JP6952313B2 - カテコール置換された陰イオン性高分子から形成されたコアセルベート、これを含む接着剤、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カテコール置換された陰イオン性高分子から形成されたコアセルベート、これを含む接着剤、及びその製造方法に関し、より詳細には、カテコールが導入されたヒアルロン酸及びムール貝の接着タンパク質からなる優れた接着力を有するコアセルベートに関する。
最近、非侵襲的(non−invasive or less−invasive)検査及び治療に対する需要が徐々に増加するにつれて、効果的な組織接着剤の開発の必要性が継続的に提起されてきた。従来使用されていた縫合糸を用いた物理的縫合方法は、様々な外科手術で広く用いられているが、収縮及び膨張を繰り返す膀胱や心臓、及び物理的圧力によって簡単に破損する可能性がある脳もしくは肺のような臓器の縫合には用いることができないという限界がある。そこで、かかる縫合糸の使用を代替したり、または補完することができる接着剤に対する研究開発が活発に行われているが、現在までに開発された合成接着剤(synthetic adhesive)は、高い組織毒性(histotoxicity)、及び架橋後の物性が実際の組織と非常に異なり、それによる組織の損傷を誘発する可能性がある。
これに対し、タンパク質ベースの生物由来の接着剤(naturally derived adhesive)は、優れた生体適合性(biocompatibility)を有するが、非常に低い組織接着力が原因となって、その使用が非常に限られている。一方、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)のような生体適合性が高い合成高分子からなる組織接着剤の場合にも、生体内の組織において十分な接着力及び機械的物性を有することができないという限界がある。
かかる問題を解決するために、海洋環境でも優れた接着力を有するムール貝に着目し、ムール貝が分泌する接着タンパク質を遺伝子組換えプロセスを介して大量生産し、複合コアセルベーションという製剤化を介して水中でも瓦解されない接着物質を開発しようとする試みがあった。かかる水中接着剤は、優れた耐水性及び実験室レベルの実験で非常に優れた接着力を示したが、実際の動物実験もしくは臨床で要求される接着力あるいは機械的物性に到達するまでは非常に長い時間が必要であるという短所がある。
実際の臨床において、かかるタンパク質の接着剤を効果的に用いるためには、5分以内に十分な接着力及び機械的物性を有するようにして、架橋されることができなかった接着剤が体液によって洗い流されたり、または固定されずに流下することを最小限に抑える必要がある。また、処理した接着剤が、適用しようとする組織の特性あるいは物性と非常に異なる場合には、接着剤と組織の間の機械的強度の差に起因する組織の損傷及び接着効果の減少が誘発される可能性がある。
そこで、生体内の組織においてより速く且つ優れた接着力を示しながら、用途に応じて様々な機械的物性を有することができる、組織適合型組織接着剤の開発が切実に求められている。
KR10−2015−0037580
本発明の一目的は、迅速且つ優れた接着力を示すコアセルベートを提供することである。
本発明の他の側面は、かかるコアセルベートを含む接着剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、かかるコアセルベートの製造方法を提供することである。
本発明の一側面によると、ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子が混合されて形成されたコアセルベート(coacervate)が提供される。
本発明の他の側面によると、上記本発明のコアセルベートを含む接着剤が提供される。
本発明のさらに他の側面によると、陰イオン性高分子をカテコール置換してカテコール置換された陰イオン性高分子を獲得する段階と、上記カテコール置換された陰イオン性高分子とムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体を混合する段階と、を含むコアセルベート(coacervate)の製造方法が提供される。
本発明によると、反応条件を異ならせることにより、ヒアルロン酸に導入されるカテコールの含有量を多様に調整することができ、このように合成されたカテコール−ヒアルロン酸は、ムール貝の接着タンパク質と複合コアセルベートを形成することができる。本発明によるカテコール−ヒアルロン酸を含むコアセルベートは、従来のヒアルロン酸からなる接着剤に比べて速い架橋速度及びさらに優れた機械的物性を有するため、優れた接着力及び閉鎖力を有する。また、様々な分子量のヒアルロン酸を用いることにより、ムール貝の接着タンパク質と混合コアセルベートを製造することができることから、結果として、様々な機械的及び流動学的物性を有する組織接着剤を製造することができる。尚、速い架橋時間、優れた接着力、及び多様な物性を有する新しい組織接着剤は、現在の組織接着剤の使用が難しい様々な臨床分野において使用可能になるものと期待される。
ヒアルロン酸に対してEDC/NHS反応を介してドーパミンをカルボキシル基に結合させる反応式、及びカテコール−ヒアルロン酸及びムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体が混合コアセルベートを形成することを示す模式図である。 ヒアルロン酸の反応濃度、分子量、反応時間、当量数に応じたカテコール−ヒアルロン酸の置換率を示すグラフである。 カテコール−ヒアルロン酸とムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体を特定のモル分率で混合した際に、最も多くのコアセルベートが形成されることを紫外線−可視光線吸収分光(UV−Vis spectroscopy)分析を介して確認した結果を示すグラフである。 EDC/NHS反応に加えるドーパミンの当量数の変化に応じたカテコール−ヒアルロン酸の置換度の変化を示すグラフであって、置換度が50%以下の場合には複合コアセルベート、50%以上の場合には沈殿が生じる。 ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体と、互いに異なる置換率を有するカテコール−ヒアルロン酸を混合した際に、コアセルベートあるいは沈殿が生じることを光学顕微鏡を介して確認した結果を示す写真である。 架橋剤を混ぜた後のカテコール−ヒアルロン酸/ムール貝接着タンパク質カテコール誘導体からなる液状のコアセルベートが徐々にゲルに変化することを流動分析計(Rheometer)を介して確認し、液状の接着剤がゲルに架橋されたと判断することができる部分であるG’=G’’のポイントでヒアルロン酸を用いたコアセルベートに比べてカテコール−ヒアルロン酸を用いたコアセルベートがさらに速いことを確認した。そして、同一の時間の間にカテコール−ヒアルロン酸を用いたコアセルベートがさらに高い物性値に達したことを確認した。 大量の接着試験及びシリコンチューブ閉鎖実験を介して、カテコール−ヒアルロン酸を含むコアセルベートの接着力及び閉鎖力を、ヒアルロン酸を用いた従来のコアセルベートと比較した結果を示す図である。 カテコール−ヒアルロン酸の置換度が増加するにつれて、これを含むコアセルベートが濡れた豚皮においてさらに優れた接着力を示すことを接着実験を介して確認した結果を示すグラフである。 様々な分子量を有するヒアルロン酸を混ぜて製造したコアセルベートの機械的物性及び粘度を流動分析計を介して測定した結果を示すグラフである。 ヒアルロン酸の分子量の差に応じたコアセルベートの物性の違いを示す写真である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明によると、速い架橋時間、優れた接着力、及び多様な物性を有する新しい組織接着剤として適用することができるコアセルベート(coacervate)が提供される。
より詳細には、本発明のコアセルベート(coacervate)は、ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子が混合されて形成されたものである。
本発明において、ムール貝の接着タンパク質は、KR10−2014−0002244 A、WO2006/107183、WO2005/092920などに開示されたものを用いることができ、具体的な製造過程は、国際特許公開WO2006/107183及びWO2005/092920に示すように行われることができる。
一方、本発明において、ムール貝の接着タンパク質内のチロシン残基がカテコール誘導体で修飾された(modified)ムール貝の接着タンパク質を「修飾ムール貝の接着タンパク質」または「ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体」と称するが、その修飾方法は特に制限されない。
このとき、適用されることができるムール貝の接着タンパク質は、ムール貝から由来した接着タンパク質であって、好ましくは、ヨーロッパイガイ(Mytilus edulis)、ムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)、イガイ(Mytilus coruscus)から由来したムール貝の接着タンパク質またはその変異体を含むが、これに制限されない。
上記ムール貝の接着タンパク質は、上記ムール貝種からそれぞれ由来したMefp(Mytilus edulis foot protein)−1、Mefp−2、Mefp−3、Mefp−4、Mefp−5、Mgfp(Mytilus galloprovincialis foot protein)−1、Mgfp−2、Mgfp−3、Mgfp−4、Mgfp−5、Mcfp(Mytilus coruscus foot protein)−1、Mcfp−2、Mcfp−3、Mcfp−4、及びMcfp−5、またはその変異体を含むことができ、好ましくは、fp(foot protein)−1、fp−2、fp−3、fp−4、fp−5、及びfp−6からなる群より選択されたタンパク質、または上記群から選択された1種以上のタンパク質が連結される融合タンパク質、または上記タンパク質の変異体を含むが、これに制限されない。
また、本発明のムール貝の接着タンパク質は、上記WO2006/107183及びWO2005/092920に記載されたすべてのムール貝の接着タンパク質を含む。好ましくは、上記ムール貝の接着タンパク質は、fp−151やfp−131、fp−353、fp−153、fp−351などの融合タンパク質を含むことができるが、これらに制限されない。また、本発明のムール貝の接着タンパク質は、fp−1において80回程度繰り返されるデカペプチドが1〜12回、またはそれ以上連結されたポリペプチドを含むことができる。好ましくは、上記配列番号2のデカペプチドが12回連続して連結されたfp−1変異(variant)ポリペプチドであってもよいが、これに制限されない。
本発明者らは、前回の研究で、fp−1において10個の繰り返しアミノ酸が6回繰り返された構造を、fp−5におけるN−末端及びC−末端に遺伝子レベルで連結させた新しい形のムール貝の接着タンパク質fp−151を開発し、上記組換えムール貝の接着タンパク質を大腸菌で発現させることに成功し、大量生産が可能で、単純な分離精製過程を経て産業利用の可能性が非常に高いことを確認した(WO2006/107183及びWO2005/092920)。
上記カテコール誘導体は、ジヒドロキシ基を含む化合物であって、金属との配位結合が可能である。具体的には、上記カテコール誘導体は、ドーパ(3,4−dihydroxyphenylalanine、DOPA)、ドーパキノン(Dopa o−quinone)、ドーパミン(dopamine)、ノレピネプリン(norepinephrine)、エピネフリン(epinephrin)、エピガロカテキン(epigallocatechin gallate)、及びこれらの誘導体からなる群より選択された1種以上であって、例えば、上記カテコール誘導体は、ドーパ(3,4−dihydroxyphenylalanine、DOPA)、ドーパキノン(Dopa o−quinone)、トーパ(2,4,5,trihydroxyphenylalanine、TOPA)、トーパキノン(Topa quinone)、及びこれらの誘導体からなる群より選択された1種以上であることが好ましい。
例えば、上記ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体は、ムール貝の接着タンパク質を成すチロシン残基の10〜100%がカテコール誘導体、特にDOPAで変換されたものであってもよい。
一方、本発明において、上記陰イオン性高分子は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、フェレドキシン(ferredoxin)、ポリスチレンスルホン酸(poly styrene sulfonic acid)、アラビアゴム(gum arabic)、ゼラチン(gelatin)、アルブミン(albumin)、カーボポール(登録商標)(carbopol)、高メトキシルペクチン(high methoxyl pectin)または低メトキシルペクチン(low methoxyl pectin)、カルボキシメチルグアーガムナトリウム(sodium carboxymethyl guar gum)、キサンタンガム(xanthan gum)、乳清タンパク質(whey protein)、レグミン(faba bean legumin)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)、アルギン酸(alginate)、カラギーナン(carrageenan)、ヘキサメタリン酸ナトリウム(sodium hexametaphosphate)、カゼインナトリウム(sodium casinate)、ヘモグロビン(hemoglobin)、ヘパリン(heparin)、及び細胞外多糖体B40(exopolysaccharide B40)からなる群より選択された1種以上であってもよく、好ましくはヒアルロン酸(hyaluronic acid)である。
上記陰イオン性高分子の分子量は、1〜5000kDaであってもよく、これに限定されないが、好ましくは6kDa〜2000kDaからなる群より選択された分子量を有することができ、より好ましくは10kDa〜1500kDの分子量を有することができる。これは、上記分子量を超えるか、または未満の場合には、コアセルベートが形成されなかったり、または粘度が非常に高くなって、直径の小さい針を介して注射することが難しくなりうるためである。特に、分子量10kDa以上のヒアルロン酸を用いる場合には、コアセルベートの形成がよりスムーズに行われることができ、分子量が1500kDaを超えるヒアルロン酸を用いる場合には、コアセルベートは形成されるものの、形成されたコアセルベートの粘度が高すぎるため、直径の小さい針を介して注射することが難しい。組織接着剤の場合、架橋前の液状の接着剤が体内に注入される必要があるため、粘度の調整が要求される。
本発明において、上記陰イオン性高分子のカテコール置換度は、10%以上52%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上50%以下、例えば、35%以上50%以下である。図4から確認できるように、陰イオン性高分子のカテコール置換度に関連し、置換度が52%を超えると、ムール貝の接着タンパク質と反応することができるヒアルロン酸の陰イオン性残基がカテコールによって置換されるため、コアセルベートの代わりに凝集やこれに伴う沈殿が生じるようになる。これに対し、カテコール置換度が30%未満の場合には、コアセルベート形成過程における問題はないが、最大接着力を得ようとする本発明の趣旨の面からは好ましくない。
かかる置換度の獲得のために、製造工程において用いられるヒアルロン酸水溶液内のヒアルロン酸の濃度は、0.5〜10g/Lであることが好ましく、5〜10g/Lであることがより好ましい。
上記のような濃度のヒアルロン酸水溶液に、後続的にカテコール、例えば、ドーパミン(dopamine hydrochloride)をヒアルロン酸に対して1〜50倍に該当する当量数、好ましくは10〜20倍に該当する当量数で加え、より好ましくは10当量数以下加えて混合する。
このとき、pHを好ましくは4〜5.5、より好ましくは4.5〜5.0に合わせた後、1〜48時間、好ましくは24〜48時間常温で反応させることができる。
本発明において、コアセルベートとは、上記ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子が結合して形成されたコロイドの一種のことである。すなわち、本発明において、コアセルベートは、上記ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子が混合されて形成されたものである。
本発明において、コアセルベートは、これに限定されないが、好ましくは水溶性溶媒、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、酢酸水溶液で製造されることができ、より好ましくは酢酸水溶液、さらに好ましくは0.1%〜10%の酢酸水溶液、さらにより好ましくは0.5〜8%の酢酸水溶液で形成されることができる。
上記本発明において、コアセルベートは、薬学的に許容可能な担体を1種以上さらに含んで製造することができる。薬学的に許容可能な担体は、生理食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、リポソーム、及びこれらの成分のうち1成分以上を混合して用いることができ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤などの他の一般の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、潤滑剤を付加的に添加して、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができ、標的器官に特異的に作用することができるように標的器官特異的抗体またはその他のリガンドを上記担体と結合させて用いることができる。さらに、当該技術分野における適正な方法、またはレミントンの文献(Remington’s Pharmaceutical Science(最近版)、Mack Publishing Company、Easton PA)に開示されている方法を用いることで、各疾患、または成分に応じて好ましく製剤化することができる。
一方、本発明によると、上述した本発明のコアセルベートを含む接着剤が提供されることができる。ここで、上記接着剤は、生体用接着剤組成物であることができる。
例えば、上記コアセルベートを含む上記組成物は、静脈内(intravein)、腹膜内(intraperitoneal)、筋肉内(intramuscular)、皮下内(subcutaneous)、皮内(intradermal)、鼻内(nasal)、粘膜内(mucosal)、吸入(inhalation)、及び経口(oral)などの経路で注入することにより、生体内に送達されることができる。投与量は、対象の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、***率、及び疾患の重症度などによってその範囲が多様である。1日投与量は、約0.1〜100mg/kgであり、好ましくは0.5〜10mg/kgであり、一日に一回から数回に分けて投与することがより好ましい。
さらに、本発明によると、コアセルベート(coacervate)の製造方法が提供される。
本発明のコアセルベート(coacervate)の製造方法は、陰イオン性高分子をカテコール置換してカテコール置換された陰イオン性高分子を獲得する段階と、上記カテコール置換された陰イオン性高分子とムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体を混合する段階と、を含む。
上記混合は、上述のように、好ましくは水溶性溶媒、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、酢酸水溶液で製造されることができ、より好ましくは、酢酸水溶液、さらに好ましくは0.1%〜10%の酢酸水溶液、さらにより好ましくは0.5〜8%の酢酸水溶液で形成されることができる。
上記カテコール置換された陰イオン性高分子とムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体を混合する段階は、pH2.5〜pH7.0で1:0.1〜1:10の重量比で混合して行うことができる。
より詳細には、上記溶媒で上記コアセルベートを製造する場合、適正pHは、これに限定されるものではないが、好ましくはpH2.5〜pH7.0であることができ、より好ましくはpH3.0〜pH6.0であってもよく、さらに好ましくはpH3.5〜pH5.5であってもよい。これは、上記pHを超えるか、または未満の場合には、コアセルベートが形成されなかったり、または高分子の変形が発生する可能性があるためである。
溶媒に対する上記ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体及びカテコール置換された陰イオン性高分子の添加量は、これに限定されないが、好ましくは、それぞれの溶媒の全体積に対して1〜100%(w/v)であってもよく、より好ましくは30〜70%(w/v)であってもよい。
本発明において、コアセルベートは、これに限定されないが、好ましくは、上記ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子を1:0.1〜1:10のモル比で混合して形成されることができ、より好ましくは1:0.25〜1:1.5のモル比、さらに好ましくは1:0.43〜1:1.5のモル比で混合して形成することができる。これは、上記混合比を超えるか、または未満の場合には、コアセルベートが効果的に形成されない可能性があるためである。
上記のように、ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体とカテコール置換された陰イオン性高分子を混合して形成された本発明の速い架橋時間、優れた接着力、及び多様な物性を有する新しい組織接着剤を提供することができることから、現在の組織接着剤の使用が難しい様々な臨床分野において使用可能になるものと期待される。
以下、具体的な実施例を介して本発明をより具体的に説明する。下記実施例は、本発明の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
実施例
1.カテコールが導入されたヒアルロン酸の製造
図1に、カテコールが導入されたヒアルロン酸の製造工程を図式的に示した。より詳細には、水もしくは生理食塩水(PBS)にヒアルロン酸を溶かす。水よりは生理食塩水を用いることが好ましい。ここで、ヒアルロン酸の分子量は、1〜5000kDaであって、用途に応じて、多様に用いることができる。本実験では、10〜1500kDaを用いた。
反応に用いられるヒアルロン酸の濃度は0.5〜10g/Lであってもよく、本実験では、5g/Lを用いた。ヒアルロン酸が溶解された溶液に順にEDC(1−ethyl−(3,3−dimethyl aminopropyl)carboimide hydrochloride)及びNHS(N−hydroxysuccinimide)をそれぞれヒアルロン酸と同一の当量数で加え、繰り返し混ぜた。後続的に、ドーパミン(dopamine hydrochloride)をヒアルロン酸に対して1〜50倍(本実験では10倍)に該当する当量数で加えた。このように混合した溶液のpHを4.5〜5.0に合わせた後、24時間常温で反応させた。この場合、カテコール−ヒアルロン酸の置換率は約48〜52%である。図2は、ヒアルロン酸の反応濃度、分子量、反応時間、当量数に応じたカテコール−ヒアルロン酸の置換率を示すグラフである。
2.コアセルベートの製造
先ず、ムール貝の接着タンパク質fp−151を、自然に存在するムール貝の接着タンパク質fp−1(Genbank No.Q27409)のアミノ酸配列において6回繰り返し連結されたデカペプチド(AKPSYPPTYK)からなるfp−1(Mytilus mussel foot protein type 1)変異体を合成し、2つのfp−1変異体の間にMgfp−5の遺伝子(Genbank No.AAS00463)を挿入した後、大腸菌から製造した。上記ムール貝の接着タンパク質fp−151の製造は、国際特許公開WO2005/092920に示すものと同一であり、上記特許文献は、全体を参照することにより本願に含まれる。
その後、チロシナーゼ(mushroom tyrosinase、SIGMA)酵素を用いた試験管内(in vitro)酵素反応を行い、上記ムール貝の接着タンパク質fp−151のチロシン残基をDOPA(dihydroxyphenylalanine)に変換した。具体的には、1.50mg/mLのfp−151溶液及び100μg/mLのチロシナーゼをバッファ溶液(100mMのリン酸ナトリウム、20mMのホウ酸、25mMのアスコルビン酸、pH6.8)で1時間反応させた後、1%の酢酸溶液を用いて透析した。このような過程を介して、陽イオン性組換えムール貝接着タンパク質であるムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体を製造した。
上記陽イオン性組換えムール貝接着タンパク質及び上記1.で製造された陰イオン性カテコール−ヒアルロン酸をそれぞれpH4の酢酸緩衝溶液に完全に溶解し、上記2つの溶液を混合してコアセルベートを形成した。コアセルベートの形成は、物質間のモル分率による影響を大きく受けるため、コアセルベートが最も多く形成されることができる最適な条件を見つけるために、ブラッドフォード(bradford)分析法(Bio−Rad)を用いてタンパク質の濃度を測定した後、カテコール−ヒアルロン酸を様々な割合で混合した。このとき、形成されるコアセルベートの量が吸光度と比例することを利用することで、吸光度が最も高いモル分率を確認し、その結果を図3に示した。
図3におけるimWIMBAは、陰イオン性カテコール−ヒアルロン酸を用いたコアセルベートを示すものであって、括弧内の数字は、カテコール−ヒアルロン酸の反応過程において用いられたドーパミンの当量数を意味する。すなわち、図2によると、当量数が増加するにつれて置換率も増加する。これは、括弧内の数字が大きくなるほど、imWIMBAが高いカテコール含有量を有することを意味する。ここで、WIMBAはヒアルロン酸を用いたコアセルベートを示すものである。
その後、懸濁液状態のコアセルベートを4℃において9000rpmで10分間遠心分離して沈殿させることにより、高濃度のコアセルベート相(coacervate phase)を得ることができた。
3.コアセルベートに対するカテコール−ヒアルロン酸の置換度の影響
コアセルベートの形成は、カテコール−ヒアルロン酸の置換度による影響を受ける。そのため、カテコール−ヒアルロン酸の置換度を変化させ、コアセルベートが形成したか否かを確認し、その結果を図4に示した。
図4及び図5から確認できるように、カテコール−ヒアルロン酸の置換のためのEDC/NHS反応に加えるドーパミンの当量数が10であり、且つカテコール置換度が50%以下の場合(図5の写真(左))には、ムール貝の接着タンパク質のカテコール誘導体との混合の際にコアセルベートが形成された。これに対し、ドーパミンの当量数が20であり、且つカテコール置換度が約75%に及ぶ場合(図5の写真(右))には、陽イオン性ムール貝接着タンパク質と反応することができるヒアルロン酸の陰イオン性残基がドーパミンによって置換されるため、コアセルベートの代わりに凝集やこれに伴う沈殿が生じることが確認できた。これは、図5の光学顕微鏡で確認した結果から明確に確認することができる。
4.コアセルベートの機械的(流動学的)性質の分析
上記2.で製造された本発明のコアセルベート(imWIMBA)の機械的特性を分析するために、せん断応力(shear stress)がある環境でカテコールを酸化させて架橋を誘導する架橋剤を処理した後、保存弾性率(storage modulus、G’)、損失弾性率(loss modulus、G’’)、複素粘度(complex viscosity)などを流動計(rheometer)を介して測定することにより、架橋に必要な架橋時間を測定した。架橋剤としては、細胞毒性が少ない過ヨウ素酸ナトリウム(sodium periodate)を用いた。
その結果、図6に示すように、架橋剤を処理する前には、G’’がG’よりも高い値を有する液状の形で観察されたが、架橋剤を処理すると、G’が徐々に増加し、G’’を逆転して次第にゲルの性質を示すことが確認された。このように、G’とG’’が交差する時点を架橋時間とみなし、2つのコアセルベートの架橋時間を比較したとき、カテコール−ヒアルロン酸を用いた本発明のコアセルベートの架橋時間がさらに速いことが観察された。
また、架橋後の物性も、従来のヒアルロン酸を用いたコアセルベート(WIMBA)に比べて、本発明のコアセルベート(imWIMBA)が高く、同一の時間の間にさらに高い物性値に達したことが分かった。
このような性質に起因して、本発明によるコアセルベート(imWIMBA)の場合には、従来のヒアルロン酸を用いたコアセルベート(WIMBA)よりも、同一の架橋条件下でさらに速い架橋及び優れた物性を有することが確認できた。
5.コアセルベートの接着力及び閉鎖力の測定
上記2.で製造された本発明によるコアセルベート(imWIMBA)の濡れた酸化アルミニウムの表面における接着力を測定し、その値を従来のヒアルロン酸を用いたコアセルベート(WIMBA)と比較した。
その結果、図7に示すように、上記2.で製造された本発明によるコアセルベート(imWIMBA)を濡れたアルミニウム試験片に乗せ、恒温恒湿機でそれぞれ5分、30分架橋させたサンプルの接着力を測定した結果、架橋時間とは関係なく、本発明によるコアセルベート(imWIMBA)で接着したサンプルの両方で従来のヒアルロン酸を用いたコアセルベート(WIMBA)よりも高い接着力を示し、その値の差が、統計学的有意であることを確認することができた(図7(a))。
一方、接着力だけでなく、閉鎖力でも、本発明によるコアセルベート(imWIMBA)を3mmまたは5mmの直径を有するシリコンチューブで処理した後、恒温恒湿機で約5分間架橋させた後、一定の流速を加えて接着剤が耐えることができる圧力を測定した結果、従来のヒアルロン酸を用いたコアセルベート(WIMBA)よりも優れた閉鎖力を示すことが確認できた(図7(b))。
6.ヒアルロン酸の置換度に応じた接着力の分析
図8はカテコール含有量が増加するにつれて濡れた豚皮において高い接着力を有することを示すグラフであって、置換度が増加するにつれてimWIMBAが有する全カテコール含有量が増加することを確認することができる。
このとき、架橋時間は5分であって、4.で用いられたものと同一の架橋剤を用いて恒温恒湿機で架橋した。
その結果、低い置換度を有するimWIMBAよりも、高い置換度を有するimWIMBAがさらに優れた接着力を示し、これらはすべてWIMBAよりも著しく高い接着力を示すことが確認できた。
したがって、カテコールをヒアルロン酸にさらに導入した方式によると、著しい接着力増大の効果を導出することができることを確認することができる。
7.ヒアルロン酸の分子量に応じたコアセルベートの機械的(流動学的)性質の分析
ムール貝の接着タンパク質と混合コアセルベートを成すヒアルロン酸の分子量を多様に変化させることにより、製造されたコアセルベートの機械的性質を変化させることができるか否かを確認した。
図9は様々な分子量を有するヒアルロン酸を混ぜて製造したコアセルベートの機械的物性及び粘度を流動分析計を介して測定した結果を示すグラフである。図9から確認できるように、本発明によるコアセルベート(imWIMBA)において、様々な分子量のヒアルロン酸で製造された混合コアセルベートは、分子量に応じて、互いに異なる機械的物性及び粘度を示すことが分かった。
高い分子量のヒアルロン酸からなる場合、その機械的物性及び粘度が徐々に増加した。尚、その差は、低い分子量のヒアルロン酸からさらに高い分子量のヒアルロン酸になるにつれ、次第に大きくなることが分かった。また、様々な分子量のヒアルロン酸を混合してコアセルベートを製造すると、それぞれの分子量からなるコアセルベートが有する機械的物性の中間値を示すことが分かった。このことから、様々な物性を有する接着剤を用途に合わせて製作することができるものと期待される。
さらに、本発明のコアセルベートが有する特異的なせん断流動化特性(shear thinning property)により、高い分子量を有するヒアルロン酸からなるコアセルベートも細いシリンジ(syringe)を介した注入が可能である。
一方、コアセルベートが接着剤として適用された後、完全に架橋されて組織に付着するまでには多少の時間がかかり、その間にコアセルベート自体の物性が低く、組織にとどまらず流下すると、接着剤の効果が著しく減少する。この場合、架橋時間を短縮したり、またはコアセルベート自体の物性(あるいは粘性)がある程度保証されると、かかる問題を低減することができる。したがって、例えば、高い分子量のヒアルロン酸からなるコアセルベートを用いる場合には、適用後に接着剤が組織から流下する現象を防止できることが、図10から確認することができる。図10において、低い分子量の場合には、分子量13〜75kDaのうち39kDa、高い分子量の場合には、分子量111〜1010kDaのうち500kDaを用いた。
但し、高すぎる分子量のヒアルロン酸を用いると、接着剤の粘度が高くなるにつれて、注入(injection)のために多くの力を必要とするため、使用感の面から好ましくないことから、図9に示すように、様々な分子量を有するヒアルロン酸を混合して用いることにより、所望の粘度及び物性を有するコアセルベートを形成することができる。これにより、簡単な注入、及び注入後の迅速な物性回復が可能な組織接着剤を製造することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者には自明である。

Claims (8)

  1. ムール貝の接着タンパク質内のチロシン残基がカテコール誘導体で修飾された(modified)修飾ムール貝の接着タンパク質とカテコール置換されたヒアルロン酸(hyaluronic acid)が混合されて形成され、前記ヒアルロン酸(hyaluronic acid)のカテコール置換度は10%以上52%以下である、コアセルベート(coacervate)。
  2. 前記修飾ムール貝の接着タンパク質は、ムール貝の接着タンパク質を成すチロシン残基の10〜100%がカテコール誘導体に変換された、請求項1に記載のコアセルベート(coacervate)。
  3. 前記カテコール誘導体は、ドーパ(3,4−dihydroxyphenylalanine、DOPA)、ドーパキノン(Dopa o−quinone)、トーパ(2,4,5,trihydroxyphenylalanine、TOPA)、トーパキノン(Topa quinone)、及びこれらの誘導体からなる群より選択された1種以上である、請求項1に記載のコアセルベート(coacervate)。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコアセルベートを含む、接着剤。
  5. ヒアルロン酸(hyaluronic acid)をカテコール置換してカテコール置換されたヒアルロン酸(hyaluronic acid)を獲得する段階と、
    前記カテコール置換されたヒアルロン酸(hyaluronic acid)とムール貝の接着タンパク質内のチロシン残基がカテコール誘導体で修飾された(modified)修飾ムール貝の接着タンパク質とを混合する段階と、
    を含み、前記ヒアルロン酸(hyaluronic acid)のカテコール置換度は10%以上52%以下である、
    コアセルベート(coacervate)の製造方法。
  6. 前記カテコール置換されたヒアルロン酸(hyaluronic acid)と修飾ムール貝の接着タンパク質とを混合する段階は、pH2.5〜pH7.0で1:0.1〜1:10の重量比で混合して行われる、請求項5に記載のコアセルベート(coacervate)の製造方法。
  7. 前記修飾ムール貝の接着タンパク質は、ムール貝の接着タンパク質を成すチロシン残基の10〜100%がカテコール誘導体に変換されたものである、請求項5に記載のコアセルベート(coacervate)の製造方法。
  8. 前記カテコール誘導体は、ドーパ(3,4−dihydroxyphenylalanine、DOPA)、ドーパキノン(Dopa o−quinone)、トーパ(2,4,5,trihydroxyphenylalanine、TOPA)、トーパキノン(Topa quinone)、及びこれらの誘導体からなる群より選択された1種以上である、請求項5に記載のコアセルベート(coacervate)の製造方法。
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