JP6950531B2 - アクリル系粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置 - Google Patents
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Description
更に、近年では、製造工程の精度向上により歩留まりが向上しているため、以前ほど不良品が発生せず、不良品が一定数溜まった後リワーク工程を行うようになってきており、これまでよりも長期間にわたってリワーク性を維持できることが粘着剤に求められている。
しかしながらこのように極性基含有モノマーを多く共重合したアクリル系樹脂を用いた粘着剤では極性基の影響によりガラス界面との接着性が高まったり、粘着剤層が吸湿しやすいためシランカップリング剤の加水分解が速くなったりするため、一段とリワーク性や保存安定性に劣るという問題があった。
また、耐湿熱白化性に優れた粘着剤としては、例えば、特許文献2では、水酸基量を多くしたアクリル系樹脂を用いた粘着剤が提案されている。
また特許文献1でも説明されている通り、リワーク性の向上を目的として低アルコキシ基含有量のシランカップリング剤を使用した粘着剤では、リワーク性には優れているが保存安定性に劣るという問題点があった。
更に本発明は、上記第1の要旨のアクリル系粘着剤組成物が、架橋剤(C)により架橋されてなる粘着剤を第2の要旨とし、第2の要旨の粘着剤で、偏光板と液晶セルを貼り合わせてなる画像表示装置を第3の要旨とするものである。
また、本発明は、アクリル系樹脂(A)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有するシランカップリング剤(B)を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、上記シランカップリング剤(B)として、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるシランカップリング剤(B1)、及びアルコキシ基含有量が20重量%以上であるシランカップリング剤(B2)を含有するアクリル系粘着剤組成物が、架橋剤(C)により架橋されてなる粘着剤を用いてなる偏光板用粘着剤を第4の要旨とするものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)としては、極性基含有モノマー(a1)由来の構造単位を含有するものであることが好ましく、その含有量は5〜50重量%であることが好ましく、例えば、極性基含有モノマー(a1)を5〜50重量%含む共重合成分を共重合して得られるアクリル系樹脂であることが好ましい。
アクリル系樹脂(A)の共重合成分には、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を含んでもよい。
上記アミノ基含有モノマーの中でも、樹脂溶液の保存安定性及び、架橋促進効果の点で3級アミノ基含有モノマーが好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記アミド基含有モノマーの中でも、樹脂溶液の安定性の点や、帯電防止剤の移行を抑制する点でアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー、ジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマーが好ましい。
かかる含有量が少なすぎると、粘着物性のバランスを取りにくくなる傾向があり、多すぎると湿熱白化性が低下する傾向にある。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)の含有量としては35重量%以下が好ましく、更に好ましくは25重量%以下である。その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)が多すぎると耐光漏れ性が低下する傾向にある。
上記重合反応は、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の重合方法により行なうことができるが、これらの中でも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、特に好ましくは溶液ラジカル重合である。
これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全性の高さから、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく用いられ、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
かかる重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、大きすぎると製造時に希釈溶剤が大量に必要となり、乾燥性が低下し、粘着剤層中に残溶剤が多くなり、耐熱性が低下する傾向がある。
かかる分散度が高すぎるとリワーク性が低下したり耐久性が低下したりする傾向がある。なお、かかる分散度の下限は通常1である。
かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下しやすくなる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
Tg:アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)とは、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度及び重量分率を上記Foxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
上記屈折率は、薄膜にしたアクリル系樹脂(A)を屈折率測定装置(アタゴ社製「アッベ屈折計1T」)を用いてNaD線、23℃で測定した値である。
ヘイズは、拡散透過率及び全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定し、得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、算出したものである。なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。
ヘイズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
通常、シランカップリング剤とは、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。
本発明では、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有するシランカップリング剤(B)として、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるシランカップリング剤(B1)、及びアルコキシ基含有量が20重量%以上であるシランカップリング剤(B2)を含有するものである。
例えば、ポリエーテル変性シランのポリエーテル部の末端やポリエーテル構造はアルコキシ基として含まれない。
かかるアルコキシ基含有量が多すぎると長期リワーク性が低下することとなる。
かかる重量平均分子量が小さすぎると、長期リワーク性が低下する傾向があり、大きすぎるとブリードアウトしやすく耐久性が低下する傾向がある。
かかる反応性官能基当量が上記範囲であるとより耐久性に優れる傾向にある。
かかるアルコキシ基含有量が少なすぎると保存安定性が低下することとなる。
かかる重量平均分子量が小さすぎると、長期リワーク性が低下する傾向がある。
かかる反応性官能基当量が上記範囲であれば耐久性が向上する傾向にある。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ
検出器:示差屈折率検出器RI(東ソー社製 RI−8020型、感度32)
カラム:TSKgel guardcolumn HHR−H(1本)(東ソー社製 φ6mm×4cm)、TSKgel GMHHR−N(2本)(東ソー社製 φ7.8mm×30cm)
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:23℃
流速:1.0mL/分
これらの中から、シランカップリング剤(B1)及び(B2)の、それぞれの条件を満足するように適宜選択して用いればよい。また、上記シランカップリング剤(B1)及び(B2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、保存安定性、耐久性の点で特に好ましくは、「X−41−1059A」である。
かかる含有量が多すぎると、耐久性が低下する傾向があり、少なすぎると長期リワーク性が低下する傾向がある。
かかる含有量が多すぎると、耐久性が低下する傾向があり、少なすぎるとリワーク性が低下する傾向がある。
かかる含有比率が上記範囲であれば、耐久性とリワーク性のバランスに優れる傾向にある。
架橋剤(C)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられるが、これらの中でも基材との接着性を向上させる点やベースポリマーとの反応性に優れる点で、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
かかる含有量が少なすぎると、耐久性が低下する傾向があり、多すぎると応力緩和性が低下して基板が反りやすくなったり、長時間のエージングが必要となったりする傾向がある。
本発明のアクリル系粘着剤組成物には、更に帯電防止剤(D)を含有することが好ましく、帯電防止剤(D)としては特にイオン性化合物(D1)が好適である。
かかるイオン性化合物(D1)としては、金属塩及び有機塩の少なくとも一方からなるイオン性化合物を含有することが帯電対策の点で好ましい。
上記粘着剤層付き光学部材には、粘着剤層の光学部材面とは逆の面に、更に離型シートを設けることが好ましい。
〔1〕光学部材上に、アクリル系粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、室温(23℃)または加温状態の少なくとも一方でのエージングによる処理を行なう方法、
〔2〕離型シート上に、アクリル系粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、光学部材を貼合し、室温または加温状態の少なくとも一方でのエージングによる処理を行なう方法、
等が挙げられる。これらの中でも、〔2〕の方法で、室温状態でエージングする方法が、光学部材を痛めない点、光学部材との接着性に優れる点で好ましい。
なお、上記において、光学部材としては、偏光板である場合に特に有効である。
また、上記溶剤としては、アクリル系粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
例えば、液晶セルなどのガラス基板に貼合する場合には、貼り合わせ40日後の粘着力が0.1〜20N/25mmであることが好ましく、特に好ましくは1〜15N/25mm、更に好ましくは1〜10N/25mmである。
粘着剤層付き偏光板について、幅25mm幅に裁断し、離型フィルムを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、「イーグルXG」)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合する。その後、オートクレーブ処理(50℃×0.5MPa×20分間)を行った後、23℃×50%RHで24時間放置後に、引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分で剥離試験を行う。また長期リワーク性に関しては、オートクレーブ処理後23℃×50%RHで所定の期間放置した後に引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分で剥離試験を行う。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)8部、アクリル酸(a1)0.7部、n−ブチルアクリレート(a2)71.3部、ベンジルアクリレート(a3)20部、酢酸エチル53部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含有する酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(固形分21.3%、粘度5440mPa・s/25℃、アクリル系樹脂(A−1):ガラス転移温度−42℃、重量平均分子量127万、分散度4.3)を得た。
・2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製 Tg―15℃)
・アクリル酸(三菱化学社製 Tg106℃)
・ブチルアクリレート(三菱化学社製 Tg−56℃)
・ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製 ビスコート#160 Tg6℃)
また、上記Tgは各モノマーのホモポリマーのTgである。
表1に記載の共重合成分を用いて、上記アクリル系樹脂(A−1)の製造方法に準じて行い、アクリル系樹脂(A−2)及び(A−3)溶液を得た。また、得られたアクリル系樹脂(A−2)及び(A−3)溶液は表1に記載の通りのものである。
シランカップリング剤(B)として、以下のものを用意した。シランカップリング剤(B)の重量平均分子量、分散度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。また、アルコキシ基含有量、反応性官能基、エポキシ当量またはメルカプト当量、含有アルコキシ基についてはカタログ値を採用した。
(信越化学工業社製、「X−24−9590」、重量平均分子量:13,700、分散度:3.44、アルコキシ基含有量:9.5%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:592g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基)
(信越化学工業社製、「X−41−1059A」、重量平均分子量:2,270、分散度:1.86、アルコキシ基含有量:42%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:350g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基、エトキシ基)
(信越化学工業社製、「X−41−1805」、重量平均分子量:3,450、分散度:1.85、アルコキシ基含有量:50%、反応性官能基:メルカプト基、メルカプト当量:800g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基、エトキシ基)、
架橋剤(C)として以下のものを用意した。
(C−1):トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー社製、「コロネートL55E」:有効成分55%)
帯電防止剤(D)として以下のものを用意した。
(D1−1):トリ−n−ブチルメチルアンモニウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(スリーエム社製、「FC−4400」)
上記の成分(A)〜(D)を下記表2の通りに配合し、酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調整し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
得られたアクリル系粘着剤組成物を厚み38μmの離型シート(三井化学東セロ社製「ルミラーSP−0138BU」)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを両面に積層した偏光板の一方のTACフィルム表面に、離型シートと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RHの環境下で7日間エージングし、粘着剤層付き偏光板[I]を得た(層構成:離型シート/粘着剤層/TACフィルム1/偏光子/TACフィルム2、TACフィルム1:厚み40μm、TACフィルム2:60μm)。
また、コロナ処理を施したシクロオレフィン系フィルム/偏光子/TAC系フィルムのCOP面と粘着剤層面を貼り合わせた以外は同様にして粘着剤層付偏光板[II]を得た。
なお、上記のTACフィルムはトリアセチルセルロースフィルム(厚み60μm)、COPフィルムはシクロオレフィンフィルム(厚み50μm)である。
上記粘着剤層付き偏光板[I]及び粘着剤層付き偏光板[II]を用いて以下の評価を行った。
上記で得られた粘着剤層付き偏光板[I]を25mm幅にカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ、2kgローラーにて貼りあわせ、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行った後、23℃×50%RHの環境下で1日、40日、50日間静置し、その後、引き剥がし角度180°、300mm/分の剥離速度で引きはがした時の粘着力を測定し、下記基準にて評価した。
(評価基準)
・貼合後1日
◎・・・5N/25mm以下
○・・・5N/25mmより高く10N/25mm未満
×・・・10N/25mm以上
・40日後
◎・・・10N/25mm以下
○・・・10N/25mmより高く15N/25mm未満
△・・・15N/25mm以上、20N/25mm未満
×・・・20N/25mm以上、または糊残りが発生
・50日後
◎・・・10N/25mm以下
○・・・10N/25mmより高く18N/25mm未満
△・・・18N/25mm以上、20N/25mm未満
×・・・20N/25mm以上、または糊残りが発生
<初期耐久性の評価>
得られた粘着剤層付き偏光板[I]を20cm×15cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、初期耐久性試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、(1)耐熱性(80℃×250時間)、(2)耐湿熱性(60℃×90%RH×250時間)の条件に暴露した後の偏光板について以下の評価を行った。
(評価基準)
○・・・偏光板の全面に発砲もしくは端部に浮きが見られない
×・・・偏光板の全面に発泡もしくは端部に浮きが見られる
得られた粘着剤層付き偏光板[I]を45℃、90%RHの環境下に3日間暴露した後、23℃、50%RHの環境下で7日間調温・調湿した。その後20cm×15cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせた後、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、劣化促進試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、(1)耐熱性(80℃×250時間)、(2)耐湿熱性(60℃×90%RH×250時間)の条件に暴露した後の偏光板について以下の評価を行った。
(評価基準)
○・・・偏光板の全面に発砲もしくは端部に浮きが見られない
×・・・偏光板の全面に発泡もしくは端部に浮きが見られる
得られた粘着剤層付き偏光板[II]を3.5cm×3.5cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、耐湿熱白化性試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、60℃×90%RHの環境下に250時間暴露した後、取出し室温に放置した。そして、取り出してから3時間後のヘイズを測定し、耐湿熱白化性を下記の基準で評価した。なお、ヘイズ値は1.1mm無アルカリガラスの値をブランクとして差し引いた値である。
(評価基準)
・取り出し3時間後のヘイズ
◎・・・1%未満
○・・・1%以上、2%未満
△・・・2%以上、4%未満
×・・・4%以上
得られた粘着剤層付偏光板[I]の離型シートを剥離し、粘着剤層面から粘着剤をピッキングしSUS製の200メッシュ金網で包んだ後、23℃に調整した酢酸エチルに24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
<表面抵抗値>
上記粘着剤層付偏光板[I]を23℃×50%RHの雰囲気下で24時間静置した後、粘着剤層の離型シートを外し表面抵抗率測定装置(三菱化学アナリテック株式会社製、装置名「Hiresta−UP MCP−HT450」)を用い粘着剤層の表面抵抗率を測定した。
また、アルコキシ基含有量が15重量%以下のシランカップリング剤(B1)を使用せず、アルコキシ基含有量が20重量%以上のシランカップリング剤(B2)のみを使用した比較例3〜5では長期リワーク性に劣るものであることがわかる。
Claims (10)
- アクリル系樹脂(A)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有するシランカップリング剤(B)を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
上記シランカップリング剤(B)として、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるシランカップリング剤(B1)、及びアルコキシ基含有量が20重量%以上であるシランカップリング剤(B2)を含有し、上記シランカップリング剤(B2)の重量平均分子量が500以上であることを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。 - 上記アクリル系樹脂(A)が、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、窒素含有モノマーから選ばれる少なくとも1つの極性基含有モノマー(a1)由来の構造単位を5〜50重量%含有するアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 上記シランカップリング剤(B1)の反応性官能基当量が、1,600g/mol以下であることを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 上記シランカップリング剤(B1)の重量平均分子量が、3,000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 上記シランカップリング剤(B2)の反応性官能基当量が、1,000g/mol以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 更に架橋剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 更に帯電防止剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤組成物が、架橋剤(C)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項8記載の粘着剤で、偏光板と液晶セルを貼り合わせてなることを特徴とする画像表示装置。
- アクリル系樹脂(A)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有するシランカップリング剤(B)を含有するアクリル系粘着剤組成物であって、
上記シランカップリング剤(B)として、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるシランカップリング剤(B1)、及びアルコキシ基含有量が20重量%以上であるシランカップリング剤(B2)を含有するアクリル系粘着剤組成物が、架橋剤(C)により架橋されてなる粘着剤を用いてなることを特徴とする偏光板用粘着剤。
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