JP6939398B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス積層体と、当該ガラス積層体を保護する樹脂フィルムとを有する積層体に関する。
近年、質感が高く、強度も高く、かつ耐熱性にも優れたガラス板を、表示装置を保護するためのディスプレイ装置のカバーガラスとして使用することが増えている。また、カーナビゲーション装置やインストルメントパネル等の車載機器に用いるディスプレイ装置のカバーガラスや、携帯電話等のモバイル機器に用いるディスプレイ装置のカバーガラスでは、カバーガラスの表面に機能層を設けて、ディスプレイ装置の表示性能を向上させている。
このようなディスプレイ装置の製造に用いるための機能層を有するガラス板は、ガラス板の両主面に樹脂フィルムが貼り付けられた形態で梱包されて輸送されている。これにより、輸送中にガラス板に異物が付着すること、ガラス板の表面に傷がつくことを予防している。そして、ガラス板をカバーガラスとしてディスプレイ装置等に組み付けている際には、一方の樹脂フィルムを剥離し、他方の樹脂フィルムを残した態様で取り扱われている(特許文献1、特許文献2参照)。
国際公開第2011/148990号 国際公開第2011/118367号
ガラス板をディスプレイ装置等に組み付ける際には、組み付けの作業性(以下、組み付け性という。)を高める点で、ガラス板に残る他方の樹脂フィルムは、ガラス板の面積よりも小さいことが好ましいと考えられる。
しかしながら、ガラス板の面積よりも小さい樹脂フィルムを位置精度よく、ガラス板に貼り付けることは困難である。また、一般に、一対の樹脂フィルムで挟持したガラス板を2本のローラーの間にとおして、圧力をかけてガラス板に樹脂フィルムを貼り付けている。そのため、機能層を有するガラス板の機能層が設けられた面に、連続してローラーを用いて、ガラス板よりも面積が小さい樹脂フィルムを貼合しようとする場合、樹脂フィルムを有さない領域の機能層がローラーに転写される恐れがある。例えば、機能層が、防汚層である場合、ローラーに転写された防汚層を形成する材料が後続のガラス板の防汚層を有さない面に付着するおそれがある。ガラス板をディスプレイパネルに貼合する際には、ディスプレイパネルとガラス板とを、ガラス板の防汚層を有さない面に貼合剤(例えば、粘着剤)を付けて貼合する。そのため、ガラス板の防汚層を有さない面に、防汚層を形成する材料が付着すると、ガラス板と貼合材との密着力が低下し、その結果、貼合不良が発生するおそれがある。したがって、ガラス板の防汚層を有さない面に、防汚層を形成する材料が付着したガラス板は、不良品として取り扱われる。
上記に鑑み、本発明は、ガラス板のディスプレイ装置への組み付けの際には、良好な組み付け性を有し、ガラス板に樹脂フィルムを粘着する際には、ガラス板の不良の発生が防止される積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、ガラス板第1主面と前記ガラス板第1主面に対向するガラス板第2主面とを有するガラス板と、前記ガラス板第1主面に設けられた機能層と、を含むガラス積層体と、前記ガラス積層体に積層された第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムと、を含む積層体であって、前記ガラス積層体は、前記ガラス板第1主面側のガラス積層体第1主面と前記ガラス積層体第1主面に対向するガラス積層体第2主面と、を有し、前記第1の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体第1主面に剥離可能に粘着され、前記第2の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体第2主面に剥離可能に粘着され、前記第1の樹脂フィルムおよび前記第2の樹脂フィルムは、それぞれ前記ガラス板の外周端から外方にはみ出すように前記ガラス積層体を覆っていて、前記第1の樹脂フィルムは、前記第1の樹脂フィルムを所定形状に破断するための切り取り線を有することを特徴とする、積層体を提供する。
本発明の積層体は上記した構成をとることから、機能層を有するガラス積層体が、第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムによって保護された構成とできるので、ガラス積層体の表面が、輸送や組み付け時などに傷つくことを防止できる。
前記機能層を備えるガラス積層体をディスプレイ装置等のカバーガラスとして使用する場合には、例えば、第2の樹脂フィルムを剥離して、その後、第1の樹脂フィルムの外周領域を切り取り線に沿って切り取り、前記第1の樹脂フィルムの内周領域をガラス積層体第1主面に残存させ、露出したガラス積層体第2主面をディスプレイパネルに貼合材を介して貼合させる。すなわち、第1の樹脂フィルムをガラス板第1主面の面積よりも小さい状態とでき、ディスプレイパネルへガラス積層体を、第1の樹脂フィルムの外周領域を巻き込むなどの問題無く貼合させられる。そして、第1の樹脂フィルム、ガラス積層体及びディスプレイパネルが一体となった形態で筐体などに容易に組み付けられる。
例えば、機能層が防汚層であり、ローラーを用いて樹脂フィルムをガラス板に剥離可能に粘着させると、防汚層を形成する材料の一部がローラーに転写され、転写された防汚層の成分が再度ガラス板に付着することでガラス板の不良が発生する。しかし、機能層を備えるガラス積層体を保護する際に、本発明の積層体の構成とすれば、上記のようなガラス板の不良が発生することを防止できる。
さらに、ガラス板第1主面には機能層を備える。このため、第1の樹脂フィルムを剥離し、ガラス積層体をカバーガラス等として用いることで、機能層の作用によりディスプレイ装置の表示特性を向上できる。例えば、機能層が、防汚層である場合には、ガラス積層体に対して、指紋跡のみならず汗や埃など様々な汚れの付着を抑えたり、汚れを拭き取りやすくしたり、汚れを目立ちにくくしたりするといった機能を付与でき、ディスプレイの表示面をきれいに保てる。また、タッチパネル操作の際にひっかかりのないスムーズな指滑り性が得られる。
なお、本発明の一例において、ガラス積層体第1主面と第1の樹脂フィルムとの密着力は、ガラス積層体第2主面と第2の樹脂フィルムとの密着力よりも大きくできる。ガラス積層体は、ガラス板第1主面に機能層を設けているので、ガラス積層体第1主面とガラス積層体第2主面とで、樹脂フィルムに対する密着力が異なる。ガラス板第1主面の機能層の材料によっては、ガラス積層体第1主面と第1の樹脂フィルムとの密着力が、ガラス積層体第2主面と第2の樹脂フィルムとの密着力に対して相対的に低下するおそれがある。しかし、上述した構成とすれば、積層体をディスプレイ装置等に組み付けて、積層体中のガラス板をカバーガラス等として使用する場合に、ガラス積層体から第1の樹脂フィルムが剥離されることなく、第2の樹脂フィルムを剥離できる。
また、本発明の一例において、ガラス積層体第1主面において、ガラス積層体の最表面を防汚層とし、防汚層とガラス板との間に、反射防止層を有するようにできる。これによって、外光による反射を抑え、ディスプレイ装置の表示画像の表示品質を高められる。
以上説明したように、本発明によれば、ガラス板のディスプレイ装置への組み付けの際には、良好な組み付け性を有し、ガラス板に樹脂フィルムを粘着する際には、ガラス板の不良の発生が防止される積層体を提供できる。
図1は、第1の実施形態の積層体の概略構成を示す断面図である。 図2は、図1に示す積層体の平面図である。 図3は、第2の実施形態の積層体の概略構成を示す断面図である。 図4は、実施形態の積層体の使用方法を説明する概略構成図である。 図5は、実施形態の積層体の使用方法を説明する概略構成図である。 図6は、実施形態の積層体の使用方法を説明する概略構成図である。
以下、発明を実施するための形態に基づいて、本発明の詳細及びその他の特徴について説明する。なお、以下の図面において、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する符号を付すことにより、重複する説明を省略する。また、図面は、特に指定しない限り、部材又は部品間の相対比を示すことを目的としない。よって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、適宜選択可能である。
<積層体>
図1は、第1の実施形態における積層体の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す積層体の平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の積層体10は、相対向するガラス板第1主面11A及びガラス板第2主面11Bを有するガラス板11と、このガラス板第1主面11A上に機能層12を備えたガラス積層体15を有する。また、ガラス積層体第1主面22Aには、第1の樹脂フィルム16が剥離可能に粘着されており、ガラス積層体第2主面22Bには第2の樹脂フィルム17が剥離可能に粘着されている。本実施形態では、ガラス板第2主面11Bには何らの層を有していないので、ガラス板第2主面11Bとガラス積層体第2主面22Bとは同一の面である。以下の説明においては、ガラス板第2主面11Bは、ガラス積層体第2主面22B(ガラス積層体第2主面11Bとも表す)として扱う。
第1の樹脂フィルム16の面積及び第2の樹脂フィルム17の面積は、それぞれガラス板第1主面11Aの面積及びガラス板第2主面11Bの面積よりも大きい。第1の樹脂フィルム16および第2の樹脂フィルム17は、それぞれガラス板の外周端11Eから外方にはみ出すようにガラス積層体15を覆っている。第1の樹脂フィルム16は、第1の樹脂フィルム16を所定形状に破断するための切り取り線16Xを有する。切り取り線16Xは、ガラス板の外周端11Eより内側の領域上に位置する。
なお、第1の樹脂フィルム16を切り取り線16Xに沿って所定形状に破断した際に、ガラス積層体第1主面22A上に残存する領域を内周領域16Aとし、取り外される領域を外周領域16Bとする。
本実施形態の積層体10では、ガラス積層体第1主面22A及びガラス板第2主面11Bに、第1の樹脂フィルム16及び第2の樹脂フィルム17を剥離可能に粘着しているので、ガラス積層体15の輸送時及び、ガラス積層体15をディスプレイ装置等へ組み付ける際に、ガラス積層体第1主面22A及びガラス板第2主面11Bが汚れることや傷つくことを防止できる。
本実施形態の積層体10では、ガラス積層体15を、ディスプレイ装置等のカバーガラスに使用するような場合においては、第1の樹脂フィルム16を切り取り線16Xに沿って切り、第1の樹脂フィルム16の外周領域16Bを取り外すことで、当該第1の樹脂フィルム16の内周領域16Aを残存させられる。これにより、第1の樹脂フィルム16をガラス積層体第1主面22Aの面積よりも小さくできる。
また、本実施形態の積層体10によれば、樹脂フィルム16及び17をガラス積層体15にローラーを用いて貼りつける際には、当該樹脂フィルム16及び17の面積はそれぞれガラス板第1主面11Aおよびガラス板第2主面11Bの面積よりも大きく、当該樹脂フィルム16及び17はそれぞれガラス板の外周端11Eから外方にはみ出している。すなわち、機能層12の全面は第1の樹脂フィルム16によって覆われている。このため、ガラス積層体に樹脂フィルムを連続して剥離可能に粘着する場合においても、機能層12の一部がローラーに転写されることを防止できる。その結果、第1の樹脂フィルム16側に配置されたローラーに転写された機能層12を形成する材料の一部が、第2の樹脂フィルム17側に配置された他のローラーにさらに転写され、他のローラーから後続のガラス積層体第2主面11Bに機能層12を形成する材料がさらに転写されることを防止できる。これにより、連続してガラス積層体15に樹脂フィルムを剥離可能に粘着しても、全てのガラス積層体15で、ガラス積層体第2主面11Bに異物が付着することを防止できる。例えば、機能層12が、防汚層である場合、ガラス積層体第2主面11Bに、防汚層を形成する材料の一部が転写されることによる、ディスプレイパネルと貼合する際に貼合不良が発生することを防止できる。
また、実用に際しては、第1の樹脂フィルム16を切り取り線16Xに沿って切り取ることで、ディスプレイパネルの表示面と反対の面に位置する第1の樹脂フィルム16の面積をガラス板第1主面11Aの面積よりも小さくできる。このようにすれば、ガラス積層体15を有するディスプレイパネルを筐体に組み付ける際に、第1の樹脂フィルム16がガラス板の外周端11Eより外方にはみ出た領域が無いため、ディスプレイパネルとの貼合の際に、第1の樹脂フィルム16の一部が巻き込まれる等が抑制され、作業性を向上させる。
ガラス板第1主面11Aには、機能層12を有している。このため、ガラス積層体15をカバーガラス等として用いる場合に、第1の樹脂フィルム16を剥離すれば、機能層12の作用により、ディスプレイ装置の表示特性を向上できる。
機能層12が防汚層であれば、ガラス積層体第1主面22Aに指紋跡のみならず、汗や埃など様々な汚れの付着を抑えたり、汚れを拭き取りやすくしたり、汚れを目立ちにくくしたりするといった機能を付与でき、表示面をきれいに保てる。また、タッチパネル操作の際にひっかかりのないスムーズな指滑り性が得られる。
切り取り線16Xは、ガラス板の外周端11Eから内側へ3mm以内の領域上に位置することが好ましく、2mm以内の領域上に位置することがより好ましく、1mm以内の領域上に位置することがさらに好ましい。一方で、切り取り線16Xは、ガラス板の外周端11Eから内側へ0mm超に位置する。なお、切り取り線の形態は、ミシン目やトレンチ状の構造のほか、ハーフカット加工などを挙げられる。
切り取り線16Xの断面構造は、特に限定されない。切り取り線16Xは、第1の樹脂フィルム16と機能層12とが接しない面から、接する面に向けて広がる方向に有してもよく、略垂直に有してもよい。切り取り線16Xが第1の樹脂フィルム16と機能層12とが接しない面から、前記接する面に向けて広がる方向に有していれば、第1の樹脂フィルム16を、切り取り線16Xを境界とした内周領域16Aと外周領域16Bとで切り離しやすくなるため好ましい。
本実施形態では、ガラス積層体第1主面22Aと第1の樹脂フィルム16との密着力は、ガラス積層体第2主面11Bと第2の樹脂フィルム17との密着力よりも大きくできる。これによって、上述した積層体10をディスプレイ装置等に組み付け、その後、積層体10中のガラス積層体15をカバーガラス等として使用する場合に、第1の樹脂フィルム16がガラス積層体第1主面22Aに密着し、ガラス積層体15の密着性を良好に保持できる。
第1の樹脂フィルム16及び第2の樹脂フィルム17は、ガラス積層体第1主面22A及びガラス積層体第2主面11Bへ、図示しない粘着層を介してまたは分子間力により粘着される。
なお、第1の樹脂フィルム16の内周領域16Aは、最終使用者が使用時に剥がして使用するが、これに制限されない。予め第1の樹脂フィルム16に反射防止層、防汚層、防眩層といった機能層を付与することで、最終的にガラス積層体15に残る内周領域16Aが光学的機能などを有する機能フィルムとなる。
図3は、第2の実施形態における積層体の概略構成を示す断面図である。
図3に示す積層体20は、ガラス板第1主面11Aに2層の機能層を有する点で、第1の実施形態における積層体10と相違し、その他の特徴及び構成については、第1の実施形態における積層体10と同様である。したがって、本実施形態の積層体20も第1の実施形態における積層体10と同様の作用効果を奏する。そして、ガラス積層体15は、2層の機能層を有するので、各層による作用および機能層を積層したことにより得られる作用を実現できる。このような2層の機能層としては、ガラス板第1主面11Aに、反射防止層23および防汚層12をこの順で有することが好ましい。これにより、防汚層12をガラス積層体15の最表層に有することで、上述のとおり、指紋跡のみならず、汗や埃など様々な汚れの付着を抑えられる。また、反射防止層23を有することにより、積層体20をディスプレイ装置等に組み付けた場合に、外光による反射を抑え、ディスプレイ装置の表示画像の表示品質を高められる。
本発明においては、ガラス板第1主面11Aに形成される機能層は、1層および2層であることに限定されず、3層以上有してもよい。
機能層が1層または2層以上であっても、ガラス積層体の最表面は防汚層であることが好ましい。
<積層体の使用方法>
図4〜図6は、本実施形態の積層体の使用方法を説明するための概略構成図である。なお、簡略化のために、これらの図においては、ガラス板11、機能層12の詳細を省略し、ガラス積層体15として記載している。以下では、本実施形態の積層体をディスプレイパネルに貼り付けて、その後、筐体に取り付けることで、ガラス積層体をディスプレイ装置に組み込む方法を例として説明する。
最初に、図4に示すように、図1及び図2に示す第1の実施形態の積層体10、若しくは図3に示す第2の実施形態の積層体20を準備する。積層体10及び20を準備する際には、機能層12を備えたガラス積層体15のガラス積層体第1主面22Aの領域内に、第1の樹脂フィルム16の切り取り線16Xが位置するように、当該第1の樹脂フィルム16を剥離可能に粘着させるとともに、第2の樹脂フィルム17をガラス積層体第2主面11Bに剥離可能に粘着させる。
積層体10及び20を、図5に示すように、ガラス積層体第2主面11Bに剥離可能に粘着した第2の樹脂フィルム17を剥離する。そして、ディスプレイパネル30にガラス積層体第2主面11Bを接合して、ディスプレイパネル30とガラス積層体15とを貼合する。
ディスプレイパネル30とガラス積層体15とを貼合する方法は、公知の方法を採用できる。例えば、粘着フィルムを用いて貼合する方法や、ディスプレイパネル30とガラス積層体15との間に樹脂組成物を挟持して樹脂組成物を硬化して貼合する方法が挙げられる。
ディスプレイパネルは、液晶パネル、有機ELパネルなどの公知の物を使用できる。
次いで、図6に示すように、積層体10及び20のガラス積層体15上、すなわち機能層12に粘着した第1の樹脂フィルム16の切り取り線16Xの外周領域16Bを切り取り、機能層12に第1の樹脂フィルム16の内周領域16Aを残存させる。
次いで、第1の樹脂フィルム16の内周領域16Aが剥離可能に粘着されているガラス積層体15と、ディスプレイパネル30とが貼合されている積層体を、筐体に組み付けて、表示装置を得る。この積層体を筐体に組み付ける際に、第1の樹脂フィルム16の外周領域16Bを巻き込むことが無く、効率的に表示装置を作製できる。
なお、上記の説明では、ディスプレイパネル30とガラス積層体15とを直接接合したが、本実施形態の積層体10及び20の使用方法はこれに限定されない。ディスプレイパネル30とガラス積層体15との間にタッチパネルを設けてもよい。
次に、本発明の積層体の各構成要素について詳細に説明する。
<ガラス積層体>
本発明において、ガラス板は、相対向するガラス板第1主面とガラス板第2主面とを有するガラス板を意味する。ガラス積層体は、当該ガラス板第1主面上に機能層を有する。そして、必要に応じて、ガラス板第1主面には、2層以上の機能層を有する。
ガラス板としては、例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、無アルカリガラス等を挙げられる。
ガラス板の安全性を高めるために、機械的強度が高いことが好ましい。ガラス板の機械的強度を高める方法としては、ガラス板の強化処理が挙げられる。
強化処理としては、ガラス板を高温下に晒した後に風冷する物理強化、または、ガラス板を、アルカリ金属を含む溶融塩中に浸漬させ、ガラス板の表面に存在する原子径の小さなアルカリ金属(イオン)を、溶融塩中に存在する原子径の大きなアルカリ金属(イオン)と置換する化学強化が挙げられる。
ガラス板の板厚が薄い場合には、前記強化処理は、化学強化が好ましい。
化学強化処理したガラス板(以下、化学強化ガラスともいう。)は、ガラス板の表面圧縮応力(以下、CSという)が、400MPa以上1200MPa以下であることが好ましく、700MPa以上900MPa以下であることがより好ましい。CSが400MPa以上であれば、実用上の強度として十分である。
またCSが1200MPa以下であれば、ガラス板が表面圧縮応力に対応して自身の内部に生じる引張応力に耐えられ、自然に破壊してしまう懸念がない。本発明の積層体をディスプレイ装置等のカバーガラスとして使用する場合、ガラス板のCSは700MPa以上850MPa以下であることが好ましい。
さらに、ガラス板の圧縮応力深さ(以下、DOLという)は、15〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。DOLが15μm以上であれば、容易に傷がついて破壊する懸念がない。
また、DOLが50μm以下であれば、表面圧縮応力に対応して自身の内部に生じる引張応力に耐えられ、自然に破壊してしまう懸念がない。本発明の積層体をディスプレイ装置等のカバーガラスとして使用する場合、ガラス板のDOLは25μm以上35μm以下であることが好ましい。
ガラス板は、機械的強度を高める点で、サファイアガラスを使用できる。
ガラス板の形状は通常、平滑かつ矩形である。ガラス板の形状は、表示装置の表示パネルの形状や、表示装置の意匠、表示装置の取り付け位置等に応じて適宜変更される。
すなわち、ガラス板の形状は平滑形状や矩形形状に限定されない。例えば、表面に凹凸を有する型板ガラスであってもよく、多角形状や円形状、楕円形状であってもよい。また、平坦なガラス板のみではなく断面形状が曲面を有するガラス板でもよい。
ガラス板の大きさは、ディスプレイパネルの大きさや表示装置の用途によって適宜決定される。例えば、モバイル機器のカバーガラスとして使用する場合は、ガラス板は、30mm×50mm〜300mm×400mmで、厚さが0.1〜2.5mmが好ましい。ディスプレイ装置、カーナビゲーション、コンソールパネル、計器盤などの表示装置の場合、ガラス板は、50mm×100mm〜2000mm×1500mmで、厚さが0.5〜4mmであることが好ましい。
ガラス板の厚さは、特に限定されるものではなく、厚さ10mm以下のガラスを使用できる。機械的強度や透明性等の点から、ガラス板の厚さは通常0.1〜6mm程度である。特に、車載用表示装置で使用する場合は、ガラス板には安全性が求められるため機械的強度の点から、0.2〜2mmが好ましい。
化学強化ガラスを用いる場合は、化学強化処理を効果的に行うために、ガラス板の厚さは通常5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
(機能層)
ガラス積層体は、ガラス板第1主面上、すなわちガラス板の第1の樹脂フィルムと接する面上には、機能層を備える。これにより、ガラス板に機能を付与できる。機能層の構成は特に限定されず、光学的な機能、物理的な機能などを付与できる。光学的な機能としては、反射防止機能や防眩機能などが挙げられる。物理的な機能としては、防汚機能、撥水機能、抗菌機能などが挙げられる。また、ガラス板に第1の樹脂フィルムの内周領域16Aを機能フィルムとして使用する場合、機能フィルムをガラス板に固定させるため、プライマー処理をしてプライマー層を形成してもよい。
なお、ガラス板に機能層を形成する際、予めガラス板に対しUV照射処理や、プラズマ処理を実施してよい。これによりガラス板第1主面に存在する異物の除去ができ、均質な機能層を形成しやすくなる。
本発明においては、機能層は、ガラス板第1主面の全面に設けられる形態に限定されない。例えば、ガラス板第1主面が機能層を部分的に有しない領域(抜き領域ともいう。)を有する形態でもよい。また、機能層を2層以上有する場合に、各層を有する領域は同一でもよく、異なってもよい。機能層は、ガラス板第1主面の面積の50%以上に設けられることが好ましく、80%以上がより好ましい。
(防汚層)
ガラス積層体は、ガラス板第1主面上には、機能層として、防汚層を有することが好ましい。これにより、ガラス板に対して、指紋跡のみならず汗や埃など様々な汚れの付着を抑えたり、汚れを拭き取りやすくしたり、汚れを目立ちにくくしたりするといった機能を付与でき、表示面をきれいに保てる。また、タッチパネル操作の際にひっかかりのないスムーズな指滑り性が得られる。
防汚層の成分としては、防汚性、撥水性、撥油性を付与できるフッ素含有有機化合物等から適宜選択できる。具体的には、フッ素含有有機化合物としては、フッ素含有有機ケイ素化合物や、フッ素含有加水分解性ケイ素化合物等が挙げられる。
前記フッ素含有有機ケイ素化合物としては、パーフルオロアルキル基;パーフルオロ(ポリオキシアルキレン)鎖を含むフルオロアルキル基等のフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤の組成物を挙げられる。
前記フッ素含有加水分解性ケイ素化合物は、撥水性、撥油性等の防汚性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基及びパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物が挙げられる。
防汚層は、当該組成物をスピンコート法、ディップコート法、キャスト法、スリットコート法、スプレーコート法等により塗布した後加熱処理する方法、または含フッ素有機ケイ素化合物を気相蒸着させた後加熱処理する真空蒸着法等により形成できる。ガラス板と防汚層との密着性を高くするには、真空蒸着法により防汚層を形成することが好ましい。
(反射防止層)
ガラス積層体は、ガラス板第1主面上には、機能層として、反射防止層を有することが好ましい。ガラス積層体に反射防止層を設けることで、外光による反射を抑え、ディスプレイ装置の表示画像の表示品質を高められる。反射防止層は、ガラス板第1主面と防汚層との間に有することが好ましい。
反射防止層の構成としては、光の反射を所定範囲に抑制できる構成であれば特に限定されず、例えば、高屈折率層と低屈折率層とを積層した構成とできる。ここで、高屈折率層は、例えば、波長550nmの光の屈折率が1.9以上の層をいい、低屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.6以下の層をいう。
反射防止層における高屈折率層と低屈折率層との層数は、それぞれを1層ずつ含む構成であってもよいが、それぞれを2層以上含む構成であってもよい。高屈折率層と低屈折率層とをそれぞれ1層含む構成の場合は、ガラス板第1主面と防汚層との間に、高屈折率層、低屈折率層の順に積層したものが好ましい。また、高屈折率層と低屈折率層とをそれぞれ2層以上含む構成の場合は、高屈折率層、低屈折率層の順に交互に積層した形態であることが好ましい。
反射防止性能を高めるためには、反射防止層は複数の層が積層された積層体が好ましく、該積層体は、例えば、全体で2層以上8層以下の層が積層されたものが好ましく、2層以上6層以下の層が積層されたものがより好ましく、2層以上4層以下の層が積層されたものがさらに好ましい。ここでの積層体は、上記のように、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものが好ましく、高屈折率層と低屈折率層との層数を合計したものが上記範囲にあることが好ましい。また、光学特性を損なわない範囲での層の追加を行ってもよい。例えば、ガラスを構成する成分、例えばNaイオン等がガラス板から拡散することを防ぐために、ガラス板第1主面と反射防止層の第1層との間にSiO膜を挿入してもよい。
高屈折率層、低屈折率層を構成する材料は、特に制限はなく、要求される反射防止性の程度や生産性を考慮して選択できる。高屈折率層を構成する材料としては、例えば、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiN)等が挙げられる。これらの材料から選択される1種以上を好ましく使用できる。低屈折率層を構成する材料としては、酸化ケイ素(特に、二酸化ケイ素SiO)、SiとSnとの混合酸化物を含む材料、SiとZrとの混合酸化物を含む材料、SiとAlとの混合酸化物を含む材料等が挙げられる。これら材料から選択される1種以上を好ましく使用できる。
生産性や屈折率の観点から、高屈折率層が、酸化ニオブ、酸化タンタル、窒化ケイ素から選択される1種からなり、低屈折率層が、酸化ケイ素からなる層であることが好ましい。
反射防止層は、表面に無機薄膜を直接形成する方法、エッチング等の手法により表面処理する方法や、乾式法、例えば、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により好適に形成できる。
また、反射防止機能を有する透明樹脂フィルムをガラス板第1主面に貼合する方法によって反射防止層を設けられる。
反射防止層の厚さは、100〜500nmが好ましい。反射防止層の厚さを100nm以上とすることで、効果的に外光の反射を抑制できるため好ましい。
(防眩層)
ガラス積層体は、ガラス板第1主面上には、機能層として、防眩層を有することが好ましい。防眩層は、ガラス板をエッチング液でエッチングする方法、微粒子を含む樹脂をガラス板第1主面に塗布して硬化する方法などで形成できる。
ガラス積層体は、少なくともガラス板第1主面に機能層を設けていればよい。すなわち、ガラス積層体は、ガラス板第2主面上に、機能層を設けてもよい。また、ガラス積層体をディスプレイパネルのカバーガラスとして用いる場合には、ガラス板第2主面の周縁部に遮光層を設けることが好ましい。ガラス板第2主面の周縁部に遮光層を形成することで、ディスプレイ装置の配線などを遮蔽できる。また、遮光層には、ディスプレイ装置に関連する記号や文字を設けてもよい。
(第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルム)
本発明の第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムは、それぞれガラス積層体第1主面及びガラス積層体第2主面に剥離可能に粘着されている。本明細書における、剥離可能な粘着とは、樹脂フィルムが、ガラス積層体に粘着されて一体化されているが、作業者がガラス積層体を傷つけることが無い程度の負荷で樹脂フィルムを容易に剥離できる程度の粘着力で粘着されていることをいう。通常、樹脂フィルムは片面に粘着層を備え、樹脂フィルムは当該粘着層を介して粘着される。しかしながら、上述のように、第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムと、ガラス積層体との分子間力によって粘着することもできる。また、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムのガラス板の外周端11Eから外方にはみ出した部分とを接着させてもよい。これにより、ガラス積層体15が第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとに内包されるため、外部からの異物の侵入を防げ、ガラス積層体15の汚染を防げる。
第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムとしては、樹脂製のフィルム状のものであれば特に制限されない。また、これら樹脂フィルムは単層構造であってもよく、帯電防止層、ハードコート層、易接着層等、複数の層が積層された多層構造であってもよい。また、ガラス板から樹脂フィルムを剥し忘れることを防止するために、樹脂フィルムに色を付けてもよい。
第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルムやポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等を使用できる。これらの中でも、粘着層との付着性の点、耐久性や光学特性の点から、ポリエステル系フィルムが好ましい。
樹脂フィルムの厚みについても特に限定されない。例えば、5〜100μmであることが好ましく、15〜75μmであると剥離する際に樹脂フィルムが撓みやすく剥離させることは容易であり、より好ましい。5μm以上であると、ガラス板あるいはガラス積層体を十分に保護することができ、100μm以下であると、コストの増大を抑制できる。
粘着層の粘着剤は、樹脂フィルムがガラス積層体から剥離される際に、ガラス積層体の機能層を形成する材料の少なくとも一部を剥すことを抑えたり、粘着剤の一部が機能層あるいはガラス板上に残存するのを防止したりする粘着度を有するものが好ましい。粘着剤として、例えば、アクリル系、ポリウレタン系、シリコーン系の粘着剤を挙げられる。
第1の樹脂フィルムとガラス積層体第1主面との粘着力は、0.01〜0.1N/10mmであることが好ましく、0.015〜0.05N/10mmであるものがより好ましい。なお、粘着力は、JIS Z 0237:2009により測定できる。
また、第2の樹脂フィルムとガラス積層体第2主面との粘着力は、0.005〜0.1N/10mmであることが好ましく、0.01〜0.03N/10mmであるとより好ましい。
なお、上述した粘着力は、樹脂フィルムと機能層等との分子間力に基づくような場合においても当然に好ましいものである。
粘着層の厚みは、ガラス積層体との粘着性、剥離性の観点から、3〜50μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。
以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。例1〜3が本発明の実施例であり、例4〜6は本発明の比較例である。
<評価方法>
(接触角測定)
連続して製造した積層体の1枚目、10枚目及び50枚目の積層体において、第2の樹脂フィルムを剥離して、ガラス積層体第2主面(裏面)の接触角を測定することで防汚層の成分の転写の有無を評価した。
接触角測定は、自動接触角計(協和界面科学社製、型式:DM−501)を用いて、ガラス積層体第2主面上に純水1μLを滴下し、その接触角を測定した。測定に際しては、各ガラス積層体について、ガラス積層体第2主面上の10か所で測定を行い、その平均値を接触角とした。
10枚目及び50枚目のガラス積層体第2主面の接触角の値から、液晶パネルへの貼合性を判断した。これらの接触角がいずれも33°未満である場合を○、一方が33°以上の場合を△、両方が33°以上の場合を×とした。
(例1)
以下の手順により、ガラス積層体第1主面とガラス積層体第2主面上の第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムが、ガラス板の外周端から外方へはみ出ている積層体を連続して50枚製造した。
ガラス板は、化学強化処理が施されたガラス板(旭硝子株式会社製、商品名:ドラゴントレイル(登録商標))を使用した。ガラス板の大きさは縦幅150mm×横幅(左右)200mmとした。ガラス板の板厚は1.3mmとした。ガラス板第1主面の全面に、フッ素含有有機ケイ素化合物(旭硝子株式会社製、商品名:Afluid(登録商標)S−550)を蒸着法により蒸着し、防汚層を形成した。これにより、ガラス板第1主面に防汚層を有するガラス積層体を得た。
次いで、横幅がガラス積層体よりも左右でそれぞれ10mmだけ大きい第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムの反物を用意した。第1の樹脂フィルムには、所定の間隔をもって、所定の位置に切り取り線を形成した。第1及び第2の樹脂フィルムをそれぞれ反物から繰り出し、ガラス積層体を第1及び第2の樹脂フィルムで挟み、ガラス積層体第1主面(防汚層を有する面)に第1の樹脂フィルムが接するようにして、一対のラミネートローラーにとおして0.2MPaの圧力を加えて、ガラス積層体に、第1及び第2の樹脂フィルムを剥離可能に粘着して積層体を得た。一対のラミネートローラーの間隔は1mmとした。また、ガラス積層体に第1の樹脂フィルムを積層する際の位置決めは、第1の樹脂フィルムの切り取り線が、ガラス板の外周端から内側へ1mmの領域上に位置するようにして行った。得られた積層体から、後方に接続している第1と第2の樹脂フィルムを切断し、個片の積層体を得た。なお、第1の樹脂フィルムおよび第2の樹脂フィルムには、MIRACLE CO.,LTD.社製のAnti Static Protection Tape “M−S100ASPT”を使用した。この厚さは0.1mmであり、シリコーン系粘着剤が形成されていた。
合計50枚のガラス板を用いて、上記した積層体を得る工程を連続して行った。
(例2)
ラミネートローラーの貼合圧力を0.05MPaとすること以外は、例1と同様にして50枚の積層体を得た。
(例3)
ラミネートローラーの貼合圧力を0.4MPaとすること以外は、例1と同様にして50枚の積層体を得た。
(例4)
横幅がガラス積層体よりも左右でそれぞれ5mmだけ小さい第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムの反物を用意したこと以外は例1と同様にして、第1及び第2の樹脂フィルムが、横幅に関してガラス板の外周端から5mm内側に貼合されている50枚の積層体を得た。
(例5)
ラミネートローラーの貼合圧力を0.05MPaとすること以外は、例4と同様にして50枚の積層体を得た。
(例6)
ラミネートローラーの貼合圧力を0.4MPaとすること以外は、例4と同様にして50枚の積層体を得た。
Figure 0006939398
第1及び第2の樹脂フィルムが、横幅に関してガラス板の外周端から5mm内側に貼合されている例4〜6ではいずれも50枚目の積層体において、ガラス積層体第2主面の接触角は33°以上であり、連続して積層体を製造すると、液晶パネルへの貼合性が低くなった。また、例6に示すように、例4および5に対して貼合圧力が高くなると、10枚目の積層体において、ガラス積層体第2主面の接触角が33°以上となっていた。
以上から、第1及び第2の樹脂フィルムがガラス板の外周端から外方にはみ出ていないと、一方のラミネートローラーに防汚層の成分が転写し、それが他方のラミネートローラーに転写され、さらに、ガラス積層体第2主面に転写されていると推察される。また、防汚層の成分がラミネートローラーに転写される程度は、ラミネートローラーの貼合圧力に比例することが分かる。
これに対し、表1で示すように、第1及び第2の樹脂フィルムが、横幅に関してガラス板の外周端から外方へ10mmはみ出ている例1〜3ではいずれも1枚目、10枚目及び50枚目の積層体において、ガラス積層体第2主面の接触角は33°未満であり、液晶パネルへの貼合性が高かった。すなわち、貼合圧力が高くなり、防汚層が転写される程度が高い場合であっても、第1及び第2の樹脂フィルムがガラス板の外周端から外方へ10mmはみ出ていれば、防汚層の成分がラミネートローラーに転写されることを防止できるといえる。
さらに、例1〜3はいずれも、第1の樹脂フィルムは、ガラス板の外周端を基準として前記ガラス積層体第1主面の内側の領域上に切り取り線を有する。したがって、例1〜3で得られた積層体を用いれば、ガラス積層体の第2の樹脂フィルムを剥離して、ディスプレイパネルにガラス積層体を貼合し、その後、第1の樹脂フィルムの切り取り線の外側の外周領域を切り取り、ディスプレイ装置の筐体に容易に組み付けられる。
本発明は、以下の実施形態も含む。
(1) ガラス板と前記ガラス板の少なくとも第1の主面に機能層を有するガラス積層体、前記ガラス積層体の前記機能層を有する前記第1の主面に剥離可能に粘着された第1の樹脂フィルムと、前記ガラス積層体の前記第1の主面に対向する第2の主面に剥離可能に粘着された第2の樹脂フィルムとを含む積層体において、前記第1の樹脂フィルム及び前記第2の樹脂フィルムは、それぞれ前記ガラス積層体の前記第1の主面及び前記第2の主面よりも大きく、それぞれの端部が前記ガラス板の端部から外方にはみ出しており、前記第1の樹脂フィルムには、前記ガラス積層体の端部を基準として前記ガラス積層体の前記第1の主面の内側の領域に切り取り線を有することを特徴とする、積層体。
(2) 前記切り取り線は、前記ガラス積層体の端部を基準として前記ガラス積層体の前記第1の主面の内側へ3mm以内の領域に有することを特徴とする、(1)に記載の積層体。
(3) 前記機能層は、防汚層であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の積層体。
(4) 前記第1の主面と前記第1の樹脂フィルムとの密着力は、前記ガラス積層体の前記第2の主面と前記第2の樹脂フィルムとの密着力よりも大きいことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の積層体。
(5) 前記防汚層は、フッ素含有有機化合物を含む層であることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の積層体。
(6) 前記第1の樹脂フィルムの、前記第1の主面への密着力が0.01〜0.1N/10mmであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の積層体。
(7) 前記第2の樹脂フィルムの、前記第2の主面への密着力が0.005〜0.1N/10mmであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の積層体。
(8) 前記第1の樹脂フィルム及び前記第2の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体の前記第1の主面及び前記第2の主面に粘着層を介して剥離可能に粘着されていることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の積層体。
(9) 前記粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂の粘着剤を含むことを特徴とする、(8)に記載の積層体。
(10) 前記ガラス積層体は、前記ガラス板と前記防汚層との間に、反射防止層を有していることを特徴とする、(3)〜(8)のいずれか1項に記載の積層体。
(11) 前記ガラス板は、化学強化ガラスであることを特徴とする、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の積層体。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施され、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を実施できる。
10 積層体
11 ガラス板
12 機能層(防汚層)
15 ガラス積層体
16 第1の樹脂フィルム
16X 切り取り線
17 第2の樹脂フィルム

Claims (12)

  1. ガラス板第1主面と前記ガラス板第1主面に対向するガラス板第2主面とを有するガラス板と、前記ガラス板第1主面に設けられた機能層と、を含むガラス積層体と、
    前記ガラス積層体に積層された第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムと、
    を含む積層体であって、
    前記ガラス積層体は、前記ガラス板第1主面側のガラス積層体第1主面と前記ガラス積層体第1主面に対向するガラス積層体第2主面と、を有し、
    前記第1の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体第1主面に剥離可能に粘着され、
    前記第2の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体第2主面に剥離可能に粘着され、
    前記第1の樹脂フィルムおよび前記第2の樹脂フィルムは、それぞれ前記ガラス板の外周端から外方にはみ出すように前記ガラス積層体を覆っていて、
    前記第1の樹脂フィルムは、前記第1の樹脂フィルムを所定形状に破断するための切り取り線を有することを特徴とする、積層体。
  2. 前記切り取り線は、前記ガラス板の外周端より内側の領域上に位置することを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記切り取り線は、前記ガラス板の外周端から内側へ3mm以内の領域上に位置することを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記機能層は、防汚層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記防汚層は、フッ素含有有機化合物を含む層であることを特徴とする、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記ガラス積層体は、前記ガラス板と前記防汚層との間に、反射防止層を有していることを特徴とする、請求項4又は5に記載の積層体。
  7. 前記ガラス積層体第1主面と前記第1の樹脂フィルムとの密着力は、前記ガラス積層体第2主面と前記第2の樹脂フィルムとの密着力よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記ガラス積層体第1主面と前記第1の樹脂フィルムとの密着力が0.01〜0.1N/10mmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記ガラス積層体第2主面と前記第2の樹脂フィルムとの密着力が0.005〜0.1N/10mmであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記第1の樹脂フィルム及び前記第2の樹脂フィルムは、前記ガラス積層体第1主面及び前記ガラス積層体第2主面に粘着層を介して剥離可能に粘着されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 前記粘着層は、アクリル系樹脂またはポリウレタン系樹脂の粘着剤を含むことを特徴とする、請求項10に記載の積層体。
  12. 前記ガラス板は、化学強化ガラスであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。
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