JP6609405B2 - 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着型光学フィルム、粘着型偏光板、および画像表示装置 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着剤層、粘着型光学フィルム、粘着型偏光板、および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物、粘着剤層、光学部材および画像表示装置に関する。
より詳細には、本発明は、薄型の画像表示装置に対するリワーク性に優れ、かつ接着状態での耐久性に優れる、偏光板等の光学フィルム用粘着剤組成物、および当該組成物により形成される粘着剤層を有する粘着型偏光板等の光学部材に関する。さらには、本発明は、前記光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置にも関する。
液晶表示装置等の液晶パネルには、偏光子を有する偏光板やディスプレイの表示品位を向上させるための様々な光学フィルム等の光学部材が粘着剤を介して貼着されている。また、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光学フィルムの片側に予め粘着剤層として設けられた光学部材が一般的に用いられている。
例えば、特許文献1では、アクリル系ポリマーと主鎖がシロキサン骨格で、側鎖にアルコキシル基、エポキシ基、およびポリエーテル基等を有するポリマー型シランカップリング剤を含む感圧接着剤組成物(特許文献1参照)、アクリル系ポリマーとシリコーンオリゴマーを含む粘着剤組成物(特許文献2〜4参照)、またはカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体とシランカップリング剤を含む粘着剤組成物(特許文献5〜6参照)などの様々な光学フィルム用粘着剤組成物が報告されている。
ところが、光学フィルムを液晶表示装置等に貼り合わせる際に、例えば貼り合わせ位置を誤ったり、貼り合わせ面に異物を噛み込んだりしたような場合、または液晶セルを再利用する場合では、光学フィルムを液晶表示装置等から剥離し、再度の貼り合わせが必要となっている。特に、近年では、従来の液晶表示装置の作製工程に加え、ケミカルエッチング処理されたガラスを用いた薄型液晶パネル等の液晶表示装置の使用が増えたと共に、光学フィルムも薄く脆くなってきており、かような薄型液晶表示装置や薄型光学フィルムに対して、従来の耐久性だけを目指した粘着剤を用いると薄型液晶表示装置や薄型光学フィルムが割れてしまったり、破断してしまったりするという問題が出てきた。このため、粘着剤の必要特性としては、係る剥離工程において、液晶表示装置等から糊残りなく、光学フィルムを容易に剥がすことができる再剥離性(「リワーク性」とも称する)が要求されるようになってきている。
また、粘着剤には、環境促進試験として通常行われる加熱および加湿等による耐久試験に対して粘着剤に起因する剥がれや浮き等の不具合が発生しないという、粘着剤の接着状態での耐久性も要求されている。
このように、粘着剤には、リワーク性と耐久性とを両立することが要求されている。
特開平07−331206号公報 特開2006−316256号公報 特開2010−007044号公報 特開2012−012537号公報 国際公開第2012/26456号 特開2008−176173号公報
しかしながら、いずれの特許文献に係る粘着剤組成物においても、特に薄型の画像表示装置および薄型の光学部材に要求されるリワーク性と耐久性とを両立することは十分にできていなかった。
そこで本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、特に薄型の画像表示装置および薄型の光学部材にも用いられうる粘着剤組成物において、容易に剥がすことができるリワーク性、および接着状態での加熱および加湿等による耐久試験に対する耐久性を両立できる手段を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、かような粘着剤組成物により形成される粘着剤層、当該粘着剤層を有する粘着型偏光板等の光学部材、および前記光学部材を用いた画像表示装置を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の構成成分を有する粘着剤組成物によって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、粘着剤樹脂(A) 100重量部と、エポキシ当量が100〜2000g/molでかつアルコキシル基含有量が5〜60重量%であるシリコーンアルコキシオリゴマー(B) 0.1〜20重量部と、を含み、前記粘着剤樹脂(A)が、カルボキシル基を含有しないモノマーを重合して得られるアクリル系粘着剤樹脂(A1)、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)、およびポリエステル系粘着剤樹脂(A3)からなる群より選択される1つ以上である、粘着剤組成物。
本発明によれば、特に薄型の画像表示装置および薄型の光学部材にも用いられうる粘着剤組成物において、容易に剥がすことができるリワーク性、および接着状態での加熱および加湿等による耐久試験に対する耐久性を両立することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
{粘着剤組成物}
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤樹脂(A) 100重量部と、エポキシ当量が100〜2000g/molでかつアルコキシル基含有量が5〜60重量%であるシリコーンアルコキシオリゴマー(B) 0.1〜20重量部と、を含み、前記粘着剤樹脂(A)が、カルボキシル基を含有しないモノマーを重合して得られるアクリル系粘着剤樹脂(A1)、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)、およびポリエステル系粘着剤樹脂(A3)からなる群より選択される1つ以上である点に特徴を有する。本発明の粘着剤組成物は、かような特定な構成成分により、リワーク性に優れかつ耐久性にも優れる。
本発明の課題を解決することができるメカニズムは以下のように推測されるが、これに限定されることはない。
すなわち、粘着剤樹脂(A)の側鎖にカルボキシル基が存在すると、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)のアルコキシル基は、当該カルボキシル基と反応して、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の側鎖にシラノール基が生成される。これにより、リワーク性に寄与するアルコキシル基の含有量が少なくなるため、粘着剤組成物のリワーク性が低下してしまう。また、シラノール基の反応性が高く、例えば、かような粘着剤組成物をガラス等の液晶パネルに使用する際に、ガラスの表面において、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の側鎖のシラノール基とガラス表面のシラノール基との間に、カップリング反応が起こり易くなる。これにより、当該粘着剤組成物のガラス表面に対する接着力が向上される一方で、リワーク性が低下してしまうことが考えられる。さらに、IPSパネスなどを有する、カルボキシル基の酸性に弱い液晶表示装置も多数存在している。そこで、本発明者らの鋭意研究により、用いる粘着剤樹脂(A)として、カルボキシル基の含有量を可能な限り下げる方向を採用した。ここで、「カルボキシル基の含有量を可能な限り下げる方向」とは、カルボキシル基が存在したとしても、粘着剤樹脂(A)末端に存在することとなり、好ましくはカルボキシル基がまったく存在しないことである。このため、本発明者らは、粘着剤樹脂(A)として、カルボキシル基を含有しないモノマーを重合して得られるアクリル系粘着剤樹脂(A1)であってもよく、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)であってもよく、ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)であってもよく、または(A1)〜(A3)からなる群より選択される2つ以上であってもよいことを見出した。
また、上記の知見から、本発明者らは、特許文献1〜6がリワーク性と耐久性とを両立するできない原因について分析した。これは、特許文献1〜6に用いられたアクリル系粘着剤樹脂は、いずれも製造の際にアクリル酸を使用しており、すなわちカルボキシル基を含有するモノマーを用いているため、リワーク性が悪化したのではないかと考えた。
以下、本発明の粘着剤組成物の各成分について詳細に説明する。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタアク
リレートの総称である。(メタ)アクリル酸等の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称
中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。このため、「(
メタ)アクリル」とは、アクリルよびメタクリル双方を包含する。「(メタ)アクリレー
ト」とは、アクリレートおよびメタアクリレート双方を包含する。「(メタ)アクリル酸
」とは、アクリル酸およびメタクリル酸双方を包含する。
<粘着剤樹脂(A)>
本発明において、粘着剤樹脂(A)は、カルボキシル基を含有しないモノマーを重合して得られるアクリル系粘着剤樹脂(A1)、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)、およびポリエステル系粘着剤樹脂(A3)からなる群より選択される1つ以上である。
本発明に用いられる粘着剤樹脂(A)の重量平均分子量として、特に限定されないが、2万〜250万であることが好ましく、アクリル系の場合は30〜250万であることがより好ましく、50〜220万であることが特に好ましい。ウレタン系およびポリエステル系の場合は2万〜10万であることがより好ましく、3〜6万であることが特に好ましい。重量平均分子量が前記の範囲であれば、耐久性を向上することができる。なお、本明細書において、重量平均分子量は実施例に示す方法によって測定されうる。
本発明に用いられる粘着剤樹脂(A)の粘度としては、特に限定されないが、100〜100000mPa・sであることが好ましく、300〜50000mPa・sであることがより好ましく、500〜30000mPa・sであることが特に好ましい。粘度が前記の範囲であれば、塗工面が平滑に出来、塗工面の膜厚の均一性が得られやすい。
また、本発明において、耐久性を向上するという観点から、粘着剤樹脂(A)には、ヒドロキシル基を含有することが好ましい。特に後述するイソシアネート系化合物としての架橋剤と併用するときに、ヒドロキシル基とイソシアネート系化合物とが、架橋することによってネットワークが形成し、耐久性をより向上することができる。
〔アクリル系粘着剤樹脂(A1)〕
本発明に係るアクリル系粘着剤樹脂(A1)は、カルボキシル基を含有しないモノマーであれば、特に限定されず、公知のものを用いて製造することができる。具体的には、主骨格を構成する(メタ)アクリル系モノマーと、側鎖を提供するモノマーとを重合させることによって製造することができる。
(主鎖を構成するモノマー)
アクリル系粘着剤樹脂(A1)の製造に用いられる(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの他に、特開2010−275524号公報の段落「0036」〜「0037」に記載の芳香族基および複素環を有する(メタ)アクリレートも用いられる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中で、加熱耐久性と湿熱耐久性の観点から、平均炭素数が3〜9個のアクリル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
(側鎖を提供するモノマー)
アクリル系粘着剤樹脂(A1)の製造に用いられる側鎖を提供するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等が挙げられ、さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物、ビニルピリジンまたはスチレンなどのビニル化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中で、粘着剤樹脂(A)にヒドロキシル基を付与する観点から、少なくとも1個の水酸基を有するものが好ましく、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
(アクリル系粘着剤樹脂(A1)の製造)
アクリル系粘着剤樹脂(A1)の製造する方法は、特に限定されず、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法など従来公知の方法を用いることができる。重合制御の方法としては、断熱重合法、温度制御重合法、等温重合法などが挙げられる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、放射線、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。中でも重合開始剤を使用する溶液重合法が、分子量の調節が容易であり、また不純物も少なくできるために好ましい。例えば、溶剤として酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン等を用い、原料モノマー(主鎖を構成するモノマーおよび側鎖を提供するモノマー)の合計量100重量部に対して、重合開始剤を好ましくは0.01〜0.50重量部を添加し、窒素雰囲気下で、例えば反応温度60〜90℃で、3〜10時間反応させることで得られる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
アクリル系粘着剤樹脂(A1)を製造する際の、主鎖を構成するモノマーおよび側鎖を提供するモノマーの使用量は、それぞれの種類との兼ね合いもあるが、主鎖を構成するモノマー:側鎖を提供するモノマーの重量比は、99.99:0.01〜80:20であることが好ましく、99.9:0.1〜90:10であることがより好ましい。
〔ウレタン系粘着剤樹脂(A2)〕
本発明に係るウレタン系粘着剤樹脂(A2)は、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールと、イソシアネート系化合物とを反応させることによって製造することができる。
(ポリエステルポリオール)
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)の製造に用いられるポリエステルポリオールとしては、特に限定されず、公知のポリエステルポリオールが用いられる。例えば、ポリカルボン酸等の酸成分とグリコール成分またはポリオール成分から合成されうる。酸成分としてテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられ、グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール等が挙げられ、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。
上述合成されるポリエステルポリオールの中で、2〜3官能のポリエステルポリオールを用いることが、良好な接着性を得る観点から好ましい。
また、ポリエステルポリオールの数平均分子量としては、特に限定されず、低分子量のものから高分子量のものまでを使用することができる。中では、ポリエステルルポリオールの官能数との兼ね合いもあるが、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエステルポリオールが好ましく、数平均分子量が1,000〜3,500のポリエステルポリオールがより好ましい。数平均分子量が1,000以上のものを用いることにより、反応性が高くなり過ぎず、ゲル化し難くなる。また、数平均分子量が5,000以下のものを用いることにより、反応性が低くならず、さらにはウレタン系粘着剤樹脂(A2)自体の凝集力が小さくなりにくい。
また、必要に応じて、一部エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類も併用することができる。
(ポリエーテルポリオール)
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)の製造に用いられるポリエーテルポリオールとしては、特に限定されず、例えば多価アルコールのポリアルキレングリコール(分子量100〜5500程度)付加物が好ましく用いられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール(テトラメチレングリコール)、ネオペンタングリコール等の脂肪族二価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン等の三価アルコール;エリトリット、ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,3,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の四価アルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の五価アルコール;ソルビット、マンニット、イジット等の六価アルコール等が挙げられる。これらの中で、2〜4価のアルコールが好ましく、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリンがより好ましく用いられる。
上述のポリエーテルポリオールの中で、2〜3官能のポリエーテルポリオールを用いることが、反応性制御の観点から好ましい。
また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量としては、特に限定されず、低分子量のものから高分子量のものまでを使用することができる。中では、ポリエーテルポリオールの官能数との兼ね合いもあるが、数平均分子量が1,000〜5,000のポリエーテルポリオールが好ましく、数平均分子量が1,000〜3,500のポリエーテルポリオールがより好ましい。数平均分子量が1,000以上のものを用いることにより、反応性が高くなり過ぎず、ゲル化し難くなる。また、数平均分子量が5,000以下のものを用いることにより、反応性が低くならず、さらにはウレタン系粘着剤樹脂(A2)自体の凝集力が小さくなりにくい。
(イソシアネート系化合物)
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)の製造に用いられるイソシアネート系化合物としては、特に限定されず、例えば公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。脂肪族ポリイソシアネートとしてはトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしてはω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環族ポリイソシアネートとしては3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
上述のイソシアネート系化合物の中で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
(ウレタン系粘着剤樹脂(A2)の製造)
上述したように、本発明に係るウレタン系粘着剤樹脂(A2)は、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールと、イソシアネート系化合物とを、反応させることによって製造することができる。好ましくは、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールと、イソシアネート系化合物とを、反応させることによって製造することである。
ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールをポリオールとして併用する際に、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとのモル比(ポリエステルポリオール:ポリエーテルポリオール)は、10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
イソシアネート系化合物の使用量は、使用されるポリオールの総量(ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを併用する際に、その合計量)100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、3〜20重量部であることがより好ましい。かような範囲であれば、イソシアネート系化合物がほぼ完全に反応することができ、ウレタン系粘着剤樹脂の分子中にヒドロキシル基を残存されることができる。このヒドロキシル基が後述するイソシアネート系架橋剤とネットワークを形成し、耐久性を向上することができる。
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)を製造する際に、公知の触媒が用いられる。例えば、第三級アミン系化合物、錫系化合物、非錫系化合物等の有機金属系化合物等が挙げられる。
第三級アミン系化合物としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
錫系化合物としてはジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの触媒は、単独で用いられてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールをポリオールとして併用する際に、その反応性の相違により、単独の触媒より、2種類以上を併用することが好ましい。その2種類以上の触媒の組み合わせとしては、特に限定されず、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、非錫系/非錫系等が用いられるが、好ましくは非錫系/非錫系であり、より好ましくは2−エチルヘキサン酸鉛とナフテン酸鉛との組み合わせである。その配合比は重量部で2−エチルヘキサン酸鉛/ナフテン酸鉛<1であり、好ましくは0.2〜0.8である。
触媒の使用量は、使用されるポリオールとイソシアネート系化合物との総量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部であることが好ましい。
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)を製造する際の溶媒としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン等が挙げられる。また、使用されるポリオールやイソシアネート系化合物等の種類によって溶媒を添加しなくてもよい。
ウレタン系粘着剤樹脂(A2)を製造するための反応温度としては、100℃以下であることが好ましく、85℃〜95℃であるであることがより好ましい。かような温度範囲であれば、反応速度や架橋構造の制御をしやすくなり、所定分子量および化学構造を有するウレタン系粘着剤樹脂(A2)を得易くなる。
また、反応時間としては、特に限定されず、例えば赤外分光光度計(IR)により残存のイソシアネート基が消えるまで反応させることが好ましい。
〔ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)〕
本発明に係るポリエステル系粘着剤樹脂(A3)は、ポリオール成分とカルボン酸成分とを用いて、エステル化反応をさせることによって製造することができる。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)の製造に用いられるポリオール成分としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール;ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオールなどの炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオールなどが挙げられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、炭素数2〜6の直鎖脂肪族ジオール、特には1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコールや、炭素数1〜4の炭化水素基側鎖を持つ脂肪族ジオール、特にはネオペンチルグリコールが好ましい。
また、必要に応じて、ポリエーテルジオール、3価以上の多価アルコールを少量含んでもよい。係るポリエーテルジオールや3価以上の多価アルコールの例として、例えば特開2007−45913号公報の段落「0039」〜「0040」に記載のものが適宜採用されうる。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)の製造に用いられるカルボン酸成分としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸などの飽和ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸類などの不飽和ジカルボン酸などがあげられ、これらを1種または2種以上を用いることができる。必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸などの3価以上のカルボン酸を少量含んでも良い。これらの中でも、初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、芳香族ジカルボン酸、特にはテレフタル酸、イソフタル酸や、炭素数6〜12(カルボキシル基の炭素を含む)の脂肪族ジカルボン酸、特にはセバシン酸が好ましい。
(ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)の製造)
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を製造する際の、ポリオール成分およびカルボン酸成分の使用量は、それぞれの種類との兼ね合いもあるが、主にカルボン酸成分1当量あたり、ポリオール成分が1当量以上で使用することが好ましく、1.2当量以上で使用することがより好ましい。また、下限としては、カルボン酸成分1当量あたり、2当量のポリオール成分がを使用することが好ましい。
かような範囲であれば、ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)中のカルボン酸成分がほぼ完全に反応することができることから、リワーク性を確保できるとともに、ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)中にヒドロキシル基を残存されることができることから耐久性を向上することもできる。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を製造する際に、公知の触媒が用いられる。例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系などの触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイドなどを挙げることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。
触媒の使用量は、全共重合成分(ポリオールとカルボン酸の総量)100重量部に対して、0.01〜1.0重量部であることが好ましい。かような範囲であれば、エステル反応が十分に進行することができ、かつ反応時間の短縮ができ、副反応が起きにくくなる。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を製造する際の溶媒としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン等が挙げられる。また、使用されるポリオールやカルボン酸等の種類によって溶媒を添加しなくてもよく、反応後の濃度調整にのみ添加してもよい。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を製造するための反応温度としては、通常100〜400℃、さらには120〜300℃、特には150〜280℃で行うことが好ましい。
ポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を製造する際に、反応系の圧力を、常圧から徐々に減じることが好ましく、例えば10〜1000Paの反応系で行うことができる。また、減圧は、時間をかけて数段階を行ってもよい。
また、反応時間としては、特に限定されず、常法に従い使用されるポリオールやカルボン酸等の種類、減圧の条件等によって適宜設定されうる。例えば、0.5〜20時間であることが好ましく、1〜10時間であることがより好ましい。
<シリコーンアルコキシオリゴマー(B)>
シリコーンアルコキシオリゴマーは、主鎖がポリオルガノシロキサンであり、分子末端または側鎖がアルコキシシリル基で封鎖された比較的低分子のシリコーンレジンである。
シリコーンアルコキシオリゴマー(B)におけるエポキシ当量は、100〜2000g/molであり、好ましく200〜1500g/molであり、より好ましくは250〜1200g/molである。本発明において、粘着剤樹脂(A)としてアクリル系粘着剤樹脂(A1)を用いる際に、エポキシ当量が100g/mol未満であると、耐久性を向上することができるが、リワーク性を向上できない。一方、エポキシ当量が2000g/mol超であると、粘着剤組成物のリワーク性を向上することができるが耐久性に悪影響を与えてしまうことが見出された。なお、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)またはポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を粘着剤樹脂(A)として用いて、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)と併用する際のシリコーンアルコキシオリゴマー(B)は、エポキシ当量について、特に限定されず、上記範囲のものも好ましく採用される。
本発明に係るシリコーンアルコキシオリゴマー(B)は、有機置換基としてメチル、フェニル、エポキシ、メルカプト、アミノ、メタクリルおよびアクリルから選ばれる1つ以上を有することが好ましく、メチルおよびエポキシから選ばれる1つ以上を有することがより好ましい。また、アルコキシル基として、メトキシおよび/またはエトキシを有したものが好ましい。
なお、本発明に係るシリコーンアルコキシオリゴマー(B)におけるアルコキシル基の含有量は、5〜60重量%であり、好ましくは10〜55重量%であり、より好ましくは15〜50重量%である。本発明において、粘着剤樹脂(A)としてアクリル系粘着剤樹脂(A1)を用いる際に、アルコキシル基の含有量が5重量%未満であると、粘着剤組成物のリワーク性を向上することができるが耐久性に悪影響を与えてしまい、一方、アルコキシル基の含有量が60重量%を超えると、耐久性を向上することができるが、リワーク性を向上できないことが見出された。なお、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)またはポリエステル系粘着剤樹脂(A3)を粘着剤樹脂(A)として用いて、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)と併用する際のシリコーンアルコキシオリゴマー(B)は、アルコキシル基含有量について、特に限定されず、上記範囲のものもが好ましく採用される。
本発明において、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)は、係るエポキシ当量およびアルコキシル基含有量が上述の範囲を満たせば、合成によって製造されたものでも市販品でも用いられる。
本発明において、エポキシ基およびアルコキシル基の両方を有するシランカップリング剤とアルコキシシランとを、酸等の存在下で加水分解させ、さらに縮合反応させることがよって、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)を製造することが好ましい。
シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の製造に用いられるエポキシ基およびアルコキシル基の両方を有するシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の製造に用いられるアルコキシシランとしては、特に限定されず、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、およびトリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンアルコキシオリゴマー(B)を製造する際に、係るエポキシ当量およびアルコキシル基含有量が上述の範囲を満足するためには、エポキシ基およびアルコキシル基の両方を有するシランカップリング剤とアルコキシシランとの配合比(例えばモル比)等を適宜調整することによって、達成することができる。
また、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)を製造する際に、例えばメタノールまたはエタノール等の公知の溶媒が適宜採用されうる。
シリコーンアルコキシオリゴマー(B)を製造するための、反応温度として、特に限定されず、使用する原料によって調整することができ、例えば室温下で行うことができる。また、反応時間として、使用する原料によって調整することができ、例えば0.5〜5時間で行うことができる。
本発明に用いられるシリコーンアルコキシオリゴマー(B)の市販品としては、特に限定されず、例えば、信越化学工業株式会社製のX−41−1053(エポキシ当量830g/mol;アルコキシル基含有量50重量%)、X−41−1059A(エポキシ当量350g/mol;アルコキシル基含有量42重量%)、X−41−1056(エポキシ当量280g/mol;アルコキシル基含有量27重量%)等が好ましく挙げられる。
本発明に係るシリコーンアルコキシオリゴマー(B)の数平均分子量は、耐久性とリワーク性を両立させることの観点から、200〜50000であることが好ましく、300〜10000であることがより好ましく、500〜5000であることが特に好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量は実施例に示す方法によって測定されうる。
本発明の粘着剤組成物において、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の添加量は、上述した粘着剤樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.3〜10重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が0.1重量部未満であると、リワーク性を確保できなくなってしまう。一方、添加量が20重量部超であると、粘着剤組成物を偏光板などに使用する際に、加湿耐久性が悪化するため、偏光度が下がってしまう。
<架橋剤(C)>
本発明の粘着剤組成物は、上述したアクリル系粘着剤樹脂(A1)およびシリコーンアルコキシオリゴマー(B)に加え、耐久性を向上する観点から、さらに架橋剤(C)を含有することが好ましい。
本発明において、架橋剤(C)を含有する場合の添加量は、粘着剤樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜30重量部であることが好ましく、0.01〜20重量部であることがより好ましく、0.05〜10重量部であることが特に好ましい。かような範囲であれば、耐久性を向上することができる。
本発明に用いられる架橋剤(C)は、特に限定されず、イソシアネート系化合物、過酸化物、カルボジイミド化合物、チタンカップリング剤、ジルコニウム化合物、または金属アルミキレートであることができる。また、これらの中で、耐久性向上の観点から、イソシアネート系化合物および過酸化物から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
〔イソシアネート系化合物〕
架橋剤(C)として好適に用いられるイソシアネート系化合物として、特に限定されず、例えば、トリアリルイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリデンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などの脂肪族ジイソシアネート類;トランスシクロヘキサンー1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6−XDI(水添XDI)、H12−MDI(水添MDI)などの脂環式ジイソシアネート類;上記ジイソシアネートのカルボジイミド変性ジイソシアネート類;またはこれらのイソシアヌレート変性ジイソシアネート類などが挙げられれ、これらを1種または2種以上を用いることができる。また、後述する過酸化物と併用してもよい。
上記イソシアネート系化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらイソシアネート系化合物のビウレット体やイソシアヌレート体も好適に使用することができる。
また、イソシアネート系化合物は、合成してもよいし市販品を使用してもよい。成分(D)の市販品としては、例えば、コロネート(登録商標)L、コロネート(登録商標)HL、コロネート(登録商標)HX、コロネート(登録商標)2030、コロネート(登録商標)2031(以上、日本ポリウレタン工業株式会社製)、タケネート(登録商標)D−102、タケネート(登録商標)D−110N、タケネート(登録商標)D−200、タケネート(登録商標)D−202(以上、三井化学株式会社製)、デュラネート(登録商標)24A−100、デュラネート(登録商標)TPA−100、デュラネート(登録商標)TKA−100、デュラネート(登録商標)P301−75E、デュラネート(登録商標)E402−90T、デュラネート(登録商標)E405−80T、デュラネート(登録商標)TSE−100、デュラネート(登録商標)D−101、デュラネート(登録商標)D−201(以上、旭化成ケミカルズ株式会社製)、スミジュール(登録商標)N−75、N−3200、N−3300(以上、住化バイエルウレタン株式会社)等が挙げられる。これらの中で、コロネート(登録商標)L、コロネート(登録商標)HL、コロネート(登録商標)HX、タケネート(登録商標)D110N、デュラネート(登録商標)24A−100、デュラネート(登録商標)TPA−100が好ましく、コロネート(登録商標)L、コロネート(登録商標)HX、デュラネート(登録商標)24A−100がより好ましい。
また、本発明において、架橋剤(C)としてイソシアネート系化合物を用いる際に、上述した本発明に用いられる粘着剤樹脂(A)は、ヒドロキシル基を含有することが好ましい。これは、ヒドロキシル基とイソシアネート系化合物とがネットワークを形成し、本発明の粘着剤組成物の耐久性を向上することができるからである。
〔過酸化物〕
架橋剤(C)として好適に用いられる過酸化物として、加熱によりラジカルを発生して粘着剤組成物の架橋を達成できるものであれば使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が好ましくは80℃〜160℃、より好ましくは90℃〜140℃の過酸化物を使用すると好ましい。なお、過酸化物の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であって、過酸化物の分解量が半分になる時間であり、任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログ等に記載されており、例えば、日本油脂株式会社発行の有機過酸化物カタログ第9版(2003年5月)に記載されている。
かような過酸化物としては、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度90.6℃)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(同92.1℃)、ビス−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(同92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(同103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート、(同109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(同110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(同116.4℃)、ビス−n−オクタノイルパーオキシド(同117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(同124.3℃)、ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(同128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(同130.0℃)、t−ブチルパーオキシブチレート(同136.1℃)などが挙げられ、架橋反応効率に優れるビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートやジラウロイルパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシドが好ましく用いられる。特に、分解温度の観点からビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートが好ましい。これらを1種または2種以上を用いることができる。また、上述のイソシアネート系化合物と併用してもよい。
〔カルボジイミド化合物〕
架橋剤(C)として好適に用いられるカルボジイミド化合物として、特に限定されず、例えば、特開2012−246444号公報の段落「0039」〜「0046」に記載のものまたはそれらを適宜修飾したものが挙げられる。
〔チタンカップリング剤〕
架橋剤(C)として好適に用いられるチタンカップリング剤として、特に限定されず、例えば、特に限定されず、例えば、特開2014−085616号公報の段落「0072」に記載のものまたはそれらを適宜修飾したものが挙げられる。
〔ジルコニウム化合物〕
架橋剤(C)として好適に用いられるジルコニウム化合物として、特に限定されず、例えば、特開2014−085616号公報の段落「0073」に記載のものまたはそれらを適宜修飾したものが挙げられる。
〔金属アルミキレート〕
架橋剤(C)として好適に用いられる金属アルミキレートとして、特に限定されず、例えば、特開2012−229373号公報の段落「0058」に記載のものまたはそれらを適宜修飾したものが挙げられる。
<シランカップリング剤(D)>
本発明の粘着剤組成物はまた、耐久性が向上する観点から、シランカップリング剤(D)をさらに含有することができる。
シランカップリング剤(D)とは、シロキサン結合を有せず、分子中に2個以上の異なった反応基を持っているものを指し、本発明に係るシリコーンアルコキシオリゴマー(B)と区別すべきである。
本発明に用いられるシランカップリング剤(D)は、特に限定されず、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕プロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。さらには、エポキシ基(グリシドキシ基)、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基等の官能基を有するシランカップリング剤と、これらの官能基と反応性を有する官能基を含有するシランカップリング剤、他のカップリング剤、ポリイソシアネートなどを、各官能基について任意の割合で反応させて得られる加水分解性シリル基を有する化合物も使用できる。
上記シランカップリング剤は、合成してもよいし市販品を使用してもよい。シランカップリング剤の市販品としては、例えば、KBM−303、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−573、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
上記シランカップリング剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
本発明において、シランカップリング剤(D)を含有する場合の添加量は、粘着剤樹脂(A)100重量部に対して、0.0001〜10重量部であることがより好ましく、0.001〜5重量部であることがより好ましく、0.01〜3重量部であることが特に好ましい。かような範囲であれば、耐久性を向上することができる。
{用途}
上述した本発明の粘着剤組成物は、様々な用途に適される。例えば、光学フィルムなどの光学部材に好ましく用いられる。特に、近年薄く脆くなっている光学フィルムに好ましく用いられる。かような光学フィルムとしては、偏光板、着色防止としての位相差板、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム等の光学補償フィルム、ディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているものが挙げられる。
本発明において、上述した粘着剤組成物により形成されてなる粘着剤層の形態、光学フィルム等に前記粘着剤層が形成されてなる光学部材の形態、前記光学部材が、粘着型光学フィルムないし粘着型偏光板である形態、または、前記光学部材を液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ(PDP等の画像表示装置などに応用する形態等が提供されうる。
<粘着剤層>
本発明は、本発明の粘着剤組成物により形成されてなる粘着剤層を提供する。
本発明において、粘着剤層は、本発明の粘着剤組成物を基材などに塗布し、溶剤などを乾燥除去することによって、形成することができる。また、粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に1種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
なお、粘着剤層の基材としては、後述するセパレータを用いることができる。
塗布方式としては、特に限定されず、各種公知方法が用いられる。例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
粘着剤組成物に存在する溶剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適切な方法が採用されうる。好ましくは、塗布膜を加熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。
また、乾燥時間は、適宜設定されうる。好ましくは5秒〜20分間であり、さらに好ましくは5秒〜10分間であり、特に好ましくは10秒〜5分間である。
本発明の粘着剤層の厚さ(乾燥膜厚)は、特に限定されず使用用途によって適宜設定されうる。例えば、光学フィルムに用いられる際に、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。
また、本発明に係る粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレーター)などで粘着剤層を保護することができる。
セパレーターの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
セパレーターの厚さは、通常5〜200μmであり、好ましくは5〜100μm程度である。
また、セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型処理および防汚処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理を行うことができる。特に、セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜行うことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
<粘着型光学フィルム>
本発明は、光学フィルムの少なくとも片側に、本発明の粘着剤層が形成されてなる光学部材も提供する。ここで、光学部材の例として、粘着型光学フィルムが挙げられる。なお、「粘着型光学フィルム」とは、本発明の粘着剤層を有する光学フィルムのことである。また、光学フィルムには、偏光板の形態も含めるため、本発明に係る粘着型光学フィルムには、粘着型偏光板の形態も含む。
本発明において、上述した粘着剤組成物は、光学フィルムの片面または両面に直接塗布して粘着剤層を形成して使用されてもよく、上述した基材またはセパレータ-などに粘着剤層を予め形成し、これを光学フィルムの片面または両面に転写することにより使用されてもよい。また、転写する前に、光学フィルムの表面には、その材質に応じて、コロナ処理、プラズマ処理、易接着層の形成などの下地処理や、帯電防止層の形成などを行ってもよい。また、粘着剤層の表面においても易接着処理を行ってもよい。光学フィルムと粘着剤層とを強固に接着させる観点から、光学フィルムと本発明の光学フィルム用粘着剤層との間に、易接着層を有することが好ましい。
(易接着層)
本発明において、易接着層を形成する材料は、粘着剤層と光学フィルム(例えば、偏光板では透明保護フィルム)のいずれにも良好な密着性を示し、凝集力に優れる膜を形成するものが好ましい。例えば、各種ポリマー類、金属酸化物のゾル、シリカゾルなどが用いられ、中には、特にポリマー類が好ましく用いられる。
本発明に好適に用いられるポリマー類としては、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、分子中にアミノ基を含むポリマー類が挙げられる。これらの中で、オキサゾリン基含有ポリマーがより好ましく用いられる。
係るオキサゾリン基含有ポリマーとしては、一般の市販品が用いられ、例えば株式会社日本触媒製のエポクロスシリーズ(例えば、エポクロスWS700)などが挙げられるが、これらに限定されない。また、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、分子中にアミノ基を含むポリマー類などについては、特開2011−105918号公報の段落「0107」〜「0113」に開示されているものが適宜採用されうる。
本発明において、光学フィルムの上に、易接着層を形成するための下塗り剤をコーティング法、ディッピング法、スプレー法などの塗工法を用いて、塗布、乾燥し、易接着層を形成することができる。
易接着層の厚さ(乾燥膜厚)としては、10〜5000nm程度であり、好ましくは50〜500nmである。かような範囲であれば、バルクとしての性質を有し、十分な強度および十分な密着性を示しながら、光学特性を維持することもできる。
本発明の粘着型光学フィルムに用いられる光学フィルムとしては、特に限定されず、液晶表示装置などの画像表示装置の形成に用いられるものが挙げられるが、その種類には特に限定されない。例えば、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているものを用いることができる。
以下では、一例として、本発明に係る光学フィルムが偏光板である場合について説明する。
(偏光板)
本発明において、光学フィルムとして好適な偏光板は、従来公知の方法により、保護フィルムと偏光子とを、接着剤を用いて貼り合わせ、加熱乾燥または紫外線、電子線等で硬化することによって製造し得る。塗布した接着剤は、乾燥または紫外線、電子線等で硬化により接着性を発現して接着層を構成する。
偏光子としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
このうち、平均重合度2000〜2800、ケン化度90〜100モル%のポリビニルアルコールフィルムをヨウ素で染色し、3〜8倍に一軸延伸して製造した偏光子が特に好ましい。より具体的には、このような偏光子は、例えばポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素の水溶液に浸漬して染色し、延伸して得られる。
ヨウ素の水溶液としては、例えば、0.1〜1.0重量%のヨウ素および/またはヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬することが好ましい。また、必要に応じて50〜70℃のホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬してもよく、洗浄や染色むら防止のために、25〜35℃の水に浸漬してもよい。延伸はヨウ素で染色した後に行っても、染色しながら延伸しても、延伸してからヨウ素で染色してもよい。染色および延伸後は、水洗し、35〜55℃で1〜10分間程度乾燥してもよい。かような偏光子は、多種多様のものが市販されている。
また、偏光子の厚みは、特に限定されないが、一般的に5〜80μmである。
保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる材料が好ましい。例えば、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムまたは、保護層として(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
偏光板の厚みは、特に限定されないが、一般的に20〜200μmである。また、本発明において、薄型化の観点から、100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。かような薄型偏光板は、本発明の粘着剤組成物の効果をより顕著に発現する観点から好ましい。
偏光板の製造方法は、特に限定されず、例えば、接着剤を塗布した後は、偏光子と保護フィルムとをロールラミネーター等により貼り合わせることによって行うことができる。貼り合わせた後に適宜乾燥または紫外線、電子線等で硬化工程を施してもよい。また、接着剤を塗布する際は、保護フィルム、偏光子のいずれに塗布してもよく、双方に塗布してもよい。接着剤は、乾燥後の接着層の厚みが10〜300nmになるように塗布するのが好ましい。また、接着剤としては、特に限定されず、偏光子の材料に合わせて公知にものから適宜採用されうる。例えば、偏光子としてポリビニルアルコール系フィルムを用いる場合には、ポリビニルアルコール系接着剤または紫外線硬化系接着剤としてアクリル系、エポキシ系、アクリル-エポキシ系を用いることができる。接着剤層の厚さは、均一な面内厚みを得ることと、十分な接着力を得ることから、ポリビニルアルコール系接着剤では10〜200nm、紫外線硬化系接着剤では0.2〜10μmであることが好ましい。
本発明において、粘着剤層が形成されてなる粘着型偏光板も提供されうる。なお、粘着型偏光板の構成や製造などについては、上述した粘着型光学フィルムの場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
<画像表示装置>
本発明は、上述した光学部材のうち、少なくとも1つを用いる画像表示装置も提供する。
画像表示装置としては、特に限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)等が挙げられる。また、本発明の粘着剤組成物の効果をより顕著に発現する観点から、特に薄型の画像表示装置が好ましく適用される。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらいに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性などの測定は、23℃55%RH(相対湿度)の条件で行う。
〔製造例1 粘着剤樹脂(A1−1)の調製〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルアクリレート(株式会社日本触媒製)99重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)1重量部、および重合開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.15重量部を、酢酸エチル100重量部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入した。窒素ガス置換した後に、フラスコ内の液温を55℃付近に制御し、5時間重合反応を行い、固形分15%(w/w)のアクリル系粘着剤樹脂(A1−1)溶液を調製した。
得られたアクリル系粘着剤樹脂(A1−1)の重量平均分子量は210万であり、粘度は、8000mPa・sであった。
〔製造例2〜4 粘着剤樹脂(A1−2)、(A1−3)、(A1−4)の調製〕
アクリル系粘着剤樹脂を形成するモノマーの種類またはその割合を、表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、いずれも固形分は15%(w/w)の粘着剤樹脂(A1−2)〜(A1−4)溶液を調製した。
得られた粘着剤樹脂(A1−2)〜(A1−4)の重量平均分子量はいずれも210万であり、粘度は、8000mPa・sであった。
〔製造例5 粘着剤樹脂(A2)の調製〕
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ポリエステルポリオールP−1010(2官能ポリエステルポリオール、OH価112、分子量1,000、クラレ株式会社製)51.9重量部、アデカポリエーテルG−1500(3官能ポリエーテルポリオール、3官能、OH価109、数平均分子量1,500、ADEKA株式会社製)32.2重量部、イソホロンジイソシアネート(住友バイエル株式会社製)15.9重量部、トルエン66.7重量部、ならびに触媒としての2−エチルヘキサン酸鉄0.03重量部およびナフテン酸鉛0.04重量部を仕込み、90℃まで徐々に昇温し4時間反応を行った。赤外分光光度計(IR)を用いて、2260cm−1付近に残存イソシアネート基を確認し、当該2260cm−1付近のピークが消えていたら反応を終了させ冷却し、固形分60%(w/w)、粘度は3,000mPa・sの無色透明のウレタン系粘着剤樹脂(A2)溶液を調製した。
得られたウレタン系粘着剤樹脂(A2)の、数平均分子量は15,000であり、重量平均分子量は50,000であり、酸価は0.5KOHmg/gであった。
〔製造例6 粘着剤樹脂(A3)の調製〕
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、エチレングリコール11.7重量部、ネオペンチルグリコール18.6重量部、イソフタル酸11.8重量部、セバシン酸57.9重量部および触媒としてのテトラ−n−ブチルチタネート0.15重量部を仕込み、150〜270℃で150分間加熱してエステル化反応を行い、次いで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら180分間反応を行った。酢酸エチルで希釈し、固形分60%(w/w)、粘度3,000mPa・sの粘着剤樹脂(A3)のポリエステル系粘着剤樹脂(A3)溶液を得た。
得られたポリエステル系粘着剤樹脂(A3)の、数平均分子量は13,000であり、重量平均分子量は38,000であり、酸価は0.3KOHmg/gであった。
〔製造例7 シリコーンアルコキシオリゴマー(B1)の調製〕
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン440重量部(2モル)、メチルトリメトキシシラン272重量部(2モル)、メタノール70重量部、および酢酸26.8重量部を、温度計および水冷コンデンサーを備えた1Lセパラブルフラスコに収め、室温で攪拌させた。この中にイオン交換水49.5重量部(2.8モル)を投入し、室温で2時間攪拌させた。その後、反応液の温度が110℃となるまで常圧で溶媒を留去させることによって、固形分98.0%(w/w)、粘度250mPa・sの無色透明のシリコーンアルコキシオリゴマー(B1)の液体を得た。
得られたシリコーンアルコキシオリゴマー(B1)の、ポリスチレン換算数平均分子量は15000であり、エポキシ当量は350g/molであり、アルコキシル基含有量は17重量%であった。
〔製造例8 シリコーンアルコキシオリゴマー(B2)の調製〕
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン62.8重量部(0.285モル)、メチルトリメトキシシラン505.2重量部(3.715モル)、メタノール270重量部、および酢酸26.8重量部を、温度計および水冷コンデンサーを備えた1Lセパラブルフラスコに収め、室温で攪拌させた。この中にイオン交換水49.5重量部(2.8モル)を投入した。室温で2時間攪拌させた。その後、反応液温が110℃となるまで常圧で溶媒を留去させることによって、固形分98.5%(w/w)、粘度300mPa・sの無色透明のシリコーンアルコキシオリゴマー(B2)の液体を得た。
得られたシリコーンアルコキシオリゴマー(B2)の、ポリスチレン換算数平均分子量は1000であり、エポキシ当量は3200g/molであり、アルコキシル基含有量は42重量%であった。
〔製造例9 シリコーンアルコキシオリゴマー(B3)の調製〕
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン817.3重量部(3.715モル)、メチルトリメトキシシラン36重量部(0.285モル)、メタノール270重量部、および酢酸26.8重量部を、温度計および水冷コンデンサーを備えた1Lセパラブルフラスコに収め、室温で攪拌させた。この中にイオン交換水49.5重量部(2.8モル)を投入し、室温で2時間攪拌した。その後、反応液温が110℃となるまで常圧で溶媒を留去させることによって、固形分98.2%(w/w)、粘度270mPa・sの無色透明のシリコーンアルコキシオリゴマー(B3)液体を得た。
得られたシリコーンアルコキシオリゴマー(B3)の、ポリスチレン換算数平均分子量は1000であり、エポキシ当量は230g/molであり、アルコキシル基含有量は2重量%であった。
なお、上記の製造例における重量平均分子量、数平均分子量、エポキシ当量、アルコキシル基含有量、粘度等の測定は、以下の方法で行った。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8ml/min
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
(数平均分子量(Mn)の測定)
GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製,HLC−8120GPC
・カラム:TSKgel,SuperHZM‐H/HZ4000/HZ2000
・カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm
・カラム温度:40℃
・流量:0.6ml/min
・注入量:20μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
(エポキシ当量の測定)
エポキシ当量は、JIS K7236(2004)試験法に準拠して測定した。
(アルコキシル基含有量の測定)
アルコキシル基含有量は、ガスクロマトグラフによるアルコキシル基の分離定量(分析化学 17(9),1102−1107,1968)によって求めた。
(粘度)
粘度は、ガラス瓶に入れたポリマー溶液を25℃に温調し、ブルックフィールド社粘度計DVII+Pro(スピンドルNo.63、回転数12rpm)により測定した。
<実施例1>
〔粘着剤組成物の調製〕
上記の製造例1で得られた粘着剤樹脂(A1−1)溶液の固形分100%(w/w)に対して、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)として、信越化学工業株式会社製のX−41−1053(エポキシ当量830g/mol)1重量部、イソシアネート架橋剤タケネートD110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75重量%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、三井化学社製)0.1重量部およびシランカップリング剤(商品名:KBM−403、信越化学工業株式会社製、3−グリシドキシプロピル トリメトキシシラン)0.1重量部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液(固形分15%(w/w))を調製した。
〔粘着剤層の形成〕
上記で得られたアクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン処理を施した、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布し、100℃で2分間乾燥処理して粘着剤層を形成した。
〔粘着剤層付きの偏光板の作製〕
(薄型偏光板の作製)
厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3重量%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4重量%濃度のホウ酸、10重量%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5重量%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い偏光子を得た。当該偏光子の片面に、厚さ20μmのアクリル系フィルム(ラクトン変性アクリル系樹脂フィルム)をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて合計厚みが27μmの片保護の薄型偏光板を作製した。
(粘着剤層付きの偏光板の作製)
上記で得られた薄型偏光板の偏光子側に対して、コロナ処理をコロナ放電量80[W・min/m]で処理を行った。次いで、当該偏光子側に、上記で得られた粘着剤層が形成されたシリコーン処理を施したPETフィルムを転写し、粘着剤層付の偏光板を作製した。
<実施例2〜8および10〜11>
表2に示すように、粘着剤樹脂(A)の種類およびその添加量、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の種類およびその添加量、架橋剤(C−1)および(C−2)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)、ならびにシランカップリング(D)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)を変更したこと以外は、実施例1の操作と同様にして、それぞれの実施例に対応する粘着剤層付の偏光板を作製した。
なお、X−41−1056およびX−41−1059Aは、信越化学工業株式会社製であり、パーロイルTCPは、日本油脂株式会社製である。
<実施例9>
表2に示すように、粘着剤樹脂(A)の種類およびその添加量、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の種類およびその添加量、架橋剤(C−1)および(C−2)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)、ならびにシランカップリング(D)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)を変更したことは、実施例1の操作と同様にして薄型偏光板まで作製した。
次いで、上記で得られた薄型偏光板の偏光子側にワイヤーバーにて下塗り剤を塗布して、易接着層(厚さ50nm)を形成した。なお、下塗り剤として、オキサゾリン系ポリマーを含む溶液(株式会社日本触媒製,商品名「エポクロスWS−700」)を、水とイソプロピルアルコールの混合溶液で希釈し、固形分濃度が0.6%(w/w)となるように調製したものを用いた。
その後、易接着層側に、上記で得られた粘着剤層が形成されたシリコーン処理を施したPETフィルムの粘着剤層を貼り合わせて、実施例8用の粘着型偏光フィルムを作製した。
<比較例1〜20>
表2に示すように、粘着剤樹脂(A)の種類およびその添加量、シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)、架橋剤(C−1)および(C−2)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)、ならびにシランカップリング(D)の種類およびその添加量(もしくは添加しない)を変更したこと以外は、実施例1の操作と同様にして、それぞれの比較例に対応する粘着剤層付の偏光板を作製した。
<評価>
上記の実施例および比較例で作製した各粘着剤層付の偏光板(サンプル)に対して、以下の評価を行った。それぞれの評価結果は、表3に示される。
〔耐久性〕
各サンプルを、37インチサイズとし、厚さ0.7mmの無アルカリガラス(コーニング社製,イーグルXG)に、ラミネーターを用いて貼着した。次いで、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、上記サンプルを完全に無アクリルガラスに密着させた。
係る処理の施されたサンプルに、
(1)85℃で500時間の処理をそれぞれ施した後(加熱試験)、
(2)60℃/95%RHの雰囲気下で500時間処理を施した後(加湿試験)、
(3)85℃と−40℃の環境を各1時間で行い、これを1サイクルとし、合計300サイクル施した後(ヒートショック(HS)試験)、
偏光板とガラスの間の外観を下記基準で目視にて評価を行った。
◎:発泡、剥がれ、浮きなしなどの外観上の変化が全くなし;
○:わずかながら端部に剥がれ、または発泡があるが、実用上問題なし;
△:端部に剥がれ、または発泡があるが、特別な用途でなければ、実用上問題なし;
×:端部に著しい剥がれあり、実用上問題あり。
〔リワーク性〕
各サンプルを、幅25mm×長さ100mmに裁断し、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(コーニング社製,イーグルXG)に、ラミネーターを用いて貼り付けた。
次いで50℃、5atmで15分間オートクレーブ処理して完全に密着させた(初期)。その後、50℃乾燥条件下で48時間加熱処理を施した(加熱後)。係る各サンプルの接着力を以下のように測定した。
接着力は、各サンプルを、引張り試験機(オリエンテック社製 テンシロン万能材料試験機 STA−1150)にて、23℃、相対湿度50%の条件下、剥離角度180°、剥離速度300mm/minでJIS Z0237の粘着テープおよび粘着シート試験の方法に準拠して、引き剥がす際の接着力(N/25mm)を測定することにより求めた。
また、上記接着力を測定した対象と同様のサンプル(但し、縦420mm×横320mmに裁断)について、人の手によって無アルカリガラス板からサンプルを剥がし、下記基準で実リワーク性を評価した。実リワーク性の評価は上記手順にて3枚作製し、3回繰り返し実施した。
◎:3枚とも糊残りやフィルムの破断がなく良好に剥離可能であった;
○:3枚中一部はフィルムが破断したが、再度の剥離によって剥がせた;
△:3枚ともフィルム破断したが、再度の剥離によって剥がせた;
×:3枚とも糊残りが生じるか、または何度は剥離してもフィルムが破断して剥がせなかった。
以上、接着力および実リワーク性の結果を総合にして各サンプルのリワーク性について判断を行った。
〔光学特性〕
耐久性評価前と60℃95%RH500時間処理後の無アルカリガラスに貼り合わせた各サンプルの中央部分を、積分球式透過率測定機((株)村上色彩研究所製:DOT−3C)を用いて、単体透過率(%)Tsを測定し、その60℃95%RH500時間処理後の耐久性評価前(初期)からの透過率の減少量(%)を、光学特性として評価した。
上記表3から明らかなように、本発明の粘着剤組成物を使用した粘着剤層付の薄型の偏光板(実施例1〜11)は、いずれも容易に剥がすことができるリワーク性、および接着状態での加熱および加湿等による耐久試験に対する耐久性に優れていることが分かった。さらに、本発明の粘着剤組成物を使用した粘着剤層付の偏光板(実施例1〜11)のいずれにおいても、60℃95%RH500時間処理後の耐久性評価前(初期)からの透過率の減少量が少なく、すなわち光学特性にも優れていることが分かった。

Claims (10)

  1. 粘着剤樹脂(A) 100重量部と、
    エポキシ当量が100〜2000g/molでかつアルコキシル基含有量が5〜60重量%であるシリコーンアルコキシオリゴマー(B) 0.5〜20重量部と、
    前記粘着剤樹脂(A)が、カルボキシル基を含有しないモノマーを重合して得られるアクリル系粘着剤樹脂(A1)、ウレタン系粘着剤樹脂(A2)、およびポリエステル系粘着剤樹脂(A3)からなる群より選択される1つ以上であり、
    架橋剤(C)を、前記粘着剤樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部含有する、
    前記架橋剤(C)が、イソシアネート系化合物および過酸化物から選ばれる少なくとも1つである、粘着剤組成物。
  2. 前記シリコーンアルコキシオリゴマー(B)の数平均分子量が、300〜10000である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記粘着剤樹脂(A)が、ヒドロキシル基を含有する、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記粘着剤樹脂(A)100重量部に対して、さらに、シランカップリング剤(D)を0.001〜5重量部含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記粘着剤樹脂(A)の重量平均分子量が、2万〜250万である、請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物により形成されてなる、粘着剤層。
  7. 光学フィルムの少なくとも片側に、請求項に記載の粘着剤層が形成されてなる、光学部材。
  8. 前記光学フィルムと前記粘着剤層との間に、易接着層を有する、請求項に記載の光学部材。
  9. 前記光学フィルムが偏光板であり、
    前記偏光板の厚みが100μm以下である、請求項またはに記載の光学部材。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の光学部材を、少なくとも1つ用いた、画像表示装置。
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