JP6940329B2 - 止水壁の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管杭を用いた止水壁の構築方法に関する。
従来、例えば河川に設置された橋を撤去するような場合には橋脚周りの締切りを行うために、特許文献1のような止水壁を構築することがあった。特許文献1の止水壁は、鋼管杭を間隔をおいて圧入した後、小径の鋼管である杭間パイプを隣り合う鋼管杭にそれぞれ接するように圧入し、さらに鋼管杭と杭間パイプで囲まれた領域(以下、“杭間領域”)にモルタルを充填することで止水処理を施している。
特開平5−112928号公報
特許文献1の施工方法では、杭間領域にモルタルを充填する前にウォータージェットにより杭間領域内を洗浄し、杭間領域内の泥土を排出している。しかしながら、止水壁の構築箇所が硬質地盤であった場合、杭間領域に硬質地盤が残っていると、ウォータージェットでは杭間領域内に残っている地盤を掘削して洗浄することができなかった。これにより杭間領域内へのモルタルの充填が不十分となり、止水壁からの漏水が発生することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、間隔をおいて設置される複数の鋼管杭と隣り合う鋼管杭同士の間を閉塞する閉塞部材(例えば杭間パイプ)とを用いた止水壁の止水性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、間隔をおいて設置された複数の鋼管杭と、隣り合う前記鋼管杭のそれぞれに接し、かつ、各鋼管杭間の隙間を囲むように設置された閉塞部材とを備えた止水壁の構築方法であって、前記鋼管杭および前記閉塞部材を設置した後、前記鋼管杭および前記閉塞部材で囲まれた杭間領域に、ダウンザホールハンマーを備えた、下端部から掘削ズリ排出補助流体が噴射するように構成された掘削洗浄管を挿入して前記杭間領域の掘削および洗浄を行い、前記杭間領域に固化材を充填することで止水壁を構築することを特徴としている。
本発明に係る止水壁の構築方法においては、鋼管杭と閉塞部材で囲まれた杭間領域内の地盤を掘削しながら、杭間領域の洗浄を行うことができる。これにより、鋼管杭の下端部までモルタル等の固化材を充填することができる。
なお、本発明において“閉塞部材が鋼管杭に接する”とは、鋼管杭と閉塞部材とが接する場合の他、鋼管杭と閉塞部材と固化材により止水壁としての機能を発揮できる程度に鋼管杭と閉塞部材との間に少しだけ隙間が空いている場合も含む概念である。例えば鋼管杭と閉塞部材との間に少しだけ隙間が生じていても、杭間領域に充填される固化材がこの隙間に入り込んで固化することで止水壁として十分に機能する。
本発明によれば、間隔をおいて設置される複数の鋼管杭と隣り合う鋼管杭同士の間を閉塞する閉塞部材を用いた止水壁の止水性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る杭圧入機の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るアタッチメントユニットの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るアタッチメントユニットが杭圧入機に取り付けられた状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る掘削洗浄管の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る掘削洗浄管のケーシング下端部を示す図である。なお、本図では外周パイプの紙面手前側の部分の図示を省略している。 本発明の実施形態に係る外周パイプ取付部材の形状を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る外周パイプ上端部の形状を示す断面図である。 図5中のA−A断面図である。なお、本図ではダウンザホールハンマーの外形を二点鎖線で示しており、その他の詳細な形状については図示していない。 本発明の実施形態に係る外周パイプが取り外された状態の掘削洗浄管を示す図である。 本発明の実施形態に係る洗浄ノズルを備える洗浄管を示す図である。 本発明の実施形態に係る止水壁の鋼管杭と杭間パイプとが設置された状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態では図1に示すような杭圧入機10を用いて、河床が硬質地盤である河川に鋼管杭2と閉塞部材の一例である杭間パイプ3からなる止水壁1を構築する。なお、閉塞部材は例えば、L字鋼(等辺山形鋼)、H型鋼、C型鋼等であっても良い。
杭圧入機10は、サドル11と、サドル11の下部に設けられたクランプ装置12と、サドル11上を前後動可能に設けられたスライドベース13と、スライドベース13上に旋回可能に設けられた旋回ベース14と、旋回ベース14の前端部に昇降シリンダ装置15を介して支持されたチャック装置16と、旋回ベース14上に支持されたクレーン20を備えている。
杭圧入機10は、地盤に圧入された既設の鋼管杭2の上端側を掴んで既設の鋼管杭2から反力を取りながら、昇降可能なチャック装置16で新たな鋼管杭2を把持して下降させることにより鋼管杭2を地盤に圧入する。クランプ装置12は、鋼管杭2の上端開口から内部に挿入した把持爪を既設の鋼管杭2の半径方向に移動させる機能を有している。その把持爪を既設の鋼管杭2の半径方向外側に移動させて鋼管杭2の内側で突っ張った状態とすることで鋼管杭2を内側から把持する。これにより杭圧入機10が既設の鋼管杭2に対して固定される。
チャック装置16は、鋼管杭2を把持するチャック部17を有し、チャック部17は鋼管杭2が挿入されるための開口部17aと、開口部17aに挿入された鋼管杭2の半径方向に移動可能な複数の杭把持爪17bを有している。チャック部17は、開口部17aに鋼管杭2が挿入された後、杭把持爪17bを鋼管杭2の半径方向内側に移動させることで鋼管杭2を把持する。また、チャック装置16はチャック部17を回転させるよう構成されている。すなわち、本実施形態の杭圧入機10は、回転式杭圧入機であり、チャック装置16のチャック部17の回転と、杭把持爪17bによる把持状態と解放状態の切り替えと、昇降シリンダ装置15による昇降移動の組み合わせにより鋼管杭2を回転させながら地盤に圧入する。以上の構成は、いわゆるジャイロプレス工法(登録商標)に用いられるジャイロパイラー(登録商標)と同様の構成である。
本実施形態の杭圧入機10はさらに、鋼管杭2より径が小さい杭間パイプ3を把持するためのアタッチメントユニット30が取り付けられるよう構成されている。図1、図2に示すようにアタッチメントユニット30は、杭間パイプ3を把持する複数のアタッチメント31と、各アタッチメント31を連結する連結部材32と、アタッチメント31の上端部に設けられた、チャック部17の杭把持爪17bの上端部に引っ掛けられる嵌合爪33と、アタッチメント31の下端部に設けられた、チャック部17の杭把持爪17bの下端部に回動して引っ掛けられるラッチ34とを有している。
連結部材32は円環状のプレートであり、中央の孔部(不図示)には杭間パイプ3が挿入される。各アタッチメント31は、連結部材32の周縁部に取り付けられており、各アタッチメント31間には連結部材32の孔部に合わせた隙間が形成されている。また、各アタッチメント31は半径方向に移動可能に構成されている。
このように構成されたアタッチメントユニット30をチャック装置16に取り付ける際には、クレーン20でアタッチメントユニット30を吊り上げ、チャック装置16のチャック部17に降ろしていき、開口部17aに挿入する。そして、図3に示すようにアタッチメント31の嵌合爪33をチャック部17の杭把持爪17bの上端部に引っ掛ける。また、アタッチメント31のラッチ34をチャック部17の下端部に引っ掛ける。これによりアタッチメント31が杭把持爪17bに固定され、チャック部17の杭把持爪17bの移動に伴い、アタッチメント31も一体となって移動することになる。連結部材32の孔部(不図示)を介してチャック部17の開口部17aに挿入された杭間パイプ3は、杭把持爪17bを半径方向内側に移動させることによりアタッチメント31で把持される。なお、本実施形態のアタッチメントユニット30は、図1、図2に示すようにチャック部17の上方から開口部17aに挿入して取り付けられるように構成されているが、チャック部17の下方から開口部17aに挿入して取り付けられるように構成されていても良い。
次に、本実施形態における掘削洗浄管について説明する。なお、本明細書における掘削洗浄管の説明に関する“上”または“下”とは、掘削洗浄管の使用時、すなわち掘削洗浄管が杭間領域に挿入される状態の“上”または“下”を意味する。例えば“掘削洗浄管の上端部”と記載されている場合には、掘削洗浄管の両端部のうち、掘削洗浄管の使用時において上方に位置する端部のことをいう。同様に“掘削洗浄管の下端部”と記載されている場合には、掘削洗浄管の両端部のうち、掘削洗浄管の使用時において下方に位置する端部のことをいう。
図4に示すように本実施形態の掘削洗浄管50は二重管構造のケーシング51と、ケーシング51の下端部に接続されたダウンザホールハンマー52と、ケーシング51に取り付けられ、ダウンザホールハンマー52の外周を覆う外周パイプ53とを有している。ケーシング51は、ダウンザホールハンマー52の駆動流体である水が内管51aに流れ、掘削ズリ排出補助流体である空気が外管51bに流れるよう構成され、ケーシング51の外側面には外管51b内を流れる空気が吐出する空気吐出口54が形成されている。なお、掘削ズリ排出補助流体とは、掘削ズリ(掘削された土壌や破砕された岩盤等)の地上への排出を促進させるための流体である。ダウンザホールハンマー52は、水を駆動流体とする、いわゆるウォーターハンマーであり、例えばWassara社製のワッサラハンマーが用いられる。ダウンザホールハンマー52の下端には、地盤を掘削するための掘削ビット(不図示)が設けられたビット部55が着脱自在に取り付けられている。なお、図4の実線矢印は水の流れを示しており、図4の破線矢印は空気の流れを示している。
図5はケーシング51下端部のより詳細な構成を示す図である。図5に示すように外周パイプ53は、ケーシング51の空気吐出口54よりも上方の部分からダウンザホールハンマー52の下端部にまで延びている。なお、地盤を掘削できるようダウンザホールハンマー52のビット部55は外周パイプ53に覆われていない。
外周パイプ53とケーシング51は、外周パイプ53の上端部と、ケーシング51に取り付けられた外周パイプ取付部材56とが螺合することで接続されている。外周パイプ取付部材56は図6に示すように雄ネジ加工が施された環状部品である。一方、外周パイプ53の上端部内面には図7に示すように雌ネジ加工が施されている。
また、図5に示すように外周パイプ53の下端には、中央に開口部を有する環状の円板部材57が取り付けられている。円板部材57は、例えば外周パイプ53の側面部に溶接されることで外周パイプ53の下端に取り付けられる。図8に示すように円板部材57の内径は当該箇所におけるダウンザホールハンマー52の径とほぼ同一となっている。すなわち、円板部材57とダウンザホールハンマー52との隙間は極めて小さくなっている。
本実施形態の円板部材57の周縁部には、間隔をおいて貫通孔(不図示)が形成されており、各貫通孔には六角穴付ボルト58が嵌め込まれている。六角穴付ボルト58の中央部には頭部から先端部に向かって貫通する孔59が加工されており、その孔59は外周パイプ53の内方を流れる空気の噴射口(以下、“空気噴射口”)として機能する。空気噴射口59からの空気の噴射量は、空気噴射口59の加工時に穴径を変えることで調節される。なお、空気噴射口59の数や配置は本実施形態で説明したものに限定されず、現場条件によって変更しても良い。
このような構造の外周パイプ53は次のようにしてケーシング51に取り付けられる。まず、図9に示すようにケーシング51に外周パイプ取付部材56を被せ、ケーシング51の空気吐出口54よりも上部において溶接等により外周パイプ取付部材56を固定しておく。続いて、外周パイプ53をケーシング51に嵌め込むことができるよう一度ダウンザホールハンマー52のビット部55を取り外す。その後、ダウンザホールハンマー52に外周パイプ53を被せ、外周パイプ53の上端部と外周パイプ取付部材56とを接続する。最後に取り外していたビット部55をダウンザホールハンマー52の先端部に取り付ける。なお、外周パイプ53をケーシング51から取り外す場合には、上記の取付方法と逆の手順を行えば良い。以上のように、外周パイプ53はケーシング51に対して着脱自在に取り付けられている。
ケーシング51と外周パイプ53は、ケーシング51の空気吐出口54よりも上方で接続されているため、空気吐出口54から吐出される空気は外周パイプ53の内方に吐出される。また、ケーシング51と外周パイプ53は螺合により接続されているため、外周パイプ53の内方に吐出された空気は外周パイプ53の上端部からは外部に流出しにくい。このため、外周パイプ53の内方に吐出された空気は外周パイプ53の下端部に向かっていく。外周パイプ53の下端には円板部材57が設けられており、また外周パイプ53の下端においては円板部材57の内径とダウンザホールハンマー52の径が略同径であることから、円板部材57とダウンザホールハンマー52との間の隙間からは空気が漏れにくくなっている。このため、外周パイプ53の内方を流れる空気は円板部材57の空気噴射口59から噴射される。なお、例えば外周パイプ53を設けず、ケーシング51の外側面の空気吐出口54から空気を噴射するだけでは洗浄力が低下するおそれがある。この場合、ダウンザホールハンマー52による掘削が可能であっても杭間領域Rを十分に洗浄することができないおそれがある。
なお、図4に示す例ではケーシング51の下端部にダウンザホールハンマー52および外周パイプ53が取り付けられているが、本実施形態のケーシング51は、ダウンザホールハンマー52および外周パイプ53に替えて、図10に示すような洗浄ノズル61をケーシング51の下端部に取り付けられるよう構成されている。ケーシング51の下端部に洗浄ノズル61が接続されてなる洗浄管60は、洗浄ノズル61の下端から水が噴射すると共に、洗浄ノズル61の側面からも水が噴射する構造となっている。また、洗浄ノズル61の側面においては水の噴射口の周囲から空気が噴射するよう構成されている。これにより洗浄ノズル61側面から噴射される水の噴射範囲を限定することができる。洗浄ノズル61は従前のウォータージェット方式の洗浄ノズルのように下端のみから水が噴射する構造であっても良いが、洗浄能力向上の観点からは本実施形態のように洗浄ノズル61の側面から水と空気が噴射する構造であることが好ましい。
次に、以上の杭圧入機10を用いた止水壁1の構築方法について説明する。
まず図11に示すように鋼管杭2および杭間パイプ3を設置する。鋼管杭2および杭間パイプ3の設置方法は特に限定されるものでなく、従前の方法と同様に設置しても良い。例えば地盤に杭を圧入する杭圧入機を用いて、まず鋼管杭2を間隔をおいて圧入し、その後、チャック装置16のチャック部17にアタッチメントユニット30を取り付けて隣り合う鋼管杭2間に杭間パイプ3を圧入する。このとき杭間パイプ3は、隣り合う鋼管杭2のそれぞれに接すると共に、鋼管杭2間の隙間を囲うように2本設置される。これらの工程を、延伸方向の長さが所定の長さとなるまで繰り返し行い、鋼管杭列を構築する。
次に、隣り合う鋼管杭2および2本の杭間パイプ3で囲まれた杭間領域Rの掘削および洗浄を行う。ここでは、図4に示すようにダウンザホールハンマー52を有する掘削洗浄管50を用いる。本実施形態においてはクレーン20で吊った掘削洗浄管50を杭間領域Rに下ろしていく。なお、掘削洗浄管50を吊り上げるクレーンは地上に配備されたクレーンであっても良い。
そして、掘削洗浄管50に、ダウンザホールハンマー52の駆動流体としての水と掘削ズリ排出補助流体としての空気の供給を開始する。これによりダウンザホールハンマー52が駆動し、ダウンザホールハンマー52の下端部から水が噴射すると共に、掘削洗浄管50の下端部から空気が噴射される。この状態で、クレーン20で吊った掘削洗浄管50を杭間領域R内に下降させていくことで杭間領域Rの洗浄が開始される。その後、ダウンザホールハンマー52下端のビット部55が河床に到達すると、洗浄に加えて地盤の掘削も開始される。これにより地盤が硬質なものであってもダウンザホールハンマー52で掘削しながら洗浄を行うことができる。また、本実施形態の掘削洗浄管50においては、下端部から噴射された空気が、掘削洗浄管50と、鋼管杭2や杭間パイプ3との間の水中を通り、地上に向かって流れていく。ダウンザホールハンマー52による掘削で生じる掘削ズリは、そのような水中の空気の流れによって地上への排出が促進される。すなわち、本実施形態では掘削洗浄管50と杭間領域Rの内壁との隙間が掘削ズリ排出用の流路となる。そして、本実施形態における杭間領域Rの内壁は鋼管杭2や杭間パイプ3の外面に相当するため、杭間領域Rの内壁が崩壊することはない。これにより、掘削ズリの流路が塞がれるといった問題が起こりにくくなっている。
なお、上記のようにダウンザホールハンマー52を有する掘削洗浄管50で杭間領域Rの掘削および洗浄をした後、ケーシング51に取り付けられたダウンザホールハンマー52および外周パイプ53を図10に示す洗浄ノズル61に付け替えて、再度杭間領域Rを洗浄しても良い。具体的には、ケーシング51に洗浄ノズル61を取り付けてなる洗浄管60を、例えば図示しないクレーンやボーリングマシーンなどで保持し、水と空気を供給しながら洗浄管60を杭間領域R内に挿入していく。これにより杭間領域R内が洗浄される。このように、掘削洗浄管50による掘削および洗浄に加え、洗浄管60による洗浄を行うことで、杭間領域Rの洗浄をより高いレベルで行うことができる。
図10に示す洗浄ノズル61を有する洗浄管60を用いた場合、洗浄ノズル61の先端から水が噴射されるだけでなく、洗浄ノズル61の側面からも水が噴射される。このため、洗浄管60の下方が洗浄されるだけでなく、洗浄管60の側方も洗浄される。例えば図11に示す杭間領域Rの四隅には土が残留しやすいが、洗浄管60の下端部で側方に水を噴射することで、その杭間領域Rの四隅に残留した土を除去することが可能となる。特に、図10に示す洗浄ノズル61の場合、洗浄ノズル61側面の水の噴射口の周囲から空気が噴射される。このため、噴射された空気が円筒状の層を成し、その内部に水が噴射されることになるため、水の噴射範囲が限定される。これにより鋼管杭2の表面や杭間パイプ3の表面に当たる水の勢いが強くなり、洗浄能力をさらに向上させることができる。なお、図10に示す例では洗浄管60の側方の水の噴射口の周囲からのみ空気を噴射させることとしたが、洗浄管60の下方の水の噴射口の周囲からさらに空気を噴射させることにしても良い。
杭間領域Rの掘削および洗浄が完了した後、杭間領域Rにモルタルジャケットを装入する。その後、モルタルジャケットに固化材の一例であるモルタルを充填する。そして、充填されたモルタルが固化することにより止水壁1が構築される。
本実施形態の止水壁1は以上の工程を経て構築される。本実施形態の止水壁1の構築方法では、杭間領域Rを洗浄する際に、水を駆動流体とするダウンザホールハンマー52を備えた、下端部から空気が噴射するよう構成された掘削洗浄管50を用いることで、杭間領域Rの地盤が硬質なものであっても杭間領域Rの掘削および洗浄を十分に行うことが可能となる。これにより、鋼管杭2の下端部までモルタルをより確実に充填することが可能となり、従前の止水壁1に対して止水性を向上させることができる。さらに、本実施形態の止水壁1の構築方法の場合、掘削洗浄管50を用いることで杭間領域Rの掘削と洗浄を同時に行えるため、杭間領域Rの掘削工程と洗浄工程を別々に分ける必要がなく、工程数を減少させることができ、施工時間を短縮することができる。
また、本実施形態のケーシング51は、ダウンザホールハンマー52と洗浄ノズル61とを付け替えることができるため、例えば杭間領域Rの地盤の硬さや土質等に応じてダウンザホールハンマー52をケーシング51に取り付けてなる掘削洗浄管50で掘削と洗浄を行うか、あるいは洗浄ノズル61をケーシング51に取り付けてなる洗浄管60で洗浄だけを行うか選択することも可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では、掘削洗浄管50をクレーン20で吊って杭間領域R内に下ろしていくこととしたが、杭間パイプ3用のアタッチメントユニット30のような掘削洗浄管50用のアタッチメントユニット(不図示)を準備し、杭間領域Rの洗浄を行う際には、そのアタッチメントユニットをチャック装置16に取り付けて、チャック装置16で掘削洗浄管50を把持するようにしても良い。このとき、掘削洗浄管50は昇降シリンダ装置15による昇降移動により下降する。また、杭間パイプ3用のアタッチメントユニット30に掘削洗浄管50用のアタッチメントユニットを取り付けて、杭間パイプ3よりも小径な掘削洗浄管50を把持できるようにしても良い。掘削洗浄管50用のアタッチメントユニットも、杭間パイプ3用のアタッチメントユニット30と同様に掘削洗浄管50を把持するためのアタッチメントや連結部材等と共にユニット化することで、チャック装置16への着脱が容易となるが、ユニット化せずに掘削洗浄管50を把持するためのアタッチメント31だけを取り付けるように構成しても良い。この場合であっても、チャック装置16を、掘削洗浄管50に適したサイズのチャック装置(不図示)に換装するよりは施工時間を短縮することができる。また、鋼管杭2や杭間パイプ3の把持用のチャック部17の隣に、掘削洗浄管50の把持用の別のチャック部が設けられるようにチャック装置16を構成しても良い。この場合は、掘削洗浄管50を把持するためのアタッチメントが不要である。なお、この別のチャック部は、例えば、チャック装置16に予め備えられた構成であってもよく、あるいはチャック装置16に着脱自在に装着される構成であってもよい。
また、掘削洗浄管50のケーシング51と外周パイプ53を接続方法は上記実施形態で説明したものに限定されない。また、ケーシング51は水の流路と空気の流路を有していれば、二重管構造に限定されず、三重管や四重管等の多重管構造であっても良い。その場合でもケーシング51を外周パイプ53で覆うことで、ケーシング51から側方に吐出される空気を外周パイプ53の下端部に送ることが可能である。加えて、掘削洗浄管50の下端部から空気を噴射する構成は上記実施形態で説明したものに限定されない。さらに、上記実施形態では駆動流体が水であるダウンザホールハンマー52を用いたが、駆動流体が空気であるダウンザホールハンマー(いわゆるエアーハンマー)を用いても良い。この場合、掘削洗浄管50は、掘削ズリ排出補助流体である水を下端部から噴射するように構成されていれば良い。また、ダウンザホールハンマー52の駆動流体は水以外の他の液体であっても良いし、空気以外の他の気体であっても良い。同様に、掘削ズリ排出補助流体も水以外の他の液体であっても良いし、空気以外の他の気体であっても良い。例えば駆動流体として水を用いた場合、掘削ズリ排出補助流体として空気以外の他の気体を用いることもできる。また、駆動流体として空気を用いた場合、掘削ズリ排出補助流体として水以外の他の液体を用いることができる。いずれの場合も掘削洗浄管50が、ダウンザホールハンマー52を有し、下端部から掘削ズリ排出補助流体が噴射されるように構成されていれば、杭間領域Rの掘削と洗浄を同時に行うことができる。
また、上記実施形態では、杭圧入機として回転式杭圧入機を用いたが、チャック部17が回転せずにチャック装置16の昇降移動で鋼管杭2を圧入する杭圧入機を用いても良い。この場合であっても、杭間領域Rの洗浄を行う際に掘削洗浄管50を用いることで地盤の掘削と洗浄を同時に行うことができる。このように杭圧入機10の構成は上記実施形態で説明したものに限定されない。ただし、上記実施形態のように回転式杭圧入機を用いて掘削洗浄管50を回転させながら下降させることにより、ダウンザホールハンマー52による掘削力を高めることができる。また、杭圧入機自体を用いずに他の方法で掘削洗浄管50を下降させて杭間領域Rの掘削と洗浄を実施しても良い。
また、止水壁1の構築箇所は上記実施形態で説明した河川に限定されない。また、地盤が硬質なものでない場合であっても、掘削洗浄管50により杭間領域Rの掘削および洗浄を行うことは可能である。さらに上記実施形態では杭間領域Rにモルタルを充填することで止水壁1を構築することとしたが、モルタル以外の他の固化材を用いても良い。他の固化材として例えば水ガラス系固化材、シリコン系固化材、セメント系固化材など、固化する性質を持つ流動性のある材料が用いられる。なお、固化材の種類によってはモルタルジャケットのような固化材が注入される袋体が不要な場合もある。
本発明は、硬質地盤の河川に止水壁を構築する際に利用することができる。
1 止水壁
2 鋼管杭
3 杭間パイプ
10 杭圧入機
11 サドル
12 クランプ装置
13 スライドベース
14 旋回ベース
15 昇降シリンダ装置
16 チャック装置
17 チャック部
17a 開口部
17b 杭把持爪
20 クレーン
30 アタッチメントユニット
31 アタッチメント
32 連結部材
33 嵌合爪
34 ラッチ
50 掘削洗浄管
51 ケーシング
51a 内管
51b 外管
52 ダウンザホールハンマー
53 外周パイプ
54 空気吐出口
55 ビット部
56 外周パイプ取付部材
57 円板部材
58 六角穴付ボルト
59 空気噴射口
60 洗浄管
61 洗浄ノズル
R 杭間領域

Claims (5)

  1. 間隔をおいて設置された複数の鋼管杭と、隣り合う前記鋼管杭のそれぞれに接し、かつ、各鋼管杭間の隙間を囲むように設置された閉塞部材とを備えた止水壁の構築方法であって、
    前記鋼管杭および前記閉塞部材を設置した後、前記鋼管杭および前記閉塞部材で囲まれた杭間領域に、ダウンザホールハンマーを備えた、下端部から掘削ズリ排出補助流体が噴射するように構成された掘削洗浄管を挿入して前記杭間領域の掘削および洗浄を行い、
    前記杭間領域に固化材を充填することで止水壁を構築する、止水壁の構築方法。
  2. 前記杭間領域の掘削および洗浄の際に、前記ダウンザホールハンマーの駆動流体が水であり、前記掘削ズリ排出補助流体が空気である前記掘削洗浄管を用い、該掘削洗浄管は、
    水の流路と空気の流路とを有するケーシングと、
    前記ケーシングの下端部に接続された前記ダウンザホールハンマーと、
    前記ケーシングに取り付けられ、前記ケーシングの外側面に設けられた空気吐出口の上方から前記ダウンザホールハンマーの下端部まで延びる、前記ダウンザホールハンマーの外周を覆う外周パイプとを有し、
    前記外周パイプの下端部に、該外周パイプの内方を流れる空気を外方に噴射させる空気噴射口が設けられている、請求項1に記載の止水壁の構築方法。
  3. 前記杭間領域の地盤に応じて、前記ケーシングに取り付けられていた前記ダウンザホールハンマーおよび前記外周パイプを、前記杭間領域内の洗浄を行う洗浄ノズルに付け替えてなる洗浄管を用いて、前記杭間領域の洗浄を行う、請求項2に記載の止水壁の構築方法。
  4. 既設の鋼管杭を把持し、前記既設の鋼管杭から反力を取った状態で新たな鋼管杭を把持して地盤に圧入する杭圧入機を用い、前記杭圧入機が備えるチャック装置で前記掘削洗浄管を把持して該掘削洗浄管を前記杭間領域内に下降させて前記杭間領域の掘削および洗浄を行う、請求項1又は2に記載の止水壁の構築方法。
  5. 前記チャック装置に前記掘削洗浄管を把持するためのアタッチメントを取り付け、
    前記アタッチメントを取り付けた前記チャック装置で前記掘削洗浄管を把持し、該掘削洗浄管を下降させて前記杭間領域の掘削および洗浄を行う、請求項4に記載の止水壁の構築方法。
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