JP6938238B2 - こんにゃく粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、こんにゃく粉末に含まれる粉末粒子における水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合を制御可能なこんにゃく粉末及びその製造方法に関する。
2015年版日本食品標準成分表(文部科学省、化学技術・学術審議会、資源調査分科会編集)によれば、こんにゃく精粉中の食物繊維の総量(質量基準)は79.9%である。こんにゃく精粉を、こんにゃく精粉に対して30倍程度(質量基準)の水に溶解させることで、この水溶性食物繊維であるグルコマンナンが溶解して、混合物は糊状となる。こうして得られたこんにゃく糊に、水に1質量%程度の濃度に懸濁させた消石灰を練り込み、成型して80〜90℃で加熱させることにより、こんにゃくを得ることができる。こんにゃく中では、食物繊維の95質量%以上が不溶性食物繊維として測定される。
我々日本人は、昔からこんにゃくを日常的に食す唯一の民族であるが、今日ではこんにゃくの低カロリーと不溶性食物繊維の両面から健康に及ぼす効果が認識され、その活用が期待されている。しかしながら、こんにゃくの調理には手間と時間が掛かり、更には、調理方法が限られているために、こんにゃくは今や頻繁に食すことが困難な食材の一つとなっている。
更に、こんにゃくは多くの水分を取り込んでいるため、こんにゃく中の食物繊維の割合は2〜3質量%であり、こんにゃくを介して不溶性食物繊維を積極的に活用しようとしても自ずと限界がある。
不溶性食物繊維の含有割合を高めたこんにゃく加工製品としては、こんにゃくを乾燥後製粉して得られるこんにゃくパウダーが知られている。特許文献1には、水分を含むこんにゃくを挽肉状に破砕後、水洗によるあく抜き、脱水を経て得られるこんにゃくペーストを、乾燥して、精粉機でパウダー化するこんにゃくパウダーの製造方法が開示されている。
特開平4−99453号公報
特許文献1に記載される方法によれば、不溶性食物繊維の含有量の高いこんにゃくパウダーを得ることができる。しかしながら、こんにゃく原料粉から水分量の多いこんにゃくを製造した後、更に、水分を含むこんにゃくを挽肉状に破砕後、水洗によるあく抜き、脱水を経て得られるこんにゃくペーストを、乾燥して、精粉機でパウダー化する工程が必要となる。従って、特許文献1の方法では、製造工程数が増加し、また製造工程も複雑となり、製造の効率化を図ることが難しい。
また、特許文献1には、こんにゃくパウダーの各粒子に含まれる水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との割合を制御する点についての記載や示唆はない。
本発明の目的は、食物繊維の含有割合が高く、目的に応じて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合を制御可能であり、食物繊維の直接摂取や食品への配合に有用な、こんにゃく粉末及びその効率よい製造方法を提供することにある。
本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法は、
こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、該こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に該糖水酸化カルシウム水溶液を供給する混合工程と、
前記糖水酸化カルシウム水溶液が供給された粉末粒子において該糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維を形成してこんにゃく粉末を得る不溶性食物繊維形成工程と、を有し、
前記混合工程及び前記不溶性食物繊維形成工程が、前記粉末粒子の粒子としての形態が維持された状態で行われる
ことを特徴とする。
本発明にかかるこんにゃく粉末は、
粉末全体(乾燥物基準)に対して食物繊維を50質量%以上、100質量%未満含み、食物繊維が水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とからなり、全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合(質量基準)が50:50〜1:99の範囲にあることを特徴とする。
本発明によれば、こんにゃく原料粉末に糖水酸化カルシウム水溶液を添加して、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子の粒子としての形態を維持しつつ、これらを混合し、粉末粒子の表面及びその内部に供給された糖水酸化カルシウム水溶液の作用により生成する不溶性食物繊維の含有量を増加させた粉末粒子を含むこんにゃく粉末を得ることができる。
こんにゃく粉末に含まれる水溶性食物繊維に対する不溶性食物繊維の割合は、糖水酸化カルシウム水溶液と粉末粒子の反応条件を選択することによって制御することができる。
更に、本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法では、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子の粒子形態を維持した状態で、糖水酸化カルシウム水溶液を作用させて、目的とするこんにゃく粉末を直接得ることができる。従って、本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法では、従来技術における、こんにゃく糊を調製する工程、こんにゃく糊をアルカリ凝固剤の添加及び加熱によりゲル化する工程、水分を含むこんにゃくの塊の裁断、脱水、乾燥、粉末化を行う工程を省略して、極めて効率よく全食物繊維に対して不溶性食物繊維を50質量%以上含むこんにゃく粉末を製造することができる。
更に、本発明にかかる製造方法により得られるこんにゃく粉末に含まれる粉末粒子は、吸水性を有しており、吸水した状態の粉末粒子を直接摂取した場合においても食感に優れ、かつ嚥下性が良好であり、更に、吸水性が必要とされる食品添加物として好適に利用できる。
従って、本発明によれば、直接摂取した場合においても食感に優れ、かつ嚥下性が良好であるこんにゃく粉末及びその製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、飲料や食品の食感や風味を損なうことなく飲料や食品への添加が可能であり、食物繊維の含有率が高く、かつ使用目的に応じて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合を制御可能であるこんにゃく粉末及びその効率よい製造方法を提供することができる。
従来技術によるこんにゃくの乾燥、細断及び精粉化を経て得られるこんにゃく粉末は、食物繊維含有量が高く、水分を多く含むこんにゃくに比べて取扱い性が格段によく、食物繊維摂取用の食品として非常に優れた製品である。しかしながら、従来技術によるこんにゃく粉末に含まれる粉末粒子は吸水性が低く、あるいは吸水性を持たず、そのまま摂取した際の食感が独特であり、用途が限定される場合があった。
更に、従来技術におけるこんにゃく粉末の製造では、水分を多量に含むこんにゃくの細断、乾燥及び粉末化のための工程が必須であり、また、こんにゃく糊に対するこんにゃく粉の収率(質量基準)も低く、こんにゃく粉末の製造効率を上げることには限界があった。
本発明者らは、こんにゃく粉末の製造方法について鋭意検討した結果、こんにゃく原料粉末中のグルコマンナンを水に溶解することなく、粉末粒子中に閉じ込めた状態で、水溶性のグルコマンナンから不溶性食物繊維を形成することが可能であれば、広範な用途に利用可能で、且つ製造効率のよいこんにゃく粉末を提供できるとの結論を得た。
ところで、こんにゃく原料粉末中のグルコマンナンを水に溶解してアルカリ性にし、加熱することでこんにゃくゲルとなる理由の一つとして、グルコマンナン中のアセチル基がアルカリ条件下で外れることによりゲル化が進行すると言われている。しかしながら、グルコマンナン中のアセチル基の数が少ないので、この点についての完全証明となっていないというのが定説となっている。
一方、こんにゃく粉に水酸化カルシウムを添加することによってグルコマンナンのカルシウム架橋が生じるとの報告もある。
以上の様に、こんにゃくゲルの形成過程については未だ不明瞭ではあるが、こんにゃく製造過程での不溶性食物繊維の形成について、本発明者らが着目したのは、水酸化カルシウムの添加である。
本発明者らは、こんにゃく原料粉末中のグルコマンナンを、水に溶解することなく、こんにゃく原料粉末が粒子状のままで、本来水溶性食物繊維であるグルコマンナンを不溶性の食物繊維に変換するには、水酸化カルシウムの形態で粉末粒子に直接吸収させることが好ましいとの結論に至った。その際、こんにゃく精粉等のこんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子の粒子としての形態を維持させつつ水酸化カルシウムの溶液を粉末粒子に吸収させることが肝要である。
粉末粒子の粒子としての形態の維持とは、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子が、粒子の外形形状や大きさの変化の有無にかかわらず、その一次粒子の状態を維持していることを意味する。従って、粉末粒子の粒子としての形態の維持には、粒子の形状や大きさが変化する場合も含まれる。
本発明にかかる製造方法においては、糖水酸化カルシウム水溶液との混合工程及び粉末粒子内での不溶性食物繊維の形成工程において、こんにゃく原料粉末が粉末の状態で加工されてこんにゃく粉末となり、その間において粉末粒子の粒子としての形状が維持される。
粉末粒子の粒子としての形態を、糖水酸化カルシウム水溶液との混合において維持するには、こんにゃく原料粉末に混合する糖水酸化カルシウム水溶液から供給される水分量を調節する方法を好ましく用いることができる。本発明者らが検討した結果、こんにゃく原料粉末の量に対して加える糖水酸化カルシウム水溶液の量を、好ましくは3倍量以下(質量基準)とすることで、粉末粒子の形態を維持しつつ加工することができる、という結論を得た。例えば、こんにゃく原料粉末に対して3.5倍量(質量基準)の糖水酸化カルシウム水溶液を加えると、吸水により水溶性グルコマンナンが一部溶出して糊状となり、粒子同士が固く結着するために、一粒、一粒バラバラの一次粒子の状態を維持することは困難である場合があった。
水酸化カルシウムの水に対する溶解度は極めて低く、低温で最もよく溶解する条件下であっても最大0.15質量%である。こんにゃく原料粉末中の食物繊維1g当たり18mg程度のカルシウムを水酸化カルシウム水溶液により供給しようとすれば、こんにゃく原料粉末に対して16倍量程度の消石灰の水溶液が必要となり、こんにゃく原料粉末が溶解し、粉末の状態を維持することができない。
本発明者らは、こんにゃく原料粉末に含まれるグルコマンナンから、粉末粒子の粒子としての形態を維持しつつ不溶性食物繊維を形成するためのアルカリ凝固剤について種々検討した結果、本来水には0.15%程度しか溶解しない水酸化カルシウムを、必要とされる濃度まで溶解した水溶液を得る手段が必須であり、こんにゃく製造用のアルカリ凝固剤の調製用として、本発明者らによって開発済みである非還元糖水溶液に水酸化カルシウムを溶解する技術を応用することが有効であるとの結論に至った。その結果、溶解状態にあるカルシウム濃度を高めることが可能な糖水酸化カルシウム水溶液を、本発明にかかるこんにゃく粉末の製造にアルカリ凝固剤として用いることにより、以下の各効果を得ることができるとの新たな知見を得た。
(1)糖水酸化カルシウム水溶液を作用させて不溶性食物繊維を形成し、不溶性食物繊維の含有率が全食物繊維に対して50質量%以上となる様に不溶性食物繊維の含有率を高めたこんにゃく粉末は、30質量%程度の含水アルコール洗浄により不要なアルカリ成分を除去する脱アルカリ処理を行い、乾燥粉末とした後でも吸水性を有し、25℃で1時間水に浸漬後も、少なくとも60質量%以上の粉末が水中で粒子状を保持した。この様に、こんにゃく粉末粒子が水溶性食物繊維を含んでいても、水中に溶出する成分は極めて僅かであるか、または、全く無いのである。
(2)こんにゃく粉末に含まれる粉末粒子が吸水性を有することにより、飲料や水分を含む食品に添加した場合には、飲料や水分を含む食品と馴染み易く、かつ飲料や水分を含む食品の食感や風味を損なうことが極めて少ない。また、こんにゃく粉末に含まれる粉末粒子が不溶性食物繊維に加えて50質量%〜40質量%程度の量で水溶性食物繊維を更に含む場合でも、粉末粒子を水や温水に分散させた場合でも、粉末粒子の形態が維持され、粉末粒子としての機能を保持することができる。
(3)こんにゃく粉末は、食物繊維強化用食品そのものとして、あるいは飲料や食品に対する食物繊維強化用の食品添加物や補助成分として極めて有用である。
(4)こんにゃく原料粉末に糖水酸化カルシウム水溶液を作用させる際の条件を変更することによって、こんにゃく粉末粒子中に含まれる食物繊維における水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合を、こんにゃく粉末の用途に応じて制御することができる。また、水溶性食物繊維の不溶化用のアルカリ剤としての糖水酸化カルシウム水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や消石灰の水懸濁液に比べて、取り扱い性において格段に優れている。更に、糖水酸化カルシウム水溶液では、水酸化カルシウム濃度の調整も容易であり、水酸化カルシウムの濃度や作用条件を変更することで、こんにゃく原料粉末に含まれる水溶性食物繊維の不溶化を容易に制御することができる。
(5)従来技術における、こんにゃく糊を調製する工程、こんにゃく糊をアルカリ凝固剤の添加及び加熱によりゲル化する工程、水分を含むこんにゃくの塊の裁断、乾燥、粉末化を行う工程を省略して、極めて効率よく、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の比率を目的に応じて調整したこんにゃく粉末を製造することができる。
本発明は、上述した本発明者らの新たな知見にもとづいて完成されたものである。
本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法は、
(1)こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に糖水酸化カルシウム水溶液を供給する混合工程と、
(2)糖水酸化カルシウム水溶液が供給された粉末粒子において糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維を形成してこんにゃく粉末を得る不溶性食物繊維形成工程と、
を有する。
混合工程及び不溶性食物繊維形成工程は、粉末粒子の粒子としての形態が維持された状態で行われる。
本発明において、こんにゃく原料粉末とは、こんにゃくの製造用として、あるいはこんにゃく製造用として利用し得る水溶性のグルコマンナンを含むこんにゃく粉であり、水に溶解する。本発明にかかるこんにゃく粉は、こんにゃく原料粉末を上記の工程によって処理して得られるこんにゃく粉であり、不溶性食物繊維の含有量がこんにゃく原料粉末に対して絶対的に多くなっていることにより、水に溶解することは無く、こんにゃく原料粉末と明確に区別されるものである。したがって、こんにゃく原料粉末はこんにゃくの製造に用いることができるが、本発明にかかるこんにゃく粉を用いてこんにゃくを製造することはできない。また、特許文献1に記載されるような従来のこんにゃくパウダーに対しては、本発明にかかるこんにゃく粉は、水溶性食物繊維の含有量が従来のこんにゃくパウダーよりも多いことにより明確に区別される。
不溶性食物繊維形成工程においては、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に糖水酸化カルシウム水溶液が供給され、粉末粒子内、すなわち、粉末粒子の表面及び内部の少なくとも一部においてグルコマンナンから不溶性食物繊維が形成される。
本発明の方法によれば、グルコマンナンからの不溶性食物繊維の形成によって、乾物当たりの全食物繊維に対する不溶性食物繊維含量を、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、あるいは90質量%以上であるこんにゃく粉末を得ることができる。なお、乾物当たりの不溶性食物繊維含量の上限は特に限定されないが、乾物当たりの全食物繊維に対する不溶性食物繊維含量は、100質量%未満、あるいは99.0質量%以下とすることができる。
上述した混合工程と不溶性食物繊維形成工程は同時に行うことができる。あるいは、混合工程により得られた混合物を、必要に応じて攪拌しつつ、あるいは静置により、不溶性食物繊維形成に必要な時間保持して、不溶性食物繊維の生成を進行させてこんにゃく粉末を得ることもできる。この場合、混合物は粉末状態のまま加工されて、こんにゃく粉末を得ることができる。
本発明の一形態によれば、本来含有する食物繊維のうち水溶性食物繊維92%、不溶性食物繊維8%(日本食品標準成分表2015年版により算出)とされる、こんにゃく芋から製造されるこんにゃく精粉の不溶性食物繊維の割合を任意にコントロールすることの出来る技術を提供することができる。
こんにゃく原料粉末としては、糖水酸化カルシウム水溶液を用いる処理によって目的とするこんにゃく粉末を得ることができるものであれば特に制限なく利用できる。こんにゃく原料粉末としては、例えば、通常用いられる特等粉、一等粉、或いは、ティマックマンナン(オリヒロ(株)製)等のこんにゃく精粉を用いることができる。
なお、こんにゃく原料粉末の精製度に応じて、本発明にかかるこんにゃく粉の食物繊維の含有量を所望とする量に調整することができる。例えば、こんにゃく粉末(乾燥物基準)において、50質量%以上100質量%未満、60質量%以上100質量%未満、70質量%〜100質量%未満、80質量%〜100質量%未満、あるいは90質量%〜100質量%未満の範囲内で食物繊維の含有量を選択することができる。また、食物繊維の含有量の上限は99質量%とすることができる。
こんにゃく原料粉末に添加するアルカリ凝固剤として、糖水酸化カルシウム水溶液が用いられる。この糖水酸化カルシウム水溶液は、水、糖及び水酸化カルシウムを含み、糖及び水酸化カルシウムが水に溶解している水溶液である。
糖としては、非還元糖が好ましい。非還元糖は、糖水酸化カルシウム水溶液の目的とする凝固剤としての効果に影響を与えず、かつ水酸化カルシウムの溶解度を向上させる機能を有する。なお、糖として還元糖を用いた場合、水酸化カルシウムが強塩基であるため、所謂褐変反応を起こす場合がある。
非還元糖としては、入手が容易という点ではスクロース(ショ糖)、トレハロースを挙げることができる。スクロースは水酸化カルシウムの溶解能、ならびに糖と共に溶解する水酸化カルシウムのアルカリ性剤としての安定性が高いのでより好ましい。スクロースとして、市販のグラニュー糖、上白糖等の種々の砂糖製品が利用できる。上白糖には褐変の原因となる少量の転化糖(還元糖)が含まれている場合があり、グラニュー糖を用いるのが更に好ましい。
アルカリ成分として用いる水酸化カルシウムとしては、食品用途して利用し得るものであれば特に限定されない。工業的な大量生産における製造コストの低減という観点からは、石灰岩から得られる消石灰が有用である。
糖水酸化カルシウム水溶液は、水酸化カルシウムを糖とともに水に添加して攪拌混合するか、あるいは、糖を溶解した糖水溶液に水酸化カルシウムの過剰量を加え攪拌混合し、その後不溶性の画分を除く方法等によって調製することができる。
水酸化カルシウムの糖の共存下における溶解度も水溶液の調製温度によって変化する。通常は同一糖濃度の水溶液中への水酸化カルシウムの溶解濃度は温度と反比例する。すなわち、より低い温度の方がより高い濃度で水酸化カルシウムを溶解させることができる。また、糖濃度や温度等の条件によっては水酸化カルシウムの溶解濃度を正確に予測できない場合があり、そのような場合は、過剰量の水酸化カルシウムを添加して、調製された水溶液中に残存する固形分を分離した後のアルカリ水溶液を糖水酸化カルシウム水溶液として利用することができる。この固形分の分離は、静置後の上清取得によって行えばよいが、更に、遠心分離、膜ろ過、或いは、ろ過助剤の使用による清澄処理等の公知の分離方法で、浮遊している微細な粒子を取り除き、所謂透明な溶液として使用することはより好ましい。
糖の添加量は、糖水酸化カルシウム水溶液中で溶解状態を維持でき、目的とする水酸化カルシウムの溶解濃度を達成できる量であれば特に限定されない。糖濃度が高いと不溶性の水酸化カルシウムの沈降が阻害され、溶解させる水酸化カルシウムの濃度を制御する必要が生じる場合がある。また、35質量%程度の糖濃度となるように糖を添加した水酸化カルシウム水溶液では、水酸化カルシウムが凝集して粘着性のある塊状となる等の障害が発生する場合がある。従って、糖の添加量は、糖水酸化カルシウム水溶液に含まれる水に対して2〜30質量%、好ましくは4〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%の範囲となる量から選択するとよい。
糖水酸化カルシウム水溶液中で溶解状態にある水酸化カルシウムの濃度は、こんにゃく原料粉末粒子に含まれるグルコマンナンの不溶性食物繊維への目的とする変換率に応じて選択することができる。また、水酸化カルシウムの添加量は、糖水酸化カルシウム水溶液のアルカリ凝固剤としての機能及び保存安定性を得ることができる量であることが好ましい。糖水酸化カルシウム水溶液の調製時において、糖水溶液に溶解させる水酸化カルシウムの濃度が、6.50質量%を超えると不溶性の水酸化カルシウムが生じた場合に不溶性の水酸化カルシウムが沈降し難く、固液分離が困難となる場合がある。従って、糖水酸化カルシウム水溶液中の水酸化カルシウムの濃度は、0.25質量%〜6.50質量%の範囲とすることが好ましい。
糖水酸化カルシウム水溶液の調製温度は、本発明にかかるこんにゃく粉末の製造における使用温度において、目的とするアルカリ凝固剤としての機能及び保存安定性を得ることができる温度とすればよく、特に制限はない。糖水酸化カルシウム水溶液の調製温度は、例えば、5℃〜70℃、例えば9〜11℃の冷却温度や21〜25℃の通常の室温から選択することができる。
調製温度において得られる糖の共存下での水酸化カルシウムの投入量は、溶解度の1〜4倍程度(質量基準)の割合の量を投入することが好ましい。
糖水酸化カルシウム水溶液は、アルカリ凝固剤としての目的とするグルコマンナンの不溶性食物繊維への変換機能を得ることができるアルカリ性を有していればよいが、例えば12.0〜13.0、好ましくは12.3〜12.8、より好ましくは12.5〜12.8の範囲から選択したpHのアルカリ性とすることができる。
好ましくは、糖として非還元糖を用いた糖水酸化カルシウム水溶液は、水溶液中に水酸化カルシウムに糖を共存させたことにより、水酸化カルシウムの固形分を含まず、水酸化カルシウムを高濃度で含み、50℃以下の水溶液の状態を保持する温度条件下において極めて安定であり、大量に調製して密封貯蔵し、必要に応じて希釈して使用することができ、こんにゃくの生産量に応じてその使用量を調節できるので、工業的な利用という点からも価値が高い。
本発明のこんにゃく粉末の製造方法においては、先ず、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液との混合物が調製される。この混合物の調製には、こんにゃく原料粉末に糖水酸化カルシウム水溶液を添加して、攪拌により混合する方法を好ましく用いることができる。
こんにゃく原料粉末への糖水酸化カルシウム水溶液の添加量は、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウム濃度に応じて、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子が粒子としての形態を維持することができ、こんにゃく原料粉末に含まれるグルコマンナンの不溶性食物繊維への目的とする変換割合が達成できる範囲から選択すればよい。
なお、粉末粒子の粒子としての形態の維持とは、先に記載した混合工程及び不溶性食物繊維形成工程(変換工程)を含む、糖水酸化カルシウム水溶液での処理工程を通して、粉末粒子における粒子の形態が壊れずにその一次粒子としての状態が維持されていることを意味し、糖水酸化カルシウム水溶液の粉末粒子内への浸透による粉末粒子の膨潤や、水分等の粉末粒子外への放出による粉末粒子の収縮、あるいは粒子外形の変化が生じる場合を含んでもよい。
こんにゃく原料粉末への糖水酸化カルシウム水溶液の添加量に関しては、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に糖水酸化カルシウム水溶液が供給され、各粉末粒子が糖水酸化カルシウム水溶液に接触可能となり、かつ、糖水酸化カルシウム水溶液との接触においても各粉末粒子が粒子状の形態を維持できるとの観点で、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の割合(質量基準)を決めればよく、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の割合は1:1〜1:3、より好ましくは1:1〜1:2の範囲から選択することがよい。
更に、こんにゃく原料粉末への水酸化カルシウムの供給量に応じてこんにゃく原料粉末に含まれるグルコマンナンの架橋ゲル化による不溶性食物繊維の生成を制御することができる。こんにゃく原料粉末への水酸化カルシウムの供給量は、こんにゃく原料粉末へのカルシウムの添加量を指標として決定することができる。例えば、先に挙げた2015年版日本食品標準成分表によれば、こんにゃく精粉の水分が6.0質量%、水溶性食物繊維が73.3質量%、不溶性食物繊維6.6質量%(乾物当たりに換算すれば7.0質量%)である。この様に、こんにゃく精粉中の水溶性食物繊維の含量は、全食物繊維に対して92%となっている。また、精粉こんにゃくについては、水分97.3質量%、水溶性食物繊維0.1質量%、不溶性食物繊維2.1質量%となっており、こんにゃくの不溶性食物繊維の含量は、全食物繊維に対して95%以上となっている。従って、理論上は、こんにゃく原料粉末に含まれる水溶性食物繊維の含有率の範囲内で、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウムの濃度及びその添加量を選択することにより、不溶性食物繊維の含有量をコントロールできるということとなる。
実用上、こんにゃく原料粉末に糖水酸化カルシウム水溶液を含浸させ、十分に反応させた後に、水または30質量%程度の含水アルコールにより余分のアルカリを除去する脱アルカリ工程により、グルコマンナン以外の成分が除かれる場合には、食物繊維含量は上昇することとなる。
例えば、上述したように、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の割合を1:1〜1:3(質量基準)の範囲から選択する場合には、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウムの濃度を0.50〜3.0質量%の範囲で変更することにより、糖水酸化カルシウム水溶液で処理した粉末粒子中の全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との割合を、50:50〜1:99の範囲、あるいは40:60〜1:99の範囲で制御することができる。
グルコマンナンが糖水酸化カルシウム水溶液と接触すると、水酸化カルシウムの作用により糖鎖高分子が多数の架橋点を介して結合した水不溶性の構造、すなわち不溶性食物繊維を形成するものと推定される。この水不溶性の構造の形成は、糖水酸化カルシウム水溶液の粉末粒子の表面から内部への浸透に伴って、粉末粒子の表層から中央部へ向かって進行するものと考えられる。従って、粉末粒子への糖水酸化カルシウム水溶液の供給量や粉末粒子内への浸透の程度によって、粉末粒子に含まれるグルコマンナンからの不溶性食物繊維の生成量を制御することができる。
また、最初に形成されると推定される粉末粒子の表層の網目状構造は、通水性を有し、表層に網目構造が形成された状態でも、糖水酸化カルシウム水溶液の粉末粒子内への浸透が妨げられることがないと考えられる。更に、粉末粒子の表層に水不溶性の網目状構造が形成されることによって、糖水酸化カルシウム水溶液を用いた処理工程全体を通して、各粉末粒子は独立して粒子形状を維持し、各粒子間での粘着や癒着が起きず、各粒子の分散性のよい粉末を得ることができる。
また、粉末粒子の表層及び内部にグルコマンナンの架橋ゲルからなる網目状の構造が形成されることによって、粉末粒子は吸水性を有し、かつ吸水した水を保持する保水性を有する。これにより粉末粒子に良好な食感を付与可能であり、また、飲料や食品に添加する際に飲料や食品と馴染みやすく、これらの食感や風味を損なうことがない。
本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法によれば、以下の2つのタイプのこんにゃく粉末を得ることができる。
(タイプ1)こんにゃく原料粉末に含まれるグルコマンナンのほぼ全て、あるいは90質量%以上、100質量%未満が、グルコマンナンの架橋ゲルからなる不溶性食物繊維として含有される。すなわち、粉末粒子に含まれる食物繊維が主として不溶性食物繊維からなるこんにゃく粉末。
(タイプ2)こんにゃく粉末に含まれるグルコマンナンの50質量%以上、90質量%未満がグルコマンナンの架橋ゲルからなる不溶性食物繊維として含有される。すなわち、粉末粒子に含まれる食物繊維における水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合を目的に応じて調整したこんにゃく粉末。
(タイプ1のこんにゃく粉の製造)
タイプ1のこんにゃく粉末の製造では、こんにゃく原料粉末に対して糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量を0.75〜4.00質量%、好ましくは0.75〜1.00質量%の範囲から選択することとなるが、原料の精製度を高めることによって添加カルシウムの量を低減させることが可能である。
こんにゃく原料粉末には、一般的な基準として特等粉、一等粉等の品質規格があるが、例えば、こんにゃく原料粉末をエチルアルコール処理することにより、トリメチルアミン臭を低減したティマックマンナン(商品名、オリヒロ(株)製)の様に、精製度を高めたものもある。
すなわち、こんにゃく原料粉末に対して糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量は、こんにゃく原料粉末の加工状態によって異なり、精製度の高いティマックマンナン(オリヒロ(株)製)の場合には、0.75〜1.00質量%の範囲が好ましい。従って、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の割合を、好ましい範囲である1:1〜1:3の範囲(質量基準)から選択する場合には、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウムの濃度を0.4〜1.85質量%の範囲から選択することが好ましい。
タイプ1のこんにゃく粉における粉末全体(乾燥物基準)の全食物繊維に対する不溶性食物繊維の含有割合は、例えば90質量%以上、100質量%未満とすることができる。
タイプ1のこんにゃく粉における全食物繊維に対する水溶性食物繊維Aと不溶性食物繊維Bとの質量基準における割合(A:B)は、10:90〜1:99の範囲であることが好ましい。
(タイプ2のこんにゃく粉の製造)
タイプ2のこんにゃく粉における粉末全体(乾燥物基準)の全食物繊維に対する不溶性食物繊維の含有割合は、例えば50質量%以上あるいは60質量%以上、90質量%未満とすることができる。
タイプ2のこんにゃく粉末の製造では、全食物繊維に対する水溶性食物繊維Aと不溶性食物繊維Bとの質量基準における割合(A:B)を、50:50以上あるいは40:60以上、10:90未満の範囲、すなわちA/Bが、50/50以上あるいは40/60以上10/90未満で調整することができる。
タイプ2のこんにゃく粉末の製造には、こんにゃく原料粉末に対して糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量を0.50〜1.25質量%、好ましくは0.50〜1.00質量%の範囲から選択することが好ましい。このケースでもこんにゃく原料粉末に対して糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量が、こんにゃく原料粉末の加工状態によって異なり、こんにゃく精粉(特等粉)の場合では、0.50〜1.25質量%の範囲であり、ティマックマンナンの場合には、0.50〜0.73質量%の範囲である。
上記の如く、こんにゃく原料粉末に対して糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量は、原料に応じて適宜選択すれば良い。更に、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の割合を1:1〜1:3(質量基準)の範囲から選択し、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウムの濃度を0.3〜1.85質量%の範囲から選択することが好ましい。
目的とするグルコマンナンの不溶性食物繊維への変換が達成された段階で、こんにゃく原料粉末の糖水酸化カルシウム水溶液での処理工程を終了する。
本発明のポイントは、こんにゃく原料粉末中に水酸化カルシウムを如何に浸透させるかにあり、原料粉末に添加した糖水酸化カルシウム水溶液が、完全に吸収されて個々の粉末粒子がバラバラに離れた状態とすることが重要である。原料粉末に水酸化カルシウムを添加吸水させる時に、適度に加温することはグルコマンナンの不溶性食物繊維への変換を促進することとなる。その後、常温、または適度な加温をして数時間から数日間保持することによって、不溶性食物繊維への変換を促進させてもよい。
糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウム濃度に関しては、目的とするグルコマンナンの不溶性食物繊維への変換率に合わせて、予め使用するこんにゃく原料粉末の加工程度に合致した糖水酸化カルシウム濃度を決めれば良い。
タイプ1及びタイプ2のこんにゃく粉の場合にも、上述した不溶性食物繊維の粉末全体に対する含有量や水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との割合が得られるまで、こんにゃく原料粉末の糖水酸化カルシウム水溶液での処理を行う。例えば、同じ濃度の糖水酸化カルシウム水溶液を用いた場合には、処理時間、処理温度、こんにゃく原料粉末に対する糖水酸化カルシウム水溶液の配合割合等の処理条件により、タイプ1またはタイプ2を選択することができる。処理時間、処理温度、こんにゃく原料粉末に対する糖水酸化カルシウム水溶液の配合割合等の処理条件を同じとする場合には、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウム濃度によってタイプ1またはタイプ2を選択することができる。また、こんにゃく原料粉末の精製度に応じて、目的とするタイプの製造に必要な処理条件、例えば、処理時間、処理温度、糖水酸化カルシウム水溶液の水酸化カルシウム濃度、こんにゃく原料粉末に対する糖水酸化カルシウム水溶液の配合割合を予め予備試験によって求めておき、得られた処理条件を用いて本製造を行う方法を用いることもできる。
なお、本発明にかかる製造方法を実施する国や地域において、食品加工における水酸化カルシウムの使用量に関する法律や規則がある場合には、その法律や規則に従う。例えば、日本国における食品衛生法に基づく水酸化カルシウムの使用量は、カルシウムとして食品の1.0%以下と規定されており、日本国において本発明にかかる製造方法を実施する場合は、この規定に従って糖水酸化カルシウム水溶液の濃度や使用量を調整する。
こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液の混合物は、糖水酸化カルシウム水溶液での処理工程中及び終了時は湿潤粉末としての状態を維持する。こうして得られた湿潤粉末に対して、洗浄工程及び/または乾燥工程を必要に応じて追加してもよい。洗浄工程を糖水酸化カルシウム水溶液の作用を停止させる工程終了用の工程として利用してもよい。また、洗浄工程及び/または乾燥工程に、粉末粒子の粒径を下げる粉砕処理を追加してもよい。
こんにゃく粉末の洗浄には、グルコマンナンの不溶性食物繊維への変換に利用されなかった余りの糖水酸化カルシウムをこんにゃく粉末から洗浄除去、すなわち脱アルカリ処理できる洗浄剤であれば、制限なく利用できる。洗浄剤としては、例えば、5〜60質量%のエタノール等の揮発性アルコールを含むアルコール含有水が好ましい。
乾燥工程では、目的とするこんにゃく粉末の水分含量に応じた条件で行うことができ、公知の粉末乾燥装置を用いて行うことができる。乾燥工程後のこんにゃく粉末の水分含量は、例えば、10質量%以下、好ましくは3〜8質量%の範囲とすることができる。
上述した洗浄工程後に、あるいは洗浄工程とともに湿式加圧粉砕工程を追加してもよい。湿式加圧粉砕工程を有するこんにゃく粉の製造方法は、以下の工程を有することができる。
(A)こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に糖水酸化カルシウム水溶液を供給する混合工程。
(B)糖水酸化カルシウム水溶液が供給された粉末粒子において糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維を形成して湿潤粉末を得る不溶性食物繊維形成工程。
(C)湿潤粉末またはその乾燥粉末を、5質量%〜60質量%の揮発性アルコールを含有するアルコール含有水からなる洗浄液で洗浄する工程。
(D)洗浄された湿潤粉末を湿式加圧粉砕して、湿潤粉砕物を得る工程。
(E)湿潤粉砕物を乾燥してこんにゃく粉末を得る工程。
上述したこんにゃく粉を得るための湿潤粉末粒子、または、乾燥粉末粒子を、エタノール等の揮発性アルコールを5質量%〜60質量%の範囲、好ましくは20質量%〜40質量%の範囲で含むアルコール含有水を洗浄液として洗浄し、湿式タイプの加圧粉砕処理機にかけ、得られた粉砕物を洗浄液と分離する。この湿式加圧粉砕によって少なくとも一部が破断粒子となった湿潤な状態での粒子とし、乾燥処理することにより、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の混合物を含み、且つ、水を含む液体中での良好な分散性を有する粒子からなるこんにゃく粉体を得ることができる。
食物繊維として不溶性食物繊維を主として含むタイプ1のこんにゃく粉体の場合においても、上述した洗浄工程と湿式加圧粉砕工程により、水を含む液媒体での分散性を更に高めたこんにゃく粉末(タイプ1A)を得ることができる。こうして得られるタイプ1Aのこんにゃく粉は、水を含む液体に対する分散性が向上しており、例えば、飲料水、清涼飲料水、各種ドリンク剤、各種スープ等の飲料、または液体食品へ添加した際に、不溶性食物繊維を主として含む粒子が飲料または液体食品中に速やかに広がり、かつ分散状態を長い時間保つことができる。更に、分散した不溶性食物繊維を主として含む粒子は飲料または液体食品の喉越しを阻害せず、むしろ喉越しを改善する効果を得ることができる。従って、タイプ1Aのこんにゃく粉は飲料や液体食品による不溶性食物繊維の手軽な摂取に好適に利用でき、更には、菓子、パン、麺類等に混和させる場合にも好適である。
タイプ1Aのこんにゃく粉における水、あるいは水を含む液体への分散性が向上している理由について本発明者は以下のように推定している。
先に述べた通り、粉末粒子の粒子としての形態が維持された状態で、こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、こんにゃく粉末粒子に糖水酸化カルシウム水溶液を供給すると、糖水酸化カルシウム水溶液が吸収された粉末粒子内において糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維が形成される。
この粉末粒子内での不溶性食物繊維の形成は、粉末粒子内への糖水酸化カルシウム水溶液の浸透により行われる。すなわち、粉末粒子内には糖水酸化カルシウム水溶液の浸透により経路が形成される。この浸透する糖水酸化カルシウム水溶液と接触したグルコマンナンは不溶性となる。不溶化したグルコマンナンを含有する粒子を含む湿潤粉末粒子を、アルコール含有水からなる洗浄液により洗浄すると、湿潤粉末を形成する粒子内で余分な糖水酸化カルシウム水溶液が洗浄液と置き換わる部分が生じる。洗浄液に含まれるアルコールは、不溶化したグルコマンナンを含む網目状構造をより強固なものとし、その領域の硬度を更に高める作用を有する。すなわち、粒子の表層部分と粒子内の洗浄液と接触した部分の硬度が更に高められる。そこで、洗浄液で洗浄した湿潤粉末粒子を湿式加圧粉砕処理にかけると、主にこのアルコールの作用によって硬度が上昇した粒子内の部分を基点として洗浄液が浸透した経路に沿って粒子が割れて砕ける、へき開に似たような破砕が生じ、半球状、薄片状、球形の一部が破壊された形状など、水や水を含む液体中に浮遊した状態での良好な分散性が得られる形状の破砕物を含むこんにゃく粉を得ることができる。
従って、湿潤粉末粒子の湿式加圧粉砕は、湿潤粉末を構成する粒子に上述したような破砕が生じるための圧力を印加できる湿式粉砕機により行うことができる。このような湿式粉砕機としては、例えば、スーパーマスコロイダー(商品名、増幸産業(株)製 型式MCK6−5)に代表される上下、或いは、左右2枚の砥石によって構成された石臼型グラインダー、または、湿式型ボールミル等を使用することができる。
更には、上述した湿式加圧粉砕処理の後に脱水機により、含水アルコールを除いて乾燥粉末とすれば、微粉砕化が容易となるので必要に応じて乾式の微粉砕を行えば、熱水や水、或いは水を含む液体中での良好な分散性の微粉末が得られる。また、湿式加圧粉砕を繰り返すことによりその効果を高めることができるが、湿式加圧粉砕処理工程で微粉化し過ぎると固液分離が困難となり、ろ液中に微粉末が漏出するなど回収率が低下する等の弊害を伴う場合がある。
タイプA1のこんにゃく粉が得られたかどうかについては、湿式加圧粉砕後に脱水した湿潤な状態の粉末粒子、または水分10%程度まで乾燥した粉末粒子を実体顕微鏡で観察することにより確認できる。すなわち、粒子が割れて砕ける、へき開に似たような破砕が生じ、半球状、薄片状、球形の一部が破壊された形状などを観察する方法により、湿式加圧粉砕機による効果を確認することができる。
さらには、乾燥粉末粒子に20〜30倍の20〜30℃の水を加えた時に、水を吸収して膨潤し、体積膨張を起こすことによって確認できる。この粉末粒子の体積膨張は水温の高い程大きいが、決して水に溶解することは無い。そして、実体顕微鏡をもちいて粉末粒子(一般的に500μm以下)が水により膨潤している状態を観察する。
一方、タイプBのこんにゃく粉体の場合においても、上述した(A)〜(Z)の工程を有する製造方法、特に、洗浄工程と湿式加圧粉砕工程により、水を含む液媒体での分散性を更に高めたこんにゃく粉末(タイプ2A)を得ることができる。タイプ2Aの場合には、上述したへき開状の破砕によって、生じる粒子の外壁面に水溶性食物繊維を含む部分が露出することで、粉末粒子の吸水性や膨潤性を向上させることができる。
湿式加圧粉砕は、湿潤粉末粒子、或いは、乾燥粉末粒子と洗浄水(含水アルコール溶液)を混合するなどの方法により、湿潤粉末粒子に洗浄水を接触させて洗浄を行ってから、湿潤粉末粒子と洗浄水の混合物を湿式加圧粉砕機にかける方法や、湿潤粉末粒子と洗浄水を混合して湿式加圧粉砕機に導入して、洗浄と粉砕を同時に行う方法、或いは、最終粉末のpHが目的とする範囲内に中和される様に、洗浄水に予めクエン酸等の酸性化剤を加える方法により行うことができる。
洗浄液(含水アルコール溶液)の湿潤粉末粒子への添加量は、特に限定されず目的とする洗浄効果を得ることができるように設定すればよい。例えば、水分含量10質量%程度の乾燥粉末粒子に換算した場合に、洗浄液の割合(質量比)が、乾燥粉末粒子1に対して3〜10の範囲となるように洗浄液を添加することが好ましい。
上下グラインダー間のクリアランスや粉砕時間、繰り返し粉砕回数、温度は特に限定されず、目的とする湿式粉砕状態や効果が得られるように設定すればよいが、繰り返しの粉砕回数が多くなると液温が高くなり、アルコールが蒸発することとなるので、粉砕の極端な繰り返しは避けねばならない。粉砕の程度としての留意点は、微細化により固液分離の際に微細粉末が回収できず、ロスが増大することの無い様に、粒度分布をコントロールすることである。
湿式加圧粉砕により得られた粉砕物を、固液分離して乾燥し、好ましくは水分含量を10質量%以下として、タイプ1Aのこんにゃく粉を得ることができる。この時点での乾燥物の特徴として、湿式粉砕により割砕した粒子同士が軽く固着した大小の塊が数多く見受けられるが、これらの塊は乾燥物に軽く衝撃を加えることにより個々の粒子粉末に戻る状態であり、これらの塊を軽くほぐし、36メッシュ篩で425μm以下の粒子を回収すれば良い。
湿式加圧粉砕後の乾燥粉末粒子(水分6.5%)サイズの好ましい分布の一例を挙げれば、100μm未満が27%、100〜200μm未満が47%、200〜450μmが28%であった。因みに湿式加圧粉砕を行わずに30%アルコール洗浄のみを行った場合の乾燥粉末の粒度分布は、100μm未満が1%、100〜200μm未満が29%、200〜450μm未満が62%、450μm〜700μmが8%であった。
また、湿式加圧粉砕により得られた粉砕物を、乾式粉砕によって各粒子の粒径を更に小さくしてもよい。なお、粒子の表層や粒子内の洗浄液に含まれるアルコールと接触した部分は、アルコールとの接触前よりも高硬度化されており、乾式粉砕を行っても、分散性に必要な形状を維持し、かつ粒子サイズが減少した粒子を含む粉砕物を得ることができるので、喉越しをさらに改良することができる。
尚、湿式加圧粉砕並びに乾燥工程を経た後に乾式粉砕により微粉砕化された微粉末では、食物繊維としての性質に変化が認められる場合がある。例えば、この乾式粉砕により微粉砕化された微粉末が、全食物繊維に対して不溶性食物繊維の割合が70〜90質量%台に乾式粉砕により加工された場合であっても、微粉砕化の過程でへき開破壊が進行すると、得られる微粉末は水を吸収する性質が増強する傾向にあることが判明した。そのため、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含有する本発明にかかるこんにゃく微粉末は、食物繊維としての生理的効果並びに食品添加物として、広い範囲の応用が期待できるものである。
本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法によれば、食物繊維としての水溶性食物繊維と不溶性食物繊維と、カルシウムと、糖を含む粉末粒子を含むこんにゃく紛末を得ることができる。目的とするこんにゃく粉末が得られたかどうかについては、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の含有量及びこれらの含有比の測定結果、後述する実験例における1質量%水分散液の粘度の測定値、水や温水での分散状態の観察等を用いて確認することができる。
本発明にかかるこんにゃく粉末の製造方法により得ることができるこんにゃく粉末としては、以下の各形態を例示することができる。
・粉末全体(乾燥物基準)に対して食物繊維を50質量%以上、100質量%未満、好ましくは、70〜99質量%、より好ましくは90質量%以上100質量%未満、あるいは90質量%以上99質量%以下で含み、食物繊維が水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とからなり、全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合(質量基準)が50:50または40:60〜1:99の範囲にあるこんにゃく粉末。
上述のこんにゃく粉末としては、こんにゃく粉末全体に対する食物繊維の含有量(乾燥物基準)が、80質量%以上100質量%未満、好ましくは90質量%以上100質量%未満、より好ましくは90質量%以上99質量%以下であって、かつ、全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合(質量基準)が50:50または40:60〜1:99の範囲にあるこんにゃく粉末を挙げることができる。
先に挙げたタイプ1及びタイプ1A、並びにタイプ2及びタイプ2Aのこんにゃく粉末として、以下の組成のこんにゃく粉末を挙げることができる。
(タイプ1、タイプ1A)
・乾燥物基準で、食物繊維の90質量%以上が不溶性食物繊維からなるこんにゃく粉末。
このタイプ1、タイプ1Aのこんにゃく粉末としては、こんにゃく粉末全体に対する食物繊維の含有量(乾燥物基準)が、80質量%以上100質量%未満、好ましくは90質量%以上100質量%未満、より好ましくは90質量%以上99質量%以下であって、かつ、全食物繊維に対する水溶性食物繊維Aと不溶性食物繊維Bの割合A:B(質量基準)が10:90〜1:99の範囲にあるこんにゃく粉末を挙げることができる。
(タイプ2、タイプ2A)
・乾燥物基準で、食物繊維が水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とからなり、全食物繊維に対する水溶性食物繊維Aと不溶性食物繊維Bの割合(質量基準)が、A:Bが50:50以上または40:60以上10:90未満(すなわちA/Bが50/50以上または40/60以上10/90未満)、あるいは、A:Bが50:50以上または40:60以上30:70未満(すなわちA/Bが50/50以上または40/60以上30/70未満)の範囲にあるこんにゃく粉末。
このタイプ2、タイプ3Aのこんにゃく粉末としては、こんにゃく粉末全体に対する食物繊維の含有量(乾燥物基準)が、80質量%以上100質量%未満、好ましくは90質量%以上100質量%未満、より好ましくは90質量%以上99質量%以下であって、かつ、全食物繊維に対する水溶性食物繊維Aと不溶性食物繊維Bの割合であるA:B(質量基準)が、50:50以上または40:60以上10:90未満(すなわち、A/Bが50/50以上または40/60以上30/70未満)の範囲にあるこんにゃく粉末を挙げることができる。
本発明にかかる製造方法により得られるこんにゃく粉末は、サプリメント等の食物繊維強化用食品そのものとして、あるいは飲料や食品に対する食物繊維強化用の食品添加物や補助成分として極めて有用である。
本発明にかかるこんにゃく粉末を食物繊維強化用食品として利用する場合は、こんにゃく粉末をそのまま、あるいは、食品の成分として許容される担体、賦形剤、カプセル材等によって製剤化して利用することができる。こんにゃく粉末を利用した食物繊維強化用食品には、必要に応じて更に、ビタミン、タンパク質、糖質、ミネラル成分等の栄養補助成分を配合することができる。
飲料や食品に対する食品添加物や補助成分として利用する場合も、こんにゃく粉末をそのまま、あるいは、食品の成分として許容される担体、賦形剤、カプセル材等によって製剤化して利用することができる。
(実験例1)
こんにゃく精粉としては、オリヒロ(株)製、ティマックマンナン(商品名)(水分7.5質量%、食物繊維85.9質量%)を使用した。
ショ糖水酸化カルシウム水溶液として、水酸化カルシウム濃度(質量%)がA:0.5%(pH12.51)、B:0.9%(pH12.53)、C:1.1%(pH12.54)、D:1.2%(pH12.53)、E:1.3%(pH12.54)、F:1.5%(pH12.60)、である6種類を用意した。尚、ショ糖濃度6.0質量%で1.5%水酸化カルシウム水溶液を調製して基準液とし、0.5〜1.3%水酸化カルシウム濃度の溶液は、この基準液を適宜水道水で希釈して用いたが、全ての溶液濃度において水酸化カルシウムが沈殿することはなかった。
ティマックマンナン100gに対してショ糖水酸化カルシウム水溶液100gを添加、撹拌混合することで、カルシウム量の異なる6種類の試験サンプルA〜Fをそれぞれ調製し、密封した状態で室温3日間放置後、夫々原料に対して8倍量の30質量%のアルコールで洗浄、脱水し、60℃で乾燥して粉末とした。
乾燥粉末について水分と水溶性食物繊維、不溶性食物繊維を測定した。原料並びに試験サンプルA〜Fの夫々の不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の含有量を乾物換算(質量基準)で比較した。更に、これらのサンプルのカルシウム濃度(乾物質量当たり)を測定した。以下に得られた結果を示す。
(1)試験原料としたティマックマンナン
不溶性食物繊維3.4%に対し、水溶性食物繊維87.5%であった。
(2)水酸化カルシウム濃度0.5質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルA
不溶性食物繊維5.8%に対し、水溶性食物繊維93.1%であった。
また、カルシウム量は、0.34%であった。
(3)水酸化カルシウム濃度0.9質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルB
不溶性食物繊維34.9%に対し、水溶性食物繊維56.0%であった。
また、カルシウム量は、0.48%であった。
(4)水酸化カルシウム濃度1.1質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルC
不溶性食物繊維65.8%に対し、水溶性食物繊維32.8%であった。
また、カルシウム量は、0.59%であった。
(5)水酸化カルシウム濃度1.2質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルD
不溶性食物繊維74.4%に対し、水溶性食物繊維23.2%であった。
また、カルシウム量は、0.61%であった。
(6)水酸化カルシウム濃度1.3質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルE
不溶性食物繊維83.6%に対し、水溶性食物繊維14.0%であった。
また、カルシウム量は、0.63%であった。
(7)水酸化カルシウム濃度1.5質量%のショ糖水酸化カルシウム水溶液を使用した試験サンプルF
不溶性食物繊維97.0%に対し、水溶性食物繊維2.0%であった。
また、カルシウム量は、0.75%であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006938238
以上の結果から試験原料としたティマックマンナンであれば、原料粉末とショ糖水酸化カルシウム水溶液の割合が1:1の場合、水酸化カルシウム濃度1.0%以上とすれば最終粉末の不溶性食物繊維含量を乾燥物換算で60%以上とすることができるとの結論を得た。
尚、食物繊維の測定は酵素・重量法の一つであるプロスキー変法により、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をそれぞれ定量した。
また、カルシウムの測定は、サンプルを灰化し、原子吸光分光分析法により定量した。
(実験例2)
実験例1と同様に、こんにゃく精粉としてティマックマンナン(オリヒロ(株)製)(水分7.5質量%、食物繊維85.9質量%)を使用し、ショ糖水酸化カルシウム水溶液として、水酸化カルシウム濃度(質量%)が1.0%(pH12.53)を調製し、ティマックマンナン100gに対してショ糖水酸化カルシウム水溶液100gを添加、撹拌混合した後、密封した状態で室温3日間放置後、夫々原料に対して8倍量の30質量%のアルコールで洗浄、脱水し、60℃で乾燥して粉末とした。
こうして得られた乾燥粉末について、水分、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維を測定し、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の含有量を乾物換算(質量基準)で、不溶性食物繊維54.0%に対し、水溶性食物繊維42.8%であり、全食物繊維に対する不溶性食物繊維の割合は55.8質量%であった。また、カルシウム量は、0.54%であった。
原料としたこんにゃく製粉(ティマックマンナン)に、実験例1のサンプル6種類(A〜F)、さらに本実験例2のサンプルを加えた8種類のサンプルについて、夫々1質量%の濃度なるように水に混合して混合物を調製し、各混合物の粘度を測定した。
なお、サンプルが水溶性である場合は、混合物は水溶液となり、サンプルに水溶性物質と不溶性物質が含まれている場合は、混合物には溶解した成分と分散する成分が含まれる。サンプルが不溶性の場合には、混合物は不溶性物質の分散液となる。
上述した粘度測定法は、こんにゃく粉(水溶性こんにゃく粉)の品質規格を定める為に一般的に採用されており、35℃の温浴中で撹拌しながら2,3,4時間毎の粘度(東機産業株式会社製、B型粘度計)を測定し、このうちの最高値をもって判定する検査方法で、粘度が高い程良質のこんにゃく粉とするもので、本測定法でのこんにゃく原料粉末の品質の格付けが広く普及している。
この粘度によるこんにゃく原料粉末の品質の分類の一例では、本測定法での粘度が15,000mPa・s以上のものを特等粉、13,000mPa・s以上のものを1等粉として分類している。ティマックマンナンはこんにゃく臭であるトリメチルアミンを除くためのアルコール処理により、精製純度が高くなっており、本測定法での粘度の規格値は16,000mPa・s以上としている。尚、一般的にこんにゃく製造に使用されるこんにゃく原料としては、数千mPa・s以上の粘度が必要とされている。
表2には粘度測定の結果を示したが、同時に不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の含有量を乾物換算(質量基準)で表記した。
Figure 0006938238
表2の結果では、ティマックマンナン(不溶性食物繊維が3.4%)の1質量%溶液での粘度は19,0000mPa・sであり、実験例1−A(不溶性食物繊維5.8%)の粘度は15,000mPa・sであったが、実験例1−B(不溶性食物繊維34.9%)ではその粘度は1,000mPa・sと低下した。さらに、実験例―2(不溶性食物繊維54.0%)ではその粘度は300mPa・sで、実験例1−C(不溶性食物繊維65.8%)の粘度は200mPa・sと、こんにゃく製造原料としての最低値の10分の1以下となった。
そして、実験例1−D(不溶性食物繊維74.4%)、実験例1−E(不溶性食物繊維83.6%)、実験例1−F(不溶性食物繊維97.0%)では粘度はゼロとなった。以上のことから、乾物換算での不溶性食物繊維の含有量(質量基準)が50%を超えると、こんにゃく粉本来の性質を失うということが明らかとなった。
表2に示すように、上記の粘度測定条件において1,000(mPa・s)を閾値として、この値未満に粘度が低下した場合を、こんにゃく原料の特性を持たない本発明にかかるこんにゃく粉末が製造されたことの指標として利用することができる。
(実施例1)
こんにゃく精粉(平成27年産特等粉、水分8.0%、水溶性食物繊維75.6%、不溶性食物繊維2.1%)40kgに対し、ショ糖(グラニュー糖)水酸化カルシウム水溶液(ショ糖濃度7質量%の溶液に溶解させた水酸化カルシウム濃度1.8質量%溶液、pH12.6)40kgを添加混合した。混合は撹拌混合装置((株)パウレック製、型式VG−100F)を使用し、20分間を掛けて40kgのショ糖水酸化カルシウム水溶液を添加、撹拌混合した。混合時の品温は50〜60℃であり、79kgを回収した。直ちに3〜4gを50mlのビーカーに秤量し、蒸留水で洗浄を繰り返し、冷水を加えて2時間放置し、十分に膨潤させた後に実体顕微鏡((株)モリテックス製。MSX−500Di)で粒子を拡大(100倍)観察したところ、吸水をしているが一粒、一粒がバラバラに離れていることを確認した。糖水酸化カルシウム水溶液を吸収させたこんにゃく製粉を,70℃で乾燥して38.5kg(水分6.9%)の乾燥粉末を得た。
この乾燥粉末5kgを、4倍量の30質量%のアルコール溶液で撹拌洗浄、脱水した後に70℃で乾燥(水分6.5%)した。本粉末の食物繊維を測定したところ、乾燥物換算(質量基準)で不溶性食物繊維が83.5%、水溶性食物繊維が12.0%であり、カルシウムが0.99%であった。
脱アルカリした後に乾燥した本粉末を、乾式微粉砕機(ラボネクト(株)製、スピードミル、型式HS−20)で粉砕して粒径100μm以下の紛体を回収した。
(実施例2)
こんにゃく精粉としてオリヒロ(株)製、ティマックマンナン(商品名)(水分7.5質量%、水溶性食物繊維80.9質量%、不溶性食物繊維3.2質量%)40kgに対して、ショ糖(グラニュー糖)水酸化カルシウム水溶液(ショ糖濃度6質量%の溶液に溶解させた水酸化カルシウム濃度1.56質量%溶液、pH12.4)40kgを、撹拌混合装置((株)パウレック製、型式VG−100F)を使用して50分間を掛けて添加、混合(最終品温60℃)した後に、水分7.8%まで乾燥した。この乾燥粉末10kgに対して、クエン酸110gを加えた30質量%アルコール溶液80kgを加え、スーパーマスコロイダー(増幸産業(株)製,型式MKZA−15−40J)を用いて湿式加圧粉砕処理を行った。5回の繰り返し処理の後に脱水、乾燥し、乾燥物(水分6.7質量%)を得た。本乾燥粉末を家庭用クッキングカッター((株)日立ホームテック製、型式FV−F3)を用いて軽くほぐした後に、36メッシュ篩(基準寸法425μm)を通過した区分を回収した。
本乾燥粉末中の不溶性食物繊維は88.8質量%、水溶性食物繊維は8.2質量%であった。本乾燥粉末5kgを、乾式粉砕機(細川ミクロン(株)製、ACMパルベライザ−15H)で微粉砕処理を行った。乾式粉砕後の粉末粒子(水分6.4%)の粒度分布をレーザー解析式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー3000)を用いて測定したところ、50μm未満が75%、50〜75μm未満が17%、75〜100μm未満が4%、100〜450μmが4%であった。
この微粉末を、市販オニオンコンソメスープ粉末(11.5g)に対し、3gを添加して混合後、熱湯150mlを注ぎ、かきまぜてから1分後に試飲したところ、こんにゃくファイバーが膨潤してスープ内に浮遊し、軟らかく、舌触り、喉越し共に滑らかで、コンソメスープ本来の塩味が和らぎ、まろやかな美味さに感じられた。
(実施例3)
実施例2で使用したティマックマンナン(水分7.5質量%、水溶性食物繊維80.9質量%、不溶性食物繊維3.2質量%)40kgを撹拌混合装置((株)パウレック製、型式VG−100F)に入れ、ショ糖(グラニュー糖)水酸化カルシウム水溶液(ショ糖濃度4質量%の溶液に溶解させた水酸化カルシウム濃度1.10質量%溶液、pH12.3)40kgを40分間かけて添加混合し、その後最終品温が65℃となるまで10分間撹拌を続け、密閉容器に移して一晩保管後、乾燥した(水分含量10.4%)。この乾燥粉末は一部の粉末粒子が塊を作っており、これを軽くほぐして32メッシュ篩(呼び寸法425μm)を通過する区分を回収した(回収率99%)。この乾燥粉末中の不溶性食物繊維は60.2%、水溶性食物繊維は30.0%であった。この粉末粒子のサイズについてレーザー解析式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、100μm〜250μm未満が37%、250μm〜450μmが63%という割合であった。本乾燥粉末は、水溶液中で決して水に溶解することは無く、粉末粒子が水を吸って素早く膨潤する性質が認められた。例えば、35℃の温水150mlに2.0gの乾燥粉末を添加、緩やかに撹拌し、1質量%クエン酸溶液2.5mlを加えて溶液を中和(pH7.0)、その後32℃前後にキープ、20分経過後の状態を実体顕微鏡((株)モリテックス製。MSX−500Di)で観察したところ、すべての粒子が水を吸収していたが、最大のものは長径が980μm、短径が670μmの楕円形で、水を吸って元の粒子の2倍程度にまで膨張していた。この様に、本乾燥粉末粒子には良く水を吸収して膨潤するという特徴が備わっていた。

Claims (18)

  1. こんにゃく粉末の製造方法であって、
    こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、該こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に該糖水酸化カルシウム水溶液を供給する混合工程と、
    前記糖水酸化カルシウム水溶液が供給された粉末粒子において該糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維を形成してこんにゃく粉末を得る不溶性食物繊維形成工程と、を有し、
    前記混合工程及び前記不溶性食物繊維形成工程が、前記粉末粒子の粒子としての形態が維持された状態で行われる
    ことを特徴とするこんにゃく粉末の製造方法。
  2. 前記混合工程と前記不溶性食物繊維形成工程が同時に行われる請求項1に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  3. 前記こんにゃく原料粉末に対する前記水酸化カルシウムの配合割合を変化させることにより、前記こんにゃく粉末に含まれる不溶性食物繊維の割合を制御する、請求項1または2に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  4. 前記こんにゃく粉末が、全食物繊維に対して不溶性食物繊維を90質量%(乾物換算)以上含む、請求項3に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  5. 前記水溶性食物繊維と前記不溶性食物繊維との質量基準における割合が、10:90〜1:99の範囲にある請求項4に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  6. 前記こんにゃく原料粉末に対して前記糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量が0.75〜4.00質量%の範囲から選択される請求項4または5に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  7. 前記こんにゃく粉末が、全食物繊維に対して不溶性食物繊維を50質量%以上、90質量%未満(乾物換算)含む、請求項3に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  8. 前記水溶性食物繊維と前記不溶性食物繊維との質量基準における割合が、50:50以上10:90未満の範囲にある請求項7に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  9. 前記こんにゃく原料粉末に対して前記糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量が0.50〜1.00質量%の範囲から選択される請求項7に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  10. 前記こんにゃく粉末の洗浄工程及び乾燥工程の少なくとも一方を更に有する請求項1乃至9のいずれかに記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  11. 粉末全体(乾燥物基準)に対して食物繊維を80質量%以上、100質量%未満含み、食物繊維が水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とからなり、全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合(質量基準)が50:50以上10:90未満の範囲にあることを特徴とするこんにゃく粉末。
  12. 全食物繊維に対する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合(質量基準)が40:60以上10:90未満の範囲にあることを特徴とする請求項11に記載のこんにゃく粉末。
  13. 粉末全体(乾燥物基準)に対して食物繊維を90質量%以上含む請求項11または12に記載のこんにゃく粉末。
  14. こんにゃく粉末の製造方法であって、
    こんにゃく原料粉末と糖水酸化カルシウム水溶液を混合して、該こんにゃく原料粉末に含まれる粉末粒子に該糖水酸化カルシウム水溶液を供給する混合工程と、
    前記糖水酸化カルシウム水溶液が供給された粉末粒子において該糖水酸化カルシウム水溶液の作用により不溶性食物繊維を形成して湿潤粉末を得る不溶性食物繊維形成工程と、
    前記湿潤粉末またはその乾燥粉末を、5質量%〜60質量%の揮発性アルコールを含有するアルコール含有水からなる洗浄液で洗浄する工程と、
    前記洗浄された湿潤粉末を湿式加圧粉砕して、湿潤粉砕物を得る工程と、
    前記湿潤粉砕物を乾燥してこんにゃく粉末を得る工程と、
    を有し、
    前記混合工程及び前記不溶性食物繊維形成工程が、前記粉末粒子の粒子としての形態が維持された状態で行われる
    ことを特徴とするこんにゃく粉末の製造方法。
  15. 前記こんにゃく粉末が、該こんにゃく粉末全体(乾燥物基準)に対して食物繊維を90質量%以上、100質量%未満含み、かつ不溶性食物繊維を全食物繊維に対して80質量%以上含む請求項14に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  16. 前記こんにゃく原料粉末に対して前記糖水酸化カルシウム水溶液を介して供給されるカルシウムの量が0.5〜1.0質量%の範囲から選択される請求項15に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  17. 前記混合工程と前記不溶性食物繊維形成工程が同時に行われる請求項14乃至16のいずれか1項に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
  18. 前記こんにゃく原料粉末に対する前記水酸化カルシウムの配合割合を変化させることにより、前記こんにゃく粉末に含まれる不溶性食物繊維の割合を制御する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載のこんにゃく粉末の製造方法。
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