JP6928750B1 - 顔料組成物およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、鮮明性、分散性および結晶安定性が良好な顔料組成物の提供を目的とする。【解決手段】C.I.Pigment Red 269、およびC.I.Pigment Red 150を含む複合顔料粒子を含有する顔料組成物であって、前記複合顔料粒子100モル%中のC.I.Pigment Red 150の含有量が10〜50モル%である、顔料組成物。なお、前記複合顔料粒子のCuKα線を用いた粉末X線回折が、回折角(2θ)=13.5〜14.5°の範囲内に極大ピークを有しないことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、複合顔料粒子を含む顔料組成物およびその用途に関する。
赤色からマゼンタ色相を再現できる有機顔料は、例えば、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、キナクリドン顔料等があり、プラスチック製品やトナー、塗料、及び印刷インキ等の用途で使用されている。これらのうち、溶性アゾ顔料は、鮮明な色相や高い着色力を有し、安価という利点がある反面、堅牢性が不十分であること、また用途によっては、顔料のレーキ化に使用される金属イオンの存在が印刷諸特性に悪影響を及ぼすといった課題がある。一方、キナクリドン顔料では、堅牢性や鮮明性の点で他の顔料よりも優れた特性を有しているが、着色力や分散安定性が他の顔料に比べ大きく劣り、さらに高価である。これに対し、不溶性アゾ顔料に分類されるナフトール系アゾ顔料は、製造コスト、着色力、堅牢性のバランスが良好であることから、各用途において使用が検討されている。しかし、鮮明性や分散性が不十分であることや、分散媒によっては顔料結晶が成長してしまうといった、結晶安定性に欠点を有する。
そのため、例えば、デジタル印刷の分野においては、ナフトール系アゾ顔料とキナクリドン顔料を併用し、画像の鮮明性、着色力をお互いに補完しているのが現状である。(特許文献1)
これらの問題を解決すべく、特許文献2では、特定構造を有する2種以上のナフトール系アゾ顔料を含む組成物が開示されている。
特開2002−156795号公報 特開2005−107147号公報
しかし、従来の組成物は、鮮明性、分散性および結晶安定性が不足する問題があった。
本発明は、鮮明性、分散性および結晶安定性が良好な顔料組成物の提供を目的とする。
本発明の顔料組成物は、C.I.Pigment Red 269、およびC.I.Pigment Red 150を含む複合顔料粒子を含有する顔料組成物であって、
前記複合顔料粒子100モル%中のC.I.Pigment Red 150の含有量が10〜50モル%である。
また本発明は、前記複合顔料粒子のCuKα線を用いた粉末X線回折が、回折角(2θ)=13.5〜14.5°の範囲内に極大ピークを有しない、上記顔料組成物に関する。
また本発明は、前記顔料組成物及び分散媒体を含む、着色組成物に関する。
また本発明は、前記分散媒体が樹脂を含む、上記着色組成物に関する。
また本発明は、前記着色組成物を含む成形用樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記着色組成物を含むトナーに関する。
また本発明は、前記着色組成物を含む、塗料に関する。
また本発明は、前記着色組成物を含む、印刷インキに関する。
また本発明は、前記着色組成物を含む、インクジェットインキに関する。
上記の本発明によれば、鮮明性、分散性および結晶安定性が良好な顔料組成物、着色組成物、成形用樹脂組成物、トナー、塗料、印刷インキ、インクジェットインキを提供できる。
図1は、実施例3で得た顔料組成物のCuKα線による粉末X線回折スペクトルである。 図2は、比較例1で得た顔料組成物のCuKα線による粉末X線回折スペクトルである。 図3は、C.I.Pigment Red 150(東京色材工業社製、Toshiki Red 150TR)のCuKα線による粉末X線回折スペクトルである。 図4は、比較例8で得た顔料組成物のCuKα線による粉末X線回折スペクトルである。
本明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。固溶体は、2つ顔料を含む複合顔料のX線回折が、一方の顔料(ホスト)の結晶格子を示し、他方の顔料(ゲスト)がホスト成分の結晶格子の中に埋没している態様をいう。
本発明の顔料組成物は、C.I.Pigment Red 269、およびC.I.Pigment Red 150を含む複合顔料粒子を含有する顔料組成物であって、
前記複合顔料粒子100モル%中のC.I.Pigment Red 150の含有量が10〜50モル%である。本発明において複合顔料粒子は、固溶体である。
固溶体のような複合顔料粒子は、ホスト成分とゲスト成分それぞれの欠点を互いに補完し合う性質や、ホスト成分が本来有する特性を向上させる性質がある。本発明の顔料組成物は、複合顔料粒子を含有するため、ホスト成分であるC.I.Pigment Red 269の低い分散性をゲスト成分のC.I.Pigment Red 150が補完し、C.I.Pigment Red 150の低い結晶安定性をC.I.Pigment Red 269が補完することに加え、C.I.Pigment Red 269が有する鮮明性を向上できる。そのため、C.I.Pigment Red 150の含有量が10モル%以上になると分散性が向上する。また、C.I.Pigment Red 150の含有量が50モル%以下になると結晶安定性が向上する。なお、C.I.Pigment Red 150の含有量は、20〜40モル%が好ましい。
なお、顔料が固溶体を形成しているか否かについては、X線回折分析などによって容易に検証することができる。複数の顔料を単純に混合したものを試料とした場合、得られるX線回折パターンは、各顔料のX線回折パターンを重ね合わせたものとなり、また各回折ピークの強度は、各顔料の配合比率に依存する。これに対して、複数の顔料が固溶体を形成している場合、当該複数の顔料を単純に混合した場合とは異なるX線回折パターンが得られる。具体的には、各回折ピークの強度が顔料の配合比率に依存しない、回折ピークの半値幅が大きくなる、等の現象が見られる。
C.I.Pigment Red 269の構造を下記化学式(1)に示す。また、C.I.Pigment Red 150の構造を下記化学式(2)に示す。
Figure 0006928750
本発明の顔料組成物は、前記複合顔料粒子のCuKα線を用いた粉末X線回折が、回折角(2θ)=13.5〜14.5°の範囲に極大ピークを有しないことが好ましい。回折角(2θ)=13.5〜14.5°にC.I.Pigment Red 150由来の極大ピークが現れる場合よりも結晶安定性がより向上するためである。
また、本発明の顔料組成物は、回折角(2θ)=12.5〜13.5°の範囲に極大ピークを有することが好ましい。本発明において、回折角(2θ)=13.5〜14.5°の範囲に極大ピークを有しないとは、C.I.Pigment Red 150に由来するピークが、回折角(2θ)=12.5〜13.5°の範囲に現れる極大ピークの肩ピーク(ショルダーピーク)としても観測されないことを意味する。
本発明の顔料組成物は、C.I.Pigment Red 269、およびC.I.Pigment Red 150を含む複合顔料粒子を含有し、前記複合顔料粒子100モル%中のC.I.Pigment Red 150の含有量が10〜50モル%であればよく、製造方法は限定されない。
本発明の顔料組成物の製造には、公知のアゾ顔料の合成方法を使用できる。具体的には、ベース成分である3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドをジアゾ化したジアゾニウム塩と、C.I.Pigment Red 269のカップラー成分であるN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド、及びC.I.Pigment Red 150のカップラー成分である3−ヒドロキシ−2−ナフトアミドとをカップリング反応させることで製造することができる。
具体的には、ベース成分をジアゾ化することで得られるジアゾ成分を含む溶液と、カップラー成分を含む溶液をそれぞれ調整し、カップリングさせる。カップラー成分を含む溶液には、カップラー成分であるN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミドと3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド両者を含有する一つの溶液を調整してカップリングに使用することで、本発明の顔料組成物を得ることができる。または、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミドのみを含む溶液、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミドのみを含む溶液それぞれを調整し、段階的にカップリングしても良い。後者の場合、C.I.Pigment Red 269のカップラー成分であるN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミドを含む溶液から順にカップリングさせることで、顔料組成物を得ることができる。
前記カップラー成分を含む溶液は、加熱した塩基性水溶液中に、カップラー成分を溶解させることで調製することができる。また、室温(10℃〜30℃程度)で、水、水溶性有機溶剤、カップラー成分、塩基を混合することで溶解しても良い。溶解温度は、添加する水溶性有機溶剤の量、種類、水の量、塩基の種類、量により異なるが、水溶性有機溶剤を含む場合は15〜50℃程度が好ましい。水溶性有機溶剤を含まない場合は50〜95℃が好ましい。
塩基は、例えば、水に溶解し、カップラー成分を溶解させることができ、後述の酸水溶液またはジアゾ成分を含む溶液中の酸と中和した際に不溶の塩を作らない塩基が好ましい。塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。これにより、コスト、カップラー成分の溶解力、廃液処理等の面が良好になる。
ジアゾ成分を含む溶液は、ベース成分である3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドをジアゾ化することで得られる。ジアゾ化の方法は公知の方法を使用できる。例えば、ベース成分を氷水にリスラリーした溶液に塩酸を加えて溶かし、亜硝酸ナトリウムを加えることでジアゾ化を行うことができる。また、ジアゾ成分を含む溶液に水溶性有機溶剤を添加しても構わない。
カップラー成分を含む溶液、及びジアゾ成分を含む溶液に使用可能な水溶性有機溶剤は、例えば、水と自由に混合できる範囲であればどのような水溶性有機溶剤を用いても構わないが、水溶性有機溶剤は、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の2価アルコール類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の1価アルコール類等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の添加量は、水溶性有機溶剤の種類によるが、カップラー成分を含む溶液、ジアゾ成分を含む溶液のいずれに添加する場合も、カップリング後のスラリー全体100質量%中、1〜50質量%が好ましい。
カップリングの方法は、例えば、逆カップリング、正カップリング、酸析正カップリング等が挙げられる。これらの中でも粒径制御及び反応収率の観点から、後述する逆カップリング、または酸析正カップリングが好ましい。
逆カップリングの方法は、例えば公知の方法を用いることができ、ジアゾ成分を含む溶液にカップラー成分を含む溶液を加える方法が挙げられる。カップリング時の温度は0〜50℃が望ましく、ジアゾ成分の変質、分解の抑制と反応速度の観点から、特に10〜30℃ が望ましい。
ジアゾ成分を含む溶液にはあらかじめ緩衝液を加えても良い。緩衝液の種類は、例えば緩衝能を持つものであれば何を用いても構わないが、酢酸−酢酸ナトリウム水溶液を用いるのが好ましい。緩衝液を加える場合はジアゾ成分を含む溶液のpHは3.0〜6.5の範囲に調整することが望ましい。反応速度向上と分散性向上の観点から、必要に応じてカップリング後のスラリーを加熱することが好ましい。
酸析正カップリングの方法は、例えば、公知の方法を用いることができ、カップラー成分を含む溶液を酸水溶液と反応させることで酸析カップラースラリーを得た後、得られた酸析カップラースラリーにジアゾ成分を含む溶液を加えてカップリング反応させる方法が挙げられる。酸析中の酸水溶液の温度は任意の温度を選ぶことができるが、0〜30℃で行うことが好ましい。反応速度向上の観点から、酸析カップラースラリーは、ジアゾ成分を含む溶液を加える前に、必要に応じて加熱することが好ましい。ただし、温度が高くなりすぎるとジアゾ成分が、変質、分解し易くなるため、カップリング反応時の酸析カップラースラリーの温度は、50℃以下であることが好ましい。
また、ジアゾ成分を含む溶液を加える前の酸析カップラースラリーのpHは、2.0〜6.5の範囲であることが好ましい。pHが2.0未満の場合は、ジアゾ成分を含む溶液を添加した後の反応速度が極端に遅くなり、pHが6.5 を越える場合には、ジアゾ成分が変質し易くなるため好ましくない。pHの調整のために用いる酸は、水に溶解する酸であれば、どのような酸でも使用できるが、塩酸または酢酸のいずれか、または塩酸と酢酸を混合して用いることが好ましい。
酸の添加方法は、あらかじめ酸析に用いる酸を、カップラー成分を含む溶液の塩基の当量よりも過剰にしてもよく、ベースの溶解時にあらかじめ添加してもよく、ジアゾ溶液に添加してもよく、酸析後のカップラースラリーに、後から必要な量を添加しても構わない。また、反応速度向上と分散性向上の観点から、必要に応じてカップリング後のスラリーを加熱することが好ましい。
本発明の顔料組成物を製造する際、必要に応じて種々の添加剤を使用できる。添加剤は、例えば、界面活性剤、樹脂等が挙げられる。添加剤はあらかじめカップラー成分を含む溶液、ジアゾ成分を含む溶液または酸析用の酸液に加えて使用してもよく、カップリング反応後のスラリー中に加えて使用してもよく、カップリング反応後の顔料を濾別及び洗浄した顔料プレスケーキを再度スラリー状とした中に加えてもよい。また、後述するアシッドペースティングに代表される公知の溶解析出法や、ソルベントソルトミリング法を行う際に加えても良い。カップラー成分を含む溶液に加える場合はカップラーを溶解する前に加えてもよく、また酸析を行った後に加えても構わない。
界面活性剤は、例えば、アニオン性、ノニオン性または両性の界面活性剤が挙げられる。カップラー成分を含む溶液に界面活性剤を加える場合は、アニオン性または両性界面活性剤が好ましい。酸析用の酸液または酸析カップラースラリーに界面活性剤を添加する場合は、ノニオン性界面活性剤も好ましい。
アニオン性界面活性剤は、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
両性界面活性剤は、例えば、ベタイン、スルホベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
これらの中でも両性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の組み合わせが好ましい。
界面活性剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
界面活性剤の使用量は、顔料組成物100質量%中、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
樹脂は、例えば、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、マレイン酸−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−(無水)マレイン酸共重合体、αオレフィン−(無水)マレイン酸共重合体、αオレフィン−マレイン酸アルキルエステル共重合体、ポリエステル変性アクリル酸重合体などの酸基を有する樹脂、アクリル系共重合体及びこれらの塩等が挙げられる。
樹脂は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
樹脂の使用量は、顔料組成物100質量%中、0.1〜100質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
樹脂と塩を形成できる化合物は、例えば、無機塩基、有機塩基等の塩基性化合物が挙げられる。
無機塩基は、例えば、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム,メタ珪酸ナトリウム,セスキ珪酸ナトリウム等の珪酸のアルカリ金属塩、リン酸三ナトリウム等のリン酸のアルカリ金属塩、炭酸二ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸二カリウム等の炭酸のアルカリ金属塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸のアルカリ金属塩、アンモニア;
有機塩基は、例えば、メチルアミン,ジメチルアミン,トリメチルアミン,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン等のアルキルアミン、アミノエタノール,メチルアミノエタノール,ジメチルアミノエタノール,エチルアミノエタノール,ブチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール,ジブチルアミノエタノール、ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、メトキシポリ(オキシエチレン/ オキシプロピレン)−2−プロピルアミン等のノニオン性基を有するアミン等が挙げられる。
塩基性化合物は、単独または2種以上を併用して使用できる。
本発明の顔料組成物の製造には、アシッドペースティングに代表される公知の溶解析出法を使用できる。具体的には、顔料(C.I.Pigment Red 269及びC.I.Pigment Red 150)を良溶媒に溶解し、それを大過剰の貧溶媒と混合させて顔料組成物粒子を析出させ、溶媒を濾別または留去することによって、顔料組成物を製造することができる。
ここで良溶媒は、例えば、顔料を溶解できるものであれば特に限定されないが、無機酸(硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、塩酸、燐酸等)やその水溶液、有機酸(ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸等)、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等)やその水溶液、有機塩基(トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド等)、アルコール系溶媒(メタノール、n−プロパノール、tert−アミルアルコール等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(オクタン等)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒などが挙げられる。良溶媒の使用量は、顔料を溶解できる量であれば特に限定されないが、工業的な経済性の点から、顔料100質量部に対して、100〜5000質量部が好ましく、500〜3000質量部がより好ましい。
顔料を溶解させるときの温度は、−10〜200℃が好ましく、−10〜130℃がより好ましく、−10〜100℃がさらに好ましい。
貧溶媒は、例えば、良溶媒に溶解させた顔料を含む溶液と混合させた際に、顔料が析出するものであれば特に限定されないが、水系溶媒(水、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液等)などが好適に挙げられる。貧溶媒の使用量は、工業的な経済性の点から、顔料を含む溶液100質量部に対し、50〜5000質量部が好ましく、100〜3000質量部がより好ましい。
析出温度は、−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃がさらに好ましい。
顔料溶液と貧溶媒との混合方法は特に限定されず、顔料を完全に析出できればどのような方法で混合してもよい。例えば、顔料溶液を予め調製した氷水に注入する方法、及びアスピレーターなどの装置を使用して流水中に連続的に注入する方法などによって複合顔料粒子を析出できる。
本発明の顔料の製造は、公知のソルベントソルトミリング法を使用できる。具体的には、顔料(C.I.Pigment Red 269及びC.I.Pigment Red 150)、水溶性無機塩及び水溶性溶剤の少なくとも三成分からなる粘土状の混合物を、ニーダー等を使用して強力に混練する。混練後の混合物を水中に投入し、各種撹拌機で撹拌してスラリー化する。得られたスラリーを濾過することにより、水溶性無機塩及び水溶性溶剤を除去して、複合顔料粒子を得る。
水溶性無機塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、及び塩化カリウムなどを使用できる。これらの無機塩は、顔料の1質量倍以上、好ましくは20質量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量を1質量倍以上とした場合、顔料を十分に微細化できる。また、無機塩の量を20重量倍以下とした場合、混練後に水溶性の無機塩及び水溶性溶剤を除去するための多大な労力が不要であると同時に、一回に処理できる顔料の量が減少しないため、生産性の観点で好ましい。
ソルベントソルトミリングでは混練に伴って発熱することが多いため、安全性の観点から、沸点が120〜250℃程度の水溶性溶剤を使用することが好ましい。水溶性溶剤は、例えば、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及び低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
水溶性溶剤の使用量は、顔料100質量部に対し5〜1,000質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。水溶性溶剤の使用量を適切に選択することで、混練物をソルベントソルトミリング処理に適した粘度にすることができる。
ソルベントソルトミリングの際の混練温度は、−10℃〜300℃が好ましく、30℃〜90℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリングの際の混練時間は、0.1〜100時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
溶解析出法及びソルベントソルトミリング法を実施する場合、市販のC.I.Pigment Red 269及びC.I.Pigment Red 150を使用してもよく、または前記アゾ顔料の合成方法で得られる顔料組成物を使用してもよい。
ナフトール系アゾ顔料では、しばしば原材料に起因する芳香族アミンや、カップラー成分が組成物中に残存し、鮮明性や着色力の低下、印刷適性上や安全衛生上の問題が発生する場合ある。そのため、顔料中の芳香族アミン及びカップラー成分の含有量を抑制することが好ましい。
芳香族アミンの総含有量は、顔料組成物100質量%中、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、300ppm以下がさらに好ましい。また、カップラー成分の総含有量は、顔料組成物100質量%中、30000ppm以下が好ましく、20000ppm以下がより好ましく、10000ppm以下がさらに好ましい。
本発明の着色組成物は、上記顔料組成物及び分散媒体を含む。
<分散媒体>
分散媒体は、樹脂、及び溶剤である。分散媒体は、着色組成物の用途に応じて、適宜選択できる。着色組成物の用途として、例えば、成形用樹脂組成物、成形体、トナー、顔料分散体、塗料、印刷インキ、及びインクジェットインキ等が挙げられる。
着色組成物は、当技術分野において公知の方法に従って、顔料組成物と、分散媒体とを混合し、分散処理して作製することが好ましい。
分散処理は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の分散装置を使用できる。
顔料組成物と分散媒体との比率は、分散媒体100質量部に対して、顔料組成物を0.001〜0.7質量倍が好ましく、0.01〜0.6質量倍がより好ましい。
上記分散媒体としての樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン共重合体、アクリル樹脂、及びこれらの変性樹脂であってよい。具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、石油樹脂、及びこれらの変性樹脂が挙げられる。
上記分散媒体として溶剤は、水、芳香族炭化水素系有機溶剤、及び脂肪族炭化水素系有機溶剤であってよい。具体的には、イオン交換水、蒸留水等の水;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶剤;アセテート系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、アルコール系有機溶剤等の脂肪族炭化水素系有機溶剤が挙げられる。より具体的には、ブチルアセテート、メチルアセテート等のアセテート系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、メトキシプロパノール、メトキシブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液体ポリプロピレングリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール等のアルコール系有機溶剤が挙げられる。
[色素誘導体]
顔料組成物及び着色組成物は、色素誘導体を含有できる。色素誘導体を含有すると複合顔料粒子の分散安定性が向上する。
色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
色素誘導体は、単独または2種以上を併用して使用できる。
着色組成物は、分散剤等公知の材料を含有できる。
以下、着色組成物の用途を例示する。
<成形用樹脂組成物>
本発明の成形用樹脂組成物は、着色組成物(顔料組成物、樹脂)を含有する。成形用樹脂組成物は、樹脂に熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂を含む成形用樹脂組成物は、溶融・混錬し、所望の形状に成形して成形体を作製することが好ましい。なお、樹脂は、熱可塑性樹脂に限定されない。
熱可塑性樹脂は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等をモノマー成分として用いたホモポリマー又はコポリマー等が挙げられる。より具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。その他の有用な樹脂の具体例として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、及び熱可塑性アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂の数平均分子量は、30,000を超え、200,000以下が好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、MFR(メルトフローレート、いわゆる溶融粘度)が0.001〜30の範囲であることが好ましい。MFRが0.001以上であれば、プラスチック成形材料の成形加工性がよく、成形体にウエルドマーク又はフローマークが発生し難い。一方、MFRが30以下であると、成形体において優れた機械物性が容易に得られる。特に、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いる場合、MFRは0.005〜10の範囲が好ましい。また、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、ポリブテンを用いる場合、MFRは0.005〜20の範囲が好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は、顔料組成物100質量部に対して、10,000〜10,000,000質量部が好ましく、10,000〜2,000,000質量部がより好ましい。
成形用樹脂組成物は、ワックスを含有できる。ワックスは、低分子量ポリオレフィンが好ましい。低分子量ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのオレフィンモノマーの重合体であり、ブロック、ランダムコポリマーまたはターポリマーであっても構わない。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)のようなα−オレフィン類の重合体である。
ワックスの数平均分子量は、1,000〜30,000が好ましく、2,000〜25,000がより好ましい。この範囲内にあることでワックスが適度に成形体表面へ移行するため、摺動性とブリードアウト抑制のバランスに優れる。
ワックスの融点は60〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましい。この範囲内にあることで熱可塑性樹脂とワックスとを溶融混練する際の加工性が良好となる。
なお、ワックスのJIS K−7210に準拠して求めたメルトフローレイト(MFR)は、100g/10分より大きいことが好ましい。
ワックスの配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
成形用樹脂組成物は、その他添加剤を含有できる。その他添加剤は、成形体の技術分野で一般に使用される材料であり、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、金属石けん、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、充填剤、上記複合顔料粒子以外の着色剤等が挙げられる。
成形用樹脂組成物は、例えば、成形体の組成比で製造できる。または、複合顔料粒子を高濃度で含有するマスターバッチとして製造できる。本明細書では、複合顔料粒子を成形体中に均一に分散し易い面でマスターバッチが好ましい。
マスターバッチは、例えば、熱可塑性樹脂と顔料組成物を溶融混練し、次いで、次工程で使用しやすい様に任意の形状に成形することが好ましい。次いで、前記マスターバッチと希釈樹脂(例えば、マスターバッチに使用した熱可塑性樹脂)とを溶融混練し、所望の形状の成形体を成形する。マスターバッチの形状は、例えば、ペレット状、粉末状、板状等が挙げられる。なお、顔料組成物の凝集を防ぐため、予め、顔料組成物とワックスを溶融混練した分散体を製造した後、熱可塑性樹脂と共に、溶融混錬してマスターバッチを製造することが好ましい。分散体に使用する装置は、例えば、ブレンドミキサーや3本ロールミル等が好ましい。
成形用樹脂組成物をマスターバッチとして製造する場合、熱可塑性樹脂100質量部に対して、顔料組成物を1〜200質量部配合することが好ましく、5〜100質量部がより好ましい。マスターバッチ(X)と、成形体の母材樹脂となる希釈樹脂(Y)との質量比は、X/Y=1/1〜1/100が好ましく、1/3〜2/100がより好ましい。この範囲にすると複合顔料粒子を成形体中に均一に分散し易くなり、良好な着色が得やすい。
希釈樹脂(Y)は、マスターバッチで使用する熱可塑性樹脂の使用が好ましいが、相溶性に問題なければ、他の熱可塑性樹脂を使用しても構わない。
溶融混練は、例えば、単軸混練押出機、二軸混練押出機、タンデム式二軸混練押出機等が挙げられる。溶融混錬温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが、通常150〜300℃程度である。
成形用樹脂組成物の用途は、例えば、成形体、シート、フィルム等が挙げられる。
成形方法は、例えば、ブロー成形、インフレーション成形、押出し成形、エンゲル成形、真空成形等が挙げられる。
<トナー>
本明細書のトナーは、着色組成物(顔料組成物、樹脂)を含有する。トナーで樹脂は、結着樹脂といい熱可塑性樹脂が好ましい。トナーは、乾式トナー、湿式トナーが挙げられる。これらの中でも乾式トナーが好ましい。例えば、乾式トナーは、顔料組成物、および結着樹脂を溶融混練し、冷却した後、粉砕、及び分級工程を行う。次いで、添加剤を配合し混合する後処理工程を行い、製造できる。
結着樹脂は、例えば、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
これらの中でもポリエステル樹脂、スチレン系共重合体が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。本明細書の顔料組成物は、ポリエステル樹脂に対する相溶性が特に優れているため、トナー中に複合顔料粒子を均一かつ微細に分散されるため、高品質のトナーが得られる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上が好ましく、10,000〜1,000,000がより好ましく、20,000〜100,000がさらに好ましい。適度なMwのポリエステル樹脂を使用すると耐オフセット性及び低温定着性が良好なトナーが得られる。
ポリエステル樹脂の酸価は、10〜60mgKOH/gが好ましく、15〜55mgKOH/gがより好ましい。適度な酸価のポリエステル樹脂を使用すると離型剤の遊離抑制し易く、高湿環境における画像濃度の低下が生じ難い。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、20mgKOH/g以下が好ましく、15mgKOH/g以下がより好ましい。適度な水酸基価のポリエステル樹脂を使用すると高湿環境で画像濃度の低下が生じ難い。なお、前記水酸基価の下限は0.1mgKOH/gである。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。適度なTgによりトナーの凝集を抑制できる。なお、Tgは、示差走査熱量計(装置:DSC−6、島津製作所社製)で測定できる。
トナーは、さらに荷電制御剤を含有できる。荷電制御剤を使用すると、帯電量の安定したトナーが得やすい。荷電制御剤は、正又は負の荷電制御剤を適宜選択して使用できる。
トナーが正帯電性トナーである場合、正の荷電制御剤は、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、有機錫オキサイド、四級アンモニウム塩化合物、及び四級アンモニウム塩を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー等が挙げられる。これらの中でも、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。四級アンモニウム塩化合物は、例えば、四級アンモニウム塩と有機スルホン酸又はモリブデン酸との造塩化合物が挙げられる。有機スルホン酸は、ナフタレンスルホン酸が好ましい。
トナーが負帯電性トナーである場合、負の荷電制御剤は、例えば、モノアゾ染料の金属錯体、スルホン酸を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、フェノール系縮合物、及びホスホニウム系化合物等が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸は、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−フェニルサリチル酸が好ましい。また、金属塩化合物に用いられる金属は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、クロム、及びアルミニウム等が挙げられる。
トナーは、離型剤を含有できる。離型剤は、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィーシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス類等が挙げられる。
トナーは、必要に応じて、滑剤、流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等を添加できる。
滑剤は、ポリフッ化ビニリデン、及びステアリン酸亜鉛等が挙げられる。流動化剤は、乾式法又は湿式法で製造したシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、および珪素チタン共酸化物、ならびにこれらを疎水性化処理物等が挙げられる。これらの中でも疎水化処理されたシリカ、珪素アルミニウム共酸化物、及び珪素チタン共酸化物微粉体が好ましい。これら微粉体の疎水化処理方法は、シリコンオイル又はテトラメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤による処理等が挙げられる。
研磨剤は、窒化珪素、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステ
ンカーバイド、炭酸カルシウム、及びこれらを疎水化処理したもの等が挙げられる。導電性付与剤は、酸化錫等が挙げられる。
また、本明細書でトナーは、一成分系現像剤、または二成分系現像剤として使用できる。二成分系現像剤は、さらにキャリアを含有できる。
キャリアは、例えば、鉄粉、フェライト粉、およびニッケル粉等の磁性粉体、ならびにこれらの表面を樹脂等による被覆処理物が挙げられる。キャリア表面を被覆する樹脂は、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、スペントトナーの形成が少ないシリコーン含有樹脂が好ましい。キャリアの重量平均粒径は30〜100μmが好ましい。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比( 質量比)は、トナー:キャリア
=1:100〜30:100が好ましい。
<顔料分散体>
着色組成物は、塗料、印刷インキ、インクジェットインキ等に使用するため中間体の顔料分散体を作製できる。顔料分散体は、顔料組成物、ならび分散媒体の樹脂、および溶剤を含むことが好ましい。
顔料分散体は、各用途に使用する場合、粘度上昇が起こり難く、顔料の分散安定性に優れるように作製することが好ましい。
本発明の顔料分散体は、従来のナフトールアゾ顔料を含む顔料分散体では得られない良好な分散性、低い初期粘度、ならびに結晶安定性、および保存安定性に優れる効果を有する。
本明細書では、顔料分散体を水性顔料分散体として作製する場合、架橋剤を使用することが好ましい。
架橋剤は、例えば、複合顔料粒子を樹脂で被覆処理する樹脂被覆複合顔料粒子を作製する場合、前記樹脂の官能基と反応し、顔料粒子表面に強固な三次元構造を形成する。これにより、例えば、インクジェットインキ用途に使用すると吐出安定性が向上する。架橋剤を添加する温度は、架橋剤の反応性に応じ任意に選択する事ができる。例えば、架橋剤と樹脂との反応温度以下で架橋剤を添加・撹拌してから反応温度以上に昇温する方法、架橋剤と樹脂との反応温度以上で架橋剤を添加する方法等が挙げられる。
架橋剤は、例えばエポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、アンモニア、アミノ基、第四級アンモニウム塩、チオール基、アジリジニル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基等を有する化合物が挙げられる。特に樹脂がカルボキシ基を有する場合、1分子中に2官能以上のエポキシ基を有する化合物を使用すると、樹脂中のカルボキシ基と反応し強固な三次元構造を形成するため好ましい。架橋剤の重量平均分子量または式量は、100〜2,000が好ましく、120〜1,500がより好ましく、150〜1,000がさらに好ましい。
架橋剤の添加量は、例えば、樹脂中の酸基モル数に対し、0.1〜1.5当量が好ましく、0.5〜1.2当量がより好ましい。架橋剤の添加量を前記範囲とすることで、より強固な三次元構造を形成することができるため好ましい。
架橋剤のうちエポキシ化合物は、例えば、デナコールEX321、EX321L(ナガセケムテックス社製)などが挙げられる。
水系顔料分散体を調製するために使用する分散機は、例えば、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター、マイクロフルイタイザー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカー、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機、高圧分散機、対向衝突型分散機、斜向衝突型分散機等が挙げられる。その他、当技術分野で各種分散体を調製するために通常使用される、分散機及び混合機を適宜選択して使用できる。
また、分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用した前分散、又は2本ロールミル等による固形分散等の処理を行ってもよい。また、各種分散機で分散した後に、30〜80℃の加温状態にて数時間〜1週間程度保存する後処理、及び超音波分散機又は衝突型ビーズレス分散機を用いた後処理の工程は、顔料分散体に分散安定性を付与するために効果的である。
<塗料>
本明細書の塗料は、着色組成物(顔料組成物、樹脂、溶剤)を含有する。
前記樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、ガラス転移温度が、10℃以上の樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の種類は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を有することが好ましい。前記官能基は、例えば、カルボキシル基、水酸基等が挙げられる。硬化剤は、例えば、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン硬化剤、アミン硬化剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が30℃以上の樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、例えば、ニトロセルロース、ポリエステル等が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂は併用できる、
前記溶剤の中で非水溶性溶剤は、例えば、トルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール、及び脂肪族炭化水素等が挙げられる。
前記溶剤の中で水溶性溶剤は、例えば、水、一価アルコール、二価のアルコール、グリコールが挙げられる。水溶性溶剤は、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンが挙げられる。また、多価アルコールから誘導された水希釈性モノエーテルもあげられる。その具体例は、メトキシプロパノール又はメトキシブタノールが挙げられる。また、例えば、ブチルグリコール又はブチルジグリコールなどの水希釈性グリコールエーテルも挙げられる。なお、塗料は、既に説明した通り溶剤に水を含む場合、水性塗料という。
塗料は、さらに公知の添加剤を含有できる。
塗料の用途は、例えば、金属用塗料、プラスチック用塗料等が挙げられる。
<印刷インキ>
本明細書の印刷インキは、着色組成物(顔料組成物、樹脂、溶剤)を含有する。印刷インキは、インジェットインキ以外のインキであり、例えば、オフセット印刷用インキ、フレキソ印刷用インキ、グラビア印刷用インキ、カラーフィルタ用インキ等が挙げられる。なお、上記の通り、溶剤が水を含む場合水性印刷インキという。
前記樹脂は、例えば、ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ポリウレタン、ニトロセルロース、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、石油樹脂等が挙げられる。
溶剤のうち非水溶性溶剤は、例えば、トルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール、脂肪族炭化水素等が挙げられる。
溶剤のうち水溶性溶剤はエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。また、多価アルコールから誘導された水希釈性モノエーテルも挙げられる。例えば、メトキシプロパノール又はメトキシブタノールが挙げられる。また、ブチルグリコール又はブチルジグリコールなどの水希釈性グリコールエーテルも挙げられる。
印刷インキは、さらに光輝材を含有できる。光輝材は、平均厚み0.5〜10μm及び平均粒子径5〜50μmの粒子であり、金属フレーク、マイカ、被覆ガラスフレークが挙げられる。金属フレークは、例えば、アルミフレーク、金粉等が挙げられる。マイカは、例えば、通常のマイカ、被覆マイカ等が挙げられる。被覆ガラスフレークは、例えば、酸化チタン等の金属酸化物で被覆されたガラスフレーク等が挙げられる。
光輝材の含有量は、印刷インキ100質量%中、0.1〜10質量%が好ましい。また、その他、当技術分野において通常使用されるその他の着色顔料、及び種々の添加剤を必要に応じて配合してもよい。印刷インキの製造方法、また塗布方法、及び乾燥方法は特に限定されず、当技術分野で周知の方法を使用できる。
印刷インキは、さらに公知の添加剤を含有できる。
<インクジェットインキ>
本発明のインクジェットインキは、顔料組成物、樹脂、および溶剤を含有することが好ましい。インクジェットインキは、溶剤有無やその種類により、(溶剤系)インクジェットインキ、水性インクジェットインキ、紫外線硬化インクジェットインキに大別できる。本明細書では、水性インクジェットインキが好ましい。以下、水性インクジェットインキを中心に説明する。
顔料組成物の含有量は、水性インクジェットインキ100質量%中、0.5〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
水性インクジェットインキで使用する樹脂は、被印刷物(基材)に対するインキの定着性を得るために重要である。
樹脂の種類は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。また、樹脂の形態は、水溶性樹脂、エマルション粒子等が挙げられる。これらの中でも、エマルション粒子が好ましい。エマルション粒子は、単一組成粒子、コアシェル型粒子等があり任意に選択して使用できる。エマルション粒子を使用すると水性インクジェットインキの低粘度化が容易であり、耐水性に優れた記録物が容易に得られる。樹脂は、必要に応じて、アンモニア、各種アミン、各種無機アルカリ等のpH調製剤によって酸性官能基を中和して使用できる。
樹脂の含有量は、インクジェットインキの不揮発分100質量%中、2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。適度に含有すると吐出安定性が向上し、定着性も向上する。
溶剤は、非水溶性溶剤、水、水溶性溶剤が挙げられる。水溶性溶剤は、グリコールエーテル類、ジオール類が挙げられる、これらの溶剤は基材への浸透が非常に速く、コート紙、アート紙や塩化ビニルシート、フィルム、布帛といった低吸液性や非吸液性の基材に対しても、浸透が速い。そのため、印刷時の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。また、沸点が高いため、湿潤剤としても作用する。
水溶性溶剤は、水性インクジェットインキのプリンターヘッドにおけるノズル部分での乾燥、固化を防止し、インキの吐出安定性を得るために重要である。水溶性溶剤は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。
水を含む水溶性溶剤の含有量は、インクジェットインキ100質量%中、15〜50質量%が好ましい。
インクジェットインキは、さらに添加剤を含有できる。添加剤は、例えば、乾燥促進剤、浸透剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
乾燥促進剤は、水性インクジェットインキの印字後の乾燥を速めるために使用する。乾燥促進剤は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールが挙げられる。乾燥促進剤の含有量は、水性インクジェットインキ100質量%中、1〜50質量%が好ましい。
浸透剤は、基材が紙のような浸透性の素材である場合、基材へのインキの浸透を促進し、見掛けの乾燥性を早くするために使用する。浸透剤は、水溶性溶剤に加え、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤等が挙げられる。浸透剤の使用量は、水性インクジェットインキ100質量%中、0.1〜5質量%が好ましい。適量使用すると印字の滲み、及び紙抜け等が生じ難い。
防腐剤は、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が挙げられる。防腐剤の使用量は、水性インクジェットインキ100質量%中、0.05〜1.0質量%が好ましい。
キレート剤は、水性インクジェットインキ中に含まれる金属イオンを捕捉し、ノズル部又はインキ中における不溶性物の析出を防止するために使用する。キレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸のジアンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸のテトラアンモニウム塩等が挙げられる。キレート剤の使用量は、水性インクジェットインキ100質量%中、0.005〜0.5質量%が好ましい。
pH調整剤は、例えば、各種アミン、無機塩、アンモニア、各種緩衝液等が挙げられる。
インクジェットインキは、各材料を配合して、混合して作製する。混合後、濾過を行い粗大粒子を除去することが好ましい。混合は、羽を用いた撹拌機、各種分散機、乳化機等が挙げられる。各材料の添加順序、及び混合方法は任意である。
インクジェットインキは、ろ過を行うことが好ましい。これによりインクジェットプリンターからの吐出性が良好となる。ろ過は、公知の方法を使用できる。
本明細書のインクジェットインキは、各種のインクジェット方式を使用できる。インクジェット方式としては、例えば、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等が挙げられる。
防腐剤は、黴、及び細菌の発生を防止するために使用する。防腐剤の種類は特に限定されないが、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が挙げられる。これらは、顔料分散体の全質量を基準として、0.1〜2質量%の範囲で使用することが好ましい。
pH調整剤は、pHを所望の値に調整するために使用する。pH調整剤の種類は特に限定されないが、例えば各種有機塩基、無機塩基などの塩基性化合物、塩酸、硫酸、リン酸などの酸性化合物、各種緩衝液等が挙げられる。塩基性化合物は、例えば、前記したものを使用することができる。
消泡剤は、製造時の泡の発生を防止するために使用する。消泡剤の種類は特に限定されず、市販品を使用することもできる。例えば、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG−50、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノールPSA−336(いずれも日信化学工業社製)、ADDITOLVXW 6211、ADDITOLVXW4973、ADDITOL VXW6235、ADDITOLXW375、ADDITOL XW376、ADDITOLVXW6381、ADDITOL VXW6386、ADDITOLVXW6392、ADDITOL VXW6393、ADDITOLVXW6399、ADDITOL XW6544等(いずれもAllnex社製)が挙げられる。
湿潤剤は、顔料分散向上のために使用する。湿潤剤によって平滑な塗膜を容易に得ることができる。湿潤剤の種類は特に限定されず、市販品を使用することもできる。例えば、ADDITOLVXL6237N、ADDITOL XL260N、ADDITOLVXL6212、ADDITOL UVX7301/65、ADDITOL XW330、ADDITOL VXW6200、ADDITOLVXW6205、ADDITOLVXW6394、ADDITOLVXW6208、ADDITOL VXW6208/60、ADDITOL VXW6374(いずれもAllnex社製)が挙げられる。
インクジェットインキの作成で、原料を混合する方法は、通常の羽を用いた撹拌機のほか、高速の分散機、乳化機等を使用して実施できる。その際、原料の添加順序、及び混合方法等は任意である。
本明細書のインクジェットインキは、各種のインクジェットプリンターに好適に使用できる。適用可能なインクジェットの方式は特に限定するものではないが、例えば、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等が挙げられる。
本発明のインクジェットインキは、特にマゼンタ色として好適に用いることができ、他色(シアン色、イエロー色、ブラック色、ホワイト色、レッド色、グリーン色、ブルー色、オレンジ色、ピンク色、ゴールド色、シルバー色、ブロンズ色など)と組み合わせたインクセットとして使用できる。インクセットは、例えば、本発明のインクジェットインキを用いたマゼンタ色に、シアン色、イエロー色、ブラック色を加えた4色インクセットや、さらにオレンジ色、レッド色、グリーン色などの特色を加えた5色以上のインクセットとして好適に使用できる。各インクの顔料濃度、粘度、動的粘弾性、表面張力、塗工順番、揮発分の蒸発速度などは設計事項であり、求める特性に応じて適宜調整することができる。
インクジェットインキは、ろ過を行うことが好ましい。これによりインクジェットプリンターからの吐出性が良好となる。ろ過は、従来公知のいずれの方法も採用できる。
本発明のインクジェットインクは、従来公知の種々の基材へ塗工できる。基材は、例えば、普通紙、布帛、ニットなどの高吸水性基材、アート紙、コート紙、塩化ビニル、木材、コンクリート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの低吸水性基材、金属(アルミ、ステンレス等)などの非吸水性基材が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明はこれらに限定されない。実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<顔料組成物の製造>
(実施例1)顔料組成物1の製造
ベース成分として3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド24.2部を水294部に添加、攪拌して懸濁液を調製し、さらに氷137部を加えて温度を5℃以下に調整した。その中に35%塩酸を31.6部添加し、30分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム7.1部を水14部に加えて調整した水溶液を添加して1時間攪拌することによりジアゾ化を行った。反応混合物にスルファミン酸2部を加え、亜硝酸を消失させた。これに25%水酸化ナトリウム水溶液36.5部、氷36.5部、80%酢酸37.7部の混合液からなる緩衝液を加えて、ジアゾ成分を含む溶液とした。
一方、水133.6部と25%水酸化ナトリウム水溶液32.6部の混合物を85℃に加熱する中にカップラー成分としてN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を加えて溶かした。これに氷66.8部を加えて冷却し、カップラー溶液とした。この溶液を、ジアゾ成分を含む溶液に20分掛けて加え、カップリング反応を行った。
1時間撹拌後スラリーを30℃まで加熱し、さらに30分撹拌した。このスラリーをさらに50℃まで加熱し30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物1 54.4部を得た。
(実施例2)顔料組成物2の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド26.7部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド3.8部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物2 53.0部を得た。
(実施例3)顔料組成物3の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド5.7部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物3 51.7部を得た。
(実施例4)顔料組成物4の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド20.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド7.6部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物4 50.3部を得た。
(実施例5)顔料組成物5の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド16.7部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド9.5部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物5 49.0部を得た。
(実施例6)顔料組成物6の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてネオペレックスG−15(花王社製、アニオン性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例3と同様に行い、顔料組成物6 52.7部を得た。
(実施例7)顔料組成物7の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてエレクトロストリッパーF(花王社製、アニオン性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例3と同様に行い、顔料組成物7 52.7部を得た。
(実施例8)顔料組成物8の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてアンヒトール20BS(花王社製、両性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例3と同様に行い、顔料組成物8 52.7部を得た。
(実施例9)顔料組成物9の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてJoncryl HPD 96(BASF社製、スチレン−アクリル酸共重合体)11.0部を加えること以外は、実施例3と同様に行い、顔料組成物9 55.5部を得た。
(実施例10)顔料組成物10の製造
実施例3の乾燥前の顔料プレスケーキを水600部に加えスラリー状とし、添加剤としてJoncryl HPD 96(BASF社製、スチレン−アクリル酸共重合体)11.0部を加えて1時間攪拌した。これに80%酢酸9.6部加えて30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物10 55.5部を得た。
(実施例11)顔料組成物11の製造
ベース成分として3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド24.2部を水224部に添加、攪拌して懸濁液を調製し、さらに氷137部を加えて温度を5℃以下に調整した。その中に35%塩酸を31.6部添加し、30分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム7.1部を水14部に加えて調整した水溶液を添加して1時間攪拌することによりジアゾ化を行った。反応混合物にスルファミン酸2部を加え、亜硝酸を消失させた。これに25%水酸化ナトリウム水溶液36.5部、ジメチルスルホキシド106.5部、80%酢酸37.7部の混合液からなる緩衝液を加えて、ジアゾ成分を含む溶液とした。
一方、水100部、ジメチルスルホキシド100部、25%水酸化ナトリウム水溶液32.6部の混合物にカップラー成分としてN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド5.7部を加えて溶かし、カップラー溶液とした。この溶液を、ジアゾ成分を含む溶液に20分掛けて加え、カップリング反応を行った。
1時間撹拌後スラリーを30℃まで加熱し、さらに30分撹拌した。このスラリーをさらに50℃まで加熱し30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物11 51.7部を得た。
(実施例12)顔料組成物12の製造
ジアゾ成分を含む溶液及びカップラー溶液を調整する際のジメチルスルホキシドをアセトンに変更した以外は、実施例11と同様に行い、顔料組成物12 51.7部を得た。
(実施例13)顔料組成物13の製造
ジアゾ成分を含む溶液及びカップラー溶液を調整する際のジメチルスルホキシドをメタノールに変更した以外は、実施例11と同様に行い、顔料組成物13 51.7部を得た。
(実施例14)顔料組成物14の製造
ベース成分として3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド24.2部を水294部に添加、攪拌して懸濁液を調製し、さらに氷137部を加えて温度を5℃以下に調整した。その中に35%塩酸を31.6部添加し、30分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム7.1部を水14部に加えて調整した水溶液を添加して1時間攪拌することによりジアゾ化を行った。反応混合物にスルファミン酸2部を加え、亜硝酸を消失させ、ジアゾ成分を含む溶液とした。
また、カップリング槽に80%酢酸水溶液33.7部、水550部を入れて攪拌し酢酸水溶液とした。
一方、水133.6部と25%水酸化ナトリウム水溶液32.6部の混合物を85℃に加熱する中にカップラー成分としてN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド5.7部を加えて溶かした。これに水66.8部を加え、カップラー溶液とした。この溶液を、酢酸水溶液を攪拌するカップリング槽に30分掛けて加えて酸析し、酸析カップラースラリーとした。酸析カップラースラリーにジアゾ成分を含む溶液を20分掛けて加え、カップリング反応を行った。
1時間撹拌後スラリーを30℃まで加熱し、さらに30分撹拌した。このスラリーをさらに50℃まで加熱し30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物14 51.7部を得た。
(実施例15)顔料組成物15の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてネオペレックスG−15(花王社製、アニオン性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例14と同様に行い、顔料組成物15 52.7部を得た。
(実施例16)顔料組成物16の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてエレクトロストリッパーF(花王社製、アニオン性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例14と同様に行い、顔料組成物16 52.7部を得た。
(実施例17)顔料組成物17の製造
カップラー溶液を調整する際に、添加剤としてアンヒトール20BS(花王社製、両性界面活性剤)2.7部を加えること以外は、実施例14と同様に行い、顔料組成物17 52.7部を得た。
(実施例18)顔料組成物18の製造
ベース成分として3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド24.2部を水294部に添加、攪拌して懸濁液を調製し、さらに氷137部を加えて温度を5℃以下に調整した。その中に35%塩酸を31.6部添加し、30分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム7.1部を水14部に加えて調整した水溶液を添加して1時間攪拌することによりジアゾ化を行った。反応混合物にスルファミン酸2部を加え、亜硝酸を消失させた。これに25%水酸化ナトリウム水溶液36.5部、氷36.5部、80%酢酸37.7部の混合液からなる緩衝液を加えて、ジアゾ成分を含む溶液とした。
一方、水93.6部と25%水酸化ナトリウム水溶液22.8部の混合物を85℃に加熱する中に、カップラー成分としてN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部を加えて溶かし、これに氷46.8部を加えて冷却し、カップラー溶液Aとした。これとは別の容器に、水60部と25%水酸化ナトリウム水溶液9.8部の混合物中に3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を加えて溶かし、カップラー溶液Bとした。ジアゾ成分を含む溶液に対し、調整したカップラー溶液Aを20分掛けて加え、次いでカップラー溶液Bを10分掛けて加え、カップリング反応を行った。
1時間撹拌後スラリーを30℃まで加熱し、さらに30分撹拌した。このスラリーをさらに50℃まで加熱し30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物18 51.7部を得た。
(実施例19)顔料組成物19の製造
ベース成分として3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド24.2部を水224部に添加、攪拌して懸濁液を調製し、さらに氷137部を加えて温度を5℃以下に調整した。その中に35%塩酸を31.6部添加し、30分攪拌した。その後、亜硝酸ナトリウム7.1部を水14部に加えて調整した水溶液を添加して1時間攪拌することによりジアゾ化を行った。反応混合物にスルファミン酸2部を加え、亜硝酸を消失させた。これに25%水酸化ナトリウム水溶液36.5部、ジメチルスルホキシド106.5部、80%酢酸37.7部の混合液からなる緩衝液を加えて、ジアゾ成分を含む溶液とした。
一方、水70部、ジメチルスルホキシド70部、25%水酸化ナトリウム水溶液22.8部の混合物に、カップラー成分としてN−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部を加えて溶かし、カップラー溶液Aとした。これとは別の容器に、水30部、ジメチルスルホキシド30部、25%水酸化ナトリウム水溶液9.8部の混合物中に3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド5.7部を加えて溶かし、カップラー溶液Bとした。ジアゾ成分を含む溶液に対し、調整したカップラー溶液Aを20分掛けて加え、次いでカップラー溶液Bを10分掛けて加え、カップリング反応を行った。
1時間撹拌後スラリーを30℃まで加熱し、さらに30分撹拌した。このスラリーをさらに50℃まで加熱し30分間撹拌した後、濾過、水洗することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物19 51.7部を得た。
(実施例20)顔料組成物20の製造
ジアゾ成分を含む溶液及びカップラー溶液を調整する際のジメチルスルホキシドをアセトンに変更した以外は、実施例19と同様に行い、顔料組成物20 51.7部を得た。
(実施例21)顔料組成物21の製造
ジアゾ成分を含む溶液及びカップラー溶液を調整する際のジメチルスルホキシドをメタノールに変更した以外は、実施例19と同様に行い、顔料組成物21 51.7部を得た。
(比較例1)顔料組成物22(C.I.Pigment Red 269)の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド33.4部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物22(C.I.Pigment Red 269) 55.5部を得た。
(比較例2)顔料組成物23の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド31.8部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.0部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物23 55.0部を得た。
(比較例3)顔料組成物24の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド13.4部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド11.5部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物24 47.6部を得た。
(比較例4)顔料組成物25の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、N−(3−ニトロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド9.4部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物25 55.1部を得た。
(比較例5)顔料組成物26の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド9.5部、N−(3−ニトロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド15.7部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物26 48.0部を得た。
(比較例6)顔料組成物27の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、N−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド10.9部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物27 56.6部を得た。
(比較例7)顔料組成物28の製造
N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド30.1部、3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド1.9部を、N−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド23.4部、N−(2−メチル−5−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド9.5部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料組成物28 55.2部を得た。
(実施例22)顔料組成物29の製造
98%硫酸1000部に、比較例1で得られた顔料組成物22を35部、C.I.Pigment Red 150(東京色材工業社製、Toshiki Red 150TR) 15部を攪拌しながら徐々に加え、4時間攪拌し溶解させた。次いで、溶解液を10℃の水8000部に攪拌しながら30分かけて徐々に滴下し、濾過、洗浄することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物29 47.5部を得た。
(実施例23)顔料組成物30の製造
比較例1で得られた顔料組成物22を70部、C.I.Pigment Red 150(東京色材工業社製、Toshiki Red 150TR) 30部、塩化ナトリウム1000部、及びジエチレングリコール150部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で8時間(h)混練した。次に、混練した混合物を約70℃の温水に投入し、1時間攪拌してスラリー状として、濾過、洗浄することにより、顔料のプレスケーキを得た。このプレスケーキを、90℃、18時間の条件下で乾燥した後、粉砕して、顔料組成物30 97.5部を得た。
(比較例8)顔料組成物31の製造
比較例1で得られた顔料組成物22を75部、C.I.Pigment Red 150(東京色材工業社製、Toshiki Red 150TR) 25部を高速攪拌ディスパーで混合することにより、顔料組成物31 99.9部を得た。
得られた顔料組成物のX線回折を測定し、結晶状態を評価した。
(粉末X線回折測定方法)
粉末X線回折測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、CuKα線を用いて、回折角(2θ)が、3°から35°の範囲で測定した。
測定条件は下記の通りとした。
X線回折装置:リガク社製RINT2100
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:2.0°/min
発散スリット:1°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
受光スリット:0.3mm
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
粉末X線回折測定について、次の例を図に示す。実施例3を図1、比較例1を図2、C.I.Pigment Red 150(東京色材工業社製、Toshiki Red 150TR)を図3、比較例8を図4に示す。
製造した顔料組成物の内容を表1に示す。なお、表中の含有量は、原料の使用量から計算した数値である。
Figure 0006928750
実施例1〜23の顔料組成物は、固溶体であり、複合顔料粒子が形成していた。なお、表中、PRは、C.I.Pigment Redの略号である。
<着色組成物及びその特性評価>
得られた顔料組成物を使用して、各種用途の着色組成物を調整し、特性評価を行った。
・ 成形用樹脂組成物
1.成形用樹脂組成物の調整及び成形体の作製
(実施例A−1)成形体a−1の作製
得られた顔料組成物1を2部、ポリプロピレン樹脂(製品名:プライムポリプロJ105、プライムポリマー社製)1000部をニ軸押出機にて220℃で溶融混錬を行い、次いでペレタイザーでカットしてペレット状の成形用樹脂組成物を得た。次に、当該成形用樹脂組成物について、射出条件を成形温度220℃、金型温度40℃に設定した射出成型機を用いて射出成形を行い、厚さ1mmの成形体a−1(プレート)を得た。
(実施例A−2〜A−23、比較例A−1〜A−8)成形体a−2〜a−31の作製
実施例A−1の顔料組成物1を表2に示す通りに変更した以外は、実施例A−1と同様に行い、成形体a−2〜a−31を得た。
(実施例A−24)成形体a−32の作製
得られた顔料組成物1を2部、ポリエチレンテレフタレート樹脂(製品名:Vylopet EMChaihun307、東洋紡績社製)1000部をニ軸押出機にて275℃で溶融混錬を行い、次いでペレタイザーでカットしてペレット状の成形用樹脂組成物を得た。次に、当該成形用樹脂組成物について、射出条件を成形温度275℃、金型温度85℃に設定した射出成型機を用いて射出成形し、厚さ3mmの成形体(プレート)を得た。
(実施例A−25〜A−46、比較例A−9〜A−16)成形体a−33〜a−62の作製
実施例A−24の顔料組成物1を表3に示す通りに変更した以外は、実施例A−24と同様に行い、成形体a−33〜a−62を得た。
2.成形体の評価
(分散性)
作製した各成形体を目視で観察し、粗粒の有無を確認した。結果を表2及び表3に示す。
(鮮明性)
作製した各成形体を目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表2及び表3に示す。
〇:比較例A−22及びA−53で作製した成形体(a−22及びa−53)よりも鮮やかな赤色
△:比較例A−22及びA−53で作製した成形体(a−22及びa−53)と同等の赤色
×:比較例A−22及びA−53で作製した成形体(a−22及びa−53)よりもくすんだ赤色
Figure 0006928750
Figure 0006928750
表2および表3の結果から実施例A−1〜A−44の成形体は、粗粒が無く分散性が良好であった。また、鮮明性も良好である。
・ トナー
(実施例B−1)
得られた顔料組成物3を2500部、及びポリエステル樹脂(製品名:M−325、三洋化成社製)2500部を加圧ニーダー中で混合及び混練した。混合及び混練は、設定温度120℃で、15分間行った。次いで、得られた混練物を加圧ニーダーから取り出し、更に、ロール温度95℃の3本ロールを用いて混練を行った。得られた混練物を冷却後、10mm以下に粗粉砕することによって、着色組成物を得た。
得られた着色組成物500部、上記ポリエステル樹脂4375部、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物(荷電制御剤)50部、及びエチレンホモポリマー(離型剤、分子量850、Mw/Mn=1.08、融点107℃)75部を、20Lの容積を有するヘンシェルミキサーを用いて混合(3000rpm、3分)し、さらに二軸混練押出機を用いて、吐出温度120℃にて溶融混練を行った。次いで、混練物を冷却固化した後、ハンマーミルで粗粉砕した。次いで、得られた粗粉砕物について、I式ジェットミル(IDS−2型)を用いて微粉砕化した後、分級することによってトナー母粒子を得た。
次いで、上記で得られたトナー母粒子2500部と疎水性酸化チタン(チタン工業社製STT−30A)12.5部を10Lのヘンシェルミキサーで混合し、負帯電トナー1を得た。
一方、比較対象として、顔料組成物3を顔料組成物22に変更したことを除き、全て実施例A−35と同様にして負帯電トナー2を得た。
得られた負帯電トナー1及び負帯電トナー2を、それぞれミクロトームを用いて厚さ0.9μmにスライスし、サンプルを形成した。次いで、各サンプルについて透過型電子顕微鏡を用いて顔料の分散状態を観察した。その結果、顔料組成物22を使用した負帯電トナー2よりも、顔料組成物3を使用した負帯電トナー1の方が、顔料が均一に分布しており、分散性が高いことが判明した。
<3>着色組成物
1.着色組成物の調整
(実施例C−1)着色組成物1の調整
まず、以下の原料と、スチールビーズ230部とを225mlのガラス瓶に仕込み、レッドデビル社製ペイントシェーカーを用いて、60分間にわたって分散させ、混合物を得た。
・顔料組成物1:19部
・アクリル樹脂(DIC社製、アクリディック47−712):7.7部
・分散溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:ENEOS社製T−SOL150 FLUIDの質量比が3:3:2:2の混合溶媒):40.7部
次いで、上記混合物に、アクリディック47−712を75.4部、メラミン樹脂(DIC社製アミディアL−117−60)17.2部を加えて、さらに10分、分散させ、分散液を得た。
次いで、上記分散液からスチールビーズを除去して、着色組成物1を得た。
(実施例C−2〜C−23、比較例C−1〜C−8)着色組成物c−2〜c−31の調整
実施例C−1の顔料組成物1を表4に示す通りに変更した以外は、実施例C−1と同様に行い、着色組成物c−2〜c−31を得た。
2.着色組成物の評価
(結晶安定性)
結晶安定性(結晶成長抑制効果)を評価するためまず、各着色組成物中の顔料粒子の平均一次粒子径を測定した。測定法は、支持膜を張ったメッシュ上に着色組成物を滴下し、その乾燥物を試料とした。次いで、当該試料を、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、H−7650型透過型電子顕微鏡)で粒子を撮影し、二次凝集体を構成する顔料の一次粒子50個につき、その長い方の径(長径)を各々測定した。それらを平均した値を算出し、その値を平均一次粒子径とした。調整した着色組成物をねじ口瓶中に密閉し、50℃で1週間保存した後に同様の測定を行い、保存前後の平均一次粒子径の変化により、結晶安定性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006928750
・ 水系着色組成物
1.水系着色組成物の調整
(実施例D−1)水系着色組成物d−1の調製
以下の原料と、直径1.25mmジルコニアビーズ70部とを70mlのガラス瓶に仕込み、レッドデビル社製ペイントシェーカーを用いて60分間にわたって分散させ、分散液を得た。
・顔料組成物1:3.15部
・ポリエステル変性アクリル酸重合体(Allnex社製、ADDITOL XW 6528):5.25部
・湿潤剤(Allnex社製、ADDITOL XW 6374):0.95部
・消泡剤(Allnex社製、ADDITOL XW 6211):0.63部
・イオン交換水:21.52部
次いで、上記分散液からジルコニアビーズを除去して、水系着色組成物d−1を得た。
(実施例D−2〜D−23、比較例D−1〜D−8)水系着色組成物d−2〜d−31の調整
実施例D−1の顔料組成物1を表5に示す通りに変更した以外は、実施例D−1と同様に行い、水系着色組成物d−2〜d−31を得た。
2.水系着色組成物の評価
(初期粘度と粘度安定性)
得られた水系着色組成物について、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃における初期粘度を測定した。同様にして、25℃で1週間経時後、及び、50℃で1週間経時促進後の粘度をそれぞれ測定した。得られた測定値に基づき初期粘度に対する粘度増加率を算出し、粘度安定性の一つの指標とし、以下の評価基準に沿って評価した。結果を表5に示す。初期粘度が低いほど分散性に優れている。また、粘度増加率が小さいほど分散安定性に優れている。下記評価基準で「4」、「3」及び「2」であれば、実用可能なレベルである。
(初期粘度の評価基準)
4. 初期粘度が、5.0mPa・s未満である。極めて良好
3. 初期粘度が、5.0mPa・s以上、7.5mPa・s未満である。良好
2. 初期粘度が、7.5mPa・s以上、10.0mPa・s未満である。実用可
1. 初期粘度が、10.0mPa・s以上である。実用不可
(粘度安定性の評価基準)
4.粘度増加率が、20%未満である。極めて良好
3.粘度増加率が、20%以上、30%未満である。良好
2.粘度増加率が、30%以上、40%未満である。実用可
1.粘度増加率が、40%以上である。実用不可
Figure 0006928750
・ 水性塗料
1.水性塗料の調整
(実施例E−1)
高速撹拌機を用いて、以下の原料を撹拌し、水性塗料1(25℃で1週間保管)を得た。
・水系着色組成物d−1(25℃1週間保管):1.4部
・アクリル樹脂(DIC社製、バーノックWD−304):13.6部
・メラミン樹脂(Allnex社製、サイメル325):3.4部
高速撹拌機を用いて、以下の原料を撹拌し、水性塗料2(50℃で1週間保管)を得た。
・水系着色組成物d−1(50℃1週間保管):1.4部
・アクリル樹脂(DIC社製、バーノックWD−304):13.6部
・メラミン樹脂(Allnex社製、サイメル325):3.4部
得られた水性塗料1と水性塗料2を7milのアプリケーターを使用し、厚さ100μmの市販ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗装を行った。その塗装後、そのPETフィルムを室温で18時間乾燥させた。その後、60℃で5分、140℃で20分乾燥させ塗装フィルムe−1を得た。
(実施例E−2〜E−23、比較例E−1〜E−8)水性塗料の調製及び塗装フィルムe−2〜e−31の作製
実施例E−1の水系着色組成物d−1を表6に示す通りに変更した以外は、実施例E−1と同様に行い、塗装フィルムe−2〜e−31を得た。
2.塗装フィルムの評価
(色相の安定性)
測色機(コニカミノルタ社製、CM−700d)を使用して、25℃1週間保存した塗装フィルムと50℃1週間保存した塗装フィルムを測色し、その色差(ΔE*)を求め、下記基準で判断した。結果を表6に示す。色差が小さいほど、分散安定性に優れる塗料である。下記評価基準で「4」、「3」及び「2」であれば、実用可能なレベルである。
(色相の安定性評価基準)
4.ΔE*が、1.0未満である。
3.ΔE*が、1.0以上2.0未満である。
2.ΔE*が、2.0以上3.0未満である。
1.ΔE*が、3.0以上である。
(着色力)
25℃1週間保存した塗装フィルムを目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表6に示す。
(着色力の評価基準)
〇:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)よりも反射濃度が高い
△:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)と同等
×:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)よりも反射濃度が低い
(鮮明性)
25℃1週間保存した塗装フィルムを目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表6に示す。
(鮮明性の評価基準)
〇:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)よりも鮮やかな赤色
△:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)と同等の赤色
×:比較例E−1で作製した塗装物(e−22)よりもくすんだ赤色
Figure 0006928750
・ グラビアインキ
1.グラビアインキの作成
まず、樹脂の測定法を以下説明する。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(酸価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJIS K0070に準じて以下の方法に従って求めた。試料を0.5〜2g 精秤した( 試料不揮発分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(Am L)を用い、下記式によりアミン価を求めた。
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S[mgKOH/g]
(重量平均分子量)
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー) 装置( 東ソー社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー社製ガードカラムH X L − H
東ソー社製TSKgelG5000HXL
東ソー社製TSKgelG4000HXL
東ソー社製TSKgelG3000HXL
東ソー社製TSKgelG2000HXL
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度4 0 ℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機はリガク社製DSC8231を使用し、測定温度範囲−70〜25 0℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく吸熱開始温度と終了温度との中点をガラス転移温度とした。
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1]
数平均分子量700のポリプロピレングリコール( 以下「PPG700」)200部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)127部、及び酢酸エチル81.8部を窒素気流下にて80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでイソホロンジアミン( 以下「IPDA」)49.5部、2−エタノールアミン3部、酢酸エチル/ イソプロパノール(以下「IPA」)=50/50(質量比)の混合溶剤803 .9部を混合したものに、得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃ で徐々に添加し、次に80℃ で1時間反応させ、不揮発分30% 、アミン価3.5mgKOH/g、水酸基価7.3mgKOH/g、重量平均分子量40000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。ガラス転移温度は−32℃であった。
(実施例F−1)グラビアインキf−1の調整
バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂溶液PU1(不揮発分30%)を30部、炭化水素系ワックスとしてポリエチレンワックス(ハネウェル社製A−C400A)を不揮発分換算で0.8部、塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製370M塩素含有率30% 不揮発分50%)を不揮発分換算で0.5部、顔料組成物1を10部、メチルエチルケトン(以下「MEK」)/酢酸n−プロピル(以下「NPAC」)/IPA=40/40/20(質量比)の溶液58.7部を混合し、アイガーミルで15分間分散し、グラビアインキf−1を得た。
(実施例F−2〜F−23、比較例F−1〜F−8)グラビアインキf−2〜f−31の調整
実施例F−1の顔料組成物1を表7に示す通りに変更した以外は、実施例F−1と同様に行い、グラビアインキf−2〜f−31を得た。
(実施例F−24)グラビアインキf−1の印刷
上記で得られたグラビアインキf−1を、MEK/NPAC/IPA=40/40/20(質量比)からなる混合溶剤を使用して、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈し、ヘリオ175線グラデーション版(版式コンプレストグラデーション100%〜3%)を備えたグラビア印刷機により、以下の基材(OPPの場合はコロナ放電処理面)に、印刷を印刷速度80m/分で行い、OPP印刷物、CPP印刷物を得た。
(基材)
・OPP:片面コロナ放電処理の2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学社製FOR厚さ25μm)
・CPP:コロナ処理無の未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(三井化学東セロ社製CP−S厚さ30μm)
(実施例F−25〜F−46、比較例F−9〜F−16)グラビアインキf−2〜f−31の印刷
実施例F−24のグラビアインキf−1を表8に示す通りに変更した以外は、実施例F−24と同様に行い、それぞれOPP印刷物、CPP印刷物を得た。
2.グラビアインキ及び印刷物の評価
(インキの経時安定性)
調整したグラビアインキについてそれぞれを密閉容器に入れ、40℃で10日間保存を行った。その後、粘度を測定して保存前との粘度変化を評価した。なお粘度の測定は25℃でザーンカップNo.4の流出秒数にて行った。結果を表7に示す。なお、いずれのインキも保存前のB型粘度計における粘度は40〜500cps(25℃)の範囲内であった。
(経時安定性の評価基準)
5.粘度変化が2秒未満(良好)
4.粘度変化が2秒以上5秒未満(実用可)
3.粘度変化が5秒以上10秒未満(やや不良)
2.粘度変化が10秒以上15秒未満(不良)
1.粘度変化が15秒以上(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
Figure 0006928750
(鮮明性)
得られたOPP印刷物、CPP印刷物それぞれを目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表8に示す。
(鮮明性の評価基準)
〇:比較例F−9で作製した印刷物(f−22)よりも鮮やかな赤色
△:比較例F−9で作製した印刷物(f−22)と同等の赤色
×:比較例F−9で作製した印刷物(f−22)よりもくすんだ赤色
Figure 0006928750
・ フレキソインキ
1.フレキソインキの調整
(合成例2)[ポリウレタン樹脂PU2]
温度計、攪拌器、還流器、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、PTG−3000SN(保土谷化学製ポリテトラメチレングリコール 官能基数2 水酸基価37 数平均分子量3000)121.8部、PEG2000(日油製ポリエチレングリコール 官能基数2 水酸基価56 数平均分子量2000)24.4部、2,2−ジメチロールプロピオン酸32.7部及びイソホロンジイソシアネート66.9部を仕込み、90℃、3時間反応させた。冷却後、得られた水溶性樹脂に25%アンモニア水16.6部とイオン交換水73.0部の混合溶液を徐々に滴下して中和することにより水溶化し、ポリウレタン樹脂PU2の水溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂PU2の酸価は55mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は36000であった。
(酸価の測定)
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数。乾燥させたポリウレタン樹脂PU2について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値。乾燥させたポリウレタン樹脂PU2をテトラヒドロフランに溶解させ、0.1%の溶液を調製し、東ソー製HLC−8320−GPC(カラム番号M−0053 分子量測定範囲約2千〜約400万)により重量平均分子量を測定した。
(実施例G−1)フレキソインキg−1の調整
顔料組成物15部、ポリウレタン樹脂PU2 35.0部、ノニオン系界面活性剤(サーフィノール104PA、エアープロダクツ社製)0.1部、n−プロパノール2.0部、ポリエチレンワックス(アクアペトロDP2502B、東洋アドレ社製)2.0部、消泡剤(テゴフォーメックス1488、エボニック社製)0.2部、イオン交換水45.7部をハイスピードミキサーで撹拌混合した後、直径1.25mmジルコニアビーズを充填したサンドミルで60分間分散し、フレキソインキg−1を得た。
(実施例G−2〜G−23、比較例G−1〜G−8)フレキソインキg−2〜g−31の調整
実施例G−1の顔料組成物1を表9に示す通りに変更した以外は、実施例G−1と同様に行い、フレキソインキg−2〜g−31を得た。
2.フレキソインキの評価
(粗粒)
グラインドゲージ(JIS K5600−2−5に準ずる)を用いて、フレキソインキ中の粗大粒子の有無を確認し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表9に示す。
(粗粒の評価基準)
○:粗大粒子の大きさが60μm未満(良好)
△:粗大粒子の大きさが60以上90μm未満 (実用上問題なし)
×:粗大粒子の大きさが90μm以上(不良)
(粘度安定性)
25℃における粘度を、ザーンカップ(No.4)を使用して測定した。さらに40℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、経時前後での粘度の変化率を求めた。評価基準は以下のとおりであり、結果を表9に示す。
(粘度安定性の評価基準)
○:40℃1週間保存前後の粘度変化率が±10%未満(良好)
△:40℃1週間保存前後の粘度変化率が±10%以上±15%未満(実用上問題なし)
×:40℃1週間保存前後の粘度変化率が±15%以上(不良)
Figure 0006928750
・ 水性インクジェットインキ
1.水性インクジェットインキ(水性IJインキ)の調整
(実施例H−1)水性IJインキh−1の調整
・顔料組成物1:19.0部
・スチレン−アクリル酸共重合体(BASFジャパン社製、ジョンクリル61J):16.4部
・界面活性剤(花王社製、エマルゲン420):5.0部
・イオン交換水:59.6部
と、直径1.25mmジルコニアビーズ200部とを200mlのガラス瓶に仕込み、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて6時間分散した。次いで、上記分散液からジルコニアビーズを除去して、水性着色組成物を得た。
次いで、上記水性着色組成物と以下の原料を、ハイスピードミキサーを用いて30分にわたって撹拌混合し、混合物を得た。
・得られた水性着色組成物:12.5部
・スチレン−アクリル酸共重合体(BASFジャパン社製、ジョンクリル60):3.3部
・界面活性剤(花王社製、エマルゲン420):2.0部
・イオン交換水:64.9部
次いで、上記混合物にジエチレングリコールモノブチルエーテルを適宜加えて、25℃における粘度を2.5mPa・s(25℃)、表面張力を40mN/mに調整し、次いで、1.0μmメンブランフィルターを用いて濾過し、さらに0.45μmメンブランフィルターを用いて濾過して、水性IJインキg−1を得た。
(実施例H−2〜H−23、比較例H−1〜H−8)水性IJインキh−2〜h−31の調整
実施例H−1の顔料組成物1を表10に示す通りに変更した以外は、実施例H−1と同様に行い、水性IJインキh−2〜h−31を得た。
2.水性IJインキの評価
(着色力)
調整した水性IJインキを、セイコーエプソン社製プリンターPX−105(ピエゾ型インクジェットプリンタ)のカートリッジに充填し、A4サイズ普通紙に印字を行った。印字物を目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表10に示す。
(着色力の評価基準)
〇:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物よりも反射濃度が高い
△:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物と同等
×:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物よりも反射濃度が低い
(鮮明性)
調整した水性IJインキを、セイコーエプソン社製プリンターHG−5130のカートリッジに充填し、印字を行った。印字物を目視で観察し、以下の基準に従って評価した。結果を表10に示す。
(鮮明性の評価基準)
〇:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物よりも鮮やか
△:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物と同等
×:比較例H−1で調整した水性IJインキ(h−22)を使用した印字物よりもくすんでいる
また、基材をA4サイズ普通紙からコート紙、ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミ箔に変更し、着色力評価を実施したところ、同様の結果が得られた。なお、基材が紙でない場合は、A4普通紙に基材を張り付けて使用した。
また、キヤノン社製MAXIFYMB5430(サーマル型インクジェットプリンタ)を用い、作製した水性IJインキを充填したタンクをマゼンタインクとして搭載し、着色力評価を実施したところ、同様の結果が得られた。
(粘度安定性)
各水性IJインキについて、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃における初期粘度を測定した。同様にして、50℃で4週間経時促進後の粘度を測定した。それぞれの測定値を用いて、初期粘度に対する粘度増加率を算出し、粘度安定性の一つの指標とし、以下の基準に従って評価した。結果を表10に示す。粘度増加率が小さいほど粘度安定性に優れていると考えられ、下記評
価基準で「〇」及び「△」であれば、実用可能なレベルである。
(粘度安定性の評価基準)
〇:粘度増加率が、20%未満である。
△:粘度増加率が、20%以上40%未満である。
×:粘度増加率が、40%以上である。
(結晶安定性)
結晶安定性(結晶成長抑制効果)の指標として、各水性IJインキ中の顔料の平均一次粒子径を測定した。支持膜を張ったメッシュ上に水性IJインキを滴下、乾燥したものを試料として、透過型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、H−7650型透過型電子顕微鏡)で粒子を撮影し、凝集体を構成する顔料の一次粒子50個につき、その長い方の径(長径)を各々測定した。それらを平均した値を算出し、その値を平均一次粒子径とした。調整した水性IJインキをねじ口瓶中に密閉し、50℃で4週間保存した後に同様の測定を行い、保存前後の平均一次粒子径の変化により、結晶安定性を評価した。結果を表10に示す。
Figure 0006928750
表の結果から、本発明の顔料組成物を使用すると、分散性、着色力及び鮮明性に優れ、かつ結晶安定性及び保存安定性が良好であり、様々な用途に適用できる着色組成物が得られる。例えば、成形用樹脂組成物では、分散性、鮮明性に優れた成形体を提供できる。また、トナーでは、顔料の分散性に優れたトナーを提供できる。また、着色組成物の形態では、結晶安定性の向上がわかる。また、水系着色組成物では、保存安定性に優れている。また、水性塗料では、保存安定性、着色力及び鮮明性に優れる。また、印刷インキでは、保存安定性、分散性、鮮明性に優れることが分かる。さらに、水性インクジェットインキでは、分散性、着色力及び鮮明性に優れ、かつ結晶安定性及び保存安定性が良好なことが分かる。

Claims (8)

  1. C.I.Pigment Red 269、およびC.I.Pigment Red 150を含む複合顔料粒子を含有する顔料組成物であって、
    前記複合顔料粒子100モル%中のC.I.Pigment Red 150の含有量が10〜50モル%であり、
    前記複合顔料粒子のCuKα線を用いた粉末X線回折が、回折角(2θ)=13.5〜14.5°の範囲内に極大ピークを有しない、顔料組成物。
  2. 請求項1記載の顔料組成物、および分散媒体を含む、着色組成物。
  3. 前記分散媒体が樹脂を含む、請求項に記載の着色組成物。
  4. 請求項に記載の着色組成物を含む、成形用樹脂組成物。
  5. 請求項またはに記載の着色組成物を含むトナー。
  6. 請求項またはに記載の着色組成物を含む、塗料。
  7. 請求項またはに記載の着色組成物を含む、印刷インキ。
  8. 請求項またはに記載の着色組成物を含む、インクジェットインキ。
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