JP6944148B2 - リパーゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の植物部位から調製される抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤に関する。当該リパーゼ阻害剤には飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物、及びこれらの組成物の添加剤が含まれる。
肥満は、体質、食事または運動不足などに起因して、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることによって起こり、結果的に生体内に異常な脂肪の蓄積が認められる病態をいう。肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症さらには動脈硬化症などのいわゆるメタボリックシンドロームを引き起こす危険因子の一つであり、肥満から発症する上記疾患の患者の増加が社会問題となっている。肥満の解消または予防のための有効な方法の一つとして、生体内におけるリパーゼ作用を阻害し、脂肪吸収を抑制する方法が注目されている。
摂取された食物中の長鎖の中性脂肪(トリアシルグリセロール)の主な消化酵素の一つである膵リパーゼは、トリアシルグリセロールの一位ないし三位のエステル結合の加水分解を触媒する。このようにして生成した脂肪酸とモノアシルグリセロールは、消化管から吸収された後に、再びトリアシルグリセロールに変換される。血液を通して各組織に運ばれるトリアシルグリセロールはエネルギーとして消費されるが、消費量を上回る分の脂肪は脂肪組織に蓄積される。このような生体内での脂肪の吸収および蓄積の機構における膵リパーゼの役割に注目して、膵リパーゼ阻害剤の投与により脂肪の吸収を阻害する試みが行われている。しかし、現在までに肥満を治療もしくは改善するためにリパーゼ阻害剤が臨床で使用されている例は一部に限られている(非特許文献1)。
また、微生物性のリパーゼは特定の皮膚疾患に関与していることが知られている。具体的には、皮脂腺の肥大増殖や毛嚢孔の角化亢進などが原因となって皮脂が溜まると、毛嚢の毛漏斗に存在する皮膚常在菌のニキビ桿菌や皮膚ブドウ球菌が増殖し、これらのリパーゼが皮脂を構成しているトリアシルグリセロールを分解して、遊離脂肪酸が生成する。この遊離脂肪酸が上皮に作用し、各種の酵素を産生して、ニキビ、皮膚炎、フケなどの原因になると言われている(非特許文献2を参照)。従って、当該微生物性のリパーゼを阻害することができれば、当該リパーゼに起因する特定の皮膚病についての治療若しくは改善手段、または予防手段を提供することができると考えられる。
天然物由来の食品や漢方薬は、一般に副作用が少ないなどの利点を有する。このため、天然物から、各種疾患の治療または改善に有効な成分を取得することができれば、副作用の少ない製品として有効に利用できるものと考えられる。上述のリパーゼ関連疾患に関しても、上記考えのもと、天然物由来の食品成分においてリパーゼ活性阻害作用を有する物質の探索が行われている(特許文献1〜3等参照)。
特開2005−289950号公報 特開2006−290807号公報 特開平9−227398号公報
「Clinical Nutr.」、Sternby, B., et al、21、395、2002 「新化粧品学」、光井武夫、第29-30頁、南山堂、東京、1993年
本発明は、新規リパーゼ阻害剤、特に天然の植物に由来し、飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物またはその配合成分として使用することができる新規リパーゼ阻害剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を進めていたところ、特定の植物部から調製した溶媒抽出物にリパーゼ阻害活性があることを見出し、これらがリパーゼ阻害剤として飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、または化粧品組成物に適用できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有することを特徴とする。
I.リパーゼ阻害剤
(I−1)アケビ科に属する植物の葉の溶媒抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤。
(I−2)上記アケビ科に属する植物がアケビ属及びムベ属に属する植物から選択される少なくとも1種である、(I−1)に記載するリパーゼ阻害剤。
(I−3)アケビ属に属する植物がアケビ(Akebia quinata (Thunb. ex Houtt.) Decne.)、ゴヨウアケビ(Akebia x pentaphylla (Makino) Makino)およびミツバアケビ(Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz. subsp. trifoliata)、好ましくはアケビ(Akebia quinata (Thunb. ex Houtt.) Decne.)であり、ムベ属に属する植物がムベ(Stauntonia hexaphylla (Thunb.) Decne.)である(I−2)に記載するリパーゼ阻害剤。
(I−4)上記溶媒が水である(I−1)乃至(I−3)のいずれかに記載するリパーゼ阻害剤。
(I−5)飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物またはこれらの組成物の添加剤である、(I−1)乃至(I−4)のいずれかに記載するリパーゼ阻害剤。
本発明によれば、天然の植物に由来する新規なリパーゼ阻害剤を提供することができる。本発明のリパーゼ阻害剤によれば、生体内での脂肪吸収を抑制することができるため、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることによって生じる脂肪の蓄積ないし肥満を予防または改善することができる。また脂肪の蓄積によって生じ得る動脈硬化、心筋梗塞、及び脂肪肝;また肥満が危険因子となりうるメタボリックシンドローム(例えば糖尿病、高血圧、高脂血症など)を予防または改善することが可能である。このため、本発明によれば、新規な脂肪蓄積抑制剤若しくは抗肥満剤を提供することができる。
また本発明のリパーゼ阻害剤によれば、皮膚常在菌が産生するリパーゼの活性を阻害することでニキビ、皮膚炎、及びフケなどの皮膚トラブルを予防もしくは改善することができる。
さらに本発明のリパーゼ阻害剤によれば、飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、及び化粧品組成物に含まれる悪臭や変敗の原因となる油脂類(トリアシルグリセロール)のリパーゼ分解を防止することができるため、風味(臭いや味など)や使用感を含む品質を安定に保持することが可能になる。
I.リパーゼ阻害剤
本発明のリパーゼ阻害剤は、アケビ科に属する植物の葉の溶媒抽出物を有効成分とする。
アケビ科に属する植物としては、アケビ、ゴヨウアケビ、及びミツバアケビ等のアケビ属に属する植物;並びにムベ等のムベ属に属する植物を挙げることができる。
アケビ(木通、通草)は、学名「Akebia quinata (Thunb. ex Houtt.) Decne.」と称されるアケビ科アケビ属の蔓性落葉低木の一種である。当該アケビと同属の植物としてゴヨウアケビ及びミツバアケビがあり、ゴヨウアケビは学名「Akebia x pentaphylla (Makino) Makino」、ミツバアケビは学名「Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz. subsp. trifoliata」とそれぞれ称される。本発明のリパーゼ阻害剤の有効成分である溶媒抽出物の調製には、これらの葉が好適に使用される。これらの植物部位は1種単独で使用されてもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくはアケビの葉である。
ムベ(郁子、野木瓜)は、学名「Stauntonia hexaphylla」と称されるアケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物である。アケビと似た果実をつけるため別名「トキワアケビ」と称される。本発明のリパーゼ阻害剤の有効成分である溶媒抽出物の調製には、上記アケビと同様に葉が好適に使用される。
本発明のリパーゼ阻害剤には、有効成分として上記植物の各部(植物部)の少なくとも1種の溶媒抽出物が含まれていればよく、溶媒抽出物は植物部1種から得られるものであってもよいし、また2種以上から得られるものを任意に組み合わせて含むものであってもよい。植物部として好ましくは、アケビ葉及びムベ葉から選ばれる少なくとも1種である。
溶媒抽出するにあたり使用する各植物の部位はそのまま(生)であってもよいし、またその乾燥物であってもよい。また生またはその乾燥物を裁断または粉砕したものであってもよい。抽出に使用する溶媒は、通常植物抽出に使用される極性または非極性溶媒を挙げることができる。好ましくは極性溶媒である。非極性溶媒としてはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類等を挙げることができるが、これらの非極性溶媒は、必要に応じて、極性溶媒による抽出前の脱脂処理に使用することができる。非極性溶媒を用いた抽出処理(脱脂処理)を行うことで、後に行う極性溶媒を用いた抽出処理を効率的に行うことが可能になる場合がある。
極性溶媒としては、具体的には水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは、抽出後の使用における安全性の点から、水;並びにメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、より好ましくは水、エタノールおよびこれらの組み合わせ(含水エタノール)であり、特に好ましくは水である。ここで含水エタノールに含まれるエタノールの濃度は、制限されないものの、通常5〜90容量%の範囲で適宜選択することができる。好ましくは10〜80容量%、より好ましくは30〜70容量%、さらに好ましくは40〜70容量%の範囲を例示することができる
かかる抽出溶媒を用いた抽出方法は、定法に従うことができ、特に制限されないが、例えば対象とする植物部位を溶媒に浸漬し、静置または撹拌する方法を挙げることができる。使用する抽出溶媒の温度(つまり抽出温度)は0〜100℃の範囲で適宜設定することができる。抽出溶媒として水を用いる場合、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上、特に好ましくは80℃以上の温水または熱水を用いることが、抽出効率を高めることができる点で好ましい。一方、抽出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを用いる場合は、抽出効率及び取り扱いの安全性を考慮して、50℃以下の温度で行うことが好ましく、例えば5℃以上、好ましくは15℃以上、より好ましくは25℃以上の温度に適宜設定することができる。
抽出時間は、各植物部から目的とするリパーゼ阻害活性を有する成分が抽出できる時間であればよく、特に制限されないが、通常10分〜24時間の範囲から適宜選択設定することができる。好ましくは10分〜12時間、より好ましくは10分〜2時間程度を挙げることができる。
抽出後、得られた抽出物は、次いで濾過や遠心分離等に供されることにより固液分離されて固形の不溶物が除去される。回収された濾液や上清は、必要に応じて、次いで希釈、濾過、濃縮、脱色または脱臭等の精製工程に供することができる。また必要であれば、除去された固形の不溶物を、再び前述する溶媒を用いて前記と同様に抽出し、固液分離した後の抽出液を上記の濾液や上清に配合して使用することもできる。なお、濾過、遠心分離、濃縮、脱色または脱臭等は当業界の慣用方法を使用することができ、特に制限されるものではない。脱色や脱臭等の精製処理としては、制限されないものの、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配などの慣用の方法を挙げることができる。
斯くして調製される抽出液は、そのままの液状で使用することもできるが、さらに濃縮または乾固してもよく、また適当な溶媒で希釈してもよい。またそのまま若しくは適当な溶媒で希釈した後に、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、または流動乾燥等の公知の方法で乾燥して、粉体状に調製することもできる。これら抽出物の形状は、当該抽出物を含有する本発明のリパーゼ阻害剤の形態や目的に応じて、適宜選択設定することができる。
本発明が対象とする「リパーゼ」は、トリアシルグリセロールを分解して脂肪酸を遊離する作用(脂肪酸遊離作用)を有するトリアシルグリセロールリパーゼである。具体的には消化管における脂肪吸収に関連する膵リパーゼ、並びに皮膚表皮に常在する微生物カンジダ属菌(Candida cylindracea)、プロピオニバクテリウム アクネス(Propionibacterium acnes)、ピティロスポラム オバール(Pilyrosporum ovale)、またはマイクロコッカス菌(Micrococcus sp.)等の皮膚常在菌が産生する微生物性リパーゼを挙げることができる。また膵リパーゼと同様に、sn-1,3特異性を示す微生物性リパーゼとして、Rhizomucor miehei、及びRhizopus arrhizusを挙げることができる。
本発明の「リパーゼ阻害剤」は、リパーゼが有する上記の脂肪酸遊離作用を阻害する活性を有するものであればよいが、好ましくは少なくとも膵リパーゼが有する脂肪酸遊離作用を阻害する活性を有するものであり、より好ましくは膵リパーゼのみならず微生物性リパーゼが有する脂肪酸遊離作用を阻害する活性を有するものである。また本発明のリパーゼ阻害剤は、リパーゼの脂肪酸遊離作用(リパーゼ活性)を100%を阻害するものに限定されるものではなく、その一部を阻害するものであってもよい。リパーゼ活性は、簡便には、例えば市販のリパーゼ測定用試薬を用いて測定することができ、制限されないものの、具体的には「リパーゼキットS」(DSファーマバイオメディカル株式会社製)等を例示することができる。
本発明のリパーゼ阻害剤は、医薬品組成物、医薬部外品組成物、飲食品組成物または化粧品組成物を調製する際に、それに配合する、リパーゼ阻害活性を発揮する成分(添加剤)として用いることができるほか、リパーゼ阻害剤それ自体を医薬品組成物、医薬部外品組成物、飲食品組成物または化粧品組成物の形態に調製することができる。前者の添加剤として使用される場合、本発明のリパーゼ阻害剤は、前述する植物抽出物100質量%からなるものであってもよいし、またリパーゼ阻害活性を妨げない範囲で、前述する植物抽出物に加えて希釈剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、分散剤、防腐剤、緩衝剤、または安定剤等を含むものであってもよい。本発明のリパーゼ阻害剤が後者の医薬品組成物、医薬部外品組成物、飲食品組成物または化粧品組成物として使用される場合、最終組成物であるリパーゼ阻害剤は、下記に説明する各種形態に応じて前述する植物抽出物をリパーゼ阻害活性を発揮する割合で含有する。制限されないものの、かかる割合として5〜95質量%の範囲を例示することができる。好ましくは50〜95質量%である。
具体的には、医薬品組成物及び医薬部外品組成物は、例えば、経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤などとすることができ、例えば、局所投与のためにはクリーム、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などとすることができるが、これらには限定されない。当該医薬品組成物または医薬部外品組成物は、一般に用いられる各種成分を含みうるものであり、例えば、一種もしくはそれ以上の薬学的に許容され得る賦形剤、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤、コーティング剤等を含みうる。また本発明の医薬品組成物または医薬部外品組成物は、持続性または徐放性剤形を有するものであってもよい。
本発明が対象とする飲食品組成物には、特定保健用食品、機能性表示食品、及び栄養機能食品を含む保健機能食品(飲料を含む);並びに栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品を含む一般食品(飲料を含む)のいずれもが含まれる。これらの飲食品組成物は、慣用の飲食物の形状を有していればよく、例えば一般の食品や飲料の形態(明らか食品)のほか、一般にサプリメントとして提供される製剤形態を挙げることができる。かかる製剤形態としては、前述するような錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、及びエキス剤などを例示することができる。当該製剤は、形状に応じて、一般に用いられる製剤化成分を配合することができ、例えば、一種もしくはそれ以上の薬学的に許容され得る賦形剤、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤、コーティング剤等を含みうる。また当該製剤は持続性または徐放性剤形であってもよい。
本発明が対象とする化粧品組成物には、特に限定はされないが、例えば、乳液、化粧液、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ローション、シャンプー、及びリンスなどが含まれる。なお、化粧品組成物として使用するリパーゼ阻害剤には微生物性リパーゼが有する脂肪酸遊離作用を阻害する活性(微生物性リパーゼ阻害活性)を有する植物抽出物が有効成分として使用される。
前述する経口投与形態を有する医薬品組成物及び医薬部外品組成物、並びに飲食品組成物によれば、植物抽出物に由来するリパーゼ阻害活性成分を日常的または継続的に摂取することが可能となり、効果的な脂肪蓄積抑制効果による肥満の予防または改善が可能となる。また前述する局所投与形態を有する医薬品組成物及び医薬部外品組成物、並びに化粧品組成物によれば、植物抽出物に由来するリパーゼ阻害活性成分を皮膚に継続的または非継続的に適用することで、リパーゼにより生成する脂肪酸に起因する皮膚トラブル(ニキビ、皮膚炎等)を予防または改善することが可能になる。さらに、植物抽出物に由来するリパーゼ阻害活性成分が医薬品組成物、医薬部外品組成物、飲食品組成物および化粧品組成物中に存在することにより、微生物性リパーゼによる対象組成物中の脂肪の加水分解が抑制され、遊離脂肪酸に起因する組成物の劣化が防止され、組成物の品質を長期にわたって保持させることも可能となる。
実験例1 植物抽出物の調製
(1)植物乾燥粉末の調製
各種植物の部位(アケビ葉、ムベ葉)を採取し水洗した後、全自動洗濯機(National NA-F50Y2)を用いて脱水し、−30℃で冷凍した。この冷凍品を25℃で72時間、凍結乾燥((株)アルバック製真空凍結乾燥機(DF-03H)使用)し、乾燥後の試料を粉砕機((株)CMT製のVIBRATING SAMPLE MILL TI-100)を用いて微粉砕して、植物乾燥粉末を調製した。
(2)植物抽出物の調製
上記微粉砕して調製した試料(植物乾燥粉末)1gに沸騰したミリQ水10mlを加え、沸騰湯浴中で30分間加温(ほぼ100℃)抽出した後、抽出液を急冷し、濾紙(No.2)を用いて濾過して、濾液を植物部位の熱水抽出液として回収した。回収した濾液(熱水抽出液)をロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後、濃縮液を凍結乾燥して、植物抽出物(乾燥エキス)を得た。これらの植物抽出物(乾燥エキス)10mgあたり1mlの割合でミリQ水を加えて溶解し、植物エキス(濃縮還元物:10mg/ml)を調製した。これらの各植物エキスを用いて、以下のリパーゼ阻害活性試験を行った。
実験例2 in vitroリパーゼ阻害活性試験
各植物エキスのリパーゼ阻害活性を、リパーゼ(SIGMA社製ブタ膵リパーゼ:Lipase from porcine pamcreas,Type II)およびリパーゼキットS(DSファーマバイオメディカル(株)製)を用いて測定した。測定方法は、製造者の説明書に従った。
測定方法を簡略に述べると以下のとおりである。
試験管に、実験例1で調製した各植物エキス(実施例1〜2)、並びにそれらを倍々希釈して32倍希釈まで調製した植物エキス希釈液(以上、「被験試料」)各25μlを入れ、0.05mg/mlに調製したリパーゼ水溶液40μlを加え、発色液(5,5’-ジチオビス[2-ニトロ安息香酸])500μlとエステラーゼ阻害液(フェニルメチルスルホニルフルオリド)10μlを加えて、30℃で5分間反応させた。その後、基質液(三酪酸ジメルカプロール、ドデシル硫酸ナトリウム)50μlをそれぞれに加え混和し、30℃で30分間反応させた後、反応停止液1mlを加えた。この反応液(被験試料反応液)250μlを96穴プレートに採取し、分光光度計(PerkinElmer社製Enspire/2300)で410nmの吸光度を測定した。またコントロールとして、上記被験試料の代わりに抽出溶媒(ミリQ水)を用いて、上記と同様に反応させて410nmの吸光度(コントロールの吸光度)を測定した。
得られた吸光度から、リパーゼ阻害率を以下の式から求めた。
[数1]
リパーゼ阻害率(%)={1−(S−SB)/(C−CB)}×100
S:被験試料反応液の吸光度
SB:被験試料ブランク(被験試料そのもの)の吸光度
C:コントロールの吸光度
CB:コントロールブランク(抽出溶媒そのもの)の吸光度
ここで、リパーゼの活性を50%阻害したとき(リパーゼ阻害率50%)の被験試料反応液中の被験試料濃度をIC50(mg/ml)値、すなわちリパーゼ阻害活性と定義した。
結果を表1に示す。
Figure 0006944148
従来よりリパーゼ阻害活性を有する植物抽出物がいくつか知られている。例えば特開2005−289950号公報には、杜仲葉の水抽出エキスにリパーゼ阻害活性があることが記載されている。当該公報の図1によると、早出し用杜仲茶エキス及び煮出し用杜仲茶エキスのリパーゼ阻害活性IC50は、それぞれ約8mg/ml及び約12.58mg/mlである。
表1に示すように、アケビ葉及びムベ葉の水抽出物、特に熱水抽出物は、リパーゼ阻害活性を有することが知られている上記杜仲茶エキスよりも高いリパーゼ阻害活性を有することが明らかになった。
なお、ここでは膵リパーゼを対象として、それに対する活性阻害を評価したが、前述する微生物に由来するリパーゼも、膵リパーゼと同様に、トリアシルグリセロールを分解して脂肪酸を遊離する作用(脂肪酸遊離作用)を有するトリアシルグリセロールリパーゼである。このため、上記各植物抽出物は、膵リパーゼに対する阻害作用のみならず、微生物性リパーゼに対する阻害作用をも有するものと考えられる。特に上記各植物抽出物は、制限されないものの、トリアシルグリセロールのsn-1位または/およびsn-3位に作用する特性を有するリパーゼに対して阻害作用を有するものと考えられる。

Claims (3)

  1. アケビ、ゴヨウアケビ、ミツバアケビ、及びムベから選ばれる少なくとも1種の植物の葉の溶媒抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤
    〔但し、下記を除く:
    ムベ(Stauntonia Hexaphylla)抽出物を有効成分として含む抗炎組成物、
    並びに
    アケビ(Akebia quinata D.)葉の80%エタノール抽出物を有効成分とする抗肥満組成物、及び脂質蓄積抑制組成物。〕
  2. 上記溶媒が水である請求項1に記載するリパーゼ阻害剤。
  3. 飲食品組成物、医薬品組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物またはこれらの組成物の添加剤である、請求項1又は2に記載するリパーゼ阻害剤。
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