以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向及び左右方向を定義して説明を行う。
まず、図1を用いて、後述する自走式掃除機システム100が用いられる集合住宅Aのうち1つの住居1の構成について説明する。
図1には、集合住宅(マンション)Aのうち1つの住居(専有部分)1を図示している。当該住居1には、複数の部屋(具体的には、玄関2、廊下3、第一洋室4、第二洋室5、リビング・ダイニング6、キッチン7、和室8、洗面室9、浴室10及びトイレ11)が設けられる。
具体的には、住居1の前部に玄関2が設けられる。当該玄関2から後方に向かって廊下3が設けられる。当該廊下3の左右には、それぞれ第一洋室4及び第二洋室5が設けられる。廊下3の後方には、リビング・ダイニング6が設けられる。リビング・ダイニング6の前部(廊下3の近傍)には、収納部6aが設けられる。リビング・ダイニング6の右前方にはキッチン7が設けられる。キッチン7の後部には、キッチンカウンター7aが設けられる。リビング・ダイニング6の左前方には和室8が設けられる。当該住居1には、その他、洗面室9、浴室10及びトイレ11等が適宜設けられる。
次に、図2を用いて、当該住居1の電力の供給に関する構成について説明する。住居1には、主として分電盤21、第一負荷22、第二負荷23、第三負荷24、第四負荷25、第五負荷26及びHEMS27が設けられる。
分電盤21は、商用電源Sから供給される電力を適宜分配するものである。分電盤21には、漏電遮断器及び配線遮断器等が設けられる。
第一負荷22は、リビング・ダイニング6に設置され、電力が消費される電化製品等である。具体的には、第一負荷22には、リビング・ダイニング6に設置された照明器具、空調機器及びコンセント(後述するコンセント15aを含む)等が含まれる。
第二負荷23は、第一洋室4に設置され、電力が消費される電化製品等である。具体的には、第二負荷23には、第一洋室4に設置された照明器具、空調機器及びコンセント等が含まれる。
第三負荷24は、第二洋室5に設置され、電力が消費される電化製品等である。具体的には、第三負荷24には、第二洋室5に設置された照明器具、空調機器及びコンセント等が含まれる。
第四負荷25は、和室8に設置され、電力が消費される電化製品等である。具体的には、第四負荷25には、和室8に設置された照明器具、空調機器及びコンセント等が含まれる。
第五負荷26は、廊下3に設置され、電力が消費される電化製品等である。具体的には、第五負荷26には、廊下3に設置された照明器具及びコンセント等が含まれる。
第一負荷22、第二負荷23、第三負荷24、第四負荷25及び第五負荷26は、それぞれ分電盤21に接続される。分電盤21は、商用電源Sからの電力を当該第一負荷22等に適宜分配する。
HEMS(Home Energy Management System)27は、住居1のエネルギーを管理するものである。HEMS27は、各種プログラムや情報を記憶する記憶部、プログラムに従って演算を行う演算部、使用者(住居1の居住者等)が各種情報を入力する入力部、各種情報を表示する表示部、他の機器との通信を行う通信部等を具備する。
HEMS27は、分電盤21に接続される。HEMS27は、分電盤21を介して第一負荷22等に関する情報を取得及び記憶することができる。例えば、HEMS27は、第一負荷22に含まれる照明の点灯時間、空調の使用電力量等に関する情報を取得することができる。またHEMS27は、第一負荷22全体の使用電力量(すなわち、リビング・ダイニング6における使用電力量)に関する情報を取得することができる。またHEMS27は、第一負荷22と同様に、他の負荷(第二負荷23等)についても使用電力量に関する情報等を取得することができる。またHEMS27は、玄関2のドアに設けられた電子錠に接続され、当該電子錠の状態(施錠されているか否か)に関する情報を取得することができる。HEMS27は、その他住居1に関する各種情報を取得することができる。
次に、図3から図6までを用いて、住居1に設けられる自走式掃除機システム100について説明する。
図3に示す自走式掃除機システム100は、自動的に住居1内の掃除を行うものである。自走式掃除機システム100は、主として自走式掃除機110、充電器120及び補助装置130を具備する。
自走式掃除機110は、床面上を自走しながら掃除するものである。自走式掃除機110は、主として走行部111、掃除部112、検出部113、通信部114及び制御部115を具備する。
走行部111は、床面上を走行するためのものである。走行部111は、複数の車輪、及び当該車輪を駆動するモータ等を含んでいる。
掃除部112は、床面上を掃除するためのものである。掃除部112は、床面上の塵や埃を掻き集めるブラシ、塵や埃を吸引して収集する吸引部、及び当該ブラシや吸引部を駆動するモータ等を含んでいる。
検出部113は、自走式掃除機110の自走及び掃除に必要な情報を検出するためのものである。検出部113は、障害物を検出する赤外線センサ、自走式掃除機110の動きを検出するジャイロセンサ、掃除部112が吸引している埃等の量を検出する埃センサ、他の機器が照射する赤外線を受信する赤外線受信部等を含んでいる。
通信部114は、他の機器との通信を行うものである。通信部114は、無線通信によって他の機器(具体的には、HEMS27等)と情報のやり取りを行うことができる。
制御部115は、自走式掃除機110の動作を制御するものである。制御部115は、記憶部及び演算部等を含んでいる。制御部115は、走行部111、掃除部112、検出部113及び通信部114等とそれぞれ接続されている。制御部115は、当該走行部111等との情報のやり取りや、当該走行部111等の動作の制御を行うことができる。
自走式掃除機110は、上述の走行部111等の他、当該走行部111等が設けられる筐体(本体)、電力を蓄えるバッテリー、使用者が各種操作を行う操作部等を具備する。制御部115は、当該バッテリーの残量(充電量)や操作部による操作等を把握することができる。
充電器120は、自走式掃除機110の充電(前記バッテリーの充電)を行うものである。充電器120は、主として照射部121、通信部122及び制御部123を具備する。
照射部121は、赤外線を照射するものである。照射部121が赤外線を照射する方向や範囲は、適宜設定される。照射部121から照射された赤外線を自走式掃除機110が受信することで、当該自走式掃除機110は充電器120の正確な位置を把握することができる。
通信部122は、他の機器との通信を行うものである。通信部122は、無線通信によって他の機器と情報のやり取りを行うことができる。
制御部123は、充電器120の動作を制御するものである。制御部123は、記憶部及び演算部等を含んでいる。制御部123は、照射部121及び通信部122等とそれぞれ接続されている。制御部123は、当該照射部121等との情報のやり取りや、当該照射部121等の動作の制御を行うことができる。
このように構成された充電器120は、リビング・ダイニング6の収納部6a内に配置される。具体的には、充電器120は、リビング・ダイニング6の床面16と略面一(自走式掃除機110が進入可能)となるように形成された収納部6aの最下段に配置される。自走式掃除機110は、掃除を行っていない場合には、基本的には当該収納部6a内において、充電器120によって充電された状態で待機している。また自走式掃除機110は、充電器120から離れているとき(例えば、掃除中)に充電が切れそうになった場合(充電量が所定値を下回った場合)には、自動的に充電器120に戻るように移動する。
図3及び図4に示す補助装置130は、自走式掃除機110の動作を補助するものである。補助装置130は、主として筐体131、照射部132、通信部133、制御部134及び差込プラグ135を具備する。
筐体131は、補助装置130を構成する各部材が設けられる箱状の部材である。
照射部132は、赤外線を照射するものである。照射部132は、筐体131の上面に設けられる。照射部132は、垂直方向に延びる軸線を中心として、筐体131に対して回動自在に設けられる。照射部132を適宜回動させることで、当該照射部132が赤外線を照射する方向を任意に調整することができる。
通信部133は、他の機器との通信を行うものである。通信部133は、無線通信によって他の機器(具体的には、HEMS27等)と情報のやり取りを行うことができる。
制御部134は、補助装置130の動作を制御するものである。制御部134は、記憶部及び演算部等を含んでいる。制御部134は、照射部132及び通信部133等とそれぞれ接続されている。制御部134は、当該照射部132等との情報のやり取りや、当該照射部132等の動作の制御を行うことができる。
差込プラグ135は、外部からの電力の供給を受けるものである。差込プラグ135は、筐体131の側面に設けられる。
差込プラグ135は、住居1の壁部15に設けられたコンセント15aの差し込み口(プラグ受け)に適宜差し込まれる。これによって、補助装置130は、住居1の分電盤21から電力の供給を受けることができる状態で、壁部15に着脱可能に固定される。
ここで、本実施形態において壁部15とは、住居1の床面16に対して略垂直に立ち上がるように設けられている部分全般を意味する。例えば、壁部15には、住居1と当該住居1に隣接する他の住居とを仕切る壁や、住居1内の部屋同士を仕切る壁、キッチンカウンター7aの側面(側壁)等が含まれる。
また、差込プラグ135は、壁部15(コンセント15a)に固定された状態において、床面16から所定距離以上離間した状態となるように配置される。具体的には、自走式掃除機110が差込プラグ135と接触することなく当該差込プラグ135の下方を走行できる程度に、差込プラグ135と床面16との間の距離が確保されている。すなわち、差込プラグ135と床面16との間の距離は、自走式掃除機110の高さ(上下方向幅)よりも長くなるように設定されている。
図5及び図6に示すように、補助装置130は、照射部132から照射される赤外線によって住居1内の空間を適宜区画するように配置される。本実施形態においては、住居1には、8個の補助装置130(以下、それぞれ補助装置130a〜補助装置130hと称する)が配置される。以下、補助装置130a〜補助装置130iの具体的な配置について説明する。
補助装置130aは、玄関2と廊下3との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130aの照射部132の方向は、玄関2と廊下3との境界に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130bは、第一洋室4と廊下3との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130bの照射部132の方向は、第一洋室4と廊下3との境界(第一洋室4の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130cは、第二洋室5と廊下3との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130cの照射部132の方向は、第二洋室5と廊下3との境界(第二洋室5の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130dは、洗面室9と廊下3との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130dの照射部132の方向は、洗面室9と廊下3との境界(洗面室9の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130eは、廊下3とリビング・ダイニング6との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130eの照射部132の方向は、廊下3とリビング・ダイニング6との境界(リビング・ダイニング6の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130fは、リビング・ダイニング6とキッチン7との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130fの照射部132の方向は、リビング・ダイニング6とキッチン7との境界(キッチン7の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
補助装置130g及び補助装置130hは、リビング・ダイニング6と和室8との境界部分近傍の壁部15に配置される。補助装置130g及び補助装置130hの照射部132の方向は、リビング・ダイニング6と和室8との境界(和室8の入口)に沿って赤外線を照射できるように調整されている。
以下では、図6を用いて、上述の如く構成された自走式掃除機システム100による住居1の掃除方法の概略について説明する。
自走式掃除機110が運転を開始すると、各補助装置130も作動する。当該各補助装置130は、コンセント15aを介して分電盤21から供給される電力を受けて作動することができる。当該各補助装置130は、照射部132から赤外線を照射する。当該赤外線は、住居1内の部屋同士(例えば、リビング・ダイニング6とキッチン7、リビング・ダイニング6と和室8等)を区画するように照射される。
自走式掃除機110は、検出部113で障害物等を検出しながら自動的に住居1内の掃除を行う。なお、自走式掃除機110の移動の制御方法としては、室内をランダムに走行するランダムナビゲーション型(自由走行型)、室内を規則的に走行するシステムナビゲーション型(マッピング型)等、種々の制御方法を適用することが可能である。
各補助装置130から赤外線が照射された状態で、例えば自走式掃除機110がリビング・ダイニング6から和室8へ進入しようとすると、自走式掃除機110は補助装置130(図6においては、補助装置130g)からの赤外線を受信する。これによって、自走式掃除機110は、リビング・ダイニング6から他の部屋(和室8)へと進入しようとしていることを認識する。この場合、自走式掃除機110は進行方向を変更し、リビング・ダイニング6に留まろうとする。
このようにして、自走式掃除機110は補助装置130によってリビング・ダイニング6内に留められるため、当該リビング・ダイニング6の掃除を集中して行うことができる。このように補助装置130は、赤外線を照射することで、自走式掃除機110の動作(掃除のための移動)を補助することができる。
ここで、従来、自走式掃除機に関する技術は公知となっている。例えば、特開2015−27539号公報に記載の如くである。
当該文献には、床面を清掃可能な自律型移動ロボット、及び当該自律型移動ロボットの動作の制御を補助するビーコン(補助装置)が開示されている。自律型移動ロボットは、ビーコンからの赤外線を検知することで、不必要な範囲まで掃除しないように移動が制御されている。
しかしながら、当該文献に記載の技術を用いる場合、使用者が自ら掃除が必要な部屋と不要な部屋とを判別し、それに従ってビーコンを設置する必要がある。すなわち、自律型移動ロボットを使用するための準備が煩雑である点で不利であった。
そこで、本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、掃除の必要性を自動的に判断し、当該掃除の必要性に応じて効率的な掃除を行うことが可能な建物を提供することである。
すなわち、本実施形態に係る集合住宅A(建物)は、
住居1(屋内)を掃除する自走式掃除機110と、
住居1の壁部15に設けられ、住居1の分電盤21から電力の供給を受けて作動し、自走式掃除機110の動作を補助する補助装置130と、
を具備するものである。
このように構成することにより、補助装置130に長期間継続して電力を供給することができる。すなわち、乾電池等を用いる必要がないため、電池切れの心配がなく、補助装置130に長期間継続して電力を供給することができる。また、壁部15に補助装置130を設けることで、当該補助装置130を床面16から離間させることができ、自走式掃除機110による掃除を阻害し難くすることができる。また、誤って居住者の足に接触したり、ペットや子供が誤って移動させるのを防止することができる。
また、補助装置130は、
床面16から所定距離以上離間した状態で配置されるものである。
このように構成することにより、自走式掃除機110による掃除を阻害し難くすることができる。特に、補助装置130と床面16との距離を、自走式掃除機110の高さよりも長くなるように設定することで、補助装置130と自走式掃除機110との接触を避けることができる。これによって、補助装置130の真下まで自走式掃除機110によって掃除することができる。
また、補助装置130は、
壁部15に設けられ、分電盤21から電力の供給を受けるコンセント15aに差し込み可能な差込プラグ135を具備し、
差込プラグ135がコンセント15aに差し込まれることにより壁部15に固定されるものである。
このように構成することにより、補助装置130を容易に設置することができる。また、補助装置130を任意の場所に容易に移動させることができる。また、一般的にコンセント15aは部屋の入口付近に配置されていることが多いため、自走式掃除機110の動作の補助(特に部屋から部屋への移動の可否の設定)を行い易い。また、一般的にコンセントは壁部15の中でも低い位置(比較的床面16に近い位置)に配置されていることが多いため、床面16を走行する自走式掃除機110との通信を行い易くすることができる。
また、集合住宅Aは、住居1の収納部6aに配置され、自走式掃除機110の充電を行う充電器120をさらに具備するものである。
このように構成することにより、充電器120を目立ち難くすることができる。特に、充電器120を収納部6aの最下部、すなわち収納部6aの中でも使い難い部分に配置することで、スペースの有効活用を図ることができる。
また、本実施形態に係る自走式掃除機システム100は、
住居1(屋内)を掃除する自走式掃除機110と、
住居1の壁部15に設けられ、住居1の分電盤21から電力の供給を受けて作動し、自走式掃除機110の動作を補助する補助装置130と、
を具備するものである。
このように構成することにより、補助装置130に長期間継続して電力を供給することができる。
なお、集合住宅Aは、建物の実施の一形態である。
また、住居1は、屋内の実施の一形態である。
なお、本実施形態においては、補助装置130は分電盤21からの電力を受けて作動するものとしたが、補助装置130は、バッテリーを内蔵するものであってもよい。これによって、コンセント15aに差し込まれた状態だけでなく、コンセント15a以外の場所に設置しても、当該バッテリーに蓄えられた電力を用いて補助装置130を作動させることができる。これによって、任意の場所に補助装置130を設置することができ、利便性が向上する。
また、本実施形態においては、充電器120は収納部6a内に配置されるものとしたが、その他の場所(例えば、リビング・ダイニング6や廊下3等)に配置することも可能である。
また、本実施形態においては、補助装置130はコンセント15aに差し込んで着脱可能に固定されるものとしたが、図7に示すように、コンセント15aに内蔵することも可能である。
すなわち、図7に示すように、補助装置130はコンセント15a内(コンセントボックス内)に内蔵され、赤外線を照射する照射部132だけがコンセント15aの表面に露出される。補助装置130は分電盤21に接続され、当該分電盤21からの電力の供給を受けて作動する。このように構成することにより、補助装置130が壁部15から突出することがなく、美観を向上させることができる。また、当該補助装置130と居住者等との接触を防止することもできる。
以上の如く、図7に示す補助装置130は、
壁部15に設けられたコンセント15aに分電盤21から電力の供給を受けることが可能な状態で内蔵されるものである。
このように構成することにより、住居1の美観を向上させることができる。
以下では、自走式掃除機システム100による住居1の掃除方法の一例(第一例)について、より詳細に説明する。
自走式掃除機システム100は、住居1に設けられたHEMS27と連系して、効率的に住居1内の掃除を行うことができる。以下、具体的に説明する。
図8に示すステップS101において、HEMS27は、現在が自走式掃除機110による掃除を行うタイミングであるか否かを判定する。
具体的には、HEMS27は、予め居住者の留守中に自走式掃除機110による掃除を行うように設定されている。そこでHEMS27は、居住者が留守中である場合には、自走式掃除機110による掃除を行うタイミングであるものと判定する。例えば、HEMS27は、玄関2の電子錠の状態(施錠されているか否か)、各部屋の電力の消費状態等から、住居1の居住者が留守中であるか否かを推定する。
HEMS27は、居住者が留守中である(自走式掃除機110による掃除を行うタイミングである)と判定した場合(ステップS101でYes)、ステップS102に移行する。
HEMS27は、居住者が在宅中である(自走式掃除機110による掃除を行うタイミングではない)と判定した場合(ステップS101でNo)、ステップS101の処理を再度行う。
なお、ステップS101においては、居住者が留守中である場合に、自走式掃除機110による掃除を行うタイミングであるものと判定したが、当該タイミングは任意に設定することができる。例えば、毎日所定の時刻になった場合に当該タイミングであると判定したり、居住者による掃除開始の操作がなされた場合に当該タイミングであると判定することも可能である。
ステップS102において、HEMS27は、自走式掃除機110による掃除を行う部屋及びその順番(どのような順番で掃除を行うか)を決定する。以下、図9から図11までを用いて、当該処理について詳細に説明する。
図9(a)のステップS201において、HEMS27は、掃除することが許可されている部屋の中から、前日に居住者が滞在した時間が長かったと考えられる部屋を3つ抽出する。
具体的には、HEMS27には、予め居住者によって、住居1の各部屋について掃除の可否(自走式掃除機110の進入の可否)が設定されている。図10に示すように、本実施形態においては、リビング・ダイニング6、第一洋室4、第二洋室5、和室8及び廊下3について掃除が可能となるように設定されている。その他の部屋については、掃除が不能となるように設定されている。このように居住者は、予めHEMS27に掃除が必要な部屋と不要な部屋を設定することができる。
次に、HEMS27は、予め記憶されている住居1の情報の中から、自走式掃除機110による掃除が可能であると設定された部屋についての各種の情報を呼び出す。具体的には、図11に示すように、リビング・ダイニング6等についての各種の情報(面積、充電器120からの距離、前日の使用電力量、前日の照明点灯時間、前日の空調使用電力量及び前日の自走式掃除機稼働時間)が呼び出される。
ここで、充電器120からの距離とは、充電器120の配置場所(収納部6a)から、各部屋(例えば、各部屋の中心)までの距離である。また前日の使用電力量とは、各部屋で前日に使用された電力量である。また前日の照明点灯時間とは、前日に各部屋の照明が使用(点灯)された時間である。また前日の空調使用電力量とは、前日に各部屋の空調(空調機器)で使用(消費)された電力量である。また前日の自走式掃除機稼働時間とは、前日に各部屋で自走式掃除機110による掃除が行われた時間である。
リビング・ダイニング6等の面積及び充電器120からの距離は、予めHEMS27に記憶されている住居1の間取図等から算出することができる。また、リビング・ダイニング6等の前日の使用電力量、前日の照明点灯時間、前日の空調使用電力量及び前日の自走式掃除機稼働時間は、HEMS27が分電盤21を介して毎日取得及び記憶している情報の中から呼び出される。
次に、HEMS27は、図11に示す各部屋(リビング・ダイニング6等)の中から、前日に居住者が滞在した時間が長かったと考えられる部屋を、長い方から3つ抽出する。この際、HEMS27は、当該各部屋についての各種の情報から、居住者が滞在した時間の長短を判断する。具体的には、HEMS27は、各部屋の前日の使用電力量、前日の照明点灯時間、前日の空調使用電力量から、居住者が滞在した時間の長短を判断する。
例えば、前日の使用電力量に着目し、当該使用電力量が最も大きかった部屋に、居住者が最も長く滞在したと判断することができる。また、前日の照明点灯時間に着目し、当該照明点灯時間が最も長かった部屋に、居住者が最も長く滞在したと判断することができる。なお、当該判断の方法は任意に設定することが可能であり、上述の如く1つの項目に着目して判断することも、複数の項目を総合的に考慮して判断することも可能である。
本実施形態では、一例として、HEMS27は前日の照明点灯時間に着目し、当該照明点灯時間が長かった部屋3つを抽出するものとする。すなわち、HEMS27は、リビング・ダイニング6、和室8及び廊下3を抽出する。
居住者が長く滞在したと考えられる部屋は、掃除の必要性が高い(汚れている可能性が高い)と考えられる。そこで、HEMS27によって居住者が長く滞在したと考えられる部屋を抽出することで、効果的に掃除を行うことができる。
なお、居住者が長く滞在したと考えられる部屋を3つだけ抽出したのは、自走式掃除機110が一度に掃除を行うことができるのが3部屋程度だと考えられるためである。すなわち、それ以上(4つ以上)の部屋を掃除しようとしても、自走式掃除機110の充電が途中で切れてしまう可能性が高いためである。なお、自走式掃除機110の充電量や消費電力に応じて、3つ未満の部屋、又は4つ以上の部屋を抽出することも可能であり、当該部屋の数を任意に変更可能としてもよい。
HEMS27は、3つの部屋を抽出した後(ステップS201)、ステップS202に移行する。
ステップS202において、HEMS27は、抽出した3つの部屋を、充電器120からの距離が遠い順に順位付けする。具体的には、HEMS27は、充電器120からの距離が遠いものから順に1番目、2番目、3番目と順位付けする。当該順位は、自走式掃除機110が掃除を行う順番を意味している。すなわち、HEMS27は、充電器120からの距離が最も遠い部屋を最初(1番目)に掃除する部屋とし、最も近い部屋を最後(3番目)に掃除する部屋として設定する。
一例として、上述の如くステップS201においてリビング・ダイニング6、和室8及び廊下3が抽出されている場合には、1番目がリビング・ダイニング6、2番目が廊下3、3番目が和室8となるように順位付けされる。
自走式掃除機110は、掃除を行うと徐々に充電が減っていく。このため、充電器120から遠い部屋から順に掃除を行うように設定することで、自走式掃除機110の充電が切れそうになった際に、当該自走式掃除機110を速やかに充電器120に戻すことができる。
なお、ステップS202において充電器120からの距離が同じ部屋がある場合には、掃除の必要性が高い(汚れている可能性が高い)と考えられる部屋から先に掃除するように設定することが望ましい。このように埃等が多いと考えられる部屋から掃除を行うことで、埃等が舞うのを抑制することができる。
HEMS27は、掃除を行う順番を決定した後(ステップS202)、図8のステップS103に移行する。
なお、本実施形態においては、図8のステップS102(図9(a)のステップS201)において、前日に居住者が滞在した時間が長かったと考えられる部屋を抽出するものとしたが、例えばステップS102の処理として図9(b)に示す処理を行うことも可能である。
具体的には、図9(b)のステップS211において、HEMS27は、掃除することが許可されている部屋の中から、前日の自走式掃除機稼働時間が短かった部屋を3つ抽出する。
自走式掃除機稼働時間が短かった部屋は、掃除の必要性が高い(汚れている可能性が高い)と考えられる。そこで、HEMS27によって自走式掃除機稼働時間が短かった部屋を抽出することで、効果的に掃除を行うことができる。
HEMS27は、3つの部屋を抽出した後(ステップS211)、ステップS212に移行する。ステップS212において、HEMS27は、抽出した3つの部屋を、充電器120からの距離が遠い順に順位付けする。
このように、図8のステップS102における処理は、任意の方法に設定することができる。
ステップS103において、自走式掃除機110(制御部115)は、充電器120を出発し、最初に掃除する部屋へと移動する。具体的には、自走式掃除機110は、HEMS27から掃除を行う部屋及びその順番に関する情報や、住居1の間取図に関する情報等を受け取り、当該情報に基づいて最初に掃除する部屋を認識することができる。
本実施形態の例では、自走式掃除機110は、まずリビング・ダイニング6へと移動することになる。
また、自走式掃除機110は、移動が完了した(リビング・ダイニング6へと到達した)際に、その旨の情報を補助装置130に送信する。当該情報を受けた補助装置130は、赤外線の照射を開始する。このように、移動が完了した後に補助装置130が赤外線の照射を開始するため、自走式掃除機110の移動を阻害することはない。
自走式掃除機110は、最初に掃除する部屋へと移動した後(ステップS103)、ステップS104に移行する。
ステップS104において、自走式掃除機110は、部屋(リビング・ダイニング6)の掃除を開始する。この際、前述のように、自走式掃除機110は補助装置130によってリビング・ダイニング6に留められ、当該リビング・ダイニング6の掃除を集中して行うことができる。
自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS104)、ステップS105に移行する。
ステップS105において、自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は掃除開始から一定時間が経過したか否かを判定する。
具体的には、自走式掃除機110は、検出部113の埃センサ等により検出される埃等の量から、部屋(リビング・ダイニング6)の掃除が完了したか否かを判定することができる。
また、一定時間とは、掃除が完了した(部屋の埃等がある程度なくなった)と考えられる時間であり、予め所定の値が設定される。また、当該一定時間は、自走式掃除機110が充電を切らすことなく3つの部屋を全て掃除できる程度の値に設定される。
自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は一定時間が経過したと判定した場合(ステップS105でYes)、ステップS106に移行する。
自走式掃除機110は、掃除が完了しておらず、かつ一定時間が経過していないと判定した場合(ステップS105でNo)、ステップS104の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS106において、自走式掃除機110は、2番目に掃除する部屋へと移動する。本実施形態の例では、自走式掃除機110は廊下3に移動する。
この際、廊下3とリビング・ダイニング6との境界部分近傍に配置された補助装置130eは、一旦赤外線の照射を停止する(図12(a)参照)。そして、自走式掃除機110が廊下3に移動した後に、当該補助装置130eは再び赤外線の照射を開始する(図12(b)参照)。このように、自走式掃除機110をある部屋から他の部屋へ移動させる場合には、当該2つの部屋の境界に沿った赤外線の照射が適宜停止される。
自走式掃除機110は、2番目に掃除する部屋へと移動した後(ステップS106)、ステップS107に移行する。
ステップS107において、自走式掃除機110は、部屋(廊下3)の掃除を開始する。この際、前述のように、自走式掃除機110は補助装置130によって廊下3に留められ、当該廊下3の掃除を集中して行うことができる。
自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS107)、ステップS108に移行する。
ステップS108において、自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は一定時間が経過したか否かを判定する。
自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は一定時間が経過したと判定した場合(ステップS108でYes)、ステップS109に移行する。
自走式掃除機110は、掃除が完了しておらず、かつ一定時間が経過していないと判定した場合(ステップS108でNo)、ステップS107の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS109において、自走式掃除機110は、3番目に掃除する部屋へと移動する。本実施形態の例では、自走式掃除機110は和室8に移動する。
自走式掃除機110は、3番目に掃除する部屋へと移動した後(ステップS109)、ステップS110に移行する。
ステップS110において、自走式掃除機110は、部屋(和室8)の掃除を開始する。この際、前述のように、自走式掃除機110は補助装置130によって和室8に留められ、当該和室8の掃除を集中して行うことができる。
自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS110)、ステップS111に移行する。
ステップS111において、自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は一定時間が経過したか否かを判定する。
自走式掃除機110は、掃除が完了した、又は一定時間が経過したと判定した場合(ステップS111でYes)、ステップS112に移行する。
自走式掃除機110は、掃除が完了しておらず、かつ一定時間が経過していないと判定した場合(ステップS111でNo)、ステップS110の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS112において、自走式掃除機110は、充電器120へと移動する(戻る)。この際、補助装置130は、赤外線の照射を停止する。これによって、補助装置130の赤外線が自走式掃除機110の移動を阻害することはない。自走式掃除機110は、充電器120へと戻ると、当該充電器120によって再び充電される。
以上のように、自走式掃除機システム100によって、掃除の必要性が高い3つの部屋を、充電器120から遠い部屋から順に掃除することができる。これによって、効率的に掃除の必要性の高い部屋を掃除することができる。特に、充電器120から遠い部屋から順に掃除することで、自走式掃除機110の充電が切れそうになった際には、当該自走式掃除機110を速やかに充電器120に戻すことができる。これによって、自走式掃除機110が意図せぬ場所で停止するのを防止することができる。
なお、自走式掃除機110をより確実に充電器120に戻す(より確実に意図せぬ場所で停止しないようにする)ために、例えばステップS111において、自走式掃除機110に、掃除が完了した、又は一定時間が経過したか否かに加えて、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下になったか否かを判定させることも可能である。
このように、充電量が一定値以下になった場合には自走式掃除機110を充電器120に戻す(ステップS112)ことにより、自走式掃除機110をより確実に意図せぬ場所で停止しないようにすることができる。
以下では、自走式掃除機システム100による住居1の掃除方法の別例(第二例)について説明する。
当該第二例は、自走式掃除機110の動作の制御方法が第一例(図8等参照)と異なっている。すなわち、第一例は、自走式掃除機110が各部屋を一定時間掃除した場合には、掃除が完了していなかったとしても次の部屋へと移動するように制御することで、最終的に自走式掃除機110が充電器120にできるだけ戻れるように制御している。これに対し、第二例は、掃除時間にかかわらず、掃除が完了するまで自走式掃除機110が各部屋を掃除するように制御している。以下、具体的に説明する。
図13に示すステップS301において、HEMS27は、現在が自走式掃除機110による掃除を行うタイミングであるか否かを判定する。当該処理は第一例のステップS101と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS302において、HEMS27は、自走式掃除機110による掃除を行う部屋及びその順番(どのような順番で掃除を行うか)を決定する。以下、図15を用いて、当該処理について詳細に説明する。
図15(a)のステップS401において、HEMS27は、掃除することが許可されている部屋の中から、前日に居住者が滞在した時間が長かったと考えられる部屋を3つ抽出すると共に、当該抽出した部屋を居住者が滞在した時間が長かったと考えられるものから順に順位付けする。当該順位は、自走式掃除機110が掃除を行う順番を意味している。
本実施形態では、一例として、HEMS27は前日の照明点灯時間(図11参照)に着目し、当該照明点灯時間が長かった部屋3つを抽出するものとする。すなわち、HEMS27は、リビング・ダイニング6、和室8及び廊下3を抽出する。またHEMS27は、前日の照明点灯時間が長いほど居住者が滞在した時間が長いものとみなし、当該3つの部屋を順位付けする。すなわち、HEMS27は、1番目がリビング・ダイニング6、2番目が和室8、3番目が廊下3となるように順位付けする。
なお、ステップS401において前日に居住者が滞在した時間が同じ部屋がある場合には、充電器120からの距離が遠い部屋から先に掃除するように設定することが望ましい。このように、遠くの部屋から掃除を行うことで、自走式掃除機110の充電量が減った際に当該自走式掃除機110を速やかに充電器120に戻すことができる。
HEMS27は、掃除を行う順番を決定した後(ステップS401)、図13のステップS303に移行する。
なお、本実施形態においては、図13のステップS302(図15(a)のステップS401)において、前日に居住者が滞在した時間が長かったと考えられる部屋を抽出し、順位付けするものとしたが、例えばステップS302の処理として図15(b)に示す処理を行うことも可能である。
具体的には、図15(b)のステップS411において、HEMS27は、掃除することが許可されている部屋の中から、前日の自走式掃除機稼働時間が短かった部屋を3つ抽出すると共に、当該抽出した部屋を自走式掃除機稼働時間が短かったものから順に順位付けする。
自走式掃除機稼働時間が短かった部屋は、掃除の必要性が高い(汚れている可能性が高い)と考えられる。そこで、HEMS27によって自走式掃除機稼働時間が短かった部屋を抽出することで、効果的に掃除を行うことができる。
このように、図13のステップS302における処理は、任意の方法に設定することができる。
ステップS303において、自走式掃除機110(制御部115)は、充電器120を出発し、最初に掃除する部屋へと移動する。本実施形態の例では、自走式掃除機110は、まずリビング・ダイニング6へと移動することになる。
自走式掃除機110は、最初に掃除する部屋へと移動した後(ステップS303)、ステップS304に移行する。
ステップS304において、自走式掃除機110は、部屋(リビング・ダイニング6)の掃除を開始する。自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS304)、ステップS305に移行する。
ステップS305において、自走式掃除機110は、掃除が完了したか否かを判定する。具体的には、自走式掃除機110は、検出部113の埃センサ等により検出される埃等の量から、部屋(リビング・ダイニング6)の掃除が完了したか否かを判定することができる。
自走式掃除機110は、掃除が完了していないと判定した場合(ステップS305でNo)、ステップS306に移行する。
自走式掃除機110は、掃除が完了したと判定した場合(ステップS305でYes)、ステップS307に移行する。
ステップS306において、自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であるか否かを判定する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であると判定した場合(ステップS306でYes)、後述するステップS316に移行する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下ではないと判定した場合(ステップS306でNo)、ステップS304の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS307において、自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であるか否かを判定する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であると判定した場合(ステップS307でYes)、後述するステップS316に移行する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下ではないと判定した場合(ステップS307でNo)、ステップS308に移行する。
ステップS308において、自走式掃除機110は、2番目に掃除する部屋へと移動する。本実施形態の例では、自走式掃除機110は和室8に移動する。自走式掃除機110は、2番目に掃除する部屋へと移動した後(ステップS308)、ステップS309に移行する。
図14に示すステップS309において、自走式掃除機110は、部屋(和室8)の掃除を開始する。自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS309)、ステップS310に移行する。
ステップS310において、自走式掃除機110は、掃除が完了したか否かを判定する。
自走式掃除機110は、掃除が完了していないと判定した場合(ステップS310でNo)、ステップS311に移行する。
自走式掃除機110は、掃除が完了したと判定した場合(ステップS310でYes)、ステップS312に移行する。
ステップS311において、自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であるか否かを判定する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であると判定した場合(ステップS311でYes)、後述するステップS316に移行する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下ではないと判定した場合(ステップS311でNo)、ステップS309の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS312において、自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であるか否かを判定する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であると判定した場合(ステップS312でYes)、後述するステップS316に移行する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下ではないと判定した場合(ステップS312でNo)、ステップS313に移行する。
ステップS109において、自走式掃除機110は、3番目に掃除する部屋へと移動する。本実施形態の例では、自走式掃除機110は廊下3に移動する。
ステップS314において、自走式掃除機110は、部屋(廊下3)の掃除を開始する。自走式掃除機110は、掃除を開始した後(ステップS314)、ステップS315に移行する。
ステップS315において、自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であるか否かを判定する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下であると判定した場合(ステップS315でYes)、ステップS316に移行する。
自走式掃除機110は、当該自走式掃除機110の充電量が一定値以下ではないと判定した場合(ステップS315でNo)、ステップS314の処理を再度行う。すなわち、自走式掃除機110は継続して掃除を行う。
ステップS316において、自走式掃除機110は、充電器120へと移動する(戻る)。自走式掃除機110は、充電器120へと戻ると、当該充電器120によって再び充電される。
以上のように、第二例において、自走式掃除機110は、充電器120からの距離に関係なく、掃除の必要性が高い順に部屋の掃除を行う。また自走式掃除機110は、掃除時間にかかわらず、掃除が完了するまで当該部屋の掃除を継続して行う。これによって、掃除の必要性が高い部屋を十分に掃除することができる。
なお、自走式掃除機110が3番目の部屋(廊下3)を掃除している場合、廊下3よりも掃除の必要性が高い2つの部屋(リビング・ダイニング6及び和室8)の掃除はすでに完了している。この場合には、掃除の必要性が比較的低い廊下3は、ある程度掃除できればよく、自走式掃除機110を充電器120に戻すことを優先してもよいと考えられる。従って、この場合、例えばステップS315において、自走式掃除機110に、充電量が一定値以下であるか否かに加えて、掃除が完了した、又は一定時間が経過したか否かを判定させることも可能である。
このように、掃除が完了したか、一定時間が経過した場合にも自走式掃除機110を充電器120に戻す(ステップS316)ことにより、当該自走式掃除機110による廊下3の掃除時間を短縮することができる。
以上の如く、本実施形態に係る集合住宅A(建物)は、
住居1(屋内)を掃除する自走式掃除機110と、
住居1に設けられる複数の部屋に関する情報に基づいて、当該複数の部屋を掃除の必要性の高い順に順位付けするHEMS27(第一の制御装置)と、
HEMS27による順位付けの結果に基づいて、自走式掃除機110の動作を制御する制御部115(第二の制御装置)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、掃除の必要性を自動的に判断し、当該掃除の必要性に応じて効率的な掃除を行うことができる。
また、前記複数の部屋に関する情報には、
前日(過去の所定期間)において、前記複数の部屋のそれぞれで消費された電力に関する消費電力情報(前日の使用電力量、前日の照明点灯時間及び前日の空調使用電力量)が含まれるものである。
このように構成することにより、前日における各部屋の使用状況を類推することができ、当該類推結果(例えば、居住者の滞在時間等)に基づいて自走式掃除機110の動作を制御することができる。
また、前記消費電力情報には、
前記複数の部屋のそれぞれに設けられた照明(第一の機器)の使用時間(照明点灯時間)が含まれるものである。
このように構成することにより、照明の使用時間から掃除の必要性を判断することができる。特に照明の使用時間から居住者の滞在時間を類推することができ、当該滞在時間が長いほど掃除の必要性が高いと判断することができる。
また、前記消費電力情報には、
前記複数の部屋のそれぞれに設けられた空調(第二の機器)により消費された電力量(空調使用電力量)が含まれるものである。
このように構成することにより、空調の消費電力量から掃除の必要性を判断することができる。特に空調の消費電力量から居住者の滞在時間を類推することができ、当該滞在時間が長いほど掃除の必要性が高いと判断することができる。
また、前記消費電力情報には、
前記複数の部屋のそれぞれで消費された電力量(使用電力量)が含まれるものである。
このように構成することにより、使用電力量から掃除の必要性を判断することができる。これによって、特定の機器に着目することなく、各部屋の電力量に基づいて容易に掃除の必要性を判断することができる。
また、前記複数の部屋に関する情報には、
前日において、前記複数の部屋のそれぞれが自走式掃除機110によって掃除された時間(自走式掃除機稼働時間)が含まれるものである。
このように構成することにより、自走式掃除機稼働時間から掃除の必要性を判断することができる。
なお、HEMS27は、第一の制御装置の実施の一形態である。
また、制御部115は、第二の制御装置の実施の一形態である。
また、前日は、過去の所定期間の実施の一形態である。
また、照明は、第一の機器の実施の一形態である。
また、空調は、第二の機器の実施の一形態である。
また、前日の使用電力量、前日の照明点灯時間及び前日の空調使用電力量は、消費電力情報の実施の一形態である。
なお、本実施形態においては、HEMS27にて決定された掃除の順番等の情報を自走式掃除機110(制御部115)が受け取り、当該制御部115が自走式掃除機110の動作を制御するものとしたが、情報のやり取りの経路はこれに限るものではない。例えば、HEMS27からの情報を、補助装置130を介して自走式掃除機110に送信することも可能である。
また、HEMS27にて決定された掃除の順番等の情報を、必ずしも自走式掃除機110に送信する必要はない。例えば、当該情報を補助装置130に送信し、当該補助装置130の動作だけ(赤外線の照射及び停止だけ)で自走式掃除機110の動作(移動)を制御することも可能である。このように、各種演算、情報のやり取り、制御等の主体は、本実施形態のものに限るものではなく、HEMS27、自走式掃除機110の制御部115、充電器120の制御部123及び補助装置130の制御部134を適宜組み合わせて、任意の主体(制御部)で本実施形態のような自走式掃除機システム100の制御を実現することが可能である。
例えば、掃除に関する処理(掃除の順番の決定等)を自走式掃除機110の制御部115により行うものとすれば、既存の住居1(掃除の順番の決定等の処理が行えないHEMS27)であっても自走式掃除機システム100を容易に適用することができる。
また、本実施形態においては、前日の各種情報(図11参照)に基づいて掃除の必要性を判断するものとしたが、前日に限らず、過去の所定期間における情報に基づいて判断することが可能である。例えば、過去1週間や1ヶ月の情報に基づいて判断することも可能である。
また、本実施形態においては、集合住宅Aの住居1を例に挙げて説明したが、自走式掃除機システム100は、その他種々の建物(例えば、病院や複合商業施設等)に適用することが可能である。