JP6955313B2 - 多色仕上げ塗装方法及び塗装物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に鉄道車両、バス、トラック、建機又は産業機器等の比較的大型の被塗物に対する塗装において最適なツートーン塗装以上の多色仕上げ塗装方法及び塗装物の製造方法に関する。
従来、乗用車等の自動車車体の塗装に使用される塗料組成物として、水酸基含有アクリル樹脂等の水酸基含有樹脂と、メラミン樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物等の架橋剤と、顔料とを含む熱硬化性塗料組成物が広く使用されている。しかし、通常、塗装工程において、メラミン樹脂を架橋剤とする場合は140℃程度の加熱乾燥温度、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする場合でも、80℃程度の加熱乾燥温度が必要とされている(特許文献1、特許文献2)。
鉄道車両やトラック、バス、建機又は産業機器などの大型の車体又は部品は、被塗物としては乗用車等の自動車車体と比べると塗装面積が大きく、必然的に乾燥炉が大型になり巨額の設備投資が必要となる他、被塗物全体に十分かつ均一な加熱乾燥温度が確保できない場合がある。また、被塗物が大きいため乾燥炉に入れると冷却に時間がかかる。現在、ツートーン以上の多色塗りをする際、十分な仕上り性を確保するには1色毎に1日程度乾燥工程が必要であり、乾燥過程に多大な工数がかかっている。特に、鉄道車両等の大面積の被塗物に多色塗り分け塗装をする際、各色塗装後に乾燥をしないとマスキングテープの塗膜へのテープ跡や糊残りや色の混層などが発生し仕上り性がよくない。そのため、前述の通り工数がかかっているだけでなく、色境界部の段差や膜厚差等により仕上り性及び耐汚染性に不満があった。
また近年、このような大型車両の塗装工程においても、工数削減による生産性向上が望まれているが、仕上り性を向上させるには各色の乾燥工程等が欠かせないものであった。
特開平1−203085号公報 特開平8−332448号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鉄道車両等の大面積の被塗物に多色塗り分け塗装をする場合に、乾燥工程を含む作業工程の削減及び時間の短縮が可能で、かつ仕上り性に非常に優れた多色仕上げ塗装方法及び塗装物の製造方法を提供することである。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意研究した結果、特定量のセルロース誘導体を含むベース塗料組成物及び上塗塗料組成物を用いて塗装し、次いでトップクリヤー塗料組成物を塗装し全面を乾燥させることによって、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の項に示す方法を提供する:
(態様1.)大面積の被塗物上に、
(1)ベース塗料組成物を塗装しベース塗膜を形成する工程、
(2)該ベース塗膜上に異なった色の上塗塗料組成物を部分的に少なくとも1回塗装し上塗塗膜を形成する工程、
(3)次いで全面にトップクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥しクリヤー塗膜を形成する工程、を含む多色仕上げ塗装方法であって、
前記ベース塗料組成物及び上塗塗料組成物がいずれも、セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)及び顔料(c)を含有するものであり、該セルロース誘導体(a)の含有量が、成分(a)及び成分(b)の固形分の合計100質量部に対して5〜75質量部の範囲内であることを特徴とする多色仕上げ塗装方法。
(態様2.)前記トップクリヤー塗料組成物が、ウレタン硬化型塗料組成物である態様1に記載の多色仕上げ塗装方法。
(態様3.)前記ベース塗料組成物及び上塗塗料組成物が、架橋剤を含有しない一液型塗料組成物である態様1又は2に記載の多色仕上げ塗装方法。
(態様4.)前記工程(1)において、ベース塗膜の乾燥膜厚が5〜30μmとなるようにベース塗料組成物を塗装し、かつ、前記工程(2)において、上塗塗膜の乾燥膜厚が5〜30μmとなるように上塗塗料組成物を塗装する態様1〜3のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法。
(態様5.)前記被塗物が鉄道車両である態様1〜4のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法。
(態様6.)態様1〜5のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法を用いて、ツートーン以上の多色に塗り分けられた塗膜を有する塗装物の製造方法。
本発明の多色仕上げ塗装方法によれば(以下、「本方法」と略称する場合がある)、比較的大面積の被塗物であっても、塗装工程における乾燥時間を含む工程の短縮が可能であり、仕上り性及び密着性に優れる塗膜及び該塗膜を有する塗装物を得ることができる。本発明によれば、全ての工程において加熱乾燥を必須とすることなく、多色塗り分け塗装が可能でかつ仕上り性に優れる。
これまで各色工数のかかっていた乾燥工程が短縮或いは削減できることから、1日に何色も塗り分け塗装が可能となり、完成までの作業工程の大幅な削減ができ生産性が向上する。また、作業工程が短縮できるのにもかかわらず、膜厚差による仕上り不良や耐汚染性(膜厚差による汚れ溜まりを起こしにくい)が向上し、塗膜欠陥を起こしにくく、トータル膜厚も少ないことから、二酸化炭素排出量及びコスト削減、軽量化かつ安全性の向上に効果が期待できる。
図1〜図5は、発明の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。 従来の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。 従来の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。
<多色仕上げ塗装方法>
本発明の多色仕上げ塗装方法は、
大面積の被塗物上に、
(1)ベース塗料組成物を塗装しベース塗膜を形成する工程、
(2)該ベース塗膜上に異なった色の上塗塗料組成物を部分的に少なくとも1回塗装し上塗塗膜を形成する工程、
(3)次いで全面にトップクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥しクリヤー塗膜を形成する工程、を含む多色仕上げ塗装方法であって、前記ベース塗料組成物及び上塗塗料組成物中のセルロース誘導体(a)の含有量が特定の範囲内であるものを使用することを特徴とする。
<被塗物>
本方法を適用する被塗物は、塗装面積が大面積である素材のもので、形状等は特に制限されないが、工業用の乾燥炉等に入らない被塗物、若しくは乾燥炉に入れて乾燥したとしても素材到達温度が60℃未満(例えば、設定温度80℃未満)となる塗装面積の被塗物である。
例えば、建機・大型車両、産業用機器、風力発電機用ブレード、航空機等が挙げられ、より具体的には、鉄道車両、バス、トラックの車体やその部品等が挙げられる。
特に鉄道車両が好ましい。また、被塗物に旧塗膜があっても良い。
上記被塗物の素材の具体例としては、金属素材として、例えば、鋼板、亜鉛めっき、ステンレス、アルミニウム等が挙げられ、また、プラスチック素材として、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や各種のFRP等のプラスチック材料等が挙げられる。また、これら金属素材やプラスチック素材を複合したもの等も被塗物として挙げることができる。これらの素材に応じて適宜、研磨処理、脱脂処理や表面処理、パテ組成物やプライマーサーフェーサーなどを塗装し、下地調整したものであってもよい。
<工程(1)ベース塗膜を形成する工程>
ベース塗料組成物
本方法に用いるベース塗料組成物は、被塗物に耐候性、防食性、防錆性及び耐チッピング性などを付与するために形成されるものであり、ベース塗料組成物を塗装しベース塗膜を形成することによって得ることができる。
本方法に用いるベース塗料組成物は、セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)及び顔料(c)を含有するものであり、該セルロース誘導体(a)の含有量が、成分(a)及び成分(b)の固形分の合計100質量部に対して5〜75質量部含有することを特徴とする。
(a)セルロース誘導体
セルロース誘導体(a)は、セルロースを構成単位として含有する化合物であり、例えば、セルロースの水酸基を脂肪酸又は硝酸等の酸によりエステル化したセルロースのエステル化物、該セルロースのエステル化物に重合性不飽和基を導入して得られる重合性不飽和基含有セルロースエステル化物を他の重合性不飽和モノマーと反応してなるセルロース変性共重合体等を挙げることができる。
セルロースのエステル化物としては例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。これらのうちセルロースアセテートブチレートが好適に使用できる。
セルロースアセテートブチレート(以下CABと略すことがある)は、セルロースの部分アセチル化物をさらにブチルエステル化して得られるものであり、具体的には、例えば、具体的には、例えば「CAB−381−0.5」、「CAB−381−0.1」、「CAB−381−2.0」、「CAB−381−20」、「CAB−551−0.2」、「CAB−551−0.01」、「CAB−553−0.4」、「CAB−531−1」、「CAB−500−5」、「CAB−321−0.1」、「Solus2100」、「Solus2300」(以上、米国イーストマン ケミカル社製、商品名)などの市販品が例示でき、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
セルロースアセテートブチレートの数平均分子量は、乾燥性、仕上がり性と磨き性の点から、1,000〜100,000、特に3,000以上で且つ50,000未満の範囲内にあることが好ましい。
セルロース誘導体(a)の含有量は、前記セルロース誘導体(a)及び後述する水酸基含有樹脂(b)の固形分の合計100質量部に対して、5〜75質量部の範囲内であり、表面乾燥性及び仕上り性のバランスの点から、15〜70質量部の範囲内が好ましく、20〜60質量部の範囲内がより好ましい。
(b)水酸基含有樹脂
水酸基含有樹脂(b)としては水酸基を含有していれば特に限定されず、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、乾燥性向上及び、後述するトップクリヤーコートからの架橋成分のしみ込み性、付着性と仕上り性の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)を含有することが好ましく、塗膜の耐候性や耐擦傷性の点から、さらに水酸基含有アクリル樹脂(b−2)を含有することが好ましい。
(b−1)水酸基含有ポリエステル樹脂
水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)は、従来公知の多塩基酸と多価アルコールとを反応させることにより得ることができる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。さらに必要に応じて、脱水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、油脂類を共重合成分として使用することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)のガラス転移温度(Tg)は、乾燥性向上及び、後述するトップクリヤーコートからの架橋成分のしみ込み性、付着性と仕上り性の観点から、−70〜0℃、好ましくは−65〜−10℃の範囲内である。
水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)の重量平均分子量は、塗膜物性および塗装時の固形分含有率向上と仕上り性の観点から、1,000〜30,000、好ましくは3000〜25,000の範囲内である。
水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)の水酸基価は、塗膜の硬化性および仕上り性の観点から、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜170mgKOH/gの範囲内で適宜設定できる。
配合される水酸基含有樹脂(b)のうち、該水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)を含む場合、その含有率としては、表面乾燥性と仕上り性の両立の点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(b−1)/その他の水酸基含有樹脂=5/95〜95/5、好ましくは15/85〜60/40の範囲内で適宜設定できる。
(b−2)水酸基含有アクリル樹脂
水酸基含有アクリル樹脂(b−2)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマーおよび該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマーを、共重合せしめることによって製造することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スルホエチルメタクリレートのNa塩、K塩やアンモニウム塩、スチレンスルホン酸のNa塩、K塩やアンモニウム塩などが挙げられる。
水酸基含有アクリル樹脂(b−2)の重量平均分子量は、塗膜物性および塗装時の固形分含有率向上と仕上り性の観点から、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜80,000の範囲内である。
水酸基含有アクリル樹脂(b−2)の水酸基価は、塗膜の硬化性および仕上り性の観点から、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜170mgKOH/gの範囲内である。
水酸基含有アクリル樹脂(b−2)のガラス転移温度(Tg)は、得られる塗膜の物性(特に耐擦り傷性)と被塗物への付着性の観点から、0〜90℃、好ましくは20℃〜80℃の範囲内である。
尚、本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定は、ゲル浸透クロマトグラフ(ゲルパーミエーションクロマトグラフ:GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフとして、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」を1本、「TSKgel G3000HXL」を2本、および「TSKgel G2000HXL」を1本(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、「ガラス転移温度」は、静的ガラス転移温度のことであり、例えば示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で−100℃〜+100℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を静的ガラス転移温度とした。
配合される水酸基含有樹脂(b)のうち、該水酸基含有アクリル樹脂(b−2)を含む場合、その含有率としては、表面乾燥性と仕上り性の両立の点から、水酸基含有アクリル樹脂(b−2)/その他の水酸基含有樹脂=5/95〜95/5、好ましくは15/85〜60/40の範囲内で適宜設定できる。
水酸基含有樹脂(b)の含有量は、成分(a)及び後述の成分(b)の固形分の合計100質量部に対して、25〜95質量部であり、30〜85質量部の範囲内が好ましく、40〜80質量部の範囲内がより好ましい。
(c)顔料
本方法に適用するベース塗料組成物に使用される顔料(c)としては、塗料分野において公知の、光輝性顔料、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。該顔料は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光輝性顔料としては、アルミニウム等の金属フレーク粉末やペースト、パール粉、グラファイト、MIO等の光輝顔料等が代表的な例として挙げられる。該金属フレーク粉末としては、例えばアルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、ステンレスフレーク、真鍮フレーク及びクロムフレーク等が挙げられ、また、パール粉末としては、例えばパールマイカ、着色パールマイカ等が挙げられる。
着色顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒鉛、酸化鉄、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
また、前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。
これらの顔料成分は直接塗料組成物中に添加してもよく、分散剤、分散樹脂と混合して分散し、ペースト化してから塗料に配合してもよい。分散剤、分散樹脂、分散方法は公知のものを使用することができる。
顔料(c)の固形分含有量は、顔料の種類に応じて適宜調整することができるが、例えば、前記セルロース誘導体(a)及び水酸基含有樹脂(b)の合計固形分100質量部に対して、1〜250質量部の範囲が好ましく、15〜200質量部の範囲がより好ましい。
顔料(c)が着色顔料を含む場合には、カラーベース塗料組成物とすることができる。
本発明においてカラーベース塗料組成物は、被塗物の明度や色相を調整するために塗装して、カラーベース塗膜を形成することができる。
本方法においては、カラーベース塗膜とすることによって、後述する上塗塗料組成物を塗装した際に膜厚が変化しても色調や質感の差が少なくなったり、塗膜表面が傷ついた場合に目立ちにくくなったりする場合があり好ましい。
本方法におけるカラーベース塗料組成物は、着色顔料として白顔料を配合せしめることができる。白顔料としては、酸化チタンが挙げられ、酸化チタン顔料は、屈折率が高いことから白色顔料として広く使用されているものである。結晶形によってルチル型とアナターゼ型があり、本発明においてはいずれを使用しても良いが、耐候性の点からルチル型を使用することができる。また、分散性や耐候性を向上させることを目的として、表面をシリカ、ジルコニウム、アルミニウム等の無機化合物で処理したものを使用しても良い。塗膜の隠蔽力の点から、平均粒子径が100〜400nmの範囲内のものを使用することが好ましく、さらに好ましくは、200〜300nmの範囲内のものである。この平均粒子系は、電子顕微鏡による観察により測定される平均粒子径である。
塗膜の隠蔽性、仕上り性と乾燥性のバランスの観点から白顔料の含有量はさらに、前記セルロース誘導体(a)及び水酸基含有樹脂(b)の合計固形分100質量部に対して、70〜200質量部、好ましくは100〜195質量部、特に135〜185質量部の範囲内が好ましい。
本発明において、カラーベース塗料組成物に酸化チタン顔料以外の着色顔料を配合せしめる場合その含有量は、複層塗膜の明度の点から、塗料組成物中に含まれる水酸基含有樹脂固形分100質量部に対して0.01〜30質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜25質量部の範囲内であることが好ましい。
ベース塗料組成物の固形分含有率としては、スプレー塗装適正及び仕上り性の点から、固形分が3〜70質量%範囲内、特に4〜60質量%の範囲内で適宜調整ができる。
特に、ベース塗料組成物中に、光輝性顔料及び/又は白顔料を含有する場合には、塗装時の固形分含有率としては、3〜30質量%、4〜20質量%になるまで有機溶剤で希釈して塗装することにより、形成塗膜の意匠性(特にハダ)が向上する場合があり好ましい。希釈に用いる有機溶剤は特に限定されるものではなく通常の塗料用の有機溶剤を使用できる。
ここで、本明細書において塗料組成物の固形分含有率とは、試料約2.0gを直径約5cmのアルミニウム箔カップに採取し、105℃で3時間加熱後の残分(g)を測定して算出した値である。
本方法に適用するベース塗料組成物において、顔料(c)として酸化チタン顔料を含有する場合、顔料濃度を比較的高くし、かつ塗装時の固形分含有率を低くすると、塗膜隠蔽性に優れ、かつ、仕上り性と乾燥性のバランスが良いことから特に好ましい。
その他成分
本発明に適用する前記ベース塗料組成物には、さらに必要に応じて、有機重合体微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料用添加剤、前記成分(a)及び成分(b)以外の被膜形成樹脂を配合することができる。
前記成分(b)以外の被膜形成樹脂としては、まず、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤が挙げられるが、乾燥性及び仕上り性の点から架橋剤を含有しなくて良い。これにより、一液型塗料組成物とすることができる。
また、ベース塗料組成物中にリン酸基を含有する共重合体が含まれると、後述するトップクリヤー塗料組成物からの架橋剤成分のしみ込みを促進する場合があるので好ましい。リン酸基を含有する共重合体を含有する場合は、塗料組成物中の全被膜形成樹脂の合計100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましい。ここで塗料組成物中の全被膜形成樹脂としては、前記セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)、架橋剤が含有される場合は架橋剤及びリン酸基を含有する共重合体のことである。
塗装方法
前記ベース塗料組成物を塗装する際の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の公知の手段で塗装することができる。塗装回数は特に制限されることなく、1回又は複数回塗り重ねても良い。
複数回塗り重ねる場合は、ベース塗料組成物は、未乾燥塗膜で塗り重ねても良いが、具体的には、指触乾燥状態以上程度で塗り重ねることが好ましい。本明細書中において、指触乾燥状態とは、JIS K 5600−1−1に規定された乾燥状態をさし、指で軽く触って塗料が指に付かなくなる程度である。
このときの得られる塗膜の固形分含有率としては、50質量%以上、70質量%以上、特に80質量%以上が好ましい。得られた塗膜の固形分含有率は、乾燥前後の質量変化を秤量することで算出できる。
本明細書中において、硬化塗膜あるいは乾燥塗膜とは、JIS K 5600−1−1に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。一方、未乾燥塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態をも含むものである。
乾燥膜厚
ベース塗膜の乾燥膜厚としては、被塗物の状態や着色顔料の種類によって異なるが、乾燥性と仕上り性のバランスの点から、1色あたり5〜30μmの範囲内が好ましく、8〜25μmの範囲内がより好ましく、さらに10〜25μmの範囲内が特に好ましい。
ベース塗料組成物を塗装した後、乾燥は、必須ではないが、例えば常温で放置するだけでよく、必要に応じてエアブロー(風乾燥)を行なってもよい。常温乾燥は、例えば常温(5〜45℃)の環境下で放置することにより、塗膜中の揮発成分が徐々に揮発することにより成膜していき、乾燥塗膜を得ることができる。
塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%以下、特に60%以下が好ましい。常温乾燥の乾燥時間としては、乾燥膜厚によって異なるが、24時間以内とすることができる。
風乾燥を併用する場合は、例えば、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を30秒間〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。また、常温環境下、サーキュレーター等を設置し、5〜120分好ましくは10〜100分換気をしても良い。
塗装環境等に応じて、加熱乾燥又は強制乾燥しても特に問題はないが、乾燥工程の短縮と仕上り性の点から、常温乾燥が好ましい。想定される、加熱源としては太陽光であっても良い。塗装環境は屋内外どちらであっても良い。
<工程(2)上塗塗膜を形成する工程>
上塗塗料組成物
本方法に用いる上塗塗料組成物は、被塗物に意匠性及び耐チッピング性などを付与するために形成されるものであり、前記工程(1)で形成されたベース塗膜上にベース塗膜とは異なった色の上塗塗料組成物を部分的に少なくとも1回塗装し上塗塗膜を形成することによって得ることができる。
被塗物上の塗装する箇所は特に制限されず、例えばツートーン模様や2色以上のラインカラー模様、ストライプ模様、文字書き等の複雑な形状の模様も含むことができる。本方法のツートーン以上とは、例えばこれら模様となるように2色以上の多色に塗り分けられたものを含むことができる。その一部分を塗装により塗り分ける際に、マスキングを用いても良い。
上記マスキング材としては特に制限されることなく、従来から公知のものを使用することができる。マスキング材としては、例えば市販のテープ等を用いることができる。マスキングテープを用いて塗装することにより、未塗装部分との色境界ができ、意匠性に優れる。
本方法に適用される、マスキング貼り付けまでの時間は、前記ベース塗料組成物の塗布量等によって異なるが、仕上り性のバランスの点から、乾燥膜厚が5〜30μmの範囲内、かつ、相対湿度70%以下の場合、24時間以下が可能であり、具体的には30分〜120分でマスキングテープの貼り付けが可能である。本方法は、未乾燥状態でマスキングしたとしても、塗膜が指触乾燥であればテープ跡等によって仕上り性を損なうことなく意匠性に非常に優れる。
本方法に用いる上塗塗料組成物は、セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)及び顔料(c)を含有するものであり、該セルロース誘導体(a)の含有量が、成分(a)及び成分(b)の固形分の合計100質量部に対して5〜75質量部含有することを特徴とする。
セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)及び顔料(c)は、前記ベース塗料組成物の項で挙げたものを使用することができる。特に意匠性の点からは、上塗塗料組成物が、顔料として着色顔料を含有する着色塗料組成物であることが好ましい。着色顔料としては、特に限定されず、視認性や意匠性の点から、適宜選択できる。
具体的な着色顔料としては、前記顔料(c)の項目で挙げたものを使用することができる。
顔料成分の固形分含有量は、顔料の種類に応じて適宜調整することができるが、例えば、前記セルロース誘導体(a)及び水酸基含有樹脂(b)の合計固形分100質量部に対して、10〜250質量部の範囲が好ましく、15〜200質量部の範囲がより好ましい。
上塗塗料組成物の固形分含有率としては、スプレー塗装適正及び仕上り性の点から、固形分が3〜50質量%範囲内、4〜45質量%の範囲内が好ましい。
特に、上塗塗料組成物中に、光輝性顔料及び/又は白顔料を含有する場合には、固形分含有率としては、3〜30質量%、4〜20質量%になるまで有機溶剤で希釈して塗装することにより、形成塗膜の意匠性が向上する場合があり好ましい。希釈に用いる有機溶剤は特に限定されるものではなく通常の塗料用の有機溶剤を使用できる。
その他成分
本発明に適用する前記上塗塗料組成物には、さらに必要に応じて、有機重合体微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料用添加剤、前記成分(a)及び成分(b)以外の被膜形成樹脂を配合することができる。
前記成分(b)以外の被膜形成樹脂としては、まず、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤が挙げられるが、乾燥性及び仕上り性の点から架橋剤を含有しなくて良い。これにより、一液型塗料組成物とすることができる。
また、上塗塗料組成物中にリン酸基を含有する共重合体が含まれると、後述するトップクリヤー塗料組成物からの架橋剤成分のしみ込みを促進する場合があるので好ましい。リン酸基を含有する共重合体を含有する場合は、塗料組成物中の全被膜形成樹脂の合計100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましい。ここで上塗塗料組成物中の全被膜形成樹脂としては、前記セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)、架橋剤が含有される場合は架橋剤及びリン酸基を含有する共重合体のことである。
塗装方法
前記上塗塗料組成物を塗装する際の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の公知の手段で塗装することができる。塗装回数は特に制限されることなく、1回又は複数回塗り重ねても良い。すなわち、本工程(2)を複数回繰り返しても良い。塗り重ねの際に、ベース塗膜上であっても、上塗塗膜上にさらに塗り重ねる、あるいはその両方でもかまわない。
上塗塗料組成物は、未乾燥塗膜で塗り重ねて良く、具体的には、指触乾燥状態以上で塗り重ねることが好ましい。指触乾燥状態とは、JIS K 5600−1−1に規定された乾燥状態をさし、指で軽く触って塗料が指に付かなくなる程度である。このときの得られた塗膜の固形分含有率としては、50質量%以上、70質量%以上、特に80質量%以上程度が好ましい。得られた塗膜の固形分含有率は、乾燥前後の質量変化を秤量することで算出できる。
乾燥膜厚
上塗塗膜の乾燥膜厚としては、被塗物の状態や着色顔料の種類によって異なるが、乾燥性と仕上り性のバランスの点から、1色あたり5〜30μmの範囲内が好ましく、8〜25μmの範囲内がより好ましく、さらに10〜25μmの範囲内が特に好ましい。
上塗塗料組成物を塗装した後、乾燥は、必須ではないが、例えば常温で放置するだけでよく、必要に応じてエアブロー(風乾燥)を行なってもよい。常温乾燥は、例えば常温(5〜45℃)の環境下で放置することにより、塗膜中の揮発成分が徐々に揮発することにより成膜していき、乾燥塗膜を得ることができる。
塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%以下、特に60%以下が好ましい。常温乾燥の乾燥時間としては、乾燥膜厚によって異なるが、24時間以内とすることができる。
風乾燥を併用する場合は、例えば、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を30秒間〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。また、常温環境下、サーキュレーター等を設置し、5〜120分好ましくは10〜100分換気をしても良い。
塗装環境等に応じて、加熱乾燥又は強制乾燥しても特に問題はないが、乾燥工程の短縮と仕上り性の点から、常温乾燥が好ましい。想定される、加熱源としては太陽光であっても良い。塗装環境は屋内外どちらであっても良い。
<工程(3)トップクリヤー塗膜を形成する工程>
本方法は、以上述べた工程(1)及び工程(2)により順次塗膜を形成したあと、次いで前面にトップクリヤー塗料組成物を塗り重ねてクリヤー塗膜を形成する。
トップクリヤー塗料組成物
本発明方法に用いられるトップクリヤー塗料組成物としては、最上層(トップコート)として用いるトップクリヤーであり、例えば水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネートやメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいはセルロースアセテートブチレート変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカー塗料などが好適に使用できる。本方法においてトップコートを用いることにより、意匠性、仕上り性及び耐汚染性が向上する。特に、トップクリヤー塗料組成物としてウレタン硬化型塗料組成物を用いた場合、クリヤー塗膜から上塗塗膜及びベースコート塗膜中にイソシアネート成分が一部しみ込み、ベースコート中に使用するセルロース誘導体(a)及び水酸基含有樹脂(b)の水酸基と反応して、ベースコート塗料又は上塗塗料中に架橋剤成分を用いなくとも付着性及び強靭な膜を形成することができ好適である。
また該トップクリヤー塗料組成物には、必要に応じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合することができる。該トップクリヤー塗料組成物による塗膜は、乾燥膜厚で10〜100μmの範囲が適当である。
トップクリヤー塗料組成物の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の公知の手段で塗装することができる。塗装回数は特に制限されることなく、1回又は複数回塗り重ねても良い。
乾燥方法としては、加熱乾燥又は常温乾燥のどちらでもよく、必要に応じてセッティング及び/又はエアブロー(風乾燥)を行なってもよい。乾燥方法としては、硬化を促進することができるため、また、乾燥時間を短くすることができることから、加熱乾燥又は強制乾燥することがより好ましい。
加熱乾燥をする場合は、例えば、30〜80℃、好ましくは35〜70℃、特に40〜60℃の環境下、5〜120分好ましくは10〜100分乾燥することにより塗膜を得ることができる。熱源としては、太陽光であっても良い。
発明の一実施形態に係る塗装方法の内容を図面に基づき説明する。本実施形態では、鉄道等のボデーの外面にラインカラー塗装を施す場合を例にとって、以下にその内容を説明する。
図1は、発明の一実施形態に係る塗装方法の流れを説明するためのフローチャートである。
同図に示すように、この塗装方法は、必要に応じて素地調整を施した被塗物上に、
(S1)ベース塗料組成物を塗装しベース塗膜を形成する工程、
(S2)該ベース塗膜上に異なった色の上塗塗料組成物を部分的に少なくとも1回塗装し上塗塗膜を形成する工程、
(S3)次いで全面にトップクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥する工程、を含み、
必要に応じて、ベース塗膜を形成した後、(S12)ベース塗膜層上の一部をマスキングシートでマスキングする工程と、(S23)マスキングを除去する工程とを備えても良い。
作業項目数としては、塗装工程、乾燥工程、マスキング作業(貼付)、マスキング作業(除去)、乾燥工程(乾燥)、乾燥工程(加熱乾燥後の冷却)をそれぞれ1つの作業項目としてカウントすると、図1の場合は、素地調整を除くと作業項目数としては9となる。
以上述べたように、本方法によりツートーン以上に塗り分けられた塗膜を有する塗装物を得ることができる。得られた塗膜は複層塗膜であり、合計乾燥膜厚は、塗色数によって異なるが、例えば、図1のベース塗膜、上塗塗膜、クリヤー塗膜の全てが塗り重なった3層であった場合の乾燥膜厚の最大合計膜厚は、15〜160μmの範囲内、好ましくは28〜150μmの範囲内とすることができる。本方法により得られる複層塗膜は、ベース塗膜と上塗塗膜を少なくとも1回ずつ又は複数回塗り重ね、最後にクリヤー塗膜を形成するが、部分的に少なくとも3層以上でかつ多色に塗り分けられた複層塗膜となる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
(製造例1)塗料組成物No.B−1
セルロース誘導体No.1(注1)45部、50%水酸基含有アクリル樹脂(A−1)(注3)50部(固形分25質量部)、70%水酸基含有ポリエステル樹脂(E−1)(注4)を42.9部(固形分30質量部)及び顔料P−1としてタイペーク CR−93(注5)167部とキシレン/酢酸ブチル=50/50からなる混合溶剤を加え、ディスパーで約20分間攪拌し、ベース用の塗料組成物No.B−1(ホワイト)を製造した。塗装時に同混合溶剤を希釈溶剤として、固形分15質量%となるまで調整し、得られた塗料組成物の乾燥性及び乾燥後の付着性を評価し表1に示した。
(製造例2〜6及び製造例7〜11)
製造例1において、各成分の配合を表1に示す配合とする以外製造例1と同様にして、ベース塗料組成物No.B−2〜B−6及び上塗塗料組成物No.T−1〜T−5を製造した。得られた各塗料組成物を表1に記載の塗装時の固形分含有率となるように希釈調整し、乾燥性及び乾燥後の付着性を評価し表1に示した。なお、表1の配合組成は固形分表示である。
Figure 0006955313
表中の注は下記を示す。
(注1)セルロース誘導体No.1:「CAB−381−0.5」、商品名、イーストマン・ケミカル・プロダクツ社製、セルロースアセテートブチレート、数平均分子量30,000、
(注2)セルロース誘導体No.2:固形分30質量%、セルロース変性共重合体(セルロース誘導体No.2の製造方法:製造例:温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応器に下記成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で加熱し、約4時間かけて110℃まで昇温した。
酢酸ブチル 600部、
「CAB−381−0.5」(注1)200部、
昇温後、「CAB−381−0.5」(注1)が完全に溶解したことを確認した後、加熱を停止し、減圧下で酢酸ブチル133部を留去させた。反応器内の温度は87℃であった。この温度を維持しながらイソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの等モル付加反応物の90%酢酸ブチル溶液を11.1部、重合禁止剤としてp−t−ブチルカテコール0.02部、およびウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.02部を反応器に投入し、87℃で7時間、乾燥空気下で熟成させて、不飽和基含有セルロースアセテートブチレート溶液を得た。次いで反応温度を115℃に昇温し、窒素雰囲気下で下記の重合性不飽和モノマーと重合開始剤の混合溶液を2時間にわたって滴下した。酢酸ブチル130部メチルメタクリレート58.2部t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2部滴下終了後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを0.5部、酢酸ブチル20部の混合溶液を1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下で115℃1時間熟成した。固形分30%のセルロース変性共重合体溶液を得た。
(注3)水酸基含有アクリル樹脂(A−1):固形分50質量%、水酸基価92mgKOH/g、酸価1mgKOH/g未満、ガラス転移温度42℃、重量平均分子量50,000。
(注4)水酸基含有ポリエステル樹脂(E−1):固形分70質量%、水酸基価55mgKOH/g、重量平均分子量は20,000、ガラス転移温度は−60℃、DBR(二塩基酸比)は0.95。
(注5)顔料P−1:タイペーク CR−93、商品名、石原産業株式会社製、白顔料、チタン白、平均粒子径280nm、
(注6)顔料P−2:アルミペーストCR−9800RM、商品名、旭化成メタルズ社製、メタリック顔料、アルミペースト、平均粒子径7μm、比重1.1、溶媒ミネラルスピリットとソルベントナフサの混合溶媒、固形分含有率42%、
(注7)顔料P−3:黒顔料、カーボンブラック、平均粒子径0.01μm
(注8)顔料P−4:赤顔料、ペリレンレッド系顔料、
(注9)顔料P−5:青顔料、フタロシアニン系顔料。
(注10)ポリイソシアネート化合物:スミジュールN3300、商品名、住化コロベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分含有率100%。
試験項目1:乾燥性
300×150×2.0mmの市販のブリキ板に市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この塗装板上に、製造例1〜11の各塗料組成物を乾燥膜厚20±5μmなるよう塗装し、室温(23±5℃、湿度50±10%RH)で10分間放置した。その後、塗膜表面にマスキングテープを貼り付け、室温で1時間放置後にテープを剥がし、塗膜表面を目視で観察した。その後クリヤー塗装をスプレーで乾燥膜厚15±5μmとなるよう塗装し、大型乾燥炉を想定して、50℃に設定した乾燥炉(素材到達最高温度45℃となるよう)で、30分間加熱乾燥させた。試験塗膜のテープ跡の残り方を目視にて評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:テープ剥離時、クリヤー塗膜形成後ともにテープ跡がほとんど見られない、
○:テープ剥離時にはテープ跡が残るが、クリヤー塗膜形成後にはテープ跡が見られない、
△:張り付けた部分全てのテープ跡が残っているが、クリヤー塗膜形成後若干テープ跡が目立たなくなる、
×:張り付けた部分全てのテープ跡が強く残っている。
試験項目2:付着性(乾燥性試験後)
前記乾燥性試験後の試験板上の塗膜を被塗物に達するようにクロスカットし、その塗面に粘着セロハンテなお、塗膜が剥離した際の界面は、ベース塗膜または上塗塗膜/被塗物間であった。
○:剥離なし、
△:わずかに剥離あり、
×:顕著な剥離あり。
(実施例1)
300×150×2.0mmの大きさの市販のブリキ板に下地調整として市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この塗装板上に、表2に記載のベース塗料組成物を全面に乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。その後、ライン模様となるようマスキングテープにてマスキングをし、マスキングされていない部分を表2に記載の上塗塗料組成物を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。放置後マスキングを除去し、トップクリヤー塗料組成物No.1として「レタンPG2Kクリヤー」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型塗料組成物)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装した。その後塗板を、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ30分入れ加熱乾燥させ試験板を得た。
本実施例の作業手順を模式図化したものを図1に示す。試験板の乾燥膜厚の最大合計膜厚、合計工程数、塗色数及び塗装から完成までの時間を合わせて表2に示す。加熱乾燥後の冷却に要する時間は2時間とした。この場合の、作業項目数としては9である。
(実施例2)
300×150×2.0mmの大きさの市販のブリキ板に下地調整として市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この塗装板上に、表2に記載のベース塗料組成物(B−2)を全面に乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。その後、ライン模様となるようマスキングテープにてマスキングをし、マスキングされていない部分を表2に記載の上塗塗料組成物1として(T−1:グレー)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。その後、さらに上塗塗膜1上でもう一本のライン模様となるようマスキングテープにてさらにマスキングをし、マスキングされていない部分を部分的に、前記ベース塗膜及び上塗塗膜1上にさらに、上塗塗料組成物2として(T−3:ブルー)を乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、15分放置した。放置後マスキングを除去し、クリヤー塗料組成物No.1として「レタンPG2Kクリヤー」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型塗料組成物)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装した。その後塗板を、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ30分入れ加熱乾燥させ試験板を得た。
本実施例の作業手順を模式図化したものを図2に示す。試験板の乾燥膜厚の最大合計膜厚、合計工程数、塗色数及び塗装から完成までの時間を合わせて表2に示す。加熱乾燥後の冷却に要する時間は2時間とした。この場合の、作業項目数としては12である。
(実施例3)
300×150×2.0mmの大きさの市販のブリキ板に下地調整として市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この塗装板上に、表2に記載のベース塗料組成物(B−1)を全面に乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。その後、マスキングテープにてマスキングをし、マスキングされていない部分を表2に記載の上塗塗料組成物1として(T−1:グレー)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、30分放置した。その後、マスキングテープにてさらにマスキングをし、マスキングされていない部分を部分的に、前記ベース塗膜及び上塗塗膜1上にさらに、上塗塗料組成物2として(T−2:レッド)を乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、15分放置した。その後、マスキングテープにてさらにマスキングをし、マスキングされていない部分を部分的に、前記ベース塗膜、上塗塗膜1及び上塗塗膜2が順に積層された複層塗膜上にさらに、上塗塗料組成物3として(T−3:ブルー)を乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、室温(気温23℃、湿度50%RH)の条件下、15分放置した。その後マスキングを除去し、クリヤー塗料組成物No.1として「レタンPG2Kクリヤー」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型塗料組成物)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装した。その後塗板を、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ30分入れ加熱乾燥させ試験板を得た。
本実施例の作業手順を模式図化したものを図3に示す。試験板の乾燥膜厚の最大合計膜厚、合計工程数、塗色数及び塗装から完成までの時間を合わせて表2に示す。加熱乾燥後の冷却に要する時間は2時間とした。この場合の、作業項目数としては15である。
(実施例4〜5、比較例1〜3)
実施例1において、ベース塗料組成物、上塗塗料組成物、塗装膜厚、乾燥温度と時間を表2の通りとする以外は、実施例1と同様に試験板を作製した。なお、実施例4〜5、比較例1〜3及び比較例5〜6の作業手順は、前記図1に示すものと同じである。この場合の作業項目数としては9である。
(比較例4)
300×150×2.0mmの大きさの市販のブリキ板に下地調整として市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この塗装板上に、表2に記載のベース塗料組成物(B−5)を全面に乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ60分入れ加熱乾燥させた。その後、冷却し室温となったところで、塗板にマスキングテープにてマスキングをし、マスキングされていない部分を表2に記載の上塗塗料組成物1として(T−1:グレー)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装し、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ60分入れ加熱乾燥させた。その後、冷却し室温となったところで、塗板にマスキングテープにてさらにマスキングをし、マスキングされていない部分を部分的に、前記ベース塗膜及び上塗塗膜1上にさらに、上塗塗料組成物2として(T−3:ブルー)を乾燥膜厚15μmとなるようにスプレー塗装し、大型乾燥炉を想定した50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ60分入れ加熱乾燥させた。冷却し室温となったところで、マスキングを除去し、クリヤー塗料組成物No.1として「レタンPG2Kクリヤー」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型塗料組成物)を乾燥膜厚15μmとなるようスプレー塗装した。その後塗板を、大型乾燥炉を想定し50℃(素材到達温度45℃)の乾燥炉へ30分入れ加熱乾燥させ試験板を得た。
本実施例の作業手順を模式図化したものを図4に示す。試験板の乾燥膜厚の最大合計膜厚、合計工程数、塗色数及び塗装から完成までの時間を合わせて表2に示す。乾燥後の冷却に要する時間は2時間とした。この場合の、作業項目数としては15である。
(比較例5及び6)
実施例1において、ベース塗料組成物、上塗塗料組成物、塗装膜厚、乾燥温度と時間を表2の通りとする以外は、実施例1と同様に試験板を作製した。なお、比較例5及び6の作業手順は、前記図1に示すものと同じである。この場合の作業項目数としては9である。
(比較例7)
実施例1において、ベース塗料組成物、上塗塗料組成物、塗装膜厚、乾燥温度と時間を表2及通りとし、作業手順を図5の通りとする以外は、実施例1と同様に試験板を作製した。作業手順の図5の通り、ベース及び上塗りの間に各々クリヤー塗料組成物No.1を塗装している。作業手順を模式図化したものを図5に示す。この場合の作業項目数としては21である。試験板の乾燥膜厚の最大合計膜厚、合計工程数(塗装、マスキング貼付作業、マスキング除去作業、乾燥及び乾燥(冷却)を1つの作業項目としてカウント)、塗色数及び塗装から完成までの時間を合わせて表2に示す。
Figure 0006955313
試験項目3.塗膜外観:
各試験板の塗膜外観(ツヤ、ハダ、意匠性)を目視で観察し、下記基準にて評価した。
塗膜外観(ツヤ)
○:良好(均一な光沢感が認められる)
△:少し不良(ごくわずかな艶ムラが認められる)
×不良(艶ムラが認められる)。
塗膜外観(ハダ):
各試験板の塗膜外観(ハダ)を目視で下記基準にて評価した。
○:良好(ハダが均一で平滑)
△:少し不良(ややゆず肌が認められる)
×不良(顕著なゆず肌が認められる)。
塗膜外観(意匠性)
各試験板の色の境界部分を目視で観察し、下記基準にて評価した。
○:良好(色の境界がはっきりしている)、
△:少し不良(若干色の境界がぼやけている)
×:不良(色の境界が著しくはっきりしていない)。
試験項目4:耐汚染性:カーボン固着試験
各試験板の塗膜表面に、カーボン顔料(FW−200、商品名、オリオン・エンジニアカーボンズ社製)の10質量%水分散液をモデル汚染水とし、該汚染水2gをスポット滴下し、80℃で30分焼付けた後、スポンジでかるく水洗いした後、各試験板上の平坦部と色境界部のカーボンの残存を確認した。
○:平坦部と色境界部のカーボンの残存率にほとんど差がなく良好、
×:色境界部にカーボンが残存し不良。
S0:下地調整がなされた被塗物
S1:ベース塗膜を形成する工程
S2:ベース塗膜上に上塗塗膜を形成する工程
S3:トップクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥しクリヤー塗膜を形成する工程
S1’:比較用のベース塗膜を形成する工程
S2’:比較用のベース塗膜上に上塗塗膜を形成する工程
S3’:トップではないクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥しクリヤー塗膜を形成する工程
S11:S1工程中の塗装工程
S12:S1工程中の乾燥工程
S13:S1の塗膜形成後のマスキング作業
S21:S2工程中の塗装工程
S22:S2工程中の乾燥工程
S23:S2の塗膜形成後のマスキング作業
S31:S3工程中の塗装工程
S32:S3工程中の乾燥工程
S33:S3工程中の冷却工程
S2(1):1回目(1色目)の上塗塗膜を形成する工程
S2(2):2回目(2色目)の上塗塗膜を形成する工程
S2(3):3回目(3色目)の上塗塗膜を形成する工程
S2(1)1:1回目(1色目)のS2工程中の塗装工程
S2(1)2:1回目(1色目)のS2工程中の乾燥工程
S2(1)3:1回目(1色目)のS2の塗膜形成後のマスキング作業
S2(2)1:2回目(2色目)のS2工程中の塗装工程
S2(2)2:2回目(2色目)のS2工程中の乾燥工程
S2(2)3:2回目(2色目)のS2の塗膜形成後のマスキング作業
S2(3)1:3回目(3色目)のS2工程中の塗装工程
S2(3)2:3回目(3色目)のS2工程中の乾燥工程
S2(3)3:3回目(3色目)のS2の塗膜形成後のマスキング作業

Claims (6)

  1. 大面積の被塗物上に、
    (1)ベース塗料組成物を塗装しベース塗膜を形成する工程、
    (2)該ベース塗膜上に異なった色の上塗塗料組成物を部分的に少なくとも1回塗装し上塗塗膜を形成する工程、
    (3)次いで全面にトップクリヤー塗料組成物を塗り重ね乾燥しクリヤー塗膜を形成する工程、を含む多色仕上げ塗装方法であって、
    前記ベース塗料組成物及び上塗塗料組成物がいずれも、セルロース誘導体(a)、水酸基含有樹脂(b)及び顔料(c)を含有するものであり、該セルロース誘導体(a)が、セルロースアセテートブチレート又はセルロースアセテートブチレートの変性共重合体であって、その含有量が、成分(a)及び成分(b)の固形分の合計100質量部に対して5〜75質量部の範囲内であることを特徴とする多色仕上げ塗装方法。
  2. 前記トップクリヤー塗料組成物が、ウレタン硬化型塗料組成物である請求項1に記載の多色仕上げ塗装方法。
  3. 前記ベース塗料組成物及び上塗塗料組成物が、架橋剤を含有しない一液型塗料組成物である請求項1又は2に記載の多色仕上げ塗装方法。
  4. 前記工程(1)において、ベース塗膜の乾燥膜厚が5〜30μmとなるようにベース塗料組成物を塗装し、かつ、前記工程(2)において、上塗塗膜の乾燥膜厚が5〜30μmとなるように上塗塗料組成物を塗装する請求項1〜3のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法。
  5. 前記被塗物が鉄道車両である請求項1〜4のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の多色仕上げ塗装方法を用いて、ツートーン以上の多色に塗り分けられた塗膜を有する塗装物の製造方法。
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