許文献2に開示されている方法を利用して、耐エッチング性のレジストを開口部を形成する部分以外に形成した後、エッチング液を作用させる。この工程は、エッチングによる配線形成と同様の工程であり、容易に精度良く行うことができる。レーザーを用いる方法も精度良く行うことができる。
接着剤露出工程では、保護フィルム12に開口部40が形成されるが、開口部40内に位置する配線30aの上面には硬化した接着剤15が載っているため、配線30aの上面は露出していない。そこで次に配線30a上面の硬化した接着剤15を除去する(図4、配線露出工程)。硬化した接着剤15の除去は、接着剤15を溶解させる溶液を用いて行うことが好ましく、接着剤15の種類によって溶液の種類を選択すればよい。例えばエポキシ系の接着剤15の場合は、過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムとの水溶液を用いて溶解させ、水洗し、その後に中和を行えばよい。なお、配線30aは、接着剤15によって埋められていて上面のみが露出する状態とすることが好ましい。そのためには、接着剤15を溶解させる溶液の濃度を小さくして、溶解速度をコントロールすることが好ましい。
以上の工程を行うことにより、配線形成フィルム20の一部の配線30は、保護フィルム12の開口部40内に位置していると共に、接着剤15によって埋められていて上面39が露出しており、それ以外の配線32は接着剤15によって埋め込まれていると共に、上方に保護フィルム12が存している。つまり、配線形成フィルム20の一部の配線30は、保護フィルム12が上に配置されておらず、上面39が露出していると共に側方あるいは周囲に接着剤15が存在している状態である。
このように、保護フィルム12の開口部40内に位置している配線30がその側方あるいは周囲に接着剤15が存在しているので、隣合う配線30,30間の線間絶縁信頼性を高く保つことができる。特に、配線ピッチが小さくなってきた時でも線間絶縁信頼性を高く保つことができる。そして、保護フィルム12は、耐屈曲性にすぐれている。
また、通常のカバーレイフィルムやカバーコートを使用した場合は、露出した配線の幅が小さくなる(すなわち配線ピッチが小さくなる)と、配線の配線形成フィルム20からの剥離強度が低下していき、FPCの使用環境の変化や、経時的劣化、外部からの外圧や屈曲によって配線がフレキシブル回路基板から剥離したり、割れたりするおそれがある。しかし、本実施形態のフレキシブル回路基板であれば、配線30の側方あるいは周囲が接着剤15に囲まれているので、配線30幅が小さくなっても剥離強度が十分大きく保たれ、配線30がフレキシブル回路基板から剥離したり、配線が割れたりするおそれはない。さらには、露出した配線30を異方導電性接着剤(ACFやACP)を用いて外部端子と電気的に接続する場合、通常のカバーレイフィルムやカバーコートであれば、隣合う配線間(配線の側面間)にも異方導電性接着剤が入り込むため、異方導電性接着剤中の導電粒子が隣合う配線間を導通させてしまうおそれがあるが、本実施形態のフレキシブル回路基板であればそのようなおそれがなく、この点でも隣合う配線30,30間の線間絶縁信頼性を高く保つことができる。
従来のカバーレイフィルムでは、配線形成フィルムに貼り合わせる前に、打ち抜きにより開口を形成する必要がある。そのための金型が必要であるが、本実施形態のフレキシブル回路基板であれば金型は不要でその分コストを下げられる。また、開口を打ち抜きにより形成するためには、開口の大きさや形状、開口率に制限があるため、小さな開口を設計することができず、開口形状の設計が自由ではないが、本実施形態のフレキシブル回路基板であれば開口の大きさ、形状等を自由に設計できる。また、本実施形態のフレキシブル回路基板であれば、ハーフカット打ち抜きをする必要が無く、カバーレイ用の離型フィルムを薄くすることができ、剥離時の応力によるカール等の寸法精度の変化を大幅に少なくできるので、コストダウンできる。さらには、本実施形態のフレキシブル回路基板であれば、ロールトゥロールの加工が容易に行え、貼り合わせ時のカバーシートと配線形成フィルムとの位置合わせが容易なため、コストを下げられると共に、製造時間も短縮できる。そして、従来のカバーレイフィルムでは開口を形成してから貼り合わせを行うので、開口部において接着剤の浸み出しが生じ、それを防止するために貼り合わせ工程において、柔軟性、耐熱性、剥離性などを兼ね備える複雑なクッション材料の構成が必要であったが、本実施形態のフレキシブル回路基板であればそのようなクッション材は不要となり、コストダウンできる。
<ポリイミドフィルム>
本発明に用いられるカバーシートはポリイミド樹脂を使用することがFPCの耐熱性、寸法安定性、屈曲耐性の点では好ましく、さらには特定の物性を有するポリイミドフィルムを使用することが望ましい。
[ポリイミドフィルムの製造方法]
ポリイミドフィルムを得るに際しては、まず、芳香族ジアミン成分及び芳香族酸無水物成分を有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミック酸溶液(以下、ポリアミド酸溶液ともいう)を得る。
ポリアミック酸溶液は、芳香族ジアミン成分と芳香族酸無水物成分を主成分とする化学物質を有機溶媒中で重合させることによって得ることができる。
芳香族ジアミン成分としては、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンジジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,4−ビス(3−メチル−5−アミノフェニル)ベンゼン及びこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族ジアミン成分としては、耐熱性や熱による寸法安定性が優れるなどの観点から、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上が好ましい。
芳香族酸無水物成分の具体例としては、例えば、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体等の芳香族テトラカルボン酸の酸無水物成分が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族酸無水物成分としては、耐熱性や熱による寸法安定性が優れるなどの観点から、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明において、芳香族ジアミン成分及び酸無水物成分の組み合わせとしては、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミン成分と、ピロメリット酸二無水物及び/又は3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の芳香族酸無水物成分の組み合わせが特に好ましい。
芳香族ジアミン成分がパラフェニレンジアミンと4,4'−ジアミノジフェニルエーテルを含む場合、パラフェニレンジアミンと4,4'−ジアミノジフェニルエーテルのモル比は、50/50〜0/100であることが好ましく、40/60〜0/100であることがより好ましい。
芳香族酸無水物成分がピロメリット酸二無水物と3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む場合、ピロメリット酸二無水物と3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のモル比は、100/0〜50/50であることが好ましく、100/0〜60/40であることがより好ましい。
ポリイミドフィルムを製造する方法としては、例えば、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、ポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作製し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が好ましい。
このようにして得られたポリイミドフィルムに対して、さらにアニール処理を行うことが、熱収縮率を小さくできる(具体的には、200℃で60分加熱後の熱収縮率を0.2%以下とできる。)などの観点から、好ましい。アニール処理の方法は、特に限定されず、常法に従ってよい。アニール処理の温度としては、特に限定されないが、200〜500℃が好ましく、200〜370℃がより好ましく、210〜350℃が特に好ましい。具体的には、前記温度範囲に加熱された炉の中を、低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行うことが好ましい。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントロールすることになり、5秒〜5分の処理時間であることが好ましい。また走行時のフィルム張力は10〜50N/mが好ましく、さらには20〜30N/mが好ましい。
ポリイミドフィルムは、FPCの寸法精度を高めるために、200℃で60分加熱後の熱収縮率が、通常0.2%以下(例えば、0.01〜0.15%)、好ましくは0.15%以下(例えば、0.01〜0.1%)、好ましくは0.1%以下(例えば、0.01〜0.07%)である。ポリイミドフィルムの200℃で60分加熱後の熱収縮率は、25℃、60%RHに調整された部屋に2時間以上放置した後のフィルム寸法(L1)を、CNC画像処理装置システムNEXIV VM−250(ニコン製)を用いて測定し、続いて200℃で60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に1日間放置した後のフィルム寸法(L2)を、前記CNC画像処理装置システムを用いて測定し、下記式により算出することができる。
熱収縮率(%)=−{(L2−L1)/L1}×100
ポリイミドフィルムの平均線膨張係数は、特に限定されないが、例えば0〜100ppm/℃、好ましくは0〜50ppm/℃、より好ましくは3〜35ppm/℃である。前記熱膨張係数は、島津製作所製TMA−50を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定することができる。
<実施例1>
実施例1では、カバーシートとして、保護フィルムが厚さ12.5μmのカプトン50ENであって、その上にエポキシ系の接着剤20μmが形成された(株)ウノン技研製のカバーシートを用いた。このカバーシートを、片面に回路が形成された回路形成基板に、150℃、3MPa、30分の貼り合わせ条件にて貼り付けた。
このカバーシート付きフレキシブル回路基板の保護フィルムの一部を東レエンジニアリング(株)製のポリイミドエッチング液TPE3000Nにてエッチングして除去し、除去後のシート状の基板から開口部を含む範囲で35mm×22.5mmの試験片を作成した。
上述の試験片を用いて、過マンガン酸カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも一方が含有されたエッチング液100g中で接着剤をエッチングし、水洗した後、中和した。
その際、前記試験片の配線が露出するまでのエッチング速度を、エッチング液中に含まれる過マンガン酸カリウム及び水酸化ナトリウムの濃度を各種に変化させた。
その結果を表1に示す。なお、このときの保護フィルムのエッチング条件は、特許第3251515号の条件を使用した。
Figure 0006955481
この結果によれば、過マンガン酸カリウムが含まれない場合は水酸化ナトリウムがどのような濃度であっても、又は、過マンガン酸カリウムが1.2質量%以下であって且つ水酸化ナトリウムが0.05質量%未満の場合、又は、過マンガン酸カリウムが0.1質量%以下であって且つ水酸化ナトリウムが1.5質量%未満の場合、又は、過マンガン酸カリウムが1質量%未満であって且つ水酸化ナトリウムが18質量%以上の場合、又は、過マンガン酸カリウムが0.1質量%未満であって且つ水酸化ナトリウムが5質量%以上の場合では接着剤をエッチングすることができなかった。
一方、過マンガン酸カリウムの濃度が2質量%以上18.15質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.05質量%以上0.1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上5質量%未満の場合では接着剤をエッチングすることができた。
そのため、表中に数字が表示された条件及び○が示された条件、すなわち太線で囲まれた範囲では、厚さ10μmの接着剤を60分以内でエッチングすることができ、表中にエッチング不可又は×が示された条件では、厚さ10μmの接着剤を60分以内でエッチングすることができないと推定される。
また、エッチングできる条件のなかではそれぞれの薬液とも濃度が高いほどエッチング時間は短かった。
<実施例2>
実施例2では、実施例1と同じ試験片を用いて、接着剤のエッチング液として過マンガン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムとの少なくとも一方が含有されている溶液を用いて接着剤をエッチングした。すなわち、本実施例ではエッチング液に含まれる過マンガン酸塩は、実施例1とは異なり、過マンガン酸ナトリウムである。
その結果を表2に示す。なお、このときの保護フィルムのエッチング条件は、特許第3251515号の条件を使用した。
Figure 0006955481
この結果によれば、過マンガン酸ナトリウムが0.05質量%の場合は水酸化ナトリウムがどのような濃度であっても、又は、過マンガン酸ナトリウムが1.2質量%以下であって水酸化ナトリウムが含有されていない場合、又は、過マンガン酸ナトリウム0.1質量%以下であって且つ水酸化ナトリウムが1.5質量%未満の場合、又は、過マンガン酸ナトリウムが0.5質量%以下であって且つ水酸化ナトリウム18質量%以上である場合では接着剤をエッチングすることができなかった。
一方、過マンガン酸ナトリウムの濃度が2質量%以上20質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満の場合は接着剤をエッチングすることができた。
<実施例3>
実施例3では、2種類のカバーシートを使用してエッチングを行った。
まず1番目のカバーシートとして、保護フィルムが厚さ12.5μmのカプトン50ENであって、その上にエポキシ系の接着剤20μmが形成された(株)ウノン技研製のカバーシートを用いた。このカバーシートを、両面に回路が形成された回路形成基板の両面に貼り付けた。なお、この接着剤は、実施例1のカバーシートの接着剤とは材質が異なっている。貼り付け条件は実施例1と同じである。
このカバーシート付きフレキシブル回路基板の保護フィルムの一部を東レエンジニアリング(株)製のポリイミドエッチング液TPE3000Nにてエッチングして除去し、除去後のシート状の基板から開口部を含む範囲で40mm×90mmの試験片を作成した。
次に、2番目のカバーシートとして、保護フィルムが厚さ12.5μmのカプトン50Hであって、その上にエポキシ系の接着剤20μmが形成されたニッカン工業(株)製のカバーシートを用いて、このカバーシートを両面に回路が形成された回路形成基板の両面に貼り付けた。貼り合わせ条件は、160℃、3MPa、40分とした。
このカバーシート付きフレキシブル回路基板の保護フィルムの一部を東レエンジニアリング(株)製のポリイミドエッチング液TPE3000Nにてエッチングして除去し、除去後のシート状の基板から開口部を含む範囲で40mm×90mmの試験片を作成した。
上述の2種類の試験片を用いて、過マンガン酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム含有のエッチング液100g中で接着剤をエッチングし、水洗した後、中和した。
その結果を表3に示す。なお、このときの保護フィルムのエッチング条件は、特許第3251515号の条件を使用した。
Figure 0006955481
この結果によれば、過マンガン酸ナトリウム8.5質量%、水酸化ナトリウムが5質量%の濃度ではエッチング時間は異なるが、接着剤をエッチングすることができた。
<実施例4>
実施例4では、2種類のカバーシートを使用してエッチングを行った。
まず1番目のカバーシートとして、保護フィルムが厚さ12.5μmのカプトン50ENCであって、その上にエポキシ系の接着剤25μmが形成された京セラケミカル(株)製のカバーシートを用いた。このカバーシートを、両面に回路が形成された回路形成基板の両面に貼り付けた。なお、この接着剤は、実施例1、2のカバーシートの接着剤とは材質が異なっている。貼り付け条件は実施例1と同じである。
このカバーシート付きフレキシブル回路基板の保護フィルムの一部を東レエンジニアリング(株)製のポリイミドエッチング液TPE3000Nにてエッチングして除去し、除去後のシート状の基板から開口部を含む範囲で20mm×20mmの試験片を作成した。
次に、2番目のカバーシートとして、保護フィルムが厚さ12.5μmのカプトン50ENCであって、その上にエポキシ系の接着剤25μmが形成された京セラケミカル(株)製のカバーシートを用いて、このカバーシートを両面に回路が形成された回路形成基板の両面に貼り付けた。貼り合わせ条件は、実施例1と同じである。なお、このカバーシートの接着剤は、実施例1,2のカバーシート及び本実施例の1番目のカバーシートの接着剤とは材質が異なっている。
このカバーシート付きフレキシブル回路基板の保護フィルムの一部を東レエンジニアリング(株)製のポリイミドエッチング液TPE3000Nにてエッチングして除去し、除去後のシート状の基板から開口部を含む範囲で20mm×20mmの試験片を作成した。
上述の2種類の試験片を用いて、過マンガン酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム含有のエッチング液100g中で接着剤をエッチングし、水洗した後、中和した。
その結果を表4に示す。なお、このときの保護フィルムのエッチング条件は、特許第3251515号の条件を使用した。
Figure 0006955481
この結果によれば、過マンガン酸ナトリウム8.5質量%、水酸化ナトリウムが5質量%の濃度ではエッチング時間は異なるが、接着剤をエッチングすることができた。
(実施形態2)
実施形態2に係るフレキシブル回路基板は、図4に示すフレキシブル回路基板の、保護フィルム12に形成された開口部及び配線露出工程において一部の接着剤15が除去された部分に、図5に示すように、導電部材からなる導電層50が形成されている。導電層50は配線33の上面39の上に載せられていて、接着剤露出工程及び配線露出工程において形成された窪み全体を満たすように形成されている。導電層50は、導電性ペーストの塗布や、めっきなどによって形成することができる。なお、図4に示す実施形態1に係るフレキシブル回路基板の接着剤層15及び配線30の一部に導電層50以外の部材を載置した後に、それらを覆うように導電層50を形成しても構わない。
(実施形態3)
実施形態3に係るフレキシブル回路基板は、図4に示すフレキシブル回路基板の、保護フィルム12に形成された開口部及び配線露出工程において一部の接着剤15が除去された部分に、図6に示すように、導電部材からなる導電層52が形成されており、この導電層52はめっき層である。導電層52は配線34の上面39の上に載せられていて、接着剤露出工程及び配線露出工程において形成された窪みの底面全体及び側面を被覆するように形成されている。めっき層である導電層52を形成するめっき方法は特に限定されない。なお、図4に示す実施形態1に係るフレキシブル回路基板の接着剤層15及び配線30の一部に導電層52以外の部材を載置した後に、それらを被覆するように導電層52を形成しても構わない。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
絶縁フィルムや保護フィルムの材質や厚み等は、絶縁性を有していてフレキシブル回路基板としての諸特性を満たすものであれば、どのようなものであっても構わない。例えば保護フィルムとしてポリエステル樹脂のフィルムを用いても構わない。この場合、アルカリ性溶液(例えばヒドラジン水溶液)を用いてポリエステル樹脂フィルムのエッチングを行えばよい。また、接着剤もカバーシート用に使用されるものであれば材質は特に限定されない。
また、接着剤も絶縁性を有しているものであれば種類は特に限定されない。
保護フィルムが上に配置されていない部分の配線は、上面のみが露出していることが好ましいが、側面の上方も一部露出していても構わない。側面の1/2以上が接着剤に囲まれている(すなわち、少なくとも配線の側面の半分が接着剤に埋まっている)状態であれば、絶縁性や機械的強度の効果を奏する。
保護フィルムを除去した後に、レーザーを用いて配線上の接着剤を除去しても構わない。また、接着剤を、サンドブラスト法を用いて除去しても構わない。
また、フレキシブル回路基板の配線が高精細部とそれ以外に分かれている場合は、高精細部のみに本技術を適用し、それ以外の部分には従来技術であるカバーコートやあらかじめ開口部が設けられたカバーレイを使用する複合体(いわゆる、ハイブリッドタイプ)とすることもできる。
また、フレキシブル回路基板は配線が片面に形成されているタイプでもよいし、両面に形成されているタイプでもよいし、回路層を3層以上備える多層タイプでもよい。このとき、配線が片面に形成されているタイプでは、配線が形成されている面にカバーシートが形成されるし、両面配線のタイプでは両面にカバーシートが形成される。多層タイプの場合は、積層方法に応じて、片面タイプが積層される場合と、両面タイプが積層される場合、あるいは片面と両面とが混在して積層される場合があるが、いずれにせよ最外層と内層の回路面にカバーシートが形成される。
また、本技術はフレキシブル回路基板とプリント基板とを組み合わせた、いわゆるリジッドフレックス基板においても内層カバーシート構造として使用できる。
上記の実施形態に係るフレキシブル回路基板を複数枚積層して、隣合う2つのフレキシブル回路基板の配線同士を電気的に導通をさせてもよく、その導通方法としては、例えば絶縁フィルムに配線まで達する貫通孔を形成し、その貫通孔に導電部材を埋め込むと同時に絶縁フィルムの配線が配置されている面とは反対面側にその導電部材を突出させ、その突出部ともう一つのフレキシブル回路基板の配線とを接触させる、という方法が挙げられるが、この方法に限定されない。
10 カバーシート
12 保護フィルム
14、15 接着剤
20 配線形成フィルム
22 絶縁フィルム
30,30a 配線
31 配線
32,32a 配線
33 配線
34 配線
39 上面
50,52 導電層

Claims (10)

  1. 絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム上に形成された配線と、前記絶縁フィルム及び前記配線の一部の上に配置された絶縁性の保護フィルムとを備え、
    前記保護フィルムは、前記絶縁フィルム及び前記配線に接着剤を介して貼り合わせられており、
    前記配線のうち、前記保護フィルムが上に配置されていない部分は、上面が露出しているとともに側方あるいは周囲に前記接着剤が付着しており、
    前記絶縁フィルムのうち、前記保護フィルムが上に配置されていない部分には、前記配線が形成されていない部分が存在するとともに当該配線が形成されていない部分の上に前記接着剤が設けられている、フレキシブル回路基板。
  2. 前記保護フィルムはポリイミド樹脂及びポリエステル樹脂のいずれか一つからなる、請求項1に記載されているフレキシブル回路基板。
  3. 絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム上に形成された配線と、前記絶縁フィルム及び前記配線の一部の上に配置された絶縁性の保護フィルムとを備え、
    前記保護フィルムは、前記絶縁フィルム及び前記配線に接着剤を介して貼り合わせられており、
    前記保護フィルムが上に配置されていない部分においては、前記配線の側方あるいは周囲に前記接着剤が付着しており、前記配線が形成されていない前記絶縁フィルム上に前記接着剤が設けられているとともに、前記接着剤の表面及び前記配線の上面には導電性部材からなる導電層が載せられている、フレキシブル回路基板。
  4. 前記導電層はめっき層である、請求項3に記載されているフレキシブル回路基板。
  5. 絶縁フィルム上に配線が形成された配線形成フィルムを準備する工程と、
    絶縁性の保護フィルムの一方の面に接着剤が形成されているカバーシートを、前記接着剤を前記配線に向かい合わせて前記配線形成フィルムに載せて貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    前記保護フィルムの一部を除去して前記接着剤の一部を露出させる接着剤露出工程と、
    露出した前記接着剤の前記一部のうち上部を除去して前記配線の上面を露出させるとともに、前記配線の側方には前記接着剤を残存させる配線露出工程と
    を含む、フレキシブル回路基板の製造方法。
  6. 前記保護フィルムはポリイミド樹脂及びポリエステル樹脂のいずれか一つからなり、前記接着剤露出工程はエッチングにより行われる、請求項5に記載されているフレキシブル回路基板の製造方法。
  7. 前記配線露出工程は、過マンガン酸塩を含む溶液を用いたエッチングにより行われる、請求項5又は6に記載されているフレキシブル回路基板の製造方法。
  8. 前記配線露出工程において用いられる前記溶液は、さらに水酸化ナトリウムを含んでいる、請求項7に記載されているフレキシブル回路基板の製造方法。
  9. 前記配線露出工程において用いられる前記溶液は、
    過マンガン酸カリウムの濃度が2質量%以上18.15質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、
    又は、過マンガン酸カリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、
    又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、
    又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満、
    又は、過マンガン酸カリウムの濃度が0.05質量%以上0.1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上5質量%未満、
    のいずれかである、請求項7又は8に記載されているフレキシブル回路基板の製造方法。
  10. 前記配線露出工程において用いられる前記溶液は、
    過マンガン酸ナトリウムの濃度が2質量%以上20質量%以下かつ水酸化ナトリウムの濃度が20質量%以下、
    又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が1質量%以上2質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上20質量%以下、
    又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.5質量%以上1質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が0.05質量%以上18質量%未満、
    又は、過マンガン酸ナトリウムの濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満かつ水酸化ナトリウムの濃度が1.5質量%以上18質量%未満、
    のいずれかである、請求項7又は8に記載されているフレキシブル回路基板の製造方法。
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