JP6927959B2 - ベンジリデングアニジン誘導体と化学療法剤の併用による癌の治療方法 - Google Patents

ベンジリデングアニジン誘導体と化学療法剤の併用による癌の治療方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、癌の治療に使用するための医薬の製造におけるベンジリデングアニジン誘導体とテモゾロミド(temozolomide)の組み合わせの使用に関する。特に、治療される癌は脳腫瘍、より具体的には神経膠腫(glioma)、より具体的には更に多形性神経膠芽腫(glioblastoma multiforme:GBM)であり、好適な組み合わせはグアナベンズ(guanabenz)とテモゾロミドを含む。
発明の背景
脳及び中枢神経系(CNS)の腫瘍は、脳、髄膜、脊髄、及びCNSの他の部分に生じる多様な癌の群である。それらは良性又は悪性に分類され、原発性又は転移性であり得る。
神経膠腫は、神経系腫瘍の最も多いタイプの1つである。神経膠腫は、すべての原発性脳腫瘍の約半分及び原発性脊髄腫瘍の5分の1を占める。神経膠腫はグリア細胞の腫瘍であり、最も多いのは星状細胞の腫瘍である。これらの細胞は、脳の神経細胞を支持し保護する。神経膠腫は、脳又は脊髄のあらゆる場所(小脳、脳幹、又は視神経交叉を含む)で発生し得る。神経膠腫はしばしば予後不良であり、従って最も恐ろしい疾患の1つである。毎年診断されるすべての脳腫瘍のうち約半数は悪性神経膠腫であり、これは18ヶ月以内に死に至る。
神経膠腫は、その増殖特性に基づいて、低悪性度神経膠腫と高悪性度神経膠腫に分類することができる。低悪性度の神経膠腫は通常局在化しており、長期間にわたってゆっくりと増殖する。低悪性度神経膠腫の例には、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫が含まれる。これらの低悪性度神経膠腫の大部分は、時間の経過とともに脱分化して悪性の高悪性度神経膠腫になり、これは急速に増殖し容易に脳に広がる。高悪性度神経膠腫の例には、未分化星状細胞腫や多形性神経膠芽腫が含まれる。
多形海綿膠芽腫としても知られている多形性神経膠芽腫(GBM)は、これらの中で最も一般的であり、すべての悪性の脳及び中枢神経系の癌の45.2%を占める(Ostrom et al., 2014 The epidemiology of glioma in adults: a “state of the science” review. Neuro-Oncology, 16(4), 896-913)。GBMの年間発生率は10万人当たり5〜7人まで変動し、欧州連合では毎年約25,000の新規症例が診断され、ほぼ同じ数が米国でも診断されている。兆候及び症状は、いくつかの要因(腫瘍サイズ、増殖速度、腫瘍の局在)に依存し、主に頭痛、発作、神経学的欠損、及び精神状態の変化が表われる。
神経膠腫の治療には、一般的に外科的切除が行われ、続いて放射線療法及び化学療法が行われる。現在の化学療法に関して、口腔メチル化化学療法剤であるテモゾロミドは、外部放射線照射と併用してアジュバント療法を併用する時、新たに診断されたGBMの標準治療となった。新たに診断されたGBMを有する患者では、現在の標準治療は、全生存期間の中央値は1年を少し上回る。再発性又は進行性GBMの患者では、予後は特に不良である。ほとんどすべてのGBM患者は5年以内に死亡する。
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−as−テタジン−8−カルボキサミドとしても知られているテモゾロミド(TMZ)(商品名テモダー(Temodar)及びテモダル(Temodal)及びテモカド(Temcad))(米国特許第5,260,291号参照)は、神経膠腫治療に使用される経口化学療法薬であるが、ほとんど又はまったく効かない。これは、GBM並びに黒色腫(皮膚癌の一形態)の治療に使用されるアルキル化剤である。テモゾロミドは再発したグレードIIIの未分化星状細胞腫にも用いられる。テモゾロミドは、アルキル化剤であるダカルバジン(dacarbazine)のプロドラッグかつイミダゾテトラジン誘導体である。テモゾロミドの治療上の利点は、DNAをアルキル化/メチル化する(これは、グアニン残基のN−7位又はO−6位で最も頻繁に生じる)その能力に依存する。このメチル化はDNAに損傷を与え、腫瘍細胞の死を誘発する。しかし、ある種の腫瘍細胞は、O−6−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)遺伝子によりヒトでコードされたタンパク質O6−アルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼ(AGT)を発現することにより、この種のDNA損傷を修復することができ、従ってテモゾロミドの治療効果を減少させることができる。一部の腫瘍では、MGMT遺伝子のエピジェネティックなサイレンス化がこの酵素の合成を妨げ、その結果、このような腫瘍はテモゾロミドによる死滅に対してより感受性になる。逆に、脳腫瘍におけるAGTタンパク質の存在は、テモゾロミドに対する反応が低いことを予測し、これらの患者はテモゾロミドによる化学療法の効果がほとんどない。
放射線療法とテモゾロミドの併用でも、中央値28ヶ月の追跡調査で生存期間中央値は14.6ヶ月であった(Stupp et al., New England J. Med., 352:987 (2005))。2年生存率は、放射線療法+テモゾロミドで26.5%、放射線療法単独で10.4%であった。
従って、テモゾロミドの導入にもかかわらず、薬物耐性を防止するために、神経膠腫に対して活性な新しい薬剤の開発のためのさらなる研究が必要である。実際に、神経膠腫の治療のための新しい有力な薬剤に対する医学的ニーズは依然として達成されていない。本発明は、このニーズび他のニーズを満たすことに向けられている。
本発明者らは、グアナベンズとも呼ばれる化合物2−(2,6−ジクロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド及び本明細書に開示の種々のグアナベンズ誘導体を、テモゾロミドなどの従来の化学療法剤と組み合わせて使用すると、テモゾロミドなどの従来の化学療法剤を単独で使用する場合と比較して、神経膠腫のインビボモデルにおいて相乗的抗腫瘍応答が得られることを発見した。
グアナベンツ:
Figure 0006927959
は、抗高血圧薬として使用されたアルファ−2型のアルファアゴニストである。更にグアナベンズ及びいくつかのグアナベンズ誘導体は、小胞体(ER)におけるミスフォールディングされたタンパク質の致死的蓄積[フォールディングされなかったタンパク質応答(Unfolded Protein Response:UPR)を活性化するERストレスと呼ばれる現象]から細胞を保護し、これは、ERストレスに対する適応応答及びアポトーシス応答を綿密に調整する。グアナベンズ及び一部のグアナベンズ誘導体は、プロテインホスファターゼ1の調節サブユニット、PPP1R15A(GADD34)、に結合し、翻訳開始因子2のαサブユニット(eIF2α)のストレス誘導性脱リン酸化を選択的に破壊する作用をする。すなわちグアナベンズ及び一部のグアナベンズ誘導体は、ストレス細胞における翻訳速度を、利用可能なシャペロンによって管理可能なレベルに設定し、それによってタンパク質のホメオスタシスを回復させる。グアナベンズは構成的PPP1R15B(CReP)に結合せず、従って非ストレス細胞において翻訳を阻害しないことが報告されている(Tsaytler et al., 2011 Science 332 pp91-94; Das et al., 2015 Science 348 pp239-242)。
ERストレスは癌細胞に存在する。実際、悪性腫瘍の発生後、急速な腫瘍増殖と不不充分な血管新生が微小環境ストレスをもたらし、これがUPRを活性化する。増強されたERストレスのシグナル伝達及び増加したシャペロン発現は薬剤耐性に連結しており、癌細胞の適応能力を構成してERタンパク質のホメオスタシス(又はプロテオスタシス)を維持し、それによりアポトーシスに対抗する(Yadav et al. 2014 J. Cancer Prevention 19 pp75-88 ; Lee et al. 2008 Neuro-oncology 10 pp236-243)。UPRは誘発された腫瘍休眠と相まって、新生細胞をアポトーシスから二重に防御し、いったん好ましい増殖条件が回復すると再発を可能にする。しかしながら、ERストレスが延長され、UPRがERプロテオスタシスを回復できない場合、腫瘍細胞アポトーシスが起きる(Vandewynckel et al. 2013 Anticancer Res. 33 pp4683-4694)。
従って、タンパク質ホメオスタシスを回復するための化学療法剤とPPP1R15A阻害剤とを用いる癌治療が提案されている:
EP2059233号は、哺乳動物の癌を予防又は治療するための医薬組成物を調製するための、エトポシド又はマイトマイシンCなどの癌治療に使用される第2の製品と組み合わせたPPP1R15A阻害剤の使用を開示する。
国際公開第2010/054381号は、哺乳動物の癌を予防又は治療するための医薬組成物を調製するための、ボルテゾミブ(bortezomib)などのプロテアソーム阻害剤と組み合わせた非選択的PPP1R15A阻害剤サルブリナール(salubrinal)の使用を開示する。
国際公開第2006/061647号(Acure Pharma AB)は、腫瘍成長中の望ましくない血管形成の治療又は予防における、VEGFR阻害剤としてのN−(2−クロロ−3,4−ジメトキシベンジリデンアミノ)グアニジンの使用及びその関連する応用を開示する。
US2014/0235556号は、神経膠腫を治療するための方法、及びテモゾロミドと種々の市販薬物の組み合わせを開示している。更にUS2014/0235556号は、テマゾロマイドと腹腔内投与されたグアナベンズとの組み合わせが、神経膠腫のげっ歯類モデルにおいて抗腫瘍効果を有さないことを示している。
本発明者らは予想外に、本明細書に開示されるグアナベンズ及び種々のグアナベンズ誘導体が、テモゾロミドと組合せて使用される場合、神経膠腫のインビボモデルにおいて相乗的抗腫瘍応答を与えることを発見した。これらの知見は、癌、特に神経膠腫、より詳細には神経膠芽腫の治療に対する新しいアプローチを提供する。
添付の図面は、開示された実施態様を示し、開示された実施態様の原理を説明する。しかしながら、これらの図面は説明の目的のためであり、発明の限界の定義するものではないことを理解されたい。
図1は、対照と比較して、テモゾロミド単独(500μM)を用いた処理によるGL261腫瘍重量の低下と、化合物3又は22又はグアナベンズとテモゾリミドとの組合せを用いた処理によるGL261腫瘍重量の相乗的低下を示す。陰性対照はテモゾロミドを含まずDMSOを含む。化合物3又はグアナベンズ単独(100nM)は、腫瘍サイズの低下に影響を与えないか又は弱い効果しか与えない。 図2は、対照と比較して、テモゾロミド単独(500μM)を用いた処理によるGL261腫瘍重量の低下と、化合物2又は6又は11又は15とテモゾリミドとの組合せを用いた処理によるGL261腫瘍重量の相乗的低下を示す。化合物2,11、及び15単独(100nM)は腫瘍サイズを低下させ、従って抗腫瘍活性を有する。化合物6単独(100nM)は、腫瘍サイズの低下に影響を及ぼさない。化合物2,6,11、又は15とテモゾロミドとの組み合わせは、テモゾロミド単独と比較して、腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある。 図3は、対照と比較して、テモゾロミド単独(500μM)を用いた処理によるGL261腫瘍重量の低下と、及び化合物16又は20又は25又は26又は28又は29又は33とテモゾリミドとの組み合わせを用いた処理によるGL261腫瘍重量のさらなる低下を示す、陰性対照はテモゾロミドを含まずDMSOを含む。
発明の説明
本発明は、細胞増殖性障害の治療に有用な組み合わせ、組成物、及び方法を提供する。
第1の目的において、本発明は、以下の組合せに関する:
− 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩
Figure 0006927959
[式中、
Halは、Cl、F、Br、又はIであり;
Wは、CR4又は−N=あり;
Xは、CR1又は−N=あり;。
Yは、CR2又は−N=あり;
Zは、CR3又は−N=あり;
R1は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
R2は、H、Hal、アルキル、O−アルキル、及びC(O)R6から選択され;
R3は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
R4は、H、Cl、F、Br、又はIから選択され;
R5は、O−R7、又はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールから選択され、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており;
R6は、OH、=O、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO2−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO2−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル、及びアルコキシから選択され;
R7は、H、又はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールであり、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており
R8は、H、OH、=O、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO2−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO2−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル、及びアルコキシからなる群から選択される]、
又は、そのプロドラッグ、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩、からなる群から選択される第1の活性薬剤(ここで、前記第1の活性薬剤は、経口、静脈内、硬膜外、大脳内、又は脳室内、好ましくは経口又は静脈内経路用の投与形態である)、
及び
− テモゾロミド、そのプロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩である第2の活性薬剤(ここで、前記第1及び第2の活性薬剤は、同時に、別々に、又は逐次的に使用するためのものである)。
第1及び第2の活性薬剤は、同じ組成物中又は別個の組成物中のいずれかで、同じか又は別個の包装内に配合することができることを理解されたい。
更に、それらは同じか又は別個の投与形態であってもよい。
従って、第1及び第2の活性薬剤を別々の形態及び/又は組成物中に含むキットは、本発明に包含される。
ある実施態様において、第1及び第2の活性薬剤は、同じか又は異なる製剤中に配合されてもよい。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は経口投与形態である。
ある実施態様において、第2の活性薬剤は、経口又は静脈内経口投与形態である。
ある実施態様において、第1及び第2の活性薬剤は、同じか又は異なる製剤の経口投与形態で、同じか又は別々の組成物中である。
ある実施態様において、第1及び第2の活性薬剤は、単一の製剤中で同じ経口投与形態である。
さらなる目的において本発明は、神経膠腫などの増殖性障害の治療及び/又は予防に使用するための上記で定義した組合せに関し、ここで前記式(I)の化合物は、経口、静脈内、硬膜外、大脳内、又は脳室内の経路で投与される。
別の目的において本発明はまた、神経膠腫の予防又は治療、又は神経膠腫の影響の緩和に使用するための、上記で定義した本発明の組み合わせにも関する。
ある実施態様において、神経膠腫は神経膠芽腫、特に多形性神経膠芽腫である。
別の目的において本発明は、神経膠腫を治療または予防するための、又は神経膠腫、特に多形神経膠芽腫の影響を緩和するための方法であって、それを必要とする患者に上記で定義した本発明の組み合わせを投与することを含む方法に関する。
さらなる目的において本発明はまた、以下を含む医薬組成物に関する:
− 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩
Figure 0006927959
[式中、
Halは、Cl、F、Br、又はIであり;
Wは、CR4又は−N=あり;
Xは、CR1又は−N=あり;。
Yは、CR2又は−N=あり;
Zは、CR3又は−N=あり;
R1は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
R2は、H、Hal、アルキル、O−アルキル、及びC(O)R6から選択され;
R3は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
R4は、H、Cl、F、Br、又はIから選択され;
R5は、O−R7、又はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールから選択され、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており;
R6は、OH、=O、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO2−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO2−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル、及びアルコキシから選択され;
R7は、H、又はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールであり、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており
R8は、H、OH、=O、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO2−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO2−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、CF3、アルキル、及びアルコキシからなる群から選択される]、
又は、そのプロドラッグ、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩、からなる群から選択される第1の活性薬剤、
− テモゾロミド、そのプロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩である第2の活性薬剤、
及び
− 薬学的に許容される担体
この目的において前記組成物は、同じ製剤内に両方の活性薬剤を含む。
前記組成物は、両方の活性薬剤が同じ投与形態で同時投与に適している場合に利用可能であることを、理解すべきである。
上記で定義した本発明の様々な目的において、上記又は下記の様々な態様又は実施態様は、単独又は組み合わせて包含される:
以下は、式(I)の具体的な実施態様である。
ある好適な実施態様において、HalはClである。
ある好適な実施態様において、Xは−CR1=である。
ある好適な実施態様において、Yは−CR2=である。
別の好適な実施態様において、YはNである。
ある好適な実施態様において、Z=−CR3=である。
ある好適な実施態様において、W=−CR4=である。
ある好適な実施態様において、R1はH又はF、より好ましくはHである。
ある好適な実施態様において、R2はH又はF、より好ましくはHである。
ある好適な実施態様において、R3はH又はF、より好ましくはHである。
ある好適な実施態様において、R4はH、Cl、又はF、好ましくはH又はClである。
ある好適な実施態様において、R3及びR4は両方ともHである。
ある好適な実施態様において、R2、R3、及びR4はすべてHである。
ある好適な実施態様において、R5は、H、O−(C3〜C6)アルキル、O(C2〜C6)アルキル−OH、O−(C1〜C3)アルキル−S−(C1〜C3)アルキルである。
ある好適な実施態様において、HalはClであり、R4はClである。
ある好適な実施態様において、HalはClであり、R4はHである。
1つの特に好適な実施態様において、式(I)の化合物は、以下:
Figure 0006927959
Figure 0006927959

Figure 0006927959

Figure 0006927959
又はそのプロドラッグ、互変異性体、又はその薬学的に許容される塩 又は遊離塩基形態から選択される。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、グアナベンズ、そのプロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド又は2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、そのプロドラッグ又は薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、2−(2−クロロベンジリデン)−N’−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、2−(2−クロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド、そのプロドラッグ又は薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、N’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩である。
ある実施態様において、第1の活性薬剤は、2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩、及び2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド、そのプロドラッグ又はその薬学的に許容される塩若しくは遊離体から選択される。
そのような組み合わせは、いずれかの単独療法による治療よりも有効である。更に、本発明の組み合わせ、組成物、製剤、キット、及び方法は、本来必要な量よりも少ない用量の1つ以上の薬剤活性物質を投与して、治療効果を達成し、それにより投与される用量に関連する副作用を低減することを可能にする。
本方法のいくつかの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び化学療法薬又はその薬学的に許容される塩は、同時に投与される。他の実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び化学療法薬又はその薬学的に許容される塩は、異なる時間に投与される。従って、例えばTMZ又は式(I)の化合物、例えばグアナベンズ、2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド、2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、2−(2−クロロベンジリデン)−N’−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド、2−(2−クロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド、N’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド、2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、(2−クロロベンジリデン)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩、及び2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドは、同じ日に又は異なる日に、及び/又は同時に又は異なる時間に投与することができる。
更に、TMZ(又はその薬学的に許容される塩)及び式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩)は、任意の他の治療薬及び/又は化学療法薬と組み合わせて投与することができる。特定の実施態様において、TMZ(又はその薬学的に許容される塩)及び式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩)は、外科手術の前及び/又は後に投与され得る。他の実施態様において、TMZ(又はその薬学的に許容される塩)及び式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩)は、放射線治療の前、その最中、又はその後に投与することができる。
定義
本明細書で使用される用語「障害」、「疾患」、「症状」は、同じ意味を有する。
本明細書において使用される、細胞増殖性障害は、任意の細胞増殖性障害である。「細胞増殖性障害」という語句は新生物を指す。これは、正常よりも速く増殖する、細胞の異常な増殖又は異常な細胞の増殖である。新生物は、良性又は悪性あり得る形が定まらない塊(腫瘍)を生じる。「良性」という用語は、非癌性の腫瘍、例えばその細胞が周辺組織に侵入しないか、又は遠くの部位に転移することのない腫瘍を指す。「悪性」という用語は、癌性及び/又は転移性であり、すなわち隣接組織に侵入するか又はもはや正常な細胞増殖制御下にない腫瘍を指す。本発明により治療し得る細胞増殖性障害の非限定例には、神経膠腫、黒色腫、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、肝臓癌、腎臓癌、脾臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌及び/又は結腸癌、頭頸部癌、肉腫、リンパ腫、又は白血病が挙げられる。他の好適な実施態様において、細胞増殖性障害は神経膠腫である。
本明細書において使用される「神経膠腫」は、神経系のグリア細胞の腫瘍又は癌を意味する。神経膠腫は、一般に脳又は脊椎から始まる。グリア細胞には、腫瘍又は癌を引き起こし得る3つのタイプがある。神経膠腫は、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、上衣腫、又はこれらの混合物(混合神経膠腫とも呼ばれる)であり得る。星状細胞腫は、世界保健機関(World Health Organization)によって4つの等級に分けられている。グレードIである毛様細胞性星状細胞腫は、成長が遅く、比較的はっきりした境界を有するという特徴がある。本発明のある実施態様において、神経膠腫は星状細胞腫である。グレードIIである低悪性度の星状細胞腫は、遅い成長を特徴とするが、境界はあまりはっきりしていない。グレード2の神経膠腫は中枢神経系の他の部分にほとんど拡散しない。グレードIIIである未分化星状細胞腫は、比較的速く、より積極的な成長(グレードIIと比較して)が特徴であり、腫瘍細胞の外観は不均一である。グレードIIIの神経膠腫は隣接組織に侵襲する。グレードIVの神経膠芽腫は、最も侵襲性の高いグリア腫瘍である。グレードIVの神経膠腫は急速に増殖し、一般的に近くの組織に広がる。ある実施態様において、神経膠腫は未分化星状細胞腫である。別の好適な実施態様において、神経膠腫は多形性神経膠芽腫である。
本明細書において使用される「被験体」又は「患者」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。ヒトに加えて、本発明の範囲内の哺乳類の範疇には、例えば、農業動物、家畜、実験動物などが含まれる。農業動物のいくつかの例には、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギなどが含まれる。家畜には、イヌ、ネコなどが含まれる。実験動物のいくつかの例には、ラット、マウス、ウサギ、モルモットなどが含まれる。
本明細書中で使用される用語「治療する」、「治療している」、「治療」、これらの文法的変形は、個々の被験体を、その被験体(例えば患者)において生理学的応答又は結果を得ることが望ましいプロトコール、処方、プロセス、又は治療法に供することを意味する。本明細書において用語「治療している」は、疾患又は障害の進行を排除、実質的に抑制、減速、又は逆転させること、疾患又は障害の臨床症状を実質的に改善すること、又は疾患若しくは障害の臨床症状の出現を実質的に予防することを含む。特に本発明の方法及び組成物は、疾患症状の発症をゆっくりするか、又は疾患又は症状の発症を遅らせるか、又は疾患発症の進行を停止させるために使用し得る。しかしながら、全ての処置された被験体が、特定の治療プロトコール、処方、プロセス、又は治療法に応答しない訳ではないため、それぞれ全ての被験体又は被験体集団(例えば患者集団)で所望の生理学的応答又は結果が各達成されなければならないということはない。
本明細書中で使用される用語「改善する」、「改善している」、及びそれらの文法的変形は、被験体における疾患の症状の重症度を低下させることを意味する。
本明細書中で使用される「医薬品の調製」という語句は、さらなる活性薬剤のスクリーニングプログラムにおけるその使用に加えて、又はそのような医薬品の製造の任意の段階における使用に加えて、記載された化合物の1つ以上の医薬としての直接的な使用を含む。
「方法」という用語は、所定の作業を達成するための方法、手段、技術、及び手順を指し、特に限定されないが、化学、薬学、生物学、生化学、及び医学分野の専門家に公知の、又彼らにより、公知の方法、手段、技術、及び手順から容易に開発された方法、手段、技術、及び手順を含む。
「治療有効量」という用語は、治療される疾患又は障害の症状の1つ以上をある程度緩和する化合物の投与される量を指す。式(I)の化合物及び化学療法剤に関して本明細書において使用される用語「治療有効量」は、細胞増殖性障害(例えば、神経膠腫など)の治療又は管理において治療上の利益を提供する量を意味する。好適な実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び化学療法剤又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は、いずれかの治療単独で必要な量より少なく、従って投与される投与量に関連する有害作用を低減するであろう。
本明細書において使用される「化学療法剤」は、癌又は腫瘍(例えば神経膠腫)を治療するために使用され得る薬物である。化学療法剤は、DNA損傷剤、代謝拮抗剤、抗微小管剤、又は抗生物質剤でもよい。DNA損傷剤には、アルキル化剤、インターカレート剤、及びDNA複製の酵素阻害剤が含まれる。化学療法剤は、(i)任意のアルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸塩、ニトロソ尿素、及びトリアゼンを含む);(ii)任意のDNAインターカレート剤又は鎖切断剤(ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、及びミトキサントロンを含む);(iii)DNA複製の酵素阻害剤(例えばイリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、及びテンポシド;(iv)代謝拮抗物質(メトトレキサート及びプレメトレキセドなどの葉酸アンタゴニスト、6−メルカプトプリン、ダカルバジン、及びフルダラビンなどのプリンアンタゴニスト、及び5−フルオロウラシル、アラビノシルシトシン、カペシタビン、ゲムシタビン、及びデシタビンなどのピリミジンアンタゴニスト);(v)抗微小管剤(特に限定されないが、ビンカアルカロイド、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、及びイクサベピロン(Ixempra(登録商標));及び(vi)抗生物質(特に限定されないが、アクチノマイシン、アントラサイクリン、バルルビシネピルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、及びマイトマイシンを含む)であり得る。
好適な実施態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、その薬学的に許容される塩、そのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。アルキル化剤は、細胞DNA、RNA、及びタンパク質分子と、及びより小さなアミノ酸、グルタチオン、及び類似の化学物質と、共有化学的付加物を形成する。一般にこれらのアルキル化剤は、細胞成分中の求核原子、例えば核酸、タンパク質、アミノ酸、又はグルタチオン中のアミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルフヒドリル基などと反応する。癌治療におけるこれらのアルキル化剤の機構及び役割は十分に理解されていない。典型的なアルキル化剤としては、ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、シクロホスファミド(Cytotaxan(登録商標))、イソファミド、メクロレタミン、又はムスチン、メルファラン、ウラムスチン又はウラシルマスタード、クロラムブシル、イホスファミド、ベンダムスチン;クロルメチン、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン;アゼチジン、例えばチオテパ;メタンスルホン酸エステル、例えばブスルファン;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン;白金錯体、例えばシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、及びトリプラチン四硝酸塩;生物還元性アルキル化剤、例えばマイトマイシン及びプロカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン、及びテモゾロミド(TMZ)が挙げられる。好適な実施態様において、アルキル化剤は、テモゾロミド、そのプロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩である。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、置換されても(モノ−又はポリ−)又は置換されていなくてもよい飽和直鎖及び分枝アルキル基の両方を含む。好ましくは、特に別の指定がなければ、アルキル基はC1-20アルキル基、より好ましくはC1-15、より好ましくはC1-12アルキル基、更に好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基である。特に好ましいアルキル基には、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、及びヘキシルが含まれる。好ましくは、アルキル基は置換されていない。
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、置換されても(モノ−又はポリ−)又は置換されていなくてもよい環式アルキル基を指す。好ましくは、シクロアルキル基はC3-12シクロアルキル基である。
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有する基を指し、これは分枝鎖であっても非分枝鎖であってもよい。好ましくはアルケニル基は、C2-20のアルケニル基、より好ましくはC2-15アルケニル基、更に好ましくはC2-12アルケニル基、好ましくはC2-6のアルケニル基、更に好ましくはC2-3アルケニル基である。用語「環状アルケニル」は、それに応じて解釈されるべきである。
本明細書で使用される用語「アリール」は、置換されても(モノ−又はポリ−)又は置換されていなくてもよいC6-12芳香族基を指す。典型的な例としては、フェニル及びナフチルなどが挙げられる。
本明細書で使用される用語「複素環」(本明細書では「ヘテロシクリル」及び「複素環」とも呼ばれる)は、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、場合により更に1つ以上のCO基を含む、4〜12員、好ましくは4〜6員の飽和、不飽和、又は部分不飽和環式基を指す。用語「複素環」は、以下に定義されるヘテロアリール基及びヘテロシクロアルキル基の両方を包含する。
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子を含む4〜12員の芳香族を指す。好ましくはヘテロアリール基は、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4〜6員の芳香族基である。適切なヘテロアリール基としては、ピロール、ピラゾール、ピリミジン、ピラジン、ピリジン、キノリン、チオフェン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、チアゾール、オキサゾール、イソ−チアゾール、イソ−オキサゾール、イミダゾール、フランなどが挙げられる。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する3〜12員、好ましくは4〜6員の環状脂肪族基を指す。Nを含有する5〜6員のヘテロシクロアルキルが好適である。好ましいヘテロシクロアルキル基には、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、及びモルホリニルが含まれる。より好ましくは、ヘテロシクロアルキル基は、N−ピペリジニル、N−ピロリジニル、N−ピペラジニル、N−チオモルホリニル、及びN−モルホリニルから選択される。
本明細書において使用される用語「アラルキル」は、特に限定されないが、アリール官能基とアルキル官能基の両方を有する基を含む。例えばこの用語は、アルキル基の水素原子の1つが、アリール基、例えばフェニル基で置換された基を含む。典型的なアラルキル基には、ベンジル、フェネチルなどが含まれる。
本明細書で使用される「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される物質を意味する。プロドラッグは、ある状況では、親薬物よりも投与が容易であり得るため、しばしば有用である。それらは、例えば経口投与によって生物学的利用可能性を有するが、親薬物はそうではない。プロドラッグはまた、親薬物よりも、医薬組成物中で改善された溶解性を有し得る。特に限定されないが、プロドラッグ例は、細胞膜を通過する透過を促進するためにエステルとして投与される化合物であるが、いったん細胞内にあると代謝的に加水分解されて活性物質になる化合物であろう。カンデサルタンシレキセチルは、プロドラッグの非限定的な例である(この場合、カンデサルタンのプロドラッグ)。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来の手順は、例えば Design of Prodrugs, (編者 H. Bundgaard, Elsevier, 1985) に記載されており、これは、適切なプロドラッグ誘導体の操作と調製を記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される「医薬的に又は獣薬学的に許容される塩」という語句は、医薬的に又は獣薬学的に許容される酸又は塩基(無機酸若しくは塩基、又は有機酸若しくは塩基を含む)から調製される非毒性の塩を指す。
好適な実施態様において式(I)の化合物は、上記された化合物1、2、3、6、11、15、20、22、及び28から選択される。
調製方法
本発明のさらなる態様は、上記した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の調製方法に関する。
上記の化合物1〜10又はその薬学的に許容される塩は、以下の一般的手順Aに従って調製することができる:
Figure 0006927959
エタノール(300ml)中のベンズアルデヒド(1当量)の溶液に、塩酸アミノグアニジン(1当量)及び酢酸ナトリウム(1当量)を25℃で順次添加した。得られた反応混合液を80℃で約6時間加熱した。ジクロロメタン/メタノール(8/2)を移動相として用いてTLCにより、反応完了を確認した。反応の完了後、反応混合液を25℃まで冷却し、NaHCO3の飽和溶液(700ml)に入れた。得られた沈殿物を真空下で濾過し、水(100ml)で洗浄した。得られた固体物質をジエチルエーテル(2×25ml)で粉砕し、真空下で乾燥して、所望の置換アミノグアニジン誘導体を得た。
上記の化合物11〜33又はその薬学的に許容される塩は、以下の一般的手順Bに従って調製することができ、この方法は、式(A)の化合物又はその互変異性体形態:
Figure 0006927959
(式中、R7は上記で定義したとおりである)に 式(B)の化合物:
Figure 0006927959
(式中、X、Y、Z、W、及びHalは上記で定義したとおりである)を反応させる工程と、場合により、次に上記式(A)と式(B)の化合物間の反応から得られる化合物のR7基を、別のR7基に修飾する工程とを含む。
化合物(A)と化合物(B)間の結合反応は、有機溶媒(例えばエタノールなどのアルコール)中で行うことができる。これは、室温と反応混合液の沸点との間の温度で実施することができる。
R7基の修飾反応は、公知の方法の適用又は応用によって行うことができる。例えば、(A)と(B)との結合後に得られる化合物において、R7はR8基で置換されたアルキル基であってもよく、すなわち、これはR7基を置換することが望ましい。このような置換反応は一般に公知である。代表的な例として、式(I)の化合物において、R8=OHをR8=ハロゲンで置換することが望ましい場合がある。そのような反応は、ハロゲン化剤(SOCl2などの塩素化剤)の存在下で行うことができる。典型的には、そのような反応はジクロロメタンなどの有機溶媒中で行うことができる。別の代表的な例は、ピロリジンなどのR8=N含有複素環によるR8=ハロゲンの置換である。このような反応は、TEAなどの塩基の存在下で行うことができる。典型的には、このような反応は、THFなどの有機溶媒中で行うことができる。
ある実施態様において本方法は、式(C)の化合物:
Figure 0006927959
(C)
又はその塩(式中、R7は上記で定義した通りである)に、S−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩化合物(D):
Figure 0006927959
(D)
(式中、Lgは、−S−アルキル、例えば−S−メチルなどの脱離基である)又はその塩の1つを反応させることにより、上記式(A)の化合物を調製する工程を更に含む。
典型的には、式(C)の化合物と式(D)の化合物との反応は、塩基性水溶液、例えば水酸化ナトリウムを含む水溶液中で行うことができる。式(C)の化合物と式(D)の化合物との結合反応の後に、精製工程を更に行うことができる。
ある実施態様において本方法は、式(E)の化合物:
Figure 0006927959
(E)
に、ヒドラジン誘導体化合物、例えばヒドラジン水和物又はメチルヒドラジンを反応させることにより、式(C)の化合物を調製するさらなる工程を、場合により含み得る。
本発明の方法は、場合により式(E’)の化合物:
Figure 0006927959
(E‘)
(式中、R7’はR7の前駆体基である)から、式(E)の化合物を調製する工程を含み得る。
この反応は、(E)が市販されておらず、下記の(F)及び(G)から(E)を調製することが現実的でない場合に望ましいことがある。
従って、(E)に変換される前駆体(E’)を使用することが望ましい場合がある。前駆体は、置換、脱離、又はその他の誘導化学反応により、所望の化合物に修飾され得る基又は化合物である。
例示的な実施態様として、所望のR7基へのR7’の修飾反応は、既知の方法の適用又は応用によって実施することができる。例えば(E)において、R7はR8基で置換されたアルキル基であってもよい。従って、(E’)中のR8’基を(E)中の所望のR8’に修飾することが望ましい場合がある。このような修飾反応は一般に公知である。代表的な例として、基R8’=S(アルキル)を含む前駆体R8’をR8=SO2(アルキル)で置換することが望ましい場合がある。このような反応は、MCPBAの存在下で行うことができる。典型的には、このような反応はジクロロメタンなどの有機溶媒中で行うことができる。
本発明の方法は、化合物(F):
Figure 0006927959
(F)
(ここで、R7”は上記で定義したR7又はR7’のいずれかを表し、Lg’はハロゲン原子又はヒドロキシル(OH)基などの脱離基を表す)に、
N−ヒドロキシフタルイミド(G):
Figure 0006927959
(G)
を反応させることにより、(E)又は(E’)を適宜調製する工程を含み得る。
一般に、(F)と(G)との結合は、ガブリエル(Gabriel)合成条件に従って行うことができる。
例示的な実施態様において、この反応は、有機又は無機塩基、典型的にはTEA又はK2CO3又はNaOAcの存在下で行うことができ、特にここでLgはハロゲンを含む。
別の例示的な実施態様において、第1の工程は、アゾジカルボン酸ジイソプロピル及びPPh3の存在下で行うことができ、特にここでLg=OHである。
化合物(F)、(G)、(B)は、一般に市販されている。
式(D)の化合物:
Figure 0006927959
(D)
(ここで、Lgは−S−アルキル。例えば−S−メチルである)も本発明の一部である。
好ましくは本方法はまた、一般的手順A及びBを用いて、上記で得られた化合物(I)を精製するさらなる工程を含む。
上記に開示した方法に加えて、本発明の化合物及び方法は、当業者に公知の多くの方法で調製することができる。化合物は、例えば、以下に記載される方法の適用又は応用により、又は当業者によって認識されるその変法により合成することができる。適切な修飾及び置換は、当業者には容易に明らかであり公知であるか、又は科学文献から容易に得ることができるであろう。特にこのような方法は、R.C. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH publishers, 1989 中に見いだすことができる。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉特にされた炭素原子を含有してもよく、光学活性体又はラセミ体形態で単離してもよいことを理解されたい。すなわち、特定の立体構造又は異性体形態が具体的に示されない限り、全てのキラル体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、及びすべての幾何異性体構造が意図される。そのような光学活性体を調製し単離する方法は、当該技術分野において公知である。例えば立体異性体の混合物は、特に限定されないが、ラセミ体の分割、標準、逆相、及びキラルクロマトグラフィー、優先的な塩形成、再結晶などにより、又はキラル出発材料からのキラル合成、又は標的キラル中心の意図的な合成を含む標準的な技術により、調製することができる。
本発明の化合物は、様々な合成経路によって調製することができる。試薬及び出発材料は市販されているか、又は当業者によって公知の技術により容易に合成される。全ての置換基は、特に別の指定がなければ、前記で定義した通りである。
本明細書に記載の反応では、反応生成物中の所望の反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオ、又はカルボキシ基などを保護して、反応中のそれらの望ましくない関与を避ける必要がある。従来の保護基は、標準的な方法(例えばT.W. Greene and P. G. M. Wuts の Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1991; J. F. W. McOmie の Protective Groups in Organic Chemistry, Plenum Press, 1973 を参照)に従って使用することができる。
一部かの反応は塩基の存在下で行うことができる。この反応において使用される塩基の性質は特に限定されず、分子の他の部分に悪影響を及ぼさない限り、この種の反応に従来から使用されている塩基を同様に使用することができる。適切な塩基の例には、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、アルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウム及び水素化カリウム;アルキルリチウム化合物、例えばメチルリチウム及びブチルリチウム;及びアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシドが挙げられる。
通常、反応は適切な溶媒中で行われる。反応又は関与する試薬に悪影響を及ぼさないならば、様々な溶媒を使用することができる。適切な溶媒の例には、芳香族、脂肪族、又は脂環式炭化水素であってもよい炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、及びキシレン;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;エタノール、メタノール等のアルコール類;及び、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
反応は、広範囲の温度にわたって行うことができる。一般に我々は、反応を0℃〜150℃(より好ましくはほぼ室温〜100℃)の温度で行うことが便利であることを見出した。反応に必要な時間は、多くの因子、特に反応温度及び試薬の性質に依存して広範に変化し得る。しかし上記に概説した好ましい条件下で反応が行われるならば、通常3時間〜20時間で十分である。
このようにして調製された化合物は、従来の手段によって反応混合液から回収することができる。例えば、反応混合液から溶媒を留去するか、又は必要に応じて反応混合液から溶媒を留去した後、残渣を水に注ぎ、次に水と混和しない有機溶媒で抽出し、抽出物からの溶媒を留去して、化合物を回収することができる。更に所望であれば、生成物は、再結晶、再沈殿、又は様々なクロマトグラフィー技術、特にカラムクロマトグラフィー又は分取薄層クロマトグラフィーなどの様々な公知の技術によって更に精製することができる。
本発明の方法はまた、得られた式(I)の生成物を単離する追加の工程を含んでもよい。
出発生成物及び/又は試薬は、市販されていてもよく、又は以下の実験部分に開示された手順を適用又は応用することによって、当業者が容易に調製することができる。
本発明の組み合わせにおいて、第1及び第2の活性薬剤は、連続して、同時に、又は逐次的に投与してもよい。
それらは、1つ以上の追加の他の活性薬剤と組み合わせることもできる。
本発明によれば、前記第1の活性薬剤と第2の活性薬剤との組み合わせは、相乗効果を示すことができる。
また、重大な毒性、作用機序、抵抗性機構の重複を避けることができる。更にこれらは、そのような投与間の時間を最小にして、最大許容用量で薬剤の投与を可能にすることができる。これらはまた、抵抗の出現を減少させることができる。
第1及び第2の活性薬剤の阻害活性を調べることにより、薬剤の投与順序(すなわち送達の前、同時、又は後)を決定することができる。
医薬組成物
本発明の使用のために、本明細書に記載の化合物又はその生理学的に許容し得る塩、エステル、又は他の生理学的に機能的な誘導体は、前記化合物又はその生理学的に許容し得る塩、エステル、又は他の生理学的に機能的な誘導体を、1つ以上の薬学的に許容される担体と、場合により他の治療用及び/又は予防用成分とを一緒に含む医薬製剤として提供することができる。担体は、製剤の他の成分と適合性があり、その受容者に対して有害ではないという意味において、許容可能でなければならない。前記医薬組成物は、ヒト医薬及び獣医薬においてヒト用又は動物用のものであってもよい。本明細書に記載の様々な異なる形態の医薬組成物用のそのような適切な賦形剤の例は、“Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd Edition, (1994), A Wade and PJ Weller 編、中に見出すことができる。
治療的使用のための許容し得る担体又は希釈剤は、製剤分野において公知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro 編、1985) に記載されている。適切な担体の例としては、乳糖、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。適切な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール及び水が挙げられる。
医薬担体、賦形剤、又は希釈剤の選択は、意図される投与経路及び標準的な製薬慣習を参照して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤、又は希釈剤として又はこれらの加えて、任意の適切な結合剤、滑沢剤、懸濁剤、コーティング剤、可溶化剤、緩衝剤、香味剤、界面活性薬剤、増粘剤、防腐剤(酸化防止剤を含む)など、及び意図された受容者の血液と製剤を等張にするために含まれる物質を含むことができる。
適切な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコース等の天然の糖分、無水乳糖、フリーフロー乳糖(free-flow lactose)、ベータ乳糖、とうもろこし甘味料、天然ゴム及び合成ゴム、例えばアカシア、トラガカント、又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
適切な滑沢剤の例には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。
防腐剤、安定剤、染料、及び香味剤さえも、医薬組成物中に提供され得る。防腐剤の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが含まれ、抗酸化剤及び懸濁化剤も使用することができる。
医薬製剤は、経口、局所(皮膚、頬、眼、及び舌下を含む)、直腸、又は非経口(皮下、皮内、筋肉内、及び静脈内を含む)、鼻内、眼内、及び肺投与、例えば吸入、に適したものを含む。製剤は、適宜別個の投与単位で便利に提供することが可能であり、薬学分野で公知の任意の方法によって調製してもよい。すべての方法は、活性化合物を液体担体又は微粉化した固体担体又はその両方と一緒にし、次に必要に応じて生成物を所望の製剤に成形する工程を含む。
担体が固体である経口投与に適した医薬製剤は、それぞれが所定量の活性化合物を含有するボーラス、カプセル、又は錠剤などの単位用量製剤として提供されることが最も好ましい。錠剤は、場合により1種以上の補助成分と共に、圧縮又は成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒のような自由流動性形態の活性化合物を、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性薬剤、又は分散剤と混合して、適切な機械で圧縮することによって調製することができる。成型錠剤は、活性化合物を不活性液体希釈剤を用いて成型することによって製造することができる。錠剤は、場合によりコーティングすることができ、コーティングされていない場合は、場合により刻み目を入れてもよい。カプセル剤は、活性化合物を単独で又は1種以上の補助成分と混合して、カプセル殻に充填し、次にこれを通常の方法で密封することによって調製することができる。カシェ剤は、任意の補助成分と一緒に活性化合物がライスペーパー封筒に封入されており、カプセル剤と同様である。活性化合物はまた、例えば投与前に水に懸濁させるか又は食物に振りかけることができる分散性顆粒として製剤化することができる。顆粒は、例えば袋に入れて包装することができる。担体が液体である経口投与に適した製剤は、水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として、又は水中油型液体エマルジョンとして提供することができる。
経口投与のための製剤は、制御放出投与形態、例えば活性化合物が適切な放出制御マトリックス中に調合された錠剤か、又は適切な放出制御フィルムで被覆された錠剤を含む。そのような製剤は、予防的使用に特に好都合であり得る。
担体が固体である直腸投与に適した医薬製剤は、単位投与坐剤として提供されることが最も好ましい。適切な担体には、ココアバター及び当該分野で一般的に使用される他の物質が含まれる。坐剤は、活性化合物と軟化又は溶融担体との混合、続いて型内での冷却及び成形によって便利に形成され得る。
非経口投与に適した医薬製剤には、水性又は油性ビヒクル中の活性化合物の滅菌溶液又は懸濁液が含まれる。
注射用調製物は、ボーラス注射又は連続注入に適合するように改変することができる。そのような調製物は、使用に必要とされるまで、製剤を導入した後に密閉される単位用量又は複数用量容器で提供されるのが便利である。あるいは、活性化合物は、使用前に無菌で発熱物質を含まない水などの適切なビヒクルで復元された粉末形態であってもよい。
活性化合物はまた、筋肉内注射又は皮下若しくは筋肉内の移植によって投与することができる長時間作用型デポ製剤として製剤化することもできる。デポ剤調製物は、例えば適切な高分子又は疎水性材料、又はイオン交換樹脂を含み得る。そのような長時間作用型製剤は、予防的使用に特に便利である。
薬学的に許容される担体は当業者に公知であり、特に限定されないが、0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液、又は0.8%の生理食塩水を含む。更に、かかる薬学的に許容される担体は、水性又は非水性の溶液、懸濁液、及びエマルジョンであってもよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、エマルジョン又は懸濁液(生理食塩水及び緩衝媒体を含む)が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルーデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル、又は固定油が含まれる。防腐剤及び他の添加剤、例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどもまた存在してもよい。
本発明のさらなる態様において、上記の医薬組成物又は獣医薬組成物の調製方法が提供され、この方法は、例えば混合によって活性化合物を担体と一緒にすることを含む。
一般に製剤は、活性物質を液体担体又は細かく分割された固体担体又はその両方と均一かつ密接に混合し、次に必要ならば生成物を成形することによって調製される。本発明は、一般式(I)の化合物及び/又はTMZなどの化学療法剤を、薬学的又は獣薬学的に許容される担体又はビヒクルと組み合わせて又は一緒にすることを含む、医薬組成物の調製方法を包含する。
投与
本発明の医薬組成物は、直腸、鼻内、気管支内、局所(頬、舌下、及び眼内投与、特に眼内、局所眼内又は眼周囲の投与を含む)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、及び皮内)、硬膜外、大脳内、又は脳室内の経路、腹腔内又は髄腔内投与に適合するように改変することができる。好ましくは、製剤は経口投与製剤である。製剤は、単位用量形態、すなわち、単位用量又は単位用量の複数回単位若しくはサブ単位を含む別個の部分の形態で便利に提供される。例えば製剤は、錠剤及び持続放出カプセル剤の形態であってもよく、薬学の分野で公知の任意の方法によって調製することができる。
本発明における経口投与のための製剤は:各々が所定量の活性薬剤を含むカプセル、ゲルカプセル、ドロップ、カシェ剤、丸剤、又は錠剤などの個別の単位として;粉末又は顆粒として;水性液体又は非水性液体中の活性薬剤の溶液、エマルジョン、又は懸濁液として;又は水中油型液体エマルジョン又は油中水型液体エマルジョンとして;又はボーラス剤などとして提供することができる。好ましくはこれらの組成物は、1用量当たり1〜250mg、より好ましくは10〜100mgの活性薬剤を含有する。
経口投与用の組成物(例えば、錠剤及びカプセル剤)について「許容し得る担体」という用語には、一般的な賦形剤などのビヒクル、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、及びデンプンなどの結合剤;充填剤及び担体、例えばコーンスターチ、ゼラチン、乳糖、ショ糖、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、及びアルギン酸などの結合剤;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、及び他の金属ステアレート、ステアリン酸グリセロール、ステアリン酸、シリコーン流体、タルク、ワックス、油、及びコロイド状シリカが含まれる。ペパーミント、ウィンターグリーン油、サクランボ香料などの香味剤も使用することができる。投与形態を容易に識別可能にするために、着色剤を添加することが望ましい場合がある。錠剤はまた、当技術分野で公知の方法によってコーティングしてもよい。
錠剤は、場合により1種以上の補助成分と共に、圧縮又は成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、粉剤又は顆粒などの自由流動形態の活性薬剤を、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性薬剤、又は分散剤と混合して圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合液を適切な機械で成形することによって製造することができる。錠剤は、場合によりコーティング又は刻み目を入れてもよく、活性薬剤の徐放又は制御放出を提供するように処方されてもよい。
経口投与に適した他の製剤には、香味基剤、通常はショ糖及びアカシア又はトラガカント中に、活性薬剤を含むロゼンジ剤;ゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性薬剤を含むトローチ剤、及び適切な液体担体中に活性薬剤を含むうがい薬がある。
他の投与形態は、静脈内、動脈内、髄腔内、皮下、皮内、腹腔内、眼内、局所、眼周囲、又は筋肉内に注射することができる溶液又はエマルジョンがあり、滅菌又は滅菌可能な溶液から調製される。注射用形態は典型的には、1用量当たり10〜1000mg、好ましくは10〜250mgの活性薬剤を含有する。
本発明の医薬組成物はまた、坐剤、ペッサリー、懸濁液、エマルジョン、ローション、軟膏、クリーム、ゲル、スプレー、溶液、又は粉剤の形態であってもよい。
経皮投与の代替手段は、皮膚パッチの使用によるものである。例えば活性薬剤は、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルジョンからなるクリーム中に取り込むことができる。活性薬剤はまた、必要に応じてそのような安定剤及び防腐剤と共に白色ワックス又は白色軟パラフィンベースからなる軟膏に、1〜10重量%の濃度で取り込むことができる。
投与量
当業者であれば、過度の実験及び治療期間なしに、被験体に投与する本組成物の1つの適切な用量を容易に決定することができる。典型的には医師は、個々の患者に最も適した実際の投与量を決定し、そしてこれは、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用期間、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式と投与時間、***速度、併用薬物、特定の症状の重症度、及び治療を受ける個体を含む種々の要因に依存する。本明細書中に開示される投与量は、平均的な例である。もちろん、より高用量又はより低用量範囲が妥当である個々の事例が存在する例があり、そのような例は本発明の範囲内である。
一般に、TMZと組み合わせて投与される上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、主治医によって症例ごとに決定される。指針として、適切な投与量を設定する際には、特に、細胞増殖障害の程度、患者の体重及び年齢が考慮される。もちろん、この投与量は、化合物の投与のタイプに従って更に変更されるであろう。
治療の「有効量」を達成するためには、一般式(I)の化合物の経口又は静脈内投与が好ましい。典型的には血漿中の薬物濃度を有効濃度に維持するように、用量は約0.01〜約50mg/kg、好ましくは0.1〜20mg/kg、より好ましくは0.1〜5mg/kgであろう。
好ましくは化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28から選択される一般式(I)の化合物は、好ましくは1日当たり1〜70mg、より好ましくは1日当たり4〜56mg、更により好ましくは1日当たり8〜32mgの範囲内で投与される。
一般式(I)の化合物、好ましくは化合物1は、好ましくは1日あたり4〜64mg、より好ましくは1日あたり8〜32mgの範囲で投与される。化合物1は、好ましくは4mgを1日2回で開始して漸増用量で投与され、患者の応答に応じて、1〜2週間間隔で1日4〜8mgの増分で、1日に最大64mgまで増加してもよい。
一般式(I)の化合物は、1日又は2日毎に1回〜数回投与することができる。好ましくは、一般式(I)の化合物は毎日投与される。
治療的に有効である本発明の化合物の正確な量、及びそのような化合物が最もよく投与される経路は、薬剤の血中濃度を、治療効果を得るのに必要な濃度と比較することによって、当業者により容易に決定される。
好適な実施態様において、好ましくは化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28から選択される一般式(I)の化合物は経口投与される。別の好適な実施態様において、好ましくは化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28から選択される一般式(I)の化合物は静脈内投与される。
好適な実施態様において、経口投与される組成物の化合物は、好ましくは化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28、及びテモゾロミドから選択される式(I)の化合物の1つである。好適な実施態様において、式(I)の経口投与される化合物は化合物1(すなわちグアナベンズ)である。
別の実施態様において、薬物の濃度が本明細書に開示されている治療適用の1つ以上を達成するのに十分であるような方法で、本組成物の化合物は患者に静脈内投与される。好適な実施態様において、本組成物の静脈内投与される化合物は、好ましくは化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28、及びテモゾロミドから選択される式(I)の1つの化合物である。
別の実施態様において、薬物の濃度が本明細書に開示されている治療適用の1つ以上を達成するのに十分であるような方法で、本組成物の少なくとも1つの化合物は患者に経口投与され、本組成物の少なくとも1つの化合物は患者に静脈内投与される。好ましくは式(I)の経口投与される化合物は、好ましくは式(I)の化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28から選択される式(I)の化合物であり、静脈内投与化合物はテモゾロミドである。別の実施態様において、経口投与される化合物はテモゾロミドであり、静脈内投与される化合物は、好ましくは式(I)の化合物1、2、3、6、11、15、20、22、28から選択される式(I)の化合物である。
ある実施態様においてTMZは、28日間の治療サイクルで5日間、約150〜約200mg/m2/日の範囲で経口投与又は静脈内投与され得る。他の実施態様においてTMZはまた、21日間のサイクルで14日間、100mg/m2/日の用量で投与され得る。他の実施態様においてTMZは、14日間のサイクルで7日間、150mg/m2の用量で投与され得る。他の実施態様においてTMZは、28日間のサイクルで21日間、100mg/m2/日の用量で投与され得る。
ある実施態様において、TMZ(又はその薬学的に許容される塩)の治療有効量は、患者由来の試料中のQ6−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)遺伝子のメチル化状態に基づくTMZの標準的用量強度又は増強された強度である。患者由来の試料中のMGMTをコードする遺伝子(例えばプロモーター領域)がメチル化されている場合、TMZの標準的な用量強度が投与される;しかしMGMTをコードする遺伝子がメチル化されていない(すなわち検出レベル以下である)場合、TMZの増強された用量強度が患者に投与される。米国特許出願公開第2006/0100188号を参照されたい、特にTMZの例示的な増強された用量強度が表1及び2に示されている;MGMT遺伝子がメチル化されているか否かを評価する方法は、15〜20頁に記載されている;「試料」という用語は13頁に定義されている。米国特許出願公開第2006/0100188号の開示は参照により本明細書に組み込まれる。TMZは、任意の適切な経路によって投与することができる。好適な実施態様において、TMZは経口投与される。別の好適な実施態様において、TMZを静脈内投与される。
第1及び第2の活性薬剤は、同時、別々、又は逐次使用のためのものである。好ましくは第1及び第2の活性薬剤は、同時使用のためのものであり、実質的に同じ期間にわたって投与される。
上述したように上記の量は症例毎に異なる。いくつかの実施態様において、TMZ及び式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は上述したように、他の薬剤又は化合物(他の抗新生物剤を含むがこれに限定されない)と組み合わせて投与することができる。
本発明の化合物を本発明に従って投与する場合、容認できない毒物学的影響が予測されることはない。良好なバイオアベイラビリティを有し得る本発明の化合物は、所定の薬理学的効果を有することが要求される化合物の濃度を決定するために、いくつかの生物学的アッセイの1つにおいて試験され得る。

本発明の化合物は、塩として、特に医薬的及び獣薬学的に許容される塩として存在することができる。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、その適切な酸付加塩又は塩基塩が挙げられる。Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1 19 (1977) 中に、適切な医薬的塩の総説がある。塩は、例えば強無機酸、例えば鉱酸、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、及びヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸硫酸塩、重硫酸塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、及びスルホン酸などの鉱酸と;例えば酢酸などの、置換されていないか置換された(例えばハロゲンによって)1〜4個の炭素原子のアルカンカルボン酸などの強有機カルボン酸と;例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、又はテトラフタル酸などの、飽和又は不飽和ジカルボン酸と;例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、又はクエン酸などのヒドロキシカルボン酸と;例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸などのアミノ酸と;安息香酸と;置換されていないか置換された(例えばハロゲンによって)(C1〜C4)−アルキル−又はアリール−スルホン酸、例えばメタン−又はp−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸と、形成することができる。医薬的及び獣医薬的に許容されない塩も、依然として中間体として有用である可能性がある。
好適な塩としては、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳糖塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、パントテン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタン酸塩、グルコヘプタ酸塩、グリセロリン酸塩、シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、ニコチン酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、ラクトビオン酸塩、ピポレート(pivolate)、樟脳酸塩、ウンデカン酸塩、及びコハク酸、有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩;及び、無機酸、例えば塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸及びスルホン酸が挙げられる。
鏡像異性体/互変異性体
先に議論した本発明の全ての態様において、本発明は、適宜本発明の化合物の全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体及び互変異性体を含む。当業者は、光学特性(1つ以上のキラル炭素原子)及び/又は互変異性を有する化合物を認識するであろう。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当該分野で公知の方法によって単離/調製することができる。鏡像異性体は、そのキラル中心の絶対配置によって特徴づけられ、Cahn, Ingold and PrelogのR及びS配列決定規則によって記載される。このような慣習は、当該分野において公知である(例えば、‘Advanced Organic Chemistry’, 3rd edition, ed. March, J., John Wiley and Sons, New York, 1985を参照)。
すなわち式(I)の化合物は、式:
Figure 0006927959
又は
Figure 0006927959
又は
Figure 0006927959
の互変異性体形態も含む。
例示的な例として、化合物12の互変異性体形態は:
Figure 0006927959
又は
Figure 0006927959
又は
Figure 0006927959
である。
キラル中心を含む本発明の化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性体濃縮混合液として使用することができ、又はラセミ混合物は公知の技術を用いて分離し、個々の鏡像異性体を単独で使用することができる。
立体異性体及び幾何異性体
本発明の化合物のいくつかは、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在することができ、それらは、1つ以上の不斉中心及び/又は幾何中心を有することができ、従ってE/Z(エントジーゲン/ツザメン(Entgegen/Zusammen))異性体として2つ以上の立体異性体及び/又は幾何異性体形態で存在し得る。本発明は、それらの阻害剤の全ての個々の立体異性体及び幾何異性体及びそれらの混合物の使用を意図する。特許請求の範囲で使用されている用語は、前記形態が適切な機能的活性(必ずしも同じ程度でなくても)を保持している限り、これらの形態を包含する。
すなわち式(I)又は(II)の化合物は、以下の式のE異性体及び/又はZ異性体形態も含む:
Figure 0006927959
本発明はまた、薬剤又はその薬学的に許容される塩の全ての適切な同位元素変化体を含む。本発明の薬剤又はその薬学的に許容される塩の同位元素変化体は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが天然に通常見出される原子量とは異なる原子質量を有する原子で置き換えられたものとして定義される。薬剤に取り込むことができる同位元素の例及びその薬学的に許容される塩は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素の同位元素、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、及び36Clがある。薬剤及びその薬学的に許容される塩の特定の同位元素変化体、例えば3H又は14Cなどの放射性同位元素が取り込まれたものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用である。トリチウム化すなわち3H及び炭素−14すなわち14C同位元素は、調製及び検出の容易さのために特に好ましい。更に重水素すなわち2Hなどの同位元素による置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の延長又は用量要件の減少に起因する一定の治療上の利点をもたらすことがあり、従って状況によっては好ましいことがある。例えば本発明は、任意の水素原子が重水素原子で置換されている一般式(I)の化合物を含む。本発明の薬剤及びその薬学的に許容される塩の同位元素変化体は一般に、適切な試薬の適切な同位元素変化体を用いて従来の手順によって調製することができる。
プロドラッグ
本発明は更に、プロドラッグ形態の本発明の化合物、すなわち一般式(I)の活性親薬物をインビボで放出する共有結合した化合物を含む。このようなプロドラッグは一般に、ヒト又は哺乳動物被験体に投与されると修飾が逆転し得るように、1つ以上の適切な基が修飾されている本発明の化合物である。インビボでかかる逆転を行うために、第2の薬剤をこのようなプロドラッグと一緒に投与することは可能であるが、通常、逆転は通常、そのような被験体に天然に存在する酵素によって行われる。そのような修飾の例には、逆転がエステラーゼなどで行われ得るエステル(例えば上記のもののいずれか)が含まれる。他のこのような系は、当業者に公知である。
溶媒和物
本発明はまた、本発明の化合物の溶媒和形態も含む。特許請求の範囲で使用される用語はこれらの形態を包含する。
多形体
本発明は更に、様々な結晶形態、多形体形態、及び(無水)含水形態の本発明の化合物に関する。そのような化合物の合成的調製に使用される溶媒からの精製方法及び/又は単離方法をわずかに変化させることによって、そのようないずれかの形態で化合物を単離できることは、製薬業界で十分に確立されている。
本発明を以下の非限定的な例を参照して更に説明する。
1−方法と材料
1.1−本発明の化合物の調製
化合物1:グアナベンズ又は2−(2,6−ジクロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミドは、Sigma-Aldrich(参照番号:G110)から購入した。
化合物4は、Chembridge(参照番号:5173161)から購入した。
以下の化合物を、一般的手順Aに従って調製した:
化合物2:2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−クロロベンズアルデヒド(10g)から一般的手順Aに従って調製して、11.1gの所望の化合物を得た(収率:79.6%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 5.66 (s, 2H); 6.05 (s broad, 2H); 7.27 (m, 2H); 7.40 (m, 1H); 8.14 (dd, 1H); 8.27 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 197.2 [M+H]+
化合物3:2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩
メタノール(450ml)中の2−クロロベンズアルデヒド(30.0g)とアミノグアニジン重炭酸塩(29.0g)の懸濁液に、酢酸(30ml)を25℃で添加した。反応混合液を70℃で30分間撹拌した。ジクロロメタン/メタノール(8/2)を移動相として用いてTLCにより、反応完了を確認した。反応の完了後、反応混合液を25℃まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣をメタノール(250ml)に懸濁し、不溶性物質を濾過により除去した。得られた濾液を真空下で濃縮し、上記の方法(メタノール中の懸濁+濾過)を更に3回繰り返した。次に固体物質をジエチルエーテル(3×100ml)で粉砕し真空下で乾燥させて、46.0gの2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩を得た(収率:84.2%)。LC-MS: m/z= 197.2 (M+H). 1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.81 (s, 3H), 7.12 (m, 4H); 7.34 (m, 2H); 7.46 (m, 1H); 8.22 (m, 1H); 8.36 (s, 1H); LC-MS: m/z= 197.2 [M+H]+
化合物5:2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−クロロベンズアルデヒド(0.5g)から一般的手順Aに従って調製して、0.16gの所望の化合物を得た(収率:23%)。LC-MS: m/z= 197.2 (M+H). 1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.81 (s, 3H), 7.12 (m, 4H); 7.34 (m, 2H); 7.46 (m, 1H); 8.22 (m, 1H); 8.36 (s, 1H); LC-MS: m/z= 197.2 [M+H]+
化合物6:2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩
メタノール(28ml)中の3−クロロイソニコチンアルデヒド(2.0g)とアミノグアニジン重炭酸塩(2.12g)の懸濁液に、酢酸(2ml)を25℃で添加した。反応混合液を70℃で約2時間撹拌した。ジクロロメタン/メタノール(8/2)を移動相として用いてTLCにより、反応完了を確認した。反応の完了後、粗混合液を25℃まで冷却し、真空下で濃縮した。固体物質をメタノール:ジエチルエーテル(9:1)(4×50 mL)で粉砕し、真空下で乾燥させて2.0gの2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩を得た(収率:55.1%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 6.01 (brs, 2H); 6.48 (m, 4H); 8.12 (d, 1H); 8.16 (s, 1H); 8.38 (dd, 1H); 8.54 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 198.1 [M+H]+
化合物7:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩
メタノール(22ml)中の2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(1.5g)とアミノグアニジン重炭酸塩(1.29g)の懸濁液に、酢酸(1.5ml)を25℃で添加した。反応混合液を70℃で約1時間撹拌した。ジクロロメタン/メタノール(8/2)を移動相として用いてTLCにより、反応完了を確認した。反応の完了後、混合液を25℃まで冷却し、真空下で濃縮した。得られた固体物質をメタノール:ジエチルエーテル(9:1)(3×50ml)で粉砕し真空下で乾燥させて、2.2gの2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩を得た(収率:84.8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.89 (s, 3H), 6.13 (s broad, 4H); 7.24 (m, 1H); 7.33 (m, 2H) 8.17 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 215.1 [M+H]+
化合物8:2−(2−クロロ−4−メチルベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−クロロ−4−メチルベンズアルデヒド(0.2g)から一般的手順Aに従って調製して、255mgの所望の化合物を得た(収率:93.8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.29 (s, 3H); 5.60 (s broad, 2H); 6.00 (s broad, 2H); 7.10 (d, 2H); 7.27 (s, 1H); 8.02 (d, 1H); 8.24 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 210.9 [M+H]+
化合物9:2−(2−クロロ−5−メチルベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−クロロ−5−メチルベンズアルデヒド(0.2g)から一般的手順Aに従って調製して、156mgの所望の化合物を得た(収率:57.4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.30 (s, 3H); 5.64 (s broad, 2H); 6.06 (s broad, 2H); 7.07 (d, 2H); 7.27 (d, 1H); 7.97 (s, 1H); 8.24 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 210.9 [M+H]+
化合物10:2−(2−クロロ−3−メチルベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−クロロ−3−メチルベンズアルデヒド(0.2g)から一般的手順Aに従って調製して、226mgの所望の化合物を得た(収率:83.1%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.17 (s, 3H); 5.64 (s broad, 2H); 6.03 (s broad, 2H); 7.18 (t, 2H); 7.24 (d, 1H); 7.99 (s, 1H); 8.37 (s, 1H); MS (ESI+): m/z = 210.9 [M+H]+
化合物11及び12:2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩(化合物11)及び2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物12)の調製
2−(3−メチルブトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−1)
Figure 0006927959
DMF(600ml)中のN−ヒドロキシフタルイミド(40g)と1−ブロモ−3−メチルブタン(37.4g)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(49.58g)を室温で滴下して加えた。反応混合液を70℃で18時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した。混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を冷水(1000ml)に懸濁した。得られた懸濁液をしばらくよく攪拌し、固体を減圧下で濾過した。固体を更に脱塩水(200ml)とヘキサン(100ml)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥させて粗製物を得て、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物は、ジクロロメタン中約2%のメタノールで溶出した。純粋な生成物画分の溶媒を留去して、50.0gの2−(3−メチルブトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得た(収率:87.4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.93 (d, 6H), 1.57 (q, 2H), 1.82 (m, 1H), 4.16 (t, 2H), 7.86 (s, 4H); LC-MS: m/z= 234.25 (M+H)。
1−(アミノオキシ)−3−メチルブタン塩酸塩(I−2)
Figure 0006927959
メタノール(600ml)中の2−(3−メチルブトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(45g)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(12.8g)を室温で滴下して加えた。反応混合液を同じ温度で24時間攪拌した。反応混合液を濾過して不溶性の副生成物を除去し、得られた濾液を減圧下で濃縮して粗物質を得て、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物は、ジクロロメタン中約1%メタノールで溶出した。純粋な生成物画分の溶媒を留去して所望の中間体を遊離塩基として得て、これを1,4−ジオキサン中の4M HClを用いて塩酸塩として変換して、3.3gの1−(アミノオキシ)−3−メチルブタン塩酸塩を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.89 (d, 6H), 1.46 (q, 2H), 1.65 (m, 1H), 4.01 (t, 2H), 10.84 (s, 3H)。
N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−3)
Figure 0006927959
水(3.6ml)中の1−(アミノオキシ)−3−メチルブタン塩酸塩(1.2g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(2.02g)の攪拌溶液に、2N NaOH溶液(3.6ml)を室温で滴下して加え、48時間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(5ml)と共沸させた。得られた残渣をエタノール(10ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。濾液を更に処理することなく直接次の工程に使用した。N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドをLCMS分析により確認した。
LC−MS:m/z=161.5(M + H)。
2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩(化合物11)
Figure 0006927959
N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液に、2−クロロベンズアルデヒド(1.81g)を室温で滴下して加え、2時間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、0.1%HCOOH/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製して、0.27gの2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを蟻酸塩として得た(収率:13.1%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.88 (d, 6H), 1.48 (q, 2H), 1.68 (m, 1H), 3.75 (t, 2H), 7.32 (m, 2H), 7.44 (m, 2H), 8,10 (m, 1H), 8.14 (m, 1H), 8.25 (m, 1H), 11.80 (s broad, 2H). LC-MS: m/z= 282.88 (M+H)。
2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物12)
Figure 0006927959
2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩(220mg)を水に溶解し、飽和NaHCO3水溶液で塩基性にした。塩基性水溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去して、180mgの2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを遊離塩基として得た(収率:95%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.89 (d, 6H), 1.49 (q, 2H), 1.69 (m, 1H), 3.75 (t, 2H), 5.73 (s broad, 2H), 7.30 (m, 2H), 7.44 (m, 1H), 8,11 (m, 1H), 8.15 (m, 1H), 10.48 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 282.82 (M+H)。
化合物13:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドの調製
2−(2−(メチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−4)
Figure 0006927959
DMF(150ml)中のN−ヒドロキシフタルイミド(12.5g)、ヨウ化カリウム(2.5g)、及び炭酸カリウム(21.1g)の撹拌溶液に、2−クロロエチルメチルスルフィド(10.1g)を室温で滴下して加え、80℃で18時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却し、500mlの冷水に入れた。次に、得られた固体を減圧下で濾過した。得られた固体を減圧下で乾燥して、9.7gの2−[2−(メチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得て(収率:52.8%)、これを更に処理することなく次の工程に使用した。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.16 (s, 3H), 2.84 (t, 2H), 4.29 (t, 2H), 7.87 (s, 4H). LC-MS: m/z= 238.4 (M+H)。
2−(2−(メチルスルホニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−5)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(100ml)中の2−[2−(メチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(9.6g)の撹拌溶液に、m−CPBA(11g)を室温で少しずつ加え、室温で6時間撹拌した。粗製物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を飽和NaHCO3溶液(100ml)に懸濁し、30分間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、水(50ml)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、9.0gの2−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得て(収率:82.6%)、これを更に処理することなく次の工程に使用した。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.15 (s, 3H), 3.66 (t, 2H), 4.54 (t, 2H), 7.88 (s, 4H). LC-MS: m/z= 270.3 (M+H)。
1−(アミノオキシ)−2−(メチルスルホニル)エタン塩酸塩(I−6)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(100ml)中の2−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(9.0g)の撹拌懸濁液に、85%のメチルヒドラジン(2.0g)を室温で滴下して加え、6時間撹拌した。次に反応混合液を減圧下で濾過して、不溶性の副生成物を除去した。得られた濾液を減圧下で低温で濃縮した。残渣を1N HCl(100ml)に懸濁し、酢酸エチル(3×250ml)で抽出した。所望の生成物を含む得られた水溶液を減圧下で濃縮して白色固体を得て、これを更にジエチルエーテルで更に粉砕し、減圧下で乾燥させて、4.0gの1−(アミノオキシ)−2−(メチルスルホニル)エタン塩酸塩を得た(収率:68.3%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.04 (s, 3H), 3.60 (t, 2H), 4.38 (t, 2H), 10.09 (s broad, 2H). LC-MS: m/z= 270.3 (M+H)。
N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−7)
Figure 0006927959
水(4.5ml)中の1−(アミノオキシ)−2−(メチルスルホニル)エタン塩酸塩(1.5g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(1.99g)の撹拌溶液に、2N NaOH溶液(4.28ml)を室温で滴下して加え、48時間攪拌した。次に、反応混合液を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(5ml)と共沸させた。得られた物質をエタノール(10ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する得られた濾液を、更に処理することなく次の工程に直接使用した。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物13)
Figure 0006927959
N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液に、2−クロロベンズアルデヒド(1.32g)を室温で滴下して加えた。混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を、0.1% NH3/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製して、20mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で0.7%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.03 (s, 3H), 3.45 (m, 2H), 4.12 (m, 2H), 6.11 (s broad, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.44 (m, 1H), 8.15 (m, 1H), 8.26 (s broad, 1H), 10.48 (s, 1H). LC-MS: m/z= 318.83 (M+H)。
化合物14:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−(3−(メチルスルファニル)プロポキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−8)
Figure 0006927959
無水THF(600ml)中のN−ヒドロキシフタルイミド(36.8g)、3−(メチルスルファニル)−1−プロパノール(30g)、及びトリフェニルホスフィン(37.1g)の攪拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(77.92ml)を窒素雰囲気下で0℃で滴下して加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した後、室温まで温め、18時間撹拌した。次に反応混合液を減圧下で濃縮して粗物質を得て、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物は、ヘキサン中の4%酢酸エチルで溶出した。純粋な生成物画分から溶媒を留去して、30gの2−[3−(メチルスルファニル)プロポキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得た(収率:42.2%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.94 (q, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.67 (t, 2H), 4.23 (t, 2H), 7.87 (s, 4H). LC-MS: m/z= 252.4 (M+H)。
2−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−9)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(550ml)中の2−[3−(メチルスルファニル)プロポキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(30.0g)の撹拌溶液に、m−CPBA(61.89g)を室温で少しずつ滴下して加えた。混合液を室温で5時間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濃縮して粗物質を得て、これを飽和NaHCO3溶液(250ml)に懸濁し、30分間よく攪拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、水(100ml)で洗浄した。固体を減圧下で乾燥させて、22gの2−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得た(収率:65%)。1H-NMR (CDCl3): δ (ppm) 2.32 (m, 2H), 3.00 (s, 3H), 3.50 (t, 2H), 4.39 (t, 2H), 7.83 (m, 4H). LC-MS: m/z= 283.9 (M+H)。
1−(アミノオキシ)−3−(メチルスルホニル)プロパン塩酸塩(I−10)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(300ml)中の2−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(20g)の撹拌懸濁液に、85%のメチルヒドラジン(4.2g)を室温で滴下して加え、6時間撹拌した。次に溶液を減圧下で濾過して、不溶性の副生成物を除去した。得られた濾液を減圧下で低温で濃縮した。残渣を1N HCl(200ml)に懸濁し、酢酸エチル(3×500ml)で抽出して、不要な不純物を除去した。得られた水溶液を減圧下で濃縮して白色固体を得て、これを更にジエチルエーテルで粉砕し、減圧下で乾燥させて、8.0gの1−(アミノオキシ)−3−(メチルスルホニル)プロパン塩酸塩を得た(収率:59.8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.04 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 3.19 (t, 2H), 4.12 (t, 2H), 11.06 (s broad, 3H)。
N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−11)
Figure 0006927959
水(6.0ml)中の1−(アミノオキシ)−3−(メチルスルホニル)プロパン塩酸塩(2.0g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(2.46g)の撹拌溶液に、2N NaOH溶液(5.28ml)を室温で滴下して加えた。反応混合液を室温で24時間撹拌した。N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成を、LCMS分析によって確認した。次に混合液を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(15ml)と共沸させた。得られた物質をエタノール(15ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。濾液を、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 210.8 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物14)
Figure 0006927959
N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液に、2−クロロベンズアルデヒド(1.62g)を室温で滴下して加えた。得られた反応混合液を同じ温度で2時間攪拌した。粗製物を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を、0.1% NH3/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製した。精製後、物質を飽和NaHCO3溶液中で撹拌し、得られた固体を減圧下で濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、0.14gの純粋な2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.01 (m, 2H), 2.98 (s, 3H), 3.24 (t, 2H), 3.82 (t, 2H), 5.90 (s, 2H), 7.31 (m, 2H), 7.43 (d, 1H), 8.13 (m, 2H), 10.48 (s, 1H). LC-MS: m/z= 333.5 (M+H)。
化合物15:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド
N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−12)
Figure 0006927959
水(4.2ml)中のO−アリルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.5g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(3.22g)の攪拌溶液に、2N NaOH溶液(6.8ml)を室温で滴下して加えた。反応混合液を室温で48時間撹拌した。中間体I−12 N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成を、LCMS分析によって確認した。次に混合液を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(5ml)と共沸させた。得られた物質をエタノール(10ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。濾液を、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 130.6 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物15)
Figure 0006927959
N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液に、2−クロロベンズアルデヒド(1.9g)を室温で滴下して加え、2時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を、0.1%HCOOH/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製して、0.25gの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で6.1%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.17 (s, 1H), 4.23 (m, 2H), 5.82 (s broad, 2H), 5.98 (m, 1H), 7.37 (m, 2H), 8.15 (m, 3H). LC-MS: m/z= 252.8 (M+H)。
化合物16:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−13)
Figure 0006927959
DMF(50ml)中のN−ヒドロキシフタルイミド(10.0g)と酢酸ナトリウム(25.14g)の撹拌溶液に、2−ブロモエタノール(13.26ml)を室温で滴下して加えた。得られた反応混合液を80℃で1.5時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却し、500mlの冷水に入れ、生成物を酢酸エチル(2×400ml)で抽出した。得られた有機層を合わせ、真空下で蒸留した。残渣を冷水中で撹拌し、得られた固体を真空下で濾過した。固体を減圧下で乾燥させて、6.0gの2−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(収率:47.3%)を得て、これを更に処理することなく次の工程に使用した。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.70 (q, 2H), 4.18 (t, 2H), 4.83 (t, 1H), 7.87 (s, 4H). LC-MS: m/z= 208.34 (M+H)。
2−(アミノオキシ)エタノール塩酸塩(I−14)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(25ml)中の2−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(6.0g)の撹拌懸濁液に、85%のメチルヒドラジン(1.25g)を室温で滴下して加え、2時間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濾過して不溶性の副生成物を除去した。濾液を減圧下で低温で濃縮した。残渣を酢酸エチル(20ml)中の2N HClに懸濁し、減圧下で低温で濃縮した。得られた固体をジクロロメタン(2×15ml)で粉砕し、減圧下で乾燥させて、2.8gの2−(アミノオキシ)エタノール塩酸塩を得た(収率:モノ塩酸塩として85.5%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.61 (m, 2H), 4.04 (t, 2H), 4.73 (m, 1H), 11.02 (s broad, 2H)。
N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−15)
Figure 0006927959
水(8.4ml)中の2−(アミノオキシ)エタノール塩酸塩(2.4g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(4.98g)の攪拌溶液に、2N NaOH溶液(10.6ml)を室温で滴下して加え、24時間攪拌した。N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成を、LCMS分析によって確認した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をメタノール(15ml)と共沸させた。得られた物質をエタノール(10ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液を、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 134.6 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物16)
Figure 0006927959
N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを含有する濾液に、2−クロロベンズアルデヒド(3.28g)を室温で滴下して加え、2時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を、0.1% NH3/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製して、0.24gの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で4.4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.58 (m, 2H), 3.73 (m, 2H), 4,61 (m, 1H), 5.91 (s broad, 2H), 7.32 (m, 2H), 7.44 (m, 1H), 8.13 (m, 1H) 8.16 (s, 1H), 10.43 (m, 1H). LC-MS: m/z= 256.73 (M+H)。
化合物17:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−クロロエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド塩酸塩
Figure 0006927959
ジクロロメタン(10ml)中の2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−ヒドロキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(0.22g)の撹拌溶液に、SoCl2(0.26ml)を0℃で滴下して加えた。反応混合液を室温で24時間撹拌した。次に、反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をn−ペンタン(2×5ml)で粉砕し、減圧下で乾燥させて、0.26gの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−クロロエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド塩酸塩を得た(収率99.5%)。LC-MS: m/z= 274.8 (M+H)。
化合物18:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
THF(10ml)中の2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−クロロエトキシ)ヒドラジンカルボキシミド塩酸塩(0.27g)、トリエチルアミン(0.35g)、及びヨウ化ナトリウム(0.04g)の撹拌溶液に、ピロリジン(0.23g)を室温で加えた。得られた混合液を50℃で24時間撹拌した。次に反応混合液を室温まで冷却し、粗製物を50mlの冷水に入れた。生成物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。次に有機層を合わせ、真空下で蒸留し、こうして得られた残渣を0.1% NH3/水/MeCNを用いる分取HPLCにより更に精製して、14mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:5.3%)。1H-NMR (MeOD): δ (ppm) 1.91 (m, 4H), 2.75 (m, 4H), 2.88 (t, 2H), 3.97 (t, 2H), 7.32 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 8.07 (m, 1H), 8.32 (s, 1H). LC-MS: m/z= 310.33 (M+H)。
化合物20:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
N’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−16)
Figure 0006927959
水(5.0ml)中のエトキシアミン塩酸塩(0.5g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(1.19g)の撹拌溶液に、1N NaOH溶液(5.12ml)を室温で滴下して加え、48時間撹拌した。N’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成をLCMS分析によって確認した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をエタノール(15ml)に溶解した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、N’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 118.8 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物20)
Figure 0006927959
エタノール(10ml)及び酢酸ナトリウム(0.42g)中のN’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド溶液に、2−クロロベンズアルデヒド(0.717g)を室温で滴下して加え、90℃で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーで更に精製して、21.4mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で1.7%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.18 (t, 3H), 3.77 (q, 2H), 5.77 (s broad, 2H), 7.31 (m, 2H), 7.43 (m, 1H), 8.11 (m, 1H), 8.15 (s, 1H), 10.45 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 240.9 (M+H)。
化合物21:2−(2,6−ジクロロベンジリデン)−N−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
エタノール(10ml)及び酢酸ナトリウム(0.42g)中の1当量のN’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−16)溶液に、2,6−ジクロロベンズアルデヒド(0.896g)を室温で滴下して加え、90℃で2時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーで更に精製して、57mgの2−(2,6−ジクロロベンジリデン)−N’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で4.1%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.77 (t, 3H), 3.78 (q, 2H), 5.48 (s broad, 2H), 7.33 (t, 1H), 7.52 (m, 2H), 8.04 (s, 1H), 8.16 (m, 1H). LC-MS: m/z= 277.1 (M+H)。
化合物22:2−(2−クロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド
N’−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド(I−17)
Figure 0006927959
水(2.0ml)中のO−プロピルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.28g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(0.58g)の攪拌溶液に、2N NaOH溶液(1.23ml)を室温で滴下して加え、24時間撹拌した。N’−(プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成をLCMS分析によって確認した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をエタノール(15ml)に溶解した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、N’−(プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 132.9 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物22)
Figure 0006927959
エタノール(10ml)中のN’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド溶液に、2−クロロベンズアルデヒド(0.35g)を滴下して加え、室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製し、25mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で3.9%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.88 (t, 3H), 1.58 (m, 2H), 3.66 (t, 2H), 5.75 (s broad, 2H), 7.29 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 8.10 (m, 2H), 10.45 (s broad, 2H). LC-MS: m/z= 255.1 (M+H)。
化合物23:2−(2−クロロベンジリデン)−N−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−(2−エトキシエトキシ)−1,3−ジメチリデン−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(I−18)
Figure 0006927959
N−ヒドロキシフタルイミド(4.0g)と1−ブロモ−2−エトキシエタン(11.25g)をDMF(40.0ml)に溶解し、この溶液にCH3COONa(10.0g)を室温で加えた。反応混合液を70℃で12時間攪拌した。反応混合液を室温まで冷却し、水に注ぎ、次に酢酸エチルで2回抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物はヘキサン中の0〜30%酢酸エチルで溶出した。純粋な生成物画分の溶媒を留去して、4.8gの2−(2−エトキシエトキシ)−1,3−ジメリデン−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(I−18)を得た(収率:83.3%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.98 (t, 3H),3.39 (q, 2H), 3.73 (t, 2H), 4.27 (t, 2H), 7.87 (s, 4H). LC-MS: m/z= 236.2 (M+H)。
1−(アミノオキシ)−2−エトキシエタン塩酸塩(I−19)
Figure 0006927959
メタノール(10ml)中の2−(2−エトキシエトキシ)−1,3−ジメチリデン−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(4.8g)の攪拌溶液に、ヒドラジン水和物(1.32g)を室温で滴下して加え、30分間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濾過して、不溶性の副生成物を除去した。濾液を減圧下で低温で濃縮し、エーテルで粉砕し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液にジオキサン中4N HCl(10.2ml)を滴下して加え、沈殿した塩を濾過して集め乾燥させて、2.0gの1−(アミノオキシ)−2−エトキシエタン塩酸塩を得た(収率:モノ塩酸塩塩として69.4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.11 (t, 3H), 3.44 (q, 2H), 3.59 (m, 2H), 4.14 (m, 2H), 11.02 (s broad, 2H). LC-MS: m/z= 106.1 (M+H)。
N’−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−20)
Figure 0006927959
水(2.1ml)中の1−(アミノオキシ)−2−エトキシエタン塩酸塩(0.6g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(0.99g)の撹拌溶液に、1N NaOH溶液(4.23ml)を室温で滴下して加え、48時間攪拌した。N’−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成をLCMS分析によって確認した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をエタノール(10ml)に溶解した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、N’−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 163.0 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物23)
Figure 0006927959
エタノール(5ml)中のN’−(2−エトキシエトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの溶液に2−クロロベンズアルデヒド(0.59g)を滴下して加え、室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製して、19mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で1.8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.24 (t, 3H), 3.48 (q, 2H), 3.56 (m, 2H), 3.83 (m, 2H), 5.80 (s broad, 2H), 7.43 (m, 1H), 8.12 (m, 1H), 8.17 (s, 1H), 10.50 (s broad, 2H). LC-MS: m/z= 285.0 (M+H)。
化合物24:2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−21)
Figure 0006927959
DMF(30ml)中のN−ヒドロキシフタルイミド(9.85g)と1−ブロモ−3−メチルブテン(9.0g)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(12.13g)を室温で滴下して加えた。反応混合液を70℃で2時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した。混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣を冷水に懸濁した。得られた懸濁液をしばらくよく攪拌し、固体を減圧下で濾過した。固体を更に脱塩水(200ml)及びヘキサン(100ml)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥させて粗生成物を得て、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製して、9.0gの2−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]−1H−イソインドール−1、3(2H)−ジオンを得た(収率:64.5%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.70 (d, 6H), 4.63 (m, 2H), 5.45 (m, 1H), 7.87 (s, 4H). LC-MS: m/z= 232.1 (M+H)。
1−(アミノオキシ)−3−メチルブタ−2−エン塩酸塩(I−22)
Figure 0006927959
メタノール(120ml)中の2−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(9.0g)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(2.52g)を室温で滴下して加えた。反応混合液を同じ温度で30分間撹拌した。反応混合液を濾過して不溶性の副生成物を除去し、得られた濾液を減圧下で濃縮して粗物質を得て、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。粗生成物をエーテルで粉砕し、不溶性塊を濾過により除去した。濾液をジオキサン中の4M HCl(19ml)を滴下して処理し、沈殿物を濾過し、集め、真空下で乾燥させて、2.9gの1−(アミノオキシ)−3−メチルブタ−2−エン塩酸塩を得た(収率73.6%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.70 (s, 3H), 1.75 (s, 3H), 1.65 (m, 1H), 4.50 (d, 2H), 5.30 (t, 1H), 10.89 (s, 3H)。
N’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−23)
Figure 0006927959
水(3ml)中の1−(アミノオキシ)−3−メチルブタ−2−エン塩酸塩(0.5g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(0.85g)の撹拌溶液に、1N NaOH溶液(3.63ml)を室温で滴下して加え 48時間攪拌した。次に反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をエタノール(15ml)に懸濁し、不溶性の無機塩を濾過により除去した。濾液を濃縮し、更に処理することなく直接次の工程に使用した。N’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドをLCMS分析により確認した。LC-MS: m/z= 159.15 (M+H)。
2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物24)
Figure 0006927959
エタノール(3ml)中のN’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドの溶液に、2−クロロベンズアルデヒド(0.5g)を室温で滴下して加え、90℃で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製して、139mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N’−[(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)オキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で13.5%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.64 (s, 3H), 1.71 (s, 3H), 3.17 (s, 1H), 4.25 (d, 2H), 5.39 (t, 1H), 5.75 (s broad, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 8.10 (m, 1H), 8.15 (m, 1H), 8.17 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 281.2 (M+H)。
化合物25:2−(2−クロロベンジリデン)−N−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド
2−ブロモエチルエチルスルフィド(I−24)
Figure 0006927959
ジクロロメタン(100ml)中の2−(エチルスルファニル)エタノールの溶液にPBr3(10ml)を0℃で滴下して加え、2時間撹拌した。次に反応混合液を室温まで温め、16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却し、10mlの水を加えた。次に反応混合液を飽和Na2CO3溶液で中和し(Ph約7まで)、ジクロロメタン(3×250ml)で抽出した。有機層を分離し、合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、13.0gの2−ブロモエチルエチルスルフィドを得た(収率:72.7%)。1H-NMR (CDCl3): δ (ppm) 1.30 (t, 3H), 2.62 (q, 2H), 2.97 (m, 2H), 3.50 (m, 2H)。
2−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−25)
Figure 0006927959
N−ヒドロキシフタルイミド(3.9g)と2−ブロモエチルエチルスルフィド(12.1g)をDMF(40.0ml)に溶解し、この溶液にCH3COONa(9.7g)を室温で少しずつ加えた。反応混合液を70℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温まで冷却し、冷水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。6.0gの2−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(I−25)を得た(収率98%)。1H-NMR (CDCl3): δ (ppm) 1.29 (t, 3H), 2.63 (q, 2H), 2.94 (t, 2H), 4.36 (t, 2H), 7.77 (m, 2H), 7.86 (m, 2H)。
1−(アミノオキシ)−2−(エチルスルファニル)エタン塩酸塩(I−26)
Figure 0006927959
メタノール(10ml)中の2−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.0g)の撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(0.25g)を室温で滴下して加えた。反応混合液を同じ温度で30分間撹拌した。反応混合液を濾過して不溶性の副生成物を除去し、得られた濾液を減圧下で濃縮し、次にDCMに溶解し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮し、次に粗生成物をエーテルで粉砕し、不溶性塊を濾過により除去した。濾液にジオキサン中の4M HCl(2ml)を滴下して処理した。次に溶媒を留去して、残渣をジエチルエーテルで粉砕して、454mgの1−(アミノオキシ)−2−(エチルスルファニル)エタン塩酸塩を得た(収率72.5%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.18 (s, 3H), 2.53 (m, 2H), 2.79 (t, 2H), 4.16 (t, 2H), 11.14 (s broad, 3H)。
N’−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−27)
Figure 0006927959
水(5ml)中の1−(アミノオキシ)−2−(エチルスルファニル)エタン塩酸塩(0.5g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(0.7g)の撹拌溶液に、1N NaOH溶液(2.88ml)を室温で滴下して加え、48時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をエタノール(15ml)に溶解した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、N’−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。
2−(2−クロロベンジリデン)−N−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物25)
Figure 0006927959
エタノール(5ml)中のN’−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドの溶液に、2−クロロベンズアルデヒド(0.4g)を滴下して加え、室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製して、15mgの2−(2−クロロベンジリデン)−N−[2−(エチルスルファニル)エトキシ]ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で1.5%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.90 (t, 3H), 2.54 (q, 2H), 2.75 (t, 2H), 3.85 (t, 2H), 5.84 (s broad, 2H), 7.30 (m, 2H), 7.44 (m, 1H), 8.12 (m, 1H), 8.16 (s, 1H), 10.50 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 301.9 (M+H)。
化合物26:2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]−N−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
エタノール(5ml)及び酢酸ナトリウム(0.42g)中の1当量のN’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−16)の溶液に、3−クロロイソニコチンアルデヒド(0.72g)を室温で滴下して加え、80℃で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製して、184mgの2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]−N−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で15%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.19 (t, 3H), 3.79 (q, 2H), 5.96 (s broad, 2H), 8.05 (s, 1H), 8.11 (d, 1H), 8.41 (s, 1H), 10.89 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 242.0 (M+H)。
化合物27:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
エタノール(5ml)及び酢酸ナトリウム(0.42g)中の1当量のN’−(2−エトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−16)の溶液に、2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(0.81g)を室温で滴下して加え、80℃で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をクロマトグラフィーにより更に精製して、215mgの2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で17.2%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 1.17 (m, 3H), 3.78 (q, 2H), 5.48 (s broad, 2H), 7.30 (m, 3H), 8.01 (s, 1H), 10.54 (s broad, 1H). LC-MS: m/z= 258.9 (M+H)。
化合物28:N’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド
N’−ブトキシキシヒドラジンカルボキシミドアミド(I−28)
Figure 0006927959
水(5.0ml)中のO−ブチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1g)とs−メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩(1.86g)の撹拌溶液に、2N NaOH溶液(4.0ml)を室温で滴下して加え、24時間撹拌した。N’−(ブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドの生成をLCMS分析によって確認した。混合液を減圧下で濃縮し、こうして得られた残渣をエタノール(30ml)に溶解した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、N’−(プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミドを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。LC-MS: m/z= 146.9 (M+H)。
N’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド(化合物28)
Figure 0006927959
化合物28を、化合物22と同じ手順に従って、2−クロロベンズアルデヒド(1.13g)とN’−(2−ブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−28)から調製して、202mgのN’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.91 (q, 3H), 1.35 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 3.73 (t, 2H), 5.22 and 5.74 (2 s, 2H), 7.30 (m, 2H), 7.43 (m, 1H), 8.11 and 8.53 (m and s, 2H), 10.30 and 10.45 (s and s broad, 1H). LC-MS: m/z= 269.0 (M+H)。
化合物29:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N’−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
化合物19を、化合物17と同じ手順に従って、2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(1.89g)とN’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−17)から調製して、192mgの2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N’−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で5.1%)。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.90 (t, 3H), 1.59 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 4.97 and 5.47 (2s, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.31 (m, 1H), 8.01 and 8.40 (2s, 1H), 10.43 and 10.55 (s and s broad, 1H). LC-MS: m/z= 273.0 (M+H)。
化合物30:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N’−ブトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
化合物30を、化合物29と同じ手順に従って、2−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(1.26g)とN’−(2−ブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−28)から調製して、125mgのN’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で4.8%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.90 (t, 3H), 1.35 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 3.72 (m, 2H), 7.26 (m, 1H), 7.35 (m, 2H), 8.10 and 8.40 (2s, 1H), 10.41 and 10.56 (s and s broad, 1H). LC-MS: m/z= 287.0 (M+H)。
化合物31:2−(2,6−ジクロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
化合物31を、化合物17と同じ手順に従って、2,6−ジクロロベンズアルデヒド(1.56g)とN’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−17)から調製して、127mgの2−(2−クロロ−6−フルオロベンジリデン)−N’−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で4.9%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.90 (t, 3H), 1.59 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 4.96 and 5.46 (2s broad, 2H), 7.34 (m, 1H), 7.51 (m, 2H), 8.03 and 8.41 (2s, 1H), 10.43 and 10.52 (2s broad, 1H). LC-MS: m/z= 290.9 (M+H)。
化合物32:2−(2,6−ジクロロベンジリデン)−N−ブトキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
化合物32を、化合物22と同じ手順に従って、2,6−ジクロロベンズアルデヒド(1.38g)とN’−(2−ブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−28)から調製して、202mgのN’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で8.4%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.92 (m, 3H), 1.35 (m, 2H), 1.58 (m, 2H), 3.72 (m, 2H), 4.95 and 5.41 (2s, 2H), 7.34 (m, 1H), 7.51 (m, 2H), 8.03 and 8.41 (2s, 1H), 10.42 and 10.52 (2s broad, 1H). LC-MS: m/z= 303.0 (M+H)。
化合物33:2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド
Figure 0006927959
化合物33を、化合物17と同じ手順に従って、3−クロロイソニコチンアルデヒド(1.69g)とN’−(2−プロポキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド(I−17)から調製して、240mgの2−(2−クロロ−6−(2−フルオロベンジリデン)−N’−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミドを得た(収率:2工程で7.9%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 0.90 (t, 3H), 1.60 (m, 2H), 3.69 (t, 2H), 5.94 (s, 2H), 8.04 (s, 1H), 8.11 (d, 1H), 8.41 (d, 1H), 8.57 (s, 1H), 10.91 s broad, 1H). LC-MS: m/z= 255.9 (M+H)。
本発明の選択された化合物を以下の表1に示す:
Figure 0006927959

Figure 0006927959

Figure 0006927959

Figure 0006927959
以下のいくつかの実験では、これらの化合物の塩を使用することができる。例えば、酢酸と形成された実施例1の酢酸塩を使用することができる。
1.2−孵化鶏卵
ホワイトレグホンの受精卵を、38℃、相対湿度60%で9日間インキュベートした。この時点(E9)で、卵殻を貫通する小さな穴を空気袋に穿孔することによって漿尿膜(CAM)を落とし、CAMの上の卵殻に1cm2の窓を開けた。
1.3−腫瘍誘導
培養した神経膠芽腫細胞株GL261をトリプシン処理により分離し、完全培地で洗浄し、印を付け、無血清DMEMに懸濁した。GL261細胞の接種物を各卵のCAM上に添加した。次に、卵を6群で無作為化した。
1.4−処理
10日目(E10)に腫瘍が検出され始めた。腫瘍の上に100μlの試験化合物(100nM)、テモゾロミド(500μM)、試験化合物(100nM)とテモゾロミド(500μM)、又は対照(0.02%DMSO)を滴下することにより、10日間、2日毎(E10、E12、E14、E16、E18)に処理した。
1.5−腫瘍増殖分析
E19日に、CAMの上部を取り出し、PBS中に移し、次に正常なCAM組織から腫瘍を注意深く切り取った。次に、腫瘍に秤量した。並行して、下部CAMの1cm2部分を集めて、発現細胞を含む小瘤の数を評価した。蛍光性小瘤は、固定組織のマウント全体を使用してその場で可視化して、中空ガラススライドと厚いカバーガラスとの間で平らにした。小瘤を数えるために、下部のCAMの断片の完全な視覚スキャンを、蛍光顕微鏡を用いて行った。
2−結果
神経膠芽腫細胞株GL261を、ホワイトレグホンの受精卵の漿尿膜(CAM)に移植した。試験化合物(100mM)、テモゾロミド(500μM)、又は試験化合物(100nM)とテモゾロミド(500μM)を用いて、2日毎に腫瘍を処理した。対照として、腫瘍を0.02%DMSOで処理した。各条件について7個から18個の卵を処理した。
テモゾロミド単独(500μM)は、対照と比較して、腫瘍重量(mg)の低下により証明されるように、GL261腫瘍サイズを低下させることができる。
化合物1(グアナベンズ)単独(100nM)は、腫瘍サイズを低下させる効果がない。化合物1(100nM)とテモゾロミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物1単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図1)。
化合物2(2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド)単独(100nM)は腫瘍サイズを低下させる。化合物2(100nM)とテモゾリミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物2単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図2)。
化合物3(2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩)単独(100nM)は、腫瘍サイズを低下させる効果がないか又は弱い。化合物3(100nM)とテモゾロミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物3単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図1)。
化合物6(2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩)単独(100nM)は、腫瘍サイズを低下させる効果がない。化合物6(100nM)とテモゾロミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物6単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図2)。
化合物11(2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩)単独(100nM)は腫瘍サイズを低下させる。化合物11(100nM)及びテモゾロミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物11単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図2)。
化合物15(2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド)単独(100nM)は、腫瘍サイズを低下させる。化合物15(100nM)とテモゾロミド(500μM)を併用すると、テモゾロミド単独又は化合物15単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図2)。
化合物22(100nM)とテモゾリミド(500μM)との併用は、テモゾロミドと比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを低下させる相乗効果がある(図1)。
化合物16、20、25、26、28、29、及び33単独(100nM)は、腫瘍サイズを低下させることによって抗神経膠腫活性を示す。テモゾロミド(500μM)と組合せた化合物16、20、25、26、28、29、又は33は、テモゾロミド単独と比較して、又は化合物16、20、25、26、28、29、又は33単独と比較して、上部CAM上の腫瘍サイズを更に低下させる(図3)。
試験化合物による顕著な毒性は観察されず、ニワトリ胚の生存は全ての処理について同様であった。
結果は以下の表に要約される。
Figure 0006927959
Figure 0006927959
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明の様々な修飾及び改変が当業者には明らかであろう。本発明は特定の好適な実施態様に関連して記載されているが、特許請求される本発明はそのような特定の実施態様に不当に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、関連分野の当業者には自明である本発明を実施するための記載された方法の様々な修飾は、本発明に包含されることが意図される。

Claims (12)

  1. 以下の化合物:
    Figure 0006927959
    Figure 0006927959
    、その互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩、又はその遊離形態である第1の活性薬剤であって、経口、静脈内、硬膜外、大脳内、又は脳室内の経路で投与される第1の活性薬剤と、
    テモゾロミド又はその薬学的に許容される塩である第2の活性薬剤との、増殖性疾患の治療及び/又は予防のための組合せ医薬であって、
    前記第1及び第2の活性薬剤は、同時に、別々に、又は逐次的に使用される、組合せ医薬。
  2. 前記第1の活性薬剤が経口経路で投与される、請求項1に記載の組合せ医薬。
  3. 前記第2の活性薬剤が経口又は静脈内の経路で投与される、請求項1又は2に記載の組合せ医薬。
  4. 前記第1及び第2の活性薬剤が経口経路で投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組合せ医薬。
  5. 前記第1及び第2の活性薬剤が同じ経口投与形態で経口投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組合せ医薬。
  6. 前記第1の活性薬剤が、2−(2−クロロベンジリデン)−N−プロポキシヒドラジンカルボキシミドアミド、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組合せ医薬。
  7. 前記第1の活性薬剤が、2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド、2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、2−(2−クロロベンジリデン)−N’−エトキシヒドラジンカルボキシミドアミド、N’−ブトキシ−2−(2−クロロベンジリデン)ヒドラジンカルボキシミドアミド、2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチリデン]ヒドラジンカルボキシミドアミド酢酸塩、2−(2−クロロベンジル)−N’−(3−メチルブトキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド蟻酸塩、及び2−(2−クロロベンジリデン)−N’−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)ヒドラジンカルボキシミドアミド、又はその薬学的に許容される塩、又はその遊離形態から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組合せ医薬。
  8. 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩
    Figure 0006927959
    [式中、
    Halは、Cl、F、Br、又はIであり;
    Wは、CR4又は−N=であり;
    Xは、CR1又は−N=であり;
    Yは、CR2又は−N=であり;
    Zは、CR3又は−N=であり;
    R1は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
    R2は、H、Hal、アルキル、O−アルキル、及びC(O)R6から選択され;
    R3は、H、Hal、アルキル、O−アルキルから選択され;
    R4は、H、Cl、F、Br、又はIから選択され;
    R5は、O−R7、又はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールから選択され、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており;
    R6は、OH、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH、NH−アルキル、N(アルキル)、CF、アルキル、及びアルコキシから選択され;
    R7は、H、又はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、C(O)−アルキル、及びC(O)−アリールであり、その各々は1つ以上のR8基で場合により置換されており
    R8は、H、OH、=O、CN、COO−アルキル、アラルキル、ヘテロシクリル、SO−アルキル、S−アルキル、SO−アルキル、SO−アリール、COOH、CO−アルキル、CO−アリール、NH、NH−アルキル、N(アルキル)、CF、アルキル、及びアルコキシからなる群から選択される]
    である第1の活性薬剤であって、経口、静脈内、硬膜外、大脳内、又は脳室内の経路で投与される第1の活性薬剤と、
    テモゾロミド、又はその薬学的に許容される塩である第2の活性薬剤との、神経膠腫を予防または治療するための、又は神経膠腫の影響を緩和するため組合せ医薬であって、
    前記第1及び第2の活性薬剤は、同時に、別々に、又は逐次的に使用される、組合せ医薬。
  9. 前記第1及び第2の活性薬剤は、請求項1〜7のいずれか1項で定義されたものである、請求項8に記載の組合せ医薬。
  10. 前記神経膠腫は多形性神経膠芽腫である、請求項8又は9に記載の組合せ医薬。
  11. 以下の化合物:
    Figure 0006927959
    Figure 0006927959
    、その互変異性体、薬学的に許容される塩、及びその遊離形態からなる群から選択される第1の活性薬剤であって、経口、静脈内、硬膜外、大脳内、又は脳室内の経路で投与される、第1の活性薬剤と、
    テモゾロミド又はその薬学的に許容される塩である第2の活性薬剤と、
    薬学的に許容される担体と、
    を含む、増殖性疾患の治療及び/又は予防のための組合せ医薬。
  12. 前記第1及び第2の活性薬剤が、請求項1〜7のいずれか1項で定義されたものである、請求項11に記載の医薬組成物。
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