JP6936171B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期モータのロータの回転位置(以下、単に「ロータ位置」という)をセンサレスで検出する機能を備えたモータ制御装置に関する。
この種のモータ制御装置の一例として、特許文献1に記載されたモータ制御装置が知られている。特許文献1に記載されたモータ制御装置は、同期モータのステータコイルに流れる電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、前記ステータコイルに流れる前記電流と前記ステータコイルに印加される電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、前記誘起電圧波高値と前記同期モータの回転速度とに基づいて前記同期モータのロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部及び第2ロータ位置検出部と、前記第1ロータ位置検出部及び前記第2ロータ位置検出部のいずれか一方を選択する選択部と、を含む。
前記第1ロータ位置検出部は、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]に基づいて求められる第1電流位相又は第1誘起電圧位相と、を変数として含む第1ロータ位置計算式を用いて前記ロータ位置を検出する。前記第2ロータ位置検出部は、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び前記鎖交磁束に基づいて求められる第2電流位相又は第2誘起電圧位相と、を変数として含む第2ロータ位置計算式を用いて前記ロータ位置を検出する。そして、前記選択部は、通常領域では前記第1ロータ位置検出部を選択し、弱め磁束領域では前記第2ロータ位置検出部を選択している。具体的には、前記選択部は、前記電流(前記電流波高値)が所定値以下の場合に前記第1ロータ位置検出部を選択し、前記電流(前記電流波高値)が前記所定値を超える場合に前記第2ロータ位置検出部を選択している。
特開2017−169329号公報
図10は、上記従来のモータ制御装置において、前記電流波高値が大きい場合の鎖交磁束Ψpと電流位相βとの関係の一例を示す図である。図10に示されるように、前記電流波高値が大きい場合、矢印Aで示される領域では一つの鎖交磁束Ψpに対して二つの電流位相βが対応する。また、誘起電圧位相γは、電流位相βを[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]だけシフトさせた値に相当するので、鎖交磁束Ψpと誘起電圧位相γとの関係においても鎖交磁束Ψpと電流位相βとの関係の場合と同様のことがいえる。これらのことは、前記第2ロータ位置検出部において電流位相β(すなわち、前記第2電流位相)及び誘起電圧位相γ(すなわち、前記第2誘起電圧位相)が安定して求められない場合があること、ひいては、前記ロータ位置を安定して検出できない場合があることを意味している。
このため、単に前記電流(前記電流波高値)が前記所定値を超える場合に前記第2ロータ位置検出部が選択される上記従来のモータ制御装置では、前記ロータ位置の誤検出(検出不能な状態を含む)が発生するおそれがあった。前記ロータ位置の誤検出は、前記同期モータの制御が不安定な状態又は前記同期モータの制御が不能な状態を招くため、これを防止することが望まれる。
そこで、本発明は、前記ロータ位置の誤検出の発生を防止し、前記通常領域及び前記弱め磁束領域の双方において前記ロータ位置に基づく前記同期モータの安定した制御を可能とするモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、モータ制御装置は、同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、前記電流検出部で検出される電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、前記電流検出部で検出される電流と、前記印加電圧検出部で検出される印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、前記誘起電圧波高値と、前記同期モータの回転速度とに基づいて前記同期モータのロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、前記誘起電圧電気角と、前記誘起電圧電気角と前記電流電気角との差及び前記電流波高値から求められる第1誘起電圧位相とに基づいて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、前記誘起電圧電気角と、前記鎖交磁束及び前記電流波高値から求められる第2誘起電圧位相とに基づいて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、前記電流波高値と、前記第1誘起電圧位相又は前記第2誘起電圧位相とに基づいて前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部を選択する選択部と、を含む。
前記モータ制御装置において、前記選択部は、前記電流波高値と前記第1誘起電圧位相又は前記第2誘起電圧位相とに基づいて前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部を選択するように構成されている。すなわち、前記選択部は、前記電流の大きさだけではなく、前記誘起電圧の位相をも考慮して前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部の選択を行っている。このため、前記選択部による前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部の選択、さらに言えば、前記第1ロータ位置検出部から前記第2ロータ位置検出部への切り替えや前記第2ロータ位置検出部から前記第1ロータ位置検出部への切り替えが適切に行われることになり、前記ロータ位置の誤検出が防止される。この結果、前記通常領域及び前記弱め磁束領域の双方において前記ロータ位置が安定かつ精度よく検出され、前記同期モータの安定した制御が可能になる。
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。 正弦波通電が行われているときの相電流波形図である。 正弦波通電が行われているときの誘起電圧波形図である。 ロータ座標(d−q座標)系のモータベクトル図である。 第1ロータ位置検出部で使用されるデータテーブルを説明するための図であり、電流位相βと(誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi)との関係の一例を示す図である。 第2ロータ位置検出部で使用されるデータテーブルを説明するための図であり、電流位相βと鎖交磁束Ψpとの関係の一例を示す図である。 前記第1ロータ位置検出部で使用される前記データテーブルの一例を示す図である。 前記第2ロータ位置検出部で使用される前記データテーブルの一例を示す図である。 選択部が実行する前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部の選択処理の一例を示すフローチャートである。 従来のモータ制御装置における問題点を説明するための図であり、電流波高値が大きい場合の電流位相βと鎖交磁束Ψpとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。実施形態に係るモータ制御装置1は、同期モータ2のロータ位置をセンサレスで検出する機能を備えている。また、モータ制御装置1は、主にインバータ3を制御するものであり、インバータ3は、直流電源4からの直流電力を交流電力に変換して同期モータ2に供給するように構成されている。
同期モータ2は、3相のスター結線型のモータであり、U相、V相、W相のステータコイルを含むステータと、永久磁石を含むロータとを有する。図中にはU相、V相、W相の各ステータコイルのみを示し、その他は図示を省略してある。なお、スター結線型を例として示すがデルタ結線でも同様に適用され得る。
インバータ3は、U相、V相、W相ごとに、上アーム側のスイッチング素子+U、+V、+W及び下アーム側のスイッチング素子−U、−V、−Wを直流電源4の高位側と低位側の間に直列接続してある。また、下アーム側スイッチング素子−U、−V、−Wの低位側には、各相に流れる電流を検出するためのシャント抵抗Ru、Rv、Rwが設けられている。
モータ制御装置1は、起動処理部11、回転制御部12、インバータ駆動部13、相電流検出部(電流検出部)14、印加電圧検出部15、相電流波高値・電気角検出部(電流波高値・電気角検出部)16、誘起電圧波高値・電気角検出部17、鎖交磁束検出部18、第1ロータ位置検出部19、第2ロータ位置検出部20及び選択部21を含む。なお、本実施形態において、回転制御部12、相電流検出部14、印加電圧検出部15、相電流波高値・電気角検出部16、誘起電圧波高値・電気角検出部17及び鎖交磁束検出部18による後述の各処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
起動処理部11は、同期モータ2が停止しているときに外部から目標回転速度を含む運転指令を入力すると同期モータ2の起動処理を実行する。本実施形態において、起動処理部11は、同期モータ2を起動させると共に所定の加速度で回転速度ωを漸増させる第1制御信号をインバータ駆動部13に出力する。前記第1制御信号は、起動用電圧指示及び起動用電圧位相指示を含む。そして、起動処理部11は、例えば、同期モータ2の回転速度ωが前記目標回転速度より低い所定回転速度に到達すると起動完了と判定し、起動完了信号を回転制御部12及び選択部21に出力して前記起動処理を終了する。
回転制御部12は、起動処理部11から前記起動完了信号を入力すると通常制御を実行する。これにより、前記起動処理から前記通常制御に移行する。本実施形態において、回転制御部12は、外部から入力される前記運転指令とロータ位置θmとに基づいて同期モータ2を目標回転速度で回転させるための第2制御信号を生成してインバータ駆動部13に出力する。前記第2制御信号は、電圧指示及び電圧位相指示を含む。また、ロータ位置θmは、後述するように、第1ロータ位置検出部19で検出されるロータ位置θm(第1ロータ位置θm1)又は第2ロータ位置検出部20で検出されるロータ位置θm(第2ロータ位置θm2)である。さらに、回転制御部12は、外部から運転停止指令を入力すると前記第2制御信号の出力を停止して同期モータ2を停止させる。
インバータ駆動部13は、起動処理部11からの第1制御信号又は回転制御部12からの第2制御信号に基づいて、インバータ3の各スイッチング素子+U〜−Wをオン/オフ駆動し、これにより、U相、V相、W相の各ステータコイルに対して正弦波通電(180度通電)を行う。
相電流検出部14は、シャント抵抗Ru、Rv、Rwにかかる電圧を測定することによって、U相のステータコイルに流れるU相電流Iu、V相のステータコイルに流れるV相電流Iv、W相のステータコイルに流れるW相電流Iwをそれぞれ検出する。
印加電圧検出部15は、上アーム側スイッチング素子+U〜+Wから、U相のステータコイル、V相のステータコイル、W相のステータコイルへそれぞれ印加されるU相印加電圧Vu、V相印加電圧Vv、W相印加電圧Vwを検出する。
相電流波高値・電気角検出部16は、相電流検出部14で検出される相電流Iu、Iv、Iwに基づいて、相電流波高値Ip及び相電流電気角θiを検出する。相電流波高値Ip及び相電流電気角θiの検出方法は、次のとおりである。
図2は、U相、V相、W相に正弦波通電が行われているときの相電流波形図である。正弦波形を成すU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwにはそれぞれ120°の位相差がある。図2を参照すると、相電流Iu、Iv、Iwと相電流波高値Ipと相電流電気角θiとの間には下式1が成立する。相電流波高値・電気角検出部16は、相電流検出部14で検出されるU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwに基づき、下式1によって相電流波高値Ip及び相電流電気角θiを求める。
[式1]
・Iu=Ip×cos(θi)
・Iv=Ip×cos(θi−2/3π)
・Iw=Ip×cos(θi+2/3π)
誘起電圧波高値・電気角検出部17は、相電流検出部14で検出される相電流Iu、Iv、Iwと、印加電圧検出部15で検出される印加電圧Vu、Vv、Vwとに基づいて、誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θeを検出する。誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θeの検出方法は、次のとおりである。
図3は、U相、V相、W相に正弦波通電が行われているときの誘起電圧波形図である。正弦波形を成すU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewにはそれぞれ120°の位相差がある。図3を参照すると、誘起電圧Eu、Ev、Ewと誘起電圧波高値Epと誘起電圧電気角θeとの間には下式2が成立する。
[式2]
・Eu=Ep×cos(θe)
・Ev=Ep×cos(θe−2/3π)
・Ew=Ep×cos(θe+2/3π)
一方、印加電圧Vu、Vv、Vwと相電流Iu、Iv、Iwとステータコイルの抵抗値Rcu、Rcv、Rcw(モータパラメータとして既知)と誘起電圧Eu、Ev、Ewとの間には下式3が成立する。
[式3]
・Vu−Iu×Rcu=Eu
・Vv−Iv×Rcv=Ev
・Vw−Iw×Rcw=Ew
誘起電圧波高値・電気角検出部17は、相電流検出部14で検出されるU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwと、印加電圧検出部15で検出されるU相印加電圧Vu、V相印加電圧Vv、W相印加電圧Vwとに基づいて、式3からU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewを求め、そして、求めたU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewに基づいて、式2から誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θeを求める。
鎖交磁束検出部18は、誘起電圧波高値・電気角検出部17で検出される誘起電圧波高値Epと、回転制御部12から入力されるロータ回転速度ωとに基づいて、ロータの鎖交磁束(鎖交磁束数)Ψp(=Ep/ω)を検出する。ロータ回転速度ωは、回転制御部12においてdθm/dtによって検出(算出)される。
第1ロータ位置検出部19は、相電流波高値・電気角検出部16で検出される相電流波高値Ip及び相電流電気角θiと、誘起電圧波高値・電気角検出部17で検出される誘起電圧電気角θeとに基づいてロータ位置θmを検出する。具体的には、第1ロータ位置検出部19は、誘起電圧電気角θeと、誘起電圧電気角θeと相電流電気角θiとの差(誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi)及び相電流波高値Ipから求められる誘起電圧位相γとに基づいてロータ位置θmを検出する。なお、第1ロータ位置検出部19によって検出されるロータ位置θmを「第1ロータ位置θm1」といい、[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]及び相電流波高値Ipから求められる誘起電圧位相γを「第1誘起電圧位相γ1」という。
詳しくは、本実施形態において、第1ロータ位置検出部19は、誘起電圧電気角θeを変数として含むと共に、[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]及び相電流波高値Ipから求められる第1誘起電圧位相γ1を変数として含む第1ロータ位置計算式(下式4)を用いて第1ロータ位置θm1を検出する。
[式4]
第1ロータ位置θm1=誘起電圧電気角θe−第1誘起電圧位相γ1−90°
式4における第1誘起電圧位相γ1は、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をパラメータとしてあらかじめ作成されたデータテーブルTAを参照することで選出される。データテーブルTAは、例えば次のようにして作成されてメモリに保存されている。
図4は、同期モータ2のロータが回転しているときのモータベクトル図であり、印加電圧V(Vu〜Vw)、電流I(Iu〜Iw)及び誘起電圧E(Eu〜Ew)の関係がd−q座標にベクトルで表されている。誘起電圧Eは[ωΨ]で表される。図4において、Vdは印加電圧Vのd軸成分、Vqは印加電圧Vのq軸成分、Idは電流Iのd軸成分、Iqは電流Iのq軸成分、Edは誘起電圧Eのd軸成分、Eqは誘起電圧Eのq軸成分である。また、q軸を基準とした電圧位相がα、q軸を基準とした電流位相がβ、q軸を基準とした誘起電圧位相がγである。さらに、図中のΨaはロータの永久磁石の磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Rはステータコイルの抵抗値(Rcu〜Rcw)、Ψはロータの鎖交磁束である。
図4を参照すると、下式5が成立し、下式5の右辺からωに関する値を左辺に移して下式6が得られる。
[式5]
Figure 0006936171

[式6]
Figure 0006936171
データテーブルTAは、図4のモータベクトル図下で式5、式6が成り立つことを基礎としてあらかじめ作成される。すなわち、図4のモータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させ、[誘起電圧位相γ−電流位相β]が所定値のときの誘起電圧位相γを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]と、をパラメータとした誘起電圧位相γ(第1誘起電圧位相γ1)のデータテーブルTAを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相βを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから最大値(ここでは64A)まで1Aずつ増加させながら、同期モータ2に固有のd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqを利用して、図4のモータベクトル図を基に電圧位相α、電流位相β、誘起電圧位相γを求める。そして、電流I毎に[誘起電圧位相γ−電流位相β]が1°、2°、3°、…のときの誘起電圧位相γを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をもう1つのパラメータとした(誘起電圧位相γ)第1誘起電圧位相γ1のデータテーブルTAが作成される。
そして、第1ロータ位置検出部19は、誘起電圧電気角θeと、[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]及び相電流波高値Ipに応じてデータテーブルTAから選出される第1誘起電圧位相γ1と、を上述の第1ロータ位置計算式(式4)に代入することによって第1ロータ位置θm1を検出(算出)する。
第2ロータ位置検出部20は、相電流波高値・電気角検出部16で検出される相電流波高値Ipと、誘起電圧波高値・電気角検出部17で検出される誘起電圧電気角θeと、鎖交磁束検出部18で検出される鎖交磁束Ψpとに基づいてロータ位置θmを検出する。具体的には、第2ロータ位置検出部20は、誘起電圧電気角θeと、鎖交磁束Ψp及び相電流波高値Ipから求められる誘起電圧位相γとに基づいてロータ位置θm2を検出する。なお、第2ロータ位置検出部20によって検出されるロータ位置θmを「第2ロータ位置θm2」といい、鎖交磁束Ψp及び相電流波高値Ipから求められる誘起電圧位相γを「第2誘起電圧位相γ2」という。
詳しくは、本実施形態において、第2ロータ位置検出部20は、誘起電圧電気角θeを変数として含むと共に、鎖交磁束Ψp及び相電流波高値Ipから求められる第2誘起電圧位相γ2を変数として含む第2ロータ位置計算式(下式7)を用いて第2ロータ位置θm2を検出する。
[式7]
第2ロータ位置θm2=誘起電圧電気角θe−第2誘起電圧位相γ2−90°
式7における第2誘起電圧位相γ2は、相電流波高値Ip及び鎖交磁束Ψpをパラメータとして予め作成されたデータテーブルTBを参照することで選出される。データテーブルTBは、例えば次のようにして作成されて、あらかじめメモリに保存されている。
データテーブルTBも、データテーブルTAと同様、図4のモータベクトル図の下で式5、式6が成り立つことを基礎として予め作成される。すなわち、図4のモータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させ、鎖交磁束Ψが所定値のときの誘起電圧位相γを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、鎖交磁束Ψに相当する、鎖交磁束検出部18で検出される鎖交磁束Ψpとをパラメータとした誘起電圧位相γ(第2誘起電圧位相γ2)のデータテーブルTBを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相βを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから前記最大値(ここでは64A)まで1Aずつ増加させながら、誘起電圧位相γ及び鎖交磁束Ψを求める。そして、電流I毎に各鎖交磁束Ψに対応する誘起電圧位相γを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、鎖交磁束Ψに相当する鎖交磁束Ψpをもう1つのパラメータとした誘起電圧位相γ(第2誘起電圧位相γ2)のデータテーブルTB2が作成される。
そして、第2ロータ位置検出部20は、誘起電圧電気角θeと、相電流波高値Ip及び鎖交磁束Ψpに応じてデータテーブルTBから選出される第2誘起電圧位相γ2とを上述の第2ロータ位置計算式(式7)に代入することによって第2ロータ位置θm2を検出(算出)する。
選択部21は、切替スイッチ22を適宜制御することによって第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20を選択する。本実施形態において、選択部21は、相電流波高値Ipと誘起電圧位相γ(第1誘起電圧位相γ1、第2誘起電圧位相γ2)とに基づいて第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20を選択するように構成されている。第1ロータ位置検出部19が選択された場合には第1ロータ位置検出部19によって検出された第1ロータ位置θm1がロータ位置θmとして回転制御部12に入力され、第2ロータ位置検出部20が選択された場合には第2ロータ位置検出部20によって検出される第2ロータ位置θm2がロータ位置θmとして回転制御部12に入力される。このように選択部21が第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20を選択するのは、通常領域はもちろん、弱め磁束制御が行われる弱め磁束領域においても、誘起電圧位相γを安定して求めること、ひいてはロータ位置θmを安定して検出することを可能とするためである。
次に、選択部21による第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20の選択処理について具体的に説明する。
図5は、第1ロータ位置検出部19で使用されるデータテーブルTAを説明するための図であり、誘起電圧位相γと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]との関係の一例を示している。図6は、第2ロータ位置検出部20で使用されるデータテーブルTBを説明するための図であり、誘起電圧位相γと鎖交磁束Ψpとの関係の一例を示している。
図5において、誘起電圧位相γと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]との関係を示す曲線CA1〜CA4がデータテーブルTAの一部に相当し、図6において、誘起電圧位相γと鎖交磁束Ψpとの関係を示す曲線CB1〜CB4がデータテーブルTBの一部に相当する。また、図5の曲線CA1及び図6の曲線CB1は相電流波高値Ipが小さい場合(例えばIp≦30A)を示し、図5の曲線CA2、CA3及び図6の曲線CB2、CB3は相電流波高値Ipが中程度である場合(例えば30<Ip≦50A)を示し、図5の曲線CA4及び図6の曲線CB4は相電流波高値Ipが大きい場合(例えばIp>50A)を示している。
図5を参照すると、相電流波高値Ipが小さい場合を示す曲線CA1及び相電流波高値Ipが中程度の場合を示す一方の曲線CA2では、一つの[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に一つの誘起電圧位相γが対応しており、[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]から誘起電圧位相γを安定して求めることが可能である。しかし、相電流波高値Ipが中程度の場合を示す他方の曲線CA3及び相電流波高値Ipが大きい場合を示す曲線CA4は、誘起電圧位相γが第1所定値(ここでは85deg)を超える領域に傾向が大きく変化する変化点を有している。このため、一つの[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に複数の誘起電圧位相γが対応する場合があり、[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]から誘起電圧位相γを安定して求めることができないおそれがある。
一方、図6を参照すると、相電流波高値Ipが小さい場合を示す曲線CB1、相電流波高値Ipが中程度である場合を示す曲線CB2、CB3及び相電流波高値Ipが大きい場合を示す曲線CB4のいずれにおいても、一つの鎖交磁束Ψpに複数の誘起電圧位相γが対応しており、そのままでは、鎖交磁束Ψpから誘起電圧位相γを安定して求めることができない。但し、例えば誘起電流位相γが第2所定値(ここでは55deg)以上の領域のみを対象とすれば、曲線CB2、CB3及びCB4によって鎖交磁束Ψpに対応する誘起電圧位相γを安定して求めることが可能である。
つまり、相電流波高値Ipが小さい場合には、曲線CA1を利用することによって誘起電流位相γを安定して求めること、ひいてはロータ位置θmを安定して検出することが可能であるといえる。また、相電流波高値Ipが中程度以上である場合には、曲線CA2〜CA4のうち誘起電流位相γが前記第1所定値(85deg)以下の第1部分と、曲線CB2〜CB4のうち誘起電流位相γが前記第2所定値(55deg)以上の第2部分とを利用することによって誘起電流位相γを安定して求めること、ひいてはロータ位置θmを安定して検出することが可能であるといえる。さらに、曲線CA2〜CA4を利用する場合(すなわち、データテーブルTAを使用する第1ロータ位置検出部19)と、曲線CB2〜CB4を利用する場合(すなわち、データテーブルTBを使用する第2ロータ位置検出部20)とを切り替える場合の切替点として、曲線CA2〜CA4の前記第1部分と曲線CB2〜CB4の前記第2部分とが重複する領域である前記第2所定値(55deg)と前記第1所定値(85deg)の間における任意の誘起電流位相γの値が利用可能であるといえる。
以上のことから、本実施形態において、選択部21は、相電流波高値Ipと誘起電流位相γ(第1誘起電流位相γ1、第2誘起電流位相γ2)とを監視し、これらに基づいて第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20を選択するようにしている。
好ましくは、図7に示されるように、相電流波高値Ipが中程度である場合及び大きい場合における誘起電流位相γが前記第1所定値(85deg)を超える領域(破線)を対象としないデータテーブルTAが作成されると共に、図8に示されるように、相電流波高値Ipが小さい場合(破線)と、相電流波高値Ipが中程度である場合及び大きい場合における誘起電流位相γが前記第2所定値(55deg)未満の領域(破線)とを対象としないデータテーブルTBが作成され、その上で、選択部21は、以下に説明するような、第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20の選択処理を実行する。
図9は、選択部21が実行する第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20の選択処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、起動処理部11から前記起動完了信号を入力すると開始される。
ステップS1では、第1ロータ位置検出部19を選択する。すなわち、本実施形態において、選択部21は、同期モータ2の起動が完了するとまず第1ロータ位置検出部19を選択する。同期モータ2の起動が完了した直後においては、通常、相電流波高値Ipが小さいので、データテーブルTAを使用する第1ロータ位置検出部19によってロータ位置θmの安定した検出が可能だからである。
ステップS2では、相電流波高値Ip及び第1誘起電圧位相γ1を読み込む。読み込まれる相電流波高値Ipは、相電流波高値・電気角検出部16によって直近に検出された相電流波高値Ipであり、読み込まれる第1誘起電圧位相γ1は、第1ロータ位置検出部19において直近に選出された第1誘起電圧位相γ1である。
ステップS3では、相電流波高値Ipが第1閾値TH1以上であるか否かを判定する。相電流波高値Ipが第1閾値TH1以上である場合にはステップS4に進み、相電流波高値Ipが第1閾値TH1未満の場合にはステップS2に戻る。本実施形態において、第1閾値TH1は、30A以下の任意の値に設定され得る。
ここで、ステップS3において第1閾値TH1と比較される相電流波高値Ipは、基本的には、ステップS2で読み込まれた相電流波高値Ip、すなわち、相電流波高値・電気角検出部16によって直近に検出された相電流波高値Ipである。但し、これに限られるものではなく、第1閾値TH1と比較される相電流波高値Ipとして、相電流波高値・電気角検出部16によって直近及びその前に検出された複数の相電流波高値Ipの平均値(算術平均値、加重平均値)や直近の移動平均値などが用いられてもよい。
ステップS4では、第1誘起電圧位相γ1が第2閾値TH2以上であるか否かを判定する。第1誘起電圧位相γ1が第2閾値TH2以上である場合にはステップS5に進み、第1誘起電圧位相γ1が第2閾値TH2未満の場合にはステップ12に戻る。本実施形態において、第2閾値TH2は、前記第2所定値(55deg)以上であり、かつ、前記第1所定値(85deg)以下の任意の値(例えば70deg)ける任意の値に設定される。
ここで、ステップS4において第2閾値TH2と比較される第1誘起電圧位相γ1は、基本的には、ステップS12で読み込まれた第1誘起電圧位相γ1、すなわち、第1ロータ位置検出部19において直近に選出された第1誘起電圧位相γ1である。但し、これに限られるものではなく、第2閾値TH2と比較される第1誘起電圧位相γ1として、第1ロータ位置検出部19において直近及びその前に選出された複数の第1誘起電圧位相γ1の平均値(算術平均値、加重平均値)や直近の移動平均値などが用いられ得る。
ステップS5では、第2ロータ位置検出部20を選択する。すなわち、選択部21は、第1ロータ位置検出部19に代えて第2ロータ位置検出部20を選択し、これにより、ロータ位置θmを検出する検出部が第1ロータ位置検出部19から第2ロータ位置検出部20へと切り替えられる。
ステップS6では、相電流波高値Ip及び第2誘起電圧位相γ2を読み込む。読み込まれる相電流波高値Ipは、相電流波高値・電気角検出部16によって直近に検出された相電流波高値Ipであり、読み込まれる第2誘起電圧位相γ2は、第2ロータ位置検出部20において直近に選出された第2誘起電圧位相γ2である。
ステップS7では、ステップS3と同様に、第1閾値TH1以上であるか否かを判定する。相電流波高値Ipが第1閾値TH1以上である場合にはステップS8に進む。一方、相電流波高値Ipが第1閾値TH1未満の場合にはステップS1に戻って第1ロータ位置検出部19を選択する。すなわち、選択部21は、第2ロータ位置検出部20に代えて第1ロータ位置検出部19を選択し、これにより、ロータ位置θmを検出する検出部が第2ロータ位置検出部20から第1ロータ位置検出部19へと切り替えられる。
ここで、ステップS7において第1閾値TH1と比較される相電流波高値Ipは、基本的には、ステップS6で読み込まれた相電流波高値Ip、すなわち、相電流波高値・電気角検出部16によって直近に検出された相電流波高値Ipである。但し、これに限られるものではなく、電流波高値用閾値THiと比較される相電流波高値Ipとして、相電流波高値・電気角検出部16によって直近及びその前に検出された複数の相電流波高値Ipの平均値(算術平均値、加重平均値)や直近の移動平均値などが用いられ得る。
ステップS8では、第2誘起電圧位相γ2が第2閾値TH2以上であるか否かを判定する。第2誘起電圧位相γ2が第1閾値TH2以上である場合にはステップS6に戻る。すなわち、第2ロータ位置検出部20が選択された状態が継続される。一方、第2誘起電圧位相γ2が第2閾値TH2未満の場合にはステップS1に戻る。すなわち、選択部21は、第2ロータ位置検出部20に代えて第1ロータ位置検出部19を選択し、これにより、ロータ位置θmを検出する検出部が第2ロータ位置検出部20から第1ロータ位置検出部19へと切り替えられる。
ここで、ステップS8において第2閾値TH2と比較される第2誘起電圧位相γ2は、基本的には、ステップS6で読み込まれた第2誘起電圧位相γ2、すなわち、第2ロータ位置検出部20において直近に選出された第2誘起電圧位相γ2である。但し、これに限られるものではなく、誘起電圧位相用閾値THγと比較される第2誘起電圧位相γ2として、第2ロータ位置検出部20において直近及びその前に選出された複数の第2誘起電圧位相γ2の平均値(算術平均値、加重平均値)や直近の移動平均値などが用いられ得る。
以上のように、本実施形態において、選択部21は、相電流波高値Ipと誘起電圧位相γ(第1誘起電圧位相γ1、第2誘起電圧位相γ2)とに基づいて第1ロータ位置検出部19又は第2ロータ位置検出部20を選択するように構成されている。具体的には、選択部21は、第1ロータ位置検出部19の選択後に、相電流波高値Ipが第1閾値TH1以上になり、かつ、第1誘起電圧位相γ1が第2閾値TH2以上になると、第1ロータ位置検出部19に代えて第2ロータ位置検出部20を選択する。また、選択部21は、第2ロータ位置検出部20の選択後に、相電流波高値Ipが第1閾値TH1未満となるか又は第2誘起電圧位相γ2が第2閾値THγ未満になると、前記第2ロータ位置検出部20に代えて第1ロータ位置検出部19を選択する。
このため、前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部の選択、特に第1ロータ位置検出部19から第2ロータ位置検出部20への切り替えや第2ロータ位置検出部20から第1ロータ位置検出部19への切り替えが適切に行われ、ロータ位置θmの誤検出が防止される。この結果、前記通常領域及び前記弱め磁束領域の双方においてロータ位置θmが安定かつ精度よく検出され、モータ制御装置1による同期モータ2の安定した制御が可能になる。
また、本実施形態において、選択部21は、起動処理部11から前記起動完了信号を入力すると、すなわち、同期モータ2の起動完了時に第1ロータ位置検出部19を選択するように構成されている。このため、前記起動処理からロータ位置θmに基づく前記通常制御へと速やかに移行することができる。
なお、上述の実施形態において、選択部21は、起動処理部11から前記起動完了信号を入力すると第1ロータ位置検出部19を選択するように構成されている。しかし、これに限られるものではない。選択部21は、同期モータ2の起動時に第1ロータ位置検出部19を選択するように構成されてもよい。この場合、起動処理部11は、同期モータ2が停止しているときに外部から前記運転指令を入力すると同期モータ2の前記起動処理を実行すると共に起動開始信号を選択部21に出力する。そして、選択部21は、前記起動開始信号を入力すると図9に示される選択処理を開始するように構成される。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
1…モータ制御装置、2…同期モータ、3…インバータ、11…起動処理部、12…回転制御部、13…インバータ駆動部、14…相電流検出部(電流検出部)、15…印加電圧検出部、16…相電流波高値・電気角検出部(電流波高値・電気角検出部)、17…誘起電圧波高値・電気角検出部、18…鎖交磁束検出部、19…第1ロータ位置検出部、20…第2ロータ位置検出部、21…選択部

Claims (4)

  1. 同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、
    前記電流検出部で検出される電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、
    前記電流検出部で検出される電流と、前記印加電圧検出部で検出される印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、
    前記誘起電圧波高値と、前記同期モータの回転速度とに基づいて前記同期モータのロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、
    前記誘起電圧電気角と、前記誘起電圧電気角と前記電流電気角との差及び前記電流波高値から求められる第1誘起電圧位相とに基づいて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、
    前記誘起電圧電気角と、前記鎖交磁束及び前記電流波高値から求められる第2誘起電圧位相とに基づいて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、
    前記電流波高値と、前記第1誘起電圧位相又は前記第2誘起電圧位相とに基づいて前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部を選択する選択部と、
    を含む、モータ制御装置。
  2. 前記選択部は、前記第1ロータ位置検出部の選択後に、前記電流波高値が電流波高値用閾値以上となり、かつ、前記第1誘起電圧位相が誘起電圧位相用閾値以上になると、前記第1ロータ位置検出部に代えて前記第2ロータ位置検出部を選択する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記選択部は、前記第2ロータ位置検出部の選択後に、前記電流波高値が前記電流波高値用閾値未満となるか、又は、前記第2誘起電圧位相が前記誘起電圧位相用閾値未満になると、前記第2ロータ位置検出部に代えて前記第1ロータ位置検出部を選択する、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記選択部は、前記同期モータの起動時又は前記同期モータの起動完了時に前記第1ロータ位置検出部を選択する、請求項1〜3のいずれか一つに記載のモータ制御装置。
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