以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
無線通信装置の一例であるSTAが他のSTAと初期接続を行うために、他のSTAを発見する手順をディスカバリという。60GHzミリ波通信を用いたアプリケーションとして、例えば、高速接続が要求される自動改札機におけるデータダウンロード、及び、データセンターにおいて有線ネットワークを代替および/または補完するバックアップ無線回線等が考えられる。このようなアプリケーションでは高速な接続が求められるため、例えば100msec以下の高速なディスカバリが検討されている。
60GHzミリ波通信規格であるIEEE802.11adは、ディスカバリの手順としてアクティブスキャンを規定する。アクティブスキャンでは、BTI(Beacon Transmission Interval)の処理、A−BFT(Association-BeamForming Training)期間の処理、及びProbe交換処理の手順を含む。
図1は、STA100がアクティブスキャンを行い、他のSTA(PEER STA)を発見(ディスカバリ)する場合のブロック図の一例を示す。なお、他のアクティブスキャンを行うSTA(STA200)が共存する場合がある。PEER STAは、無線基地局(無線通信装置)の一例であるAPまたはPCP(「AP/PCP」と表現する)であってもよい。また、STA100及びSTA200は非AP/PCPのSTA(子機、端末:無線通信装置)であってもよい。なお、説明を簡単にするために、無線通信装置を、無線基地局、子機(端末)と記載するが、無線基地局は子機として動作してもよいし、子機も無線基地局として動作してもよい。
BTIにおいて、STA100は、DMG(Directional Multi-Gigabit)ビーコンフレーム(以下「DMGビーコン」と表現する場合がある)を用いた送信セクタスイープを受信または送信する。
なお、AP/PCP300は、送信セクタ(送信ビーム)を切り換えながら複数のDMGビーコンを送信する。STA100は、DMGビーコンを受信し、受信強度および/または受信品質を測定する。なお、アクティブスキャンを行うSTA100がBTIにおいて送信セクタスイープを行う場合もある。
A−BFT期間において、STA100は、SSW(Sector SWeep)フレームを用いた(STA100の)送信セクタスイープを送信または受信する。また、STA100はSSWフィードバック(SSW−FB)フレームを受信または送信する。
なお、STA100は、SSWフレーム毎に送信セクタ(送信ビーム)を切り換え、SSWフレームを送信する。AP/PCP300は、SSWフレームを受信し、受信強度および/または受信品質を測定し、測定結果を含むSSW−FBフレームをSTA100へ送信する。STA100は、SSW−FBフレームを受信し、BFTを完了する。なお、BTIにおいてSTA100が送信セクタスイープを行う場合、A−BFT期間において、AP/PCP300が送信セクタスイープを行い、STA100がSSW−FBフレームを送信する。
BFTとして、アクティブスキャンを行うSTA100は、BTI及びA−BFT期間において、送信のベストセクタ(送信に適切なビーム)を決定する。なお、ビームとは、アンテナ指向性を示す。BFTを完了した場合、STA100は、Probe交換処理において、Probe要求フレーム(以下単に「Probe要求」と表現する場合がある)を送信する。AP/PCP300は、Probe要求を受信した場合、Probe応答フレーム(以下単に「Probe応答と表現する場合がある」を送信する。
なお、BFTを行わない場合、STA100は無指向性(Omni-directional)通信を行う。しかし、60GHzミリ波通信では伝搬損失が大きいため、無指向性の送信信号をAP/PCP300へ到達させることが困難な場合がある。
STA100は、Probe交換処理により、接続先の端末(例えばAP/PCP300)、及びBSS(Basic Service Set:基本サービスセット)に関する情報を獲得する。STA100は、獲得した情報に応じて、接続先を決定する、例えば、STA100は、AP/PCP300に接続すべきか、それとも別の端末を発見すべきかを決定する。
ここで、11ad規格において、A−BFT期間は、DMGビーコンを受信した他のSTAと共有される。
図2は、STA100及びSTA200がアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。図2において、BI(ビーコン間隔)は、BTI、A−BFT期間、DTI(Data Transfer Interval:データ送信期間)を含む。例えば、STA100とSTA200が、BTIにおいてDMGビーコン(図面の「DBcn」)を受信し、A−BFT期間において送信セクタスイープ(SSWフレームの送信)を行う。
A−BFT期間において、複数のSTAが送信セクタスイープを行って競合(例えば送信パケットの衝突)が発生することにより、SSW−FBフレームを受信してBFTを完了するSTAが、高々1つとなる場合がある。図2では、AP/PCP300がSTA100宛てに送信したSSW−FBフレームをSTA100が受信し、STA200はSSW−FBフレームを受信しない。
これにより、STA100は、DTIにおいて、Probe交換処理(Probe要求の送信からProbe応答の受信までの処理)を行う。なお、AP/PCP300は、受信したProbe要求にエラーが含まれていない場合、ACKフレームを送信する。Probe要求にエラーが含まれているか否かは、例えば、FCS(Frame Check Sequence)、および/または、CRC(Cyclic Redundancy Check)によって判定されてよい。なお、ACKの説明は省略する。
BFTを完了しなかったSTA(STA200)は、次のBTI(図示しない)を待ち、BFTを再試行してもよい。しかしこの場合、処理遅延は少なくとも1ビーコン間隔(例えば100msec)に達するため、遅延が大きい。
なお、STA200は、DTIにおいてセクタスイープを開始しても良い。例えば、BTIおよびA−BFT期間においてビームフォーミングを完了しなかった(例えば競合によって失敗した)STA200が、A−BFT期間後のDTIにおいてBFTを行ってもよい。
しかしながら、DTIでは、(図示しない他のSTAによるセクタスイープ、STA100によるデータ送受信のため)無線チャネル上の干渉があり、BFTを完了する確率が低い場合がある。
(実施の形態1)
実施の形態1では、アクティブスキャンを行うSTAは、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)をSSWフレームに設定して送信し、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答の受信に対応していることを通知する。
これにより、A−BFT期間及びDTIにおいて、アクティブスキャンを行う他のSTAとセクタスイープが競合した場合でも、DR=1を含むSSWフレームを送信するSTAは、Probe応答の受信により、ビームフォーミングの完了を判断できる。よって、ビームフォーミングが完了する確率が高くなり、ディスカバリに要する時間が短縮する。
図3を用いて、STA100がアクティブスキャンを行う手順を説明する。
図3のBTIにおいて、AP/PCP300は、例えば、DMGビーコン(DBcn)毎に送信セクタを変え、DMGビーコンを送信する。
図3のBTIにおいて、STA100は、DMGビーコンを受信する。なお、他のSTA(STA200)が、同じBTIにおいてDMGビーコンを受信してもよい。
図3のA−BFT期間において、STA100は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレーム毎に送信セクタを変え、SSWフレームを送信する。
図4は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームのフォーマットの一例を示す図である。SSWフレームは、Frame Control(フレーム制御)フィールド、Duration(フレーム長)フィールド、RA(Receive(r) Address:受信アドレス)フィールド、TA(Transmit(ter) Address:送信アドレス)フィールド、SSW(セクタスイープ)フィールド、SSW Feedback(SSW−FB)フィールド、FCS(Frame Check Sequence)フィールドを含む。
SSWフィールドは、セクタスイープに関する情報を含む。例えば、STA100がSSWフレーム毎に送信セクタを変え、SSWフレームを送信する場合、セクタスイープに関する情報は、送信セクタIDである。
SSW−FBフィールドは、Sector Select(セクタ選択)サブフィールド、DMG Antenna Select(DMGアンテナ選択)サブフィールド、SNR Report(SNR:信号対ノイズ比レポート)フィールド、Poll Required(ポーリング要求)サブフィールド、Discovery Request(ディスカバリ要求、DRと記載)サブフィールド、Reserved(予約)サブフィールドを含む。
11ad規格のSSWフレーム(図示しない)は、A−BFT期間中に送信される場合、SSW−FBフィールドに7ビットのReserved(予約)サブフィールドを含むのに対し、図4のSSWフレームは、SSW−FBフィールドに6ビットの予約サブフィールドと1ビットのDiscovery Request(ディスカバリ要求)サブフィールドを含む。
セクタ選択サブフィールドは、BTI中にSTA100が受信したDMGビーコンのうち、最良の品質と判定したDMGビーコンに含まれるセクタID(第1の送信セクタ)を含む。AP/PCP300は、SSWフレームを受信し、セクタ選択サブフィールドの値を得ることによって、ベストセクタのセクタIDを決定してもよい。
ディスカバリ要求サブフィールドは、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答を、AP/PCP300に対して要求するために用いられる。つまり、ディスカバリ要求サブフィールドは、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答フレームの受信に対応していることを、AP/PCP300に対して通知するために用いられる。
図3のA−BFT期間において、AP/PCP300は、1ないし複数のSSWフレームを受信する。
AP/PCP300は、受信したSSWフレームのうち、受信品質の良いSSWフレーム中の送信セクタIDを、送信元STAのベストセクタと決定する(第2の送信セクタ)。図4において、当該送信セクタIDは、SSWフィードバックフィールドのセクタ選択サブフィールドに含まれる。
AP/PCP300は、SSW−FBフレームにベストセクタの情報を含め、STA100へ送信する。STA100は、SSW−FBフレームを受信する。
なお、STA100は、例えば、雑音の影響によるFCSのエラー、および/または、図示しない他のSTAの送信との競合によりプリアンブルを検出しないことにより、SSW−FBフレームの受信に失敗する(受信エラーという)場合がある。
なお、STA100は、SSW−FBフレームを受信した場合であっても、ACKフレームを送信しなくてもよい。従って、AP/PCP300にとって、A−BFT期間におけるSSW−FBフレームがSTA100で受信されたか否かは、不明である。AP/PCP300は、A−BFTにおいてDR=1を含むSSWフレームを受信した場合、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバックを含むProbe応答をSTA100へ送信する。
図5は、AP/PCPがDTIにおいて送信するProbe応答のフォーマットの一例を示す図である。
図5のProbe応答のフォーマットは、frame bodyを除いて、11adと同様である。
Probe応答は、Frame Body(Probe Response frame body)部を含む。図5のProbe応答のframe bodyは、11ad規格のProbe応答のframe bodyと異なり、Beamforming Feedbackエレメントを含む。
Beamforming Feedbackエレメントは、Element ID(要素ID)フィールド、Length(長さ)フィールド、Element ID Extension(要素ID拡張部)フィールド、SSW Feedback(SSW−FB)フィールドを含む。
要素IDフィールドは、Probe Response frame bodyに含まれるエレメント(例えばTimestamp、SSID、Beamforming Feedback、Vendor Specificの各エレメント)の種別の判別において用いられてもよい。要素IDフィールドの値は、エレメントの種別毎に11ad規格において規定されている。Beamforming Feedbackエレメントを判別する要素IDに、11ad規格において未使用の要素ID、例えば「222」を割り当てても良い。
Lengthフィールドは、Beamforming Feedbackの残りの部分の長さをオクテット数で表す。例えば、要素ID拡張フィールド(0又は1オクテット)とSSW Feedbackフィールド(3オクテット)を合わせたオクテット数(3又は4)が、Lengthフィールドの値として設定される。
要素ID拡張フィールドは、エレメントの種別を判別するため、要素IDフィールドの代わりに用いられても良い。Beamforming Feedbackエレメントを判別する要素IDに、11ad規格において未使用の要素IDを割り当てた場合、要素ID拡張フィールドは、使用されずに、長さが0オクテットであっても良い。
SSW Feedbackフィールドは、11ad規格のSSW−FBフィールドと同様である。つまり、図4のSSW FeedbackフィールドにおいてDiscovery RequestフィールドをReservedにした場合と同様である。
AP/PCP300は、図5のProbe応答のSSW−FBフィールドにSTA100のベストセクタを含めて送信する。よって、STA100は、SSW−FBフレームの受信エラーが発生した場合でも、ベストセクタの情報を得られる。さらに、Probe Response frame bodyには、AP/PCPに関する情報(例えばCapability Information:サポートする変調方式、伝送レートの情報を含む)及びBSSの情報(例えば、利用可能な無線帯域幅)が含まれる。よって、STA100は、A−BFT期間においてSSW−FBフレームの受信エラーが発生した場合でも、アクティブスキャンを完了できる。
また、STA100は、Probe要求の送信(図3を参照)を省略し、遅延を削減してもよい。
図3のDTIにおいて、STA100は、ビームフォーミングフィードバック(Beamforming Feedbackエレメント)を含むProbe応答を受信し、ビームフォーミングフィードバックに含まれる情報(例えばSector Selectフィールドの値)に基づき、AP/PCP300との通信に用いるベストセクタを決定する。また、AP/PCP300からのProbe応答を受信したので、AP/PCP300に対するアクティブスキャン手順によるディスカバリは完了(成功)である。
STA100は、アクティブスキャン(なお、他のAP/PCPに対する追加のディスカバリを行ってもよい)の完了後、ディスカバリしたAP/PCPを接続先と決定した場合、次を実行してもよい。すなわち、STA100は、送信アンテナをディスカバリにおいて決定したベストセクタに設定し、アソシエーション要求フレームをAP/PCPに送信しても良い。
なお、AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSW−FBフレームをSTA100へ送信した場合でも、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバックを含むProbe応答を送信しても良い。STA100は、SSW−FBフレームの受信において受信エラーが発生した場合でも、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバックを含むProbe応答を受信して良い。
これにより、例えば、STA100は、DTI中におけるビームフォーミング(SSWの送信)の再試行を回避できる。よって、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。
また、STA100は、DTIにおいて、Probe要求を送信せずに、Probe応答を受信できる。よって、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。
図6は、STA100がアクティブスキャンを行っているBI(ビーコン間隔)と同じBIにおいて、STA200がアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。なお、STA100及びAP/PCP300における図3と同じ処理については、説明を省略する。また、STA200が、図3のSTA100と同じ処理を行う場合についても、説明を省略する。
<BTIでの処理>
STA200は、BTIにおいて、DMGビーコンを受信する。なお、STA100とSTA200の場所および/またはアンテナの方向とが異なる場合、STA100のベストセクタとSTA200のベストセクタとは異なる。このため、STA100の受信したDMGビーコンのそれぞれの受信品質は、STA200の受信したDMGビーコンのそれぞれの受信品質とは異なる。
<A−BFTでの処理>
STA200は、A−BFT期間において、DR=1を含めてSSWフレームを送信する(図3のSTA100と同様)。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、DR=1を含むSSWフレームを受信する。STA100が送信するSSWフレームとSTA200が送信するSSWフレームとは、送信タイミングが同期していても良い。STA100とSTA200との場所、アンテナの方向、および/または、アンテナの指向性が異なるため、同時(例えば、同じ送信スロット)に送信されたSSWフレームであっても、STA100が送信したSSWフレームがAP/PCP300に到達し(受信され)、STA200が送信したSSWフレームがAP/PCP300に到達しない(受信されない)場合がある(図6の1個目のSSWフレーム)。
また、STA100及びSTA200が送信したSSWフレームがAP/PCP300に到達し、相互に干渉となり(衝突または競合という)、AP/PCP300はいずれのSSWフレームも受信しない場合がある(図6の2個目のSSWフレーム)。
また、STA200が送信したSSWフレームがAP/PCP300に到達し(受信され)、STA100が送信したSSWフレームがAP/PCP300に到達しない(受信されない)場合がある(図6の3個目のSSWフレーム)。
AP/PCP300は、A−BFTにおいて、受信した1つ以上のSSWフレームのうち、受信品質の良いSSWフレーム中の送信セクタID(図4のSSWフィールドに含まれる)を、送信元STA100、200のベストセクタに決定する。
AP/PCP300は、受信した1つ以上のSSWフレームに複数の送信元STAが含まれる場合、送信元STA毎にベストセクタを決定しても良い。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、受信したSSWフレームに応じ、SSW−FBフレームを送信する。例えば、AP/PCP300は、受信したSSWフレームの送信元(送信元STA)を、SSW−FBフレームの送信先としてもよい。また、AP/PCP300は、A−BFT期間の処理で決定した送信元STAのベストセクタのセクタIDを、SSW−FBフレームに含めても良い。
AP/PCP300は、A−BFT期間に受信した複数のSSWフレームに複数の送信元STAが含まれる場合、いずれか1つの送信元STAを選択し、SSW−FBフレームを送信しても良い。
AP/PCP300は、(送信元STAに関わらず)最良の受信品質であったSSWフレームの送信元の1つのSTAを選択し、SSW−FBフレームを送信しても良い。A−BFTにおける競合が発生した場合でも、STAは、SSW−FBフレームを受信してベストセクタを知り、Probe交換を行える。
AP/PCP300は、SSWフレームにDR=1を含めずに送信した送信元STAを選択し、SSW−FBフレームを送信しても良い。DR=1を含めたSTAは、後にProbe応答を受信できるので、DR=1を含めないSTAを優先する。これにより、両方のSTAが、Probe交換(Probe応答の受信)を短い遅延で行える。
図6のA−BFT期間において、AP/PCP300は、STA100へSSW−FBフレームを送信し、STA200へSSW−FBフレームを送信しない。
<DTIでの処理>
AP/PCP300は、DTIにおいて、図5のProbe応答のSSW−FBフィールドにSTA200のベストセクタを含めて、Probe応答を送信する。これにより、STA200は、A−BFT期間においてSSW−FBフレームを受信しなくても、ベストセクタの情報を得られる。
さらに、Probe Response frame bodyには、AP/PCP300に関する情報(例えばCapability Information:サポートする変調方式、伝送レートの情報を含む)及びBSSの情報(例えば、利用可能な無線帯域幅)が含まれるため、STA200は、A−BFTにおいてSSW−FBフレームを受信しなくても、アクティブスキャンを完了できる。
また、STA200は、DTIにおいて、Probe要求の送信(図2を参照)を省略し、遅延を削減してもよい。
AP/PCP300は、DTIにおいて、STA100及びSTA200宛てのProbe応答の送信に対して、複数のフレームを送信するためのTXOP(Tx Opportunity:送信機会)を取得しても良い。図2のように各STAがProbe要求を送信するためのTXOPを獲得する場合と比較し、一括でTXOPを確保できるので、送信を効率化できる。
STA100、200は、AP/PCP300からProbe応答を受信し、AP/PCP300に対するアクティブスキャン手順によるディスカバリを完了(成功)する。
図7は、STA100がAP/PCP300に対してディスカバリを行う手順の一例を示すフローチャートである。
まず、STA100はディスカバリを開始する(S001)。
次に、STA100は、BTIにおいてDMGビーコンを受信する(S002)。DMGビーコンは、AP/PCP300がセクタスイープを行うために送信されても良い。つまり、AP/PCP300は、送信セクタを切り替えることによって、無線信号の送信方向を切り替え、1以上のDMGビーコンを送信しても良い。AP/PCP300は、BTIの後にA−BFTがスケジュールされていることを示す情報エレメント及びフィールドを、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
次に、A−BFT期間がスケジュールされていない場合(S003:NO)、STA100が次のBTIを待つために、フローはS002に戻る。
A−BFT期間がスケジュールされている場合(S003:YES)、STA100は、A−BFT期間において、DR=1を含むSSWフレームを、AP/PCP300を送信先として送信する(S004)。なお、STA100は、セクタスイープを行うためにSSWフレームを送信しても良い。つまり、STA100は、送信セクタを切り替えることによって、無線信号の送信方向を切り替え、1以上のSSWフレームを送信しても良い。これは、AP/PCP300によるDMGビーコンを用いたセクタスイープに応答してSTA100がセクタスイープを行うことに相当し、レスポンダBFTという。なお、STA100は、BTIにおいて受信したDMGビーコンの受信品質に基づき、AP/PCP300のベストセクタを決定し、A−BFT期間においてベストセクタの情報(例えばセクタID)をSSWフレームに含めて送信しても良い。
AP/PCP300が、A−BFT期間において、S004のSSWフレームを受信しなかった場合(S005:NO)、SSW−FBフレーム(及びS012のProbe応答)をSTA100に送信せずに、フローはS002へ戻る。なお、このSSWフレームを受信しなかった場合には、受信エラーがある場合、および/または、受信電力が所定の閾値より低い場合が含まれてよい。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、S004のSSWフレームを受信した場合(S005:YES)、STA100のベストセクタを決定し、STA100との通信に備えて、ベストセクタの情報をメモリに格納する(S006)。
次に、AP/PCP300は、SSW−FBフレームをSTA100に送信する(S007)。AP/PCP300は、SSW−FBフレームを他のSTA200に送信しても良い。または、AP/PCP300は、いずれのSTAにもSSW−FBフレームを送信せず、DTIにおいて、Probe応答を送信してもよい(S012を参照)。または、AP/PCP300は、A−BFT期間においてSSWフレームによって通知されたベストセクタを用いて、SSW−FBフレームを送信しても良い。または、AP/PCP300は、STA100のベストセクタの情報を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
一方、STA100が、S004で送信したSSWフレームに対応する、S007のSSW−FBフレームを受信しなかった場合(S008:NO)、フローはS012へ進む。そして、STA100は、Probe応答の受信を待機する。
STA100は、S004で送信したSSWフレームに対応する、S007のSSW−FBフレームを受信した場合(S008:YES)、AP/PCP300との通信に備えて、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタの情報をメモリに格納する(S009)。
そして、STA100は、AP/PCP300と自分のSTA100との間の初期BFTを完了(成功)と判断する(S010)。つまり、STA100は、ベストセクタを用いてAP/PCP300と通信可能である。なお、ディスカバリは継続中である。
次に、STA100は、DTIにおいて、AP/PCP300にProbe要求を送信しても良い(図7に記載せず)。なお、STA100は、S004においてDR=1を含めたSSWフレームを送信し、初期BFTを完了した後、Probe要求を送信せずに、S012へ移行し、Probe応答の受信待機を行ってもよい。
一方、AP/PCP300は、Probe要求を受信し、受信エラーが無い場合、SIFS(Short InterFrame Space)(例えば3μsec)後にACKフレームをSTA100に送信する(S011)。
次に、AP/PCP300は、DTIにおいてProbe応答を送信する(S012)。AP/PCP300は、Probe応答にSTA100のベストセクタの情報を含めて送信しても良い。
STA100は、DTIにおいて、S012のProbe応答を受信する。受信したProbe応答にSTA100のベストセクタの情報が含まれている場合、STA100は、AP/PCP300との通信に備え、ベストセクタの情報をメモリに格納する(S013)。
次に、STA100は、Probe応答にSTA100のベストセクタの情報が含まれている場合、初期BFを完了(成功)と判断する(S014)。つまり、STA100は、ベストセクタを用いてAP/PCP300と通信可能である。
次に、STA100は、Probe応答に含まれるAP/PCP300、及び、AP/PCP300が管理するBSSの情報(スキャン結果)をメモリに格納する(S015)。なお、STA100のMACプロセッサは、スキャン結果をホストコントローラに通知しても良い。
そして、STA100は、AP/PCP300に対するディスカバリを完了する(S016)。STA100が、他のAP/PCP(図示しない)に対するディスカバリを行うため、同一の無線チャネルで、または、無線チャネルを切り換えた後に、フローはS001に戻り、他のAP/PCPに対するディスカバリを繰り返しても良い。
図8は、STA(通信装置)100の構成の一例を示すブロック図である。
アンテナアレーは、無線信号の送受信を行う。
受信RF(Radio Frequency)回路は、アンテナアレーが受信した無線信号を受信アナログベースバンド信号に変換する。また、受信RF回路は、PHY受信回路が指定する受信セクタID(送信ベストセクタと同じセクタでもよい)に応じ、アンテナアレーから入力される信号の受信ゲイン(利得)及び位相を変更し、受信アンテナの指向性を制御する。また、受信RF回路は、受信した送信セクタスイープフレーム毎に受信品質を測定する。
A/D(アナログディジタルコンバータ)回路は、受信アナログベースバンド信号を受信ディジタルベースバンド信号に変換する。
PHY(Physical Layer:物理層)受信回路は、受信ディジタルベースバンド信号に対し、同期、等化、復調および/または復号の処理を行い、受信フレームデータを生成する。
MAC(メディアアクセス制御)プロセッサは、受信フレームデータからMACフレームを識別し、処理する。
MACフレームを識別することは、MACフレームの種別(例えば、MACデータフレーム、DMGビーコン、Probe応答)を判別することである。また、MACフレームの処理には、例えば、FCS(Frame Check Sequence、誤り検出符号の一種)を確認してエラー検出すること、及び、識別したMACフレームのフォーマットに応じて各フィールドのデータを取得することが含まれる。
また、MACプロセッサは、MACデータフレームからユーザデータを取り出し、ホストコントローラへ出力する。また、MACプロセッサは、ホストコントローラから入力されたユーザデータから、MACデータフレームを生成する。
また、MACプロセッサは、DMGビーコンを受信した場合に、DR=1を含むSSWフレームを生成する(図7のS004を参照)。また、MACプロセッサは、DR=1を含むSSWフレームを受信した場合、Probe応答を生成しても良い(図7のS012、AP/PCP300の処理を参照)。また、MACプロセッサは、ホストコントローラに対してディスカバリ要求を行ってもよい。
MACプロセッサが生成したフレームを、送信フレームデータと呼ぶ(例えば、上記のMACデータフレーム、SSWフレーム、Probe応答を含む)。
PHY送信回路は、送信フレームデータに対し、符号化、変調、PHYフレーム形成及びフィルタリングを行い、送信ディジタルベースバンド信号を生成する。
D/A(ディジタルアナログコンバータ)回路は、送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する。
送信RF回路は、送信アナログベースバンド信号を送信無線信号に変換する。また、送信RF回路は、PHY送信回路が指定する送信セクタID(送信ベストセクタ)に応じ、アンテナアレー1001へ出力する信号の送信ゲイン(利得)及び位相を変更し、送信アンテナの指向性を制御する。
ホストコントローラは、MACプロセッサを制御し、送信ユーザデータの生成、及び/又は、受信ユーザデータの処理を行う。また、ホストコントローラは、MACプロセッサからのディスカバリ要求に応じ、Probe要求を生成し、MACプロセッサへ入力しても良い。
図9は、MACプロセッサの構成の一例を示す詳細ブロック図である。
メッセージ生成回路は、送信MACフレーム、例えばDMGビーコン、SSWフレーム、を生成する。
メッセージ処理回路は、受信MACフレームを識別し、処理する。
BFT制御回路は、BFT処理中に、メッセージ生成回路、メッセージ処理回路、PHY送信回路、PHY受信回路を制御し、DMGビーコン及びSSWフレームの送受信を制御する。BFT処理中は、例えば、図7のS002におけるBTIにおけるセクタスイープ、及びS004におけるA−BFT期間におけるセクタスイープである。また、BFT制御回路は、受信RF回路が測定した受信品質に基づきAP/PCPまたはSTAの送信ベストセクタを選択する制御信号をPHY送信回路に出力する。
以上のように、STA100は、SSWフレームにディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含めてA−BFT期間中に送信し、AP/PCP300に、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答を送信するように要求する。これにより、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信しない場合、または、STA100がSSW−FBフレームを受信しない場合もしくは受信困難な場合においても、STA100は、Probe応答をAP/PCP300から受信し、ディスカバリを完了できる。
STA100は、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信しない場合、または、STA100がSSW−FBフレームを受信しない場合もしくは受信困難な場合おいても、例えば、次のBTIまたはA−BFT期間まで、SSWフレームの送信を待機することを回避できる、又はDTIにおけるビームフォーミングを省略できる。よって、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。
STA100は、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信しない場合、および/または、STA100がSSW−FBフレームを受信しない、または、受信困難な場合でも、BFTを完了できる。よって、ベストセクタを用いてAP/PCP300との間の通信品質を高められる。また、ビームフォーミングの再試行を削減でき、AP/PCP300、および/または、他のSTAに対する干渉を低減できる。
(実施の形態1の変形例)
<変形例1−1>
AP/PCP300は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信し、応答に対応していることを示すフィールドを、DTIにおいて、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
図10は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。AP/PCP300は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信し、応答に対応していることを示すフィールドを、DTIにおいて、DMGビーコンを含めて送信する。
図11は、DMGビーコンのフォーマットの一例を示す図である。なお、DMGビーコン、DMG Beacon frame bodyは11ad規格と同様であるため、詳細な説明は省略する。
11ad規格のDMGビーコン(図示しない)は、SSWフィールドに6ビットのReserved(予約)サブフィールドを含むのに対し、図11のDMGビーコンは、SSWフィールドに5ビットの予約サブフィールドと1ビットのDiscovery Request Supported(DRS:ディスカバリ要求対応可否)サブフィールドとを含む。
STA100は、図11のDRSフィールドが1に設定された(DRS=1)DMGビーコンを受信した場合、DR=1を含むSSWフレームをA−BFT期間において送信しても良い。DRS=1が設定されているため、STA100は、AP/PCP300が図4のProbe応答を送信する機能を有していると判断できる。
STA100は、図11のDRSフィールドが1に設定されていない(DRS=0)DMGビーコンを受信した場合、DR=0に設定したSSWフレームをA−BFT期間において送信してもよい。
DMGビーコンがDiscovery Request Supported(ディスカバリ要求サポート)サブフィールドを含まない場合、STAは、AP/PCPがDR=1に対応しているか否かの判別が困難である。
従って、STAがA−BFT期間においてDR=1を含むSSWフレームを送信した場合、AP/PCP300は、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答を送信しない場合がある。
このため、STAは、DTIにおいてProbe応答を受信するための待ち受けを行うか、それとも、DTIにおけるセクタスイープを行うか、判断が困難である。この場合、例えば、STAは、DTIにおいて、一定期間Probe応答を待ち受け、その一定期間経過後にセクタスイープを行ってもよい。しかしこの場合、一定期間の待ち受けにより、遅延が増大する。
DMGビーコンがDiscovery Request Supported(ディスカバリ要求サポート)サブフィールドを含み、DRS=1である場合、STAは、A−BFT期間においてDR=1を含むSSWフレームを送信し、DTIにおいてビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答を待ち受けてもよい。また、DRS=0である場合、STAは、DTIにおけるセクタスイープを行ってもよい。これにより、STAは、一定期間の待機を省略でき、ディスカバリによる遅延を短縮できる。
<変形例1−2>
STA100は、A−BFT期間において、SSWフレームにディスカバリ要求の種別を示すフィールド又はサブフィールドを含めて送信しても良い。
図12は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。STA100、200は、A−BFT期間において、DR Typeを追記したSSWフレームを送信する。
図13は、SSWフレームのフォーマットの一例を示す図である。図4のSSWフレームのDiscovery Requestフィールドが1ビットであるのに対し、図13のSSWフレームのDiscovery Requestフィールドは2ビット以上を含む。
STA200が、Discovery Requestフィールドの値を2(Discovery request(+Multi-band))に設定してSSWフレームを送信した場合、SSWフレームを受信したAP/PCP300は、DTIにおいて、Probe応答にMulti-bandエレメントを含めて送信する。
STA200は、Multi-bandエレメントを含むProbe応答を受信した場合、アクティブスキャンを行っている周波数帯(例えば、60GHz帯)とは異なる周波数帯(例えば、2.4GHz帯、5GHz帯)に関するAP/PCP300の情報(例えば、2.4GHz帯のBSSが使用している無線チャネル番号)を得られる。
STA200は、例えば、60GHz帯においてAP/PCP300と接続を確立した後、Multi-bandエレメントで獲得した情報に基づき、60GHz帯とは異なる周波数帯(例えば2.4GHz帯)においてAP/PCP300へProbe要求又はアソシエーション要求フレームを送信し、2.4GHz帯の接続を確立しても良い。
2.4GHz帯の接続は、60GHz帯の接続が切断された場合の代替接続として用いられてもよい。STA200は、Multi-bandエレメントの情報に基づき2.4GHz帯のProbe要求フレーム又はアソシエーション要求フレームを送信するチャネルを決定できる。よって、STA200は、2.4GHz帯のうち、該当するチャネルをスキャンすることにより、2.4GHz帯におけるディスカバリの時間を短縮できる。
また、STA100が、Discovery Requestフィールドの値を3(Discovery request(+Neighbor Report))に設定してSSWフレームを送信した場合、SSWフレームを受信したAP/PCP300は、DTIにおいて、Probe応答にNeighbor Reportエレメントを含めて送信する。
STA100は、Neighbor Reportエレメントを含むProbe応答を受信した場合、AP/PCP300の周辺の他のAP/PCP300に関する情報を得られる。
STA100は、例えば、Neighbor Reportエレメントに基づいて、他のAP/PCPをアクティブスキャンにより発見できる確率が高いチャネルを選択して、アクティブスキャンを行ってもよい。これにより、他のAP/PCP300に対するディスカバリの遅延を短縮できる。
このように、STA100,200は、SSWフレームのDiscovery Requestフィールドの値を適宜設定することにより、AP/PCP300に対し、Probe要求に含める追加のエレメントの種類を要求しても良い。
図13に示すように、Discovery Requestフィールドの値と要求するエレメントの有無及び種別を対応付けても良い。また、Discovery Requestフィールドをビットマップとして定義し、ビットとエレメント毎の要求の有無とを対応付けても良い。例えば、第1ビットはDiscovery Requestの有無、第2ビットはMulti-bandエレメントの要求の有無、第3ビットはNeighbor reportエレメントの要求の有無を、1:有、0:無として通知してもよい。
<変形例1−3>
STA100及びSTA200は、A−BFT期間において、TRN−R(Receive training)サブフィールド数を示すフィールド又はサブフィールドをSSWフレームに含めて送信しても良い。
図14は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。STA2がA−BFT期間において送信するSSWフレームにTRN=1が追記され、STA2宛てProbe応答にTRN−Rサブフィールドが追加されている。
図15は、SSWフレームのフォーマットの一例を示す図である。図4のSSWフレームと比較し、図15のSSWフレームはNumber of TRN-Rサブフィールドを含み、Reservedサブフィールドのビット数が少ない。
STA200は、図15のSSWフレームのNumber of TRN-Rサブフィールドに、STA200の受信アンテナセクタ数に応じた値を含めて送信する。例えば、Number of TRN-Rサブフィールドの値の16倍が、STA200の受信セクタ数を示しても良い。
STA200は、Number of TRN-Rサブフィールドの値を1以上に設定してSSWフレームを送信した場合、SSWフレームを受信したAP/PCP300は、DTIにおいて、Number of TRN-Rサブフィールドの値に応じた数のTRN−Rサブフィールドを含むTRNフィールドをProbe応答に付加して送信する。
STA200は、TRNフィールドが付加されたProbe応答を受信した場合、TRNフィールド毎に切り替えた受信セクタを用いてTRN−Rサブフィールドを受信して、受信品質を測定し、受信アンテナのBFTを行っても良い。STA200は、受信ビームフォーミングにより、最良の受信アンテナ及び受信セクタを選択してもよい。
STA200は、送信アンテナの指向性特性と受信アンテナの指向性特性の関係が既知であるアンテナパターンレシプロシティ等を有する場合、受信アンテナのビームフォーミング結果に基づき、最良の送信アンテナ及び送信セクタを選択しても良い。
なお、アンテナレシプロシティとは、STA200が複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備える場合に、最良の送信セクタが属するアンテナ番号と、最良の受信セクタが属するアンテナ番号が同じである可能性が高くなるアンテナの構成を意味する。
例えば、第1の送信アンテナと第1の受信アンテナが同様のカバー範囲を有し(例えば、通信エリアが正面方向)、第2の送信アンテナと第2の受信アンテナが同様のカバー範囲を有し(例えば、通信エリアが背面方向)、かつ、第1の送信アンテナ及び第1の受信アンテナと、第2の送信アンテナ及び第2の受信アンテナのカバー範囲に重複が少ない場合、STA200は、アンテナレシプロシティを備える。なお、第1の送信アンテナと第1の受信アンテナは、第1の送受信共用のアンテナであってもよい。また、第2の送信アンテナと第2の受信アンテナは、第2の送受信共用のアンテナであってもよい。
なお、アンテナパターンレシプロシティとは、最良の送信セクタのセクタ番号と、最良の受信セクタのセクタ番号が同じである可能性が高くなるアンテナの構成を意味する。例えば、第1の送信アンテナと第1の受信アンテナが同様の指向性パターンを有する。また、例えば、第1の送受信共用のアンテナ(図8のアンテナアレー)が、送信時と受信時で同様の指向性パターンを有する。
STA200は、TRN−Rサブフィールドを用いて受信アンテナのBFTを行い、最良の受信セクタを選択する。よって、STA200は、AP/PCP300との通信性能を高め、Probe応答以降の処理(例えば、図示しないアソシエーション応答フレームの受信)を高速、および/または、低エラーレートで行える。
また、STA200は、TRN−Rサブフィールドを用いて受信アンテナのBFTを行った結果を用いて最良の送信セクタを選択する。よって、STA200は、SSW−FBフレームを受信しない場合であっても、AP/PCP300との通信性能を高め、Probe応答以降の処理(例えば、図示しないアソシエーション要求フレームの送信)を高速、および/または、低エラーレートで行える。
<変形例1−4>
STA100及びSTA200は、A−BFT期間において、SIFS turnoverフィールド又はサブフィールドを含めたSSWフレームを送信しても良い。
図16は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。図16では、STA200がA−BFT期間において送信するSSWフレームにSIFS=1が追記されている。
図17は、SSWフレームのフォーマットの一例を示す図である。図4のSSWフレームと比較し、図17のSSWフレームはSIFS Turnoverサブフィールドを含み、Reservedサブフィールドのビット数が少ない。
図18は、SSWフレームのフォーマットの別の例を示す図である。図17のSSWフレームと比較し、図18のSSWフレームはDiscovery Request Typeフィールドを含む。
STA100及びSTA200は、図17のDiscovery Requestフィールドの値を0に設定する代わりに、図18のDiscovery Request Typeフィールドの値を0に設定してSSWフレームを送信しても良い。STA100及びSTA200は、図17のDiscovery Requestフィールドの値を1、SIFS Turnoverフィールドを0に設定する代わりに、図18のDiscovery Request Typeフィールドの値を1に設定してSSWフレームを送信しても良い。
STA100及びSTA200は、図17のDiscovery Requestフィールドの値を1、SIFS Turnoverフィールドを1に設定する代わりに、図18のDiscovery Request Typeフィールドの値を2に設定してSSWフレームを送信しても良い。Discovery Request Typeフィールドの値「3」は、Reservedである。
図18のSSWフレームは、Reservedの設定(Discovery Request Typeフィールドの値が3)を、将来の機能拡張に用いても良い。
AP/PCP300は、SIFS Turnoverサブフィールドの値が1に設定されたSSWフレームを受信した場合、DTIにおいて、Probe応答の宛先アドレスを、例えばSTA200宛てのユニキャストアドレスに設定してProbe応答を送信する。
STA200は、宛先アドレスにユニキャストアドレスを含むProbe応答を受信した場合、SIFS時間(3μsec)後にAckフレームを送信する。STA200は、Ackフレームを送信する前に、Probe応答に含まれるビームフォーミングフィードバック情報を解析してベストセクタを決定し、送信セクタをベストセクタに設定してAckフレームを送信する。
図19は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、SIFS Turnoverサブフィールドの値が0に設定されたSSWフレームを受信した場合、DTIにおいて、Probe応答の宛先アドレスを、ブロードキャストアドレスに設定してProbe応答を送信する。
STA100は、宛先アドレスにブロードキャストアドレスを含むProbe応答を受信した場合、Probe応答に含まれるビームフォーミングフィードバック情報のアドレス(後述、図29のMACアドレスフィールド)がSTA100宛てか否かを判定し、STA100宛てである場合、ビームフォーミングフィードバック情報を解析してベストセクタを決定する。
STA200は、DTIにおいて、宛先アドレスにユニキャストアドレスを含むProbe応答を受信した場合、SIFS時間でビームフォーミングフィードバック情報の解析と送信セクタの設定を行った後、図示しないAckの送信を行ってもよい。Ackの送信を行うことにより、STA200は、高信頼の通信を行える。例えば、AP/PCP300は、宛先アドレスにユニキャストアドレスを含むProbe応答を送信し、SIFS時間後にAckフレームを受信しない場合、Probe応答の再送を行ってもよい。
STA100は、DTIにおいて、宛先アドレスにブロードキャストアドレスを含むProbe応答を受信した場合、SIFS以上の時間でビームフォーミングフィードバック情報を解析してもよい。これにより、処理能力が低いSTAであっても、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答の受信処理を行え、ディスカバリを完了できる。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、SIFS Turnoverサブフィールドの値が0に設定されたSSWフレームをSTA100から受信した場合、SSW−FBフレームをSTA100へ送信し、DTIにおいて、Probe応答にビームフィードバック情報を含めず、宛先アドレスをSTA100宛てのユニキャストアドレスに設定して、Probe応答を送信してもよい。
STA100は、SSW−FBフレームを受信後、ビームフォーミングフィードバック情報を解析する。したがって、Probe応答の受信時におけるビームフォーミングフィードバック情報の解析は省略されてもよい。これにより、STA100は、処理能力が低くても、SIFS時間後にAckフレームを送信できる。
AP/PCP300は、SIFS Turnoverサブフィールドの値が0に設定されたSSWフレームをSTA100から受信し、STA100へのSSW−FBフレームの送信を省略する場合、STA100のビームフォーミング情報を含み、宛先アドレスをブロードキャストアドレスに設定したProbe応答を送信しても良い。
STA100及びSTA200は、ビームフィードバック情報に対する処理能力に応じて、SIFS Turnoverサブフィールドの値を設定しても良い。これにより、ビームフィードバック情報に対する処理能力が低い場合であっても、ビームフォーミングフィードバック情報を含むProbe応答の受信処理を行える。よって、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。
<変形例1−5>
図20は、STAがAP/PCPに対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。図20では、STA200は、A−BFT期間において、SSWフレームの代わりにディスカバリ要求を示すフィールドを含むShort SSWパケットを送信しても良い。
図21は、Short SSWパケットのフォーマットの一例を示す図である。ディスカバリ要求を示すフィールドは、図4のディスカバリ要求サブフィールドと同様である。
Short SSWパケットはSSWフレームを含むパケットよりパケット長が短いため、STA200は、A−BFT期間において、SSWフレームよりも多数のShort SSWパケットを、Short SSWパケット毎に送信セクタを切り替えて送信する。STA200は、多数の送信セクタのトレーニングをA−BFT期間において行えるので、ビームフォーミングの精度が向上する。よって、(Probe応答受信以降の)AP/PCP300との通信品質が向上する。
また、STA200が送信するShort SSWパケットは、パケット長が短いため、他のSTA(例えば図示しないSTA100)に干渉を与える確率、および/または、他のSTAから干渉を受ける確率が低下する。これにより、AP/PCP300が複数のSTAから有効なSSWフレーム及びShort SSWパケットを受信する確率が高まる。
STA200は、図21に示すShort SSWパケットのディスカバリ要求を示すフィールドをDR=1に設定してShort SSWパケットを送信する。AP/PCP300は、複数のSTAから有効なSSWフレーム及びShort SSWパケットを受信した場合、次の処理を行う。すなわち、AP/PCP300は、SSWフレーム又はShort SSWパケットのディスカバリ要求を示すフィールドをDR=1に設定して送信したSTAに対して、BFフィードバックを含むProbe応答フレームを送信する。STA200は、Probe応答フレームを受信し、AP/PCP300に対するBFT及びディスカバリを完了できる。
このように、STA200は、ディスカバリ要求を示すフィールドを含むShort SSWパケットを送信する。よって、複数のSTAがA−BFT期間においてBFTを行う場合における、Probe応答フレームを受信し、AP/PCP300に対するBFT及びディスカバリを完了するまでの遅延が、高い確率で短くなる。
<変形例1−6>
STA200は、A−BFT期間において、SSWフレームの代わりにディスカバリ要求を示すフィールド及びコントロールトレイラ(Control Trailer)を含むShort SSWパケットを送信しても良い。
図22は、STA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。図22には、STA2がA−BFT期間において送信するShort SSWパケットにDR=1が追記されている。
図23は、Short SSWパケットのフォーマットの一例を示す図である。図20においてSTA200が用いるShort SSWパケット(通常のShort SSWパケット)は、L−STF(Legacy Short Training Field)、L−CEF(Legacy Channel Estimation Field)、L−Header(Legacy Header)、Payloadを含む。なお、図21は、Short SSWパケットのPayloadのフォーマットを示す図である。図23のShort SSWパケットは、図20のShort SSWパケットと比較し、コントロールトレイラを含む。
コントロールトレイラは、ディスカバリを行うための追加の情報である、Discovery Criteriaフィールド、Reservedフィールド及び誤り検出符号フィールド(CTCS:Control Trailer Check Sequence)を含む。Discovery Criteriaフィールドは、BSS Typeサブフィールド、Short SSID(Service Set IDentifier)サブフィールド、RNS Infoサブフィールドを含む。
STA200は、BSS Typeサブフィールドの値を、Infrastructure BSSを示す値(BSS Type=3)に設定してShort SSWパケットを送信する。AP/PCP300は、BSS(Basic Service Set)がInfrastructure BSSである場合、STA200への応答(Probe応答の送信)を行い、BSS(Basic Service Set)がInfrastructure BSSで無い(例えば、PBSS(Personal BSS、BSS Type=2)又はIBSS(independent BSS、BSS Type=1)である)場合、STA200への応答を省略しても良い。
AP/PCP300は、受信したShort SSWパケットのBSS Typeサブフィールドの値が、AP/PCP300のBSSと同じ種類を示す場合、STA200への応答を行い、異なる種類を示す場合、応答を省略しても良い。
STA200は、通信を使用するアプリケーションに応じて、接続するBSSを選択し、BSS Typeサブフィールドの値を設定してもよい。これにより、接続を意図しないアクセスポイントからの応答を抑制し、ディスカバリの遅延を減らし、AP/PCP300による不要なパケットの送信を減らせる。
例えば、STA200の使用するアプリケーションがインターネットブラウザである場合、STA200は、IPパケットを伝送するためのInfrastructure BSSのアクセスポイントに接続してもよい。また、STA200の使用するアプリケーションが大画面ディスプレイへの映像伝送である場合、STA200は、ディスプレイとの1対1通信を行うためのPBSSのPCPに接続してもよい。
STA200は、Short SSIDフィールドの値を、接続を予定するアクセスポイントのSSID(Service Set IDentifier)(BSSを識別する識別子)の32ビットハッシュ値に設定して、Short SSWパケットを送信しても良い。
AP/PCP300は、受信したShort SSWパケットのShort SSIDサブフィールドの値が、AP/PCP300のBSSのSSIDのハッシュ値と一致する場合、STA200へ応答し、一致しない場合、STA200への応答を省略しても良い。
STA200は、例えば、他のAP/PCP(図示しない)が提供する近隣のAP/PCPのSSIDのリスト、または、他の通信方式により取得したSSIDの値からAP/PCPを指定してディスカバリを行う。これにより、指定しないAP/PCPからの応答に対する処理を省略でき、ディスカバリの遅延を短縮できる。
STA200は、11ad規格に定められるRSNエレメント内のフィールドの一部が含まれるように、RSN Infoフィールドの値を定めても良い。RSN Infoフィールドの値は、無線接続におけるセキュリティ機能(例えば、秘匿、認証に関する)のサポート有無および/またはパラメータに関する情報を含む。
AP/PCP300は、受信したShort SSWパケットのRSN Infoフィールドが示すセキュリティ機能をサポートしている場合、STA200へ応答し、サポートしていない場合、STA200への応答を省略しても良い。
このように、STA200は、Discovery Criteriaフィールドの値を含むShort SSWフレームを送信する。これにより、アプリケーションに適合しないBSSのAP/PCP、または、指定しないAP/PCPからの応答に対する処理を省略でき、ディスカバリの遅延を短縮できる。
<変形例1−7>
PCP/AP300は、A−BFT期間において、DR=1を含むSSWフレームを受信したことを示すDiscovery Request AckフィールドをSSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
図24は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。図24では、STA100がA−BFT期間において送信するSSWフィールドにDR=1が追記され、AP/PCP300がA−BFT期間において送信するSSW-FBフィールドにDRA=1が追記されている。
図25は、SSW−FBフレームのフォーマットの一例を示す図である。SSW−FBフレームは、Frame Controlフィールド、Durationフィールド、RAフィールド、SSW Feedback(SSW−FB)フィールド、BRP Requestフィールド、Beamformed Link Maintenanceフィールド、FCSフィールドを含む。
SSW Feedbackフィールドは、Sector Selectサブフィールド、DMG Antenna Selectサブフィールド、SNR Reportサブフィールド、Poll Requiredサブフィールド、Discovery Request ACK(DRA)サブフィールド、Reservedサブフィールドを含む。
PCP/AP300は、A−BFT期間において、STA100からDR=1を含むSSWフレームを受信した場合、Discovery Request Ackサブフィールドの値をDRA=1に設定したSSW−FBフレームをSTA100へ送信する。
PCP/AP300は、A−BFT期間において、STA100からDR=0を含むSSWフレームを受信した場合、Discovery Request Ackサブフィールドの値をDRA=0に設定したSSW−FBフレームをSTA100へ送信する。
また、PCP/AP300は、A−BFT期間において、STA100からDR=1を含むSSWフレームを受信し、Probe応答をSTA100へ送信しない場合、A−BFT期間において、Discovery Request Ackサブフィールドの値をDRA=0に設定したSSW−FBフレームをSTA100へ送信する。
なお、「PCP/AP300がProbe応答をSTA100へ送信しない場合」は、例えば、DR=1を含むSSWフレームを受信したとしても、Probe応答を送信する機能(実施の形態1を参照)をサポートしない場合を含む。
また、「PCP/AP300がProbe応答をSTA100へ送信しない場合」は、例えば、DR=1を含むSSWフレームに含まれるDiscovery Criteriaフィールド(図23を参照)の値が、PCP/AP300の条件と合致しない(例えば、BSS Typeが異なる)場合を含む。
なお、PCP/AP300は、SSWフレームを受信しない場合、SSW−FBフレームを送信しなくてもよい。
STA100は、Discovery Request Ackサブフィールドを含むSSW−FBフレームを受信した場合、DTIにおいてProbe応答を待ち受けるか否かを判断する。
STA100は、受信したDiscovery Request Ackサブフィールドの値がDRA=1である場合、Probe応答の待ち受けを行う。これにより、STA100は、不要なProbe要求の送信を回避できる。
STA100は、受信したDiscovery Request Ackサブフィールドの値がDRA=0である場合、Probe要求の送信を行う。これにより、STA100は、Probe応答の不要な待ち受けを行うことによる遅延を回避できる。
AP/PCP300は、Discovery Request Ackサブフィールドの値をDRA=1に設定してSSW−FBフレームをSTA100へ送信した場合、Probe要求を受信するまで、Probe応答をSTA100へ送信しない。これにより、AP/PCP300は、不要なProbe応答の送信を回避できる。
<変形例1−8>
PCP/AP300は、A−BFT期間において、SSW−FBフレームを送信した後、さらに、DTIにおいて、DR=1を含むSSWフレームを受信したことを示すSSW−FBフレームの代わりのフレーム(例えば、ATIM(announcement traffic indication message)フレーム、または、SSW−ACKフレーム)を送信しても良い。
図26は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、DR=1を含むSSWフレームを、STA100及びSTA200から受信する。AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSWフレームの送信元STAのいずれか(図26ではSTA100)へSSW−FBフレームを送信しても良い。
AP/PCP300は、DTIにおいて、SSW−ACKフレームをSTA200へ送信しても良い。AP/PCP300は、SSWフレームの送信元STA100,200のうち、SSW−FBフレームを送信しなかったSTA200へSSW−ACKフレームを送信しても良い。
なお、AP/PCP300は、DTIにおいて、SSW−ACKフレームの代わりに、ATIMフレームを、STA200に送信しても良い。
STA200は、AP/PCP300からのSSW−ACKフレームを受信した場合、Probe応答の待ち受けを行う。STA200は、AP/PCP300からSSW−ACKフレームを受信しない場合、A−BFT期間におけるBFTが完了しなかったと判断し、別の手順、例えばDTIにおけるビームフォーミングを実行しても良い。これにより、STA200は、Probe応答の待ち受けを回避でき、遅延の増加を回避できる。また、STA200は、次のBTIまで待ち受けを停止するスリープ(パワーセーブ)モードに移行することによって、消費電力を低減できる。
なお、AP/PCP300は、DTIの初頭にSSW−ACKフレームを送信しても良い。SSW−ACKフレームの待ち受け時間は、Probe応答の待ち受け時間よりも短い。よって、STA200は、BFTが完了したか否かの判断を早期に行うことができ、待ち受け時間を短縮できる。
また、AP/PCP300は、A−BFT期間とDTIの間ATI(Announcement transmission interval)を設定し、ATIMフレームを送信しても良い。ATIは、DTIに比べ短い期間として設定されても良い。ATIにおけるATIMフレームの待ち受け時間は、DTIにおけるProbe応答の待ち受け時間より短いため、STA200は、BFTが完了したか否かの判断を早期に行うことができ、待ち受け時間を短縮できる。
<変形例1−9>
PCP/AP300は、DTIにおいて、STA100宛ておよびSTA200宛てのProbe応答を、DMGビーコンの送信やSSWフレームの送信と同様に、SBIFS(Short BeamForming Interframe Space)間隔(1μsec)で連続送信しても良い。
図27は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
PCP/AP300は、A−BFT期間において、複数のSTAからDR=1を含むSSWフレームを受信する。
PCP/AP300は、DTIにおいて、各STA宛てのProbe応答を、SBIFS間隔(1μsec)又はSIFS間隔(3μsec)のように、短い間隔で送信する。
なお、AP/PCP300は、Probe応答の宛先アドレスをブロードキャストアドレスに設定しても良い。これにより、Probe応答を受信したSTAはACKフレームの送信を省略できるため、AP/PCP300は、Probe応答を、短い間隔で送信できる。
このように、PCP/AP300は、複数のSTAに対して効率よくProbe応答を送信でき、STA100及びSTA200は、Probe応答の待ち受けに要する時間を短縮できる。
<変形例1−10>
PCP/AP300は、DTIにおいて、複数のSTA(例えばSTA100及びSTA200)のビームフォーミングフィードバック情報を、Probe応答に含めて送信しても良い。
図28は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
図29は、Probe応答のフォーマットの一例を示す図である。図29のProbe応答は、図5のProbe応答と比較し、Beamforming FeedbackエレメントにMACアドレスフィールドを追加する。
AP/PCP300は、図29において、Probe応答のProbe Response frame bodyに複数のBeamforming Feedbackフレームを含めても良い。例えば、AP/PCP300は、Probe Response frame bodyに2個のBeamforming Feedbackフレームを含め、第1のBeamforming FeedbackフレームにSTA100に関するビームフォーミングフィードバック情報を含め、MACアドレスフィールドをSTA100のMACアドレスに設定してもよい。また、AP/PCP300は、第2のBeamforming FeedbackフレームにSTA200に関するビームフォーミングフィードバック情報を含め、MACアドレスフィールドをSTA200のMACアドレスに設定してもよい。
AP/PCP300は、STA100宛てフレームの送信に用いるセクタと、STA200宛てフレームの送信に用いるセクタとが同一である場合、STA100及びSTA200のビームフォーミングフィードバック情報を1つのProbe応答に含め、同一のセクタを用いて送信しても良い。例えば、STA100がSSWフレームに含めるフィードバック情報が指定するAP/PCP300の最良セクタと、STA200がSSWフレームに含めるフィードバック情報が指定するAP/PCP300の最良セクタとが同一の場合、AP/PCP300は、STA100宛てフレームの送信に用いるセクタと、STA200宛てフレームの送信に用いるセクタとに、同一のセクタを設定してもよい。
このように、AP/PCP300は、複数のSTA宛のProbe応答の情報を、1つのProbe応答のそれぞれのBeamforming Feedbackフレームに含める。これにより、複数のProbe応答の送信(フレーム毎のキャリアセンス、バックオフを含む)に要する遅延を、1つのProbe応答の送信に要する遅延に、短縮できる。
<変形例1−11>
PCP/AP300は、DTIにおいて、STA100からのProbe応答を要求する情報をProbe応答に含めて送信しても良い。
図30は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
PCP/AP300は、DTIにおいて、STA100からのProbe応答を要求する情報をProbe応答に含めて送信する。例えば、図29のProbe応答のBeamforming Feedbackフィールドに1ビットのSolicit Probe Responseサブフィールドを追加し、サブフィールドの値を1に設定する。Beamforming Feedbackフィールドは一例であり、Solicit Probe Responseサブフィールドは、Beamforming Feedbackフィールド以外のフィールドに追加されても良い。また、Beamforming Feedbackフィールド以外のフィールドのReservedサブフィールドをSolicit Probe Responseサブフィールドに置き換えても良い。
STA100は、Solicit Probe Responseサブフィールドが1に設定されたProbe応答を受信した場合、送信権を獲得した後(例えば、キャリアセンスを行う)、Probe応答をAP/PCP300宛てに送信する。
AP/PCP300は、STA100宛てのProbe要求の送信を省略してProbe応答を受信する。これにより、AP/PCP300は、無線リソースの消費を削減して、STA100の情報を獲得できる。
<変形例1−12>
PCP/AP300は、DTIにおいて、Probe応答にTRN−Rサブフィールドを含むTRNフィールドを付加して送信しても良い。TRN−Rサブフィールドについては、図22の説明ですでに説明したので、ここでの説明は省略する。
図31は、STA100及びSTA200がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
STA200は、DTIにおいて、受信するTRN−Rサブフィールド毎に受信セクタを切り替えることで、受信ビームフォーミングのトレーニングを行ってもよい。STA200は、受信ビームフォーミングのトレーニングの結果に応じて、最良の受信セクタを決定する。
なお、STA200は、アンテナパターンレシプロシティを有する場合、及び、送信アンテナと受信アンテナの指向性パターンの対応が既知である場合、受信ビームフォーミングのトレーニングの結果から、最良の送信セクタを選択しても良い。このように決定された最良の送信セクタは、Probe応答のフィードバック情報に比べ、高精度となり得る。よって、STA200は、通信の品質を改善できる。
図32は、通信装置(AP/PCP300及びSTA200)の構成の一例を示すブロック図である。図8及び図9と同様であるが、PHY送信回路及びPHY受信回路を詳細に記載した。
AP/PCP300は、DTIにおいてProbe応答を送信する場合、MACプロセッサのメッセージ生成回路がProbe応答のフレームデータ(図5を参照)を生成し、PHY送信回路へ入力する。PHY送信回路は、フレームデータを符号化、および、変調することによって、フレームデータを生成する。
また、PHY送信回路は、TRNサブフィールド生成部を含む。TRNサブフィールド生成部は、TRN−Rサブフィールドを生成する。PHY送信回路は、フレームデータとTRN−Rサブフィールドを結合し、D/Aにおいてアナログ信号に変換し、送信RF回路から送信する。
STA200は、TRN−Rサブフィールドが付加されたProbe応答を受信した場合、MACプロセッサのBFTモジュールは、TRN−Rサブフィールド毎に、受信セクタを切り替えるように、PHY受信回路を制御する。MACプロセッサからPHY受信回路へ出力される制御信号(CONTROL)の一例として、TRN−Rサブフィールドの受信に用いる受信セクタ番号のリストがある。
PHY受信回路は、MACプロセッサより入力された制御信号、及び、Probe応答に付加されているPHYヘッダの情報に基づき、受信RF回路を制御し、受信セクタの切換えを制御する。
また、PHY受信回路は、TRNサブフィールドプロセッサを含む。TRNサブフィールドプロセッサは、受信したTRN−Rフィールドの信号から、受信セクタ毎の受信品質(例えば、受信信号電力、S/N比)を算出する。
PHY受信回路は、TRNサブフィールドプロセッサが算出した受信セクタ毎の受信品質を、MACプロセッサへ通知する(ブロック図に記載しない)。MACプロセッサのBFTモジュールは、受信セクタ毎の受信品質から、最良の受信セクタを決定し、さらに、アンテナパターンレシプロシティの情報から、最良の送信セクタを決定してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行い、AP/PCPが受信した場合について述べた。実施の形態2では、(1)STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行わない場合、及び、(2)STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行ったが、他のSTAとの送信の競合等によりAP/PCPがSSWフレームを受信しなかった、または、受信エラーが発生した場合のSTA及びAP/PCPの動作について説明する。
図33Aは、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う実施の形態2の手順の一例を示す図である。
図33Aは、APがSSW−FBフレームを送信する場合を示し、図33Bは、APがSSW−FBフレームを送信しない場合を示す。
図33A及び図33BのBTIにおいて、AP/PCP300は、DMGビーコン毎に送信セクタを変更し、1つ以上のDMGビーコンを送信する。
図33A及び図33BのBTIにおいて、STA100は、DMGビーコンを受信する。なお、他のSTA(STA200)が、同じBTIにおいてDMGビーコンを受信してもよい。
STA100のA−BFT期間における動作として、以下があげられる。
(1)STA100がA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行わない場合、AP/PCP300は、SSW−FBフレームを送信しない。
(2)STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行ったが、他のSTAとの送信の競合等によりAP/PCPがSSWフレームを受信しなかった、または、受信エラーが発生した場合、AP/PCP300は、(1)、(2)において、SSW−FBフレームを送信しない。
(3)STA100はA−BFT期間においてDR=1を含まないSSWフレームを送信し、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信したが、STA100が受信しない。
STA100は、上記(1)、(2)、(3)の状況において、以下の手順を適用しても良い。
STA100は、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを、SSWフレーム毎に送信セクタを変えて送信する。SSWフレームのフォーマットは図4と同様であるので、ここでの説明は省略する。
AP/PCP300は、DTIにおいて、1つ以上のSSWフレームを受信する。
AP/PCP300は、受信したSSWフレームのうち、受信品質の良いSSWフレーム中の送信セクタIDを、送信元STAのベストセクタと決定する。
AP/PCP300は、SSW−FBフレームに決定したベストセクタの情報を含め、STA100へ送信する。
STA100は、SSW−FBフレームを受信した場合、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタを用いてSSW−ACKフレームを送信する。
AP/PCP300は、DTIにおいて受信したSSWフレームにディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)が含まれる場合、SSW−FBに対するSSW−Ackを受信した後、送信機会(TXOP)を獲得し、Probe応答を送信する。AP/PCP300は、Probe応答にビームフォーミングフィードバック情報を含めてよい。また、AP/PCP300は、ビームフォーミングフィードバック情報を省略して、Probe応答を短縮しても良い。
STA100は、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバック(Beamforming Feedbackエレメント)を含むプローブ応答フレームを受信し、ビームフォーミングフィードバックに含まれる情報(例えばSector Selectフィールドの値)に基づき、AP/PCP300と、通信におけるベストセクタを決定する。なお、STA100は、AP/PCP300からのProbe応答を受信したため、AP/PCP300に対するアクティブスキャン手順によるディスカバリは完了(成功)である。
STA100は、A−BFT期間において、BFT(セクタスイープ)を行い、SSW−FBフレームを受信しない場合であっても、DTIにおいて、Probe応答を受信できる。これにより、STA100はBFTの再試行を省略でき、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。また、STA100はProbe要求の送信を省略でき、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。
図33Bは、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う実施の形態2の手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、DTIにおいて、SSW−FBフレームにベストセクタの情報を含めてSTA100へ送信する前までに、当該AP/PCP300の受信アンテナにおいて他のSTA(図示しない)からの信号を検出した場合、送信信号の衝突を避けるため、SSW−FBフレームを送信しない。
また、AP/PCP300は、STA100からのSSWフレームを受信する前または後に、図示しない他のSTA200からRTSフレーム及びDMG CTSフレームを受信し、STA200が送信権を獲得したことを検出し、さらに、STA200の送信権が満了していない場合、SSW−FBフレームを送信しない。
STA100は、AP/PCP300からのSSW−FBフレームを受信しないため、SSW−ACKフレームを送信しない。
AP/PCP300は、受信したSSWフレームにディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)が含まれる場合、STA100が持つ送信権(STA100が、SSWフレームの送信及びSSW−FBフレームの受信に利用)が終了した後、STA100との送信権を獲得し、Probe応答にビームフォーミングフィードバック情報を含めて送信する。
なお、AP/PCP300は、SSW−FBフレームを送信したが、STA100からSSW−ACKフレームを受信しない場合、Probe応答にビームフォーミングフィードバック情報を含めて送信してもよい。
STA100は、DTIにおいて、ビームフォーミングフィードバック(Beamforming Feedbackエレメント)を含むProbe応答を受信し、ビームフォーミングフィードバックに含まれる情報(例えばSector Selectフィールドの値)に基づき、AP/PCP300と通信に用いるベストセクタを決定する。また、AP/PCP300からのProbe応答を受信したため、AP/PCP300に対するアクティブスキャン手順によるディスカバリは完了(成功)である。
図33Bでは、STA100は、DTI中にBFT(例えばセクタスイープ)を行い、AP/PCP300からのSSW−FBフレームを受信しない場合であっても、AP/PCP300のProbe応答を受信できる。これにより、STA100はBFTの再試行を省略でき、ディスカバリによるデータ通信開始までの遅延を短縮できる。また、STA100は、Probe要求の送信も省略でき、ディスカバリによるデータ通信開始までの遅延を短縮できる。
図34は、図33A及び図33Bにおける、STA100がディスカバリを行う手順の一例を示すフローチャートである。
まず、STA100はディスカバリを開始する(S101)。
次に、STA100は、BTIにおいて、AP/PCP300から送信されたDMGビーコンを受信する(S102)。なお、DMGビーコンは、AP/PCP300が、セクタスイープを行うために送信しても良い。つまり、AP/PCP300は、DMGビーコン毎に送信セクタを切り替えることによって、無線信号(DMGビーコン)の送信方向を切り替え、1つ以上のDMGビーコンを送信しても良い。また、AP/PCP300は、BTIの後にA−BFT期間がスケジュールされているか否かを示す情報エレメント及びフィールドを、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
次に、STA100においてA−BFT期間がスケジュールされていない場合(S103:NO−T1)、フローはS201へ進み、STA100はDTIにおけるビームフォーミングを行う。または、STA100において送信機会(TXOP)が得られない場合(S103:NO−T2)、フローはS102に戻り、STA100はDTIにおけるビームフォーミングを行うことなく、次回のBTIを待機してもよい。
S201において、STA100は、BFTのために、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを、SSWフレーム毎に送信セクタを変更し、送信する(図33A、図33B参照)。SSWフレームのフォーマットは図4と同様である。ここで、STA100は、BTIにおいて受信したS102のDMGビーコンの受信品質から、AP/PCP300のベストセクタを決定し、ベストセクタのセクタIDをSSWフレームのSector Selectサブフレームに含めて送信してよい。
一方、AP/PCP300は、S201のディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信し、STA100のベストセクタを決定し、STA100との通信に備え、ベストセクタの情報をメモリに格納する(S202)。
次に、AP/PCP300は、SSW−FBフレームをSTA100へ送信する(S203)。AP/PCP300は、SSW−FBフレームを他のSTAへ送信しても良い(図33A参照)。また、AP/PCP300は、SSWフレームにより通知されたベストセクタを用いて、SSW−FBフレームを送信しても良い。また、AP/PCP300は、STA100のベストセクタの情報を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。なお、前述の通り、AP/PCP300は、例えば他のSTA(図示しない)からの信号を検出した場合、SSW−FBフレームを送信しない場合がある(図33B参照)。
一方、STA100は、AP/PCP300からSSW−FBフレームを受信しなかった場合(S204:NO)、後述するS211に進み(S205:A−3)、Probe応答の受信を待機する。なお、STA100が所定時間内にProbe応答を受信しなかった場合、従来の11ad規格のSTAと同様に、フローはS201へ進み、STA100はDTIにおいてセクタスイープを再試行してもよいし(S205:A−1)(図33A及び図33Bに図示せず)、または、フローはS102へ進み、STA100は次のA−BFT期間においてセクタスイープを再試行してもよい(S205:A−2)(図33A及び図33Bに図示せず)。ここで、SSW−FBフレームを受信しない場合には、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信しない場合も含まれる。
STA100は、AP/PCP300からSSW−FBフレームを受信した場合(S204:YES)、AP/PCP300との通信に備え、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタの情報をメモリに格納する(S206)(図33A参照)。
次に、STA100は、SSW−FBフレームをエラー無く受信したことをAP/PCP300へ通知するため、SSW−ACKフレームを送信し(S207)、フローは後述のS208へ進む。
一方、S103において、STA100においてA−BFT期間がスケジュールされている場合(S103:YES)、STA100は、A−BFT期間において、AP/PCP300を送信先としてSSWフレームを送信する(S104)(図33A、図33Bに図示せず)。なお、STA100は、セクタスイープを行うためにSSWフレームを送信しても良い。つまり、STA100は、SSWフレーム毎に送信セクタを切り替え、無線信号(SSWフレーム)の送信方向を切り替え、1つ以上のSSWフレームを送信しても良い。これは、AP/PCP300によるDMGビーコンを用いたセクタスイープに応答して、STA100がセクタスイープを行うことから、レスポンダBFTという。また、STA100は、BTIにおいて受信したDMGビーコンの受信品質に基づき、AP/PCP300のベストセクタを決定し、ベストセクタの情報(例えばセクタID)をSSWフレームに含めて送信しても良い。
AP/PCP300がS104のSSWフレームを受信しなかった場合(S105:NO)、フローは、STA100へのSSW−FBフレームの送信を省略して、S201へ進む。ここでのSSWフレームを受信しない場合には、受信エラーがある場合、および/または、受信電力が閾値より低い場合が含まれてよい。
AP/PCP300は、S104のSSWフレームを受信した場合(S105:YES)、STA100のベストセクタを決定し、STA100との通信に備え、ベストセクタの情報をメモリに格納する(S106)。
次に、AP/PCP300は、SSW−FBフレームをSTA100へ送信する(S107)。なお、AP/PCP300は、SSWフレームを受信した他のSTAへSSW−FBフレームを送信しても良い。また、AP/PCP300は、SSWフレームにより通知されたベストセクタを用いて、SSW−FBフレームを送信しても良い。また、AP/PCP300は、STA100のベストセクタの情報を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
一方、STA100が、S104で送信したSSWフレームに対応するS107のSSW−FBフレームを受信しなかった場合(S108:NO)、フローは、DTIにおいてビームフォーミングを行うため、S201へ進む。
STA100は、S104で送信したSSWフレームに対応するS107のSSW−FBフレームを受信した場合(S108:YES)、AP/PCP300との通信に備え、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタの情報をメモリに格納する(S109)。
そして、STA100は、S207又はS109を完了した場合、AP/PCP300とSTA100と間の初期BFTを完了(成功)と判断する(S208)。つまり、STA100は、ベストセクタを用いてAP/PCP300と通信可能であると判断する。なお、この時点ではまだディスカバリは完了していない。
次に、STA100は、DTIにおいて、Probe要求をAP/PCP300に送信する(S209)。
一方、AP/PCP300は、DTIにおいて、S208のProbe要求を受信し、受信エラーが無いと判断した場合、SIFS(3μsec)後にACKフレームをSTA100に送信する(S210)。
そして、AP/PCP300は、Probe応答を送信する(S211)。なお、AP/PCP300は、Probe応答に、STA100のベストセクタの情報を含めて送信しても良い。
一方、STA100は、S211のProbe応答を受信し、受信エラーが無いと判断した場合、SIFS(3μsec)後にACKフレームを送信する(S212)。
次に、STA100は、Probe応答に含まれるAP/PCP300及びAP/PCP300が管理するBSSの情報(スキャン結果)をメモリに格納する(S213)。なお、STA100のMACプロセッサは、スキャン結果をホストコントローラに通知しても良い。
そして、STA100は、以上のAP/PCP300に対するディスカバリを完了する(S214)。STA100は、他のAP/PCP(図示しない)に対するディスカバリを行うため、同一の無線チャネルで、または、無線チャネルを切換えて、S101に移行し、ディスカバリを繰り返しても良い。
(実施の形態2の変形例)
なお、図33A、図33Bにおいて、AP/PCP300は、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームの受信に対応していることを示すフィールドを、DMGビーコンに含めて送信しても良い(図11のDMGビーコンのフォーマットを参照)。
また、STA100は、DTIにおいて、ディスカバリ要求の種別を示すフィールド又はサブフィールドを、SSWフレームに含めて送信しても良い(図13のSSWフレームのフォーマットを参照)。
また、STA100は、DTIにおいて、TRN−Rサブフィールド数を示すフィールド又はサブフィールドを、SSWフレームに含めて送信しても良い(図15のSSWフレームのフォーマットを参照)。AP/PCP300は、DTIにおいて、Number of TRN-Rサブフィールドの値に応じた数のTRN−Rサブフィールドを含むTRNフィールドを、Probe応答に付加して送信してもよい(図15のプローブ応答フレームを参照)。
また、STA100は、DTIにおいて、SIFS Turnoverフィールド又はサブフィールドを、SSWフレームに含めて送信しても良い(図17のSSWフレームのフォーマットを参照)。
また、STA100は、DTIにおいて、SSWフレームの代わりにDiscovery Requestフィールドを含むShort SSWパケットを送信しても良い(図21のShort SSWパケットのフォーマットを参照)。
また、PCP/AP300は、DTIにおいて、DR=1を含むSSWフレームを受信したことを示すDiscovery Request Ackフィールドを、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
PCP/AP300は、実施の形態2において、STA100からのProbe応答を要求する情報を、Probe応答に含めて送信しても良い(図30参照)。STA100は、DTIにおいてProbe応答を要求する情報を含むProbe応答を受信した場合、送信機会(TXOP)を獲得し、Probe応答をAP/PCP300へ送信する。
PCP/AP300は、DTIにおいて、Probe応答にTRN−Rサブフィールドを含むTRNフィールドを付加して送信しても良い(図31参照)。STA100は、DTIにおいて、TRN−Rサブフィールド毎に受信セクタを切り替え、TRN−Rサブフィールドを受信し、受信セクタのトレーニングを行ってもよい。
通信装置(STA100)は、A−BFT期間がスケジュールされない場合(図33A、図33B)、及びA−BFT期間におけるBFTが完了しない場合、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを、SSWフレーム毎に送信セクタを変えて送信する。通信装置(AP/PCP300)は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信した場合、BFT結果の情報を含むProbe応答を、通信装置(STA100)へ送信する。
これにより、通信装置(STA100)は、通信装置(AP/PCP300)がSSW−FBフレームを送信しない場合、または、SSW−FBフレームの受信エラーがある場合(図33B)であっても、ビームフォーミング及びディスカバリを完了できる。よって、ディスカバリに要する期間を短縮できる。
通信装置(STA100)は、ディスカバリ中にビームフォーミングを完了することにより、通信装置(AP/PCP300)との通信を開始できる状態となる。よって、データ通信を開始するまでの手続きにかかる期間を短縮できる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び2においては、STA100は、AP/PCP300が送信するDMGビーコンを受信することによってアクティブスキャンを行う場合(Discovery Mode=0という)の例を示した。実施の形態3においては、STA100がDMGビーコンを送信することによってビームフォーミングを開始し、アクティブスキャンを行う方法(Discovery Mode=1という)について説明する。
図35は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う実施の形態3の手順の一例を示す図である。
STA100は、BTIにおいて、DMGビーコン毎に送信セクタを切り替え、Discovery Modeフィールドの値を1に設定したDMGビーコンを送信する。
AP/PCP300は、BTIにおいて、Discovery Modeフィールドの値を1に設定したDMGビーコンを受信する。また、受信したDMGビーコンの受信品質を測定し、STA100のベストセクタを選択する。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSWフレーム毎に送信セクタを切り替え、SSWフレームを送信する。AP/PCP300は、STA100のベストセクタの情報をSSWフレームに含めて送信してもよい。
STA100は、SSWフレームを受信し、受信したSSWフレームの受信品質を測定し、測定結果に基づいて、AP/PCP300のベストセクタを選択する。
STA100は、A−BFT期間において、SSWフレームを受信した場合、ディスカバリ要求フィールドを1に設定したSSW−FBフレームを送信する。STA100は、AP/PCP300のベストセクタの情報をSSW−FBフレームに含めてもよい。
AP/PCP300は、ディスカバリ要求フィールドを1に設定したSSW−FBフレームを受信した場合、送信機会(TXOP)を獲得し、Probe応答をSTA100宛てに送信する。
STA100は、Probe応答を受信し、ACKフレームをAP/PCP300に返答する。これにより、STA100は、AP/PCP300のディスカバリを完了する。
このように、STA100は、Discovery Mode=1のアクティブスキャンを行う場合に、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSW−FBフレームを送信する。これにより、STA100は、Probe要求の送信を省略してProbe応答を受信でき、ディスカバリに要する時間を短縮できる。
図36は、STA100がDiscovery Mode=1のアクティブスキャンによりディスカバリを行う手順(図35)の一例を示すフローチャートである。
まず、STA100は、ディスカバリを開始する(S301)。
次に、STA100は、BTIにおいて、Discovery Modeフィールドの値を1に設定したDMGビーコンを送信する(S302)。つまり、STA100は、DMGビーコン毎に送信セクタを切り替えることによって、無線信号(DMGビーコン)の送信方向を切り替え、1つ以上のDMGビーコンを送信しても良い。また、STA100は、BTIの後にA−BFT期間がスケジュールされているか否かを示す情報エレメント及びフィールドを、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
一方、AP/PCP300がBTIにおいてS302のDMGビーコンを受信しなかった場合(S303:NO)、フローはS306へ進む。この場合、AP/PCP300は、後述するS305のSSWフレームの送信を行わない。
AP/PCP300は、BTIにおいてS302のDMGビーコンを受信した場合(S303:YES)、受信したDMGビーコンの受信品質を測定し、測定結果に応じて、STA100のベストセクタを選択する(S304)。
次に、AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSWフレームをSTA100に送信する(S305)。ここで、AP/PCP300は、SSWフレーム毎に送信セクタを切り替え、1つ以上のSSWフレームを送信してもよい。また、AP/PCP300は、SSWフレームにSTA100のベストセクタ(例えばS303において測定した受信品質)の情報を含めて送信しても良い。そして、フローはS306へ進む。
S306において、STA100は、A−BFT期間においてSSWフレームを受信しなかった場合(S306:NO)、S302に戻り、DMGビーコンを再送しても良い。このSSWフレームを受信しない場合には、AP/PCP300がS305のSSWフレームの送信を行わない場合、及び/又は、他のSTAの送信との競合や受信感度の不足によりS306においてSTA100がSSWフレームを受信しない場合等も含まれる。なお、STA100は、予め定められた回数のDMGビーコンの再送を行った場合、現在の無線チャネルにおけるディスカバリ、または、AP/PCP300に対するディスカバリを終了しても良い。
S306において、STA100は、A−BFT期間においてSSWフレームを受信した場合(S306:YES)、AP/PCP300のベストセクタを選択し、AP/PCP300との通信に使用するため、ベストセクタの情報をメモリに格納する(S307)。
次に、STA100は、A−BFT期間においてディスカバリ要求を示すフィールドに1を設定(DR=1)したSSW−FBフレームを送信する(S308)。ここで、STA100は、SSWフレームによってAP/PCP300から通知されたSTA100の送信ベストセクタを使用して、SSW−FBフレームを送信してよい。また、STA100は、AP/PCP300のベストセクタの情報をSSW−FBフレームに含めてよい。
一方、AP/PCP300がA−BFT期間においてS308のSSW−FBフレームを受信しなかった場合(S309:NO)、フローはS302に戻り、AP/PCP300は受信を待機する。
AP/PCP300は、A−BFT期間においてS308のSSW−FBフレームを受信した場合(S309:YES)、STA100との通信に使用するために、SSW−FBフレームに含まれるAP/PCP300の送信ベストセクタの情報をメモリに格納する(S310)。
次に、AP/PCP300は、自分のAP/PCP300とSTA100との間におけるBFTを完了と判断する(S311)。
次に、AP/PCP300は、S309で受信したSSW−FBフレームにおいてディスカバリ要求を示すフィールドに1が設定(DR=1)されている場合、DTIにおいてProbe応答をSTA100に送信する(S312)。
STA100がDTIにおいてS312のProbe応答を受信しなかった場合(S313:NO−1)、フローはS312へ戻り、AP/PCP300がProbe応答を再送しても良い。ここでのSTA100がProbe応答を受信しなかった場合には、例えば、STA100がACKフレームをAP/PCP300へ送信しなかった場合が含まれる。または、STA100がS313でProbe応答を受信しなかった場合(S313:NO−2)、フローはS302へ戻り、STA100がDMGビーコンの送信を再試行しても良い。
STA100は、DTIにおいてProbe応答を受信した場合(S313:YES)、ACKフレームを、AP/PCP300へ送信する(S314)。
次に、STA100のMACプロセッサ(図8を参照)は、スキャン結果(例えばProbe応答に含まれるAP/PCP300の情報及び受信品質)を、ホストコントローラへ通知する(S315)。
そして、STA100は、AP/PCP300のディスカバリを完了と判断する(S316)。
なお、実施の形態3(図35)において、11ad規格のSSW−FBフレームに含まれるReserved bitの1つを、ディスカバリ要求を示すフィールドに変更して用いてもよい。
STA100は、Discovery Mode=1のアクティブスキャンによりディスカバリを行う場合、ステップS308において、ディスカバリ要求を示すフィールドをSSW−FBフレームに含め、フィールドの値を1に設定して送信する。AP/PCP300は、DR=1を含むSSW−FBフレームを受信した場合、Probe応答をSTA100へ送信する。これにより、STA100は、Probe要求の送信を省略して、AP/PCP300のディスカバリを完了でき、ディスカバリに要する時間を短縮できる。
(実施の形態3の変形例)
<変形例3−1>
なお、図35において、図30と同様に、AP/PCP300は、STA100からのProbe応答を要求するフィールドをProbe応答に含めて送信しても良い。STA100は、AP/PCP300からのProbe応答を要求するフィールドを含むProbe応答を受信した場合、送信機会を獲得し、Probe応答をAP/PCP300へ送信しても良い。
<変形例3−2>
STA100は、図35に示すA−BFT期間において、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)をSSW−FB含むフレームに含めて送信する代わりに、図35に示すBTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)をDMGビーコンに含めて送信しても良い。
図37は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
STA100は、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを送信する。
AP/PCP300は、BTIにおいて受信したDMGビーコンがDR=1を含む場合、A−BFT期間において、SSWフレームを送信し、SSW−FBフレームを受信した後、送信機会(TXOP)を獲得し、DTIにおいて、Probe応答を、STA100宛てに送信する。
変形例3−1においては、11ad規格のDMGビーコンに含まれるReserved bitの1つを、ディスカバリ要求を示すフィールドに変更して用いてもよい。
また、別の方法として、11ad規格ではDMGビーコンはExtensible(拡張可能)と定められているため、ディスカバリ要求を示すフィールドを、Reserved bitを使用せずに、拡張追加しても良い。これにより、実施の形態3(図35)と比較し、SSW−FBフレームのReserved bitが減らないため、Reserved bitを将来の拡張用に確保できる。
<変形例3−3>
STA100は、A−BFT期間において、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)をSSW−FBフレームに含めて送信する代わりに、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)、及びディスカバリ基準を示すエレメント(一例として、Requested SSIDエレメント)を、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
図38は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSW−FBフレームを受信し、DTIにおいて受信したDMGビーコンがDR=1を含み、ディスカバリ基準を満たす場合、送信機会(TXOP)を獲得し、Probe応答をSTA100宛てに送信する。
図39は、DMGビーコンのフォーマットの一例を示す図である。図39では、11ad規格のDMGビーコンフィールドと比較し、SSWフィールドの1つのReserved bitを、Discovery Requestフィールドとして用いている。STA100は、Discovery Requestフィールドの値を1に設定する場合、11ad規格に規定されていないRequested SSIDエレメントを、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
Requested SSIDエレメントは、ディスカバリ対象となるAP/PCPに関する情報を含む。例えば、Requested SSIDエレメントは、SSIDフィールドを含み、AP/PCPのSSIDの値を含む。Requested SSIDエレメントは、Short SSIDフィールドを含んでも良い。
また、STA100は、DMG CapabilitiesエレメントをDMGビーコンに含めて送信してもよい。
ここで、11ad規格においても、DMG CapabilitiesエレメントをDMGビーコンに含めてもよいが、例えばセクタ数が多いSTA(例えばAP/PCP300)が、DMG Capabilitiesエレメントを用いた場合、DMGビーコンの送信に要する無線リソースの消費が増加し、非効率である。
なお、STA100がAP/PCP300と比べて小さいセクタ数を持つ場合、STA100は、DMG CapabilitiesエレメントをDiscovery Mode=1のDMGビーコンに含めてよい。これにより、無線リソースの消費の増加が抑制され、AP/PCP300は、STA100に関する情報(DMG Capabilitiesエレメントに含まれる)の取得において、STA100へのProbe要求の送信を省略できる。
なお、STA100は、Requested SSIDエレメントの代わりに、または、Requested SSIDエレメントに加えて、ディスカバリ対象を限定する情報(例えば、図23のBSS Type、Short SSID、RSN Info)を含むエレメントをDMGビーコンに含めて送信しても良い。
このように、STA100は、ディスカバリ基準に関する情報を含めてDiscovery Mode=1のDMGビーコンを送信するので、アプリケーションに適合しないBSSのAP/PCP、または、指定しないAP/PCPからのA−BFT期間における応答を回避できる。よって、A−BFT期間における競合を回避でき、例えばSSWフレームの受信失敗によるディスカバリの時間の増加を抑制できる。
<変形例3−4>
AP/PCP300は、A−BFT期間において、STA100が送信するSSW−FBフレームにおけるディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)に対する応答をサポートするか否かを示すフィールドを、SSWフレームに含めて送信しても良い。
図40は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、STA100が送信するSSW−FBフレームにおけるディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)に対する応答をサポートするか否かを示すフィールド(DRS:Discovery Request Supported)を、SSWフレームに含めて送信する。
STA100は、受信したSSWフレームのDRSフィールドの値が1の場合、A−BFT期間においてディスカバリ要求を示すフィールドを1に設定(DR=1)してSSW−FBフレームを送信し、Probe応答の待ち受けを行う。
STA100は、受信したSSWフレームのDRSフィールドの値が0の場合(図示しない)、A−BFT期間においてディスカバリ要求を示すフィールドを0に設定(DR=0)してSSW−FBフレームを送信し、Probe応答の待ち受けを行う代わりに、例えばProbe要求をAP/PCP300へ送信する。
STA100は、SSWフレームに含まれるDRSの値に応じて、SSW−FBフレームを送信後にProbe応答の待ち受けを行うか否かを判断できるので、不要な待ち受けを回避でき、ディスカバリに要する時間を削減できる。
<変形例3−5>
STA100は、A−BFT期間において、1に設定したディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含めたSSW−FBフレームに、コントロールトレイラを付加して送信しても良い。コントロールトレイラは、一例として、図23のフォーマットを用いても良く、ここでの説明は省略する。
図41は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、コントロールトレイラが付加されたSSW−FBフレームを受信する。AP/PCP300は、コントロールトレイラの値が示すディスカバリ基準がAP/PCP300に適合する場合(例えば、Short SSIDの値が一致する場合、BSS Typeが一致する場合)、DTIにおいてProbe応答の送信を行ってもよい。
このように、STA100は、ディスカバリ基準に関する情報を含むコントロールトレイラを付加してSSW−FBフレームを送信する。よって、例えば、アプリケーションに適合しないBSSのAP/PCP、または、指定しないAP/PCPがProbe応答を送信することを回避でき、他のSTA(図示しない)への干渉の発生を低減できる。
不要なProbe応答を送信する場合と比較して、SSW−FBフレームへのコントロールトレイラの付加は、無線リソースの消費が小さく、効率的である。
以上より、通信装置(STA)100は、Discovery Mode=1のアクティブスキャンを行う場合、ディスカバリ要求を示すフィールドをSSW−FBフレームに含めて送信する。これにより、STA100は、Probe要求の送信を省略でき、遅延が大きいバックオフまたは再送処理の発生を回避できるため、ディスカバリに要する時間の増加を回避できる。
(実施の形態4)
実施の形態2では、STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行わない場合、及び、STAがA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行ったが他のSTAとの送信の競合等によりAP/PCPがSSWフレームを受信しなかった、または、受信エラーが発生した場合、STA100がDTIにおいてセクタスイープを行う場合について説明した。実施の形態4では、実施の形態2のDTIのセクタスイープの一形態として、STA100がDiscovery Mode=1のDMGビーコンを送信する場合について説明する。
図42は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
図42のBTIにおいて、AP/PCP300は、DR=1を含まないDMGビーコンを、DMGビーコン毎に送信セクタを変えて送信する。
図42のBTIにおいて、STA100は、DMGビーコンを受信する。なお、他のSTA(図示しないSTA200)が、同じBTIにおいてDMGビーコンを受信してもよい。
STA100がA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行わない場合、及び、STA100がA−BFT期間においてBFT(SSWフレームの送信)を行ったが、AP/PCP300が、他のSTAとの送信の競合等により、SSWフレームを受信しなかった、または、AP/PCP300において、受信エラーが発生した場合、AP/PCP300はSSW−FBフレームを送信することを省略し、以下の手順を適用してもよい。
また、STA100が、A−BFT期間においてDR=1を含まないSSWフレームを送信し、AP/PCP300がSSW−FBフレームを送信したが、STA100が受信できなかった場合も、以下の手順を適用しても良い。
STA100は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを、DMGビーコン毎に送信セクタを変え、送信する。STA100は、DMGビーコンに、AP/PCP300のベストセクタを含めて送信する。
図43は、DMGビーコンのフォーマットの一例を示す図である。DMGビーコンは、例えばSSWフィールドを含み、Discovery Requestフィールドを含む。
また、DMGビーコンは、Beamforming Feedbackエレメントを含む。Beamforming Feedbackエレメントは、エレメントを識別するフィールド(例えば、Element ID、Length、Element ID Extensionフィールド)、AP/PCP300のMACアドレスを示すMACアドレスフィールド、及びビームフォーミングフィードバック情報を含むSSW Feedbackフィールドを含む。
SSW Feedbackフィールドは、11ad規格のSSW Feedbackフィールドと同様のサブフィールドを含んでも良い。また、サブフィールドの説明は図4の説明を参照してもよい。よって、ここでの説明は省略する。
STA100は、Beamforming FeedbackエレメントをDiscovery Mode=1のDMGビーコンに含める。これにより、STA100は、MACアドレスフィールドが示すSTA(例えばAP/PCP300)のビームフォーミングフィードバック情報(例えばSSW Feedbackフィールドの内容)を通知できる。
図44は、DMGビーコンのフォーマットの別の例を示す図である。図44は、図43と異なり、Discovery RequestフィールドをBeamforming FeedbackエレメントのSSW Feedbackフィールドに含める。これにより、SSW Feedbackフィールドのフォーマットが図4と同一になるため、AP/PCP300における受信処理が容易になる。
AP/PCP300は、図42のDTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)及びベストセクタの情報を含むDMGビーコンを受信し、STA100との通信のため、受信したベストセクタの情報に基づき、送信アンテナをベストセクタに設定する。
AP/PCP300は、DTIにおいて、STA100へProbe応答を送信する。STA100は、Probe応答を受信し、ディスカバリを完了する。
STA100は、BTIにおいてAP/PCP300からのDMGビーコンを受信し、A−BFT期間におけるBFTを完了しない場合、DTIにおいてベストセクタの情報を含めてディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを送信する。これにより、AP/PCP300は、DTIにおいてベストセクタの情報を獲得することができ、SSWフレームの送信及びSSW−FBフレームの受信(実施の形態3参照)を省略し、Probe応答を送信できる。
これにより、STA100は、AP/PCP300に対してA−BFT期間におけるBFTを完了しない場合においても、ディスカバリに要する時間の増加を回避できる。
図45は、STA100がディスカバリを行う手順の一例を示すフローチャートである。図7(実施の形態1)と同一の処理には同一の番号を付与して説明を省略する。
まず、STA100はディスカバリを開始する(S001)。次に、STA100は、BTIにおいてDMGビーコンを受信する(S002)。
STA100は、A−BFT期間がスケジュールされていない場合(S403:NO−1)、Discovery Mode=1のDMGビーコンを送信するために、S421へ移行する。S421の説明については後述する。なお、STA100は、実施の形態1と同様に、次のBTIを待つため、S002に戻ってもよい(図45のS403:NO−2、及び、図42のDTIを参照)。
次に、STA100は、A−BFT期間がスケジュールされている場合(S403:YES)、SSWフレームを送信する(S404)。なお、ここでは、STA100は、図7のS004の場合と異なり、SSWフレームにDR=1を設定しない(図2のA−BFT期間を参照)。
AP/PCP300がS404のSSWフレームを受信しなかった場合(S405:NO−1)、フローはS002に戻る(図2のA−BFT期間を参照)。この場合、SSW−FBフレーム(及びS012におけるProbe応答)は、STA100に送信されない。ここで、SSWフレームを受信しない場合には、受信エラーがある場合、または、受信電力がpredeterminedな値より低い場合等が含まれる。または、AP/PCP300がS404のSSWフレームを受信しなかった場合(S405:NO−2)、フローは後述するS421に移行してもよい。
AP/PCP300は、S404のSSWフレームを受信した場合(S405:YES)、SSWフレームに基づきベストセクタを決定する(S406)。次に、AP/PCP300は、SSW−FBフレームをSTA100に送信する(S407)(図2のA−BFT期間を参照)。そして、フローはS408へ進む。
S408において、STA100は、AP/PCP300からSSW−FBフレームを受信しなかった場合(S408:NO)、Discovery Mode=1のDMGビーコンを送信するため、S421へ移行する(図2のA−BFT期間を参照)。
S421において、STA100は、DMGビーコン毎に送信セクタを変え、Discovery Mode=1のDMGビーコンを送信する(S421)(図42のDTIを参照)。なお、STA100は、S002において受信したAP/PCP300のDMGビーコンの受信品質に基づき、Discovery Mode=1のDMGビーコンにAP/PCP300のベストセクタ情報を含めて送信しても良い。また、STA100は、DMGビーコンにスケジューリング情報を含め、AP/PCP300によってDMGビーコンに設定されたスケジューリング(時刻)とは異なるBTI、A−BFT期間、DTIを設定しても良い。
一方、AP/PCP300は、S421のDMGビーコンを受信し、STA100との通信のために、DMGビーコンに含まれるベストセクタ情報をメモリに格納する(S422)。これにより、STA100とAP/PCP300との間のBFTが完了する(図42のDTIを参照)。そして、AP/PCP300は、SSWフレームの送信を省略し、S435へ移行する(図42のDTIを参照)。この点が実施の形態3の場合と異なる。
S408において、STA100は、AP/PCP300からSSW−FBフレームを受信した場合(S408:YES)、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタの情報をメモリに格納する(S431)。そして、STA100は、AP/PCP300と自分のSTA100との間の初期BFTを完了(成功)と判断する(S432)。S432及びS432の処理は、それぞれ、図7のS009及びS010の処理と同様である。
次に、STA100は、DTIにおいてProbe要求をAP/PCP300に送信する(S433)。
一方、AP/PCP300は、Probe要求を受信し、受信エラーが無い場合、SIFS(3μsec)後にACKフレームを送信する(S434)。このS434の処理は、図7のS011の処理と同様である。そして、フローはS435へ進む。
S435において、AP/PCP300は、Probe応答をSTA100に送信する(S435)。なお、AP/PCP300は、S422において、DMGビーコンの受信品質を測定してSTA100のベストセクタを決定し、S012においてSTA100のベストセクタの情報をProbe応答に含めても良い(図42のDTIを参照)。
一方、STA100は、S435のProbe応答を受信し、SIFS(3μsec)後にACKフレームをAP/PCP300に送信する(S436)。
次に、STA100は、S436のProbe応答に含まれるスキャン結果をメモリに格納する(S437)。このS437の処理は、図7のS015の処理と同様である。
そして、STA100は、AP/PCP300に対するディスカバリを完了する(S438)。このS438の処理は、図7のS016の処理と同様である。
(実施の形態4の変形例)
<変形例4−1>
図42において、AP/PCP300は、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを受信し、応答可能を示すフィールドを、BTIにおいて、DMGビーコンに含めて送信しても良い。
<変形例4−2>
STA100は、複数のAP/PCP(図示しない)に関してベストセクタ情報を取得済みである場合、DTIにおいて、複数のBeamforming Feedbackエレメントを、DMGビーコンに含めても良い。後述の手順により、STA100は、複数のAP/PCPに関するProbe応答を取得するための遅延を短縮し、アクティブスキャンを早期に完了できる。
<変形例4−3>
STA100は、DTIにおいて、ディスカバリ基準を示すエレメントを、DMGビーコンに含めて送信しても良い(実施の形態3の変形例3−2を参照)。
<変形例4−4>
STA100は、DTIにおいて、ディスカバリ要求の種別を示すフィールド又はサブフィールドを、DMGビーコンに含めて送信しても良い(実施の形態1の変形例1−2、図13を参照)。また、AP/PCP300は、DTIにおいて、ディスカバリ要求の種別に応じた付加情報を、Probe応答に含めて送信しても良い。
<変形例4−5>
なお、STA100は、DTIにおいて、TRN−Rサブフィールド数を示すフィールド又はサブフィールドを含めたDMGビーコンを送信しても良い(図14、図15を参照)。
AP/PCP300は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含み、TRN−Rサブフィールド数が1以上を示すフィールド又はサブフィールドを含むDMGビーコンを受信した場合、DTIにおいて、TRN−Rサブフィールドを付加したProbe応答を送信しても良い。
<変形例4−6>
なお、PCP/AP300は、DTIにおいて、STA100からProbe応答を要求する情報を、Probe応答に含めて送信しても良い(図30を参照)。
<変形例4−7>
PCP/AP300は、DTIにおいて、図42のProbe応答の代わりに、BSSに関する情報(例えば、Probe応答含まれる情報であるAP/PCP300のDMG Capabilities、STA100がディスカバリを完了するために必要な情報)を含むDMGビーコンを送信しても良い。
図46は、STA100がディスカバリを行う手順の一例を示す図である。
PCP/AP300は、DTIにおいて、図42のDTIにおけるProbe応答の代わりに、BSSに関する情報を含むDMGビーコンを送信する。DMGビーコンは、Probe応答に含まれるエレメントの全部又は一部を含んでも良い。
STA100は、DTIにおいてAP/PCP300が送信したDMGビーコンを受信することにより、AP/PCP300のディスカバリに用いる情報を獲得し、ディスカバリを完了する。
また、図示しない他のSTAは、DTIにおいて、AP/PCP300が送信したDMGビーコンを受信することにより、BTIにおけるAP/PCP300によるDMGビーコンの送信から、DTIにおけるSTA100によるDMGビーコンの送信までを省略してディスカバリを完了してもよい。
AP/PCP300は、BTIにおいて、送信するDMGビーコンに全てのBSSに関する情報を含めず(一部含めても良い)、DTIにおいて送信するDMGビーコンに全てのBSSに関する情報を含めてもよい。
ここで、AP/PCP300は、BTIにおけるDMGビーコンをBI毎に繰り返し送信するため(つまり送信回数が多いため)、全てのBSSに関する情報を含めないことによって、多くの無線リソースの消費量を抑制できる。
また、DTIにおけるDMGビーコンの送信は、Discovery Mode=1のDMGビーコンを受信した場合に行われるため、不要なDMGビーコンの送信が抑制され、無線リソースを効率的に利用できる。例えば、ディスカバリを行っているSTAが存在しない場合における、BSSに関する情報を含むDMGビーコンの送信を、回避できる。
以上のように、STA100が、BTIにおいて、AP/PCP300からDMGビーコンを受信し、A−BFT期間におけるBFTを完了しない場合、STA100は、DTIにおいて、ベストセクタの情報を含めてディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを送信する。これにより、AP/PCP300は、ベストセクタの情報を獲得でき、A−BFT期間におけるSSWフレームの送信及びSSW−FBフレームの受信(実施の形態3参照)を省略し、DTIにおいて、Probe応答を送信できる。
これにより、STA100は、AP/PCP300に対してA−BFT期間におけるBFTを完了しない場合においても、ディスカバリに要する時間の増加を回避できる。
また、DTIにおいて、AP/PCP300がディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを受信した場合、DTIにおけるSSWフレームの送信を省略してProbe応答を送信する。これにより、DTIにおけるSSWフレームを送信することによる他のSTA(図示しない)への干渉の増加を回避できる。
(実施の形態5)
実施の形態3では、STA100が、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を、Discovery Mode=1のDMGビーコンに含めて送信し、AP/PCP300は、A−BFT期間において、BFTが完了した場合、DTIにおいて、Probe応答を送信する手順について説明した。本実施の形態では、AP/PCP300は、Probe応答の代わりに、A−BFT期間において、BSSに関する短縮情報をSSWフレーム及びShort SSWパケットに含めて送信し、STA100におけるディスカバリの時間を短縮する方法について説明する。
図47は、STA100がAP/PCP300に対しアクティブスキャンを行う実施の形態5の手順の一例を示す図である。
STA100は、DTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を、Discovery Mode=1のDMGビーコンに含めて送信する。
AP/PCP300は、DTIにおいて、DMGビーコンを受信する。
AP/PCP300は、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含む、Discovery Mode=1のDMGビーコンを受信した場合、A−BFT期間において、BSSに関する短縮情報をSSWフレーム及びShort SSWパケットに含めて送信する。なお、図47では、AP/PCP300は、Short SSWパケットを送信する。
図48は、BSSに関する短縮情報を含むShort SSWパケットのフォーマットの一例を示す図である。なお、図23と同じフィールドおよびサブフィールドは説明を省略する。
Short SSWパケットはコントロールトレイラを含み、コントロールトレイラは、例えば、Reduced Discovery Informationフィールドを含む。
Reduced Discovery Informationフィールドは、STA100がディスカバリを完了するために必要な情報、例えば、BSS Type、Short SSID、RSN Info、Reduced Capabilitiesフィールドを含む。
Reduced Capabilitiesフィールドは、例えば、STA100がディスカバリを完了した後に初期接続(Association、Authentication)を行うために必要な情報を含む。例えば、AP/PCP300がサポートするAuthentication手順やセキュリティアルゴリズムの種別を含む。
Reduced Capabilitiesフィールドは、例えば、DMG Privacyフィールド、ECAPC(Extended centralized access point or personal basic service set control point cluster) Policyフィールドを含む。
STA100は、図47のA−BFT期間において、BSSに関する短縮情報を含むShort SSWパケットを受信する。
STA100は、受信したBSSに関する短縮情報に基づき、Probe要求を送信するか否かを判断する。例えば、Reduced Capabilitiesフィールドは、AP/PCP300に関する全ての情報を含むわけではないため、STA100が使用する機能に関する情報がReduced Capabilitiesフィールドに含まれない場合、DTIにおいて、Probe要求を送信すると判断する。
また、例えば、Reduced Capabilitiesフィールドは、AP/PCP300の複数のオプション機能に関し、AP/PCP300が各オプション機能をサポートするか否かを示すビットを含むが、各オプション機能に関するパラメータは含まない。
このため、STA100は、AP/PCP300がサポートするオプション機能を使用し、オプション機能に関する追加パラメータが不足している場合、DTIにおいて、AP/PCP300へProbe要求を送信してもよい。
STA100は、AP/PCP300からのProbe応答を受信することにより、オプション機能に関する追加パラメータを取得できる。
なお、STA100は、AP/PCP300がサポートするオプション機能を使用しない場合、または、オプション機能を使用し、オプション機能に関する追加パラメータが充足している場合、AP/PCP300へProbe要求の送信を省略してもよい。STA100は、使用するオプション機能の種別に応じ、AP/PCP300へProbe要求を送信するか否かを決定しても良い。
STA100は、A−BFT期間においてSSWフレーム及びShort SSWパケットを受信した場合、AP/PCP300へSSW−FBフレームを送信してもよい。
AP/PCP300は、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含む、Discovery Mode=1のDMGビーコンを受信した場合、A−BFT期間において、BSSに関する短縮情報を含むShort SSWパケットを送信し、さらに、Probe応答を送信しないため、STA100は、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。また、AP/PCP300は、Probe応答を送信しないため、他のSTAに与える干渉を低減できる。
また、STA100は、BSSに関する短縮情報に基づき、DTIにおいて、Probe要求を送信するか否かを判断するため、不要なProbe要求の送信を削減し、ディスカバリに要する遅延を短縮し、他のSTAに与える干渉を低減できる。
図49は、STA100がDiscovery Mode=1のアクティブスキャンによりディスカバリを行う手順の一例を示すフローチャートである。実施の形態3の図36と同じ処理には同じ番号を付与し、説明を省略する。
まず、STA100は、ディスカバリを開始する(S301)。
次に、STA100は、BTIにおいて、Discovery Modeフィールドの値を1に設定したDMGビーコンを送信する(S302)。
AP/PCP300がBTIにおいてS302のDMGビーコンを受信しなかった場合、または、他の理由が存在する場合(例えば干渉が検出された場合)(S303:NO)、フローは後述のS506に進む。この場合、AP/PCP300は、後述のS505におけるShort SSWフレームの送信を省略する。
AP/PCP300は、BTIにおいてS302のDMGビーコンを受信した場合(S303:YES)、AP/PCP300は、ベストセクタを選択する(S304)。そして、AP/PCP300は、A−BFT期間において、Short SSWパケットをSTA100に送信する(S505)。なお、AP/PCP300は、Short SSWパケット毎に送信セクタを切り替え、Short SSWパケットを送信してもよい。また、AP/PCP300は、Short SSWパケットにSTA100のベストセクタ(例えばS303のDMGビーコンによって測定)の情報を含めて送信しても良い。また、AP/PCP300は、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むDMGビーコンを受信した場合、Short SSWパケットにコントロールトレイラを付加し、BSSに関する短縮情報を含めて送信してもよい。
STA100がA−BFT期間においてS505のShort SSWパケットを受信しなかった場合(S506:NO)、フローはS302に戻り、STA100はDMGビーコンの送信を再試行しても良い。ここでのShort SSWパケットを受信しなかった場合には、S505においてAP/PCP300がShort SSWパケットの送信を行わなかった場合、および/または、他のSTAの送信との競合や受信感度の不足によってSTA100がShort SSWパケットを受信しなかった場合等が含まれてよい。なお、STA100は、予め定められた回数の試行を行った場合、該当無線チャネル及びAP/PCP300のディスカバリを終了しても良い。
STA100は、A−BFT期間において、Short SSWパケットを受信した場合(S506:YES)、AP/PCP300のベストセクタを選択し、今後AP/PCP300との通信に使用するため、ベストセクタの情報をメモリに格納する。また、STA100は、Short SSWパケットのコントロールトレイラに含まれるBSSに関する短縮情報に基づき、Probe要求を送信するか否かを決定する(S507)。なお、このS507において、STA100がProbe要求の送信を省略すると決定した場合、フローはS517に進み、ディスカバリを完了しても良い。
STA100は、SSW−FBフレームをAP/PCP300に送信する(S508)。
一方、AP/PCP300は、S508のSSW−FBフレームを受信した場合(S509:YES)、SSW−FBフレームに含まれる送信ベストセクタの情報をメモリに格納する(S510)。なお、AP/PCP300がS508のSSW−FBフレームを受信しなかった場合、フローはS302に戻ってもよい(S509:NO−1)。または、この場合、フローはS517に進み、ディスカバリを完了してもよい(S509:NO−2)。
次に、AP/PCP300は、自分のAP/PCP300とSTA100との間におけるBFTが完了したと判断する(S511)。
一方、STA100は、S507でProbe要求を送信すると決定した場合(S512−1:NO)、Probe要求をAP/PCP300に送信し(S512−2)、フローはS513に進む。なお、STA100は、S507でProbe要求の送信を省略すると決定した場合、S512−2の処理を行わず(S512−1:YES)、フローはS517へ進み、ディスカバリを完了する。
一方、AP/PCP300は、S512のProbe要求を受信し、SIFS後にACKフレームをSTAに送信する(S513)。
次に、AP/PCP300は、Probe応答をSTA100に送信する(S514)。
一方、STA100は、S514のProbe応答を受信し、SIFS後にACKフレームをAP/PCP300に送信する(S515)。
次に、STA100のMACプロセッサ(図8を参照)は、スキャン結果(例えばProbe応答に含まれるAP/PCP300の情報、及び受信品質)をホストコントローラへ通知する(S516)。
そして、STA100は、AP/PCP300のディスカバリを完了する(S517)。
図50は、通信装置(AP/PCP300及びSTA100)の構成の一例を示すブロック図である。図32と同じ構成要素は説明を省略する。
MACプロセッサは、コントロールトレイラメッセージ生成回路及びコントロールトレイラメッセージ処理回路を含む。
A−BFT期間において、AP/PCP300のコントロールトレイラメッセージ生成回路は、BSSに関する情報(例えば、ホストコントローラより入力される)に基づきBSSに関する短縮情報を生成し、コントロールトレイラ(図48を参照)のデータを生成し、PHY送信回路に入力する。PHY送信回路は、コントロールトレイラのデータを符号化、および/または、変調し、Short SSWパケットに付加して、送信する。
A−BFT期間において、STA100は、コントロールトレイラが付加されたShort SSWパケットを受信し、PHY受信回路は、Short SSWパケット本体及びコントロールトレイラの復調、および/または、復号を行い、Short SSWデータ及びコントロールトレイラのデータを生成し、MACプロセッサに入力する。コントロールトレイラメッセージ処理回路は、コントロールトレイラのデータから、BSSに関する短縮情報を生成し、ホストへ出力する。
メッセージ生成回路は、受信したBSSに関する短縮情報に基づき、Probe応答の送信を行うと判断した場合、Probe要求のデータを生成し、PHY送信回路へ入力する。
HOSTは、受信したBSSに関する短縮情報、Probe応答の情報(Probe要求)を、ディスカバリの結果として受信する。
(実施の形態5の変形例)
<変形例5−1>
STA100は、BTIにおいて、BSSに関する短縮情報を含むコントロールトレイラを付加したShort SSWパケットの受信をサポートするか否かを示すフィールドをDMGビーコンに含めても良い。
<変形例5−2>
AP/PCP300は、A−BFT期間において、コントロールトレイラに含める情報は、FILS(First Initial Link Setup規格、IEEE802.11ai)に定められる、ディスカバリ情報であってもよい。
<変形例5−3>
STA100は、A−BFT期間において、図35と同様に、ディスカバリ要求を含むフィールド(DR=1)を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。STA100は、Probe要求の送信を必要と判断した場合に、ディスカバリ要求を含むフィールド(DR=1)を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
AP/PCP300は、ディスカバリ要求を含むフィールド(DR=1)を含むSSW−FBフレームを受信した場合、DTIにおいて、Probe応答をSTA100へ送信する。
STA100は、Probe要求の送信を行うと判断した場合に、Probe要求を送信する代わりに、A−BFT期間において、ディスカバリ要求を含むフィールド(DR=1)をSSW−FBフレームに含めて送信することにより、AP/PCP300からのProbe応答を受信してもよい。
<変形例5−4>
STA100は、A−BFT期間において受信したBSSに関する短縮情報に基づき、AP/PCP300がディスカバリの対象ではないと判断し、Probe要求の送信を中止しても良い。例えば、BSS Typeが、STA100が使用するアプリケーションに応じたBSS Typeと適合しない場合である。
以上のように、AP/PCP300が、BTIにおいて、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含む、Discovery Mode=1のDMGビーコンを受信した場合、AP/PCP300は、BSSに関する短縮情報を含むShort SSWパケットを送信し、Probe応答の送信を省略する。これにより、STA100は、ディスカバリに要する遅延を短縮できる。また、AP/PCP300は、Probe応答の送信を省略するため、他のSTAに与える干渉を低減できる。
また、STA100は、A−BFT期間において受信したBSSに関する短縮情報に基づき、Probe要求を送信するか否かを判断する。これにより、不要なProbe要求の送信を削減し、ディスカバリに要する遅延を短縮し、他のSTAに与える干渉を低減できる。
(実施の形態6)
AP/PCP300は、A−BFT期間においてDR=1を含むSSWフレームを受信した場合、実施の形態1においてはProbe応答を送信するが、実施の形態6では、SSW−FBフレームにコントロールトレイラ(実施の形態5のShort SSWに付加したものと同様)を付加して送信し、STA100のディスカバリを早期に完了させる。
図51は、STA100がアクティブスキャンを行う手順の一例を示す図である。
AP/PCP300は、BTIにおいて、DMGビーコン毎に、送信セクタを切り替え、DMGビーコンを送信する。
STA100は、BTIにおいて、DMGビーコンを受信し、AP/PCP300のベストセクタを決定する。
STA100は、A−BFT期間において、AP/PCP300のベストセクタの情報、及びディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを送信する。
AP/PCP300は、SSWフレームを受信し、STA100のベストセクタを決定する。
AP/PCP300は、A−BFT期間において、SSW−FBフレームにSTA100のベストセクタの情報を含め、コントロールトレイラを付加して送信する。コントロールトレイラには、BSSに関する短縮情報を含める(図48を参照)。
STA100は、A−BFT期間において、コントロールトレイラが付加されたSSW−FBフレームを受信する。コントロールトレイラを復調、および/または、復号し、BSSに関する短縮情報を取得する。
STA100は、BSSに関する短縮情報に基づき、AP/PCP300からのProbe応答の情報を要求するか否かを決定する。つまり、Probe要求フレームを送信するか否かを決定する。
STA100は、BTIにおいて、AP/PCP300からのDMGビーコンを受信した場合、Probe交換(Probe要求フレームの送信とProbe応答の受信)を行う前に、SSW−FBフレームによって、BSSに関する短縮情報を取得し、AP/PCP300がディスカバリ対象のAP/PCPか否かを判定する。よって、不要なProbe交換が行われないため、ディスカバリに要する遅延を短縮でき、他のSTA(図示しない)に対する干渉を抑制できる。
なお、STA100は、A−BFT期間において、DR=1を含めずにSSWフレームを送信しても良い。AP/PCP300は、受信したSSWフレームにDR=1を含むか否かに関わらず、A−BFT期間においてコントロールトレイラを付加したSSW−FBフレームを送信しても良い。
コントロールトレイラの受信に対応するSTA(例えばSTA100)は、コントロールトレイラを復調、および/または、復号し、BSSに関する短縮情報を取得する。コントロールトレイラの受信に対応しないSTA(図示しない)は、SSW−FBフレームの受信を行い、コントロールトレイラを破棄する。
なお、STA100は、A−BFT期間において、SSWフレームの代わりにShort SSWパケットを送信しても良い。AP/PCP300は、DR=1を含むSSWフレーム及びShort SSWパケットを受信した場合、送信元STA(例えばSTA100)がコントロールトレイラの受信に対応していると判断し、SSW−FBフレームにコントロールトレイラを付加して送信してよい。AP/PCP300は、DR=1を含まないSSWフレームを受信した場合、送信元STA(例えば図示しない他のSTA)がコントロールトレイラの受信に対応していないと判断し、SSW−FBフレームにコントロールトレイラを付加しないで送信してよい。
以上により11ad規格との後方互換性が保たれる。
図52は、STA100がディスカバリを行う手順の一例を示すフローチャートである。図7(実施の形態1)と同一の処理には同一の番号を付与して説明を省略する場合がある。
まず、STA100はディスカバリを開始し(S001)、図7のS002からS004と同様の処理を実行する。
AP/PCP300は、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信した場合(S005:YES)、コントロールトレイラを付加したSSW−FBフレームをSTA100へ送信する(S607)(図51のA−BFT期間を参照)。なお、AP/PCP300は、SSWフレームにより通知されたベストセクタを用いて、SSW−FBフレームを送信しても良い。また、AP/PCP300は、STA100のベストセクタの情報を、SSW−FBフレームに含めて送信しても良い。
一方、STA100は、S607のSSW−FBフレームを受信した場合(S608:YES)、AP/PCP300との通信に備え、SSW−FBフレームに含まれるベストセクタの情報をメモリに格納する(図51のA−BFT期間を参照)。また、STA100は、コントロールトレイラを含むSSW−FBフレームを受信した場合、コントロールトレイラに含まれるBSSに関する短縮情報に基づき、Probe要求を送信するか否かを決定する(S609)(図51のA−BFT期間を参照)。
そして、STA100は、AP/PCP300と自分のSTA100との間の初期BFTを完了(成功)と判断する(S610)。
次に、STA100は、S609においてProbe要求を送信すると決定した場合(S611−1:NO)、DTIにおいて、Probe要求をAP/PCP300に送信し(S611−2)(図2のDTIを参照)、フローはS612に進む。なお、STA100がS609においてProbe要求を送信しないと決定した場合(S611−1:YES)、フローはS616へ進み、AP/PCP300のディスカバリを完了してもよい(図51のDTIを参照)。
一方、AP/PCP300は、DTIにおいてS612のProbe要求を受信し、SIFS後にACKフレームをSTA100に送信する(S612)(図2のDTI参照)。
次に、AP/PCP300は、DTIにおいてProbe応答をSTA100に送信する(S613)。
一方、STA100は、DTIにおいてS613のProbe応答を受信し、SIFS後にACKフレームをAP/PCP300に送信する(S614)。
次に、STA100は、Probe応答に含まれるスキャン結果をメモリに格納する(S615)。
そして、STA100は、AP/PCP300に対するディスカバリを完了する(S616)。なお、STA100は、他のAP/PCP(図示しない)に対するディスカバリを行うため、同一の無線チャネルで、または、無線チャネルを切り換えて、S001に戻り、ディスカバリを繰り返しても良い。
(実施の形態6の変形例)
AP/PCP300は、コントロールトレイラを付加しBSSに関する短縮情報を含むSSW−FBフレームの送信(図51のA−BFT期間参照)をサポートするか否かを示す情報をDMGビーコン(図51のBTI参照)に含めて送信しても良い。
なお、図51のA−BFT期間において、STA100は、DR=1をSSWフレームに含めても良い。
図51のA−BFT期間において、STA100は、実施の形態1のProbe応答を要求することを示すフィールドをSSWフレームに含めても良い。また、STA100は、実施の形態1のProbe応答、実施の形態6のコントロールトレイラに含まれるBSSに関する短縮情報のいずれかを要求するか、あるいは、いずれも要求しないかを示すフィールドを、SSWフレームに含めても良い。
なお、図51のA−BFT期間において、STA100は、SSWフレームの代わりにShort SSWパケットを送信してもよい。
AP/PCP300が図51のA−BFT期間のSSW−FBフレームにおいてコントロールトレイラに含める情報は、実施の形態5と同様に、FILS(First Initial Link Setup規格、IEEE802.11ai)に定められる、ディスカバリ情報であってもよい。
STA100は、A−BFT期間において受信したBSSに関する短縮情報に基づき、AP/PCP300がディスカバリの対象ではないと判断し、Probe要求の送信を中止しても良い。例えば、BSS Typeが、STA100が使用するアプリケーションに応じたBSS Typeと適合しない場合である。
以上のように、AP/PCP300は、A−BFT期間において、ディスカバリ要求を示すフィールド(DR=1)を含むSSWフレームを受信した場合、BSSに関する短縮情報を含めたコントロールトレイラを付加したSSW−FBフレームを送信する。これにより、STA100は、Probe交換を行う前に、BSSに関する短縮情報を取得し、AP/PCP300がディスカバリ対象のAP/PCPか否かを判定できる。よって、不要なProbe交換が行われないため、ディスカバリに要する遅延を短縮でき、他のSTA(図示しない)に対する干渉を抑制できる。
以上、実施の形態について説明した。
上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本特許出願は2016年12月5日に出願した米国特許出願第62/430,251号に基づきその優先権を主張するものであり、米国特許出願第62/430,251号の全内容を本願に援用する。