JP6938609B2 - Ｏｃａ光学粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、ＯＣＡ光学粘着シート及びその製造方法に関し、特に、ＵＶタイプのアクリル光学粘着シートに適用するためにＵＶ吸収剤を添加した反応型離型剤を使用して形成する離型フィルムを有する、ＯＣＡ光学粘着シート及びその製造方法に関する。

図１に示すように、光学粘着シート（ＯｐｔｉｃａｌｌｙＣｌｅａｒＡｄｈｅｓｉｖｅ，略してＯＣＡ光学粘着シート１０）は、透明の光学部品、例えば、携帯電話のタッチパネル、レンズ及びその関連部品などを保護するために、保護フィルムとしてその透明の光学部品に粘着するために用いられ、特に、タッチパネルの保護フィルムとして用いられる。

ＯＣＡ光学粘着シート１０は、高い均一性、光透過性、および高い粘性を確保する必要がある。ＯＣＡ光学粘着シート１０は、透明フィルム３０と、その透明フィルム３０の下面及び上面にそれぞれ塗布された重剥離フィルム２０及び軽剥離フィルム４０とから形成され３層構造に構成される。重剥離フィルム２０と軽剥離フィルム４０は通常に、ポリエチレンテレフタレート（Ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ，ＰＥＴ）を用いて製造される。ＯＣＡ光学粘着シート１０の具体的な構造は、軽剥離フィルム４０に光学用アクリル系粘着剤またはＵＶ光学用アクリル系粘着剤を塗布してから、乾燥工程、加熱工程、またはＵＶ硬化工程を経て、ＯＣＡ透明フィルム３０に形成し、そして、透明フィルム３０を真中に挟むように、別層の重剥離フィルム２０を貼り合って、表面を平らに保ち、さらにロール状に巻き取る。使用の時に、重剥離フィルム２０及び軽剥離フィルム４０が良好な剥離性を持ちながら、ＯＣＡ透明フィルム３０の貼り込みに気泡が発生しないように確保する必要がある。

光学部品の貼り込み過程において、まずＯＣＡ光学粘着シート３０の軽剥離フィルム４０を剥離し、次いでＯＣＡ透明フィルム３０を光学部品によくフィットし粘着してから、重剥離フィルム２０を剥離する。剥離フィルムが良好な剥離効果を達成するために、剥離力を下げるようにＰＥＴ重剥離フィルム２０及び軽剥離フィルム４０にシリコーン樹脂を塗布することになるが、剥離時に剥がれ現象が生じがちであり、すなわち、軽剥離フィルム４０を剥離するために不適切な剥離力を使用すると、ＯＣＡ透明フィルム３０による光学粘着シートが軽剥離フィルム４０の表面に付着すること（以下、この現象は、単に染みだし現象または剥がれ現象と略称する）を導くことになり易い。

このようなＯＣＡ光学粘着シート１０の保護性能は低く、特に、離型フィルムの厚みが薄い場合、例えば２０μｍ未満であると、中間にあるＯＣＡ透明フィルム３０に離型フィルムによる保護は明らかに不十分であり、例えば、巻き取り、保管、出荷の場合、ＯＣＡ光学粘着シート１０はＯＣＡ透明フィルム３０による押圧を受けり易くて、変形を生じ、光学粘着シート製品の歩留まり率を低下させることもある。逆に、１００μｍに超えると、剥離フィルムの剥離中に、中間にあるＯＣＡ透明フィルム３０をともに引き上げやすく、ＯＣＡ透明フィルム３０の外観にダメージを与える場合もある。

前記ＯＣＡ透明フィルム３０は、光学用アクリル系粘着剤を用いて製造され、排気性が劣る。離型フィルムを剥離した後、ＯＣＡ透明フィルム３０をガラスに貼り付ける過程で、気泡が排出されにくくなるなどの問題があり、その結果、製品の二次フィット加工や廃棄、大量の資源の無駄遣いに導かれて、製品コストも増大され、歩留まりを効果的に高めることができない。

この問題を解決するために、引用文献１は、ＵＶタイプ離型剤を利用して、シリカ、ＰＭＭＡ、または二酸化バリウム微粒子材料を添加して、フィルムそのものに離型機能を持たせるように、ＯＣＡ光学粘着シートの離型フィルムを製造することを提案している。添加する微粒子の主な用途は、フィット加工時の気泡発生を低減することである。

特許文献２は、ポリエステルフィルムの上層に超薄型グラフェンシートをフィットさせ、さらに離型層をコーティングし、温度２２０−２５０°Ｃに達する離型フィルムの耐熱性を向上させることによりＯＣＡ光学粘着シートの離型フィルムを製造する方法を提案している。

既存の光学粘着シートの離型フィルムは、工業的に製造する場合、光学粘着シートが軟らかく、染みだしやすく、使用時に、離型フィルムが容易に剥がれ、剥離が困難となり、また、光学粘着シートの塗布において、離型フィルムの剥離速度を調整する必要がある。

中国特許出願公開第１０７９７４２１５号明細書 中国実用新案登録第２０７６１７２４７号明細書

従来技術の欠点や不足を克服するために、本発明の目的は、ＯＣＡ光学粘着シートの離型フィルムを提供し、光学粘着シートの保護性能を向上させ、ＯＣＡ光学粘着シートが巻き取り、貯蔵および輸送中に、押圧によって変形しにくく、使用時に粘着シート層が離型フィルムによって引き上げされにくいようにすることとなる。

本発明の他の目的は、ＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートを提供することである。

上記目的を達成するために、本発明が提供するＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートにおいて、上面から下面までの構造では、軽剥離フィルム、ＯＣＡ光学フィルム及び重剥離フィルムである。なかでも、前記ＯＣＡ光学フィルムの厚さは２５〜３００μｍであり、ショア硬度が２０〜３０のＨＳである。前記軽剥離フィルムの厚さは１９〜１００μｍであり、かつ、離型力４〜２５ｇ／２．５ｃｍのＰＥＴ離型フィルムから選択されるものである。前記重剥離フィルムの厚さは５０〜１５０μｍであり、離型力１０−９０ｇ／２．５ｃｍのＰＥＴ離型フィルムから選択されるものである。前記軽剥離フィルムと前記重剥離フィルムとの離型力比値が２．５〜３．５となる場合、剥離効果が最も良好である。前記軽剥離フィルムと前記軽剥離フィルムの厚み比が０．５〜５となる場合、剥離後のＯＣＡ光学フィルムの外観は良好であり、厚み比が０．９〜３．０であることが好ましく、剥離後のＯＣＡ光学フィルムの外観が最適である。

本発明の他の目的は、ＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートを提供し、離型フィルムを剥離する際に、離型フィルムの剥離方向とＯＣＡ光学フィルムとの挟み角が、通常１〜９０度の間、好ましくは１０〜５０度の間であり、剥離後のＯＣＡ光学フィルムの外観は良好である。挟み角は、好ましくは２０〜４０度の間であり、剥離後のＯＣＡ光学フィルムの外観は最適である。一方、ＯＣＡ光学粘着シートとガラスとのフィット角は、通常１〜９０度、好ましくは５〜５０度の範囲であり、フィット後のＯＣＡ光学フィルムの気泡が少なく、外観が良好であり、フィット角は、好ましくは１０〜３０度の範囲であり、フィット後のＯＣＡ光学フィルムは最適な外観が果たせる。

本発明の他の目的は、以下の工程を含むＯＣＡ光学粘着シートの離型フィルムの製造方法を提供することにある。
１）離型剤の総重量に基づいて、離型剤を調製する。
ａ．熱硬化性シリコーン樹脂０．５〜７重量％を仕込む。
ｂ．溶媒９２．２−９９．４重量％を加え、よく攪拌する。
ｃ．白金触媒０．０５−０．３重量％を加えて１５分間攪拌する。
ｄ．ＵＶ吸収剤０．０５−０．５重量％を添加し、１５分間攪拌し、離型剤を製造する。なかでも、前記ＵＶ吸収剤は２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノンまたは２，４−ジヒドロキシジベンゾフェノンから選択されるものである。
２）コーティングテーブルで連続回転したポリエステルフィルムの片面または両面に厚さが１〜２５μｍの前記離型剤を塗布する。
３）前記離型剤を塗布した後、８０−１３０°Ｃの温度で、１０−３０秒間で加熱し、乾燥、硬化させた後、離型フィルムを製造した。

１、現在のＯＣＡ光学粘着シートの厚さは１００μｍ以上を超えると要求されているため、従来の熱硬化光学粘着シートではその要求を応じることができなくなる。
２、従来の軽剥離フィルム及び重剥離フィルムは、ＵＶ光照射後、光学フィルムと軽剥離フィルム、及び光学フィルムと重剥離フィルムの剥離力が増大し、剥離不良や剥離力の増加による剥がれを引き起こしやすい。本発明にかかるＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートでは、軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの組成に、ＵＶ吸収剤を添加することにより、この現象を効果的に改善することができる。

本発明の特徴および技術的内容をさらに理解するために、以下の詳細な説明および図面を参照するが、提供される図面は、参照および説明のみを目的としており、本発明を制限するものではない。

ＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートを示す断面図である。

図１に示すように、本発明のＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シート１０は、上面から下面までの構造で、軽剥離フィルム４０、ＯＣＡ光学フィルム３０、及び重剥離フィルム２０である。なかでも、ＯＣＡ光学フィルム３０の厚さは２５〜３００μｍであり、ショア硬度は２０〜３０ＨＳである。

重剥離フィルム２０の構造は、ＰＥＴフィルム２１と、重剥離シリコーン層剥離面２２（以下、重剥離表層２２と略記する）とを含む。軽剥離フィルム４０の構造は、ＰＥＴフィルム４１と軽剥離シリコーン層剥離面４２（以下、軽剥離表層４２と略記する）を含む。

なかでも、前記ＰＥＴフィルム２１又は４１は、単層または単層以上の共押出ポリエステル樹脂を用い、二軸伸長及び熱処理により製造され、厚さは通常で１９〜１５０μｍであり、２５〜１００μｍであることが好ましく、３８〜７５μｍであることがさらに好ましい。

本発明の離型剤は、ＵＶ吸収剤の配合を添加し、かつ、連続巻き取 られるＰＥＴフィルムの片面または両面に塗布され、その後、オーブンで加熱乾燥し、硬化させた後、ロール状の剥離フィルムに巻き取る。

本発明は、軽分離力の仕様を達成するために、熱硬化型離型剤を用いて、ＵＶ吸収剤が添加された構成により、離型フィルムのＵＶ耐紫外線試験に対する耐性を増加させ、光学粘着シートと軽剥離の目的を達成する。

本発明の軽剥離フィルム４０の厚さは１９−１５０μｍであり、離型力が４−２５ｇ／２．５ｃｍのＰＥＴ離型フィルムから選択される。塗布された軽離型離型剤の塗布厚さは、一般に０．０５−２μｍであり、塗布厚みが０．１〜０．５μｍであることが好ましく、塗布厚さは０．１２−０．３μｍであることがさらに好ましく、光学粘着シートの剥離性に最適である。

本発明は、重分離力の仕様を達成するために、熱硬化型離型剤を用いて、ＵＶ吸収剤が添加された構成により、離型フィルムのＵＶ耐紫外線試験に対する耐性を増加させ、光学粘着シートと重剥離の目的を達成する。

本発明の重剥離フィルム２０の厚みは５０〜１５０μｍであり、かつ、１０〜９０ｇ／２．５ｃｍのＰＥＴ離型フィルムから選択可能であり、前記軽剥離フィルム４０との離型力比値２．５〜３．５は、剥離効果が最適である。

本発明の重剥離フィルム２０は、塗布された重離型離型剤の厚みが、通常１〜２５μｍであり、より好ましい塗布厚みが２〜２０μｍである。熱硬化後、重剥離シリコーン層剥離面２２（または重剥離表層２２）の厚さは、０．０４〜０．８μｍ、好ましくは０．１〜０．３μｍである場合、光学粘着シートの剥離性に最適な性能を有する。硬化後の塗布厚みが０．０１μｍ未満の場合、剥離性が低下する傾向がある。また、硬化後の塗布厚みが０．８μｍを超えると、塗布フィルムの硬化が不十分になる傾向があり、ＵＶ光照射による剥離性が変化する。

前記重剥離フィルム２０と前記軽剥離フィルム４０の厚み比が０．５〜５であり、剥離後のＯＣＡ光学フィルム３０の外観が良好であり、厚み比が０．９〜３．０であることが好ましく、剥離後のＯＣＡ光学フィルム３０の外観が最適である。

本発明の重剥離フィルム２０と軽剥離フィルム４０の表面は平坦であり、かつＯＣＡ光学フィルム３０と剥離しやすい。ＯＣＡ光学フィルム３０の局所的の破断を低減することができる。特に、本発明は熱硬化性シリコーン樹脂を用いてＵＶ吸収剤を添加し、塗布工程において、表面が平坦であり、かつ突起を生じるという欠点がなく、均一な剥離性を達成することができる。

従来の技術では、熱硬化性光学接着剤により厚さ１００μｍ以上のＯＣＡ光学粘着シート３０を製造する。厚みがより厚いため、熱硬化型光学粘着シートの製造工程において、光学粘着シートの表面が乾燥しても、下層の光学粘着シートが完全には乾燥していないため、熟成過程または耐候性試験の剥離不良を引き起こす。これに加えて、ＯＣＡ光学フィルムの厚みを向上させるために、光学粘着シートが塗布され印刷された後、従来技術はＵＶ光硬化を採用するように教示していたが、その欠点は、離型フィルム基材（剥離層とＰＥＴフィルム）はＵＶ光に対して耐性を有しなければならない。すなわち、ＵＶ光の照射で、ＯＣＡ光学フィルムと離型タイプ層との間の剥離力に影響を与え、使用する場合、離型フィルムを剥離すると剥がれ現象が生じ、ＯＣＡ光学フィルムの破損またはヘイズ増加の問題が生じしまう場合もある。

本発明の重剥離フィルム２０は、ＰＥＴフィルム２１を含有し、本発明の軽剥離フィルム４０は、ＰＥＴフィルム４１を含有し、かつ、前記ＰＥＴフィルム２１またはＰＥＴフィルム４１の片面又は両面に特殊離型剤を塗布し、前記離型剤の総重量に基づいて、離型剤は以下の成分を含む。
ａ．熱硬化性シリコーン樹脂 ０．５〜７重量％
ｂ．白金触媒 ０．０５−０．３重量％
ｃ．メチルエチルケトン（ＭＥＫ）／トルエン／キシレン（重量比＝５０／４０／１０）を含む溶媒 ９２．２−９９．４重量％
ｄ．ＵＶ吸収剤 ０．０５−０．５重量％

前記離型剤の組成にＵＶ吸収剤を添加し、連続ロール状のポリエステルＰＥＴフィルムの片面または両面に塗布し、その後、オーブンで加熱乾燥し、硬化させた後、ロール状の離型フィルムに巻き取る。

本発明の離型フィルムは、熱硬化温度が５０〜１８０°Ｃで、好ましくは８０〜１３０°Ｃで、５秒以上の加熱処理を行い、好ましくは１０秒以上の加熱処理を行い、これにより、硬化膜が形成され、過度の温度によるしわ変形が起こらず、硬くて脆くならず、質感に影響を与えない。さらに、製造された離型フィルムのポリマーフィルムは、特性が安定しており、離型力が安定しており、時間とともに変化しない。

本発明の離型フィルムの製造方法は、以下の工程を含む。
１．離型剤の総重量に基づいて、剥離 剤を以下のステップで調製する。
ａ．熱硬化性シリコーン樹脂０．５〜７重量％を仕込む。
ｂ．溶媒９２．２．２−９９．４重量％を均一に攪拌し、溶媒は、好ましくはメチルエチルケトン（ＭＥＫ）／トルエン／キシレン（重量比＝５０／４０／１０）混合液である。
ｃ．白金触媒０．０５−０．３重量％を加えて１５分間攪拌する。
ｄ．ＵＶ吸収剤０．０５−０．５重量％を加え、１５分間攪拌する。
２． コーティングテーブルで連続回転するポリエステルフィルムの片面または両面に離型剤を塗布する。
３． 離型剤を塗布した後、８０−１３０°Ｃの温度で、１０−３０秒間で加熱し、乾燥、硬化させた後、塗布性、剥離性が良くて、平坦な表面を有する剥離フィルムを製造した。

本発明の離型剤において、前記熱硬化性シリコーン樹脂としては、アクリルグラフトシリコーン樹脂、エポキシグラフトシリコーン樹脂、またはポリジメチルシロキサンから選ばれるものであり、ポリジメチルシロキサンの離型性や耐熱性が良いため、それが好ましい。

ポリジメチルシロキサン樹脂にはさまざまな構造が含まれており、末端ビニルグラフト、末端および中間ビニルグラフト、末端ヘキセニルグラフト、末端および中間末端ヘキセニルグラフトが挙げられる。ヘキセニルグラフト化ポリジメチルシロキサン樹脂を末端および中間末端に含むことが好ましい。

市販のポリジメチルシリコーン樹脂のソースは、信越株式会社のＫＳ−７７４、ＫＳ−７７８、ＫＳ−８４７Ｔ、ＫＳ−３７０５またはＸ−６２−２１１２製品、ダウコーニング株式会社の７３６２，７３６７、ＬＴＣ−８８５またはＬＴＣ−７５０Ａ製品、Ｗａｋｅ株式会社のＤ９４４またはＤ９５５製品、または東芝株式会社の６７００Ｎ製品。

本発明により調製された離型剤に、さらに剥離制御剤を添加して、硬化したシリコーン樹脂塗布層に、フィルム剥離性を付与する作用も有する。

本発明により調製された離型剤において、白金触媒の主な機能としては、硬化反応へのシリコーン樹脂の関与の程度を促進することであり、良好な硬化反応により、シリコーン樹脂の硬化とフィルムの形成が促進され、硬化反応が不十分な場合、シリコーン樹脂は硬化せず、フィルムは形成し得ない。

そのため、本発明の離型剤は、混合型離型剤ではなく反応型離型剤である。

市販の白金触媒のソースは、ダウコーニング株式会社のＤＣ−４０００、または信越株式会社のＣＡＴ−ＰＬ−５０Ｔの少なくとも１つが含まれる。

本発明の離型剤の調製において、前記ＵＶ吸収剤の主な機能としてはＵＶ光を吸収する。前記ＵＶ吸収剤の添加量は、０．０１〜３重量％であり、好ましくは０．０３〜２重量％であり、さらに好ましくは０．０５〜０．５重量％である。前記ＵＶ吸収剤の添加量が３重量％を超えると、ＯＣＡ光学粘着シートのヘイズに影響を与え、添加量が０．０１重量％に下回ると、離型フィルムの剥離物性に影響を与える。

前記ＵＶ吸収剤は、２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノン（ＵＶ吸収剤Ｐと略称する）または２，４−ジヒドロキシジベンゾフェノン（ＵＶ吸収剤Ｑと略称する）から選択される。

本発明により調製された離型剤は、加熱され硬化された後、その成分における熱硬化性シリコーン樹脂は滑り性を有する表面に構成される。そのため、本発明のＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シート１０は、ＵＶ硬化された後、離型性に優れる。離型剤の総重量に基づいて、離型剤の熱硬化性シリコーン樹脂は、７重量％を超えると、剥離層が脱落したり、表面粗さが高くなったりする欠点があり、ポリエステルフィルムの表面を完全に充填できなくなる。一方、０．５重量％が未満であると、良好な剥離性を有する光学粘着シートを提供することができない。

本発明は、以下の実施例及び比較例を用いてさらに例示するが、本発明の範囲は、これに限定される。

剥離フィルムの各の物性は、以下の方法により測定した。
１．離型力
軽剥離フィルム／ＯＣＡ光学フィルム／重剥離フィルムを幅２５ｍｍ×長さ２０ｃｍのサイズに切断し、ユニバーサルプルマシン（広坂社製、ＱＣ５０８ＰＡ）を用いて離型力を試験し、ベンチ速度３００ｍｍ／ｍｉｎ、引張方向に垂直に剥離し、剥離角度を１８０゜にした。
２．ヘイズ分析（％）。
ＯＣＡ光学フィルムをガラスにフィットさせた後、重剥離フィルムを剥離し、ＮＩＰＰＯＮ社製のＮＤＨ７０００ヘイズメーターアナライザを用いて測定し、拡散光と透過光を用いてヘイズを算出した。
３．ＯＣＡ光学粘着シートがガラスにフィットした外観平坦性
ＯＣＡ光学フィルムをガラスにフィットさせ、重離型フィルムを剥離した後、裸眼でＯＣＡ光学フィルムの外観の平坦性を、以下の基準で評価した。
○：ＯＣＡ光学フィルムには、良好な平坦性を有し、外観に悪い現象を持っていない。
△：ＯＣＡ光学フィルムにはわずかな不均一性と剥がれ現象を有し、光学粘着シートは完全に回復できない。
×：ＯＣＡ光学フィルムには不均一及び剥がれがある。

軽剥離表層４２に塗布するために使用される離型剤Ａ
ポリジメチルシリコーン樹脂（信越株式会社のＸ−６２−２１１２ツリーエステル）３２０ｇ（５．９６重量％）、メチルエチルケトン（ＭＥＫ）／トルエン／キシレン（重量比＝５０／４０／１０）溶媒５０３８．６ｇ（９３．８３重量％）を仕込んで、均一に攪拌し、白金触媒（５３．８３重量％）（信越株式会社のＣＡＴＰＬ−５０Ｔ）６．４ｇ（０．１２重量％）を加え、１５分間攪拌し、さらにＵＶ吸収剤Ｐ（２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノン）５ｇ（０．０９重量％）を加え、１５分間攪拌し、固形分濃度２．０％のシリコーン剤を含むシリコーン樹脂溶液を得た。

重剥離表層２２に塗布するために使用される離型剤Ｂ
ポリジメチルシリコーン樹脂（信越株式会社のＫＳ−８４７Ｔツリーエステル）３２０ｇ（５．１８重量％）、メチルエチルケトン（ＭＥＫ）／トルエン／キシレン（重量比＝５０／４０／１０）の溶媒５８２２．６ｇ（９４．３８重量％）を仕込んで、均一に攪拌し、白金触媒（５．１８重量％）（信越株式会社のＣＡＴＰＬ−５０Ｔ）６．４ｇ（０．１０重量％）を加え、１５分間攪拌し、ＵＶ吸収剤Ｐ（２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノン）５ｇ（０．０８重量％）および再剥離制御剤ＫＳ−８３００（信越化学社製）１６ｇ（０．２６重量％）を加え、１５分間攪拌し、固形分濃度２．０％のシリコーン剤を含むシリコーン樹脂溶液を得た。

実施例１
軽剥離フィルムの製作
調製された離型剤Ａを、１２ｇ／ｍ^２の湿式（ｗｅｔ）塗布量でバーコートにより厚さ５０μｍの軽剥離ＰＥＴフィルムに塗布した。加熱温度１３０°Ｃで、乾燥・硬化反応を３０秒間行った後、軽剥離フィルムを得て、ロール状に巻き取った。

重剥離フィルムの製作
調製された離型剤Ｂを、１２ｇ／ｍ^２の湿式（ｗｅｔ）塗布量でバーコートにより厚さ７５μｍの重剥離ＰＥＴフィルムに塗布した。加熱温度１３０°Ｃで、乾燥・硬化反応を３０秒間行った後、重剥離フィルムを得て、ロール状に巻き取った。

１２５μｍのＯＣＡ光学フィルムを持って、軽量剥離フィルム及び重剥離フィルムでＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートを作製した。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

実施例２
実施例１と同じ配合及び製造方法を採用したが、軽剥離フィルムを作製するための離型剤Ａに使用されるＵＶ吸収剤の使用量を２重量％に増加させた。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

実施例３
実施例１と同じ配合及び製造方法を採用したが、軽剥離フィルムを作製するための離型剤Ａに、ＵＶ吸収剤Ｐ（２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノン）の代わりに、０．０５重量％のＵＶ吸収剤Ｑ（２，４−ジヒドロキシジベンゾフェノン）を用いた。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

実施例４
実施例３と同じ配合及び製造方法を採用したが、軽剥離フィルムを作製するための離型剤Ａに使用されるＵＶ吸収剤の使用量を１．５重量％に改めた。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

比較例１
実施例１と同じ配合及び製造方法を採用したが、軽剥離フィルムを作製するための離型剤Ａに使用されるＵＶ吸収剤の使用量を３．５重量％に改めた。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

比較例２
実施例１と同じ配合及び製造方法を採用したが、軽剥離フィルムを作製するための離型剤Ａ及び重剥離フィルムを作製するための離型剤Ｂを、ＵＶ吸収剤を用いずに製造した。軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの物性を試験し、その結果を表１に示す。

結果とディスカッション
１．現在、ＯＣＡ光学粘着シートの厚さが１００μｍ以上と要求されているため、従来に使用される熱硬化光学粘着シートはその要求に応じることがもうできない。また、従来の軽剥離フィルムと重剥離フィルムとが、ＵＶ光により照射された後、光学フィルムと軽剥離フィルム及び光学フィルムと重剥離フィルムの間の剥離力が増大し、剥離不良または剥がれが増加されていく。それに対し、本発明のＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートは、軽剥離フィルムと重剥離フィルムの組成に、ＵＶ吸収剤を添加することにより、この現象を効果的に改善することができる。

２．ＵＶ吸収剤は、光源のＵＶ光を吸収することができる光安定剤であり、それ自体に変化が生じず、ＵＶ光学粘着シートの製造過程では、光学粘着シートを硬化させるように過剰なＵＶ光を吸収することができ、過剰なＵＶ光源は、剥離層の剥離効果に影響を与えず、剥離しても剥がれが生じない目的を達成しやすい。

３．本発明のＵＶ型ＯＣＡ光学粘着シートは、光学フィルムと軽剥離フィルムとの間に適切な剥離力を有し、剥離時に、剥がれ現象が生じず、軽剥離フィルム及び重剥離フィルムの組成物に添加されたＵＶ吸収剤は、２−ヒドロキシ−４−メトキシジベンゾフェノンまたは２，４−ジヒドロキシジベンゾフェノンから選択したものでなければならない。

以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

２０ 重剥離フィルム
２１ ＰＥＴフィルム
２２ 重剥離シリコーン層剥離面（重剥離表層）
３０ 透明フィルム
４０ 軽剥離フィルム
４１ ＰＥＴフィルム
４２ 軽剥離シリコーン層剥離面（軽剥離表層）

Claims (9)

1. ＯＣＡ透明フィルムと、
   前記ＯＣＡ透明フィルムの下面に配置された重剥離フィルムと、
   前記ＯＣＡ透明フィルムの上面に配置された軽剥離フィルムと、
   を含み、
   前記軽剥離フィルムと前記重剥離フィルムは、それぞれの総重量に基づいて、０．０１〜３重量％のＵＶ吸収剤を含有し、
   前記重剥離フィルム及び軽剥離フィルムは、それぞれ基材を含み、前記基材の片面又は両面に、
   ａ．熱硬化性シリコーン樹脂 ０．５−７重量％と、
   ｂ．白金触媒 ０．０５−０．３重量％と、
   ｃ．重量比が順番に５０：４０：１０となるように、メチルエチルケトン、トルエンおよびキシレンを含む溶媒 ９２．２−９９．４重量％と、
   ｄ．ＵＶ吸収剤０．０５〜０．５重量％と、
   を含む離型剤から形成された剥離表層を有する、ＯＣＡ光学粘着シート。
2. 前記ＵＶ吸収剤は、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノンまたは２，４−ジヒドロキシベンゾフェノンから選択されるものである、請求項１に記載のＯＣＡ光学粘着シート。
3. 前記重剥離フィルムの厚みは５０〜１５０μｍであり、前記重剥離フィルムと前記軽剥離フィルムとの厚さの比が０．５〜５である、請求項１に記載のＯＣＡ光学粘着シート。
4. ＰＥＴ離型フィルムから選択されたものであり、前記重剥離フィルムと前記軽剥離フィルムとの離型力比が２．５〜３．５である、請求項１に記載のＯＣＡ光学粘着シート。
5. 前記熱硬化性シリコーン樹脂が、アクリルグラフトシリコーン樹脂、エポキシグラフトシリコーン樹脂、またはポリジメチルシリコーン樹脂から選ばれるものである、請求項１に記載のＯＣＡ光学粘着シート。
6. 前記ポリジメチルシリコーン樹脂が、末端がビニル基でグラフトされたポリジメチルシリコーン樹脂、末端と中間端がビニル基でグラフトされたポリジメチルシリコーン樹脂、末端がヘキセニル基でグラフトされたポリジメチルシリコーン樹脂、末端と中間末端がヘキセニル基でグラフトされたポリジメチルシリコーン樹脂から選ばれるものである、請求項５に記載のＯＣＡ光学粘着シート。
7. 離型剤の総重量に基づいて、
   熱硬化性シリコーン樹脂０．５〜７重量％を仕込み、溶媒９２．２−９９．４重量％を加えて均一に攪拌し、白金触媒０．０５−０．３重量％を加えて１５分間攪拌し、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノンまたは２，４−ジヒドロキシベンゾフェノンから選ばれたＵＶ吸収剤０．０５−０．５重量％を添加し、１５分間攪拌して離型剤を調製するステップと、
   コーティングマシンにて連続回転するポリエステルフィルムの片面または両面に前記離型剤を厚みが１〜２５μｍとなるように塗布するステップと、
   前記離型剤を塗布した後、８０〜１３０°Ｃの温度で、１０〜３０秒間加熱し、乾燥、硬化させた後、離型フィルムを得るステップと、
   を備える、ことを特徴とする、ＯＣＡ光学粘着シートの製造方法。
8. 前記熱硬化性シリコーン樹脂は、アクリルグラフトシリコーン樹脂、エポキシグラフトシリコーン樹脂、またはポリジメチルシリコーン樹脂からなる群から選ばれるものである、請求項７に記載のＯＣＡ光学粘着シートの製造方法。
9. 前記溶媒は、メチルエチルケトン、トルエンおよびキシレンを５０：４０：１０の重量比で含む、請求項７に記載のＯＣＡ光学粘着シートの製造方法。

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