JP6946648B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリプレグの製造方法であって、熱可塑性樹脂が含浸された複数の連続強化繊維を使用したプリプレグの製造方法に関する。
複数の連続強化繊維と樹脂からなる複合材料は、軽量で優れた力学特性を有するために、スポーツ用品用途、航空宇宙用途、車両、船舶およびその他一般産業用途に広く用いられている。特に前記樹脂に熱可塑性樹脂を用いて、強化繊維に含浸させたプリプレグは、熱硬化性樹脂と強化繊維からなるプリプレグと比較して、加熱による溶融、冷却による固化が容易であることから、成形時におけるハンドリング性、サイクルタイムの短縮などの効果が見込まれ、工数低減、コスト低減の観点から注目を集めている。
また、近年、熱可塑性樹脂と強化繊維からなるプリプレグの用途は、多岐に細分化されるようになっている。積層材や部分補強材として適用される場合、一方向に配向した複数の連続強化繊維を用いたプリプレグは、その優れた力学特性から中間基材としての需要が高まりつつある。
前記プリプレグは、繊維方向に対する引張特性には優れるものの、曲げ特性、圧縮特性については相対的に劣る。これらを向上させるために、高分子量の熱可塑性樹脂を使用するなどの方法はあるが、高分子量の熱可塑性樹脂を用いた場合、製造過程における溶融した樹脂の流動性が低下し、生産性が低下してしまう問題がある。一方で、力学特性に優れる高分子量の熱可塑性樹脂を用いても、製造過程において、熱可塑性樹脂の溶融状態が長時間に渡った場合には、熱可塑性樹脂の熱劣化や酸化劣化等のおそれが高くなる。
そして特許文献1や2には、複数の連続強化繊維に熱可塑性樹脂をよく含浸させるため、プリプレグ内の複数の連続強化繊維を均一に配置させるための製造方法や装置に関する記載がされている。
特許5626660号公報 特表2014−518531号公報
特許文献1や2には、前述のとおり、プリプレグ内の複数の連続強化繊維を均一に配置させるための製造方法や装置の記載がされているものの、これらの文献には、製造過程における熱可塑性樹脂の物性がプリプレグの力学特性に与える影響については詳しく触れられていない。
そこで本発明の目的は、力学特性に優れた熱可塑性樹脂と複数の連続強化繊維からなるプリプレグを高い生産性をもって製造できる、プリプレグの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。つまり本発明は以下である。
(1)熱可塑性樹脂を含む槽に複数の連続強化繊維を通過させることにより、熱可塑性樹脂と複数の連続強化繊維を含むプリプレグを製造する方法において、
槽内の空間体積Vd[m]と、単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積Qe[m/s]とが、下記の(A)式を満たすとともに、
単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積Qp[m /s]と、単位時間当たりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qo[m /s]が、下記の(C)式を満たすことを特徴とするプリプレグの製造方法。
10≦Vd/Qe≦9000・・・(A)式
Qe−5.4×Qp≦Qo≦Qe−0.2×Qp・・・(C)式

本発明によれば、引張強度、曲げ強度などの力学物性に優れたプリプレグを高い生産性を持って製造することができる。
本発明の製造方法の一例の模式断面図。
本発明は、複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグの製造方法である。本発明により製造されたプリプレグにおいて連続強化繊維は、プリプレグ中に特定の位置に固まることなく概ね均一に分散されていることが好ましく、それぞれの連続強化繊維の間は熱可塑性樹脂で充填されている。すなわち本発明により製造されたプリプレグは、複数の連続強化繊維に対して熱可塑性樹脂が含浸している。
複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグの製造方法である本発明は、熱可塑性樹脂を含む槽に、複数の連続強化繊維を通過させる工程を有する。熱可塑性樹脂を含む槽に、複数の連続強化繊維を通過させる工程を有する方法としては、例えば溶融法、粉末法、混繊(コミングル)法などが例示される。これらの中でも本発明では、事前に熱可塑性樹脂を加工する必要がない溶融法が好ましく用いられる。
以下に、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係わるプリプレグの製造方法を示しており、100はプリプレグの製造装置全体を示している。本実施態様では、連続強化繊維101が巻かれたボビン102を準備し、複数のボビン102それぞれから連続的に糸道ガイド103を通じて複数の連続強化繊維101が送り出される。連続的に送り出された複数の連続強化繊維101は、熱可塑性樹脂を充填したフィーダー105から定量供給された熱可塑性樹脂107を含む槽104を通過する。複数の連続強化繊維101が槽104を通過する際、熱可塑性樹脂107を複数の連続強化繊維101に含浸させることができる。引取ロール109の引取力により、槽104から連続的に引き抜かれた複数の連続強化繊維101は、冷却ロール108を通過させることで熱可塑性樹脂107を冷却固化し、巻取ロール111にて巻き取られる。以上の工程によって、プリプレグ110は製造される。なお、槽104の中を満たす熱可塑性樹脂107は、その全てが複数の連続強化繊維101と共に槽104を通過してもよく、槽104の中の熱可塑性樹脂107が複数の連続強化繊維101と共に通過しない場合には、槽104の中で余剰となった熱可塑性樹脂107を、排出口106から排出することができる。
本発明の製造方法において、槽内の空間体積Vd[m]と、単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積Qe[m/s]の比、Vd/Qeは、10〜9000であり、より好ましくは30〜5500、さらに好ましくは70〜1200である。Vd/Qeが大きいことは、槽の空間体積と比較して、単位時間当たりに槽へ供給される熱可塑性樹脂が少ないことを意味しており、このVd/Qeが9000を超えると、熱可塑性樹脂の熱分解によるプリプレグの曲げ特性の低下が見られ、他部材の補強効果が低下する。一方でVd/Qeが小さいことは、槽の空間体積と比較して、単位時間当たりに槽へ供給される熱可塑性樹脂が多いことを意味しており、このVd/Qeが10未満であると、熱可塑性樹脂の槽への供給量が多く、熱可塑性樹脂の歩留まりが悪くなる。
本発明の製造方法において、槽内の空間体積Vd[m]は、0.6×10-7〜0.3が好ましく、より好ましくは0.8×10-4〜0.1、さらに好ましくは0.1×10-3〜0.4×10-1である。Vdが0.3以下であると、槽内を熱可塑性樹脂で満たすために必要な熱可塑性樹脂が少量で済み、熱可塑性樹脂の歩留まりが良い。また、Vdが0.6×10-7以上であると、複数の連続強化繊維へ熱可塑性樹脂を含浸させる際の含浸性を向上させることができるため、複数の連続強化繊維への熱可塑性樹脂が良好に含浸する。
本発明の製造方法において、単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積Qp[m/s]は、0.8×10-9〜0.7×10-3が好ましく、より好ましくは0.1×10-7〜0.3×10-3、さらに好ましくは0.6×10-7〜0.9×10-4である。Qpが0.7×10-3以下であると、複数の連続強化繊維への熱可塑性樹脂の含浸性が良くなる。また、Qpが0.8×10-9以上であると、高い生産性が得られる。
なお、単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積Qp[m/s]は、槽の出口を通過するプリプレグの速度[m/s]と、出口の寸法(面積[m])から求めることができる。
本発明の製造方法において、単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積をQp[m/s]とすると、単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積Qe[m/s]は、0.2×Qp〜5.4×Qpであることが好ましく、より好ましくは0.3×Qp〜4.7×Qp、さらに好ましくは0.4×Qp〜4.1×Qpである。Qeが5.4×Qp以下であると、熱可塑性樹脂の歩留まりが良くなる。Qeが0.2×Qp以上であると、複数の連続強化繊維への熱可塑性樹脂の含浸性が良く、槽内の熱可塑性樹脂の量がプリプレグを構成する熱可塑性樹脂の必要量よりも常に多く、安定した製造が可能となる。
本発明の製造方法は、槽に複数の連続強化繊維を通過させる際に、熱可塑性樹脂の一部が槽から排出されることが好ましい。このようにすることで、槽内で熱分解した熱可塑性樹脂を排出することができ、熱分解の影響が少ない熱可塑性樹脂を槽に含ませることができる。なお、熱可塑性樹脂の一部を槽から排出させる際の排出箇所は特に限定されるものではなく、槽の底面に排出箇所を設けたり、槽の側面に排出箇所を設けたりすることができる。さらに排出箇所の数に制限はなく、槽内に複数の排出箇所を設置しても、1つのみの排出箇所を設置しても、いずれでも構わない。
さらに熱可塑性樹脂の一部を槽から排出する場合には、本発明の製造方法において、単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積をQe[m/s]として、単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積をQp[m/s]とすると、単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qo[m/s]は、Qe−5.4×Qp〜Qe−0.2×Qpであることが好ましく、より好ましくはQe−4.7×Qp〜Qe−0.2×Qp、さらに好ましくはQe−4.1×Qp〜Qe−0.4×Qpである。ここで、単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qo[m/s]とは、前述のように、槽内に設置した排出箇所から排出される体積を意味する。そして、槽内に複数の排出箇所を設置した場合には、複数の排出箇所から排出される熱可塑性樹脂の体積の合計を、単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qo[m/s]とする。
そして本発明においては、QoがQe−0.2×Qp以下であると熱可塑性樹脂の歩留まりが良くなる。QoがQe−5.4×Qp以上であると、槽内の熱可塑性樹脂の量がプリプレグを構成する熱可塑性樹脂の必要量よりも常に多く、安定した製造が可能となり、複数の連続強化繊維への熱可塑性樹脂の含浸も良くなる。QoをQe−0.2×Qp以下に制御するためには、排出口の出口寸法を小さくする、などの手段がある。
本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグ100体積%中の繊維体積含有率は、30〜70体積%が好ましく、より好ましくは35〜65体積%、さらに好ましくは40〜60体積%である。繊維体積含有率が30体積%以上であると、プリプレグの力学特性に優れ、他部材への補強に優れる。繊維体積含有率が70体積%以下あると、複数の連続強化繊維への熱可塑性樹脂の含浸性に優れる。
本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグ100体積%中の空隙率は、5体積%以下が好ましく、より好ましくは4体積%以下、さらに好ましくは3体積%以下である。空隙率が5体積%以下であると、プリプレグの力学特性に優れ、他部材への補強により優れる。空隙率を5体積%以下に制御するための手段としては、含浸させる熱可塑性樹脂の溶融粘度を下げる、含浸時にかかる圧力を上昇させる、複数の連続強化繊維に熱可塑性樹脂が充分に含浸するのに必要な、所望の繊維体積含有率に対応した量の熱可塑性樹脂を槽に連続的に供給する、などの手段がある。
本発明の製造方法により得られるプリプレグのJIS K 7074(1988)で測定した曲げ強度は、750MPa以上が好ましく、より好ましくは900MPa以上、さらに好ましくは1,000MPa以上である。曲げ強度が750MPa以上であると他部材への補強に優れる。なお、プリプレグの曲げ強度は大きいほど好ましいが、現実的な上限としては2,000MPa程度と考えられる。
曲げ強度を750MPa以上に制御するための手段としては、熱可塑性樹脂の熱分解を抑制する、空隙率を低い値に調整する、などの手段がある。
本発明の製造方法は、槽に複数の連続強化繊維を通過させる際に、連続強化繊維をその通過方向に沿って一方向に配列させて通過させることが好ましい。このようにすることで、得られるプリプレグ中の連続強化繊維を、一方向に配向したものとすることができる。つまり、本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグにおいて、複数の連続強化繊維の配向方向は、特に限定されないが、プリプレグを製造する際の作業性に優れることから、一方向に配向していることが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる連続強化繊維としては、特に限定されないが、炭素繊維、金属繊維、有機繊維、および無機繊維が例示される。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(Poly Acrylo−Nitrile:PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが例示される。このうちPAN系炭素繊維は、ポリアクリロニトリル繊維を原料とする炭素繊維である。ピッチ系炭素繊維は石油タールや石油ピッチを原料とする炭素繊維である。セルロース系炭素繊維はビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とする炭素繊維である。気相成長系炭素繊維は炭化水素などを原料とする炭素繊維である。これら炭素繊維のうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましく用いられる。
金属繊維としては、例えば、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、黄銅、ステンレスなどの金属からなる繊維が挙げられる。
有機繊維としては、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維などの有機材料からなる繊維が挙げられる。アラミド繊維としては強度や弾性率に優れたパラ系アラミド繊維と難燃性、長期耐熱性に優れるメタ系アラミド繊維とが例示される。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維などが挙げられ、メタ系アラミド繊維としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維などが挙げられる。アラミド繊維としては、メタ系アラミド繊維に比べて弾性率の高いパラ系アラミド繊維が好ましく用いられる。
無機繊維としては、ガラス、バサルト、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機材料からなる繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス繊維(電気用)、Cガラス繊維(耐食用)、Sガラス繊維、Tガラス繊維(高強度、高弾性率)などが例示されるがこのいずれを用いても良い。バサルト繊維は、鉱物である玄武岩を繊維化した物で、耐熱性の非常に高い繊維である。玄武岩には、一般に鉄の化合物であるFeOまたはFeOを9〜25%、チタンの化合物であるTiOまたはTiOを1〜6%含有するが、溶融状態でこれらの成分を増量して繊維化することも可能である。
本発明の製造方法においては、連続強化繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維、及びアラミド繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の連続強化繊維を用いることがより好ましく、これらの中でも、軽量化や強度などの力学特性を効率よく発揮する炭素繊維を用いることが特に好ましい。
複数の連続強化繊維としては、その複数種を組み合わせて使用してもよく、異なる連続強化繊維を組み合わせることで複合的な効果が期待できる。例えば連続強化繊維として炭素繊維とガラス繊維を組み合わせる事で、炭素繊維による高い補強効果および安価なガラス繊維によるコストの低減が両立できる。
本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグにおいて、複数の連続強化繊維は通常、多数本の単繊維を束ねた強化繊維束を1本または複数本を並べて構成される。1本または複数本の強化繊維束を並べたときの複数の連続強化繊維の総フィラメント数(単繊維の本数)は、本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグ中に1,000〜2,000,000本の範囲にあることが好ましい。生産性の観点からは、本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグ中の複数の連続強化繊維の総フィラメント数は、1,000〜1,000,000本がより好ましく、1,000〜600,000本がさらに好ましく、1,000〜300,000本が特に好ましい。複数の連続強化繊維の総フィラメント数の上限は、分散性や取り扱い性とのバランスも考慮して、生産性と分散性、取り扱い性を良好に保てるように選択する。
本発明の製造方法により得られる複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグにおいて、複数の連続強化繊維中の単繊維の平均直径は好ましくは5〜10μmであり、単繊維の平均直径は6〜8μmがさらに好ましい。
また複数の連続強化繊維の引張強度は3,000〜6,000MPaのものを用いることが好ましい。なお複数の連続強化繊維の強度(MPa)=(単繊維強力(N))/単繊維断面積(mm)という関係となる。
また、複数の連続強化繊維を構成する強化繊維束は、接着性やコンポジット力学特性、高次加工性を向上させるためにサイジング剤で表面処理されていてもよい。サイジング剤には、ビスフェノール型エポキシ化合物、直鎖状低分子量エポキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル、乳化剤あるいは界面活性剤などの成分を粘度調整、耐擦過性向上、耐毛羽性向上、集束性向上、高次加工性向上等の目的で混合したものが好ましい。
サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばローラを介してサイジング液に浸漬する方法、サイジング液の付着したローラに接する方法、サイジング液を霧状にして吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、強化繊維に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に強化繊維を超音波で加振させることはより好ましい。
本発明の製造方法に用いる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂でありさえすれば特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリメチルメタアクリレート、ポリスルホンなどが挙げられる。
特に、耐熱性や強度、剛性などの各物性が優れたプリプレグが得られるので、本発明の製造方法に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂を用いることが好ましい。
ここで、ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2 − メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる熱可塑性樹脂として特に有用なポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66 /6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、およびこれらの混合物、ないし共重合体などが挙げられ、中でも強化繊維への含浸性、取扱い性に優れるポリアミド6が好ましい。
本発明の製造方法において、プリプレグの得たい要求特性に応じて、難燃剤、耐候性改良材、その他酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶性化剤、導電性フィラーなどを添加することができる。
次に本発明を、実施例、比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
(1)JIS K 7074(1988)で測定した曲げ強度の測定方法
複数の連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグの曲げ強度は、JIS K 7074(1988)のA法に従って測定した。
得られた曲げ強度の測定値に応じて、以下の基準で判定をした。なお、AA〜Bを合格とした。
AA:曲げ強度1,000MPa以上
A:曲げ強度900MPa以上1,000MPa未満
B:曲げ強度750MPa以上900MPa未満
C:750MPa未満
(2)比重(g/cm)の測定方法
比重測定機(ALFA MIRAGE製、ELECTRONIC DENSIMETER SD−200L)を用いて、強化繊維、熱可塑性樹脂組成物、プリプレグなどの比重を測定した。
(3)繊維体積含有率、空隙率の測定方法
約0.5gの連続強化繊維と熱可塑性樹脂を含むプリプレグの質量W1を秤量した後、窒素気流中、500℃の温度に設定した電気炉に120分間放置し、前記プリプレグ中の熱可塑性樹脂組成物を完全に熱分解させた。そして、乾燥窒素気流中の容器に移し、15分間冷却した後の強化繊維の質量W2を秤量して、強化繊維量を求めた。これらの各測定値から次式により各値を算出した。
繊維体積含有率(%)=(W2(g)/強化繊維の比重(g/cm))/(W1(g)/プリプレグの比重(g/cm))×100
樹脂体積含有率(%)=((W1−W2)(g)/熱可塑性樹脂組成物の比重(g/cm))/(W1(g)/プリプレグの比重(g/cm))×100
空隙率(%)=100−繊維体積含有率(%)−樹脂体積含有率(%)
(4)本発明の製造方法におけるパラメータ
(A)連続強化繊維としては、炭素繊維(東レ株式会社製T700SC−12K)を用いた。
(B)熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6(東レ株式会社製“アミラン”(登録商標)CM1007を用いた。
(C)Vd/Qe[s]
(c−1)30
(c−2)1100
(c−3)4800
(c−4)8700
(c−5)4
(c−6)10500
(D)Qe[m/s]
(d−1)0.6×Qp
(d−2)3.8×Qp
(E)Qo[m/s]
(e−1)Qe−0.5×Qp
(e−2)Qe−0.2×Qp
(e−3)Qe−0.8×Qp
(実施例1)
複数の連続強化繊維として炭素繊維を用い、熱可塑性樹脂組成物としてポリアミド6樹脂を用い、Vd/Qeを(c−1)、単位時間あたりに槽に供給される熱可塑性樹脂の体積Qeを(d−1)、単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qoを(e−1)として、図1に示す製造方法によりプリプレグを製造した。
図1において、複数の連続強化繊維101が巻かれたボビン102を準備し、それぞれボビン102から連続的に糸道ガイド103を通じて複数の連続強化繊維101を送り出した。連続的に送り出された複数の連続強化繊維101には、槽104内にて、熱可塑性樹脂を充填したフィーダー105から定量供給された熱可塑性樹脂107が含浸された。槽104内の熱可塑性樹脂107を含浸した複数の連続強化繊維101を、槽104のノズルから連続的に引き抜いた。引取ロール108にて引き抜かれた複数の連続強化繊維101を、冷却ロール107を通過させ冷却固化し、巻取ロール110にて巻き取り、繊維体積含有率50体積%のプリプレグ110を得た。
(実施例2)
Vd/Qeを(c−2)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(実施例3)
Vd/Qeを(c−3)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(実施例4)
Vd/Qeを(c−4)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(実施例5)
単位時間あたりに槽に供給される熱可塑性樹脂の体積Qeを(d−2)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(実施例6)
単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qoを(e−2)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(実施例7)
単位時間あたりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qoを(e−3)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(比較例1)
Vd/Qeを(c−5)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
(比較例2)
Vd/Qeを(c−6)と設定したこと以外は実施例1と同様にプリプレグ110を得た。
Figure 0006946648
Figure 0006946648
100 製造装置
101 強化繊維束
102 ボビン
103 糸道ガイド
104 槽
105 フィーダー
106 排出口
107 熱可塑性樹脂
108 冷却ロール
109 引取ロール
110 プリプレグ
111 巻取ロール

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂を含む槽に複数の連続強化繊維を通過させることにより、熱可塑性樹脂と複数の連続強化繊維を含むプリプレグを製造する方法において、
    槽内の空間体積Vd[m]と、単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積Qe[m/s]とが、下記の(A)式を満たすとともに、
    単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積Qp[m /s]と、単位時間当たりの槽からの熱可塑性樹脂の排出体積Qo[m /s]が、下記の(C)式を満たすことを特徴とする、プリプレグの製造方法。
    10≦Vd/Qe≦9000・・・(A)式
    Qe−5.4×Qp≦Qo≦Qe−0.2×Qp・・・(C)式
  2. 単位時間当たりの槽への熱可塑性樹脂の供給体積Qe[m/s]と、単位時間当たりに槽の出口を通過するプリプレグの体積Qp[m/s]が、下記の(B)式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
    0.2×Qp≦Qe≦5.4×Qp・・・(B)式
  3. 槽に複数の連続強化繊維を通過させる際に、熱可塑性樹脂の一部が槽から排出されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 槽に複数の連続強化繊維を通過させる際に、連続強化繊維を通過方向に沿って一方向に配列させて通過させることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  5. 連続強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
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