以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による撮像装置について図面を用いて説明する。
[撮像装置の構成]
まず、本実施形態による撮像装置の構成について説明する。図1は、本実施形態による撮像装置の構成の概略を示すブロック図である。
なお、ここでは、撮像装置が、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラである場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
本実施形態による撮像装置(カメラ)10は、レンズユニット100と撮像装置本体(カメラ本体、ボディ)120とを有している。レンズユニット100は、図1の中央部において点線で示したマウントMを介して、撮像装置本体(カメラ本体)120に接続される。
レンズユニット100は、撮影レンズ105とレンズ駆動/制御系119とを含んでいる。
撮影レンズ105は、被写体の光学像、即ち、被写体像を形成するためのものである。撮影レンズ105は、第1のレンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2のレンズ群103、及び、フォーカスレンズ群(以下、「フォーカスレンズ」という)104を含んでいる。第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、及び、フォーカスレンズ104は、被写体の像を撮像素子122上に結像するための結像光学系(撮影光学系、撮像光学系)133を構成している。
レンズ駆動/制御系119は、レンズユニット100に関する駆動/制御を行うためのものである。レンズ駆動/制御系119は、ズームアクチュエータ111、絞りシャッタアクチュエータ112、フォーカスアクチュエータ113、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116、及び、レンズMPU117を含んでいる。更に、レンズ駆動/制御系119は、レンズメモリ118を含んでいる。
第1のレンズ群101は、レンズユニット100の先端部に配されており、光軸方向OAに進退可能に保持されている。絞り兼用シャッタ102は、その開口径を調節することによって、撮影時の光量調節を行う。また、絞り兼用シャッタ102は、静止画の撮影時には、露光秒時調節用シャッタとしても機能する。絞り兼用シャッタ102及び第2のレンズ群103は、光軸方向OAに一体的に進退動作する。第2のレンズ群103の進退動作と第1のレンズ群101の進退動作との連動によって、ズーム機能が実現される。また、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに進退させることにより、焦点調節が行われる。
ズーム駆動回路114は、撮影者によるズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動し、第1のレンズ群101や第2のレンズ群103を光軸方向OAに進退動作させることで、ズーム操作を行う。絞りシャッタ駆動回路115は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動し、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御することにより、撮影時の光量を調節する。また、絞りシャッタ駆動回路115は、静止画の撮影時には、露光秒時の制御をも行う。フォーカス駆動回路116は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ113を駆動し、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに進退動作させることによって、焦点調節を行う。また、フォーカスアクチュエータ113は、フォーカスレンズ104の現在の位置を検出するレンズ位置検出部としての機能をも有している。
レンズMPU(MicroProcessor Unit)117は、レンズユニット100に関する様々な演算処理を行い、レンズユニット100全体の制御を司る。レンズMPU117は、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116、及び、レンズメモリ118の制御を行う。また、レンズMPU117は、現在のレンズ位置を検出し、後述するカメラMPU125からの要求に基づいて、レンズ位置情報をカメラMPU125に通知する。レンズ位置情報は、フォーカスレンズ104の光軸上の位置、結像光学系133の射出瞳の光軸上の位置や直径、射出瞳の光束を制限するレンズ枠(図示せず)の光軸上の位置や直径等の情報を含む。レンズメモリ118には、自動焦点調節(オートフォーカス)に必要な光学情報や、後述するレンズライトフィールドデータ等が記憶される。
一方、撮像装置本体120は、光学的LPF(ローパスフィルタ)121と、撮像素子122と、撮像装置制御/駆動系(カメラ制御/駆動系)131とを含んでいる。
撮像装置制御/駆動系131は、撮像素子駆動回路123、画像処理回路124、カメラMPU125、表示器126、操作スイッチ群127、メモリ128、撮像面位相差焦点検出部129、及び、TVAF焦点検出部130を含んでいる。
光学的LPF121は、撮影画像の偽色やモアレを軽減する。
撮像素子122は、例えばCMOSイメージセンサである。撮像素子122は、後述するように、位相差方式の焦点検出(撮像面位相差AF)を行うための信号を出力することができる。撮像素子122によって取得される画像データのうちの、撮像面位相差AFのために用い得る画像データは、画像処理回路124によって焦点検出用画像データ(焦点検出信号)に変換され、カメラMPU125に入力される。一方、撮像素子122によって取得される画像データのうちの、表示、記録、コントラスト方式の焦点検出等のために用い得る画像データは、目的に応じて所定の処理が画像処理回路124によって行われ、カメラMPU125に入力される。
撮像素子駆動回路123は、撮像素子122の動作を制御するものである。撮像素子駆動回路123は、撮像素子122によって取得される画像信号をA/D変換し、カメラMPU125及び画像処理回路124に出力する。画像処理回路124は、撮像素子122によって取得される画像データに対して、γ変換、カラー補間、JPEG圧縮等を行う。
カメラMPU(撮像装置MPU)125は、撮像装置本体120に関する様々な演算処理を行い、撮像装置本体120全体の制御を司る。カメラMPU125は、撮像素子駆動回路123、画像処理回路124、表示器126、操作スイッチ群127、メモリ128、撮像面位相差焦点検出部129、及び、TVAF焦点検出部130の制御を行う。また、カメラMPU125は、マウントMの信号線を介してレンズMPU117と接続されている。カメラMPU125は、レンズ位置情報の取得を要求するレンズ位置情報取得要求や、所定の駆動量でレンズを駆動することを要求するレンズ駆動要求を、レンズMPU117に対して出力する。また、カメラMPU125は、レンズユニット100に固有の光学情報も取得する。
カメラMPU125には、撮像装置の動作を制御するプログラムが格納されたROM125a、変数を記憶するRAM125b、センサ受光強度特性や様々なパラメータを記憶するEEPROM125cが内蔵されている。
カメラMPU125は、後述するレンズライトフィールドデータと、後述するセンサ受光強度特性とに基づいて、後述する点像強度分布を生成するための演算を行う。
なお、上述したように、本実施形態では、レンズライトフィールドデータは、例えばレンズメモリ118に記憶され、センサ受光強度特性は、例えばEEPROM125cに記憶される。レンズメモリ118は、レンズユニット100側(結像光学系側)の記憶部として機能し、EEPROM125は、撮像装置本体120側の記憶部として機能する。
表示器126は、LCD等によって構成されている。表示器126は、撮像装置の撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像、撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態の表示画像等を表示する。操作スイッチ群127は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等により構成されている。メモリ128は、例えば、フラッシュメモリ等の着脱可能なメモリである。メモリ128は、撮影済みの画像を記録する。
撮像面位相差焦点検出部129は、画像処理回路124による画像処理によって得られる焦点検出用画像データ(焦点検出信号)に基づいて、位相差方式の焦点検出(撮像面位相差AF)を行う。即ち、撮像面位相差焦点検出部129は、撮影光学系133の一対の瞳領域を通過する光束によって分割画素201、202(図2参照)に形成される一対の像のずれ量に基づいて、撮像面位相差AFを行う。なお、撮像面位相差AFについては、後に詳細に説明する。
TVAF焦点検出部130は、画像処理回路124による画像処理によって得られる画像情報のコントラスト成分によって、TVAF評価値を算出し、コントラスト方式の焦点検出処理(TVAF)を行う。コントラスト方式の焦点検出処理では、フォーカスレンズ104を移動させながら、複数のフォーカスレンズ位置においてTVAF評価値を算出し、TVAF評価値が最大となるフォーカスレンズ位置を検出する。TVAF評価値は、ピントが合うにつれて大きくなり、合焦点において最大となる。
[撮像素子]
次に、本実施形態による撮像装置において用いられる撮像素子について説明する。図2は、本実施形態による撮像装置において用いられる撮像素子の一部を示す平面図である。
本実施形態において用いられる撮像素子122は、上述したように、例えばCMOSイメージセンサである。撮像素子122の画素アレイ領域(図示せず)には、撮像画素(画素)200(図2参照)が2次元的、即ち、マトリクス状に配列されている。画素アレイ領域の周囲には、読み出し回路を含む周辺回路(図示せず)が配されている。図2においては、赤色(R)に感応する撮像画素が符号200Rを用いて示されており、緑色(G)に感応する撮像画素が符号200Gを用いて示されており、青色(B)に感応する撮像画素が符号200Bを用いて示されている。感応する色を特に区別しないで説明する場合には、符号200を用いて説明することとする。
各々の撮像画素200は、2つの分割画素(分割領域)201、202をそれぞれ含んでいる。即ち、各々の撮像画素200は、2列×1行に配列された第1の分割画素201と第2の分割画素202をそれぞれ含んでいる。第1の分割画素201の重心は、撮像画素200において−X方向に偏心している。第2の分割画素202の重心は、撮像画素200において+X方向に偏心している。
図2には、4列×4行の撮像画素200の配列が抜き出して示されている。1つの撮像画素200は、2つの分割画素201、202を含むため、図2には、8列×4行の分割画素201,202の配列が抜き出して示されている。
2列×2行の撮像画素200によって、1つの画素群203が構成されている。図2においては、各々の画素群203を太い実線を用いて示している。1つの画素群203は、赤色に感応する1つの撮像画素200Rと、緑色に感応する2つの撮像画素200Gと、青色に感応する1つの撮像画素200Bとにより構成されている。赤色に感応する撮像画素200Rは、画素群203のうちの左上の位置に配されている。緑色に感応する撮像画素200Gは、画素群203のうちの右上と左下の位置に配されている。青色に感応する撮像画素200Bは、画素群203のうちの右下の位置に配されている。このような画素配列は、ベイヤー配列と称されている。
このような画素群203が撮像素子122の撮像面(受光面)に2次元的に多数配置されているため、撮像素子122は明瞭且つ高精度な撮影画像を取得することができる。
撮像画素200のピッチ(周期)Pは、例えば4μmに設定されている。列方向(X軸方向)における撮像画素200の配列数は、例えば5575に設定されており、行方向(Y軸方向)における撮像画素200の配列数は、例えば3725個に設定されている。即ち、撮像素子122の画素数(有効画素数)Nは、例えば約2075万画素に設定されている。なお、撮像素子122の水平方向(列方向、横方向)(図2における紙面左右方向)をX軸方向とし、撮像素子122の垂直方向(行方向、縦方向)(図2における紙面上下方向)をY軸方向とする。また、撮像素子122の撮像面の法線方向(図2における紙面法線方向)をZ軸方向とする。
上述したように、各々の撮像画素200は、2列×1行で配列された第1の分割画素201と第2の分割画素202とによってそれぞれ構成されている。このため、列方向(X軸方向)における分割画素201、202のピッチ(周期)PAFは、例えば2μmとなっている。列方向(X軸方向)における分割画素201、202の数は、例えば11150となっている。行方向(Y軸方向)における分割画素201、202の数は、例えば3725となっている。撮像素子122の分割画素数NAFは、例えば約4150万画素となっている。
図3は、撮像素子の画素部を示す平面図及び断面図である。図3(a)は、撮像素子の画素部を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A′線断面図である。図3(b)には、光軸303が一点鎖線を用いて示されており、撮像素子122の受光面(撮像面)304が破線を用いて示されている。図3では、撮像素子に設けられている複数の画素(撮像画素、画素部)200のうちの1つを抜き出して示している。
図3に示すように、各々の撮像画素200は、複数の領域(分割画素)201、202にそれぞれ分割されている。具体的には、撮像画素200は、X方向に2分割されており、Y方向には分割されていない。このように、本実施形態では、各々の撮像画素200が、2つの領域201、202にそれぞれ分割されている。
一方の分割画素201における基板300内には、第1の分割画素201の光電変換部(第1の光電変換部)301が形成されている。他方の分割画素202における基板300内には、第2の分割画素202の光電変換部(第2の光電変換部)302が形成されている。第1の光電変換部301の重心は、+X方向に偏心している。第2の光電変換部302の重心は、−X方向に偏心している。
光電変換部301、302は、例えば、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造のフォトダイオードにより構成されている。
なお、光電変換部301、302は、pin構造のフォトダイオードに限定されるものではなく、イントリンシック層が省略された、pn接合のフォトダイオードであってもよい。
光電変換部301、302が形成された基板300上には、絶縁層311や配線層307等が適宜形成されている。絶縁層311や配線層307等が形成された基板300上には、カラーフィルタ306が形成されている。
なお、撮像画素200R、200G、200B毎にカラーフィルタ306の分光透過率を異ならせてもよいし、カラーフィルタ306を適宜省略するようにしてもよい。
カラーフィルタ306が配された基板300上には、各々の撮像画素200に入射される光を集光するためのマイクロレンズ305がそれぞれ配されている。
各々の画素200に入射される光は、マイクロレンズ305によって集光され、カラーフィルタ306で分光された後、第1の光電変換部301と第2の光電変換部302とに達する。
光電変換部301、302では、受光量に応じて電子とホール(正孔)とが対生成される。対生成された電子とホールは、空乏層で分離される。負電荷である電子はn型層309、310に蓄積され、正電荷であるホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子122の外部へ排出される。
光電変換部301、302のn型層309、310にそれぞれ蓄積された電子は、転送ゲート(図示せず)を介して、静電容量部(FD)(図示せず)に転送され、電圧信号に変換される。
図4は、瞳領域と画素部との対応関係を示す概略図である。図4の下側の図は、画素部の断面図であり、図4の上側の図は、画素部側から見た射出瞳面の平面図である。
図4に示すように、瞳領域(射出瞳)500は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含んでいる。
第1の瞳部分領域501の重心は、瞳領域500において+X方向に偏心している。一方、上述したように、第1の分割画素201の重心は、撮像画素200において−X方向に偏心している。そして、瞳領域500と画素部200との間にはマイクロレンズ305が存在している。このため、第1の瞳部分領域501と第1の分割画素201とは共役関係となっており、第1の瞳部分領域501を通過する光束は、第1の分割画素201において受光される。
第2の瞳部分領域502の重心は、瞳領域500において−X方向に偏心している。一方、上述したように、第2の分割画素202の重心は、撮像画素200において+X方向に偏心している。そして、瞳領域500と画素部200との間にはマイクロレンズ305が存在している。このため、第2の瞳部分領域502と第2の分割画素202とは共役関係になっており、第2の瞳部分領域502を通過する光束は、第2の分割画素202において受光される。
上述したように、瞳領域500は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含んでいる。また、上述したように、撮像画素200は、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含んでいる。このため、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含む瞳領域500を通過する光束は、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含む撮像画素200において受光される。
図5は、射出瞳と撮像素子との関係を示す概略図である。
ある点801aから発せられた複数の光束は、互いに異なる瞳部分領域501,502をそれぞれ通過し、ある画素200aの第1の分割画素301aと第2の分割画素302aとによってそれぞれ受光される。
また、他の点801bから発せられた複数の光束は、互いに異なる瞳部分領域501,502をそれぞれ通過し、他の画素200bの第1の分割画素301bと第2の分割画素302bとによってそれぞれ受光される。
なお、ここでは、瞳領域500を水平方向(X方向)に2つに分割する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。必要に応じて、垂直方向(Y方向)に瞳領域500を分割してもよい。
また、ここでは、第1の分割画素201と第2の分割画素202とにより撮像画素200を構成する場合を例に説明したが、撮像画素200と別個に第1の焦点検出画素と第2の焦点検出画素とを適宜配置するようにしてもよい。
撮像素子122にマトリクス状に配列された撮像画素200の各々の第1の分割画素201により検出される信号(受光信号)の集合体によって、第1の焦点検出信号(第1の焦点検出用画像データ)が構成される。また、撮像素子122にマトリクス状に配列された撮像画素200の各々の第2の分割画素202により検出される信号(受光信号)の集合体によって、第2の焦点検出信号(第2の焦点検出用画像データ)が構成される。こうして得られた第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とを用いて焦点検出が行われる。また、各々の第1の分割画素201により検出される信号と各々の第2の分割画素202により検出される信号とを加算した信号の集合体によって、有効画素数Nの撮像信号(撮像画像)が構成される。
[オートフォーカス動作の全体像]
次に、本実施形態による撮像装置のオートフォーカス動作の処理の全体像について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態による撮像装置のオートフォーカス動作の処理の全体像を示すフローチャートである。
まず、図6に示すように、焦点検出処理が行われる(ステップS601)。焦点検出処理においては、図7を用いて後述するようにデフォーカス量が算出される。
次に、点像強度分布生成処理が行われる(ステップS602)。具体的には、ステップS601において算出されたデフォーカス量の近傍の複数位置における点像強度分布を生成する。点像強度分布生成処理は、点像強度分布生成手段(点像強度分布生成部)として機能し得るカメラMPU125によって行われる。本実施形態において、このように点像強度分布を生成するのは、焦点検出処理(ステップS601)において算出されたデフォーカス量に対して高精度な補正を行うことを可能とし、ひいては最良像面位置に設定することを可能とするためである。
次に、デフォーカス量補正処理が行われる(ステップS603)。具体的には、点像強度分布生成処理(ステップS602)において得られた複数のデフォーカス量の各々における点像強度分布を用いて補正値を算出し、焦点検出処理(ステップS601)において算出されたデフォーカス量に対して当該補正値を用いて補正する。
次に、撮影レンズ105の駆動が行われる(ステップS604)。具体的には、デフォーカス量補正処理(ステップS603)において得られた補正後のデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ105が駆動される。
次に、合焦判定処理が行われる(ステップS605)。合焦と判定された場合には(ステップS605においてYES)、オートフォーカス動作を終了する。
一方、合焦と判定されなかった場合には(ステップS605においてNO)、ステップS601に戻り、オートフォーカス動作の処理が再度行われる。
図6を用いて全体像を示した本実施形態による撮像装置のオートフォーカス動作の詳細を、以下に説明する。
[焦点検出]
図6を用いて概略を説明した焦点検出処理(ステップS601)について以下に詳細に説明を行うが、具体的な焦点検出処理を説明するに先立って、デフォーカス量と像ずれ量との関係について図8を用いて説明する。
図8は、デフォーカス量と像ずれ量との関係を示す図である。なお、撮像面800には、上述した撮像素子122が配されているが、図8においては図示を省略している。図4及び図5を用いて上述したように、結像光学系の射出瞳500は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とに2分割されている。
図8における符号dは、被写体の結像位置(結像点)と撮像面との間の距離、即ち、デフォーカス量を示している。デフォーカス量dの大きさは|d|で表される。被写体の結像位置が撮像面の手前に位置している状態、即ち、前ピン状態の場合には、デフォーカス量の符号は負となる(d<0)。被写体の結像位置が撮像面より奥に位置している状態、即ち、後ピン状態の場合には、デフォーカス量の符号は正となる(d>0)。被写体の結像位置が撮像面に位置している状態、即ち、合焦状態である場合には、デフォーカス量dは0である。
図8のように被写体801が位置している場合には、合焦状態(d=0)となる。また、図8のように被写体802が位置している場合には、前ピン状態(d<0)となる。前ピン状態(d<0)も後ピン状態(d>0)も、デフォーカス状態(|d|>0)に該当する。
前ピン状態(d<0)においては、被写体802からの光束のうちの、第1の瞳部分領域501を通過した光束は、撮像面800の手前で集光した後、光束の重心位置G1を中心として幅Γ1で広がり、撮像面800においてボケた像となる。撮像面800に達したボケた像は、撮像素子122に配された撮像画素200の第1の分割画素201によって受光され、第1の焦点検出信号が生成される。こうして、幅Γ1でボケた被写体802の像が、撮像面800上の重心位置G1において、第1の焦点検出信号として検出される。
また、前ピン状態(d<0)においては、被写体802からの光束のうちの、第2の瞳部分領域502を通過した光束は、撮像面800の手前で集光した後、光束の重心位置G2を中心として幅Γ2で広がり、撮像面800においてボケた像となる。撮像面800に達したボケた像は、撮像素子122に配された撮像画素200の第2の分割画素202によって受光され、第2の焦点検出信号が生成される。こうして、幅Γ2でボケた被写体802の像が、撮像面800上の重心位置G2において、第2の焦点検出信号として検出される。
被写体像のボケ幅Γ1、Γ2は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴って、概ね比例して増加していく。また、第1の焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ量p(光束の重心位置の差(G1−G2))の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴って、概ね比例して増加していく。
後ピン状態(d>0)の場合には、第1の焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ方向が、前ピン状態の場合に対して反対の方向となること以外は、前ピン状態の場合と同様である。
デフォーカス量と像ずれ量との間には、上記のような関係がある。即ち、デフォーカス量dの大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ量pの大きさが増加する。このような関係が成立するため、像ずれ量p、即ち、位相差に基づいてデフォーカス量dを算出することが可能である。位相差(像ずれ量)に基づいてデフォーカス量の検出が行われる焦点検出は、位相差方式の焦点検出と称される。
位相差方式の焦点検出では、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とを相対的にシフトさせることにより、これらの焦点検出信号の一致度を示す相関量を計算し、相関(信号の一致度)が良好となるときのシフト量に基づいて像ずれ量pを検出する。デフォーカス量dの大きさが増加するのに伴い、第1の焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ量pの大きさが増加するため、像ずれ量pをデフォーカス量dに換算することが可能である。像ずれ量pに基づいて算出されたデフォーカス量は、検出デフォーカス量(算出デフォーカス量)と称される。検出デフォーカス量は、実際のデフォーカス量(実デフォーカス量)と完全に一致しているとは限らない。このため、本実施形態では、算出されたデフォーカス量(ステップS706)に対して、後述するように、補正の処理(ステップS2105)が行われることとなる。
図7は、本実施形態による撮像装置における焦点検出処理を示すフローチャートである。図7は、図6を用いて概略を説明した焦点検出処理(ステップS601)を詳細に説明するためのものである。
図7に示す焦点検出処理は、撮像素子122、画像処理回路124、カメラMPU125、及び、撮像面位相差焦点検出部129が協業することにより実行される。これらの構成要素は、焦点検出信号生成手段(焦点検出信号生成部)及び焦点検出手段(焦点検出部)として機能する。
まず、被写体(合焦対象物)の位置に応じた撮像素子122上の領域が、焦点検出領域(図示せず)として設定される(ステップS701)。
次に、焦点検出領域内の第1の分割画素201の受光信号から生成される第1の焦点検出信号と、焦点検出領域内の第2の分割画素202の受光信号から生成される第2の焦点検出信号とが、焦点検出信号生成手段により取得される(ステップS702)。
次に、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とに対して、シェーディング補正の処理(光学補正処理)がそれぞれ行われる(ステップS703)。
ここで、シェーディングについて図9を用いて説明する。図9は、シェーディングを説明するための概略図である。
図9(a)は、結像光学系133の射出瞳距離Dlと撮像素子側で定めた射出瞳距離Dsとが等しい場合を示している。この場合には、中心像高においても周辺像高においても、結像光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とにより概ね均等に分割される。
図9(b)は、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子側で定めた射出瞳距離Dsより短い場合を示している。この場合には、周辺像高において、結像光学系133の射出瞳と撮像素子122の入射瞳との間で瞳ずれが生じる。このため、結像光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とによって不均一に分割されてしまう。即ち、図9(b)に示すように、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子側で定めた射出瞳距離Dsより短い場合には、周辺像高における瞳分割が不均一になる。
図9(c)は、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子側で定めた射出瞳距離Dsより長い場合を示している。この場合にも、周辺像高において、結像光学系133の射出瞳と撮像素子122の入射瞳との間で瞳ずれが生じる。このため、結像光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とによって不均一に分割されてしまう。即ち、図9(c)に示すように、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子側で定めた射出瞳距離Dsより長い場合にも、周辺像高における瞳分割が不均一になる。
周辺像高において瞳分割が不均一になるのに伴い、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号の強度も不均一になる。即ち、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなる。このような現象は、シェーディングと称される。
位相差方式の焦点検出では、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との相関(信号の一致度)に基づいて、検出デフォーカス量(合焦位置)が算出される。瞳ずれによるシェーディングが生じると、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との相関(信号の一致度)が低下する場合がある。よって、位相差方式の焦点検出では、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との相関(信号の一致度)を改善し、焦点検出精度を向上するために、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行うことが望ましい。
シェーディング補正処理は、以下のようにして行われる。
まず、焦点検出領域の像高、撮影レンズ(結像光学系)のF値及び射出瞳距離に応じて、第1の焦点検出信号を補正するための第1のシェーディング補正係数、及び、第2の焦点検出信号を補正するための第2のシェーディング補正係数をそれぞれ生成する。
そして、第1のシェーディング補正係数を第1の焦点検出信号に乗算し、第2のシェーディング補正係数を第2の焦点検出信号に乗算する。
こうして、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号に対するシェーディング補正処理(光学補正処理)が行われる(ステップS703)。
次に、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とに対してフィルタ処理が行われる(ステップS704)。図10は、フィルタ処理において用いられるフィルタの周波数特性の例を示すグラフである。図10の実線は、フィルタの周波数特性の一例を示している。図10の一点鎖線は、フィルタの周波数特性の他の例を示している。横軸は空間周波数を示しており、縦軸はフィルタ係数を示している。
デフォーカス量が大きい状態で焦点検出を行うことが前提となる場合には、低周波帯域が通過帯域に含まれているフィルタを用いてフィルタ処理を行えばよい。従って、この場合には、図10の実線で示すような周波数特性のフィルタを用いることができる。
一方、デフォーカス量が大きい状態のみならず、デフォーカス量が小さい状態においても焦点検出を行い得るようにする場合には、高周波帯域までもが通過帯域に含まれているフィルタを用いることが好ましい。この場合には、図10において1点鎖線で示すような周波数特性のフィルタ、即ち、低周波領域のみならず高周波帯域までもが通過帯域に含まれているフィルタを用いることが好ましい。
こうして、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とに対してフィルタ処理が行われる(ステップS704)。
次に、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とを相対的に瞳分割方向にシフトさせる処理であるシフト処理が行われ、これらの信号の一致度を示す相関量が算出される(ステップS705)。かかるシフト処理は、フィルタ処理が行われた第1の焦点検出信号とフィルタ処理が行われた第2の焦点検出信号とを用いて行われる。
シフト処理によるシフト量をs1、シフト量s1のシフト範囲をΓ1とすると、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との一致度を示す相関量CORは、以下のような式(1)により算出される。ここで、A(k)は、第1の焦点検出信号のうちのk番目の信号を示しており、B(k)は、第2の焦点検出信号のうちのk番目の信号を示している。Wは、焦点検出領域に対応する番号kの範囲である。
相関量CORの算出においては、k番目の信号である第1の焦点検出信号A(k)からk−s1番目の信号である第2の焦点検出信号B(k−s1)を減算することにより、シフト減算信号が生成され、かかるシフト減算信号の絶対値が求められる。焦点検出領域に対応する範囲W内で番号kの値を順次変化させ、シフト減算信号の絶対値の総和を求めることにより、相関量COR(s1)が算出される。必要に応じて、各行毎に算出された相関量(評価値)を、シフト量毎に、複数行に渡って加算しても良い。
こうして、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との一致度を示す相関量が、シフト量s1毎に算出される(ステップS705)。
次に、デフォーカス量算出処理が行われる(ステップS706)。デフォーカス量の算出処理においては、まず、相関量が最小値となるときのシフト量s1に基づいて、像ずれ量p1が算出される。そして、算出された像ずれ量p1に、焦点検出領域の像高と、撮影レンズ(結像光学系)105のF値と、射出瞳距離に応じた変換係数Kとを乗算することにより、デフォーカス量(検出デフォーカス量)が算出される。
こうして、位相差方式の焦点検出により、デフォーカス量が算出される。こうして算出されたデフォーカス量は、上述したように、実際のデフォーカス量(実デフォーカス量)と完全に一致しているとは限らない。このため、本実施形態では、デフォーカス量算出処理(ステップS706)において算出されたデフォーカス量に対して、後述するように、補正の処理(ステップS2105)が行われることとなる。
[点像強度分布]
図6を用いて概略を説明した点像強度分布の生成(ステップS602)について後に詳細に説明を行うが、点像強度分布の生成について具体的な説明を行うに先立って、点像強度分布について以下に説明する。
図11は、点像強度分布を説明するための図である。図11(a)は、デフォーカス量の相違による点像強度分布の相違と、像高の相違による点像強度分布の相違とを説明するための図である。図11(b)は、絞り値の相違による点像強度分布の相違を説明するための図である。図11(c)は、レンズ収差の有無による点像強度分布の相違を説明するための図である。
図12は、点像強度分布を示す図である。図12の横軸は撮像素子122の撮像面における水平方向(X方向)の位置を示しており、図12の縦軸は光の強度を示している。
図12(a)は、中央像高における点光源1101からの光が位置1111に位置する撮像面に達した際の点像強度分布を示している。図12(b)は、中央像高における点光源1101からの光が位置1112に位置する撮像面に達した際の点像強度分布を示している。図12(c)は、周辺像高における点光源1102からの光が位置1111に位置する撮像面に達した際の点像強度分布を示している。図12(d)は、絞り1131bの開口を狭めた際の点像強度分布を示している。図12(e)は、レンズ収差が存在する場合の点像強度分布を示している。
点像強度分布は、点光源からの光が撮像素子の受光面(撮像面)において受光される際の、光の強度分布を示すものである。図12に示すように、デフォーカス量の相違、像高の相違、絞り値の相違、レンズ収差の相違によって点像強度分布が相違する。
デフォーカス量の相違による点像強度分布の相違は、図12(a)と図12(b)とを用いて説明することができる。図12(a)は、点光源1101からの光束が結像する位置1111に撮像素子122の撮像面が位置しているものである。図12(b)は、点光源1101からの光束が結像する位置1111の手前の位置1112に撮像素子122の撮像面が位置しているものである。即ち、図12(a)は、デフォーカス量がゼロの場合であり、図12(b)は、デフォーカス量がゼロではない場合である。図12(a)と図12(b)とを比較して分かるように、デフォーカス量が異なると、点像強度分布の広がりや点像強度分布のピーク値に相違が生じる。
このように、点像強度分布は、デフォーカス量の相違に応じて相違するものである。本実施形態では、後述するように、点像強度分布の算出を行うが、光束の情報がベクトル形式で表現された後述するレンズライトフィールドデータを用いるため、デフォーカス量の相違に応じてこのように相違する点像強度分布を算出することが可能である。
像高の相違による点像強度分布の相違は、図12(a)と図12(c)とを用いて説明することができる。図12(a)は、中央像高の点光源1101からの光束が位置1111に位置する撮像素子122の撮像面に結像される場合を示している。図12(c)は、周辺像高の点光源1102からの光束が位置1111に位置する撮像素子122の撮像面に結像される場合を示している。中央像高の点光源1101からの光束1121aと周辺像高の点光源1102からの光束1122aとは、撮影レンズ105に対する入射角が相違し、撮像素子122の撮像面への入射角も相違する。このため、図12(a)と図12(c)とを比較して分かるように、像高の相違は点像強度分布の形状の対称性に影響を与える。即ち、図12(a)では、点像強度分布の形状は左右対称となっているが、図12(c)では、点像強度分布の形状が左右対称になっておらず、偏りが生じている。
このように、点像強度分布は、像高の相違によって相違するものである。従って、後述するレンズライトフィールドデータは、像高毎に保持する必要がある。
絞り値の相違による点像強度分布の相違は、図12(a)と図12(d)とを用いて説明することができる。図12(a)は、図11(a)に対応するものであり、絞り1131aの開口が比較的大きい場合を示している。図12(d)は、図11(b)に対応するものであり、絞り1131bの開口が比較的小さい場合を示している。絞り1131aと絞り1131bとでは開口の大きさが互いに相違するため、絞り1131a、1131bを通過する光束の幅は互いに相違することとなる。このため、撮像素子122の撮像面に到達する光束の範囲に相違が生じる。図12(a)と図12(d)とを比較して分かるように、絞り値の相違は、点像強度分布の広がりに相違を生じさせ、また、点像強度分布のピーク値に相違を生じさせる。ただし、ここでは、回折の影響については考慮していない。
このように、絞り値を小さくするに伴って、光束1121aが絞り1131bによってケラレるため、即ち、ビネッティングが生ずるため、撮像素子122の撮像面に到達する光束の範囲が限定される。このため、後述するように、ビネッティング情報に基づいて、レンズライトフィールドデータのうちの一部が選択的に用いられる。
レンズの収差の相違による点像強度分布の相違は、図12(a)と図12(e)とを用いて説明することができる。図12(a)は、図11(a)に対応するものであり、収差が存在しない場合を示している。図12(e)は、図11(c)に対応するものであり、収差が存在する場合を示している。図11(a)に示す光束1121aと図11(c)に示す光束1121cとでは、レンズで屈折した後における光路が異なり、収差が存在する場合には、図11(c)に示すように光束が一点で交わらない。図12(a)と図12(e)とを比較して分かるように、レンズの収差の相違は点像強度分布に相違を生じさせる。収差が存在する場合には、光束が一点で交わらないため、前ピン、後ピンのいずれにおいても、図12(a)に示す点像強度分布の形状に対して相似形ではなくなり、焦点検出時においてオフセットが発生する原因となる。なお、オフセットに関しては、後に詳述することとする。
このように、デフォーカス量、像高、絞り値、収差等の相違によって、点像強度分布に相違が生ずる。
[点像強度分布生成処理]
次に、点像強度分布生成処理について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態による撮像装置における点像強度分布生成処理を示すフローチャートである。図13は、図6を用いて概略を説明した点像強度分布生成処理(ステップS602)を詳細に説明するためのものである。
図13に示す点像強度分布生成処理は、ROM125a、レンズメモリ118、及び、カメラMPU125等が協業することにより実行される。ROM125aは、センサ受光強度特性記憶手段(センサ受光強度特性記憶部)として機能する。レンズメモリ118は、レンズライトフィールドデータ記憶手段(レンズライトフィールドデータ記憶部)として機能する。カメラMPU125は、点像強度分布生成手段(点像強度分布生成部)として機能する。
まず、焦点検出処理(ステップS601)を行った際の条件、即ち、焦点検出条件を取得する(ステップS1301)。焦点検出条件は、像高、絞り値、レンズのズームステート、レンズのフォーカスステート等、焦点検出を行った際の情報である。
次に、デフォーカス量算出処理(ステップS706)において算出したデフォーカス量を取得する(ステップS1302)。
次に、センサ受光強度特性を取得する(ステップS1303)。かかるセンサ受光強度特性は、撮像素子122に固有の特性であるため、センサ受光強度特性記憶手段であるROM125aに予め記憶されている。センサ受光強度特性は、撮像素子上に配されたマイクロレンズの入射瞳の各領域を通過する光束の撮像素子122の受光面304における受光強度を示すものである。換言すれば、センサ受光強度特性は、撮像素子122の各々の画素に到達する光束の撮像素子122の受光面304における受光強度分布を示すものである。なお、センサ受光強度特性については、後に詳述することとする。
次に、レンズライトフィールドデータを取得する(ステップS1304)。レンズライトフィールドデータは、レンズに固有のデータであるため、レンズライトフィールドデータ記憶手段であるレンズメモリ118に予め記憶されている。レンズメモリ118には、焦点検出条件及びデフォーカス量に応じた様々なレンズライトフィールドデータが記憶されている。従って、ステップS1301で取得された焦点検出条件とステップS1302で取得されたデフォーカス量とに応じたレンズライトフィールドデータが、レンズメモリ118から読み出される。レンズライトフィールドデータは、被写***置の一点から発せられ、結像光学系の射出瞳の互いに異なる領域を通過する複数の光束の方向に関する情報と、各々の光束上の点の位置に関する情報とを含むものである。レンズライトフィールドデータは、光束の方向に関する情報と光束上の点の位置に関する情報に加え、光束の強度に関する情報を更に有していてもよい。なお、ここで、光束の強度に関する情報とは、レンズの透過率分布を加味した情報である。また、光束の強度はベクトルの長さ成分で表現されるため、光束の方向と、光束上の点の位置と、光束の強度に関する情報とを有するレンズライトフィールドデータは、光束の始点と終点に関する情報で表現することもできる。なお、レンズライトフィールドデータの詳細については、後に詳述することとする。
次に、ステップS1304で読み出したレンズライトフィールドデータのうちから使用する領域を決定する(ステップS1305)。レンズライトフィールドデータの使用領域は、ステップS1301で取得された焦点検出条件に応じて決定される。具体的には、ケラレ枠1505によりケラレる部分のレンズライトフィールドデータは使用せず、ケラレ枠1505によりケラレない部分のレンズライトフィールドデータのみを使用する。レンズライトフィールドデータは、射出瞳の領域毎の情報として記憶されているため、このような一部の領域のみの選択が可能となる。なお、ケラレ枠1505については、後に詳述することとする。
次に、センサ受光ライトフィールドデータの算出処理を行う(ステップS1306)。センサ受光ライトフィールドデータ算出処理においては、ステップS1303で取得したセンサ受光強度特性1401と、ステップS1305で使用領域が決定されたレンズライトフィールドデータとに基づいて、センサ受光ライトフィールドデータが算出される。具体的には、レンズライトフィールドデータが示す複数の光束の強度と、当該複数の光束に対応する領域におけるセンサ受光強度特性との積によって、センサ受光ライトフィールドデータが算出される。
次に、点像強度分布の生成処理を行う(ステップS1307)。点像強度分布の生成処理においては、ステップS1306で算出したセンサ受光ライトフィールドデータに基づいて、撮像素子122の受光面304の位置を光軸方向において異ならせた際の複数の点像強度分布を生成する。
図14は、レンズライトフィールドデータとセンサ受光強度特性と点像強度分布との関係を示す図である。図14におけるX軸は射出瞳面の水平方向を示しており、図14におけるZ軸は光軸方向を表している。
符号1401は、センサ受光強度特性(センサ受光強度分布)を射出瞳面上に投影したときの分布を示している。なお、センサ受光強度特性は、上述したように、撮像素子122の受光面304における各々の画素200に到達する各々の光束の強度を示すものであり、射出瞳面上における各々の光束の強度を表すものではない。図14では、説明の便宜上、射出瞳面上にセンサ受光強度特性を投影している。
符号1402は、レンズライトフィールドデータを示している。符号1403は、センサ受光ライトフィールドデータを示している。符号1404a、1404b、1404cは、撮像素子122の位置、即ち、センサ位置を示している。符号1405a、1405b、1405cは、各々のセンサ位置1404a、1404b、1404cにおける点像強度分布を表している。なお、これらの点像強度分布1405a、1405b、1405cは、センサ受光ライトフィールドデータ1403に基づいて生成される。
センサ受光ライトフィールドデータ1403は、レンズライトフィールドデータ1402に示されている複数の光束の強度と、当該複数の光束に対応する領域のセンサ受光強度特性1401との積により求められる。センサ受光強度特性1401の強度が大きい座標では、センサ受光ライトフィールドデータ1403は大きくなる。
点像強度分布1405aは、センサ受光ライトフィールドデータ1403上における光束のセンサ位置1404aにおける到達点に応じて、センサ受光ライトフィールドデータ上における光束のセンサ位置1404aでの受光強度を積分することにより算出される。点像強度分布1405bは、センサ受光ライトフィールドデータ1403上における光束のセンサ位置1404bにおける到達点に応じて、センサ受光ライトフィールドデータ上における光束のセンサ位置1404bでの受光強度を積分することにより算出される。点像強度分布1405cは、センサ受光ライトフィールドデータ1403上における光束のセンサ位置1404cにおける到達点に応じて、センサ受光ライトフィールドデータ上における光束のセンサ位置1404cでの受光強度を積分することにより算出される。センサ受光ライトフィールドデータ1403上における光束の受光強度を積分する際には、撮像素子122に配された画素200の間隔(ピッチ)で積分が行われる。
このように、センサ受光強度特性とレンズライトフィールドデータとの積に基づいてセンサ受光ライトフィールドデータが算出され、センサ受光ライトフィールドデータに基づいて複数のデフォーカス位置における点像強度分布が生成される。
[センサ受光強度特性]
次に、センサ受光強度特性について説明する。
なお、上述したように、センサ受光強度特性は、撮像素子122に固有の特性であるため、センサ受光強度特性記憶手段であるROM125a等に予め記憶されている。
図15は、センサ受光強度特性を示す概略図である。図15では、センサ受光強度特性を出射瞳面上に投影して示している。センサ受光強度特性は、上述したように、撮像素子122の受光面304における各々の画素200に到達する各々の光束の強度を示すものであり、射出瞳面上における光束の強度の分布を示すものではない。ここでは、説明の便宜上、射出瞳面にセンサ受光強度特性を投影して示している。
図15(a)は、第1の瞳部分領域501を通過する光束についてのセンサ受光強度特性1501aを2次元的に示したものであり、ケラレが生じない場合のものである。図15(b)は、第2の瞳部分領域502を通過する光束についてのセンサ受光強度特性1501bを2次元的に示したものであり、ケラレが生じない場合のものである。図15(c)は、センサ受光強度特性を1次元的に示したものであり、ケラレが生じない場合のものである。符号1502aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についてのセンサ受光強度特性を示しており、符号1502bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についてのセンサ受光強度特性を示している。
図15(d)は、第1の瞳部分領域501を通過する光束についてのセンサ受光強度特性1503aを2次元的に示したものであり、ケラレが生じる場合のものである。図15(e)は、第2の瞳部分領域502を通過する光束についてのセンサ受光強度特性1503bを2次元的に示したものであり、ケラレが生じる場合のものである。図15(f)は、センサ受光強度特性を1次元的に示したものであり、ケラレが生じる場合のものである。
図15の(a)、(b)、(d)、(e)のX軸及びY軸は、射出瞳面における座標を示している。図15の(a)、(b)、(d)、(e)では、ハッチングの粗さによって光の強度を表現している。ハッチングが細かいほど光の強度が高く、ハッチングが粗いほど光の強度が低い。図15の(d)、(e)における符号1505は、ケラレ枠を示している。ケラレ枠は、レンズ枠や絞り枠によるケラレの境界であり、ビネッティング情報として保持されている。図15の(c)、(f)のX軸は、射出瞳面の水平方向を示している。
ケラレが生じない場合には、1次元的に示したセンサ受光強度特性は、図15(c)の符号1502a、1502bのような分布となる。
これに対し、ケラレが生じる場合には、1次元的に示したセンサ受光強度特性は、図15(f)の符号1504a、1504bのような分布となる。
このように、センサ受光強度特性は、ケラレ枠1505と瞳形状とに依存する。
なお、ここでは、中央像高におけるセンサ受光強度特性を例に説明したが、周辺像高におけるセンサ受光強度特性も上記と同様である。但し、周辺像高においては、ケラレ枠1505の形状が円形ではない場合もある。
センサ受光強度特性は、上述したように、撮像素子122の受光面304における各々の画素200に到達する各々の光束の強度を示すものである。しかし、レンズライトフィールドデータが射出瞳面上の座標において定義される場合には、センサ受光強度特性も射出瞳面上の座標において定義することが好ましい。レンズライトフィールドデータとセンサ受光強度特性とを同じ面上の座標で定義することにより、センサ受光ライトフィールドデータの算出が容易となるためである。ここでは、レンズライトフィールドデータを射出瞳面上において定義することとし、センサ受光強度特性についても射出瞳面上にセンサ受光強度特性を投影したときの座標で定義することとする。
センサ受光強度特性は、撮像素子122の受光面304における各々の画素200に到達する光束の強度の2次元的な分布を示すデータであり、射出瞳面上に投影したときのXY座標に対応付けて保持される。
なお、レンズライトフィールドデータを射出瞳面とは異なる面上の座標で定義するようにしてもよい。この場合には、レンズライトフィールドデータが定義される面と同一の面上にセンサ受光強度特性を投影した際のXY座標に対応付けて、センサ受光強度特性が保持される。
センサ受光強度特性の相違は、撮像素子122の型式(機種、種類)の相違によっても生ずる。図16は、撮像素子の型式の相違によるセンサ受光強度特性の相違を示すグラフである。横軸Xは射出瞳面の水平方向を示しており、縦軸は受光強度を表している。
符号1601aは、第1の撮像素子(図示せず)によって受光される場合のセンサ受光強度特性を1次元的に示したものである。符号1601bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束が第1の撮像素子によって受光される場合のセンサ受光強度特性を1次元的に示したものである。
符号1602aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束が、第1の撮像素子とは異なる型式の第2の撮像素子(図示せず)によって受光される場合のセンサ受光強度特性を1次元的に示したものである。符号1601bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束が、第2の撮像素子によって受光される場合のセンサ受光強度特性を1次元的に示したものである。
第1の撮像素子のセンサ受光強度特性1601aは、第2の撮像素子のセンサ受光強度特性1602aに対して、X座標値が負の領域において顕著に低くなっている。
また、第1の撮像素子のセンサ受光強度特性1601bは、第2の撮像素子のセンサ受光強度特性1602に対して、X座標値が正の領域において顕著に低くなっている。
撮像素子の型式によってセンサ受光強度特性に相違が生じるのは、撮像素子122の受光面304の上方に配された多層配線構造等によるケラレが、撮像素子の型式によって異なるためである。
センサ受光強度特性の相違は、撮像素子122を撮像装置本体120に取り付ける際のずれ等によっても生ずる。即ち、撮像素子122を撮像装置本体120に取り付ける際には、入射瞳面に対して撮像素子122の受光面304が傾いてしまう場合がある。撮像素子122の受光面304から射出瞳面までの距離(瞳距離)は数十mmであるため、撮像素子122の受光面304が射出瞳面に対して数度傾いた場合には、射出瞳面上では数mmのレベルで光軸の位置ずれが生じてしまうこととなる。撮像素子122の画素ピッチは一般的には数μmであるため、数mmのレベルでの光軸の位置ずれは無視できない大きさである。
図17は、撮像素子を取り付ける際のずれがセンサ受光強度特性に及ぼす影響を示す概略図である。図17(a)は、撮像素子122が撮像装置本体120に正常に取付けられた場合を示している。図17(b)は、撮像素子122が撮像装置本体120に傾いて取り付けられた場合を示している。X軸は撮像素子122の水平方向を示しており、Z軸は光軸方向を示している。
図17(a)の上側の図及び図17(b)の上側の図は、センサ受光強度特性を射出瞳面上に投影したときの分布を示している。符号1701a、1703aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についてのセンサ受光強度特性を1次元的に示すものである。また、符号1701b、1703bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についてのセンサ受光強度特性を1次元的に示すものである。符号1702は、射出瞳面に対して平行に取り付けられた撮像素子122を示しており、符号1704は、射出瞳面に対して傾いて取り付けられた撮像素子122を示している。
図17(b)のdxは、光軸のずれ量を示しており、撮像素子122の受光面304の射出瞳面に対する傾き角によって異なる。
なお、ここでは、X方向のずれを例に説明したが、Y方向のずれについても同様である。
このように、センサ受光強度特性は、撮像素子122の型式の相違や撮像素子122を撮像装置本体120に取り付ける際のずれによっても相違する。本実施形態では、このような相違を加味した情報を用いて点像強度分布を生成するため、良好な点像強度分布を生成することができる。このため、本実施形態によれば、後述するデフォーカス量補正において補正に用いられる補正値の算出を、高精度に行うことが可能となる。
[レンズライトフィールドデータ]
次に、レンズライトフィールドデータについて詳細に説明する。
レンズライトフィールドデータは、被写***置の一点から発せられ、結像光学系の射出瞳の互いに異なる領域を通過する複数の光束の方向に関する情報と、光束上の点の位置に関する情報とを含むものである。レンズライトフィールドデータは、光束の方向に関する情報と光束上の点の位置に関する情報とに加え、光束の強度に関する情報を含んでいてもよい。
光束の強度はベクトルの長さ成分で表現し得るため、光束の方向と、光束上の点の位置と、光束の強度に関する情報を含むレンズライトフィールドデータは、光束の始点と終点に関する情報で表現することもできる。
レンズライトフィールドデータは、例えば、光束上の点の位置を示す3次元情報と、光束の方向を示す2次元情報と、光束の強度を示す1次元情報とを合わせた、最大で6次元の情報により表現し得る。
このように、レンズライトフィールドデータは、光線追跡図のように各レンズ面での屈折を示す情報によって光束の情報を表現するのではなく、光束の方向と光束上の点の位置とを示す情報に加工することによって光束の情報を表現する。レンズライトフィールドデータは、このような情報によって表現されているため、データ量が小さく、点像強度分布を生成する際に扱いやすい。
図18は、レンズライトフィールドデータを2次元的に示す概略図である。図18(a)は、中央像高におけるレンズライトフィールドデータを示しており、図18(b)は、80%の周辺像高におけるレンズライトフィールドデータを示している。図18(c)は、100%の周辺像高におけるレンズライトフィールドデータを示している。図18の(a)〜(c)のいずれもが、射出瞳面に関連付けられたレンズライトフィールドデータを示している。なお、レンズライトフィールドデータは、射出瞳面に関連付けることに限定されるものではなく、射出瞳面と異なる面に関連付けられていてもよい。
図18(a)に示すように、中央像高の場合には、絞り1131aによるケラレのみによって、レンズライトフィールドデータの領域が定まる。
一方、図18(b)に示すように、80%の周辺像高では、絞り1131aによってケラレが生ずるだけでなく、レンズ枠によってもケラレが生じる。このため、絞り1131aとレンズ枠とが組み合わさったケラレ枠によって、レンズライトフィールドデータを規定し得る領域が定まる。80%の周辺像高の場合においてレンズライトフィールドデータを規定し得る領域は、中央像高の場合においてレンズライトフィールドデータを規定し得る領域に比べて狭い。
像高が高くなるに伴ってケラレる領域が増加する。このため、100%の周辺像高の場合には、図18(c)に示すように、レンズライトフィールドデータを規定し得る領域がさらに狭くなる。
また、絞り値によってケラレ枠は変化するため、レンズライトフィールドデータの領域も絞り値によって異なる。
このように、レンズライトフィールドデータを規定し得る領域は、絞り値や、像高によって異なるケラレ枠(ビネッティング情報)によって定まる。このため、レンズライトフィールドデータのうちから使用領域を決定する際には(図13のステップS1305)、絞り値、像高等の焦点検出条件に応じて、レンズライトフィールドデータの使用領域を決定する。
図19は収差の有無と光束の集光との関係を示す概略図である。図19(a)は、収差が存在しない場合における光束の集光の状態を示しており、図19(b)は、収差が存在する場合における集光の状態を示している。
収差が存在しない場合には、図19(a)に示すように、光束が一点で交わる。
一方、収差が存在する場合には、図19(b)に示すように、光束が一点で交わらない。実際の結像光学系133においては、収差が存在するため、光束は例えば図19(b)のように集光することとなる。
レンズライトフィールドデータは、結像光学系133における収差の影響を加味して表現することが可能である。結像光学系133における収差は、結像光学系(レンズ)133の型式(機種)や、結像光学系133の製造ばらつき等によって異なる。収差の影響がレンズライトフィールドデータにおいて加味されているため、レンズの収差を加味して点像強度分布を生成することが可能である。
図20は、レンズライトフィールドデータの形成方法を示す概略図である。
図20(a)は、被写体2001からの光束の光線追跡図を示している。図20(a)に示す光線追跡図においては、被写体2001からの各々の光線の各レンズ面における屈折の情報が含まれている。
図20(b)は、レンズライトフィールドデータの一例を示している。図20(b)に示すように、後玉2002から出射される光束の軌道を含む直線を、光束の進行方向と反対方向に延長し、当該延長線上において、始点の座標の情報、方向の情報及び強度の情報を規定することにより、レンズライトフィールドデータが得られる。レンズライトフィールドデータは、例えばベクトルの形式で保持される。図20(b)に示す符号2003aは、レンズライトフィールドデータを構成するベクトル群を示している。
図20(c)は、始点座標を射出瞳面上に揃えた場合のレンズライトフィールドデータを示している。図20(c)では、レンズライトフィールドデータを構成するベクトル群2003bの始点の座標が、射出瞳面上に設定されている。図20(c)のようにすれば、光束の方向に関する2次元の情報と、光束の強度に関する1次元の情報とから成る3次元の情報にまで、レンズライトフィールドデータのデータ量を減らすことができる。更に、光束の強度を加味しない場合には、光束の方向に関する2次元の情報にまで、レンズライトフィールドデータのデータ量を減らすことが可能である。
なお、図20(c)においては、レンズライトフィールドデータを構成するベクトル群の始点の座標を射出瞳面上に揃えたが、射出瞳面上に限定されるものではなく、任意の面上にかかるベクトルの始点の座標を揃えることが可能である。
本実施形態では、撮影レンズ105と撮像装置本体120との間で予め定義された位置情報が、レンズライトフィールドデータを構成するベクトル群2003bの始点の位置の情報として用いられる。このため、撮影レンズ105と撮像装置本体120との組み合わせが変わっても、共通の処理で点像強度分布を生成することが可能となり、データの処理を容易化することができる。
撮影レンズ105の型式(機種)の相違や製造ばらつき等に起因して、撮影レンズ105内を進行する光束の方向等に相違が生ずる。本実施形態では、使用される撮影レンズ105に固有のレンズライトフィールドデータを用いて点像強度分布を生成するため、かかる相違を加味して良好な点像強度分布を生成することができる。従って、本実施形態によれば、後述するデフォーカス量補正において用いられる補正値の算出を、高精度に行うことが可能となる。
[デフォーカス量補正処理]
次に、デフォーカス量補正処理について説明する。図21は、本実施形態による撮像装置におけるデフォーカス量補正処理を示すフローチャートである。図21は、図6を用いて概略を説明したデフォーカス量補正処理(ステップS603)を詳細に説明するためのものである。
図21に示すデフォーカス量補正処理は、ROM125a、レンズメモリ118、及び、カメラMPU125等が協業することにより実行される。ROM125aは、センサ受光強度特性記憶手段(センサ受光強度特性記憶部)として機能する。レンズメモリ118は、レンズライトフィールドデータ記憶手段(レンズライトフィールドデータ記憶部)として機能する。カメラMPU125は、点像強度分布を生成する点像強度分布生成手段(点像強度分布生成部)、及び、補正値を算出する補正値算出手段(補正値算出部)として機能する。
まず、複数のデフォーカス位置における点像強度分布を取得する(ステップS2101)。具体的には、例えば、撮像素子122の位置(センサ位置)が第1の位置2404(図24(f)参照)に位置している場合における点像強度分布を取得する。また、撮像素子122の位置が第2の位置2405(図24(f)参照)に位置している場合における点像強度分布を取得する。また、撮像素子122の位置が第3の位置2406(図24(f)参照)に位置している場合における点像強度分布を取得する。
各々のセンサ位置2404,2405,2406における点像強度分布を取得する際には、以下のような点像強度分布が取得される。即ち、第1の瞳部分領域501を通過し、第1の分割画素201に達する光束の点像強度分布が取得される。また、第2の瞳部分領域502を通過し、第2の分割画素202に達する光束の点像強度分布が取得される。また、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含む瞳領域500を通過し、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含む撮像画素200に達する光束の点像強度分布が取得される。
第1の瞳部分領域501を通過し、第1の分割画素201に達する光束の点像強度分布、及び、第2の瞳部分領域502を通過し、第2の分割画素202に達する光束の点像強度分布は、例えば、図24の(h)〜(j)のようになる。図24(h)は、撮像素子122が第1の位置2404に位置している場合における点像強度分布を示している。図24(i)は、撮像素子122が第2の位置2405に位置している場合における点像強度分布を示している。図24(j)は、撮像素子122が第3の位置2406に位置している場合における点像強度分布を示している。X軸は撮像素子122の水平方向を示しており、縦軸は受光強度を表している。なお、図24の(h)〜(j)は、撮像素子122の水平方向における点像強度分布を例として示している。
第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含む瞳領域500を通過し、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含む撮像画素200に達する光束の点像強度分布は、例えば、図22のようになる。
図22は、点像強度分布を示す概略図である。図22(a)は、撮像素子122が第1の位置2404に位置している場合における点像強度分布を示している。図22(b)は、撮像素子122が第2の位置2405に位置している場合における点像強度分布を示している。図22(c)は、撮像素子122が第3の位置2406に位置している場合における点像強度分布を示している。X軸は撮像素子122の水平方向を示しており、縦軸は受光強度を表している。なお、図22は、撮像素子122の水平方向における点像強度分布を例として示している。
こうして、複数のデフォーカス位置における点像強度分布が取得される(ステップS2101)。
次に、最良像面位置を算出する(ステップS2102)。最良像面位置(第1の焦点位置)は、複数のデフォーカス位置における点像強度分布2201、2202、2203に基づいてコントラスト評価値を算出し、算出されたコントラスト評価値に基づいて決定される。
図23は、コントラスト評価値を示す概略図である。横軸は、Z軸方向における撮像素子122の位置、即ち、センサ位置を示しており、縦軸は、コントラスト評価値を示している。図23は、各々のセンサ位置2404、2405、2406における点像強度分布2201、2202、2203に基づいて算出されたコントラスト評価値をプロットしたものである。符号2301は、撮像素子122の水平方向における点像強度分布2201、2202、2203に基づくコントラスト評価値を示している。即ち、符号2301は、水平成分のコントラスト評価値を示している。符号2302は、撮像素子122の垂直方向における点像強度分布に基づくコントラスト評価値を示している。即ち、符号2302は、垂直成分のコントラスト評価値を示している。
水平成分のコントラスト評価値2301がピーク値となるときのセンサ位置が、水平成分に基づく最良像面位置として算出される。また、垂直成分のコントラスト評価値2302がピーク値となるときのセンサ位置が、垂直成分に基づく最良像面位置として算出される。被写体に対する最良像面位置を高精度に算出すべく、被写体の縦横成分比率に応じて、最良像面位置が算出される。被写体の縦横成分比率は、撮像信号の垂直成分のコントラスト評価値のピーク値と、撮像信号の水平成分のコントラスト評価値のピーク値との比率により算出される。こうして算出された被写体の縦横成分比率に基づいて、水平成分に基づく最良像面位置と垂直成分に基づく最良像面位置とに重み付けが行われ、最良像面位置が算出される。
被写体に対する最良像面位置を高精度に算出すべく、コントラスト評価値を算出する際の周波数帯域は、撮像信号の周波数特性に応じて選択される。具体的には、高域通過フィルタを用いてフィルタ処理を行った場合の撮像信号のコントラスト評価値と、低域通過フィルタを用いてフィルタ処理を行った場合の撮像信号のコントラスト評価値とを比較する。高域通過フィルタを用いた場合の方が、低域通過フィルタを用いた場合よりコントラスト評価値が大きい場合には、被写体に多く含まれる周波数帯域は高域であると考えられる。この場合には、点像強度分布のコントラスト評価値を算出する際の周波数帯域として高域を選択する。一方、低域通過フィルタを用いた場合の方が、高域通過フィルタを用いた場合よりコントラスト評価値が大きい場合には、被写体に多く含まれる周波数帯域は低域であると考えられる。この場合には、点像強度分布のコントラスト評価値を算出する際の周波数帯域として低域を選択する。
こうして、最良像面位置(第1の合焦位置)が算出される(ステップS2102)。
次に、焦点検出デフォーカス位置(第2の合焦位置)を算出する(ステップS2103)。具体的には、図24の(h)〜(j)に示すような点像強度分布2424a、2424b、2425a、2425b、2426a、2426bを用いて相関演算を行うことにより、焦点検出デフォーカス位置を算出する。
なお、点像強度分布に被写体の信号をコンボリューションした信号を用いて、相関演算を行うことにより、焦点検出デフォーカス位置を算出してもよい。
また、ここでは相関演算を行うことにより焦点検出デフォーカス位置を算出したが、相関演算を行うことに限定されるものではなく、コントラスト方式等、他の方式によって焦点検出デフォーカス位置を求めてもよい。
こうして、焦点検出デフォーカス位置(第2の合焦位置)が算出される(ステップS2103)。
次に、補正値を算出する(ステップS2104)。かかる補正値は、ステップS2102で算出した最良像面位置(第1の合焦位置)とステップS2103で算出した焦点検出デフォーカス位置(第2の合焦位置)との差分である。かかる補正値を用いて、後述するデフォーカスオフセットを補正することが可能である。なお、デフォーカスオフセットについては、後に詳述することとする。算出された補正値は、例えばEEPROM125c又はレンズメモリ118に記録される。
次に、算出された補正値を用いてデフォーカス量を補正する(ステップS2105)。即ち、ステップS2104で算出した補正値を用いて、図7のステップS706で算出したデフォーカス量を補正する。
こうして、デフォーカス量補正処理が完了する。
[デフォーカスオフセットの発生原理]
次に、デフォーカスオフセットの発生原理について説明する。図24は、デフォーカスオフセットの発生原理を示す概略図である。
図24の(a)〜(e)は、レンズ収差が存在しない場合を示しており、図24(f)〜(j)は、レンズ収差が存在する場合を示している。図24の(a)、(f)のX軸は射出瞳面の水平方向を示している。符号2401〜2406は、撮像素子122の位置を示している。符号2401、2404は後ピン位置に対応しており、符号2402、2405は最良像面位置に対応しており、符号2403、2406は前ピン位置に対応している。
図24の(b)、(g)は、デフォーカスカーブを示している。横軸は、Z軸方向、即ち、光軸方向を示しており、図24の(b)、(g)の縦軸はデフォーカス量defを示している。
図24の(c)〜(e)、(h)〜(j)は、点像強度分布を示している。横軸は、X軸方向、即ち、撮像素子122の水平方向を示しており、縦軸は受光強度を示している。
図24(c)は、後ピン位置2401における点像強度分布2421a、2421bを示している。符号2421aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2421bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
図24(d)は、最良像面位置2402における点像強度分布2422a、2422bを示している。符号2422aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2422bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
図24(e)は、前ピン位置2403における点像強度分布2423a、2423bを示している。符号2423aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2423bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
図24(h)は、後ピン位置2404における点像強度分布2424a、2424bを示している。符号2424aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2424bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
図24(i)は、最良像面位置2405における点像強度分布2425a、2425bを示している。符号2425aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2425bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
図24(j)は、前ピン位置2406における点像強度分布2426a、2426bを表している。符号2426aは、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布を示したものであり、符号2426bは、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布を示したものである。
レンズ収差が存在しない場合には、図24(c)と図24(e)とを比較して分かるように、後ピン位置2401における点像強度分布2421aと前ピン位置2403における点像強度分布2423aとが、縦軸に対して線対称となる。また、後ピン位置2401における点像強度分布2421bと前ピン位置2403における点像強度分布2423bとが、縦軸に対して線対称となる。また、図24(d)に示すように、最良像面位置2402における点像強度分布2422aと最良像面位置における点像強度分布2422bとが一致する。図24(b)に示すように、真のデフォーカス位置と、点像強度分布2421a、2421b、2422a、2422b、2423a、2423bから算出した焦点検出デフォーカス位置との間にデフォーカスオフセットは生じない。
レンズ収差が存在する場合には、図24(h)と図24(j)とを比較して分かるように、後ピン位置2404における点像強度分布2424aと前ピン位置2406における点像強度分布2426aとは、縦軸に対して線対称とならない。また、後ピン位置2404における点像強度分布2424bと前ピン位置2406における点像強度分布2426bとは、縦軸に対して線対称とならない。また、図24(i)から分かるように、最良像面位置2405における点像強度分布2425aと最良像面位置2405における点像強度分布2425bとが一致しない。また、図24(g)に示すように、真のデフォーカス位置と、点像強度分布から算出した焦点検出デフォーカス位置との間にデフォーカスオフセットdzが生じる。
なお、本実施形態では、点像強度分布をデフォーカス量補正に用いる場合を例に説明したが、点像強度分布を画像処理等に利用することも可能である。
このように、本実施形態によれば、レンズライトフィールドデータとセンサ受光強度特性とに基づいて、光軸方向の複数のセンサ位置における点像強度分布を生成する。そして、撮影レンズ105の射出瞳の全領域である瞳領域500を通過する光束についての点像強度分布に基づいて最良像面位置(第1の合焦位置)を算出する。また、第1の瞳部分領域501を通過する光束についての点像強度分布と、第2の瞳部分領域502を通過する光束についての点像強度分布とに基づいて、焦点検出デフォーカス位置(第2の合焦位置)を算出する。そして、第1の合焦位置と第2の合焦位置との差分に基づいて補正値を算出し、位相差方式の焦点検出によって求めたデフォーカス量をかかる補正値によって補正する。そして、かかる補正値によって補正したデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ105を駆動することにより、焦点を合わせる。点像強度分布は、撮影レンズ105に固有のレンズライトフィールドデータと、撮像装置本体120に固有のセンサ受光強度特性とに基づいて得られるものである。このため、かかる点像強度分布に基づいて得られる補正値は、撮影レンズ105や撮像装置本体120の製造ばらつきを加味した補正値となる。従って、本実施形態によれば、オートフォーカスを高精度に行い得る撮像装置を提供することができる。また、取得された補正値を保持しておけば、かかる補正値を用いて迅速にデフォーカス量を補正することができ、高精度なオートフォーカスをより迅速に行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による撮像システムについて図面を用いて説明する。図25は、本実施形態による撮像システムの構成を示す概略図である。図1乃至図24に示す第1実施形態による撮像装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による撮像システムは、センサ受光強度特性とレンズライトフィールドデータとをネットワーク上に保持し、ネットワーク上の点像強度分布生成手段によって点像強度分布を生成するものである。
図25に示すように、光学特性情報記憶手段(光学特性情報記憶装置、光学特性情報記憶部)2501と点像強度分布生成手段(点像強度分布生成部)2502とを含む処理装置2503が、ネットワーク上に設けられている。光学特性情報記憶手段2501は、センサ受光強度特性記憶手段(センサ受光強度特性記憶部)2501aとレンズライトフィールドデータ記憶手段(レンズライトフィールドデータ記憶部)2501bとを有している。センサ受光光学特性情報記憶手段2501と点像強度分布生成手段2502とは互いに接続されている。センサ受光強度特性記憶手段2501aには、センサ受光強度特性が記憶されている。レンズライトフィールドデータ記憶手段2501bには、レンズライトフィールドデータが記憶されている。
撮像装置10は、通信によって、ネットワーク上の処理装置2503にアクセスし得る。
こうして、本実施形態による撮像システムが構成されている。
本実施形態によれば、情報量の大きいセンサ受光強度特性とレンズライトフィールドデータとがネットワーク上に保持されているため、撮像装置10や撮影レンズ105に保持するデータ量を削減することが可能となる。
なお、本実施形態における撮像装置10の構成、焦点検出処理、点像強度分布生成処理、及び、デフォーカス量補正処理は、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。ただし、ネットワーク上の光学特性情報記憶手段2501及び点像強度分布生成手段2502に撮像装置10がアクセスし得るように、撮像装置10が通信機能(通信部)(図示せず)を有していることが好ましい。かかる通信機能(通信部)は、無線通信機能(無線通信部)であってもよいし、有線通信機能(有線通信部)であってもよい。
次に、本実施形態による撮像システムの動作について図26を用いて説明する。図26は、本実施形態による撮像システムの動作の概略を示すフローチャートである。
まず、センサ情報及びレンズ情報の取得が行われる(ステップS2601)。具体的には、レンズユニット100からレンズ情報(レンズID)が取得され、撮像装置本体120からセンサ情報(センサID)が取得される。レンズIDとは、撮影レンズ105に付与されているIDであり、センサIDとは、撮像装置本体120に内蔵されている撮像素子122に付与されているIDである。このようなセンサ情報及びレンズ情報が、撮像装置10からネットワーク上の処理装置2503に伝送される。こうして、処理装置2503によって、センサ情報及びレンズ情報の取得が行われる。
次に、処理装置2503において、センサ受光強度特性の取得が行われる(ステップS2602)。各々のセンサIDに対応するセンサ受光強度特性は、センサ受光強度特性記憶手段2501aに予め記憶されている。ステップS2601において取得されたセンサ情報(センサID)に基づいて、当該撮像素子122に固有のセンサ受光強度特性が、センサ受光強度特性記憶手段2501aから取得される。
次に、処理装置2503において、レンズライトフィールドデータの取得が行われる(ステップS2603)。各々のレンズIDに対応するレンズライトフィールドデータは、レンズライトフィールドデータ記憶手段2501bに予め記憶されている。ステップS2601で取得したレンズ情報(レンズID)に基づいて、当該撮影レンズ105に固有のレンズライトフィールドデータが、レンズライトフィールドデータ記憶手段2501bから取得される。
次に、処理装置2503において、点像強度分布生成処理が行われる(ステップS2604)。具体的には、ステップS2602で取得したセンサ受光強度特性と、ステップS2603で取得したレンズライトフィールドデータとに基づいて、点像強度分布生成手段2502によって点像強度分布が生成される。
次に、補正値の算出が行われる(ステップS2605)。具体的には、ステップS2604で生成した点像強度分布に基づいて補正値が算出される。補正値の算出については、第1実施形態における補正値の算出と同様であるため、説明を省略する。補正値の算出は、例えば撮像装置10において行われる。なお、補正値の算出を、処理装置2503側において行うようにしてもよい。
次に、算出された補正値の記録が行われる(ステップS2606)。具体的には、ステップS2605で算出した補正値が、撮像装置10のレンズメモリ118又はEEPROM125cに記録される。
かかる補正値は、像高、絞り値、レンズのズーム状態、レンズのフォーカス状態等のパラメータをそれぞれ変化させた全組み合わせに対して算出を行って予め記録しておいてもよいし、必要に応じて、その都度通信を行って算出して記録するようにしてもよい。
また、本実施形態では、点像強度分布から補正値を算出して記録する場合を例に説明したが、点像強度分布を記録して画像処理等に利用してもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。