JP6939537B2 - 車両側部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両側部構造に関する。
車体の軽量化の観点から、車体の外板や骨格部材に高張力鋼板を使用することがある。一例として、下記特許文献1には、縦断面形状が略ハット形に形成された高張力鋼板製のインナパネル及びアウタパネルから構成され、両パネルの上下のフランジがスポット溶接されたロッカ構造が開示されている。
特開2011−195108号公報
しかしながら、上記構成を採用し、高張力鋼板をスポット溶接する場合、鋼板間に隙間ができ、溶接時に生じる溶融部(ナゲット)が形成されにくく、接合強度を確保することが難しい。このため、側面衝突時にインナパネルとアウタパネルとの接合打点が剥離することが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突時にロッカインナパネルとロッカアウタパネルとの接合打点部が破断して接合部位が剥離することを抑制することができる車両側部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両側部構造は、少なくとも一方が高張力鋼板製のインナパネル及びアウタパネルにそれぞれ形成された上下一対のフランジ部同士を点接合することにより閉断面構造とされ、車体側部の車両上下方向下側に配置されると共に車両前後方向に沿って延在されたロッカと、前記ロッカの長手方向の中間部から車両上下方向上側へ延出されたセンタピラーの外板を構成し、車両側面視で下端部が裾広がり形状とされて前記アウタパネルに接合されたセンタピラーアウタリインフォースメントと、車両側面視で前記センタピラーアウタリインフォースメントの下端部の前側屈曲部位よりも車両前後方向前側と当該下端部の後側屈曲部位よりも車両前後方向後側に亘る車両前後方向範囲に設けられ、前記インナパネルの下フランジ部が前記アウタパネルの下フランジ部を覆うように折り重ねられたヘミング部と、を有し、前記アウタパネルには、前記下フランジ部から車両幅方向外側へ延出された底壁部が形成されており、前記ヘミング部の下端部が前記アウタパネルに沿って折り曲げられ、当該アウタパネルの前記底壁部に接着されている。
また、請求項2記載の本発明に係る車両側部構造は、前記アウタパネルには、前記底壁部の車両外側端部から車両上方側へ屈曲され、かつ前記センタピラーアウタリインフォースメントの下端部が接合された側壁部が形成されており、前記側壁部の略車両上下方向中間部には、車両幅方向内側に凹む段差部が形成されている。
請求項1記載の本発明によれば、高張力鋼板製のインナパネル及びアウタパネルにそれぞれ形成された上下一対のフランジ部同士を点接合することにより閉断面構造のロッカが構成される。また、ロッカのアウタパネルには、センタピラーの外板を構成するセンタピラーアウタリインフォースメントの下端部が接合されている。このため、側面衝突時に、センタピラーに車両幅方向内側に向けて衝突荷重が入力されると、センタピラーアウタリインフォースメントの下端部とロッカのアウタパネルとの接合部位を介し、ロッカのアウタパネルには、ロッカの上側のフランジ部同士の接合部位近傍を車両前後方向の軸としたねじり力(モーメント)が作用する。
ここで、車両側面視でセンタピラーアウタリインフォースメントの下端部は裾広がり形状に形成されており、当該下端部の前側屈曲部位よりも車両前後方向前側と当該下端部のの後側屈曲部位よりも車両前後方向後側に亘る車両前後方向範囲に、ロッカのインナパネルの下フランジ部及びアウタパネルの下フランジ部の一方が他方を覆うように折り重ねられたヘミング部が設けられている。このため、側面衝突時にセンタピラーアウタリインフォースメントからロッカのアウタパネルに衝突荷重が入力されると、ロッカのインナパネルの下フランジ部及びアウタパネルの下フランジ部の一方と他方との接合部位には剥離方向ではなくせん断方向に力が加わる。従って、ロッカのインナパネルの下フランジ部及びアウタパネルの下フランジ部の一方と他方との接合部位の接合耐力が向上し、接合部位が破断しにくくなる。また、一方のフランジ部が折り返されているため、これを曲げ戻さないとロッカのインナパネルの下フランジ部及びアウタパネルの下フランジ部の一方を他方から外すことができない。このため、ロッカの下側のフランジ部がヘミング加工されていない場合に比べて、側面衝突時の衝突荷重に対する耐力が増す。その結果、側面衝突により、ロッカのアウタパネルにねじり力が作用した際に、接合部位に剥離が生じることが抑制される。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両側部構造は、側面衝突時にロッカインナパネルとロッカアウタパネルとの接合打点部が破断して接合部位が剥離することを抑制することができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両側部構造が適用される車体側部を示す斜視図である。 図1に示されるロッカとセンタピラーとの接合部を拡大して示す斜視図である。 (A)は図2に示すA−A線に沿って切断した車両側部構造の縦断面を説明のために単純化した概略縦断面図であり、(B)は(A)のB線矢視部の拡大図である。 第1実施形態に係る車両側部構造においてなされるヘミング加工の工程を示しており、(A)はヘミング加工前の車両側部構造の状態を示す側面図であり、(B)はヘミング加工後の車両側部構造の状態を示す側面図である。 第1実施形態に係る車両側部構造におけるヘミング部の第1変形例の概略構成を示す図3(B)に対応する縦断面図である。 第1実施形態に係る車両側部構造におけるヘミング部の第2変形例の概略構成を示す図3(B)に対応する縦断面図である。 第2実施形態に係る車両側部構造におけるヘミング部近傍の概略構成を示す図3(B)に対応する縦断面図である。 (A)は第2実施形態に係る車両側部構造を図2に示すA−A線と同様の切断線に沿って切断した場合の断面を説明のために単純化した概略縦断面図であり、(B)は(A)のC線矢視部の拡大図である。 (A)は対比例に係る車両側部構造を図2に示すA−A線と同様の切断線に沿って切断した場合の断面を説明のために単純化した概略縦断面図であり、(B)は(A)のD線矢視部の拡大図である。 (A)は図9に示す車両側部構造に対し側面衝突荷重が入力された場合の概略縦断面図であり、(B)は(A)のE線矢視部の拡大図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図6を用いて、第1実施形態に係る車両側部構造について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。また、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、図3においては、図2に記載された本発明に係る車両側部構造を説明のために単純化した図面を用いて説明する。
(車体側部12の全体構成)
図1には、本実施形態に係る車両側部構造が適用された自動車(車両)10の車体側部12を中心とした車体14が斜視図にて示されている。この図に示されるように、車体側部12の下端部には、車両前後方向に沿って延在するロッカ16が配設されている。一方、車体側部12の上端部には、略車両前後方向に沿って延在するルーフサイドレール18が配設されている。ロッカ16及びルーフサイドレール18は、いずれも閉断面構造とされた長尺状の車体骨格部材である。
ロッカ16とルーフサイドレール18とは、フロントピラー22、センタピラー24、リヤピラー26といった3本のピラーによって車両上下方向に連結されている。3本のピラーはいずれも閉断面構造とされた長尺状(柱状)の車体骨格部材であり、フロントピラー22は、ロッカ16の前端部とルーフサイドレール18の前端部とを車両上下方向に連結している。センタピラー24は、ロッカ16の長手方向の中間部とルーフサイドレール18の長手方向の中間部とを車両上下方向に連結し、リヤピラー26はロッカ16の後端部とルーフサイドレール18の後端部とを車両上下方向に連結している。
[ロッカ16]
図1〜図3に示されるように、ロッカ16は、車体側部12の車室内側に配置された長尺状のロッカインナパネル30と、車体側部12の車室外側に配置されたロッカアウタパネル32とを含んで構成されている。このロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32は、いずれも高張力鋼板(ハイテン(High Tensile Strength Steel Sheets)材)によって構成されている。なお、本明細書において、「高張力鋼板」とは、普通鋼板よりも引張強さが高い鋼板の意味であり、引張強さが440MPa以上のものを意味する。さらに、「高張力鋼板」は引張強さが980MPa以上である超高張力鋼板であることが好ましい。
ロッカインナパネル30は、長手方向に対して直交する方向に切断したときの断面形状が、車両幅方向外側に開放されたハット形状とされている。具体的には、ロッカインナパネル30は、上下一対のフランジ部(上フランジ部36A及び下フランジ部36B)と、上フランジ部36Aの下端部から車両幅方向内側へ屈曲された頂壁部38と、頂壁部38の車両内側端部から車両下方側に屈曲された側壁部40と、側壁部40の下端部から車両幅方向外側へ屈曲されて下フランジ部36Bへ至る底壁部42と、を含んで構成されている。なお、図2においては、側壁部40が車両上下方向に延在された複数の縦壁部44及び車両幅方向に延在された複数の横壁部46を交互に連結させた段差形状として描かれているが、図3(A)においては、側壁部40は平板状に単純化して描いている。
ロッカアウタパネル32も同様に、長手方向に対して直交する方向に切断したときの断面形状が、車両幅方向内側に開放されたハット形状とされている。具体的には、上下一対のフランジ部(上フランジ部48A及び下フランジ部48B)と、上フランジ部48Aの下端部から車両幅方向外側へ屈曲された頂壁部50と、頂壁部50の車両外側端部から車両下方側に屈曲された側壁部52と、側壁部52の下端部から車両幅方向内側へ屈曲されて下フランジ部48Bへ至る底壁部54と、を含んで構成されている。
また、図2に示されるように、ロッカアウタパネル32は、ロッカインナパネル30と同様に、側壁部52が複数の縦壁部56及び横壁部58を交互に連結された段差形状とされている。ロッカアウタパネル32の側壁部52については少し言及すると、側壁部52は、頂壁部50の車両幅方向外側の端部から車両下方側へ屈曲された第1縦壁部56Aと、第1縦壁部56Aの下端部から車両幅方向外側に屈曲された第1横壁部58Aと、第1横壁部58Aの車両幅方向外側の端部から車両下方側に屈曲され、底壁部54の車両幅方向外側の端部へ至る第2縦壁部56Bと、を含んで構成されている。そして、この第1縦壁部56Aの外側面に、後述するセンタピラーアウタリインフォースメント76の下端部が接合されることで接合部60が形成されている。なお、図3(A)においては、ロッカインナパネル30の場合と同様に、側壁部52を平板状に単純化して描いている。
上述したロッカインナパネル30の車室外側には、後述するセンタピラーインナパネル72が隣接して配置されている。そして、ロッカインナパネル30の上フランジ部36Aを、センタピラーインナパネル72を挟持した状態で、ロッカアウタパネル32の上端に形成された上フランジ部48Aと、スポット溶接又はレーザー溶接(レーザースクリューウェルディング;LSW)といった点溶接(点接合)することで、フランジ合せ部62が形成されている。なお、本実施形態では、フランジ合せ部62の長手方向に沿って、略等間隔で点溶接することにより、ロッカインナパネル30、センタピラーインナパネル72及びロッカアウタパネル32が接合されている。
ここで、図4(A)に示されるように、ロッカアウタパネル32の長手方向の中間部においては、下フランジ部48Bのフランジ幅(車両上下方向に沿ったフランジ高さ)が、車両下方側に向かって略2倍延伸されており、これを折り返し線64に沿って、ロッカインナパネル30側へ折り返すことにより、ヘミング加工が可能に形成されている。このヘミング加工がなされる領域であるヘミング部66は、下フランジ部34Bを折り曲げる部位であり、折り返し線64に沿って車両上下方向に延在された折り曲げ部68と、折り曲げによりフランジ部34が折り返される部位であり、折り曲げ部68の下端からフランジ部34の下端に亘って延在される折り返し部70により構成されている。
[センタピラー24(センタピラーアウタリインフォースメント76)]
図1〜図3に示されるように、センタピラー24は、車体側部12の車室内側に配置された長尺状のセンタピラーインナパネル72と、センタピラーインナパネル72の車室外側に配置され、センタピラーインナパネル72に接合されることで閉断面構造を構成するセンタピラーアウタリインフォースメント76と、を含んで構成されている。これらのセンタピラーインナパネル72及びセンタピラーアウタリインフォースメント76は、いずれも前述した高張力鋼板(ハイテン(High Tensile Strength Steel Sheets)材)によって構成されている。
具体的に説明すると、図2に示されるように、センタピラーインナパネル72は、長手方向に対して直交する方向に切断したときの断面形状が浅底の略ハット形状とされており、前後一対のフランジ部(前フランジ部78A及び後フランジ部78B)と、前フランジ部78Aの後端部から車両幅方向内側へ屈曲された前壁部80と、前壁部80の車両幅方向内側の端部から車両後方側に屈曲された側壁部82と、側壁部82の後端部から車両幅方向外側へ屈曲された後、後フランジ部78Bに接続される後壁部84と、を含んで構成されている。
一方、図1に示されるように、センタピラーアウタリインフォースメント76は、上端部に形成されかつルーフサイドレール18に取付けられる部位である第1取付部96と、下端部に形成されかつロッカアウタパネル32に取付けられる部位である第2取付部98と、両取付部を除いた部位である一般部100と、を含んで構成されている。第1取付部96は車両側面視でT字状に形成されており、第2取付部98は車両側面視で裾広がり形状に形成されている。
また、センタピラーアウタリインフォースメント76は、断面構造的には、車両幅方向の最外側に配置される外側壁部110と、この外側壁部110の前後端から車両幅方向内側へそれぞれ屈曲された前壁部108及び後壁部112と、前壁部108及び後壁部112の車両幅方向内側の端部から互い離間する方向へそれぞれ屈曲されてセンタピラーインナパネル72の前後一対のフランジ部(前フランジ部78A及び後フランジ部78B)に接合される前後一対のフランジ部(前フランジ部106A及び後フランジ部106B)と、を含んで構成されており、深底の略ハット形状とされている。
第2取付部98では、前述したように側面視で裾広がり形状に形成されており、前壁部108は前側屈曲部位114を経てロッカアウタパネル32の頂壁部50に前着地部102Aにて着地されている。後壁部112は、後側屈曲部位116を経て、ロッカアウタパネル32の頂壁部50に後着地部102Bにて着地されている。また、第2取付部98では、前着地部102Aの前端から後着地部102Bの後端に亘る範囲で、車両前後方向視で逆L字状に屈曲されている。すなわち、前着地部102A及び後着地部102Bにあっては車両幅方向外側の端部から車両下方側へ屈曲されており、一般部110にあっては概ねそのまま車両下方側へ延出されることで、接合用の側面部104が形成されている。この側面部104はロッカアウタパネル32の側壁部52の第1縦壁部56Aに当接された状態でスポット溶接又はレーザー溶接の点溶接等によって接合されている。
次に、図4(A)、(B)を用いて、本実施形態に係る車両側部構造のヘミング部66に対してなされるヘミング加工その他の接合の手順について説明する。
まず、ヘミング加工の前提として、図4(A)に示されるように、ロッカアウタパネル32の長手方向の中間部(即ち、センタピラーアウタリインフォースメント76の車両上下方向下側)には、ヘミング加工がなされる領域であるヘミング部66が形成されている。より詳細には、ヘミング部66は、車両側面視でセンタピラーアウタリインフォースメント76の下端部の前側屈曲部位114よりも車両前後方向前側と当該下端部の後側屈曲部位116よりも車両前後方向後側に亘る車両前後方向範囲(本実施形態では、前着地部102Aの前端から後着地部102Bの後端に亘る範囲)に設けられている。
ヘミング加工を施すに当たっては、まず、ヘミング部66(なお、図4(A)を参照して説明するときに使う「ヘミング部66」の語は、最終的に形成されるヘミング部66ではなく、その前段階の折り曲げ加工前の帯状の板状部を指している。)が形成されたロッカアウタパネル32を加工位置に寝かせるように載置し、ヘミング部66を折り返し線64に沿って略直角に屈曲させる(ヘミング加工第1工程)。次に、センタピラーインナパネル72及びロッカインナパネル30を、その端部が折り返し線64に沿うように、ロッカアウタパネル32上に載置し、第1工程により略直角に屈曲された折り返し部70をさらに内側に折り曲げる(ヘミング加工第2工程)。次に、ヘミング加工装置やハンマ等の工具で、折り返し部70を押圧又は打撃してさらに数十度折り曲げる。これにより、ロッカアウタパネル32の折り返し部70がセンタピラーインナパネル72の端部を挟持した状態で、ロッカインナパネル30の下フランジ部36Bを覆うように180度折り返される(ヘミング加工第3工程)。
そして、ロッカアウタパネル32の折り返し部70、ロッカインナパネル30の下フランジ部36B、センタピラーインナパネル72の下端部及びロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bを4枚重ね合わせた状態でロッカ16の長手方向に沿って、略等間隔でスポット溶接又は前述したレーザー溶接といった点溶接(点接合)がなされる。なお、各パネルにおいてこのスポット溶接等がなされる部位を「打点部118」という。
(作用及び効果)
次に、本実施形態に係る車両側部構造の作用効果を、対比例に係る車両側部構造と比較しながら説明する。
図9(A)、(B)及び図10(A)、(B)に示されるように、この対比例に係る車両側部構造では、高張力鋼板製のロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32に形成されたフランジ部36、48を点溶接(スポット溶接又は前述したレーザー溶接)することによりロッカ16が形成されており、ロッカアウタパネル32には、センタピラーアウタリインフォースメント76の下端部が接合されている。このため、側面衝突時に、センタピラー24に車両幅方向内側に向けて衝突荷重Fが入力されると、センタピラーアウタリインフォースメント76の下端部とロッカアウタパネル32との接合部60を介し、ロッカアウタパネル32には、ロッカ16の上端に位置するフランジ合せ部62近傍を軸として、D1方向にねじり力(モーメント)Mが作用する。
ここで、上記対比例に係る車両側部構造においては、ロッカインナパネル30の下フランジ部36B及びロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bを重ね合わせ、板厚方向にスポット溶接等の点溶接をしているに過ぎないため、前述したモーメントMにより、ロッカ16の下端部の打点部118に、D2方向に引張力Nが加わる結果、打点部118が破断して、ロッカインナパネル30とロッカアウタパネル32とが剥離することが考えられる。
これに対して本実施形態に係る車両側部構造は、図3に示されるように、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bが、ロッカインナパネル30の下フランジ部36Bを覆うようにヘミング加工がなされることにより、ヘミング部66が形成されている。このため、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bにおける折り返し部70と、ロッカインナパネル30の下フランジ部36Bにおける打点部118とは、D3方向にせん断力Qが加わり、打点部118の接合耐力が向上し、打点部118が破断しにくくなる。
また、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bが折り返されているため、これを曲げ戻さないとロッカアウタパネル32をロッカインナパネル30から外すことができない。このため、ロッカ16の下フランジ部48Bがヘミング加工されていない場合に比べて、側面衝突時の衝突荷重に対する耐力が増す。その結果、側面衝突により、ロッカ16のアウタパネル32にねじり力(モーメント)Mが作用した際に、接合部位に剥離が生じることを抑制することができる。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、図5を用いて本実施形態の第1変形例について説明する。なお、前述した本実施形態と同一構成部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。また、この第1変形例は参考例とする。
図5に示されるように、本実施形態に係る第1変形例は、ヘミング加工により折り返されたロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bの内周面、当該内周面により挟持されるロッカインナパネル30の下フランジ部36B及びセンタピラーインナパネル72の下端部が、接着剤120によりそれぞれ接合されている点に特徴がある。
具体的にその接合手順を説明すると、まず、前述したヘミング加工第1工程において、ロッカアウタパネル32に形成されたヘミング部66を折り返し線64に沿って略直角に屈曲させた後、折り返し線64近傍に接着剤120を塗布する。なお、本変形例においては、ヘミング用接着剤として、構造用接着剤を使用しているが、他の接着剤を使用してもよい。
次に、ヘミング加工第2工程において、接着剤120が塗布されたロッカアウタパネル32上に、センタピラーインナパネル72をその端部が折り返し線64に沿うように載置し接着する(第1接着工程)。その際、ロッカアウタパネル32上に塗布された接着剤120が、センタピラーインナパネル72に押圧され、その一部が折り返し線64近傍からセンタピラーインナパネル72上へと流れ込んだ状態で、当該センタピラーインナパネル72上にロッカインナパネル30を載置し接着する(第2接着工程)。次に、ロッカインナパネル30に押圧された接着剤120の一部がロッカインナパネル30上に流れ込んだ状態で、略直角に屈曲された当該ロッカインナパネル30の折り返し部70をさらに内側に折り曲げ接着する(第3接着工程)。なお、各工程において、各パネル間及び折り曲げ部68に生じる隙間を埋めるように、接着剤120を適宜補充する。最後に、ヘミング加工第3工程において、ヘミング加工装置やハンマ等の工具で、折り返し部70を押圧又は打撃してさらに数十度折り曲げる。
本変形例によれば、ヘミング加工により折り曲げられたロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bの内周面、当該内周面により挟持されるロッカインナパネル30の下フランジ部36B及びセンタピラーインナパネル72の下端部が、各パネル間及び折り曲げ部68に生じる隙間を埋めるように接着剤120が充填された状態で接合されている。これにより、接合面積を確保でき、接合強度が向上する結果、側面衝突時におけるロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32の剥離をより効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
<第1実施形態の第2変形例>
次に、図6を用いて本実施形態の第2変形例について説明する。なお、前述した本実施形態と同一構成部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図6に示されるように、本実施形態に係る第2変形例は、第1変形例における接着剤120による接合がなされた後、当該接合箇所において、板厚方向にスポット溶接等の点溶接がなされる点に特徴がある。
具体的には、本実施形態に係る第1変形例において説明したように、ヘミング加工により折り返されたロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bの内周面、当該内周面により挟持されるロッカインナパネル30の下フランジ部36B及びセンタピラーインナパネル72の下端部が、各パネル間及び折り曲げ部68に生じる隙間を埋めるように接着剤120により接合される。そして、当該接合により各パネルが重ね合された状態で、ロッカ16の長手方向に沿って等間隔で複数箇所においてスポット溶接等の点溶接がなされることによって、各パネルが板厚方向に接合されている。接着と溶接とが併用される結果、さらに接合強度が向上し、側面衝突時におけるロッカインナパネル及びロッカアウタパネルの剥離をより効果的に抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、図7及び図8(A)、(B)を用いて、第2実施形態に係る車両側部構造について説明する。なお、図8(A)、(B)においては、本発明に係る車両側部構造を説明のために単純化した図面を用いて説明する。また、前述した本実施形態と同一構成部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
(車両側部構造の構成)
本実施形態に係る車両側部構造は、ロッカインナパネル30にヘミング部122が形成されており、当該ヘミング部122の下端部がロッカアウタパネル32に沿って折り曲げられ、ロッカアウタパネル32の底壁部54に接着されている点に特徴がある。
具体的に説明すると、ロッカインナパネル30は、上下一対のフランジ部(上フランジ部124A及び下フランジ部124B)と、上フランジ部124Aの下端部から車両幅方向内側へ屈曲された頂壁部38と、頂壁部38の車両内側端部から車両下方側に屈曲された側壁部40と、側壁部40の下端部から車両幅方向外側へ屈曲されて下フランジ部124Bへ至る底壁部42と、を含んで構成されている。
そして、下フランジ部124Bは、図7に示されるように、ロッカアウタパネル32の長手方向の中間部において、フランジ幅が、車両下方側に向かって3倍よりもわずかに短く延伸されており、これを折り返し線64に沿って、折り返すことにより、ヘミング加工が可能に形成されている。
このヘミング加工がなされる領域であるヘミング部122は、折り曲げ部126と、折り返し部128と、延伸部130と、によって構成されている。折り曲げ部128は、フランジ部124Bを折り曲げる部位であり、折り返し線64(図4(A)参照)に沿って車両前後方向に延在する部位である。折り返し部128は、折り曲げによりフランジ部124Bが折り返される部位であり、折り曲げ部126の下端から、延伸部130の車両幅方向内側の内端に亘って延在される部位である。延伸部130は、ロッカアウタパネル32の底壁部54に沿ってフランジ部124Bを折り曲げる部位であり、折り返し部128の上端からフランジ部124Bの車両幅方向外側の外端に亘って延在される部位である。
延伸部130は、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48B及び底壁部54のなす角度とほぼ等しい角度で、折り返し部128を車両外側へ折り曲げ延伸させることにより形成されており、その上面とロッカアウタパネル32の底壁部54の下面とが接着剤120により接合されている。
(作用及び効果)
次に、図8を用いて、本実施形態に係る車両側部構造の作用効果を説明する。
本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様に、ロッカインナパネル30の下フランジ部124Bが、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48Bを覆うようにヘミング加工が施された上で点溶接されている。このため、センタピラー24に側面衝突時の衝突荷重が入力されると、打点部118には剥離方向に荷重が作用するのではなく、せん断方向に荷重が作用するため、第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。但し、前述した第1実施形態とは異なり、ロッカインナパネル30の下フランジ部124B側からロッカアウタパネル32の下フランジ部48B側へ折り曲げ部128を折り曲げているため、下フランジ部48B及び折り返し部128間には車両上側(D4方向)へ向けてせん断力Qが作用することになる。
また、上記の通り、ロッカインナパネル30の下フランジ部124B側からロッカアウタパネル32の下フランジ部48B側へ折り曲げ部128が折り曲げてられているため、ロッカアウタパネル32が車両上方へと押し上げられると、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48B及び底壁部54のなす角度θがより大きくなると共に、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48B及びロッカインナパネル30の折り返し部128が車両外側に傾斜する(図8(A)、(B)の二点鎖線参照)。この結果、断面崩れによる打点部118の破断が生じ、ロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32の剥離が生じることが考えられる。
しかし、本実施形態に係る車両側部構造では、図7に示されるように、ロッカインナパネル30の下フランジ部124Bに、折り曲げ部126及び折り返し部128に加え、延伸部130を備えたヘミング部122が形成されている。延伸部130は、ロッカアウタパネル32の下フランジ部48B及び底壁部54のなす角度θとほぼ等しい角度で、折り返し部128を車両外側へ折り曲げ延伸されており、その上面とロッカアウタパネル32の底壁部54の下面とが接着剤120で接着されている。このため、延伸部130がロッカアウタパネル32の底壁部54を補強し、角度θの変化を抑制する結果、断面崩れによる打点部118の破断に起因するロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32の剥離を抑制することができる。
<上述した実施形態の補足説明>
上述した実施形態では、ロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32のいずれも高張力鋼板製として説明したが、これに限らず、ロッカインナパネル30及びロッカアウタパネル32の少なくとも一方が高張力鋼板製であればよい。両者のいずれか一方が普通鋼板であったとしても、本発明の効果は得られる。
10 自動車(車両)
16 ロッカ
24 センタピラー
30 ロッカインナパネル(インナパネル)
32 ロッカアウタパネル(アウタパネル)
36A 上フランジ部
36B 下フランジ部
48A 上フランジ部
48B 下フランジ部
66 ヘミング部
76 センタピラーアウタリインフォースメント
114 前側屈曲部位
116 後側屈曲部位
118 打点部
122 ヘミング部

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が高張力鋼板製とされたインナパネル及びアウタパネルにそれぞれ形成された上下一対のフランジ部同士を点接合することにより閉断面構造とされ、車体側部の車両上下方向下側に配置されると共に車両前後方向に沿って延在されたロッカと、
    前記ロッカの長手方向の中間部から車両上下方向上側へ延出されたセンタピラーの外板を構成し、車両側面視で下端部が裾広がり形状とされて前記アウタパネルに接合されたセンタピラーアウタリインフォースメントと、
    車両側面視で前記センタピラーアウタリインフォースメントの下端部の前側屈曲部位よりも車両前後方向前側と当該下端部の後側屈曲部位よりも車両前後方向後側に亘る車両前後方向範囲に設けられ、前記インナパネルの下フランジ部が前記アウタパネルの下フランジ部を覆うように折り重ねられたヘミング部と、を有し、
    前記アウタパネルには、前記下フランジ部から車両幅方向外側へ延出された底壁部が形成されており、
    前記ヘミング部の下端部が前記アウタパネルに沿って折り曲げられ、当該アウタパネルの前記底壁部に接着されている、
    車両側部構造。
  2. 前記アウタパネルには、前記底壁部の車両外側端部から車両上方側へ屈曲され、かつ前記センタピラーアウタリインフォースメントの下端部が接合された側壁部が形成されており、
    前記側壁部の車両上下方向中間部には、車両幅方向内側に凹む段差部が形成されている、
    請求項1に記載の車両側部構造。
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