JP6949852B2 - 使用済燃料再処理の液体中レベル廃棄物から99Tcを除去するための方法 - Google Patents

使用済燃料再処理の液体中レベル廃棄物から99Tcを除去するための方法 Download PDF

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Description

使用済燃料再処理から生じる99Tcは、高い熱核***収率(6%)、長い半減期(2.13×10年)、酸化された過テクネチウム酸塩形態での高い環境移動性と結びついてβ放射体としての放射能が加わるために、主要な放射線問題となっている。更に、99Tcは、ガラス合成温度での揮発性のために、ホウケイ酸ガラスマトリックス中での従来の高温ガラス固化に難題を提示している。
99Tcを捕捉する方法の1つは、マグネタイト(Fe)などの鉄系スピネル材料、又はゲーサイト(FeOOH)などの水又は海洋環境における鉄及び鋼の一般的な腐食生成物のような、好適なマトリックス中に99Tcを固定化することである。この主題は理論的及び実験的手段を使用して研究されてきた。顕著な研究成果は以下の通りである。
1.α−ゲーサイト(FeOOH)において3個のTc(IV)が4個のFe(III)に置き換わることができ、1個のFe(III)空格子点又はFe(II)によるFe(III)の置き換えが生じる。
2.Fe(II)はペルテクナートイオン種の還元に不可欠である。
3.ゲーサイトのマグネタイトへの変換は、廃棄物中のホスファート種の存在によって阻害される。
4.マグネタイト/ゲーサイトのいずれかの構造に組み込まれたTc(IV)の浸出率は非常に低い。
5.Tc(IV)が空気中での加熱下でマグネタイト/ゲーサイト結晶構造の一部になった場合、Tc(IV)がTc(VII)に再酸化する確率は極めて小さい。
6.α−ゲーサイト(FeOOH)を使用する99Tc除去に関する実験が、実験室規模で報告されている。しかし、これらのプロセスにおいて、フェリハイドライト(ゲーサイトの前駆体)は、無酸素条件下においてその場外(ex−situ)で合成され、次に、液体廃棄物に添加され、続いて、Fe(II)、通常はFeClが投入される。
7.提示されている文献及びその中の参考文献は、Tc汚染土壌などからTc除去のために使用される、その場外で合成されたフェリハイドライトの多くの使用例を収載している。
8.TcのFeオキシ水酸化物/酸化物への組み込みは、与えられている参考文献及びその中の参考文献において周知である。しかし、その文献には、無酸素条件下におけるフェリハイドライト相のその場外での予備合成なしに、これらの鉄酸化物/オキシ水酸化物の単純な一段形成を可能にする手順は示されていない。
9.FeS経路を使用したTc除去も前記文献で多く報告されている。この方法では、Tcはマッキナワイトなどの硫黄保有相に隔離される。しかし、このような硫化物保有廃棄物は、従来のホウケイ酸廃棄物形態でガラス固化することができず、この技術の実用性を著しく制限している。
10.鉄元素は、各種高面積基材上に保有されたナノ鉄を使用して、Tc7+を可動性の低いTc4+形態に還元するためにも使用されてきた。これらのケースでは、TcはTcO八面体として単離ナノ鉄粒子の表面に収着するが、それらは鉱物相に取り込まれないことが、EXAFSを使用して証明されている。
文献に存在するプロセスについては、マグネタイト又はゲーサイトなどの酸化鉄及び鉄オキシ水酸化物の共沈による99Tcの除去及び隔離が議論されているが、ゲーサイトの前駆体であるフェリハイドライトの合成はその場外で行われる。NaOH溶液(1M)を使用して7.5近くまで上昇するpHでのFeCl・4HOの反応によりフェリハイドライトが産生するが、これは空気中で不安定であるため、無酸素条件下で合成され、更に貯蔵される。このような貯蔵プロトコルはまた、フェリハイドライトが酸素にいずれの接触をしても、Fe(OH)及びマグネタイトを含む付随生成物が形成されることになることも示唆している。マグネタイトなどのその場外で形成される結晶性材料は、Tc取り込みが十分ではなく、貯蔵、実際上はその場外での調製を極めて複雑なプロセスにしており、プラント規模での操作へのスケールアップに対する障害になっている。
FeSを用いてTcを沈殿させるその他のプロセスには、最終生成物が硫化物であり、硫化物はホウケイ酸ガラスマトリックスに適合しないという問題がある。従って、硫化物廃棄物はセメント中に処理されるが、これは、99Tcの半減期(2.13×10年)より有意に短い寿命を有する廃棄物形態である。加えて、硫化物廃棄物形態からの酸化によるTcの再可動化の付随する危険性が伴う。
文献に存在する第3の方法は、Tcの還元的隔離にゼロ価の鉄を使用するものである。実際に、この方法は、数種を挙げればCr、Pb及びAsを含む各種金属を、各種液体流から還元除去するために使用されてきた。先行技術に挙げられたリファレンス11では、広域X線吸収微細構造分光法(EXAFS)を使用して、Tcがナノ鉄の元素によりTc(VII)からTc(IV)に還元され、同様にTc(V)に還元されることが証明されている。次に、単離されたTcO八面体は、鉄ナノ粒子の表面に吸着される。このような状態では、TcO八面体は、鉱物格子の一部にならない。従って、このような固定化方策には、潜在的な再酸化及び再可動化の危険性が考えられる。
提案されたプロセスは、その場外でのフェリハイドライト合成工程及び付随する無酸素条件を回避している。代わりに、ゲーサイト/マグネタイトは、中レベル廃棄物(ILW)に導入され、ILW容積と鋼質量の比(V/m)が100ml・g−1〜1000ml・g−1の範囲、pHが2〜8の間である、軟鋼ウールの腐食により、その場で生成される。
注目すべき事実は、隔離されたTcは鉱物相に収容され、これにより再可動化の危険を低減できる点である。約4h〜48hの保持時間の後、ILW中の99Tcの99%超が、腐食生成物として形成されたゲーサイト又はマグネタイト相に取り込まれる。これらの腐食生成物は、耐久性のホウケイ酸廃棄物形態へのガラス固化により直接処理することができるが、その理由は99Tcが腐食生成物の結晶格子内に固定され、従って、それ程容易には揮発又は再酸化することができないからである。追加の利点として、廃棄物発生容量が少ない。更に、腐食で失われる軟鋼の量は極めて少ないため、ゲーサイト/マグネタイトのその場(in−situ)生成のために、軟鋼ウールを連続的に再使用することができる。
本発明の目的は、使用済燃料再処理の液体中レベル廃棄物から99Tcを除去するための方法を提案することである。
本発明の別の目的は、高温融解中の99Tcの揮発損失を最小限に抑えながら、化学的に耐久性のあるホウケイ酸ガラス中へのガラス固化に適した形態で99Tcを捕捉する方法を提案することである。
本発明の更なる目的は、酸化鉄/鉄オキシ水酸化物相がその場で合成され化学薬品の更なる添加物がない方法を用意することである。
本発明のなお更なる別の目的は、二次廃棄物を生成せず、イオン交換樹脂又は溶剤抽出法などの他の既存方法よりはるかに経済的でもある方法を提案することである。
本発明の更に別の目的は、前記相の前駆体がTcを捕捉し無酸素条件でその場外で合成されない方法を提案することである。
本発明によれば、使用済燃料再処理の液体中レベル廃棄物(ILW:intermediate level waste)から99Tcを除去するための方法であって、
pHが2になるまでHNOをILWに添加して、炭酸塩を分解する工程と、
炭酸塩が取り除かれたILWを、軟鋼ウール(msw)を含有するタンクに、4〜48時間移す工程と、
ILW及びMSウールを分離ステップに供する工程と、
99Tcを含まない上澄み液を排出し、腐食生成物(ゲーサイト(FeOOH/マグネタイト)を保持する工程と、
前記腐食生成物をガラス固化ステップに供する工程と、
前記ガラス固化された99Tc保有廃棄物を貯蔵する工程と
を含む方法が提供される。
液体中レベル廃棄物(ILW)から99Tcを除去する基本プロセスのフローチャートを示す図である。
使用済燃料再処理から生じる99Tcは、高い熱核***収率(6%)、長い半減期(2.13×10年)、酸化された過テクネチウム酸塩形態での高い環境移動性と結びついてβ放射体としての放射能が加わるために、主要な放射線問題となっている。更に、99Tcは、ガラス合成温度での揮発性のために、ホウケイ酸ガラスマトリックス中での従来の高温ガラス固化に難題を提示している。
その結果、イオン交換樹脂(溶出性及び非溶出性)、クラウンエーテル又は鉱物相への捕捉を使用して、99Tcを捕捉し隔離する試みが進行中である。実際に、99Tcは、数例を挙げると灰チタン石、金紅石、方ソーダ石、トレボライト、ゲーサイト及びマグネタイトを含む各種鉱物相中に隔離できることが知られている。しかし、これらの相のほとんどの調製には、高温条件が必要とされる。ゲーサイト/マグネタイトを利用して、LAW溶液中でゲーサイトを共沈させることにより、サンフォード(Sanford)の低レベル放射性廃棄物(LAW)から99Tcを捕捉する試みがベンチスケールで行われた。ゲーサイトを使用したTc捕捉はこれらの研究で実証されたが、ゲーサイト形成のためのフェリハイドライト前駆体は無酸素条件下においてその場外で合成されたものである。フェリハイドライトの合成、特に貯蔵は、その不安定性及び空気中の酸素に曝露した際のFeへの転化のために、難題となっている。その場外で合成されたFeはTc取り込みを示さないことも実証されている。
文献から、Fe酸化物/オキシ水酸化物中でのTcの鉱化は周知であることが明らかである。実際に、このような取り込みは、先行技術に挙げられた複数の論文及び報告書(並びにその中の参考文献)の主題となってきた。また、軟鋼は水環境内で腐食し、腐食生成物として鉄酸化物/オキシ水酸化物相を生成することも周知である。開発された方法において、我々は、Tcの隔離に必要な鉄酸化物/オキシ水酸化物相を生成するために、軟鋼の腐食を利用する一方で、要求の厳しい無酸素条件下でのフェリハイドライトのその場外での合成を回避している。
我々は、ゲーサイト及び/又はマグネタイトをその場で生成するために、pHを調整した中レベル廃棄物(ILW)の酸性水環境における軟鋼(TechSorb(登録商標))の腐食を利用し、フェリハイドライトのその場外での合成のための無酸素条件の必要性を回避して、プロセス適用可能性を大きく改善している。適切な量の腐食生成物が形成されることを確保するために、2〜8の範囲のpHが必要とされる。ILW中に炭酸塩種が存在する場合、炭酸塩種がpH緩衝剤として作用し、pHが9未満に低下することを妨げる。9以上のpH範囲では、電解法による鋼腐食は、鋼のアノード部位のOH中和により、極めて低い。従って、ILWが炭酸塩を保有している場合、pH2になるまでの酸添加による炭酸塩分解が必要となる場合がある。
pH2では、軟鋼腐食は極めて急速であり、腐食する鋼の表面からのFe2+イオンの放出は、ILW中でOHも生成し、結果的にILWのpHを上昇させる。およそ4〜8時間以内に、ILW容積と軟鋼質量の比V/m(100ml・g−1〜1000ml・g−1の範囲)に応じて、適切なゲーサイト/鉄オキシ水酸化物相が形成される。温度を60℃に上げることにより、相形成は著しく加速される。液体廃棄物のTcカウント数は99%を超えて低減され、Tc放射能は、沈降し更に軟鋼ウールに捕集された沈殿相に濃縮される。ゲーサイトは、ILW中で沈殿するときTcを取り込むことができ、ILW中への空気又は窒素バブリングをしてもTc取り込み挙動に大きな違いはなかったことから、液体ILW中に適切な溶存酸素が既に存在していることが示される。
100ml・g−1のV/mを維持してpHを4又は6に変更すると、より低い酸性pHにおいて軟鋼ウールからのFe2+放出が遅くなるため、プロセスは減速する。しかし、この場合でも、48時間後には、99Tcの99%+の除去が得られる。pH4又はpH6では、沈殿ゲーサイトの容積は、pH4又はpH6での軟鋼ウールに対するILWの侵食性がより低いため、pH2の場合より著しく少なくなることが観察された。pH8では、形成される腐食生成物の量は更に少なくなる。しかし、全ての場合について、形成されるゲーサイトの量は、ILW流からTcを除去するのに十分なものである。
本方法は、生理食塩水/海水からのTcの隔離にも有効である。このような場合にも、形成される腐食生成物の1つは、ゲーサイトである可能性が高く、それはTcの隔離の手段になり得る。海水の場合、およそ2時間で95%のTc除去が実証されている。
Tcを含まない液体は、環境に直接排出することができる。加えて、本方法はまた、Ru(約80%)及びSb(99%超)の実質的な捕集をも実証している。
次に、99Tc保有ゲーサイト相は、固定化のために回収される。99Tcはゲーサイトの結晶格子に入り込むため、高温ガラス固化操作中に放出及び/又は揮発することはなく、耐久性のあるガラス質廃棄物形態に99Tcが組み込まれ、生物圏からの99Tcの単離が確保される。
本方法における各種ステップは、番号順に以下の通り説明される。
・pH2が得られるまで、HNO添加(2)による99Tc含有ILW中の炭酸塩分解(1)が行われる。これにより、炭酸塩−重炭酸塩緩衝作用の完全な除去が可能になり、2〜8の範囲でのpH調整(3)が可能になる。
・次に、ILWが軟鋼ウールを含有するタンクに移される(4)。ILW容積と軟鋼質量の比(V/m)は、100ml・g−1〜1000ml・g−1の間である。次に、ILWは、タンク内に4h〜48hの間放置され、軟鋼ウールと接触した状態になる。
・ILWの容積が大きい場合は、空気バブリングを通じて軟鋼ウールと液体との間の混合及び接触の促進が確保される。
・このとき、軟鋼の腐食生成物である、ゲーサイト(FeOOH)及び/又はマグネタイトが、その場で沈殿し、それらの結晶格子に99Tcを取り込む。
・腐食生成物(ゲーサイト(FeOOH)/マグネタイト)は廃棄物から分離され、99Tcが今や含まれていない上澄み液(6)は安全に排出することができる(7)。
99Tc保有ゲーサイト(FeOOH)/マグネタイト(8)は、ガラス固化してガラス廃棄物形態で固定化することができる(9)。99Tcはゲーサイト(FeOOH)/マグネタイト相中に隠蔽されているため、ガラス固化中の99Tcの揮発は最小限に抑えられる。
・次に、ガラス固化された99Tc保有廃棄物形態は、安全に貯蔵される(10)。
使用された軟鋼ウールの組成範囲は以下の通りである。
Figure 0006949852
(例1)pH2、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で30分〜1時間安定を保っていることを確かめた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
4時間後、溶液pHを測定すると6.60であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ86カウントだった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを暗示する。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成されたこの物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例2)pH2、V/m=200ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.25gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、200ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
4時間後、溶液pHを測定すると6.05であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ69カウントだった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例3)pH2、V/m=500ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.1gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、500ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
4時間後、溶液pHを測定すると6.05であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ69カウントだった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例4)pH2、V/m=1000ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.05gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、1000ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
24時間後、溶液pHを測定すると5.69であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ51カウントだった。このカウント数は99Tcの99.8%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールに付着するこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例5)窒素ガスバブリング時における、pH2、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。また、撹拌混合を行うため、及びILW溶液中の酸素利用率が低下してもTcの隔離を実証するために、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に窒素ガスをバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
8時間後、溶液pHを測定すると7.09であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ77カウントだった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例6)空気バブリング時における、pH2、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。また、撹拌を行い、更にILW溶液中の酸素利用率を高める目的で、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に空気をバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
4時間後、溶液pHを測定すると5.97であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ80だった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例7)pH4、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。次に、NHOH溶液を添加して、溶液pHを4に調整した。溶液pHが4で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
48時間後、溶液pHを測定すると7.93であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ59だった。このカウント数は99Tcの99.8%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例8)pH6、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。次に、NHOH溶液を添加して、溶液pHを6に調整した。溶液pHが6で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり25,000だった。
48時間後、溶液pHを測定すると7.87であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ40だった。このカウント数は99Tcの99.8%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例9)pH8、V/m=100ml・g−199Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。次に、NHOH溶液を添加して、溶液pHを8に調整した。溶液pHが6で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
48時間後、溶液pHを測定すると7.96であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ97だった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例10)純粋な99Tc酸性溶液中の軟鋼ウールの性能
99Tcは、ILWから陰イオン交換樹脂に捕集させ、次に6MのHNOを使用して溶出させた。次に、NHOHを使用して、溶液pHをほぼ8に調整した。溶液pHが6で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。溶出した溶液は、100秒間で1ml当たり約1200カウントを示した。
24時間後、溶液pHは8.1であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ126だった。このカウント数は99Tcの90%が溶液から除去されたことを示す。黒色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFe(マグネタイト)である可能性が最も高いことを示す。純粋なTc保有溶液は炭酸塩を含んでおらず、炭酸塩分解の必要性はなかった。
(例11)空気バブリング時における、pH2、V/m=100ml・g−1、温度60℃の99Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.5gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1のV/mを得た。三角フラスコを水浴中に置き、60℃に加熱した。また、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に空気をバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
30分後、溶液pHを測定すると5.57であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ79カウントだった。このカウント数は99Tcの99.7%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例12)空気バブリング時における、pH2、V/m=200ml・g−1、温度60℃の99Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.25gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、200ml・g−1のV/mを得た。三角フラスコを水浴中に置き、60℃に加熱した。また、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に空気をバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
1時間後、溶液pHを測定すると5.82であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ90カウントだった。このカウント数は99Tcの99.6%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例13)空気バブリング時における、pH2、V/m=500ml・g−1、温度60℃の99Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.1gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、500ml・g−1のV/mを得た。三角フラスコを水浴中に置き、60℃に加熱した。また、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に空気をバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
2時間後、溶液pHを測定すると5.11であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ95カウントだった。このカウント数は99Tcの99.6%が溶液から除去されたことを示す。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例14)空気バブリング時における、pH2、V/m=1000ml・g−1、温度60℃の99Tc含有中レベル廃棄物(ILW)中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有ILWをHNOで処理し、廃棄物中に存在する炭酸塩がpH2で完全に分解されるようにした。溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、0.05gの軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、1000ml・g−1のV/mを得た。三角フラスコを水浴中に置き、60℃に加熱した。また、実験期間中、三角フラスコ内のILW溶液中に空気をバブリングした。ILW中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約25,000だった。
4時間後、溶液pHを測定すると4.93であり、溶液のカウント数は100秒間で1ml当たりおよそ97カウントだった。このカウント数は99Tcの99.6%が溶液から除去されたことを示す。温度を60℃に上げると4時間で99.6%のTc除去が可能になり、一方同じV/mの場合、室温での除去時間はほぼ24hだった。赤褐色の腐食生成物が形成されて底部に沈降し、ILWの元の放射能の大部分が、沈降してウールにも付着してこの相に濃縮される。腐食生成物は底部に沈降するため、分離は極めて単純である。腐食生成物の色は、形成された物質がFeOOH(ゲーサイト)である可能性が最も高いことを示す。
(例15)室温での空気バブリングを伴う、V/mが100〜1000ml・g−1で変化する、pH2の99Tc含有海水中の軟鋼ウールの性能
99Tc含有海水を、HNO添加によりpH2に調整した。
溶液pHが2で安定した状態で30分〜1時間経過させた後、50mlのpH調整廃棄物を、必要量の軟鋼ウールを入れた三角フラスコに移し、100ml・g−1〜1000ml・g−1のV/mを得た。実験期間中、三角フラスコ内の溶液中に空気をバブリングした。海水中で最大の放射能誘因物質は99Tcであり、総カウントは100秒間でILW1ml当たり約1600だった。
上記の全ての実験の場合に、2h〜20hの間で95%超のTc除去が得られ、この時間経過後の溶液pHはおよそ5〜7の範囲だった。赤褐色の腐食生成物が形成される。
(例16)Tc保有ILWからのRu及びSb取り込みについての研究)
上記の実験におけるTc除去前及び後の試料を、潜在的Ru及びSb取り込みに関して、γ線分光法により分析した。これらの測定値はRu(約80%)及びSb(99%超)の実質的な捕集を示している。
概要説明:
1.Tc除去は、より高いV/mにおいて、より高速になる。
2.所与のV/mにおいて、温度を上げる(我々の実験では約60℃)ことにより、Tc除去は増大する。
3.液体中でのCl及びSO −2の存在が、腐食生成物としてのゲーサイト/マグネタイトの形成を増大させる可能性が高く、それはそのような環境でのTcの捕集を促進させ得る。
4.廃棄物中に炭酸塩−重炭酸塩が存在する場合、腐食生成物の形成が抑制され、従ってTc取り込みが妨げられる。
5.上記で使用された方法はまた、Ru(約80%)及びSb(99%超)の実質的な捕集をも実証している。

Claims (5)

  1. 使用済燃料再処理の液体中レベル廃棄物(ILW)から99Tcを除去するための方法であって、
    pHが2になるまでHNOをILWに添加して、炭酸塩を分解する工程と、
    炭酸塩が取り除かれたILWを、軟鋼ウール(msw)を含有するタンクに、4〜48時間移す工程と、
    ILW及びMSウールを分離ステップに供する工程と、
    99Tcを含まない上澄み液を排出し、腐食生成物(ゲーサイト(FeOOH/マグネタイト)を保持する工程と、
    前記腐食生成物をガラス固化ステップに供する工程と、
    前記ガラス固化された99Tc保有廃棄物を貯蔵する工程と
    を含む上記方法。
  2. タンク内の、軟鋼ウール質量に対するILW容積の比が100ml・g −1 〜1000ml・g −1 の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 任意選択で、ILWの容積が大きく、空気バブリングを通じて軟鋼ウールと液体との間の混合及び接触の促進が確保される、請求項1に記載の方法。
  4. ゲーサイト(FeOOH)/マグネタイトである前記99Tcが、ガラス固化され、ガラス廃棄物形態で固定化されており、99Tcはゲーサイト(FeOOH/マグネタイト相)中に隠蔽されているため、ガラス固化中の99Tcの揮発が最小限に抑えられる、請求項1に記載の方法。
  5. 使用される軟鋼ウールの組成が以下:
    Figure 0006949852

    の通りである、請求項1に記載の方法。
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