JP6939296B2 - セレン含有水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、セレン含有水を、金属チタンとチタンより卑な金属との混合物又は合金と接触させて還元処理する方法及び装置に係り、特にセレン含有水が亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、亜硝酸イオンなどを含んでいるセレン含有水の処理方法及び装置に関する。
石炭ガス化排水等のセレン含有水を、金属チタン粒子とそれよりも卑な金属粒子(例えばアルミニウム粒子)との混合物と接触させ、その際にpHを下げるなどしてアルミニウム等を溶出させることにより、局部電池作用で排水中のセレンを還元処理することにより除去するセレンの処理方法が知られている(特許文献1〜3)。
還元体によるセレン還元反応では、以下の副生反応により水素ガスや硫化水素、セレン化水素ガスなどが発生するため(下記反応式等参照)、発生量によってはファンやスクラバーなどのガス処理設備によってガス濃度を低減する必要があった。特許文献3には、酸化鉄系の硫化水素吸収材を充填したカラムに通気するか、あるいはアルカリスクラバーに還元塔からの発生ガスを通気し、微量な硫化水素を除去することが記載されている。
<水素ガス発生反応式>
鉄還元体の場合 Fe+2HCl→Fe2++2Cl+H
複合金属還元体の場合 2Al+6HCl→2Al3++6Cl+3H
<硫化水素ガス発生反応機構>
原水に亜硫酸イオンやチオ硫酸イオンが含まれていた場合、酸化還元電位が低い条件ではこれらも同時に還元され、硫化水素が発生する。
<セレン化水素ガス発生反応機構>
セレン酸(Se(VI))は還元によって亜セレン酸(Se(IV))を経て不定形セレンや金属セレン等の0価の固体状の元素態セレン(Se(0))となり、元素態セレン(Se(0))の一部はさらに還元されて気体状のセレン化水素(HSe)となる。
特開2008−30020号公報 特開2009−11914号公報 特開2015−39652号公報
特許文献3には、還元塔への被処理水の通水工程後に、被処理水の通水を停止し、還元塔に空気及び洗浄水を上向流通水して還元塔を洗浄することが記載されている。還元体を充填した還元塔に被処理水を通水する場合、通常運転時に経時的に、還元体と還元体の間隙に発生ガスがたまり、通常運転から逆洗運転に移行した時に多量のガスが還元塔から放出されてガス処理設備に供給される。そのため、ガス処理設備を大きくする必要がある。
本発明は、洗浄開始時に還元塔から多量のガスが発生することが防止されるセレン含有水の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明のセレン含有水の処理方法は、セレン含有水を還元塔に通水し、該還元塔に充填された金属チタンとチタンより卑な金属との混合物又は合金と接触させて、前記卑な金属の単体の一部を溶出させることにより、該セレン含有水中のセレンを還元処理するセレン含有水の処理方法であって、該還元塔へのセレン含有水の通水を停止した後、還元塔に空気及び水で洗浄する洗浄工程を行うセレン含有水の処理方法において、該洗浄工程に先立ち、前記還元塔内からガスを排出するガス抜きを行うことを特徴とするものである。
本発明のセレン含有水の処理方法の一態様では、前記還元塔内から水を抜き、再度水張りすることにより前記ガス抜きを行う。
本発明のセレン含有水の処理方法の一態様では、前記還元塔内に空気及び/又は不活性ガスを通気することにより前記ガス抜きを行う。
本発明の一態様のセレン含有水の処理装置は、セレン含有水を、金属チタンとチタンより卑な金属の単体との混合物又は合金と接触させて、前記卑な金属の一部を溶出させることにより該セレン含有水中のセレンを還元処理する還元塔と、該還元塔に空気及び水を供給して洗浄を行う洗浄手段とを有するセレン含有水の処理装置において、前記還元塔内から水を抜き再度水張りすることにより還元塔内からガス抜きするガス抜き手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明の一態様のセレン含有水の処理装置は、セレン含有水を、金属チタンとチタンより卑な金属の単体との混合物又は合金と接触させて、前記卑な金属の一部を溶出させることにより該セレン含有水中のセレンを還元処理する還元塔と、該還元塔に空気及び水を供給して洗浄を行う洗浄手段とを有するセレン含有水の処理装置において、前記還元塔内に空気及び/又は不活性ガスを通気して還元塔内からガス抜きするガス抜き手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明は、セレン含有水を金属チタンとそれよりも卑な金属との混合物又は合金と接触させ、該卑な金属の一部を溶出させることによりセレンを還元するセレン含有排水の処理方法及び装置において、洗浄工程開始前に還元塔からガス抜きを行うので、洗浄開始時に多量のガスが還元塔から発生することが防止される。本発明によると、ガス処理設備を大きくすることが不要となり、コストアップが防止される。
本発明のセレン含有水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。
以下に本発明のセレン含有水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
本発明において処理対象となるセレン含有水は、セレンとしてセレン酸のような6価セレン、亜セレン酸のような4価セレンを含むものであり、例えば、石炭ガス化排水、土壌浸出水、上水用原水、金属精錬工業排水、ガラス工業排水、石炭又は石油等の燃焼排ガス処理プロセス排水、火力発電所の排煙脱硫排水、半導体工場排水などがあげられる。
セレン含有水をチタンと卑金属の混合物又は合金(以下、混合物等ということがある。)と接触させると、水中に卑金属イオンが溶出する。この卑金属が溶出する際に生成する電子は、金属チタンの表面に移動し、金属チタン表面でセレン含有水中のセレン、例えば6価のセレンが以下の反応式に従って還元処理される。
SeO 2−+6e+8H → Se+4H
この還元処理で用いるチタン/卑金属混合物等の卑金属には、チタンよりも卑の各種の金属を用いることができるが、卑金属イオン溶出後のpH調整により生成する水酸化物からなる汚泥が白色を呈するものが好ましい。即ち、汚泥が白色であると、褐色などに着色している場合に比べて、汚泥の処分が容易である。白色の汚泥を生成する卑金属であって、好ましいものとしては、アルミニウム、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)などがあり、特に、アルミニウムは溶解性の面でも優れており、本発明では好適に使用できる。卑金属としては、1種の金属のみでもよいが、2種以上の複数の金属の混合物又は合金であってもよい。
チタン/卑金属混合物等の形状は、表面積が大きいものであることが好ましい。例えば、粒径10μm〜5mm程度の粉状物、粒状物、繊維状物、微細薄膜状(鱗片状)物などを使用することができる。チタン/卑金属混合物は、同形状、同寸法の金属チタンと卑金属単体との混合物であってもよく、形状ないしは寸法の異なる金属チタンと卑金属単体との混合物であってもよい。また、金属チタン、卑金属単体の各々に異なる形状、異なる寸法のものが混在していてもよい。なお、金属チタンとしては、比表面積が大きいことから、スポンジチタンを用いることが好ましい。
チタン/卑金属混合物等の金属チタンと卑金属との割合は、金属チタンが多いと卑金属の溶解の際に生じた電子が金属チタン表面に移動する量が増え、金属チタン表面で還元されるセレン量が増加して還元効率が向上するが、卑金属の割合が少な過ぎると卑金属の溶解の際に生じた電子のうち、多くが卑金属表面で放出されてしまい、金属チタン表面に移動してセレンの還元に寄与する電子量が少なくなり非効率的である。従って、卑金属単体の充填層の容積Mと金属チタンの充填層の容積Tiとの比M/Tiは、1/4以上、特に1/2以上であることが好ましく、また、4以下、特に2以下であることが好ましい。卑金属としては特にアルミニウムが好適であり、金属チタンの充填層の容積をTiとし、アルミニウムの充填層の容積をAlとした場合、Al/Tiが1/4〜4特に1/2〜2であると、きわめて効率よくセレンを還元処理することができる。
セレン含有水とチタン/卑金属混合物等とを接触させるために、チタン/卑金属混合物等を充填した充填層(充填材層)を有する還元塔にセレン含有水を好ましくは上向流にて通水する。
この還元処理は、卑金属の溶出速度を高めるために、酸性条件下で行うことが好ましい。ここで、酸性条件とするための酸添加量は、予め求めておいた卑金属(例えばアルミニウム)溶出量とセレン除去率との関係から、必要な卑金属溶出量を算出し、その卑金属溶出量とするために必要な酸(例えば塩酸)添加量に換算して求めることができる。即ち、卑金属溶出量とセレン除去率には相関があるため、目的のセレン除去率が得られるような卑金属溶出量となるように必要な酸添加量を決定することができる。また、簡便にpHを1〜3、特に1.5〜2.5の範囲を好適な範囲としてもよい。
このような還元処理により、セレン含有水中のセレン、例えば、6価セレンは大部分が0価のセレンとなり、チタン/卑金属混合物等の表面に析出して除去される。残余のセレンは6価から低価数、例えば4価のセレンに還元され、凝集処理により沈殿しやすい形態となる。
本発明においては、上記の還元処理後、還元処理水を凝集分離処理することが好ましい。凝集分離処理は、還元処理水のpHを調整して、溶出した卑金属等を水酸化物などの不溶性化合物として析出させ、析出した金属化合物を固液分離することによって行われる。
還元処理水のpH調整は、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、消石灰などのアルカリを添加して行う。金属チタンとともに使用した卑金属がアルミニウムである場合、還元処理水にアルカリを添加して、溶解アルミニウムを水酸化アルミニウムとして析出させる。この場合、アルカリの添加により還元処理水のpHを5〜8に調整するのがよく、pH4以下又はpH9以上では水酸化アルミニウムは溶解するので、不適当である。金属チタンとともに使用した卑金属が亜鉛である場合は、還元処理水のpHを9〜10に調整することにより、亜鉛を水酸化物として析出させることができる。
上記のpH調整によって金属化合物を析出させる際、有機凝集剤、無機凝集剤を添加して、固液分離性を向上させることができる。
析出した金属化合物を水中から分離するために、固液分離操作を行う。固液分離は、通常用いられる任意の方法を採用することができ、沈殿、濾過、遠心分離、膜分離などにより、処理水と不溶性金属化合物からなる汚泥とに分離する。
還元処理水のpH調整、固液分離により、還元処理時に溶出した卑金属が不溶化され、水中から分離され、金属を含まない処理水として排出される。また、この溶出金属が不溶性化合物、例えば、水酸化アルミニウムとして析出する際、水中に残留する還元された低価のセレンも水酸化アルミニウムのフロックに吸着され、共沈現象により析出する。
また、セレン含有排水にフッ素及び又はホウ素が共存している場合、チタン/卑金属混合物等の卑金属としてアルミニウムを採用すると、還元処理後、pH調整により水酸化アルミニウムが析出する際、フッ素及び/又はホウ素も共沈現象により析出させて除去することができる。
このような還元処理により、セレン含有水中のセレンは通常0.1mg/L以下の濃度にまで除去される。
<還元塔のガス抜き及び洗浄>
セレン含有水を金属チタンと金属アルミニウムとの混合物と接触させ、金属アルミニウムの一部を溶出させることによりセレンを還元し、さらに溶解したアルミニウムを凝集処理するセレン含有排水の処理方法においては、排水中セレンの90%以上が、金属混合物等が充填された還元塔において元素態セレン(0価)にまで還元され、不溶化する。不溶化した元素態セレンの通常50%〜70%は還元塔処理水に移行する。不溶化した元素態セレンの通常30%〜50%は還元塔処理水に移行せず、還元塔内の金属混合物等の充填層内に蓄積する。そこで、セレン含有水を所定時間又は所定量通水した後、還元塔を洗浄する。また、還元塔へのセレン含有水の通水を継続すると、充填層中にガスが溜ってくるので、本発明では、この洗浄開始前に還元塔内からガス抜きを行う。
還元塔を洗浄するには、洗浄流体として空気及び水の混合流体を還元塔に上向流にて流すのが好ましい。洗浄流体中の空気と水との体積比は、水1容に対し空気0.5〜3.0容(標準状態)程度が好ましい。洗浄流体の上向流速(LV)は水空気混合状態として150〜250m/hr特に約200m/hr程度が好ましい。
還元塔からガス抜きを行うには、次のガス抜き方法A又はBを行うのが好ましい。
ガス抜き方法A:還元塔から全て又は大部分の水を抜いて充填材の全量又は大部分を気相中に露出させ、再度、水張りを所定範囲の給水速度で行うことで、還元体充填層から対象ガスを放出させる。この際、水張り時の給水速度を適正範囲に制御することにより、ガスを効率よく放出させることができる。
ガス抜き方法B:還元塔下部から気体として空気又は空気と不活性ガス(例えば窒素)との混合気体を吹き込み、還元体充填層からガスを放出させる。この際、気体供給量を適正範囲に制御することにより、ガスを効率よく放出させることができる。
ガス抜き方法Aは、次の第1及び第2工程によって行われることが好ましい。
第1工程:水抜き(全量〜充填材層下面付近くらい)(好ましくはLV1〜15m/hr)
第2工程:水張り(充填材層上面の少し上位まで)(好ましくはLV1.5〜30m/hr)
第1工程により充填材層から水が抜けると共に空気が導入されると、表面張力の低下により、充填材同士の間隙に存在して局所的に高濃度になっていたガスが空気中に分散して放出される。なお、洗浄運転の時間を短縮しようとして第1工程でLVを上げ過ぎると、充填材層に物理的に捕捉されているSS(還元処理により生成した金属セレンや充填材の摩耗による微細SSなど)が還元塔外に排出されてしまうので、LVは上記範囲とすることが好ましい。(これらSSは還元塔洗浄工程で塔外に排出されるのが好ましい。)
第2工程では、還元塔から押し出されたガスをスクラバーに供給するのが好ましい。洗浄運転の時間を短縮しようとして第2工程のLVを上げ過ぎると、スクラバーに供給されるガス流量が多くなりすぎるので、LVは上記範囲とすることが好ましい。
ガス抜き方法Bは、次の第1’及び第2’工程によって行われるのが好ましい。
第1’工程:少量水抜きする。(充填材層上面の少し上位まで)
第2’工程:空気及び/又は不活性ガスで緩曝気する。(好ましくはLV0.025〜0.5Nm/m/min)
第2’工程では、充填材同士の間隙に存在して局所的に高濃度になっていたガスはゆっくり時間をかけて曝気気体に分散し、少しずつ塔外に排出してスクラバーに供給される。曝気が強すぎるとスクラバーに供給されるガス流量が多くなりすぎる。一方、曝気が弱すぎるとガス抜き運転が長時間に及んでしまう上に、充填材間のガスへの接触効率が低くなる。そのため、LVは上記範囲が好ましい。
このようなガス抜き方法A又はBを行った後、上記洗浄を行い、その後、水張り(満水まで)及び通水再開(通常運転に切替え)を行う。
なお、還元塔洗浄排水については、濾過器で濾過することにより、洗浄排水中の不溶化セレンを処理水から選択的に除去することができる。濾過手段としては砂濾過、アンスラサイト濾過、膜濾過、長毛繊維濾過等があるが、通水温度が高い、固形物の付着性が高い、元素態セレンが酸やアルカリに不溶であり化学洗浄しにくい等の制約条件を考慮し、砂濾過、アンスラサイト濾過、またはこれらを併用した二層濾過を用いるのが望ましい。
セレン含有水を金属チタンと金属アルミニウムとの混合物と接触させ、金属アルミニウムの一部を溶出させることによりセレンを還元する処理では水素ガスが副生成物として発生する。この水素ガスを回収することにより、さまざまな用途に活用できる。例えば燃料や排水処理の還元剤として使用することができる。なお、還元塔からの水素ガスには微量な硫化水素等が含まれる。これらはアルカリスクラバーや、硫化水素吸収材を充填したカラムに発生ガスを通気することで除去が可能であり、純度の高い水素ガスが得られる。
[処理装置]
以下に、本発明のセレン含有水の処理装置の一実施形態を示す図1を参照して説明する。
原水(セレン含有水)は、原水配管1によりpH調整槽2に導入され、塩酸などの酸が添加手段2aによって添加され、好ましくはpH3〜5特に3.5〜4.5に調整される。また、この実施の形態では、原水に含まれるスケール成分の濃度に応じて酸以外にスケール分散剤が添加手段2bから添加されることがある。スケール分散剤としては、アクリル酸系ポリマー、ポリリン酸塩などを用いることができるが、これに限定されない。
pH調整槽2からの水は、中継槽3、ポンプ4、配管5を介して還元塔7に送られる。この配管5において蒸気添加手段6aから蒸気が添加されて40〜80℃特に50〜65℃に加温されると共に、酸添加手段6bから塩酸などの酸が添加され、pH1〜3特に1.5〜2.5にpH調整される。この水が還元塔7に通水され、チタン/卑金属混合物等の充填層7Aでセレンが還元除去される。
還元塔7から流出した還元処理水は、配管8を介してpH調整槽13に導入され、アルカリ添加手段13aからNaOHなどのアルカリが添加され、水酸化物が析出するpHに調整される。卑金属がアルミニウムである場合はpH5〜8、好ましくは7〜8、亜鉛である場合はpH9〜10に調整される。
pH調整槽13からの水は凝集槽14に導入され、凝集剤添加手段14aからポリマー凝集剤が添加され、凝集処理された後、沈殿槽15に導入され、沈殿処理される。上澄水は処理水として配管17から取り出される。沈降した汚泥の一部は返送配管18によってpH調整槽13に返送され、残部は配管19によって排出される。上記のポリマー凝集剤としてはポリアクリルアミド、アクリルアミド−アクリル酸ソーダ共重合体などが好適である。
前記還元塔7では硫化水素を含むガスが発生する。このガスは、塔頂から配管10によって抜き出され、スクラバー11によって硫化水素ガスが吸収処理される。
なお、還元塔7の通水条件としては次が好ましい。
通水:上向流
充填層:アルミニウムとチタン(好ましくはスポンジチタン)の混合物
(容積比:Al/Ti=1/4〜4、好ましくは1/2〜2)
通水温度:30〜90℃、好ましくは40〜80℃特に好ましくは50〜65℃
通水速度(SV):1〜20hr−1、好ましくは5〜10hr−1
また、この実施の形態では、還元塔7に気体を供給してガス抜き方法Bを行ったり、洗浄水及び空気を供給して洗浄したりするために、配管5に洗浄水及び/又は空気の添加手段6cが接続されている。還元塔7へのセレン含有水の通水を停止した状態で添加手段6cによって洗浄水及び空気を供給し、還元塔7内を洗浄水及び空気の混合流体で洗浄する際の洗浄排水は配管9から洗浄排水処理設備へ送水される。
この実施の形態では、還元塔7の洗浄を開始する前のガス抜き工程(ガス抜き方法A)を行うために、還元塔7内の水を抜き出すための配管20が還元塔7の下部に接続されている。該配管20にバルブ21が設けられている。なお、配管20に吸引ポンプが設けられてもよい。水抜き配管20の接続高さは、塔底や還元体充填層の下部に限定されず、充填層の間でも良い。
還元塔7からのガス抜き及び還元塔7の洗浄の好適な方法及び条件は前述の通りである。
本発明では、還元塔流出ガス中の水素、硫化水素、セレン化水素の濃度をガスセンサーによって測定し、ガス濃度が所定以下になるように通水速度もしくは送風速度を制御してもよい。ガスセンサーの設置位置は、還元塔上部やガス吸引配管中、スクラバー設備などが例示される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1(ガス抜き方法Aによるガス抜き)]
φ20×2500mmHの実験カラムに、下記の還元体aと還元体bの混合還元体を嵩容積600mL充填して還元塔を構成し、試験原水として下記の調製排水を96時間、SV10hr−1の速度にて上向流で通水した(通常運転)。
還元体a:粒径2〜4mm、純度99%以上のスポンジチタン300mL
還元体b:粒径2.0mm、純度99.7%の金属アルミニウム300ml
調製排水:Se(VI)2mg/L、NaSO 5,000mg/L
調製排水は、pH4とした後、HClを300mg/L添加したものである。
実験カラムは、下部に調製排水の流入口、水および空気の流入口を有し、上部にガス希釈用の空気流入口、処理水及び気体の流出口を有した構造となっており、出口配管から処理水の採取および出口ガス濃度の測定を行った。ガス希釈用の空気は、3.6L/minの流量で送風した。
通常運転後に通水を停止し、ガス抜き及び洗浄を次のようにして行った。即ち、カラム内の水をLV10m/hrで還元体充填層下部まで抜き出し(水抜き)、その後、還元塔下部からLV7m/hrで送水して還元体充填層の上部まで水張りしてガス抜きを行った。その後、還元塔下部から気液混合水(水:空気=1:1.5(容積比))を2分間LV200m/hrで供給して充填材の洗浄を行った。その後、還元塔を満水まで水張りした。
[実施例2](ガス抜き方法B(緩曝気)によるガス抜き)
実施例1において、通常運転後のガス抜き及び洗浄運転を以下のように行った。
充填材層上面の少し上位まで水抜きを行った後、還元塔下部から空気をLV0.12Nm/m/minで送風してガス抜きを行った。その後、還元塔下部から実施例1と同様の気液混合水を2分間LV200m/hrで供給して充填材の洗浄を行った。その後、還元塔を満水まで水張りした。
[比較例1](ガス抜き工程なし)
実施例1において、通常運転後、ガス抜きすることなく、洗浄運転を以下のように行った。充填材層上面の少し上位まで水抜きを行った後、還元塔下部から実施例1と同様の気液混合水を2分間LV200m/hrで供給して充填材の洗浄を行い、還元塔を満水まで水張りした。
<結果>
洗浄用開始時における還元塔出口の水素ガス濃度(最大)は次の通りであり、ガス抜き方法A及びBにより、還元塔内からガスが十分に排出されることが認められた。
実施例1:1.3%
実施例2:2.7%
比較例1:58%
7 還元塔
11 スクラバー

Claims (6)

  1. セレン含有水を還元塔に通水し、該還元塔に充填された金属チタンとチタンより卑な金属との混合物又は合金(以下、「充填材」と称す。)と接触させて、前記卑な金属の単体の一部を溶出させることにより、該セレン含有水中のセレンを還元処理するセレン含有水の処理方法であって、
    該還元塔へのセレン含有水の通水を停止した後、還元塔内を空気及び水で洗浄する洗浄工程を行うセレン含有水の処理方法において、
    該還元塔へのセレン含有水の通水を停止した後、該洗浄工程に先立ち、前記還元塔内から前記充填材同士の間隙に存在するガスを排出するガス抜きを行うことを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記還元塔内から水を抜き、再度水張りすることにより前記ガス抜きを行うことを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  3. 請求項1において、前記還元塔内に空気及び/又は不活性ガスを通気することにより前記ガス抜きを行うことを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  4. 請求項1において、前記還元塔からのガス抜きを、以下のガス抜き方法A又はBで行うことを特徴とするセレン含有水の処理方法。
    ガス抜き方法A:還元塔から、全量ないしは充填材層下面まで、LV1〜15m/hrで水を抜いて充填材の全量又は大部分を気相中に露出させた後、充填材層上面の少し上位までLV1.5〜30m/hrで水張りする。
    ガス抜き方法B:充填材層上面の少し上位まで水抜きした後、還元塔下部から空気及び/又は不活性ガスをLV0.025〜0.5Nm /m /minで吹き込んで緩曝気する。
  5. セレン含有水を、金属チタンとチタンより卑な金属の単体との混合物又は合金(以下、「充填材」と称す。)と接触させて、前記卑な金属の一部を溶出させることにより該セレン含有水中のセレンを還元処理する還元塔と、
    該還元塔に空気及び水を供給して洗浄を行う洗浄手段と
    を有するセレン含有水の処理装置において、
    前記還元塔へのセレン含有水の通水を停止した後、かつ、前記還元塔内に空気及び水を供給して洗浄を行う前に、前記還元塔内から水を抜き再度水張りすることにより還元塔内から前記充填材同士の間隙に存在するガスを排出するガス抜きを行うガス抜き手段を備えたことを特徴とするセレン含有水の処理装置。
  6. セレン含有水を、金属チタンとチタンより卑な金属の単体との混合物又は合金(以下、「充填材」と称す。)と接触させて、前記卑な金属の一部を溶出させることにより該セレン含有水中のセレンを還元処理する還元塔と、
    該還元塔に空気及び水を供給して洗浄を行う洗浄手段と
    を有するセレン含有水の処理装置において、
    前記還元塔へのセレン含有水の通水を停止した後、かつ、前記還元塔内に空気及び水を供給して洗浄を行う前に、前記還元塔内に空気及び/又は不活性ガスを通気して還元塔内から前記充填材同士の間隙に存在するガスを排出するガス抜きを行うガス抜き手段を備えたことを特徴とするセレン含有水の処理装置。
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