<概要>
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1〜図3は本実施形態に係る眼底解析装置、眼底解析プログラムについて説明するための図である。なお、以下の説明においては、眼底解析装置を例に挙げて説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
なお、本開示においては、本実施形態に記載した装置に限定されない。例えば、下記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体等を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。
例えば、眼底解析装置(例えば、眼底解析装置1)は、光コヒーレンストモグラフィーデバイス(例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイス10)を備えている構成であってもよい。すなわち、例えば、眼底解析装置と光コヒーレンストモグラフィーデバイスが一体となった装置であってもよい。また、例えば、眼底解析装置と、光コヒーレンストモグラフィーデバイスとは、別途それぞれ設けられていてもよい。この場合、例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイスと眼底解析装置は無線と有線の少なくともいずれかで接続されていてもよい。例えば、無線の構成としては、無線LAN、赤外通信、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の構成が挙げられる。また、例えば、有線の構成としては、USBケーブル、LANケーブル等の構成が挙げられる。例えば、眼底解析装置として、汎用のパーソナル・コンピュータが用いられてもよい。なお、以下の説明においては、眼底解析装置と光コヒーレンストモグラフィーデバイスとが別途それぞれ設けられた構成を例に挙げて説明する。
例えば、本実施形態において、眼底解析装置は、被検眼眼底のOCT画像データを得るための光コヒーレンストモグラフィーデバイスによって取得されたOCT画像データを解析処理して、被検眼眼底の解析情報を取得するようにしてもよい。例えば、眼底解析装置は、光コヒーレンストモグラフィーデバイスによって取得された少なくとも黄斑部を含むOCT画像データを取得するOCT画像データ取得手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、眼底解析装置は、OCT画像データを取得した際の固視灯の固視位置情報を取得する固視位置情報取得手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、眼底解析装置は、固視位置情報に基づいて黄斑部を基準とした解析情報を取得する解析範囲を設定する設定手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、眼底解析装置は、設定手段によって設定された解析範囲において、OCT画像データの解析処理によって取得された被検眼眼底の解析情報を取得する解析情報取得手段を備えていてもよい。このような構成によって、黄斑部が変形した場合であっても、黄斑部に関する解析情報を容易に良好に取得することができる。
<光コヒーレンストモグラフィーデバイス>
例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイスは、フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー(FD−OCT)が基本的構成であってもよい。例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイスは、OCT光学系(例えば、OCT光学系100)を含む。例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイスは、演算制御部(例えば、制御部70)を含んでいてもよい。なお、例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイスの演算制御部は、別途異なる装置の演算制御部が用いられていてもよい。本装置の技術は、例えば、被検物の反射強度を検出するためのスダンダートOCT、被検物のモーションコントラストデータを検出するためのOCTアンジオグラフィー(例えば、ドップラーOCT)、偏光感受OCT(PS−OCT:polarization sensitive OCT)等においても適用されてもよい。また、スダンダートOCTとPS−OCTとが複合されたマルチファンクションOCTであってもよい。例えば、FD−OCTとしては、波長掃引式OCT(SS−OCT:Swept source-OCT)、スペクトルドメインOCT(SD−OCT:Spectral Domain OCT)を用いてもよい。
例えば、OCT光学系は、OCT原理を用いて被検物の断層像を得るための干渉計に係る構成を備えてもよい。例えば、OCT光学系は、スプリッタ(光分割器)(例えば、カップラー104)、測定光路、参照光路、コンバイナ(光合成器)(例えば、カップラー104、光検出器(以下、検出器)(例えば、検出器120)を備えてもよい。例えば、スプリッタは、光源(例えば、光源102)からの光を測定光路と参照光路に分割してもよい。例えば、スプリッタ、コンバイナには、例えば、ビームスプリッタ、ハーフミラー、ファイバーカップラ、サーキュレータ等を用いてもよい。例えば、測定光路は、光を被検眼眼底に導くための構成を備えてもよい。例えば、参照光路は、光を装置内で進行させ、測定光と干渉させるための構成を備えていてもよい。例えば、コンバイナは、被検眼眼底で反射された測定光路からの測定光と、参照光路からの参照光とを合成(干渉)させてもよい。例えば、検出器は、測定光と参照光との干渉により生じた干渉信号光を受光してもよい。例えば、測定光路には、光スキャナ(例えば、光スキャナ108)が設けられてもよい。例えば、光スキャナは、測定光を被検眼眼底上で走査するために用いられてもよい。
例えば、演算制御部(以下、制御部)は、装置の各構成の制御処理、画像処理、演算処理、等を行ってもよい。例えば、制御部は、干渉信号光を受光した検出器からの干渉信号光のスペクトル強度(スペクトル干渉信号)を処理することによって、OCT信号を取得するようにしてもよい。例えば、制御部は、OCT信号に基づいて、OCT画像データを取得するようにしてもよい。
例えば、OCT画像データは、被検眼の反射強度特性を示す断層画像データ、被検眼のOCTアンジオ画像データ(例えば、OCTモーションコントラスト画像データ)、被検眼のドップラー特性を示すドップラーOCT画像データ、被検眼の偏光特性を示す偏光特性画像データ、等の少なくともいずれかであってもよい。なお、各データは、生成された画像のデータであってもよいし、画像が生成される前の信号データであってもよい。
例えば、断層画像データは、Bスキャン断層画像データであってもよい。また、この場合、例えば、断層画像データは、三次元断層画像データであってもよい。また、この場合、例えば、OCT画像データは、三次元断層画像データから取得されるOCT正面(Enface)画像データ(例えば、深さ方向に関して積算された積算画像、XY各位置でのスペクトルデータの積算値、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データ、網膜表層画像、等)であってもよい。なお、例えば、Bスキャン断層画像データは、測定光を走査ライン(横断位置)に沿ってXY方向のいずれかの方向(例えば、X方向)に測定光を走査させることによって取得される断層画像データであってもよい。なお、例えば、三次元断層画像データは、測定光を二次元的に走査することによって取得される断層画像データであってもよい。
例えば、OCTアンジオ画像データは、二次元OCTアンジオ画像データであってもよい。また、例えば、OCTアンジオ画像データは、三次元OCTアンジオ画像データであってもよい。また、例えば、OCTアンジオ画像データは、三次元モーションコントラストデータから取得される正面(Enface)モーションコントラストデータであってもよい。なお、例えば、二次元OCTアンジオ画像データは、測定光を走査ライン(横断位置)に沿ってXY方向のいずれかの方向(例えば、X方向)に測定光を走査させることによって取得されるOCTアンジオ画像データであってもよい。なお、例えば、三次元OCTアンジオ画像データは、測定光を二次元的に走査することによって取得されるOCTアンジオ画像データであってもよい。
<OCT画像データ取得手段>
例えば、OCT画像データ取得手段は、眼底解析装置が光コヒーレンストモグラフィーデバイスを備える場合に、光コヒーレンストモグラフィーデバイスが備えるOCT光学系によって、取得されたOCT画像データを取得する構成であってもよい。また、例えば、OCT画像データ取得手段は、眼底解析装置が光コヒーレンストモグラフィーデバイスを備えていない場合に、光コヒーレンストモグラフィーデバイスが備えるOCT光学系によって、取得されたOCT画像データを受信することによって、OCT画像データを取得するようにしてもよい。すなわち、例えば、OCT画像データ取得手段は、眼底解析装置とは異なる装置のOCT光学系によって取得されたOCT画像データを受信することによって、OCT画像データを取得する構成であってもよい。また、例えば、OCT画像データ取得手段は、検者によって、OCT画像データが入力され、入力されたOCT画像データを受信することによって、OCT画像データを取得する構成であってもよい。この場合、例えば、検者によって、眼底解析装置に着脱可能なメモリが眼底解析装置に接続されることによって、OCT画像データが入力されるようにしてもよい。
例えば、OCT画像データ取得手段は、被検眼眼底の広範囲を撮影することで取得された黄斑部及び特徴部を含むOCT画像データを取得するようにしてもよい。この場合、例えば、被検眼眼底の広範囲で取得された広範囲のOCT画像データを解析処理する場合に、固視位置情報に基づいてOCT画像データにおいて、黄斑部を基準とした解析範囲を設定するようにしてもよい。例えば、被検眼眼底の広範囲の撮影したOCT画像データを解析処理する場合に、各特徴部に応じて解析処理を変更する必要がある。例えば、広範囲に撮影が可能となったことによって、黄斑部以外の特徴部もOCT画像データに含まれるようになり、黄斑部に対応する解析処理によって解析情報を取得した場合には、取得される解析情報が良好でなくなることがある。このため、固視位置情報に基づいて、黄斑部を基準とした解析範囲を容易に設定することで、広範囲のOCT画像データを取得することが可能な装置を用いて広範囲のOCT画像データを取得した場合であっても、黄斑部に関する解析情報を容易に良好に取得することができ、より有用である。
例えば、特徴部は、乳頭部であってもよい。この場合、例えば、OCT画像データ取得手段は、被検眼眼底の広範囲を撮影することで取得された黄斑部及び乳頭部を含むOCT画像データを取得するようにしてもよい。また、例えば、特徴部は、病変部であってもよい。もちろん、例えば、特徴部は、上記部分に限定されず、被検眼眼底における特徴的な部分であってもよい。
<固視位置情報取得手段>
例えば、固視位置情報取得手段は、眼底解析装置が固視標投影ユニットを備える場合に、光コヒーレンストモグラフィーデバイスが備える固視標投影ユニット(例えば、固視標投影ユニット300)の固視灯の位置情報が予め記憶されたメモリ(例えば、メモリ72)から固視灯の固視位置情報を呼び出して取得するようにしてもよい。また、例えば、固視位置情報取得手段は、眼底解析装置が固視標投影ユニットを備えていない場合に、光コヒーレンストモグラフィーデバイスが備える固視標投影ユニットにおける固視灯の固視位置情報を受信することによって、固視位置情報を取得するようにしてもよい。すなわち、例えば、固視位置情報取得手段は、眼底解析装置とは異なる装置の固視標投影ユニットにおける固視灯の固視位置情報を受信することによって、固視位置情報を取得する構成であってもよい。また、例えば、固視情報取得手段は、検者によって、固視位置情報が入力され、入力された固視位置情報を受信することによって、固視位置情報を取得する構成であってもよい。この場合、例えば、検者によって、眼底解析装置に着脱可能なメモリが眼底解析装置に接続されることによって、固視位置情報が入力されるようにしてもよい。
例えば、固視標投影ユニットは、被検眼の視線方向を誘導するための光学系を有してもよい。例えば、固視標投影ユニットは、固視灯を有し、固視灯を点灯することによって、被検眼に固視標を呈示し、複数の方向に被検眼を誘導できるようにしてもよい。
例えば、固視標投影ユニットは、可視光を発する固視灯(固視光源)を有し、視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これにより、視線方向が変更され、結果的に撮像部位が変更される。例えば、撮影光軸と同方向から固視標が呈示されると、眼底の中心部が撮像部位として設定される。また、撮影光軸に対して固視標が上方に呈示されると、眼底の上部が撮像部位として設定される。すなわち、撮影光軸に対する視標の位置に応じて撮影部位が変更される。
例えば、固視標投影ユニットとしては、例えば、マトリクス状に配列された固視灯(例えば、LED)の点灯位置により固視位置を調整する構成、光源からの光を光スキャナを用いて走査させ、光源の点灯制御により固視位置を調整する構成、ディスプレイ(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等)等、種々の構成が考えられる。また、投影ユニットは、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
例えば、固視灯は、複数の固視灯で形成されていてもよいし、1つの固視灯から形成されていてもよい。例えば、固視灯は、複数の固視灯で形成されている場合には、固視灯は、複数の固視灯の内の少なくとも1つ以上が点灯されることによって、被検眼に固視標を呈示するようにしてもよい。例えば、固視灯は、複数の固視灯で形成されている場合には、固視灯の点灯位置を選択することによって、被検者の視線方向を誘導し、被検眼眼底における撮影部位を変更するようにしてもよい。すなわち、複数の固視灯の内、点灯させる固視灯を変更することによって、被検者の視線方向を変更して、撮影部位を変更するようにしてもよい。
例えば、1つの固視灯で形成されている場合、固視位置情報としては、1つの固視灯の位置を固視位置情報としてもよい。例えば、複数の固視灯で形成されている場合、固視位置情報としては、複数の固視灯の中心位置を固視位置情報としてもよい。また、例えば、例えば、複数の固視灯で形成されている場合、固視位置情報としては、複数の固視灯の内のいずれかの位置を固視位置情報としてもよい。また、例えば、複数の固視灯で形成されている場合、固視位置情報としては、複数の固視灯の位置を平均した位置を固視位置情報としてもよい。
例えば、複数の固視灯で形成されており、1つの固視灯が点灯されていた場合、固視位置情報としては、点灯された固視灯の位置を固視位置情報としてもよい。また、例えば、複数の固視灯で形成されており、点灯させる固視灯が複数選択されていた場合、固視位置情報としては、点灯された複数の固視灯の中心位置を固視位置情報としてもよい。また、例えば、複数の固視灯で形成されており、点灯させる固視灯が複数選択されていた場合、固視位置情報としては、点灯された複数の固視灯の内のいずれかの固視灯の位置を固視位置情報としてもよい。また、例えば、複数の固視灯で形成されており、点灯させる固視灯が複数選択されていた場合、固視位置情報としては、点灯された複数の固視灯の位置を平均した位置を固視位置情報としてもよい。
例えば、固視灯の位置は、黄斑部を基準として、OCT画像データを取得される位置に配置されてもよい。この場合、例えば、固視灯の位置は、黄斑部を中心として、OCT画像データが取得される位置に配置されてもよい。また、この場合、例えば、固視灯の位置は、少なくとも黄斑部が含まれるようにOCT画像データが取得される位置に配置されるようにしてもよい。
例えば、黄斑部を中心としてOCT画像データを取得する場合には、少なくとも黄斑部を含んだOCT画像データを取得するための固視標投影ユニット(固視灯の位置)の光軸がOCT光学系の光軸と同軸となるように、固視灯が配置されるようにしてもよい。また、例えば、少なくとも黄斑部が含まれるようにOCT画像データを取得する場合には、少なくとも黄斑部を含んだOCT画像データを取得するための固視灯がOCT光学系の撮影範囲内に含まれるように、固視灯が配置されるようにしてもよい。
なお、例えば、固視灯が被検者によって観察されることによって、被検眼の視軸と固視標投影ユニット(固視灯の位置)が一致する。つまり、固視灯が被検者によって観察されることによって、黄斑部の位置と固視灯の位置とが一致する。このため、固視位置情報を取得することで、黄斑部位置情報を取得することができる。なお、本実施形態において、一致とは略一致を含む。
例えば、固視灯の位置がOCT光学系の撮影範囲のどこに位置するかを予め取得しておくことによって、OCT画像データ上における固視灯の位置を取得することができる。例えば、固視灯の位置とOCT光学系の光軸との位置関係を予め取得しておくことによって、OCT画像データ上における固視灯の位置を取得することができる。もちろん、固視灯の位置は、OCT光学系の撮影範囲との位置関係が取得できる構成であれば上記構成に限定されない。上記のように、OCT画像データ上における固視灯の位置が取得できることによって、OCT画像データ上における黄斑部の位置を取得することができる。すなわち、固視灯の位置と黄斑部の位置が一致するため、OCT画像データ上における固視灯の位置が取得できることで、OCT画像データ上における黄斑部の位置を取得することができる。
<設定手段>
例えば、黄斑部を基準とした解析範囲を設定する場合、設定手段は、固視位置情報に基づいて黄斑部を中心とした解析範囲を設定するようにしてもよい。例えば、黄斑部を中心とした解析範囲にて、解析情報を取得することによって、黄斑部が解析範囲の中心にあることを前提として解析処理を行うことができるため、解析処理を行う際に位置合わせ処理等の余分な処理等を行うことを抑制することができ、容易に解析処理を行うことができる。
なお、黄斑部を基準とした解析範囲を設定する場合、黄斑部の中心窩を基準とした解析範囲を設定してもよい。言い換えれば、固視位置を中心窩の位置として解析範囲を設定してもよい。
また、例えば、黄斑部を基準とした解析範囲を設定する場合、設定手段は、少なくとも黄斑部が含まれる解析範囲を設定するようにしてもよい。例えば、解析範囲のいずれかの部分に黄斑部が含まれることで、黄斑部に関する解析情報を取得することができる。
例えば、解析範囲としては、予め設定された範囲(領域)が黄斑部を基準として設定されてもよい。また、例えば、解析範囲としては、黄斑部の形状、位置に応じて、範囲が設定されるようにしてもよい。また、例えば、解析範囲としては、任意の範囲を設定できるようにしてもよい。この場合、例えば、検者によって、任意の範囲が設定されるようにしてもよい。
<解析情報取得手段>
例えば、解析情報取得手段は、設定された解析範囲において、OCT画像データの解析処理を行い、被検眼眼底の解析情報を取得するようにしてもよい。なお、設定された解析範囲において、OCT画像データの解析処理を行い、被検眼眼底の解析情報を取得する前に、OCT画像データに対して解析情報が取得されていてもよい。例えば、予め、解析情報が取得されていた場合に、設定された解析範囲の解析情報を取得する場合には、予め、取得されていた解析情報と異なる解析情報が取得されるようにしてもよい。より詳細には、例えば、予め、被検眼の網膜層の厚みを示す層厚マップ(例えば、層厚マップは、OCT画像データ全体に対応層厚マップでもよいし、設定された解析範囲に対応する層厚マップでもよい)が取得されており、設定された解析範囲の解析処理によって後述する差分マップが取得されてもよい。
また、例えば、解析情報取得手段は、予め取得されていた解析情報から設定された解析範囲の解析情報を抽出することによって、被検眼眼底の解析情報を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、予め、OCT画像データを解析処理して解析情報を取得しておいてもよい。
例えば、解析情報としては、層厚に関する解析情報であってもよい。また、例えば、解析情報としては、血管に関する解析情報であってもよい。もちろん、例えば、解析情報としては、上記の解析情報に限定されない。例えば、解析情報は、被検眼眼底の各部位(例えば、網膜層、血管部、黄斑部、乳頭部等)に関する解析情報であってもよい。
例えば、解析処理手段は、被検眼眼底の解析情報として、解析マップ、解析チャート、デビエーションマップ、解析パラメータ、各領域(セクション)での解析パラメータの比較結果等の少なくともいずれかを取得するようにしてもよい。
例えば、解析マップとしては、比較マップ、差分マップであってもよい。例えば、比較マップの一例としては、被検眼の網膜層の厚みと正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の網膜層の厚みとの比較結果を示すマップであってもよい。また、例えば、比較マップの一例としては、被検眼の血管の密度と正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の血管の密度との比較結果を示すマップであってもよい。また、比較マップの一例としては、異なる日時(例えば、第1のタイミングと第2のタイミングのそれぞれ)で取得されたOCT画像データ間の比較結果(例えば、被検眼の網膜層の比較結果、被検眼の血管の密度の比較結果等)を示すマップであってもよい。すなわち、フォローアップ用の比較マップであってもよい。また、例えば、差分マップの一例としては、被検眼の網膜層の厚みとデータベースに記憶された所定の被検眼の網膜層の厚みとの差分結果を示すマップであってもよい。また、例えば、差分マップの一例としては、被検眼の血管の密度と正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の血管の密度との差分結果を示すマップであってもよい。なお、層厚に関する解析情報は、網膜層に限定されない。例えば、層厚に関する解析情報は、脈絡膜層の関する解析情報であってもよいし、網膜層と脈絡膜層を含む眼底全体の解析情報であってもよい。また、差分マップの一例としては、異なる日時(例えば、第1のタイミングと第2のタイミングのそれぞれ)で取得されたOCT画像データ間の差分結果(例えば、被検眼の網膜層の差分結果、被検眼の血管の密度の差分結果等)を示すマップであってもよい。すなわち、フォローアップ用の差分マップであってもよい。
例えば、解析チャートは、予め設定されたセクション毎に解析値を示すチャートであってもよい。例えば、解析値として、予め設定されたセクション毎に解析結果の基本統計量を求めてもよい。例えば、基本統計量しては、代表値(平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、など)、散布度(分散、標準偏差、変動係数)などであってもよい。より具体的には、解析チャートは、予め設定されたセクション毎に解析結果の代表値(例えば、平均値、中央値)を示すチャートであってもよい。解析チャートは、予め設定されたセクション毎に解析結果の最大値又は最小値を示すチャートであってもよい。セクション毎の解析結果には、セクション内での各位置での解析結果が含まれることで、安定した解析値が得られる。
例えば、デビエーションマップは、被検眼の網膜層の厚みと正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の網膜層の厚みとのずれを、正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の網膜層の厚みで割った、割合を示したマップであってもよい。また、例えば、デビエーションマップは、被検眼の網膜層の厚みと正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の網膜層の厚みとのずれを標準偏差にて示したマップであってもよい。また、例えば、デビエーションマップは、被検眼の血管の密度と正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の血管の密度とのずれを、正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の被検眼の血管で割った、割合を示したマップであってもよい。また、例えば、デビエーションマップは、被検眼の血管の密度と正常眼データベースに記憶された所定の被検眼の血管の密度とのずれを標準偏差にて示したマップであってもよい。
なお、特徴部分(例えば、黄斑部)を検出して検出結果に基づいて解析範囲を設定する構成と、固視位置情報に基づいて解析範囲を設定する構成と、が併用されてもよい。これによって、より精度よく解析範囲を設定することができる。この場合、例えば、特徴部分を検出して特徴部分の検出結果に基づいて解析範囲を設定する際に特徴部分を良好に検出できなかった場合に、固視位置情報に基づいて解析範囲を設定するようにしてもよい。また、この場合、特徴部分を検出して検出結果に基づいて解析範囲を設定するとともに、固視位置情報に基づいて解析範囲を設定するようにしてもよい。なお、特徴部分及び固視位置情報の双方を用いてそれぞれ解析範囲を設定した場合、2つの解析範囲の平均の範囲が解析範囲として設定されるようにしてもよいし、特徴部分及び固視位置情報の一方が選択されて解析範囲が設定されるようにしてもよいし、特徴部分及び固視位置情報の双方の解析範囲でそれぞれ解析情報が取得されるようにしてもよい。なお、2つの解析情報が取得された場合には、少なくとも1つの解析情報に基づいて、最終的な解析情報を取得するようにしてもよい。
<実施例>
以下、典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る眼底解析装置の構成について説明するブロック図である。
例えば、眼底解析装置1は、眼底撮影装置(例えば、光コヒーレンストモグラフィーデバイス(OCTデバイス))によって撮影された眼底画像をモニタ上で観察するために用いられる。例えば、眼底解析装置1は、一例として、CPU(演算制御部)70と、マウス(操作部)76と、不揮発性メモリ(記憶部)72と、モニタ75と、から構成される。各部は、バス等を介して演算制御部(制御部)70と電気的に接続されている。
なお、眼底解析装置1には、被検眼の所定部位における画像を撮影するための眼底撮影装置が接続されている。一例として、本実施例では、眼底撮影装置として、被検者眼Eの眼底Efの断層像を撮影するための光コヒーレンストモグラフィ装置(以下、OCTデバイスと記載)10を例に挙げて説明する。なお、本実施例においては、眼底解析装置1にOCTデバイス10が接続されている構成を例としているがこれに限定されない。眼底解析装置1にOCTデバイスが一体となった装置であってもよい。
例えば、制御部70は、メモリ72に記憶されている演算プログラム及び各種制御プログラム等に基づいて各部の動作を制御する。なお、制御部70、操作部76、メモリ72、モニタ75として、市販のPC(パーソナルコンピュータ)が持つ演算処理部、入力部、記憶部、表示部を用い、市販のPCに各種プログラムをインストールするようにしてもよい。
例えば、図2は、本実施例に係るOCTデバイス10の構成について説明する概略構成図である。以下、図1と図2を用いて装置構成の概略を説明する。例えば、本実施例において、OCTデバイス10は、被検者眼Eの眼底EfのOCT画像データを撮影するためのOCTデバイスである。例えば、本実施例においては、OCT画像データとして、断層画像データ(以下、断層画像と記載)が撮影される場合を例に挙げて説明する。例えば、OCTデバイス10は、干渉光学系(OCT光学系)100を備えている。また、例えば、OCTデバイス10は、正面観察光学系200と、固視標投影ユニット300と、を備えている。例えば、OCTデバイス10は、制御部70と接続されている。すなわち、眼底解析装置1とOCTデバイス10が接続されている。
例えば、OCT光学系100は、眼底に測定光を照射する。例えば、OCT光学系100は、眼底から反射された測定光と、参照光との干渉状態を受光素子(検出器120)によって検出する。例えば、OCT光学系100は、眼底Ef上の撮像位置を変更するため、眼底Ef上における測定光の照射位置を変更する照射位置変更ユニット(例えば、光スキャナ108、固視標投影ユニット300)を備える。例えば、制御部70は、設定された撮像位置情報に基づいて照射位置変更ユニットの動作を制御し、検出器120からの受光信号に基づいて断層画像を取得する。
<OCT光学系>
OCT光学系100について説明する。例えば、OCT光学系100は、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT:Optical coherence tomography)の装置構成を持ち、被検眼Eの断層画像を撮像する。例えば、制御部70は、OCT光学系100を制御することによって、OCT信号を取得する。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー(光分割器)104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系100は、測定光学系106によって測定光を眼Eの眼底Efに導き,また、参照光を参照光学系110に導く。その後、眼底Efによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器120に受光させる。
検出器120は、測定光と参照光との干渉信号を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度(スペクトル干渉信号)が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によってOCT信号が取得される。
例えば、フーリエドメインOCTにおいて、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって取得されたOCT信号における振幅の絶対値を算出することによって、所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。光スキャナ108によって走査された測定光の各走査位置における深さプロファイルを並べることによって、Bスキャン断層画像データ(Bスキャン断層画像)が取得される。
例えば、フーリエドメインOCTとしては、Spectral-domain OCT(SD−OCT)、Swept-source OCT(SS−OCT)が挙げられる。また、例えば、Time-domain OCT(TD−OCT)であってもよい。SD−OCTの場合、光源102として低コヒーレント光源(広帯域光源)が用いられ、検出器120には、干渉光を各周波数成分(各波長成分)に分光する分光光学系(スペクトロメータ)が設けられる。スペクトロメータは、例えば、回折格子とラインセンサからなる。SS−OCTの場合、光源102として出射波長を時間的に高速で変化させる波長走査型光源(波長可変光源)が用いられ、検出器120として、例えば、単一の受光素子が設けられる。光源102は、例えば、光源、ファイバーリング共振器、及び波長選択フィルタによって構成される。そして、波長選択フィルタとして、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、ファブリー・ペローエタロンを用いたものが挙げられる。
光源102から出射された光は、カップラー104によって測定光束と参照光束に分割される。そして、測定光束は、光ファイバーを通過した後、空気中へ出射される。その光束は、光スキャナ108、及び測定光学系106の他の光学部材を介して眼底Efに集光される。そして、眼底Efで反射された光は、同様の光路を経て光ファイバーに戻される。
光スキャナ108は、眼底上で二次元的に(XY方向)に測定光を走査させる。光スキャナ108は、瞳孔と略共役な位置に配置される。光スキャナ108は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構50によって任意に調整される。
これにより、光源102から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の位置に走査される。これにより、眼底Ef上における撮像位置が変更される。光スキャナ108としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。
参照光学系110は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー104に戻し、検出器120に導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。
参照光学系110は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
<正面観察光学系>
例えば、正面観察光学系200は、被検眼の正面画像データを取得する。なお、正面画像データは、生成された画像のデータであってもよいし、画像が生成される前の信号データであってもよい。例えば、正面観察光学系200は、眼底Efの正面画像を得るために設けられている。本実施例において、正面観察光学系200は、例えば、光源から発せられた測定光(例えば、赤外光)を眼底上で二次元的に走査させる光スキャナと、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザー検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。
なお、正面観察光学系200の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。また、例えば、赤外光を用いて被検体を撮影する赤外撮影光学系であってもよい。また、例えば、OCT光学系100が、正面観察光学系200を兼用してもよい。すなわち、正面画像データ(以下、正面画像と記載)は、二次元的に得られた断層画像(OCT正面画像)を形成するデータを用いて取得されるようにしてもよい。
なお、正面観察光学系200がOCTデバイス10等と一体となった構成でなくてもよい。この場合、例えば、別途設けられた正面観察光学系200によって取得された正面画像データが、OCTデバイス10等によって受信されるようにしてもよい。
<固視標投影ユニット>
例えば、固視標投影ユニット300は、被検眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。固視標投影ユニット300は、被検眼Eに呈示する固視標を有し、複数の方向に被検眼Eを誘導できる。
例えば、固視標投影ユニット300は、可視光を発する固視灯を有し、視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これにより、視線方向が変更され、結果的に撮像部位が変更される。例えば、OCT光学系100の撮影光軸と同方向から固視標が呈示されると、眼底の中心部が撮像部位として設定される。また、OCT光学系100の撮影光軸に対して固視標が上方に呈示されると、眼底の上部が撮像部位として設定される。すなわち、撮影光軸に対する固視標の位置に応じて撮影部位が変更される。
固視標投影ユニット300としては、例えば、マトリクス状に配列された固視灯(例えば、LED等)の点灯位置により固視位置を調整する構成、固視灯からの光を光スキャナによって走査させ、固視灯の点灯制御により固視位置を調整する構成、等、種々の構成が考えられる。また、固視標投影ユニット300は、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
<制御部>
制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備える。制御部70のCPUは、各構成100〜300の各部材など、装置全体(眼底解析装置1、眼底撮影装置10)の制御を司る。RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部70のROMには、装置全体の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
例えば、制御部70には、不揮発性メモリ(記憶手段)72、操作部(コントロール部)76、および表示部(モニタ)75等が電気的に接続されている。不揮発性メモリ(メモリ)72は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、OCTデバイス10、及び、OCT光学系100に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を不揮発性メモリ72として使用することができる。
例えば、メモリ72には、OCT光学系100による正面画像データおよび断層画像データの撮影を制御するための撮影制御プログラムが記憶されている。また、メモリ72には、OCTデバイス10を使用することを可能にする眼底解析プログラムが記憶されている。また、メモリ72には、走査ラインにおけるBスキャン断層画像データ、三次元断層画像データ)、正面画像データ(眼底正面画像データ)、断層画像データの撮影位置の情報等、撮影に関する各種情報が記憶される。操作部76には、検者による各種操作指示が入力される。
例えば、メモリ72には、OCT光学系100の光軸に対する、固視標投影ユニット300(固視標投影ユニット300の固視灯)の光軸の位置情報が記憶されている。このように、OCT光学系100の光軸に対する固視標投影ユニット300の光軸の位置情報が記憶されていることによって、OCT光学系100によって取得される断層画像データ及び正面画像データに対する固視灯の位置を把握することができる。なお、正面観察光学系200の光軸に対する固視標投影ユニット300の光軸の位置情報が記憶されていてもよい。
例えば、操作部76は、入力された操作指示に応じた信号を制御部70に出力する。操作部76には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。
例えば、モニタ75は、装置本体に搭載されたディスプレイであってもよいし、本体に接続されたディスプレイであってもよい。パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)のディスプレイを用いてもよい。複数のディスプレイが併用されてもよい。また、モニタ75は、タッチパネルであってもよい。なお、モニタ75がタッチパネルである場合に、モニタ75が操作部として機能する。モニタ75には、OCT光学系100によって撮影された断層画像データおよび正面画像データを含む各種画像が表示される。
<断層画像撮影動作>
以下、OCTデバイス10を用いた一連の撮影動作について説明する。例えば、OCTデバイス10による断層画像の取得の前準備として、患者情報(患者を識別するためのID番号、名前、年齢、性別、主訴、コメント等)が入力される。なお、モニタ75上には、OCT光学系100によって取得される断層画像、正面観察光学系200によって取得される正面画像、各種撮影条件の設定画面、等が表示される。
例えば、検者によって操作部76が操作されて、広範囲撮影モードが選択されると、制御部70は、広範囲撮影モード用の固視灯を点灯させる。例えば、制御部70は、固視標投影ユニット300を制御し、固視灯を点灯させる。本実施例において、例えば、固視灯の点灯位置は、被検眼が固視標を観察した場合に、黄斑部と乳頭部とが含まれる断層画像が取得できる位置に設定される。すなわち、本実施例においては、目的撮影部位と固視標投影ユニット300の固視灯の点灯位置とが関連付けされており、これに基づき固視灯の点灯位置が設定されるので、検者が所望する眼底部位の断層画像が容易に得られる。なお、本実施例におけるOCT光学系100は、広範囲の撮影範囲にて、被検眼を撮影可能な構成を備えている。このため、被検眼眼底における黄斑部と乳頭部と含む範囲での断層画像の取得を容易に行うことができる。
例えば、固視灯が点灯された後、検者は、固視標投影ユニット300の固視標を注視するように被検者に指示した後、図示無き前眼部観察用カメラで撮影される前眼部観察像をモニタ75で見ながら、被検眼の瞳孔中心に測定光軸がくるように、操作部76(例えば、図示無きジョイスティック)を用いて、アライメント操作を行う。
例えば、アライメント操作が完了すると、制御部70は、光スキャナ108の駆動を制御し、眼底上で測定光を所定方向に関して走査させ、走査中に検出器120から出力される出力信号から所定の走査領域に対応する受光信号を取得して断層像を形成する。また、制御部70は、OCT光学系100を制御し、断層像を取得すると共に、観察光学系200を制御し、眼底正面像を取得する。そして、制御部70は、OCT光学系100によって断層像、観察光学系200によって正面画像(正面像)を随時取得する。これによって、モニタ75の画面上に断層画像と正面画像が表示される。なお、本実施例において、正面画像には、黄斑部と乳頭部が含まれている。
例えば、検者は、操作部76を操作して、最適化制御(例えば、光路長調整、フォーカス調整、偏光調整等)を実施する。例えば、次に、検者は、操作部76を操作し、測定光の走査パターン(ライン、クロスライン、ラスター、サークル、ラジアル等)を選択する。本実施例において、例えば、検者がラスタースキャンを選択し、OCT光学系100によって、三次元断層画像データ(三次元断層画像)を取得する場合を例に挙げて説明する。もちろん、三次元断層画像を取得する構成としては、ラスタースキャンに限定されない。
例えば、検者は、操作部76を操作し、正面観察光学系200の正面画像を用いて、走査位置を設定する。本実施例において、例えば、検者は、被検眼眼底の黄斑部と乳頭部が走査パターンにおける走査範囲(例えば、縦12mm×横12mmの矩形領域)に含まれるように走査位置が設定される。これによって、広範囲の三次元断層画像を取得することができる。
例えば、検者は、操作部76を操作して図示無き撮影スイッチを選択する。操作部76から撮影開始の信号が出力されると、制御部70は、設定された撮影条件に基づいて、光スキャナ108の駆動を制御し、眼底上で測定光を所定方向に関して走査させ、走査中に検出器120から出力される出力信号から所定の走査領域に対応する受光信号を取得して断層画像を取得する。
また、制御部70は、正面観察光学系200を制御し、正面画像を取得する。また、例えば、制御部70は、撮影された断層画像と共に、撮影情報(固視位置情報、撮影部位情報、左右眼情報、等)、選択範囲情報(走査パターン、走査位置、走査範囲、等)をメモリ72に記憶する。以上のようにして、OCTデバイス10によって断層画像が取得される。
<解析処理>
次いで、検者によって、操作部76が操作され、モニタ75画面上の解析モード切り換えスイッチが選択されると、制御部70は、解析モードへ切り換えを行う。解析モードにおいて、制御部70は、メモリ72に記憶された三次元断層像を解析処理し、解析情報を取得する。なお、解析モードへの切り換えは、例えば、眼底撮影装置10によって断層像が取得された後に、自動的に切り換えられる構成としてもよい。この場合、例えば、制御部70は、取得した断層像をメモリ72に記憶させるとともに、解析モードへと切り換えを行う。
例えば、解析処理を行う場合、制御部70は、断層画像中の各部位(例えば、黄斑部、乳頭部等)に応じた解析処理を行うことが好ましい。以下、固視位置情報に基づいて、黄斑部を基準とした解析情報を取得する場合について説明する。
図3は、黄斑部を基準とした解析情報の取得について説明する図である。例えば、解析モードに切り換えされると、制御部70は、モニタ75の画面上に三次元断層画像に基づくOCT正面(Enface)画像40を表示する。例えば、OCT正面画像40は、三次元断層画像におけるXY各位置でのスペクトルデータの積算することによって取得されている。
次いで、検者によって、黄斑部の解析情報を取得するための図示無きスイッチが選択さえると、制御部70は、OCT正面画像40の範囲から黄斑部を基準とした解析範囲を設定し、解析範囲を示すフレームZをOCT正面画像40上に重畳表示する。
以下、解析範囲の設定について説明する。例えば、制御部70は、固視位置情報に基づいて、黄斑部F及び乳頭部Nを含んだ広範囲のOCT正面画像40から黄斑部Fを基準とした解析範囲(例えば、縦9mm×横9mm)を設定する。本実施例においては、解析範囲として、黄斑部Fを中心とした解析範囲を設定する場合を例に挙げて説明する。
例えば、制御部70は、メモリ72から、OCT正面画像40を取得した際の固視位置情報を呼び出して取得する。例えば、固視位置情報を取得することで、黄斑部位置情報を取得することができる。本実施例において、例えば、固視位置情報は、OCT光学系100の走査範囲(撮影範囲)上における固視灯の位置座標を示す。例えば、固視位置情報を取得することで、OCT正面画像40上における固視灯の位置が取得できる。これによって、OCT正面画像40上における黄斑部の位置を取得することができる。
例えば、制御部70は、取得した固視位置情報に基づいて、固視灯の位置を中心として、解析範囲を設定する。すなわち、例えば、制御部70は、OCT正面画像40の範囲から、解析範囲を設定する。これによって、黄斑部Fを中心とした解析範囲を設定することができる。例えば、黄斑部Fを中心とした解析範囲を設定されると、制御部70は、解析範囲を示すフレームZをOCT正面画像40上に重畳表示する。
例えば、検者によって、解析範囲が確認され、解析情報の取得を開始する図示無きスイッチが選択されると、制御部70は、設定された解析範囲において、OCT正面画像40基礎である三次元断層画像の解析処理を行う。これによって、黄斑部Fを中心とした解析範囲における被検眼眼底の解析情報を取得することができる。なお、本実施例においては、解析範囲が設定されると、フレームZが表示され、検者によって確認される構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、制御部70は、黄斑部Fを基準とした解析範囲を設定すると、解析範囲において、解析情報を取得するようにしてもよい。
例えば、本実施例においては、解析情報として、比較マップを取得する場合を例に挙げて説明する。例えば、制御部70は、層を検出する場合、断層画像の輝度レベルを検出する。制御部70は、所定の網膜層(例えば、網膜表面と網膜色素上皮層)に相当する層境界を画像処理により抽出する。そして、制御部70は、層境界の間隔を計測することにより、層厚(層の厚み)情報を取得する。なお、本実施例において、解析情報として、比較マップを用いる構成を例に挙げたがこれに限定されない。例えば、解析情報としては、他の解析情報を取得する構成であってもよい。また、例えば、複数の解析情報を取得する構成であってもよい。
例えば、制御部70は、設定された解析範囲において、XY方向における各位置での層厚情報を取得し、各位置での層厚情報に対して、正常眼データベースを参照して、層厚に関する解析情報を取得する。また、もちろん層厚を用いた解析において、複数の層厚の合計値が用いられてもよい。
例えば、正常眼データベースとしては、正常とされる被検眼における特徴情報(各層の間隔、所定部位の形状、所定部位のサイズ、等)が記憶されてもよい。なお、正常眼データベースは、複数の被検眼のデータを統合することによって作成されてもよい。例えば、正常眼データベースとして、複数の被検眼のデータから取得された統計的な特徴情報が記憶されてもよい。
例えば、層厚に関する解析情報を取得する場合、制御部70は、少なくともデータベースに記憶されている各層の間隔を用いて、解析情報を取得する。例えば、正常眼データベースにおける各層の間隔の情報としては、正常であるとされる層厚の範囲、正常のボーダーラインとされる層厚の範囲、異常であるとされる層厚の範囲、等が層厚に関する情報として記憶されている。
例えば、制御部70は、各位置の層厚情報が正常眼データベースにおける、どの層厚の範囲に属するのかを判定する。制御部70は、判定結果に基づいて、正常眼データベースを参照して、比較マップを取得する。例えば、本実施例において、制御部70は、比較マップとして、判定結果に基づいて、三次元断層像の解析情報をグラフィックにて示すマップ(例えば、カラーマップ)を作成する。例えば、制御部70は、被検眼の網膜層の層厚を正常眼データベースに記憶された層厚と比較して、比較結果に応じて、正常部位、ボーダーライン部位、異常部位を示すグラフィックを表示する。また、例えば、制御部70は、取得した比較マップを患者情報に関連付けてメモリ72に記憶するようにしてもよい。
なお、取得された三次元断層画像には、乳頭部も含まれているため、乳頭部を基準とした解析情報を取得してもよい。例えば、乳頭部の解析を行う場合、制御部70は、OCT正面画像40を解析して、乳頭部を検出する。例えば、乳頭部は、黄斑部に対して、輝度が高く、サイズが大きいため、被検者の病気等の原因によって、乳頭部が変形した場合であっても、検出がしやすい。例えば、制御部70は、乳頭部を検出した後、乳頭部を基準として解析範囲を設定する。例えば、制御部70は、設定された解析範囲における解析情報を取得する。なお、解析情報を取得する際に、解析処理を行う場合には、乳頭部用の解析処理が実施されて解析情報が取得される。
以上のように、例えば、眼底解析装置は、被検眼眼底のOCT画像データを得るための光コヒーレンストモグラフィーデバイスによって取得されたOCT画像データを解析処理して、被検眼眼底の解析情報を取得する眼底解析装置であってもよい。また、例えば、眼底解析装置は、光コヒーレンストモグラフィーデバイスによって取得された少なくとも黄斑部を含むOCT画像データを取得するOCT画像データ取得手段と、OCT画像データを取得した際の固視灯の固視位置情報を取得する固視位置情報取得手段と、固視位置情報に基づいて黄斑部を基準とした解析情報を取得する解析範囲を設定する設定手段と、設定手段によって設定された解析範囲において、OCT画像データの解析処理によって取得された被検眼眼底の解析情報を取得する解析情報取得手段と、を備えるようにしてもよい。これによって、黄斑部が変形した場合であっても、黄斑部に関する解析情報を容易に良好に取得することができる。
また、例えば、設定手段は、固視位置情報に基づいて黄斑部を中心とした解析範囲を設定するようにしてもよい。黄斑部を中心とした解析範囲にて、解析情報を取得することによって、黄斑部が解析範囲の中心にあることを前提として解析処理を行うことができるため、解析処理を行う際に位置合わせ処理等の余分な処理等を行うことを抑制することができ、容易に解析処理を行うことができる。
また、例えば、OCT画像データ取得手段は、被検眼眼底の広範囲を撮影することで取得された黄斑部及び特徴部(例えば、乳頭部等)を含むOCT画像データを取得するようにしてもよい。例えば、被検眼眼底の広範囲の撮影したOCT画像データを解析処理する場合に、各特徴部に応じて解析処理を変更する必要がある。例えば、広範囲に撮影が可能となったことによって、黄斑部以外の特徴部もOCT画像データに含まれるようになり、黄斑部に対応する解析処理によって解析情報を取得した場合には、取得される解析情報が良好でなくなることがある。このため、固視位置情報に基づいて、黄斑部を基準とした解析範囲を容易に設定することで、広範囲のOCT画像データを取得することが可能な装置を用いて広範囲のOCT画像データを取得した場合であっても、黄斑部に関する解析情報を容易に良好に取得することができ、より有用である。
なお、本実施例においては、固視位置情報に基づいて、黄斑部を基準とした解析情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、被検眼眼底のその他の特徴部についても、固視灯の位置関係を予め取得しておくことで、固視位置情報に基づいて、特徴部を基準とした解析情報を取得することができる。一例として、乳頭部についても、固視灯の位置関係を予め取得しておくことで、固視位置情報に基づいて、乳頭部を基準とした解析情報を取得することができる。
なお、本発明においては、本実施例に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施例の機能を行う眼底解析ソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体等を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。