JP6929223B2 - 真空断熱材、真空断熱材の製造方法及び真空断熱材用外包材 - Google Patents

真空断熱材、真空断熱材の製造方法及び真空断熱材用外包材 Download PDF

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Description

本発明は、真空断熱材、真空断熱材の製造方法及び真空断熱材用外包材に関する。
冷蔵庫、自動販売機等の保温保冷用機器や建築物等には、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。このような断熱材としては、従来のガラス繊維製断熱材や発泡樹脂製断熱材などに替えて、真空断熱材の利用が進んでいる。真空断熱材は、ガスバリア性を有する外包材によって芯材が真空状態(減圧状態)で封止された構造を有する。
真空断熱材の断熱性を維持するためには、内部の高い真空度を維持することが重要である。高い真空度を維持する技術としては、外部より浸入してくるガスを吸着させるために、芯材と共に吸着剤を外包材で封止するものや(特許文献1及び2参照)、加熱しながら減圧することにより芯材内部の水分を揮発させながら、芯材の封止を行うもの(特許文献3参照)が提案されている。
一方、上記外包材としては、最内に配設される熱融着層とガスバリア層とを有するシート材が用いられ、このシート材のヒートシールにより、芯材を封止するものが一般的である。上記熱融着層としては、良好な熱融着性を有する等の観点から、ポリエチレンをはじめとしたポリオレフィン等が広く用いられている。これに対し、熱融着層として、ガスバリア性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いた外包材が提案されている(特許文献4及び5参照)。この技術は、真空断熱材内部の真空度、ひいては断熱性を長期間維持するためには、ヒートシールされた熱融着層の端面からのガスの浸入(透過)をも抑えることが重要であることに着目したものである。
しかし、上記EVOH等のビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層を有する外包材を用いた場合、ポリエチレン等から形成された熱融着層を有する外包材を用いた場合と比較して、断熱性は長期間にわたって維持されるものの、初期段階の断熱性が相対的に低いという不都合を有する。
特開2007−155087号公報 特開2013−76459号公報 特開2013−104490号公報 特開平9−309574号公報 特開2005−305824号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材及びその製造方法、並びにこのような真空断熱材に用いられる外包材を提供することである。
本発明者らは、ポリオレフィンから形成された熱融着層を有する外包材を用いた真空断熱材と、ビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層を有する外包材を用いた真空断熱材とは、熱伝導率の経時変化に以下のような違いがあることをまず知見した。図2にグラフとして模式的に示すように、ポリオレフィンから形成された熱融着層を有する外包材を用いた真空断熱材Aにおいては、その熱伝導率は、初期段階から時間経過と共に上昇する(図2中のA)。一方、ビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層を有する外包材を用いた真空断熱材Bにおいては、初期段階の熱伝導率は相対的に高く、この熱伝導率は一旦低下した後に、上昇に転じる(図2中のB)。なお、真空断熱材Bにおいて、熱伝導率が上昇に転じた後のその上昇率は、ビニルアルコール系樹脂の高いガスバリア性のため、真空断熱材Aにおける上昇率と比較して緩やかなものとなる。
さらに、発明者らは、ビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層を有する外包材を用いた真空断熱材Bにおける初期段階の熱伝導率の高さは、ビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層中の水分等のアウトガスによるものであることを知見した。熱融着層からのアウトガスは、熱融着層の外側に存在するガスバリア層により外部には実質的に放出されず、真空断熱材B中の真空度、ひいては断熱性を低下させることとなる。そこで発明者らは、このような知見に基づき、ビニルアルコール系樹脂から形成された熱融着層中の水分等を減らすことなどにより、初期段階から熱伝導率が低くなり、その低い熱伝導率が長期にわたり維持されることを見出し、本発明の完成に至った。
なお、上述したように、真空断熱材の真空度を維持するために、吸着剤を用いたり、芯材の水分を揮発させたりしながら封止を行う従来技術はあるものの、これらは熱融着層からの水分等のアウトガスに着目しているものでは無い。
すなわち、上記課題を解決するためになされた本発明は、芯材、及びこの芯材を真空状態で封止する外包材を備える板状の真空断熱材であって、上記外包材が、ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層と、この熱融着層の外面側に積層されるガスバリア層とを有し、表面と裏面との間の熱伝導率の経時変化が下記式(1)を満たす真空断熱材である。
Figure 0006929223
式(1)中、Tは、上記熱伝導率の極小値である。Tは、上記熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値である。
当該真空断熱材においては、熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値(T)に対する熱伝導率の極小値(T)の比(T/T)が0.8以上であるため、初期段階の熱伝導率が相対的に低減されており、外包材がビニルアルコール系樹脂層を含む熱融着層を有しているにも拘らず、初期段階から高い断熱性を発揮することができる。また、当該真空断熱材は、外包材がビニルアルコール系樹脂を含む熱融着層とガスバリア層とを有するため、高い断熱性を長期間維持することができる(図2中のC)。
当該真空断熱材は、上記外包材に封止されている吸着剤をさらに備えることが好ましい。吸着剤が封止されていることにより、封止時以降に発生する熱融着層からのアウトガスを吸着剤により吸着することができ、初期段階の断熱性をより良好にすることができる。
上記熱融着層の水分率が2質量%以下であることが好ましい。熱融着層の水分率を2質量%以下とすることにより、水分をはじめとするアウトガスの発生量がより低減され、初期段階の断熱性をより良好にすることができる。
上記ガスバリア層が、ビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層と、この樹脂層の少なくとも一方の面側に積層される蒸着層とを含むことが好ましい。このようなガスバリア層を用いることで、外部からのガスの浸透がより抑制され、断熱性をより長期間維持することができる。また、このようにガスバリア層もビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層を有する場合、このガスバリア層中の樹脂層からのアウトガスも熱伝導率の初期値に影響を与え得るため、本発明を採用する利点が大きい。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、上記真空断熱材の製造方法であって、上記外包材に含まれる揮発成分を除去する工程、及び上記外包材を用い、上記芯材を含む被封止物を熱融着により封止する工程を備える真空断熱材の製造方法である。当該製造方法によれば、外包材に含まれる揮発成分を除去する工程を有することにより、封止後の外包材の熱融着層からのアウトガスの発生が抑制される。従って、当該製造方法によれば、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材を製造することができる。
上記除去工程と上記封止工程とをこの順に行うことが好ましい。このように、封止を行う前に、別途外包材に含まれる揮発成分を除去することにより、熱融着層中の揮発成分を十分に低減することができる。
上記封止工程を、上記外包材及び上記被封止物を40℃以上に加熱しながら行うことにより、上記除去工程と上記封止工程とを同時に行うことも好ましい。このように除去工程と封止工程とを同時に行うことで、熱融着層中の揮発成分の除去と、揮発成分が除去された外包材による封止とを効率的に行うことができる。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層と、この熱融着層の外面側に積層されるガスバリア層とを有し、上記熱融着層の水分率が2質量%以下である真空断熱材用外包材である。当該真空断熱材用外包材によれば、熱融着層からのアウトガスの発生が抑えられ、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材を得ることができる。
本発明によれば、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材及びその製造方法、並びにこのような真空断熱材に用いられる外包材を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る真空断熱材の断面図である。 図2は、真空断熱材の熱伝導率の経時変化を模式的に示すグラフである。
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の一実施形態に係る真空断熱材、真空断熱材の製造方法及び真空断熱材用外包材について詳説する。
<真空断熱材>
図1の真空断熱材10は、芯材11、及びこの芯材11を真空状態で封止する外包材12を備える。また、真空断熱材10は、板状である。外包材12は、ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層13と、この熱融着層13の外面側に積層されるガスバリア層14とを有する。真空断熱材10においては、熱融着層13同士を対向配置した一対のシート状の外包材12の周辺部がヒートシールされていることにより、袋状の外包材12となり、この袋状の外包材12が芯材11を封止している。
ここで、真空状態とは、完全に真空であることのみを指すものでは無く、大気圧と比して十分に減圧されている状態をいう。真空状態とは、具体的には例えば1000Pa以下の状態をいい、100Pa以下の状態であることが好ましく、10Pa以下の状態であることがより好ましい。
(熱伝導率の経時変化)
板状を有する当該真空断熱材10において、表面と裏面との間の熱伝導率の経時変化は下記式(1)を満たす。
Figure 0006929223
式(1)中、Tは、上記熱伝導率の極小値である。Tは、上記熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値である。
上記熱伝導率の初期値とは、真空断熱材10の作製時(通常、芯材11の外包材12による封止時)から7日後の測定値をいう。また、上記熱伝導率の測定期間は、真空断熱材10の作製時から7日後から147日後までの間の期間とする。この測定は、実施例に記載の条件で行うことができる。上記測定期間中において極小値が観測されない場合、上記極小値(T)は測定期間中での最小値とする。
当該真空断熱材10においては、このように、熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値(通常、初期値)に対する熱伝導率の極小値が0.8以上である。すなわち、当該真空断熱材10においては、初期段階の熱伝導率が相対的に低減されており、外包材12がビニルアルコール系樹脂層を含む熱融着層13を有しているにも拘らず、初期段階から高い断熱性を発揮することができる。また、当該真空断熱材10は、外包材12がビニルアルコール系樹脂を含む熱融着層13とガスバリア層14とを有するため、高い断熱性を長期間維持することができる。熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値に対する熱伝導率の極小値の下限としては、0.85が好ましく、0.9がより好ましい。
当該真空断熱材の熱伝導率の初期値の上限としては、0.004W/(m・K)が好ましく、0.003W/(m・K)がより好ましい。一方、この下限としては、例えば0.0015W/(m・K)であり、0.002W/(m・K)であってもよい。
なお、真空断熱材10の熱伝導率の初期値は、熱融着層13からの水分等のアウトガスに大きく影響する。そのため、後述するように、熱融着層13の水分等を封止前又は封止時に除去したり、熱融着層13からのアウトガスを吸収する吸着剤16を用いたりすることにより、熱伝導率の経時変化が上記式(1)を満たす真空断熱材10を好適に得ることができる。
(芯材11)
芯材11は、通常、繊維、粉末、発泡樹脂等の高い空隙率を有する材料から形成されている。このような材料から芯材11が形成されていることで、真空断熱材10の内部を真空状態とすることができる。また、芯材11は、板状に成形されている。芯材11は、柔軟な弾性体であってもよいし、剛体であってもよい。
上記繊維としては、ガラスウール、ガラスファイバー、ロックウール、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維等を挙げることができる。上記粉末としては、シリカ、カーボンブラック、パーライト等を挙げることができる。上記発泡樹脂としては、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を挙げることができる。
(外包材12)
外包材12は、熱融着層13、ガスバリア層14及び外層15を内側からこの順に有する積層体である。図1の真空断熱材10においては、一対のシート状の外包材12の周辺部における熱融着層13同士が熱融着された状態となっている。なお、熱融着層13、ガスバリア層14及び外層15の各層間には、各層同士を接着するための接着剤が介在している。
熱融着層13は、最も内側に位置する層、すなわち最内層であり、加熱及び加圧により融着する層である。熱融着層13は、ビニルアルコール系樹脂を含む。熱融着層13がガスバリア性の高いビニルアルコール系樹脂を含むため、熱融着層13端面からのガスの浸透を抑制することができる。
ビニルアルコール系樹脂とは、ビニルアルコール単位(−CH−CHOH−)を単量体単位として有する重合体をいい、ビニルアルコール単位以外の単量体単位を有する共重合体であってもよい。ビニルアルコール系樹脂としては、炭素数4以下のα−オレフィン単位を含む共重合体が好ましく、エチレン単位を含む共重合体、すなわちエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)がより好ましい。このような共重合体を用いることで、熱融着性と、この熱融着層13自体のガスバリア性とをより良好なものとすることができる。
熱融着層13におけるビニルアルコール系樹脂の含有量の下限としては、例えば50質量%であり、70質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。熱融着層13には、ビニルアルコール系樹脂以外の他の成分が含有されていてもよい。この他の成分としては、例えば他の樹脂、フィラー、金属塩等の各種添加剤を挙げることができる。
熱融着層13の平均厚さとしては特に限定されないが、例えば下限として5μm、上限として200μmとすることができる。熱融着層13の平均厚さを上記下限以上とすることで十分な熱融着性を発揮することができる。一方、熱融着層13の平均厚さを上記上限以下とすることで、熱融着層13端面からのガスの透過を十分に抑えることができる。
熱融着層13の水分率(好ましくは、芯材11の封止直後の熱融着層13の水分率)の上限としては、2質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましく、0.3質量%がよりさらに好ましく、0.2質量%が特に好ましい。熱融着層13の水分率を上記上限以下とすることにより、熱融着層13から真空断熱材10内部への水分の揮発が抑えられ、初期段階からの断熱性を効果的に高めることができる。一方、この水分率の下限としては、例えば0.01質量%である。
熱融着層13は、市販のビニルアルコール系樹脂フィルムを用いることができる。このフィルムは、無延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。
(ガスバリア層14)
ガスバリア層14は、熱融着層13の外面側に積層されている。ガスバリア層14により、当該真空断熱材10は、高い真空度を長期間維持することができる。ガスバリア層としては、金属箔又は蒸着フィルムの層が挙げられる。ガスバリア層14は、単層であってもよく、多層であってもよい。ガスバリア層14は、1枚の金属箔又は蒸着フィルムから形成されていてもよく、複数枚(例えば2枚)の金属箔又は蒸着フィルムから形成されていてもよく、1又は複数枚の金属箔と1又は複数枚の蒸着フィルムとから形成されていてもよい。なお、各金属箔又は蒸着フィルムは、例えば公知の接着剤等により層状に接着することができる。
上記金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、鉄箔等を挙げることができるが、アルミニウム箔が好ましい。上記金属箔の平均厚さとしては、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。
上記蒸着フィルムは、樹脂層と、この樹脂層に積層される蒸着層とを含む。上記樹脂層を形成する樹脂としては、ビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、ポリプロピレン等を挙げることができる。これらの中でも、ビニルアルコール系樹脂及びPETが好ましい。また、上記樹脂層を形成するビニルアルコール系樹脂としては、EVOHが好ましい。なお、これらの樹脂層は、延伸又は無延伸の公知の樹脂フィルムを用いることができる。上記蒸着層の形成材料としては、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、銀、亜鉛、シリカ、アルミナ、これらの混合物等を挙げることができる。上記蒸着層は、上記樹脂層の一方の面側のみに積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。上記蒸着フィルムの平均厚さとしては、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。
上記蒸着フィルムが、ビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層を有する場合、すなわち、ガスバリア層14が、ビニルアルコール系樹脂を含む層と、この樹脂層の少なくとも一方の面側に積層される蒸着層とを含む場合、この樹脂層中に存在する水分等のアウトガスが熱伝導率の初期値に影響を与え得る。従ってこの場合、後に詳述するように、外包材12中の水分等を低減させる本発明を採用する利点が大きい。
(外層15)
外層15は、ガスバリア層14の外面側に積層されている。外層15は、例えばPET、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂層とすることができる。この外層15としての樹脂層は、公知の延伸又は無延伸の樹脂フィルムを用いることができる。外層15としての樹脂層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
(吸着剤16)
真空断熱材10は、芯材11と共に外包材12により封止されている吸着剤16をさらに備える。この吸着剤16により、外包材12の熱融着層13からのアウトガスなどを吸着することができる。これにより、初期段階の真空度の低下を抑え、断熱性を高めることができる。なお、この吸着剤は、外部から浸入するガスも吸着し、真空度の低下を抑えている。吸着剤16の配置箇所としては特に限定されないが、芯材11と外包材12との間、又は芯材11の内部に配設されることが好ましい。
吸着剤16としては特に限定されず、例えばシリカゲル、ゼオライト、ハイドロタルサイト、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、活性炭、活性アルミナ等を用いることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
吸着剤16としては、合金系吸着剤を用いることもできる。合金系吸着剤としては、例えばバリウム−リチウム合金を含む吸着剤を用いることができ、遷移金属酸化物と金属パラジウムとの混合物や水分収着性物質などをさらに含んでいてもよい。
<真空断熱材の製造方法>
真空断熱材10は、芯材11を吸着剤16と共に外包材12で封止するといった公知の方法で得ることができるが、熱融着層13の水分等の溶存物を封止前、封止時又は封止後に除去する以下の製造方法により好適に得ることができる。
すなわち、本発明の一実施形態に係る真空断熱材の製造方法は、
外包材12に含まれる揮発成分を除去する工程(A)、及び
外包材12を用い、芯材11を含む被封止物を熱融着により封止する工程(B)
を備える。
当該製造方法によれば、外包材12に含まれる揮発成分を除去する工程(A)を有することにより、封止後の外包材12の熱融着層13からのアウトガスの発生が抑制される。従って、当該製造方法によれば、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材10を製造することができる。
当該製造方法としては、除去工程(A)と封止工程(B)とをこの順に行う製造方法(I)、除去工程(A)と封止工程(B)とを同時に行う製造方法(II)、及び封止工程(B)と除去工程(A)とをこの順に行う製造方法(III)が挙げられる。
(製造方法(I))
製造方法(I)は、除去工程(A)と封止工程(B)とをこの順に行う方法である。このように、封止を行う前に、別途外包材12に含まれる揮発成分を除去することにより、熱融着層13中の揮発成分を十分に低減することができる。以下、製造方法(I)における除去工程を除去工程(A−I)、封止工程を封止工程(B−I)とする。
除去工程(A−I)は、好ましくは、封止工程(B−I)の直前に行われる。この除去工程(A−I)は、熱融着層13に含まれる揮発成分の除去を目的とするものである。この揮発成分としては、水分の他、有機物や酸素、窒素等が挙げられる。
除去工程(A−I)における揮発成分の除去方法としては特に限定されないが、加熱、真空乾燥、及びこれらの併用などにより行うことができる。これらの中でも、加熱と真空乾燥との併用が、揮発成分の除去能や除去効率などの点から好ましい。また、加熱により行う場合は、熱風乾燥により行うことが好ましい。この際の加熱温度の下限としては、例えば80℃であり、100℃であることが好ましい。加熱温度を上記下限以上とすることで、揮発成分除去の効率性を高めることができる。一方、この上限としては、例えば150℃である。加熱温度が上記上限を超える場合、熱融着層13が融解し、望まない融着が生じる場合などがある。また、除去工程(A−1)の処理時間(乾燥時間)としては、例えば30分以上10時間以下とすることができる。この乾燥は、公知の真空乾燥器、熱風乾燥器等により行うことができる。
この除去工程(A−I)においては、シート状の外包材12に対して揮発成分の除去を行ってもよいし、袋状の外包材12に対して揮発成分の除去を行ってもよい。袋状の外包材12は、熱融着層13同士を重ね合わせた一対のシート状の外包材12の周辺部を一部残してヒートシールすることにより得ることができる。また外包材12と芯材11とを同時に乾燥することもできる。例えば芯材11を袋状の外包材12に挿入、開口した状態で揮発分を除去できる。
封止工程(B−I)は、除去工程(A−I)を経た外包材12を用い、芯材11を含む被封止物を熱融着により封止する工程である。本工程(B−I)は、例えば袋状の外包材12に芯材11及び吸着剤16を挿入し、所定の圧力にまで減圧(脱気)した後、袋状の外包材12の開口部を熱融着することにより行うことができる。この際の圧力としては、1000Pa以下の状態をいい、100Pa以下の状態であることが好ましく、10Pa以下の状態であることがより好ましい。また、芯材11も、外包材12に挿入する前に、乾燥させて水分等を十分に除去しておくことが好ましい。本工程(B−I)は、公知の真空断熱材製造装置を用いて行うことができる。
(製造方法(II))
製造方法(II)は、上記封止工程(B)を、外包材12及び上記被封止物(芯材11及び吸着剤16)を40℃以上に加熱しながら行うことにより、上記除去工程(A)と上記封止工程(B)とを同時に行う方法である。このように除去工程(A)と封止工程(B)とを同時に行うことで、熱融着層13中の揮発成分の除去と、揮発成分が除去された外包材12による封止とを効率的に行うことができる。以下、この製造方法(II)における、揮発成分の除去を行いながら封止を行う工程を封止工程(B−II)とする。
上記封止工程(B−II)は、外包材12及び被封止物(芯材11及び吸着剤16)を40℃以上に加熱しながら封止を行うこと以外は、上記製造方法(I)における工程(B−I)と同様である。この加熱により、外包材12の熱融着層13中の揮発成分を十分に除去することができる。この加熱温度の下限は、40℃であるが、70℃が好ましく、90℃がより好ましい。一方、この加熱温度の上限としては、外包材12を形成する材料の融点未満であり、例えば150℃である。外包材12を形成する材料の融点未満で加熱することにより、望まない変形や融着を防止することができる。
上記封止工程(B−II)における加熱方法としては特に限定されないが、工程(B−II)の際の雰囲気温度を40℃以上とする方法や、封止の際、芯材11等が挿入された外包材12の表及び/又は裏を40℃以上の熱板で押圧する方法等により行うことができる。
(製造方法(III))
製造方法(III)は、上記封止工程(B)後に得られた真空断熱材10を加熱することにより、熱融着層13からのアウトガスの発生を促進し、そのアウトガスを吸着剤16で吸着することにより、上記除去工程(A)を上記封止工程(B)の後に行う方法である。以下、この製造方法(III)における、加熱−吸着工程を除去工程(A−III)とする。
上記除去工程(A−III)における加熱温度の下限は、40℃であるが、70℃が好ましく、90℃がより好ましい。一方、この加熱温度の上限としては、外包材12を形成する材料の融点未満であり、例えば150℃である。
なお、上記除去工程(A−III)を行う場合は、除去工程(A−III)完了時を真空断熱材10の作製時とする。除去工程(A−III)完了時は、例えば加熱終了時とすることができる。また、上記除去工程(A−III)に要する時間としては、例えば48時間とすることができる。
(その他の製造方法)
当該製造方法としては、上記製造方法(I)〜(III)以外の方法であってもよい。他の製造方法としては、例えば製造方法(I)の除去工程(A−I)と製造方法(II)の封止工程(B−II)とを組み合わせ、封止前に揮発成分の除去を行い、かつ揮発成分を除去しながら封止を行う方法が挙げられる。このような、外包材12に含まれる揮発成分を除去する工程(A−I)、及び外包材12及び上記被封止物(芯材11及び吸着剤16)を40℃以上に加熱しながら、上記被封止物を熱融着により封止する工程(B−II)を備える製造方法によれば、封止前と封止時の双方での揮発成分の除去により、初期段階の熱伝導率がより十分に低減された真空断熱材10を得ることができる。
<真空断熱材用外包材>
本発明の一実施形態に係る真空断熱材用外包材は、ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層と、この熱融着層の外面側に積層されるガスバリア層とを有し、上記熱融着層の水分率が2質量%以下である。ここで、この真空断熱材用外包材における内側及び外側とは、真空断熱材の外包材として用いる際の内側及び外側を意味するものである。
当該真空断熱材用外包材は、図1の真空断熱材10が備える外包材12と同様である。当該真空断熱材用外包材は、層構造のシート状であってよく、袋状等に加工されたものであってもよい。当該真空断熱材用外包材は、例えば各層を形成するフィルムを公知の方法によりラミネートした後、乾燥させることなどにより得ることができる。
当該真空断熱材用外包材によれば、熱融着層からのアウトガスの発生が抑えられ、初期段階から高い断熱性を有し、その断熱性を長期間維持することができる真空断熱材を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明の真空断熱材、真空断熱材の製造方法及び真空断熱材用外包材は上述した実施の形態に限定されるものでは無い。例えば、真空断熱材の外包材としては、熱融着層とガスバリア層とのみを有し、外層を有しないものであってもよい。真空断熱材においては、吸着剤は封止されていなくてもよい。また、上述した製造方法(I)〜(III)は、熱伝導率の経時変化が上記式(1)を満たさない又は満たすか否かが不明な真空断熱材の製造にも用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各測定は、以下の方法によって実施した。
(1)真空断熱材の熱伝導率
得られた真空断熱材を20℃で7日間保管した後、熱伝導率測定装置(英弘精機社の「HC−074型」)用い、真空断熱材の一方の面側を38℃とし、他方の面側を10℃とすることで、真空断熱材の熱伝導率を測定した。7日後以降は真空断熱材を100℃の環境下で9時間保管し、その後20℃で15時間保管するという操作を毎日繰り返した。測定は、真空断熱材を作製してから7、37、82、117及び147日後にそれぞれ行った。
(2)熱融着層の水分率
封止された直後の真空断熱材を速やかに開封し、外包材(外装袋)を切り取った。カールフィッシャー微量水分測定装置(三菱化成社の「CA−06型」)を用い、切り取った外包材を205℃にて加熱した際に発生する水分の量を測定した。また、同様の方法により、上記外包材から熱融着層を除いた構造のラミネート体についても、水分の量を測定した。このラミネート体は、乾燥状態が同様になるように、真空断熱材の製造の際に外包材の外面に固定しておいた(下記実施例10参照)。上記外包材の水分量と、上記熱融着層を除いた構造のラミネート体の水分量との差に基づき、熱融着層の水分率を算出した。
実施例及び比較例で用いた各フィルム等は、以下の通りである。
PETフィルム:平均厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社の「ルミラー(登録商標)」)
OPAフィルム:平均厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ社の「エンブレム(登録商標)ON−BC」)
OPPフィルム:平均厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社の「パイレンフィルム−OT(登録商標)」)
VM−PETフィルム:平均厚さ12μmのアルミ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社の「VM−PET1510」)
VM−EVOHフィルム:平均厚さ15μmのアルミ蒸着二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレ社の「エバール(登録商標)VM−XL」)
アルミ箔:平均厚さ6.5μmのアルミニウム箔
EVOHフィルム:平均厚さ30μmの無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレ社の「エバール(登録商標)EF−E」)
PEフィルム:平均厚さ50μmのポリエチレンフィルム(タマポリ社の「A−1」)
合金:サエス・ゲッターズ・エス・ピー・エー社の「コンボゲッター(登録商標)」
[実施例1]
以下の方法で「PET/OPA/アルミニウム/EVOH」の各層を有する外包材を作製した。なお、PET及びOAPが外層、アルミニウムがガスバリア層、EVOHが熱融着層となる。
上記PETフィルム、OPAフィルム、アルミ箔及びEVOHフィルムを用意した。これらのうち、PETフィルム、OPAフィルム及びEVOHフィルムの片面のそれぞれに2液型の接着剤(三井化学社の「A−520」及び「A−50」)を塗布し、PET層/接着剤層/OPA層/接着剤層/アルミニウム層/接着剤層/EVOH層という構成となるように、PETフィルム、OPAフィルム、アルミ箔及びEVOHフィルムをラミネートすることによって、外包材を得た。
得られた外包材を68cm×75cmのサイズに2枚裁断した。その裁断した2枚の外包材をEVOH層同士が内面となるように重ね合わせ、3方を10mm幅でヒートシールすることにより、短辺側に開口部を有する3方袋である外装袋を得た。
機内温度を105℃とした熱風乾燥機(タバイ エスペック社の「PHH−400型」)の機内に、得られた外装袋(外包材)を入れ、事前乾燥として3時間の乾燥を行った。
機内温度を160℃とした熱風乾燥機(田中化学機械製造所社製)の機内に、平面サイズが60cm×60cm×1.5cmであるガラスファイバーからなる板状の断熱性の芯材を入れ、1時間乾燥を行った。
所定時間乾燥した後、外装袋及び芯材をそれぞれ熱風乾燥機より取り出した。その後、速やかに外装袋の開口部から芯材及び吸着剤としての酸化カルシウム入り小袋を挿入し、真空断熱パネル製造装置(株式会社エヌ・ピー・シー社の「KT500−RD型」)を用いて、開口部をヒートシールすることにより、実施例1の真空断熱材を得た。なお、真空チャンバー内に設置された熱板を100℃とし、内部圧力1.2Paの状態で外装袋を密封した。また、上記熱板は、芯材及び吸着剤が挿入された外装袋の表面を押圧するように構成されており、これにより、外装袋及び被封止物(芯材及び吸着剤)が熱板の温度に加熱されることとなる。
[実施例2〜9、12〜16、比較例1〜5、7]
外包材の層構造、事前乾燥の有無、吸着剤の種類及びその有無、並びに封止時の熱板温度を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜9、12〜16、及び比較例1〜5、7の各真空断熱材を得た。
[実施例10]
以下の方法で「OPP/アルミニウム/EVOH」の各層を有する外包材及び「OPP/アルミニウム」の各層を有するラミネート体を作製した。なお、上記外包材において、OPPが外層、アルミニウムがガスバリア層、EVOHが熱融着層となる。
上記OPPフィルム、アルミ箔及びEVOHフィルムを用意した。これらのうち、OPPフィルム及びEVOHフィルムの片面のそれぞれに2液型の接着剤(三井化学社の「A−520」及び「A−50」)を塗布し、OPP層/接着剤層/アルミニウム層/接着剤層/EVOH層という構成となるように、OPPフィルム、アルミ箔及びEVOHフィルムをラミネートすることによって、外包材を得た。また、別途OPPフィルム及びアルミ箔の片面のそれぞれに2液型の接着剤(三井化学社の「A−520」及び「A−50」)を塗布し、OPP層/接着剤層/アルミニウム層/接着剤層という構成となるように、OPPフィルム及びアルミ箔をラミネートすることによって、ラミネート体を得た。
得られた外包材を68cm×75cmのサイズに2枚裁断した。その裁断した2枚の外包材をEVOH層同士が内面となるように重ね合わせ、3方を10mm幅でヒートシールすることにより、短辺側に開口部を有する3方袋である外装袋を得た。また、得られたラミネート体を20cm×20cmのサイズに裁断した。裁断したラミネート体を、OPP層が外装袋に接するように外装袋外面に置き、ラミネート体の四隅を粘着テープで固定した。
機内温度を105℃とした熱風乾燥機(タバイ エスペック社の「PHH−400型」)の機内に、上記ラミネート体を貼り付けた外装袋を入れ、事前乾燥として3時間の乾燥を行った。
機内温度を160℃とした熱風乾燥機(田中化学機械製造所社製)の機内に、平面サイズが60cm×60cm×1.5cmであるガラスファイバーからなる板状の断熱性の芯材を入れ、1時間乾燥を行った。
所定時間乾燥した後、ラミネート体を貼り付けた外装袋及び芯材をそれぞれ熱風乾燥機より取り出した。その後、速やかに外装袋の開口部から芯材及び吸着剤としての酸化カルシウム入り小袋を挿入し、真空断熱パネル製造装置(エヌ・ピー・シー社の「KT500−RD型」)を用いて、開口部をヒートシールすることにより実施例10の真空断熱材を得た。なお、真空チャンバー内に設置された熱板を100℃とし、内部圧力1.2Paの状態で外装袋を密封した。また、外装袋外面に貼り付けられたラミネート体は、熱融着層の水分率の測定の際の参照物として用いた(後述)。
[実施例11、比較例6]
外包材(外装袋)の層構造、事前乾燥の有無、吸着剤の種類及びその有無、並びに封止時の熱板温度を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例10と同様にして、実施例11及び比較例6の各真空断熱材を得た。
[評価]
得られた各真空断熱材について、上記(1)の方法により熱伝導率を測定した。測定結果を表1に示す。また、実施例10、11及び比較例6の真空断熱材については、熱融着層を有さない構造のラミネート体も用いて、上記(2)の方法により熱融着層の水分率を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006929223
表1において、外包材の各層は、左端の外層が最外層、熱融着層が最内層であり、表に記載の順の積層構造となっている。また、「外層/ガスバリア層」の欄の「−」は、層を有しないことを示し、「吸着剤」の欄の「−」は、吸着剤を用いていないことを示す。「熱融着層水分率」の欄の「−」は、測定していないことを示す。
Figure 0006929223
表2に示されるように、実施例1〜16の各真空断熱材は、熱伝導率の初期値(7日後の伝導率)から極小値までの間における最大値(T:いずれも初期値)に対する熱伝導率の極小値(T)の比(T/T)が0.8以上1以下である。これらの各真空断熱材は、熱伝導率の初期値がいずれも0.0030W/(m・K)以下と低い。また、これらの各真空断熱材は、147日後の熱伝導率が、7日後の熱伝導率(初期値)以下であり、優れた断熱性が長期間持続することがわかる。
一方、比(T/T)が0.8未満である比較例1、3、6及び7の真空断熱材は、初期段階の断熱性が低い。また、熱融着層がポリエチレンから形成されている比較例2、4及び5の真空断熱材は、初期段階の断熱性は低いものの、147日後の熱伝導率が、7日後の熱伝導率(初期値)に比べて大きく(15%以上)上昇しており、断熱性の維持性能に劣ることがわかる。
本発明の真空断熱材は、冷蔵庫、給湯設備、炊飯器等の家電製品用の断熱材;壁部、天井部、屋根裏部、床部等に用いられる住宅用断熱材;車両屋根材;自動販売機等の断熱パネルなどに利用できる。
10 真空断熱材
11 芯材
12 外包材
13 熱融着層
14 ガスバリア層
15 外層
16 吸着剤

Claims (7)

  1. 芯材、及びこの芯材を真空状態で封止する外包材を備える板状の真空断熱材であって、
    上記外包材が、ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層と、この熱融着層の外面側に積層されるガスバリア層とを有し、
    表面と裏面との間の熱伝導率の経時変化が下記式(1)を満たし、
    上記熱融着層の水分率が2質量%以下であり、
    上記ビニルアルコール系樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体である真空断熱材。
    Figure 0006929223
    (式(1)中、Tは、上記熱伝導率の極小値である。Tは、上記熱伝導率の初期値から極小値までの間における最大値である。)
  2. 上記外包材に封止されている吸着剤をさらに備える請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 上記ガスバリア層が、ビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層と、この樹脂層の少なくとも一方の面側に積層される蒸着層とを含む請求項1又は2に記載の真空断熱材。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の真空断熱材の製造方法であって、
    上記外包材に含まれる揮発成分を除去する工程、及び
    上記外包材を用い、上記芯材を含む被封止物を熱融着により封止する工程
    を備える真空断熱材の製造方法。
  5. 上記除去工程と上記封止工程とをこの順に行う請求項に記載の真空断熱材の製造方法。
  6. 上記封止工程を、上記外包材及び上記被封止物を40℃以上に加熱しながら行うことにより、
    上記除去工程と上記封止工程とを同時に行う請求項に記載の真空断熱材の製造方法。
  7. ビニルアルコール系樹脂を含み最内に配設される熱融着層と、この熱融着層の外面側に積層されるガスバリア層とを有し、
    上記熱融着層の水分率が2質量%以下であり、
    上記ビニルアルコール系樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体である真空断熱材用外包材。
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