JP6945435B2 - 非水系電解液、及びそれを用いた非水系電解液二次電池 - Google Patents

非水系電解液、及びそれを用いた非水系電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水系電解液、及びそれを用いた非水系電解液二次電池に関するものである。
スマートフォン等の携帯電話、ノートパソコン等のいわゆる民生用の小型機器用の電源や、電気自動車用等の駆動用車載電源等の広範な用途において、リチウム二次電池等の非水系電解液二次電池が実用化されている。
例えば、特許文献1には、2以上のイソシアネート基を有する化合物とリチウムビス(オキサラト)ボレート等を含む電解液を用いることで、サイクル特性と低温放電特性が優れたものとなることが記載されている。
特許文献2には、電解液の非水系有機溶媒が、フッ素置換環状カーボネートを含有し、更に該非水系電解液が、ジイソシアネート及び特定の硫黄化合物を含有することで、保存特性とサイクル特性等が改善することが記載され、また、電解液がジイソシアネート化合物を含有することでガス発生が抑制されることが記載されている。
特許文献3には、特定の負極と、3級又は4級炭素原子を有し2〜4のイソシアナト基を有する化合物を含む電解液を用いることで、高温保存時における容量劣化を抑制し、高電流密度下での充放電特性を向上させることが開示されている。しかしながら、分子内にエステル結合を有し、イソシアナト基を3つ以上有する化合物は記載されていない。
特開2012−182131号公報 特開2012−178339号公報 特開2014−041819号公報
上記のように、電気自動車の車載用途電源や、スマートフォン等の携帯電話用電源等にリチウム二次電池を用いる場合、電池膨れを抑制するため、高温保存時のガス抑制が重要であり、ガス抑制剤としてイソシアネート化合物を用いることが知られている。
しかし、本発明者等の検討によれば、特許文献1〜3に開示されたイソシアネート化合物を含む電解液を用いた電池は、未だ高温保存時のガス抑制効果が不十分であった。
本発明は、非水系電解液二次電池において、電池を高温環境下で使用した際にガス発生を抑制することが可能な、優れた電池を製造できる非水系電解液と、それを用いた非水系電解液二次電池を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のイソシアネート化合物を、非水系電解液に用いることで、高温保存時のガス抑制効果に優れる電解液及び、電池膨れの少ない非水系電解液二次電池が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下[1]〜[10]に示す具体的態様等を提供する。
[1] 分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物を含有する、非水系電解液。
[2] 下記式(1)で表される化合物を含有する、非水系電解液。
Figure 0006945435
(式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R、Rは合計で少なくとも3つのイソシアナト基を有する。)
[3] 前記式(1)中のRは少なくとも2つのイソシアナト基を有し、Rは少なくとも1つのイソシアナト基を有する、[2]に記載の非水系電解液。
[4] 前記式(1)中のR、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基である、[2]又は[3]に記載の非水系電解液。
[5] 前記分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物、又は前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系電解液。
Figure 0006945435
[6] 前記分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物、及び/又は非水電解液に含まれる前記式(1)で表される化合物の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系電解液。
[7] 非水電解液にフルオロエチレンカーボネートを更に含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の非水系電解液。
[8] 前記、非水電解液に含まれるフルオロエチレンカーボネートの含有量が0.01質量%以上50質量%以下である、[7]に記載の非水系電解液。
[9] 前記、非水電解液に含まれるフルオロエチレンカーボネートの含有量が10質量%以上50質量%以下である、[8]に記載の非水系電解液。
[10] 金属イオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を有する正極と、金属イオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を有する負極と、非水系電解液を備える非水系電解液二次電池であって、
非水系電解液が[1]〜[9]の何れかに記載の非水系電解液である、非水系電解液二次電池。
本発明によれば、高温環境におけるガス発生を抑制することができる、優れた非水系電解液二次電池を得ることができる。
以下に、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ただし、以下に記載する説明は本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明は請求項に記載の要旨を超えない限り、これらの内容に限定されるものではない。
[1.非水系電解液]
本発明の非水系電解液は、一般的な非水系電解液と同様に、電解質及びこれを溶解する非水溶媒を含有し、特定の構造を有するイソシアネート化合物を含有することを主たる特徴とする。
[1−1.特定の構造を有するイソシアネート化合物]
非水系電解液に含有されるイソシアネート化合物の一形態は、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物である。
分子内に含まれるイソシアナト基の数の上限は特に限定されないが、好ましくは10以下、更に好ましくは6以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは3である。イソシアナト基の数が多すぎると、電池内部の抵抗を引き起こす恐れがある。一方、後述の実験例で示すように、イソシアナト基の数が2以下であると、本発明のような大きなガス発生抑制を達成できない。
分子内に含まれるエステル結合の数は特に限定されず、通常1つであるが、2以上であってもよい。
非水系電解液に含有される、上記の特定の構造を有するイソシアネート化合物は、下記式(1)で表される化合物であってよい。
Figure 0006945435
式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R、Rは合計で少なくとも3つのイソシアナト基を有する。
上記炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n − プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、1−プロペン−2−イル基、アリル基、クロチル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、2−トルイル基、3−トルイル基、4−トルイル基、キシリル基、ベンジル基、シンナミル基、等が挙げられる。
中でも、メチル基、エチル基、n − プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アリル基、プロパルギル基が酸化されにくいため更に好ましい。これらの炭化水素基の水素が適宜イソシアナト基等に置換され、上記式(1)で表される化合物を形成する。
前記式(1)中のRは少なくとも2つのイソシアナト基を有し、Rは少なくとも1つのイソシアナト基を有することが好ましい。
この場合はRに含まれるイソシアナト基の数は、好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下、最も好ましくは2である。Rに含まれるイソシアナト基の数は、好ましくは4以下、更に好ましくは3以下、特に好ましくは2以下、最も好ましくは1である。イソシアナト基の数が少なすぎると、本発明のガス発生抑制効果が不十分となり、イソシアナト基の数が多すぎると、電池内部の抵抗を引き起こす恐れがある。
前記式(1)中のR、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n − プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等が挙げられる。
中でも、メチル基、エチル基、n − プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が酸化されにくいため好ましく、溶液粘度の観点からメチル基、エチル基、n − プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基がより好ましい。
前記式(1)で表される化合物が下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006945435
上記の特定の構造を有するイソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
また、非水系電解液中の特定の構造を有するイソシアネート化合物の含有量(2種以上を混合して使用する場合は合計含有量)は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることが更に好ましく、0.2質量%以上であることが最も好ましい。また、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが更に好ましく、3質量%以下であることが特に好ましく、2質量%以下であることが最も好ましい。
上記の含有量で用いることで、ガス発生抑制効果を十分に発揮できると共に、不要な抵抗上昇を抑制することができる。
上記の特定の構造を有するイソシアネート化合物を用いると、高温環境下においてもガス発生を抑制できる非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池を得ることができるが、そのような効果が得られる詳細なメカニズムは明らかとなってはいない。
しかしながら、本発明者らの検討によると、本発明の特定の構造を有するイソシアネート化合物は、分子内にエステル結合を有するため、電解液溶媒として用いられるカーボネート類やエステル類との親和性が高く、イソシアナト基が少なくとも3つあるため、強固に電極表面と相互作用できるため、高温環境下においても劣化が少ない電極表面を形成していると考えられる。この劣化が少ない電極表面は溶媒の分解反応が少なくなり、ガス発生が抑制されていると推測される。
[1−2.フルオロエチレンカーボネート]
本発明の電解液は、高温保存特性、サイクル特性の向上の点から、フルオロエチレンカーボネートを含むことが好ましい。フルオロエチレンカーボネートは、高温保存特性、サイクル特性の向上効果があるものの、ガス発生の増加が懸念されるため、特に、電解液がフルオロエチレンカーボネートを含有する場合、上記特定の構造を有するイソシアネート化合物を電解液中に含有することで、ガス発生の抑制効果が顕著となる傾向にある。
フルオロエチレンカーボネートを含有する場合の含有量は、非水系電解液全体に対し、通常0.01質量%以上であり、0.1質量%以上含有することが好ましく、0.5質量%以上含有することが更に好ましく、1質量%以上含有することが最も好ましく、10質量%以上であってよい。また、80質量%以下の含有量で用いることが好ましく、60質
量%以下の含有量で用いることがより好ましく、50質量%以下で用いることが更に好ましく、30質量%以下で用いることが特に好ましく、20質量%以下で用いることが最も好ましい。
上記の含有量で用いることで、高温保存特性、サイクル特性の向上効果を十分に得ることができると共に、不要なガス発生を抑制することができる。
[1−3.電解質]
本発明の非水系電解液に用いる電解質に制限は無く、目的とする非水系電解液二次電池に電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に採用することができる。本発明の非水系電解液をリチウム二次電池に用いる場合には、通常は、電解質としてリチウム塩を用いる。
電解質の具体例としては、
LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiSbF、LiSOF、LiN(FSO等の無機リチウム塩;
LiCFSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF(CSO等の含フッ素有機リチウム塩;
リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩;
等が挙げられる。
これらのうち、非水溶媒への溶解性・解離度、電気伝導度及び得られる電池特性の点から、LiPF、LiBF、LiSOF、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェートが好ましく、LiPF、LiBFが特に好ましい。
また、電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。中でも、特定の無機リチウム塩の2種を併用したり、無機リチウム塩と含フッ素有機リチウム塩とを併用したりすると、トリクル充電時のガス発生が抑制されたり、高温保存後の劣化が抑制されるので好ましい。特に、LiPFとLiBFとの併用や、LiPF、LiBF等の無機リチウム塩と、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO等の含フッ素有機リチウム塩とを併用することが好ましい。
更に、LiPFとLiBFとを併用する場合、電解質全体に対してLiBFが0.01質量%以上、50質量%以下の比率で含有されていることが好ましい。上記比率は、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。一方、上限は、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。比率が上記範囲にあることにより、所望の効果を得やすくなり、また、LiBFの低い解離度により、電解液の抵抗を高
くすることを抑制する。
一方、LiPF、LiBF等の無機リチウム塩と、LiSOF、LiN(FSO等の無機リチウム塩や、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF(CSO等の含フッ素有機リチウム塩や、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムトリ(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩等と、を併用する場合、電解質全体に占める無機リチウム塩の割合は、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。また、通常99質量%以下、好ましくは95質量%以下である。
本発明の非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、本発明の要旨を損なわない限り任意であるが、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.6mol/L以上、より好ましくは0.8mol/L以上である。また、通常3mol/L以下、好ましくは2mol/L以下、より好ましくは1.8mol/L以下、更に好ましくは1.6mol/L以下の範囲である。リチウム塩の濃度が上記範囲にあることにより、非水系電解液の電気伝導率が十分となり、また、粘度上昇による電気伝導率の低下、本発明の非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の性能の低下を抑制する。
[1−4.非水溶媒]
本発明の非水系電解液が含有する非水溶媒としては、従来から非水系電解液の溶媒として公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
通常使用される非水溶媒の例としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、鎖状及び環状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、含リン有機溶媒、含硫黄有機溶媒、芳香族含フッ素溶媒等が挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。環状カーボネートの炭素数は、通常3以上6以下である。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートは、誘電率が高いため電解質が溶解し易く、非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良いという点で好ましい。
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。鎖状カーボネートを構成するアルキル基の炭素数は、1以上5以下が好ましく、特に好ましくは1以上4以下である。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが電池特性向上の点から好ましい。
また、アルキル基の水素の一部をフッ素で置換した鎖状カーボネート類も挙げられる。フッ素で置換した鎖状カーボネートとしては、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロメチル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、2−フルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロ
エチルメチルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル等及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した鎖状カルボン酸エステルが挙げられる。フッ素で置換した鎖状カルボン酸エステルとしては、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸プロピル、トリフルオロ酢酸ブチル、トリフルオロ酢酸2,2,2−トリフルオロエチル等が挙げられる。
この中でも、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、ピバル酸メチルが電池特性向上の点から好ましい。
環状カルボン酸エステルとしては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した環状カルボン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、1,1−エトキシメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した鎖状エーテル等が挙げられる。
フッ素で置換した鎖状エーテルとしては、ビス(トリフルオロエトキシ)エタン、エトキシトリフルオロエトキシエタン、メトキシトリフルオロエトキシエタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−エトキシ−4−トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−プロポキシ−4−トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、2,2−ジフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンがより好ましい。
含リン有機溶媒としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド等及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した含リン有機溶媒が挙げられる。フッ素で置換した含リン有機溶媒として、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)、リン酸トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)等が挙げられる。
含硫黄有機溶媒としては、スルホラン、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、メチルプロピルスルホン、ジメチルスルホキシド、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル等及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した含硫黄有機溶媒が挙げられる。
芳香族含フッ素溶媒としては、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等が挙げられる。
上記の非水溶媒の中でも、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートを用いることが好ましく、更にこれらと鎖状カーボネートとを併用することが電解液の高い電導度と低い粘度を両立できる点から好ましい。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。2種以上を併用する場合、例えば環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、非水溶媒中に占める鎖状カーボネートの好適な含有量は、通常20体積%以上、好ましくは40体積%以上、また、通常95体積%以下、好ましくは90体積%以下である。一方、非水溶媒中に占める環状カーボネートの好適な含有量は、通常5体積%以上、好ましくは10体積%以上、また、通常80体積%以下、好ましくは60体積%以下である。鎖状カーボネートの割合が上記範囲にあることにより、非水系電解液の粘度上昇を抑制し、また、電解質であるリチウム塩の解離度の低下による非水系電解液の電気伝導率低下を抑制する。なお、本明細書において、非水溶媒の体積は25℃での測定値であるが、エチレンカーボネートのように25℃で固体のものは融点での測定値を用いる。
[1−5.その他の添加剤]
本発明の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、従来公知のものを任意に用いることができる。なお、添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の非水系電解液に添加することのできる従来公知の添加剤としては、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物以外のイソシアナト基(イソシアネート基)を有する化合物、フルオロエチレンカーボネート以外のフッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル、複数のエーテル結合を有する環状化合物、イソシアヌル酸骨格を有する化合物、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩、フルオロスルホン酸塩等が例示できる。
以下、それぞれの添加剤について述べるが、これらの中には、上記[1−1.]〜[1−4.]で既に述べたものも含まれている場合がある。
[1−5−1.イソシアナト基を有する化合物(分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物以外)]
本発明の非水系電解液は、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物以外のイソシアナト基を有する化合物を含有することができる。以下、「分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基(−NCO基)を3つ以上有する化合物以外のイソシアナト基を有する化合物」を、「イソシアネート化合物」という場合がある。
イソシアネート化合物は、分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有する有機化合物であれば、特に制限されないが、イソシアネート基の数は、一分子中、好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上3以下、更に好ましくは1以上2以下である。
イソシアネート化合物は、好ましくは、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基とアルキレン基が連結した構造、エーテル構造(−O−)、エーテル構
造(−O−)とアルキレン基が連結した構造、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニル基とアルキレン基とが連結した構造、スルホニル基(−S(=O)−)、スルホニル基とアルキレン基とが連結した構造又はこれらがハロゲン化された構造等を有する化合物にイソシアネート基が結合した化合物であり、より好ましくは、直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造、芳香族炭化水素基又は芳香族炭化水素基とアルキレン基が連結した構造にイソシアネート基が結合した化合物であり、更に好ましくは、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造にイソシアネート基が結合した化合物である。イソシアネート化合物の分子量は特に制限されない。分子量は、好ましくは80以上であり、より好ましくは115以上、更に好ましくは170以上であり、また、300以下であり、より好ましくは230以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対するイソシアネート化合物の溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。イソシアネート化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。また、市販品を用いてもよい。
イソシアネート化合物としては、
イソシアナト基を1個有する化合物として、
メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ターシャルブチルイソシアネートなどのアルキルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネートなどのシクロアルキルイソシアネート、アリルイソシアネート、プロパルギルイソシアネートなどの不飽和イソシアネート、フェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート;
イソシアナト基を2個有する化合物として、
モノメチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、カルボニルジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトブタン−1,4−ジオン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等の化合物;
イソシアナト基を3個有する化合物として、
1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキサ−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物から誘導される三量体化合物(たとえばビウレット、イソシアヌレート、アダクト及び二官能のタイプの変性ポリイソシアネート等)などの化合物;、
等が挙げられる。
これらのうち、t−ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等の化合物が保存特性向上の点から好ましく、シクロヘキシルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートがより好ましく、シクロヘキシルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)が更に好ましい。
イソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。
イソシアネート化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この範囲であれば、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−2.イソシアナト基を有する化合物以外の添加剤(電解質でないもの以外)]
イソシアナト基を有する化合物以外の添加剤(電解質でないもの)としては、下記のものが例示できる。
[1−5−2−1.フッ素含有環状カーボネート]
フッ素含有環状カーボネートとしては、通常炭素数2以上6以下のアルキレン基を有する環状カーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられ、例えばエチレンカーボネートのフッ素化物(以下、「フッ素化エチレンカーボネート」と記載する場合がある)、及びその誘導体が挙げられる。エチレンカーボネートのフッ素化物の誘導体としては、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたエチレンカーボネートのフッ素化物が挙げられる。中でもフッ素数1以上8以下のフッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体が好ましい。
本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とフッ素含有環状カーボネートとを併用することによって、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
フッ素数1〜8個のフッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体としては、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
中でも、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートが、電解液に高イオン伝導性を与え、かつ安定な界面保護被膜を容易に形成しやすい点で好ましい。
フッ素化環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。フッ素化環状カーボネートの量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更により好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上、最も好ましくは1.2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下、最も好ましくは2質量%以下である。また、フッ素化環状カーボネートを非水溶媒として用いる場合の配合量は、非水溶媒100体積%中、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、更に好ましくは10体積%以上であり、また、好ましくは50体積%以下、より好ましくは35体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。
[1−5−2−2.硫黄含有有機化合物]
本発明の電解液は、更に硫黄含有有機化合物を含むことができる。硫黄含有有機化合物は、分子内に硫黄原子を少なくとも1つ有している有機化合物であれば、特に制限されないが、好ましくは分子内にS=O基を有している有機化合物であり、鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、鎖状硫酸エステル、環状硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル及び環状亜硫酸エステルが挙げられる。ただしフルオロスルホン酸塩に該当するものは、1−5−2−2.硫黄含有有機化合物ではなく、後述する電解質であるフルオロスルホン酸塩に包含されるものとする。
本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物と硫黄含有有機化合物とを併用することによって、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
中でも、鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、鎖状硫酸エステル、環状硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル及び環状亜硫酸エステルが好ましく、より好ましくはS(=O)基を有する化合物である。
更に好ましくは鎖状スルホン酸エステル及び環状スルホン酸エステルであり、環状スルホン酸エステルがより好ましい。以下に、鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、鎖状硫酸エステル、環状硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル及び環状亜硫酸エステルの例を示す。
<鎖状スルホン酸エステル>
フルオロスルホン酸メチル及びフルオロスルホン酸エチル等のフルオロスルホン酸エステル;
メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、ブスルファン、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸エチル、メタンスルホニルオキシ酢酸エチル等のメタンスルホン酸エステル;
ビニルスルホン酸メチル、ビニルスルホン酸エチル、ビニルスルホン酸アリル、ビニルスルホン酸プロパルギル、アリルスルホン酸メチル、アリルスルホン酸エチル、アリルスルホン酸アリル、アリルスルホン酸プロパルギル及び1,2−ビス(ビニルスルホニロキシ)エタン等のアルケニルスルホン酸エステル;
メタンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、メタンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,2−エタンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、1,2−エタンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,3−プロパンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、1,3−プロパンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,3−プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル等のアルキルジスルホン酸エステル;
<環状スルホン酸エステル>
1,3−プロパンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ
−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、2−プロペン−1,3−スルトン、2−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン及び1,5−ペンタンスルトン等のスルトン化合物;
メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート等のジスルホネート化合物;
1,2,3−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド等の含窒素化合物。
1,2,3−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド等の含リン化合物。
<鎖状硫酸エステル>
ジメチルスルフェート、エチルメチルスルフェート及びジエチルスルフェート等のジアルキルスルフェート化合物。
<環状硫酸エステル>
1,2−エチレンスルフェート、1,2−プロピレンスルフェート、1,3−プロピレンスルフェート、1,2−ブチレンスルフェート、1,3−ブチレンスルフェート、1,4−ブチレンスルフェート、1,2−ペンチレンスルフェート、1,3−ペンチレンスルフェート、1,4−ペンチレンスルフェート及び1,5−ペンチレンスルフェート等のアルキレンスルフェート化合物。
<鎖状亜硫酸エステル>
ジメチルスルファイト、エチルメチルスルファイト及びジエチルスルファイト等のジアルキルスルファイト化合物。
<環状亜硫酸エステル>
1,2−エチレンスルファイト、1,2−プロピレンスルファイト、1,3−プロピレンスルファイト、1,2−ブチレンスルファイト、1,3−ブチレンスルファイト、1,4−ブチレンスルファイト、1,2−ペンチレンスルファイト、1,3−ペンチレンスルファイト、1,4−ペンチレンスルファイト及び1,5−ペンチレンスルファイト等のアルキレンスルファイト化合物。
これらのうち、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸エチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸2−プロピニル、プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、プロパンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン、1,2−エチレンスルフェート、1,2−エチレンスルファイト、メタンスルホン酸メチル及びメタンスルホン酸エチルが初期効率向上の点から好ましく、プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、プロパンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、1,2−エチレンスルフェート、1,2−エチレンスルファイトがより好ましく、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトンが更に好ましい。
硫黄含有有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。
硫黄含有有機化合物の含有量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましく
は0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、特に好ましくは0.6質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以下である。この範囲にあると、電池の出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−2−3.リン含有有機化合物]
本発明の電解液は、更にリン含有有機化合物を含むことができる。リン含有有機化合物は、分子内に少なくとも一つリン原子を有している有機化合物であれば、特に制限されない。リン含有有機化合物を含有する本発明の電解液を用いた電池は、耐久特性を改善することができる。
リン含有有機化合物としては、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル、亜リン酸エステルが好ましく、より好ましくはリン酸エステル及びホスホン酸エステルであり、更に好ましくはホスホン酸エステルである。これらのエステルは、置換基を有していてもよい。
更に好ましくはリン酸エステル及びホスホン酸エステルである。
リン含有有機化合物の具体例としては、
ジエチルビニルホスフェート、アリルジエチルホスフェート、プロパルギルジエチルホスフェート、トリビニルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリプロパルギルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジプロパルギルエチルホスフェート、 2−アクリロイルオキシエチルジエチルホスフェート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、トリメチル ホスホノフォルメート、メチル ジエチルホスホノフォルメート、メチル ジプロピルホスホノフォルメート、メチル ジブチルホスホノフォルメート、トリエチル ホスホノフォルメート、エチル ジメチルホスホノフォルメート、エチル ジプロピルホスホノフォルメート、エチル ジブチルホスホノフォルメート、トリプロピル ホスホノフォルメート、プロピル ジメチルホスホノフォルメート、プロピル
ジエチルホスホノフォルメート、プロピル ジブチルホスホノフォルメート、トリブチル ホスホノフォルメート、ブチル ジメチルホスホノフォルメート、ブチル ジエチルホスホノフォルメート、ブチル ジプロピルホスホノフォルメート、メチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、エチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、プロピル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、ブチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、トリメチル ホスホノアセテート、メチル ジエチルホスホノアセテート、メチル ジプロピルホスホノアセテート、メチル ジブチルホスホノアセテート、トリエチル ホスホノアセテート、エチル ジメチルホスホノアセテート、エチル ジプロピルホスホノアセテート、エチル ジブチルホスホノアセテート、トリプロピル ホスホノアセテート、プロピル ジメチルホスホノアセテート、プロピル ジエチルホスホノアセテート、プロピル ジブチルホスホノアセテート、トリブチル ホスホノアセテート、ブチル ジメチルホスホノアセテート、ブチル ジエチルホスホノアセテート、ブチル ジプロピルホスホノアセテート、メチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、エチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、プロピル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、ブチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、アリル ジメチルホスホノアセテート、アリル ジエチルホスホノアセテート、2−プロピニル ジメチルホスホノアセテート、2−プロピニル ジエチルホスホノアセテート、トリメチル 3−ホスホノプロピオネート、メチル 3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリエチル 3−ホスホノプロピオネート、エチル 3−(ジメチルホスホノ)プロピ
オネート、エチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、エチル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリプロピル 3−ホスホノプロピオネート、プロピル 3−(ジメチルホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリブチル 3−ホスホノプロピオネート、ブチル 3−(ジメチルホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、エチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、
トリメチル 4−ホスホノブチレート、メチル 4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、メチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレート、メチル 4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリエチル 4−ホスホノブチレート、エチル 4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、エチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレート、エチル 4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリプロピル 4−ホスホノブチレート、プロピル 4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、プロピル 4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、プロピル
4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリブチル 4−ホスホノブチレート、ブチル
4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、ブチル 4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、ブチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレートなどが挙げられる。
リン含有有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。
リン含有有機化合物の含有量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、特に好ましくは0.6質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.2質量%以下、最も好ましくは0.9質量%以下である。この範囲であると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−2−4.シアノ基を有する有機化合物]
本発明の電解液は、シアノ基を有する有機化合物を含むことができる。
シアノ基を有する有機化合物としては、ペンタンニトリル、オクタンニトリル、デカンニトリル、ドデカンニトリル、クロトノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、グルタロニトリル及び3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,2,3−トリシアノプロパン、1,3,5−トリシアノペンタン、1,4,7−トリシアノヘプタン、1,2,4−トリシアノブタン、1,2,5−トリシアノペンタン、1,2,6−トリシアノヘキサン、1,3,6−トリシアノヘキサン、1,2,7−トリシアノヘプタンが挙げられる。
シアノ基を有する有機化合物は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の濃度で含有させる。この範囲にあると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
シアノ基を有する有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。
[1−5−2−5.ケイ素含有化合物]
本発明の電解液は、ケイ素含有化合物を含むことができる。ケイ素含有化合物は、分子内に少なくとも1つのケイ素原子を有する化合物であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とケイ素含有化合物とを併用することによって、耐久特性を改善することができる。
ケイ素含有化合物としては、式(2−6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006945435
式中、R61、R62及びR63は、独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数10以下の炭化水素基であり、
61は、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1個の原子を含む有機基である。
炭化水素基については、式(1)における炭化水素基の例示及び好ましい例が適用される。R61、R62及びR63は、好ましくは水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基であり、より好ましくはメチル基である。
61は、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1個の原子を含む有機基であり、好ましくは、酸素原子又はケイ素原子を少なくとも含む有機基である。ここで、有機基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1個以上の原子で構成された基のことを表す。有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、CN基、イソシアナト基、フルオロ基、アルキルスルホン酸基及びトリアルキルシリル基等が挙げられる。なお、1価の有機基の一部はフッ素原子で置換されていてもよい。また、有機基の炭素数は、1以上であることができ、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、また、15以下であることができ、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
これらのうち、アルキルスルホン酸基、トリアルキルシリル基、ホウ酸基、リン酸基及び亜リン酸基が好ましい。
ケイ素含有化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメトキシシリル)、ホウ酸トリス(トリエチルシリル)、ホウ酸トリス(トリエトキシシリル)、ホウ酸トリス(ジメチルビニルシリル)及びホウ酸トリス(ジエチルビニルシリル)等のホウ酸化合物; リン酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリエチルシリル)、リン酸トリス(トリプロピルシリル)、リン酸トリス(トリフェニルシリル)、リン酸トリス(トリメトキシシリル)、リン酸トリス(トリエトキシシリル)、リン酸トリス(トリフエノキシシリル)、リン酸トリス(ジメチルビニルシリル)及びリン酸トリス(ジエチルビニルシリル)等のリン酸化合物;
亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリエチルシリル)、亜リン酸トリス(トリプロピルシリル)、亜リン酸トリス(トリフェニルシリル)、亜リン酸ト
リス(トリメトキシシリル)、亜リン酸トリス(トリエトキシシリル)、亜リン酸トリス(トリフエノキシシリル)、亜リン酸トリス(ジメチルビニルシリル)及び亜リン酸トリス(ジエチルビニルシリル)等の亜リン酸化合物;
メタンスルホン酸トリメチルシリル、テトラフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のスルホン酸化合物;
ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン及び1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等のジシラン化合物;
等が挙げられる。
これらのうち、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、メタンスルホン酸トリメチルシリル、テトラフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン及び1,1,2,2−テトラフェニルジシランが好ましく、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)及びヘキサメチルジシランがより好ましい。
なお、これらケイ素含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ケイ素含有化合物(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この範囲であれば、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−2−6.芳香族化合物]
本発明の電解液は、芳香族化合物を含むことができる。芳香族化合物としては、分子内に芳香環を少なくとも1つ有している有機化合物であれば、特に制限されない。
芳香族化合物としては、例えば以下が挙げられる。
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、酢酸2−フェニルエチル、酢酸3−フェニルプロピル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸2−フェニルエチル、フェニル酢酸3−フェニルプロピル、3−フェニルプロピオン酸メチル、3−フェニルプロピオン酸エチル、3−フェニルプロピオン酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸3−フェニルプロピル、メチルフェニルスルホネート、2−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、4−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、シクロヘキシルフェニルメチルスルホネート、トリメチルフェニルシラン、トリス(2−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、ジエチルフェニルホスホネート、ジエチルベンジルホスホネート、ジエチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネート、2−フルオロフェニルアセテート、4−フルオロフェニルアセテート、2,4−ジフルオロアニソール、2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、
中でも好ましくはフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、フェニル酢酸2−フェニルエチル、4−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、シクロヘキシルフェニルメチルスルホネート、トリス(2
−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、2,4−ジフルオロアニソール、2−フルオロトルエンが挙げられる。
また上記に挙げた以外でも、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,3−ジヒドロ1,3−ジメチル−1−(2−メチル−2−フェニルプロピル)−3−フェニル−1H−インダン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,3−ジヒドロ1,3−ジメチル−1−(2−メチル−2−フェニルプロピル)−3−フェニル−1H−インダン、2,2−ジフェニルブタン、3,3−ジフェニルペンタン、3,3−ジフェニルヘキサン、4,4−ジフェニルヘプタン、5,5−ジフェニルオクタン、6,6−ジフェニルノナン、1,1−ジフェニル−1,1−ジtert−ブチル−メタン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,2−ジフェニルブタン、3,3−ジフェニルペンタン、1,1−ジフェニル−1,1−ジtert−ブチル−メタン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,2−ジフェニルブタン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンなどが、例として挙げられる。
芳香族化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。非水系電解液全量(100質量%)中、芳香族化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2.5質量%以下である。上記範囲内にあることにより、本発明の効果が発現しやすく、また、電池の抵抗増大を防ぐことができる。
[1−5−2−7.炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート]
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート(以下、「不飽和環状カーボネート」と記載する場合がある)としては、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する環状カーボネートであれば、特に制限はなく、任意の不飽和カーボネートを用いることができる。なお、芳香環を有する環状カーボネートも、不飽和環状カーボネートに包含されることとする。
不飽和環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート類、芳香環又は炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート類、フェニルカーボネート類、ビニルカーボネート類、アリルカーボネート類、カテコールカーボネート類等が挙げられる。
中でも、特に併用するのに好ましい不飽和環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネートが挙げられる。また、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネートは更に安定な界面保護被膜を形成するので好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネーがより好ましく、ビニレンカーボネートがさらに好ましい。
不飽和環状カーボネートの分子量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。分子量は、好ましくは、80以上、より好ましくは85以上であり、また、好ましくは、250以下であり、より好ましくは150以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する不飽和環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、本発明の効果が十分に発現されやすい。
不飽和環状カーボネートの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
不飽和環状カーボネートは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、不飽和環状カーボネートの配合量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。不飽和環状カーボネートの配合量は、非水系電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、とくに好ましくは2質量%以下である。この範囲内であれば、非水系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現しやすく、また、高温保存特耐久性が低下し、ガス発生量が多くなり、放電容量維持率が低下するといった事態を回避しやすい。
[1−5−2−8.フッ素非含有カルボン酸エステル]
本発明の電解液は、フッ素非含有カルボン酸エステルを含むことができる。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とフッ素非含有カルボン酸エステルを併用することにより、耐久特性を改善することができる。フッ素非含有カルボン酸エステルは前述のように溶媒として使用することも可能である。
フッ素非含有カルボン酸エステルは、分子内にフッ素原子を有さないカルボン酸エステルであれば、特に制限されない。
フッ素非含有鎖状カルボン酸エステルとしては、以下が挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸n−ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸n−プロピル、吉草酸n−ブチル、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル、ピバル酸n−プロピル、ピバル酸n−ブチル。
これらの中でも電解液粘度低下によるイオン伝導度の向上の点から、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル
、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸n−ブチルがより好ましく、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸n−ブチルが更に好ましく、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピルが特に好ましい。
フッ素非含有カルボン酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
フッ素非含有カルボン酸エステルの量(二種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.6質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下で、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。また、フッ素非含有カルボン酸エステルを非水溶媒として用いる場合の配合量は、非水溶媒100体積%中、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、更に好ましくは10体積%以上、更により好ましくは20体積%以上であり、また、50体積%以下で含有させることができ、より好ましくは45体積%以下、更に好ましくは40体積%以下である。このような範囲であれば、負極抵抗の増大を抑制し、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性を制御しやすい。
[1−5−2−9.複数のエーテル結合を有する環状化合物]
複数のエーテル結合を有する環状化合物としては、分子内に複数のエーテル結合を有する環状化合物であれば、特に限定されない。複数のエーテル結合を有する環状化合物は、電池の高温保存特性の向上に寄与するものであり、本発明の電解液においては、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物と併用することによって、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
複数のエーテル結合を有する環状化合物としては、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メチルテトラヒドロピラン、などがあげられる。
複数のエーテル結合を有する環状化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。複数のエーテル結合を有する環状化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。上記範囲を満たした場合は、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−3.電解質である添加剤]
添加剤のうち、電解質としての役割を持つ添加剤として、下記のもの(モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩)が例示できる。これらの塩は、特に、リチウム塩であることが好ましい。
モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩の合計含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることが特に好ましい。また、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
[1−5−3−1.モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩]
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩は、それぞれ、分子内に少なくとも1つのモノフルオロリン酸又はジフルオロリン酸構造を有する塩であれば、特に制限されない
。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は上記式(1)で表される化合物とモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩から選ばれる1種以上とを併用することにより、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩におけるカウンターカチオンは、特に制限されず、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、NR121122123124(式中、R121〜R124は、独立して、水素原子又は炭素数1以上12以下の有機基である。)で表されるアンモニウム等が挙げられる。上記アンモニウムのR121〜R124で表わされる炭素数1以上12以下の有機基は特に制限されず、例えば、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環基等が挙げられる。中でもR121〜R124は、独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は窒素原子含有複素環基等が好ましい。カウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、中でもリチウムが好ましい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム等が挙げられ、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムが好ましく、ジフルオロリン酸リチウムがより好ましい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩から選ばれる1種以上の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、5質量%以下であることができ、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲内であると、初期不可逆容量向上の効果が顕著に発現される。
[1−5−3−2.ホウ酸塩]
ホウ酸塩は、分子内にホウ素原子を少なくとも1つ有している塩であれば、特に制限されない。ただしシュウ酸塩に該当するものは、1−5−3−2.ホウ酸塩ではなく、後述する1−5−3−3.シュウ酸塩に包含されるものとする。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とホウ酸塩とを併用することによって、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
ホウ酸塩におけるカウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、セシウム、バリウム等が挙げられ、中でもリチウムが好ましい。
ホウ酸塩としては、リチウム塩が好ましく、含ホウ酸リチウム塩も好適に使用することができる。例えばLiBF、LiBFCF、LiBF、LiBF、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF(CSO等が挙げられる。中でも、LiBFが初期充放電効率と高温サイクル特性等を向上させる効果がある点からより好ましい。
ホウ酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ホウ酸塩の量(2種以上の場合は合計量)は、0.05質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.4質量%以上であり、また、10.0質量%以下であることができ、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下である。この範囲内であると、電池負極の副反応が抑制され抵抗を上昇させにくい。
[1−5−3−3.シュウ酸塩]
シュウ酸塩は、分子内に少なくとも1つのシュウ酸構造を有する化合物であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とシュウ酸塩とを併用することによって、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
シュウ酸塩としては、式(9)で表される金属塩が好ましい。この塩は、オキサラト錯体をアニオンとする塩である。
Figure 0006945435
式中、Mは、周期表における1族、2族及びアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる元素であり、
は、遷移金属、周期表の13族、14族及び15族からなる群より選ばれる元素であり、
91は、ハロゲン、炭素数1以上11以下のアルキル基及び炭素数1以上11以下のハロゲン置換アルキル基からなる群より選ばれる基であり、
a及びbは正の整数であり、
cは0又は正の整数であり、
dは1〜3の整数である。
は、本発明の電解液をリチウム二次電池に用いたときの電池特性の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが好ましく、リチウムが特に好ましい。
は、リチウム二次電池に用いる場合の電気化学的安定性の点で、ホウ素及びリンが特に好ましい。
91としては、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、フッ素、トリフルオロメチル基が好ましい。
式(9)で表される金属塩としては、以下が挙げられる。
リチウムジフルオロオキサラトボレート及びリチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類;
リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート等のリチウムオキサラトホスフェート塩類;
これらのうち、リチウムビス(オキサラト)ボレート及びリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートが好ましく、リチウムビス(オキサラト)ボレートがより好ましい。
シュウ酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
シュウ酸塩の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲にあると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。
[1−5−3−4.フルオロスルホン酸塩]
フルオロスルホン酸塩としては、分子内に少なくとも1つのフルオロスルホン酸構造を有している塩であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、分子内にエステル結合を有し、かつイソシアナト基を3つ以上有する化合物、又は式(1)で表される化合物とフルオロスルホン酸塩とを併用することにより、この電解液を用いた電池において、耐久特性を改善することができる。
フルオロスルホン酸塩におけるカウンターカチオンは、特に制限されず、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び、NR131132133134(式中、R131〜R134は、各々独立に、水素原子又は炭素数1以上12以下の有機基である)で表されるアンモニウム等が挙げられる。R131〜R134に関する例示及び好ましい例については、上記1−5−3−1におけるR121〜R124が適用される。カウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、中でもリチウムが好ましい。
フルオロスルホン酸塩としては、フルオロスルホン酸リチウム、フルオロスルホン酸ナトリウム、フルオロスルホン酸カリウム、フルオロスルホン酸ルビジウム、フルオロスルホン酸セシウム等が挙げられ、フルオロスルホン酸リチウムが好ましい。リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド等のフルオロスルホン酸構造を有するイミド塩もフルオロスルホン酸塩として使用することができる。
フルオロスルホン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
フルオロスルホン酸塩の含有量(2種以上の場合は合計量)は、0.05質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.4質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲内であると、電池中での副反応が少なく、抵抗を上昇させにくい。
[2.非水系電解液二次電池]
本発明の一実施態様である非水系電解液二次電池は、金属イオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を有する正極と、金属イオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を有する負極とを備える非水系電解液二次電池であって、本発明の非水系電解液を含むことを特徴とする。
[2−1.非水系電解液]
非水系電解液としては、上述の本発明の非水系電解液を用いる。なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本発明の非水系電解液に対し、その他の非水系電解液を混合して用いることも可能である。
[2−2.負極]
以下に負極に使用される負極活物質について述べる。負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオン等の金属イオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はない。具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
<負極活物質>
負極活物質としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。
炭素質材料としては、(1)天然黒鉛、(2)人造黒鉛、(3)非晶質炭素、(4)炭素被覆黒鉛、(5)黒鉛被覆黒鉛、(6)樹脂被覆黒鉛等が挙げられる。
(1)天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛及び/又はこれらの黒鉛を原料に球形化や緻密化等の処理を施した黒鉛粒子等が挙げられる。これらの中でも、粒子の充填性や充放電レート特性の観点から、球形化処理を施した球状又は楕円体状の黒鉛が特に好ましい。
(2)人造黒鉛としては、コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサイルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の有機化合物を、通常2500℃以上、通常3200℃以下の範囲の温度で黒鉛化し、必要に応じて粉砕及び/又は分級して製造されたものが挙げられる。この際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いることもできる。また、ピッチの熱処理過程で分離したメソカーボンマイクロビーズを黒鉛化して得た人造黒鉛が挙げられる。更に一次粒子からなる造粒粒子の人造黒鉛も挙げられる。例えば、メソカーボンマイクロビーズや、コークス等の黒鉛化可能な炭素質材料粉体とタール、ピッチ等の黒鉛化可能なバインダーと黒鉛化触媒を混合し、黒鉛化し、必要に応じて粉砕することで得られる、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合した黒鉛粒子が挙げられる。
(3)非晶質炭素としては、タール、ピッチ等の易黒鉛化性炭素前駆体を原料に用い、黒鉛化しない温度領域(400〜2200℃の範囲)で1回以上熱処理した非晶質炭素粒子や、樹脂などの難黒鉛化性炭素前駆体を原料に用いて熱処理した非晶質炭素粒子が挙げられる。
(4)炭素被覆黒鉛としては、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛と、タール、ピッチや樹脂等の有機化合物である炭素前駆体を混合し、400〜2300℃の範囲で1回以上熱処理し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、非晶質炭素が核黒鉛を被覆している炭素黒鉛複合体が挙げられる。複合の形態は、表面全体または一部を被覆しても、複数の一次粒子を前記炭素前駆体起源の炭素をバインダーとして複合させたものであってもよい。また、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛にベンゼン、トルエン、メタン、プロパン、芳香族系の揮発分等の炭化水素系ガス等を高温で反応させ、黒鉛表面に炭素を堆積(CVD)させることでも炭素黒鉛複合体を得ることもできる。
(5)黒鉛被覆黒鉛としては、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛と、タール、ピッチや樹脂等の易黒鉛化性の有機化合物の炭素前駆体を混合し、2400〜3200℃程度の範囲で1回以上熱処理し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、黒鉛化物が核黒鉛の表面全体又は一部を被覆している黒鉛被覆黒鉛が挙げられる。
(6)樹脂被覆黒鉛としては、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛と、樹脂等を混合、400℃未満の温度で乾燥し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、樹脂等が核黒鉛を被覆している樹脂被覆黒鉛が挙げられる。
また、上記(1)〜(6)の炭素質材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
負極活物質として用いられる合金系材料としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、リチウム単体、リチウム合金を形成する単体金属及び合金、又はそれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硫化物若しくはリン化物等の化合物のいずれであってもよく、特に制限されない。リチウム合金を形成する単体金属及び合金としては、13族及び14族の金属・半金属元素(すなわち炭素を除く)を含む材料であることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズの単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<炭素質材料の物性>
負極活物質として炭素質材料を用いる場合、以下の物性を有するものであることが望ましい。
(X線パラメータ)
炭素質材料の学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が、通常0.335nm以上であり、また、通常0.360nm以下であり、0.350nm以下が好ましく、0.345nm以下が更に好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた炭素質材料の結晶子サイズ(Lc)は、1.0nm以上であることが好ましく、中でも1.5nm以上であることが更に好ましい。
(体積基準平均粒径)
炭素質材料の体積基準平均粒径は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径)であり、通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上がさらに好ましく、7μm以上が特に好ましい。また、通常100μm以下であり、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましく、25μm以下が特に好ましい。
体積基準平均粒径が上記範囲を下回ると、不可逆容量が増大して、初期の電池容量の損失を招くことになる場合がある。また、上記範囲を上回ると、塗布により電極を作製する際に、不均一な塗面になりやすく、電池製作工程上望ましくない場合がある。
(BET比表面積)
炭素質材料のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値であり、通常0.1m・g−1以上であり、0.7m・g−1以上が好ましく、1.0m・g−1以上が更に好ましく、1.5m・g−1以上が特に好ましい。また、通常100m・g−1以下であり、25m・g−1以下が好ましく、15m・g−1以下が更に好ましく、10m・g−1以下が特に好ましい。
BET比表面積の値がこの範囲を下回ると、負極材料として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなりやすく、リチウムが電極表面で析出しやすくなり、安定性が低下する可能性がある。一方、この範囲を上回ると、負極材料として用いた時に非水系電解液との反応性が増加し、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい場合がある。
<負極の構成と作製法>
電極の製造は、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のいずれの方法を用いることもできる。例えば、負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて、増粘剤、導電材、充填材等を加えてスラリーとし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスすることによって形成することができる。
また、合金系材料を用いる場合には、蒸着法、スパッタ法、メッキ法等の手法により、上述の負極活物質を含有する薄膜層(負極活物質層)を形成する方法も用いられる。
(電極密度)
負極活物質を電極化した際の電極構造は特に制限されないが、集電体上に存在している負極活物質の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.2g・cm−3以上が更に好ましく、1.3g・cm−3以上が特に好ましい。また、2.2g・cm−3以下が好ましく、2.1g・cm−3以下がより好ましく、2.0g・cm−3以下が更に好ましく、1.9g・cm−3以下が特に好ましい。
集電体上に存在している負極活物質の密度が、上記範囲を上回ると、負極活物質粒子が破壊され、初期不可逆容量の増加や、集電体/負極活物質界面付近への非水系電解液の浸透性低下による高電流密度充放電特性悪化を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、負極活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大し、単位容積当たりの容量が低下する場合がある。
[2−3.正極]
<正極活物質>
以下に正極に使用される正極活物質(リチウム遷移金属系化合物)について述べる。
<リチウム遷移金属系化合物>
リチウム遷移金属系化合物とは、Liイオンを脱離、挿入することが可能な構造を有する化合物であり、例えば、硫化物やリン酸塩化合物、リチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられる。硫化物としては、TiSやMoSなどの二次元層状構造をもつ化合物や、一般式MeMo(MeはPb,Ag,Cuをはじめとする各種遷移金属)で表される化合物等が挙げられる。リン酸塩化合物としては、オリビン構造に属するものが挙げられ、一般的にはLiMePO(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)で表され、具体的にはLiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、三次元的拡散が可能なスピネル構造や、リチウムイオンの二次元的拡散を可能にする層状構造に属するものが挙げられる。スピネル構造を有するものは、一般的にLiMe(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表され、具体的にはLiMn、LiCoMnO、LiNi0.5Mn1.5、LiCoVO等が挙げられる。層状構造を有するものは、一般的にLiMeO(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表される。具体的にはLiCoO、LiNiO、LiNi1−xCo、LiNi1−x−yCoMn、LiNi0.5Mn0.5、Li1.2Cr0.4Mn0.4、Li1.2Cr0.4Ti0.4、LiMnO等が挙げられる。
(組成)
また、リチウム含有遷移金属化合物は、例えば、下記組成式(a)で示されるリチウム遷移金属系化合物であることが挙げられる。
Li1+xMO ・・・(a)
ただし、xは通常0以上、0.5以下である。Mの主成分は、Ni、Mn、Coの少なくとも1つから選択される元素である。
なお、上記組成式(a)においては、酸素量の原子比は便宜上2と記載しているが、多少の不定比性があってもよい。また、上記組成式中のxは、リチウム遷移金属系化合物の製造段階での仕込み組成である。通常、市場に出回る電池は、電池を組み立てた後に、エージングを行っている。そのため、充放電に伴い、正極のLi量は欠損している場合があ
る。
上記の組成のリチウム遷移金属系化合物の具体例としては、例えば、Li1+xNi0.5Mn0.5、Li1+xNi0.85Co0.10Al0.05、Li1+xNi0.33Mn0.33Co0.33、Li1+xNi0.5Mn0.3Co0.2、Li1+xNi0.6Mn0.2Co0.2、Li1+xNi0.8Mn0.1Co0.1、Li1+xNi0.45Mn0.45Co0.1、Li1+xMn1.8Al0.2、Li1+xMn1.5Ni0.5等が挙げられる。
これらのリチウム遷移金属系化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上をブレンドして用いてもよい。
また、リチウム遷移金属系化合物は、異元素が導入されてもよい。異元素としては、B,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Sr,Y,Zr,Nb,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sb,Te,Ba,Ta,Mo,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Bi,N,F,S,Cl,Br,I,As,Ge,P,Pb,Sb,Si及びSnの何れか1種以上の中から選択される。
これらの異元素は、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれていてもよく、あるいは、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれず、その粒子表面や結晶粒界などに単体もしくは化合物として偏在していてもよい。
<リチウム二次電池用正極の構成と作製法>
リチウム二次電池用正極は、上述のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。
正極活物質層は、通常、正極材料と結着剤と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてスラリー状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作製される。
正極集電体の材質としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。また、形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等;炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。
なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成してもよい。
正極活物質層の製造に用いる結着剤としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して安定な材料であればよいが、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレンスチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。
なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の結着剤の割合は、通常0.1質量%以上、80質量%以下である。結着剤の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう可能性がある一方で、高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる可能性がある。
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。
その種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などを挙げることができる。
なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01質量%以上、50質量%以下である。導電材の割合が低すぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下することがある。
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極材料であるリチウム遷移金属系化合物粉体、結着剤、並びに必要に応じて使用される導電材及び増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。特に水系溶媒を用いる場合、増粘剤に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてスラリー化する。
なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の正極材料としてのリチウム遷移金属系化合物粉体の含有割合は、通常10質量%以上、99.9質量%以下である。正極活物質層中のリチウム遷移金属系化合物粉体の割合が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
また、正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
正極のプレス後の電極密度としては、通常、2.2g/cm以上、4.2g/cm以下である。
[2−4.セパレータ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、本発明の非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態の物等を用いるのが好ましい。
樹脂やガラス繊維のセパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル
スルホン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、5μm以上が好ましく、10μm以上が更に好ましい。また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下が更に好ましい。
セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
更に、セパレータとして多孔性シートや不織布等の多孔質のものを用いる場合、セパレータの空孔率は任意であるが、通常20%以上であり、35%以上が好ましく、45%以上がさらに好ましい。また、通常90%以下であり、85%以下が好ましく、75%以下がさらに好ましい。
空孔率が、上記範囲より小さ過ぎると、膜抵抗が大きくなってレート特性が悪化する傾向がある。また、上記範囲より大き過ぎると、セパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
また、セパレータの平均孔径も任意であるが、通常0.5μm以下であり、0.2μm以下が好ましい。また、通常0.05μm以上である。平均孔径が、上記範囲を上回ると、短絡が生じ易くなる。また、上記範囲を下回ると、膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状又は繊維形状のものが用いられる。
セパレータの形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のもの等が用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01〜1μm、厚さが5〜50μmのものが好適に用いられる。上記の独立した薄膜形状以外に、樹脂製の結着材を用いて上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子を、フッ素樹脂を結着材として多孔層を形成させることが挙げられる。
セパレータの非電解液二次電池における特性を、ガーレ値で把握することができる。ガーレ値とは、フィルム厚さ方向の空気の通り抜け難さを示し、100mlの空気が該フィルムを通過するのに必要な秒数で表されるため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚さ方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルムの厚さ方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは、フィルム厚さ方向の孔のつながり度合いである。本発明のセパレータのガーレ値が低ければ、様々な用途に使用することが出来る。例えば非水系リチウム二次電池のセパレータとして使用した場合、ガーレ値が低いということは、リチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。セパレータのガーレ値は、任意ではあるが、好ましくは10〜1000秒/100mlであり、より好ましくは15〜800秒/100mlであり、更に好ましくは20〜500秒/100mlである。ガーレ値が1000秒/100ml以下であれば、実質的には電気抵抗が低く、セパレータとしては好ましい。
[2−5.電池設計]
<電極群>
電極群は、上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介してなる積層構造のもの、及び上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。
電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましい。また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
電極群占有率が、上記範囲を下回ると、電池容量が小さくなる。また、上記範囲を上回ると空隙スペースが少なく、電池が高温になることによって部材が膨張したり電解質の液成分の蒸気圧が高くなったりして内部圧力が上昇し、電池としての充放電繰り返し性能や高温保存等の諸特性を低下させたり、更には、内部圧力を外に逃がすガス放出弁が作動する場合がある。
<外装ケース>
外装ケースの材質は用いられる非水系電解液に対して安定な物質であれば特に制限されない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属類、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)等が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
金属類を用いる外装ケースでは、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接により金属同士を溶着して封止密閉構造とするもの、又は、樹脂製ガスケットを介して上記金属類を用いてかしめ構造とするものが挙げられる。
上記ラミネートフィルムを用いる外装ケースでは、樹脂層同士を熱融着することにより封止密閉構造とするもの等が挙げられる。シール性を上げるために、上記樹脂層の間にラミネートフィルムに用いられる樹脂と異なる樹脂を介在させてもよい。
特に、集電端子を介して樹脂層を熱融着して密閉構造とする場合には、金属と樹脂との接合になるので、介在する樹脂として極性基を有する樹脂や極性基を導入した変成樹脂が好適に用いられる。
<保護素子>
保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)、温度ヒューズ、サーミスター、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等を使用することができる。上記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
<外装体>
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体内に収納して構成される。この外装体は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。具体的に、外装体の材質は任意であるが、通常は、例えばニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
また、外装体の形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
<電池電圧>
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、4.0V以上の電池電圧で使用される。好ま
しくは電池電圧が4.1V以上であり、更に好ましくは4.15V以上であり、最も好ましくは4.2V以上である。電池電圧を上昇させれば、電池のエネルギー密度を高めることができるからである。
一方で、電池電圧を上昇させると、正極の電位が上昇し、正極表面での副反応が増加するという問題が起きる。本発明の電解液及び電池を使用することで、上記問題を解決することができるが、電圧が高すぎると正極表面での副反応量が多くなりすぎて電池特性を悪化させる。よって、電池電圧の上限は好ましくは5V以下であり、より好ましくは4.8V以下であり、最も好ましくは4.6V以下である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
<非水系電解液の調製>
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネート(以下、「EC」。)とフルオロエチレンカーボネート(以下、「FEC」。)とエチルメチルカーボネート(以下、「EMC」。)をそれぞれ10体積%、10体積%、80体積%となるように混合した非水溶媒に対し、LiPFを1.2Mとなるように溶解させた。これを「基準電解液1」と呼ぶ。なお、基準電解液1のFECは12質量%含有されることになる。
基準電解液1に、更に式(2)で表される化合物を基準電解液1に対して、0.3質量%加え、実施例1に用いた非水系電解液を調製した。
Figure 0006945435
基準電解液1をそのまま、比較例1の非水系電解液として用いた。
基準電解液1に、更に化合物(Y)を0.3質量%加え、比較例2の非水系電解液として用いた。
基準電解液1に、更に化合物(X)として、デュラネート(登録商標)TPA−100(旭化成ケミカルズ製、以下、TPA−100と称する場合がある)を0.3質量%加え、比較例3に用いた非水系電解液を調製した。
Figure 0006945435
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛粉末98質量部に、増粘剤、バインダーとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン1質量部、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン1質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。得られたスラリーを銅箔の片面に塗布して乾燥、プレスして負極を作製した。
作製した負極は60℃で12時間減圧乾燥して用いた。
<正極の作製>
正極活物質としてコバルト酸リチウム96.8質量部に、導電助剤1.6質量部、バインダー(pVDF)1.6質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。得られたスラリーをアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥、プレスして正極を作製した。作製した正極は80℃で12時間減圧乾燥して用いた。
<電池の作製>
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレータを、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層して電池要素を作製した。この電池要素をアルミニウム(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正・負極の端子を突設させながら挿入した後、非水系電解液を袋内に0.4mL注入し、真空封止を行ない、シート状電池を作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
<特性評価試験:高温保存試験>
上記のように作製した電池を、25℃において、4.2Vまで充電し、3Vまで放電し、容量が安定するまでコンディショニング(予備充放電)を行った。その後、4.2Vまで充電した電池を60℃の環境下で14日間保存し、この時のガス発生率を測定した。
なお、ガス発生率は、アルキメデス法を用いて高温保存試験中に発生したガス量を求め、比較例1(基準電解液1をそのまま非水系電解液として使用)のガス量を100としたときの割合(%)とする(数値が小さいほど良い)。結果を表1に示す。
Figure 0006945435
上記表1より明らかなように、基準電解液1をそのまま非水系電解液として用いた比較例1に対し、本発明の特定の構造を有するイソシアネート化合物である式(2)で表される化合物を0.3質量%添加した電解液を用いた実施例1の電池では、ガス発生率が大きく減少し、ガス発生が抑制されることが確認された。一方、公知のイソシアネート化合物を使用した比較例2及び比較例3の電池では、ガス発生率は多少減少したものの、本発明の特定の構造を有するイソシアネート化合物を添加した場合には及ばなかった。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含有する、非水系電解液。
    Figure 0006945435

    (式(1)中、R、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R、Rは合計で少なくとも3つのイソシアナト基を有する。)
  2. 前記式(1)中のRは少なくとも2つのイソシアナト基を有し、Rは少なくとも1つのイソシアナト基を有する、請求項に記載の非水系電解液。
  3. 前記式(1)中のR、Rはそれぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基である、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水系電解液。
    Figure 0006945435
  5. 非水電解液に含まれる、前記式(1)で表される化合物、の含有量が0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  6. 非水電解液にフルオロエチレンカーボネートを更に含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  7. 前記、非水電解液に含まれるフルオロエチレンカーボネートの含有量が0.01質量%以上50質量%以下である、請求項に記載の非水系電解液。
  8. 前記、非水電解液に含まれるフルオロエチレンカーボネートの含有量が10質量%以上50質量%以下である、請求項に記載の非水系電解液。
  9. 金属イオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を有する正極と、金属イオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を有する負極と、非水系電解液を備える非水系電解液二次電池であって、
    非水系電解液が請求項1〜の何れか1項に記載の非水系電解液である、非水系電解液二次電池。
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