JP6939422B2 - 空調制御システム - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、車両用空調装置を制御する空調制御システムに関する。
特許文献1には、乗員が乗車する前に行う車室内の空調、所謂プレ空調に関する技術が開示されている。この技術では、乗員の携帯する発信機が、プレ空調を開始指示するためのプレ空調リクエスト信号と、乗員の位置情報とを共に車両に送信する。プレ空調リクエスト信号を受信した車両のECUは、乗員の位置情報および車両の位置情報に基づいて乗員から車両までの距離を推定し、乗員が車両に乗り込むまでの時間を推定する。そして、バッテリの残量を検出してプレ空調可能な時間を算出し、プレ空調可能時間と、乗員が車両に乗り込むまでの時間とに基づいて、プレ空調の開始タイミングを決定する。
特許第4265566号公報
特許文献1の技術では、プレ空調を開始した後の乗員の移動状態の変化に対応することは開示されていない。特許文献1の技術においては、乗員がその場に留まる、乗員の移動速度が遅くなるなどの車両への接近が停滞するような行動を乗員がとり、車両への到着のタイミングが遅れる場合でも、プレ空調を開始すると乗員が到着するまでプレ空調を継続すると考えられる。この場合、プレ空調による消費電力が増加してしまう。
開示される目的は、プレ空調による消費電力を抑制可能な空調制御システムを提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
車両(10)に搭載された車両用空調装置(15)に対して、乗員の乗車前の車室内を空調するプレ空調を実行させることが可能な空調制御部(14)と、乗員が車両に対して距離閾値以内に接近しているか否かを判定する接近判定部(33c)と、距離閾値を設定する閾値設定部(33d)と、乗員の車両に対する接近が停滞しているか否かを判定する停滞判定部(33e)と、を備え、接近判定部において乗員が車両に対して距離閾値以内に接近していると判定された状態で、停滞判定部において乗員の車両に対する接近が停滞していないと判定された場合には、空調制御部がプレ空調を実行させ、停滞判定部において乗員の車両に対する接近が停滞していると判定された場合には、閾値設定部が距離閾値を低下させる。
この開示によれば、空調制御システムは、乗員が車両に対して距離閾値以内に接近している状態で、乗員の車両に対する接近が停滞していない場合にはプレ空調を実行し、乗員の車両に対する接近が停滞している場合には、距離閾値を低下させることができる。したがって、乗員がその場に留まる、乗員の移動速度が遅くなるなどの車両に対する接近が停滞するような行動を乗員がとり、車両への到着のタイミングが遅れる場合でも、距離閾値を低下させることで、プレ空調を開始するタイミングを遅らせることができる。以上により、プレ空調による消費電力を抑制可能な空調制御システムを提供することができる。
第1実施形態に係る空調制御システムを示す概略図である。 第1実施形態に係る空調制御システムを示すブロック図である。 第1実施形態の空調制御システムが実行する処理を示すフローチャートである。 乗員と車両との間の距離の変化およびコンプレッサの作動状況の変化の様子の一例を示す図である。 第2実施形態に係る空調制御システムを示すブロック図である。 第2実施形態の空調制御システムが実行するフローチャートである。 第3実施形態の空調制御システムが実行するフローチャートである。
(第1実施形態)
第1実施形態の空調制御システム1について、図1〜図6を参照しながら説明する。空調制御システム1は、例えば、車両10と、携帯端末20と、サーバ装置30とを備える。空調制御システム1は、車両10の車室内の空調を行う車両用空調装置15の作動を制御することができる。特に空調制御システム1は、乗員が車両10に乗車する前に車室内を空調するプレ空調の実行を制御する。
車両10には、測位部22と、無線通信部21と、DCU13と、空調ECU14と、車両用空調装置15とが搭載されている。車両10は、走行駆動源としてのモータおよびこのモータに対して電力を供給するバッテリを搭載している。車両10は、例えばモータのみを走行駆動源とする電気自動車、モータと内燃機関の両方を走行駆動源として利用するハイブリッド車およびプラグインハイブリッド車等である。車両用空調装置15は、例えばヒートポンプサイクルを備える。車両用空調装置15は車室内の空調を実現するための各種の空調機能部品によって構成される。例えば、車両用空調装置15は、内外気を切り替える内外気切替ドア、送風するためのブロワ、電動コンプレッサやエバポレータ、コンデンサなどで構成された空気の冷却、加熱を行うためのヒートポンプサイクルユニットなどで構成される。車両用空調装置15は、上述のバッテリからの電力を利用して駆動される。
測位部12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機と慣性センサとを備える。GNSS受信機は、GNSSを構成する測位衛星が送信する測位信号を受信する受信機である。GNSS受信機は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも1つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。慣性センサは、車両10の角速度を計測するジャイロセンサや、車両10の加速度を計測する加速度センサである。測位部12は、GNSS受信機による測位信号と慣性センサによる計測結果との組み合わせにより車両10の位置を逐次決定する。すなわち測位部12は、車両10の位置を特定する機能を有する。測位部12は、得られた車両位置情報を無線通信部21からサーバ装置30へと送信可能である。
無線通信部11は、インターネット、携帯電話網等の公衆回線網および基地局を介してサーバ装置30および携帯端末20と無線通信を行う。無線通信部11は、サーバ装置30および携帯端末20と相互通信可能である。または、携帯端末20とは直接通信を行わない構成であってもよい。
DCU13および空調ECU14は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。DCU13および空調ECU14は、記憶媒体に記憶された各種のプログラムをCPU等のプロセッサによって実行することで、各種制御処理を実施する機能を有する。DCU13および空調ECU14は、それぞれ車両10に搭載された複数のECU(Electronic Control Unit)のうちの1つである。
DCU13(Domain Control Unit)は、対応するドメインに属する車載装備の制御を統括する制御装置である。一般的にDCU13は車両10に複数搭載されている。図2に示すDCU13は、特に車両用空調装置15が属するドメインにおける車載装備の制御を統括するDCUである。DCU13は、空調ECU14と通信可能に接続され、空調ECU14に対して所定の指示信号を送信することができるように構成されている。DCU13は、空調ECU14よりも上位のECUであるということもできる。DCU13は、サーバ装置30から送信されたプレ空調の開始指示もしくは解除指示を空調ECU14へと送信する。
空調ECU14は、車両用空調装置15を制御する制御装置である。空調ECU14は、車両用空調装置15におけるブロワ、コンプレッサ、エアミックスドア、内外気切替ドア、吹出口切替ドア等を制御する。空調ECU14は、車両10に乗員が乗車する前、イグニッションスイッチがOFFの状態でも車両用空調装置15を制御して空調を実行することができる。空調ECU14は、プレ空調の実行開始または実行中のプレ空調の解除を、DCU13からの指示を受けて実行する。空調ECU14は、「空調制御部」に相当する。
次に携帯端末20について説明する。携帯端末20は、無線通信部21と、制御部23と、加速度センサ24とを備える。携帯端末20は、乗員が持ち運び可能な通信デバイスである。携帯端末20は、例えばスマートフォン、ウェアラブルデバイス、タブレット端末等、車両10を利用する乗員が所有する通信デバイスによって提供することができる。携帯端末20は、電子キーやスマートキー等の車両10ドアの施解錠の許可を行う機能を有する通信端末によって提供されてもよい。無線通信部21は、車両10の無線通信部11と同様に公衆回線網および基地局を介してサーバ装置30と無線通信を行う。測位部22は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備える。測位部22は、GNSS受信機による測位信号に基づいて携帯端末20の位置を決定する。すなわち測位部22は、携帯端末20の位置を特定する機能を有する。測位部22は、得られた端末位置情報を無線通信部21からサーバ装置30へと送信可能である。携帯端末20は乗員が持ち運ぶので、端末位置情報は乗員の位置情報とみなすことができる。
加速度センサ24は、携帯端末20に内蔵されているセンサであって、携帯端末20に加わる加速度を検出する。加速度センサ24は、例えば互いに直交する3つの軸方向毎の加速度を検出する3軸加速度センサである。加速度センサ24は、加速度の検出によって、携帯端末20を所持した乗員の動きによって携帯端末20に加わる振動の状態量を検出することができる。すなわち加速度センサ24は、乗員の所持する携帯端末20の振動を検出する振動検出部である。加速度センサ24は、携帯端末20に加わる振動の状態量を、加速度として検出する。
制御部23は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御部23は、記憶媒体に記憶された各種のプログラムをCPU等のプロセッサによって実行することで、各種制御処理を実施する機能を有する。制御部23は、測位部22が取得した位置情報を、無線通信部21からサーバ装置30へと送信する機能を有する。制御部23は、加速度センサ24で検出した振動の状態量の時間変化、すなわち加速度の時間変化のデータを無線通信部21からサーバ装置30へと送信する機能を有する。
次にサーバ装置30について説明する。サーバ装置30は、無線通信部31と、制御部33と、データ格納部32とを有する。サーバ装置30は、例えば管理センタに設置されたホストコンピュータによって提供される。サーバ装置30は、1台のコンピュータまたは複数のコンピュータによって構成される。無線通信部31は、インターネット、携帯電話網等の公衆回線網および基地局を介して車両10および携帯端末20と無線通信を行う。無線通信部31は、車両10および携帯端末20と相互通信可能である。
データ格納部32は、無線通信部31が受信したデータ、制御部33による演算処理結果等を記憶して蓄積する記憶装置である。データ格納部32は、例えば乗員の滞在地の位置情報を記憶する。ここで乗員の滞在地とは、乗員が予め設定した滞在地である。滞在地としては、例えば乗員の自宅、職場等の乗員が日常的に使用、滞在する施設が設定される。
制御部33は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御部33は、記憶媒体に記憶された各種のプログラムをCPU等のプロセッサによって実行することで、各種制御処理を実施する機能を有する。特に制御部33は、現在地判定部33a、距離算出部33b、接近判定部33c、閾値設定部33d、停滞判定部33e、プレ空調開始指示部33j、プレ空調停止指示部33kとしての機能を有する。
現在地判定部33aは、乗員の現在地が予め設定された滞在地であるか否かを判定する。現在地判定部33aは、携帯端末20の測位部22が取得した携帯端末20の位置情報を乗員の所在地の情報として利用する。現在地判定部33aは、例えば携帯端末20の位置情報と滞在地の位置情報との距離の差が所定の距離以下の場合に、乗員の所在地が予め設定された滞在地であると判定する。
距離算出部33bは、携帯端末20と車両10との間の現在距離Lnowを算出する。距離算出部33bは、携帯端末20から送信された端末位置情報と、車両10から送信された車両位置情報から、携帯端末20と車両10との直線距離として算出される。
接近判定部33cは、距離算出部33bで算出した距離Lnowが、閾値Lsを下回っているか否かによって乗員が車両10に接近しているか否かを判定する。換言すれば、距離Lnowが、閾値Ls以内になったか否かを判定する。閾値Lsは、例えば制御部33に予め設定された乗員と車両10との間の直線距離である。閾値Lsは、例えば、プレ空調に必要な時間に基づいて求められる。ここでプレ空調に必要な時間とは、車室内に乗り込んだ際に乗員が不快感を覚えることを回避可能な温度に内気温が到達するために必要なプレ空調の時間である。第1実施形態においては閾値Lsが距離閾値に相当する。また、接近判定部33cは、距離Lnowが閾値Lsを上回っているか否かを判定して、乗員が車両10から離間しているか否かを判定する。
閾値設定部33dは、閾値Lsを設定する。閾値設定部33dは、一旦設定された閾値Lsを変更して別の値を再び設定することが可能である。閾値設定部33dは、例えば予め制御部33の記憶媒体に記憶された複数の距離の値から、適宜閾値Lsとして設定する値を選択する。複数の距離の値は、初期の閾値Lsとして設定される最も大きい距離から、最も小さい距離まで、等間隔の距離が記憶されている。閾値設定部33dは、閾値Lsを段階的に大きい値から小さい値へと設定を変更していくことで、閾値Lsを段階的に低下させることができるようになっている。
初期の閾値Lsとしては、例えば目標空調時間Tpに基づいて定められる乗員と車両10との間の距離が設定される。ここで目標空調時間Tpとは、例えばプレ空調に必要な時間である。ここでプレ空調に必要な時間とは、車室内に乗り込んだ際に乗員が不快感を覚えることを回避可能な温度に内気温が到達するために必要なプレ空調の時間である。
目標空調時間Tpの決め方の一例について説明する。例えばプレ空調を夏季に実施する場合を考えると、車室内に乗り込んだ際に乗員が暑さによる不快感を覚えることを抑制するには、車室内温度(以下、内気温と表記)が外気温と同等以下であることが望ましい。したがって、乗員が乗車するまでにプレ空調によって内気温を外気温と同等な温度に到達させるのに必要な時間を、上述の必要な時間として定めることができる。より具体的な例としては、外気温が35℃で日射が届く環境に車両10を駐車すると、20〜30分程度で内気温は50℃まで上昇する。この状態でプレ空調を開始し、内気温が外気温と同等、すなわち35℃まで下がるには、3分程度の時間が必要となる。以上により、夏季のプレ空調に必要な時間Tpとして、3分を設定することができる。
すなわち閾値Lsは、上述のように定められたプレ空調に必要な時間と、乗員の歩行速度とを用いて算出することができる。乗員の歩行速度は、人の平均歩行速度とすることができる。または、乗員の平均歩行速度を携帯端末20等によって収集する乗員の歩行データから算出してもよい。例えばプレ空調に必要な時間を上述の3分、乗員の歩行速度を4km/hとすると、初期の閾値Lsは200mと設定できる。
停滞判定部33eは、乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定する。停滞判定部33eは、より細かな機能ブロックとして、振動判定部33e1を有する。振動判定部33e1は、例えば携帯端末20の加速度センサ24が検出した携帯端末20に加わる振動である検出振動に基づいて接近が停滞しているか否かを判定する。振動判定部33e1は、より細かい機能ブロックとして、第1閾時間判定部33fと第2閾時間判定部33gとを有する。
第1閾時間判定部33fは、加速度センサ24が検出した状態量A(加速度A)の絶対値が閾値Athよりも大きい値である間には、その時間を積算時間T1としてカウントする。第1閾時間判定部33fは、このカウントが、第1閾時間T1thに到達したか否かを判定する。すなわち時間のカウントは、第1閾時間T1thに到達するまで積算される。ここで閾値Athは、例えば予め設定された値であり、一般的な人の歩行により発生する状態量Aの絶対値がこの閾値Athを上回るように実験等により定められた値である。換言すれば、第1閾時間判定部33fは、状態量Aが所定の範囲、ここではAth〜−Athの範囲よりも大きい値である時間を積算時間T1としてカウントする。閾値Athは、状態量閾値の一例である。
第2閾時間判定部33gは、加速度センサ24が検出した状態量Aが閾値Athよりも小さい値である間には、その時間を積算時間T2としてカウントする。第2閾時間判定部33gは、このカウントが、第2閾時間T2thに到達したか否かを判定する。第2閾時間T2thは、第1閾時間T1thよりも長い時間として設定される。時間のカウントは、第2閾時間T2thに到達するまで積算される。換言すれば、第2閾時間判定部33gは、状態量Aが所定の範囲、ここではAth〜−Athの範囲よりも小さい値である時間を積算時間T2としてカウントする。
振動判定部33e1は、第1閾時間判定部33fにて積算時間T1が第1閾時間T1thに到達したと判定されるよりも先に第2閾時間判定部33gにて積算時間T2が第2閾時間T2thに到達したと判定された場合に、乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定する。換言すれば、振動判定部33e1は、積算時間T2の第2閾時間T2thへの到達が積算時間T1の第1閾時間T1thへの到達よりも早い場合に乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定する。
プレ空調開始指示部33jは、プレ空調を開始する指示を無線通信部31から車両10に対して送信する。プレ空調開始指示部33jは、車両10側の無線通信部11およびDCU13を介して空調ECU14に対してプレ空調開始を指示する。プレ空調開始指示部33jは、停滞判定部33eの判定に基づいてプレ空調の開始を空調ECU14に指示する。より具体的には、乗員が閾値Ls以内に車両10に接近しており、且つ停滞判定部33eにおいて乗員の車両10に対する接近が停滞していないと判定された場合に空調指示を送信する。
プレ空調停止指示部33kは、プレ空調を停止する指示を無線通信部31から車両10に対して送信する。プレ空調停止指示部33kは、車両10側の無線通信部11およびDCU13を介して空調ECU14に対してプレ空調停止を指示する。プレ空調停止指示部33kは、現在地判定部33aまたは停滞判定部33eの判定に基づいてプレ空調の停止を空調ECU14に指示する。より具体的には、乗員の所在地が予め設定された滞在地であると設定された場合にはプレ空調停止を指示する。また、乗員が閾値Ls以内に車両10に接近しており、且つ停滞判定部33eにおいて乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定された場合に空調停止を指示する。
次に、空調制御システム1が実行する処理の一例について図3のフローチャートを参照しながら説明する。空調制御システム1は、図3のフローチャートの処理を、携帯端末20の電源が投入されている場合に実行する。
まず空調制御システム1は、ステップS10で乗員の現在地が予め設定された滞在地であるか否かを判定する。なお、図3においては、滞在地として乗員の自宅が設定されている場合を示している。ステップS10の処理は、現在地判定部33aの実行する処理に相当する。ステップS10で現在地が自宅であると判定されると、ステップS50へと進み、プレ空調停止指示部33kにてプレ空調禁止の指示を送信する。ステップS10、ステップS50の処理によって、乗員が自宅にいる場合は、乗員と車両10との間の距離に関わらずプレ空調を禁止する。
一方でステップS10において乗員の現在地が自宅ではないと判定された場合には、ステップS20へと進む。ステップS20では、閾値設定部33dが閾値Lsを設定する。このとき閾値設定部33dは、閾値Lsとして選択される複数の距離の値のうち最も大きい値、例えば200mを選択する。すなわち、ステップS20では閾値Lsの候補の中から最も大きい値を初期値として選択する。ステップS20で閾値Lsを設定すると、ステップS30へと進む。
ステップS30では、乗員と車両10との間の現在距離Lnowが、設定された閾値Lsを下回ったか否かを判定する。換言すれば、ステップS30で現在距離Lnowが閾値Lsに到達したか否か、すなわち乗員が車両10に対して閾値Ls以内に接近したか否かを判定する。ステップS30は、接近判定部33cにおいて実行される処理である。
ステップS30にて閾値Lsを上回っていると判定された場合には、ステップS32へと進む。ステップS32では、現在距離Lnowが設定された閾値Lsを上回っている時間が所定時間Tに到達したか否かを判定する。所定時間Tは、例えば乗員が車両10に接近する意思がないとみなせる時間として予め設定された時間である。ステップS32にて所定時間Tが経過していないと判定された場合には、再びステップS30へと戻る。ステップS32にて所定時間Tが経過したと判定されると、ステップS34へと進み、プレ空調を禁止する。すなわち、プレ空調を実行していない場合にはその状態を継続し、既にプレ空調を開始している場合には、プレ空調を停止させる。ステップS34の処理を終了すると、再びステップS30へと戻る。
一方ステップS30にて現在距離Lnowが閾値Lsを下回ったと判定されると、プレ空調を開始してもよい距離まで乗員が車両10に接近しているので、ステップS40へと進む。ステップS40では、携帯端末20の検出する状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っているか否かを判定する。ステップS40で状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っていない、すなわち下回っていると判定された場合には、ステップS41へと進み、状態量Aの絶対値が閾値Athを下回っている間だけ積算時間T2のカウントを進行する。ステップS41の次にはステップS42へと進み、積算時間T2が第2閾時間T2thに到達したか否かを判定する。ステップS42で積算時間T2が第2閾時間T2thに到達していないと判定されると、ステップS40へと戻る。このとき状態量Aの絶対値が閾値Athを下回っている場合には、ステップS41で積算時間T2のカウントを継続するが、状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っている場合には、ステップS43へと進むため、積算時間T2のカウントは一旦停止される。ステップS42の処理は、第2閾時間判定部33gが実行する処理である。
ステップS40にて閾値Athを上回っていると判定された場合には、ステップS43へと進み、状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っている間だけ積算時間T1のカウントを進行する。ステップS43の次にはステップS44へと進み、積算時間T1が第1閾時間T1thに到達したか否かを判定する。ステップS44で積算時間T1が第1閾時間T1thに到達していないと判定されると、ステップS40へと戻る。このとき状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っている場合には、ステップS43で積算時間T1のカウントを継続するが、状態量Aの絶対値が閾値Athを上回っている場合には、ステップS41へと進むため、積算時間T1のカウントは一旦停止される。ステップS44の処理は、第1閾時間判定部33fが実行する処理である。また、ステップS40〜ステップS44の処理は、振動判定部33e1、ひいては停滞判定部33eが実行する処理である。
制御部33は、積算時間T1が第1閾時間T1thに到達するか積算時間T2がT2thに到達するまでの間、ステップS40〜ステップS44までの処理を繰り返す。ステップS44で積算時間T1がT1thに到達したと判定されるより先に、ステップS42で積算時間T2がT2thに到達したと判定されると、ステップS50へと進む。
ステップS50では、プレ空調を禁止する指示を送信する。すなわち、プレ空調を実行していない場合にはその状態を継続する。既にプレ空調を開始している場合には、プレ空調を停止させる。ステップS50の処理は、プレ空調停止指示部33kにて実行される処理である。ステップS50でプレ空調を禁止すると、ステップS60へと進む。
ステップS60では、閾値Lsの値を低下させる処理を実行する。ステップS60の処理は、閾値設定部33dが実行する。閾値設定部33dは、設定されていた閾値Lsの値から一段階小さい値を、閾値Lsとして新たに設定する。例えば閾値Lsの値として、200m、150m、100mの中から200mが選択され設定されていた場合、閾値設定部33dは、一段階小さい150mを新たな閾値Lsとして設定し直す。ステップS60で新たな閾値を設定すると、ステップS30へと戻る。ここで、既に100mが閾値Lsとして設定されていた場合には、100mが閾値Lsの下限値であるので、閾値Lsを変更することなくステップS80にて積算時間T1、T2をリセットし、ステップS30へと戻る。
一方、ステップS42で積算時間T2がT2thに到達したと判定されるより先に、ステップS44で積算時間T1がT1thに到達したと判定されると、ステップS70へと進む。ステップS70では、プレ空調の実行を開始する。すなわち、既にプレ空調が開始されていた場合には、プレ空調を継続し、プレ空調が禁止されている場合には、プレ空調の禁止を解除してプレ空調を開始する。ステップS70の処理は、プレ空調開始指示部33jにて実行される処理である。ステップS70でプレ空調の実行を開始すると、ステップS80にて積算時間T1、T2をリセットし、ステップS30へと戻る。
次に図4のグラフを参照して具体的な状況の一例における空調制御システム1の作動を説明する。図4の上段のグラフは、乗員が車両10に接近して乗車するまでの距離Lnowの時間変化の一例を示している。このグラフに示す例において、乗員は、時刻t0で車両10に対して歩いて接近し始め、時刻t2からその場に停滞し、時刻t3で再び車両10に向かって接近し、時刻t6で車両10に到着して乗車する。乗員がその場に停滞する状況とは、例えば乗員が立ち話をする、自宅や職場、飲食店等の施設に滞在する等である。図4の中段のグラフは、乗員が所持する携帯端末20の加速度センサ24にて検出される状態量Aの時間変化の一例である。乗員がその場に停滞している時刻t2から時刻t3の間は、検出される状態量Aが比較的小さくなる。図4の下段のグラフは、時間の経過に伴う車両用空調装置15のコンプレッサの作動状況の変化を示している。なお図4のグラフではコンプレッサの作動状況のみを示しているが、ブロワ等の空調を実行する際に作動する他の空調機能部品も、コンプレッサと同様に作動、停止を行う。
まず時刻t0から時刻t1までの間は、現在距離LnowがステップS20で設定された初期の閾値Ls1を上回っているため、ステップS30、ステップS32のステップを繰り返す。時刻t1において、現在距離Lnowが閾値Ls1に到達するため、ステップS30からステップS40へと進む。時刻t1から時刻t2までの間は、ステップS40からステップS44の一連の処理を繰り返して積算時間T1および積算時間T2を積算していく。なお、図4の例では時刻t2までに積算時間T1が第1閾時間T1thに到達しなかったこととする。仮に時刻t2までに積算時間T1が第1閾時間T1thに到達した場合には、ステップS44にてステップS70へと進むため時刻t1から時刻t2までの間でプレ空調が開始される。
時刻t2で乗員がその場に停滞すると、状態量Aが小さくなる。これにより、積算時間T2が積算時間T1よりもカウントされやすくなる。時刻t2sにおいて、積算時間T1の第1閾時間T1thへの到達よりも先に、積算時間T2が第2閾時間T2thへ到達すると、ステップS42からステップS50、ステップS60へと進む。したがって、閾値Lsが、初期の閾値Ls1から一段階低下された値である閾値Ls2へと再設定される。このとき、時刻t2sにおける現在距離Lnowよりも閾値Ls2が小さい値であったとすると、時刻t3から再び乗員が車両10に対して接近し始めても時刻t4まではステップS30、ステップS32の処理を繰り返すこととなる。
時刻t4にて現在距離Lnowが閾値Ls2に到達すると、再びステップS30からステップS40へと進む。時刻t4以降において乗員はその場に停滞することなく車両10への接近を続けるので、積算時間T1が停滞時よりもカウントされやすくなり、積算時間T1の第1閾時間T1thへの到達が、積算時間T2の第2閾時間T2thへの到達よりも早くなる。時刻t5で積算時間T1が第1閾時間T1thに到達すると、ステップS44からステップS70へと進み、プレ空調が開始される。その後乗員が乗車するまでプレ空調が継続される。
以上により、空調制御システム1は、乗員がその場に停滞したこと、すなわち車両10への乗員の到着が遅くなったことに対応して、閾値Lsを低下させてプレ空調開始のタイミングを遅らせることができる。これにより、現在距離Lnowが閾値Ls1に到達すると乗員の乗車までプレ空調を実行し続ける場合に比べて、プレ空調に使用する動力を節約できる。
次に第1実施形態の空調制御システム1がもたらす作用効果について説明する。第1実施形態の空調制御システム1は、車両10に搭載された車両用空調装置15に対して、乗員の乗車前の車室内を空調するプレ空調を実行させることが可能な空調ECU14を備える。空調制御システム1は、乗員が車両10に対してプレ空調の実行を開始する閾値Ls以内に接近しているか否かを判定する接近判定部33cと、閾値Lsを設定する閾値設定部33dとを備える。空調制御システム1は、乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定する停滞判定部33eを備える。
これによれば、空調制御システム1は、乗員が車両10に対して距離閾値Ls以内に接近している状態で、乗員の車両10に対する接近が停滞している場合には、プレ空調の実行を開始する距離閾値Lsを低下させることができる。したがって、車両10に対する接近が停滞するような行動を乗員がとり、車両10への到着のタイミングが遅れる場合でも、距離閾値Lsを低下させることで、プレ空調を開始するタイミングを遅らせることができる。以上により、プレ空調による消費電力を抑制可能な空調制御システム1を提供することができる。
空調制御システム1は、乗員の所持する携帯端末20に加わる振動を検出する加速度センサ24をさらに備える。停滞判定部33eは、加速度センサ24が検出する振動に基づいて乗員の車両10に対する接近の変化が停滞しているか否かを判定する。これによれば、携帯端末20に加わる振動に基づいて乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定できる。すなわち、携帯端末20によって乗員の動きを直接検出できるので、乗員の動きの変化をより正確に検出することができる。
停滞判定部33eは、第1閾時間判定部33fと、第2閾時間判定部33gとを有する。第1閾時間判定部33fは、状態量Aが閾値thを上回る時間の積算時間T1が第1閾時間T1thに到達したか否かを判定する。第2閾時間判定部33gは、状態量Aが閾値Athを下回る時間の積算時間T2が第2閾時間T2thに到達したか否かを判定する。停滞判定部33eは、第1閾時間判定部33fにおいて第1閾時間T1thに到達したと判定されるよりも先に第2閾時間判定部33gにおいて第2閾時間T2thに到達したと判定された場合に、乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定する。
これによれば、検出される振動が閾値を下回る積算時間T1および閾値を上回る積算時間T2に基づいて停滞を判定するので、振動が短時間閾値を下回った場合に直ちに閾値Lsを変更することを回避できる。
空調ECU14がプレ空調の実行を開始させた後で、停滞判定部33eにおいて乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定された場合には、空調ECU14がプレ空調を停止する。これによれば、プレ空調が開始された後でも、乗員の車両10に対する接近が停滞した場合には、プレ空調を停止することでプレ空調に使用される電力を抑制することができる。
空調制御システム1は、乗員の現在地が予め設定された乗員の滞在地であるか否かを判定する現在地判定部33aを備える。現在地判定部33aにおいて乗員の現在地が滞在地であると判定された場合には、停滞判定部33eにおいて乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定することなく閾値設定部33dが閾値Lsを低下させる。
これによれば、自宅や職場等の乗員の滞在地を予め設定しておくことで、乗員の現在地が設定された滞在地である場合には、乗員が滞在地にて停滞すると判断し、停滞判定部33eにて停滞を判定することなく閾値Lsを低下させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態における空調制御システム1の変形例について説明する。図5および図6において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態の空調制御システム1において、停滞判定部33eは、より細かい機能ブロックとして、距離変動判定部33e2を有する。距離変動判定部33e2は、乗員と車両10との間の距離の変動に基づいて乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定する。距離変動判定部33e2は、例えばより細かい機能ブロックとして、第3閾時間判定部33hと第4閾時間判定部33iとを有する。
第3閾時間判定部33hは、乗員と車両10との間の距離の減少量の大きさが減少量閾値を上回っている間には、その時間を積算時間T3としてカウントする。第3閾時間判定部33hは、積算時間T3のカウントが、第3閾時間T3thに到達したか否かを判定する。すなわち時間のカウントは、第3閾時間T3thに到達するまで積算される。ここで減少量閾値は、例えば予め設定された値であり、一般的な人の歩行により発生する一定時間ごとの移動距離がこの減少量閾値を上回るように実験等により定められた値である。
第4閾時間判定部33iは、乗員と車両10との間の距離の減少量の大きさが減少量閾値を下回っている間には、その積算時間T4をカウントする。第4閾時間判定部33iは、この積算時間T4のカウントが、第4閾時間T4thに到達したか否かを判定する。積算時間T4のカウントは、第4閾時間T4thに到達するまで積算される。
距離変動判定部33e2は、第3閾時間判定部33hにて積算時間T3が第3閾時間T3thに到達したと判定されるよりも先に第4閾時間判定部33iにて積算時間T4が第4閾時間T4thに到達したと判定された場合に、乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定する。換言すれば、停滞判定部33eは、積算時間T4の第4閾時間T4thへの到達が積算時間T3の第3閾時間T3thへの到達よりも早い場合に乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定する。
次に、空調制御システム1が実行する処理の一例について図6のフローチャートを参照しながら説明する。空調制御システム1は、ステップS44で積算時間T2が第2閾時間T2thに到達したと判定されると、ステップS70に進む前にステップS47へと進む。
ステップS47では、乗員と車両10との間の距離の変動があるか否かを判定する。この処理は、距離変動判定部33e2によって実行される処理である。ステップS47では、積算時間T3が第3閾時間T3thに到達するのと積算時間T4が第4閾時間T4thに到達するのとではどちらが先かを判定する。ステップS47では、例えばステップS44で積算時間T2が第2閾時間T2thに到達した時点から、積算時間T3および積算時間T4のカウントを開始する。
または、積算時間T1および積算時間T2のカウント処理と並行して積算時間T3および積算時間T4のカウント処理を行ってもよい。この場合には、ステップS44からステップS47へと進んだ時点で積算時間T3が第3閾時間T3thに到達しているまたは積算時間T4が第4閾時間T4thに到達している場合には、その結果を基に乗員と車両10との間の距離の変動があるか否かを判定する。ステップS44からステップS47へと進んだ時点で積算時間T3、T4のいずれも閾時間T3th、T4thに到達していない場合、積算時間T3が第3閾時間T3thに到達するか積算時間T4が第4閾時間T4thに到達するまでカウントを継続すればよい。
第2実施形態の空調制御システム1は、振動判定部33e1において乗員の車両10に対する接近が停滞していないと判定された場合で、且つ距離変動判定部33e2において乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定された場合には、距離変動判定部33e2における判定結果を優先して選択する。
これによれば、例えば乗員が一定のエリアの中で動き回っていた場合など、乗員が車両10に接近していないにもかかわらず振動判定部において接近が停滞していないと判定される状況でも、距離変動判定部33e2による判定を優先する。これにより、乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かをより正確に判定することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態における空調制御システム1の変形例について説明する。図7において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態において距離変動判定部33e2は、振動判定部にて乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定された場合に距離の変動を判定する。すなわち、処理の一例として図7に示すように、ステップS43にて第1閾時間T1が第1閾時間T1thに到達したと判定された場合には、ステップS50に進んでプレ空調を停止するより前に、ステップS48にて距離の変動があるか否かを判定する。ステップS48における処理は、第2実施形態のステップS47における処理と同様であり、ステップS47の説明を参照により援用できる。
ステップS48にて距離の変動がないと判定されると、乗員の接近が停滞していると判断してステップS50に進んでプレ空調を停止する。一方でステップS48にて距離の変動があると判定されると、ステップS42にて積算時間T2が第2閾時間T2thに到達したと判定されたとしても、ステップS70へと進んでプレ空調を開始する。換言すれば、振動判定部33e1において乗員の車両10への接近が停滞していると判定された場合で、距離変動判定部33e2において乗員の車両10への接近が停滞していないと判定された場合には、距離変動判定部33e2の判定を優先する。
すなわち、第3実施形態の空調制御システム1では、振動判定部33e1にて乗員の車両10に対する接近が停滞していると判定された場合に距離変動判定部33e2にて停滞判定を行う。そして距離変動判定部33e2において乗員の車両10への接近が停滞していないと判定された場合には、距離変動判定部33e2の判定を優先し、プレ空調を開始する。したがって、第3実施形態の空調制御システム1では、乗員が車両10に対して接近しているにもかかわらず振動が検出されにくい状況下において、より確実に乗員の停滞を検出することができる。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、停滞判定部33eは、振動判定部33e1を備えるとした。これに代えて、停滞判定部33eは、振動判定部33e1を備えずに距離変動判定部33e2を備える構成であってもよい。換言すれば、停滞判定部33eは、携帯端末20にて検出される振動から乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定することなく、乗員と車両10との間の距離の減少量の変動から乗員の車両10に対する接近が停滞しているか否かを判定してもよい。
上述の実施形態において、接近判定部33c、閾値設定部33d、停滞判定部33eは、サーバ装置30の制御部33によって実行されるとした。これに代えて、DCU13、空調ECU14等の車載ECUがこれらの機能を有する構成であってもよい。また、現在地判定部33a、プレ空調開始指示部33j、プレ空調停止指示部33kについても車載ECUが有する構成であってもよい。それぞれの機能ブロックを車載ECUが有することで、対応する機能をサーバ装置30を介することなく車両10と携帯端末20との間の通信によって実行することができる。または、携帯端末20の制御部23がこれらの機能を有していてもよい
上述の実施形態において、乗員と車両10との間の現在距離Lnowは、測位衛星が送信する測位信号に基づいて携帯端末20と車両10のそれぞれの位置情報を取得し、取得された位置情報から算出するとした。これに代えて、携帯端末20と車両10との間で実施される近距離通信によって直線距離を算出してもよい。近距離通信とは、例えばBluetooth(登録商標)や、Wi−Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した通信である。
上述の実施形態において、振動判定部33e1は、携帯端末20に加わる振動の状態量Aとして、加速度センサ24が検出する加速度を取得するとした。これに代えて、振動の状態量Aとして、携帯端末20に加わる振動の速度、変位等を、携帯端末20に内蔵されたセンサで検出する構成であってもよい。振動判定部33e1は、乗員の動きの変化に伴う携帯端末20に加わる振動の変化を検出可能な状態量であれば、任意の状態量を振動の判定に採用することができる。
1 空調制御システム、 10 車両、 14 空調制御部、 15 車両用空調装置、 20 携帯端末、 24 振動検出部、 33a 現在地判定部、 33c 接近判定部、 33d 閾値設定部、 33e 停滞判定部、 33e1 振動判定部、 33e2 距離変動判定部、 33f 第1閾時間判定部、 33g 第2閾時間判定部、 33h 第3閾時間判定部、 33i 第4閾時間判定部。

Claims (8)

  1. 車両(10)に搭載された車両用空調装置(15)に対して、乗員の乗車前の車室内を空調するプレ空調を実行させることが可能な空調制御部(14)と、
    前記乗員が前記車両に対して距離閾値以内に接近しているか否かを判定する接近判定部(33c)と、
    前記距離閾値を設定する閾値設定部(33d)と、
    前記乗員の前記車両に対する接近が停滞しているか否かを判定する停滞判定部(33e)と、
    を備え、
    前記接近判定部において前記乗員が前記車両に対して前記距離閾値以内に接近していると判定された状態で、前記停滞判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していないと判定された場合には、前記空調制御部が前記プレ空調を実行させ、前記停滞判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していると判定された場合には、前記閾値設定部が前記距離閾値を低下させる空調制御システム。
  2. 前記乗員の所持する携帯端末(20)に加わる振動を検出する振動検出部(24)をさらに備え、
    前記停滞判定部は、
    前記振動検出部が検出する検出振動に基づいて前記乗員の前記車両に対する接近の変化が停滞しているか否かを判定する振動判定部(33e1)を有する請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記振動判定部は、
    前記検出振動の状態量が状態量閾値を上回る時間の積算時間が第1閾時間に到達したか否かを判定する第1閾時間判定部(33f)と、
    前記検出振動の状態量が前記状態量閾値を下回る時間の積算時間が第2閾時間に到達したか否かを判定する第2閾時間判定部(33g)と、
    を有し、
    前記第1閾時間判定部において前記第1閾時間に到達したと判定されるよりも先に前記第2閾時間判定部において前記第2閾時間に到達したと判定された場合に、前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していると判定する請求項2に記載の空調制御システム。
  4. 前記停滞判定部は、
    前記乗員と前記車両との間の距離の変動に基づいて前記乗員の前記車両に対する接近が停滞しているか否かを判定する距離変動判定部(33e2)を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調制御システム。
  5. 前記距離変動判定部は、
    所定時間ごとの前記乗員と前記車両との間の距離の減少量の大きさが減少量閾値の大きさを上回る時間の積算時間が第3閾時間に到達したか否かを判定する第3閾時間判定部(33h)と、
    前記所定時間ごとの前記乗員と前記車両との間の距離の減少量の大きさが前記減少量閾値の大きさを下回る時間の積算時間が第4閾時間に到達したか否かを判定する第4閾時間判定部(33i)と、
    を有し、
    前記第3閾時間判定部において前記第3閾時間に到達したと判定されるよりも先に前記第4閾時間判定部において前記第4閾時間に到達したと判定された場合に、前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していると判定する請求項4に記載の空調制御システム。
  6. 前記乗員の所持する携帯端末(20)に加わる振動を検出する振動検出部(24)をさらに備え、
    前記停滞判定部は、
    前記振動検出部が検出する検出振動に基づいて前記乗員の前記車両に対する接近の変化が停滞しているか否かを判定する振動判定部(33e1)と、
    前記乗員と前記車両との間の距離の変動に基づいて前記乗員の前記車両に対する接近が停滞しているか否かを判定する距離変動判定部(33e2)と、を有し、
    前記振動判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していないと判定された場合で、且つ前記距離変動判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していると判定された場合には、前記距離変動判定部における判定結果を優先して選択する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空調制御システム。
  7. 前記空調制御部が前記プレ空調の実行を開始した後で、前記停滞判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞していると判定された場合には、前記空調制御部が前記プレ空調を停止する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空調制御システム。
  8. 前記乗員の現在地が、予め設定された前記乗員の滞在地であるか否かを判定する現在地判定部(33a)を備え、
    前記現在地判定部において前記乗員の現在地が前記滞在地であると判定された場合には、前記停滞判定部において前記乗員の前記車両に対する接近が停滞しているか否かを判定することなく前記閾値設定部が前記距離閾値を低下させる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の空調制御システム。
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