JP6954116B2 - 測定方法、測定装置および測定チップ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物質を測定するための測定方法および測定装置、ならびに被測定物質の測定に使用されうる測定チップに関する。
臨床検査などにおいて、タンパク質やDNAなどの微量の被測定物質を高感度かつ定量的に測定することができれば、患者の状態を迅速に把握して治療を行うことが可能となる。このため、微量の被測定物質を高感度かつ定量的に測定できる測定装置が求められている。
被測定物質を高感度に測定できる測定装置として、表面プラズモン共鳴蛍光分析(表面プラズモン励起増強蛍光分光法(Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy):以下「SPFS」と略記する)を利用する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の測定装置では、プリズム(透明支持体)と、プリズム上に形成された金属膜と、金属膜上に固定された捕捉体(例えば、抗体)とを有する測定チップを使用する。金属膜上に被測定物質を含む検体を供給すると、被測定物質が捕捉体により捕捉される(1次反応)。捕捉された被測定物質は、さらに蛍光物質で標識される(2次反応)。この状態で、表面プラズモン共鳴が生じる角度で、プリズムを介して励起光を、金属膜に照射すると、金属膜表面上に局在場光を発生させることができる。この局在場光により、金属膜上に捕捉された被測定物質を標識する蛍光物質が選択的に励起され、蛍光物質から放出された蛍光が観察される。この測定装置では、蛍光を検出して、被測定物質の存在またはその量を測定する。このとき、測定チップから放出される自家蛍光などの影響を排除するために、2次反応を行う前に光学ブランク測定が行われる。そして、蛍光の光量の検出値(以下、単に「蛍光値」ともいう)から光学ブランク値を引いてシグナル値を算出することで、被測定物質を高精度で測定することができる。
特開2013−053902号公報
微量の被測定物質を標識する蛍光物質からの蛍光は微弱であるため、SPFSを利用した測定装置では、光電子増倍管(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)などの高感度な受光センサーを使用するのが一般的である。しかし、これらの高感度な受光センサーは、微弱な光の検出には適しているものの、受光感度が温度により大きく変化するため、高精度な温度制御が必要となるという問題を有している。
そこで、本発明者らは、温度が変化しても受光感度の変化が小さい受光センサー(例えば、フォトダイオード(PD))を使用することを検討した。本発明者らは、励起光の光源をハイパワー化(例えば、1mW/mm以上)することで、PDのように高感度でない受光センサーを用いても、SPFSを利用して微量の被測定物質を高精度に測定しうることを見出した。
しかしながら、本発明者らの予備実験によれば、ハイパワーの励起光を測定チップに照射すると、測定チップから放出される自家蛍光の光量が減衰することがわかった。このように測定チップから放出される自家蛍光の光量が減衰する場合、蛍光を測定するときの自家蛍光の光量は、光学ブランク値を測定するときの自家蛍光の光量よりも小さくなる。このため、蛍光値から光学ブランク値を引いたときに、正しいシグナル値を算出することができず、不正確に小さい値を算出してしまうこととなる。
以上のように、SPFSを利用した測定方法および測定装置において、ハイパワーの励起光を照射する場合、測定チップから放出される自家蛍光の光量の減衰により、被測定物質を高精度で測定することができないおそれがある。
本発明の第1の目的は、SPFSを利用する測定方法および測定装置であって、ハイパワーの励起光を照射する場合であっても、測定チップから放出される自家蛍光の光量の減衰による影響を低減し、高精度に被測定物質を測定することができる測定方法および測定装置を提供することである。また、本発明の第2の目的は、SPFSを利用した測定方法および測定装置で使用されうる測定チップであって、ハイパワーの励起光を照射される場合であっても、測定チップから放出される自家蛍光の光量の変動を抑制し、高精度に被測定物質を測定することができる測定チップを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る測定方法は、被測定物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光を検出して、前記被測定物質の存在または量を示すシグナル値を測定する測定方法であって、誘電体である樹脂からなるプリズムと、前記プリズムの一面上に配置された金属膜とを有する測定チップの前記プリズムに光を照射して、前記プリズムから放出される自家蛍光の光量を減衰させる第1工程と、前記第1工程の後に、前記蛍光物質が前記金属膜上に存在しない状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように、前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射して、前記測定チップから放出される光を検出し、光学ブランク値を測定する第2工程と、前記第2工程の後に、前記蛍光物質で標識された前記被測定物質が前記金属膜上に存在する状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように、前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射して、前記蛍光物質から放出される蛍光を検出し、蛍光値を測定する第3工程と、前記第3工程の後に、前記蛍光値から前記光学ブランク値を引いて前記シグナル値を算出する第4工程と、を含む。
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る測定装置は、誘電体である樹脂からなるプリズムと、前記プリズムの一面上に配置された金属膜とを有する測定チップが装着され、前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射することで、前記金属膜上に存在する被測定物質を標識する蛍光物質を表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起させ、前記蛍光物質から放出された蛍光を検出することで、前記被測定物質の存在または量を示すシグナル値を測定するための測定装置であって、前記測定チップを保持するためのホルダーと、前記プリズムから放出される自家蛍光の光量を減衰させるための光と、前記蛍光物質を励起するための励起光とを、前記ホルダーに保持された前記測定チップに照射する光照射部と、前記光照射部が前記測定チップに光を照射したときに、前記測定チップから放出される光を検出する光検出部と、前記光検出部により得られた検出値を処理する処理部と、前記光照射部および前記光検出部の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、光学ブランク値を測定するために、前記蛍光物質が前記金属膜上に存在しない状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射するように前記光照射部を制御するとともに、前記測定チップから放出される光を検出するように前記光検出部を制御し、前記制御部は、蛍光値を測定するために、前記蛍光物質で標識された前記被測定物質が前記金属膜上に存在する状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように、前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射するように前記光照射部を制御するとともに、前記蛍光物質から放出される蛍光を検出するように前記光検出部を制御し、前記処理部は、前記蛍光値から前記光学ブランク値を引いて前記シグナル値を算出する。
上記課題を解決するため、本発明の一実施の形態に係る測定チップは、被測定物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光を検出して、前記被測定物質の存在または量を測定する測定方法に使用される測定チップであって、誘電体である樹脂からなるプリズムと、前記プリズムの一面上に配置された金属膜と、を有し、前記蛍光を検出する時に前記金属膜に照射する励起光と同じ照射エネルギーの光を前記プリズムに連続して2回照射したときに、前記プリズムから放出される自家蛍光の光量の減衰率が1%以下である。
本発明によれば、被測定物質を高感度かつ高精度に測定することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る表面プラズモン励起増強蛍光測定装置の構成を示す図である。 図2は、表面プラズモン励起増強蛍光測定装置の動作手順の一例を示すフローチャートである。 図3Aは、測定チップのプリズムに照射された励起光の照射エネルギーと、光学ブランク値との関係を示すグラフであり、図3B、Cは、測定チップのプリズムに対するエージングの効果について説明するための概念図である。 図4は、測定チップの樹脂部材に照射された光の照射エネルギーと、光学ブランク値の減衰率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係る測定装置の代表例として、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用して、被測定物質を測定する表面プラズモン励起増強蛍光測定装置(以下、「SPFS装置」ともいう)について説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1では、エージングされていない樹脂部材を有する測定チップを使用して、被測定物質の測定を行う測定装置および測定方法について説明する。ここで、「エージング」とは、樹脂部材に光を照射して、樹脂部材から放出される自家蛍光の光量を意図的に減衰させることをいう。
図1は、実施の形態1に係るSPFS装置100の構成を示す図である。図1に示されるように、SPFS装置100は、測定チップ10を着脱可能に保持するためのチップホルダー110と、測定チップ10に光を照射するための光照射ユニット(光照射部)120と、測定チップ10から放出された光(自家蛍光、プラズモン散乱光βまたは蛍光γ)を検出するための受光ユニット(光検出部)130と、これらを制御する制御部(処理部)140と、測定チップ10に送液するための送液ユニット(不図示)とを有する。SPFS装置100は、チップホルダー110に測定チップ10を装着した状態で使用される。そこで、測定チップ10について先に説明し、その後にSPFS装置100の各構成要素について説明する。
(測定チップの構成)
図1に示されるように、測定チップ10は、入射面21、成膜面22および出射面23を有するプリズム20と、成膜面22上に形成された金属膜30と、成膜面22上または金属膜30上に配置された流路蓋40とを有する。通常、測定チップ10は、測定(分析)のたびに交換される。
プリズム20は、励起光αに対して透明であり、誘電体である樹脂からなる。プリズム20は、入射面21、成膜面22および出射面23を有する。
入射面21は、光照射ユニット120からの励起光αをプリズム20の内部に入射させる。成膜面22の上には、金属膜30が配置されている。プリズム20の内部に入射した励起光αは、金属膜30で反射する。より具体的には、プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22)で反射する。出射面23は、金属膜30で反射した励起光αをプリズム20の外部に出射させる。
プリズム20の形状は、特に限定されない。本実施の形態では、プリズム20の形状は、台形を底面とする柱体である。台形の一方の底辺に対応する面が成膜面22であり、一方の脚に対応する面が入射面21であり、他方の脚に対応する面が出射面23である。底面となる台形は、等脚台形であることが好ましい。これにより、入射面21と出射面23とが対称になり、励起光αのS波成分がプリズム20内に滞留しにくくなる。入射面21は、励起光αが光照射ユニット120に戻らないように形成されている。励起光αが励起光源であるレーザーダイオードに戻ると、レーザーダイオードの励起状態が乱れてしまい、励起光αの波長や出力が変動してしまうからである。そこで、理想的な共鳴角または増強角を中心とする走査範囲において、励起光αが入射面21に垂直に入射しないように、入射面21の角度が設定される。
ここで「共鳴角」とは、金属膜30に対する励起光αの入射角を走査した場合に、出射面23から出射される反射光の光量が最小となるときの、入射角を意味する。また、「増強角」とは、金属膜30に対する励起光αの入射角を走査した場合に、測定チップ10の上方に放出される励起光αと同一波長の散乱光(以下「プラズモン散乱光」という)βの光量が最大となるときの、入射角を意味する。たとえば、入射面21と成膜面22との角度および成膜面22と出射面23との角度は、いずれも約80°である。
プリズム20を構成する樹脂の例には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)や、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン系ポリマーなどが含まれる。プリズム20を構成する樹脂は、好ましくは、屈折率が1.4〜1.6であり、かつ複屈折が小さい樹脂である。このように樹脂(組成物)を用いてプリズム20を形成した場合、通常、プリズム20は、光を照射されたときに自家蛍光を放出する。
金属膜30は、プリズム20の成膜面22上に形成されている。金属膜30を設けることで、成膜面22に全反射条件で入射した励起光αの光子と、金属膜30中の自由電子との間で相互作用(表面プラズモン共鳴;SPR)が生じ、金属膜30の表面上に局在場光を生じさせることができる。金属膜30の素材は、表面プラズモン共鳴を生じさせる金属であれば特に限定されない。金属膜30の素材の例には、金、銀、銅、アルミニウム、これらの合金が含まれる。本実施の形態では、金属膜30は、金薄膜である。金属膜30の形成方法は、特に限定されない。金属膜30の形成方法の例には、スパッタリング、蒸着、メッキが含まれる。金属膜30の厚みは、特に限定されないが、30〜70nmの範囲内が好ましい。
また、特に図示しないが、金属膜30のプリズム20と対向しない面には、被測定物質を捕捉するための捕捉体が固定されている。捕捉体を固定することで、被測定物質を選択的に測定することが可能となる。このように金属膜30の表面の少なくとも一部は、反応場として設定される。本実施の形態では、金属膜30表面の中央部分が反応場として設定されている。反応場には、捕捉体が均一に固定されている。捕捉体の種類は、被測定物質を捕捉することができれば特に限定されない。たとえば、捕捉体は、被測定物質に特異的に結合可能な抗体またはその断片である。
流路蓋40は、金属膜30のプリズム20と対向しない面上に、流路41を挟んで配置されている。流路蓋40は、流路41を挟んで成膜面22上に配置されていてもよい。流路蓋40は、金属膜30(およびプリズム20)とともに、検体や蛍光標識液、洗浄液などの液体が流れる流路41を形成する。反応場は、流路41内に露出している。流路41の両端は、流路蓋40の上面に形成された注入口および排出口(いずれも図示省略)とそれぞれ接続されている。流路41内へ液体が注入されると、流路41内において、これらの液体は反応場の捕捉体に接触する。
流路蓋40は、金属膜30の反応場から放出された光(プラズモン散乱光βおよび蛍光γ)に対して透明な材料からなる樹脂部材である。流路蓋40の材料は、これらの光に対して透明であれば特に限定されない。これらの光を受光ユニット130に導くことができれば、流路蓋40の一部は、不透明な材料で形成されていてもよい。流路蓋40は、例えば、両面テープまたは接着剤による接着や、レーザー溶着、超音波溶着、クランプ部材を用いた圧着などにより金属膜30またはプリズム20に接合されている。
なお、測定チップ10の設計により、共鳴角(およびその極近傍にある増強角)が概ね決まる。設計要素は、プリズム20の屈折率や、金属膜30の屈折率、金属膜30の膜厚、金属膜30の消衰係数、励起光αの波長などである。金属膜30上に捕捉された被測定物質によって共鳴角および増強角がシフトするが、その量は数度未満である。
図1に示されるように、プリズム20へ導かれた励起光αは、入射面21でプリズム20内に入射する。プリズム20内に入射した励起光αは、プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22)に全反射角度(表面プラズモン共鳴が生じる角度)となるように入射する。上記の界面からの反射光は、出射面23でプリズム20外に出射される(図示省略)。このとき、励起光αがプリズムを通過することによって、プリズム20内の励起光αの光路となる領域からは、自家蛍光が放出される。この自家蛍光の一部は、金属膜30および流路蓋40を透過して受光ユニット130の方向に向かう。また、表面プラズモン共鳴が生じる角度で励起光αが上記の界面に入射することで、反応場からは、プラズモン散乱光βや蛍光γなどが、受光ユニット130の方向へ放出される。
(SPFS装置の構成)
次に、SPFS装置100の各構成要素について説明する。前述のとおり、SPFS装置100は、チップホルダー110、光照射ユニット(光照射部)120、受光ユニット(光検出部)130および制御部(処理部)140を有する。
チップホルダー110は、所定の位置で測定チップ10を保持する。測定チップ10は、チップホルダー110に保持された状態で、光照射ユニット120からの励起光αを照射される。
光照射ユニット120は、チップホルダー110に保持された測定チップ10に向けて、測定チップ10をエージングするための光(以下「エージング光」という)と、励起光α(シングルモードレーザー光)とを照射する。より具体的には、光源ユニット121は、測定チップ10のプリズム20側から捕捉体が固定されている領域に対応した金属膜30の裏面に、励起光αを全反射角度となるように照射する。また、光源ユニット121は、少なくともプリズム20内における励起光αの光路と重複するように、プリズム20にエージング光を照射する。
光照射ユニット120は、励起光αを出射する光源ユニット121と、プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22)に対する励起光αの入射角を調整する角度調整部122と、光源ユニット121に含まれる各種機器を制御する光源制御部123とを有する。
光源ユニット121は、エージング光と、励起光αとを出射する。たとえば、光源ユニット121は、エージング光の光源、励起光αの光源、ビーム整形光学系、APC機構および温度調整機構(いずれも図示省略)を有する。
エージング光の光源の種類は、特に限定されないが、エージングを効率的に行う観点からは、励起光αと同じ波長の光を出射可能なハイパワーの光源であることが好ましい。また、励起光αの光源の種類も、特に限定されないが、受光センサー135としてフォトダイオード(PD)などの高感度でない光検出器を使用する観点からは、ハイパワーの光源であることが好ましい。本実施の形態では、励起光αの光源は、エージング光の光源を兼ねており、励起光αの中心波長とエージング光の中心波長は同一である。励起光αおよびエージング光の光源は、例えばレーザーダイオード(LD)である。光源の種類の他の例には、発光ダイオード、水銀灯、その他のレーザー光源が含まれる。たとえば、光源の発光パワーは、1mW/mm以上である。なお、エージング光の光源と、励起光αの光源とは、異なっていてもよい。
励起光αの光源から出射される励起光αがビームでない場合は、励起光αの光源から出射される励起光αは、レンズや鏡、スリットなどによりビームに変換される。また、励起光αの光源から出射される励起光αが単色光でない場合は、励起光αの光源から出射される励起光αは、回折格子などにより単色光に変換される。さらに、励起光αの光源から出射される励起光αが直線偏光でない場合は、励起光αの光源から出射される励起光αは、偏光子などにより直線偏光の光に変換される。
ビーム整形光学系は、例えば、コリメーターやバンドパスフィルター、直線偏光フィルター、半波長板、スリット、ズーム手段などを含む。ビーム整形光学系は、これらのすべてを含んでいてもよいし、一部を含んでいてもよい。
コリメーターは、励起光αの光源から出射された励起光αをコリメートする。
バンドパスフィルターは、励起光αの光源から出射された励起光αを中心波長のみの狭帯域光にする。励起光αの光源からの励起光αは、若干の波長分布幅を有しているためである。
直線偏光フィルターは、励起光αの光源から出射された励起光αを完全な直線偏光の光にする。半波長板は、金属膜30にP波成分の光が入射するように励起光αの偏光方向を調整する。スリットおよびズーム手段は、金属膜30の裏面における照射スポットの形状が所定サイズの円形となるように、励起光αのビーム径や輪郭形状などを調整する。
APC機構は、励起光αの光源の出力が一定となるように励起光αの光源を制御する。より具体的には、APC機構は、励起光αから分岐させた光の光量を不図示のフォトダイオードなどで検出する。そして、APC機構は、回帰回路で投入エネルギーを制御することで、励起光αの光源の出力を一定に制御する。
温度調整機構は、例えば、ヒーターやペルチェ素子などである。励起光αの光源の出射光の波長およびエネルギーは、温度によって変動することがある。このため、温度調整機構で光源の温度を一定に保つことにより、光源の出射光の波長およびエネルギーを一定に制御する。
角度調整部122は、金属膜30(プリズム20と金属膜30との界面(成膜面22))への励起光αおよびエージング光の入射角を調整する。角度調整部122は、励起光αおよびエージング光を金属膜30(成膜面22)の所定の位置(反応場の裏側)に所定の入射角で照射させるために、励起光αの光軸とチップホルダー110とを相対的に回転させる。本実施の形態では、角度調整部122は、金属膜30上において励起光αの光軸と直交する軸(図1の紙面に対して垂直な軸)を中心として光源ユニット121を回転させる。このとき、入射角を走査しても金属膜30(成膜面22)上での照射位置がほとんど移動しないように、回転軸の位置を設定する。たとえば、回転中心の位置を、入射角の走査範囲の両端における2つの励起光αの光軸の交点近傍(成膜面22上の照射位置とプリズム20の入射面21との間)に設定することで、照射位置のズレを極小化することができる。
光源制御部123は、光源ユニット121に含まれる各種機器を制御して、光源ユニット121からの励起光αおよびエージング光のパワーや照射時間などを調整する。光源制御部123は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
受光ユニット130は、チップホルダー110に保持された測定チップ10の金属膜30のプリズム20と対向しない面に対向するように配置されている。受光ユニット130は、測定チップ10から放出される自家蛍光と、金属膜30上から出射される光(プラズモン散乱光βまたは蛍光γ)とを検出する。受光ユニット130は、受光光学系ユニット131に配置された第1レンズ132、光学フィルター133、第2レンズ134および受光センサー135と、位置切替え機構136と、光センサー制御部137とを有する。
第1レンズ132は、例えば、集光レンズであり、金属膜30上から出射される光を集光する。第2レンズ134は、例えば、結像レンズであり、第1レンズ132で集光された光を受光センサー135の受光面に結像させる。両レンズの間では、光は、略平行光束となっている。
光学フィルター133は、第1レンズ132と第2レンズ134との間に配置されている。光学フィルター133は、蛍光成分のみを受光センサー135に導き、高いS/N比で蛍光γを検出するために、励起光成分(プラズモン散乱光β)を除去する。光学フィルター133の例には、励起光反射フィルター、短波長カットフィルターおよびバンドパスフィルターが含まれる。光学フィルター133は、例えば、所定の光成分を反射する多層膜を含むフィルター、または所定の光成分を吸収する色ガラスフィルターである。
受光センサー135は、測定チップ10から放出される自家蛍光、プラズモン散乱光βおよび蛍光γを検出する。受光センサー135の種類は、上記の目的を達成することができれば特に限定されないが、受光量が増加しても測定値のばらつきが小さいもの、および温度変化による特性の変化が小さいものが好ましい。受光センサー135は、例えば、フォトダイオード(PD)である。前述のように、本発明者らは、励起光αの光源をハイパワー化(例えば、1mW/mm以上)することで、PDのように高感度でない受光センサー135を用いても、SPFSを利用することで微量の被測定物質を高精度に測定しうることを確認している。
位置切替え機構136は、光学フィルター133の位置を、受光光学系ユニット131における光路上または光路外に切り替える。具体的には、受光センサー135が光学ブランク値または蛍光値を測定する時には、光学フィルター133を受光光学系ユニット131における光路上に配置し、受光センサー135がプラズモン散乱光βを検出する時には、光学フィルター133を光路外に配置する。
光センサー制御部137は、受光センサー135の出力値の検出や、検出した出力値による受光センサー135の感度の管理、適切な出力値を得るための受光センサー135の感度を制御する。光センサー制御部137は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
制御部140は、角度調整部122、光源制御部123、位置切替え機構136および光センサー制御部137を制御する。また、制御部140は、受光センサー135の検出結果に基づいて被測定物質の存在または量を示すシグナル値を算出するための処理部としても機能する。制御部140は、例えば、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置および出力装置を含む公知のコンピュータやマイコンなどによって構成される。
(SPFS装置の動作)
次に、SPFS装置100の動作(SPFS装置100を用いた測定方法)について説明する。図2は、SPFS装置の動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、測定の準備をする(工程S10)。具体的には、SPFS装置100のチップホルダー110に測定チップ10を設置する。また、測定チップ10の流路41内に保湿剤が存在する場合は、捕捉体が適切に被測定物質を捕捉できるように、流路41内を洗浄して保湿剤を除去する。
次いで、増強角を測定する(工程S20)。具体的には、励起光αを金属膜30(成膜面22)の所定の位置に照射しながら、金属膜30(成膜面22)に対する励起光αの入射角を走査して、最適な入射角を決定する。制御部140は、光源制御部123および角度調整部122を制御して、光源ユニット121から励起光αを金属膜30(成膜面22)の所定の位置に照射しながら、金属膜30(成膜面22)に対する励起光αの入射角を走査する。また、制御部140は、位置切替え機構136を制御して、光学フィルター133を受光光学系ユニット131の光路外に移動させる。これとともに、制御部140は、光センサー制御部137を制御して、受光センサー135でプラズモン散乱光βを検出する。制御部140は、励起光αの入射角とプラズモン散乱光βの強度との関係を含むデータを得る。そして、制御部140は、データを解析して、プラズモン散乱光βの強度が最大となる入射角(増強角)を決定する。なお、増強角は、プリズム20の素材および形状、金属膜30の厚み、流路41内の液体の屈折率などにより決まるが、流路41内の捕捉体の種類および量、プリズム20の形状誤差などの各種要因によりわずかに変動する。このため、測定を行うたびに増強角を決定することが好ましい。増強角は、0.1°程度のオーダーで決定される。
次いで、金属膜30(成膜面22)に対する励起光αの入射角を、工程S20で決定した増強角に設定する(工程S30)。具体的には、制御部140は、角度調整部122を制御して、金属膜30(成膜面22)に対する励起光αの入射角を増強角に設定する。本実施の形態では、エージング光の光源と励起光αの光源が同一であり、プリズム20内におけるエージング光および励起光αの光路は同一である。したがって、この工程により、プリズム20内におけるエージング光の光路も設定される。以後の工程では、金属膜30(成膜面22)に対する励起光αの入射角は、増強角のままである。
次いで、測定チップ10をエージングする(工程S40)。制御部140は、光学ブランク値の測定(工程S50)および蛍光値の測定(工程S80)より前に、プリズム20から放出される自家蛍光の光量を減衰させるために、プリズム20に自家蛍光の光量を減衰させるための光を照射するように光照射ユニット120を制御する。具体的には、制御部140は、光源制御部123を制御して、光源ユニット121からエージング光を測定チップ10の樹脂部材(プリズム20)に照射する。これにより、少なくともプリズム20内における励起光αの光路を含む領域において、樹脂部材から放出される自家蛍光の光量を減衰させることができる。より高精度の測定を行う観点からは、制御部140は、プリズム20から放出される自家蛍光の光量の減衰率Aが下記の式(1)を満たすまで、プリズム20に自家蛍光の光量を減衰させるための光を照射するように光照射ユニット120を制御することが好ましい。すなわち、励起光αの光路上の樹脂から放出される自家蛍光の光量の減衰率Aが下記の式(1)を満たすまで測定チップ10のエージングを行うことが好ましい。
Figure 0006954116
[式(1)において、S1は後述のシグナル値であり、OBは後述の光学ブランク値であり、Bは許容可能な測定誤差の上限値(%)である。Bは、以下の式(2)により算出される。]
Figure 0006954116
[式(2)において、S1は後述のシグナル値であり、S2は、後述の真のシグナル値である。]
ここで、「自家蛍光の光量の減衰率」とは、測定チップ10の樹脂部材に同一条件で単位時間の光照射を2回行ったときの、1回目の光照射時に放出された自家蛍光の光量に対する、2回目の光照射時に放出された自家蛍光の光量の減少度合を意味する。2回の光照射は、連続して行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
また、より短時間で自家蛍光の光量を減衰させる観点からは、この後の光学ブランク値の測定(工程S50)および蛍光値の測定(工程S80)のときに照射する励起光αの照射エネルギーより高い照射エネルギーの光を照射することが好ましい。励起光αの照射エネルギーより高い照射エネルギーのエージング光を照射する場合には、例えば、光源の出力を増加させるか、照射時間を長くすればよい。このとき、エージング光の照射条件は、要求される測定精度、プリズム20の樹脂材料などに応じて適宜設定されうる。たとえば、波長660nmのハイパワーLDを使用した場合、要求される測定精度の上限値Bが1%であり、S1およびOBがともに1000(a.u.)であるとき、減衰率Aを1%未満とするために、合計照射エネルギーが225mW・秒/mm以上となるように照射パワーや照射時間などを設定すればよい。たとえば、本実施の形態では、2.6mW・秒/mm以上の照射エネルギーの光を照射して、自家蛍光の光量の減衰率Aが上記の式(1)を満たすまで測定チップ10のエージングを行う。
なお、増強角を測定する工程(工程S20)と、測定チップ10の樹脂部材をエージングする工程(工程S40)とは、同時に行われてもよい。たとえば、測定チップ10から放出される自家蛍光の光量を減衰させることができるように、増強角を測定するときに照射する励起光α(エージング光)のパワーまたは時間を調整すればよい。
次いで、被測定物質を標識する蛍光物質が前記金属膜30上に存在しない状態で、励起光αをプリズム20を通して金属膜30(成膜面22)に照射して、蛍光γと同じ波長の光の光量(光学ブランク値)を測定する(工程S50)。ここで、「光学ブランク値」とは、蛍光値の測定(工程S80)において蛍光とともに測定される背景光の光量を意味する。この背景光は、主として、励起光αを照射したときに測定チップ10(プリズム20)から放出される自家蛍光に起因する。
制御部140は、光学ブランク値を測定するために、蛍光物質が金属膜30上に存在しない状態で、金属膜30で表面プラズモン共鳴が発生するようにプリズム20を通して金属膜30に励起光αを照射するように光照射ユニット120を制御するとともに、測定チップ10から放出される光を検出するように受光ユニット130を制御する。具体的には、制御部140は、位置切替え機構136を制御して、光学フィルター133を受光光学系ユニット131の光路上に移動させる。ついで、制御部140は、光源制御部123を制御して、金属膜30(成膜面22)に向けて光源ユニット121から励起光αを出射させる。これと同時に、制御部140は、光センサー制御部137を制御して、受光センサー135で蛍光γと同じ波長の光の光量を検出する。これにより、受光センサー135は、正確にノイズとなる光の光量(光学ブランク値)を測定することができる。測定値は、制御部140に送信され、光学ブランク値として記録される。
なお、この工程では、制御部140は、光学ブランク値の測定を2回行うように光照射ユニット120および受光ユニット130を制御して、得られた光学ブランク値を比較して、測定チップ10のエージングが十分になされていること(例えば、自家蛍光の光量の減衰率Aが上記の式(1)を満たしていること(例えばA<1%となっていること))を確認してもよい。
次いで、検体中の被測定物質と捕捉体とを反応させる(1次反応;工程S60)。具体的には、送液ユニット側において流路41内に検体を注入して、検体と捕捉体とを接触させる。検体中に被測定物質が存在する場合は、被測定物質の少なくとも一部は捕捉体により捕捉される。この後、流路41内を緩衝液などで洗浄して、捕捉体に捕捉されなかった物質を除去する。検体の種類は、特に限定されない。検体の例には、血液や血清、血漿、尿、鼻孔液、唾液、***などの体液およびその希釈液が含まれる。
次いで、捕捉体に捕捉された被測定物質を蛍光物質で標識する(2次反応;工程S70)。具体的には、流路41内に蛍光標識液を提供する。蛍光標識液は、例えば、蛍光物質で標識された抗体(2次抗体)を含む緩衝液である。蛍光標識液が流路41に提供されると、蛍光標識液が被測定物質に接触し、被測定物質が蛍光物質で標識される。この後、流路41内を緩衝液などで洗浄し、遊離の蛍光物質などを除去する。
次いで、金属膜30上に蛍光物質で標識された被測定物質が存在する状態で、プリズム20を通して金属膜30(成膜面22)に励起光αを照射して、反応場の被測定物質を標識する蛍光物質からの蛍光値を測定する(工程S80)。制御部140は、蛍光値を測定するために、蛍光物質で標識された被測定物質が金属膜30上に存在する状態で、金属膜30で表面プラズモン共鳴が発生するようにプリズム20を通して金属膜30に励起光αを照射するように光照射ユニット120を制御するとともに、蛍光物質から放出される蛍光を検出するように受光ユニット130を制御する。具体的には、制御部140は、光源制御部123を制御して、光源ユニット121から励起光αを出射させる。これと同時に、制御部140は、光センサー制御部137を制御して、受光センサー135で被測定物質を標識する蛍光物質から放出される蛍光γを検出する。
最後に、被測定物質の存在または量を示すシグナル値を算出する(工程S90)。蛍光値は、主として、被測定物質を標識する蛍光物質に由来する蛍光成分(シグナル値)と、測定チップ10の自家蛍光に由来する蛍光成分(光学ブランク値)とを含む。したがって、制御部140は、工程S80で得られた蛍光値から工程S50で得られた光学ブランク値を引くことで、被測定物質の量に相関するシグナル値を算出することができる。シグナル値は、あらかじめ作成しておいた検量線により、被測定物質の量や濃度などに換算される。
以上の手順により、被測定物質の存在または量を示すシグナル値を測定することができる。前述のとおり、高精度で被測定物質を測定する観点からは、制御部140は、自家蛍光の光量を減衰させるために照射される光の測定チップ10内の光路が、光学ブランク値および蛍光値を測定するために照射される励起光αの測定チップ10内の光路と重複するように光照射ユニット120を制御することが好ましい。すなわち、工程S40におけるエージングするための光の測定チップ10内の光路と、工程S50および工程S80における励起光αの測定チップ10内の光路とは、重複していることが好ましい。また、エージング時間を短縮化する観点からは、制御部140は、自家蛍光の光量を減衰させるために照射される光のパワーが、光学ブランク値および蛍光値を測定するために照射される励起光αのパワーより高くなるように光照射ユニット120を制御することが好ましい。すなわち、工程S40におけるエージング光のパワー(mW/mm)は、工程S50および工程S80における励起光αのパワー(mW/mm)より高いことが好ましい。
なお、本実施の形態では、1次反応(工程S60)および2次反応(工程S70)を連続して行い、両工程の間で測定チップ10を、送液ユニット側から光照射ユニット120および受光ユニット130側に移動させていない。このため、測定チップ10の移動時間分、検出にかかる合計時間を短縮することができる。また、1次反応時間と、2次反応時間と、1次反応および2次反応の間隔時間とを一定に保つことにより、測定精度を向上させることもできる。
また、光学ブランク値を測定する工程(工程S50)と、1次反応を行う工程(工程S60)とを行う順番はこれに限定されず、1次反応を行った後に光学ブランク値を測定してもよい。この場合、1次反応と2次反応との間に測定チップ10を移動させる必要があるものの、捕捉体に被測定物質が捕捉された状態で光学ブランク値の測定をすることができる。その結果、蛍光値を測定する工程(工程S80)に、より近い状態で光学ブランク値を測定できるため、光学ブランク値をより正確に測定することができ、測定精度をより向上させることができる。
(参考実験1)
ここで、測定チップ10の樹脂部材(プリズム20)に対するエージングの効果について調べた結果を示す。参考実験1では、測定チップ10の金属膜30に、入射角が増強角となるようにプリズム20側から励起光αを断続的に照射して、光学ブランク値の測定を行った。このとき、測定チップ10のプリズム20には、照射エネルギー22.6mW・秒/mmの光を断続的に照射した。光源としてはハイパワーLDを使用し、受光センサー135としてはフォトダイオード(PD)を使用した。プリズム20の材料はシクロオレフィン系ポリマーである。
図3Aは、測定チップ10のプリズム20に照射された励起光αの照射エネルギーと、光学ブランク値との関係を示すグラフであり、図3B、Cは、測定チップ10のプリズム20に対するエージングの効果について説明するための概念図である。図3Aにおいて、横軸はプリズム20に照射された励起光αの合計照射エネルギー(mW・秒/mm)を示し、縦軸は光学ブランク値(a.u.)を示す。図3B、Cは、光学ブランク値、蛍光値およびシグナル値の関係を示す概念図である。図3B、Cにおいて、OB(OB1およびOB2)は光学ブランク値を示し、Fは蛍光値を示し、S(S1およびS2)はシグナル値を示す。OB、FおよびSは、以下の式(3)を満たす。
S=F−OB …(3)
図3Aに示されるように、測定チップ10のプリズム20にハイパワーの励起光αを照射した場合、光学ブランク値は、励起光αを照射するほど対数関数的(または指数関数的)に減少した。この結果から、測定チップ10の樹脂部材に励起光αを照射するほど、測定チップ10から放出される自家蛍光の光量が減衰することがわかる。また、自家蛍光の減衰率は、励起光αを照射するほど小さくなることもわかる。
ここで、比較のために、測定チップ10のエージングを行わずに、光学ブランク値の測定およびその後に蛍光値の測定を行う場合について説明する。この場合、図3Bに示されるような光量で、光学ブランク値OB1および蛍光値Fが測定される(説明の便宜上、光学ブランク値の光量を大きくしている)。蛍光値Fの測定は、光学ブランク値OB1の測定の後に行われるため、図3Aのグラフを考慮すると、光学ブランク値OB1の測定時と比較して、蛍光値Fの測定時における自家蛍光の光量は減衰しており、蛍光値Fの測定時における真の光学ブランク値OB2も減衰している。したがって、自家蛍光の光量の減衰を考慮せずに蛍光値Fから光学ブランク値OB1を引いてシグナル値S1を算出すると、図3Cに示されるように、シグナル値S1は、真のシグナル値S2よりも光学ブランク値の減衰量ΔOB(=OB1−OB2)の分だけ小さい値として算出されてしまう。
これに対して、本実施の形態に係る測定方法および測定装置では、光学ブランク値OB1の測定前に測定チップに光を照射してエージングを行う。図3Aに示されるように、自家蛍光の光量の減衰率は、光を照射するほど小さくなっていく。このため、光学ブランク値OBの測定前に自家蛍光の光量の減衰率を十分に小さくなるまで、測定チップ10のプリズム20に光を照射しておくことで、光学ブランク値の測定時に測定される光学ブランク値OB1と、蛍光値Fの測定時の真の光学ブランク値OB2との差(ΔOB)を無視できる程度まで小さくすることができる。この結果として、蛍光値Fから光学ブランク値OB1をそのまま引いても、被測定物質の存在または量を示すシグナル値を高精度に算出することができる。
(参考実験2)
次いで、所望の測定精度を得るために要するエージングの条件について調べた結果を示す。ここでは、光学ブランク値OB1およびシグナル値S1がともに1000(a.u.)である場合に、上記の真のシグナル値S2と、蛍光値Fおよび光学ブランク値OB1から算出されたシグナル値S1とに基づいて前述の式(2)から算出される許容可能な測定誤差の上限値Bが1%未満となること、を実現するために要するエージングの条件について調べた。なお、式(1)から明らかなように、光学ブランク値OB1およびシグナル値S1がともに1000(a.u.)である場合、自家蛍光の光量の減衰率Aは、許容可能な測定誤差の上限値Bよりも小さな値であること(A<B)を要する。このため、許容可能な測定誤差の上限値Bが1%未満となるためには、自家蛍光の光量(光学ブランク値)の減衰率Aも1%未満となる必要がある。
参考実験2では、測定チップ10の金属膜30に、入射角が増強角となるようにプリズム20側から励起光αを照射して(金属膜30上の励起光αの照射スポット径:φ1.5mm)、光学ブランク値の測定を連続して行った。このとき、測定チップ10のプリズム20には、照射エネルギー22.6mW・秒/mmの光を断続的に照射した。光源としてはハイパワーLDを使用し、受光センサー135としてはフォトダイオード(PD)を使用した。プリズム20の材料はシクロオレフィン系ポリマーである。
図4は、測定チップ10の樹脂部材に照射された光の照射エネルギーと、光学ブランク値(自家蛍光の光量)の減衰率との関係を示すグラフである。図4において、横軸は励起光αの合計照射エネルギー(mW・秒/mm)を示し、縦軸は光学ブランク値の減衰率(%)を示す。光学ブランク値と照射エネルギーとの関係は、以下の式(4)を満足していた(図3A参照)。
光学ブランク値=−88×ln(照射エネルギー)+1275 …(4)
また、光学ブランク値の減衰率は、光学ブランク値に基づいて以下の式(5)から算出した。
減衰率=|OBn+1/OB−1|×100 …(5)
[式(5)において、OBは、測定チップ10にn回励起光αを照射した後の光学ブランク値である。OBn+1は、測定チップ10にn+1回励起光αを照射した後の光学ブランク値である。]
図4に示されるように、測定チップ10の樹脂部材に光を照射するほど、光学ブランク値の減衰率は小さくなった。これは、測定チップ10のエージングにより、自家蛍光の減衰が飽和していくためと考えられる。また、前述のとおり、上記実験条件において、OB1およびS1がともに1000(a.u.)である場合に、光学ブランク値の減衰による許容可能な測定誤差の上限値Bを1%未満にするためには、光学ブランク値の減衰率Aも1%未満とする必要があり、エージング光として225mW・秒/mm以上の照射エネルギーの光を照射すべきことがわかった。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る測定方法および測定装置によれば、光学ブランク測定の前に測定チップ10をエージングすることにより、励起光αの照射時における自家蛍光の減衰を抑制して光学ブランク値を正確に測定することができる。このため、本実施の形態に係る測定方法および測定装置によれば、検体中の被測定物質を高精度に測定することができる。また、本実施の形態に係る測定方法および測定装置では、受光センサー135としてPDを使用しているため、蛍光の受光量が多くても被測定物質を高精度に測定することができる。したがって、本実施の形態に係る測定方法および測定装置では、幅広いダイナミックレンジで被測定物質を測定することができる。
なお、上記実施の形態では、SPFSを利用した測定方法および測定装置について説明したが、本発明に係る測定方法および測定装置は、これに限定されず、ハイパワーの光源と、樹脂部材を含む測定チップとを使用する他の蛍光測定にも使用されうる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、あらかじめエージングした測定チップを使用して、被測定物質の測定を行う態様について説明する。本実施の形態に係る測定装置は、エージング光を照射しない点を除いては実施の形態1に係る測定装置と同一であるため、測定装置の各構成要素についての説明を省略する。
図1に示されるように、実施の形態2に係る測定チップ10’は、プリズム20’、金属膜30および流路蓋40を有する。本実施の形態に係る測定チップ10’は、プリズム20’があらかじめエージングされている点を除き、実施の形態1に係る測定チップ10と同一であるため、各構成要素についての説明を省略する。
本実施の形態に係る測定チップ10’の製造方法の一例について説明する。本実施の形態に係る測定チップ10’は、例えば、測定用のチップを作製する工程と、チップをエージングする工程とを行うことにより製造されうる。以下、各工程について説明する。
まず、測定用のチップを作製する。具体的には、誘電体である樹脂からなるプリズムと、流路蓋とを準備する。次いで、準備したプリズムに金属膜30を形成する。たとえば、射出成形法により所望の形状に成形したプリズムの一面上に金属膜30を真空蒸着法により形成すればよい。次いで、金属膜30上に捕捉体を固定化する。捕捉体を固定化する方法は、特に限定されず、公知の方法から適宜選択されうる。次いで、金属膜30および反応場が形成されたプリズムと、流路蓋とを固定する。たとえば、プリズムおよび流路蓋を両面テープや接着剤などにより接着すればよい。
次いで、準備したチップをエージングする。具体的には、作製したチップにエージング光を照射する。エージング光の照射条件は、プリズムを構成する樹脂の種類などに応じて適宜設定されうる。このとき、チップのエージングは、チップの樹脂部材(プリズム)に光を照射したときに放出される自家蛍光の光量の減衰率が所望の値(例えば1%)以下になるまで行われる。たとえば、波長660nmのハイパワーLDを使用した場合、合計照射エネルギーが225mW・秒/mm程度となるように照射パワー(ここでは、22.6mW・秒/mmの照射エネルギー)や照射時間などを設定すればよい。
以上の手順により、被測定物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光γを検出して、被測定物質の存在または量を測定する測定方法に使用される測定チップ10’であって、プリズム20’と、金属膜30とを有し、蛍光を検出する時に金属膜30に照射する励起光αと同じ照射エネルギーの光をプリズム20’に連続して2回照射したときに、プリズム20’から放出される自家蛍光の光量の減衰率が所望の値(例えば1%)以下である測定チップ10’を製造することができる。測定チップ10’のエージングによる自家蛍光の光量の減衰は、時間が経過しても回復することがない(図3A、図4参照)。このため、測定チップ10’の製造時にあらかじめエージングを行っておけば、被測定物質の測定時にエージングを行わなくてもよい。
本実施の形態に係る測定チップ10’を使用して被測定物質を測定する測定方法は、エージングを行わない点を除いて実施の形態1の測定方法と同様であるため、その説明を省略する。
(効果)
本実施の形態によれば、測定時にエージングを行うことなく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態2では、チップを作製した後にエージングする場合について説明したが、測定チップ10’は、エージングされたプリズム20’と、流路蓋40とを固定することにより製造されてもよい。
本出願は、2015年3月20日出願の特願2015−058016に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明に係る測定方法および測定装置は、被測定物質を高感度、かつ高精度で測定することができるため、例えば臨床検査などに有用である。
10、10’ 測定チップ
20、20’ プリズム
21 入射面
22 成膜面
23 出射面
30 金属膜
40 流路蓋
41 流路
100 表面プラズモン共鳴蛍光分析装置(SPFS装置)
110 チップホルダー
120 光照射ユニット
121 光源ユニット
122 角度調整部
123 光源制御部
130 受光ユニット
131 受光光学系ユニット
132 第1レンズ
133 光学フィルター
134 第2レンズ
135 受光センサー
136 位置切替え機構
137 光センサー制御部
140 制御部
α 励起光
β プラズモン散乱光
γ 蛍光

Claims (14)

  1. 被測定物質を標識する蛍光物質が、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光を検出して、前記被測定物質の存在または量を示すシグナル値を測定する測定方法であって、
    誘電体である樹脂からなるプリズムと、前記プリズムの一面上に配置された金属膜とを有する測定チップの前記プリズムに光を照射して、前記プリズムから放出される自家蛍光の光量を減衰させる第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記蛍光物質が前記金属膜上に存在しない状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように、前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射して、前記測定チップから放出される光を検出し、光学ブランク値を測定する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記蛍光物質で標識された前記被測定物質が前記金属膜上に存在する状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように、前記プリズムを通して前記金属膜に1mW/mm以上の励起光を照射して、前記蛍光物質から放出される蛍光をフォトダイオードで検出し、蛍光値を測定する第3工程と、
    前記第3工程の後に、前記蛍光値から前記光学ブランク値を引いて前記シグナル値を算出する第4工程と、
    を含む、測定方法。
  2. 前記第1工程では、前記プリズムから放出される前記自家蛍光の光量の減衰率Aが下記の式(1)を満たすまで、前記プリズムに光を照射する、請求項1に記載の測定方法。
    Figure 0006954116
    [式(1)において、S1は前記シグナル値であり、OBは前記光学ブランク値であり、Bは許容可能な測定誤差の上限値(%)である。]
  3. 前記第2工程では、前記光学ブランク値の測定を2回行い、前記自家蛍光の光量の減衰率Aが前記式(1)を満たしていることを確認する、請求項2に記載の測定方法。
  4. 前記第1工程で照射される光の前記測定チップ内の光路は、前記第2工程および前記第3工程で照射される励起光の前記測定チップ内の光路と重複している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 前記第1工程で照射される光のパワーは、前記第2工程および前記第3工程で照射される励起光のパワーより高い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 前記第1工程は、前記測定チップの製造時に行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 誘電体である樹脂からなるプリズムと、前記プリズムの一面上に配置された金属膜とを有する測定チップが装着され、前記プリズムを通して前記金属膜に1mW/mm以上の励起光を照射することで、前記金属膜上に存在する被測定物質を標識する蛍光物質を表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起させ、前記蛍光物質から放出された蛍光を検出することで、前記被測定物質の存在または量を示すシグナル値を測定するための測定装置であって、
    前記測定チップを保持するためのホルダーと、
    前記プリズムから放出される自家蛍光の光量を減衰させるための光と、前記蛍光物質を励起するための励起光とを、前記ホルダーに保持された前記測定チップに照射する光照射部と、
    前記光照射部が前記測定チップに光を照射したときに、前記測定チップから放出される光をフォトダイオードで検出する光検出部と、
    前記光検出部により得られた検出値を処理する処理部と、
    前記光照射部および前記光検出部の動作を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、光学ブランク値を測定するために、前記蛍光物質が前記金属膜上に存在しない状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射するように前記光照射部を制御するとともに、前記測定チップから放出される光を検出するように前記光検出部を制御し、
    前記制御部は、蛍光値を測定するために、前記蛍光物質で標識された前記被測定物質が前記金属膜上に存在する状態で、前記金属膜で表面プラズモン共鳴が発生するように前記プリズムを通して前記金属膜に励起光を照射するように前記光照射部を制御するとともに、前記蛍光物質から放出される蛍光を検出するように前記光検出部を制御し、
    前記制御部は、前記光学ブランク値の測定および前記蛍光値の測定より前に、前記プリズムから放出される前記自家蛍光の光量を減衰させるために、前記プリズムに前記自家蛍光の光量を減衰させるための光を照射するように前記光照射部を制御し、
    前記処理部は、前記蛍光値から前記光学ブランク値を引いて前記シグナル値を算出する、
    測定装置。
  8. 前記自家蛍光の光量を減衰させるための光を照射するための前記光照射部の光源と、前記蛍光物質を励起するための励起光を照射するための前記光照射部の光源とは、同じであり、
    前記光源のパワーは、1mW/mm以上である、
    請求項7に記載の測定装置。
  9. 前記制御部は、前記プリズムから放出される前記自家蛍光の光量の減衰率Aが下記の式(1)を満たすまで、前記プリズムに前記自家蛍光の光量を減衰させるための光を照射するように前記光照射部を制御する、請求項7または請求項8に記載の測定装置。
    Figure 0006954116
    [式(1)において、S1は前記シグナル値であり、OBは前記光学ブランク値であり、Bは許容可能な測定誤差の上限値(%)である。]
  10. 前記制御部は、前記光学ブランク値の測定を2回行うように前記光照射部および前記光検出部を制御し、
    前記処理部は、前記光検出部による前記光学ブランク値の測定結果に基づいて、前記自家蛍光の光量の減衰率Aが下記の式(1)を満たしていることを確認する、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の測定装置。
    Figure 0006954116
    [式(1)において、S1は前記シグナル値であり、OBは前記光学ブランク値であり、Bは許容可能な測定誤差の上限値(%)である。]
  11. 前記制御部は、前記自家蛍光の光量を減衰させるために照射される光の前記測定チップ内の光路が、前記光学ブランク値および前記蛍光値を測定するために照射される励起光の前記測定チップ内の光路と重複するように前記光照射部を制御する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の測定装置。
  12. 前記制御部は、前記自家蛍光の光量を減衰させるために照射される光のパワーが、前記光学ブランク値および前記蛍光値を測定するために照射される励起光のパワーより高くなるように前記光照射部を制御する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の測定装置。
  13. 金属膜上に存在する被測定物質を標識する蛍光物質が、プリズムを通して前記金属膜に1mW/mm以上の励起光を照射され、表面プラズモン共鳴に基づく局在場光により励起されて放出した蛍光をフォトダイオードで検出して、前記被測定物質の存在または量を測定する測定方法に使用される測定チップであって、
    誘電体である樹脂からなる前記プリズムと、
    前記プリズムの一面上に配置された前記金属膜と、
    を有し、
    光を照射されることにより、自家蛍光の光量を減衰されており、
    前記蛍光を検出する時に前記金属膜に照射する励起光と同じ照射エネルギーの光を前記プリズムに連続して2回照射したときに、前記プリズムから放出される自家蛍光の光量の減衰率が1%以下である、
    測定チップ。
  14. 前記励起光および前記光の照射エネルギーは、22.6mW・秒/mmである、請求項13に記載の測定チップ。
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