JP6928202B2 - Ocrテスター - Google Patents

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Description

本発明は、受変電設備の定期点検作業に用いるOCRテスターに関する。
受変電設備の主回路に接続された過電流継電器(OCR:Overcurrent Relay)は、電気事業法に基づき、自家用電気施設に対し事業者が作成した保安規程により定める保安点検の1つとして、1年に1回動作特性試験を実施するよう求められている。この試験は、遮断器の連動特性試験を併せて行うことが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。これらの試験は、過電流継電器の動作特性試験と遮断器の連動特性試験とを併せて実施可能なテスターを用いて行われる。本明細書においては、このテスターを「OCRテスター」という。
以下、図8を用いて、従来知られているOCRテスターの構成及びこれを用いた過電流継電器及び遮断器の試験方法について説明する。図8は、受変電設備の主回路に備えられている過電流継電器及び遮断器に、従来知られているOCRテスターを接続した状態を示す図である。
図8に示すように、受変電設備の主回路を構成する受配電線100には、変流器101と、変流器101に接続された過電流継電器102と、変流器101と過電流継電器102とを接続する回路に設けられたテスト端子103と、が備えられている。また、受配電線100には、遮断器104と、遮断器104の遮断動作を検出して検出信号を出力する遮断検出部105と、が備えられている。過電流継電器102の出力端子には、遮断器104に備えられた図示しない電磁プランジャーの駆動コイル(以下、このコイルを「トリップコイル」という。)106が接続されている。
従来例に係るOCRテスター200は、AC100V電源により駆動されるもので、単巻変圧器であるスライダック201と、出力電流の保護と調整を容易にするための限流抵抗器202と、遮断検出部105の出力信号を取り込み、過電流継電器102及び遮断器104の動作時間を計測するカウンター203と、を備えて構成されている。なお、受変電設備の保安点検は、作業の安全を確保するため、停電作業とすることが原則である。このため、従来例に係るOCRテスター200を用いて動作特性試験を実施するためには、図8に示すように、OCRテスター200にAC100V電源を供給する発電機300が必要となる。
従来例に係るOCRテスター200は、スライダック201に備えられた図示しない調整つまみや、限流抵抗器202に備えられた図示しない選択つまみを操作することにより、AC100V電源から保安規程で定められた試験電流を生成し、電流出力端子から出力する。電流出力端子から出力された試験電流は、変流器101と切り分けられたテスト端子103を介して過電流継電器102の入力端子に印加される。
これにより、過電流継電器102にセットされた時限で過電流継電器102が作動し、試験電流が瞬時にトリップコイル106に転流して、遮断器104が動作する。遮断検出部105は、遮断器104の遮断動作を検出し、検出信号をOCRテスター200に出力する。OCRテスター200は、遮断検出部105の検出信号を受けて過電流継電器102への試験電流の出力を遮断すると共に、試験電流の出力時から遮断時までの経過時間、即ち、過電流継電器102及び遮断器104の動作時間をカウンター203で計測する。そして、過電流継電器102及び遮断器104の動作電流及び動作時間が過電流継電器メーカー及び遮断器メーカーが指定する範囲内にあるときには、過電流継電器102及び遮断器104は正常であると判定する。
なお、遮断検出部105としては、遮断器104に備えられ、遮断器104の主接点に連動して動作する補助接点の動作を機械的に検出するものや、遮断器104の近傍に付設され、遮断器104が動作したときの動作音を検出する音感センサー等を用いることができる。
特開平11−118862号公報
ところで、過電流継電器102に印加する試験電流の電流値は、過電流継電器102に設定される瞬時整定値及び限時整定値を考慮した場合、最低でも40Aが必要となる。また、遮断器104を確実に動作させるためには、通常、トリップコイル106に3A以上の電流を流すことが要求されているが、トリップコイル106の巻き線インピーダンスを考慮すると、最低でも40V以上の交流電圧を必要とするため、OCRテスター200の供給電力は、最低でも1600VAは必要となる。
従って、従来例に係るOCRテスター200は、内蔵されるスライダック201及び限流抵抗器202が必然的に大型化し、全体が大重量のものとなる。また、従来例に係るOCRテスター200を用いて、過電流継電器102の動作特性試験及び遮断器104の連動特性試験を実施するためには、上記のように1600VA以上の電力を出力可能な大型の発電機300が必要となるので、試験を実施するための機材の運搬が更に大掛かりなものとなる。そのため、従来例に係るOCRテスター200を用いた場合には、試験を実施する作業員の肉体的負担が大きく、作業効率を上げることも困難である。
このような問題点を解決するものとして、本願の出願人は先に、バッテリーで駆動する小型軽量のOCRテスターを発明し、特許出願した(特願2018−146289)。本願の出願人が先に発明したOCRテスターは、受変電設備の主回路に接続された過電流継電器の動作特性試験と、前記過電流継電器の動作に連動して作動する遮断器の連動特性試験と、を行うOCRテスターにおいて、前記過電流継電器に試験電流を供給する試験電流源と、前記遮断器を動作させる直流電流源と、前記試験電流源からの前記試験電流の供給を受けて前記過電流継電器が動作した瞬間を検出する動作検出回路と、前記動作検出回路の出力信号に応じて、前記過電流継電器に供給する電流源を、前記試験電流源から前記直流電流源に瞬時に切り替える電流切替回路と、を備えたことを特徴とするものである。
このように、本願の出願人が先に発明したOCRテスターは、動作検出回路を用いて過電流継電器が動作した瞬間を検出し、電流切替回路により過電流継電器に供給する電流源を試験電流源から直流電流源に瞬時に切り替えるものであるので、動作検出回路は過電流継電器が動作した瞬間を試験電流値の大小に関わらず安定かつ確実に検出できる必要がある。また、OCRテスターの使用を容易なものにするため、試験電流値の大小に応じた動作検出回路の動作検出条件の設定は、自動的に行われることが望ましい。本願の出願人が先に発明したOCRテスターは、このような点において更なる改善の余地があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、使用が容易で動作安定性に優れた小型軽量のOCRテスターを提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は、受変電設備の主回路に接続された過電流継電器の動作特性試験と、前記過電流継電器の動作に連動して作動する遮断器の連動特性試験と、を行うOCRテスターにおいて、前記過電流継電器に試験電流を供給する試験電流源と、前記遮断器を動作させる直流電流源と、前記試験電流源からの前記試験電流の供給を受けて前記過電流継電器が動作した瞬間を検出する動作検出回路と、前記動作検出回路の出力信号に応じて、前記過電流継電器に供給する電流源を、前記試験電流源から前記直流電流源に瞬時に切り替える電流切替回路と、を備え、前記動作検出回路は、プラス端子及びマイナス端子に入力される各入力信号の大小関係が反転したときに電流切替信号を出力する比較器と、前記比較器に入力される前記各入力信号間に前記試験電流源から出力される前記試験電流の電流値に応じた直流バイアス電圧を付与するバイアス調整回路と、を有し、前記比較器のプラス端子には、前記試験電流源から出力される交流電圧を脈流化することにより得られる脈流電圧を入力し、前記比較器のマイナス端子には、前記過電流継電器への出力電流を検出する変流器で検出した電流値を電圧変換及び脈流化することにより得られる脈流電圧を入力することを特徴とする。前記バイアス調整回路は、前記試験電流源に対して行われる前記電流値の調整操作に連動して、前記直流バイアス電圧が自動的に所定の値に調整されるようにすることもできる。
本発明によれば、比較器に入力される各入力信号間に試験電流値に応じた直流バイアス電圧が付与されるので、試験電流値の大小に関係なく過電流継電器が動作したときの各入力信号の位相ずれ等に起因する動作検出回路の誤動作が回避され、OCRテスターの動作安定性が高められる。上述した以外の課題、構成及び効果については、以下に記載する実施形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係るOCRテスターの使用状態を示す図である。 本発明のOCRテスターに備えられるデジタルオーディオアンプの機能ブロック図である。 実施形態に係る動作検出回路の機能ブロック図である。 試験電流値に応じた直流バイアス電圧の調整方式を示すグラフ図である。 過電流継電器動作時における比較器のマイナス端子及びプラス端子に印加される脈流の変化を示す図である。 従来知られている電流引き外し方式の過電流継電器の機能構成図である。 第2実施形態に係るOCRテスターの使用状態を示す図である。 従来例に係るOCRテスターの使用状態を示す図である。
以下、本発明に係るOCRテスターの構成を、実施形態毎に図を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係るOCRテスター1Aは、電源としてバッテリー2を備えており、図8に示した従来技術とは異なり、発電機を必要としない構成になっている、バッテリー2としては、小型、軽量かつ大容量が要求されることから、リチウムポリマーバッテリー又はリチウムフェライトバッテリー等が好適に用いられるが、これに限定されるものではない。また、バッテリー2は、単体で用いることもできるし、複数個のバッテリーが直列又は並列に接続された電池パックを用いることもできる。バッテリー容量は、理論的には30V3000mAh程度であれば良いが、実用的には30V6000mAh以上であることが望ましい。さらに、バッテリー2は、OCRテスター1Aの筐体内に内蔵することもできるし、OCRテスター1Aに外付けすることもできる。
図1において、3は過電流継電器102の試験電流を発生する試験電流源、4は遮断器104の動作電流を発生する直流電流源、5は過電流継電器102が動作した瞬間を検出する動作検出回路、6は作業者によりオン操作又はオフ操作されるリレー、7は過電流継電器102への出力電流を検出する変流器、8は動作検出回路5の検出信号に応じて、過電流継電器102に供給される電流を、試験電流源3から直流電流源4に瞬時に切り替える半導体リレー、9は変流器7から出力される電流信号を演算して電流計10に表示する演算回路、11は過電流継電器102の起動及び停止等に関する制御並びに過電流継電器102及び遮断器104の動作時間の計測を行う制御回路、12は過電流継電器102及び遮断器104の動作時間を表示するカウンター回路を示している。なお、本明細書において「瞬時」とは、1〜数μS(マイクロ秒)程度の時間をいう。
試験電流源3は、図1に示すように、発振回路21と、可変抵抗器22を介して発振回路21に接続されたデジタルオーディオアンプ23と、デジタルオーディオアンプ23の出力を保護すると共に、デジタルオーディオアンプ23の出力電流の制御性を上げるための限流抵抗器24と、から構成されている。
発振回路21は、OCRテスター1Aから出力される交流の周波数を、過電流継電器102が保護する受変電設備の電気仕様に合わせるためのものであって、関東地区以北では50Hzの正弦波を出力するものが用いられ、関西地区以西では60Hzの正弦波を出力するものが用いられる。なお、発振回路21は、日本全国で同一のOCRテスター1Aを使用できるようにするため、出力周波数を切替可能に構成されたものを用いることもできる。発振回路21は、正弦波電圧を発生させる基準発振回路であり、回路方式については、特に限定されない。
可変抵抗器22は、OCRテスター1Aの出力電流を設定するもので、発振回路21の出力を電圧調整してデジタルオーディオアンプ23に供給する。可変抵抗器22は、作業者によって操作される。
デジタルオーディオアンプ23は、図2に示すように、A/D変換回路31と、ドライバー回路32と、電界効果トランジスタ(FET)を備えたパワーアンプ回路(FET PA回路)33と、波形整形用のLCフィルター回路34と、から構成されている。FET PA回路33は、最低40Aの交流電流を出力するため、高速スイッチング特性と、60A以上のドレン電流容量とを持つFETを出力素子として備えている。このように、デジタルオーディオアンプ23は、FETを出力素子として備えているので、バッテリー2の容量を有効活用することができる。即ち、デジタルオーディオアンプ23は、過電流継電器102を動作させるためにのみ利用するものであり、過電流継電器102を含めた回路インピーダンスから見て、その出力電圧はほとんど限流抵抗器24に依存する。従って、デジタルオーディオアンプ23の出力電圧は、限流抵抗器24の抵抗値の選択にもよるが、15V程度あれば良く、バッテリー2の容量を有効活用することができる。
限流抵抗器24は、過電流継電器102が接続されている回路の合成インピーダンスが0.1Ω〜0.2Ωと短絡状態に近いことから、デジタルオーディオアンプ23の出力保護と出力電流の制御性を良くするために、整定電流範囲毎の限流を目的として挿入される。一般的には、試験電流値を0〜5A、0〜10A、0〜25A、0〜50Aの4段階に切り替えるため、4個の抵抗器をロータリースイッチ等により切り替えている。
直流電流源4は、図1に示すように、遮断器104に内蔵されたトリップコイル106を励磁するためのもので、DC/DCコンバーター41と、DC/DCコンバーター41により生成された直流電圧を蓄電するコンデンサー42と、コンデンサー402を放電させる時間だけDC/DCコンバーター41を切り離すリレー回路43と、から構成されている。コンデンサー42には、遮断器104を動作させるに必要な40V以上の直流電圧が蓄電される。リレー回路43は、過電流継電器102が動作したタイミングで、動作検出回路5の出力信号により導通状態から遮断状態に切り換えられる。
動作検出回路5は、過電流継電器102が動作したときの試験電流源3から出力される交流電圧の上昇と変流器7で検出する試験電流値の減少を検出するものであり、図3に示すように、変流器7で検出した電流値を電圧変換し、増幅回路51で所定電圧まで増幅した後、第1の整流回路52で脈流化している。また、第1の整流回路52で脈流化された脈流電圧にバイアス調整回路58で調整されたプラスの直流バイアス電圧を付与し、比較器53のマイナス(−)端子に入力している。一方、試験電流源3から出力される交流電圧を第2の整流回路54で脈流化し、フォトカップラー55を介して比較器53のプラス(+)端子に入力している。フォトカップラー55を備えることにより、その入出力回路が絶縁されるので、第1の整流回路52で脈流化された脈流と第2の整流回路54で脈流化された脈流との混触が避けられる。
比較器53は、マイナス端子に入力される脈流電圧とプラス端子に入力される脈流電圧の大小関係が反転したときに電流切替信号を出力するもので、過電流継電器102の動作以前においては、図4(a)及び図4(b)に示すように、マイナス端子に入力される脈流電圧Aのピーク値Vとプラス端子に入力される脈流電圧Bのピーク値Vとがほぼ同程度となるように調整されている。また、マイナス端子に入力される脈流電圧Aには、バイアス調整回路58によって調整された直流バイアス電圧Vbiasが加えられている。直流バイアス電圧Vbiasは、図4(a)と図4(b)の比較から明らかなように、マイナス端子に入力される脈流電圧Aのピーク値Vが高いほど、即ち、試験電流源3の出力電流値が高いほど大きくなるように調整される。なお、図4(a)及び図4(b)においては、理解を容易にするため、脈流電圧Aのピーク値V、脈流電圧Bのピーク値V及び直流バイアス電圧Vbiasの関係を実際よりも極端に表示している。
バイアス調整回路58は、図3に示すように、直流バイアス電圧を調整するための可変抵抗器58aと、整流回路52の出力インピーダンスへの影響を除くための1つの固定抵抗器58bと、から構成されており、可変抵抗器58aは、試験電流源3に備えられた可変抵抗器22の操作に連動して抵抗値が調整されるようになっている。即ち、可変抵抗器58aと可変抵抗器22とは、1つの図示しない操作軸上に同軸に配置されており、試験電流源3から出力される試験電流の電流値(試験電流値)を高くする方向に可変抵抗器22を操作すると、自動的に第1の整流回路52で脈流化された脈流に付与されるプラスの直流バイアス電圧が増加する方向に可変抵抗器58aが操作されるように構成されている。これにより、マイナス端子に入力される脈流電圧Aには、試験電流値に応じた大きさの直流バイアス電圧Vbiasが付与される。直流バイアス電圧Vbiasは、脈流電圧A,Bの位相ずれや脈流電圧A,Bに重畳するノイズ、それに動作検出回路5の感度等を考慮し、動作検出回路5に誤動作を生じさせず、かつ良好な感度を維持できる適度の値に設定される。具体的な直流バイアス電圧Vbiasの値は、実験やシミュレーションにより求められる。
なお、バイアス調整回路58は、必ずしも試験電流源3に備えられた可変抵抗器22の操作に連動させる必要はなく、作業員が手動にて直流バイアス電圧を調整する構成とすることもできる。
以下、実施形態に係る動作検出回路5の動作について説明する。
過電流継電器102が動作する以前においては、図4(a)及び図4(b)に示すように、比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aのピーク値Vと比較器53のプラス端子に入力される脈流電圧Bのピーク値Vとがほぼ同程度となるように調整されている。また、比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aには、バイアス調整回路58によって調整された直流バイアス電圧Vbiasが加えられている。過電流継電器102が動作する以前においては、比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aの位相と比較器53のプラス端子に入力される脈流電圧Bの位相とが同相であり、かつ比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aにはバイアス調整回路58によって調整された直流バイアス電圧Vbiasが加えられているために、比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aの方が比較器53のプラス端子に入力される脈流電圧Bよりも常に高くなる。従って、比較器53の出力端子には電流切替信号が出力されない。
これに対して、過電流継電器102が動作した瞬間(OCR動作点)においては、試験電流が瞬時に過電流継電器102からトリップコイル106に転流するため、図5に示すように、比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aがトリップコイル106に流れる電流値に相当するレベルまで低下する。一方、比較器53のプラス端子に入力される脈動電圧Bは、試験電流が過電流継電器102からトリップコイル106に転流し、限流抵抗器24による電圧降下が減少するために上昇する。即ち、トリップコイル106のインピーダンスは、過電流継電器102のインピーダンスよりも大きな値であるため、過電流継電器102が動作した瞬間においては、試験電流が減流し、試験電流源3の出力電圧は上昇することになる。そして、比較器53のプラス端子に入力される脈動電圧Bが比較器53のマイナス端子に入力される脈流電圧Aを超えた時点(比較器出力点)で比較器53から電流切替信号が出力され、半導体リレー8が動作して過電流継電器102に供給される電流源が試験電流源3から直流電流源4に切り替えられる。
なお、図5においては、理解を容易にするため、比較器出力点以降についても脈流電圧A、Bを図示しているが、比較器53から電流切替信号が出力され、半導体リレー8が動作した後は、過電流継電器102に供給される電流源が試験電流源3から直流電流源4に切り替えられるため、消失する。
本例の動作検出回路5Aでは、電流切替信号を安定的に短時間持続させるため、比較器53から出力される電流切替信号を信号一時保持回路57に入力し、半導体リレー8の制御信号として出力している。第1の整流回路52としては、増幅回路51の出力電圧が低いため、IC演算素子等による絶対値回路を利用する。これに対して、第2の整流回路54としては、ダイオードブリッジからなるものを利用できる。また、信号一時保持回路57としては、単安定マルチバイブレーターを利用できる。
図1に戻って、リレー6は、常開型のリレーであり、作業者が制御回路11に付設された計測開始スイッチ11aを操作することによって導通状態に切り換えられる。これにより、OCRテスター1Aの電流出力端子1aから過電流継電器102への試験電流の出力が開始される。なお、リレー6を省略し、作業者により計測開始スイッチ11aが操作されたときに、制御回路11により半導体リレー8を制御して、OCRテスター1Aの電流出力端子1aから過電流継電器102への試験電流の出力を開始する構成とすることもできる。
半導体リレー8は、過電流継電器102が動作した瞬間に、過電流継電器102に供給される電流を試験電流源3から直流電流源4に瞬時に切り替える電流切替回路であり、FETを利用したICリレーをもって構成されている。半導体リレー8は、過電流継電器102が動作した瞬間に、過電流継電器102に供給される電流を試験電流源3から直流電流源4に瞬時に切り替えられるものであれば良く、図1に示す回路構成に限定されるものではない。
演算回路9は、変流器7の出力電圧を増幅及び演算して、過電流継電器102に出力される電流の電流値を計測し、その計測値を電流計10に表示させる。
制御回路11は、計測開始スイッチ11aを備えており、出力のオンオフ制御、出力時間(計測開始スイッチ11aの操作時から遮断器104が動作するまでの時間)の計測等を制御する機能を備えている。カウンター回路12は、出力時間をカウントして表示部に表示する。これにより、過電流継電器102及び遮断器104の動作時間が検出される。
上記のように、本例の動作検出回路5Aは、OCR動作点において減少する脈流電圧Aを比較器53のマイナス端子に入力し、OCR動作点において増加する脈流電圧Bを比較器53のプラス端子に入力したので、OCR動作点における脈流電圧Bの増加分に相当する大きな直流バイアス電圧Vbiasを脈流電圧Aに付与できる。このため、本例の動作検出回路5Aは、本願の出願人が先に出願したOCRテスターに比べて、脈流電圧A、B間に生じるより大きな位相ずれや脈流電圧A、Bに重畳するより大きなノイズを許容でき、動作安定性に優れる。
以下、第1実施形態に係るOCRテスター1Aを用いた動作特性試験の試験方法について説明する。なお、以下においては、受変電設備の受配電線100に、電流引き外し方式の過電流継電器102が備えられている場合を例にとって説明する。
電流引き外し方式の過電流継電器102は、図6に示すように、変流器101等から流入する負荷電流を流すオフ接点111を内蔵した主回路112と、主回路112の電流を検出する変流器113の出力電流値と内蔵する動作設定回路の設定電流値とを比較して、変流器113の出力電流値は動作設定回路の設定電流値を超えていると判断した場合に所定の制御信号を出力する制御回路114と、から構成されている。そして、制御回路114は、変流器113の出力電流値は動作設定回路の設定電流値を超えていると判断した場合、設定電流値により定められた時限をもって主回路112に内蔵されたオフ接点111を作動し、過電流継電器102に流入した電流を遮断器104に内蔵されたトリップコイル106に流し込む。これにより遮断器104を遮断させる。
動作特性試験の実施に際しては、図1に示すように、OCRテスター1Aの電流出力端子1aをテスト端子103に接続すると共に、制御回路11に遮断検出部105の出力端子を接続する。
次に、作業員が制御回路11に備えられた計測開始スイッチ11aを操作し、可変抵抗器22を調整して、OCRテスター1Aの電流出力端子1aからテスト端子103を介して過電流継電器102の入力端子に、過電流継電器102の駆動に必要な電流値、例えば瞬時特性試験であれば瞬時整定電流値(最低20A)の2倍である40Aを設定し出力する。これにより、過電流継電器102にセットされた時限で過電流継電器102が作動する。
動作検出回路5は、変流器7の出力信号と試験電流源3の出力電圧とから過電流継電器102が動作した瞬間を検出して電流切替信号を生成し、半導体リレー8に電流切替信号を送信する。これにより、電流出力端子1aから過電流継電器102に供給される電流源が、試験電流源3から直流電流源4に瞬時(1〜数μS程度)に切り替えられ、コンデンサー42に蓄電された直流電流がトリップコイル106に流れ込んで、遮断器104が遮断側に切り替わる。このときの遮断器104の動作は、遮断検出部105によって検知され、遮断検出部105は、検知信号を制御回路11に出力する。
カウンター回路12は、試験電流の出力時から遮断時までの経過時間、即ち、過電流継電器102及び遮断器104の動作時間を計測する。そして、過電流継電器102の動作電流及び動作時間が過電流継電器メーカー及び遮断器メーカーが指定する範囲内にあるとき、制御回路11は過電流継電器102及び遮断器104は正常であると判定する。
第1実施形態に係るOCRテスター1Aは、バッテリー2を電源とするので、全体を小型かつ軽量に作製できる。また、第1実施形態に係るOCRテスター1Aは、試験電流源3に発振回路21及びデジタルオーディオアンプ23を備えたので、バッテリー2の出力電流から過電流継電器102の動作に必要な最低40Aの交流の試験電流を効率よく生成できる。さらに、第1実施形態に係るOCRテスター1Aは、過電流継電器102の動作後にコンデンサー42に蓄電された直流電圧をトリップコイル106に出力するので、遮断器104を動作させることができる、この直流電流は、トリップコイル106を起動する瞬間的な時間だけ継続すればよいので、直流電源容量としては僅かであり、コンデンサー42に蓄積させた電荷で対応できる。
この点についてより詳細に説明すると、過電流継電器102を動作させる試験電流源3の電圧は、負荷インピーダンスが0.1Ω〜0.2Ωと非常に小さいことから、限流抵抗器24を加えても15V以上あれば良い。従って、電力容量としては、理論的に40A×15Vで600W以上あれば良いことになる。一方、遮断器104の動作電圧は、トリップコイル106への流入電流が3A以上と規程されている場合が多いことから、交流電圧で40V以上の電圧が必要とされる。このため、過電流継電器102を動作させる試験電流源3では、そのまま遮断器104へ転流しても、遮断器104は動作できないか、動作が不安定となる。
第1実施形態のOCRテスター1Aは、バッテリー2の出力から過電流継電器102の動作電流と遮断器104の動作電流とをそれぞれ生成し、過電流継電器102が動作した瞬間に半導体リレー8で過電流継電器102に供給される電流源を試験電流源3から直流電流源4に瞬時に切り替えるので、遮断器104を安定して動作させることができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係るOCRテスター1Bの構成を、図7に基づいて説明する。第2実施形態に係るOCRテスター1Bは、図7に示すように、第1実施形態に係るOCRテスター1Aに、過電流継電器102及び遮断器104の試験モードを、過電流継電器102の動作特性試験及び遮断器104の連動特性試験の双方について行う第1モード又は過電流継電器102の動作特性試験のみを行い、遮断器104の連動特性試験については行わない第2モードに切り替えるモード切替スイッチ8a、8bを追加したことを特徴とするものである。
モード切替スイッチ8aは、OCRテスター1Bの使用者が手動により切り替える。使用者がモード切替スイッチ8aを閉状態に切り替えた場合には、過電流継電器102が動作した瞬間に直流電流源4に貯えられた電流が遮断器104に供給されるので、第1モードで試験を行うことができる。これに対して、使用者がモード切替スイッチ8aを開状態に切り替えた場合には、過電流継電器102が動作したのちも直流電流源4に貯えられた電流が遮断器104に供給されないので、第2モードで試験を行うことができる。この場合、モード切替スイッチ8bを動作検出回路5側に切り替えることにより、動作信号が動作検出回路5から直接制御回路に入力されるので、過電流継電器102の動作時間計測が可能になる。その他については、第1実施形態に係るOCRテスター1Aと同じであるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るOCRテスター1Bは、このように構成されているので、過電流継電器102の動作特性試験と遮断器104の連動特性試験とを切り分けて実施することが可能となり、受電状態での過電流継電器102の動作特性試験の実施が可能となる。また、過電流継電器102の動作特性試験を単独で行うことができるので、遮断器104の動作に伴う騒音問題も解消できる。
なお、本発明の範囲は、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々に変更、追加又は削除を加えて実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、バッテリー2を電源として用いたが、バッテリーに代えて発電機を電源として用いることもできる。この場合には、試験電流源3にスライダックが備えられる。上記のように、実施形態のOCRテスター1A、1Bは、試験電流源3と直流電流源4とを別構成にしたので、従来技術に比べて小型のスライダックを備えれば良く、小型の発電機を用いて過電流継電器102の動作特性試験及び遮断器104の連動特性試験を実施することができる。よって、過電流継電器102の動作特性試験及び遮断器104の連動特性試験を容易に行うことができる。
また、限流抵抗器24の切替タップを追加し、出力電流値を小さく(mA単位)可変すると共に、この電流との位相と出力電圧を可変できる小容量の電圧源を付加することにより、地絡方向継電器(DGR)用のテスターとしても利用可能となる。
1A、1B…OCRテスター、1a…電流出力端子、2…バッテリー、3…試験電流源、4…直流電流源、5、5A、5B、5C、5D…動作検出回路、6…リレー、7…変流器、8…半導体リレー(電流切替回路)、8a、8b…モード切替スイッチ、9…演算回路、10…電流計、11…制御回路、11a…計測開始スイッチ、12…カウンター回路、21…発振回路、22…可変抵抗器、23…デジタルオーディオアンプ、24…限流抵抗器、31…A/D変換回路、32…ドライバー回路、33…FET PA回路、34…LCフィルター回路、41…DC/DCコンバーター、42…コンデンサー、43…リレー回路、51…増幅回路、52…整流回路、53…比較器、54…整流回路、55…フォトカップラー、56…位相補償回路、57…信号一時保持回路、58…バイアス調整回路、58a…可変抵抗器、58b…固定抵抗器、100…受配電線、101…変流器、102…過電流継電器、103…テスト端子、104…遮断器、105…遮断検出部、106…トリップコイル、111…オフ接点、112…主回路、113…変流器、114…制御回路。

Claims (2)

  1. 受変電設備の主回路に接続された過電流継電器の動作特性試験と、前記過電流継電器の動作に連動して作動する遮断器の連動特性試験と、を行うOCRテスターにおいて、
    前記過電流継電器に試験電流を供給する試験電流源と、前記遮断器を動作させる直流電流源と、前記試験電流源からの前記試験電流の供給を受けて前記過電流継電器が動作した瞬間を検出する動作検出回路と、前記動作検出回路の出力信号に応じて、前記過電流継電器に供給する電流源を、前記試験電流源から前記直流電流源に瞬時に切り替える電流切替回路と、を備え、
    前記動作検出回路は、プラス端子及びマイナス端子に入力される各入力信号の大小関係が反転したときに電流切替信号を出力する比較器と、前記比較器に入力される前記各入力信号間に前記試験電流源から出力される前記試験電流の電流値に応じた直流バイアス電圧を付与するバイアス調整回路と、を有し、
    前記比較器のプラス端子には、前記試験電流源から出力される交流電圧を脈流化することにより得られる脈流電圧を入力し、前記比較器のマイナス端子には、前記過電流継電器への出力電流を検出する変流器で検出した電流値を電圧変換及び脈流化することにより得られる脈流電圧を入力することを特徴とするOCRテスター。
  2. 前記バイアス調整回路は、前記試験電流源に対して行われる前記電流値の調整操作に連動して、前記直流バイアス電圧が自動的に所定の値に調整されることを特徴とする請求項1に記載のOCRテスター。
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